JP7054730B2 - 窒化物半導体積層物、半導体装置、および窒化物半導体積層物の製造方法 - Google Patents
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Description
基板と、
前記基板上に設けられ、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層上に設けられ、前記第1の窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層と、
を有し、
前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中における炭素の濃度は、前記電子供給層のうちの表面側の領域中における炭素の濃度よりも低く、
前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率は、1.2%以下である
窒化物半導体積層物、およびそれに関連する技術が提供される。
HEMTは、例えば、窒化ガリウム(GaN)からなる電子走行層と、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなる電子供給層と、を有する。HEMTでは、電子供給層の分極作用によって、電子走行層内のヘテロ接合界面付近に高濃度の2次元電子ガスが誘起される。二次元電子ガスを利用することで、HEMTにおいて高出力特性および高速応答性を得ることが可能となる。
その結果、電流コラプスが生じてしまう可能性がある。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず、図1を用い、本実施形態に係る窒化物半導体積層物について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る窒化物半導体積層物を示す断面図であり、(b)は、電子供給層の厚さ方向の位置に対する、電子供給層中の炭素の濃度を示す図である。
基板100は、電子走行層140および電子供給層160をエピタキシャル成長させる下地基板として構成され、本実施形態では、例えば、炭化シリコン(SiC)基板として構成されている。具体的には、基板100として、例えば、ポリタイプ4H又はポリタイプ6Hの半絶縁性SiC基板が用いられる。4H、6Hの数字はc軸方向の繰返し周期を示し、Hは六方晶を示している。なお、基板100の表面は、例えば、(0001)面(c面)とする。
電子走行層140は、基板100上に設けられ、例えば、電子走行層140のうちの核生成層の側に位置する領域が主に核生成層と電子供給層160との格子定数差を緩衝する緩衝層として機能するように構成され、電子走行層140のうちの電子供給層160側に位置する領域が後述する半導体装置20を駆動させたときに電子を走行させるよう構成されている。電子走行層140は、第1のIII族窒化物半導体からなり、本実施形態では、例えば、GaNを主成分として構成されている。また、電子走行層140の表面(上面)は、III族原子極性面(+c面)となっている。
電子供給層160は、電子走行層140上に設けられ、電子走行層140内に2次元電子ガスを生成させるとともに、電子走行層140内に2次元電子ガスを空間的に閉じ込めるよう構成されている。具体的には、電子供給層160は、電子走行層140を構成する第1のIII族窒化物半導体よりも広いバンドギャップと、第1のIII族窒化物半導体の格子定数よりも小さい格子定数とを有する第2のIII族窒化物半導体からなり、本実施形態では、例えば、AlxGa1-xN(ただし、0<x<1)を主成分として構成されている。また、電子供給層160の表面(上面)は、III族原子極性面(+c面)となっている。このような構成により、電子供給層160には、自発分極とピエゾ分極とが生じる。その分極作用により、電子走行層140内のヘテロ接合界面付近に高濃度の2次元電子ガスが誘起されることとなる。
これにより、電流コラプスを充分に抑制することができ、例えば、電流コラプスの指標値を1.2以下とすることができる。さらに、Ne/Nsを0.5以下とすることにより、電流コラプスを安定的に抑制することができ、例えば、電流コラプスの指標値を1.1以下とすることができる。
これに対し、電子供給層160中におけるC濃度を1×1018at・cm-3以下とすることにより、電子供給層160のうちの表面側の領域でC濃度が高くなっていたとしても、当該領域での電子トラップの増大を抑制することができる。これにより、電子走行層140中の2次元電子ガスの空乏化を抑制することができる。その結果、電流コラプスを抑制することができる。
この場合、電子供給層160の表面が荒れてしまい、ゲートリーク電流が増大する可能性がある。これに対し、電子供給層160中におけるC濃度を5×1015at・cm-3以上とすることにより、電子供給層160の成長温度をAlGaNの結晶成長に適した温度範囲内とすることができる。これにより、電子供給層160の表面荒れを抑制し、電子供給層160の表面を平滑にすることができる。その結果、ゲートリーク電流を低減することができる。
次に、図2を用い、本実施形態の半導体装置について説明する。図2は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
ゲート電極210は、電子供給層160上に設けられている。ゲート電極210は、例えば、ニッケル(Ni)と金(Au)との複層構造(Ni/Au)からなっている。なお、本命最初においてX/Yの複層構造と記載した場合、X、Yの順で積層したことを示している。
ドレイン電極230は、ソース電極220と同様に、例えば、TiとAlとの複層構造からなっている。なお、ソース電極220およびドレイン電極230では、Ti/Alの複層構造上にNi/Auの複層構造が積層されていてもよい。
保護膜300は、電子供給層160等の表面を保護し、電子供給層160等の劣化を抑制するよう構成されている。具体的には、保護膜300は、少なくとも、ゲート電極210およびソース電極220の間と、ゲート電極210およびドレイン電極230の間と、ソース電極220またはドレイン電極230の外側とにおける電子供給層160の表面を覆うように設けられている。保護膜300は、例えば、窒化シリコン(SiN)からなっている。
本実施形態では、電子供給層160中のC濃度や電子供給層160の表面の凹部面積比率が所定の要件を満たすことで、半導体装置20は、以下の特性を満たす。
Y≦2×104exp(-17.8X) ・・・(1)
(ただし、X≧1、Y>0)
式(1)は、後述の図7において矢印の範囲に相当する。
次に、図1および図2を用い、本実施形態の窒化物半導体積層物の製造方法および半導体装置の製造方法について説明する。以下、ステップをSと略している。
まず、基板100として、例えば、ポリタイプ4Hの半絶縁性SiC基板を用意する。
まず、基板100として、例えば、ポリタイプ4Hの半絶縁性SiC基板を用意する。
そして、MOVPE装置の処理室内に、基板100を搬入する。そして、処理室内に水素(H2)ガス(または、H2ガスおよび窒素(N2)ガスの混合ガス)を供給し、基板100の温度を核生成層の所定の成長温度(例えば1150℃以上1250℃以下)まで上昇させる。基板100の温度が所定の成長温度となったら、例えば、III族原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)ガスと、V族原料ガスとしてアンモニア(NH3)ガスとを、基板100に対して供給する。これにより、基板100上にAlNからなる核生成層を成長させる。所定の厚さの核生成層の成長が完了したら、TMAガスの供給を停止する。なお、このとき、NH3ガスの供給を継続する。
次に、例えば、基板100の温度を電子供給層160の所定の成長温度とする。そして、基板100の温度が所定の成長温度となったら、NH3ガスの供給を継続した状態で、例えば、III族原料ガスとしてTMGガスおよびTMAガスを供給する。これにより、電子走行層140上に単結晶のAlGaNからなる電子供給層160をエピタキシャル成長させる。
これにより、第2層164の表面における凹部面積比率を1.2%以下とすることができる。
これにより、電子供給層160の表面からのGaの蒸発を抑制することができる。これにより、電子供給層160の表面側の領域中におけるAl組成比xを所定値(例えば電子供給層160の電子走行層140側の領域中におけるAl組成比xよりも低い値)に維持することができる。また、冷却温度を1.0℃/s以上とすることで、原理は不明ではあるが、電子供給層160の表面における局所的な凹部の発生を抑制することができる。
次に、電子供給層160上にレジスト膜を形成し、平面視でソース電極220およびドレイン電極230が形成されることとなる領域が開口となるようにレジスト膜をパターニングする。そして、例えば、電子ビーム蒸着法により、電子供給層160およびレジスト膜を覆うようにTi/Alの複層構造(またはTi/Al/Ni/Auの複層構造)を形成する。そして、所定の溶媒を用い、リフトオフによりレジスト膜を除去することで、上記所定領域にソース電極220およびドレイン電極230を形成する。そして、窒化物半導体積層物10を、N2雰囲気中において所定の温度で所定時間アニール処理する(例えば、650℃3分間)。これにより、ソース電極220およびドレイン電極230のそれぞれを電子供給層160に対してオーミック接合させることができる。
次に、例えば、P-CVD法により、電子供給層160および各電極を覆うように、SiNからなる保護膜300を形成する。そして、各電極の上面の一部のみが露出するように、保護膜300をパターニングする。これにより、ゲート電極210およびソース電極220の間と、ゲート電極210およびドレイン電極230の間と、ソース電極220またはドレイン電極230の外側とにおける電子供給層160の表面を覆うように保護膜300が形成される。
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
上述の実施形態では、電子供給層160が2層構造を有している場合について説明したが、電子供給層160は、以下に示す変形例のように変更することができる。上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、図3を用い、本変形例の窒化物半導体積層物について説明する。図3(a)は、本実施形態の変形例に係る窒化物半導体積層物を示す断面図であり、(b)は、電子供給層の厚さ方向の位置に対する、電子供給層中の炭素の濃度を示す図である。
電子供給層形成工程S130では、電子供給層160中におけるC濃度は、該電子供給層160の表面側から電子走行層140側に向かって徐々に低くなるように、電子供給層160の成長条件を制御する。例えば、電子供給層160を成長させていくにしたがって、電子供給層160の成長温度を徐々に低くしていく。または、例えば、電子供給層160を成長させていくにしたがって、V/III比を徐々に小さくしていく。
本変形例によれば、電子供給層160中におけるC濃度は、該電子供給層160の表面側から電子走行層140側に向かって徐々に低くなっている。これにより、上述のように、電流コラプスを安定的に抑制するとともに、ゲートリーク電流を低減することができる。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
(1-1)半導体装置の作製
以下の構成を有する半導体装置のサンプルを作製した。
基板:ポリタイプ4Hの半絶縁性SiC基板
核生成層:厚さ20nmのAlN
電子走行層:厚さ1200nmのGaN
電子供給層:
第1層:厚さ17nmのAl0.24Ga0.76N
第2層:厚さ3nmのAl0.18Ga0.82N
第1層中におけるC濃度Ne:5×1016at・cm-3~5×1017at・cm-3
第2層中におけるC濃度Ns(共通):5×1017at・cm-3
第2層中におけるC濃度Nsに対する第1層中におけるC濃度Neの比率Ne/Ns:0.2~1
(電子供給層成長条件)
第1層の成長温度:1000~1200℃
第2層の成長温度:1000℃
上記半導体装置のサンプルのそれぞれにおいて、ゲート電極およびソース電極の間の電圧を0Vとし、ドレイン電極およびソース電極の間に+300Vの電圧を1秒印加するストレスを印加した。その後、ゲート電極およびソース電極の間に+6Vの電圧を印加した状態で、ドレイン電極およびソース電極の間に印加する電圧を変化させた。このとき、ドレイン電極およびソース電極の間に+10Vの電圧を印加したときに、ドレイン電極およびソース電極の間に流れる電流から求められる半導体装置のオン抵抗を測定した。また、このとき、ストレスを半導体装置に与える前のオン抵抗に対する、ストレスを半導体装置に与えた後のオン抵抗の比率を、電流コラプスの指標値として求めた。
図4(a)は、ドレインソース間電圧に対するドレイン電流を示す図であり、(b)は、炭素濃度比(Ne/Ns)に対する電流コラプスの指標値を示す図である。
図4(a)に示すように、Ne/Ns=1のサンプルでは、ドレインソース間電圧が高い領域においてドレイン電流が減少し、電流コラプスが生じていた。Ne/Ns=1のサンプルでは、電子供給層中のC濃度が一様に高く、電子供給層中に多くの電子トラップが形成されていたため、電流コラプスが生じていたと考えられる。
(2-1)半導体装置の作製
以下の構成を有する半導体装置のサンプルを作製した。
基板:ポリタイプ4Hの半絶縁性SiC基板
核生成層:厚さ20nmのAlN
電子走行層:厚さ1200nmのGaN
電子供給層:
第1層:厚さ17nmのAl0.24Ga0.76N
第2層:厚さ3nmのAl0.18Ga0.82N
第1層中におけるC濃度Ne(共通):3×1017at・cm-3
第2層中におけるC濃度Ns:1×1016at・cm-3~3×1018at・cm-3
(電子供給層成長条件)
第1層の成長温度:1100℃
第2層の成長温度:1000~1200℃
上記半導体装置のサンプルのそれぞれにおいて、原子間力顕微鏡(AFM)により第2層の表面状態を測定した。その結果に基づいて、電子供給層の表面における凹部面積比率を算出した。
図5(b)は、深さ1nm以上の凹部が多いサンプルのAFM像である。なお、図5(b)は、第2層の成長温度を第1層の成長温度よりも高く1200℃としたサンプルのAFM像を示している。図5(b)に示すサンプルでは、RMSが0.255nmであったが、電子供給層の表面に深さ1nm以上の凹部が多く形成されており、凹部面積比率は2.0%であった。また、当該サンプルでは、最大高低差が3.71nmであった。
図7は、電流コラプスの指標値に対するゲートリーク電流を示す図である。図7では、上記(1)および(2)で作製したサンプルのうち、「第1層中におけるC濃度Neが第2層中におけるC濃度Nsよりも低く、且つ、電子供給層の表面における凹部面積比率が1.2%以下である」との要件を満たすサンプルを「実施例」とした。一方、図7では、電子供給層が単層構造を有するサンプルを「比較例」としている。つまり、比較例は、従来の構成を有する半導体装置に相当する。
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
基板と、
前記基板上に設けられ、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層上に設けられ、前記第1の窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層と、
を有し、
前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中における炭素の濃度は、前記電子供給層のうちの表面側の領域中における炭素の濃度よりも低く、
前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率は、1.2%以下である
窒化物半導体積層物。
前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率は、0.8%以下である
付記1に記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極を形成して半導体装置を作製し、
前記ゲート電極および前記ソース電極の間に+6Vの電圧を印加した状態で前記ドレイン電極および前記ソース電極の間に+10Vの電圧を印加したときに前記ドレイン電極および前記ソース電極の間に流れる電流から求められる前記半導体装置のオン抵抗について、前記ゲート電極および前記ソース電極の間の電圧を0Vとし、前記ドレイン電極および前記ソース電極の間に+300Vの電圧を所定時間印加するストレスを前記半導体装置に与える前の前記オン抵抗に対する、前記ストレスを前記半導体装置に与えた後の前記オン抵抗の比率をXとし、
前記ゲート電極および前記ソース電極の間に-10Vの電圧を印加したときに、前記ゲート電極および前記ソース電極の間に流れるゲートリーク電流をY(A/mm)とした場合に、
下記の式(1)を満たす
付記1又は2に記載の窒化物半導体積層物。
Y≦2×104exp(-17.8X) ・・・(1)
(ただし、X≧1、Y>0)
前記電子供給層のうちの表面側の領域中における炭素の濃度に対する、前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中における炭素の濃度の比率は、0.7未満である
付記1~3のいずれか1つに記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層中における炭素の濃度は、1×1018at・cm-3以下である
付記1~4のいずれか1つに記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層は、
前記電子走行層上に設けられる第1層と、
前記第1層上に設けられる第2層と、
を有し、
前記第1層中における炭素の濃度は、前記第2層中における炭素の濃度よりも低い
付記1~5のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層中における炭素の濃度は、該電子供給層の前記表面側から前記電子走行層側に向かって徐々に低くなっている
付記1~5のいずれか1つに記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層の厚さ方向の位置に対する、前記電子供給層中における炭素の濃度の傾きは、一定である
付記7に記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層の厚さ方向の位置に対する、前記電子供給層中における炭素の濃度の傾きの絶対値は、該電子供給層の前記表面側から前記電子走行層側に向かって徐々に小さくなっている
付記7に記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層の厚さ方向の位置に対する、前記電子供給層中における炭素の濃度の傾きの絶対値は、該電子供給層の前記表面側から前記電子走行層側に向かって徐々に大きくなっている
付記7に記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層の厚さ方向の位置に対する、前記電子供給層中における炭素の濃度の傾きの絶対値は、該電子供給層の前記表面側から中間位置まで徐々に大きくなり、前記中間位置から前記電子走行層側に向かって徐々に小さくなっている
付記7に記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層を構成する前記第2の窒化物半導体は、AlxGa1-xN(ただし、0<x<1)であり、
前記電子供給層のうちの前記表面側の領域中におけるAl組成比xは、前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中におけるAl組成比xよりも低い
付記1~11のいずれか1つに記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層は、
前記電子走行層上に設けられる第1層と、
前記第1層上に設けられる第2層と、
を有し、
前記第2層中におけるAl組成比xは、前記第1層中におけるAl組成比xよりも低い
付記12に記載の窒化物半導体積層物。
前記電子供給層中におけるAl組成比xは、該電子供給層の前記電子走行層側から前記表面側に向かって徐々に低くなっている
付記12に記載の窒化物半導体積層物。
基板と、
前記基板上に設けられ、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層上に設けられ、前記第1の窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層と、
前記電子供給層上に設けられるソース電極、ゲート電極およびドレイン電極と、
を有し、
前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中における炭素の濃度は、前記電子供給層のうちの表面側の領域中における炭素の濃度よりも低く、
前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率は、1.2%以下である
半導体装置。
基板上に、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層を形成する工程と、
前記電子走行層上に、前記第1の窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層を形成する工程と、
を有し、
前記電子供給層を形成する工程では、
前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中における炭素の濃度が、前記電子供給層のうちの表面側の領域中における炭素の濃度よりも低く、且つ、前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率が、1.2%以下となるように、前記電子供給層を形成する
窒化物半導体積層物の製造方法。
前記電子供給層を形成する工程では、
前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域を形成する際の前記基板の温度を、前記電子供給層のうちの表面側の領域を形成する際の前記基板の温度よりも高くする
付記16に記載の窒化物半導体積層物の製造方法。
前記電子供給層を形成する工程では、
前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域を形成する際の前記基板の温度と、前記電子供給層のうちの表面側の領域を形成する際の前記基板の温度との差を、30℃以上100℃以下とする
付記17に記載の窒化物半導体積層物の製造方法。
前記電子供給層を形成する工程では、
前記基板の温度を前記電子供給層の成長温度から低下させるときの冷却速度を1.0℃/s以上とする
付記16~18のいずれか1つに記載の窒化物半導体積層物の製造方法。
前記電子供給層を形成する工程では、
前記基板の温度を前記電子供給層の成長温度から低下させるときに、前記電子供給層の表面に対して水素ガス又はヘリウムガスを供給する
付記16~19のいずれか1つに記載の窒化物半導体積層物の製造方法。
基板上に、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層を形成する工程と、
前記電子走行層上に、前記第1の窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層を形成する工程と、
前記電子供給層上に、ソース電極、ゲート電極およびドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記電子供給層を形成する工程では、
前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中における炭素の濃度が、前記電子供給層のうちの表面側の領域中における炭素の濃度よりも低く、且つ、前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率が、1.2%以下となるように、前記電子供給層を形成する
半導体装置の製造方法。
20 半導体装置
100 基板
140 電子走行層
160 電子供給層
162 第1層
164 第2層
210 ゲート電極
220 ソース電極
230 ドレイン電極
300 保護膜
Claims (11)
- 少なくとも、
基板と、
前記基板上に設けられ、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層上に設けられ、前記第1のIII族窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層と、
を有し、
前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率は、1.2%以下である
窒化物半導体積層物。 - 前記電子走行層は、GaNからなり、
前記電子供給層は、AlGaNからなる
請求項1に記載の窒化物半導体積層物。 - 前記電子走行層の厚さは、500nm以上2500nm以下であり、
前記電子供給層の厚さは、5nm以上50nm以下である
請求項1又は2に記載の窒化物半導体積層物。 - 前記基板は、半絶縁性を有するSiC基板である
請求項1~3のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層物。 - 前記基板と前記電子走行層との間に設けられ、AlNからなる核生成層をさらに有する
請求項1~4のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層物。 - 前記電子供給層中における炭素の濃度は、1×1018at・cm-3以下である
請求項1~5のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層物。 - 前記電子供給層の表面は、表面粗さRMSが0.4nm以下のIII族原子極性面である
請求項1~6のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層物。 - 前記電子供給層のAl組成比は、0.05以上0.5以下である
請求項1~7のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層物。 - 前記電子供給層のうちの前記表面側の領域中におけるAl組成比は、前記電子供給層のうちの前記電子走行層側の領域中におけるAl組成比よりも低い
請求項1~8のいずれか1項に記載の窒化物半導体積層物。 - 少なくとも、
基板と、
前記基板上に設けられ、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層上に設けられ、前記第1のIII族窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層と、
を有し、
前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率は、1.2%以下である
半導体装置。 - 少なくとも、
基板上に、第1のIII族窒化物半導体からなる電子走行層を形成する工程と、
前記電子走行層上に、前記第1のIII族窒化物半導体よりもバンドギャップが広い第2のIII族窒化物半導体からなる電子供給層を形成する工程と、
を有し、
前記電子供給層を形成する工程では、
前記電子供給層の表面の面積に対する、前記電子供給層の表面に形成された深さ1nm以上の凹部の面積を積算した値の比率が、1.2%以下となるように、前記電子供給層を形成する
窒化物半導体積層物の製造方法。
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