JP7043968B2 - 監視システムおよび監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、監視システムおよび監視方法に関する。
所定作業領域内の安全を確保する従来の技術の一つに、所定作業領域内を移動しつつ監視作業を行う作業用ロボットがある。この従来技術における作業用ロボットは、所定作業領域を含む3次元マップと、現在地周囲の立体的形状データを取得可能な周囲データ取得センサーとを有している。そして、作業用ロボットが作業領域内を移動して、周囲データ取得センサーにより得られた立体的形状データと3次元マップのデータとを対比して両データの一致点を見出し、3次元マップ上における自身(作業用ロボット)の移動中の現在位置を決定している。
また、この作業用ロボットは、移動中の現在地雰囲気の物理量として、温度、放射線、有害物質および可燃性ガスなどを検出することもでき、これらの物理量が基準値を外れた場所があれば、その場所を3次元マップ上で特定して警報する。物理量として温度を検出する場合には、人が触れても害のない範囲を基準値の範囲と設定しておいて、基準値の範囲から外れる温度を検出した場合に、表示手段に映している3次元マップ上で、そのような温度を検出した位置を点滅させるなどの警報を行っている(特許文献1)。
特開2017-102888号公報
しかしながら、従来技術では、作業用ロボットが行っていない場所は、物理量を計測できない。また、物理量は空間の温度などであり、基準値を外れる温度の原因となるような物体そのものの位置は検出できない。このため、所定作業領域内であっても作業用ロボットが行っていない場所では、空間の物理量が基準値を超えていても警報できない。また、そのような原因となる物体やそのような物体の移動も検出できない。
そこで、本発明の目的は、監視対象とする領域全体をカバーして、その領域のなかにある、あらかじめ決められた物体(特定物体)を検出すると共に、その物体が移動して周囲に接近する人や物がないか否かを監視することのできる監視システム、および監視方法を提供することである。
上記の目的は、以下の手段により達成される。
(1)監視対象となる領域内において、あらかじめ決められた特定物体の周囲を監視する監視システムであって、
前記領域に向けてレーザー光を走査することによって得られた距離値の分布が示された距離画像を出力する距離画像取得部と、
前記領域内における前記特定物体の移動を検出して、
前記距離画像取得部から取得した前記距離画像内に、前記特定物体を含むようにあらかじめ決められた範囲に警報領域を設定し、前記距離画像から前記特定物体とは異なる他の物体を検出して、検出した前記他の物体が前記警報領域に存在する場合に警報信号を出力する制御部と、
を有する、監視システム。
(2)前記特定物体の特徴量をあらかじめ記憶した第1記憶部を、さらに有し、
前記制御部は、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像から物体を検出した場合に、検出した当該物体の特徴量を求めて、検出した当該物体の特徴量と前記第1記憶部に記憶している前記特定物体の特徴量とを比較して前記特定物体を検出し、
前記距離画像取得部から時系列に取得した前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する、上記(1)に記載の監視システム。
(3)前記距離画像取得部と近接した位置に設置され、前記領域を前記距離画像取得部とほぼ同じ方向から撮影して、前記領域の温度分布を検出した赤外線画像を出力するサーマルカメラを、さらに有し、
前記制御部は、前記サーマルカメラから取得した赤外線画像のなかで所定温度以上の部分を検出し、かつ、前記部分に対応する方向に、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像に物体を検出することにより、前記特定物体を検出し、
前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する、上記(1)に記載の監視システム。
(4)前記制御部は、前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から移動している前記特定物体の位置を検出し、
前記警報領域を前記特定物体の位置に合わせて移動する、上記(2)または(3)に記載の監視システム。
(5)前記制御部が設定する前記警報領域は、前記特定物体の移動方向前方の広さが前記特定物体の移動方向後方の広さより広い、上記(4)に記載の監視システム。
(6)第2記憶部を、さらに有し、
前記制御部は、
前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像を前記第2記憶部へ記憶する、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の監視システム。
(7)前記距離画像を一時的に記憶する一時記憶部を、さらに有し、
前記制御部は、
前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像を前記一時記憶部に、あらかじめ決められた時間分一時記憶し、
前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像と共に、前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点までの前記一時記憶部に記憶されている過去の前記距離画像を前記第2記憶部へ記憶する、上記(6)に記載の監視システム。
(8)第2記憶部と、
前記領域を撮影し可視光画像を出力する可視光カメラ、または、前記領域の温度分布を検出して赤外線画像を出力するサーマルカメラと、を有し、
前記制御部は、
前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点、または前記時点を含む所定の時間分の時系列の前記可視光画像、または前記赤外線画像を前記第2記憶部へ記憶する上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の監視システム。
(9)監視対象となる領域に向けてレーザー光を走査することによって得られた距離値の分布が示された距離画像を出力する距離画像取得部を有した監視システムを用い、前記領域内において、あらかじめ決められた特定物体の周囲を監視する監視方法であって、
前記領域内における前記特定物体の移動を検出する段階(a)と、
前記距離画像取得部から取得した前記距離画像内に、前記特定物体を含むあらかじめ決められた範囲に警報領域を設定する段階(b)と、
前記距離画像から前記特定物体とは異なる他の物体を検出して、検出した前記他の物体が前記警報領域に存在する場合に警報する段階(c)と、
を有する監視方法。
(10)前記監視システムは、前記特定物体の特徴量をあらかじめ記憶した第1記憶部を有しており、
前記段階(a)は、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像から物体を検出した場合に、検出した当該物体の特徴量を求めて、検出した当該物体の特徴量と前記第1記憶部に記憶している前記特定物体の特徴量とを比較して前記特定物体を検出する段階(d1)と、
前記距離画像取得部から時系列に取得した前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する段階(d2)と、
を有する、上記(9)に記載の監視方法。
(11)前記監視システムは、前記距離画像取得部と近接した位置に設置され、前記領域を前記距離画像取得部とほぼ同じ方向から撮影して、前記領域の温度分布を検出した赤外線画像を出力するサーマルカメラを、さらに有し、を有しており、
前記段階(a)は、前記サーマルカメラから取得した赤外線画像のなかで所定温度以上の部分を検出し、かつ、前記部分に対応する方向に、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像に物体を検出することにより、前記特定物体を検出する段階(e1)と、
前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する段階(e2)と、を有する、上記(9)に記載の監視方法。
(12)前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から移動している前記特定物体の位置を検出し、
前記警報領域を前記特定物体の位置に合わせて移動する段階(f)を有する、上記(10)または(11)に記載の監視方法。
(13)前記警報領域は、前記特定物体の移動方向前方の広さが前記特定物体の移動方向後方の広さより広い、上記(12)に記載の監視方法。
(14)前記監視システムは、第2記憶部を有しており、
前記段階(c)において前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像を前記第2記憶部に記憶させる段階(g)を有する、上記(9)~(13)のいずれか1つに記載の監視方法。
(15)前記監視システムは、前記距離画像を一時的に記憶する一時記憶部を有しており、
前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像を前記一時記憶部に、あらかじめ決められた時間分一時記憶させる段階(h)と、
前記段階(g)において前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像と共に、前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点までの前記一時記憶部に記憶されている過去の前記距離画像を前記第2記憶部に記憶させる段階(i)を有する、上記(14)に記載の監視方法。
(16)前記監視システムは、第2記憶部と、前記領域を撮影し可視光画像を出力する可視光カメラ、または、前記領域の温度分布を検出して赤外線画像を出力するサーマルカメラと、をさらに有し、
前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点、または前記時点を含む所定の時間分の時系列の前記可視光画像、または前記赤外線画像を前記第2記憶部へ記憶する段階(j)を有する、上記(9)~(13)のいずれか1つに記載の監視方法。
本発明によれば、監視対象となる領域内で、周囲を監視する必要のある特定物体の移動を検出して、特定物体を含むように警報領域を設定する。そして、距離画像取得部により得られた距離画像から警報領域内に他の物体が存在するか否かを判断して警報信号を出すこととした。このため、監視対象の領域全体を一度に監視できると共に、そのなかに周囲に危険を及ぼすような特定物体があればその周囲に設けた警報領域内に人などの他の物体が入れば、警報を発することができる。
実施形態1の監視システムの構成を示すブロック図である。 実施形態1の監視動作の処理手順を示すフローチャートである。 警報領域の一例を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。 警報領域の他の例を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。 警報領域設定後の表示例を示す画面例図である。 警報領域に他の物体が入った状況を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。 実施形態2の監視システムの構成を示すブロック図である。 実施形態2の監視システムの構成を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。 実施形態2の監視動作の処理手順を示すフローチャートである。 図9に続く実施形態2の監視動作の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態2のサーマルカメラによる赤外線画像例を示す図である。 実施形態2のライダーによる距離画像例を示す図である。 変形例として可視光により物体を撮影するムービーカメラを設置した場合の監視システムの構成を示すブロック図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本発明は以下の実施形態には限定されない。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、本発明の理解を容易にすることを目的として作成しているため、誇張して記載されており、図面の寸法比率などは実際の寸法比率とは異なる場合がある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の監視システムの構成を示すブロック図である。
監視システム100は、ライダー110、制御部120、ディスプレイ130、および警報器140を有する。ライダー110は、監視対象とする領域全体を走査し、領域内の物体(たとえば、周囲を監視する特定物体のほか、人、車両、その他の物などの特定物体とは異なる他の物体など)をとらえることができる位置に設置される。
ライダー110(LiDAR:Light Detection And Ranging)は、監視対象となる領域の空間に向けてレーザー光を走査してその反射光から走査する空間内に存在する物体までの距離を計測する。得られた距離値の分布を点群データとも称しており、ライダー110の設置位置から物体までの距離、および物体の大きさや形がわかる。ライダー110がレーザー光を1フレーム分走査することによって、その空間に存在する物体までの距離、または反射光がない部分では無限遠の距離となる距離値の分布からなる画像が得られる。このようなライダー110から出力される距離値が1フレーム分で距離画像となる(ライダー画像と称されることもある)。ライダー110単体で距離画像取得部として機能し、距離画像はライダー110が自ら走査して得られた物体までの距離値から作成して、ライダー110から距離画像を出力するようにしてもよい。また、ライダー110および制御部120が距離画像取得部として機能してもよい。この場合、ライダー110からは距離値のデータが出力されて、それを受信した制御部120が距離画像を作成する。なお、このような距離画像は、3次元座標系の画像として作成する。
本実施形態では、以下、ライダー110が距離値から距離画像を作成して、制御部120へ出力する形態として説明する。もちろん、後述する処理手順においては、制御部120がライダー110から距離値を取得して、その距離値から距離画像を作成した場合も同じ処理となる。
ライダー110は、赤外線レーザーを使用している。このライダー110に用いるレーザー光は、後述する溶銑を運ぶような作業場所を監視する場合、800~1000nmの波長を用いることが好ましい。これは、溶銑のような高温物体の場合、溶銑鍋(取鍋)に入れても赤外線が放出されている(溶銑鍋の上は開放されている)。このため、このような高温の物体が放射している赤外線波長とライダーで使用しているレーザー光の波長がかぶってしまうと、誤検出を起こす可能性がある。ちなみに、溶銑の温度は1200~1500℃程度であり、これを入れた溶銑鍋外壁の温度は250℃程度となっている。そして、1000~1500℃(1273~1773K)における黒体放射エネルギーのピーク波長は2278~1636nmである。したがって、800~1000nmの波長のレーザー光を用いることで、可視光波長とならず、かつ、高温の物体からの放射エネルギーのピーク波長ともかぶらないので、誤検出を防止することができる。もちろん、ライダー110で用いるレーザー光の波長は、特定物体の放射エネルギーの波長などに応じて設定するとよい。
ライダー110は、たとえば、10フレーム/秒程度の走査間隔である。この走査間隔は任意に設定してもよい。
この距離画像(フレーム)を時系列に複数並べることで動画となる。
制御部120はコンピューターである。制御部120は、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123、HDD(Hard Disk Drive)124などを有する。CPU121は、HDD124から処理内容に応じたプログラムを呼び出して、ライダー110の動作を制御すると共に、物体の3次元位置の検知、物体の温度、警報動作、温度情報の表示などを行う。HDD124はRAM123と共に記憶部となり、各処理に必要なプログラムやデータなどを記憶している。なお、図1ではHDD124を用いているが、HDD124に代えて、たとえばフラッシュメモリーなどの不揮発性の半導体メモリーを使用してもよい。
制御部120は、タッチパネル、ボタン、マウスなどの入力装置125、およびたとえばサーバー等の外部機器を接続するためのネットワークインターフェース126(NIF:Network Interface)を有する。
ディスプレイ130は、制御部120からの画像信号によって距離画像やその他の情報を表示する。本実施形態ではディスプレイ130をたとえば工場の監視ルームに設置するために制御部120とは分離させて設けることができる。制御部120と一体化させてもよい。また、ディスプレイ130と警報器140も、監視する環境によっては一体化させてもよい。
警報器140は、たとえば、音、フラッシュライトや回転灯などの光、その他人が認知できるような方法で警報を発する。なお、警報器140に代えて、他の処理を行わせるようにしてもよい。他の処理とは、たとえばロボット、工作機械、搬送車などの自動機械の停止がある。
また、制御部120は、専用のコンピューターではなく汎用のコンピューターを用いてもよい。また、ライダー110および制御部120が一体化されていてもよい。また、制御部120は、ここではCPUやRAM、ROMを主体とした形態として示したが、たとえば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路で構成してもよい。
監視システム100の動作を説明する。図2は、制御部120による監視動作の処理手順を示すフローチャートである。以下の説明において現在フレームとは現在時点で取得したフレームをいい、前フレームとは、時系列的に現在フレームに対して1つ前のフレームをいう。なお、この手順は、繰り返し処理を含むため、説明の都合上、後から行われる段階の処理の結果を使用した処理を先に説明することがある。
まず、制御部120は、ライダー110から現在時点の1フレーム分の距離画像を取得する(S11)。ここで取得した距離画像はあらかじめ決められた時間分、RAM123またはHDD124に一時記憶する。一時記憶した距離画像はあらかじめ決められた時間が経過した順に消去してもよく、記憶容量が足りなくなったときに古い方から順に消去してもよい。一時記憶しておく時間は、たとえば数秒。数分、数時間、数日、数週間、数か月分など記憶装置の容量と必要性にかんがみて任意に決めればよい。記憶先についても、数秒~数分であればRAM123で可能な場合もあるが、さらに長い時間記憶しておく場合は、一時記憶であってもHDD124などの大容量メモリーにするとよい。このように過去の距離画像を一時的に記憶しているRAM123またはHDD124は一時記憶部となる。
続いて、制御部120は、背景差分法を用いて、距離画像内で検出される物体を検出してクラスタリングする(S12)。背景差分法は周知のように、あらかじめ背景画像として登録してある画像と、取得したフレームの画像(ここではS11で取得したフレームの距離画像)を比較して、背景画像と異なる部分があれば、その部分を新たに出現した物体として検出する。背景画像は、たとえば、ライダー110によって走査する領域内に、物体がない状態で走査して取得した距離画像である。このような背景画像は、たとえばHDD124に記憶して、RAM123に読み出して使用する。
クラスタリングは、検出した物体をその後の処理において追跡するためであり、周知の方法を用いることができる。クラスタリングは、たとえば距離画像に設定される3次元座標系から、検出した物体までの距離値を特徴量として、一塊のクラスターにしてもよい。また、3次元座標系における座標値から物体の大きさ(3次元座標系におけるX,Y,Z各軸方向の物体の長さ、または面積)などを特徴量として一塊のクラスターにしてもよい。そのうえで、これら特徴量と共に、クラスターの位置として、たとえば、クラスター中心の座標値やクラスター外形線の座標値などをRAM123に一時記憶する。一時記憶した物体の位置(クラスターの座標値)は、距離画像同様にあらかじめ決められた時間分一時記憶する。なお、距離画像に設定される3次元座標系については後述する(図5)。
続いて、制御部120は、クラスタリングされた物体について動体追跡を行う(S13)。動体追跡は、現在フレームの距離画像でクラスタリングした物体と同じクラスターの物体が前フレームにあったか否かを検索する。そして、前フレームに同じクラスターの物体があれば、その物体の前フレームの位置(位置は座標値である、以下同様)と現在フレームの位置を比較して、その物体の現在位置と共に、移動距離、移動方向、および速度(速度は距離をフレーム間の時間で除することで得られる)を求める。これにより、物体ごとに、その位置と、移動距離、移動方向、および速度をRAM123に一時記憶する。ここでの一時記憶は、物体ごとの位置、移動距離、移動方向、および速度の算出に用いるため、少なくとも過去の1フレーム分は高速動作可能なメモリーであるRAM123に記憶することが好ましい。
S13において、前フレームには存在しないが現在フレームで検出された物体があれば、その物体は現在フレームにおいて出現した物体として、RAM123に位置を記憶する。
物体の移動距離、移動方向、および速度を使った処理については後述するが、これらを使用しなければ、クラスタリングと共に現在フレームにおける物体の3次元座標系の座標値(位置)を求めるだけでもよい。
また、たとえば、S13で動体として検出されている物体に対しては、物体に沿って物体を囲む枠線fb(図5参照)や印を付けて、ディスプレイ130に表示してもよい。これによりディスプレイで表示される物体がわかりやすくなる。
続いて、制御部120は、S12で検出した物体が特定物体か否かを判断する(S14)。特定物体は、その物体に人や他の物が近付くことが危険であるような物体である。たとえば、後述する溶銑鍋のように、人より大きな物体である。人より大きな物体が移動すると、衝突の危険がある。また、溶銑鍋は高温の物体である。このためその周囲に近付くことも危険な物体である。
特定物体か否かの判断は、あらかじめ特定物体の特徴量をRAM123に記憶しておき、検出した物体の特徴量と比較して、同じか否かを判断する。あらかじめ記憶しておく特定物体の特徴量は、前述したとおりクラスターの特徴量であり、たとえば、検出した物体の画素数(距離値)、3次元座標系における物体の座標値から得られる大きさなどである。特定物体の特徴量はHDD124にあらかじめ記憶しておいて、処理が開始されることでRAM123へ読み出して使用する。このため、HDD124は第1記憶部ということになる。なお、第1記憶部は、制御部120内ではなく、たとえば、制御部120からネットワーク(有線でも無線でもよい)で接続されたサーバーや管理部門に設置された他のコンピューターなどの記憶装置を利用してもよい。そのようにした場合、監視動作の処理開始と共にそれらの記憶装置からRAM123に特定物体の特徴量を読み出して使用する。この場合、制御部120に接続されたサーバーや他のコンピューターなどの記憶装置は、第1記憶部となって監視システムの一部ということになる。
ここで、特定物体が存在しなければ(S14:NO)、S11へ戻る。なお、詳細は図示省略したが、S12において物体が検出されない場合も、当然のことながらS14はNOとなるので、S11へ戻ることになる。また、S14でNOと判断された場合は、後述する警報領域を設定したことを示すデータがあれば、クリアして警報領域が設定されてないことを示すようにしておく(これは後述するS15の処理で必要となる)。
制御部120は、特定物体を検出したなら(S14:YES)、続いて、制御部120は警報領域が既に存在しているか否かを判断する(S15)。警報領域の有無は、後述するS16において警報領域を設定した際に記憶させる、警報領域が設定された旨のデータを確認することで判断する。ここで既に警報領域が設定されている場合はS20へ進むことになる。S20の処理は後述する。
S15において、警報領域が存在しなければ(S15:NO)、続いて、制御部120は、特定物体の周囲に警報領域を設定する(S16)。
S15において警報領域が存在していないということは、S14の時点で初めて特定物体として検出されたということである。これは本実施形態の処理の流れから、S13の段階で出現した物体ということでもある。したがって、このような特定物体は、領域内に元々あった特定物体が移動して背景画像との差異が生まれて検出されたか、または領域外から領域内に特定物体が移動してきたということである。このため、いずれの場合も、領域内において特定物体の移動を検出したということになる。
ここで、警報領域について具体例を挙げて説明する。図3は警報領域の一例を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。
図3の例は、製鉄所内の作業領域であり、高炉から溶銑(溶けた鉄)を溶銑鍋300に取り出して、転炉へ運ぶ現場である。この作業領域では、高温の溶銑が入った溶銑鍋300が移動する。溶銑鍋300は、周知のように耐火煉瓦によって形成されている。このため溶銑鍋300の外側はおおむね200~300℃程度である。これまで、溶銑鍋300の移動中は、溶銑鍋300の移動経路内およびその周辺の、あらかじめ決められた範囲内に人が入らないようにルール化して安全確保に努めている。しかし、溶銑鍋300が移動していないときには、清掃やその他の作業のために溶銑鍋300の移動経路内にも人が出入りする必要があるので、移動経路を囲う柵などは設けられていない。このため移動中の溶銑鍋300に人が近付いてしまう可能性がある。
図3において、ライダー110は、溶銑鍋300の移動経路全体(監視領域全体)を走査できる位置に設置している。そして、制御部120は、溶銑鍋300を特定物体として検出するために、RAM123に溶銑鍋300の特徴量を記憶させている。この溶銑鍋300の特徴量は、たとえば、監視領域内に溶銑鍋300が存在し、かつ他の物体がない状態で、ライダー110によって走査し、そのとき検出された物体をラスタライズし、特徴量を抽出する。これにより抽出した特徴量が溶銑鍋300の特徴量となるので、これを特定物体の特徴量としてHDD124に記憶する。そして、処理開始時点で(この処理手順のスタート時)にRAM123に読み出して前述したS14において特定物体の検出に使用する。
図3の例では、溶銑鍋300の移動経路301が含まれる範囲に警報領域500を設定する。この警報領域500を設定する範囲は、あらかじめ決められていて、ここでは溶銑鍋300の移動経路301が含まれる範囲である。なお、たとえば、クレーンに釣られながら溶銑鍋300が移動する移動経路301もあらかじめ決まっており、移動経路301が様々に変化することはない。もちろん、移動経路301が変更になった場合は、それ合わせて警報領域500の設定範囲も変更する。
警報領域500はライダー110が走査する範囲の3次元座標系において、溶銑鍋300から所定距離の範囲に、3次元的に設定される。所定距離は、溶銑鍋300の場合、少なくとも溶銑鍋300の放射熱による危害が及ぶ範囲である。移動経路301を上はもとより、移動経路301の両側、溶銑鍋300がクレーンや上方のレールによる空中搬送の場合、溶銑鍋300の下も含むように設定する。所定距離は危害が及ぶ範囲からさらに余裕を持った長さとすることもできる。
さらに警報領域の他の例を説明する。図4は警報領域の他の例を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。
図4の例は、溶銑鍋300の移動に合わせて警報領域の範囲を変化させるものである。
溶銑鍋300の移動方向は、S13の動体追跡の処理において判明する。図4の例は、設定する警報領域501の広さを、溶銑鍋300の移動方向前方に広くし(移動方向前方に所定距離が長い)、溶銑鍋300の移動方向後方は前方より狭くした(所定距離が短い)。そして、警報領域501は溶銑鍋300の移動に合わせて、移動させる(後述S20参照)。図4(a)はある時間t1のときの溶銑鍋300の位置とそれに合わせた警報領域501を示している。そして図4(b)は、時間が経過した時間t2のときの溶銑鍋300の位置とそれに合わせた警報領域501を示している。このように、溶銑鍋300の移動方向前方では、より広い範囲が設定されるため、仮に人がその方向にいた場合には、溶銑鍋300が接近することになるので、いち早く警報を出すことができる。一方、溶銑鍋300の移動方向後方では、所定距離を短くしても危険性は少ない。このため溶銑鍋300の移動経路やその周辺における作業を、安全にかつより早くその作業に入ることができる。この場合の所定距離は、溶銑鍋300の移動方向後方は、溶銑鍋300の放射熱による危害が及ばない範囲とすることが好ましいが、溶銑鍋300の移動方向前方は、溶銑鍋300の放射熱による危害が及ばない範囲よりもさらに所定距離を長くすることが好ましい。
この図4の例において警報領域501を設定する位置は、溶銑鍋300の移動経路に合わせて、あらかじめ決めておいて、溶銑鍋300の移動に合わせて警報領域501を移動させてもよい。しかし、これに限らず、溶銑鍋300の移動経路があらかじめ設定されていない場合にも適用可能である。溶銑鍋300の移動経路があらかじめ設定されていない場合は、警報領域501の範囲を溶銑鍋300から移動方向前方に第1所定距離、移動方向後方に第2所定距離として設定しておく(RAM123に記憶しておく)。そして、S13の動体追跡で得られる特定物体の位置に合わせて警報領域501を移動させればよい(後述S20参照)。
図5は警報領域設定後の表示例を示す画面例図である。この画面は、S11で取得した距離画像を元にしている。この画面は、ライダー110の設置位置を原点(0m)とした3次元画像である。奥行きがZ軸方向であり、Z軸に直交する主走査方向がX軸、Z軸およびX軸に直交する副走査方向がY軸である。
この画面では、複数の他の物体ob1~3として人が存在している。これら他の物体ob1~3に対しては画面でわかりやすいように枠線fbが付けられている。また、溶銑鍋300(特定物体)があり、その周囲に設定された警報領域500が表示されている。なお、図5では、上述した図3の例による警報領域500としたが図4の例の警報領域501でも同様に表示される。
フローチャートに戻り説明を続ける。警報領域の設定後、制御部120は、特定物体と異なる、他の物体(人や物など)が警報領域内にあるか否かを判断する(S17)。この比較は、S12でクラスタリングした物体(すなわち背景差分法で検出された物体)の、クラスターの外形の座標値と警報領域を示している座標値で囲まれた範囲を比較する。そして、他の物体のクラスターの外形の座標値が警報領域内に入っていれば、他の物体が警報領域内にあると判断する。
ここで、他の物体が警報領域内にあると判断されなければ(S17:NO)、S11へ戻り、次のフレームの各画像を取得し、その後の処理を継続する。
一方、他の物体が警報領域内にあると判断されたなら(S17:YES)、制御部120は、警報器140に対して警報信号を出力する(S18)。
図6は警報領域に他の物体が入った状況を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。
図6に示すように、警報領域500に、他の物体である人600が入ってしまっている。このような状況になると、S18において警報信号が制御部120から出力される。これにより、警報信号を受信した警報器140から警報音が鳴る。またこのとき、ディスプレイ130に、警報領域内に入ったと判断された物体(または物体を囲む枠や印など)を点滅させたり、画面全体の色を変えたり、点滅させたり、さらには、警告文を表示したりする。これらによって視覚的にも警報が出されていることがわかる。また、警報器140と合わせて、回転灯を点灯させたり、色分けされた積層表示灯の色を青から赤に変化させたり、その他のランプを点灯や点滅させたりするなど、様々な警報動作を行ってもよい。また、警報器140からは、警報音だけでなく、音声による警告放送を流すようにしてもよい。また、警報器140は作業領域に向けた拡散警報だけではなく、たとえば、作業者は無線端末などを装着しているときは、無線端末から警報音や警告が出るようにしてもよい。この場合、作業者が装備している無線端末が警報器ということになる。さらには、警報信号が出力と共に上述した例の溶銑鍋300の移動を停止させたり、作業場所を管理している管理部門に伝達したりしてもよい。
さらに、S17において、他の物体が警報領域内にあると判断された時点で、その時点から過去の一時記憶されている距離画像をRAM123(またはHDD124)から読み出す(データそのものを読み出すこと以外に、データそのものを読み出さずに該当するデータを特定したり、タグ付けすることなどを含む)。そして、読み出したデータ(または特定したデータなど)に、警報領域内に侵入した他の物体があることを示すタグを付けてHDD124に記憶し直す。なお、HDD124に過去の距離画像を一時記憶している場合は、HDD124内で記憶領域を変えて記憶し直してもよいし、タグ付けしたデータは一定時間が来ても消去しないことにしてもよい。また、サーバーや管理装置などへ転送するようにしてもよい。この場合、制御部120に接続されたサーバーや他のコンピューターなどの記憶装置は監視システムの一部ということになる。このような過去の距離画像を一時記憶から永続的(不揮発的)な記憶に変えて記憶する記憶装置(HDD124やその他の記憶装置)は、第2記憶部となる(永続的な記憶とは、ここでは上記の一時記憶とは異なり一定時間が来ても消去されないという意味である)。
このように、警報領域に侵入した物体がある場合に、その時点の距離画像と共に警報領域に侵入する前からの距離画像を記憶しておくことで、侵入経路がわかるようになる。このような侵入経路は、たとえば危険リスクの評価、分析などにも使用することができる。
その後は、S11へ戻り、処理を継続することになる。S18からS11へ戻って以降、特定物体が消失した場合(S15:NOとなった場合)、または、他の物体が警報領域から抜けた場合(S18:NOとなった場合)は、警報信号を止めるようにしてもよい。また、警報信号の出力後は、たとえば手動によって警報を切らない限り鳴り続けるようにしてもよい。
S20の処理を説明する。S20では、前フレームまでで既に警報領域が設定されている状態である。しかも、その時点で取得されている現在フレームにおいて動体追跡(S13)も行われている。このため、特定物体が動体であれば、その移動距離、方向、および速度がわかっている。そこで、S20において制御部120は、上述した図4の例の場合のように特定物体の位置に合わせて警報領域を移動する。これには、前フレームまで設定されている警報領域の座標値を、特定物体の現在位置の座標値の移動に合わせて移動させる。これにより、前フレームまでで既に警報領域が設定されていたなら、特定物体の移動に合わせて警報領域を移動させるだけでよいので、移動のたびに警報領域を設定するよりは、計算が簡単になる(処理の高速化を図れる)。なお、図3の例のように、警報領域が固定されている場合には、S20の処理は行わずに、S15:YESの場合、そのままS17へ進むことになる。
以上のようにして監視動作は、繰り返し処理として実行される。
以上説明した実施形態1によれば、以下のような効果を奏する。
実施形態1によれば、ライダーの距離画像から検出された物体のなかから、あらかじめ決められている特定物体の特徴量と、検出された物体の特徴量を比較することで、特定物体を検出し、その特定物体を時系列に並んだ複数の距離画像から動体追跡することで、特定物体の移動を検出する。そして、特定物体の移動が検出されたなら、特定物体を含むあらかじめ決められた範囲に警報領域を設定する。その後は、取得される距離画像において、警報領域に特定物体とは異なる他の物体があれば、警報を出す。これにより、特定物体に近付く他の物体を確実に検出して、警報することができる。たとえば、特定物体が人より大きな翁物体である場合には、大きな物体と人との衝突の可能性を警報することができる。また、特定物体が高温の物体の場合には、高温の物体の周囲に人が近付いたことを警報することができる。特に、本実施形態では、特定物体の移動を検出しているため、特定物体へ人などの他の物体の方から近付いて行く場合に限らず、人などの他の物体へ特定物体が近付いて行く場合にも警報を出すことができる。
また、警報領域を設定することで、特定物体と他の物体との距離を、距離画像を取得するたびに計算する必要がなくなるので、処理を高速化することができる。
また、移動している特定物体の位置に合わせて警報領域を移動させることで、警報領域を必要最小限にして、作業領域をできるだけ確保することができる。
また、警報領域を設定する際に所定距離は、特定物体の移動方向前方が、後方より広く(前方方向へ長く)なるように設定する。これにより特定物体が接近してくる範囲ではいち早く警報を出し、特定物体が遠ざかる範囲では安全性を確保したうえで早く作業に入れるようになる。
また、警報領域に侵入した他の物体があると判断した場合には、そのことを示すタグを付けて過去の距離画像を記憶することとした。これにより、侵入経路がわかるようになるので、たとえば危険リスクの評価、分析などにも使用することができる。
また、特定物体は、あらかじめRAM123などに記憶させておいた特定物体の特徴量と、現時点で取得した距離画像から検出された物体の特徴量とを比較することで検出している。このため、特定物体の検出に他のセンサーを使用する必要がないので、装置コストを低減することができる。
また、ライダー110の距離画像から物体を検出し、その特徴量に基づいて特定物体として警報を出せるに、監視している。このため、たとえば従来技術のような環境や周辺の物理量を検出する場合と比較して、その物体自体が周囲に危険を及ぼす可能性がある場合などにも、警報することができる。たとえば、人よりも大きいだけで、その物体の周辺の物理量に変化が起きない物体の場合、従来技術では危険性を検知できない。本実施形態1では、このような場合でも特定物体として検出して、その周囲に人や他の物などの特定物体と異なる他の物体が近付いた場合に警報を出すことができる。
(実施形態2)
上述した実施形態1では、あらかじめ記憶されている特定物体の特徴量とライダーの距離画像から検出される物体の特徴量を比較することで特定物体を特定し、その移動を検出した。これに代えて、本実施形態2は、サーマルカメラを用いて、特定物体として高温の物体を検出することとした。
図7は、実施形態2の監視システムの構成を示すブロック図である。図8は、実施形態2の監視システムの構成を説明するための監視領域全体を見渡す概略図である。
実施形態2では、図7に示すように、実施形態1の監視システムに、さらにサーマルカメラ210(赤外線カメラ)を設けた。
サーマルカメラ210は、周知のように、撮影領域にある物体から出ている赤外線を感知して、撮影領域内の温度分布からなる赤外線画像を得る。
サーマルカメラ210以外の構成、および特定物体検出後の監視動作(処理手順)は実施形態1と同様であるので説明は省略する。本実施形態2では、以下、サーマルカメラ210を用いた特定物体の検出を主に説明する。
サーマルカメラ210は、図8に示すように、ライダー110と近接させて設置する。このとき、サーマルカメラ210で撮影する方向と、ライダー110が走査する方向がほぼ同じ方向となるようにする。このためには、サーマルカメラ210とライダー110はできるだけ近接させて、たとえば50cm以内に配置することが好ましい。もちろんサーマルカメラ210とライダー110が接するように配置してもよいし、これらを1つの筐体に入れて一体化してもよい。
このように配置されたサーマルカメラ210とライダー110を用いた特定物体の検出動作を説明する。図9および10は、実施形態2の監視動作の処理手順を示すフローチャートである。図11は、実施形態2のサーマルカメラによる赤外線画像例を示す図である。図12は、実施形態2のライダーによる距離画像例を示す図である。図11の赤外線画像と図12の距離画像はそれらの画像の大きさ(画像サイズ)がほぼ同じになるように調整している。
まず、制御部120は、サーマルカメラ210から得られる赤外線画像を取得し(S201)、その中に所定温度以上の部分があるか否かを判断する(S202)。ここで、図11に示すように、赤外線画像の中に所定温度以上の部分400があれば検出されることになる。ここで検出されている所定温度以上の部分400は、たとえば、実施形態1同様に溶銑鍋(取鍋)である。一方、所定温度以上の部分がなければ(S202:NO)、S201へ戻る。
赤外線線画像から所定温度以上の部分400が検出されたなら(S202:YES)、続いて、制御部120は、ライダー110の距離画像を取得し(S203)、物体があるか否か判断する(S204)。ここで、図12に示すように物体450があれば検出されることになる。距離画像からの物体の検出は、実施形態1同様に背景差分法により行われる。一方、物体が検出されなければ(S204:NO)、S201へ戻る。
なお、S201およびS202と、S203およびS204は、手順としてはどちらが先でもよい(同時に行ってもよい)。
距離画像から物体450を検出したなら(S204:YES)、続いて、制御部120は、所定温度以上の部分400の方向と物体450の方向を比較して、所定温度以上の部分400と物体450が同じ方向か否かを判断する(S205)。
所定温度以上の部分400の方向は、サーマルカメラ210の設置位置を原点として、赤外線画像のなかで原点から所定温度以上の部分400がある方向を特定し、RAM123に記憶する。同様に、物体450の方向は、ライダー110の設置位置を原点として、距離画像のなかで原点から物体450がある方向を特定し、RAM123に記憶する。そして、それぞれの方向を比較する。
これらの方向は、具体的には赤外線画像および距離画像内での位置として特定する。所定温度以上の部分400の方向は、赤外線画像内の座標値として表すことができる。たとえば赤外線画像に、横方向をX軸、縦方向をY軸とする2次元座標系を設定して、そのなかの所定温度以上の部分400の座標値を得る。また、物体450の方向は、距離画像の3次元座標系の座標値として得られる。距離画像における3次元座標系は、実施形態1同様である。
サーマルカメラ210とライダー110は同じ方向から撮影および走査している。このため、距離画像における3次元座標系のうちX-Y平面を抜き出した2次元座標系と赤外線画像における2次元座標系とはほぼ同じ画角となっている。したがって、これら2次元座標系の位置(座標値)を比較すれば、所定温度以上の部分400と物体450とが同じものの場合、所定温度以上の部分400の位置(座標値)と物体450の位置(座標値)はほぼ同じ位置になる。ほぼ同じ位置とは、所定温度以上の部分400も、物体450もある程度の大きさ(画素数)を持っているので、これらの画素の重なりが50%以上あるものとする。もちろん、50%でなくても1%でも重なれば同じとしてもよいし、逆に60%以上の重なりで同じと判断することとしてもよい。ただし、このような画像の比較においては、赤外線画像の分解能(画素数)と、距離画像の分解能(画素数)が異なるので、両者の2次元座標系の縮尺が同じになるように調整して比較する。
なお、これらの方向の判断は、直交座標系の座標値から判断するのではなく、たとえば、極座標系を設定した赤外線画像および距離画像から判断してもよい。極座標系は、サーマルカメラ210およびライダー110の設置位置を原点とすれば、所定温度以上の部分400および物体450の方向は、それぞれの極座標系において原点からの角度として得られる。そして、それらの角度は、ある程度の角度範囲内であれば同じものとする。
ここで制御部120は、所定温度以上の部分400と物体450の方向が同じでなければ(S205:NO)、S201へ戻り、処理を継続する。
一方、これら方向が同じであれば(S205:YES)、制御部120は、ライダー110の距離画像から検出された物体450を特定物体(ここでは溶銑鍋)と判定されるので、特定物体をクラスタリングする(S206)。クラスタリングは実施形態1と同様に行うことができる。これにより、ライダー110の距離画像から検出された物体450は、所定温度以上の高温物体であることがわかる。
続いて、制御部120は、距離画像を取得して(S211)、クラスタリングした特定物体の動体追跡を行う(S212)。動体追跡も実施形態1と同様に、クラスタリング後、ライダー110から時系列に取得した距離画像から行うことになる。
続いて、特定物体の動体追跡の結果、特定物体が存在しなくなれば(S213:NO)S201へ戻る。これは、移動していた特定物体が終点に達したり走査領域の外に出たりした場合である。特定物体が存在しなくなれば、警戒領域も実施形態1同様に取り消す。
一方、特定物体が存在していれば(S213:YES)、その後は、実施形態1同様に処理を継続する(S15~S20)。つまり、特定物体が移動していて、既に警報領域500が設定されているなら(S15:YES)、警報領域500を移動さる(S20)。特定物体の移動が検出されて警報領域500が設定されていなければ(S15:NO)、すなわち特定物体の移動が検出されたなら、特定物体の周囲に警報領域500を設定する(S16)。その後、他の物体の侵入検知(S17、S18)を行うことになる。
本実施形態2においても、警戒領域は、あらかじめ移動経路がわかっている場合は、移動経路301全体を含むように設定してもよい。
このようなサーマルカメラ210を用いた特定物体の検出は、たとえば、高温の物体の移動を検出して警報を出す場合に、特に有効である。
高温の物体としては、たとえば、溶銑鍋である。溶銑鍋を特定物体として検出する場合、たとえば所定温度を70℃に設定しておいて、70℃以上の部分が赤外線画像のなかにあれば、所定温度以上の部分として検出する。そして、その方向および大きさを特徴量とする。もちろん、所定温度は70℃に限定されるものではなく、何度に設定してもよい。たとえば人や物に危害が加わるような温度を設定する。高温防護服を着て作業をするような現場では、70~200℃程度としてもよい。逆に高温に対して保護機能がない平服での作業場所では、40~70℃程度としてもよい。
赤外線画像内の所定温度以上の部分と、距離画像内の物体とが同じものであるか否かを確かめる理由を説明する。
本実施形態2で特定物体として例示している溶銑鍋は、その移動範囲の近くに高炉や転炉がある。サーマルカメラ210の撮影範囲に、これら高炉や転炉があると、それらの蓋が開いていれば所定温度以上の部分として検出されることになる。一方、ライダー110の距離画像からは、高炉や転炉は静止物であるため背景差分法では検出されない(背景画像登録時に静止物は背景となるため)。しかし、作業現場には、高温ではない物体、たとえば重機や車両などが入ることがある。そうすると、ライダー110の距離画像から重機や車両が物体として検出される。
ここで赤外線画像で高炉や転炉などを所定温度以上の部分として検出した場合に、同時に距離画像でも重機や車両などを物体として検出する場合もあり得る。これら部分と物体は同じものではない。このような場合に、単純に所定温度以上の部分と物体を同じものとしてしまうと、誤認識ということになる。
本実施形態2では、所定温度以上の部分の方向と、物体の方向を比較することで、それらが同じか否かを判断している。このため静止物からの放熱による所定温度以上の部分と、低温の物体をたまたま同時に検出した場合に、それらが同じものであると誤認識することを防止している。また、複数の移動する所定温度以上の高温物体がある場合も、このように比較することで、それらを個別に特定物体として認識することができる。
なお、サーマルカメラ210により検出される所定温度以上の部分と、ライダー110により検出される物体が同じか否かを判断するために、それらの方向に合わせて、大きさを比較してもよい。これには、たとえば、サーマルカメラ210の撮影領域210aとライダー110の走査領域110aがほぼ同じ大きさになるように設定する。これには、サーマルカメラ210のレンズの焦点距離を調整することで、距離画像のX-Y平面と同じ大きさの画角となるように調整できる。これによりサーマルカメラ210で撮影された赤外線画像内の所定温度以上の部分と距離画像内のX-Y平面における物体の大きさが、ほぼ同じ大きさになる。この場合は、画像内での位置も既に説明したように、同じ位置に来ることになる。これにより、方向だけでなく大きさからも、所定温度以上の部分と物体との同一性を判断することができる。
以上により、本実施形態2では、上述した実施形態1の効果に加えて、さらに以下の効果を奏する。
サーマルカメラ210によって監視領域内に所定温度以上の部分が検知された場合に、その部分の方向と、ライダー110の距離画像から検出された物体の方向とを比較して、特定物体を検出する。そして、特定物体が存在し、移動したなら、その周りに警報領域を設定する。これにより所定温度以上の特定物体に、他の物体である人や物などが近付くような場合に警報を出すことができる。
なお、実施形態2においても実施形態1同様に、距離画像と共に赤外線画像(または赤外線画像単独でもよい)を一定時間間隔で一時記憶しておく。そして警報領域に侵入した他の物体があると判断した場合には、そのことを示すタグを付けて過去の距離画像と共に赤外線画像(または赤外線画像単独でもよい)を記憶する。これにより赤外線画像により特定物体(たとえば高温の物体)の周囲に設けられた警報領域に侵入した他の物体を温度分布画像として見ることができる。
(変形例)
さらに、実施形態1または2の変形例として可視光により物体を撮影し可視光画像を出力する通常のムービーカメラ(可視光カメラ)を設置した例を説明する。
図13は、変形例として可視光により物体を撮影するムービーカメラを設置した場合の監視システムの構成を示すブロック図である。
この変形例では、可視光により物体を撮影する通常のムービーカメラ(単にカメラ310)と称する)を監視対象となっている領域を撮影できる位置に設置する。
そして、監視領域内を撮影し、あらかじめ決められた時間分、一時記憶する(いわゆるループ録画する)。その後、実施形態1または2の処理により、他の物体が警報領域内に侵入した時点で、ループ録画されている映像(動画像)を他の記憶装置へ記憶し直したり、ループ録画の部分を消去禁止にしたりする。なお、ループ録画を永続的(消去しない)記憶にすることを含めて第2記憶部への記憶とする。これにより、距離画像や赤外線画像だけでなく、通常の映像を見て人や物などの特定物体と異なる他の物体が侵入した場合に、他の物体の侵入経過の観察や分析に使用することができる。このカメラ310による録画も、たとえば第2記憶部として、HDD124や、サーバーなどを用いることができる。
また、第2記憶部は、制御部12ではなく、ほかにあってもよい。たとえば、カメラ310からの映像を別途専用に記憶する録画装置(不図示)を設けてもよい。この録画装置が一時記憶部および第2記憶部となる。この録画装置には、常にカメラ310からの映像をループ録画させておく(一時記憶部となる)。そして、制御部120は、実施形態1または2の処理により、他の物体が警報領域内に侵入したことを検出した時点で、録画装置からその時点の画像やループ録画されている過去の映像(全部または一部)を録画装置内において永続的(消去されない)な記憶にする(第2記憶部となる)。これにより、後から分析する際には、録画装置だけを使用しても、他の物体が警報領域に入ったときの画像またはそれより過去の映像を見ることができる。また、この録画装置に映像を録画する媒体は、可搬式の媒体であってもよい。
なお、図11においては、実施形態2の監視システムの構成にカメラ310を設けた例を示したが、この変形例は実施形態1の監視システムの構成にカメラ310を設けてもよい。カメラ310を設置した場合(実施形態1および2のいずれの場合でも)、カメラ310で撮影した映像は、距離画像および赤外線画像と共に記憶してもよいし、カメラ310の映像だけ記憶(録画)してもよい。
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明は、これら実施形態に限定されるものではない。
上述した実施形態では、ライダー110の距離画像またはサーマルカメラ210の赤外線画像から、特定物体の移動を検出することとしたが、このほかに、特定物体を移動させるための制御信号を検出して、特定物体が監視領域内に入って移動したものとして、警報領域を設定することとしてもよい。
また、上述した実施形態では、特定物体として1つの物体を例に説明したが、特定物体は複数あってもよい。たとえば、ライダー110の距離画像やサーマルカメラ210の赤外線画像から複数の特定物体を検出して、それぞれの特定物体に警報領域を設定する。
また、上述した実施形態では、特定物体の周囲に警報領域を設定することとしたが、特定物体の検出後に、特定物体と他の物体との距離を逐一算出して、その距離が所定距離以下か否かを判断することで、警報信号を出力するようにしてもよい。
また、溶銑を運ぶような作業場所を例に説明したが、これはあくまでも一例であり、他の高温物体でも適用可能である。たとえば、溶銑同様に高温の溶鋼や、その他の溶融金属を運んだり、搬送したりする作業場所において本発明は好適に用いることができる。
そのほか、本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
100 監視システム、
110 ライダー、
120 制御部、
123 RAM、
124 HDD、
130 ディスプレイ、
140 警報器、
210 サーマルカメラ、
300 溶銑鍋、
310 カメラ、
400 所定温度以上の部分、
450 物体。

Claims (16)

  1. 監視対象となる領域内において、あらかじめ決められた特定物体の周囲を監視する監視システムであって、
    前記領域に向けてレーザー光を走査することによって得られた距離値の分布が示された距離画像を出力する距離画像取得部と、
    前記領域内における前記特定物体の移動を検出して、
    前記距離画像取得部から取得した前記距離画像内に、前記特定物体を含むようにあらかじめ決められた範囲に警報領域を設定し、前記距離画像から前記特定物体とは異なる他の物体を検出して、検出した前記他の物体が前記警報領域に存在する場合に警報信号を出力する制御部と、
    を有する、監視システム。
  2. 前記特定物体の特徴量をあらかじめ記憶した第1記憶部を、さらに有し、
    前記制御部は、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像から物体を検出した場合に、検出した当該物体の特徴量を求めて、検出した当該物体の特徴量と前記第1記憶部に記憶している前記特定物体の特徴量とを比較して前記特定物体を検出し、
    前記距離画像取得部から時系列に取得した前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する、請求項1に記載の監視システム。
  3. 前記距離画像取得部と近接した位置に設置され、前記領域を前記距離画像取得部とほぼ同じ方向から撮影して、前記領域の温度分布を検出した赤外線画像を出力するサーマルカメラを、さらに有し、
    前記制御部は、前記サーマルカメラから取得した赤外線画像のなかで所定温度以上の部分を検出し、かつ、前記部分に対応する方向に、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像に物体を検出することにより、前記特定物体を検出し、
    前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する、請求項1に記載の監視システム。
  4. 前記制御部は、前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から移動している前記特定物体の位置を検出し、
    前記警報領域を前記特定物体の位置に合わせて移動する、請求項2または3に記載の監視システム。
  5. 前記制御部が設定する前記警報領域は、前記特定物体の移動方向前方の広さが前記特定物体の移動方向後方の広さより広い、請求項4に記載の監視システム。
  6. 第2記憶部を、さらに有し、
    前記制御部は、
    前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像を前記第2記憶部へ記憶する、請求項1~5のいずれか1つに記載の監視システム。
  7. 前記距離画像を一時的に記憶する一時記憶部を、さらに有し、
    前記制御部は、
    前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像を前記一時記憶部に、あらかじめ決められた時間分一時記憶し、
    前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像と共に、前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点までの前記一時記憶部に記憶されている過去の前記距離画像を前記第2記憶部へ記憶する、請求項6に記載の監視システム。
  8. 第2記憶部と、
    前記領域を撮影し可視光画像を出力する可視光カメラ、または、前記領域の温度分布を検出して赤外線画像を出力するサーマルカメラと、を有し、
    前記制御部は、
    前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点、または前記時点を含む所定の時間分の時系列の前記可視光画像、または前記赤外線画像を前記第2記憶部へ記憶する、請求項1~5のいずれか1つに記載の監視システム。
  9. 監視対象となる領域に向けてレーザー光を走査することによって得られた距離値の分布が示された距離画像を出力する距離画像取得部を有した監視システムを用い、前記領域内において、あらかじめ決められた特定物体の周囲を監視する監視方法であって、
    前記領域内における前記特定物体の移動を検出する段階(a)と、
    前記距離画像取得部から取得した前記距離画像内に、前記特定物体を含むようにあらかじめ決められた範囲に警報領域を設定する段階(b)と、
    前記距離画像から前記特定物体とは異なる他の物体を検出して、検出した前記他の物体が前記警報領域に存在する場合に警報する段階(c)と、
    を有する監視方法。
  10. 前記監視システムは、前記特定物体の特徴量をあらかじめ記憶した第1記憶部を有しており、
    前記段階(a)は、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像から物体を検出した場合に、検出した当該物体の特徴量を求めて、検出した当該物体の特徴量と前記第1記憶部に記憶している前記特定物体の特徴量とを比較して前記特定物体を検出する段階(d1)と、
    前記距離画像取得部から時系列に取得した前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する段階(d2)と、
    を有する、請求項9に記載の監視方法。
  11. 前記監視システムは、前記距離画像取得部と近接した位置に設置され、前記領域を前記距離画像取得部とほぼ同じ方向から撮影して、前記領域の温度分布を検出した赤外線画像を出力するサーマルカメラを、さらに有し、を有しており、
    前記段階(a)は、前記サーマルカメラから取得した赤外線画像のなかで所定温度以上の部分を検出し、かつ、前記部分に対応する方向に、前記距離画像取得部から取得した前記距離画像に物体を検出することにより、前記特定物体を検出する段階(e1)と、
    前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から前記特定物体の移動を検出する段階(e2)と、を有する、請求項9に記載の監視方法。
  12. 前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像から移動している前記特定物体の位置を検出し、
    前記警報領域を前記特定物体の位置に合わせて移動する段階(f)を有する、請求項10または11に記載の監視方法。
  13. 前記警報領域は、前記特定物体の移動方向前方の広さが前記特定物体の移動方向後方の広さより広い、請求項12に記載の監視方法。
  14. 前記監視システムは、第2記憶部を有しており、
    前記段階(c)において前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像を前記第2記憶部に記憶させる段階(g)を有する、請求項9~13のいずれか1つに記載の監視方法。
  15. 前記監視システムは、前記距離画像を一時的に記憶する一時記憶部を有しており、
    前記距離画像取得部から時系列に取得した複数の前記距離画像を前記一時記憶部に、あらかじめ決められた時間分一時記憶させる段階(h)と、
    前記段階(g)において前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点の前記距離画像と共に、前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点までの前記一時記憶部に記憶されている過去の前記距離画像を前記第2記憶部に記憶させる段階(i)を有する、請求項14に記載の監視方法。
  16. 前記監視システムは、第2記憶部と、前記領域を撮影し可視光画像を出力する可視光カメラ、または、前記領域の温度分布を検出して赤外線画像を出力するサーマルカメラと、を有し、
    前記他の物体が前記警報領域に存在すると判断した時点、または前記時点を含む所定の時間分の時系列の前記可視光画像、または前記赤外線画像を前記第2記憶部へ記憶する段階(j)を有する、請求項9~13のいずれか1つに記載の監視方法。
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