JP7050051B2 - 作業車両の制御システム、作業機の軌跡設定方法、及び作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、作業車両の制御システム、作業機の軌跡設定方法、及び作業車両に関する。
従来、ブルドーザ、或いはグレーダ等の作業車両において、作業機の位置を自動的に調整する自動制御が提案されている。例えば、特許文献1では、掘削制御と整地制御とが開示されている。
掘削制御では、ブレードに係る負荷を目標負荷に一致させるように、ブレードの位置が自動調整される。整地制御では、掘削対象の目標仕上がり形状を示す最終設計面に沿ってブレードの刃先が移動するように、ブレードの位置が自動調整される。
特許第5247939号公報
上述した従来の制御によれば、ブレードへの負荷が過剰に大きくなったときにブレードを上昇させることにより、シュースリップの発生を抑えることができる。これにより、効率良く作業を行うことができる。
しかし、従来の制御では、図26に示すように、まず最終設計面100に沿うようにブレードが制御される。その後、ブレードへの負荷が大きくなると、負荷制御によってブレードを上昇させる(図26のブレードの軌跡200参照)。従って、大きな起伏のある地形300を掘削する場合には、ブレードに係る負荷が急速に大きくなることで、ブレードを急速に上昇させてしまうことがあり得る。その場合、凹凸の大きな地形が形成されることになるため、スムーズに掘削作業を行うことは困難である。また、掘削される地形が荒れ易くなり、仕上がりの品質が低下することが懸念される。
また、作業車両によって行われる作業には、掘削作業の他にも、盛土作業がある。盛土作業では、作業車両は、作業機によって切土部から土を切り出す。そして、作業車両は、切り出した土を作業機によって所定位置に盛る。盛られた土の上を作業車両が走行することにより、或いは、ローラによって、土が締め固められる。これにより、例えば、窪んだ地形を埋めて、平坦な形状に形成することができる。
しかし、上述した自動制御では、良好な盛土作業を行うことも困難である。例えば、図27に示すように、整地制御では、最終設計面100に沿ってブレードの刃先が移動するように、ブレードの位置が自動調整される。そのため、大きな起伏のある地形300に、整地制御によって盛土作業が行われると、図27において破線400で示すように、一度に大量の土が作業車両の手前の位置に盛られることになる。その場合、盛られた土の厚さが大きいため、盛られた土を締め固めることが困難になる。そのため、作業の仕上がりの品質が低下するという問題がある。
本発明の課題は、自動制御によって、効率良く、且つ、仕上がりの品質の良い作業を行うことができる作業車両の制御システム、作業機の軌跡設定方法、及び作業車両を提供することにある。
第1の態様は、作業機を有する作業車両の制御システムであって、制御システムは、入力装置と、入力装置と通信するコントローラを備える。コントローラは、以下の処理を行うようにプログラムされている。コントローラは、入力装置から、オペレータの入力操作を示す入力信号を受信する。コントローラは、入力信号を受信したときの作業車両の位置を含む車両情報と、入力信号を受信したときの作業車両の方位情報とを取得する。コントローラは、入力信号を受信したときの車両情報と方位情報とに基づいて、作業機の目標軌跡を示す目標設計面を決定する。
第2の態様は、作業車両の作業機の目標軌跡設定方法であって、目標軌跡設定方法は以下の処理を備える。第1の処理は、オペレータの入力操作を示す入力信号を受信することである。第2の処理は、入力信号を受信したときの作業車両の位置を含む車両情報と、入力信号を受信したときの作業車両の方位情報とを取得することである。第3の処理は、入力信号を受信したときの車両情報と方位情報とに基づいて、作業機の目標軌跡を示す目標設計面を決定することである。
第3の態様は、作業車両であって、作業車両は、作業機と、入力装置と、コントローラとを備える。コントローラは、以下の処理を行うようにプログラムされている。コントローラは、入力装置から、オペレータの入力操作を示す入力信号を受信する。コントローラは、入力信号を受信したときの作業車両の位置を含む車両情報と、入力信号を受信したときの作業車両の方位情報とを取得する。コントローラは、入力信号を受信したときの車両情報と方位情報とに基づいて、作業機の目標軌跡を示す目標設計面を決定する。コントローラは、目標設計面に従って作業機を制御する。
本発明によれば、目標設計面に従って作業機を制御することで、作業機への負荷が過剰となることを抑えながら、掘削を行うことができる。それにより、作業の仕上がりの品質を向上させることができる。また、自動制御により、作業の効率を向上させることができる。
実施形態に係る作業車両を示す側面図である。 作業車両の駆動系と制御システムとの構成を示すブロック図である。 作業車両の構成を示す模式図である。 設計面及び現況面の一例を示す図である。 作業機の自動制御の処理を示すフローチャートである。 ディスプレイに表示される操作画面の一例を示す図である。 目標設計面を選択するための操作画面の一例を示す図である。 第1モードでの処理を示すフローチャートである。 第1モードの操作画面の一例を示す図である。 ピッチ角とチルト角とを示す図である。 第1モードの操作画面の一例を示す図である。 第1モードの操作画面の一例を示す図である。 第1モードの操作画面の一例を示す図である。 第1モードの操作画面の一例を示す図である。 簡易設計面の一例を示す図である。 簡易設計面の一例を示す図である。 第2モードでの処理を示すフローチャートである。 第2モードの操作画面の一例を示す図である。 第2モードの操作画面の一例を示す図である。 第2モードの操作画面の一例を示す図である。 第3モードでの処理を示すフローチャートである。 第3モードの操作画面の一例を示す図である。 第3モードの操作画面の一例を示す図である。 他の実施形態に係る作業車両の駆動系と制御システムとの構成を示すブロック図である。 他の実施形態に係る作業車両の駆動系と制御システムとの構成を示すブロック図である。 関連技術の一例を示す図である。 関連技術の一例を示す図である。
以下、実施形態に係る作業車両について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る作業車両1を示す側面図である。本実施形態に係る作業車両1は、ブルドーザである。作業車両1は、車体11と、走行装置12と、作業機13と、を備えている。
車体11は、運転室14とエンジン室15とを有する。運転室14には、図示しない運転席が配置されている。エンジン室15は、運転室14の前方に配置されている。走行装置12は、車体11の下部に取り付けられている。走行装置12は、左右一対の履帯16を有している。なお、図1では、左側の履帯16のみが図示されている。履帯16が回転することによって、作業車両1が走行する。作業車両1の走行は、自律走行、セミ自律走行、オペレータの操作による走行のいずれの形式であってもよい。
作業機13は、車体11に取り付けられている。作業機13は、リフトフレーム17と、ブレード18と、リフトシリンダ19と、チルトシリンダ21とを有する。
リフトフレーム17は、車幅方向に延びる軸線Xを中心として上下に動作可能に車体11に取り付けられている。リフトフレーム17は、ブレード18を支持している。ブレード18は、車体11の前方に配置されている。ブレード18は、リフトフレーム17の上下動に伴って上下に移動する。
リフトシリンダ19は、車体11とリフトフレーム17とに連結されている。リフトシリンダ19が伸縮することによって、リフトフレーム17は、軸線Xを中心として上下に回転する。
チルトシリンダ21は、リフトフレーム17とブレード18とに連結される。チルトシリンダ21が伸縮することによって、ブレード18は、略車両前後方向に延びる軸線Zを中心として回転する。
図2は、作業車両1の駆動系2と制御システム3との構成を示すブロック図である。図2に示すように、駆動系2は、エンジン22と、油圧ポンプ23と、動力伝達装置24と、を備えている。
油圧ポンプ23は、エンジン22によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ23から吐出された作動油は、リフトシリンダ19とチルトシリンダ21とに供給される。なお、図2では、1つの油圧ポンプ23が図示されているが、複数の油圧ポンプが設けられてもよい。
動力伝達装置24は、エンジン22の駆動力を走行装置12に伝達する。動力伝達装置24は、例えば、HST(Hydro Static Transmission)であってもよい。或いは、動力伝達装置24は、例えば、トルクコンバーター、或いは複数の変速ギアを有するトランスミッションであってもよい。
制御システム3は、操作装置25aと、入力装置25bと、ディスプレイ25cと、コントローラ26と、制御弁27と、記憶装置28とを備える。操作装置25aは、作業機13及び走行装置12を操作するための装置である。操作装置25aは、運転室14に配置されている。操作装置25aは、作業機13及び走行装置12を駆動するためのオペレータによる操作を受け付け、操作に応じた操作信号を出力する。操作装置25aは、例えば、操作レバー、ペダル、スイッチ等を含む。
例えば、走行装置12用の操作装置25aは、前進位置と後進位置と中立位置とに操作可能に設けられる。操作装置25aの位置を示す操作信号は、コントローラ26に出力される。コントローラ26は、操作装置25aの操作位置が前進位置であるときには、作業車両1が前進するように、走行装置12、或いは動力伝達装置24を制御する。操作装置25aの操作位置が後進位置であるときには、コントローラ26は、作業車両1が後進するように、走行装置12、或いは動力伝達装置24を制御する。
入力装置25b及びディスプレイ25cは、例えばタッチパネル式の表示入力装置である。ディスプレイ25cは、例えば、LCD、或いはOLEDである。ただし、ディスプレイ25cは、他の種類の表示装置であってもよい。入力装置25b及びディスプレイ25cは、互いに別の装置であってもよい。例えば、入力装置25bは、スイッチ等の入力装置であってもよい。入力装置25bは、オペレータによる操作を示す操作信号をコントローラ26に出力する。
コントローラ26は、取得したデータに基づいて作業車両1を制御するようにプログラムされている。コントローラ26は、例えばCPU等の処理装置(プロセッサ)を含む。コントローラ26は、操作装置25aから操作信号を取得する。コントローラ26は、操作信号に基づいて、制御弁27を制御する。コントローラ26は、入力装置25bから操作信号を取得する。コントローラ26は、所定の画面をディスプレイ25cに表示させる信号を出力する。
制御弁27は、比例制御弁であり、コントローラ26からの指令信号によって制御される。制御弁27は、リフトシリンダ19及びチルトシリンダ21などの油圧アクチュエータと、油圧ポンプ23との間に配置される。制御弁27は、油圧ポンプ23からリフトシリンダ19及びチルトシリンダ21に供給される作動油の流量を制御する。コントローラ26は、上述した操作装置25aの操作に応じてブレード18が動作するように、制御弁27への指令信号を生成する。これにより、リフトシリンダ19が、操作装置25aの操作量に応じて、制御される。或いは、チルトシリンダ21が、操作装置25aの操作量に応じて、制御される。なお、制御弁27は、圧力比例制御弁であってもよい。或いは、制御弁27は、電磁比例制御弁であってもよい。
制御システム3は、リフトシリンダセンサ29を備える。リフトシリンダセンサ29は、リフトシリンダ19のストローク長さ(以下、「リフトシリンダ長L」という。)を検出する。図3に示すように、コントローラ26は、リフトシリンダ長Lに基づいてブレード18のリフト角θliftを算出する。図3は、作業車両1の構成を示す模式図である。
図3では、作業機13の原点位置が二点鎖線で示されている。作業機13の原点位置は、水平な地面上でブレード18の刃先が地面に接触した状態でのブレード18の位置である。リフト角θliftは、作業機13の原点位置からの角度である。
図2に示すように、制御システム3は、チルトシリンダセンサ30を備える。チルトシリンダセンサ30は、チルトシリンダ21のストローク長さを検出する。リフト角θliftと同様に、コントローラ26は、チルトシリンダ21のストローク長さに基づいて、ブレード18のチルト角を算出する。
図2に示すように、制御システム3は、位置検出装置31を備えている。位置検出装置31は、作業車両1の位置を測定する。位置検出装置31は、GNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバ32と、IMU 33と、を備える。GNSSレシーバ32は、例えばGPS(Global Positioning System)用の受信機である。GNSSレシーバ32のアンテナは、運転室14上に配置される。GNSSレシーバ32は、衛星より測位信号を受信し、測位信号によりアンテナの位置を演算して車体位置データを生成する。コントローラ26は、GNSSレシーバ32から車体位置データを取得する。
IMU 33は、慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)である。IMU 33は、車体傾斜角データと車体加速度データを取得する。車体傾斜角データは、車両前後方向の水平に対する角度(ピッチ角)、および車両横方向の水平に対する角度(ロール角)を含む。車体加速度データは、作業車両1の加速度を含む。コントローラ26は、IMU 33から車体傾斜角データ及び車体加速度データを取得する。
コントローラ26は、リフトシリンダ長Lと、車体位置データと、車体傾斜角データとから、刃先位置P0を演算する。図3に示すように、コントローラ26は、車体位置データに基づいて、GNSSレシーバ32のグローバル座標を算出する。コントローラ26は、リフトシリンダ長Lに基づいて、リフト角θliftを算出する。コントローラ26は、リフト角θliftと車体寸法データに基づいて、GNSSレシーバ32に対する刃先位置P0のローカル座標を算出する。
コントローラ26は、車体位置データと、車体加速度データとから作業車両1の進行方向と車速とを算出する。車体寸法データは、記憶装置28に記憶されており、GNSSレシーバ32に対する作業機13の位置を示す。コントローラ26は、GNSSレシーバ32のグローバル座標と刃先位置P0のローカル座標と車体傾斜角データとに基づいて、刃先位置P0のグローバル座標を算出する。コントローラ26は、刃先位置P0のグローバル座標を刃先位置データとして取得する。なお、ブレード18にGNSSレシーバが取り付けられることで、刃先位置P0が直接的に算出されてもよい。
記憶装置28は、例えばメモリと補助記憶装置とを含む。記憶装置28は、例えば、RAM、或いはROMなどであってもよい。記憶装置28は、半導体メモリ、或いはハードディスクなどであってもよい。記憶装置28は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置28は、プロセッサによって実行可能であり作業車両1を制御するためのコンピュータ指令を記録している。
記憶装置28は、作業現場地形データを記憶している。作業現場地形データは、作業現場の現況の地形を示す。作業現場地形データは、例えば、三次元データ形式の地形測量図である。作業現場地形データは、例えば、航空レーザ測量で得ることができる。
コントローラ26は、現況地形データを取得する。現況地形データは、作業現場の現況面50を示す。現況面50は、作業車両1の進行方向に沿う領域の地形である。現況地形データは、作業現場地形データと上述の位置検出装置31から得られる作業車両1の位置と進行方向とからコントローラ26での演算により取得される。また、後述するように、現況地形データは、作業車両1が走行することにより取得される。
図4は、現況面50の断面の一例を示す図である。図4に示すように、現況地形データは、複数の参照点での現況面50の高さを含む。詳細には、現況地形データは、作業車両1の進行方向において、複数の参照点での現況面50の高さZ0~Znを含む。複数の参照点は、所定間隔ごとに並んでいる。所定間隔は、例えば1mであるが、他の値であってもよい。
なお、図4において、縦軸は、地形の高さを示しており、横軸は、作業車両1の進行方向における現在位置からの距離を示している。現在位置は、作業車両1の現在の刃先位置P0に基づいて定められる位置であってもよい。現在位置は、作業車両1の他の部分の現在位置に基づいて定められてもよい。
記憶装置28は、設計面データを記憶している。設計面データは、作業機13の目標軌跡である設計面60,70を示す。記憶装置28には、複数の設計面60,70を示す複数の設計面データが保存されている。
図4に示すように、設計面データは、現況地形データと同様に、複数の参照点での設計面60,70の高さを含む。複数の設計面60,70は、最終設計面70を含む。最終設計面70は、作業現場の表面の最終的な目標形状である。最終設計面70は、例えば、三次元データ形式の土木施工図であり、記憶装置28に予め保存されている。なお、図4では、最終設計面70は、水平方向に平行な平坦な形状であるが、これと異なる形状であってもよい。
複数の設計面60,70は、最終設計面70以外の中間的な設計面60を含む。設計面60の少なくとも一部は、最終設計面70と現況面50との間に位置する。コントローラ26は、所望の設計面60を生成して、当該設計面60を示す設計面データを生成し、記憶装置28に保存することができる。
コントローラ26は、現況地形データと、設計面データと、刃先位置データとに基づいて、作業機13を自動的に制御する。以下、コントローラ26によって実行される、作業機13の自動制御について説明する。図5は、作業機13の自動制御の処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップS101では、コントローラ26は、現在位置データを取得する。ここでは、コントローラ26は、上述したように、作業機13の現在の刃先位置P0を取得する。ステップS102では、コントローラ26は、設計面データを取得する。コントローラ26は、記憶装置28から設計面データを取得する。
ステップS103では、コントローラ26は、現況地形データを取得する。上述したように、コントローラ26は、作業現場地形データと作業車両1の位置と進行方向とから、現況地形データを取得する。また、コントローラ26は、作業車両1が現況面50上を移動することにより、現在の現況面50を示す現況地形データを取得する。
例えば、コントローラ26は、刃先位置P0の最新の軌跡を示す位置データを、現況地形データとして取得する。コントローラ26は、取得した現況地形データによって作業現場地形データを更新する。或いは、コントローラ26は、車体位置データと車体寸法データとから履帯16の底面の位置を算出し、履帯16の底面の軌跡を示す位置データを現況地形データとして取得してもよい。
或いは、現況地形データは、作業車両1の外部の測量装置によって計測された測量データから生成されてもよい。外部の測量装置として、例えば、航空レーザ測量を用いてよい。或いは、カメラによって現況面50を撮影し、カメラによって得られた画像データから現況地形データが生成されてもよい。例えば、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)による空撮測量を用いてよい。
ステップS104では、コントローラ26は、目標設計面を決定する。コントローラ26は、オペレータが選択した設計面60,70を目標設計面として決定する。或いは、コントローラ26が自動的に選択、或いは生成した設計面60,70を目標設計面として決定してもよい。
ステップS105では、コントローラ26は、作業機13を制御する。コントローラ26は、目標設計面に従って作業機13を自動的に制御する。詳細には、コントローラ26は、目標設計面に向ってブレード18の刃先位置が移動するように、作業機13への指令信号を生成する。生成された指令信号は、制御弁27に入力される。それにより、作業機13の刃先位置P0が目標設計面に沿って移動する。
例えば、目標設計面が現況面50よりも上方に位置するときには、作業機13によって現況面50上に土が盛られる。また、目標設計面が現況面50よりも下方に位置するときには、作業機13によって現況面50が掘削される。
コントローラ26は、操作装置25aから作業機13を操作する信号が出力されたときに、作業機13の制御を開始してもよい。作業車両1の移動は、オペレータが操作装置25aを操作することによって手動で行われてもよい。或いは、作業車両1の移動は、コントローラ26からの指令信号によって自動的に行われてもよい。
上記の処理は、作業車両1が前進しているときに実行される。例えば、走行装置12用の操作装置25aが前進位置であるときに、上記の処理が実行されて作業機13が自動的に制御される。作業車両1が後進すると、コントローラ26は、作業機13の制御を停止する。
次に、設計面60の生成機能について説明する。コントローラ26は、所望の設計面60を生成して目標設計面として設定することができる。図6は、ディスプレイ25cに表示される操作画面80の一例を示す図である。
図6に示すように、操作画面80は、作業現場の地形を示す画像801と、作業車両1の現在位置を示すアイコン802とを含む上面図を含む。画像801は、上述した現況面50を示してもよい。操作画面80の上面図では、現況面50と目標設計面との間の距離に応じて、作業現場の地形が異なる表示態様で示されてもよい。例えば、コントローラ26は、現況面50と目標設計面との間の距離に応じて、現況面50を異なる色で表示してもよい。それにより、オペレータは、現況面50のどの部分にまだ土が盛られていないか、或いは、盛った土が十分でない部分がどこにあるかを、操作画面80を見ることで容易に把握することができる。
操作画面80は、複数の操作キー41-43を含む。例えば、操作画面80は、上昇キー41と、下降キー42と、画面切替キー43とを含む。上昇キー41は、目標設計面を、所定距離、上昇させるためのキーである。下降キー42は、目標設計面を、所定距離、下降させるためのキーである。画面切替キー43は、ディスプレイ25cに表示される操作画面80を切り替えるためのキーである。
操作画面80は、モード選択キー44を含む。モード選択キー44は、自動制御の制御モードを複数のモードから選択するためのキーである。本実施形態では、オペレータは、モード選択キー44を操作することにより、通常モードと、第1モードと、第2モードと、第3モードとから制御モードを選択することができる。
例えば、オペレータが、モード選択キー44を押すたびに、モード選択キー44が、通常モードの決定ボタンと、第1モードの決定ボタンと、第2モードの決定ボタンと、第3モードの決定ボタンとに順次、切り換わる。オペレータがいずれかの決定ボタンを長押しすることで、対応するモードが制御モードとして決定される。
なお、通常モードの決定ボタンと、第1モードの決定ボタンと、第2モードの決定ボタンと、第3モードの決定ボタンとは、共通のモード選択キー44に限らず、互いに異なるキーであってもよい。
通常モードでは、最終設計面70と現況面50との間に位置する目標設計面に従って、作業機が制御される。コントローラ26は、最終設計面70を示す設計面データと、現況地形データとから、最終設計面70と現況面50との間に位置する中間設計面61を生成し、目標設計面として決定する。
例えば、コントローラ26は、図4に示すように、現況面50を、所定距離、鉛直方向に変位させた面を中間設計面61として決定する。コントローラ26は、作業機13によって掘削される土量が適切な値となるように、中間設計面61の一部を修正してもよい。また、コントローラ26は、中間設計面61の傾斜角が急である場合には、傾斜角が緩やかになるように、中間設計面61の一部を修正してもよい。
或いは、通常モードでは、コントローラ26は、上述したように、オペレータが選択した設計面60を目標設計面として設定してもよい。図7は、目標設計面を選択するための操作画面81の一例を示す図である。操作画面81は、保存されている複数の設計面データのリスト811を含む。オペレータは、リスト811中の複数の設計面データから“アクティブ”にする設計面60,70の設計面データを選択する。コントローラ26は、“アクティブ”にされた設計面60,70を上述した目標設計面として決定する。
第1~第3モードでは、オペレータは、所望の設計面60を簡易に生成して、目標設計面として設定することができる。第1~第3モードでは、コントローラ26は、最終設計面70及び現況面50に依らず、オペレータによる入力装置25bの入力操作と、車両情報と、方位情報と、に基づいて、設計面60を生成する。以下の説明では、第1~第3モードで生成される設計面60を「簡易設計面62」と呼ぶ。
第1モードでは、オペレータの入力操作が行われた時点での作業車両1の位置(以下、「基準点P1」と呼ぶ)を示す位置情報と作業車両1の方位を示す方位情報とが記憶される。第1モードでは、オペレータの入力操作が行われた時点での作業車両1の位置を通り、且つ、作業車両1の方位に向かって延びる平坦な平面が、簡易設計面62として生成される。図8は、第1モードでの処理を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップS201では、コントローラ26は、基準点P1を決定するオペレータの入力操作の有無を判定する。コントローラ26は、入力装置25bから、基準点P1を決定するオペレータの入力操作を示す入力信号を受信したときに、オペレータの入力操作ありと判定する。
具体的には、図9は、第1モードの操作画面82の一例を示す図である。図9に示すように、操作画面82上の第1モードの決定ボタン(44)が長押しされると、コントローラ26は、基準点P1を決定するオペレータの入力操作ありと判定する。
ステップS202~S204では、コントローラ26は、オペレータの入力操作が行われたときの車両情報を取得する。詳細には、ステップS202では、コントローラ26は、オペレータの入力操作が行われたときの刃先位置P0を取得して、基準点P1に設定する。より詳細には、コントローラ26は、図10に示すように、ブレード18の刃先180の車両左右方向における中心を刃先位置P0として、基準点P1に設定する。
ステップS203では、コントローラ26は、オペレータの入力操作が行われたときの車体11のピッチ角を取得する。図10に示すように、車体11のピッチ角は、車両前後方向に延びる履帯16の底面160の水平方向に対する角度である。車体11のピッチ角は、IMU 33からの車体傾斜角データから取得される。
ステップS204では、コントローラ26は、オペレータの入力操作が行われたときの作業機13のチルト角を取得する。図10に示すように、チルト角は、車両左右方向に延びるブレード18の刃先180の水平方向に対する角度である。上述したように、コントローラ26は、チルトシリンダ21のストローク量からチルト角を算出する。
ステップS205では、コントローラ26は、オペレータの入力操作が行われたときの作業車両1の方位を取得する。作業車両1の方位は、上述した作業車両1の進行方向に対応しており、例えばGNSSレシーバ32からの車体位置データにより取得される。
ステップS206では、コントローラ26は、簡易設計面62を決定する。コントローラ26は、基準点P1を通り、作業車両1の方位に向かって延び、ピッチ角の縦断勾配と、チルト角の横断勾配とを有する平面を、簡易設計面62として決定する。これにより、基準点P1を通り、作業車両1の方位とピッチ角とチルト角とに平行な簡易設計面62が生成される。そして、ステップS207において、コントローラ26は、簡易設計面62を目標設計面として決定する。なお、コントローラ26は、決定した簡易設計面62を示す設計面データを記憶装置28に保存する。
図11に示すように、第1モードの操作画面82は、調整キー45を含む。オペレータが調整キー45を押すと、図12に示す調整表示803が操作画面82に表示される。調整表示803は、方向の固定選択欄804と、縦断勾配の固定選択欄805と、横断勾配の固定選択欄806とを含む。また、調整表示803は、方向の入力欄807と、縦断勾配の入力欄808と、横断勾配の入力欄809とを含む。
方向の固定選択欄804は、簡易設計面62を生成するときに、車両の方位に関らずに簡易設計面62の方向を固定するかの可否を選択するための欄である。本実形態では、方向の固定選択欄804にチェックが入力されていることは「可」を示し、チェックが入力されていないことは「否」を示す。以下、他の固定選択欄についても同様に、固定選択欄にチェックが入力されていることは「可」を示し、チェックが入力されていないことは「否」を示すものとする。
方向の固定選択欄804が「否」であるときには、オペレータの入力操作が行われたときの作業車両1の方位が、簡易設計面62の方向として設定される。方向の固定選択欄804が「可」であるときには、簡易設計面62の方向は、方向の入力欄807に入力された値に固定される。
縦断勾配の固定選択欄805は、簡易設計面62を生成するときに、車体11のピッチ角に関らずに縦断勾配を固定するかの可否を選択するための欄である。本実形態では、縦断勾配の固定選択欄805が「否」であるときには、オペレータの入力操作が行われたときの車体11のピッチ角が、簡易設計面62の縦断勾配として設定される。縦断勾配の固定選択欄805が「可」であるときには、簡易設計面62の縦断勾配は、縦断勾配の入力欄808に入力された値に固定される。
横断勾配の固定選択欄806は、簡易設計面62を生成するときに、作業機13のチルト角に関らずに横断勾配を固定するかの可否を選択するための欄である。横断勾配の固定選択欄806が「否」であるときには、オペレータの入力操作が行われたときの作業機13のチルト角が、簡易設計面62の横断勾配として設定される。横断勾配の固定選択欄806が「可」であるときには、簡易設計面62の横断勾配は、横断勾配の入力欄809に入力された値に固定される。
各入力欄807-809への数値の入力は、例えば、図13に示す数値の入力キー46によって行われる。オペレータが、方向の入力欄807を押すことで、数値の入力キー46が操作画面82に表示される。オペレータは、数値の入力キー46を押すことで、方向の入力欄807に数値を入力することができる。同様に、オペレータは、数値の入力キー46を押すことで、各入力欄808,809に数値を入力することができる。
コントローラ26は、調整表示803によるオペレータの設定操作を示す設定信号を、入力装置25bから受信する。コントローラ26は、設定信号に基づいて、簡易設計面62の方向と縦断勾配と横段勾配とを変更する。
例えば、図14に示すように、縦断勾配の固定選択欄805と横断勾配の固定選択欄806とが「可」であり、縦断勾配の入力欄808と横断勾配の入力欄809とに共に0%が入力されている場合を想定する。この場合、図15及び図16に示すように、基準点P1を通り、作業車両1の方位と同方向に延び、水平面に平行な平坦な平面が、簡易設計面62として生成され、目標設計面として設定される。
それにより、例えば図15では、簡易設計面62に従って作業機13が制御されることで、ストックされた土により隆起した地形51の上部を削って平坦な形状が形成される。また、図16では、凹凸のある地面52が水平にならされて、平坦な形状が形成される。
これらの場合、オペレータは、掘削を開始する位置に刃先位置P0を合わせた状態で、第1モードの決定ボタン(44)を操作すればよい。それにより、刃先位置P0が基準点P1として設定され、基準点P1を通る水平な簡易設計面62が目標設計面として設定される。そして、コントローラ26が、作業機13を目標設計面に従って制御することで、上述した形状を容易に形成することができる。従って、コントローラ26は、図15の隆起した地形51、或いは、図16の凹凸のある地面52を示す現況地形データを取得していなくても、簡易設計面62を生成することができる。
次に、第2モードに付いて説明する。第2モードでは、オペレータの入力操作が行われた作業車両1の2つの位置が基準点P1,P2として記憶される。第2モードでは、当該2つの基準点P1,P2を通る平坦な平面が、簡易設計面62として生成される。図17は、第2モードでの処理を示すフローチャートである。
図17に示すように、ステップS301では、コントローラ26は、第1基準点P1を決定するオペレータの入力操作の有無を判定する。コントローラ26は、入力装置25bから、第1基準点P1を決定するオペレータの入力操作を示す入力信号を受信したときに、オペレータの入力操作ありと判定する。具体的には、図18は、第2モードの操作画面83の一例を示す図である。図18に示すように、操作画面83上の第2モードの決定ボタン(44)が長押しされると、コントローラ26は、第1基準点P1を決定するオペレータの入力操作ありと判定する。
ステップS302では、コントローラ26は、オペレータの入力操作が行われたときの刃先位置P0を取得して、第1基準点P1に設定する。第1モードと同様に、コントローラ26は、刃先180の左右方向における中心を第1基準点P1に設定する。コントローラ26は、第1基準点P1を示す座標を基準位置情報として記憶装置28に保存する。
ステップS303では、コントローラ26は、第2基準点P2を決定するオペレータの入力操作の有無を判定する。コントローラ26は、入力装置25bから、第2基準点P2を決定するオペレータの入力操作を示す入力信号を受信したときに、オペレータの入力操作ありと判定する。第1基準点P1と同様に、操作画面83上の第2モードの決定ボタン(44)が長押しされると、コントローラ26は、第2基準点P2を決定するオペレータの入力操作ありと判定する。
ステップS304では、コントローラ26は、第1基準点P1と同様に、オペレータの入力操作が行われたときの刃先位置P0を取得して、第2基準点P2に設定する。コントローラ26は、第2基準点P2を示す座標を基準位置情報として記憶装置28に保存する。
なお、図18に示すように、第2モードの操作画面83では、決定された基準点P1-P2の数を示すカウンタ831が表示される。基準点P1,P2がまだ決定されていないときには、カウンタ831には「0」が表示される。ステップS302において第1基準点P1のみが決定されているときには、カウンタ831には「1」が表示される。ステップS304において第1、第2基準点P1,P2が決定されているときには、カウンタ831には「2」が表示される。
ステップS305では、コントローラ26は、簡易設計面62を決定する。コントローラ26は、第1基準点P1と第2基準点P2とを通る平坦な平面を簡易設計面62として決定する。コントローラ26は、第1基準点P1と第2基準点P2との座標から、車両の方位と縦断勾配とを算出する。なお、第2モードでは横断勾配は所定値に固定される。例えば、第2モードでの横断勾配は、初期値として0%に設定されている。ただし、オペレータは、横断勾配の入力欄809に所望の値を入力することで、横断勾配を初期値から変更することができる。
そして、ステップS306において、コントローラ26は、簡易設計面62を目標設計面として決定する。なお、コントローラ26は、決定した簡易設計面62を示す設計面データを記憶装置28に保存する。
なお、図19に示すように、第2モードの操作画面83も、第1モードの操作画面82と同様に、調整キー45を含む。オペレータが調整キー45を押すと、図20に示す調整表示803が操作画面83に表示される。第2モードの調整表示803は、第1モードの調整表示803と概ね同じである。ただし、第2モードでは、縦断勾配のみが固定するか否かの可否を選択可能であり、方向の固定はできない。また、横断勾配は固定のみである。そのため、第2モードの調整表示803は、縦断勾配の固定選択欄805を含むが、方向の固定選択欄804と横断勾配の固定選択欄806を含まない。ただし、オペレータは、各入力欄807-809に数値を入力することで、簡易設計面62の方向と縦断勾配と横断勾配とを変更することができる。
次に、第3モードに付いて説明する。第3モードでは、オペレータの入力操作が行われた作業車両1の3つの位置が基準点P1-P3として記憶される。第3モードでは、当該3つの基準点P1-P3を通る平坦な平面が、簡易設計面62として生成される。図21は、第3モードでの処理を示すフローチャートである。
ステップS401からステップS404までの処理は、第2モードのステップS301からステップS304までの処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS405では、コントローラ26は、第3基準点P3を決定するオペレータの入力操作の有無を判定する。コントローラ26は、入力装置25bから、第3基準点P3を決定するオペレータの入力操作を示す入力信号を受信したときに、オペレータの入力操作ありと判定する。具体的には、図22は、第3モードの操作画面84の一例を示す図である。図22に示すように、操作画面84上の第3モードの決定ボタン(44)が長押しされると、コントローラ26は、第3基準点P3を決定するオペレータの入力操作ありと判定する。
ステップS406では、コントローラ26は、第1、第2基準点P1,P2と同様に、オペレータの入力操作が行われたときの刃先位置P0を取得して、第3基準点P3に設定する。コントローラ26は、第3基準点P3を示す座標を基準位置情報として記憶装置28に保存する。
なお、図22に示すように、第3モードの操作画面84では、第2モードと同様に、決定された基準点P1-P3の数を示すカウンタ831が表示される。カウンタ831には、決定された基準点P1-P3の数が表示される。
ステップS407では、コントローラ26は、簡易設計面62を決定する。コントローラ26は、第1基準点P1と第2基準点P2と第3基準点P3とを通る平坦な平面を簡易設計面62として決定する。コントローラ26は、第1基準点P1と第2基準点P2と第3基準点P3との座標から、車両の方位と縦断勾配と横断勾配とを算出する。
そして、ステップS408において、コントローラ26は、簡易設計面62を目標設計面として決定する。なお、コントローラ26は、決定した簡易設計面62を示す設計面データを記憶装置28に保存する。
なお、図23に示すように、第3モードの操作画面84も、第1モードの操作画面82、及び、第2モードの操作画面83と同様に、調整キー45を含む。オペレータが調整キー45を押すと、図23に示す調整表示803が操作画面に表示される。第3モードの調整表示803は、第1モードの調整表示803及び第2モードの調整表示803と概ね同じである。ただし、第3モードでは、方向の固定と、縦断勾配の固定と、横断勾配の固定とができない。そのため、第3モードの調整表示803は、方向の固定選択欄804と、縦断勾配の固定選択欄805と、横断勾配の固定選択欄806とを含まない。ただし、オペレータは、各入力欄807-809に数値を入力することで、簡易設計面62の方向と縦断勾配と横断勾配とを変更することができる。
以上説明した、本実施形態に係る作業車両1の制御システム3によれば、目標設計面が現況面50よりも上方に位置するときには、目標設計面に沿って作業機13を制御することで、土を薄く現況面50上に盛ることができる。また、目標設計面が現況面50よりも下方するときには、目標設計面に沿って作業機13を制御することで、作業機13への負荷が過剰となることを抑えながら、掘削を行うことができる。それにより、作業の仕上がりの品質を向上させることができる。また、自動制御により、作業の効率を向上させることができる。
また、第1~第3モードにおいて基準点P1-P3を設定することで、基準点P1-P3を通る簡易設計面62を生成して目標設計面として設定することができる。それにより、オペレータが状況に応じて容易に新たな目標設計面を設定することができる。
例えば、第1モードでは、オペレータは作業の開始位置にブレード18の刃先180を置いて第1モードの決定ボタン(44)を操作することで、刃先位置P0を基準点P1として、基準点P1を通る水平な簡易設計面62を生成して、目標設計面として設定することができる。或いは、刃先位置P0を基準点P1として、基準点P1を通りピッチ角、及び、又は、チルト角に平行な簡易設計面62を生成して、目標設計面として設定することができる。
第2モードでは、オペレータは作業の開始位置に刃先を置いて第2モードの決定ボタン(44)を操作することで、当該刃先位置P0を第1基準点P1として設定する。そして、オペレータは、作業車両1を移動させて、刃先180を通過させたい位置に刃先180を置いて第2モードの決定ボタン(44)を操作することで、当該刃先位置P0を第2基準点P2として設定する。これにより、第1基準点P1と第2基準点P2とを通る平坦な簡易設計面62を生成して、目標設計面として設定することができる。
第3モードでは、第2モードと同様に、第1、第2基準点P1,P2を設定した後、オペレータは、さらに作業車両1を移動させる。そして、オペレータは、刃先180を通過させたい位置に刃先180を置いて第2モードの決定ボタン(44)を操作することで、当該刃先位置P0を第3基準点P3として設定する。これにより、第1基準点P1と第2基準点P2と第3基準点P3とを通る平坦な簡易設計面62を生成して、目標設計面として設定することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
作業車両1は、ブルドーザに限らず、ホイールローダ、モータグレーダ等の他の車両であってもよい。
作業車両1は、遠隔操縦可能な車両であってもよい。その場合、制御システム3の一部は、作業車両1の外部に配置されてもよい。例えば、コントローラ26は、作業車両1の外部に配置されてもよい。コントローラ26は、作業現場から離れたコントロールセンタ内に配置されてもよい。
コントローラ26は、互いに別体の複数のコントローラ26を有してもよい。例えば、図24に示すように、コントローラ26は、作業車両1の外部に配置されるリモートコントローラ261と、作業車両1に搭載される車載コントローラ262とを含んでもよい。リモートコントローラ261と車載コントローラ262とは通信装置38,39を介して無線により通信可能であってもよい。そして、上述したコントローラ26の機能の一部がリモートコントローラ261によって実行され、残りの機能が車載コントローラ262によって実行されてもよい。例えば、設計面60,70を決定する処理がリモートコントローラ261によって実行され、作業機13への指令信号を出力する処理が車載コントローラ262によって実行されてもよい。
操作装置25aと、入力装置25bと、ディスプレイ25cとは、作業車両1の外部に配置されてもよい。その場合、運転室は、作業車両1から省略されてもよい。或いは、操作装置25aと、入力装置25bと、ディスプレイ25c とが作業車両1から省略されてもよい。操作装置25aと入力装置25bによる操作無しで、コントローラ26による自動制御のみによって作業車両1が操作されてもよい。
現況面50は、上述した位置検出装置31に限らず、他の装置によって取得されてもよい。例えば、図25に示すように、外部の装置からのデータを受け付けるインターフェ-ス装置37によって現況面50が取得されてもよい。インターフェ-ス装置37は、外部の計測装置40が計測した現況地形データを無線によって受信してもよい。或いは、インターフェ-ス装置37は、記録媒体の読み取り装置であって、外部の計測装置40が計測した現況地形データを記録媒体を介して受け付けてもよい。
入力装置25bは、タッチパネル式の装置に限らず、スイッチなどの装置であってもよい。上述した操作キー41-43は、タッチパネルに表示されるソフトウェアキーに限らず、ハードウェアキーであってもよい。操作キー41-43は変更されてもよい。例えば、上昇キー41と下降キー42とが省略されてもよい。
第1モードの決定ボタン(44)、第2モードの決定ボタン(44)、及び、第3モードの決定ボタン(44)は、ハードウェアキーであってもよい。例えば、第1モードの決定ボタン(44)、第2モードの決定ボタン(44)、及び、第3モードの決定ボタン(44)は、操作装置25aに配置されてもよい。第1モードの決定ボタン(44)、第2モードの決定ボタン(44)、及び、第3モードの決定ボタン(44)は、共通のキーに限らず、互いに異なるキーであってもよい。
作業車両1の位置は、上記の実施形態のように刃先位置P0に限らず、他の位置であってもよい。例えば、作業車両1の位置は、車体11の所定部分の位置であってもよい。例えば、作業車両1の位置は、履帯16の底面160の所定位置であってもよい。
作業車両1の前後方向の傾斜角は、上記の実施形態のように車体11のピッチ角に限らず、他の角度であってもよい。例えば、作業車両1の前後方向の傾斜角は、作業機13のリフト角であってもよい。
作業車両1の左右方向の傾斜角は、上記の実施形態のように作業機13のチルト角に限らず、他の角度であってもよい。例えば、作業車両1の左右方向の傾斜角は、車体11のロール角であってもよい。
第2モード、及び/又は、第3モードが省略されてもよい。また、通常モードが省略されて、第1モードのみが実行可能であってもよい。
操作画面が変更されてもよい。例えば、操作画面は、作業現場の地形を示す画像と、作業車両1の現在位置を示すアイコンとを含む側面図を含んでもよい。第1~第3モードの調整表示803が変更、或いは省略されてもよい。
本発明によれば、自動制御によって、効率良く、且つ、仕上がりの品質の良い作業を行うことができる作業車両の制御システム、作業機軌跡設定方法、及び作業車両を提供することができる。
1 作業車両
3 制御システム
13 作業機
25b 入力装置
25c ディスプレイ
26 コントローラ

Claims (24)

  1. 作業機を有する作業車両の制御システムであって、
    入力装置と、
    前記入力装置と通信するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    現況面を示す現況地形データを取得し、
    最終設計面を示す設計面データを取得し、
    前記入力装置からオペレータの入力操作を示す入力信号を受信し、
    前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を含む車両情報と、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の方位情報とを取得し、
    前記作業車両の自動制御の制御モードを、通常モードと、簡易設計面を生成するモードとを含む複数のモードから選択し、
    前記通常モードでは、前記最終設計面と前記現況面との間に位置する中間設計面を生成し、前記中間設計面を、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計面として決定し、
    前記簡易設計面を生成するモードでは、前記最終設計面と前記現況面とに関わらず、前記入力信号を受信したときの前記車両情報と前記方位情報に基づいて、簡易設計面を生成し、前記簡易設計面を前記目標設計面として決定する、
    作業車両の制御システム。
  2. 前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の前記方位に向かって延びる平面を、前記簡易設計面として決定する、
    請求項1に記載の作業車両の制御システム。
  3. 前記作業機は刃先を含み、
    前記作業車両の位置は、前記刃先の位置である、
    請求項1に記載の作業車両の制御システム。
  4. 前記作業車両は、前記作業機が取り付けられる車体を含み、
    前記作業車両の位置は、前記車体の所定部分の位置である、
    請求項1に記載の作業車両の制御システム。
  5. 前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の前後方向の傾斜角を含み、
    前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の縦断勾配を有する平面を、前記簡易設計面として決定する、
    請求項1に記載の作業車両の制御システム。
  6. 前記作業車両は、前記作業機が取り付けられる車体を含み、
    前記作業車両の前後方向の傾斜角は、前記車体のピッチ角である、
    請求項5に記載の作業車両の制御システム。
  7. 前記作業車両の前後方向の傾斜角は、前記作業機のリフト角である、
    請求項5に記載の作業車両の制御システム。
  8. 前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の左右方向の傾斜角を含み、
    前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の横断勾配を有する平面を、前記簡易設計面として決定する、
    請求項1に記載の作業車両の制御システム。
  9. 前記作業車両は、前記作業機が取り付けられる車体を含み、
    前記作業車両の左右方向の傾斜角は、前記車体のロール角である、
    請求項8に記載の作業車両の制御システム。
  10. 前記作業車両の左右方向の傾斜角は、前記作業機のチルト角である、
    請求項8に記載の作業車両の制御システム。
  11. 前記コントローラは、
    前記入力装置からオペレータの設定操作を示す設定信号を受信し、
    前記設定信号に基づいて、前記入力信号を受信したときの前記方位情報と前記車両情報との少なくとも1つを変更して、前記簡易設計面を決定する、
    請求項1に記載の作業車両の制御システム。
  12. 前記コントローラは、前記目標設計面に従って前記作業機を制御する、
    請求項1に記載の作業車両の制御システム。
  13. 作業車両の作業機の目標軌跡を設定する方法であって、
    現況面を示す現況地形データを取得することと、
    最終設計面を示す設計面データを取得することと、
    オペレータの入力操作を示す入力信号を受信することと、
    前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を含む車両情報と、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の方位情報とを取得することと、
    前記作業車両の自動制御の制御モードを、通常モードと、簡易設計面を生成するモードとを含む複数のモードから選択することと、
    前記通常モードでは、前記最終設計面と前記現況面との間に位置する中間設計面を生成し、前記中間設計面を、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計面として決定することと、
    前記簡易設計面を生成するモードでは、前記最終設計面と前記現況面とに関わらず、前記入力信号を受信したときの前記車両情報と前記方位情報に基づいて、簡易設計面を生成し、前記簡易設計面を前記目標設計面として決定すること、
    を備える作業機の目標軌跡設定方法。
  14. 前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延びる平面が、前記簡易設計面として決定される、
    請求項13に記載の作業機の目標軌跡設定方法。
  15. 前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の前後方向の傾斜角を含み、
    前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の縦断勾配を有する平面が、前記簡易設計面として決定される、
    請求項13に記載の作業機の目標軌跡設定方法。
  16. 前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の左右方向の傾斜角を含み、
    前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の横断勾配を有する平面が、前記簡易設計面として決定される、
    請求項13に記載の作業機の目標軌跡設定方法。
  17. オペレータの設定操作を示す設定信号を受信することと、
    前記設定信号に基づいて、前記入力信号を受信したときの前記方位情報と前記車両情報との少なくとも1つを変更して前記簡易設計面を決定すること
    をさらに備える
    請求項13に記載の作業機の目標軌跡設定方法。
  18. 作業機と、
    入力装置と、
    コントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    現況面を示す現況地形データを取得し、
    最終設計面を示す設計面データを取得し、
    前記入力装置からオペレータの入力操作を示す入力信号を受信し、
    前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を含む車両情報と、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の方位情報とを取得し、
    前記作業車両の自動制御の制御モードを、通常モードと、簡易設計面を生成するモードとを含む複数のモードから選択し、
    前記通常モードでは、前記最終設計面と前記現況面との間に位置する中間設計面を生成し、前記中間設計面を、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計面として決定し、
    前記簡易設計面を生成するモードでは、前記最終設計面と前記現況面とに関わらず、前記入力信号を受信したときの前記車両情報と前記方位情報に基づいて、簡易設計面を生成し、前記簡易設計面を前記目標設計面として決定し、
    前記目標設計面に従って前記作業機を制御する、
    作業車両。
  19. 前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延びる平面を、前記簡易設計面として決定する、
    請求項18に記載の作業車両。
  20. 前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の前後方向の傾斜角を含み、
    前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の縦断勾配を有する平面を、前記簡易設計面として決定する、
    請求項18に記載の作業車両。
  21. 前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の左右方向の傾斜角を含み、
    前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の横断勾配を有する平面を、前記簡易設計面として決定する、
    請求項18に記載の作業車両。
  22. 前記コントローラは、
    前記入力装置からオペレータの設定操作を示す設定信号を受信し、
    前記設定信号に基づいて、前記入力信号を受信したときの前記方位情報と前記車両情報との少なくとも1つを変更して、前記簡易設計面を決定する、
    請求項18に記載の作業車両。
  23. 作業機を有する作業車両の制御システムであって、
    入力装置と、
    前記入力装置と通信するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記入力装置からオペレータの入力操作を示す入力信号を受信し、
    前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を含む車両情報と、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の方位情報とを取得し、
    前記入力信号を受信したときの前記車両情報と前記方位情報に基づいて、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計面を決定し、
    前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の前後方向の傾斜角を含み、
    前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の縦断勾配を有する平面を、前記目標設計面として決定する、
    作業車両の制御システム。
  24. 作業機を有する作業車両の制御システムであって、
    入力装置と、
    前記入力装置と通信するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記入力装置からオペレータの入力操作を示す入力信号を受信し、
    前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を含む車両情報と、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の方位情報とを取得し、
    前記入力信号を受信したときの前記車両情報と前記方位情報に基づいて、前記作業機の目標軌跡を示す目標設計面を決定し、
    前記車両情報は、水平方向に対する前記作業車両の左右方向の傾斜角を含み、
    前記コントローラは、前記入力信号を受信したときの前記作業車両の位置を通り前記作業車両の方位に向かって延び、前記傾斜角の横断勾配を有する平面を、前記目標設計面として決定する、
    作業車両の制御システム。
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