JP7047917B2 - 鉄道車両用のブレーキディスクの取付構造、及びこれを用いたブレーキディスクユニット - Google Patents

鉄道車両用のブレーキディスクの取付構造、及びこれを用いたブレーキディスクユニット Download PDF

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Description

本開示は、ブレーキディスクの取付構造に関し、より詳細には、鉄道車両の車輪に、又は鉄道車両の車軸に固定されるディスク体に、締結孔を含む環状のブレーキディスクを取り付ける構造に関する。また、本開示は、当該取付構造を用いたブレーキディスクユニットに関する。
従来、鉄道車両の制動装置として、ディスクブレーキが使用されている。ディスクブレーキは、環状のブレーキディスクと、ブレーキライニングと、を備える。ブレーキディスクは、鉄道車両の車輪に締結され、あるいは、車軸に固定されたディスク体に締結される。ブレーキディスクの摺動面には、ブレーキライニングが押し付けられる。ブレーキディスクとブレーキライニングとの摩擦により、車輪が制動される。
特許文献1は、ボルト及びナットによって車輪の各側面に締結されるブレーキディスクを開示する。当該ブレーキディスクと、ボルトの頭部又はナットとの間には、皿ばね等の弾性体が配置されている。特許文献1によれば、弾性体の弾性係数を適正化することで、ボルトへの曲げ負荷及び引っ張り負荷を低減することができる。
部材間に配置される弾性体として、種々のものが提案されている。例えば、特許文献2は、第1部材及び第2部材をボルトで締結するに際し、第1部材の上下に配置される弾性体を開示する。特許文献2において、上下の弾性体の各々は、皿ばねとして機能する円すい部を有する。上側の弾性体は、ボルトの頭部及び第1部材に固定される。
例えば、特許文献3は、ステアリング装置に採用される皿ばねを開示する。特許文献3の皿ばねは、ステアリング装置のハウジング内において、摺動部材であるリテーナと、固定部材であるアジャストスクリュとの間に配置される。特許文献3の皿ばねは、概略S字状の縦断面を有する。
特許第4305296号公報 特許第5112226号公報 実開昭63-020537号公報
特許文献1に開示されるような鉄道車両用のブレーキディスクは、車輪の制動中、ブレーキライニングとの間で発生する摩擦熱によって熱膨張する。ブレーキディスクは、車輪又はディスク体の厚み方向において外向きに凸の形状に変形する。このとき、ブレーキディスクの内周部は、外周部と比較して大きく変形する。これにより、ブレーキディスクを車輪等に締結している締結部材において、ブレーキディスクの径方向で外向きの曲げ変形が発生する。
本開示は、締結部材によって被取付部材に締結される鉄道車両用のブレーキディスクにおいて、締結部材の曲げ変形を低減することを課題とする。
本開示に係る取付構造は、被取付部材に環状のブレーキディスクを取り付ける構造である。被取付部材は、鉄道車両の車輪である。あるいは、被取付部材は、鉄道車両の車軸に固定されるディスク体である。ブレーキディスクは、締結孔を含む。取付構造は、筒部材と、締結部材と、を備える。筒部材は、締結孔に重ねて配置される。締結部材は、頭部と、軸部と、を有する。頭部は、筒部材上に配置される。軸部は、頭部から被取付部材側に延びる。軸部は、筒部材及び締結孔に挿入される。締結部材は、ブレーキディスクを被取付部材に締結する。筒部材の周壁のうち、ブレーキディスクの内周側に位置づけられる部分には、肉抜き部が設けられる。肉抜き部は、筒部材の周方向に延びている。
本開示によれば、締結部材によって被取付部材に締結される鉄道車両用のブレーキディスクにおいて、締結部材の曲げ変形を低減することができる。
図1は、実施形態に係るブレーキディスクユニットの平面図である。 図2は、図1に示すブレーキディスクユニットのII-II断面図である。 図3は、図1に示すブレーキディスクユニットに含まれる筒部材の斜視図である。 図4は、図3に示す筒部材の側面図である。 図5は、図3に示す筒部材をその中心軸に沿って切断した縦断面図である。 図6は、図5に示す筒部材とは異なる筒部材の縦断面図である。 図7は、図5及び図6に示す筒部材とは異なる筒部材の縦断面図である。 図8は、スリット深さ/筒部材の直径と、締結部材に発生する曲げ応力との関係を示すグラフである。 図9は、スリット幅/筒部材の高さと、締結部材に発生する曲げ応力との関係を示すグラフである。 図10は、切欠き深さ/筒部材の直径と、締結部材に発生する曲げ応力との関係を示すグラフである。 図11は、最小肉厚/筒部材の直径と、締結部材に発生する曲げ応力との関係を示すグラフである。
実施形態に係る取付構造は、被取付部材に環状のブレーキディスクを取り付ける構造である。被取付部材は、鉄道車両の車輪である。あるいは、被取付部材は、鉄道車両の車軸に固定されるディスク体である。ブレーキディスクは、締結孔を含む。取付構造は、筒部材と、締結部材と、を備える。筒部材は、締結孔に重ねて配置される。締結部材は、頭部と、軸部と、を有する。頭部は、筒部材上に配置される。軸部は、頭部から被取付部材側に延びる。軸部は、筒部材及び締結孔に挿入される。締結部材は、ブレーキディスクを被取付部材に締結する。筒部材の周壁のうち、ブレーキディスクの内周側に位置づけられる部分には、肉抜き部が設けられる。肉抜き部は、筒部材の周方向に延びている(第1の構成)。
第1の構成では、締結部材とブレーキディスクとの間に介在する筒部材に、肉抜き部が設けられている。肉抜き部は、筒部材の周壁のうち、ブレーキディスクの内周側に位置づけられる部分に設けられる。この肉抜き部により、筒部材のうちブレーキディスクの内周側に配置される内側部分の剛性は、ブレーキディスクの外周側に配置される外側部分の剛性よりも低くなる。よって、ブレーキディスクが熱膨張してブレーキディスクの内周部が変形した際、筒部材の内側部分が大きく撓んで、ブレーキディスクからの曲げ荷重がキャンセルされる。これにより、締結部材の曲げ変形を低減することができる。
肉抜き部は、周壁の外周面から内周面に向かって形成されたスリットであってもよい(第2の構成)。
第2の構成において、肉抜き部は、円弧状の両端部を有することが好ましい(第3の構成)。
第3の構成によれば、筒部材の周方向に延びるスリット状の肉抜き部において、各端部で応力集中が生じるのを抑制することができる。
肉抜き部は、周壁の外周面に形成された切欠きであってもよい(第4の構成)。
肉抜き部は、周壁を貫通する貫通孔であってもよい(第5の構成)。
筒部材は、内端部と、外端部と、を有することができる。筒部材の内端部は、筒部材がブレーキディスク上に配置される際、ブレーキディスクの径方向で内側に位置づけられる。筒部材の外端部は、筒部材がブレーキディスク上に配置される際、ブレーキディスクの径方向で外側に位置づけられる。ブレーキディスクが被取付部材に対して非締結である状態で、内端部の高さは、外端部の高さよりも大きいことが好ましい(第6の構成)。
筒部材では、肉抜き部により、内側部分の剛性が外側部分の剛性よりも小さくなっている。このため、ブレーキディスクを被取付部材に締結した際、締結部材に発生する軸力により、筒部材の内側部分が比較的大きく変形して、締結部材と筒部材との接触面が傾く可能性がある。これに対して、第6の構成の筒部材は、予め、その内端部の高さが外端部の高さよりも大きくなるように形成される。よって、締結部材の軸力で筒部材の内側部分が大きく変形したとき、締結部材と筒部材との接触面をブレーキディスクに対して概ね平行にすることができる。これにより、締結状態において、締結部材に曲げ変形が生じるのを抑制することができる。
上記取付構造において、筒部材は、被取付部材側に凸の形状を有する皿ばねであることが好ましい(第7の構成)。
実施形態に係るブレーキディスクユニットは、鉄道車両用のブレーキディスクユニットである。ブレーキディスクユニットは、上記ブレーキディスクと、上記被取付部材と、上記取付構造と、を備える。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
<第1実施形態>
[ブレーキディスクユニットの構成]
図1は、実施形態に係るブレーキディスクユニット100の平面図である。ブレーキディスクユニット100は、鉄道車両に使用される。
図1に示すように、ブレーキディスクユニット100は、ブレーキディスク10と、被取付部材20と、複数の取付構造30と、を備える。
ブレーキディスク10は、環状をなす。ブレーキディスク10は、複数の取付構造30によって被取付部材20に取り付けられる。取付構造30は、ブレーキディスク10の周方向に沿って配置されている。
本実施形態において、被取付部材20は、鉄道車両の車輪である。被取付部材20は、鉄道車両の車軸に固定されるディスク体であってもよい。ブレーキディスク10は、被取付部材20と実質的に同軸となるように設けられる。ブレーキディスク10は、被取付部材20の両面上に配置される。
ブレーキディスク10及び被取付部材20の材質は、特に限定されるものではない。ブレーキディスク10の材質として、例えば、鉄鋼や、アルミ複合材料等、ブレーキディスクに一般に使用されているものを採用することができる。被取付部材20の材質も、鉄道車両用の車輪又はディスク体に一般に使用されているものを採用することができる。
図2は、図1に示すブレーキディスクユニット100のII-II断面図である。図2では、被取付部材20の両面に取り付けられるブレーキディスク10のうち、一方のみを示し、他方を省略している。
図2を参照して、ブレーキディスク10は、表面101及び裏面102を有する。表面101は、ブレーキディスクユニット100の厚み方向で外向きの面である。表面101は、ブレーキライニング(図示略)が押し付けられる摺動面である。裏面102は、被取付部材20の側面に対向して接触する。ブレーキディスク10が径方向に延びる複数の縦フィンを有する場合、裏面102は、縦フィンの頂面である。
ブレーキディスクユニット100の厚み方向は、ブレーキディスク10及び被取付部材20の積層方向であり、ブレーキディスク10及び被取付部材20の各厚み方向と一致する。以下、ブレーキディスクユニット100、ブレーキディスク10、又は被取付部材20の厚み方向を、単に厚み方向という場合がある。また、ブレーキディスクユニット100、ブレーキディスク10、又は被取付部材20の径方向を、単に径方向という場合がある。
ブレーキディスク10は、複数の締結孔103を含む。複数の締結孔103は、ブレーキディスク10の周方向に沿って、間隔を空けて配置されている。締結孔103の各々は、ブレーキディスク10を厚み方向に貫通する。
各締結孔103は、大径部1031と、小径部1032と、を含む。大径部1031の差渡し長さは、小径部1032の差渡し長さよりも大きい。大径部1031及び小径部1032は、ブレーキディスク10の表面101から裏面102に向かって、この順で配置されている。大径部1031は、表面101に開口する。小径部1032は、裏面102に開口する。
被取付部材20は、複数の締結孔203を有する。複数の締結孔203は、ブレーキディスク10の複数の締結孔103に対応して、被取付部材20に形成される。ブレーキディスク10は、被取付部材20の両面に取り付けられる。このため、厚み方向において、一方のブレーキディスク10の締結孔103、被取付部材20の締結孔203、及び他方のブレーキディスクの締結孔(図示略)が順に並ぶことになる。
取付構造30は、ブレーキディスク10を被取付部材20に取り付けるための構造である。取付構造30は、ブレーキディスク10の締結孔103ごとに設けられる。取付構造30は、締結部材301と、筒部材302と、を備える。
締結部材301は、ブレーキディスク10を被取付部材20に締結する。締結部材301は、ブレーキディスク10の締結孔103、及び被取付部材20の締結孔203に挿入される。締結部材301は、ボルト及びナットで構成される。
締結部材301は、頭部3011と、軸部3012と、を含む。
頭部3011は、ボルトの頭部、又はナットである。頭部3011は、ブレーキディスク10の締結孔103内に収容される。より詳細には、頭部3011は、締結孔103の大径部1031内に配置される。
軸部3012は、頭部3011から被取付部材20側に延びる。頭部3011がボルトの頭部の場合、軸部3012は、頭部3011と一体に形成される。頭部3011がナットの場合、軸部3012は、頭部3011とは別体である。軸部3012は、ブレーキディスクユニット100の厚み方向に延びている。
軸部3012は、ブレーキディスク10の締結孔103、及び被取付部材20の締結孔203に挿入される。より詳細には、軸部3012は、当該ブレーキディスク10の締結孔103、被取付部材20の締結孔203、及び他のブレーキディスクの締結孔(図示略)に挿入される。
軸部3012は、ねじ部を有する。頭部3011がボルトの頭部である場合、軸部3012は、少なくとも、頭部3011と反対側の端部にねじ部を有する。この場合、軸部3012のねじ部は、軸部3012と別体のナットのねじ部と嵌まり合う。
頭部3011がナットである場合、軸部3012は、少なくとも、頭部3011側の端部にねじ部を有する。頭部3011は、軸部3012のねじ部と対応するねじ部を有する。この場合、軸部3012のねじ部は、頭部3011のねじ部と嵌まり合う。
筒部材302は、ブレーキディスクユニット100の厚み方向を軸方向とする筒状をなす。筒部材302は、ブレーキディスク10と締結部材301との間に配置される。筒部材302は、ブレーキディスク10の締結孔103に重ねて配置される。本実施形態では、筒部材302は、締結孔103内に収容される。より具体的には、締結孔103の大径部1031内に筒部材302が収容されている。筒部材302上には、締結部材301の頭部3011が配置される。筒部材302には、締結部材301の軸部3012が挿入される。
筒部材302は、周壁3021と、肉抜き部3022と、を含む。
周壁3021は、概略筒状をなす。本実施形態において、周壁3021の形状は、概ね円筒状である。周壁3021は、天面3023と、底面3024と、を有する。天面3023は、締結部材301の頭部3011に対向する。底面3024は、ブレーキディスク10に対向する。より詳細には、底面3024は、締結孔103の大径部1031の底面に対向する。
肉抜き部3022は、周壁3021の外周面から内周面に向かって形成されたスリットである。肉抜き部3022は、周壁3021のうち、ブレーキディスク10の内周側に位置づけられる部分に設けられる。すなわち、肉抜き部3022は、ブレーキディスク10の内周側から外周側に向かって、周壁3021の一部を切り取って形成される。
肉抜き部3022は、実質的に筒部材302の周方向に延びている。周方向に延びるとは、筒部材302の周方向における長さが筒部材302の軸方向における長さよりも長いことを意味する。肉抜き部3022は、筒部材302のうち、中心軸Xよりもブレーキディスク10の内周側の部分に設けられる。肉抜き部3022は、中心軸Xを超えてブレーキディスク10の外周側に延びていてもよい。
[筒部材の構成]
筒部材302の詳細な構成について、図3から図5を参照しつつ説明する。図3から図5は、図2に示すブレーキディスクユニット100に組み込まれていない状態(非締結状態)の筒部材302を示す。図3は、筒部材302の斜視図である。図4は、筒部材302の側面図である。図5は、筒部材302をその中心軸Xに沿って切断した縦断面図である。図4及び図5の左右方向は、図2に示すブレーキディスク10の径方向と概ね一致する。図4及び図5において、左側は、ブレーキディスク10の内周側に相当し、右側は、ブレーキディスク10の外周側に相当する。
図3を参照して、筒部材302において、肉抜き部3022は、周壁3021に設けられた空隙部分である。肉抜き部3022は、周壁3021の外周面に開口する。本実施形態において、肉抜き部3022は、周壁3021の内周面にも開口している。肉抜き部3022は、筒部材302の周方向に延びる本体部3022aと、周方向の両端部3022bと、を有する。
本体部3022aは、筒部材302の軸方向と交差するように設けられる。本体部3022aは、筒部材302の軸方向に直交していてもよいし、筒部材302の軸方向に対して傾斜していてもよい。
各端部3022bは、円弧状をなす。本実施形態では、端部3022bは、それぞれ、単一の円弧面で形成されている。ただし、円弧面、楕円弧面、及び放物面のいずれか、又はこれらを2種以上組み合わせて、各端部3022bを形成することもできる。すなわち、端部3022bは、曲面で構成される。
図4を参照して、本実施形態では、端部3022bの幅Wbは、本体部3022aの幅Waよりも大きい。ただし、端部3022bの幅Wbは、本体部3022aの幅Waとほぼ等しくてもよい。幅Wa,Wbは、それぞれ、筒部材302の軸方向における本体部3022a及び端部3022bの最大寸法である。本実施形態では、筒部材302の軸方向における本体部3022aの寸法は、その全体に亘って一律である。
本体部3022aの幅Waは、後述する筒部材302の高さH1に応じて設定することができる。以下、本体部3022aの幅Waをスリット幅Waという。筒部材302の高さH1に対するスリット幅Waの割合(Wa/H1)は、0.05以上であることが好ましい。Wa/H1は、好ましくは0.55以下であり、より好ましくは0.3以下である。
肉抜き部3022の深さd1は、筒部材302の直径Dに応じて設定することができる。以下、肉抜き部3022の深さd1をスリット深さd1という。スリット深さd1は、図4に示すように、筒部材302の側面視での肉抜き部3022の横断長さをいう。図4において、筒部材302の周方向における肉抜き部3022の中心は、筒部材302の母線上に位置している。筒部材302の直径Dは、締結部材301の頭部3011(図2)の座面の直径又は差渡し長さ以下である。頭部3011の座面の差渡し長さとは、頭部3011の座面の最大寸法をいう。
筒部材302の直径Dに対するスリット深さd1の割合(d1/D)は、好ましくは0.1よりも大きく、より好ましくは0.23以上である。d1/Dは、好ましくは0.37未満であり、より好ましくは0.33以下である。
筒部材302が円筒状でない場合、筒部材302の差渡し長さを直径Dとして使用して、d1/Dを設定してもよい。差渡し長さは、筒部材302の中心軸Xに直交する方向における筒部材302の最大寸法である。
図4及び図5を参照して、筒部材302において、周壁3021には、天面3023及び底面3024が設けられている。図2を参照して既に説明した通り、天面3023は、締結部材301の頭部3011側の面であり、底面3024は、ブレーキディスク10側の面である。以下、説明の便宜上、天面3023側を上、底面3024側を下という場合がある。
天面3023は、下側に凹の形状を有する面である。底面3024は、下側に凸の形状を有する面である。天面3023及び底面3024は、それぞれ、下方に向かって先細りになるテーパ状をなす。したがって、筒部材302は、全体として、被取付部材20(図2)側に凸の形状を有する。筒部材302は、皿ばねである。天面3023の外周部分は、締結部材301の頭部3011(図2)に接触する。底面3024の内周部分は、締結孔103の大径部1031(図2)の底面に接触する。
図4を参照して、筒部材302は、外端部3025及び内端部3026を有する。外端部3025は、筒部材302がブレーキディスク10上に配置されたとき、ブレーキディスク10の径方向において、外側に位置する端部である。内端部3026は、筒部材302がブレーキディスク10上に配置されたとき、ブレーキディスク10の径方向において、内側に位置する端部である。
内端部3026の高さh2は、外端部3025の高さh1よりもわずかに大きい。筒部材302の高さh1,h2は、非締結状態における寸法である。高さh1は、筒部材302の軸方向における外端部3025の長さである。高さh2は、筒部材302の軸方向における内端部3026の長さである。図4に示す筒部材302の両母線のうち、ブレーキディスク10の外周側に位置する母線の長さが外端部3025の高さh1、ブレーキディスク10の内周側に位置する母線の長さが内端部3026の高さh2となる。
高さh1,h2に対して底面3024の高さを加えた長さを、それぞれ筒部材302の高さH1,H2とする。高さH1は、底面3024の下端から外端部3025の上端までの、筒部材302の軸方向長さである。高さH2は、底面3024の下端から内端部3026の上端までの、筒部材302の軸方向長さである。筒部材302において、ブレーキディスク10の内周側に配置される部分の高さH2は、ブレーキディスク10の外周側に配置される部分の高さH1よりもわずかに大きい。高さH1と高さH2との差は、ブレーキディスクユニット100(図1)の使用条件等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、0.1mm~1.0mmとすることができる。筒部材302の高さH1,H2は、非締結状態における寸法である。
筒部材302の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ばね鋼等の高強度鋼を挙げることができる。筒部材302は、機械加工や、鋳造等で製造することができる。
[実施形態の効果]
本実施形態に係る取付構造30では、締結部材301とブレーキディスク10との間に筒部材302が配置される。筒部材302には、周壁3021の一部を切り取ることで、スリット状の肉抜き部3022が形成されている。筒部材302は、ブレーキディスク10の内周側に肉抜き部3022が位置するよう、ブレーキディスクユニット100に配置される。これにより、筒部材302のうち、ブレーキディスク10の外周側に配置される部分よりも、ブレーキディスク10の内周側に配置される部分の剛性が低くなる。よって、ブレーキディスク10が熱膨張してブレーキディスク10の内周部が大きく変形した際、筒部材302のうち、ブレーキディスク10の内周側に位置する部分が大きく撓むことになる。その結果、ブレーキディスク10からの曲げ荷重がキャンセルされ、締結部材301の曲げ変形を低減することができる。
本実施形態において、肉抜き部3022は、円弧状の両端部3022bを有する。このため、肉抜き部3022の両端部において応力集中が発生するのを抑制することができる。
本実施形態において、筒部材302は、予め、内端部3026の高さh2が外端部3025の高さh1よりも大きくなるように形成されている。このため、ブレーキディスク10を被取付部材20に締結したとき、筒部材302と締結部材301との接触面を、ブレーキディスク10に対して概ね平行にすることができる。よって、締結軸力によって締結部材301に曲げが生じるのを抑制することができる。
新幹線等の高速鉄道車両用のブレーキディスクでは、ブレーキディスクの熱膨張により、締結部材への曲げ負荷が増加する。特に、摺動面の中央に締結部が設けられる中央締結型のブレーキディスクでは、締結部材に対する曲げ負荷の増加が顕著である。本実施形態では、筒部材302が、ブレーキディスク10と締結部材301との間で皿ばねとして機能する。筒部材302のうち、ブレーキディスク10の内周側に位置づけられる部分は、肉抜き部3022によって、他の部分よりも小さいばね定数を有する。この筒部材302により、ブレーキディスク10が凸状に熱変形したとき、締結部材301に作用する曲げ負荷を大きく低減することができる。よって、高速からのブレーキに対する締結部材301の耐久性を向上させることができる。
<第2実施形態>
図6は、第1実施形態の筒部材302(図5)と異なる筒部材402の縦断面図である。筒部材402は、肉抜き部4022の形状においてのみ、第1実施形態の筒部材302と異なる。
図6を参照して、肉抜き部4022は、筒部材402の周方向に沿って延びている。肉抜き部4022は、周壁3021の外周面に形成された切欠きである。肉抜き部4022は、周壁3021の外周面に開口するが、周壁3021の内周面には開口していない。
肉抜き部4022の形状は、適宜決定することができる。肉抜き部4022は、例えば、筒部材402の縦断面視で円弧状、楕円弧状、トラック形状、又は多角形状等をなす。ただし、応力集中の発生を抑制する観点から、肉抜き部4022は、角部を有しない形状に形成されることが好ましい。本実施形態において、肉抜き部4022の形状は、筒部材402の縦断面視で円弧状である。この肉抜き部4022の半径R2は、例えば内端部3026の高さh2等に応じ、適宜設定することができる。
筒部材402の直径Dに対する肉抜き部4022の深さd2の割合(d2/D)は、0.1よりも大きいことが好ましく、0.23以上であることがより好ましい。d2/Dは、好ましくは0.37未満であり、より好ましくは0.33以下である。
ブレーキディスクユニット100の取付構造30(図2)では、第1実施形態の筒部材302に代えて、本実施形態の筒部材402を使用することができる。筒部材402は、ブレーキディスク10の内周側に肉抜き部4022が位置するよう、ブレーキディスクユニット100に配置される。肉抜き部4022は、ブレーキディスク10の内周側から、筒部材402の中心軸Xを超えてブレーキディスク10の外周側まで延びていてもよい。この肉抜き部4022により、ブレーキディスク10が熱膨張してブレーキディスク10の内周部が大きく変形した際、筒部材402の内側部分が撓んでブレーキディスク10からの曲げ荷重がキャンセルされる。そのため、筒部材402を取付構造30に使用した場合も、第1実施形態と同様、締結部材301の曲げ変形を低減することができる。
<第3実施形態>
図7は、第1実施形態の筒部材302(図5)及び第2実施形態の筒部材402(図6)と異なる筒部材502の縦断面図である。筒部材502は、肉抜き部5022の形状においてのみ、筒部材302,402と異なる。
図7を参照して、肉抜き部5022は、筒部材502の周壁3021を貫通する貫通孔である。肉抜き部5022は、概ね、筒部材502の周方向に延びている。本実施形態の例では、肉抜き部5022は、ブレーキディスク10の径方向、及び筒部材502の軸方向に対して実質的に垂直な方向に延びている。ただし、肉抜き部5022は、当該方向に対して傾斜していてもよいし、周壁3021に沿って湾曲していてもよい。貫通孔である肉抜き部5022の両端は、周壁3021の外周面に開口する。
肉抜き部5022の形状は、適宜決定することができる。肉抜き部5022は、例えば、円形、楕円形、トラック形、又は多角形等の断面を有する。ただし、応力集中の発生を抑制する観点から、肉抜き部4022は、角部を有しない断面形状に形成されることが好ましい。本実施形態において、肉抜き部5022は、円形の断面を有する。この肉抜き部5022の半径R3は、内端部3026の高さh2等に応じ、適宜設定することができる。
筒部材502において、内端部3026側の最小肉厚tは、極力小さいことが好ましい。最小肉厚tは、内端部3026から肉抜き部5022までの最短距離である。筒部材502の直径Dに対する最小肉厚tの割合(t/D)は、0.03以下であることが好ましい。内端部3026近傍での応力集中の発生を抑制し、塑性変形及び疲労破壊を予防する観点から、最小肉厚tは、1.0mm以上であることが好ましい。
ブレーキディスクユニット100の取付構造30(図2)では、第1実施形態の筒部材302に代えて、本実施形態の筒部材502を使用することができる。筒部材502は、中心軸Xよりもブレーキディスク10の内周側に肉抜き部5022が位置するよう、ブレーキディスクユニット100に配置される。これにより、ブレーキディスク10が熱膨張してブレーキディスク10の内周部が大きく変形した際、筒部材502の内側部分が撓んでブレーキディスク10からの曲げ荷重がキャンセルされる。そのため、筒部材502を取付構造30に使用した場合も、第1実施形態と同様、締結部材301の曲げ変形を低減することができる。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記第1実施形態では、スリット状の肉抜き部3022の両端部3022bが円弧状に形成されている。しかしながら、端部3022bの形状は特に限定されるものではない。端部3022bは、曲面で構成されていなくてもよい。
上記実施形態の筒部材302,402,502では、内端部3026の高さh2が外端部3025の高さh1よりも大きい。しかしながら、高さh1,h2が等しくなるよう、筒部材302,402,502を構成することもできる。
上記実施形態の筒部材302,402,502は、被取付部材20側に凸の形状を有する皿ばねである。しかしながら、筒部材302,402,502は、皿ばねでなくてもよい。筒部材302,402,502は、例えば、平座金又はカラー等であってもよい。
上記実施形態において、取付構造30は、いわゆる中央締結型のブレーキディスク10、すなわち、表面(摺動面)101の中央に締結部を有するブレーキディスク10に適用されている。しかしながら、中央締結型以外のブレーキディスクに取付構造30を適用することも可能である。
以下、実施例によって本開示をさらに詳しく説明する。ただし、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
新幹線用中央締結型のブレーキディスクと、このブレーキディスクを被取付部材に取り付けるための取付構造とを有するモデルを作製し、有限要素法による解析(FEM解析)を行った。当該モデルにおけるブレーキディスクは、図2に示すブレーキディスク10と同一の構造を有する。当該モデルにおける取付構造30には、肉抜き部3022の両端部3022b(図3)が円弧状でない点を除き、第1実施形態の筒部材302(図5)と同一の形状を有する筒部材を使用した。
FEM解析では、鉄道車両が360km/hで走行しているときに停止ブレーキをかけた場合を想定して、締結部材301に発生する曲げ応力の大きさ(絶対値)を算出した。FEM解析では、筒部材302に対する肉抜き部3022の寸法条件を変化させ、寸法条件ごとに曲げ応力を算出した。寸法条件及び曲げ応力を表1及び表2に示す。
Figure 0007047917000001
Figure 0007047917000002
表1及び表2において、比較例は、肉抜き部3022が設けられていない皿ばねである。実施例1-1~1-9は、肉抜き部3022を有する筒部材302(皿ばね)である。表1において、実施例1-1~1-5では、スリット深さd1/筒部材302の直径Dが各々異なる。実施例1-1~1-5では、スリット幅Wa/筒部材302の高さH1を全て0.23とした。
表2において、実施例1-6~1-9では、スリット幅Wa/筒部材302の高さH1が各々異なる。実施例1-6~1-9では、スリット深さd1/筒部材302の直径Dを全て0.3とした。
図8に、スリット深さd1/筒部材302の直径Dと、締結部材301に発生する曲げ応力との関係を示す。図8は、表1に示すd1/D及び曲げ応力をプロットして作成したグラフである。破線L1は、比較例の曲げ応力を示す。破線L2は、締結部材301の強度確保の観点から好ましい曲げ応力の上限値を示す。
図8に示すように、d1/Dが0.1を超えると、締結部材301に生じる曲げ応力は、比較例の曲げ応力L1よりも小さくなり始める。d1/Dが0.37未満であれば、曲げ応力を比較例の曲げ応力L1未満とすることができる。d1/Dが0.23以上、且つ0.33以下である場合、曲げ応力は、締結部材301の強度を確保するための曲げ応力L2以下となる。
よって、d1/Dは、0.1よりも大きいことが好ましく、0.23以上であることがより好ましい。d1/Dは、0.37未満であることが好ましく、0.33以下であることがより好ましい。
図9に、スリット幅Wa/筒部材302の高さH1と、締結部材301に発生する曲げ応力との関係を示す。図9は、表2に示すWa/H1及び曲げ応力をプロットして作成したグラフである。破線L1は、比較例の曲げ応力を示す。破線L2は、締結部材301の強度を確保するために好ましい曲げ応力の上限値を示す。
図9に示すように、筒部材302に肉抜き部3022を設けると、締結部材301に生じる曲げ応力は、肉抜き部3022がない比較例の曲げ応力L1よりも小さくなる。図9より、Wa/H1が0.55以下であれば、比較例の曲げ応力L1未満の曲げ応力を確保できることがわかる。Wa/H1が0.05以上、0.3以下である場合、締結部材301の曲げ応力は、締結部材301の強度を確保するための曲げ応力L2以下となる。
よって、Wa/H1は、0.55以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。Wa/H1は、0.05以上であることが好ましい。
以上より、筒部材302において、ブレーキディスク10の内周側にスリット状の肉抜き部3022を設けることで、ブレーキディスク10の径方向で外向きの曲げ応力を低減できることが確認された。また、スリット深さd1/筒部材302の直径D、及びスリット幅Wa/筒部材302の高さH1の好ましい範囲を確認することができた。
[実施例2]
第2実施形態の筒部材402(図6)と同一の形状を有する筒部材を使用し、実施例1と同様のFEM解析を実施した。当該FEM解析では、肉抜き部4022の寸法条件を変化させ、寸法条件ごとに曲げ応力を算出した。寸法条件及び曲げ応力を表3に示す。
Figure 0007047917000003
表3に示すように、実施例2-1~2-4では、筒部材402の直径Dに対する肉抜き部4022の深さ(切欠き深さ)d2の割合が各々異なる。比較例は、上記実施例1における比較例と同一である。表3に示す曲げ応力は、1回の停止ブレーキによって締結部材301に発生する曲げ応力の大きさ(絶対値)である。
切欠き深さd2/筒部材402の直径Dと、締結部材301に発生する曲げ応力との関係を図10に示す。図10は、表3に示すd2/D及び曲げ応力をプロットして作成したグラフである。表3及び図10に示すように、実施例2-1~2-4の全てにおいて、締結部材301に発生する曲げ応力が比較例の曲げ応力L1よりも小さくなった。よって、筒部材402において、ブレーキディスク10の内周側に切欠き状の肉抜き部4022を設けることにより、締結部材301に発生する曲げ応力が低減されることがわかる。
特に、d2/Dが0.1よりも大きい場合、締結部材301に生じる曲げ応力を比較例の曲げ応力L1よりも有意に小さくすることができる。d2/Dが0.23以上であれば、締結部材301に生じる曲げ応力を、締結部材301の強度を確保するための曲げ応力L2以下とすることができる。よって、筒部材402に切欠き状の肉抜き部4022を設ける場合も、スリット状の肉抜き部3022を設ける場合と同様、d2/Dは、0.1よりも大きいことが好ましく、0.23以上であることがより好ましい。
[実施例3]
第3実施形態の筒部材502(図7)と同一の形状を有する筒部材を使用し、実施例1と同様のFEM解析を実施した。当該FEM解析では、肉抜き部5022の寸法条件を変化させ、寸法条件ごとに曲げ応力を算出した。寸法条件及び曲げ応力を表4に示す。
Figure 0007047917000004
表4に示すように、実施例3-1~3-3では、筒部材502の直径Dに対する肉抜き部5022の半径R3の割合が各々異なる。また、実施例3-1~3-3では、筒部材502の直径Dに対する内端部3026側の最小肉厚tの割合も各々異なる。比較例は、上記実施例1における比較例と同一である。表4に示す曲げ応力は、1回の停止ブレーキによって締結部材301に発生する曲げ応力の大きさ(絶対値)である。
最小肉厚t/筒部材502の直径Dと、締結部材301に発生する曲げ応力との関係を図11に示す。図11は、表4に示すt/D及び曲げ応力をプロットして作成したグラフである。図11に示すように、実施例3-1~3-3の全てにおいて、締結部材301に生じる曲げ応力が比較例の曲げ応力L1よりも小さくなった。すなわち、筒部材502において、ブレーキディスク10の内周側に貫通孔の肉抜き部5022を設けた場合、締結部材301に発生する曲げ応力が低減されるといえる。
特に、t/Dが0.03以下の実施例3-3では、締結部材301に生じる曲げ応力が最も小さくなった。よって、筒部材502に貫通孔の肉抜き部5022を設ける場合、t/Dは0.03以下であることが好ましい。
100:ブレーキディスクユニット
10:ブレーキディスク
103:締結孔
20:被取付部材
30:取付構造
301:締結部材
3011:頭部
3012:軸部
302,402,502:筒部材
3021:周壁
3022,4022,5022:肉抜き部
3022b:端部
3025:外端部
3026:内端部

Claims (8)

  1. 鉄道車両の車輪、又は前記鉄道車両の車軸に固定されるディスク体である被取付部材に、締結孔を含む環状のブレーキディスクを取り付ける構造であって、
    前記締結孔に重ねて配置される筒部材と、
    前記筒部材上に配置される頭部と、前記頭部から前記被取付部材側に延び、前記筒部材及び前記締結孔に挿入される軸部と、を有し、前記ブレーキディスクを前記被取付部材に締結する締結部材と、を備え、
    前記筒部材の周壁のうち、前記ブレーキディスクの内周側に位置づけられる部分には、前記ブレーキディスクの内周側に位置づけられる前記部分の剛性が前記ブレーキディスクの外周側に位置づけられる部分の剛性よりも低くなるように、前記筒部材の周方向に延びる肉抜き部が設けられる、取付構造。
  2. 請求項1に記載の取付構造であって、
    前記肉抜き部は、前記周壁の外周面から内周面に向かって形成されたスリットである、取付構造。
  3. 請求項2に記載の取付構造であって、
    前記肉抜き部は、円弧状の両端部を有する、取付構造。
  4. 請求項1に記載の取付構造であって、
    前記肉抜き部は、前記周壁の外周面に形成された切欠きである、取付構造。
  5. 請求項1に記載の取付構造であって、
    前記肉抜き部は、前記周壁を貫通する貫通孔である、取付構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の取付構造であって、
    前記筒部材は、前記筒部材が前記ブレーキディスク上に配置される際、前記ブレーキディスクの径方向で内側に位置づけられる内端部と、前記径方向で外側に位置づけられる外端部と、を有し、
    前記ブレーキディスクが前記被取付部材に対して非締結である状態で、前記内端部の高さは、前記外端部の高さよりも大きい、取付構造。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の取付構造であって、
    前記筒部材は、前記被取付部材側に凸の形状を有する皿ばねである、取付構造。
  8. 鉄道車両用のブレーキディスクユニットであって、
    締結孔を含む環状のブレーキディスクと、
    前記鉄道車両の車輪、又は前記鉄道車両の車軸に固定されるディスク体である被取付部材と、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の取付構造と、を備える、ブレーキディスクユニット。
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