JP7044637B2 - 冷凍設備及び冷凍方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍設備及び冷凍方法に関する。
従来、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器が配管で接続され、当該配管内を冷媒が通流する冷媒循環システムが知られている。この冷媒循環システムの適用例として、蒸発器における熱交換を利用して対象空間を冷却する冷凍設備を構築することができる。
特許文献1では、冷媒循環システムの一般的な問題点が指摘されている。すなわち、冷凍機油は圧縮機から配管内に漏れ出て冷媒とともに循環するところ、冷媒中に浮遊する冷凍機油、又は配管の内壁に付着している冷凍機油が配管内を上昇することができずに滞留し、圧縮機内の油量不足から冷凍能力が低下するというものである。特許文献1に記載された冷媒循環システムでは、冷媒の流速を高めることによって冷凍機油の配管内の上昇を助け、これを解決している。
特許第4078786号公報
しかしながら、冷媒循環システムの構成上の都合から冷媒の流速を高めることができない場合や、冷媒の流速を高めても必ずしも十分に解決できるとはいえない場合がある。冷凍機油が正常に循環しないと圧縮機が潤滑不良に陥るほか、冷凍機油で配管が詰まって冷媒の循環が妨げられ、冷凍能力が低下することが懸念される。
そこで本発明は、冷媒及び冷凍機油が充填された冷媒循環システムを用いる冷凍設備において、冷凍能力が低下することを抑制することができる冷凍設備を提供することを目的とする。また、同様の冷媒循環システムを用いる冷凍設備において、冷凍能力が低下することを抑制することができる冷凍方法を提供することを目的とする。
冷凍能力が低下することについて本発明者らが原因を様々に追究したところ、蒸発器の出口付近と圧縮機の入口付近との配管内圧力に想定外の圧力差がみられたことから、その区間内の配管において、低温によって粘性が高まった冷凍機油が滞留して圧縮機への冷凍機油の戻りが不十分になっていることが考えられた。
これを解決するため、本発明は、冷媒及び冷凍機油が充填され、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器がこの順に冷媒が循環するように配管によって接続された冷媒循環システムを備える冷凍設備であって、蒸発器から圧縮機へ向かって冷媒が流れる配管を加温する加温機構を備える冷凍設備を提供する。
また、本発明は、冷媒及び冷凍機油が充填され、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器がこの順に冷媒が循環するように配管によって接続された冷媒循環システムを備える冷凍設備を用いる冷凍方法であって、蒸発器から圧縮機へ向かって冷媒が流れる配管を加温する冷凍方法を提供する。
冷媒及び冷凍機油が充填された冷媒循環システムでは通常、液化した状態の冷媒が圧縮機に浸入しないように、蒸発器と圧縮機との間に、例えばアキュミュレータのような気液分離器を配置して液体の冷媒を捕捉する処置がとられている。これに対し、冷凍機油については、低温となる箇所では配管内の壁面を伝わるように移動するため、配管の配置態様によっては移動が困難になって滞留しやすくなる傾向がある。この傾向は、冷媒循環システムのうち、冷媒が低温となり冷凍機油も低温となる蒸発器の付近において特に顕著である。ここで、本発明の冷凍設備では、冷媒循環システムのうち蒸発器から圧縮機へ向かって冷媒が流れる配管を加温する加温機構を備えているので、その区間で冷凍機油の粘性が低下して流動しやすくなり、冷凍機油が圧縮機に戻りやすくなる。すなわち、冷凍機油によって配管が詰まることが防止され、冷媒の循環不良による冷凍能力の低下を抑制することができる。
本発明の冷凍設備は、蒸発器における熱交換により冷却される冷却空間を備え、加温機構は、冷却空間の外部に設けられていることが好ましい。この場合、冷却空間と加温機構が設けられている領域が互いに別々であるので、両者の熱が干渉し合わない利点がある。
またこのとき、加温機構は、蒸発器から圧縮機へ向かって冷媒が流れる配管のうち、冷却空間の外部において冷媒の流れが上昇するように変化する最初の箇所を加温するように設けられていることが好ましい。この箇所は、冷凍機油が特に滞留しやすい箇所と考えられるので、加温機構を設ける箇所として好適である。
加温機構は、蒸発器から圧縮機へ向かって冷媒が流れる配管のうち、配置高さが最も低い箇所、又は、冷媒の流れが上昇する箇所を加温するように設けられていることが好ましい。これらの箇所は、冷凍機油が特に滞留しやすい箇所と考えられるので、加温機構を設ける箇所として好適である。
冷媒循環システムは、蒸発器と圧縮機との間の箇所に気液分離器が配置されており、加温機構は、蒸発器と気液分離器との間の箇所に設けられていることが好ましい。この箇所は、冷凍機油が特に滞留しやすい箇所と考えられるので、加温機構を設ける箇所として好適である。
本発明で用いる冷媒及び冷凍機油は、互いに相溶性を有するものであることが好ましい。これらが互いに相溶するものであると、低温において冷凍機油の粘性が高くなりすぎることを一層抑制することができる。
本発明によれば、冷媒及び冷凍機油が充填された冷媒循環システムを用いる冷凍設備において、冷凍能力が低下することを抑制することができる冷凍設備を提供することができる。また、同様の冷媒循環システムを用いる冷凍設備において、冷凍能力が低下することを抑制することができる冷凍方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の冷凍設備を示す図である。 比較例1での冷凍庫内の温度変化を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示されているとおり、本実施形態の冷凍設備1は、冷媒循環システム2と、冷媒循環システム2によって冷却される空間である冷凍庫(冷却空間)3と、配管の一部を加温するための加温機構4とを備えている。冷凍庫3は、扉の開閉によって密閉することが可能な空間であり、冷凍庫3の容積は、10m~20000mであることが好ましく、500m~3000mであることがより好ましく、900m~1200mであることが更に好ましい。加温機構4については後述する。
冷媒循環システム2は、冷媒及び冷凍機油がその内部に充填された閉鎖系システムであり、気化した冷媒を圧縮する圧縮機21と、圧縮された冷媒を周囲と熱交換して液化させる凝縮器22と、液化した冷媒を膨張させる電子膨張弁(膨張機構)23と、膨張した冷媒を周囲と熱交換して気化させる蒸発器24と、液体状の冷媒が圧縮機21に浸入しないように捕捉するアキュミュレータ(気液分離器)25とが、配管P(P1~P5)によってこの順に接続されている。
より詳細には、圧縮機21は、配管P5から流入した気体状の冷媒を圧縮する装置であり、冷媒を高温(例えば80℃)・高圧状態にして配管P1内に吐出する。凝縮器22は、高密度に圧縮された冷媒を配管P1から受けて周囲と熱交換(周囲に熱を与える)し、冷媒を液化させる装置である。電子膨張弁23は、凝縮器22から通じている配管P2内を流れる液化した冷媒を急速に配管P3内に吐出させることで膨張させて減圧し、冷媒を気化しやすい状態にする装置である。蒸発器24は、冷媒循環システム2を構成する他の部材とは物理的に仕切られた冷凍庫3の内部に設置されており、配管P3から受けた冷媒を周囲との熱交換(周囲から熱を奪う)によって気化し、冷凍庫3内を冷却する装置である。ここで冷媒温度は例えば-62℃であり、冷凍庫3内の冷却温度は、例えば-30℃~-70℃であってもよく、-40℃~-65℃であってもよく、-50℃~-60℃であってもよい。蒸発器24から配管P4内に出た冷媒は通常気体であるが、配管P4内で液化してしまう一部の冷媒が圧縮機21に浸入しないように捕捉する必要がある。アキュミュレータ25は、そうした液体状の冷媒を捕捉する装置である。
冷媒が上記のとおり冷媒循環システム2を循環することによって、冷凍庫3内を冷却する冷凍設備1が成立している。
ここで、冷媒循環システム2には、冷媒のみならず冷凍機油も充填されている。冷凍機油は、圧縮機21を潤滑させるために必要な油であって、圧縮機21の稼働時には冷媒と共に配管P1内に漏れ出て、冷媒循環システム2内を冷媒と共に循環する。
冷媒としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、アンモニア、二酸化炭素等を用いることができる。オゾン層に与える影響の観点からは、HCFCよりもHFCが好ましく、HFCとしてはR410A、R407C、R404A、R507A、R134A等、公知のものを用いることができる。冷媒は、一種類を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。冷媒の使用量としては、冷凍庫3の容積や配管Pの全長に従って、技術常識に基づいて適宜調整することができる。
冷凍機油としては、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、パラフィン油等、公知のものを用いることができる。冷凍機油は、一種類を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。冷凍機油の使用量としては、冷凍庫3の容積や配管Pの全長に従って、技術常識に基づいて適宜調整することができる。
冷媒及び冷凍機油は、互いに溶解し合うもの、すなわち相溶性が高いものを組み合わせて用いることが好ましい。冷媒及び冷凍機油は、併せて作動流体を構成し、特に相溶することで低温において冷凍機油の粘性が高くなりすぎることが防止される。相溶性を有する冷媒及び冷凍機油を用いる場合は、蒸発器24内で作動する温度域(例えば-62℃)においても相溶することが求められる。なお、ここで「相溶性」とは、JIS K 2211で用いられている概念をいい、冷媒と冷凍機油とを混合したときに、冷媒と冷凍機油とが均一な一層の液体となれば、冷凍機油は混合した冷媒と相溶性があるという。本実施形態における相溶性の程度としては、-50℃~-65℃の温度域でも分離しないことが好ましい。すなわち、-50℃~-65℃の範囲内におけるいずれの温度においても相溶した状態を保つことができることが好ましい。
冷凍設備1は、蒸発器24からアキュミュレータ25へ向かって冷媒が流れる配管P4において、当該配管の一部を加温する加温機構4を備えている。加温機構4は、蒸発器24から吐出される冷媒が流れる配管P4の一部分であって冷凍庫3の外部に位置する部分に配置されている。
蒸発器24の出口から延びている配管P4は、冷凍庫3の壁を突き抜けて冷凍庫3外へ延び、更に鉛直方向上側へ曲がって延びてアキュミュレータ25へ接続している。この折れ曲がり箇所は、蒸発器24から出た冷媒の流れが冷凍庫3の外部において上昇するように変化する最初の箇所である。配管P4が鉛直上方へ向かって立ち上がっている部分の全長は、アキュミュレータ25や圧縮機21等とのレイアウトの都合や、メンテナンス時の作業空間の確保の都合等から、例えば5mである。なお、ここで「上昇」とは、重力に逆らうように移動することをいい、配管が延びる方向が様々に変化し得る状況では必ずしも鉛直方向を意味せず、鉛直方向に対して幾らかの角度(例えば1度~45度、45度~80度)がついた状態で重力に逆らうように移動する場合も含む。
配管P4は、その折れ曲がり箇所において、上方へ立ち上がる直前に下方へ少し落ち込んでおり、トラップ(液溜め部)Tを形成している。トラップTは、配管P4の一部を当該形状に変形させて構成したものであってもよく、一つ又は複数の継手を用いて当該形状を構成したものであってもよい。また、トラップTは、配管P4のうち配置高さが最も低い箇所を含んでおり、配管P4内で冷媒の一部が液化した場合に当該冷媒が溜まる場所となる部分である。
冷凍設備1は、配管P4のトラップTの部分において、加温機構4を備えている。具体的には、配管P4の外壁面に電熱線が巻き付けられており、巻き付けられた電熱線が、樹脂等の断熱材(保温部材)で覆われている。電熱線は、端部が断熱材の一部から飛び出しており、端部が電源(図示せず。)に接続されている。
加温機構4の働きによってトラップTを構成している配管P4の外壁面が加温され、その熱が配管P4内に伝わる。配管P4内では冷凍機油が低温となり粘性が高くなっているので、冷凍機油に電熱線からの熱が伝わることで冷凍機油は粘性が低下し、流動しやすくなる。ここで、電熱線の電気量は、大きすぎず、小さすぎないことが好ましい。電熱線の電気量が大きすぎると、冷凍設備全体の冷凍能力に悪影響を及ぼし、電気量が小さすぎると加温効果が不十分となる。この観点から、電熱線の電気量は、圧縮機の電気量の100分の1~300分の1とすることが好ましい。また、電熱線の電気量は、加温した部分の配管表面の温度が-30℃~+80℃程度になる電気量とすることが好ましく、-30℃~+20℃程度になる電気量とすることがより好ましい。
液体状の冷媒や冷凍機油の溜まり具合や電熱線による加温効率等を考慮して、トラップTを構成している配管P4の内径は、10mm~200mmであることが好ましく、50mm~80mmであることがより好ましく、50mm~60mmであることが更に好ましい。
以上に説明した冷凍設備1を用いた冷凍方法としては、加温機構4によりトラップTを加温した状態で圧縮機21を稼働し、冷凍庫3内の温度が所望の温度域にまで下がることを確認する。冷凍庫3内の温度が所望の温度域にまで下がったら圧縮機21の稼働を停止する。その後、冷凍庫3内の温度が上昇し、所望の温度域の上限付近になったら再度圧縮機21を稼働して冷凍庫3内の温度を下げる。以下、これを繰り返して冷凍庫3内の温度を所望の温度域に維持する。冷凍設備1の運転中は加温機構4を常に稼働しておくことが好ましい。
冷凍設備1の作用効果について説明する。この冷凍設備1は、冷媒及び冷凍機油が充填された冷媒循環システム2において蒸発器24と圧縮機21との間にアキュミュレータ25が配置されているので、液化した一部の冷媒が圧縮機21に浸入しないように捕捉される。また、その前段階としてトラップTにおいても液化した一部の冷媒が溜まるので、液体状の冷媒が圧縮機21に浸入することが一層防止される。
冷凍機油に関しては、一般に低温となる箇所では配管P内の壁面を伝わるように移動するため、配管Pの配置態様によっては移動が困難になって滞留しやすくなる傾向がある。この傾向は、冷媒循環システム2のうち、冷媒が低温となり冷凍機油も低温となる蒸発器24の付近において特に顕著であるところ、本実施形態の冷凍設備1では、冷媒循環システム2のうち蒸発器24からアキュミュレータ25へ向かって冷媒が流れる配管P4を加温する加温機構4を備えているので、加温によってその区間で冷凍機油の粘性が低下して流動しやすくなり、冷凍機油が圧縮機21に戻りやすくなる。
本実施形態の冷凍設備1では、電熱線と圧縮機21との電気量の差を上記「100分の1~300分の1」のように大きくした場合は、圧縮機21が稼働している最中は、電熱線の電気量が相対的に小さく加温効果がほとんど現れない。一方、圧縮機21の稼働を停止している最中は電熱線による加温効果が相対的に大きくなり、冷凍機油が十分に加温される。そして、再度圧縮機21を稼働し始めたときに、十分に加温されて粘性が低くなった冷凍機油が配管P4を上昇するようになる。以上の作用に基づき、本実施形態の冷凍設備1では、低温においても冷凍機油の流れが良好となり、冷凍機が圧縮機21に戻りやすくなる。従って、冷凍機油によって配管P4が詰まることが防止され、冷媒の循環不良による冷凍能力の低下を抑制することができる。
また、加温機構4は冷凍庫3の外部に設けられているので、両者の熱(冷却と加温)が干渉し合わない利点がある。また、加温機構4は冷凍機油が特に滞留しやすい箇所であるトラップTにおいて設けられているので、粘性が高くなった冷凍機油を加温するのに効率が良い。
また、従来、冷凍効率の低下を防止するためデフロスト(霜取り)運転が行われている。デフロスト運転では例えばヒーターを使用するため、荷物の冷凍状態を維持する観点からは、デフロスト運転の回数は少なくすることが望ましい。ここで、本実施形態の冷凍設備1では、冷凍庫3の外側に設けられた加温機構4を稼働することにより冷凍能力の低下を抑制することができるので、その分、冷凍効率が維持され、デフロスト回数を少なくすることができる。このため、冷凍庫3内の荷物の搬入及び搬出の時間の都合に合わない時間帯にデフロスト運転を行うことを避けることもできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、冷凍庫3の外側に加温機構4を設ける態様を示したが、加温機構4を設ける位置としては、配管P4のうち冷凍庫3内における箇所であってもよい。また、上記実施形態では、配管P4のうち配置高さが最も低い箇所と冷媒の流れが上昇するように変化する最初の箇所とを包含する箇所に加温機構4を設けたが、配置高さが最も低い箇所のみを包含するように加温機構4を設けてもよく、又はこれら以外に、冷媒の流れが上昇する箇所(例えばトラップTを過ぎて配管P4が垂直に立ち上がっている箇所)に加温機構4を設けてもよい。また、加温機構4を設ける位置としては、蒸発器24の出口から延びている配管P4のうち、冷凍庫3の内外に関わらず、配置高さが最も低い箇所へ向かって冷媒が流れる箇所のいずれの箇所でもよい。すなわち、配置高さが最も低い箇所よりも蒸発器24に近い側のいずれの箇所にも加温機構4を設けてもよい。
また、加温機構4を設ける箇所の配管P4の形状は、水平に延びた形状であってもよく、冷媒の流れが下方又は上方へ向かう形状であってもよい。また、配管P4がトラップTを複数有する態様としてもよく、その場合は配置高さが最も低いトラップのみに加温機構4を設けてもよく、全てのトラップに対して加温機構4を設けてもよい。
また、上記実施形態では加温機構4として配管P4に電熱線を巻き付ける態様を示したが、他の加温方法、例えば配管P4の周りに加温のための液体を通流させる態様としてもよい。この場合、加温のための液体としては加温機構4内で凝固しない程度に低い凝固点を有するものを選定する。
また、冷媒循環システム2又は冷凍設備1は、これらに適用できる他の公知の部材を備えていてもよい。例えば、他の圧縮機21と凝縮器22との間に、冷凍機油を分離するためのオイルセパレータを配置してもよい。これによれば、冷媒循環システム2を循環する過剰な冷凍機油の量を減らすことができ、且つ、不良な冷凍機油を容易に排出することもできる。また、凝縮器22から延びている配管P2とアキュミュレータ25とを熱的に接続することによって、互いに熱交換させてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<比較例1>
圧縮機(電気量は40kW)、オイルセパレータ、凝縮器、膨張機構及び蒸発器がこの順に配管によって接続された冷媒循環システムを用意し、その蒸発器を内部に収めた冷凍庫(容積は960m)を冷却する冷凍設備を構築した。蒸発器の出口配管は、図1に示されたようなトラップを有しており、トラップの下流側端部からアキュミュレータに向かって鉛直方向上方へ立ち上がっている部分の全長は4mにわたっている。冷媒としてR404Aを140kg、冷凍機油としてポリオールエステル油である「フレオールα32n」(JXTGエネルギー株式会社製)を20リットル用いた。冷凍庫の管理温度域は、-54℃~-56℃とした。圧縮機を30分間稼働し20分間停止することを繰り返すことで、管理温度域を達成することにした。圧縮機を稼働し始めた後、冷凍庫内の温度が-50℃以下に下がるまで待機し、その後、圧縮機の停止を経て圧縮機を再稼働してから52時間が経過するまで、冷凍庫内の温度を記録した。結果は以下のとおりであった。
図2に示されているとおり、圧縮機を稼働してから約27時間は冷凍庫内の温度が-54℃~-56℃の温度範囲に安定していた。すなわち、冷凍庫内の温度変化を示すグラフが、圧縮機を30分間稼働し20分間停止することを繰り返すことから予想されるとおりの上下運動を示した。なお、初めの10時間以内に温度変化が安定していない部分があるのは、冷凍庫内をデフロストしたことによるものである。
約27時間後(図2の点Aの辺り。)から、冷凍能力が低下し始め、圧縮機を稼働しても冷凍庫内の冷却に時間が長くかかるようになってきた。それ以降、52時間経過後も、冷却能力が回復することはなかった。
なお、蒸発器内の冷媒の温度は約-62℃、蒸発器の出口配管における冷媒の温度は約-55℃であった。
<実施例1>
比較例1で用いた冷凍設備において、加温機構としてトラップ部分に電熱線(電気量は140W)を巻きつけ、これを樹脂製の断熱材で覆った。使用した冷媒及び冷凍機油、冷凍庫内の管理温度、圧縮機の稼働と停止のサイクルは比較例1と同様とした。
圧縮機を稼働してから、冷凍庫内の温度は-54℃~-56℃の温度範囲に安定していた。すなわち、冷凍庫内の温度変化を示すグラフが、圧縮機を30分間稼働し20分間停止することを繰り返すことから予想されるとおりの上下運動を示した。すなわち、比較例1における27時間経過前と同様の傾向を示した。この傾向はその後も変化せず、圧縮機の稼働から72時間にわたって継続した。加温機構を設けた配管の表面温度は、圧縮機の稼働時は-30℃、圧縮機の停止時は+20℃であった。
なお、蒸発器内の冷媒の温度は約-62℃、蒸発器の出口配管における冷媒の温度は約-55℃であった。
この結果から、蒸発器の出口配管に設けられたトラップ部分を加温することによって、長時間にわたって冷凍能力を維持することができることが分かった。
本発明の冷凍設備及び冷凍方法は、長期間の冷凍保存が必要な物品に対して利用することができる。
1…冷凍設備、2…冷媒循環システム、3…冷凍庫(冷却空間)、4…加温機構、21…圧縮機、22…凝縮器、23…電子膨張弁(膨張機構)、24…蒸発器、25…アキュミュレータ(気液分離器)、P(P1~P5)…配管、T…トラップ。

Claims (5)

  1. 冷媒及び冷凍機油が充填され、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器がこの順に前記冷媒が循環するように配管によって接続された冷媒循環システムを備える冷凍設備であって、
    前記蒸発器から前記圧縮機へ向かって前記冷媒が流れる配管を加温する加温機構を備え
    前記蒸発器における熱交換により冷却される冷却空間を備え、
    前記加温機構は、前記冷却空間の外部に設けられており、
    前記加温機構は、前記蒸発器から前記圧縮機へ向かって前記冷媒が流れる配管のうち、前記冷却空間の外部において前記冷媒の流れが上昇するように変化する最初の箇所を加温するように設けられている、冷凍設備。
  2. 前記加温機構は、前記蒸発器から前記圧縮機へ向かって前記冷媒が流れる配管のうち、配置高さが最も低い箇所、又は、冷媒の流れが上昇する箇所を加温するように設けられている、請求項1記載の冷凍設備。
  3. 前記冷媒循環システムは、前記蒸発器と前記圧縮機との間の箇所に気液分離器が配置されており、
    前記加温機構は、前記蒸発器と前記気液分離器との間の箇所に設けられている、請求項1又は2記載の冷凍設備。
  4. 前記冷媒及び前記冷凍機油は、互いに相溶性を有するものである、請求項1~のいずれか一項記載の冷凍設備。
  5. 冷媒及び冷凍機油が充填され、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器がこの順に前記冷媒が循環するように配管によって接続された冷媒循環システムを備える冷凍設備を用いる冷凍方法であって、
    前記冷凍設備は、前記蒸発器における熱交換により冷却される冷却空間を備え、
    前記蒸発器から前記圧縮機へ向かって前記冷媒が流れる配管のうち、前記冷却空間の外部において前記冷媒の流れが上昇するように変化する最初の箇所を加温する、冷凍方法。
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