JP7042228B2 - 監視装置および監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、監視装置および監視方法に関する。
従来、面圧分布センサを備えた二次電池において、面圧分布の形状に応じてリチウムの析出を検知するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-020826号公報
従来の技術では、比較的高価な面圧分布センサを搭載する必要があるため、全体のコストが過大になる場合があった。
本発明の態様は、このような事情を考慮してなされたものであり、より低コストでリチウムの析出を検知することができる監視装置および監視方法を提供することを目的の一つとする。
この発明に係る監視装置と監視方法は、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る監視装置は、二次電池からの荷重を検出する荷重センサと、前記二次電池の充電率を算出する算出部と、前記二次電池の使用度合いに関する指標値を検出する検出部と、前記指標値に対する、所定の充電率での前記二次電池の前記荷重の変化に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する検知部と、を備える、ものである。
(2):上記(1)の態様において、前記検出部は、前記二次電池の総充放電電気量を前記指標値として検出する、ものである。
(3):上記(1)の態様において、前記検出部は、前記二次電池のサイクル数を前記指標値として検出する、ものである。
(4):上記(1)の態様において、前記検出部は、前記二次電池の累積使用時間を前記指標値として検出する、ものである。
(5):上記(1)から(4)にいずれかの態様において、前記検知部は、前記荷重と前記指標値との関係を示す近似直線又は近似曲線からの前記荷重の乖離量が所定値以上となった際に、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、ものである。
(6):上記(1)から(4)にいずれかの態様において、前記検知部は、前記荷重と前記指標値の累乗根との関係を示す近似直線からの前記荷重の乖離量が所定値以上となった際に、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、ものである。
(7):上記(1)から(6)にいずれかの態様において、前記検知部は、所定値以上の充電率における前記二次電池の荷重と前記指標値との関係に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、ものである。
(8):上記(5)から(7)にいずれかの態様において、前記検知部は、それぞれ異なる値の前記所定の充電率における前記関係に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、ものである。
(9):この発明の一態様に係る監視方法は、コンピュータが、荷重センサにより検出された二次電池からの荷重を取得し、前記二次電池の充電率を算出し、前記二次電池の使用度合いに関する指標値を検出し、前記指標値に対する、所定の充電率での前記二次電池の前記荷重の変化に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、監視方法である。
(1)~(9)によれば、より低コストでリチウムの析出を検知することができる。
第1実施形態の充電監視システム1の構成の一例を示す図である。 ECU100の構成の一例を示す図である。 非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量との関係の一例を示す図である。 観測座標と仮想線との一例を示す図である。 ECU100のよる処理の一例を示すフローチャートである。 ECU102の構成の一例を示す図である。 非水二次電池2からの荷重と総サイクル数との関係の一例を示す図である。 ECU102のよる処理の一例を示すフローチャートである。 ECU103の構成の一例を示す図である。 非水二次電池2からの荷重と総使用時間との関係の一例を示す図である。 ECU103のよる処理の一例を示すフローチャートである。 数式に含まれる各パラメータの一例を示す図である。 5Ah級リチウムイオン二次電池のSOC-荷重特性を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の監視装置の実施形態について説明する。本発明の監視装置は、例えば、電気自動車に搭載され、電気自動車に電力を供給する二次電池を監視する。これに限られず、本発明の監視装置は、二次電池を動力源とする様々な装置に搭載されてよい。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の充電監視システム1の構成の一例を示す図である。充電監視システム1は、例えば、非水二次電池(二次電池の一例)2と、荷重センサ3と、筐体バインドバー4と、温度センサ5と、電流センサ6と、第1電圧センサ7と、第2電圧センサ8と、ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。
非水二次電池2は、例えば、正極と負極とを有するリチウムイオン電池である。非水二次電池2は、円筒型であってもよく、角型であってもよい。
荷重センサ3は、非水二次電池2からの荷重を検出し、検出した荷重を示す情報をECU100に出力する。荷重センサ3は、例えば、非水二次電池2の発電要素の積層方向に設置されたロードセルである。また、荷重センサ3は、例えば、非水二次電池2の側面に角型電池側面に配置したひずみゲージであってもよい。また、荷重センサ3は、非水二次電池2の側面や外周面に密着して配置される面圧分布センサであってもよい。
筐体バインドバー4は、非水二次電池2と荷重センサ3とを固定する。筐体バインドバー4は、例えば、対向して配置されている第1基材4aと第2基材4bとを備える。第1基材4aと第2基材4bとは、連結部材4c,4dにより連結されている。筐体バインドバー4は、第1基材4aと第2基材4bとの間に非水二次電池2と荷重センサ3をはさんだ状態で、連結部材4c,4dにより第1基材4aと第2基材4bとを固定する。こうすることにより、荷重センサ3は、非水二次電池2からの荷重を検出することができる。
温度センサ5は、非水二次電池2の温度を検出する。なお、温度センサ5は、非水二次電池2からある程度離間して設置され、非水二次電池2の周辺温度を検出してもよい。
電流センサ6は、非水二次電池2と駆動部側とを接続する電力線2aの一部に接続されている。電流センサ6は、非水二次電池2から放電される電力の電流値や、非水二次電池2に充電される電力の電流値を検出し、ECU100に出力する。
第1電圧センサ7は、非水二次電池2の正極側の電圧を検出し、ECU100に出力する。第2電圧センサ8は、非水二次電池2の負極側の電圧を検出し、ECU100に出力する。
ECU100は、充電監視システム1を統括的に制御する電子制御ユニットである。ECU100は、監視装置の一例である。
[ECU100の構成]
図2は、ECU100の構成の一例を示す図である。ECU100は、例えば、総充放電電気量算出部110と、SOC算出部120と、荷重取得部130と、第1傾向算出部140と、第1検知部150と、報知部160と、記憶部190とを備える。記憶部190を除くこれらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部190に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶部190にインストールされてもよい。
ECU100には、さらに日時管理部9が接続されている。日時管理部9は、例えば内部クロックで駆動し、現在時刻、現在日時などを示す情報をECU100に出力する。
総充放電電気量算出部110は、電流センサ6、第1電圧センサ7、および第2電圧センサ8からの出力に基づいて、非水二次電池2から放電される電力量や、非水二次電池2に充電される電力量を算出する。総充放電電気量算出部110は、放電された電力量だけを算出してもよく、充電された電力量だけを算出してもよく、双方を個別に算出してもよい。
総充放電電気量算出部110は、算出した電力量を、記憶部190の総充放電電力量情報191に加算する。前回値が総充放電電力量情報191に含まれる場合、総充放電電気量算出部110は、前回値に今回算出した電力量を加算した値を総充放電電力量情報191に書き込む。こうすることにより、総充放電電力量情報191には、非水二次電池2が車両に設置されたとき(つまり、使用開始時点)から、非水二次電池2に充放電された電力量の積算値を示す情報が格納される。なお、総充放電電気量算出部110は、放電された電力量の積算値を総充放電電力量情報191に格納してもよく、充電された電力量の積算値を総充放電電力量情報191に格納してもよく、充電された電力量の積算値と放電された電力量の積算値の合計を総充放電電力量情報191に格納してもよい。
総充放電電気量算出部110により算出された総充放電電気量は、非水二次電池2の使用度合いに関する指標値の一例である。指標値は、総充放電電気量に限られず、総充放電電気量を算出するためのデータも含む。つまり、電流センサ6、第1電圧センサ7、第2電圧センサ8、総充放電電気量算出部110等は、指標値(指標値を算出するためのデータを含む)を検出する検出部の一例である。
SOC算出部120は、例えば、電流積算等に基づいて非水二次電池2のSOCを算出する。例えば、SOC算出部120は、非水二次電池2の容量と、初期SOCと、非水二次電池2に充放電される電力の電流値(例えば充電側をプラス、放電側をマイナスとして合計する)とに基づいて、非水二次電池のSOCを算出する。非水二次電池2の容量は、非水二次電池2が満充電状態(SOC=100%の状態)から放電を開始し、放電終止電圧に達するまでに非水二次電池2が放出する電気量(電流×時間)[Ah]である。初期SOCは、非水二次電池2の初期状態(例えば車両のシステム起動時)におけるSOCである。非水二次電池2に充放電される電力の電流値は、電流センサ6によって検出された検出値である。
荷重取得部130は、荷重センサ3の出力に基づいて、非水二次電池2からの荷重を取得する。
第1傾向算出部140は、基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重と、総充放電電気量との関係において、総充放電電気量の増加に伴う非水二次電池2からの荷重の増加傾向を算出する。基準SOCとは、傾向を算出するために予め決められた値のSOCである。基準SOCは、感度向上のため望ましくは高い値(例えば、80%以上)のSOCであることが好ましい。このように、基準SOCとして高い値のSOCを設定することにより、検知精度を高めることができる。
図3は、非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量との関係の一例を示す図である。図3において、縦軸が基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重[kN]、横軸が総充放電電気量[kAh1/2]である。図3において、Y1は、リチウムの析出が無い場合における、総充放電電気量の増加に応じた荷重の変化を示し、一次式で近似される。一方、Y2は、リチウムの析出が発生した場合における、総充放電電気量の増加に応じた荷重の変化を示し、二次式で近似される。図示の通り、Y2は、途中までY1と同じ傾向を示すが、リチウムの析出が開始したことにより、荷重の増加が加速し、荷重の変化が近似直線から乖離する。なお、図3の例では、総充放電電気量が1/2乗されているためY1が直線で表されているが、これに限られない。例えば、総充放電電気量が1/2乗されていない場合、Y1に相当する近似線は、曲線で表される。
第1傾向算出部140は、荷重センサ3の出力と、総充放電電気量算出部110により算出された総充放電電気量とに基づいて、荷重と総充放電電気量とを成分とする観測座標を決定し、観測座標と荷重と総充放電電気量と対応付けて、記憶部190の第1座標ログ情報192に追加する。第1傾向算出部140は、この処理を繰り返し行っておく。
第1傾向算出部140は、第1座標ログ情報192を参照して、例えば、各観測座標における傾き(以下、第1傾きと記す)を求め、観測座標に対応付けて、記憶部190の第1傾きログ情報193に追加する。例えば、第1傾向算出部140は、以下の数式に従って、観測座標ごとに第1傾きを算出する。
{(y-yk-1)/(x-xk-1)+(yk+1-y)/(xk+1-x)}/2
第1検知部150は、基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量との関係に基づいて、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。例えば、第1検知部150は、非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量との関係を示す仮想線が直線に近似されない場合、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。「仮想線が直線に近似されない場合」には、例えば、荷重と総充放電電気量との関係を示す近似直線からの荷重の乖離量が所定値以上となった際などが含まれる。
例えば、第1検知部150は、非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量との関係を示す近似直線または近似曲線からの(非水二次電池2からの)荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。例えば、第1検知部150は、リチウムの析出が無かった二次電池セルの近似直線や近似曲線を予め参照値として用意しておき、参照値と第1座標ログ情報192との比較結果に基づいて、リチウムの析出を検知する。
また、第1検知部150は、非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量の累乗根との関係を示す近似直線からの(非水二次電池2からの)荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知してもよい。参照値を用意せずに、第1検知部150は、例えば、記憶部190に記憶された、その二次電池セル自身の使用開始から途中までの第1傾きログ情報193を参照し、第1傾きのトレンド(傾向)が、使用開始から途中までの近似直線の傾き、すなわち参照用の傾きとずれてきた場合、リチウムの析出を検知してもよい。例えば、第1検知部150は、第1傾きと参照用の傾きとの差分が所定値以上となる回数が連続して所定回数になった場合、リチウムの析出を検知してもよい。なお、リチウムの析出が無かった二次電池セルより近似直線の傾きを事前に用意して、リチウムの析出を検知してもよい。
図3に示すような例では、荷重と総充放電電気量の累乗根との関係を示す近似直線からの荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを第1検知部150が検知する。「仮想線が直線に近似されない」には、例えば、二次式以上の多項式に近似することが含まれる。
これに限られず、例えば、図3に示す総充放電電気量が1/2乗されていない場合、第1検知部150は、非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量との関係を示す近似曲線からの荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知してもよい。
例えば、第1検知部150は、第1傾きログ情報193を参照し、最初から最後までの観測座標ごとの傾きが一定範囲内でない場合、リチウムが析出していることを検知する。最初から最後までの観測座標ごとの傾きが一定範囲内である場合、仮想線が直線に近似されることを示しているためである。
また、第1検知部150は、第1傾きログ情報193を参照し、所定の閾値と比較することにより、リチウムが析出していることを検知してもよい。図4は、観測座標と仮想線との一例を示す図である。第1検知部150は、今回追加した観測座標P1の傾きa1と、一つ前の観測座標P2の傾きa2との差分が、第1閾値以上になった場合に、リチウムが析出していることを検知してもよい。傾きの差分が第1閾値以上となった場合、仮想線が直線に近似されないことを示しているためである。また、第1検知部150は、今回追加した観測座標P1の傾きa1が、第2閾値以上となった場合に、リチウムが析出していることを検知してもよい。傾きが第2閾値以上となった場合、仮想線が直線に近似されないことを示しているためである。
別の手法として、第1検知部150は、第1座標ログ情報192を参照し、観測座標を連ねた仮想線が直線に近似されない場合、リチウムが析出していることを検知してもよい。例えば、第1検知部150は、第1座標ログ情報192を参照し、最小二乗法を用いて観測座標を直線と多次曲線の双方で近似してみた場合に、後者の方の二乗誤差の方が前者の二乗誤差に比べて小さいならば、リチウムが析出していることを検知する。前者の方の二乗誤差の方が後者の二乗誤差に比べて小さいならば、仮想線が直線に近似されることを示しているためである。この場合、第1傾きログ情報193は不要となる。なお、これに関する原理については、各実施形態の説明の後に説明する。
報知部160は、第1検知部150により、非水二次電池2にリチウムが析出していることが検知された場合、出力部11を制御して、その旨を報知する。出力部11は、例えば、車内に設置されたディスプレイやスピーカ等である。例えば、報知部160は、非水二次電池2にリチウムが析出していることを報知するメッセージやイメージをディスプレイに表示させる。また、報知部160は、非水二次電池2にリチウムが析出していることを報知するメッセージやエラー音などをスピーカから出力させてもよい。
記憶部190は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。
なお、基準SOCは、一つの値であってもよく、複数の異なる値であってもよい。後者の場合、例えば、基準SOCは、第1基準SOC(80%)、第2基準SOC(60%)、第3基準SOC(40%)などを含んでいてよい。基準SOCが複数ある場合、第1傾向算出部140は、基準SOCごとに第1傾きを算出し、基準SOCを対応付けて、記憶部190の第1傾きログ情報193に格納する。そして、第1検知部150は、基準SOCごとに予め決められている条件を満たす場合、仮想線が直線に近似されないため、リチウムが析出していることを検知してもよい。基準SOCごとに予め決められている条件は、例えば、複数の基準SOCのうち半数以上の基準SOCに対応する仮想線が直線に近似されない場合、複数の基準SOCのうち最もSOCが高い基準SOCに対応する仮想線が直線に近似されない場合、などが含まれる。このように、異なる値の基準SOCを設定し、これらの異なる値の基準SOCに対応する仮想線に基づいて、リチウムの析出を検知することにより、検知精度と高めることができる。
[フローチャート]
図5は、ECU100のよる処理の一例を示すフローチャートである。まず、ECU100が搭載されている電気自動車のイグニッションがオンされる(ステップS101)。総充放電電気量算出部110は、電流センサ6、第1電圧センサ7、および第2電圧センサ8からの出力に基づいて、総充放電電力量を算出し(ステップS103)、総充放電電力量情報191を更新する。荷重取得部130は、荷重センサ3の出力に基づいて、非水二次電池2からの荷重を取得する(ステップS105)。そして、第1傾向算出部140は、総充放電電力量と非水二次電池2からの荷重とに基づいて、荷重と総充放電電気量との関係の図に示すグラフの第1傾きを算出する(ステップS107)。
第1検知部150は、例えば、第1傾向算出部140により算出された第1傾きに基づいて、非水二次電池2からの荷重と総充放電電気量との関係を示す仮想線が直線に近似されるか否かを判定する(ステップS109)。仮想線が直線に近似される場合、ステップS103に戻って処理を繰り返す。一方、仮想線が直線に近似されない場合、第1検知部150は、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する(ステップS111)。そして、報知部160は、出力部11を制御して、非水二次電池2にリチウムが析出していることが検知されたことを報知する(ステップS113)。
なお、ステップS109における処理は、リチウムの析出を検知する方法の一例であり、これに限られない。例えば、ステップS109において、第1検知部150は、上述した種々の手法を用いて、リチウムが析出していることを検知することができる。
以上説明した実施形態によれば、二次電池からの荷重を検出する荷重センサと、前記二次電池の充電率を算出する算出部と、前記二次電池の使用度合いに関する指標値を検出する検出部と、前記指標値に対する、所定の充電率での前記二次電池の前記荷重の変化に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する検知部とを備えることにより、より低コストでリチウムの析出を検知することができる。
また、リチウム析出を判断する場合、非水二次電池2を解体して、目視や化学分析などで確認する必要があったが、本発明によると、非水二次電池2を破壊する必要がないため、簡便にリチウム析出を検知することが可能である。また、早めにリチウム析出を検知することができるため、それに応じた対処を迅速に行うことができるようになった。
<第2実施形態>
図6は、ECU102の構成の一例を示す図である。ECU102は、一部の構成が以下の点でECU100と異なる。ECU100と同様の構成について、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
[監視装置の構成]
ECU102は、例えば、サイクル数算出部112と、SOC算出部120と、荷重取得部130と、第2傾向算出部142と、第2検知部152と、報知部160と、記憶部190とを備える。
サイクル数算出部112は、電流センサ6からの出力に基づいて、充放電のサイクル数を算出する。充放電のサイクル数は、非水二次電池2の使用開始時点から、非水二次電池2に充電された回数と、非水二次電池2から放電された回数の積算値である。サイクル数算出部112は、電流センサ6からの出力に基づいて、充電と放電とが切り替えられた場合に、サイクル数を1つカウントアップし、記憶部190のサイクル数情報194を更新する。
サイクル数算出部112により算出されたサイクル数は、非水二次電池2の使用度合いに関する指標値の一例である。指標値は、サイクル数に限られず、サイクル数を算出するためのデータも含む。つまり、電流センサ6やサイクル数算出部112は、指標値(指標値を算出するためのデータを含む)を検出する検出部の一例である。
第2傾向算出部142は、基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重と、サイクル数との関係において、サイクル数の増加に伴う非水二次電池2からの荷重の増加傾向を算出する。
図7は、非水二次電池2からの荷重とサイクル数との関係の一例を示す図である。図7において、縦軸が基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重[kN]、横軸がサイクル数1/2である。図7において、Y11は、リチウムの析出が無い場合における、サイクル数の増加に応じた荷重の変化を示し、一次式で近似される。一方、Y12は、リチウムの析出が発生した場合における、サイクル数の増加に応じた荷重の変化を示し、二次式で近似される。図示の通り、Y12は、途中までY11と同じ傾向を示すが、リチウムの析出が開始したことにより、荷重の増加が加速し、荷重の変化が近似直線から乖離する。なお、図7の例では、サイクル数が1/2乗されているためY11が直線で表されているが、これに限られない。例えば、サイクル数が1/2乗されていない場合、Y11に相当する近似線は、曲線で表される。
第2傾向算出部142は、荷重センサ3の出力と、サイクル数算出部112により算出されたサイクル数とに基づいて、荷重とサイクル数とを成分とする観測座標を決定し、観測座標と荷重とサイクル数と対応付けて、記憶部190の第2座標ログ情報195に追加する。第2傾向算出部142は、この処理を繰り返し行っておく。
第2傾向算出部142は、第2座標ログ情報195を参照して、例えば、各観測座標における傾き(以下、第2傾きと記す)を求め、観測座標に対応付けて、記憶部190の第2傾きログ情報196に追加する。なお、傾きの算出手法については、第1傾向算出部140と同様である。
第2検知部152は、基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重とサイクル数との関係に基づいて、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。例えば、第2検知部152は、非水二次電池2からの荷重とサイクル数との関係を示す仮想線が直線に近似されない場合、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。これに限られず、例えば、図7に示すサイクル数が1/2乗されていない場合、第2検知部152は、非水二次電池2からの荷重とサイクル数との関係を示す近似曲線からの荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知してもよい。なお、第2検知部152による検知手法については、第1検知部150と同様である。例えば、図7に示すような例では、荷重とサイクル数の累乗根との関係を示す近似直線からの荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを第1検知部150が検知する。
例えば、第2検知部152は、非水二次電池2からの荷重とサイクル数との関係を示す近似直線または近似曲線からの(非水二次電池2からの)荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。例えば、第2検知部152は、リチウムの析出が無かった二次電池セルの近似直線や近似曲線を予め参照値として用意しておき、参照値と第2座標ログ情報195との比較結果に基づいて、リチウムの析出を検知する。
また、第2検知部152は、非水二次電池2からの荷重とサイクル数の累乗根との関係を示す近似直線からの(非水二次電池2からの)荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知してもよい。参照値を用意せずに、第2検知部152は、例えば、記憶部190に記憶された、その二次電池セル自身の使用開始から途中までの第2傾きログ情報196を参照し、第2傾きのトレンド(傾向)が、使用開始から途中までの近似直線の傾き、すなわち参照用の傾きとずれてきた場合、リチウムの析出を検知してもよい。例えば、第2検知部152は、第2傾きと参照用の傾きとの差分が所定値以上となる回数が連続して所定回数になった場合、リチウムの析出を検知してもよい。なお、リチウムの析出が無かった二次電池セルより近似直線の傾きを事前に用意して、リチウムの析出を検知してもよい。
[フローチャート]
図8は、ECU102のよる処理の一例を示すフローチャートである。まず、ECU102が搭載されている電気自動車のイグニッションがオンされる(ステップS201)。サイクル数算出部112は、電流センサ6からの出力に基づいて、サイクル数を算出し(ステップS203)、サイクル数情報194を更新する。荷重取得部130は、荷重センサ3の出力に基づいて、非水二次電池2からの荷重を取得する(ステップS205)。そして、第2傾向算出部142は、サイクル数と非水二次電池2からの荷重とに基づいて、荷重とサイクル数との関係の図に示すグラフの第2傾きを算出する(ステップS207)。
第2検知部152は、例えば、第2傾向算出部142により算出された第2傾きに基づいて、非水二次電池2からの荷重とサイクル数との関係を示す仮想線が直線に近似されるか否かを判定する(ステップS209)。仮想線が直線に近似される場合、ステップS203に戻って処理を繰り返す。一方、仮想線が直線に近似されない場合、第2検知部152は、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する(ステップS211)。そして、報知部160は、出力部11を制御して、非水二次電池2にリチウムが析出していることが検知されたことを報知する(ステップS213)。
なお、ステップS209における処理は、リチウムの析出を検知する方法の一例であり、これに限られない。例えば、ステップS209において、第2検知部152は、上述した種々の手法を用いて、リチウムが析出していることを検知することができる。
<第3実施形態>
図9は、ECU103の構成の一例を示す図である。ECU103は、一部の構成が以下の点でECU100と異なる。ECU100と同様の構成について、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
[監視装置の構成]
ECU103は、例えば、使用時間算出部114と、SOC算出部120と、荷重取得部130と、第3傾向算出部144と、第3検知部154と、報知部160と、記憶部190とを備える。
使用時間算出部114は、電流センサ6からの出力に基づいて、非水二次電池2の累積使用時間を算出する。累積使用時間は、非水二次電池2の使用開始時点からの経過時間である。使用時間算出部114は、日時管理部9からの出力に基づいて、記憶部190の累積使用時間情報197を更新する。例えば、使用時間算出部114は、1時間経過ごとに、累積使用時間情報197を更新する。
使用時間算出部114により算出された累積使用時間は、非水二次電池2の使用度合いに関する指標値の一例である。指標値は、累積使用時間に限られず、累積使用時間を算出するためのデータも含む。つまり、電流センサ6や使用時間算出部114は、指標値(指標値を算出するためのデータを含む)を検出する検出部の一例である。
第3傾向算出部144は、基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重と、累積使用時間との関係において、累積使用時間の増加に伴う非水二次電池2からの荷重の増加傾向を算出する。
図10は、非水二次電池2からの荷重と累積使用時間との関係の一例を示す図である。図10において、縦軸が基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重[kN]、横軸が累積使用時間1/2である。図10において、Y21は、リチウムの析出が無い場合における、累積使用時間の増加に応じた荷重の変化を示し、一次式で近似される。一方、Y22は、リチウムの析出が発生した場合における、累積使用時間の増加に応じた荷重の変化を示し、二次式で近似される。図示の通り、Y22は、途中までY21と同じ傾向を示すが、リチウムの析出が開始したことにより、荷重の増加が加速し、荷重の変化が近似直線から乖離する。なお、図10の例では、累積使用時間が1/2乗されているためY21が直線で表されているが、これに限られない。例えば、累積使用時間が1/2乗されていない場合、Y21に相当する近似線は、曲線で表される。
第3傾向算出部144は、荷重センサ3の出力と、使用時間算出部114により算出された累積使用時間とに基づいて、荷重と累積使用時間とを成分とする観測座標を決定し、観測座標と荷重と累積使用時間と対応付けて、記憶部190の第3座標ログ情報198に追加する。第3傾向算出部144は、この処理を繰り返し行っておく。
第3傾向算出部144は、第3座標ログ情報198を参照して、例えば、各観測座標における傾き(以下、第3傾きと記す)を求め、観測座標に対応付けて、記憶部190の第3傾きログ情報199に追加する。なお、傾きの算出手法については、第1傾向算出部140と同様である。
第3検知部154は、基準SOCにおける非水二次電池2からの荷重と累積使用時間との関係に基づいて、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。例えば、第3検知部154は、非水二次電池2からの荷重と累積使用時間との関係を示す仮想線が直線に近似されない場合、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。これに限られず、例えば、図10に示す累積使用時間が1/2乗されていない場合、第3検知部154は、非水二次電池2からの荷重と累積使用時間との関係を示す近似曲線からの荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知してもよい。なお、第3検知部154による検知手法については、第1検知部150と同様である。例えば、図10に示すような例では、荷重と累積使用時間の累乗根との関係を示す近似直線からの荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを第3検知部154が検知する。
例えば、第3検知部154は、非水二次電池2からの荷重と累積使用時間との関係を示す近似直線または近似曲線からの(非水二次電池2からの)荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する。例えば、第1検知部150は、リチウムの析出が無かった二次電池セルの近似直線や近似曲線を予め参照値として用意しておき、参照値と第3座標ログ情報198との比較結果に基づいて、リチウムの析出を検知する。
また、第3検知部154は、非水二次電池2からの荷重と累積使用時間の累乗根との関係を示す近似直線からの(非水二次電池2からの)荷重の乖離量が所定値以上となった際に、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知してもよい。参照値を用意せずに、第3検知部154は、例えば、記憶部190に記憶された、その二次電池セル自身の使用開始から途中までの第3傾きログ情報199を参照し、第3傾きのトレンド(傾向)が、使用開始から途中までの近似直線の傾き、すなわち参照用の傾きとずれてきた場合、リチウムの析出を検知してもよい。例えば、第3検知部154は、第3傾きと参照用の傾きとの差分が所定値以上となる回数が連続して所定回数になった場合、リチウムの析出を検知してもよい。なお、リチウムの析出が無かった二次電池セルより近似直線の傾きを事前に用意して、リチウムの析出を検知してもよい。
[フローチャート]
図11は、ECU103のよる処理の一例を示すフローチャートである。まず、ECU103が搭載されている電気自動車のイグニッションがオンされる(ステップS301)。使用時間算出部114は、日時管理部9からの出力に基づいて、累積使用時間を算出し(ステップS303)、累積使用時間情報197を更新する。荷重取得部130は、荷重センサ3の出力に基づいて、非水二次電池2からの荷重を取得する(ステップS305)。そして、第3傾向算出部144は、累積使用時間と非水二次電池2からの荷重とに基づいて、荷重と累積使用時間との関係の図に示すグラフの第3傾きを算出する(ステップS307)。
第3検知部154は、例えば、第3傾向算出部144により算出された第3傾きに基づいて、非水二次電池2からの荷重と累積使用時間との関係を示す仮想線が直線に近似されるか否かを判定する(ステップS309)。仮想線が直線に近似される場合、ステップS303に戻って処理を繰り返す。一方、仮想線が直線に近似されない場合、第3検知部154は、非水二次電池2にリチウムが析出していることを検知する(ステップS311)。そして、報知部160は、出力部11を制御して、非水二次電池2にリチウムが析出していることが検知されたことを報知する(ステップS313)。
なお、ステップS309における処理は、リチウムの析出を検知する方法の一例であり、これに限られない。例えば、ステップS309において、第3検知部154は、上述した種々の手法を用いて、リチウムが析出していることを検知することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、ECU100,102,103は、リチウムが析出していることが検出された場合、リチウムの析出を抑制するための所定条件の下で、充放電を制御してもよい。また、リチウムが析出していることが検出された場合、経年劣化とは異なる方法で充放電を制御してもよい。
例えば、ECU100,102,103は、さらに温度センサ5による検出結果に基づいて、リチウムが析出していることを検知してもよい。例えば、ECU100,102,103は、温度センサ5により検出された温度が閾値以上であった累積使用時間(以下、高温累積使用時間と記す)を算出し、全ての累積使用時間に対する高温累積使用時間の割合を、傾向算出部により算出された傾きに乗算して、乗算した結果に基づいてリチウムが析出していることを検知してもよい。こうすることにより、高温累積使用時間の割合が高い方が、高温累積使用時間の割合が低い方に比べて、感度よくリチウム析出を検知することができる。
[原理の説明]
次に、本発明のECU100,102,103による各処理の原理について説明する。図12は、以下に説明する数式に含まれる各パラメータの一例を示す図である。荷重センサ3により検出される荷重Fは、受信部のバネ定数をkspとしたとき、以下の式(1)で表現される。
Figure 0007042228000001
バッテリSOC、温度、ならびにセル内堆積物量で、荷重Fを表現するために、以下の仮定で議論を進める。
1.初期荷重
二次電池もしくは二次電池積層モジュールは、初期に適当な荷重で拘束されているものとする。
2.筐体バインドバーの熱ひずみ
筐体後足部バインドバー長の歪みは、以下の式(2)で表現される。ここで、α、ΔTは、それぞれ筐体材の線膨張率、筐体基準温度からのズレである。
Figure 0007042228000002
3.二次電池のYoung率の温度依存性
二次電池積層方向(Y方向)のYoung率の温度依存性を、以下の式(3)の二次式で近似する。
Figure 0007042228000003
4.二次電池SOCと温度による歪み
二次電池からはSOCzに応じた膨張にともないSOC固有の荷重が生じる。SOCによる歪みをεLi(z)とする。充電にともない正極・負極ともに膨張するが、負極材料の膨張が正極材よりも大きいことが知られている。また、二次電池の線膨張率をαL、基準温度と二次電池の温度差をΔTbとすると二次電池積層方向の歪みは、以下の式(4)で表される。
Figure 0007042228000004
SOCzによるひずみは、材料の充電による膨張率を反映する。膨張率が正極よりも高い負極グラファイトのSOC‐荷重特性が、実電池のSOC-荷重特性に類似であることが知られている。
図13は、5Ah級リチウムイオン二次電池のSOC-荷重特性を示す図である。図12には、典型的な負極にグラファイトを採用したリチウムイオン二次電池のSOC-荷重特性(常温)を示す。図13に示したように、荷重はSOCに関係した量になることから、荷重を内部状態の指標として利用できる。
5.二次電池内堆積物・活物質割れによる変位
継続的な二次電池の充放電反応や長時間保管に伴い二次電池内では以下現象が生じる。
a.正極活物質割れ
b.SEI(Li2CO3, LiF他)の生成
c.負極への金属Li析出
いずれも二次電池の体積膨張の要因となるが、a.は特に二次電池の経年膨張の主要因とされてきた。c.は容量劣化を促進するだけでなく、二次電池の安全性影響も生じる懸念から、Li析出が起こらないように車両での充電電力・電流が制御されている。簡便のため、上記の現象が二次電池積層面の面積Aで、全面にわたって均一に生じるものとする。さらに簡便のため、厳密さは欠くが正極活物質割れも堆積物と同様の議論で扱う。この時のそれぞれの現象(成分)による厚さ増加をLi, 生成物重量をwi, 密度をρiとすると、生成体積物による厚さ変化は、以下の式(5)で表現される。
Figure 0007042228000005
また、生成堆積物による歪みの総和は各生成物堆積物のYoung率をEiとすると、式(6)で表される。
Figure 0007042228000006
6.ガス発生
継続的な二次電池の充放電反応や長時間保管に伴い二次電池内では電解液分解が生じる。これにより炭酸ガスを主成分とするガスが二次電池ケース内で生じ、膨張の要因となる。一方で、気体の体積弾性率は10^5程度であり、固体の10^9~11に比べて小さいため、ここの議論ではガスの発生による計測荷重への影響を無視する。
以上の前提条件のもとで、二次電池の積層方向への膨張の総和ΔLは、式(7)のようになる。
Figure 0007042228000007
荷重Fを表す式(1)に式(2)および式(7)を代入することで、任意の温度、SOC、生成堆積物重量における荷重を計算する式(8)を得る。
Figure 0007042228000008
ここで、筐体ならびに二次電池が基準温度と平衡にある条件に絞って単純化する。
=Tref、T=Tref、よりΔT=0、ΔT=0となるので、式(8)は、式(9)のようになる。
Figure 0007042228000009
式(9)を、σAについて整理すると、以下の式(10)が得られる。同一温度・同一SOCにおいても、堆積物量の増加によって荷重Fが増大することがわかる。
Figure 0007042228000010
次に、膨張量と堆積物物性ならびに生成量の関係について説明する。
式(9)、式(10)を変形した式(11)から考える。
Figure 0007042228000011
式(11)より、堆積物量wが大であるほど、またYoung率Eが大であるほど、堆積物による応力σが大になることがわかる。
ここで、Li金属に着目すると、その生成量wは、式(12)で表される。
Figure 0007042228000012
Li析出が急速に進むような充電電流の全量がLi析出に使用される場合には、短時間でwLiが増加することにより、荷重が短時間で急峻に増大することが考えられる。これに対しSEIの成長、正極の割れの進行は時間1/2に比例して比較的緩慢に進行することが試験結果からわかっている。これらの関係から、Li金属のYoung率が他の堆積物(正極割れ含む)と比較して低いにも関わらず、定温・定SOC下での荷重の増大とにその増大速度から、Li析出を判定することができる。
1…充電監視システム、2…非水二次電池、3…荷重センサ、4…筐体バインドバー、5…温度センサ、6…電流センサ、7…第1電圧センサ、8…第2電圧センサ、9…日時管理部、10…ECU、101監視装置、110総充放電電気量算出部、120SOC算出部、130荷重取得部、140第1傾向算出部、150第1検知部、160報知部、190記憶部

Claims (9)

  1. 二次電池からの荷重を検出する荷重センサと、
    前記二次電池の充電率を算出する算出部と、
    前記二次電池の使用度合いに関する指標値を検出する検出部と、
    前記指標値に対する、所定の充電率での前記二次電池の前記荷重の変化に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する検知部と、
    を備える監視装置。
  2. 前記検出部は、前記二次電池の総充放電電気量を前記指標値として検出する、
    請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記検出部は、前記二次電池のサイクル数を前記指標値として検出する、
    請求項1に記載の監視装置。
  4. 前記検出部は、前記二次電池の累積使用時間を前記指標値として検出する、
    請求項1に記載の監視装置。
  5. 前記検知部は、前記荷重と前記指標値との関係を示す近似直線又は近似曲線からの前記荷重の乖離量が所定値以上となった際に、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、
    請求項1から4のうちいずれか一項に記載の監視装置。
  6. 前記検知部は、前記荷重と前記指標値の累乗根との関係を示す近似直線からの前記荷重の乖離量が所定値以上となった際に、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、
    請求項1から4のうちいずれか一項に記載の監視装置。
  7. 前記検知部は、
    所定値以上の充電率における前記二次電池の荷重と前記指標値との関係に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、
    請求項1から6のうちいずれか一項に記載の監視装置。
  8. 前記検知部は、
    それぞれ異なる値の前記所定の充電率における前記関係に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、
    請求項5から7のうちいずれか一項に記載の監視装置。
  9. コンピュータが、
    荷重センサにより検出された二次電池からの荷重を取得し、
    前記二次電池の充電率を算出し、
    前記二次電池の使用度合いに関する指標値を検出し、
    前記指標値に対する、所定の充電率での前記二次電池の前記荷重の変化に基づいて、前記二次電池にリチウムが析出していることを検知する、
    監視方法。
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