JP2011156852A - 光触媒塗装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】2層形成するだけで、光触媒機能と退色しにくい石目調の意匠を同時に付与しうる光触媒塗装体を提供すること。
【解決手段】 基材と、該基材上に設けられる中間層と、該中間層上に設けられた透明な光触媒層とを備えた光触媒塗装体であって、前記中間層は、シリコーン変性樹脂マトリックス中に着色合成雲母粉が分散されており、前記着色合成雲母粉は、その表面が有機顔料を含むレジンで被覆されており、さらにその表面にシリコーン変性樹脂層が形成されていることを特徴とする石目調の光触媒塗装体。
【選択図】なし

Description

本発明は、石目調の意匠を有する光触媒塗装体に関する。
酸化チタンなどの光触媒が、近年建築物の外装材、内装材など多くの用途において利用されている。外装用途については、基材表面に光触媒を塗装することにより、光エネルギーを利用してNO、SO等の有害物質の分解機能を付与することが可能となる。また内装用途についても、光エネルギーを利用してVOC等の有害物質の分解機能を付与することが可能となる。
このような光触媒塗装体において、退色することなく石目調の意匠や光輝性の意匠を形成する技術としては、従来、基材の表面に着色塗膜、光輝材含有クリア塗膜、無機クリア塗膜、光触媒含有無機クリア塗膜が、順次形成され、 前記光輝材含有クリア塗膜が、着色塗膜の表面の一部又は全部に光輝材を含有するアクリル系又はアクリルシリコン系水性樹脂エマルション塗料を塗布成膜して形成され、且つ光輝材を1.4重量%〜12.5質量%の範囲で含有するものであることを特徴とする建築材が知られている(特開2009−143016号)。
特開2009−143016号公報
しかし、上記方法では、着色塗膜上に、光輝材含有クリア塗膜、無機クリア塗膜、光触媒含有無機クリア塗膜と3層形成する必要があり、工数とコストがかかる。
そこで、本発明では、2層形成するだけで、光触媒機能と退色しにくい石目調の意匠を同時に付与しうる光触媒塗装体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明による光触媒塗装体は、基材と、透明な光触媒層と、前記基材および前記光触媒層との間に介在し前記光触媒層の下方に接するように設けられた中間層と、を備えた光触媒塗装体であって、前記中間層は、シリコーン変性樹脂マトリックス中に着色合成雲母粉が分散されており、前記着色合成雲母粉は、その表面が有機顔料を含むレジンで被覆されており、さらにその表面にシリコーン変性樹脂層が形成されていることを特徴とする石目調の光触媒塗装体である。
光触媒塗装体
本発明による光触媒塗装体は、本発明による光触媒塗装体は、基材と、透明な光触媒層と、前記基材および前記光触媒層との間に介在し前記光触媒層の下方に接するように設けられた中間層と、を備えた光触媒塗装体であって、前記中間層は、シリコーン変性樹脂マトリックス中に着色合成雲母粉が分散されており、前記着色合成雲母粉は、その表面が有機顔料を含むレジンで被覆されており、さらにその表面にシリコーン変性樹脂層が形成されていることを特徴とする石目調の光触媒塗装体である。
着色合成雲母粉にシリコーン変性樹脂層を形成して中間層に配合することにより、光触媒層がガス分解機能等の光触媒機能を発揮しつつ、その間に雲母粉における有機顔料が劣化することを有効に防止することが可能となり、退色しにくい石目調の意匠を維持可能となる。
本発明の好ましい形態においては、前記シリコーン変性樹脂層を構成するシリコーン変性樹脂と、前記シリコーン変性樹脂マトリックスを構成するシリコーン変性樹脂は、略同一の組成を有するようにする。
そうすることで、マトリックスと着色合成雲母粉との密着性が向上し、より退色しにくくなる。
本発明の好ましい形態においては、前記シリコーン変性樹脂層中に含有されるシリコン含有量は、前記シリコーン変性樹脂マトリックスに含有されるシリコン含有量より大きいようにする。
そうすることで、着色合成雲母粉中の退色劣化はより生じにくくなる。
中間層
本発明の中間層は、基材および光触媒層との間に介在し光触媒層の下方に接するように設けられ、シリコーン変性樹脂マトリックス中に着色合成雲母粉が分散されている。この着色合成雲母粉は、その表面が有機顔料を含むレジンで被覆されており、さらにその表面にシリコーン変性樹脂層が形成されている。
本発明の好ましい形態においては、シリコーン変性樹脂マトリックスを構成するシリコーン変性樹脂中のシロキサン(Si−O)含有量は、前記シリコーン変性樹脂の固形分に対して0.4質量%以上33質量%未満、より好ましくは12質量%以上33質量%未満であるようにする。
そうすることにより、中間層における紫外線に対する耐候性、光触媒による浸食を充分に抑制することができるとともに、クラックの発生を抑制できる。
ここでシリコーン変性樹脂中のケイ素原子含有量は、X線光電子分光分析装置(XPS)による化学分析によって測定することができる。
シリコーン変性樹脂としては、樹脂中にポリシロキサンを含むシリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性ポリエステル等が好適に利用できる。
シリコーン変性樹脂マトリックスは、シリコーン変性樹脂の水分散体を基材に塗布後硬化させて形成させるのが好ましい。このような水性分散体としては、例えば、50−200nm程度のシロキサンを含む樹脂系コロイダルディスパージョンや硬化性シリコーン変性樹脂エマルジョン等が好適に利用できる。
樹脂系コロイダルディスパージョンとしては、シリル基を有するアクリル等の重合体セグメントと、珪素原子に結合した水酸基を有する分岐したポリシロキサン・セグメントとが複合化している複合樹脂から構成される水分散体等が好適に利用できる。
硬化性シリコーン変性樹脂エマルジョンを用いる場合は、硬化反応には、加水分解・縮合反応、光重合反応等が好適に利用できる。
硬化反応が加水分解・縮合反応の場合には、官能基としてアルコキシド基を有し、加水分解・縮合反応によりシロキサン結合を生成する硬化性シリコーンエマルジョンが好適に利用できる。
硬化性シリコーンエマルジョンには、上記硬化反応を生じる官能基の他に、乳化重合による有機架橋部が存在する。
有機架橋部は、ビニル基とビニル基が重合したエチレン架橋部のようなラジカル重合により生成した架橋部が好適に利用できる。ラジカル重合により生成した架橋部であれば、特に炭化水素基に限定されず、種々の変性基の組合せが好適に利用可能である。
硬化性シリコーンエマルジョンには、上記硬化反応を生じる官能基、有機架橋部以外に珪素原子に結合する有機基が存在してもよい。ここで、有機基としては、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基等の炭化水素基や、その水素の一部が変性基に置換された有機基が挙げられる。ここで、変性基としては、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、アクリル基、エポキシ基等が好適に利用できる。
次に、エマルジョンの乳化剤として使用される界面活性剤について述べる。界面活性剤としては、従来公知のノニオン系、カチオン系、アニオン系各種界面活性剤、及びラジカル重合可能な官能基を含有する反応性乳化剤が適用可能である。更に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステルなどのノニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライドなどのカチオン系界面活性剤、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルフォン酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩などのアニオン系界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型などの両性イオン型界面活性剤、特開平8−27347号公報中に記されている分子中にスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン鎖、第4級アンモニウム塩などの親水性基を含有するラジカル重合可能な(メタ)アクリレート、スチレン、マレイン酸エステル化合物などの誘導体を含む各種反応性界面活性剤を示すことができる。
これらの界面活性剤は1種又は2種以上を使用してもよい。界面活性剤は、エマルジョン中の樹脂固形分の0.5重量%〜15重量%使用するのが好ましく、特には1重量%〜10重量%使用するのがよい。
本発明の着色合成雲母粉は、その表面が有機顔料を含むレジンで被覆されており、されにその表面にシリコーン変性樹脂層が形成されている。
ここで、有機顔料としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料、ニッケルアゾイエロー等のアゾ系、チオイシジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の染顔料、アンスラキン系、複素環系、メチル系の染顔料の染顔料等が好適に利用できる。
レジンとしては、アクリル系バインダーレジン、エポキシ系バインダーレジン、ウレタン系バインダーレジンが好適に利用できる。
さらに、レジン中には紫外線吸収剤(UVA)が添加されていてもよい。
ここで紫外線吸収剤(UVA)としては、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系紫外線吸収剤を好適に利用することができる。
上記ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリルオキシベンゾフェノン、オクタベンゾン、及び2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノン等の重合性のベンゾフェノン系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物などが好適に利用できる。
上記ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物、イソオクチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−3−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシプロピル−3−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−〔3’−(2”−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル〕フェニルプロピオネート等の重合性のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物が好適に利用できる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物が好適に利用できる。
さらに、レジン中には、ヒンダードアミン系及び/又はヒンダードフェノール系等の光安定剤を更に含有させてもよい。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、および1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどの重合性のヒンダードアミン系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物が好適に利用できる
また、ヒンダードフェノール系光安定剤の具体例としては、ビス(3,5−tert−ブチル)−4−ヒドロキシトルエンが好適に利用できる。
着色合成雲母粉の大きさは、径方向には0.1mm〜5mmが好ましく、厚さ方向には0.4μm〜10μmが好ましい。径方向が上記サイズであることで意匠の視認性および美観が向上する。また、厚さ方向が上記サイズであることで、意匠の視認性と中間層の性状の安定性のバランスが良好となる。
また、シリコーン変性樹脂マトリックスに対する着色合成雲母粉の配合量は、意匠によって適宜決定されてよい。好ましくは1質量%〜50質量%がよく、さらに好ましくは3質量%〜30質量%である。
さらに、シリコーン変性樹脂層の厚みは、0.1μm以上10μm未満が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以上1μm未満である。
本発明の好ましい形態においては、前記シリコーン変性樹脂層中に含有されるシロキサン(Si−O)含有量は、前記シリコーン変性樹脂の固形分に対して0.4質量%以上33質量%未満、より好ましくは12質量%以上33質量%未満であるようにする。
そうすることにより、中間層における紫外線に対する耐候性、光触媒による浸食を充分に抑制することができるとともに、クラックの発生を抑制できる。
ここでシリコーン変性樹脂中のケイ素原子含有量は、X線光電子分光分析装置(XPS)による化学分析によって測定することができる。
シリコーン変性樹脂としては、樹脂中にポリシロキサンを含むシリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性ポリエステル等が好適に利用できる。
中間層の乾燥膜厚は特に限定されるものでは無いが、好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは3μm〜50μmである。1μmより大きいことで、光触媒による中間層および基材の劣化抑制効果に優れ、100μmより薄いことで、乾燥後に微細なクラックが発生しにくくなる。
本発明の好ましい形態においては、中間層の添加成分として紫外線吸収剤(UVA)が添加されるようにする。ここで紫外線吸収剤(UVA)としては、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系紫外線吸収剤を好適に利用することができる。
上記紫外線吸収剤の中でも、とりわけ、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましく、より好ましくはヒドロキシフェニルトリアジン化合物である。
さらに好ましくは、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物を、前記中間層に対して0.1質量%以上10質量%未満含有されているようにする。
上記範囲とすることで、着色合成雲母粉中の退色劣化はより生じにくくなる。
本発明において用いられるヒドロキシフェニルトリアジン化合物は、ヒドロキシフェニルトリアジンおよび/または下記一般式(化1)に示される基本骨格を有するヒドロキシフェニルトリアジンの誘導体であり、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を好適に利用することができる。
Figure 2011156852
本発明の好ましい形態においては、ヒンダードアミン系及び/又はヒンダードフェノール系等の光安定剤を更に含有させる。より好ましくはヒンダードアミンが含有されているようにする。光安定剤としてヒンダードアミンを含有させることで、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物による380nm未満の短波長の紫外線の吸収性能が安定する。
中間層には任意成分として、体質顔料、上記着色合成雲母粉以外の着色顔料、防藻剤等を配合することも可能である。
体質顔料としては、例えば、酸化チタンウイスカー、炭酸カルシウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、マイカ、タルク等が好適に利用できる。
着色顔料には、例えば、酸化チタン白、酸化亜鉛白酸化鉄、カーボンブラック、スピネルグリーン、ベンガラ、アルミン酸コバルト、群青等の無機着色顔料やフタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アゾ系、アンスラキノン系、キノフタロン系、アンスラピリジニン系、キナクリドン系、トルイジン系、ピラスロン系、ペリレン系等の有機着色顔料が好適に利用できる。
防藻剤としては、中間層の樹脂成分と相溶性が良好な有機防カビ剤が好適に利用可能であり、例えば、有機窒素硫黄系化合物、ピリチオン系化合物、有機ヨウ素化合物、トリアジン系化合物、イソチアゾリン系化合物、イミダゾール系化合物、ピリジン系化合物、ニトリル系化合物、チオカーバメート系化合物、チアゾール系化合物、ジスルフィド系化合物等が好適に利用できる。
中間層は、中間層コーティング液を、前記基材上に塗布することにより簡単に製造することができる。中間層の塗装方法は、前記液剤を刷毛塗り、ローラー、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ディップコート、流し塗り、スクリーン印刷等、一般に広く行われている方法を利用できる。コーティング液の基材への塗布後は、常温乾燥させればよく、あるいは必要に応じて加熱乾燥してもよい。
中間層コーティング液の溶媒としては、上記構成成分を適切に分散可能なあらゆる溶媒が使用可能であり、水および/または有機溶媒であってよい。また、本発明の中間層塗装用液剤の固形分濃度は特に限定されないが、10質量%〜50質量%とするのが塗布し易い点で好ましい。なお、中間層コーティング液中の構成成分の分析は、樹脂成分に関しては赤外分光分析で評価することができる。
中間層コーティング液には、上記の他に顔料分散剤、消泡剤、酸化防止剤等の塗料用添加剤、塗料に通常含まれるその他成分を含有することができる。また、シリカ微粒子等の艶消し剤を含んでもよい。
光触媒層
本発明の光触媒層は、中間層上に設けられた透明な光触媒層である。ここで、光触媒層とは、光半導性を有する金属酸化物で構成される光触媒の粒子を含む層をいう。
光触媒粒子としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化セリウムのような金属酸化物の粒子が好適に利用可能である。
本発明の好ましい態様によれば、光触媒粒子が10nm以上100nm未満の平均粒径を有するのが好ましく、より好ましくは10nm以上60nm以下である。なお、この平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。
粒子の形状としては真球が最も良いが、略円形や楕円形でも良く、その場合の粒子の長さは((長径+短径)/2)として略算出される。この範囲内であると、耐候性、有害ガス分解性、および所望の各種被膜特性(透明性、塗膜強度等)が効率良く発揮される。
さらに光触媒層が透明であるためには、波長550nmにおいての光触媒層の直線透過率を90%以上、より好ましくは95%以上確保するとより好ましい。そうすることで下地の色味、意匠を損なうことなく表現することが可能となる。また透明度の高いガラスやプラスチックなどにコーティングしても透明性を損なわずに済む。
本発明の好ましい態様によれば、さらに高い光触媒能を発現するために、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、銅、銀、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属および/またはその金属からなる金属化合物を、光触媒層や光触媒層を形成するために中間層上に適用する光触媒コーティング液に添加することができる。この添加は、前記金属または金属化合物をコーティング液に混合し、溶解または分散させる方法、前記金属または金属化合物を光触媒層や光触媒粒子に担持する方法、などのいずれの方法によっても行うことができる。
本発明の好ましい形態においては、前記光触媒層中に含有される前記光触媒粒子の含有量が1質量%を超え20質量%未満、より好ましくは1質量%を超え5質量%未満であるようにする。
上記範囲とすることで、光触媒の分解機能を有効に発揮するとともに、着色合成雲母粉中の退色劣化はより生じにくくなる。
本発明の好ましい形態においては、前記光触媒層は通気性を有するようにする。
そうすることで、光触媒粒子と有害ガスの接触機会が増加し、優れた光触媒分解機能を発揮するようになる。
本発明の光触媒層は、通気性を確保するために、加水分解性シリコーンの縮重合物を実質的に含まないのが好ましく、より好ましくは全く含まない。ここで加水分解性シリコーンとは、アルコキシ基を有するオルガノシロキサンおよび/またはその部分加水分解縮合物の総称である。加水分解性シリコーンの縮重合物の含有量は、シリカ換算で光触媒粒子、無機酸化物粒子、および加水分解性シリコーンの縮重合物の合計量100質量部に対して、0質量部以上10質量部未満が好ましく、より好ましくは5質量部以下、最も好ましくは0質量部である。加水分解性シリコーンとしては、2〜4官能シランをモノマー単位とするシリコーン化合物がよく使用され、例えば、エチルシリケート、メチルシリケート、アルキル基含有シリコーン、フェニル基含有シリコーン等が好適に利用できる。
本発明の光触媒層は、通気性を確保するために、有機金属化合物の加水分解物の縮重合物を実質的に含まないのが好ましく、より好ましくは全く含まない。ここで有機金属化合物とは、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等の金属元素を含む金属アルコキシド、金属有機錯体等である。有機金属の加水分解物の縮重合物の含有量は、金属酸化物換算で光触媒粒子、無機酸化物粒子、および加水分解性シリコーンの合計量100質量部に対して、0質量部以上10質量部未満が好ましく、より好ましくは5質量部以下、最も好ましくは0質量部である。
本発明の光触媒層においては、任意成分として、加水分解性シリコーンの縮重合物、有機金属化合物の加水分解物よりなる群から選択される少なくとも1種を含んでなる。任意成分の含有量は、光触媒粒子と無機酸化物粒子と、これら任意成分の酸化物換算量との合計量100質量部に対して、0質量部以上10質量部未満であることが好ましく、より好ましくは5質量部以下、最も好ましくは0質量部である。
本発明の好ましい形態においては、前記光触媒層には、前記光触媒粒子以外に無機酸化物粒子が含まれているようにする。
光触媒粒子以外のバインダー成分の主成分を粒子状の無機酸化物とすることで、光触媒層に充分な通気性を確保でき、光触媒粒子と有害ガスの接触機会が増加し、優れた光触媒分解機能を発揮するようになる。
本発明では光触媒層中に無機酸化物粒子が含まれるのが好ましい。無機酸化物粒子は、光触媒粒子と共に層を形成可能な無機酸化物の粒子であれば特に限定されず、あらゆる種類の無機酸化物の粒子が使用可能である。そのような無機酸化物粒子の例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、酸化錫、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト、ハフニア等の単一酸化物の粒子;およびチタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の複合酸化物の粒子が挙げられ、より好ましくはシリカ粒子である。これら無機酸化物粒子は、水を分散媒とした水性コロイド;またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、もしくはエチレングリコールなどの親水性溶媒にコロイド状に分散させたオルガノゾルの形態であるのが好ましく、特に好ましくはコロイダルシリカである。
上記無機酸化物粒子は、5nmを超え50nm以下、好ましくは7nm以上40nm以下の平均粒径を有する。なお、この平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。粒子の形状としては真球が最も良いが、略円形や楕円形でも良く、その場合の粒子の長さは((長径+短径)/2)として略算出される。この範囲内であると、耐候性、有害ガス分解性、および所望の各種被膜特性(透明性、塗膜強度等)が効率良く発揮され、とりわけ透明で密着性が良好な光触媒層を得ることができるだけではなく、摺動磨耗に対して強固な膜を得ることができる。
本発明の好ましい形態においては、前記光触媒層が、1質量部を超え20質量部未満の光触媒粒子と、70質量部を超え99質量部未満の無機酸化物粒子と、任意成分として、加水分解性シリコーンの縮重合物、有機金属化合物の加水分解物の縮重合物の群から選ばれる少なくとも1種を0質量部以上10質量部未満とを、前記光触媒粒子、前記無機酸化物粒子、および前記任意成分の酸化物換算量の合計量が100質量部となるように含んでなるようにする。
そうすることで、光触媒粒子と有害ガスの接触機会が増加し、優れた光触媒の分解機能を有効に発揮するとともに、基材および中間層の耐候性を熱帯等での長期の使用にも耐えうる程度まで向上させることが可能となるとともに、光触媒による基材および中間層の劣化も抑制可能となる。
本発明の好ましい形態においては、前記光触媒層が、1質量部を超え5質量部未満の光触媒粒子と、85質量部を超え99質量部未満の無機酸化物粒子と、任意成分として、加水分解性シリコーンの縮重合物、有機金属化合物の加水分解物の縮重合物の群から選ばれる少なくとも1種を0質量部以上10質量部未満とを、前記光触媒粒子、前記無機酸化物粒子、および前記任意成分の酸化物換算量の合計量が100質量部となるように含んでなるようにする。
そうすることで、光触媒粒子と有害ガスの接触機会が増加し、優れた光触媒の分解機能を有効に発揮するとともに、基材および中間層の耐候性を熱帯等での長期の使用にも耐えうる程度まで向上させることが可能となるとともに、光触媒による基材および中間層の劣化も抑制可能となる。
光触媒層は、0.1μm以上5.0μm以下の膜厚を有するのが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3.0μm以下の膜厚であり、最も好ましくは1.0μm以上2.0μm以下である。このような範囲内であると、無機酸化物粒子よりも含有比率が低い光触媒粒子を膜厚方向に増加させることができるので、有害ガス分解性が向上する。さらには、透明性においても優れた特性が得られる。
光触媒ゾルの溶媒としては、上記構成成分を適切に分散可能なあらゆる溶媒が使用可能であり、水および/または有機溶媒であってよいが、水が特に好ましい。
本発明の光触媒塗装体は、光触媒粒子と溶媒とを含む光触媒コーティング液を、中間層を有する基材上に塗布することにより簡単に製造することができる。光触媒層の塗装方法は、前記液剤を刷毛塗り、ローラー、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ディップコート、流し塗り、スクリーン印刷等、一般に広く行われている方法を利用できる。コーティング液の基材への塗布後は、常温乾燥させればよく、あるいは必要に応じて加熱乾燥してもよい。
なお、光触媒コーティング液の溶媒としては、上記構成成分を適切に分散可能なあらゆる溶媒が使用可能であり、水および/または有機溶媒であってよい。また、光触媒コーティング液の固形分濃度は特に限定されないが、1重量%〜10質量%とするのが塗布し易い点で好ましい。なお、光触媒コーティング組成物中の構成成分の分析は、コーティング液を限外ろ過によって粒子成分と濾液に分離し、それぞれを赤外分光分析、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、蛍光X線分光分析などで分析し、スペクトルを解析することによって評価することができる。
光触媒コーティング液には任意成分として界面活性剤を含んでよい。本発明に用いる界面活性剤は、光触媒粒子、無機酸化物粒子、および加水分解性シリコーンの合計量100質量部に対して、0質量部以上10質量部未満光触媒層に含有されていてもよく、好ましくは0質量部以上8質量部以下であり、より好ましくは0質量部以上6質量部以下である。界面活性剤の効果の1つとして基材へのレベリング性があり、コーティング液と基材との組合せによって界面活性剤の量を先述の範囲内で適宜決めれば良く、その際の下限値は0.1質量部とされてよい。この界面活性剤は光触媒コーティング液の濡れ性を改善するために有効な成分であるが、塗布後に形成される光触媒層にあってはもはや本発明の光触媒塗装体の効果には寄与しない不可避不純物に相当する。したがって、光触媒コーティング液に要求される濡れ性に応じて、上記含有量範囲内において使用されてよく、濡れ性を問題にしないのであれば界面活性剤は実質的にあるいは一切含まなくてよい。使用すべき界面活性剤は、光触媒や無機酸化物粒子の分散安定性、中間層上に塗布した際の濡れ性を勘案し適宜選択されることができるが、非イオン性界面活性剤が好ましく、より好ましくは、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、ポリアルキレングリコール非イオン性界面活性剤、フッ素系非イオン性界面活性剤、シリコン系非イオン性界面活性剤が挙げられる。
基材
本発明に用いる基材は、その上に中間層が形成可能な材料であれば無機材料、有機材料を問わず種々の材料であってよく、その形状も限定されない。材料の観点からみた基材の好ましい例としては、金属、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、木、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの表面に少なくとも一層の被膜を有するものが挙げられる。用途の観点からみた基材の好ましい例としては、建材、建物外装および内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用遮音壁、鉄道用遮音壁、橋梁、ガードレ−ルの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、屋外用照明器具、台、浴室材、キッチンパネル、流し台、レンジ、換気扇、空調、フィルター、便器、浴槽及び上記物品表面に貼着させるためのフィルム、シート、シール等が挙げられる。
本発明を以下の例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
<塗装体試料の作製>
以下のようにして、実施例1、2および比較例1を作製した。
実施例1:
基材 :白色エナメル塗装基材
中間層:シロキサン含有量がシリコーン変性樹脂の固形分に対して30質量%のシリコーン変性アクリル樹脂エマルジョンに、着色合成雲母粉(その表面が青色の有機顔料を含むレジンで被覆されており、さらにその表面にシロキサン含有量がシリコーン変性樹脂の固形分に対して30質量%のシリコーン変性アクリル樹脂層が厚さ0.5μmで形成されている)を5質量%配合した、溶媒を水とする中間層コーティング液をスプレーコートし、120℃で乾燥し、膜厚30μmの中間層を形成した。
光触媒層:アナターゼ型酸化チタン水分散体(平均粒径:約50nm、分散剤:ジエチルアミン)と、水分散型コロイダルシリカ(平均粒径:約30nm、塩基性)とを混合して光触媒コーティング液を得た。光触媒コーティング液中の光触媒および無機酸化物の合計の固形分濃度は5.5質量%とした。得られた光触媒コーティング液をあらかじめ加熱した上記中間層塗装体上にスプレー塗布し、120℃で乾燥した。得られた光触媒層中の酸化チタンは2質量部、シリカは98質量部であった。また、光触媒層の膜厚は0.5μmであった。
実施例2:
基材 :白色エナメル塗装基材
中間層:シロキサン含有量がシリコーン変性樹脂の固形分に対して10質量%のシリコーン変性アクリル樹脂エマルジョンに、着色合成雲母粉(その表面が青色の有機顔料を含むレジンで被覆されており、さらにその表面にシロキサン含有量がシリコーン変性樹脂の固形分に対して30質量%のシリコーン変性アクリル樹脂層が厚さ0.5μmで形成されている)を5質量%配合した溶媒を水とする中間層コーティング液をスプレーコートし、120℃で乾燥し、膜厚30μmの中間層を形成した。
光触媒層:アナターゼ型酸化チタン水分散体(平均粒径:約50nm、分散剤:ジエチルアミン)と、水分散型コロイダルシリカ(平均粒径:約30nm、塩基性)とを混合して光触媒コーティング液を得た。光触媒コーティング液中の光触媒および無機酸化物の合計の固形分濃度は5.5質量%とした。得られた光触媒コーティング液をあらかじめ加熱した上記中間層塗装体上にスプレー塗布し、120℃で乾燥した。得られた光触媒層中の酸化チタンは2質量部、シリカは98質量部であった。また、光触媒層の膜厚は0.5μmであった。
比較例:
基材 :白色エナメル塗装基材
中間層:シロキサン含有量がシリコーン変性樹脂の固形分に対して30質量%のシリコーン変性アクリル樹脂エマルジョンに、着色合成雲母粉(その表面が青色の有機顔料を含むレジンで被覆されている)を5質量%配合した溶媒を水とする中間層コーティング液をスプレーコートし、120℃で乾燥し、膜厚30μmの中間層を形成した。
光触媒層:アナターゼ型酸化チタン水分散体(平均粒径:約50nm、分散剤:ジエチルアミン)と、水分散型コロイダルシリカ(平均粒径:約30nm、塩基性)とを混合して光触媒コーティング液を得た。光触媒コーティング液中の光触媒および無機酸化物の合計の固形分濃度は5.5質量%とした。得られた光触媒コーティング液をあらかじめ加熱した上記中間層塗装体上にスプレー塗布し、120℃で乾燥した。得られた光触媒層中の酸化チタンは2質量部、シリカは98質量部であった。また、光触媒層の膜厚は0.5μmであった。
<評価>
得られた試料について、光触媒によるNOx分解機能および耐候性試験前後の青色顔料の色落ちについて評価した。
光触媒によるNOx分解機能は、JISR1701−1「光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第1部:窒素酸化物の除去性能」の試験法で行った。結果は、ΔNOx量に応じて下記のように判定した。
◎:1.0をこえる
○:0.5〜1.0
×:0.5未満
耐候性試験前後の青色顔料の色落ちについては、30W/mのBLBによる光触媒分解活性、キセノンランプ(波長300〜400nmの放射照度80W/m)の照射と1%過酸化水素の噴霧の繰り返しによる長時間劣化加速試験を実施し、試験前後の色落ちを目視で観察し、
:色落ちがみられない、
×:色落ちが認められる、
という基準で評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2011156852

Claims (3)

  1. 基材と、透明な光触媒層と、前記基材および前記光触媒層との間に介在し前記光触媒層の下方に接するように設けられた中間層と、を備えた光触媒塗装体であって、
    前記中間層は、シリコーン変性樹脂マトリックス中に着色合成雲母粉が分散されており、
    前記着色合成雲母粉は、その表面が有機顔料を含むレジンで被覆されており、さらにその表面にシリコーン変性樹脂層が形成されている、ことを特徴とする石目調の光触媒塗装体。
  2. 前記シリコーン変性樹脂層を構成するシリコーン変性樹脂と、前記シリコーン変性樹脂マトリックスを構成するシリコーン変性樹脂は、略同一の組成を有することを特徴とする請求項1に記載の光触媒塗装体。
  3. 前記シリコーン変性樹脂層中に含有されるシリコン含有量は、前記シリコーン変性樹脂マトリックスに含有されるシリコン含有量より大きいことを特徴とする請求項1に記載の光触媒塗装体。
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