JP7044559B2 - 水耕栽培容器 - Google Patents

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Description

本発明は、水耕栽培容器に関する。
NFT(Nutriant Film Technique)方式の水耕栽培は、既に知られている(例えば、特許文献1参照)。NFT方式の水耕栽培は、緩やかな傾斜を有する床面に、培養液を薄膜状に流下させて栽培植物の根に供給して栽培植物を栽培するものである。具体的には、この方式では、固形の培地を用いず、栽培植物の根を培養液中および気中に位置させ、根が培養液から養水分を摂れるようにし、かつ、空気中から酸素を摂れるようにして育成する。
特許文献1には、NFT方式の水耕栽培システムが開示されている。この水耕栽培システムは、温室内に植栽ベッドと、培養液を貯留した液槽と、液槽の培養液を植栽ベッドに供給する給液部と、植栽ベッドから流出した培養液を液槽に戻す返液部とを備えている。植栽ベッドは、上面開口を有していて培養液を流す長尺樋状のベッド本体と、栽培植物を保持する定植孔を有していてベッド本体の上面開口を閉鎖する蓋部材と、を有している。ベッド本体は、長手方向に傾斜して設けられており、給液部からベッド本体の一端部に供給された培養液が、ベッド本体の他端部に向けて流れるようになっている。
図9は、従来のNFT方式の水耕栽培装置の構成例を示す。この水耕栽培装置100は、長手方向に傾斜した3個の樋120a、120b、120cが用いられ、各樋120a、120b、120cの上流側に培養液供給管153を通して供給された培養液が下流側に向って流れるようになっている(液深は5mm程度)。各樋120a、120b、120cの下流端部には排出管155a、155b、155cがそれぞれ設けられ、培養液は各樋120a、120b、120cから排出管155a、155b、155cに排出されて培養液集合管159に集められ、培養液貯留槽に還流するようになっている。
特開2017-112894号公報
しかしながら、特許文献1や図9に示す従来の水耕栽培装置にあっては、(1)培養液の枯渇、(2)培養液の不均一な供給、(3)培養液の溢れの問題があった。以下、各問題について説明する。
(1)培養液の枯渇
従来の水耕栽培装置は、傾斜した樋内を培養液が流下する構造である。そのため、何らかの不具合で培養液の供給が不十分になると、培養液が樋から流れ切ってしまう、あるいは樋の中途で蒸発するなどし、樋の一部分もしくは全体で培養液が枯渇してしまうという問題があった。樋内の培養液が枯渇した場合には、栽培植物に深刻なダメージを与えてしまっていた。
(2)培養液の不均一な供給
図9に示す従来の水耕栽培装置100では、培養液供給管153が分岐して各樋120a、120b、120cの上流に接続されている。このような構成では、配管や樋の位置の相違により、分岐した各流路における流路抵抗が相違する。このため、各分岐流路に設けられたバルブを単純に開口するだけでは、培養液が各樋120a、120b、120cに均一に供給されない。そこで、培養液供給管153から各樋120a、120b、120cに向けて分岐した分岐供給管153a、153b、153cに流量調節バルブ154a、154b、154cが設けられ、培養液が均一に配送されるように、樋120a、120b、120cごとに流量を調整している。この操作は試行錯誤で行われ、何度もの再設定作業を必要とする。特に、培養液循環用のポンプが停止した後に、水耕栽培装置100を再起動する場合には、非常に厄介な作業となっている。このように、各分岐流路ごとに流量調節バルブ154a、154b、154cを要する構成では、調整作業やメンテナンスが煩雑になっていた。
(3)培養液の溢れ
図9に示す従来の水耕栽培装置100では、樋120a、120b、120cが上流側から下流側に向けて下降するように傾斜しているので、樋底は下流側が最も低いレベルに位置する。通常、樋120a、120b、120cに載置する栽培パレットは、栽培植物の品質向上の観点から、幼苗が培養液供給側(上流側)に、成熟株が排出側(下流側)になるように順に並べられる。このため、樋120a、120b、120cの下流側で成熟株の繁茂した根が培養液をせき止める形となり、樋の傾斜とあいまって堰き止め湖を形成してしまう場合がある。培養液の排出管155a、155b、155cは、防藻の観点から閉鎖管構造にされているので、排出能力が制限され、堰き止め湖を形成しやすい。堰き止め湖が形成された状態において、培養液供給のトラブルで過剰な量の培養液が供給され、流下してくると、堰き止め湖が満杯となり、時間あたりの排出能力を超えた培養液が樋120a、120b、120cの側面から溢れる事態に至ってしまう。樋120a、120b、120cの側面からのオーバーフローは元々想定されておらず、水耕栽培装置や栽培室の床面の汚損を招いて復旧が困難であった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、調整作業やメンテナンスが容易な構造を有すると共に、培養液を安定的かつ均一に供給することができる水耕栽培容器を提供することを目的とする。
本発明に係る水耕栽培容器は、上記目的達成のため、培養液を貯留する第1の貯留槽と、前記培養液を貯留する第2の貯留槽と、一端が前記第1の貯留槽に第1の堰を介して接続され、他端が第2の堰を介して前記第2の貯留槽に接続された樋と、を備え、前記樋において栽培植物が水耕栽培される水耕栽培容器であって、前記樋は水平な底面部を有し、前記第1の堰の高さは前記第2の堰の高さより高くなっており、前記樋の側面部の高さは、上流端から下流端に向かうほど高くなっていることを特徴とする。
上述のように、本発明に係る水耕栽培容器では、樋の上流端が第1の堰を介して第1の貯留槽に接続され、樋の下流端が第2の堰を介して第2の貯留槽に接続され、樋は水平な底面部を有し、第1の堰の高さは第2の堰の高さより高くなっている。この構成により、第1の貯留槽において第1の堰を超えた分だけ培養液が樋に供給される(オーバーフロー供給)。従来のように樋底を傾斜させて培養液を流下させる方式ではなく、常に所定量の培養液が樋内に存在しているので、樋において培養液が枯渇することを効果的に防止することができる。
また、本発明に係る水耕栽培容器は、上記構成により、樋において第2の堰を超えた分だけ培養液が第2の貯留槽に排出される(オーバーフロー排出)。このため、樋の下流側で成熟株の根が繁茂したり、樋内への培養液の流入量が急変しても、樋の側面部から培養液が溢れる事態を効果的に防止することができる。
また、本発明に係る水耕栽培容器では、樋に供給される培養液の量は、第1の樋の高さにより制御されるので、樋ごとに流量の調節をすることなく、各樋に供給される培養液を均一にすることが容易である。また、オーバーフロー供給の構成であるで、従来のように樋ごとに流量調節バルブによって培養液の供給量を調節する必要がなく、調整作業が容易である。
また、本発明に係る水耕栽培容器は、樋において栽培植物が水耕栽培され、樋に接続された第1の貯留槽および第2の貯留槽には栽培パレットは載置されないので、第1の貯留槽および第2の貯留槽のメンテナンスが容易である。
また、本発明に係る水耕栽培容器は、上記構成により、樋の側面部の上に載置される栽培パレットと、樋の底面部との間の空間が下流側ほど大きくなっている。1本の樋には複数の栽培パレットが配置され、これらの栽培パレットは、樋の上流側よりも下流側に配置される栽培パレットの方が栽培植物が成熟しているように、生育状況に応じて下流側にスライド移動できるようになっている。このため、栽培植物の根の生長に適合して培養液と根を良好に接触させることができる。
また、本発明に係る水耕栽培容器では、前記第2の貯留槽は、前記第2の貯留槽の内部空間を、前記樋が接続された部分を含む第1分割槽と前記樋が接続された部分を含まない第2分割槽とに二分割する間仕切り部を有し、前記間仕切り部の高さが、前記第2の堰の高さより低い構成としてもよい。
この構成により、第1分割槽は、藻屑やスケールなどの汚物を沈積させる汚物沈積槽として使用できる。第2の貯留槽において間仕切り部を超えた汚物を含まない培養液が、第2分割槽に送られ、培養液排出管を通って還流される。これにより、培養液排出管の汚損を防止することができる。
また、本発明に係る水耕栽培容器では、前記樋を複数備え、該複数の前記樋が前記第1の貯留槽と前記第2の貯留槽の間に並列に配置された構成としてもよい。
本発明に係る水耕栽培容器は、第1の貯留槽に供給された培養液が、堰を超えて各樋に供給される構成(オーバーフロー供給)であるので、各樋への培養液の供給量の調整は、単に、第1の貯留槽への培養液の供給量を調整することにより行うことができる。従来のように、各樋への培養液の流量をそれぞれの流量調整バルブで調整する必要がない。よって、複数の樋を備える構成であっても、培養液が各樋に均一に供給されるように容易に調整することができる。
また、本発明に係る水耕栽培容器では、前記樋の上部開口を閉鎖する複数の栽培パレットを更に含み、前記各栽培パレットが定植孔を有し、前記栽培植物の根基部が前記定植孔に挿通され保持されるようにしてもよい。
この構成により、樋内の培養液に対して遮光することができ、藻の繁殖を防止することができる。
本発明によれば、調整やメンテナンスが容易な構造を有すると共に、培養液を安定的かつ均一に供給することができる水耕栽培容器を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る水耕栽培装置の斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線部分断面図である(培養液が入っていない状態)。 図1のC-C線部分断面図である(培養液が入っていない状態)。 図1の水耕栽培装置を用いて栽培植物を水耕栽培している様子を示す斜視図である。 図5のD-D線断面図である。 (a)は図6のE-E線断面図であり、(b)は図6のF-F線断面図である。 従来の水耕栽培装置の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る水耕栽培装置1は、水耕栽培容器10と、水耕栽培容器10に培養液71を循環供給するための循環供給手段である循環供給システム50とを備えている。
まず、水耕栽培容器10について説明する。
水耕栽培容器10は、培養液71を貯留する第1の貯留槽30と、培養液71を貯留する第2の貯留槽40と、樋20とを備えている。樋20は、上流端20cが第1の貯留槽30に第1の堰31を介して接続され、下流端20dが第2の堰41を介して第2の貯留槽40に接続されている。この樋20において、栽培植物70が水耕栽培されるようになっている。
第1の貯留槽30は、樋20に供給される培養液71を貯留し、第2の貯留槽40は、樋20から排出される培養液71を貯留する。すなわち、第1の貯留槽30と第2の貯留槽40は、樋20への培養液71の供給量を調整するヘッダー槽として機能している。
第1の貯留槽30は、細長い直方体形状で上面が開口した箱形の容器である。具体的には、第1の貯留槽30は、長方形の底板30aと、底板30aの長辺側の端縁より起立した側板30b、30cと、底板30aの短辺側の端縁より起立した端板30d、30eとを有している。
第2の貯留槽40は、細長い直方体形状で上面が開口した箱形の容器である。具体的には、第2の貯留槽40は、長方形の底板40aと、底板40aの長辺側の端縁より起立した側板40b、40cと、底板40aの短辺側の端縁より起立した端板40d、40eとを有している。
図2に示すように、第1の堰31の高さは、第2の堰41の高さより高くなっている。具体的には、図3および図4に示すように、例えば、樋20の水平な底面部20aを基準にした場合、第1の堰31の高さH1は、第2の堰41の高さH2より高くなっている。すなわち、H1>H2である。これにより、樋20に貯留された培養液71が第1の貯留槽30に逆流できないようになっている。
図2に示すように、第2の貯留槽40は、第2の貯留槽40の内部空間を、樋20が接続された部分を含む第1分割槽43と、樋20が接続された部分を含まない第2分割槽44と、に二分割する間仕切り部42を有している。
この間仕切り部42の高さは、第2の堰41の高さより低くなっている。具体的には、図4に示すように、例えば、樋20の水平な底面部20aを基準にした場合、間仕切り部42の高さH3は、第2の堰41の高さH2より低くなっている。すなわち、H2>H3である。これにより、第1分割槽43は、藻屑やスケールなどの汚物を沈積させる汚物沈積槽として機能し、培養液排出管55の汚損を防止することができる。第1分割槽43に貯留された汚物を含む培養液71は、ドレーン管57を通して排出されるようになっている。
第2の貯留槽40において、間仕切り部42の高さが第2の堰41の高さより低くなっているので、第1分割槽43の上層に貯留された、汚物のない培養液71は、樋20に逆流することなく、第2分割槽44に排出されるようになっている。すなわち、汚物が除かれた培養液71が、第2分割槽44に送られる。汚物が除かれた培養液71は、第2分割槽44から培養液排出管55を通って、後述する培養液槽51に還流されるようになっている(図1参照)。
図2~図4に示すように、樋20は、細長い長方形状の水平な底面部20aと、底面部20aの長手方向両側縁からそれぞれ垂直に立ち上がった側面部20b、20bとを有している。図2に示すように、樋20の側面部20bの高さは、樋20の上流端20cから下流端20dに向かうほどテーパ状に高くなっている。
図2および図3に示すように、樋20の上流端20cは、第1の貯留槽30の側板30bに連結されている。第1の貯留槽30の側板30bにおいて、樋20が連結された部分には、側板30bの上端より矩形状に切欠かれた第1の堰31が形成されている。第1の貯留槽30に供給された培養液71は、第1の堰31を超えて供給された分が、第1の堰31を超えて樋20に供給されるようになっている(オーバーフロー供給)。
図2および図4に示すように、樋20の下流端20dは、第2の貯留槽40の側板40bに連結されている。第2の貯留槽40の側板40bにおいて、樋20が連結された部分には、側板40bの上端より矩形状に切欠かれた第2の堰41が形成されている。樋20に供給された培養液71は、第2の堰41を超えて供給された分が、第2の堰41を超えて第2の貯留槽40に排出されるようになっている(オーバーフロー排出)。
図3および図4に示すように、樋20の横断面形状はコ字形状であるが、これに限定されず、U字形状、V字形状など任意の形状にしてもよい。
図1に示すように、本実施形態に係る水耕栽培装置1では、3本の樋20が第1の貯留槽30と第2の貯留槽40の間に並列に配置されている。樋20の本数は、3に限定されるものではなく、1或いは2以上の任意の本数にしてもよいことは勿論である。
各樋20と第1の貯留槽30との接続部に設けられた第1の堰31は、すべて同一形状であり、各樋20と第2の貯留槽40との接続部に設けられた第2の堰41は、すべて同一形状である。
第1の堰31と第2の堰41は、樋20ごとに形状を変えてもよい。例えば、第1の堰31を形成する矩形の切欠きの幅を変更することにより、樋20に流入する培養液71の流入量を調整することができる。また、第2の堰41を形成する矩形の切欠きの幅を変更することにより、第2の貯留槽40に排出される培養液71の排出量を調整することができる。
本実施形態は、樋20の全長に亘り、培養液71の液深を、例えば、約2cmにすることができる。樋20における培養液71の液深は、第1の堰31および第2の堰41の高さを調節することにより容易に変更することができる。これにより、栽培植物70の種類に応じて培養液71の液深を最適に設定することができる。
図1に示すように、循環供給システム50は、培養液71を貯留する培養液槽51を有している。そして、循環供給システム50は、培養液槽51から培養液71を第1の貯留槽30に供給し、かつ、第1の貯留槽30から樋20を通って第2の貯留槽40に貯留された培養液71を培養液槽51に還流させるようになっている。
具体的には、循環供給システム50は、ポンプ52と、培養液供給管53と、培養液排出管55とを備えている。培養液槽51に貯留された培養液71は、ポンプ52により培養液供給管53を通って第1の貯留槽30に供給される。第1分割槽30において、所定レベルを超えて流入してきた培養液71は、オーバーフロー管59を通って培養液槽51に還流されるようになっている。樋20から第2の貯留槽40の第2分割槽44に排出された培養液71は、培養液排出管55を通って培養液槽51に還流される。また、第2分割槽44において、所定レベルを超えて流入してきた培養液71は、オーバーフロー管56を通って培養液排出管55に合流するよう排出され、培養液槽51に還流されるようになっている。
図5は、水耕栽培装置1を用いて栽培植物70を水耕栽培している様子を示す斜視図である。図5は、簡単のため循環供給システム50を図示していない。この水耕栽培装置1は、例えば、植物工場内に設置され、人工光(LED等)の下で水耕栽培容器10において栽培植物70が水耕栽培される。
図5に示すように、水耕栽培装置1は、樋20の上部開口を閉鎖する複数の栽培パレット60を更に含んでいる。各栽培パレット60は、定植孔61を有し、栽培植物70の根基部70bが定植孔61に挿通され保持されるようになっている。
栽培パレット60は、樋20の両側面部20b、20bの上に載置されるように、樋20の幅(両側面部20b、20bの間隔)より広い幅を有する矩形板であり、栽培パレット60のほぼ中央に貫通孔である定植孔61を有している。栽培パレット60は、耐久性、耐候性、高反射性、耐寒性、軽量性および剛性等を有する材料で形成されることが好ましい。
図6は、図5のD-D線断面図であり、図7(a)は図6のE-E線断面図であり、図7(b)は図6のF-F線断面図である。図6に示すように、1本の樋20の両側面部20b、20bの上には6個の栽培パレット60が連続して隙間なく並べられ、樋20の上部開口を閉鎖するようになっている。これにより、培養液71を遮光しているので、樋20内に藻が発生せず、培養液71の蒸散が抑制される。1本の樋20に載置可能な栽培パレット60の個数は6に限定されるものではなく、任意の数となるように樋20の長手方向の長さ、および栽培パレット60の大きさを設定することができる。
栽培パレット60は、樋20の両側面部20b、20bの上に、長手方向にスライド移動可能に載置されている。図6では、樋20の長手方向に載置された栽培パレット60に保持された栽培植物70は、樋20の上流側から下流側に向うほど、成長の過程が進んでいるように配置されている。この配置状態で、例えば1日または数日育成し、十分に成長した最下流側の栽培パレット60を取り外し、収穫する。次いで、残りの5つの栽培パレット60を下流側にスライド移動させると共に、最上流側に幼苗の栽培植物70が保持された栽培パレット60を載置する。このように、成長株となった栽培植物70を収穫しつつ、幼苗を新たに追加していき継続的に水耕栽培を行うことができる。
図7に示すように、栽培植物70を樋20に定植する際、育苗時に播種培地としたウレタンキューブ62をそのまま定植孔61に挿入することで栽培植物70の根基部70bが挟持される。これにより、栽培植物70の根70aが栽培パレット60の下方に位置すると共に、葉70cが栽培パレット60の上方に位置するように、栽培植物70が栽培パレット60に保持される。以後、収穫までの期間、ウレタンキューブ62により栽培植物70の根基部70bが挟持される。ウレタンキューブ62は、定植孔61に安定して保持されればよい。定植孔61は、例えばφ22mmとし、ウレタンキューブ62は、例えば一辺が30mmの立方体とするのがよい。
第1の貯留槽30および第2の貯留槽40は、直方体状の内部空間を有する箱状構造であり、栽培パレット60が載置されず、樋20の両脇に配置されているので、清掃などメンテナンスが容易である。さらに、この部分における培養液71の蒸散と光の侵入による藻の発生を防止する目的で取り外し可能な蓋を備えることもできる。
水耕栽培容器10における樋20、第1の貯留槽30、第2の貯留槽40、栽培パレット60などの各構成要素は、合成樹脂製であるが、耐酸・耐アルカリ防食の図られた金属材料によって製造してもよい。
次に、作用効果について説明する。
上述のように、本実施形態に係る水耕栽培容器10は、樋20の上流端20cが第1の堰31を介して第1の貯留槽30に接続され、樋20の下流端20dが第2の堰41を介して第2の貯留槽40に接続され、樋20は水平な底面部20aを有し、第1の堰31の高さは第2の堰41の高さより高くなっている。この構成により、第1の貯留槽30において第1の堰31を超えて供給された分だけ、培養液71が樋20に供給される(オーバーフロー供給)。従来のように樋底を傾斜させて培養液を流下させる構成ではなく、常に所定量の培養液71が樋20内に存在しているので、樋20において培養液71が枯渇することを効果的に防止することができる。例えば、培養液71の供給が停止しても、樋20内の培養液71は、半日程度枯渇しないようにすることができる。
また、本実施形態に係る水耕栽培容器10は、上記構成により、樋20において第2の堰41を超えて供給された分だけ、培養液71が第2の貯留槽40に排出される(オーバーフロー排出)。このため、樋20の下流側で成熟株の根が繁茂したり、樋20内への培養液71の流入量が急変しても、樋20の側面部20bから培養液71が溢れる事態を効果的に防止することができる。
また、本実施形態に係る水耕栽培容器10は、樋20に供給される培養液71の量が、第1の堰31の高さにより制御されるので、樋20ごとに流量の調節をする必要がなく、各樋20への培養液71の均一な供給を容易に実現できる。また、オーバーフロー供給の構成であるので、従来のように樋ごとに流量調節バルブによって培養液の供給量を調節する必要がなく、調整作業が容易である。
また、本実施形態に係る水耕栽培容器10は、樋20において栽培植物70が水耕栽培され、樋20に接続された第1の貯留槽30および第2の貯留槽40には栽培パレット60が載置されないので、第1の貯留槽30および第2の貯留槽40の清掃等のメンテナンスが容易である。
また、本実施形態に係る水耕栽培容器10は、樋20の側面部20bの高さが、上流端20cから下流端20dに向かうほど高くなっている。
この構成により、樋20の側面部20bの上に載置される栽培パレット60と、樋20の底面部20aとの間の空間が下流側ほど大きくなっている。1本の樋20には複数の栽培パレット60が配置され、これらの栽培パレット60は、樋20の上流側よりも下流側に配置される栽培パレット60の方が栽培植物70が成熟しているように、生育状況に応じて下流側にスライド移動させるようになっている。このため、栽培植物70の根70a等の生長に適合して、最適な位置に栽培パレット60を配置することができる。
また、本実施形態に係る水耕栽培容器10では、第2の貯留槽40は、第2の貯留槽40の内部空間を、樋20が接続された部分を含む第1分割槽43と、樋20が接続された部分を含まない第2分割槽44と、に二分割する間仕切り部42を有し、間仕切り部42の高さが、第2の堰41の高さより低くなっている。
この構成により、第1分割槽43は、藻屑やスケールなどの汚物を沈積させる汚物沈積槽として機能させることができる。第2の貯留槽40において、間仕切り部42を超えた汚物を含まない培養液71だけが、第2分割槽44に送られ、培養液排出管55を通って培養液槽51に還流される。これにより、培養液排出管55の汚損を防止することができる。
また、本実施形態に係る水耕栽培容器10は、複数の樋20が、第1の貯留槽30と第2の貯留槽40の間に並列に配置されている。このような構成であっても、本水耕栽培容器10は、第1の貯留槽30に供給された培養液71が、第1の堰31を超えて各樋20に供給される構成(オーバーフロー供給)であるので、各樋20への培養液71の供給量の調整は、単に、第1の貯留槽30への培養液71の供給量を調整することにより行うことができる。従来のように、各樋への培養液の流量をそれぞれの流量調整バルブで調整する必要がない。よって、複数の樋20を備える構成であっても、培養液71が各樋20に均一に供給されるように容易に調整することができる。
また、本実施形態に係る水耕栽培容器10では、樋20の上部開口を閉鎖する複数の栽培パレット60を更に含み、各栽培パレット60が定植孔61を有し、栽培植物70の根基部70bが定植孔61に挿通され保持されるようになっている。このような構成により、樋20内の培養液71に対して遮光することができ、藻の繁殖を防止することができると共に、培養液71の蒸散を抑制することができる。また、栽培パレット60は、樋20の両側面部20b、20b上でスライド移動させることができる。
以上述べたように、本発明は、調整作業やメンテナンスが容易な構造を有すると共に、培養液を安定的かつ均一に供給することができるという効果を有し、水耕栽培容器の全般に有用である。
1 水耕栽培装置
10 水耕栽培容器
20 樋
20a 底面部
20b 側面部
30 第1の貯留槽
30a 底板
30b、30c 側板
30d、30e 端板
31 第1の堰
40 第2の貯留槽
40a 底板
40b、40c 側板
40d、40e 端板
41 第2の堰
42 間仕切り部
43 第1分割槽
44 第2分割槽
50 循環供給システム(循環供給手段)
51 培養液槽
52 ポンプ
53 培養液供給管
54 流量調節バルブ
55 培養液排出管
56、59 オーバーフロー管
57 ドレーン管
58 バルブ
60 栽培パレット
61 定植孔
62 ウレタンキューブ
70 栽培植物
70a 根
70b 根基部
71 培養液

Claims (4)

  1. 培養液を貯留する第1の貯留槽と、
    前記培養液を貯留する第2の貯留槽と、
    一端が前記第1の貯留槽に第1の堰を介して接続され、他端が第2の堰を介して前記第2の貯留槽に接続された樋と、
    を備え、前記樋において栽培植物が水耕栽培される水耕栽培容器であって、
    前記樋は水平な底面部を有し、前記第1の堰の高さは前記第2の堰の高さより高くなっており、
    前記樋の側面部の高さは、上流端から下流端に向かうほど高くなっていることを特徴とする水耕栽培容器。
  2. 前記第2の貯留槽は、前記第2の貯留槽の内部空間を、前記樋が接続された部分を含む第1分割槽と前記樋が接続された部分を含まない第2分割槽とに二分割する間仕切り部を有し、前記間仕切り部の高さが、前記第2の堰の高さより低いことを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培容器。
  3. 前記樋を複数備え、該複数の前記樋が前記第1の貯留槽と前記第2の貯留槽の間に並列に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の水耕栽培容器。
  4. 前記樋の上部開口を閉鎖する複数の栽培パレットを更に含み、前記各栽培パレットが定植孔を有し、前記栽培植物の根基部が前記定植孔に挿通され保持されることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の水耕栽培容器。
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