JP7043680B2 - 放電ランプ用カソード部品および放電ランプ - Google Patents

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Description

実施形態は、放電ランプ用カソード部品および放電ランプに関する。
放電ランプは、低圧放電ランプと高圧放電ランプの2種類に大きく分けられる。低圧放電ランプは、一般照明、道路やトンネル等に使われる特殊照明、塗料硬化装置、紫外線(UV)硬化装置、殺菌装置、半導体等の光洗浄装置等様々なアーク放電型の放電ランプが挙げられる。高圧放電ランプは、上下水の処理装置、一般照明、競技場等の屋外照明、UV硬化装置、半導体やプリント基板等の露光装置、ウエハ検査装置、プロジェクタ等の高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ等が挙げられる。このように放電ランプは、照明装置、映像投影装置、製造装置等の様々な装置に用いられている。
例えば、放電ランプを用いた投射型表示装置が知られている。近年は、ホームシアターやデジタルシネマが普及。これらは、プロジェクタと呼ばれる投射型表示装置を用いる。従来の投射型表示装置は、放電ランプの電極の消耗により、ランプ寿命や射出される光のちらつきに影響を及ぼす。このような問題に対処するために、放電ランプの駆動方式として、パルス幅変調(PWM)駆動を採用することが知られている。このように、放電ランプの電極消耗は、制御回路により管理できる。
放電ランプの電極を消耗すると、ランプ電圧が低下する。これにより、放電ランプから放出される光にばらつきが生じる。このような現象はフリッカー現象と呼ばれる。フリッカー現象は、映像のちらつき等に影響を及ぼす。このため、高い耐久性を有する放電ランプ用電極が求められている。
放電ランプ用カソード部品の長さ方向(側面方向)の断面と線径方向(円周方向)の断面のタングステン結晶の粒径を制御する技術が知られている。上記技術を用いて製造されたカソード部品は、耐久性試験として、カソード部品に通電して加熱した状態で、電圧を印加し、10時間後のエミッション電流密度(mA/mm)と100時間後のエミッション電流密度(mA/mm)を測定することにより、優れた特性を有することが知られている。
放電ランプは、照明装置、映像投影装置、製造装置等の様々な装置に用いられている。放電ランプの電極が消耗するとランプ性能が低下する。ランプ性能が低下すると放電ランプの交換を必要とする。このため、電極の更なる長寿命化が望まれている。従来の放電ランプ用カソード部品は、100時間程度では優れた耐久性を示すが、それを超える長時間では耐久性が低下する。
放電ランプ用カソード部品は、エミッタ材を含有する。エミッタ材のいくつかは、エミッション特性に寄与する。放電ランプ用カソード部品の全体にエミッタ材を含有する場合、放電ランプ用カソード部品は、エミッション特性に寄与しないエミッタ材も含有する。これは、コストアップの要因となる。
特開2011-3486号公報 特許第5800922号公報
実施形態に係る線径2mm以上35mm以下の放電ランプ用カソード部品は、タングステンとエミッタ材とを含有し、エミッタ材の濃度が0.1質量%以上5質量%以下である、第1の部分と、エミッタ材と異なる金属を含有し、エミッタ材の濃度が0.1質量%未満である、第2の部分と、を具備する。第1の部分の中心を通るとともに第1の部分の長さ方向に沿う断面における、中心から1mm以内に位置するとともに90μm×90μmの単位面積を有する領域の電子線後方散乱回折分析を行う場合、長さ方向のInverse Pole Figureマップにおいて、<101>方位に対する方位差が-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が最も高い。
放電ランプ用カソード部品の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 放電ランプ用カソード部品の他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 放電ランプ用カソード部品の例の構造を示す線径方向の断面模式図である。 放電ランプ用カソード部品の更なる他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 放電ランプ用カソード部品の更なる他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 放電ランプ用カソード部品の更なる他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 放電ランプ用カソード部品の更なる他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 タングステン部の中心を示す長さ方向の断面模式図である。 電極支持棒に取り付けられた放電ランプ用カソード部品の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 電極支持棒に取り付けられた放電ランプ用カソード部品の他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。 放電ランプの構造例を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略する。
図1は、放電ランプ用カソード部品の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。図2は、放電ランプ用カソード部品の他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。図3は、放電ランプ用カソード部品1の例の構造を示す線径方向の断面模式図である。図4ないし図7のそれぞれは、放電ランプ用カソード部品の更なる他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。カソード部品1の形状は、図1ないし図7に示す形状に限定されない。
カソード部品1は、タングステン部(第1の部分)2と、高融点金属部(第2の部分)3と、を具備する。タングステン部2は、タングステン(W)とエミッタ材を含有する。高融点金属部3は、エミッタ材を含有しない、またはタングステン部2のエミッタ材の濃度よりも低い濃度を有するエミッタ材を有する。言い換えると、高融点金属部3はエミッタ材以外のものを含有する合金であってもよい。また、エミッタ材とは仕事関数が4.0eV以下の材料である。
図1に示すカソード部品1の先端部の表面は、円形状を有する。カソード部品1は、図3に示すように、タングステン部2の周囲に高融点金属部3を備える。換言すると、カソード部品1の線径方向の断面において、タングステン部2は、高融点金属部3により囲まれる。このような構造は、周囲一体型構造とも呼ばれる。図1は、カソード部品1の長さT1と、カソード部品1の線径W1と、タングステン部2の線径W2と、を示す。
図2に示すカソード部品1の先端部は、図1に示すカソード部品1の先端部を尖らせることにより形成された先細り形状を有する。図2は、タングステン部2と高融点金属部3とを一体的に尖らせることにより形成された先細り形状を示す。
図4に示すカソード部品1は、高融点金属部3の中心に設けられたタングステン部2を有する形状を有する。図4は、長さT1と、タングステン部2の長さT2と、を示す。
図5に示すカソード部品1は、タングステン部2の周囲に高融点金属部3を有し、タングステン部2の一部が高融点金属部3から突出し、高融点金属部3が尖った先端部を有し、タングステン部2の長さが高融点金属部3よりも短い形状を有する。図5は、長さT2と、タングステン部2の高融点金属部3から突出する突出部の長さT3と、を示す。このような構造は、先端はめ込み型構造とも呼ばれる。
図6に示すカソード部品1は、高融点金属部3の一つの面(例えば先端の表面)に積層されたタングステン部2を備える形状を有する。
図7に示すカソード部品1は、図6に示す高融点金属部3の先端を尖らせることにより形成された先細り形状を有する。これらの構造は、先端積層型構造とも呼ばれる。図7は、長さT1と、長さT3と、を示す。
放電ランプ用カソード部品は、放電ランプの性能に合わせて所定のカソード部品のサイズを必要とする。放電ランプが点灯するとカソード部品が発熱し、エミッションが発生する。カソード部品のサイズが小さいと、カソード部品の温度が高温になり過ぎて寿命が低下する。カソード部品のサイズが大きいと、カソード部品の温度が上がらずにエミッション特性が低下する。このため、放電ランプの性能に合わせてカソード部品1のサイズを決める必要があるが、この一方で、カソード部品に含有された一部のエミッタ材がエミッション特性に寄与しない場合がある。エミッタ材の使用量を抑えることは、コストダウンにも効果的である。このため、カソード部品1は、タングステン部2と高融点金属部3との割合を調整することにより、エミッション特性を低下させずにコストダウンを実現できる。
線径W1は、2mm以上35mm以下である。周囲一体型構造の場合、線径W1に対する線径W2の比W2/W1は0.2以上0.8以下の範囲内が好ましい。比W2/W1が0.2未満であると、エミッタ材を含有する領域が不足してエミッション特性が不足する。比W2/W1が0.8を超えると、高融点金属部3を設ける効果が不足する。このため、比W2/W1は0.2以上0.8以下、さらには0.3以上0.7以下が好ましい。比W2/W1の好ましい範囲は先端はめ込み型構造も同様である。
先端積層型構造の場合、比W2/W1は0.8以上1.2以下が好ましい。比W2/W1が0.8未満または1.2を超えると、タングステン部2と高融点金属部3が接触しない領域の面積が増える。よって、接触しない部分がひっかかり破損する可能性がある。このため、先端積層型構造の比W2/W1は0.8以上1.2以下、さらには0.9以上1.1以下が好ましい。最も好ましくは比W2/W1は1である。
カソード部品1を放電ランプ用カソード部品として使用するとき、タングステン部2の先端部は尖った形状を有することが好ましい。尖った形状を有する先端部の長さ方向の断面は、40度以上120度以下の傾斜角を有するテーパを有することが好ましい。
周囲一体型構造の場合、長さT1と長さT2は、実質的に同じになる。図2に示すように、先端部を尖らせた場合は、尖らせた分だけ、タングステン部2の長さT2が長くなる。必要に応じ、尖らせた分さらにタングステン部2を高融点金属部3よりも突出させてもよい。
先端はめ込み型構造の場合、長さT1に対する長さT2の比T2/T1は、0.3以上0.7以下が好ましい。比T2/T1が0.3未満であるとエミッタ材の量が少なくなるため、寿命が低下する。比T2/T1が0.7を超えると、タングステン部2を設ける穴が深くなる。穴が深くなると、タングステン部2と高融点金属部3の間に隙間が形成され易くなる。隙間が形成されると、カソード部品1内で熱伝導率が悪くなり、破損の原因となる。
先端はめ込み型構造の場合、長さT2に対する長さT3の比T3/T2は0.1以上0.6以下であることが好ましい。比T3/T2が0.1未満であるとタングステン部2の突出部の長さが不足するためエミッション特性が低下する可能性がある。比T3/T2が0.6を超えると、上記突出部の長さが長くなり過ぎて折れる可能性が高くなる。
先端積層型構造の場合、長さT1に対する長さT3の比T3/T1は0.3以上0.7以下であることが好ましい。比T3/T1が0.3未満であるとエミッタ材の量が不足する。比T3/T1が0.7を超えると、後述する電極支持棒を取り付けるスペースが小さくなる。
周囲一体型構造は、前述のとおり、タングステン部2の周囲に設けられた高融点金属部3を有する。周囲一体型構造であるとカソード部品1の形成するための長尺物を実現できる。長尺物を切断することにより、必要なサイズのカソード部品を得ることができる。このことは、様々なサイズのカソード部品の作製に適している。タングステン部2と高融点金属部3とを一体化することにより、タングステン部2が抜け落ちることを防止できる。
先端はめ込み型構造は、前述のとおり、高融点金属部3にはめ込まれたタングステン部2を有する。上記構造により、タングステン部2が抜け落ちることを防止できる。また、タングステン部2が突起状に設けられているため、タングステン部2の先端部のみをテーパ状に加工することができる。先端積層型構造についても、先端はめ込み型構造と同様に、タングステン部2の先端部のみをテーパ状に加工することができる。また、タングステン部2と高融点金属部3の長さを任意に組み合わせることができる。このため、先端積層型構造はタングステン部2と高融点金属部3の長さを容易に調整できる。
周囲一体型構造、先端はめ込み型構造、先端積層型構造を比較すると、先端はめ込み型構造が最も作り易い。タングステン部2の先端部をテーパ状に加工しやすい構造は、先端積層型構造である。
タングステン部2は、例えば0.1質量%以上5質量%以下の濃度を有するエミッタ材を含有するタングステン合金からなる。タングステン部2のタングステンの濃度は、例えば90質量%以上であってもよい。タングステン部2のタングステンの濃度の上限は、例えば95質量%以上であってもよい。エミッタ材は、例えばトリウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。トリウムを用いるときは、エミッタ材の含有量はThO換算により求められる。ハフニウムを用いるときは、エミッタ材の含有量はHfC換算により求められる。トリウムまたはハフニウムは、エミッション特性が良いため前述の含有量で性能を得ることができる。
タングステン部2のエミッタ材の濃度が0.1質量%未満であると、エミッタ材の添加による効果が小さく、5質量%を超えると焼結性または加工性を低下させる。このため、エミッタ材の濃度は、0.1質量%以上5質量%以下、さらには0.5質量%以上3質量%以下の範囲が好ましい。特に、エミッタ材としてトリウム成分を用いるときは0.5~3質量%の範囲内であることが好ましい。エミッタ材の仕事関数は4.0eV以下である。
高融点金属部3に含まれる金属は、タングステンおよびモリブデン(Mo)からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含むことが好ましい。
高融点金属部3の上記少なくとも一つの金属元素の濃度(タングステンおよびモリブデンの合計含有量)は、97質量%以上が好ましい。タングステンおよびモリブデンの割合を増やすことにより、耐久性を向上できる。高融点金属部3の上記少なくとも一つの金属元素の濃度は、タングステン部2のタングステンの濃度よりも高い。
高融点金属部3の上記エミッタ材の含有量(濃度)は、例えば0.1質量%未満である。高融点金属部3は、上記エミッタ材を実質的に含有しないことが好ましいが、製造工程中に、上記エミッタ材が高融点金属部3に拡散して不可避的に含有される場合がある。
高融点金属部3の融点は例えば2300℃以上である。放電ランプ用カソード部品は使用中に2000℃付近まで発熱する。このため、高融点材料を主成分とすることが好ましい。タングステンの融点は3422℃、モリブデンの融点は2623℃である。タングステンおよびモリブデンは融点が高いことから、放電ランプ用カソード部品の使用温度であっても耐久性を示す。
高融点金属部3は、例えばドープタングステン合金、タングステンモリブデン合金、純タングステン、純モリブデンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含んでいてもよい。これらの材料は、いずれも2300℃以上の高い融点を有する。
ドープタングステン合金は、例えばカリウム(K)、珪素(Si)、およびアルミニウム(Al)からなる群より選ばれる少なくとも一つのドープ材を含有する。ドープ材の含有量は、例えば500質量ppm以下である。ドープ材はエミッタ材には該当しない。
タングステンモリブデン合金は、1質量%以上50質量%以下のモリブデンを含有する。純タングステンは、99.9質量%以上のタングステンを含有する。純モリブデンは99.9質量%以上のモリブデンを含有するである。
図8は、タングステン部2の中心4を示す長さ方向の断面模式図である。図8は、図2に示す周囲一体型構造のカソード部品1の例を示す。カソード部品1は、タングステン部2の中心4を通るとともにタングステン部2の長さ方向に沿う断面における、中心4から1mm以内に位置するとともに90μm×90μmの単位面積を有する領域の電子線後方散乱回折(EBSD)分析を行う場合、長さ方向の逆極点図(Inverse Pole Figure:IPF)マップにおいて、-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が最も高い。
EBSDは、結晶試料に電子線を照射する。電子は回折され反射電子として試料から放出される。この回折パターンを投影し、投影されたパターンから結晶方位を測定することができる。X線回折(XRD)は複数の結晶における結晶方位の平均値を測定する方法である。これに対し、EBSDは個々の結晶の結晶方位を測定することができる。EBSDと同様の分析方法は、電子線後方散乱パターン(EBSP)分析と呼ばれることがある。
EBSD分析は、日本電子株式会社製の熱電界放射型走査電子顕微鏡(TFE-SEM)JSM-6500Fと株式会社TSLソリューション製のDigiViewIVスロースキャンCCDカメラ、OIM Data Collectionver.7.3x、OIM Analysisver.8.0を用いて行われる。
EBSD分析の測定条件は、電子線の加速電圧20kV、照射電流12nA、試料の傾斜角70度、測定領域の単位面積90μm×90μm、測定位置は中心4から1mm以内、測定間隔0.3μm/stepを含む。上記断面が測定面であり、上記断面へ電子線を照射し回折パターンを得る。測定試料の測定面は、表面粗さRaが0.8μm以下になるまで研磨される。
結晶方位は、基本ベクトルを用いて方向を示す。角括弧([ ])と角括弧に挟まれた数字の組み合わせからなる表記は特定の結晶方位のみを示す。山括弧(< >)と山括弧に挟まれた数字の組み合わせからなる表記は、特定の結晶方位とそれと等価な方向とを示す。例えば、<101>方位とは、[101]と等価な方向を含むことを示す。また、タングステン相の長さ方向への優先方位が<101>方位であるということは、<101>方位がすべての結晶方位の中で最も割合が多いことを示す。
IPFマップとは、結晶方位マップのことである。IPFマップは、所定の結晶方位からずれた領域の割合を面積比で求めることができる。IPFマップは、前述のEBSD測定方法に準じて求めることができる。カラーマッピングにより、面積比を画像解析により求めやすくできる。
上記断面において、タングステン相の優先方位が<101>方位である。これにより、タングステン結晶の異常粒成長を抑制できる。異常粒成長は、製造工程中または放電ランプ使用中にタングステン結晶が粗大になることである。
エミッタ材はタングステン結晶同士の粒界に分布する。タングステン結晶が異常粒成長すると、エミッタ材の分布状態が変化する。これにより、フリッカー寿命が低下する。フリッカー寿命は、フリッカー現象が発生するまでの時間である
実施形態の放電ランプ用カソード部品は、タングステン結晶の異常粒成長を抑制する。異常粒成長は、カソード部品の製造工程中だけでなく、放電ランプの使用中にも発生する。放電ランプに組み込む前のカソード部品が異常粒成長により形成された粗大粒を有していなくても、カソード部品の組み込み後の放電ランプの使用中に粗大粒を形成する。長さ方向の上記断面においてタングステン相の優先方位を制御することにより、異常粒成長を抑制できる。
断面における中心から1mm以内に位置するとともに90μm×90μmの単位面積を有する領域のEBSD分析を行う場合、タングステン部2の長さ方向のIPFマップにおいて、<101>方位に対する方位差が-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比は50%以上であることが好ましい。
<101>方位に対する方位差が±15度以内であれば、<101>方位と同等の効果を得ることができる。<101>方位に対する方位差が±15度以内の結晶方位を有するタングステン相の面積比が50%未満の場合、特性向上の効果が不十分となる可能性がある。また、単位面積90μm×90μmの微小領域において上記タングステン相の面積比を制御することにより、異常粒成長を抑制する効果を高めることができる。これにより、フリッカー寿命を長くできる。<101>方位に対する方位差が±15度の範囲から外れると、所望の結晶方位以外の結晶方位を有するタングステン相の割合が増加する。
上記面積比の上限は80%以下であることが好ましい。80%を超えると、断面に垂直な方向(線径方向)の結晶方位を制御することが困難となる可能性がある。異なる結晶方位を有するタングステン相が存在することにより、粒成長の抑制効果を向上させることができる。このため、<101>方位に対する方位差が±15度以内の結晶方位を有するタングステン相の面積比は50%以上80%以下、さらには60%以上80%以下が好ましい。さらに好ましくは65%以上75%以下である。
長さ方向のIPFマップにおいて、<101>方位に対する方位差が-10度以上10度以下である結晶方位を有するタングステン相の面積比は、50%以上であることが好ましい。<101>方位に対する方位差が±10度以内である結晶方位を有するタングステン相の面積比が50%以上であるということは、<101>方位に近い結晶方位を有するタングステン相の面積比が高いことを示す。上記面積比は65%以下であることが好ましい。これにより、異常粒成長をさらに抑制することができる。
タングステン部2の中心4を通るとともに長さ方向の断面における、中心から1mm以内に位置するとともに90μm×90μmの単位面積を有する領域のEBSD分析を行う場合、断面と垂直な方向(線径方向)のIPFマップにおいて、<111>方位に対する方位差が-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が15%以上50%以下であることが好ましい。
<111>方位に対する方位差が±15度以内であれば、<111>方位と同等の効果を得ることができる。<111>方位に対する方位差が±15度以内の結晶方位を有していても、面積比が15%未満または50%を超えると特性向上の効果が不十分となる可能性がある。このため、面積比は15%以上50%以下、さらには18%以上40%以下が好ましい。単位面積90μm×90μmの微小領域で所定の結晶方位を有するタングステン相の面積比を制御することにより、異常粒成長を抑制する効果を高めることができる。これにより、フリッカー寿命を長くできる。前述のように、断面方向の最も強い配向は<101>方位である。断面方向に垂直な方向に<111>方位を所定の割合で存在させることにより、粒成長をさらに抑制できる。
タングステン部2は、タングステンを含む結晶(タングステン結晶)を有する。タングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50は、10μm以下、さらには5μm以下であることが好ましい。タングステン部2は、エミッタ材を含む結晶(エミッタ材結晶)を有していてもよい。エミッタ材結晶の平均粒径D50は、3μm以下であることが好ましい。タングステン結晶およびエミッタ材結晶の平均粒径を制御することにより、エミッタ材をタングステン部2に均一に分散させることができる。
高融点金属部3は、上記金属を含む結晶(金属結晶)を有する。高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50は、50μm以下が好ましい。高融点金属部3は、エミッタ材を含有しないまたはエミッタ材濃度が極めて低いため、金属結晶の平均粒径D50は、タングステン結晶の平均粒径D50よりも大きくてもよい。
タングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50(平均粒径A(nm))に対する、高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50(平均粒径B(μm))の比B/Aは、式:0.2≦B/A≦10を満たすことが好ましい。タングステン結晶と金属結晶との間で平均粒径の大きな差があると、タングステン部2と高融点金属部3との間で熱膨張差が生じて耐久性が低下する可能性がある。
比B/Aは、式:1<B/A≦10を満たすことがより好ましい。これは高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50がタングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50よりも大きいことを示す。先端はめ込み型構造または周囲一体型構造は、タングステン部2を覆うように高融点金属部3が設けられている。高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50をタングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50よりも大きくすることにより、放熱性を向上できる。先端積層型構造は、高融点金属部3が電極支持棒6に近い位置にある。高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50を大きくすることにより、導電性を向上できる。平均粒径D50が大きくなると粒界の数が減る。粒界は結晶よりも熱や電気の抵抗体となる。高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50を大きくすることにより、放熱性や導電性を向上させることができる。このため、高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50は、タングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50よりも大きいことが好ましい(A<B)。
タングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50および高融点金属部3の金属結晶の平均粒径D50は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察された領域のSEM写真(倍率1000倍以上)を用いて測定される。測定エリアは、線径方向の断面とする。周囲一体型構造および先端はめ込み型構造の場合は、タングステン部2と高融点金属部3とを含む一つの断面を測定エリアとする。先端積層型構造は、タングステン部2と高融点金属部3とのそれぞれ線径方向の断面を測定エリアとする。タングステン部2は、倍率5000倍以上の単位面積50μm×50μmの領域で測定される。高融点金属部3は倍率1000倍以上の単位面積250μm×250μの領域で測定される。測定領域で観察される結晶の最も長い対角線を粒径とする。SEM写真に写る輪郭が確認できる任意の10個以上の結晶粒の粒径を測定し、この平均値を平均粒径D50とする。SEM写真の端部で見切れている結晶(輪郭のすべてが写っていない結晶)は結晶としてカウントしない。
高融点金属部3の密度は、タングステン部2の密度よりも低いことが好ましい。密度を低下させることにより、放熱性も向上できる。後述するように放電ランプ内は真空である。放熱性を向上させるには、輻射熱を利用することが有効である。多くの空隙を含む低密度構造を形成することにより、輻射熱を増やすことができる。また、密度を低下させることにより、後述する粗化加工を高融点金属部3に施しやすくなる。
タングステン部2の密度は18.6g/cm以上、さらには19.0g/cm以上が好ましい。高融点金属部3の密度は、モリブデンを含むのであれば密度は例えば9.0g/cm以上10.0g/cm以下、タングステンを含むのであれば密度は例えば16.0g/cm以上19.0g/cm以下が好ましい。カソード部品1の密度は17.5g/cm以上が好ましい。密度は、例えばアルキメデス法を用いて測定可能である。
図9は電極支持棒に取り付けられた放電ランプ用カソード部品の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。図10は電極支持棒に取り付けられた放電ランプ用カソード部品の他の例の構造を示す長さ方向の断面模式図である。
図9および図10は、放電ランプ用カソード部品1と、タングステン部2と、高融点金属部3と、粗化部5と、電極支持棒6と、を示す。図9は、図3に示す先端積層型構造を有するカソード部品1を例示する。図10は、図2に示す周囲一体型構造を有するカソード部品1を例示する。これに限定されず、他の構造も適用可能である。
粗化部5は、高融点金属部3の表面の一部または全部に設けることができる。粗化部5を形成することにより、高融点金属部3の表面積を増加できる。これにより、輻射熱による効果を増加できる。粗化部5は、凹形状、凸形状、溝形状等の形状を有する。凹形状または溝形状は、深さ1mm以下の凹部または溝を有することが好ましい。凸形状は高さ1mm以下の凸部を有することが好ましい。1mmを超えると、粗化部5に他の部材が触れた際に削れて粉(不純物)が発生しやすい。凹部または溝の深さの下限は10μm以上が好ましい。
電極支持棒6は、タングステン部2または高融点金属部3に取り付けられている。タングステン部2または高融点金属部3と電極支持棒6を一体的に設けることにより、放電ランプを容易に組み立てることができる。
図9に示す電極支持棒6は、高融点金属部3の裏面側の中心部に設けられている。図10に示す電極支持棒6は、タングステン部2に接して設けられている。
電極支持棒6は、タングステン部2または高融点金属部3に圧入または接合されている。圧入とは、接合材を用いずに、電極支持棒6を挿入することで固定する方法である。接合とは、電極支持棒6とタングステン部2または高融点金属部3の間に接合材を介して固定する方法である。電極支持棒6はタングステン部2または高融点金属部3と一体成型されてもよい。電極支持棒6は、タングステンまたはモリブデンを主成分とする高融点金属からなることが好ましい。
実施形態のカソード部品は、放電ランプに適用することができる。図11は放電ランプの構造例を示す図である。図11に示す放電ランプ10は、カソード部品1と、電極支持棒6と、アノード部品7と、ガラス管8と、を具備する。
カソード部品1は一つの電極支持棒6に接続されている。アノード部品7は他の一つの電極支持棒6に接続されている。接続はろう付け等によって行われる。カソード部品1とアノード部品7はガラス管8の中で対向して配置され、電極支持棒6の一部とともに封止されている。ガラス管8内部は真空に保たれている。
カソード部品1は低圧放電ランプ、高圧放電ランプのいずれの放電ランプにも適用できる。低圧放電ランプは、一般照明、道路やトンネル等に使われる特殊照明、塗料硬化装置、UV硬化装置、殺菌装置、半導体等の光洗浄装置等に用いられる、様々なアーク放電型の放電ランプが挙げられる。高圧放電ランプは、上下水の処理装置、一般照明、競技場等の屋外照明、UV硬化装置、半導体やプリント基板等の露光装置、ウエハ検査装置、プロジェクタ等の高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ等が挙げられる。このように放電ランプは、照明装置、映像投影装置、製造装置等の様々な装置に用いられている。実施形態のカソード部品は耐久性に優れているため、高圧放電ランプに適している。
放電ランプの出力は、例えば100Wないし10kWである。1000W未満の出力の放電ランプを低圧放電ランプとし、1000W以上の出力の放電ランプを高圧放電ランプとする。
放電ランプは、それぞれ用途に応じて設定された保証寿命を有する。保証寿命の一つにフリッカー寿命がある。フリッカー現象とは、前述のとおり放電ランプの出力がばらつくことであり、放電ランプの出力が100%になる電圧を印加しているにも関わらず、出力が低下する。
デジタルシネマ用放電ランプは、出力1kW以上7kW以下程度の放電ランプを用いて構成される。スクリーンサイズに合わせて、放電ランプの出力を選択する。スクリーンサイズが6mでは出力1.2kWである。スクリーンサイズが15mでは出力4kWである。スクリーンサイズが30mでは出力7kWである。出力1.2kWの放電ランプの定格寿命は3000時間程度に設定されている。出力4kWの放電ランプの定格寿命は1000時間程度に設定されている。出力7kWの放電ランプの定格寿命は300時間程度に設定されている。デジタルシネマ用放電ランプの寿命は出力が大きくなるに従い短い。このように、放電ランプの寿命は、用途や使用条件によって様々である。
従来の放電ランプ用カソード部品では、寿命の半分程度の期間が経過するとフリッカー現象が生じる。デジタルシネマ用放電ランプにフリッカー現象が生じると、画面のちらつきが生じ、きれいな画像を視認できないため、定格寿命の前に上記部品を交換する必要がある。実施形態のカソード部品は、放電ランプの使用中においてタングステン結晶の異常粒成長を抑制できる。このため、フリッカー現象の発生を抑制することができる。
デジタルシネマ等の投影型表示装置は、ちらつきが生じると画質が低下する。このため、フリッカー現象の抑制要求が厳しい。このため、実施形態のカソード部品は、デジタルシネマ用放電ランプに好適である。ここではデジタルシネマ用放電ランプを例示するが、他の用途についても同様である。
次に、実施形態のカソード部品の製造方法例について説明する。実施形態のカソード部品の製造方法は、上記構成を有していれば特に限定されないが、歩留り良くカソード部品を製造する方法として次の方法が挙げられる。
まず、タングステン部2の製造方法について説明する。ここではエミッタ材としてトリウムを用いた製造方法について説明する。
トリウムを含有するタングステン合金粉末を調製する。タングステン合金粉末の調製法は、例えば湿式法と乾式法が挙げられる。
湿式法では、まず、タングステン材料粉末を調製する工程を実施する。タングステン材料粉末は、タングステン酸アンモニウム(APT)粉末、金属タングステン粉末、酸化タングステン粉末が挙げられる。タングステン材料粉末は、これら1種でもよいし、2種以上を用いてもよい。タングステン酸アンモニウム粉末が比較的価格が安いことから好ましい。タングステン材料粉末の平均粒径は5μm以下が好ましい。
タングステン酸アンモニウム粉末を使う場合、タングステン酸アンモニウム粉末を大気中または不活性雰囲気(窒素、アルゴン等)中で400℃以上600℃以下の温度に加熱して、タングステン酸アンモニウム粉末を酸化タングステン粉末に変化させる。400℃未満の温度では、酸化タングステン粉末に十分に変化させられず、600℃を超える温度では、酸化タングステン粉末の粒子が粗大になり、後工程での酸化トリウム粉末との均一分散が困難となる。この工程により、酸化タングステン粉末を調製する。
次に、トリウム材料粉末と酸化タングステン粉末を溶液中に添加する工程を実施する。トリウム材料粉末は、金属トリウム粉末、酸化トリウム粉末、硝酸トリウム粉末が挙げられる。この中では、硝酸トリウム粉末が好ましい。硝酸トリウム粉末は液体中で均一に混合しやすい。この工程により、トリウム材料粉末と酸化タングステン粉末とを含有する溶液を調製する。最終的に目的とする酸化トリウム濃度と同じか、若干高めの濃度となるように添加することが好ましい。トリウム材料粉末の平均粒径は5μm以下が好ましい。溶液は純水であることが好ましい。
次に、トリウム材料粉末と酸化タングステン粉末とを含有する溶液の液体成分を蒸発させる工程を実施する。次に、大気雰囲気中で400℃以上900℃以下の温度で加熱して、硝酸トリウム等のトリウム材料粉末を酸化トリウム粉末に変化させる分解工程を実施する。この工程により、酸化トリウム粉末と酸化タングステン粉末とを含む混合粉末を調製することができる。得られた酸化トリウム粉末と酸化タングステン粉末とを含む混合粉末の酸化トリウム濃度を測定し、濃度が低い場合には、酸化タングステン粉末を追加することが好ましい。
次に、酸化トリウム粉末と酸化タングステン粉末とを含む混合粉末を、水素等の還元雰囲気中、750℃以上950℃以下の温度で加熱して酸化タングステン粉末を金属タングステン粉末に還元する工程を実施する。この工程により、酸化トリウム粉末を含有するタングステン粉末を調製することができる。
金属タングステン粉末とトリウム材料粉末とを混合する方法も有効である。金属タングステン粉末は、タングステン酸アンモニウム粉末から酸化タングステン粉末を形成し、得られた酸化タングステンを還元することにより形成されることが好ましい。タングステン酸アンモニウム粉末から酸化タングステン粉末に変化させるとき、得られる酸化タングステンは酸素欠損を有することが好ましい。酸化タングステンの組成は、WOが安定である。酸素欠損があるとWO3-x、x>0、となる。酸素欠損があると、結晶構造にゆがみが形成される。この状態で還元して得られた金属タングステン粉末は、異常粒成長の抑制効果が高い。xの値は0.05≦x≦0.30の範囲内であることが好ましい。
タングステン酸アンモニウム粉末から酸化タングステン粉末を形成する工程は、不活性雰囲気中で加熱する工程が好ましい。不活性雰囲気とは、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気である。xの値の制御のためには、不活性雰囲気中の酸素量を少なくする(例えば、1体積%以下)ことや、水素を混合すること等が挙げられる。熱処理温度は、400℃以上600℃以下の範囲内であることが好ましい。400℃未満では反応速度が遅く量産性が低下する。600℃を超えると粒成長し過ぎる可能性がある。
WO3-x粉末を還元する工程は、水素含有雰囲気で行うことが好ましい。熱処理温度は600℃以上800℃以下の範囲内であることが好ましい。熱処理温度が600℃未満では還元の速度が遅く量産性が低下する。800℃を超えると粒成長し過ぎる可能性がある。
次に、トリウム材料粉末と金属タングステン粉末とを含有する溶液の液体成分を蒸発させる工程を実施する。次に、大気雰囲気中で400℃以上900℃以下の温度で試料を加熱して、硝酸トリウム等のトリウム材料粉末を酸化トリウム粉末に変化させる分解工程を実施する。この工程により、酸化トリウム粉末を含有するタングステン粉末を調製できる。
乾式法は、先ず、酸化トリウム粉末を準備する。次に、酸化トリウム粉末をボールミルにて粉砕混合する工程を実施する。この工程により、凝集された酸化トリウム粉末をほぐすことができ、凝集された酸化トリウム粉末を低減することができる。混合工程の際は、少量の金属タングステン粉末を添加してもよい。
粉砕混合された酸化トリウム粉末に対し、必要に応じ、篩を掛けて粉砕しきれなかった凝集粉または粗大粒を取り除くことが好ましい。篩掛けにより、最大径10μmを超える凝集粉または粗大粒を取り除くことが好ましい。
次に、金属タングステン粉末を混合する工程を実施する。最終的に目的とする酸化トリウム濃度になるように金属タングステン粉末を添加する。酸化トリウム粉末と金属タングステン粉末の混合粉末を混合容器に入れ、混合容器を回転させ均一に混合させる。このとき、円筒形状の混合容器を円周方向に回転させることにより、スムーズに混合することができる。この工程により、酸化トリウム粉末を含有するタングステン粉末を調製することができる。
以上のような、湿式法または乾式法により酸化トリウム粉末を含有するタングステン粉末を調製することができる。湿式法と乾式法では、湿式法の方が好ましい。乾式法は混合容器を回転させながら混合するため、原料粉末と容器が接触して不純物が混入しやすい。酸化トリウム粉末の含有量は0.5質量%以上3質量%以下である。
次に、得られたエミッタ材を含有するタングステン粉末を使って成形体を調製する。成形体を形成する際は、必要に応じ、バインダを使用してもよい。成形体は直径7mm以上50mm以下の円柱形状であることが好ましい。成形体の長さは任意である。
次に、成形体を予備焼結する工程を実施する。予備焼結は1220℃以上1500℃以下、さらには1250℃以上1500℃以下の温度で行うことが好ましい。この工程により、予備焼結体を得ることができる。
次に、予備焼結体を通電焼結する工程を実施する。通電焼結は、焼結体が2100℃以上2500℃以下の温度になるように通電することが好ましい。温度が2100℃未満では十分な緻密化ができず強度が低下する場合がある。2500℃を超えると、酸化トリウム粒子およびタングステン粒子が粒成長し過ぎて目的とする結晶組織が得られない場合がある。この工程により、酸化トリウム含有タングステン合金焼結体を得ることができる。予備焼結体が円柱形状を有していれば焼結体も円柱形状を有する。
次に、円柱状焼結体(インゴット)を、鍛造加工、圧延加工、押出加工等により、線径を調整する第一の加工工程を実施する。第一の加工工程の加工率は10%以上30%以下の範囲内であることが好ましい。
第一の加工工程の次に第二の加工工程を行う。第二の加工工程は、加工率30%以上70%以下、さらには加工率40%以上70%以下の圧延加工であることが好ましい。
加工率は、加工前の円柱状焼結体の断面積をC、加工後の円柱状焼結体の断面積をDとする場合、加工率=[(C-D)/C]×100%、により求められる。例えば、直径25mmの円柱状焼結体を直径20mmの円柱状焼結体に加工する場合の加工率を説明する。直径25mmの円の断面積Cは460.6mm、直径20mmの円の断面積Dは314mmであるから加工率は32%=[(460.6-314)/460.6]×100%となる。
第一の加工工程の加工率が10%以上30%以下であることは、第一の加工工程の前の円柱状焼結体(インゴット)の断面積を断面積Cとして求められる。第二の加工工程の加工率が30%以上70%以下であることは、第一の加工工程の後の円柱状焼結体の断面積を断面積Cとして求められる。
鍛造加工とは、ハンマーで焼結体を叩いて圧力を加える加工である。圧延加工とは、2つ以上のローラーで焼結体を挟みながら加工する方法である。押出加工は、強圧してダイス孔から押し出す方法である。
第一の加工工程は、鍛造加工、圧延加工、押出加工の1種または2種以上であることが好ましい。これらの加工方法は、線径Wを小さくできる。よって、円柱状焼結体中のポアを低減できる。第一の加工工程は、鍛造加工または押出加工が好ましい。鍛造加工または押出加工は、円柱状焼結体の円周全体を加工しやすいため、ポアの低減効果が高い。
第一の加工工程の加工率は10%以上30%以下であることが好ましい。加工率が10%未満であるとポアを低減する効果が小さい。加工率が30%を超えると結晶方位の制御が困難となる。第一の加工工程は、加工率が10%以上30%以下の範囲内であれば、複数回に分けて加工を行ってもよい。
第二の加工工程は、圧延加工である。圧延加工であると結晶方位を制御しやすい。圧延加工は、複数のローラーで挟みながら断面積を小さくする方法である。圧延加工のみで加工すると結晶方位を制御することができる。
鍛造加工はハンマーで叩くため結晶方位に部分的なばらつきが生じやすい。押出加工は、ダイスを通すときの応力が強いため、中央部と表面部での結晶方位に違いが生じやすい。圧延加工であると、ローラーからの応力を調整できるため、結晶方位を制御しやすい。
第二の加工工程において圧延加工の加工率は30%以上70%以下である。第一の加工工程後の断面積を断面積Cとして加工率を制御する。加工率が30%以上70%以下の範囲内であれば、1回の加工でもよいし、2回以上に分けてもよい。加工率が30%未満または70%を超えると、目的とする結晶方位が得られない。
第一の加工工程および第二の加工工程は、冷間加工であることが好ましい。冷間加工は、再結晶温度以下の温度で対象物を加工する方法である。再結晶温度以上の加熱状態で加工することを熱間加工という。熱間加工であると円柱状焼結体が再結晶化する。冷間加工であると再結晶化しない。再結晶化しない組織で結晶方位を制御することが重要である。
上記のような工程で得られたタングステン部2は、700MPa以上の3点曲げ強度と、99.5%以上の相対密度と、を有し、緻密である。
上記以外の製造方法としては、3Dプリンタを用いた成形技術(3Dプリンティング)が挙げられる。3Dプリンティングは、金属粉末にレーザを照射しながら造形できる。エミッタ材料粉末を供給するタイミングを制御することにより、エミッタ材の分散状態を容易に制御できる。
また、高融点金属部3を形成する工程を行う。高融点金属部3を形成する工程は、タングステン部2の成形体の周囲に高融点金属部3に適用可能な金属の粉末を供給して成形する方法が挙げられる。タングステン部2と高融点金属部3が一体化した成形体を作製した後、焼結工程を行う。
上記方法であれば、例えば図1および図2に示す周囲一体型構造、図4および図5に示す先端はめ込み型構造、図6および図7に示す先端積層型構造等の構造を形成できる。一体化した成形体を焼結するため、接合工程が不要である。焼結工程や加工工程を同一条件で処理できるため、平均粒径を制御しやすい。
タングステン部2と高融点金属部3を別々に形成した後、その後両方を一体化させてもよい。例えば、図4または図5に示す先端はめ込み型構造の形成方法は、例えば高融点金属部3の穴にタングステン部2を挿入する方法を含む。また、図6または図7に示す先端積層型構造の形成方法は、例えばタングステン部2と高融点金属部3とを接合する方法を含む。
3Dプリンティングを用いてタングステン部2に高融点金属部3を形成してもよい。3Dプリンティングであれば、例えば図1ないし図7に示すいずれの構造であっても作製できる。3Dプリンティングにより、密度も容易に制御できる。
タングステン部2の焼結体を形成した後、高融点金属部3となる粉末を成型して焼結してもよい。金型内にタングステン部2の焼結体を配置し、高融点金属粉末を充填し、焼結する方法である。この方法としては、例えば放電プラズマ焼結(SPS)法が挙げられる。SPSは、機械的な加圧とパルス通電加熱とを組み合わせを有する焼結法である。SPS法は、被加工物の焼結や接合を行うことができる。このため、焼結体と粉を一体化させる方法に有効である。この他にもホットプレスやHIPでも形成可能である。
必要に応じ、高融点金属部3の表面に粗化部5を形成する工程を行ってもよい。粗化部5の形成方法は、例えばレーザ加工、切削加工等の方法を含む。
(実施例1~6、比較例1)
まず、タングステン部2を準備した。平均粒径3μmのタングステン粉末と平均粒径2μmのエミッタ材とを混合した。混合は、混合容器を円筒形状とし、円周方向に回転させながら行った。その後、予備焼結、通電焼結を行った。この工程により、円柱状の焼結体(インゴット)を作製した。各条件を表1に示す。
Figure 0007043680000001
次に、円柱状焼結体(インゴット)を表2に示す加工条件で加工した。いずれも冷間加工で行った。以上の工程により、タングステン部2を準備した。
Figure 0007043680000002
次に、高融点金属部3を準備した。平均粒径3μmのタングステン粉末を焼結して高融点金属部3を作製した。実施例1~4の高融点金属部3の3点曲げ強度は、700MPa以上である。実施例5、6の高融点金属部3の3点曲げ強度は、250MPaである。また、高融点金属部3の密度は、タングステン部2の密度よりも低い。
実施例2、3、5、6では高融点金属部3の側面に粗化部5を設けた。深さ0.3mm×幅1mmの溝をピッチ3mmで側面に円周に沿って複数形成した。
タングステン部2と高融点金属部3とを組み合わせて表3に示す形状を有する放電ランプ用カソード部品を作製した。なお、各カソード部品の先端部を尖らせて先細り形状を形成した。先端はめ込み型構造において、線径W1は6mmであり、線径W2は3mmである。先端積層型構造においては、線径W1および線径W2のそれぞれは6mmである。比較例1ではタングステン部2のみでカソード部品1を作製した。
Figure 0007043680000003
実施例および比較例に係るカソード部品に対し、タングステン部2のタングステン相の結晶方位、タングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50、高融点金属部3のタングステン結晶の平均粒径D50を評価した。
結晶方位は、カソード部品のタングステン部2の中心4を通る胴体部の長さ方向の断面の中心4から1mm以内の位置でEBSD分析を行うことにより測定した。試料は研磨加工を施し表面粗さRaを0.8μm以下に調整した。
EBSD分析では、日本電子株式会社製の熱電界放射型走査電子顕微鏡(TFE-SEM)JSM-6500Fと株式会社TSLソリューション製のDigiViewIVスロースキャンCCDカメラ、OIM Data Collectionver.7.3x、OIM Analysisver.8.0を使用した。EBSDの測定条件は、電子線の加速電圧20kV、照射電流12nA、試料の傾斜角を70度とした。測定領域は90μm×90μm、測定間隔は0.3μm/stepである。タングステン部2の中心4を通る断面を測定面とし、断面へ電子線を照射し回折パターンを得た。
EBSD分析により、断面方向に優先配向している結晶方位が<101>方位であるかを調べた。断面方向のIPFマップにより、<101>方位に対する方位差が±15度以内の結晶方位を有するタングステン相の面積比、±10度以内の結晶方位を有するタングステン相の面積比を求めた。IPFマップを用いて断面方向に垂直な方向(線径方向)の結晶方位<111>方位に対する方位差が±15度以内の結晶方位を有するタングステン相の面積比を求めた。
タングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50および高融点金属部3のタングステン結晶の平均粒径D50を求めた。それぞれ線径方向の断面を測定エリアとし、SEM写真を測定した。タングステン部2は倍率5000倍、高融点金属部3は倍率1000倍で測定した。タングステン部2は単位面積50μm×50μm、高融点金属部3は単位面積250μm×250μmに写る任意の10個の結晶の長径を求め、この平均値を平均粒径D50とした。これらの結果を表4、表5に示す。
Figure 0007043680000004
Figure 0007043680000005
実施例に係る放電ランプ用カソード部品は、断面方向において優先方位は<101>方位であった。これに対し、比較例1は断面方向の優先方位は<101>方位ではなかった。また、高融点金属部3のタングステン結晶の平均粒径D50は、タングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50よりも大きかった。
次に、放電ランプ用カソード部品の耐久性を調べた。まず、放電ランプ用カソード部品を用いて放電ランプを作製した。耐久性試験として放電ランプのフリッカー寿命を測定した。耐久性試験は、点灯試験により実施した。点灯時のランプ電圧を40V、非点灯時のランプ電圧を20Vとした。点灯状態を3時間、非点灯状態を2時間とし、これを交互に繰り返した。点灯状態または非点灯状態のランプ電圧のずれが1V以上となったときをフリッカーが発生したと定義した。フリッカー現象が発生するまでの点灯時間の合計をフリッカー寿命とした。
同条件で800時間経過後にタングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50を測定した。平均粒径D50は、上記と同様に線径方向の断面のSEM写真から測定した。この結果を表6に示す。
Figure 0007043680000006
表から分かる通り、実施例に係る放電ランプのフリッカー寿命は800時間以上であり寿命が延びた。タングステン部2と高融点金属部3の粒径サイズを制御することにより、十分な放電特性を得られることが分かった。
粗化部5を有する実施例2、3、5、6のカソード部品1は800時間経過後のタングステン部2のタングステン結晶の平均粒径D50が比較的小さかった。このことから粗化部5を設けることにより、放熱性が向上していることが分かる。また、高融点金属部3の3点曲げ強度が300MPaと低い実施例5は粗化加工を行い易かった。これに対し、比較例1は寿命が低下した。これは、タングステン部2のタングステン相の結晶方位が制御されていないためである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。

Claims (15)

  1. 線径2mm以上35mm以下の放電ランプ用カソード部品であって、
    タングステンとエミッタ材とを含有し、前記エミッタ材の濃度が0.1質量%以上5質量%以下である、第1の部分と、
    前記エミッタ材と異なる金属を含有し、前記エミッタ材の濃度が0.1質量%未満である、第2の部分と、
    を具備し、
    前記第1の部分の中心を通るとともに前記第1の部分の長さ方向に沿う断面における、前記中心から1mm以内に位置するとともに90μm×90μmの単位面積を有する領域の電子線後方散乱回折分析を行う場合、長さ方向のInverse Pole Figureマップにおいて、<101>方位に対する方位差が-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が最も高い、放電ランプ用カソード部品。
  2. 前記電子線後方散乱回折分析を行う場合、前記長さ方向のInverse Pole Figureマップにおいて、<101>方位に対する方位差が-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が50%以上である、請求項1に記載のカソード部品。
  3. 前記電子線後方散乱回折分析を行う場合、前記長さ方向のInverse Pole Figureマップにおいて、<101>方位に対する方位差が-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が60%以上80%以下である、請求項1に記載のカソード部品。
  4. 前記電子線後方散乱回折分析を行う場合、前記長さ方向のInverse Pole Figureマップにおいて、<101>方位に対する方位差が-10度以上10度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が50%以上である、請求項1に記載のカソード部品。
  5. 前記電子線後方散乱回折分析を行う場合、前記断面に垂直な方向のInverse Pole Figureマップにおいて、<111>方位に対する方位差が-15度以上15度以下の結晶方位を有するタングステン相の面積比が15%以上50%以下である、請求項1に記載のカソード部品。
  6. 前記金属は、タングステンおよびモリブデンからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属元素を含み、
    前記第2の部分の前記少なくとも一つの金属元素の濃度は、97質量%以上である、請求項1に記載のカソード部品。
  7. 前記エミッタ材は、トリウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む、請求項1に記載のカソード部品。
  8. 前記第1の部分は、前記タングステンを含む複数の結晶を有し、
    前記第1の部分の前記結晶の平均粒径は、10μm以下である、請求項1に記載のカソード部品。
  9. 前記第1の部分は、前記タングステンを含む第1の複数の結晶を有し、
    前記第2の部分は、前記金属を含む第2の複数の結晶を有し、
    前記第2の部分の前記第2の複数の結晶の平均粒径は、前記第1の部分の前記第1の複数の結晶の平均粒径よりも大きい、請求項1に記載のカソード部品。
  10. 前記カソード部品の線径方向の断面において、前記第2の部分は、前記第1の部分を囲む、請求項1に記載のカソード部品。
  11. 前記第1の部分は、前記第2の部分の一つの面に積層される、請求項1に記載のカソード部品。
  12. 前記第1の部分および前記第2の部分からなる群より選ばれる少なくとも一つの部分は、電極支持棒と一体的に設けられる、請求項1に記載のカソード部品。
  13. 前記第2の部分の表面は、粗化部を有する、請求項1に記載のカソード部品。
  14. 請求項1に記載の前記カソード部品を具備する、放電ランプ。
  15. デジタルシネマ用放電ランプである、請求項14に記載の放電ランプ。
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