JP7046233B2 - 異常判定装置および異常判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械の異常を判定する異常判定装置および異常判定方法に関する。
例えば、特許文献1に記載された方法は、振動センサによって検出された装置の振動強度の時間変化を示すグラフの接線の傾きを算出し、算出された傾きの符号が最初に変化した時点の振動強度を基準として、当該装置の異常を判定する振動強度の閾値を設定している。振動センサによって検出された装置の振動強度が上記閾値を超えたときに、当該装置が異常であると判定される。
特開2010-196742号公報
振動センサによって工作機械の加工動作時に検出される振動強度は、一般的に上下変動が大きいので、特許文献1に記載された振動強度の時間変化を示すグラフでは、ユーザが参照したときに振動強度の時間変化が工作機械の劣化によるものか否かを把握しにくいという課題があった。
本発明は上記課題を解決するものであり、工作機械の劣化の進行を把握しやすいデータを生成することができる異常判定装置および異常判定方法を得ることを目的とする。
本発明に係る異常判定装置は、工作機械の加工動作時に順次測定された当該工作機械の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、測定値の時系列データを取得する測定値取得部と、測定値取得部によって取得された複数の時系列データを連結したデータを生成するデータ生成部と、データ生成部によって生成されたデータに基づいて工作機械の異常を判定する異常判定部を備える。
本発明によれば、工作機械の加工動作時に順次測定された当該工作機械の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、測定値の時系列データが取得され、複数の測定値の時系列データが連結されたデータが生成される。工作機械の加工動作時に当該工作機械の状態の測定値が上下変動しても、当該工作機械の劣化の進行に応じた測定値の増加のみを示すデータが生成されるので、ユーザは、当該データを参照することにより、工作機械の劣化の進行を容易に把握することができる。
実施の形態1に係る異常判定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る異常判定方法を示すフローチャートである。 振動測定値の時間変化を示す図である。 振動測定値の時系列データの取得処理の概要を示す図である。 図5Aは、加工時間ごとの振動測定値の時系列データを示す図である。図5Bは、図5Aの振動測定値の時系列データが連結されたデータを示すグラフである。 加工時間ごとの振動測定値の時系列データが連結されたデータを示すグラフである。 増加傾向から減少傾向に転じた振動測定値の時系列データを示す図である。 減少傾向から増加傾向に転じた振動測定値の時系列データを示す図である。 実施の形態2に係る異常判定装置の構成を示すブロック図である。 図10Aは、加工時間内の振動測定値の時間変化を示す図である。図10Bは、図10Aの振動測定値にスムージングを施した結果を示す図である。 実施の形態3に係る異常判定装置の構成を示すブロック図である。 図12Aは、動作条件が互いに異なる加工動作ごとに取得された振動測定値の時系列データを示す図である。図12Bは、図12Aの振動測定値の時系列データのうち、時系列データの最初と最後の測定値の差が大きい振動測定値の時系列データが連結されたデータを示すグラフである。図12Cは、振動測定値の時系列データの補正処理の概要を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る異常判定装置1の構成を示すブロック図である。異常判定装置1は、工作機械2の状態の測定値を用いて工作機械2の異常を判定する。工作機械2は、被加工物を加工する工具を備えた機械であり、例えば、切削工具を用いて被加工物を加工するマシニングセンタである。測定対象の状態は、工作機械2の加工動作時に測定可能で、かつ工具または機械自体の劣化に応じて状態量が増加する状態であり、工作機械2に発生する振動が挙げられる。
以降では、工作機械2が、切削工具を用いて被加工物を切削加工する機械であり、測定対象の状態が、工作機械2に発生した振動、特に切削工具と被加工物との間に生じた振動であり、異常判定装置1が、工作機械2に発生した振動の測定値を用いて切削工具の異常を判定する。なお、工作機械2に発生した振動の測定値は、振動測定値と記載する。
センサ3は、工作機械2に発生した振動に反応し、工作機械2に発生する振動に応じた検出信号を出力するセンサである。例えば、センサ3は、加速度センサなどの振動センサにより実現され、工作機械2に発生した振動を検出可能な部位に取り付けられる。また、センサ3は、工作機械2に発生する振動に応じた弾性波を検出するAE(Acoustic Emission)センサであってもよい。
異常判定装置1は、測定値取得部10、データ生成部11および異常判定部12を備える。測定値取得部10は、工作機械2の加工動作時に順次測定された振動測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、振動測定値の時系列データを取得する。例えば、測定値取得部10は、加工時間ごとに振動測定値の時系列データを取得する。加工時間は、例えば、工作機械2によって被加工物の加工が開始されてから、当該被加工物の加工が完了し、引き続き加工対象を新たな被加工物に交換するために工作機械2の加工動作が停止されるまでの時間である。工作機械2は、加工時間中に、被加工物を加工する一連の加工動作を行う。
測定値取得部10は、センサ3によって工作機械2から検出された振動の検出信号を、予め設定されたサイクルごとにサンプリングしてデジタル信号に変換する。測定値取得部10によってデジタル信号に変換された検出信号値が、前述した振動測定値に相当する。
また、センサ3によって検出された検出信号がサンプリングされてデジタル信号に変換されるまでの処理が「振動の測定」に相当する。このため、工作機械2の加工動作時には上記サイクルごとに振動測定値が順次測定される。
測定値取得部10は、工作機械2の加工動作時に順次測定された振動測定値を、図1において記載を省略したメモリに保存する。測定値取得部10は、メモリに保存された振動測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、加工時間ごとの振動測定値の時系列データを取得する。また、測定値取得部10は、直前の加工時間に得られた振動振幅値の時系列データの最終測定値を、直後の加工時間における振動測定値の時系列データの最初の測定値として取得してメモリに保存する。
データ生成部11は、測定値取得部10によって取得された複数の振動測定値の時系列データを連結したデータを生成する。例えば、振動測定値の時系列データの最終の測定値は、測定値取得部10によって直後の加工時間に取得された振動測定値の時系列データの最初の値と同じである。このため、データ生成部11は、時系列データの終了時点が、連結対象の時系列データの開始時点であるとみなして、両方の時系列データを連結する。
異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータに基づいて工作機械2の異常を判定する。例えば、異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータを表すグラフの傾斜角が閾値よりも減少した時点で、工作機械2が異常であると判定する。または、異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータが一定の時間連続して変化しなかった場合に、工作機械2が異常であると判定する。または、異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータを表すグラフの傾斜角が減少傾向から増加に転じた時点で、工作機械2が異常であると判定する。
次に、異常判定装置1の動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係る異常判定方法を示すフローチャートである。
測定値取得部10が、工作機械2の加工動作時に順次測定された振動測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、振動測定値の時系列データを取得する(ステップST1)。
例えば、測定値取得部10は、センサ3によって検出された工作機械2に発生した振動の検出信号を入力し、予め設定されたサイクルで検出信号をサンプリングすることによりデジタル信号に変換する。測定値取得部10は、デジタル信号に変換した検出信号である振動測定値のうち、工作機械2の加工動作時に取得した振動測定値をメモリに保存する。
図3は、振動測定値の時間変化を示す図である。振動測定値は、センサ3によって検出された振動の検出信号がサンプリングされるサイクルごとに得られる。個々の振動測定値には、時系列な通し番号であるデータ番号が付与されている。図3の横軸の時間は、個々のデータ番号の昇順に対応している。図3に示す振動測定値は、工作機械2によって加工時間Aごとに加工動作が行われたときに測定値取得部10によって取得された振動測定値である。
図4は、振動測定値の時系列データの取得処理の概要を示す図であって、図3に示した加工時間A内に順次測定された振動測定値および測定値取得部10によって加工時間A内に取得された振動測定値の時系列データを示している。図3と同様に、図4の横軸の時間は、振動測定値に付与されたデータ番号の昇順に対応している。図4に示すデータBは、加工時間A内に順次測定された個々の振動測定値を線分で繋いだ折れ線グラフである。測定値取得部10は、図4に示すように、加工時間A内に順次測定された振動測定値であるデータBから、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、振動測定値の時系列データCを取得する。
データ生成部11は、測定値取得部10によって取得された複数の振動測定値の時系列データを連結したデータを生成する(ステップST2)。例えば、データ生成部11は、測定値取得部10によって加工時間Aごとに取得された複数の振動測定値の時系列データについて、直前の加工時間に得られた振動測定値の時系列データの終了時点が、直後の加工時間に得られた振動測定値の時系列データの開始時点であるとみなして、両方の時系列データを連結する。
図5Aは、加工時間Aごとの振動測定値の時系列データC1~C5を示す図であって、測定値取得部10によって加工時間Aごとに取得された振動測定値の時系列データC1~C5を示している。振動測定値の時系列データC1~C5のそれぞれは、測定値取得部10によって、直前の測定値よりも大きい測定値が取得され、直前の測定値以下の測定値が直前の測定値に置き換えられた振動測定値の時系列データである。
図5Bは、図5Aの振動測定値の時系列データC1~C5が連結されたデータを示すグラフである。図2のステップST2において、データ生成部11は、時系列データC1の終了時点が時系列データC2の開始時点であるとみなして、両方の時系列データを時間的に連結する。同様に、データ生成部11は、時系列データC2の終了時点が時系列データC3の開始時点であるとみなして両方の時系列データを連結し、時系列データC3の終了時点が時系列データC4の開始時点であるとみなして両方の時系列データを連結し、時系列データC4の終了時点が時系列データC5の開始時点であるとみなして両方の時系列データを連結する。これにより、図5Bのグラフで表されるデータが生成される。
異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータに基づいて工作機械2の異常を判定する(ステップST3)。例えば、異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータを表すグラフにおいて、加工時間Aごとに、振動測定値の時間変化を示す近似直線を最小二乗法によって算出し、算出された近似直線の傾き角をグラフの傾斜角として算出する。データ生成部11は、算出されたグラフの傾斜角を閾値と比較した結果に基づいて、工作機械2の異常を判定する。なお、グラフの傾斜角は、振動測定値の時系列データから構成される曲線の接線の傾き角であってもよい。
図6は、加工時間Aごとの振動測定値の時系列データが連結されたデータを示すグラフであり、測定値取得部10によって図3に示した振動測定値から取得された振動測定値の時系列データを用いてデータ生成部11によって生成されたデータを表すグラフである。図6において、グラフに沿った矢印は、当該グラフにおける振動測定値の時間変化を示す近似直線である。工作機械2に発生する振動の大きさは切削工具の劣化に応じて増加するので、グラフの傾斜角は、図6に示すように時間経過に伴って増加していく。工作機械2の加工動作が繰り返されて図6の符号Dを付した領域に達すると、グラフの傾斜角の傾向が変化する。
図7は、増加傾向から減少傾向に転じた振動測定値の時系列データを示す図であって、図6で符号Dを付した領域における振動測定値の時間変化を示している。図7において、グラフの傾斜角は、加工時間Aごとに算出されたものである。図6で符号Dを付した領域では、図7に示すように、グラフの傾斜角がαまで増加した時点からβ(α>β)に減少している。異常判定部12は、αとβの差が予め設定された値よりも大きくなった時点、すなわちβが閾値よりも減少した時点で、工作機械2の切削工具に異常が発生したと判定する。
例えば、工作機械2によって被加工物の切削加工が繰り返されると、切削工具の刃が徐々に鈍っていき、これに応じて切削工具と被加工物との間の振動が大きくなり、グラフの傾斜角は増加していく。この後、切削工具の刃の鈍りがさらに進行すると、工作機械2に設定された送り量で切削工具を移動させても、切削工具の刃における被加工物との接触部分が減少するため、切削工具と被加工物との間の振動が小さくなり、グラフの傾斜角が減少傾向になる。
異常判定部12は、グラフの傾斜角が閾値よりも減少した時点で、切削工具が劣化した異常であると判定する。このとき、異常判定部12は、図1において図示を省略した出力装置を用いて切削工具の劣化を報知してもよい。例えば、出力装置が警報装置であれば、警報装置が、切削工具が劣化したことを示す警報を出力する。また、出力装置が表示装置である場合、表示装置が、切削工具の劣化を示す情報を表示してもよい。異常判定部12は、グラフの傾斜角が閾値よりも減少したか否かという判定条件に基づいた工作機械2の異常判定を行うことで、切削工具が切削できなくなる前に、切削工具の劣化が進んだ状態であることを判定できる。
工作機械2によって被加工物の切削加工がさらに繰り返されることで、切削工具の刃の鈍りがさらに進行した場合、工作機械2に設定された送り量で切削工具を移動させても、切削工具の刃が被加工物に十分に接触せず、切削工具が被加工物の表面を滑るような状態になって切削工具と被加工物との間の振動が小さくなる。これにより、振動測定値は減少していく。
測定値取得部10は、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、振動測定値の時系列データを取得し、データ生成部11は、測定値取得部10によって取得された時系列データを連結したデータを生成する。このため、切削工具が被加工物の表面を滑って振動測定値が減少すると、データ生成部11によって生成されたデータは、この状態になる前に得られた振動測定値から変化しなくなる。
異常判定部12は、図6に示すように、データ生成部11によって生成されたデータが一定になった期間Eが閾値(設定時間)を超えた場合、切削工具を用いた被加工物の加工が不能な状態であると判定する。このとき、異常判定部12は、上記出力装置を用いて加工不能を報知してもよい。例えば、出力装置が警報装置であれば、警報装置が、切削工具を用いた加工が不能であることを示す警報を出力する。また、出力装置が表示装置である場合に、表示装置が、切削工具を用いた加工が不能であることを表示してもよい。異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータが一定になった期間Eが閾値を超えたか否かという判定条件に基づいた工作機械2の異常判定を行うことで、切削工具の寿命を判定することができる。
図8は、減少傾向から増加傾向に転じた振動測定値の時系列データを示す図であって、グラフの傾斜角α、βおよびγは、加工時間Aごとに算出されたものである。図8に示す例では、グラフの傾斜角が、αまで増加した時点からβ(α>β)に減少した状態から、さらにβからγ(β<γ)に増加している。切削工具の刃の鈍りが進行すると、グラフの傾斜角は減少傾向になる。このとき、切削工具が被加工物と衝突して刃こぼれした場合、切削工具と被加工物との間の振動が一時的に大きくなり、グラフの傾斜角が減少傾向から増加に転じる。
異常判定部12は、グラフの傾斜角が減少傾向から増加に転じて閾値よりも大きくなった時点で、工作機械2が異常であると判定する。このとき、異常判定部12は、出力装置を用いて工作機械2に突発的な異常が生じたことを報知してもよい。例えば、出力装置が警報装置であれば、警報装置が、工作機械2に突発的な異常が生じたことを示す警報を出力する。また、出力装置が表示装置である場合、表示装置が、工作機械2に突発的な異常が生じたことを表示してもよい。このように、異常判定部12は、グラフの傾斜角が減少傾向から増加に転じて閾値よりも大きくなったか否かという判定条件に基づいた異常判定を行うことで、工作機械2の突発的な異常を判定することができる。
また、異常判定部12は、データ生成部11によって生成されたデータを表すグラフと工作機械2の異常判定の過程を表示装置に表示させてもよい。例えば、表示装置が、上記グラフと、振動測定値の時間変化を示す近似直線と、グラフの傾斜角とを表示することにより、ユーザが、表示装置に表示されたグラフの傾斜角から工作機械2の劣化の進行状況を視認できるようにする。
工作機械2の異常判定に用いられる閾値および判定条件は、例えば、図1において図示を省略したメモリに保存される。異常判定部12は、上記メモリに保存された判定条件に基づいて工作機械2の異常を判定する。なお、異常判定部12は、図1において図示を省略した入力装置を用いて設定された閾値および判定条件に基づいて、工作機械2の異常を判定してもよい。また、表示装置が、工作機械2の異常判定に用いられる閾値および判定条件を表示し、異常判定部12が、表示装置に表示された閾値および判定条件の中から、入力装置を用いて選択された閾値および判定条件に基づいて工作機械2の異常を判定してもよい。
これまでの説明では、工作機械2によって同じ加工時間Aごとに被加工物が加工される場合を示したが、加工時間は、被加工物ごとに異なる時間であってもよい。
測定値取得部10は、互い異なる加工時間ごとに順次測定された振動測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、加工時間ごとの振動測定値の時系列データを取得する。
次に、異常判定装置1のハードウェア構成について説明する。
測定値取得部10、データ生成部11および異常判定部12の機能は、処理回路によって実現される。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。異常判定装置1における測定値取得部10、データ生成部11および異常判定部12の機能を別々の処理回路で実現してもよく、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
処理回路がプロセッサである場合、異常判定装置1における測定値取得部10、データ生成部11および異常判定部12の機能は、ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。なお、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリに記憶される。
プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することで、異常判定装置1における測定値取得部10、データ生成部11および異常判定部12の機能を実現する。すなわち、異常判定装置1は、プロセッサによって実行されるときに、図2に示したフローチャートにおけるステップST1からステップST3までの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリを備える。これらのプログラムは、異常判定装置1における測定値取得部10、データ生成部11および異常判定部12の手順または方法を、コンピュータに実行させる。メモリは、コンピュータを、異常判定装置1における測定値取得部10、データ生成部11および異常判定部12として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
以上のように、実施の形態1に係る異常判定装置1は、工作機械2の加工動作時に測定された工作機械2の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、測定値の時系列データを取得し、複数の測定値の時系列データが連結されたデータに基づいて工作機械2の異常を判定する。工作機械2の加工動作時に振動測定値が上下変動しても、工作機械2の劣化の進行に応じた振動測定値の増加のみを示すデータが生成されるので、ユーザは、当該データを参照することにより、工作機械2の劣化の進行を容易に把握することができる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る異常判定装置1Aの構成を示すブロック図であり、図1の異常判定装置1と同一の構成要素には同一の符号を付している。異常判定装置1Aは、工作機械2の状態の測定値を用いて工作機械2の異常を判定する。実施の形態2において、工作機械2は、切削工具を用いて被加工物を加工する機械であり、測定対象の状態が、切削工具と被加工物との間に生じた振動であり、異常判定装置1Aが、工作機械2に発生した振動の測定値を用いて切削工具の異常を判定する。
異常判定装置1Aは、図9に示すように、測定値取得部10A、データ生成部11A、異常判定部12および期間判定部13を備える。測定値取得部10Aは、工作機械2の加工動作時に順次測定された振動測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、振動測定値の時系列データを取得する。また、測定値取得部10Aは、被加工物の加工時間における加工開始期間および加工終了期間に測定された振動測定値を取得対象から除外する。
例えば、測定値取得部10Aは、加工時間の開始時点から一定の時間が経過するまでの期間を加工開始期間とし、加工時間の終了時点から一定の時間を遡った時点までの期間を加工終了期間として、これらの期間に測定された振動測定値を取得対象から除外し、加工開始期間以降かつ加工終了期間以前に順次測定された振動測定値を取得する。データ生成部11Aは、測定値取得部10Aによって取得された複数の振動測定値の時系列データを連結したデータを生成する。
期間判定部13は、被加工物の加工時間における加工開始期間および加工終了期間を判定する。図10Aは、加工時間内の振動測定値の時間変化を示す図である。図10Bは、図10Aの振動測定値にスムージングを施した結果を示す図である。加工時間の開始時点で切削工具が被加工物に接触したときに、切削工具と被加工物との間に大きな振動が発生することがある。このように突発的に発生した大きな振動によって、図10Aに示すように、被加工物の切削が開始されてから一定の時間t1が経過するまでは、振動測定値が安定せず、上下変動が大きくなる。
また、被加工物の切削加工が完了して切削工具を被加工物から引き離すとき、切削時に切削工具が被加工物に押し当てられていた反動から両者が揺動し、切削工具と被加工物との間に大きな振動が発生する。このように突発的に発生した大きな振動によって、図10Aに示すように、被加工物の切削加工が完了してから一定の時間t2が経過するまでは、振動測定値が安定せず、上下変動が大きくなる。
期間判定部13は、例えば、図10Aに示した振動測定値の時系列データを入力して、入力された時系列データに対してスムージング処理を施す。そして、期間判定部13は、図10Bに示すスムージング結果において、振動測定値が許容値Th1以下になった時点から加工時間の開始時点まで遡った期間を加工開始期間t1と判定する。また、期間判定部13は、図10Bに示すスムージング結果において、振動測定値が許容値Th2以上になった時点から加工時間の終了時点までの期間を加工終了期間t2と判定する。期間判定部13によって判定された加工開始期間t1および加工終了期間t2は、測定値取得部10Aに通知される。
測定値取得部10Aは、期間判定部13から通知された加工開始期間t1および加工終了期間t2に測定された振動測定値を取得対象から除外する。これにより、工作機械2の異常判定に用いられる振動測定値の時系列データの中から、判定のノイズとなり得る振動測定値が除外される。
なお、測定値取得部10A、データ生成部11A、異常判定部12および期間判定部13の機能は、処理回路によって実現される。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPUであってもよい。
以上のように、実施の形態2に係る異常判定装置1Aにおいて、加工時間における加工開始期間t1および加工終了期間t2に測定された振動測定値が、測定値取得部10Aによる取得対象から除外される。これにより、工作機械2の異常判定に用いられる振動測定値の時系列データの中から、判定のノイズとなり得る振動測定値が除外されるので、異常判定の精度を向上させることができる。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3に係る異常判定装置1Bの構成を示すブロック図であり、図1の異常判定装置1と同一の構成要素には同一の符号を付している。異常判定装置1Bは、工作機械2の状態の測定値を用いて工作機械2の異常を判定する。異常判定装置1Bは、図11に示すように、測定値取得部10B、データ生成部11Bおよび異常判定部12を備える。実施の形態3において、工作機械2は、実施の形態1と同様に、切削工具で被加工物を加工する工作機械であり、測定対象の状態が、切削工具と被加工物との間に生じた振動であり、異常判定装置1Bが、工作機械2に発生した振動の測定値を用いて切削工具の異常を判定する。
また、工作機械2は、互いに異なる複数の動作条件で被加工物の加工を行う。動作条件には、工作機械2の動作条件に加えて、被加工物の材質が含まれる。例えば、切削工具が装着される主軸の回転数が異なると、切削工具と被加工物との間に生じる振動の大きさが変化する。また、被加工物の材質が硬い場合と軟らかい場合とでは、切削工具と被加工物との間に生じる振動の大きさが異なる。
測定値取得部10Bは、互いに異なる複数の動作条件で工作機械2が行った加工動作時に順次測定された振動測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、動作条件ごとの測定値の時系列データを取得する。データ生成部11Bは、測定値取得部10Bによって動作条件ごとに取得された測定値の時系列データから、時系列の最初と最後の測定値の差が最も大きい時系列データを選別し、選別された測定値の時系列データを連結したデータを生成する。
図12Aは、動作条件が互いに異なる加工動作ごとに取得された振動測定値の時系列データを示す図である。図12Aにおいて、時系列データF1、F2、F3は、工作機械2によって動作条件(1)の加工動作が行われたときに、測定値取得部10Bによって取得された振動測定値の時系列データである。また、時系列データG1、G2、G3は、工作機械2によって動作条件(2)の加工動作が行われたときに、測定値取得部10Bによって取得された振動測定値の時系列データである。動作条件(1)と動作条件(2)とは、互いに異なる動作条件である。
図12Aに示す時系列データF1~F3およびG1~G3は、工作機械2によって動作条件(1)の加工動作と、動作条件(2)の加工動作とが交互に行われたときに、測定値取得部10Bによって取得された振動測定値の時系列データである。ただし、図12Aに示す時系列データF1~F3およびG1~G3は、動作条件(1)の加工動作時と、動作条件(2)の加工動作時とが時間的に前後しても、時間的に近い時系列データ同士が隣り合うように並べられたものでもよい。
図12Aに示すように、時系列データF1における時系列の最初と最後の振動測定値の差Δvaは、時系列データG1における時系列の最初と最後の振動測定値の差Δvbよりも大きい。これは、時系列データF2と時系列データG2、時系列データF3と時系列データG3においても同様である。データ生成部11Bは、図12Aに示す時系列データのうち、時系列の最初と最後の測定値の差が大きい時系列データを選別する。
例えば、データ生成部11Bは、時系列データF1~F3およびG1~G3について、動作条件(1)に対応する時系列データにおける時系列の最初と最後の振動測定値の差と動作条件(2)に対応する時系列データにおける時系列の最初と最後の振動測定値の差とを比較し、この差が大きい方の時系列データを選別する。これにより、図12Aに示した時系列データF1~F3およびG1~G3から、時系列データF1~F3が選別される。
図12Bは、図12Aの振動測定値の時系列データのうち、時系列データの最初と最後の測定値の差が大きい振動測定値の時系列データが連結されたデータを示すグラフである。データ生成部11Bは、選別した時系列データF1~F3を時間的に連結する。これにより、図12Bのグラフで表されるデータが生成される。異常判定部12は、データ生成部11Bによって生成されたデータに基づいて、実施の形態1と同様にして、工作機械2の異常を判定する。なお、時系列データG1~G3のいずれかが得られた期間で工作機械2の劣化が進行した場合、図12Bに示すグラフにおける時系列データF1とF2との間または時系列データF2とF3との間のいずれかまたは両方にギャップが生じる。この場合、図12Cを用いて後述するように、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結されるように振動測定値を補正してもよい。
なお、工作機械2によって互いに異なる3つ以上の動作条件でそれぞれ加工動作が行われ、測定値取得部10Bによって3つ以上の動作条件のそれぞれに対応する振動測定値の時系列データが取得された場合に、データ生成部11Bは、これらの時系列データから、時系列の最初と最後の振動測定値の差が最も大きい時系列データを選別して、選別された時系列データを連結したデータを生成する。1回の加工において、時系列の最初と最後に測定値の差がない場合もある。この場合、データ生成部11Bは、加工時間が最も長い動作条件で得られた時系列データを選別して、選別された時系列データを連結したデータを生成してもよい。
次に、異常判定装置1Bの変形例について説明する。
異常判定装置1Bは、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結される補正を行った振動測定値の時系列データから異常判定用のデータを生成してもよい。例えば、データ生成部11Bは、測定値取得部10Bによって動作条件ごとに取得された振動測定値の時系列データに対して、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結される補正を行い、補正された測定値の時系列データを連結したデータを生成する。
図12Cは、振動測定値の時系列データの補正処理の概要を示す図である。図12Cにおいて、時系列データH1、H2、H3は、工作機械2によって動作条件(3)の加工動作が行われたときに、測定値取得部10Bによって取得された振動測定値の時系列データである。時系列データI1、I2、I3は、工作機械2によって動作条件(4)の加工動作が行われたときに、測定値取得部10Bによって取得された振動測定値の時系列データである。動作条件(3)と動作条件(4)とは、互いに異なる動作条件である。
図12Cに示す時系列データH1~H3およびI1~I3は、工作機械2によって動作条件(3)の加工動作と、動作条件(4)の加工動作とが交互に行われたときに、測定値取得部10Bによって取得された振動測定値の時系列データである。ただし、図12Cに示す時系列データH1~H3およびI1~I3は、動作条件(3)の加工動作時と、動作条件(4)の加工動作時とが時間的に前後しても、時間的に近い時系列データ同士が隣り合うように並べられたものでもよい。
図12Cに示すように、時系列データI1~I3は時系列データH1~H3よりも振動測定値が全体的に小さい。データ生成部11Bは、図12Cに破線で示すように、時系列データH1と時系列データH2とに時間的に隣り合う時系列データH1を特定し、時系列データI1の振動測定値と時系列データH1の振動測定値および時系列データH2の振動測定値との差が小さくなるように補正する。
例えば、時系列データH1における時系列の最初の振動測定値がM1であり、時系列データI1における時系列の最初の振動測定値がN1である場合、データ生成部11Bは、M1をN1で除算して補正値a1を算出し、N1に対して補正値a1を乗算する。次に、データ生成部11Bは、時系列データH1における時系列の次の振動測定値M2を、時系列データI1における時系列の次の振動測定値N2で除算した補正値a2を算出し、算出された補正値a2を、時系列データI1における上記振動測定値N2に乗算する。データ生成部11Bは、時系列データH1と時系列データI1とにおいて時間的に対応した振動測定値に対して、同様の補正を順次実行する。さらに、データ生成部11Bは、時系列データI2およびI3についても同様の一連の補正を実行する。
続いて、データ生成部11Bは、振動測定値の時系列データH1、補正後の振動測定値の時系列データI1、振動測定値の時系列データH2、補正後の振動測定値の時系列データI2、振動測定値の時系列データH3および補正後の振動測定値の時系列データI3をそれぞれ連結したデータを生成する。異常判定部12は、このようにして生成されたデータに基づいて工作機械2の異常を判定する。
振動測定値が小さい時系列データしか得られない動作条件の加工動作であっても、切削工具が被加工物に物理的に接触することで、切削工具の劣化は進行する。
そこで、異常判定装置1Bは、複数の動作条件に対応する振動測定値の時系列データのうちに、工作機械2の異常判定に十分な大きさを有していない振動測定値の時系列データがあっても、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結される補正を行うことで、これらの時系列データを時間的に連結したデータが生成される。
図12Cでは、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結されるように振動測定値を補正する場合を示したが、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結されるように加工時間を補正してもよい。例えば、振動測定値が小さい時系列データしか得られない動作条件の加工動作では、切削工具の劣化の進み具合が遅いが、振動測定値が大きい時系列データが得られる動作条件の加工動作では、切削工具の劣化の進み具合が早いと考えられる。例えば、データ生成部11Bは、時間的に隣り合った時系列データよりも振動測定値が小さい時系列データを特定して、特定された時系列データについて上記と同様の補正で振動測定値を増加させ、さらに、当該時系列データが得られた加工時間を、時間的に隣り合った時系列データとの振動測定値の差に応じて短縮する補正を行う。これにより、複数の動作条件のそれぞれに対応する時系列データが滑らかに連結される。
なお、測定値取得部10B、データ生成部11Bおよび異常判定部12の機能は、処理回路によって実現される。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPUであってもよい。
以上のように、実施の形態3に係る異常判定装置1Bにおいて、データ生成部11Bが、測定値取得部10Bによって取得された振動測定値の時系列データから、時系列の最初と最後の測定値の差が最も大きい時系列データを選別し、選別された測定値の時系列データを連結したデータを生成する。これにより、工作機械2の異常判定に十分な大きさの振動測定値から異常判定用のデータが生成される可能性が高くなり、異常判定の精度が向上させることができる。
また、実施の形態3に係る異常判定装置1Bにおいて、データ生成部11Bが、測定値取得部10Bによって動作条件ごとに取得された振動測定値の時系列データに対して、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結される補正を行い、補正された時系列データを連結したデータを生成する。複数の動作条件のそれぞれに対応する振動測定値の時系列データを用いて、工作機械2の劣化の進行状況を把握しやすい異常判定用のデータを生成することができる。
これまでの説明では、測定対象の状態が工作機械2に発生する振動である場合を示したが、これに限定されるものではない。測定対象の状態は、工作機械2の加工動作時に測定可能でかつ工具または機械自体の劣化に応じて状態量が増加するものであればよく、例えば、切削工具が装着される主軸の回転トルクを決定する電流値であってもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、実施の形態のそれぞれの自由な組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
本発明に係る異常判定装置は、工作機械の劣化の進行をユーザが容易に把握することができるので、様々な工作機械の保守点検に利用可能である。
1,1A,1B 異常判定装置、2 工作機械、3 センサ、10,10A,10B 測定値取得部、11,11A,11B データ生成部、12 異常判定部、13 期間判定部。

Claims (11)

  1. 工作機械の加工動作時に順次測定された当該工作機械の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、測定値の時系列データを取得する測定値取得部と、
    前記測定値取得部によって取得された複数の時系列データを連結したデータを生成するデータ生成部と、
    前記データ生成部によって生成されたデータに基づいて前記工作機械の異常を判定する異常判定部と、
    を備えたことを特徴とする異常判定装置。
  2. 前記測定値取得部は、被加工物の加工時間における加工開始期間および加工終了期間に測定された測定値を取得対象から除外すること
    を特徴とする請求項1記載の異常判定装置。
  3. 被加工物の加工時間における加工開始期間および加工終了期間を判定する期間判定部を備え、
    前記測定値取得部は、前記期間判定部によって判定された加工開始期間および加工終了期間に測定された測定値を取得対象から除外すること
    を特徴とする請求項2記載の異常判定装置。
  4. 前記測定値取得部は、互いに異なる複数の動作条件で前記工作機械が行った加工動作時に順次測定された当該工作機械の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、動作条件ごとの測定値の時系列データを取得し、
    前記データ生成部は、前記測定値取得部によって動作条件ごとに取得された測定値の時系列データから、時系列の最初と最後の測定値の差が最も大きい時系列データを選別し、選別された測定値の時系列データを連結したデータを生成すること
    を特徴とする請求項1記載の異常判定装置。
  5. 前記測定値取得部は、互いに異なる複数の動作条件で前記工作機械が行った加工動作時に順次測定された当該工作機械の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、動作条件ごとの測定値の時系列データを取得し、
    前記データ生成部は、前記測定値取得部によって動作条件ごとに取得された測定値の時系列データから、加工時間が最も長い動作条件で得られた時系列データを選別し、選別された測定値の時系列データを連結したデータを生成すること
    を特徴とする請求項1記載の異常判定装置。
  6. 前記測定値取得部は、互いに異なる複数の動作条件で前記工作機械が行った加工動作時に順次測定された当該工作機械の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、動作条件ごとの測定値の時系列データを取得し、
    前記データ生成部は、前記測定値取得部によって動作条件ごとに取得された測定値の時系列データに対して、時間的に隣り合った時系列データ同士が滑らかに連結される補正を行い、補正された測定値の時系列データを連結したデータを生成すること
    を特徴とする請求項1記載の異常判定装置。
  7. 前記異常判定部は、前記データ生成部によって生成されたデータを表すグラフの傾斜角が閾値よりも減少した時点で、前記工作機械が異常であると判定すること
    を特徴とする請求項1記載の異常判定装置。
  8. 前記異常判定部は、前記データ生成部によって生成されたデータが一定の時間連続して変化しなかった場合に、前記工作機械が異常であると判定すること
    を特徴とする請求項1記載の異常判定装置。
  9. 前記異常判定部は、前記データ生成部によって生成されたデータを表すグラフの傾斜角が減少傾向から増加に転じて閾値よりも大きくなった時点で、前記工作機械が異常であると判定すること
    を特徴とする請求項1記載の異常判定装置。
  10. 前記測定値取得部は、前記工作機械の振動の測定値を取得すること
    を特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の異常判定装置。
  11. 測定値取得部が、工作機械の加工動作時に順次測定された当該工作機械の状態の測定値から、直前の測定値よりも大きい測定値を取得し、直前の測定値以下の測定値を直前の測定値に置き換えることで、測定値の時系列データを取得するステップと、
    データ生成部が、前記測定値取得部によって取得された複数の測定値の時系列データを連結したデータを生成するステップと、
    異常判定部が、前記データ生成部によって生成されたデータに基づいて前記工作機械の異常を判定するステップと、
    を備えたことを特徴とする異常判定方法。
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