JP7052010B2 - 生体試料用処理具、押圧システムおよび生体試料の処理方法 - Google Patents
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Description
本発明の生体試料用処理具は、
ベース体と、
可撓性フィルムと、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられた第1の収容部と、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられた一つ又は複数の第2の収容部と、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられ、かつ、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを連通するための第1の連通路と、
前記第1の連通路に前記第1の連通路を閉塞するように設けられた第1の閉塞部とを含み、
前記第1の収容部は、第1の液を収容するためのものであり、
前記第2の収容部は、第2の液を収容するためのものであり、
前記第1の収容部の第1の液を液漏れがしないように収容したときにおいて前記第1の液を所定の力で押圧したときに、前記第1の閉塞部による閉塞状態が解かれ、前記第1の収容部と前記第2の収容部とが連通する。
前記第1の閉塞部は、第1の接着部により構成され、
前記第1の接着部は、前記第1の収容部に前記第1の液を液漏れがしないように収容したときにおいて前記第1の液を所定の力で押圧したときに、前記ベース体と前記可撓性フィルムとが剥離され得る程度の接着力であることができる。
前記第2の収容部が複数設けられた場合に、
隣り合う第2の収容部は、第2の連通路により連通され、
前記第2の連通路には、前記第2の連通路を閉塞する第2の閉塞部が設けられ、
前記一方の第2の収容部の第2の液を液漏れがしないように収容したときにおいて前記第2の液を所定の力で押圧したときに、前記第2の閉塞部による閉塞状態が解かれ、前記一方の第2の収容部と前記他方の第2の収容部とが連通するものである。
前記第1の収容部は、前記第1の液を注入するための第1の通路に接続され、
前記第2の収容部は、前記第2の液を注入するための第2の通路に接続され、
前記生体試料用処理具は、前記第1の通路において、前記第1の通路を閉塞し得る第2の接着部と、
前記第2の通路において、前記第2の通路を閉塞し得る第3の接着部とを含み、
前記第1の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第2の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第3の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第2の接着部および前記第3の接着部は、前記第1の接着部よりも接着力が強いものとすることができる。
前記第1の収容部、前記第2の収容部、前記第1の連通路、前記第1の通路、および、前記第2の通路以外の領域の少なくとも一部において、前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に液漏れを防ぐための第4の接着部が設けられ、
前記第4の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第4の接着部は、前記第1の接着部よりも接着力を強くすることができる。
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられ、前記第2の収容部と第3の連通路を通じて連通する反応又は相互作用部を含み、
前記反応又は相互作用部は、少なくとも、前記第1の液と前記第2の液とを反応または相互作用させるためのものであり、
前記第3の連通路は、第3の閉塞部により閉塞され、
前記第2の収容部に液体が液漏れしないように収容したときにおいて、前記第2の収容部に液体を所定の力で押圧すると、前記第3の閉塞部による閉塞状態が解かれ、前記第2の収容部と前記反応又は相互作用部とが連通するものであってもよい。
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられ、前記反応又は相互作用部と第4の連通路を通じて連通する洗浄液収容部を含み、
前記洗浄液収容部は、前記反応又は相互作用部を洗浄するためのものであり、
前記第4の連通路は、第4の閉塞部により閉塞され、
前記洗浄液収容部に液体が液漏れしないように収容したときにおいて、前記液体を所定の力で押圧すると、前記第4の閉塞部による閉塞状態が解かれ、前記洗浄液収容部と前記反応又は相互作用部とが連通するものであってもよい。
前記第1の収容部に密閉された状態で第1の液が収容され、
前記第2の収容部に密閉された状態で第2の液が収容されていることができる。
本発明の押圧システムは、本発明の生体試料用処理具を押圧するための押圧部を含み、
前記押圧部は、少なくとも前記第1の収容部および前記第2の収容部を押圧し得る第1のローラを含む。
前記押圧部は、
第1のローラと第2のローラとを含み、
前記第1のローラが少なくとも前記第1の収容部および前記第2の収容部を押圧し、
前記第2のローラが前記ベース体を支持し、
前記第1のローラと前記第2のローラとの間を前記生体試料用処理具が前記押圧部に対して相対的に移動可能とすることができる。
本発明の生体試料の処理方法は、
本発明の生体試料用処理具を用いた生体試料の処理方法であって、
前記第1の収容部に第1の液を注入する工程(A)と、
前記工程(A)の後に、前記第1の収容部の第1の液を押圧し、前記第1の液を前記第2の収容部に移動させる工程とを含む。
図1および図2を参照しながら実施の形態に係る生体試料用処理具を説明する。
図1および図2を参照しながら、第1の収容部30への液の注入方法を説明する。
第1の閉塞部36a1が接着剤から構成され、図3(B)(1)に示すように、第1の収容部30に第1の液が充填されている場合を考える。図3(B)(2)に示すように、ローラなどの押圧部50を、第1の液を押しつぶすようにして進行方向に進める。第1の収容部30内の第1の液の圧力は上がるものの、第1の閉塞部36a1はその圧力に耐えている状態である。
図4を参照しながら生体試料の投入方法について説明する。第1の収容部30の側部における可撓性フィルム20は、第1の収容部30までベース体10から剥離可能とすることができる(図4(B)(1)~(3)参照)。この場合に、図4(B)(3)に示すように、可撓性フィルム20をベース体10から第1の収容部30まで剥離し、生体試料が付着したサンプル棒(綿棒など)を第1の収容部30の液中に入れ、生体試料を第1の液に溶解させる。ここで、生体試料用処理具100を振動させてもよい。サンプル棒を抜いて、図4(B)(4)に示すように、第1の収容部30が密閉されるように、可撓性フィルム20をベース体10に第4の接着部40により貼り合わせる。この後、図4(B)(5)に示すように、押圧部52により第1の収容部30に収容された液が押圧される。
押圧システム50の具体的構成について説明する。
(1)具体的構成
生体試料用処理具100をPCRの反応系として使用する場合には、図5に示すように、第1の収容部30としては、たとえば、サンプル室60とすることができる。第2の収容部32としては、たとえば、リシス液室62、バインド液室64、プロパノール液室66とすることができる。生体試料用処理具100に第1の洗浄液収容部、第2の洗浄液収容部68bや抽出液室68cを設けてもよい。反応又は相互作用部34として、たとえば、反応チャンバーを設けることができる。反応又は相互作用部34は連通路を通じて、PCRチャンバー74に接続されている。反応又は相互作用部34とPCRチャンバー74との連通路に、閉塞部を設けることができる。
生体試料用処理具100をPCRの反応系として使用する場合の使用方法を説明する。生体試料には、核酸が含まれる。
(1)具体的構成
生体試料用処理具100をPCRの反応系として使用する場合には、図11に示すように、第1の収容部30としては、たとえば、サンプル室60とすることができる。第2の収容部32としては、たとえば、リシス液室62、バインド液室64、プロパノール液室66とすることができる。生体試料用処理具100に第1の洗浄液収容部、第2の洗浄液収容部68bや抽出液室68cを設けてもよい。反応又は相互作用部34として、たとえば、反応チャンバーを設けることができる。反応又は相互作用部34は連通路を通じて、PCRチャンバー74に接続されている。反応又は相互作用部34とPCRチャンバー74との連通路に、閉塞部を設けることができる。生体試料用処理具100には、NaOAc液室78、PCR液室82、オイル室84、廃液路98を設けてもよい。
生体試料用処理具100をPCRの反応系として使用する場合の使用方法を説明する。生体試料には、核酸が含まれる。
本実施の形態に係る生体試料処理具によれば、生体試料を処理するに当たって必要な液を分離して収容させておくことができる。その生体試料を処理する際に、第1の収容部30内の第1の液は、第2の収容部32を介して、反応又は相互作用部34まで閉鎖系を維持しながら移動可能であり、空気に触れずに、かつ、手にも触れることなく、生体試料の処理を行うことができる。
20 可撓性フィルム
22 タブ
24 疎水加工部
30 第1の収容部
32 第2の収容部
34 反応又は相互作用部
36a 第1の連通路
36b 第2の連通路
36c 第3の連通路
36a1 第1の閉塞部(第1の接着部)
36b1 第2の閉塞部
36c1 第3の閉塞部
38a 第1の通路
38b 第2の通路
38a1 第2の接着部
38b1 第3の接着部
40 第4の接着部
42 粘着シール
50 押圧システム
52 押圧部(ローラ)
52a 第1のローラ
52b 第2のローラ
54 光学装置
56 加熱手段
60 サンプル室
62 リシス液室
64 バインド液室
66 プロパノール液室
68a 第1の洗浄液収容部
68b 第2の洗浄液収容部
68c 抽出液室
70 吸着チャンバー
72 液溜室
74 PCRチャンバー
76a~76g 閉塞部
78 NaOAc液室
82 PCR液室
84 オイル室
90 容器
92 ガラス板
94 貫通穴
96a~96k 閉塞部
98 廃液路
100 生体試料用処理具
Claims (15)
- ベース体と、
可撓性フィルムと、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられた第1の収容部と、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられた一つ又は複数の第2の収容部と、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられ、かつ、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを連通するための第1の連通路と、
前記第1の連通路に前記第1の連通路を閉塞するように設けられた第1の閉塞部と、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられ、前記第2の収容部と第3の連通路を通じて連通する反応又は相互作用部と、を含み、
前記第1の収容部は、第1の液を収容するためのものであり、
前記第2の収容部は、第2の液を収容するためのものであり、
前記反応又は相互作用部は、少なくとも、前記第1の液と前記第2の液とを反応または相互作用させるためのものであり、
前記第3の連通路は、第3の閉塞部により閉塞され、
前記第1の収容部の第1の液を液漏れがしないように収容したときにおいて前記第1の液を所定の力で押圧したときに、前記第1の閉塞部による閉塞状態が解かれ、前記第1の収容部と前記第2の収容部とが連通し、
前記第2の収容部に液体が液漏れしないように収容したときにおいて、前記第2の収容部に液体を所定の力で押圧すると、前記第3の閉塞部による閉塞状態が解かれ、前記第2の収容部と前記反応又は相互作用部とが連通し、
前記反応又は相互作用部で反応又は相互作用がなされた後の液が前記第2の収容部への戻りが可能であり、
前記第1の収容部および前記第2の収容部の液の収容可能量は、1.5ml以下であり、
前記第1の閉塞部は、第1の接着部により構成され、
前記第1の接着部は、前記第1の収容部に前記第1の液を液漏れがしないように収容したときにおいて前記第1の液を所定の力で押圧したときに、前記ベース体と前記可撓性フィルムとが剥離され得る程度の接着力であり、
前記第1の収容部は、前記第1の液を注入するための第1の通路に接続され、
前記第2の収容部は、前記第2の液を注入するための第2の通路に接続され、
前記第1の通路において、前記第1の通路を閉塞し得る第2の接着部と、
前記第2の通路において、前記第2の通路を閉塞し得る第3の接着部とを含み、
前記第1の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第2の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第3の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第2の接着部および前記第3の接着部は、前記第1の接着部よりも接着力が強い生体試料用処理具。 - 請求項1において、
前記第1の液は、生体試料を溶解するための液であり、
前記第2の液は、前処理液である生体試料用処理具。 - 請求項1または2において、
前記第2の収容部が複数設けられた場合に、
隣り合う第2の収容部は、第2の連通路により連通され、
前記第2の連通路には、前記第2の連通路を閉塞する第2の閉塞部が設けられ、
一方の第2の収容部の第2の液を液漏れがしないように収容したときにおいて前記第2の液を所定の力で押圧したときに、前記第2の閉塞部による閉塞状態が解かれ、一方の第2の収容部と他方の第2の収容部とが連通する生体試料用処理具。 - 請求項1~3のいずれかにおいて、
前記第1の収容部、前記第2の収容部、前記第1の連通路、前記第1の通路、および、前記第2の通路以外の領域の少なくとも一部において、前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に液漏れを防ぐための第4の接着部が設けられ、
前記第4の接着部は、熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤から構成され、
前記第4の接着部は、前記第1の接着部よりも接着力が強い生体試料用処理具。 - 請求項1~4のいずれかにおいて、
前記反応は、PCR、免疫反応、血液から赤血球の除去、または、血清の抽出のための反応である生体試料用処理具。 - 請求項1~5のいずれかにおいて、
前記第1の収容部、前記一つ又は複数の第2の収容部および前記反応又は相互作用部は、直線状に並ぶように配置されている生体試料用処理具。 - 請求項1~6のいずれかにおいて、
前記第1の収容部内の第1の液は、前記第2の収容部を介して、前記反応又は相互作用部まで閉鎖系を維持しながら移動可能である生体試料用処理具。 - 請求項1~7のいずれかにおいて、
前記ベース体と前記可撓性フィルムとの間に設けられ、前記反応又は相互作用部と第4の連通路を通じて連通する洗浄液収容部を含み、
前記洗浄液収容部は、前記反応又は相互作用部を洗浄するためのものであり、
前記第4の連通路は、第4の閉塞部により閉塞され、
前記洗浄液収容部に液体が液漏れしないように収容したときにおいて、前記液体を所定の力で押圧すると、前記第4の閉塞部による閉塞状態が解かれ、前記洗浄液収容部と前記反応又は相互作用部とが連通する生体試料用処理具。 - 請求項1~8のいずれかにおいて、
前記第1の収容部の側部における可撓性フィルムは、前記第1の収容部まで前記ベース体から剥離可能である生体試料用処理具。 - 請求項1~9のいずれかにおいて、
前記第1の収容部に密閉された状態で第1の液が収容され、
前記第2の収容部に密閉された状態で第2の液が収容されている生体試料用処理具。 - 請求項1~10のいずれかに記載の生体試料用処理具と、
前記生体試料用処理具を押圧するための押圧部とを含み、
前記押圧部は、少なくとも前記第1の収容部および前記第2の収容部を押圧し得る第1のローラを含む押圧システム。 - 請求項11において、
前記押圧部は、
第1のローラと第2のローラとを含み、
前記第1のローラが少なくとも前記第1の収容部および前記第2の収容部を押圧し、
前記第2のローラが前記ベース体を支持し、
前記第1のローラと前記第2のローラとの間を前記生体試料用処理具が前記押圧部に対して相対的に移動可能である押圧システム。 - 請求項11または12において、
前記第1のローラは、前記生体試料用処理具に対して垂直方向に昇降可能である押圧システム。 - 請求項11~13のいずれかにおいて、
前記第1の液および前記第2の液を加熱するための加熱部を含む押圧システム。 - 請求項1~10のいずれかに記載の生体試料用処理具を用いた生体試料の処理方法であって、
前記第1の収容部に第1の液を注入する工程(A)と、
前記工程(A)の後に、前記第1の収容部の第1の液を押圧し、前記第1の液を前記第2の収容部に移動させる工程とを含む生体試料の処理方法。
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