以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(位置通知システム)
2.第2の実施の形態(電源制御装置)
3.第3の実施の形態(中継局)
4.第4の実施の形態(中継局)
5.第5の実施の形態(信号送受信システム)
<1.第1の実施の形態>
<位置通知システム>
<信号送受信システム>
図1は、本技術を適用した信号送受信システムの一実施の形態である位置通知システムの主な構成例を示す図である。図1に示される位置通知システム100は、送信機101が自身の位置を通知するシステムである。
送信機101は、自身の位置を示す位置情報を、無線信号として送信する。中継局102は、その無線信号を受信して送信機101の位置情報を取得し、その位置情報を、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する。サーバ104は、送信機101毎に位置情報を管理する。送信機101の位置を知りたいユーザに操作される端末装置105は、ネットワーク103を介してサーバ104にアクセスし、送信機101の位置情報を取得し、例えば地図データ等とともに表示する等して、ユーザに送信機101の位置を通知する。
送信機101は、例えば、ユーザが位置を把握したい対象者に携帯させる。図1の例では、高齢者110に送信機101を携帯させている。送信機101は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からGNSS信号を受信する等して、適宜、自身の位置情報(例えば、緯度および経度)を求めることができる。送信機101は、適宜、その位置情報を無線信号として送信する。したがって、ユーザは、上述したように端末装置105を操作して、位置監視対象である高齢者110の位置を把握することができる。
なお、位置監視の対象者は、任意である。例えば、子供であってもよいし、犬や猫等の動物であってもよいし、企業の社員等であってもよい。送信機101は、専用の装置として構成されるようにしてもよいが、例えば、携帯電話機やスマートフォンのような携帯型の情報処理装置に組み込むようにしてもよい。
ネットワーク103は、任意の通信網であり、有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよいし、それらの両方を行ってもよい。また、ネットワーク103が、1の通信網により構成されるようにしてもよいし、複数の通信網により構成されるようにしてもよい。例えば、インターネット、公衆電話回線網、所謂3G回線や4G回線等の無線移動体用の広域通信網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した通信を行う無線通信網、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信の通信路、赤外線通信の通信路、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠した有線通信の通信網等、任意の通信規格の通信網や通信路がネットワーク103に含まれるようにしてもよい。
サーバ104や端末装置105は、情報を処理する情報処理装置である。サーバ104や端末装置105は、ネットワーク103に通信可能に接続されており、このネットワーク103を介して、ネットワーク103に接続される他の通信装置と通信を行い、情報を授受することができる。
このような位置通知システム100において、送信機101、中継局102、サーバ104、および端末装置105の数は任意であり、それぞれ、複数であってもよい。例えば、図2に示されるように、位置通知システム100が、互いに異なる位置に設置されている中継局102をN台(Nは任意の自然数)有するものとする(中継局102-1乃至中継局102-N)。
送信機101が無線信号(位置情報)を送信するタイミングは任意である。例えば、送信機101が、無線信号を、定期的に送信するようにしてもよいし、所定のイベント発生時(例えば、所定の距離移動した場合や、所定の時刻になった場合等)に送信するようにしてもよい。
この場合、送信機101から送信された無線信号は、送信機101の近くに位置する中継局102により受信される。送信機101が中継局102-K(Kは、1≦K≦Nの整数)の通信可能範囲121内から無線信号を送信すると、中継局102-Kは、その無線信号を受信して、送信機101の位置情報を取得し、その位置情報を、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する(位置情報を中継する)。
高齢者110(送信機101)が他の中継局102の通信可能範囲内に移動して、送信機101が無線信号を送信すると、その中継局102が同様に位置情報を中継する。したがって、高齢者110(送信機101)が、いずれかの中継局102の通信可能範囲内に位置する限り、ユーザは、高齢者110の位置を把握することができる。
サーバ104は、送信機101の位置情報を管理する。送信機101が複数存在する場合、サーバ104は、送信機101毎にその位置情報を管理する。例えば、送信機101は、位置情報とともに自身の識別情報(ID)を送信する。サーバ104は、その位置情報を送信機101のIDと紐づけて記憶し、管理する。したがって、サーバ104は、ユーザ(端末装置105)から要求された送信機101の位置情報のみを提供することができる。なお、サーバ104は、位置情報の提供を許可するユーザも送信機101毎に管理することができる。つまり、サーバ104は、各送信機101の位置情報を、その送信機101の位置情報の取得が許可されたユーザに対してのみ提供することができる。
なお、サーバ104が、送信機101の位置情報を、送信機101のID以外の他の情報と紐づけて管理するようにしてもよい。例えば、サーバ104が、送信機101の位置情報を時刻情報等と紐づけて記憶し、管理するようにしてもよい。このようにすることにより、サーバ104は、送信機101の位置情報の履歴を管理し、提供することができる。
なお、その時刻情報は、送信機101から送信されるようにしてもよい。例えば、送信機101が、位置情報とともにGNSS信号に含まれる時刻情報を無線信号として送信するようにしてもよい。
また、送信機101が送信する位置情報は、サーバ104において、送信機101の位置を示す情報として管理することができる情報であればよく、その内容は任意である。例えば、送信機101がGNSS信号から位置情報を求めずに、GNSS信号(若しくはGNSS信号に含まれる時刻情報)を送信するようにしてもよい。その場合、中継局102若しくはサーバ104等が、そのGNSS信号若しくは時刻情報を用いて、送信機101の位置情報を求めるようにしてもよい。また、そのGNSS信号若しくは時刻情報を用いて、送信機101の位置情報を求める情報処理装置(サーバ等)を別途設けるようにしてもよい。
また、例えば、送信機101からの無線信号を受信する中継局102の設置位置に基づいて、送信機101の位置が求められるようにしてもよい。例えば図2の場合、送信機101は、中継局102の通信可能範囲121内に位置する。このような場合に、サーバ104が、中継局102-Kが中継したことをもって、送信機101が中継局102-Kの通信可能範囲121内に位置すると推定し、その旨を位置情報として管理するようにしてもよい。つまり、この場合、送信機101の位置は、中継局102の数(各中継局102の通信可能範囲の広さ)の粒度で管理される。この場合、送信機101は、少なくとも、自身のIDを無線信号として送信すればよい。
また、例えば、中継局102が受信する無線信号の電波強度等から中継局102と送信機101との距離を推定し、サーバ104が、その距離も位置情報として管理するようにしてもよい。つまり、サーバ104が、送信機101がどの中継局102の通信可能範囲内に位置し、かつ、その中継局102と送信機101との距離がいくつであるかを管理するようにしてもよい。この距離の推定は、中継局102において行われるようにしてもよいし、サーバ104において行われるようにしてもよいし、別途設けられた専用の情報処理装置(サーバ等)により行われるようにしてもよい。
また、例えば、送信機101が、複数の中継局102の通信可能範囲が重畳する部分に位置する場合、すなわち、送信機101が送信した無線信号が複数の中継局102により中継される場合、三角法等を用いて送信機101の位置が推定されるようにしてもよい。この位置の推定は、例えば、サーバ104において行われるようにしてもよいし、別途設けられた専用の情報処理装置(サーバ等)により行われるようにしてもよい。
なお、いずれの中継局102も、任意の送信機101の情報を中継することができるようにしてもよいし、各中継局102が、自身に対応する送信機101の情報のみを中継するようにしてもよい。例えば、ある送信機101から送信される情報は、その送信機101の所有者(若しくは管理者)が所有若しくは管理する中継局102のみが中継することができるようにしてもよい。この所有者(若しくは管理者)には、個人だけでなく事業者も含まれるようにしてもよい。このようにすることにより、中継局102を複数のユーザで共有することを避けることができ、例えば情報漏洩等の、通信の安全性の低減を抑制することができる。また、ユーザが支払う料金の金額に応じて、利用可能な中継局102の数が設定されるようにしてもよい。これにより、対価に応じて提供するサービスの質の差別化を図ることができる。
<中継局>
上述したように、送信機101が、いずれかの中継局102の通信可能範囲内に位置する状態において、サーバ104は、その送信機101の位置を管理することができる。換言するに、送信機101の位置が、いずれの中継局102の通信可能範囲からも外れると、サーバ104は、その位置を管理することができなくなる。したがって、中継局102の送信機101との通信可能範囲網がより広範囲になる程、サーバ104は、送信機101の位置をより正確に管理することができる。ここで、より正確な管理とは、より広範囲において送信機101の位置を管理することを意味する。つまり、送信機101の位置を管理可能な範囲をより広範囲とするためには、送信機101と中継局102とがより遠くまで無線信号を送受信することができる程(各中継局102の通信可能範囲がより広い程)好ましい。また、各中継局102は、互いに異なる位置に設置されるので、中継局102の数が多い程好ましい。さらに、有用性を考慮すれば、送信機101が位置する可能性がより高い領域を中継局102の通信可能範囲とすることが好ましい。
中継局102の設置位置は任意である。ただし、上述したように、設置数や有用性等を考慮すれば、例えば、ビル、マンション、家屋等の建造物は、送信機101を携帯する位置監視対象者(例えば高齢者110)が位置する可能性が高い都市部に数も多く、また、設置も容易であるので、好適である。特に、位置監視対象者の自宅は、その周辺に位置監視対象者が位置する可能性がより高く、好適である。また、設置場所の確保という面についても、この位置通知サービス提供事業者が独自に場所を確保して中継局102を設置する場合よりも、同意を得やすく容易である。
さらに、例えば、位置監視対象者(若しくはユーザ)が、中継局102を購入若しくは借用して設置することにより、この位置通知サービス提供事業者が独自に中継局102を設置する場合よりも、位置通知サービス提供事業者の負荷(コスト)を低減することができる。つまり、このようにすることにより、より低コストに、より多くの中継局102を設置することができる。上述したように、位置通知システム100としては、中継局102の数が多い程、提供可能なサービスの質が向上することになり、好ましい。つまり、より有用なシステムをより低コストに実現することができる。
なお、上述したように中継局102の設置場所は任意であり、例えば、自動車、バイク、自転車等の移動可能な物体(移動体とも称する)に設置するようにしてもよい。つまり、中継局102の位置が可変であってもよい。
以下においては、中継局102を位置監視対象者の自宅(家屋)に設置する場合を例に説明する。一般的に、中継局102を屋内等の家屋の低い位置に設置すると、地上高が低いことや障害物等により、送信機101からの無線信号を受信する性能が低減する可能性がある。上述したように、中継局102の通信可能範囲は広い程好ましいので、中継局102は、その通信可能範囲をより広くするために、例えば屋根上等の、できるだけ高所に設置するのが好ましい。
例えば、中継局102を屋根上に設置する場合、一般的に、近傍に家庭用電源のコンセント等が無いため、例えば近隣の電柱や屋内等から電源ケーブル等を敷設して中継局102に電源を供給させなければならない。このように新たに電源ケーブルを敷設するためには工事等の煩雑な作業が必要になる。そのため、敷設する電源ケーブル等による設備費用が増大だけでなく、工事費用も増大する可能性があり、中継局102の設置のコストが大幅に増大する可能性があった。
そこで、図3に示される例のように、既存の(敷設済みの)アンテナケーブルを利用して中継局102の電源を確保するようにする。
図3の例の場合、中継局102は、位置監視対象者の自宅(家屋)である建物130の屋根上に設置されている。この建物130は、戸建であってもよいし、店舗やオフィス等が入居するビルディングであってもよいし、アパートやマンション等の集合住宅であってもよい。
この建物130の屋根上には、地上波アンテナ141、衛星アンテナ142、混合器143、アンテナケーブル144乃至アンテナケーブル146、電源ケーブル148、および中継局102が設置されている。これらの屋根上に設置される設備をまとめて屋根上設備131とも称する。また、建物130の屋内には、TV受像機147が設置されている。
地上波アンテナ141は、地上波TVデジタル放送の放送信号を受信するためのアンテナである。地上波アンテナ141において受信された放送信号は、アンテナケーブル144を介して混合器143に供給される。
衛星アンテナ142は、例えばBS(Broadcasting Satellite)放送やCS(Communications Satellite)放送等の衛星放送の放送信号を受信するためのアンテナである。衛星アンテナ142において受信された放送信号は、アンテナケーブル145を介して混合器143に供給される。なお、衛星アンテナ142は、アンテナケーブル145を介して混合器143から供給される電力を用いて駆動する。
混合器143は、アンテナケーブル144を介して供給される地上波TVデジタル放送の放送信号と、アンテナケーブル145を介して供給される衛星放送の放送信号とを混合し、その混合信号(RF)を、アンテナケーブル146を介して屋内のTV受像機147に供給する。また、混合器143は、アンテナケーブル146を介して屋内(例えばTV受像機147)から供給される電力を、アンテナケーブル145を介して衛星アンテナ142に供給したり、電源ケーブル148を介して中継局102に供給したりする。
アンテナケーブル144は、地上波アンテナ141および混合器143に接続され、地上波アンテナ141において受信された放送信号を混合器143に伝送するケーブルである。
アンテナケーブル145は、衛星アンテナ142および混合器143に接続され、衛星アンテナ142において受信された放送信号を混合器143に伝送するケーブルである。また、アンテナケーブル145は、混合器143から供給される電力を、その放送信号に重畳して、衛星アンテナ142に伝送する。
アンテナケーブル146は、混合器143およびTV受像機147に接続され、地上波アンテナ141において受信された放送信号と、衛星アンテナ142において受信された放送信号との混合信号を混合器143からTV受像機147に伝送するケーブルである。また、アンテナケーブル146は、TV受像機147から供給される電力を、その混合信号に重畳して、混合器143に伝送する。
TV受像機147は、例えば建物130の屋内に設置され、屋根上から伝送される放送信号を利用する設備である。TV受像機147は、例えば、アンテナケーブル146を介して屋根上設備131(混合器143)から伝送される放送信号を復調する等して、その放送信号に含まれる放送番組等の画像を表示したり音声を出力したりする。また、TV受像機147は、建物130の屋内に設置されるコンセント等から供給される家庭用電源により駆動し、さらに、その電力の一部を、アンテナケーブル146を介して屋根上設備131(混合器143)に伝送させる。なお、建物130の屋内に設置する設備は、屋根上から伝送される放送信号を利用するものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、TV受像機147の代わりに、セットトップボックス、ハードディスクレコーダ、TV放送チューナ付きのルータやコンピュータ等を屋内に設置するようにしてもよい。また、この建物130の屋内に設置される装置の数は任意であり、複数であってもよい。
アンテナケーブル144乃至アンテナケーブル146は、例えば、同軸ケーブルにより実現される。もちろん、アンテナケーブル144乃至アンテナケーブル146が同軸ケーブル以外のケーブルであってもよい。
電源ケーブル148は、混合器143および中継局102(電源制御装置151)に接続され、混合器143から供給される電力を中継局102(電源制御装置151)に伝送する。電源ケーブル148は、例えば、同軸ケーブルにより実現される。もちろん、電源ケーブル148が同軸ケーブル以外のケーブルであってもよい。
中継局102は、送信機101から送信される無線信号を受信し、その無線信号に含まれる所定の情報を取得し、その情報をネットワーク103を介してサーバ104に供給する装置である。図3に示されるように、中継局102は、電源制御装置151、高感度受信機152、メモリ153、およびLTE(Long Term Evolution)モデム154を有する。
高感度受信機152は、アンテナ152Aを用いて、送信機101から送信される無線信号を高感度に受信する。高感度受信機152は、その無線信号に含まれる情報(例えば、送信機101の位置情報やID等)を取得し、取得したその情報をメモリ153に供給して記憶させる。また、高感度受信機152は、アンテナ152Bを用いて、GNSS衛星161から送信されるGNSS信号を受信することもできる。高感度受信機152は、受信したGNSS信号から自身の位置情報を求め、その位置情報をメモリ153に供給して記憶させる。高感度受信機152は、電源制御装置151から供給される電力により駆動する。
メモリ153は、例えば、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の半導体メモリや、ハードディスク等の磁気記録媒体等の、書き込み(書き換え)可能な任意の記録媒体(記憶媒体)を有する。メモリ153は、その記録媒体(記憶媒体)により、高感度受信機152から供給される情報を記憶する。また、メモリ153は、LTEモデム154からの要求に応じて、自身が記憶している情報を読み出してLTEモデム154に供給する。メモリ153は、電源制御装置151から供給される電力により駆動する。
LTEモデム154は、メモリ153に記憶されている情報を読み出し、その情報を、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する。LTEモデム154は、LTEと称する通信規格に準拠した無線通信により図示せぬ基地局と接続し、その基地局を介してネットワーク103に接続する。LTEは、3GPP(Third Generation Partnership Project)により仕様が標準化された、携帯電話機等のモバイル端末向けの通信規格である。つまり、中継局102は、LTEモデム154によって一般の(汎用の)通信網であるネットワーク103に接続する。これにより中継局102は、送信機101から得た情報を、そのネットワーク103を介して、サーバ104に供給することができる(つまり、情報を中継することができる)。LTEモデム154は、電源制御装置151から供給される電力により駆動する。
電源制御装置151は、TV受像機147、アンテナケーブル146、混合器143、および電源ケーブル148を介して供給される電力を、高感度受信機152、メモリ153、およびLTEモデム154に供給する。電源制御装置151は、それらの内、少なくともいずれか1つへの電力供給を制御する。例えば、電源制御装置151は、高感度受信機152とLTEモデム154への電力の供給を制御する。
例えば、電源制御装置151は、高感度受信機152に対して電力の供給を開始することにより、高感度受信機152を駆動させて、上述したような動作を実行させる。また、例えば、高感度受信機152から所望の処理が終了した旨の通知を受けると、電源制御装置151は、電力の供給を終了して、高感度受信機152の駆動を終了させる。
さらに、例えば、電源制御装置151は、LTEモデム154に対して電力の供給を開始することにより、LTEモデム154を駆動させて、上述したような動作を実行させる。また、例えば、LTEモデム154から所望の処理が終了した旨の通知を受けると、電源制御装置151は、電力の供給を終了して、LTEモデム154の駆動を終了させる。
このように、電源制御装置151が、高感度受信機152やLTEモデム154への電力供給を、それらを駆動させる場合のみに制限することにより、電源制御装置151は、高感度受信機152やLTEモデム154(すなわち、中継局102)の消費電力の増大を抑制することができる。
<既存設備利用による設置の容易化>
図3に示される屋根上設備131の構成の内、地上波アンテナ141、衛星アンテナ142、並びに、アンテナケーブル144乃至アンテナケーブル146は、既存(設置済み)の設備である。つまり、中継局102は、混合器143および電源ケーブル148を介して、既存の設備に接続され、その既存の設備を利用して屋内から電力の供給を受けている。つまり、この場合、混合器143および電源ケーブル148を設置するのみで、中継局102の電源を確保することができる。したがって、屋根上の中継局102に対して専用の電源ケーブルを屋内等から敷設する場合よりも、より容易に設置する(設備費用の増大を抑制し、工事の難易度や作業量の増大を抑制して工事費用の増大を抑制する)ことができる。つまり、中継局102の屋根上等の建物130の高所への設置をより容易化することができる。
<消費電力制御>
ただし、アンテナケーブル146(例えば同軸ケーブル)を介した電力の供給量は有限であり、一般的に、それ程大きな値では無い。例えば、電圧DC15(V)、電流0.5(A)程度である。そのため、高感度受信機152やLTEモデムの消費電力が増大すると、電力の供給が不足する可能性がある。
そこで、電源制御装置151が、高感度受信機152が駆動する際に電力を供給するように、高感度受信機152への電力の供給を制御する。また、電源制御装置151が、LTEモデム154が駆動する際に電力を供給するように、LTEモデム154への電力の供給を制御するようにしてもよい。また、電源制御装置151が、高感度受信機152およびLTEモデム154のそれぞれが駆動する際に電力を供給するように、高感度受信機152およびLTEモデム154のそれぞれへの電力の供給を制御するようにしてもよい。
送信機101は、常に無線信号を送信し続けるものではないので、高感度受信機152やLTEモデム154も、常に駆動している必要が無い場合も有り得る。例えば、送信機101が間欠的に無線信号を送信する場合、その送信タイミングを把握していれば、高感度受信機152は、その送信タイミングに応じた受信タイミング以外の期間において駆動する必要が無い場合も有り得る。そして、高感度受信機152が無線信号を受信するまで、LTEモデム154も駆動する必要が無い。また、例えば、夜間等に送信機101の使用が中断されるような場合、その期間に高感度受信機152やLTEモデム154も駆動させる必要が無い場合も有り得る。また、送信機101による無線信号の送信タイミングに関わらず、高感度受信機152やLTEモデム154を間欠的に駆動させるようにすることができる場合も有り得る。例えば、送信機101が送信する無線信号を全て受信しなくても良い場合(例えば、送信機101が同じ情報を繰り返し送信する場合や、一部の情報が欠落しても問題ない場合等)も有り得る。
したがって、このようにすることにより、中継局102は、高感度受信機152やLTEモデム154が駆動していない不要なタイミングにおける、それらへの電力の供給を抑制することにより、それらの消費電力の増大を抑制することができる。これにより、中継局102は、電力不足の発生を抑制し、より安定的な電力の供給を実現することができる。
例えば、上述したように、高感度受信機152乃至LTEモデム154に供給する電力が、地上波アンテナ141や衛星アンテナ142等のアンテナにおいて受信された放送信号を伝送する同軸ケーブルを介してその放送信号と重畳して供給され、抽出されるようにしてもよい。つまり、既存の設備(同軸ケーブル等のアンテナケーブル146)を介して電力が供給されるようにしてもよい。
このような場合であっても、電源制御装置151が上述したように高感度受信機152やLTEモデム154への電力の供給を制御することにより、中継局102は、電力不足の発生を抑制し、より安定的な電力の供給を実現することができる。つまり、中継局102の屋根上等の建物130の高所への設置をより容易化することができる。
<混合器>
図4は、混合器143の主な構成例を示す図である。図4に示されるように、混合器143は、4つの端子(端子171乃至端子174)を有する。端子171にはアンテナケーブル144が接続され、地上波アンテナ141において受信された地上波TV放送の放送信号(VHF(Very High Frequency)・UHF(Ultra High Frequency)信号)がその端子171から入力される。端子174にはアンテナケーブル145が接続され、衛星アンテナ142において受信されたBS放送やCS放送の放送信号(BS・CS信号)がその端子174から入力される。また、混合器143内で抽出されたTV受像機147から供給された電力が、混合器143内においてBS・CS信号に重畳され、その端子174から出力される。
端子172にはアンテナケーブル146が接続され、混合器143内で生成されたVHF・UHF信号とBS・CS信号との混合信号がその端子172から出力される。また、その混合信号に重畳されてTV受像機147から供給される電力が、その端子172から入力される。端子173には電源ケーブル148が接続され、混合器143内で抽出されたTV受像機147から供給された電力が、その端子173から出力される。
また、混合器143は、内部に、ローパスフィルタ(LPF(Low-Pass Filter))181、低ノイズ増幅部(LNA(Low-noise amplifier))182、ハイパスフィルタ(HPF(High-Pass Filter))183、混合部184、電源フィルタ(PF(Power Filter))185、および混合部186を有する。
LPF181は、所定の周波数よりも低周波側の帯域の信号を通過させるフィルタである。例えば図5において点線で示されるように、LPF181は、VHF帯(30MHz乃至300MHz)の内のTV放送信号(VHS信号)が送信される帯域(90MHz乃至222MHz)と、UHF帯(300MHz乃至3000MHz)の内のTV放送信号(UHF信号)が送信される帯域(470MHz乃至770MHz)とを含む低周波側の帯域の信号を通過させ、BS・CS信号が送信される帯域(950MHz乃至2150MHz)を含む高周波側の帯域の信号を除去する。LPF181は、端子171から入力される放送信号(VHF・UHF信号)に対して、上述したフィルタ処理を行い、不要な高周波成分を除去した信号をLNA182に供給する。
LNA182は、LPF181の出力信号(VHF・UHF信号)を増幅し、混合部184に供給する。
HPF183は、所定の周波数よりも高周波側の帯域の信号を通過させるフィルタである。例えば図5において点線で示されるように、HPF183は、BS・CS信号が送信される帯域(950MHz乃至2150MHz)を含む高周波側の帯域の信号を通過させ、VHF・UHF信号が送信される帯域(90MHz乃至222MHz、並びに、470MHz乃至770MHz)を含む低周波側の帯域の信号を除去する。HPF183は、端子174から入力される放送信号(BS・CS信号)に対して、上述したフィルタ処理を行い、不要な低周波成分を除去した信号(BS・CS信号)を混合部184に供給する。
混合部184は、LNA182から供給されるVHF・UHF信号と、HPF183から供給されるBS・CS信号とを混合し、混合信号を生成する。混合部184は、その混合信号を端子172を介してアンテナケーブル146に出力する。この混合信号には、TV受像機147により所定の電圧(DC成分)が印加される。つまり、混合信号に重畳して電力がTV受像機147から混合器143に供給される。
PF185は、この電力が重畳された混合信号に対してフィルタ処理を行い、その電力を抽出する。すなわち、PF185は、混合信号からDC成分を抽出する。PF185は、抽出した電力を混合部186に供給する。混合部186は、その電力をBS・CS信号に重畳して、端子174を介してアンテナケーブル145に出力する。すなわち、混合部186は、BS・CS信号に所定の電圧(DC成分)を印加する。これにより、電力が衛星アンテナ142に供給される。衛星アンテナ142は、その電力により駆動し、衛星放送の放送信号を受信する。
また、PF185は、抽出した電力を端子173を介して電源ケーブル148に出力する。これにより、電力が、中継局102(電源制御装置151)にも供給される。
<PF>
PF185の主な構成例を図6に示す。図6に示されるように、PF185は、インダクタ191乃至インダクタ193、並びに、キャパシタ194乃至キャパシタ196を有する。インダクタ191乃至インダクタ193は、互いに直列に接続される。インダクタ191は、一方が混合部184や端子172に接続され、他方がインダクタ192に接続される。インダクタ192は、一方がインダクタ191に接続され、他方がインダクタ193に接続される。インダクタ193は、一方がインダクタ192に接続され、他方が混合部186や端子173に接続される。
キャパシタ194は、一方がインダクタ191とインダクタ192との間に接続され、他方が接地される。キャパシタ195は、一方がインダクタ192とインダクタ193との間に接続され、他方が接地される。キャパシタ196は、一方がインダクタ193と混合部186(端子173)との間に接続され、他方が接地される。
PF185は、例えば、このようなLC回路によりフィルタ処理を行い、電力(DC成分)を抽出する。
<電源制御装置>
図7は、電源制御装置151の主な構成例を示す図である。図7に示されるように、電源制御装置151は、電源端子201乃至電源端子204を有する。電源端子201には、(電源ケーブル148を介して)混合器143が接続される。混合器143の端子173から出力された電力は、電源ケーブル148を介して電源端子201に入力される。また、電源端子202には、高感度受信機152が接続される。電源端子203には、LTEモデム154が接続される。電源端子204には、メモリ153が接続される。なお、図示は省略するが、電源制御装置151は、その他の任意の端子を有することができる。
電源制御装置151は、制御部211および接続部212を有する。制御部211は、接続部212の制御に関する処理を行う。電源端子201から入力された電力は、接続部212に供給される。接続部212は、その電力の供給先を電源端子202および電源端子203の中から選択する。
例えば、接続部212は、電源端子201から入力された電力を、電源端子202から出力させる(高感度受信機152に供給する)か、電源端子203から出力させる(LTEモデム154に供給する)か、どちらにも供給しないかを選択する。つまり、接続部212は、電源端子201を電源端子202に接続するか否か、並びに、電源端子201を電源端子203に接続するか否かを選択する。接続部212は、制御部211の制御に従ってこのような選択を行う。
制御部211は、例えば、高感度受信機152若しくはLTEモデム154を駆動させたいタイミングにおいて、接続部212を制御して、電源端子202若しくは電源端子203に対する電力供給を開始させる。電源端子202に供給された電力は、その電源端子202を介して高感度受信機152に供給される。高感度受信機152は、その電力を利用して駆動する。同様に、電源端子203に供給された電力は、その電源端子203を介してLTEモデム154に供給される。LTEモデム154は、その電力を利用して駆動する。
なお、この制御の実行タイミングは任意である。例えば、予め定められた所定のタイミングであってもよいし、所定の動作条件を満たす等の何らかのイベントに応じたタイミングであってもよいし、高感度受信機152やLTEモデム154等の外部からの通知に基づくタイミングであってもよい。
また、制御部211は、例えば、高感度受信機152若しくはLTEモデム154を駆動させたくないタイミングにおいて、接続部212を制御して、電源端子202若しくは電源端子203に対する電力供給を遮断させて終了させる。電源端子202への電力の供給が終了すると、高感度受信機152への電力の供給も終了するので、高感度受信機152の駆動が終了する。同様に、電源端子203への電力の供給が終了すると、LTEモデム154への電力の供給も終了するので、LTEモデム154の駆動が終了する。
なお、この制御の実行タイミングも任意である。例えば、予め定められた所定のタイミングであってもよいし、所定の動作条件を満たす等の何らかのイベントに応じたタイミングであってもよいし、高感度受信機152やLTEモデム154等の外部からの通知に基づくタイミングであってもよい。
また、接続部212が、電力を電源端子202および電源端子203の両方に供給することができるようにしてもよい。ただし、いずれか一方(電源端子202若しくは電源端子203)にしか電力を供給することができないようにすることにより、高感度受信機152とLTEモデム154とが同時に駆動しないようにすることができ、消費電力のピーク(最大値)を抑制することができる。したがって、中継局102は、電力不足の発生を抑制し、より安定的な電力の供給を実現することができる。
なお、接続部212に供給される電力は、接続部212の駆動にも利用される。また、電源端子201から入力された電力は、制御部211にも供給され、制御部211の駆動にも利用される。また、電源端子201から入力された電力は、電源端子204にも供給され、その電源端子204を介してメモリ153に供給される。メモリ153は、この電力を利用して駆動する。
なお、このメモリ153への電力供給は、図7の例のように、常時行われるようにしてもよいし、高感度受信機152やLTEモデム154に対する場合と同様に、電源制御装置151(制御部211および接続部212)により制御されるようにしてもよい。
<接続部>
接続部212の構成は任意である。例えば、図8のAに示されるように、接続部212が、1入力3出力のスイッチ220により構成されるようにしてもよい。このスイッチ220は、入力側の端子として端子221を有し、出力側の端子として、端子222乃至端子224を有する。端子221は、電源端子201に接続される。端子222は、電源端子202に接続される。端子223は、電源端子203に接続される。端子224は、いずれの電源端子にも接続されていない(開放されている)。
スイッチ220は、制御線225を介した制御部211の制御に従って、端子221を、端子222乃至端子224のいずれかに接続する。すなわち、スイッチ220は、制御部211の制御に従って、電源端子201を介して入力される電力の供給先を選択する。例えば、端子221が端子222に接続される場合、電源端子201を介して入力される電力の供給先は、電源端子202(高感度受信機152)となる。また、例えば、端子221が端子223に接続される場合、電源端子201を介して入力される電力の供給先は、電源端子203(LTEモデム154)となる。なお、例えば、端子221が端子224に接続される場合、電源端子201を介して入力される電力は、いずれの電源端子(いずれの装置)にも供給されない。
また、例えば、図8のAに示されるように、接続部212が、出力側の電源端子毎の1入力1出力のスイッチ(スイッチ230およびスイッチ240)により構成されるようにしてもよい。この場合、スイッチ230は、入力側の端子として端子231を有し、出力側の端子として、端子232を有する。端子231は、電源端子201に接続され、端子232は、電源端子202に接続される。スイッチ230は、制御線233を介した制御部211の制御に従って、端子231と端子232との間を接続したり、切断したりする。すなわち、スイッチ230は、制御部211の制御に従って、電源端子201を介して入力される電力を、高感度受信機152に供給するか否かを選択する。
また、スイッチ240は、入力側の端子として端子241を有し、出力側の端子として、端子242を有する。端子241は、電源端子201に接続され、端子242は、電源端子203に接続される。スイッチ240は、制御線243を介した制御部211の制御に従って、端子241と端子242との間を接続したり、切断したりする。すなわち、スイッチ240は、制御部211の制御に従って、電源端子201を介して入力される電力を、LTEモデム154に供給するか否かを選択する。
例えば、スイッチ230により端子231と端子232との間が接続され、スイッチ240により端子241と端子242との間が切断される場合、電源端子201を介して入力される電力の供給先は、電源端子202(高感度受信機152)となる。また、例えば、スイッチ230により端子231と端子232との間が切断され、スイッチ240により端子241と端子242との間が接続される場合、電源端子201を介して入力される電力の供給先は、電源端子203(LTEモデム154)となる。また、例えば、スイッチ230により端子231と端子232との間が切断され、スイッチ240により端子241と端子242との間が切断される場合、電源端子201を介して入力される電力は、いずれの電源端子(いずれの装置)にも供給されない。
<送信機>
次に、送信機101と高感度受信機152との間で行われる無線信号の送受信について説明する。送信機101と高感度受信機152との間の無線信号の送受信は、925MHzを含む周波数帯(920MHz帯とも称する)を用いて行われる。
図9は、送信機101の主な構成例を示す図である。図9に示されるように、送信機101は、擬似乱数列生成部251、キャリア発振部252、乗算部253、バンドパスフィルタ(BPF)254、増幅部255、およびアンテナ256を有する。
送信される情報は、符号化されて擬似乱数列として送信される。擬似乱数列生成部251は、その擬似乱数列を生成する。擬似乱数列生成部251は、送信情報生成部261、CRC(Cyclic Redundancy Check)付加部262、同期信号発生部263、選択部264、フレームカウンタ265、レジスタ266、インタリーブ部267、Gold符号発生部268、および乗算部269を有する。
送信情報生成部261は、無線信号として送信する情報である送信情報TMを生成する。この送信情報TMは任意の情報である。例えば、送信情報生成部261が、GNSS衛星からGNSS信号を受信し、そのGNSS信号を用いて送信機101の現在位置を示す位置情報(例えば緯度経度等)を生成し、その位置情報を含む送信情報TMを生成するようにしてもよい。また、例えば、送信情報生成部261が、GNSS衛星から受信したGNSS信号(若しくはそのGNSS信号に含まれる時刻情報)を含む送信情報TMを生成するようにしてもよい。さらに、例えば、送信情報生成部261が、送信機101の識別情報(ID)を含む送信情報TMを生成するようにしてもよい。また、例えば、送信情報生成部261が他の装置(例えばセンサ等)から情報を取得し、その情報を含む送信情報TMを生成するようにしてもよい。送信機101は、送信情報TMを用いて送信信号TXを生成する。送信情報生成部261は、生成した送信情報TMをCRC付加部262に供給する。
CRC付加部262は、送信情報生成部261から供給される送信情報TMに、誤り検出用の巡回冗長検査符号(CRC)を付加する。この巡回冗長検査符号は、どのようなものであってもよく、そのデータ長も任意である。CRC付加部262は、巡回冗長検査符号が付加された送信信号TMを選択部264に供給する。同期信号発生部263は、所定の同期パタンを発生する。この同期パタンは、どのようなものであってもよく、そのデータ長も任意である。同期信号発生部263は、その同期パタンを選択部264に供給する。選択部264は、適宜入力を選択することにより、CRC付加部262から供給される巡回冗長検査符号が付加された送信情報TMに、同期信号発生部263から供給される同期パタンを付加する。つまり、選択部264は、無線信号として送信される所定の信号としての送信情報TMを生成する。選択部264は、その巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを、レジスタ266に供給し保持させる。
送信機101は、920MHz帯の無線電波を使って、送信信号TXを送信する。920MHz帯は、総務省により2011年7月から解禁された周波数帯であり、免許不要で誰でも使うことができる。但し、規定(ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD T-108)により、最大連続送信時間が4秒間に制限されている。さらに連続送信時間を短くして、例えば0.2秒にすれば、より多くのチャネルが割り当てられ、混信が少ない状態で送受信を行うことができる。
そこで、送信機101は、1回のデータ送信を、例えば、図10に示されるような所定時間のスーパーフレーム(Super Frame)の単位で行う。この所定時間の長さは任意である。例えば、30秒や5分等としてもよい。この所定時間内に、0.192秒のフレームが最大で100回繰り返される。すなわち、連続送信時間0.2秒を下回っているので、この送信に多くの送信チャネルを割り当てることができる。この結果、比較的空いているチャネルを選択して送信することが可能となり、より混信に強いシステムを構築することができる。
なお、フレーム間のギャップxは、少なくとも2ms以上の時間である。日本国内で920MHz帯を利用する場合、信号送信の前にその帯域において通信が行われているかを確認するキャリアセンスを行わなければならない。そして、帯域が空いている場合のみ、信号を送信することができる。したがって、いつでも920MHzを利用することができるわけではない。したがって、ギャップxは、キャリアセンスの結果(即ちチャネルの混み具合)により毎回異なる可能性がある。30秒間を平均すると、およそ0.3秒に1回の割合でフレームが送信されるように構成されている。この結果、スーパーフレームの所定時間内に100フレームが送信される。送信できるフレーム数は、チャネルの混雑度合いにより若干変動する。100回のフレームで送信される信号は、任意であるが、以下においては、全て同一であるものとして説明する。
このように、同一フレームを繰り返し送信するために、レジスタ266は、選択部264から供給される、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを保持する。そして、レジスタ266は、保持している巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを、所定回数繰り返し、インタリーブ部267に供給する。
その際、フレームカウンタ265は、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMの送信を繰り返した回数、すなわち、レジスタ266に保持される、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMが読み出された回数をカウントする。フレームカウンタ265は、このようなカウント値をレジスタ266に供給する。レジスタ266は、そのカウント値により供給回数を把握する。レジスタ266は、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMの読み出しを所定回数(例えば、100回)繰り返すと、その巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを破棄し、次に選択部264から供給される新たな巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMを取得し、保持する。
つまり、フレームカウンタ265は、スーパーフレーム内で送信されるフレームの最大数(図10の場合、100回)まで、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMが読み出された回数をカウントする(例えば、フレームカウンタ265は、カウント値0からカウントを開始し、カウント値が99になるまでカウントする)。そして、カウント値が最大値(例えば99)に達すると、カウント値が初期値(例えば0)にリセットされる。
図11は、送信パケットのフレーム構成(Frame format)の例を示す模式図である。図11の上から1段目に示されるように、送信パケットは、2オクテットのプリアンブル(Preamble)、1オクテットのSFD(start-of-frame delimiter)、そして16オクテットのPSDU(PHY Service Data Unit)から構成される。ここでプリアンブルとSFDは固定のデータである。その値は任意である。プリアンブルは、例えば、「0011111101011001」というビット列としてもよい。またSFDは、例えば「00011100」というビット列としてもよい。
図11の上から2段目に示されるように、16オクテットのPSDUは、フレームコントロール(FC)、シーケンス番号(SN)、送受信機アドレス(ADR)、ペイロード(PAYLOAD)、およびフレームチェックシーケンス(FCS)により構成されている。
フレームコントロール(FC)は2オクテットのデジタル情報であり、フレームコントロールに続く情報の構成やビット数などを表す情報である。フレームコントロールは、任意の固定のビット列であり、例えば「0010000000100110」というビット列としてもよい。シーケンス番号(SN)は1オクテットのデジタル情報であり、新しいデータが伝送される度にカウントアップされる。このシーケンス番号をチェックすることにより、受信機側では新しいデータであるか否かを判断することができる。送受信機アドレス(ADR)は、4オクテットの情報であり、送信機101を識別する送信機アドレス番号(送信機ID)を含む。ペイロード(PAYLOAD)は、4オクテットのデジタル情報であり、送信情報TMがそのままセットされる。つまり、ペイロード(PAYLOAD)は、送信情報生成部261により生成される。フレームチェックシーケンス(FCS)は、2オクテットの巡回冗長検査符号であり、通信データに誤りが発生したか否かをチェックするための情報である。このフレームチェックシーケンス(FCS)は、CRC付加部22により付加される。
ここで、プリアンブル(Preamble)乃至送受信機アドレス(ADR)までの情報は、同期パタン(SYNC)として、同期信号発生部263により生成される。この13オクテットの同期パタン(SYNC)は、選択部264により付加される。
レジスタ266には、このような構成の送信パケットが、巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMとして保持される。
インタリーブ部267は、この巡回冗長検査符号と同期パタンが付加された送信情報TMの同期パタンを分解し、図11の上から4段目に示されるように、その他の部分(UND)の間に分散させる。この分散は、同期パタンが、ほぼ均等にばらまかれるように行われる。
図11の例の場合、上から3段目に示されるように、同期パタン(SYNC)が13オクテットの情報であり、UNDが6オクテットの情報である。インタリーブ部267は、13オクテットの同期パタン(SYNC)を1オクテットずつ分解し、SYNC0乃至SYNC12とし、6オクテットのUNDを1オクテットずつ分解し、UND0乃至UND5とし、これらを図11の上から4段目に示されるような順(次のような順)に並び替えている。
SYNC0,SYNC1,UND0、SYNC2、SYNC3,UND1,・・・,UND5,SYNC12
このように高感度受信機152にとって既知の同期パタンを、フレーム全体にばらまいて(分散させて)送信することにより、高感度受信機152において、送信キャリアの周波数と初期位相推定を、短いフレーム毎により正確に行うことができるようになる。この結果、短い連続送信時間であっても、高感度受信機152がより高感度に受信することができるようになる。
図11の上から5段目にその並び替えられた送信情報QDの例を示す。インタリーブ部267は、以上のように並び替えられた送信情報QDを、乗算部269に供給する。Gold符号発生部268は、送信情報QDに付加する疑似乱数列を発生する。この擬似乱数列は、どのようなものであってもよく、そのデータ長も任意である。例えば、Gold符号発生部268が、擬似乱数列として、長さ256ビットの所定のパタンのビット列を生成するようにしてもよい。例えば、Gold符号発生部268が、2つのM系列 (Maximum Sequence)発生器で構成されるようにしてもよい。Gold符号発生部268は、発生した疑似乱数列を乗算部269に供給する。乗算部269は、インタリーブ部267から供給される送信情報QDと、Gold符号発生部268から供給される擬似乱数列とを乗算することにより擬似乱数列PNを生成する。
つまり、乗算部269は、送信情報QDの各ビットに対して擬似乱数列を割り当て、各送信パケットから、例えば38400ビット(152bit x 256chips)の擬似乱数列PNを生成する。その際、送信情報QDの、値が「0」のビット(QD=0)に対して割り当てられる擬似乱数列と、値が「1」のビット(QD=1)に対して割り当てられる擬似乱数列とは、各ビットの値が互いに反転している。つまり、例えば、乗算部269は、送信情報QDの値が「0」のビット(QD=0)に対して擬似乱数列を割り当て、送信情報QDの値が「1」のビット(QD=1)に対して各ビットの値を反転させた擬似乱数列を割り当てる。例えば、乗算部269は、図11の最下段に示されるように、送信情報QDの、値が「1」のビット(QD=1)に対して擬似乱数列「1101000110100......1001」を割り当て、値が「0」のビット(QD=0)に対して擬似乱数列「0010111001011......0110」を割り当てる。
この擬似乱数列PNにおいて、拡散係数は256であり、チップ間隔Δは5μsである。乗算部269は、以上のように生成した擬似乱数列PNを乗算部253に供給する。
キャリア発振部252は、所定の周波数(キャリア周波数)で発振し、無線信号の伝送に用いるキャリア信号を生成する。例えば、キャリア発振部252は、送信信号を920MHz帯で送信するように、925MHzで発信する。キャリア発振部252は、生成したキャリア信号を乗算部253に供給する。乗算部253は、乗算部269から供給される擬似乱数列PNに応じて、キャリア発振部252から供給されるキャリア信号の極性を変調する。例えば、乗算部253は、BPSK変調を行う。例えば、擬似乱数列PNが「1」の場合、キャリアの位相がπとなるように変調され、擬似乱数列PNが「0」の場合、キャリアの位相が-π(極性反転)となるように変調される。乗算部253は、その変調結果を変調信号CMとしてバンドパスフィルタ(BPF)254に供給する。BPF254は、乗算部253から供給される変調信号CMの帯域をキャリア周波数の帯域に制限する。BPF254は、このように帯域制限された変調信号CMを送信信号TXとして増幅部255に供給する。増幅部255は、所定の送信タイミングにおいて、BPF254から供給された送信信号TXを増幅し、増幅した送信信号TXを、無線信号として、アンテナ256を介して送信する。
<高感度受信機>
図12は、このような送信機101から送信された無線信号を受信する高感度受信機152の主な構成例を示す図である。
図12に示されるように、高感度受信機152は、信号受信部301と受信情報処理部302とを有する。また、信号受信部301と受信情報処理部302とは、バス303を介して互いに接続されている。
信号受信部301は、送信機101から送信された信号を受信する。信号受信部301は、アンテナ152Aの他に、SAW(Surface Acoustic Wave(弾性表面波))フィルタ311、LNA312、発振部313、分周部314、IQジェネレータ315、乗算部316、LPF317、AAF(Anti-Aliasing Filter)318、ADC(Analog Digital Converter)319、乗算部320、LPF321、AAF322、およびADC323を有する。
SAWフィルタ311は、物質の表面を伝搬する弾性表面波の特性を応用し、圧電体の薄膜若しくは基板上に形成された規則性のあるくし型電極(IDT(Interdigital Transducer))により、特定の周波数帯域の電気信号を取り出すフィルタである。そのくし型電極の構造周期と圧電体や電極の物性により、中心周波数や帯域を決めることができる。SAWフィルタ311は、アンテナ152Aにより受信された無線信号である受信信号から所望の周波数帯の信号成分を抽出する。SAWフィルタ311は、その抽出した信号成分(すなわち、受信信号)をLNA312に供給する。LNA312は、供給された受信信号を増幅し、乗算部316および乗算部320に供給する。
発振部313は、所定の周波数で発信し、その周波数の信号を分周部314に供給する。分周部314は、発振部313から供給される信号を分周することにより、キャリア周波数の信号を生成する。例えば、例えば920MHz帯で送られた信号を受信する場合、発振部313および分周部314は、周波数925MHzの信号を生成する。分周部314は、その信号をIQジェネレータ315に供給する。IQジェネレータ315は、分周部314から供給される信号を用いて、IとQのそれぞれに対するキャリア信号を生成する。すなわち、IQジェネレータ315は、信号の位相を制御し、互いに90度位相がずれた2つのキャリア信号を生成する。IQジェネレータ315は、生成したI用のキャリア信号を乗算部316に供給し、Q用のキャリア信号を乗算部320に供給する。
乗算部316は、LNA312から供給される受信信号と、IQジェネレータ315から供給されるキャリア信号とを乗算し、ベースバンドのInPhase信号(I信号)を生成する。乗算部316は、そのI信号をLPF317に供給する。LPF317は、供給されたI信号に対して、所定の周波数よりも低周波成分を通過させ、その所定の周波数よりも高周波成分を除去するフィルタ処理を行う。LPF317は、そのフィルタ処理結果のI信号をAAF318に供給する。AAF318は、供給されたI信号に対して、エイリアシング(折り返し誤差)を抑制するようにフィルタ処理を行う。例えば、AAF318は、供給されたI信号に対して、所定の周波数よりも低周波成分を通過させるようにローパスフィルタ処理を行う。AAF318は、そのフィルタ処理結果のI信号をADC319に供給する。ADC319は、供給されたI信号をA/D変換し、アナログ信号からデジタル信号に変換する。ADC319は、デジタル信号のI信号を、バス303を介して受信情報処理部302(例えば、復調部333等)に供給する。
乗算部320は、LNA312から供給される受信信号と、IQジェネレータ315から供給されるキャリア信号とを乗算し、ベースバンドのQuadrature信号(Q信号)を生成する。乗算部320は、そのQ信号をLPF321に供給する。LPF321は、供給されたQ信号に対して、所定の周波数よりも低周波成分を通過させ、その所定の周波数よりも高周波成分を除去するフィルタ処理を行う。LPF321は、そのフィルタ処理結果のQ信号をAAF322に供給する。AAF322は、供給されたQ信号に対して、エイリアシングを抑制するようにフィルタ処理を行う。例えば、AAF322は、供給されたQ信号に対して、所定の周波数よりも低周波成分を通過させるようにローパスフィルタ処理を行う。AAF322は、そのフィルタ処理結果のQ信号をADC323に供給する。ADC323は、供給されたQ信号をA/D変換し、アナログ信号からデジタル信号に変換する。ADC323は、デジタル信号のQ信号を、バス303を介して受信情報処理部302(例えば、復調部333等)に供給する。
受信情報処理部302は、送信機101から送信された情報(受信情報)に対する情報処理に関する処理を行う。受信情報処理部302は、バス330、制御部331、メモリ332、復調部333、GNSS信号受信部334、情報処理部335、通信部336、および電源部337を有する。
制御部331乃至電源部337の各処理部は、バス330を介して互いに接続されており、情報の授受を行うことができる。また、このバス330には、バス303も接続されており、制御部331乃至電源部337の各処理部は、例えば、発振部313、ADC319、およびADC323等の信号受信部301の処理部とも情報の授受を行うことができる。
制御部331は、メモリ332乃至電源部337の各処理部を制御し、受信情報に対する情報処理のための制御に関する処理を行う。メモリ332は、例えば、RAM、SSD、フラッシュメモリ等の半導体メモリや、ハードディスク等の磁気記録媒体等の、書き込み(書き換え)可能な任意の記録媒体(記憶媒体)を有する。メモリ332は、その記録媒体(記憶媒体)により、例えば、制御部331、並びに、復調部333乃至電源部337のいずれかから供給される各種情報を記憶する。また、メモリ332は、自身が記憶している情報を、例えば、制御部331、並びに、復調部333乃至電源部337等に供給することもできる。また、メモリ332は、信号受信部301からバス303を介して供給される情報を記憶することもできるし、記憶している情報を、バス303を介して信号受信部301に供給することもできる。
復調部333は、例えば制御部331の制御に基づいて、信号受信部301において受信される受信信号のI信号のデジタルデータやQ信号のデジタルデータの復調に関する処理を行う。
GNSS信号受信部334は、例えば制御部331の制御に基づいて、アンテナ152Bを用いてGNSS衛星161から送信されるGNSS信号の受信に関する処理を行う。例えば、GNSS信号受信部334が、その受信したGNSS信号を用いて、高感度受信機152(中継局102)の位置情報を生成するようにしてもよい。
情報処理部335は、例えば制御部331の制御に基づいて、復調部333において復調されて得られた情報(受信情報)に対する情報処理に関する処理を行う。この情報処理の内容は任意である。
通信部336は、例えば制御部331の制御に基づいて、他の装置との通信に関する処理を行う。例えば、通信部336は、情報処理部335等において処理されて得られた送信機101の位置情報等の受信情報を、メモリ153に供給して記憶させることができる。また、例えば、通信部336は、GNSS信号受信部334において生成された高感度受信機152の位置情報(若しくはGNSS信号や時刻情報等)を、メモリ153に供給して記憶させることができる。例えば、通信部336は、受信情報と高感度受信機152の位置情報とを関連付けてメモリ153に供給して記憶させることができる。また、例えば、通信部336は、電源制御装置151に対して通知を行うこともできる。もちろん、通信部336が行う通信の内容および通信相手は任意であり、上述した例以外の通信を行うことができるようにしてもよい。
電源部337は、例えば制御部331の制御に基づいて、電源制御装置151から供給される電力に関する処理を行う。例えば、電源部337は、電源制御装置151から供給される電力を各処理部に適宜供給し、駆動させる。例えば、電源部337は、駆動させる処理部にのみ電力を供給することができる。これにより、高感度受信機152の消費電力の増大を抑制することができる。
信号受信部301が送信機101から送信された無線信号を受信することにより、その無線信号は、例えば、図13に示されるような波形として検出される。復調部333は、このような波形からピーク位置等に基づいて、フレームデータを抽出し、周波数や初期位相等の補正を行う。図14の上段は、フレーム中での位相変化の例を示している。図14においては、フレーム5(Frame5)乃至フレーム8(Frame8)を抽出して表示しているが、それぞれ微妙に位相と周波数が変化している。復調部333は、このように揺らいでいる位相に対して、図14の下段に示されるように、位相変化を最もよく近似する直線を求め、相関値β2(n)を求める。図14の下段において、それぞれの直線の傾きがγ(n)に相当し、初期位相がθ(n)に相当している。また相関値β2(n)は、位相揺らぎと近似直線との相関に応じて変化している。復調部333は、このような相関値β2(n)を重み係数として用いてフレームデータの加算を行う。
以上のようにして復号した結果のコンスタレーションを図15に示す。図15に示されるように、BPSK変調として、2つの点が分離されていることから、この場合、正しくデータが復号されている。復調部333は、これをBPSK復調して受信情報を得る。
以上に説明したように、送信機101は、最大連続送信時間短く設定することができ、例えば920MHz帯で0.2秒と設定することにより、沢山の周波数チャネルから選択して送信することができるので、混信に対してより強い送受信システムを構築することができる。また、短い時間のフレームを多数積算することにより、電波法に定められた最大送信時間の制限を超えずに、実効的なSNRを向上させることができる。このとき、同期信号がフレーム全体に分散されているので、フレーム中に位相揺らぎがあった場合においても、より適切に位相と周波数の補正を行うことができる。これらの結果、例えば、ノイズに埋もれてしまい従来の方法では復号することが困難な程微弱な受信信号であっても、高感度受信機152は、より正確に受信情報を得ることができる。つまり、送信機101が送信した無線信号をより高感度に受信することができ、送信機101との通信可能範囲をより広くすることができる。
<LTEモデム>
中継局102は、図9乃至図15を参照して説明したような無線信号の送受信により、送信機101から高感度受信機152に伝送された情報(受信情報)を、LTEモデム154を用いてサーバ104に供給する。図16は、LTEモデム154の主な構成例を示すブロック図である。
図16に示されるように、LTEモデム154は、制御部351、メモリ352、通信部353、電源部354、およびLTE通信部355を有する。制御部351乃至LTE通信部355の各処理部は、バス350を介して互いに接続されている。すなわち、各処理部間で情報を授受したり、制御し合ったりすることができる。
制御部351は、LTEモデム154の各処理部の制御に関する処理を行う。メモリ352は、例えば、RAM、SSD、フラッシュメモリ等の半導体メモリや、ハードディスク等の磁気記録媒体等の、書き込み(書き換え)可能な任意の記録媒体(記憶媒体)を有する。メモリ352は、その記録媒体(記憶媒体)により、例えば、制御部351、並びに、通信部353乃至LTE通信部355のいずれかから供給される各種情報を記憶する。また、メモリ352は、自身が記憶している情報を、例えば、制御部351、並びに、通信部353乃至LTE通信部355等に供給することもできる。例えば、メモリ352は、通信部353により取得された、メモリ153から読み出された情報(例えば、送信機101の位置情報やID、または、高感度受信機152の位置情報やID等)を記憶することができる。
通信部353は、例えば制御部351の制御に基づいて、他の装置との通信に関する処理を行う。例えば、通信部353は、メモリ153から情報を読み出すことができる。また、例えば、通信部353は、電源制御装置151に通知を行うこともできる。もちろん、通信部353が行う通信の内容および通信相手は任意であり、上述した例以外の通信を行うことができるようにしてもよい。
電源部354は、例えば制御部351の制御に基づいて、電源制御装置151から供給される電力に関する処理を行う。例えば、電源部354は、電源制御装置151から供給される電力を各処理部に適宜供給し、駆動させる。例えば、電源部354は、駆動させる処理部にのみ電力を供給することができる。これにより、LTEモデム154の消費電力の増大を抑制することができる。
LTE通信部355は、例えば制御部351の制御に基づいて、LTE通信の基地局等と通信を行い、ネットワーク103に接続し、そのネットワーク103を介してサーバ104と通信を行う。例えば、LTE通信部355は、メモリ352に記憶されている情報(例えば、送信機101の位置情報やID、または、高感度受信機152の位置情報やID等)を読み出し、サーバ104に供給することができる。また、LTE通信部355は、例えば、サーバ104から命令やデータ等、任意の情報を取得することもできる。
<制御処理の流れ>
以上のような構成の位置通知システム100の中継局102において実行される制御処理の流れの例を、図17および図18のフローチャートを参照して説明する。中継局102は、図17および図18のフローチャートに示されるように制御処理を行うことにより、電源制御装置151を用いて、高感度受信機152およびLTEモデム154に対する電力供給の制御を行う。
例えば、電源制御装置151は、図17に示されるフローチャートのように、高感度受信機152を駆動させる場合(高感度受信機152に無線信号を受信させる場合)のみ、高感度受信機152に対して電力を供給する。
すなわち、高感度受信機152に送信機101からの無線信号を受信させる場合、電源制御装置151の制御部211は、図17のステップS101において、接続部212を制御して高感度受信機152への電力の供給を開始させ、高感度受信機152の電源をオン(ON)にする。電力の供給が開始されると、高感度受信機152の電源部337は、ステップS111において、その電力を駆動させる処理部に対して供給し、それらの駆動を開始させる。
そして、ステップS112において、高感度受信機152の信号受信部301は、送信機101から送信される無線信号を受信する。無線信号を受信すると、高感度受信機152の復調部333や情報処理部335は、ステップS113において、受信した信号を復調したり、信号処理したりして、送信機101の位置情報やID等の情報を信号から抽出し、取得する。復調部333や情報処理部335は、取得したその情報を、例えば、メモリ332に記憶させる。ステップS114において、高感度受信機152の通信部336は、そのメモリ332に記憶されている情報(受信情報)を読み出してメモリ153に供給し、記憶させる。ステップS121において、メモリ153は、供給された受信情報を記憶する。ステップS114の処理が終了すると、通信部336は、ステップS115において、受信情報をメモリ153に格納した旨を、電源制御装置151に通知する。
ステップS102において、電源制御装置151の制御部211は、その通知を取得する。通知を取得すると、電源制御装置151の制御部211は、ステップS103において、接続部212を制御して高感度受信機152への電力の供給を終了させ、高感度受信機152の電源をオフ(OFF)にする。電力の供給が終了すると、高感度受信機152の電源部337は、ステップS116において、各処理部への電力の供給も終了し、それらの駆動も終了させる。
また、LTEモデム154に、送信機101から得た情報をサーバ104に供給させる場合、電源制御装置151の制御部211は、ステップS141において、接続部212を制御してLTEモデム154への電力の供給を開始させ、LTEモデム154の電源をオン(ON)にする。電力の供給が開始されると、LTEモデム154の電源部354は、ステップS171において、その電力を駆動させる処理部に対して供給し、それらの駆動を開始させる。
そして、ステップS172において、LTEモデム154の通信部353は、メモリ153から、所望の情報(送信機101の位置情報等)を読み出す。メモリ153は、ステップS161において、要求されたその情報をLTEモデム154に供給する。情報を取得すると、LTEモデム154のLTE通信部355は、ステップS173において、その情報を、サーバ104に供給する。
ステップS173の処理が終了すると、通信部353は、ステップS174において、情報をサーバ104に送信した旨を、電源制御装置151に通知する。
ステップS142において、電源制御装置151の制御部211は、その通知を取得する。通知を取得すると、電源制御装置151の制御部211は、ステップS143において、接続部212を制御してLTEモデム154への電力の供給を終了させ、LTEモデム154の電源をオフ(OFF)にする。電力の供給が終了すると、LTEモデム154の電源部354は、ステップS175において、各処理部への電力の供給も終了し、それらの駆動も終了させる。
以上のように制御処理が行われることにより、中継局102は、高感度受信機152やLTEモデム154に対する不要な電力の供給を抑制し、それらの消費電力の増大を抑制することができる。また、高感度受信機152とLTEモデム154とを互いに異なるタイミングにおいて駆動させることができ、消費電力のピーク(最大値)の増大を抑制することができる。
<電源供給制御処理の流れ>
この場合の電源制御装置151が実行する電源供給制御処理の流れの例を、図19のフローチャートを参照して説明する。
電源制御装置151の制御部211は、送信機101から送信される情報を中継局102に中継させる場合、この電源供給制御処理を実行する。
電源供給制御処理が開始されると、制御部211は、ステップS181において、接続部212を制御して高感度受信機152への電力の供給を開始させることにより、高感度受信機152の電源をオン(ON)にし、高感度受信機152に無線信号の受信を開始させる。この処理は、図17のステップS101に対応する。
ステップS182において、制御部211は、高感度受信機152において送信機101から送信された無線信号が受信され、その無線信号の復調が完了し、送信機101の情報(位置情報等)がメモリ153に書き込まれたか否かを判定し、書き込まれたと判定するまで待機する。つまり、制御部211は、高感度受信機152からその旨の通知を受けるまで待機する。高感度受信機152からその旨の通知を受けたと判定すると(図17のステップS102の処理が行われると)、制御部211は、処理をステップS183に進める。
ステップS183において、制御部211は、接続部212を制御して高感度受信機152への電力の供給を終了させることにより、高感度受信機152の電源をオフ(OFF)にし、高感度受信機152の駆動を終了させる。この処理は、図17のステップS103に対応する。
ステップS184において、制御部211は、接続部212を制御してLTEモデム154への電力の供給を開始させることにより、LTEモデム154の電源をオン(ON)にし、LTEモデム154に、メモリ153から送信機101の情報を読み出させ、さらにその情報をサーバ104に供給させる。この処理は、図18のステップS141に対応する。
ステップS185において、制御部211は、LTEモデム154がメモリから送信機101の情報を読み出し、さらにその情報をサーバ104に供給したか否かを判定し、供給したと判定するまで待機する。つまり、制御部211は、LTEモデム154からその旨の通知を受けるまで待機する。LTEモデム154からその旨の通知を受けたと判定すると(図18のステップS142の処理が行われると)、制御部211は、処理をステップS186に進める。
ステップS186において、制御部211は、接続部212を制御してLTEモデム154への電力の供給を終了させることにより、LTEモデム154の電源をオフ(OFF)にし、LTEモデム154の駆動を終了させる。この処理は、図18のステップS143に対応する。
ステップS186の処理が終了すると、電源供給制御処理が終了する。以上のように電源供給制御処理を実行することにより、電源制御装置151は、高感度受信機152やLTEモデム154に対する不要な電力の供給を抑制し、それらの消費電力の増大を抑制することができる。また、高感度受信機152とLTEモデム154とを互いに異なるタイミングにおいて駆動させることができ、消費電力のピーク(最大値)の増大を抑制することができる。
<その他>
以上においては、中継局102がLTEモデム154を有し、送信機101から受信した情報を、屋根上からLTE通信によりサーバ104に供給するように説明したが、中継局102の構成は、この例に限定されない。例えば、高感度受信機152が取得した送信機101の情報は、建物130の屋内から、ルータ(モデム機能付ルータ)を介して有線通信によりサーバ104に供給するようにしてもよい。
その場合の、中継局102等の主な構成例を、図20に示す。図20に示される例の場合、中継局102は、電源制御装置151および高感度受信機152を有するものの、メモリ153やLTEモデム154を有していない。その代わり、建物130の屋内に、メモリ153やルータ361が設置されている。
ルータ361は、所謂モデム機能付のルータであり、建物130内の設備により構築されるLANとネットワーク103とを接続する。すなわち、ルータ361は、ネットワーク103を介してサーバ104と通信を行うことができる。また、ルータ361は、メモリ153等と通信を行うこともできる。
また、屋根上設備131においては、電源ケーブル148は、混合器363を介して電源制御装置151に接続されている。電力の供給に関しては、図3の例の場合と同様である。ただし、高感度受信機152は、送信機101から送信された無線信号を受信して取得した送信機101に関する情報(例えば、送信機101の位置情報やID等)は、メモリ153に供給して記憶させる代わりに、信号ケーブル362を介して混合器363に供給され、その混合器363において、電力に重畳される。この送信機101に関する情報は、混合器143に供給され、さらに、アンテナケーブル146を介して屋内のメモリ153に供給される。
メモリ153は、その情報を記憶する。ルータ361は、メモリ153に記憶されている送信機101に関する情報を読み出して、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する。なお、高感度受信機152に関する情報(高感度受信機152の位置情報やID等)も、同様にメモリ153を介してルータ361に供給し、ネットワーク103を介してサーバ104に供給させるようにしてもよい。
この場合、メモリ153やルータ361は、屋内のコンセント等から家庭用電源を得て駆動することができる。したがって、電源制御装置151は、高感度受信機152に対する電力の供給のみを制御すれば良い。その制御方法は図3の場合と同様であり、各処理部が、図17乃至図19のフローチャートを参照して説明した場合と同様に、高感度受信機152に関する各処理を実行するようにすれば良い。
<2.第2の実施の形態>
<バッテリ>
なお、電源制御装置151が、電力を充電する蓄電部(所謂バッテリ)を有するようにしてもよい。図21は、その場合の電源制御装置151の主な構成例を示すブロック図である。図21に示されるように、この場合の電源制御装置151は、図7を参照して説明した構成に加え、接続部371および蓄電部372を有する。この場合、制御部211は、接続部212だけでなく、接続部371および蓄電部372も制御する。
接続部371は、電源端子201と蓄電部372との間を接続したり切断したりする。つまり、接続部371は、蓄電部372への蓄電を制御することができる。接続部371の構成は任意であるが、例えば、1入力1出力のスイッチ(例えば、スイッチ230やスイッチ240と同様の構成のスイッチ)により構成することができる。
蓄電部372は、例えばリチウムイオン等のバッテリ等により構成され、接続部371により電源端子201と接続された状態において、混合器143を介して供給される電力を充電することができる。
また、この場合、接続部212は、蓄電部372からの出力先を何処にするか(例えば、出力先を電源端子202にするか、電源端子203にするか、若しくは、両方とも出力先としないか)を制御する。この制御方法は、電源端子201の接続先を制御する図7の例の場合と同様である。
つまり、この場合、一旦蓄電部372に電力を充電し、その蓄電部372に充電された電力を用いて高感度受信機152やLTEモデム154を駆動させる。したがって、高感度受信機152やLTEモデム154を駆動する際の、既存の設備に対する負荷(電力利用の影響)の増大を抑制することができる。例えば、高感度受信機152やLTEモデム154の電力を、蓄電部372に充電された電力で賄うことができる場合、既存の設備の電力を使用せずに(例えば衛星アンテナ142への電力供給等に対して大きな影響を与えることなく)、高感度受信機152やLTEモデム154を駆動させることができる。さらに、例えば、蓄電部372の充電残量(蓄電量)が十分でない場合、高感度受信機152やLTEモデム154を駆動させないようにすることもできる。これにより、既存の設備に対する負荷の増大を抑制することができる。
また、例えば、蓄電部372に蓄電する際の電力を小さくし、より長時間かけて充電するようにすることにより、中継局102の消費電力のピークを抑制することができる。さらに、接続部371により蓄電部372への充電も制御することができるので、例えば、夜間等、高感度受信機152やLTEモデム154の稼働率が低い時間帯に、充電を行わせるようにすることができる。これにより、中継局102の消費電力のピークを抑制することができる。また、例えば、夜間等、既存の設備の稼働率が低い時間帯に、充電を行わせるようにすることができる。これにより、既存の設備に対する負荷の増大を抑制することができる。
<制御処理の流れ>
この場合の中継局102において実行される充電に関する制御処理の流れの例を、図22のフローチャートを参照して説明する。
電源制御装置151の制御部211は、ステップS201において、接続部212を制御して高感度受信機152への電力の供給を開始させ、高感度受信機152の電源をオン(ON)にする。電力の供給が開始されると、高感度受信機152の電源部337は、ステップS211において、その電力を駆動させる処理部に対して供給し、それらの駆動を開始させる。
そして、ステップS212において、高感度受信機152のGNSS信号受信部334は、GNSS衛星からGNSS信号を受信する。GNSS信号を受信すると、高感度受信機152の復調部333や情報処理部335は、ステップS213において、その受信したGNSS信号を復調したり、信号処理したりして、そのGNSS信号から時刻情報を抽出し、取得する。復調部333や情報処理部335は、取得したその時刻情報を、例えば、メモリ332に記憶させる。ステップS214において、高感度受信機152の通信部336は、そのメモリ332に記憶されている時刻情報を読み出して電源制御装置151に供給する。
ステップS202において、電源制御装置151の制御部211は、その時刻情報を取得する。制御部211は、その時刻情報に基づいて、現在時刻が予め設定された指定時間帯であるか否かを判定する。また、制御部211は、蓄電部372の充電状態(例えば電圧)を計測し、十分に充電されている状態である満充電状態であるか否かを判定する。
ステップS203において、制御部211は、現在時刻が予め設定された指定時間帯であり、かつ、蓄電部372からの出力電圧が所定の閾値より低く、蓄電部372が満充電状態で無い場合、接続部371を制御して、電源端子201を蓄電部372に接続させ、蓄電部372への充電を開始する。
ステップS204において、蓄電部372が満充電状態になるか、または、指定時間帯を過ぎた場合、制御部211は、接続部371を制御して、電源端子201と蓄電部372との間を切断し、蓄電部372への充電を終了する。
ステップS204の処理が終了すると、制御処理が終了する。このように蓄電部372への充電を制御することにより、例えば、満充電状態の蓄電部372に対する給電等、不要な消費電力の増大を抑制することができる。また、中継局102の消費電力のピークを抑制することができる。また、既存の設備に対する負荷の増大を抑制することができる。
なお、蓄電部372の放電、すなわち、高感度受信機152やLTEモデム154に対する電力供給に関する制御処理は、蓄電部372に充電された電力を利用すること以外は、図17および図18のフローチャートを説明した場合と基本的に同様であるので、その説明は省略する。
<充電制御処理の流れ>
この場合の電源制御装置151が実行する充電制御処理の流れの例を、図23のフローチャートを参照して説明する。
充電制御処理が開始されると、制御部211は、ステップS221において、蓄電部372の出力電圧を確認する等して、蓄電部372が満充電状態であるか否かを判定する。満充電状態でないと判定された場合、処理はステップS222に進む。
ステップS222において、制御部211は、接続部212を制御して、高感度受信機152への電力の供給を開始させることにより、高感度受信機152の電源をオン(ON)にし、高感度受信機152にGNSS信号を受信させる。この処理は、図22のステップS201に対応する。
ステップS223において、制御部211は、高感度受信機152においてGNSS信号が受信されて時刻情報が抽出され、その高感度受信機152からその時刻情報が供給されたか否かを判定し、供給されたと判定するまで待機する。高感度受信機152から時刻情報を取得したと判定すると(図22のステップS202の処理が行われると)、制御部211は、処理をステップS224に進める。
ステップS224において、制御部211は、取得した時刻情報に基づいて、現在時刻が指定時間帯であるか否かを判定する。指定時間帯であると判定された場合、処理はステップS225に進む。
つまり、蓄電部372が満充電状態でなく、かつ、現在時刻が指定時間帯(例えば夜間等)であると判定された場合、制御部211は、ステップS225において、接続部371を制御して、蓄電部372を電源端子201に接続し、蓄電部372に電力を充電させる。この処理は、図22のステップS203に対応する。
ステップS226において、制御部211は、蓄電部372の出力電圧を確認する等して、蓄電部372が満充電状態であるか否かを判定する。満充電状態でないと判定された場合、処理はステップS227に進む。ステップS227において、制御部211は、取得した時刻情報に基づいて、現在時刻が指定時間帯であるか否かを判定する。指定時間帯であると判定された場合、処理はステップS225に戻り、それ以降の処理を繰り返す。すなわち、蓄電部372が満充電状態でなく、かつ、現在時刻が指定時間帯である間は、充電が行われる。
ステップS227において、現在時刻が指定時間帯でないと判定された場合、制御部211は、接続部371を制御して電源端子201と蓄電部372との間を切断し、充電を終了させる。この処理は、図22のステップS204に対応する。充電が終了すると、充電制御処理が終了する。
また、ステップS221において、蓄電部372が満充電状態であると判定された場合、充電が省略され、充電制御処理が終了する。また、ステップS224において、現在時刻が指定時間帯でないと判定された場合も、充電が省略され、充電制御処理が終了する。
さらに、ステップS226において、蓄電部372が満充電状態であると判定された場合、接続部371を制御して電源端子201と蓄電部372との間を切断し、充電を終了させる。この処理は、図22のステップS204に対応する。充電が終了すると、充電制御処理が終了する。
以上のように充電制御処理を実行することにより、電源制御装置151は、例えば、満充電状態の蓄電部372に対する給電等、不要な消費電力の増大を抑制することができる。また、中継局102の消費電力のピークを抑制することができる。また、既存の設備に対する負荷の増大を抑制することができる。
<電源供給制御処理の流れ>
また、この場合の電源供給制御処理の流れの例を、図24のフローチャートを参照して説明する。
電源制御装置151の制御部211は、送信機101から送信される情報を中継局102に中継させる場合、この電源供給制御処理を実行する。
電源供給制御処理が開始されると、制御部211は、ステップS241において、蓄電部372の出力電圧を確認する等して、蓄電部372の充電残量(蓄電量)が、高感度受信機152やLTEモデム154を駆動させるのに十分であるか否かを判定する。この十分か否かの基準は、蓄電部372の充電容量や、高感度受信機152やLTEモデム154の消費電力等に応じて設定される。満充電状態よりも少なくてもよい。
蓄電部372の充電残量が十分であると判定された場合、処理はステップS242に進む。ステップS242乃至ステップS247の各処理は、図19のステップS181乃至ステップS186の各処理と同様に実行される。
また、ステップS241において、蓄電部372の充電残量が十分でないと判定された場合、電源供給制御処理が終了する。
つまり、充電残量が十分である場合のみ、その蓄電部372の電力を用いて、第1の実施の形態の場合と同様に高感度受信機152やLTEモデム154が駆動される。このようにすることにより、既存の設備の電力を使用せずに(例えば衛星アンテナ142への電力供給等に対して大きな影響を与えることなく)、高感度受信機152やLTEモデム154を駆動させることができる。つまり、既存の設備に対する負荷の増大を抑制することができる。
<3.第3の実施の形態>
<中継局>
なお、中継局102から送信機101に対して無線信号を送信することができるようにしてもよい。その場合の中継局102の主な構成例を図25に示す。図25に示されるように、この場合、中継局102は、高感度受信機152の代わりに、高感度送受信機381を有する。高感度送受信機381は、送信機能を有すること以外は、高感度受信機152と同様の装置である。つまり、高感度送受信機381は、アンテナ381Aを用いて送信機101から送信される無線信号を受信することができる。また、高感度送受信機381は、そのアンテナ381Aを用いて送信機101に対して無線信号を送信することもできる。また、高感度送受信機381は、アンテナ381Bを用いてGNSS衛星161からGNSS信号を受信することもできる。
なお、この場合、送信機101も、高感度送受信機381から送信される無線信号を受信する受信機能を有する。したがって、厳密には送受信機であるが、ここでは送信機101として説明する。この場合、送信機101は、図9を参照して説明した構成に加え、図12を参照して説明した高感度受信機152の構成を有するようにすればよい。
高感度送受信機381が送信機101に送信する無線信号に含まれる情報の内容は任意である。例えば、高感度送受信機381が送信機101に無線信号を送信することにより、送信機101に対して位置情報の送信を要求することができるようにしてもよい。また、例えば、高感度送受信機381が送信機101に無線信号を送信することにより、送信機101が無線信号を送信するタイミングを指定することができるようにしてもよい。これらのようにすることにより、高感度送受信機381を駆動させているタイミングにおいて、送信機101に無線信号を送信させることができるので、高感度送受信機381による無線信号の受信をより容易に行うことができる。
高感度送受信機381は、高感度受信機152の場合と同様に、任意の情報をメモリ153に供給して記憶させることができる。そして、LTEモデム154も、その情報をメモリ153から読み出して、サーバ104に供給することができる。
電源制御装置151による電力供給の制御方法は、基本的に上述した他の実施の形態の場合と同様であるが、この場合、高感度送受信機381が無線信号を送信する場合も、電源制御装置151から高感度送受信機381に対して電力の供給が行われる。
<高感度送受信機>
高感度送受信機381の主な構成例を図26に示す。図26に示されるように、高感度送受信機381は、信号送受信部391、受信情報処理部302、およびバス303を有する。
信号送受信部391は、無線信号の送受信に関する処理を行う。信号送受信部391は、アンテナ381A、切替部392、信号受信部301、および信号送信部393を有する。
切替部392は、信号の送受信に応じて、アンテナ381Aに接続する処理部を切り替える。例えば、無線信号を受信する場合、切替部392は、アンテナ381Aに信号受信部301を接続する。これにより、信号受信部301が、アンテナ381Aにより受信される無線信号に対する信号処理を実行することができる。また、例えば、無線信号を送信する場合、切替部392は、アンテナ381Aに信号送信部393を接続する。信号送信部393は、無線信号の送信に関する処理を実行する。つまり、これにより、信号送信部393が、アンテナ381Aから送信する信号に対する信号処理を実行することができる。
信号送信部393は、PLL(Phase Locked Loop)394、発振部395、およびLNA396を有する。受信情報処理部302は、送信情報を示す信号をバス303を介して信号送信部393に供給する。PLL394は、その送信情報を示す信号の周波数に応じた周波数の信号を生成し、発振部395に供給する。つまり、PLL394は、送信情報により変調された信号を発振部395に供給する。発振部395は、その信号に応じて変調されたキャリア信号(例えば925MHz)を生成し、それを送信信号としてLNA396に供給する。LNA396は、その送信信号を増幅し、切替部392を介してアンテナ381Aから無線信号として送信させる。
受信情報処理部302は、基本的に図12の場合と同様の構成を有するが、復調部333の代わりに変復調部397を有する。変復調部397は、受信信号の復調に関する処理だけでなく、送信信号の変調に関する処理も行う。変復調部397は、例えば、変調した送信情報を示す信号を、信号送信部393に供給する。
このように、中継局102が高感度受信機152の代わりに高感度送受信機381を有する場合も、中継局102は、高感度送受信機381やLTEモデム154が駆動していない不要なタイミングにおける、それらへの電力の供給を抑制することにより、それらの消費電力の増大を抑制することができる。これにより、中継局102は、電力不足の発生を抑制し、より安定的な電力の供給を実現することができる。
<制御処理の流れ>
この場合も、送信機101から送信される無線信号の受信に関する制御処理は、図17や図18のフローチャートを参照して説明した場合と同様に行われるのでその説明は省略する。図27のフローチャートを参照して、高感度送受信機381による無線信号の送信に関する制御処理の流れの例を説明する。
電源制御装置151の制御部211は、高感度送受信機381に無線信号を送信させる場合、図27のステップS261において、接続部212を制御して高感度送受信機381への電力の供給を開始させ、高感度送受信機381の電源をオン(ON)にする。電力の供給が開始されると、高感度送受信機381の電源部337は、ステップS271において、その電力を駆動させる処理部に対して供給し、それらの駆動を開始させる。
そして、ステップS272において、高感度送受信機381の受信情報処理部302は、信号送信部393から送信する送信情報を生成する。ステップS273において、変復調部397は、その送信情報を変調して送信信号を生成する。また、信号送信部393は、その送信信号を無線信号として送信する。無線信号を送信すると、高感度送受信機381の通信部336は、ステップS274において、送信情報を送信した旨を、電源制御装置151に通知する。
ステップS262において、電源制御装置151の制御部211は、その通知を取得する。通知を取得すると、電源制御装置151の制御部211は、ステップS263において、接続部212を制御して高感度送受信機381への電力の供給を終了させ、高感度送受信機381の電源をオフ(OFF)にする。電力の供給が終了すると、高感度送受信機381の電源部337は、ステップS275において、各処理部への電力の供給も終了し、それらの駆動も終了させる。
以上のように制御処理が行われることにより、中継局102は、高感度送受信機381やLTEモデム154に対する不要な電力の供給を抑制し、それらの消費電力の増大を抑制することができる。また、高感度送受信機381とLTEモデム154とを互いに異なるタイミングにおいて駆動させることができ、消費電力のピーク(最大値)の増大を抑制することができる。さらに、高感度送受信機381の送信処理と受信処理とを互いに異なるタイミングにおいて実行させることができ、消費電力のピーク(最大値)の増大を抑制することができる。
<電源供給制御処理の流れ>
この場合の電源制御装置151が実行する電源供給制御処理の流れの例を、図28のフローチャートを参照して説明する。なお、電源制御装置151は、第2の実施の形態(図21)の場合と同様に、接続部371および蓄電部372を有するものとして説明する。
電源供給制御処理が開始されると、制御部211は、ステップS281において、蓄電部372の出力電圧を確認する等して、蓄電部372の充電残量(蓄電量)が、高感度受信機152やLTEモデム154を駆動させるのに十分であるか否かを判定する。蓄電部372の充電残量が十分であると判定された場合、処理はステップS282に進む。ステップS282において、制御部211は、高感度送受信機381が受信を行うか否かを判定する。高感度送受信機381が受信を行うと判定された場合、処理はステップS283に進む。この場合、ステップS283乃至ステップS288の各処理が、図19のステップS181乃至ステップS186の各処理と同様に実行される。ステップS288の処理が終了すると電源供給制御処理が終了する。
また、ステップS282において、高感度送受信機381が送信を行うと判定された場合、処理はステップS289に進む。この場合、ステップS289において、制御部211は、接続部212を制御して高感度送受信機381への電力の供給を開始させることにより、高感度送受信機381の電源をオン(ON)にし、高感度送受信機381に送信情報を生成させる。この処理は、図27のステップS261に対応する。
ステップS290において、制御部211は、高感度送受信機381において送信情報が生成され、その送信情報が復調され、無線信号として送信機101に送信されたか否かを判定し、送信されたと判定するまで待機する。つまり、制御部211は、高感度送受信機381からその旨の通知を受けるまで待機する。高感度送受信機381からその旨の通知を受けたと判定すると(図27のステップS262の処理が行われると)、制御部211は、処理をステップS291に進める。
ステップS291において、制御部211は、接続部212を制御して高感度送受信機381への電力の供給を終了させることにより、高感度送受信機381の電源をオフ(OFF)にし、高感度送受信機381の駆動を終了させる。この処理は、図27のステップS263に対応する。ステップS291の処理が終了すると、電源供給制御処理が終了する。
また、ステップS281において、蓄電部372の充電残量が十分でないと判定された場合、電源供給制御処理が終了する。
つまり、充電残量が十分である場合のみ、その蓄電部372の電力を用いて、高感度送受信機381やLTEモデム154が駆動される。このようにすることにより、既存の設備の電力を使用せずに(例えば衛星アンテナ142への電力供給等に対して大きな影響を与えることなく)、高感度送受信機381やLTEモデム154を駆動させることができる。つまり、既存の設備に対する負荷の増大を抑制することができる。
また、無線信号を送信する場合と、受信する場合とで処理を分けることにより、高感度送受信機381が送信と受信とを互いに異なるタイミングにおいて行うようにすることができる。したがって、高感度送受信機381の消費電力のピーク(最大値)の増大を抑制することができる。
以上においては、電源制御装置151が、接続部371および蓄電部372を有するものとして説明したが、図7の例のように、接続部371および蓄電部372を有していなくてもよい。その場合、図28の電源供給制御処理において、ステップS281の処理が省略されるようにすればよい。
<その他>
なお、中継局102が、以上において説明した高感度送受信機381の代わりに送信機101と同様の送信機を有するようにしてもよい。その場合の送信機は、例えば、図26に示される高感度送受信機381の構成の内、信号受信部301と切替部392を省略するようにすればよい。つまり、本実施の形態において説明したように、中継局102は、信号を送信する場合も、信号を受信する場合と基本的に同様に、電力の供給を制御することができる。したがって、消費電力の増大を抑制することができる。
<4.第4の実施の形態>
<他の構成>
なお、中継局102の構成は、各実施の形態において上述した例に限定されない。例えば、中継局102が1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、例えば、図3の例において、電源制御装置151、高感度受信機152、メモリ153、およびLTEモデム154の内の少なくともいずれか2つ以上が1つの装置として構成されるようにしてもよい。さらに、混合器143も電源制御装置151等とともに1つの装置として構成されるようにしてもよい。
さらに、上述した複数の構成例を適宜組み合わせるようにしてもよい。例えば、図20の構成例の高感度受信機152の代わりに、第3の実施の形態において説明した高感度送受信機381を適用するようにしてもよい。また、図20の構成例の電源制御装置151が、第2の実施の形態において説明したように、接続部371や蓄電部372を有するようにしてもよい。また、例えば、中継局102が、上述していない他の処理部を有するようにしてもよい。そして、電源制御装置151がその装置への電力の供給も制御するようにしてもよい。電源制御装置151が電力供給を制御する装置の数は任意である。
また、電源制御装置151の機能が、複数の装置に内蔵されるようにしてもよい。例えば、図29に示されるように、高感度受信機152が電源制御部401を有し、LTEモデム154が電源制御部402を有するようにしてもよい。
その場合、電源制御部401は、高感度受信機152に対する電力の供給を制御する。電源制御部402は、LTEモデム154に対する電力の供給を制御する。それぞれの制御方法は、電源制御装置151の場合と同様である。
なお、その際に、電源制御部401と電源制御部402とが互いに情報を授受する等して、協働して電力供給制御を行うようにしてもよい。
<その他>
なお、地上波アンテナ141乃至電源ケーブル148のそれぞれの数は任意であり、複数であってもよい。例えば、混合器143や電源ケーブル148が複数設けられるようにしてもよい。すなわち、電源供給経路が複数存在するようにしてもよい。その場合、それぞれの経路からの電源供給を、互いに独立に制御するようにしてもよいし、総合的に制御するようにしてもよい。
なお、位置通知システム100において、駆動する中継局102を、サーバ104が例えばID等を用いて指定することができるようにしてもよい。このように駆動する中継局102を一部に限定することにより、システム全体の消費電力の増大を抑制することができる。
<5.第5の実施の形態>
<他の信号送受信システム>
以上においては、位置通知システム100を例に説明したが、本技術は、上述した位置通知システム100以外のシステムにも適用することができる。例えば、送信機101は、人物だけでなく、移動体等に設置するようにしてもよい。
例えば、本技術は、図30に示されるような自動車やバイク等の盗難を防ぐための盗難防止システム410に適用することもできる。この盗難防止システム410の場合、送信機101は、ユーザが位置を監視する対象物、例えばユーザが所有する自動車411やバイク412に設置される。送信機101は、位置通知システム100の場合と同様に、自身の位置情報(すなわち、自動車411やバイク412の位置情報)を、適宜、中継局102に通知する。つまり、ユーザは、位置通知システム100の場合と同様に、端末装置105からサーバ104にアクセスして、自動車411やバイク412の位置を把握することができる。したがって、ユーザは、盗難に合った場合であっても、自動車411やバイク412の位置を把握することができるので、その自動車411やバイク412を容易に取り戻すことができる。
このような盗難防止システム410の場合も、位置通知システム100の場合と同様に、中継局102に対して本技術を適用することができる。そして、本技術を適用することにより、中継局102を構成する装置(例えば高感度受信機152等)の消費電力の増大を抑制することができる。
また、送受信される情報も任意であり、上述した位置情報に限定されない。送信機101の送信情報生成部261は、任意の情報を含む送信情報を生成することができる。例えば、送信情報生成部261が、画像や音声の情報を含む送信情報を生成するようにしてもよい。また、例えば、送信情報生成部261が、温度、距離、明度、角度、速度、加速度等の計測結果を示す情報を含む送信情報を生成するようにしてもよい。さらに、例えば、送信情報生成部261が、機器を制御する制御情報を含む送信情報を生成するようにしてもよい。また、例えば、送信情報生成部261が、それら以外の情報を含む送信情報を生成するようにしてもよい。さらに、例えば、送信情報生成部261が、複数の情報を含む送信情報を生成するようにしてもよい。
また、例えば、送信情報生成部261が、他の装置から供給される情報を含む送信情報を生成するようにしてもよい。例えば、送信情報生成部261が、画像、光、明度、彩度、電気、音、振動、加速度、速度、角速度、力、温度(温度分布ではない)、湿度、距離、面積、体積、形状、流量、時刻、時間、磁気、化学物質、または匂い等、任意の変数について、またはその変化量について、検出若しくは計測等を行う各種センサから出力される情報(センサ出力)を含む送信情報を生成するようにしてもよい。
つまり、本技術は、上述したような位置情報の通知を行うシステムに限らず、例えば、立体形状計測、空間計測、物体観測、移動変形観測、生体観測、認証処理、監視、オートフォーカス、撮像制御、照明制御、追尾処理、入出力制御、電子機器制御、アクチュエータ制御等、任意の用途に用いられるシステムに適用することができる。
また、本技術は、例えば、交通、医療、防犯、農業、畜産業、鉱業、美容、工場、家電、気象、自然監視等、任意の分野のシステムに適用することができる。例えば、本技術は、ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等を用いる、鑑賞の用に供される画像を撮影するシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用システム、走行車両や道路を監視する監視カメラシステム、車両間等の測距を行う測距システム等の、交通の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等を用いる、セキュリティの用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、ウェアラブルカメラ等のようなスポーツ用途等向けに利用可能な各種センサ等を用いる、スポーツの用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の各種センサを用いる、農業の用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、豚や牛等の家畜の状態を監視するための各種センサを用いる、畜産業の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、本技術は、例えば火山、森林、海洋等の自然の状態を監視するシステムや、例えば天気、気温、湿度、風速、日照時間等を観測する気象観測システムや、例えば鳥類、魚類、ハ虫類、両生類、哺乳類、昆虫、植物等の野生生物の生態を観測するシステム等にも適用することができる。
さらに、送受信される無線信号や情報の仕様は任意である。つまり、本技術は、各実施の形態において上述したような構成を有する任意の信号送受信システム(の中継局の装置)に適用することができる。
<コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合、例えば電源制御装置151の制御部211、送信機101の送信情報生成部261、高感度受信機152の制御部331、LTEモデム154の制御部351、高感度送受信機381の制御部331、並びに、電源制御部401および電源制御部402の制御部211等が、そのソフトウエアを実行することができるコンピュータとしての構成を有するようにすればよい。このコンピュータには、例えば、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、任意の機能を実行することが可能な汎用のコンピュータ等が含まれる。
図31は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
図31に示されるコンピュータ600において、CPU(Central Processing Unit)611、ROM(Read Only Memory)612、RAM(Random Access Memory)613は、バス614を介して相互に接続されている。
バス614にはまた、入出力インタフェース620も接続されている。入出力インタフェース620には、入力部621、出力部622、記憶部623、通信部624、およびドライブ625が接続されている。
入力部621は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、イメージセンサ、マイクロホン、スイッチ、入力端子等の任意の入力デバイスを有する。出力部622は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子等の任意の出力デバイスを有する。記憶部623は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、SSD(Solid State Drive)やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のような不揮発性のメモリ等、任意の記憶媒体を有する。通信部624は、例えば、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、IrDA等の、有線若しくは無線、または両方の、任意の通信規格の通信インタフェースを有する。ドライブ625は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等の任意の記憶媒体を有するリムーバブルメディア631を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU611が、例えば、記憶部623に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース620およびバス614を介して、RAM613にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM613にはまた、CPU611が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
コンピュータ(CPU611)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア631に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア631をドライブ625に装着することにより、入出力インタフェース620を介して、記憶部623にインストールすることができる。
また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部624で受信し、記憶部623にインストールすることができる。
その他、このプログラムは、ROM612や記憶部623に、あらかじめインストールしておくこともできる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、上述した各ステップの処理は、上述した各装置、若しくは、上述した各装置以外の任意の装置において、実行することができる。その場合、その処理を実行する装置が、上述した、その処理を実行するのに必要な機能(機能ブロック等)を有するようにすればよい。また、処理に必要な情報を、適宜、その装置に伝送するようにすればよい。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、本技術は、これに限らず、このような装置またはシステムを構成する装置に搭載するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 無線信号を受信する受信部が駆動する際に電力を供給するように、前記受信部への前記電力の供給を制御する制御部
を備える情報処理装置。
(2) 前記制御部は、アンテナにおいて受信された放送波信号を伝送する同軸ケーブルを介して前記放送波信号と重畳して供給され、抽出された電力の、前記受信部への供給を制御する
(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記制御部は、
前記受信部への前記電力の供給を開始して、前記受信部に前記無線信号を受信させ、受信した前記無線信号より得られた情報を記憶部に記憶させ、
前記情報が前記記憶部に記憶されたとの通知を取得した場合、前記受信部への前記電力の供給を終了する
(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記受信部をさらに備える
(1)乃至(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5) 前記制御部は、前記同軸ケーブルを介して前記信号と重畳して供給され、抽出され、蓄電部に蓄電された前記電力の、前記受信部への供給を制御する
(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記制御部は、前記蓄電部の蓄電量が所定の閾値より少ない場合、前記受信部への前記電力の供給を禁止する
(5)に記載の情報処理装置。
(7) 前記制御部は、さらに、前記同軸ケーブルを介して前記信号と重畳して供給され、抽出された前記電力の、前記蓄電部への蓄電を制御する
(5)または(6)に記載の情報処理装置。
(8) 前記制御部は、前記蓄電部の蓄電量が所定の閾値より多い場合、前記蓄電部への前記電力の蓄電を禁止する
(7)に記載の情報処理装置。
(9) 前記制御部は、所定の時間帯において前記蓄電部に前記電力を蓄電させる
(7)または(8)に記載の情報処理装置。
(10) 前記蓄電部をさらに備える
(5)乃至(9)のいずれかに記載の情報処理装置。
(11) 前記制御部は、さらに、無線信号を送信する送信部が駆動する際に電力を供給するように、前記送信部への前記電力の供給を制御する
(1)乃至(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12) 前記制御部は、
前記送信部への前記電力の供給を開始して、前記送信部に送信情報を生成させ、生成した前記送信情報を前記無線信号として送信させ、
前記無線信号が送信されたとの通知を取得した場合、前記送信部への前記電力の供給を終了する
(11)に記載の情報処理装置。
(13) 前記送信部をさらに備える
(11)または(12)に記載の情報処理装置。
(14) 前記制御部は、さらに、他の通信装置と通信を行う通信部が駆動する際に電力を供給するように、前記通信部への前記電力の供給を制御する
(1)乃至(13)のいずれかに記載の情報処理装置。
(15) 前記制御部は、
前記通信部への前記電力の供給を開始して、前記通信部に、前記受信部が受信した前記無線信号より得られた情報を記憶する記憶部から前記情報を読み出させ、読み出した前記情報を前記通信により前記他の通信装置に供給させ、
前記情報が前記他の通信装置に供給されたとの通知を取得した場合、前記通信部への前記電力の供給を終了する
(14)に記載の情報処理装置。
(16) 前記通信部をさらに備える
(14)または(15)に記載の情報処理装置。
(17) 前記記憶部をさらに備える
(15)または(16)に記載の情報処理装置。
(18) 前記受信部は、925MHzを含む周波数帯域の前記無線信号を受信する
(1)乃至(17)のいずれかに記載の情報処理装置。
(19) 情報処理装置が、無線信号を受信する受信部が駆動する際に電力を供給するように、前記受信部への前記電力の供給を制御する
情報処理方法。
(20) コンピュータを、
無線信号を受信する受信部が駆動する際に電力を供給するように、前記受信部への前記電力の供給を制御する制御部
として機能させるためのプログラム。