JP7045948B2 - 疑似接着積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、疑似接着積層シートに関する。
紙基材と、前記紙基材の一方の面上に形成された擬似接着層と、を備えて構成された疑似接着積層シートは、前記擬似接着層を介して前記紙基材同士を重ね合わせて接着するとともに、必要なときには、このように接着された紙基材同士を剥離することができる、いわゆる再剥離性を有する。このような疑似接着積層シートは、日常、広く利用されており、その代表的な例としては、疑似接着はがきが挙げられる。
このような疑似接着積層シートは、通常、紙基材同士が擬似接着した状態で目的とする用途で使用される。一方で、このような状態の疑似接着積層シートは、水で濡れた状態にあるときに、紙基材同士を剥離しようとすると、紙基材が破れることがある。例えば、疑似接着積層シートが疑似接着はがきである場合には、このはがきの郵送、移送又は保管中における、降雨や事故による水濡れ等によって、このような問題点が生じ得る。
このような、疑似接着積層シートが水で濡れたときに発生する問題点を解決できるものとして、再生紙である基体紙シートの重ね合わせ面(換言すると、擬似接着層が形成されている面)とは反対側の面に、耐水化物とバインダの混合物からなる耐水処理層が設けられている、耐水性再生隠蔽情報担持用シートが開示されている(特許文献1参照)。ここで、再生紙である基体紙シートは、前記紙基材に相当し、耐水性再生隠蔽情報担持用シートは前記疑似接着積層シートに相当する。このようなシートにおいては、耐水処理層によって、基体紙シートの内部への水の浸透が抑制されるため、上述の問題点が解決できるとされている。
特開2003-103968号公報
しかし、特許文献1に記載の耐水性再生隠蔽情報担持用シートの場合、耐水処理層の形成のために、耐水化物とバインダの使用が必須であり、これら成分は必ずしも安価ではなく、さらに、実質的に耐水処理層を基体紙シートの全面に形成する必要がある。そのため、このシートは、その製造時に相応の材料費及び加工費の増大を伴い、低コストでの製造が難しかった。そこで、耐水処理層の形成を必要としない、新規の疑似接着積層シートの開発が望まれていた。
本発明は、紙基材と、前記紙基材の一方の面上に形成され、かつ、前記紙基材同士を再剥離可能に接着可能な擬似接着層と、を備えた疑似接着積層シートであって、水で濡れた状態となっても、紙基材同士を再剥離するときに、紙基材の破れを回避可能な新規の疑似接着積層シートを提供することを課題とする。
本発明は、紙基材と、前記紙基材の一方の面上に形成された擬似接着層と、前記紙基材の他方の面上の一部に形成された水分検知層と、を備え、前記紙基材のサイズ度が15秒以上であり、前記水分検知層が界面活性剤を含有し、水分を含んだ前記水分検知層が、それ以外の部位と区別して識別可能である、疑似接着積層シートを提供する。
本発明の疑似接着積層シートにおいては、前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、第4級アンモニウム塩及びアルキルアミンオキサイドからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明によれば、紙基材と、前記紙基材の一方の面上に形成され、かつ、前記紙基材同士を再剥離可能に接着可能な擬似接着層と、を備えた疑似接着積層シートであって、水で濡れた状態となっても、紙基材同士を再剥離するときに、紙基材の破れを回避可能な新規の疑似接着積層シートが提供される。
本発明の一実施形態に係る疑似接着積層シートの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る疑似接着積層シートの一例を模式的に示す断面図である。 水分検知層の平面形状が異なる、本発明の一実施形態に係る疑似接着積層シートを模式的に示す平面図である。 水分検知層の平面形状が異なる、本発明の一実施形態に係る疑似接着積層シートを模式的に示す平面図である。 水分検知層の平面形状が異なる、本発明の一実施形態に係る疑似接着積層シートを模式的に示す平面図である。 実施例1の水分検知層付き紙基材の撮像データであり、(a)は水で濡れた状態の撮像データ、(b)は乾燥後の撮像データである。 比較例1の水で濡れた状態の水分検知層付き紙基材の撮像データである。
<<疑似接着積層シート>>
本発明の一実施形態に係る疑似接着積層シートは、紙基材と、前記紙基材の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)上に形成された擬似接着層と、前記紙基材の他方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)上の一部に形成された水分検知層と、を備え、前記紙基材のサイズ度が15秒以上であり、前記水分検知層が界面活性剤を含有し、水分を含んだ前記水分検知層が、それ以外の部位と区別して識別可能となっている。
前記水分検知層は、水分を含んだ状態(水で濡れた状態)では、水分検知層以外の部位と区別して識別可能であるが、乾燥した状態(水で濡れていない状態)では、水分検知層以外の部位と区別して識別することは不可能である。したがって、本実施形態の疑似接着積層シートは、前記擬似接着層を介して、前記紙基材同士が擬似接着した状態であるか否かによらず、前記水分検知層を備えていることにより、水による濡れの有無を明確に識別できる。そして、紙基材同士が擬似接着した状態である前記疑似接着積層シートについて、これが乾燥した状態であることを確認してから、紙基材同士を剥離できる。このように、本実施形態の疑似接着積層シートは、これが水で濡れた状態のときに、紙基材同士の再剥離という行為を抑制するものであり、これにより、水で濡れた状態となっても、紙基材同士を再剥離するときに、紙基材の破れを回避可能とする。
前記水分検知層は、上述のとおり、水で濡れていない通常の状態では、それ以外の部位と区別して識別することはできない。したがって、前記疑似接着積層シートは、水分検知層を備えていることにより、意匠性を損なうことがない。また、前記疑似接着積層シートは、水分検知層の形状、大きさ、紙基材の第2面上における配置位置等、の水分検知層の配置形態に関して、自由度が極めて高い。
本実施形態の疑似接着積層シートは、従来のものとは異なり、紙基材の内部への水の浸透を抑制するための耐水処理層が不要である。すなわち、耐水処理層を形成するための安価ではない材料の使用が不要であり、また、紙基材の全面への、このような層の形成も不要である。そして、界面活性剤を含有する前記水分検知層は、安価に形成できる。したがって、疑似接着積層シートを安価に製造できる。
前記疑似接着積層シートにおいては、当初は擬似接着層を介して接着しておらず、互いに剥離した状態にある紙基材同士を、擬似接着層を介して接着した後、再びこれら紙基材同士を剥離した状態とすることが可能である。このように、疑似接着している紙基材同士を、再び剥離した状態とすることを、本明細書においては、「再剥離」と称する。擬似接着層は、接着対象物を再剥離可能に接着(疑似接着)する。
本実施形態の疑似接着積層シートは、擬似接着性という特性を利用可能な積層シート全般で利用可能であり、例えば、疑似接着はがきとして利用するのに特に好適である。
疑似接着はがきは、郵送、移送又は保管中において、降雨や事故による水濡れ等の可能性があり、特に郵送又は移送中は、屋外に長時間置かれる可能性あるため、特に本発明の効果が発揮され易い。
ただし、これは一例であり、前記疑似接着積層シートの用途は、疑似接着はがきに限定されない。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る疑似接着積層シートについて、より詳しく説明する。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1は、本実施形態の疑似接着積層シートの一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す疑似接着積層シート1は、紙基材11と、紙基材11の一方の面(すなわち第1面)11a上に形成された擬似接着層12と、紙基材11の他方の面(すなわち第2面)11b上の一部に形成された水分検知層13と、を備えて構成されている。
<紙基材>
紙基材11は、紙を構成材料として含み、セルロースを主成分として含有するものが好ましい。
紙基材11のサイズ度(degree of sizing)は、15秒以上であり、30秒以上であることが好ましく、40秒以上であることがより好ましく、50秒以上であることがさらに好ましく、例えば、75秒以上、100秒以上、及び125秒以上のいずれかであってもよい。紙基材11のサイズ度が前記下限値以上であることで、水分検知層が水分を含んだ状態で識別可能となる効果が、より高くなる。
紙基材11のサイズ度の上限値は、特に限定されない。例えば、紙基材11の製造又は入手がより容易である点では、紙基材11のサイズ度は、160秒以下であることが好ましい。
紙基材11のサイズ度は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、一実施形態において、紙基材11のサイズ度は、15~160秒であることが好ましく、30~160秒であることがより好ましく、40~160秒であることがさらに好ましく、50~160秒であることが特に好ましく、例えば、75~160秒、100~160秒、及び125~160秒のいずれかであってもよい。
本明細書において、紙基材11の場合に限らず、「サイズ度」とは、「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.13-77、紙及び板紙のK.B.B.サイズ度試験方法」に準拠して測定して得られた測定値を意味する。
紙基材11が含有する主成分及びそれ以外の成分は、いずれも1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
紙基材11は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。紙基材11が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
なお、本明細書においては、紙基材の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよいし、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
紙基材11の厚さは、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、80~200μmであることが好ましく、110~170μmであることがより好ましい。
紙基材11が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい紙基材11の厚さとなるようにするとよい。
<擬似接着層>
擬似接着層12は、公知のものでよく、特に限定されない。
擬似接着層12としては、例えば、粘着剤及び充填材を含有するものが挙げられる。
擬似接着層12が含有する前記粘着剤及び充填材等の各成分は、いずれも1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
疑似接着積層シート1において、擬似接着層12は、紙基材11の第1面11aの全面に設けられていてもよいし、一部の領域に設けられていてもよい。
擬似接着層12は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。擬似接着層12が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
擬似接着層12の厚さは、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、2~8μmであることが好ましく、3~6μmであることがより好ましい。
擬似接着層12が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい擬似接着層12の厚さとなるようにするとよい。
擬似接着層12の厚さは、例えば、後述する擬似接着組成物の使用量、擬似接着組成物の接着剤等の非液状成分の含有量等を調節することで、適宜調節できる。
擬似接着層12は、例えば、これを構成するための成分を含有する擬似接着組成物を用いて、形成できる。
より具体的には、例えば、擬似接着層12の形成対象面に、前記擬似接着組成物を付着させ、必要に応じてこれを乾燥させることで、擬似接着層12を形成できる。
擬似接着組成物は、印刷法、塗布法等の公知の方法によって、前記形成対象面に付着させることができる。
前記印刷法としては、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が挙げられる。
前記塗布法としては、例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター等の各種コーター;ワイヤーバーコーター等の装置、を使用する公知の方法が挙げられる。
<水分検知層>
水分検知層13は、紙基材11の第2面11b上の一部に形成されている。すなわち、水分検知層13は、紙基材11の第2面11bの全面に設けられている訳ではなく、前記第2面11bの一部に設けられており、前記第2面11bの一部は露出面となっている。このように、紙基材11の第2面11bに、水分検知層13が設けられている領域と、水分検知層13が設けられていない領域と、が存在することにより、疑似接着積層シート1が水で濡れたときに、水分を含んだ水分検知層13が、紙基材11の第2面11bのうち、水分検知層13が設けられていない領域と区別して識別可能となり、疑似接着積層シート1が水で濡れていることを、明確に確認できる。
水分検知層13は、界面活性剤を含有しており、これにより上記のとおり、水分を含んだ状態で、他の部位と区別して識別可能となる。その理由は、以下のように推測される。すなわち、界面活性剤を含有する水分検知層13は、疑似接着積層シート1中のそれ以外の部位よりも、水分を吸収し易くなっており、疑似接着積層シート1が水で濡れたときに、水分検知層13がそれ以外の部位よりも、より多くの水分を吸収する。そして、このように水分を吸収した水分検知層13において、光の乱反射の度合いが低下し、光の反射率が他の部位と比較して変化することにより、上記のように、水分検知層13以外の他の部位と区別して識別可能になると推測される。
一方、水分検知層13は、乾燥した状態では一転して、水分検知層13以外の部位と区別して、識別することは不可能となる。これは、水分が除かれた水分検知層13の光の反射率が、他の部位の光の反射率と、同等となるためである。
水で濡れた状態の疑似接着積層シート1において、水分検知層13は、それ以外の部位よりも、乾燥に要する時間が長くなる。これは、加熱乾燥等を行わず、自然乾燥を行ったときに、より顕著となる。その理由は、上述のとおり、界面活性剤を含有する水分検知層13は、それ以外の部位よりも、水分を吸収し易い(換言すると、水分との親和性が高い)ためである。したがって、水分検知層13の乾燥が終了して、他の部位との識別が不可能となったときよりも前のタイミングで、すでに他の部位の乾燥は終了しており、疑似接着積層シート1が水で濡れた状態であるときに、誤って紙基材11同士を再剥離するという行為を、より確実に回避できる。
前記界面活性剤は、特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。
例えば、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
また、界面活性剤は、常温で液状及び固形状のいずれであってもよい。
なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~25℃の温度等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、第4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(別名:ポリオキシエチレンドデシルエーテル)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル(別名:ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(別名:ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(別名:ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとしては、例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(別名:ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート等が挙げられる。
前記第4級アンモニウム塩としては、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(別名:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(別名:ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(別名:オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(別名:ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド)、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
前記アルキルアミンオキサイドとしては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド(別名:ドデシルジメチルアミンオキサイド)等が挙げられる。
前記界面活性剤のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値は、特に限定されないが、8~17であることが好ましい。
水分検知層13が含有する界面活性剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
水分検知層13が含有する界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、第4級アンモニウム塩及びアルキルアミンオキサイドからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
水分検知層13は、界面活性剤のみからなる層であってもよいし、界面活性剤と、それ以外の他の成分と、を含有する層であってもよい。
水分検知層13が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
水分検知層13は、紙基材11の第2面11b上の一部に形成されていればよく、その形状は特に限定されず、目的に応じて任意に設定できる。例えば、水分検知層13の紙基材11側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)13aの形状、換言すると、水分検知層13をその上方から見下ろしたときの平面形状は、文字、記号、図形、模様、絵、画像及びこれらのいずれにも該当しない不定形のいずれの形状であってもよく、これらのいずれかの形状を型抜きした形状であってもよく、ここまでで説明した1種又は2種以上の形状を組み合わせた形状であってもよい。
ここでは、水分検知層13として、その一部が紙基材11中に形成され、残りの部位が紙基材11から突出して形成されているものを示しているが、これは、本実施形態における水分検知層の配置形態の一例である。本実施形態において、水分検知層13は、紙基材11の第2面11b上に形成されていればよく、水分検知層13の第1面13aが露出されていればよい。例えば、水分検知層13は、紙基材11から突出せずに形成されていてもよいし、紙基材11中に形成されていなくても(換言すると、紙基材11の第2面11bよりも上部に形成されていても)よい。
水分検知層13は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。水分検知層13が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
水分検知層13の厚さは、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、1~5μmであることが好ましく、2~4μmであることがより好ましい。
水分検知層13が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい水分検知層13の厚さとなるようにするとよい。
水分検知層13の厚さは、例えば、後述する水分検知層形成材料の使用量、水分検知層形成材料の界面活性剤等の非液状成分の含有量等を調節することで、適宜調節できる。
水分検知層13は、例えば、界面活性剤と、必要に応じて前記他の成分等の、水分検知層13を構成するための成分を含有し、さらに溶媒を含有する水分検知層形成材料を用いて、形成できる。
より具体的には、例えば、水分検知層13の形成対象面に、前記水分検知層形成材料を付着させ、必要に応じてこれを乾燥させることで、水分検知層13を形成できる。
水分検知層形成材料は、前記擬似接着組成物の場合と同様の方法によって、前記形成対象面に付着させることができる。
特に、特定の平面形状を有する水分検知層13は、先に説明した印刷法によって、容易に形成できる。
なお、後述するように、疑似接着積層シート1は別途、印刷層を備えていてもよく、その場合、水分検知層13と印刷層を同じ方法(印刷法)で形成可能であり、疑似接着積層シート1をより低コストで製造できる。
水分検知層形成材料が含有する界面活性剤及び他の成分は、いずれも1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記溶媒は、特に限定されないが、例えば、水分検知層形成材料の乾燥時に除去可能なものが好ましく、水分検知層形成材料中で共存する前記界面活性剤又は他の成分を溶解可能なものがより好ましい。
前記溶媒としては、例えば、水、有機溶媒等が挙げられる。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等のアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、グルタル酸モノメチル、グルタル酸ジメチル等のエステル;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジメトキシエタン(ジメチルセロソルブ)等のエーテル;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
水分検知層形成材料が含有する前記溶媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
例えば、水分検知層形成材料が2種以上の溶媒を含有する場合、これら2種以上の溶媒の組み合わせは、有機溶媒のみの組み合わせであってもよいし、水と、1種又は2種以上の有機溶媒と、の組み合わせ(すなわち、水と有機溶媒の混合溶媒)であってもよい。
水分検知層形成材料の総質量に対する、界面活性剤の含有量の割合(すなわち、水分検知層形成材料の界面活性剤の含有量)は、水分検知層形成材料の含有成分の種類に応じて、適宜調節すればよい。通常、前記割合は、0.2~15質量%であることが好ましく、0.5~10質量%であることがより好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、水分検知層13をより効率的に形成できる。前記割合が前記上限値以下であることで、水分検知層形成材料の取り扱い性がより良好となり、水分検知層13をより容易に形成できる。
水分検知層形成材料において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する、界面活性剤の含有量の割合(すなわち、水分検知層13における、水分検知層13の総質量に対する、界面活性剤の含有量の割合)は、50~100質量%であることが好ましく、例えば、60~100質量%、70~100質量%、80~100質量%、及び90~100質量%のいずれかであってもよい。
水分検知層13中の界面活性剤の量は、紙基材11の水分検知層13を備えている領域の単位面積あたりの量で換算すると、0.01~5g/mであることが好ましく、0.02~3g/mであることがより好ましい。前記界面活性剤の量が前記下限値以上であることで、水分検知層13が水分を含んだ状態で識別可能となる効果が、より高くなる。前記界面活性剤の量が前記上限値以下であることで、界面活性剤の過剰使用が抑制される。
図1では、疑似接着積層シート1として、その折り返し部位10において折り返され、擬似接着層12を介して紙基材11同士が疑似接着されたものを示している。ただし、本実施形態の疑似接着積層シートは、このように1枚の疑似接着積層シートが折り返され、紙基材同士が疑似接着された構成ではなく、紙基材同士が疑似接着されていない構成であってもよい。
図2は、このような本実施形態の疑似接着積層シートの他の例を模式的に示す断面図である。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す疑似接着積層シート1’は、図1に示す疑似接着積層シート1において、紙基材11同士が剥離した状態にあるものである。図2中、符号10’は、図1に示す疑似接着積層シート1において、折り返し部位10であった部位をしめす。
先の説明のとおり、本実施形態の疑似接着積層シートにおいて、水分検知層の第1面の形状(換言すると、水分検知層の平面形状)は、目的に応じて任意に設定できる。
図3~図5は、水分検知層の平面形状が、図1に示す疑似接着積層シート1と、図2に示す疑似接着積層シート1’と、のいずれとも異なる、他の実施形態の疑似接着積層シートを模式的に示す平面図である。
図3に示す疑似接着積層シート2は、紙基材11の第2面11b上の一部に、水分検知層13に代えて水分検知層23を備えている点を除けば、図1に示す疑似接着積層シート1と同じである。
水分検知層23をその上方から見下ろしたときの平面形状、換言すると、水分検知層23の第1面23aの形状は、アルファベットのAの形状となっている。このように平面形状が異なる点を除けば、水分検知層23は、水分検知層13と同じである。
図4に示す疑似接着積層シート3は、紙基材11の第2面11b上の一部に、水分検知層13に代えて水分検知層33を備えている点を除けば、図1に示す疑似接着積層シート1と同じである。
水分検知層33をその上方から見下ろしたときの平面形状、換言すると、水分検知層33の第1面33aの形状は、アルファベットのAを型抜きした形状となっている。そして、水分検知層33は、この型抜きした箇所以外は、紙基材11の第2面11bの全面を被覆している。このように平面形状が異なる点を除けば、水分検知層33は、水分検知層13と同じである。疑似接着積層シート3を、その水分検知層33側の上方から見下ろしたとき、水分検知層33が形成されていない領域は、紙基材11(換言すると、紙基材11の第2面11b)が露出しており、この露出している紙基材11がアルファベットのAの形状を形成しているように見える。
図5に示す疑似接着積層シート4は、紙基材11の第2面11b上の一部に、水分検知層13に代えて水分検知層43を備えている点以外は、図1に示す疑似接着積層シート1と同じである。
水分検知層43をその上方から見下ろしたときの平面形状、換言すると、水分検知層43の第1面43aの形状は、図4に示す水分検知層33の第1面33aの場合と同様に、アルファベットのAを型抜きした形状となっている。ただし、水分検知層43は、この型抜きした箇所の近傍以外で、大半の紙基材11の第2面11bを被覆していない点で、図4に示す水分検知層33とは相違する。換言すると、水分検知層43の第1面43aの面積は、図4に示す水分検知層33の第1面33aの面積よりも、大幅に狭くなっている。このように平面形状が異なる点を除けば、水分検知層43は、水分検知層13と同じである。
図3~図5では、1枚の疑似接着積層シートにおいて、水分検知層が、アルファベット1文字のみを表すように調節されたものを示しているが、水分検知層が表す文字、記号、図形等の数は、2以上であってもよい。例えば、水分検知層で文字を表す場合には、紙基材の剥離を禁止する言葉又は文章を表すように、水分検知層の配置形態を調節してもよい。
本実施形態の疑似接着積層シートは、これまでに説明したものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、図1に示す疑似接着積層シート1、及び図2に示す疑似接着積層シート1’は、紙基材11と、擬似接着層12と、水分検知層13と、のいずれにも該当しない、他の層を備えていてもよい。
例えば、図1に示す疑似接着積層シート1、及び図2に示す疑似接着積層シート1’は、紙基材11と擬似接着層12との間、又は、擬似接着層12中の紙基材11側の領域に、印刷層を備えていてもよい。このような疑似接着積層シートは、印刷層を形成後に擬似接着層を形成することで製造されるものであり、「後糊式」の積層シートと呼ばれる。
また、図1に示す疑似接着積層シート1、及び図2に示す疑似接着積層シート1’は、擬似接着層12上、又は、擬似接着層12中の紙基材11側とは反対側の領域に、印刷層を備えていてもよい。このような疑似接着積層シートは、擬似接着層を形成後に印刷層を形成することで製造されるものであり、「先糊式」の積層シートと呼ばれる。
前記印刷層は、例えば、先に説明した印刷法、すなわち、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、又はパッド印刷法等で形成できる。
<疑似接着積層シートの製造方法>
本実施形態の疑似接着積層シートは、紙基材の一方の面(すなわち第1面)上に擬似接着層を形成する工程と、紙基材の他方の面(すなわち第2面)上の一部に水分検知層を形成する工程と、を有する製造方法により、製造できる。
擬似接着層の形成方法、及び水分検知層の形成方法は、先に説明したとおりである。
例えば、紙基材の第1面上に前記擬似接着組成物を付着させ、必要に応じてこれを乾燥させることで、紙基材の第1面上に擬似接着層を形成できる。
また、紙基材の第2面上の一部に、前記水分検知層形成材料を付着させ、必要に応じてこれを乾燥させることで、紙基材の第2面上の一部に水分検知層を形成できる。
前記製造方法においては、例えば、前記擬似接着層を形成する工程を行ってから、前記水分検知層を形成する工程を行ってもよいし、前記水分検知層を形成する工程を行ってから、前記擬似接着層を形成する工程を行ってもよく、各工程を行う順序は、目的に応じて、任意に設定できる。
擬似接着層及び水分検知層のいずれにも該当しない他の層(例えば、前記印刷層等)を備えた疑似接着積層シートを製造する場合には、前記他の層の種類とその形成位置を考慮して、上述の製造方法において、適切なタイミングで適切な箇所において、前記他の層を形成する工程を追加して行えばよい。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
後述する実施例又は比較例で用いた紙基材と界面活性剤を以下に示す。
なお、紙基材としては、いずれも大きさが10cm×10cmであるものを用いた。
Figure 0007045948000001
Figure 0007045948000002
[実施例1]
<水分検知層付き紙基材の製造>
室温下で、界面活性剤(A)-1(1g)と、蒸留水(49.5g)と、エタノール及び2-プロパノールの混合物(今津工業薬品社製「エコノール」、エタノール95.78質量%、2-プロパノール4.22質量%)(49.5g)と、を混合し、これら配合成分を均一に溶解させ、界面活性剤(A)-1の濃度が1質量%である水分検知層形成材料を得た。
次いで、紙基材(S)-1の一方の面の一部に、この水分検知層形成材料(0.05g)を刷毛塗りで塗工し、100℃で溶媒成分を完全に蒸発させて、乾燥させることにより、紙基材(S)-1上に水分検知層を形成した。このときの、紙基材(S)-1の一方の面における水分検知層形成材料の塗工面積は、25cmとした。これら配合成分の量から換算した、水分検知層中の界面活性剤(A)-1の量(換言すると、紙基材(S)-1における界面活性剤(A)-1の保持量)は、紙基材(S)-1の水分検知層を備えている領域の単位面積あたりの量で換算して、0.2g/mである。
<水分検知層付き紙基材の評価>
上記で得られた水分検知層付き紙基材を、室温下で、水道水中に完全に水没させて浸漬した。そして目視により、水分検知層がそれ以外の部位と区別して識別可能になったか否かという観点と、識別可能になった場合には、それまでに要した時間と、水分検知層付き紙基材を水道水中から引き上げ、乾燥させた後に、水分検知層が識別不可能になったか否か、という観点から、下記評価基準に従って、水分検知層付き紙基材の水分検知能を評価した。結果を表3に示す。
(評価基準)
A:浸漬後直ちに水分検知層が明瞭に識別可能となり、乾燥後は、水分検知層が識別不可能となった。
B:Aの場合よりも時間を要するが、浸漬後約30秒までの間で、水分検知層が明瞭に識別可能となり、乾燥後は、水分検知層が識別不可能となった。
C:Aの場合よりも時間を要し、かつ、Bの場合よりも明瞭さで劣るが、浸漬後約30秒までの間で、水分検知層が識別可能となり、乾燥後は、水分検知層が識別不可能となった。
D:浸漬後、水分検知層が識別可能とはならなかった。
<水分検知層付き紙基材の製造及び評価>
[実施例2~10]
界面活性剤の種類と、水分検知層形成材料の界面活性剤の含有量と、のいずれか一方又は両方を、表3に示すとおりに変更した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例11]
紙基材(S)-1に代えて紙基材(S)-2を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例12~20]
界面活性剤の種類と、水分検知層形成材料の界面活性剤の含有量と、のいずれか一方又は両方を、表3に示すとおりに変更した点以外は、実施例11の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例21]
紙基材(S)-1に代えて紙基材(S)-3を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例22~30]
界面活性剤の種類と、水分検知層形成材料の界面活性剤の含有量と、のいずれか一方又は両方を、表3に示すとおりに変更した点以外は、実施例21の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例31]
界面活性剤(A)-1(1g)を配合するのに代えて、界面活性剤(A)-9(2.5g)を配合した点と、蒸留水及び「エコノール」の配合量を、いずれも49.5gに代えて48.75gとした点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例32~33]
紙基材の種類を、表3に示すとおりに変更した点以外は、実施例31の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表3に示す。
[比較例1]
紙基材(S)-1に代えて紙基材(S)-4を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表4に示す。
なお、本比較例と以降の比較例においては、上述の評価方法で水分検知能が不十分である水分検知層も、便宜上、実施例のものと同様に水分検知層と称している。
[比較例2~10]
界面活性剤の種類と、水分検知層形成材料の界面活性剤の含有量と、のいずれか一方又は両方を、表4に示すとおりに変更した点以外は、比較例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例11]
紙基材(S)-1に代えて紙基材(S)-4を用いた点と、界面活性剤(A)-1(1g)を配合するのに代えて、界面活性剤(A)-9(2.5g)を配合した点と、蒸留水及び「エコノール」の配合量を、いずれも49.5gに代えて48.75gとした点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例12]
紙基材(S)-1に代えて紙基材(S)-5を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例13~21]
界面活性剤の種類と、水分検知層形成材料の界面活性剤の含有量と、のいずれか一方又は両方を、表4に示すとおりに変更した点以外は、比較例12の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表4に示す。
[比較例22]
紙基材(S)-1に代えて紙基材(S)-5を用いた点と、界面活性剤(A)-1(1g)を配合するのに代えて、界面活性剤(A)-9(2.5g)を配合した点と、蒸留水及び「エコノール」の配合量を、いずれも49.5gに代えて48.75gとした点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、水分検知層付き紙基材を製造し、評価した。結果を表4に示す。
Figure 0007045948000003
Figure 0007045948000004
上記結果から明らかなように、実施例1~33においては、水分を含んだ水分検知層を、それ以外の部位(すなわち、水分を含んだ紙基材)と区別して識別することが可能であり、乾燥後の水分検知層を、それ以外の部位(すなわち、乾燥後の紙基材)と区別して識別することが不可能であって、水分検知層付き紙基材の水分検知能が良好であった。これら水分検知層付き紙基材は、擬似接着層を備えた疑似接着積層シートとして、水分検知能が良好であり、かつ、水で濡れた状態のときに、紙基材同士の再剥離という行為を抑制できる、ものを構成可能であった。これら実施例において、紙基材のサイズ度は51秒以上(51~144秒)であった。
なかでも、実施例1~30においては、水分検知層付き紙基材の水分検知能が高かった。これら実施例において、紙基材のサイズ度は51秒以上(51~144秒)であったが、用いている界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、第4級アンモニウム塩又はアルキルアミンオキサイドであった。
これに対して、比較例1~22においては、水分を含んだ水分検知層を、それ以外の部位と区別して識別することが不可能であり、水分検知層付き紙基材の水分検知能が不十分であった。これら水分検知層付き紙基材は、擬似接着層を備えた疑似接着積層シートとして、水分検知能が良好であり、かつ、水で濡れた状態のときに、紙基材同士の再剥離という行為を抑制できる、ものを構成不可能であった。これら比較例において、紙基材のサイズ度は13秒以下(0.5~13秒)であった。
上述の評価時における、実施例1の水分検知層付き紙基材の撮像データを図6に示し、比較例1の水分検知層付き紙基材の撮像データを図7に示す。図6中、(a)は水で濡れた状態の水分検知層付き紙基材の撮像データであり、(b)は乾燥後の水分検知層付き紙基材の撮像データである。図7は、水で濡れた状態の水分検知層付き紙基材の撮像データである。
図6から、実施例1における水分検知層の水分検知能が高いことを、明瞭に確認できる。また、図6及び図7から、比較例1における水分検知層の水分検知能が不十分であることを、明瞭に確認できる。
本発明は、疑似接着はがき等の、擬似接着性という特性を利用可能な積層シート全般に利用可能である。
1,1’,2,3,4・・・疑似接着積層シート、
11・・・紙基材、11a・・・紙基材の第1面、11b・・・紙基材の第2面、
12・・・擬似接着層、
13,23,33,43・・・水分検知層、13a,23a,33a,43a・・・水分検知層の第1面、

Claims (2)

  1. 紙基材と、前記紙基材の一方の面上に形成された擬似接着層と、前記紙基材の他方の面上の一部に形成された水分検知層と、を備え、
    前記紙基材のサイズ度が15秒以上であり、
    前記水分検知層が界面活性剤を含有し、水分を含んだ前記水分検知層が、それ以外の部位と区別して識別可能である、疑似接着積層シート。
  2. 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、第4級アンモニウム塩及びアルキルアミンオキサイドからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の疑似接着積層シート。
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