JP7046314B2 - 情報処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、近距離無線通信用のアンテナを有する基板と、周辺デバイスを接続するコネクタを有する基板と、を備えた情報処理装置に関する。
従来、特許文献1記載の情報処理装置のように、周辺デバイスと接続するためのUSBホストや近距離無線通信用の通信アンテナを有し、通信アンテナの通信モードをタグモード又はリーダ/ライタモードに適宜切り替え、非接触通信デバイスであるNFC(Near Field Communication)デバイスが近距離無線用の通信アンテナを介して無線接続される情報処理装置がある。
特開2011-28615号公報
特許文献1記載の情報処理装置のように、近距離無線通信用の通信アンテナとUSBホストとを搭載する場合、近距離無線通信用の通信アンテナを備えるアンテナ基板と、周辺デバイスを接続するコネクタを備える接続基板とが、それぞれ必要となる。そして、情報処理装置は、CPU等からなるメイン基板を有し、アンテナ基板および接続基板とメイン基板とはハーネスなどの接続線で接続され、アンテナ基板および接続基板のグランドは接続線を介してメイン基板のグランドと共通となる場合がある。
このような構成では、情報処理装置において、接続基板を介して接続される周辺デバイスとメイン基板とが接続線を介して信号のやり取りを行っている場合であって、かつ、電波を送信するリーダ/ライタモード時において、通信アンテナが電波を送信する際に生じるノイズが、メイン基板のグランドおよび接続線を介して、接続基板とメイン基板との信号のやり取りに悪影響を与える恐れがあった。
本発明の目的は、周辺デバイスが接続される接続基板とメイン基板との間のデータ通信に対し、近距離無線通信用の通信アンテナからの電波の送信によるノイズの影響を抑制できる、情報処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、近距離無線通信を行う通信アンテナを有する第1基板と、周辺デバイスを接続するコネクタを有する第2基板と、制御部を有するメイン基板と、を備え、前記メイン基板と前記第1基板と前記第2基板とは接続線によって接続され、前記通信アンテナのグランドと前記コネクタのグランドとは、前記メイン基板のグランドに前記接続線によって接続され、前記制御部は、前記通信アンテナにより電波を送信させ、その送信した電波を第1通信対象が受信したことに応じて、前記第1通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで、前記第1通信対象を認識するリーダ/ライタモードと、前記通信アンテナにより第2通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで前記第2通信対象を認識するタグモードと、を切り替えるモード切替処理、を実行し、前記モード切替処理において、更に、前記リーダ/ライタモードの実行中に、前記コネクタに接続される前記周辺デバイスと前記制御部とが前記接続線を介してデータ通信を行う場合、前記リーダ/ライタモードから前記タグモードに切り替える
、ことを特徴とする。
本構成では、通信アンテナが電波を送信するリーダ/ライタモードを実行中に、コネクタに接続される周辺デバイスと制御部とが接続線を介してデータ通信を行う場合、制御部は、リーダ/ライタモードから、通信アンテナが電波を送信しないタグモードに切り替えることで、メイン基板のグランドと接続線を介してノイズがデータ通信に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
また上記目的を達成するために、本願発明は、近距離無線通信を行う通信アンテナを有する第1基板と、周辺デバイスを接続するコネクタを有する第2基板と、制御部を有するメイン基板と、を備え、前記メイン基板と前記第1基板と前記第2基板とは接続線によって接続され、前記通信アンテナのグランドと前記コネクタのグランドとは、前記メイン基板のグランドに前記接続線によって接続され、前記制御部は、前記通信アンテナにより電波を送信させ、その送信した電波を第1通信対象が受信したことに応じて、前記第1通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで、前記第1通信対象を認識するリーダ/ライタモードと、前記通信アンテナにより第2通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで前記第2通信対象を認識するタグモードと、を切り替えるモード切替処理、を実行し、前記モード切替処理において、更に、前記タグモードから前記リーダ/ライタモードへと切り替える所定タイミングにおいて、前記コネクタに接続される前記周辺デバイスと前記制御部とが前記接続線を介してデータ通信を行っている場合、前記タグモードから前記リーダ/ライタモードへの切り替えを行わず、前記タグモードを維持する、ことを特徴とする。
本構成では、制御部がタグモードからリーダ/ライタモードへと切り替える所定タイミングにおいて、コネクタに接続される周辺デバイスと制御部とが接続線を介してデータ通信を行っている場合、制御部がタグモードを維持することで、メイン基板のグランドと接続線を介してノイズがデータ通信に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
本発明によれば、周辺デバイスが接続される接続基板とメイン基板との間のデータ通信に対し、近距離無線通信用の通信アンテナからの電波の送信によるノイズの影響を抑制することができる。
本発明の一実施形態による情報処理装置の外観を表す斜視図である。 情報処理装置の全体構成を表す概念図である。 情報処理装置の制御回路構成を表す回路図である。 近距離無線アンテナからの電波送信時のノイズ挙動を表す説明図である。 ASICによって実行される制御手順を表すフローチャートである。 ASICによって実行される、USBデータの処理に係わる制御手順を表すフローチャートである。 エラー率を検出する変形例において、ASICによって実行される制御手順を表すフローチャートである。 エラー率比が大きくても低頻度でモード切替を行う変形例において、ASICによって実行される制御手順を表すフローチャートである。 異なる回路構成を備えた変形例における、制御回路構成を表す回路図である。 近距離無線アンテナからの電波送信時のノイズ挙動を表す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図1~図10により説明する。
<画像形成装置の全体構成>
本実施形態によるMFP1の全体構成を図1および図2に示す。なお、以下の説明では、図1および図2に示すようにMFP1が使用可能に設置された状態を基準とし、前後、左右、上下の各方向を定める。なお、MFP1は、情報処理装置の一例である。
図1および図2において、MFP1は、筐体2と、供給ユニット3と、モータ4と、画像形成ユニット5と、排出ユニット8と、を備えている。
供給ユニット3は、シートSを保持して画像形成ユニット5に搬送する。画像形成ユニット5は、供給ユニット3よりもシートSの搬送方向下流側に配置されており、供給ユニット3から搬送されてきたシートSに画像を形成する。排出ユニット8は、画像形成ユニット5よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。排出ユニット8は、画像が形成され画像形成ユニット5から排出されたシートSを、MFP1の外部へ排出する。
<供給ユニット>
供給ユニット3は、筐体2の下部に着脱可能に装着されるカセット30と、給紙機構32と、モータ4に駆動される搬送ローラ33a及びレジストローラ34と、を備えている。カセット30は、画像形成の対象となるシートSを収容可能である。
給紙機構32は、ピックアップローラ32a、分離ローラ32b、及び分離パッド32cを備えている。MFP1においては、給紙機構32から画像形成ユニット5を介して排出ユニット8へ至る搬送経路L1が形成されている。給紙機構32は、カセット30に保持されるシートSを一枚ずつ分離して取り出し、搬送経路L1に沿って搬送ローラ33aへ向けて搬送する。
搬送ローラ33aは、シートSに搬送力を付与するローラであり、給紙機構32よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。給紙機構32から搬送ローラ33aに向けて搬送されてきたシートSは、搬送ローラ33aと紙粉取りローラ33bとで挟持され、搬送経路L1に沿ってレジストローラ34へ向けて搬送される。
レジストローラ34は、搬送ローラ33aよりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。レジストローラ34は、シートSの姿勢を矯正した後、搬送方向下流側の画像形成ユニット5へと搬送する。
<画像形成ユニット>
画像形成ユニット5は、周知の電子写真方式やインクジェット方式等によって、シートSに対し画像を形成して印刷を行う。画像形成ユニット5から搬送ローラ37に向けて搬送されてきたシートSは、搬送ローラ37で挟持され、搬送経路L1に沿って排出ローラ81へ向けて搬送される。
画像形成ユニット5および供給ユニット3の動作は、筐体2内に備えられるメイン基板50に設けられた、特定用途向け集積回路であるASIC(application specific integrated circuit)20により制御される。
<排出ユニット>
排出ユニット8は、排出ローラ81と、排出コロ82と、排出口83と、排出トレイ84とを備えている。
排出ローラ81は、モータ4からの動力により回転駆動され、画像形成ユニット5から
排出されたシートSを、排出トレイ84に向けて搬送する。
<操作パネルおよびその近傍>
筐体2の上部には、表示部6が設けられる。表示部6では、各種の情報などの表示を実行可能である。またこの表示部6の前側近傍には、アンテナ基板100に備えられる近距離無線アンテナ110と、USB基板200に備えられるUSBコネクタ210と、が設けられている。
なお、近距離無線アンテナ110は、通信アンテナの一例であり、USBコネクタ210は、周辺デバイスを接続するコネクタの一例である。
<回路構成>
前述したメイン基板50、アンテナ基板100、USB基板200を含む、MFP1の制御回路構成を図3に示す。アンテナ基板100は第1基板の一例であり、USB基板200は第2基板の一例である。
<メイン基板>
図3に示すように、メイン基板50には、ASIC20と、ROM80と、RAM90と、が備えられている。ASIC20は、USBコントローラ70とNFCブロック60とを備えており、制御部の一例である。
ROM80には、後述の図5~図8にそれぞれ示す各フローチャートを実行するための制御プログラムを含む、MFP1が動作するのに必要な各種制御プログラムが記憶されている。ASIC20は、ROM80から読み出したプログラムに従って各部の制御を行うとともに、後述する図5~図8にそれぞれ示す各フローチャートを実行する。
<USB基板>
USB基板200は、USBコネクタ210を備える。USBコネクタ210は、リムーバブルメディアであるUSBメモリ300が着脱されるインターフェースとして機能する。なお、USBメモリ300は周辺デバイスの一例である。
USB基板200のUSBコネクタ210には、4つの端子210a,201b,201c,201dが備えられており、これら4つの端子210a~dと、メイン基板50とが、VBUSラインおよびグランドラインの2つの電源系ラインと、D+ラインおよびD-ラインの2つの信号系ラインとによって、接続されている。すなわち、USBコネクタ210の端子210aとUSBコントローラ70のポート70aとがVBUSラインLaにより接続され、USBコネクタ210の端子210bとUSBコントローラ70のポート70bとがD+ラインLbにより接続され、USBコネクタ210の端子210cとUSBコントローラ70のポート70cとがD-ラインLcにより接続されている。
また、USBコネクタ210の端子210dとメイン基板50のグランドとがグランドラインLdにより接続されている。
なお、端子210b,210cがデータ送受信端子の一例であり、D+ラインLbおよびD-ラインLcが第2信号線の一例であり、グランドラインLdが第2接地ラインの一例である。また、VBUSラインLa、D+ラインLb、D-ラインLc、およびグランドラインLdが、第2接続線の一例である。
<USBメモリ>
USBメモリ300は、コネクタ310と、メモリ本体330と、USBコントローラ320と、を有する。コネクタ310には、端子310a,310b,310c,310
dが備えられている。USBメモリ300がUSB基板200のUSBコネクタ210に装着されたとき、端子310aはUSBコネクタ210の端子210aに接続され、端子310bはUSBコネクタ210の端子210bに接続され、端子310cはUSBコネクタ210の端子210cに接続され、端子310dはUSBコネクタ210の端子210dに接続される。
これにより、USBコントローラ320のポート320aと接続されるVBUSラインLaoが、端子310aおよび端子210aを介しUSB基板200のVBUSラインLaに導通する。また、USBコントローラ320のポート320bと接続されるD+ラインLboが、端子310bおよび端子210bを介しUSB基板200のD+ラインLbに導通し、USBコントローラ320のポート320cと接続されるD-ラインLcoが、端子310cおよび端子210cを介しUSB基板200のD-ラインLcに導通する。そして、USBメモリ300のグランドが、端子310dおよび端子210dを介し、グランドラインLdを経てメイン基板50のグランドに導通する。
以上のような接続構成により、ASIC20は、USBコントローラ70を用いて、USB基板200のUSBコネクタ210に装着されたUSBメモリ300からデータ又は情報を読み出し、或いはUSBコネクタ210に装着されたUSBメモリ300にデータ又は情報を書き込むことができる。
<アンテナ基板>
アンテナ基板100には、近距離無線アンテナ110と、通信モジュール120とが備えられている。 通信モジュール120は、近距離無線アンテナ110を介し、IDカー
ドなどの非接触ICカードや携帯端末等(以下適宜、携帯端末等」と称す)との間で、NFC(Near Field Communication)規格に準拠した近距離無線方式で無線通信を行うためのインターフェースとして機能する。通信モジュール120には、外部装置との間で受け渡すための情報を記憶する記憶部を有するICチップが搭載されている。
アンテナ基板100の通信モジュール120には、ポート121e,121f,122e,122fが備えられている。一方側の2つのポート121e,121fと、メイン基板50に備えられたNFCブロック60とが、1つの電源系ラインと、1つの信号系ラインとによって、接続されている。すなわち、通信モジュール120のポート121eとNFCブロック60のポート60eとが信号ラインLeにより接続されている。また、通信モジュール120のポート121fとメイン基板50のグランドとがグランドラインLfにより接続されている。すなわち、グランドラインLfを介したアンテナ基板100のグランドは、グランドラインLdを介したUSB基板200のグランドと同様、メイン基板50のグランドに接続されている。
近距離無線アンテナ110には、ポート110e,110fが備えられている。ポート110eは通信モジュール120のポート122eに接続され、ポート110fは通信モジュール120のポート122fに接続される。
これにより、近距離無線アンテナ110のポート110eと接続される信号ラインLeoが、ポート122eおよびポート121eを介しメイン基板50の信号ラインLeに導通する。また、近距離無線アンテナ110のグランドと接続されるグランドラインLfoが、ポート110fおよびポート122f、121fを介し、グランドラインLfを経てメイン基板50のグランドに導通する。
なお、信号ラインLeが第1信号線の一例であり、グランドラインLfが第1接地ライ
ンの一例である。また、信号ラインLeおよびグランドラインLfが、第1接続線の一例である。そして、第1接続線を構成する信号ラインLeおよびグランドラインLfと、第2接続線を構成するVBUSラインLa、D+ラインLb、D-ラインLc、およびグランドラインLdとが、接続線の一例である。
以上のような接続構成により、ASIC20は、通信モジュール120を制御することで、近距離無線アンテナ110を用いた近距離無線通信を介し、携帯端末等と情報の送受信を行う。
<NFC通信>
ここで、本明細書においては、NFC規格に準拠した手順で通信可能な機器を「NFCデバイス」と表記し、NFC規格に準拠した手順でする通信を「NFC通信」と表記する。すなわち、MFP1および携帯端末等は、NFCデバイスの一例である。MFP1および携帯端末等は、リーダ/ライタモード、および、タグモードのいずれかのモードに切り替えられて動作する。タグモードは、NFCデバイスがNFCフォーラムによって定められた形式である「カード」として動作するためのモードである。リーダ/ライタモードは、NFCデバイスから情報等を読み出したりNFCデバイスに情報等を書き込んだりするためのモードである。
<リーダ/ライタモード>
リーダ/ライタモードにおいては、MFP1のアンテナ基板100に備えられた通信モジュール120は、近距離無線アンテナ110を介して所定の時間間隔で電波を繰り返し出力し、その電波を受信した携帯端末等から応答される電波を受信することで、携帯端末等を認識する。この場合、携帯端末等は第1通信対象の一例である。
この場合、携帯端末等とMFP1とが接近したことによって、MFP1の通信モジュール120が出力した電波を携帯端末等が受信し、その受信に応じて携帯端末等が出力した電波を近距離無線アンテナ110を介して通信モジュール120が受信すると、NFC規格に従った所定の手順により、MFP1と携帯端末等との間にNFC方式の通信リンク(以下、「NFCリンク」と表記する)が確立される。以降、MFP1と携帯端末等とは、このNFCリンクを通じて情報等を送受信する。
<タグモード>
タグモードにおいては、MFP1のアンテナ基板100に備えられた通信モジュール120は、携帯端末等から出力される電波を監視し、その電波の受信を条件に応答電波を送信することで、携帯端末等を認識する。この場合、携帯端末等は第2通信対象の一例である。
この場合、携帯端末等とMFP1とが接近したことによって、携帯端末等が出力した電波をMFP1の通信モジュール120が受信し、これに対応して通信モジュール120が近距離無線アンテナ110を介し出力した電波を携帯端末等が受信すると、MFP1と携帯端末等との間にNFCリンクが確立される。以降、MFP1と携帯端末等とは、このNFCリンクを通じて情報等を送受信する。
<回路構成において生じる課題>
ところで、本実施形態のMFP1においては、図1に示したように、装置レイアウトの関係上、USBコネクタ210と近距離無線アンテナ110とが隣接して設けられる。すると、図2に示したように、アンテナ基板100とUSB基板200とが隣接して設けられる。グランドラインLdを介したUSB基板200のグランドと、グランドラインLfを介したアンテナ基板100のグランドとが、ともにメイン基板50のグランドに接続さ
れている。
このような配置構成において、例えば図4に示すように、USB基板200のUSBコネクタ210にUSBメモリ300が装着されメイン基板50のASIC20とD+ラインLbおよびD-ラインLcを介しデータのやり取りを行っている状態で、さらに、上述のリーダ/ライタモードにて近距離無線アンテナ110が電波Eを送信した場合、その送信時に信号ラインLeに生じるノイズNZ1が、メイン基板50のグランドを介してD+ラインLbおよびD-ラインLcに悪影響を及ぼし、D+ラインLbおよびD-ラインLcを介したデータのやりとりにノイズNZ2が発生するおそれがある。
<実施形態の手法の概要>
そこで、本実施形態においては、ASIC20の制御により、前述のリーダ/ライタモードを実行中に、USBコネクタ210に装着されたUSBメモリ300とASIC20とがデータ通信を行う場合、リーダ/ライタモードからタグモードに切り替えられる。以下、その手法の詳細を図5および図6のフローチャートにより説明する。
<メインフロー>
上記手法を実現するためにASIC20が実行する制御手順を図5のフローに示す。なお、このフローは、所定周期、例えば100[msec]ごとに実行される。
図5において、まずステップS5で、ASIC20は、NFCブロック60により、携帯端末等から出力される電波を待ち受ける、前述のタグモードを開始する。その後、ASIC20は、ステップS10に移る。
ステップS10では、ASIC20は、ステップS5を実行した後、所定時間、この例では60[msec]が経過したか否かを決定する。60[msec]が経過していなければ(S10:No)、ASIC20は、ステップS15に移る。
ステップS15では、ASIC20は、NFCブロック60により、携帯端末等からの電波を近距離無線アンテナ110が受信していなければ(S15:No)、ステップS10に戻って同様の手順を繰り返す。ASIC20は、携帯端末等からの電波を近距離無線アンテナ110が受信していれば(S15:Yes)、ステップS20に移る。
ステップS20では、ASIC20のNFCブロック60は、通信モジュール120を介して近距離無線アンテナを用いて電波を受信した携帯端末等に対し応答する電波を送信し、当該携帯端末等とのNFCリンクを確立する接続処理を行う。その後、ASIC20は、ステップS10に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、ASIC20は、ステップS10において、60[msec]が経過していれば(S10:Yes)、ステップS25に移る。ステップS25では、ASIC20は、USBコネクタ210に装着されたUSBメモリ300とのデータ通信がUSBコントローラ70によって行われているか否か、を決定する。データ通信が行われていなければ(S25:No)、ASIC20は、後述のステップS35に移る。データ通信が行われていれば(S25:Yes)、ASIC20は、ステップS30に移る。
ステップS30では、ASIC20は、USBコントローラ70によるUSBメモリ300とのデータ通信が終了したか否かを決定する。データ通信が終了していない場合(S30:No)ループ待機し、データ通信が終了した段階で(S30:Yes)、ASIC20は、ステップS35に移る。
ステップS35では、ASIC20は、ステップS5で開始したタグモードを終了する。その後、ステップS40で、ASIC20は、NFCブロック60により、所定の時間間隔で電波を繰り返し出力し、携帯端末等から応答される電波を受信する、前述のリーダ/ライタモードを開始する。ASIC20は、その後、ステップS45に移る。
ステップS45では、ASIC20は、ステップS40でのリーダ/ライタモードへの移行に対応し、ASIC20のNFCブロック60は、通信モジュール120を介して近距離無線アンテナ110から定期的に電波出力を開始する。その後、ASIC20は、ステップS50に移る。
ステップS50では、ステップS10と同様、ASIC20は、ステップS45を実行した後、所定時間、この例では40[msec]が経過したか否かを決定する。40[msec]が経過していれば(S40:YES)、ASIC20は、後述のステップS70に移る。40[msec]が経過していなければ(S40:No)、ASIC20は、ステップS55に移る。
ステップS55では、ステップS15と同様、ASIC20は、NFCブロック60により、携帯端末等からの電波を近距離無線アンテナ110、通信モジュール120を介して受信したか否かを決定する。電波が受信されていれば(S15:Yes)、ASIC20は、ステップS65に移る。
ステップS65では、ステップS20と同様、ASIC20のNFCブロック60は、通信モジュール120を介してステップS55で電波を受信した携帯端末等とのNFCリンクを確立する接続処理を行う。その後、ASIC20は、ステップS50に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、ステップS55で近距離無線アンテナ110が携帯端末等からの電波が受信されていなければ(S55:No)、ASIC20は、ステップS60に移る。ステップS60では、ステップS25と同様、ASIC20は、USBコネクタ210に装着されたUSBメモリ300とのデータ通信がUSBコントローラ70によって行われているか否か、を決定する。データ通信が行われていなければ(S60:No)、ASIC20は、ステップS50に戻って同様の手順を繰り返す。データ通信が行われていれば(S60:Yes)、ASIC20は、後述のステップS70に移る。
ステップS70では、ASIC20は、ステップS70で開始したリーダ/ライタモードを終了し、ASIC20は、ステップS5に戻りタグモードを開始する。
なお、以上説明した各手順の流れにおいて、ステップS60からステップS70へ移行する処理が、モード切替処理の一例である。
<USBメモリとのデータ通信>
前述のステップS25およびステップS60で言及した、USBメモリ300とのデータ通信に係わる処理の詳細手順を、図6のフローにより説明する。
図6において、まずステップS105で、ASIC20は、USBコネクタ210にUSBメモリ300が装着されたか否か、を決定する。装着されるまでは(S105:NO)ループ待機し、装着されたら(S105:YES)、ASIC20は、ステップS110に移る。
ステップS110では、ASIC20は、USBコントローラ70により、USBメモ
リ300との接続を確立する。その後、ASIC20は、ステップS115に移る。
ステップS115では、ASIC20は、図示しない操作部からユーザの操作によりUSBメモリ300にデータを書き込む命令があったか否か、を決定する(S115)。USBメモリ300に書き込まれるデータは、MFP1内部のメモリに蓄えられたデータであり、LANなどを介して別途受信したデータである。また、本実施形態では、原稿の画像を読み取るスキャナ本体を有していないが、スキャナ本体を有するMFP1では、スキャナ本体を用いて読み取った画像がUSBメモリ300に書き込まれる場合でもよい。
データを書き込む命令がなければ(S115:NO)、ASIC20は、後述のステップS135に移る。ASIC20は、データを書き込む命令があれば(S115:YES)、ステップS120に移る。
ステップS120では、ASIC20は、USBメモリ300へのデータ書込みを開始させる。ASIC20は、その後、ステップS130に移る。
ステップS130では、ASIC20は、ステップS120で開始した、データのUSBメモリ300への書き込みが終了したか否かを決定する。書き込みが終了するまで(S130:NO)、ASIC20は、USBメモリ300へのデータの書きこみを継続して実行する。ASIC20は、USBメモリ300へのデータの書き込みが終了したら(S130:YES)、ステップS115に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、ステップS135では、ASIC20は、図示しない適宜の操作部を介したユーザの操作により、USBプリントの操作があったか否か、を決定する。USBプリントは、USBメモリ300に記憶された画像データを取得して画像形成ユニット5によりシートSに画像を形成することである。USBプリントの操作がなければ(S135:NO)、ASIC20は、後述のステップS155に移る。USBプリントの操作があれば(S135:YES)、ASIC20は、ステップS140に移る。
ステップS140では、ASIC20のUSBコントローラ70は、USBメモリ300に記憶されている画像データを前述のデータ通信によって取得し、ASIC20内の図示しない内部メモリへ記憶開始する。その後、ASIC20は、ステップS145に移る。
ステップS145では、ASIC20は、画像形成ユニット5を制御し、予め定められている、画像形成の準備を行うための所定の印刷準備処理を開始させる。例えば画像形成ユニット5が、現像剤像をシートSに転写した後に加熱ローラで加熱して定着させる方式の場合には、この印刷準備処理においては、画像データの画像処理が完了した後、加熱ローラがあらかじめ定まる所定の定着可能温度に到達するまで、その加熱ローラに備えられたヒーターがオンされる処理が行われる。その後、ASIC20は、ステップS150に移る。
ステップS150では、ASIC20は、ステップS140で開始した画像データの記憶、および、ステップS145で開始した印刷準備が、終了したか否かを決定する。記憶および印刷準備が終了するまでは(S150:NO)ループ待機し、記憶および印刷準備が終了したら(S150:YES)、ステップS155に移る。
ステップS155では、ASIC20は、USBコントローラ70により、VBUSラインLaに接続されたポート70aにおいて所定の電圧、この例では5[V]が検出されなくなったか否か、を決定する。5[V]が検出されていれば(S155:NO)、US
Bコネクタ210にUSBメモリ300が装着されたままの状態であるとみなされて、ステップS115に戻り、ASIC20は、同様の手順を繰り返す。5[V]が検出されていなければ(S155:YES)、USBコネクタ210からUSBメモリ300が取り外されたとみなされて、ASIC20は、このフローを終了する。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、近距離無線アンテナ110が電波を送信するリーダ/ライタモードを実行中に、USBコネクタ210に装着されたUSBメモリ300とASIC20とがデータ通信を行う場合、ステップS60に示したように、リーダ/ライタモードからタグモードへと切り替えられる。これにより、図4を用いて説明したような、メイン基板50のグランドを介したノイズがUSBメモリ300のデータ通信に悪影響を及ぼす現象を、抑制することができる。
また、タグモードからリーダ/ライタモードへと切り替えるステップS10での60[msec]が経過したタイミングにおいて、USBコネクタ210に装着されたUSBメモリ300とASIC20とがデータ通信を行っている場合、ステップS25へ移行せずステップS30においてタグモードが維持される。これにより、上記同様、メイン基板50のグランドを介したノイズがUSBメモリ300のデータ通信に悪影響を及ぼす現象を、抑制することができる。
また、本実施形態では特に、USBメモリ300とASIC20とのデータ通信が終了した段階で、上述のように維持されていたタグモードから、リーダ/ライタモードへの切り替えが行われる。これにより、USBメモリ300とASIC20とのデータ通信が終了してから近距離無線アンテナ110からの電波の送信が行われるので、電波送信時に生じるノイズが前述のようにメイン基板50のグランドを介して、USBメモリ300とASIC20とのデータ通信に悪影響を及ぼすことが無い。
また、本実施形態では特に、近距離無線アンテナ110のグランドとメイン基板50のグランドとを接続するグランドラインLfと、近距離無線アンテナ110とASIC20とを接続する信号ラインLeとによって、メイン基板50とアンテナ基板100とが接続されるとともに、USBコネクタ210のグランドとメイン基板50のグランドとをグランドラインLd、および、USBコネクタ210の端子210b,210cとASIC20とを接続するD+ラインLbおよびD-ラインLc、等によって、メイン基板50とUSB基板200とが接続される。
これにより、近距離無線アンテナ110から送信される電波の影響によるノイズが、メイン基板50のグランドおよびグランドラインLd、D+ラインLb、D-ラインLc等を介して、USBメモリ300とASIC20との信号のやり取りに悪影響を及ぼす可能性を抑制することができる。
なお、本発明は、実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分および処理には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
(1)エラー率を検出する場合
すなわち、上記実施形態においては、タグモードからリーダ/ライタモードへと切り替えるタイミングにおいて、USBメモリ300とASIC20とがデータ通信を行っていた場合、タグモードが維持されたが、これに限られない。すなわち、通信時のパケットエラー率を検出し、そのパケットエラー率の大小に応じて、タグモードの維持、もしくは、
タグモードからリーダ/ライタモードへ切替、を選択的に行っても良い。
本変形例における上記手法を実現するためにASIC20が実行する制御手順を、前述の図5に対応する図7のフローに示す。なお、このフローも、前述と同様、所定周期、例えば100[msec]ごとに実行される。
図7に示すフローにおいては、図5のフローにおけるステップS25とステップS30との間に、新たにステップS26、ステップS27、ステップS28、ステップS29が設けられる。
すなわち、図5と同様のステップS25において、ASIC20は、USBメモリ300とのデータ通信が行われているか否か、を決定する。データ通信が行われていなければ(S25:No)、ASIC20は、前述と同様のステップS35に移る。データ通信が行われていれば(S25:Yes)、ASIC20は、新たに設けたステップS26に移る。
ステップS26では、ASIC20は、この時点、すなわちタグモードにおいて前述の電波の待ち受けをしている状態における、パケットエラー率を算出する。このエラー率は、外部記憶装置であるUSBメモリ300とASIC20との間で行われる前述のデータ通信における通信品質の指標の一つで、デジタルデータを送受信した時に受信側で誤ったデータを受信する確率、すなわち誤ったビット数を受信した総ビット数で割ったものである。なお、このエラー率が第2通信エラー率の一例である。このステップS26でのエラー率の算出が終了したら、ASIC20は、ステップS27に移る。
ステップS27では、ASIC20は、NFCブロック60により、リーダ/ライタモードにおいて近距離無線アンテナ110を介して所定の時間間隔で電波を繰り返し出力するときと同様のポーリングを開始する。このステップS27で実行する処理が、ポーリング処理の一例である。その後、ASIC20は、ステップS28に移る。
ステップS28では、ASIC20は、前述のステップS26と同様、ステップS27でポーリングを開始した状態における、パケットエラー率を算出する。その後、ASIC20は、ステップS29に移る。なお、このエラー率が第1通信エラー率の一例である。
ステップS29では、ASIC20は、ステップS28で算出したポーリング時のエラー率を、ステップS26で算出したタグモード時のエラー率で割った、エラー率比を算出する。この処理が、エラー率比算出処理の一例である。そして、ASIC20は、そのエラー率比が予め閾値として定められた所定値以上であるか否か、を決定する。エラー率比が所定値未満であった場合(S29:NO)、近距離無線アンテナ110から電波を送信してもUSBメモリ300とのデータ通信に与える影響が比較的少ないとみなして、ASIC20は、ステップS35に移り、以降、前述と同様の手順が行われる。
一方、エラー率比が所定値以上であった場合(S29:YES)、近距離無線アンテナ110から電波を送信するとUSBメモリ300とのデータ通信に与える影響が大きいとみなし、ASIC20は、ステップS30に移る。
ステップS30では、前述の図5と同様、ASIC20は、USBコントローラ70によるUSBメモリ300とのデータ通信が終了したか否かを決定する。ASIC20は、データ通信が終了していない場合(S30:No)ループ待機し、データ通信が終了したら(S30:Yes)、ステップS35に移り、以降、前述と同様の手順を行う。上記以外の処理内容は、図5と同様であり、説明を省略する。
なお、本変形例においては、ステップS60の条件が満たされずにステップS70へ移行する処理、および、ステップS10の条件およびステップS25の条件が満たされた後に、ステップS26~ステップS30を経てステップS35へ移行する処理が、モード切替処理の一例である。
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。また、それに加え、本変形例においては特に、タグモードからリーダ/ライタモードへの切り替えるステップS10のタイミングに、USBメモリ300とASIC20とがデータ通信を行っている場合において、近距離無線アンテナ110からポーリングにより電波送信を行わせた際のUSBメモリ300とASIC20との間におけるエラー率と、近距離無線アンテナ110から電波送信していない(すなわち、タグモード)際のUSBメモリ300とASIC20との間における通信エラー率との偏差が所定値より小さい場合は、近距離無線アンテナ110から電波を送信することによる影響が小さいため、タグモードからリーダ/ライタモードへの切り替えることができる。この場合、USBメモリ300とASIC20との間のデータ通信と、近距離無線アンテナ110と携帯端末等との近距離無線通信とを、互いに支障なく同時並行して実行することができる。
(2)エラー率比が大きくても低頻度でモード切替を行う場合
すなわち、上記(1)の変形例においては、ポーリング時におけるエラー率とタグモード時におけるエラー率とのエラー率比が所定値以上であった場合には、USBメモリ300とASIC20とがデータ通信を行っている間は常時タグモードが維持されたが、これに限られない。すなわち、エラー率比が所定値以上であった場合で、USBメモリ300とASIC20とがデータ通信を行っている間であっても、予め定めた比較的低い頻度にて、タグモードからリーダ/ライタモードへ切替を実行するようにしてもよい。
本変形例における上記手法を実現するためにASIC20が実行する制御手順を、前述の図5、図7に対応する図8のフローに示す。なお、このフローも、前述と同様、所定周期、例えば100[msec]ごとに実行される。
図8に示すフローにおいては、図7のフローにおけるステップS26とステップS27との間に新たにステップS26Aが設けられると共に、ステップS30に代えて、ステップS31とステップS32とが新たに設けられる。
すなわち、前述のようにステップS25がYESの場合、ステップS26でタグモード時におけるパケットエラー率が算出された後、ASIC20は、新たに設けたステップS26Aに移行する。
ステップS26Aでは、ASIC20は、エラー率の算出回数を表す変数Nを1に初期化する。
上記ステップS26Aの後は、ASIC20は、図7と同様のステップS27、ステップS28、ステップS29を実行する。そして、ステップS29において、前述のエラー率比が所定値未満であった場合(S29:NO)、ASIC20は、同様にステップS35に移り、以降、前述と同様の手順を行う。なお、ステップS29における、ポーリング時のエラー率をタグモード時のエラー率で割ったエラー率比が所定値未満であること、が所定条件の一例である。
一方、ステップS29において、前述のエラー率比が所定値以上であった場合は(S29:YES)、ASIC20は、新たに設けたステップS31に移る。
ステップS31では、ASIC20は、この時点における変数Nが、10より大きくなったか否かを決定する。N>10であれば(S31:YES)、ASIC20は、ステップS35に移り、以降、前述と同様の手順が行われる。N≦10であれば(S31:NO)、ASIC20はステップS32に移る。
ステップS32では、ASIC20は、変数Nに1を加えてインクリメントする。その後、ASIC20は、前述のステップS27に戻り、同様の手順を繰り返す。上記以外の処理内容は、図7と同様であり、説明を省略する。
なお、本変形例においては、ステップS60の条件が満たされずにステップS70へ移行する処理、および、ステップS10の条件およびステップS25の条件が満たされた後に、ステップS26~ステップS32を経てステップS35へ移行する処理が、モード切替処理の一例である。
本変形例においても、上記実施形態および上記(1)の変形例と同様の効果を得る。また、それに加え、本変形例においては特に、以下のような技術的意義がある。すなわち、上記(1)の変形例のようにエラー率比が所定値以上であった場合に常時タグモードが維持されるようにすると、ASIC20がステップS27でのポーリングおよびステップS29でのエラー率比の算出を何回行っても、前述の2つのエラー率の偏差が小さくならない限り、タグモードが維持されつづけることになる。そうすると、NFCデバイスである携帯端末等が近距離無線アンテナ110に接近したとしても、MFP1が携帯端末等を認識することができない。
そこで、本変形例においては、ASIC20がステップS27でのポーリングとステップS29でのエラー率比の算出とを、所定回数すなわちこの例では10回行った段階で、ステップS31がYESの場合、ステップS35およびステップS40でタグモードからリーダ/ライタモードへの切り替えが行われる。これにより、USBメモリ300とASIC20とのデータ通信が長時間に至った際、MFP1が携帯端末等を認識できない状態が生じることを低減することができる。
(3)回路構成のバリエーション
図9に示すように、この変形例においては、図3に示した構成において通信モジュール120のポート121fからメイン基板50のグランドへ直接延びていたグランドラインLfに代え、USB基板200のうちUSBコネクタ210の端子210dからメイン基板50のグランドに延びるグランドラインLdの途中に設けた接続点Aまでポート121fから延びる、グランドラインLf′が設けられている。すなわち、通信モジュール120のグランドは、グランドラインLf′およびグランドラインLdを介してメイン基板50のグランドに接続されている。
また、この変形例においてはさらに、通信モジュール120からメイン基板50のNFCブロック60のポート60eへ直接延びていた信号ラインLeに代え、USB基板200内に設けた接続点Bまでポート121eから延びる、信号接続ラインLea′と、そのUSB基板200の接続点BからNFCブロック60のポート60eまで延びる信号接続ラインLeb′と、が設けられている。上記以外は図3に示した構成と同様である。
なお、上記において、グランドラインLdが第4接地ラインの一例であり、接続点Aが接地接続箇所の一例であり、グランドラインLf′が第3接地ラインの一例であり、接続点Bが信号接続箇所の一例であり、信号接続ラインLeb′がアンテナ信号線の一例である。また、グランドラインLf′と信号接続ラインLea′とが第3接続線の一例であり
、VBUSラインLa、D+ラインLb、D-ラインLc、グランドラインLd、および信号接続ラインLeb′が第4接続線の一例であり、これら第3接続線および第4接続線を構成するすべてのラインが、本変形例における接続線の一例である。
上記構成の本変形例においても、図3に示した構成と同様の課題が生じる。すなわち、例えば図10に示すように、メイン基板50のASIC20とD+ラインLbおよびD-ラインLcを介しデータのやり取りを行っている状態で、さらに、上述のリーダ/ライタモードにて近距離無線アンテナ110が電波Eを送信した場合、その送信時に信号ラインLe′に生じるノイズNZ1が、グランドラインLf′およびグランドラインLdを介してD+ラインLbおよびD-ラインLcに悪影響を及ぼし、前述と同様にD+ラインLbおよびD-ラインLcを介したデータのやりとりにノイズNZ2が発生するおそれがある。特にこの場合、上記のようにグランドラインLf′がグランドラインLdに直接接続されていることから、ノイズの影響が特に出やすくなる。
したがって、本変形例においても、上記図5、図7、図8で説明した手法を適用することにより、上記と同様の、メイン基板50のグランドを介したノイズがUSBメモリ300のデータ通信に悪影響を及ぼす現象を抑制できる、という効果を特に有効に得ることができる。
また、本変形例においては特に、アンテナ基板100とUSB基板200とがそれぞれが別々にメイン基板50に接続される図3に示した構成とは異なり、メイン基板50にハーネス接続されたUSB基板200を経由してアンテナ基板100を接続させる(もしくはアンテナ基板100を経由してUSB基板200を接続させてもよい)ことから、省スペース化を図れる等、メカ構成的に好都合となる。
(4)その他
なお、以上において、図5、図6、図7、図8に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨および技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 MFP(情報処理装置)
20 ASIC(制御部)
50 メイン基板
100 アンテナ基板(第1基板)
110 近距離無線アンテナ(通信アンテナ)
200 USB基板(第2基板)
210 USBコネクタ(コネクタ)
210b 端子(データ送受信端子)
210c 端子(データ送受信端子)
300 USBメモリ(周辺デバイス)
A 接続点(接地接続箇所)
B 接続点(信号接続箇所)
La VBUSライン(第2接続線;第4接続線;接続線)
Lb D+ライン(第2信号線、第2接続線;第4接続線;接続線)
Lc D-ライン(第2信号線、第2接続線;第4接続線;接続線)
Ld グランドライン(第2接地ライン、第2接続線;第4接地ライン、第4接続線;接続線)
Le 信号ライン(第1信号線、第1接続線、接続線)
Lea′ 信号接続ライン(第3接続線、接続線)
Leb′ 信号接続ライン(アンテナ信号線、第4接続線、接続線)
Lf グランドライン(第1接地ライン、第1接続線、接続線)
Lf′ グランドライン(第3接地ライン、第3接続線、接続線)

Claims (7)

  1. 近距離無線通信を行う通信アンテナを有する第1基板と、
    周辺デバイスを接続するコネクタを有する第2基板と、
    制御部を有するメイン基板と、
    を備え、
    前記メイン基板と前記第1基板と前記第2基板とは接続線によって接続され、
    前記通信アンテナのグランドと前記コネクタのグランドとは、前記メイン基板のグランドに前記接続線によって接続され、
    前記制御部は、
    前記通信アンテナにより電波を送信させ、その送信した電波を第1通信対象が受信したことに応じて、前記第1通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで、前記第1通信対象を認識するリーダ/ライタモードと、前記通信アンテナにより第2通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで前記第2通信対象を認識するタグモードと、を切り替えるモード切替処理、
    を実行し、
    前記モード切替処理において、
    更に、
    前記リーダ/ライタモードの実行中に、前記コネクタに接続される前記周辺デバイスと前記制御部とが前記接続線を介してデータ通信を行う場合、前記リーダ/ライタモードから前記タグモードに切り替える、
    情報処理装置。
  2. 近距離無線通信を行う通信アンテナを有する第1基板と、
    周辺デバイスを接続するコネクタを有する第2基板と、
    制御部を有するメイン基板と、
    を備え、
    前記メイン基板と前記第1基板と前記第2基板とは接続線によって接続され、
    前記通信アンテナのグランドと前記コネクタのグランドとは、前記メイン基板のグランドに前記接続線によって接続され、
    前記制御部は、
    前記通信アンテナにより電波を送信させ、その送信した電波を第1通信対象が受信したことに応じて、前記第1通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで、前記第1通信対象を認識するリーダ/ライタモードと、前記通信アンテナにより第2通信対象が送信する電波を前記通信アンテナが受信することで前記第2通信対象を認識するタグモードと、を切り替えるモード切替処理、
    を実行し、
    前記モード切替処理において、
    更に、
    前記タグモードから前記リーダ/ライタモードへと切り替える所定タイミングにおいて、前記コネクタに接続される前記周辺デバイスと前記制御部とが前記接続線を介してデータ通信を行っている場合、前記タグモードから前記リーダ/ライタモードへの切り替えを行わず、前記タグモードを維持する、
    情報処理装置。
  3. 請求項2に記載の情報処理装置であって、
    前記モード切替処理において、
    前記データ通信が終了した段階で、前記タグモードから前記リーダ/ライタモードへの切り替えを行う、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  4. 請求項2又は3に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記所定タイミングに前記データ通信を行っている場合において、
    前記通信アンテナを用いて所定周期の電波送信を行うポーリング処理と、
    前記ポーリング処理での前記周辺デバイスと前記制御部との間における第1通信エラー率と、前記タグモードでの前記周辺デバイスと前記制御部との間における第2通信エラー率と、から前記第1通信エラー率前記第2通信エラー率で割ったエラー率比を算出するエラー率比算出処理と、
    を実行し、
    前記モード切替処理において、
    前記エラー率比算出処理により算出された前記エラー率比が所定値より小さい場合、前記タグモードから前記リーダ/ライタモードへの切り替えを行う、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  5. 請求項4記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記エラー率比が前記所定値以上である場合、前記ポーリング処理と前記エラー率比算出処理とを繰り返し実行し、前記エラー率比が前記所定値より小さい場合、又は、前記ポーリング処理と前記エラー率比算出処理を所定回数実行した場合のいずれかの場合において、前記タグモードから前記リーダ/ライタモードへの切り替えを行う、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
    前記メイン基板と前記第1基板とは、第1接続線によって接続され、
    前記メイン基板と前記第2基板とは、第2接続線によって接続され、
    前記第1接続線は、
    前記通信アンテナの前記グランドと前記メイン基板の前記グランドとを接続する第1接地ラインと、前記通信アンテナと前記制御部とを接続する第1信号線と、を有し、
    前記第2接続線は、
    前記コネクタの前記グランドと前記メイン基板の前記グランドとを接続する第2接地ラインと、前記コネクタのデータ送受信端子と前記制御部とを接続する第2信号線と、を有する、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
    前記第1基板と前記第2基板とは、第3接続線によって接続され、
    前記メイン基板と前記第2基板とは、第4接続線によって接続され、
    前記第3接続線は、
    前記通信アンテナの前記グランドと前記第2基板とを接地接続箇所にて接続する第3接地ラインと、前記通信アンテナと前記第2基板とを信号接続箇所にて接続する第3信号線と、を有し、
    前記第4接続線は、
    前記コネクタの前記グランドと前記接地接続箇所を経由して前記メイン基板の前記グランドとを接続する第4接地ラインと、前記コネクタのデータ送受信端子と前記制御部とを接続する第4信号線と、前記信号接続箇所と前記制御部とを接続するアンテナ信号線と、を有する、
    ことを特徴とする情報処理装置。
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