JP7042047B2 - 検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検出装置に関する。
補酵素として利用されるNADH又はNADPHの減少を検出して、アセトンなどのケトン類、又はノネナールなどのアルデヒド類を検出する検出装置が知られている。
このような検出装置としては、NADH又はNADPHが発する蛍光量の減少を検出することで試料中の化学物質を検出するバイオセンサシステムであって、該バイオセンサシステムが、光入射用の光ファイバ及び受光用の光ファイバを含む光ファイバプローブ;前記光入射用の光ファイバに所定の波長の紫外線を入射する紫外線発光ダイオード;NADH又はNADPHを電子供与体として用いる酵素が固定化された膜;並びに前記紫外線発光ダイオードからの入射光によりNADH又はNADPHが励起されて発生した蛍光を前記受光用の光ファイバを通して検出する検出器を含むバイオセンサシステムが特許文献1に開示されている。
特開2016-220573号公報
特許文献1のバイオセンサシステムは、溶液に含有される補酵素が膜中の酵素と結合し、試料に含まれる基質と膜中の酵素とが反応することを利用している。具体的には、特許文献1のバイオセンサシステムは、NADHが発する蛍光を検出し、基質の反応に伴ってNADHが発する蛍光の光量が減少することを利用して基質の検出を行う。
しかしながら、膜に溶液が浸入すると膜の光学透過率が上昇する。このため、補酵素から発せられる膜方向への蛍光等は、そのまま膜を透過する。したがって、膜を透過した蛍光等は、検出に際して有効利用ができないことが課題の一例として挙げられる。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、補酵素から発せられる膜方向への蛍光等を有効利用することで、検出強度の向上を図ることが可能な検出装置を提供することを課題の1つとする。
本願請求項1に記載の検出装置は、補酵素が励起光によって励起されることで発せられる蛍光に基づいて、試料気体中に含まれる検出対象を検出する検出装置であって、前記補酵素と共に前記試料気体の反応を触媒する酵素を保持する酵素保持部と、前記励起光及び前記蛍光の少なくとも一方を反射する反射部と、を有することを特徴とする。
本願請求項3に記載の検出装置は、所定の照射方向に励起光を照射する光源部と、一の状態において前記励起光により励起されて蛍光を発する補酵素を含む溶液が流通可能であり、かつ前記照射方向に配された補酵素流路と、前記補酵素流路に面し、前記照射方向に設けられ、かつ前記補酵素に対する酵素を保持する酵素保持部と、前記酵素保持部によって前記補酵素流路と隔てられ、かつ試料気体が流通可能な試料流路と、前記酵素保持部からみて前記試料流路側の領域に配され、前記励起光及び前記蛍光の少なくとも一方を反射する反射部と、前記蛍光を検出する検出部と、を有することを特徴とする。
本願請求項8に記載の検出装置は、所定の照射方向に励起光を照射する光源部と、一の状態において前記励起光により励起されて蛍光を発する補酵素を含む溶液が流通可能であり、かつ前記照射方向に配された補酵素流路と、前記補酵素流路に面し、前記照射方向に設けられ、かつ前記補酵素に対する酵素を保持すると共に、前記励起光又は前記蛍光を反射する酵素保持部と、前記酵素保持部によって前記補酵素流路と隔てられ、かつ試料気体が流通可能な試料流路と、前記蛍光を検出する検出部と、を有することを特徴とする。
検出装置の構成を示すブロック図である。 光学部の構成を示すブロック図である。 フローセルの構成を示す検出装置の断面図である。 実施例及び比較例の実験データを示す図である。 変形例1に係るフローセルの構成を示す検出装置の断面図である。 変形例1に係る他のフローセルの構成を示す検出装置の断面図である。 変形例2に係るフローセルの構成を示す検出装置の断面図である。
(実施の形態)
以下において、本発明の好適な実施形態について説明する。しかし、これらを適宜改変し、組み合わせてもよい。また、以下の説明及び添付図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
以下に、本発明の実施形態である検出装置について、添付の図面(図1ないし3)を参照して説明する。
図1は、検出装置としてのバイオセンサの構成を示すブロック図である。検出装置としてのバイオセンサ10は、アポ酵素と結合する補酵素が発する蛍光を検出して、検出対象である基質を検出する装置である。
具体的には、バイオセンサ10の基質の検出に用いる補酵素は、基質の反応前後の一方の状態において励起光により励起されて蛍光を発する。したがって、バイオセンサ10は、基質の反応によって補酵素が発する蛍光の光量が変化することを利用して、基質を検出する。
例えば、化1に示すように、補酵素としてNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を用いた場合、酵素であるS-ADHは、基質であるアセトンが2-プロパノールに還元される反応を触媒する。この際、補酵素であるNADHは、酵素反応によりNAD+(酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に酸化され、それに伴い蛍光強度も減少する。すなわち、NADHは、所定の波長の励起光を受けて蛍光を発するが、同じ波長の励起光をNAD+が受けても蛍光を発しない。
本発明のバイオセンサ10は、このNADHが発する蛍光の光量を測定することにより基質の濃度を測定する装置である。
Figure 0007042047000001
バイオセンサ10は、補酵素を含有する溶液の流量を制御する溶液制御部20と、基質を含有する気体試料の流量を制御する試料制御部30と、基質の反応が行われるフローセル50に対して励起光を照射する光源部及び補酵素から発せられた蛍光を検出する検出部を有する光学部40と、基質の反応が行われるフローセル50と、を有して構成される。
溶液制御部20は、補酵素溶液サーバ21と、送液ポンプ22と、廃液容器23と、から構成され、補酵素流路としての溶液流路25を介して各々が接続されている。
補酵素溶液サーバ21は、補酵素を含む溶液を貯蔵するサーバである。
溶液は、補酵素と、酵素の至適pH値を考慮したpH値を示す緩衝液と、を成分としている。補酵素は、基質の反応に応じて反応前と反応後に異なる化学構造となる補酵素である。すなわち、補酵素は、基質の反応前後の2つの状態の間で可逆的に化学構造が変化するものである。また補酵素は、基質の反応前後の一方の状態において励起光により励起されて蛍光を発するものである。
このような補酵素の一例としては、NADH、NADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)等を用いることができる。
送液ポンプ22は、補酵素溶液サーバ21から溶液がフローセル50に流れるように溶液流路25内に圧力を生じさせるポンプである。
廃液容器23は、フローセル50を通過した溶液が貯蔵される容器である。
試料制御部30は、気体試料容器31と、送気ポンプ32と、流量制御装置33と、排気フィルタ34と、から構成され、試料流路35を介して各々が接続されている。
気体試料容器31は、気体である試料が貯蔵される容器である。このような容器としては、テドラーバッグ等が挙げられる。
試料に含有される基質は、ケトン基、アルデヒド基のいずれかを含む。具体的には、表1に示すように、酵素としてホルムアルデヒド脱水素酵素(FALDH)を用いる場合、基質は、ホルムアルデヒド(補酵素:NAD+)である。酵素として一級アルコール脱水素酵素(ADH)を用いる場合、基質は、アセトアルデヒド(補酵素:NADH)、エタノール(補酵素:NAD+)である。酵素として二級アルコール脱水素酵素(S-ADH)を用いる場合、基質は、アセトン(補酵素:NADH)、2-プロパノ-ル(補酵素:NAD+)などである。酵素としてアルデヒド脱水素酵素(ALDH)を用いる場合、基質は、アセトアルデヒド、または2-ノネナール(補酵素:NAD+)などである。
Figure 0007042047000002
送気ポンプ32は、試料が気体試料容器31から排気フィルタ34側に向かって流れるように試料流路35内に圧力を生じさせるポンプである。
流量制御装置33は、試料流路35内に設けられた絞り(図示せず)の開度を調節することで、試料流路35に流入する試料の量を制御する。
図2は、光学部40の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、光学部40は、光源部41と、プローブ管としての2分岐光ファイバ42と、検出部43と、から構成されている。
光源部41は、励起光源44と、バンドパスフィルタ45と、を有して構成され、それぞれ2分岐光ファイバ42に接続されている。
励起光源44は、紫外光を発光する発光ダイオードを用いることができる。紫外光を発光するものとしては、紫外レーザーダイオードや水銀ランプであってもよい。
バンドパスフィルタ45は、特定の帯域の波長を通過させるものである。透過させる帯域は、補酵素が励起する帯域である。例えば、補酵素にNADHを用いた場合、NADHは340nmの紫外線を吸収して蛍光を発するが、NAD+は340nmの紫外線を吸収しない。したがって、バンドパスフィルタ45の透過させる波長の範囲は、330~350nmとするとよい。
検出部43は、励起光の光量及び蛍光の光量に基づいて試料気体中における基質の濃度を検出する検出器46と、バンドパスフィルタ47と、によって構成され、それぞれ2分岐光ファイバ42に接続されている。
検出器46は、光電子増倍管、フォトダイオード検出器などを含む分光光度計が用いられる。
バンドパスフィルタ47は、特定の帯域の波長を通過させるものである。透過させる帯域は、補酵素から発せられた蛍光の波長を含む帯域である。励起により生じる蛍光の波長は、NADHの場合、450~510nm、より具体的には491nm付近である。したがって、例えば、補酵素にNADH又はNADPHを用いた場合、バンドパスフィルタ47が透過させる波長の範囲は、450~510nmにするとよい。
2分岐光ファイバ42は、内部に蛍光又は励起光の導光路が形成されるものである。2分岐光ファイバ42は、二又に分岐する一方の第1の導光路42aは光源部41側に接続され、他方の第2の導光路42bは検出器46側に接続される。また、第1の導光路42aと第2の導光路42b分岐端から延びる先端部42cがフローセル50に接続されている。
図3は、フローセル50の構造を示す拡大断面図である。尚、図中の矢印は、溶液及び試料の流れ方向を示す。フローセル50は円筒状、もしくは略直方体の箱状に形成される。
フローセル50は、上面50aから底面50bにかけて貫通して形成された第1の貫通孔51と、右側面から左側面にかけて貫通して形成された第2の貫通孔52とを有している。第1の貫通孔51と第2の貫通孔52とは、それぞれ内部で接続されている。
第1の貫通孔51は上面50a側から2分岐光ファイバ42の先端部42cが挿入されている。先端部42cには、この先端部42cを覆うようにシリコーン部材60が装着されている。シリコーン部材60は、第1の貫通孔51の上面50a側から底面50b側に向かって第1の貫通孔51を塞ぐように設けられている。
第1の貫通孔51の底面50b側は、酵素保持部としての固定化膜70が第1の貫通孔51の底面50b側を塞ぐように設けられている。
第2の貫通孔52の右側面側孔52aは、補酵素溶液サーバ21側に形成される上流側の溶液流路25の端部に形成されたフランジ25fをフローセル50の右側面に固定することによって上流側の溶液流路25に接続されている。
第2の貫通孔52の左側面側孔52bは、廃液容器23側に形成される下流側の溶液流路25の端部に形成されたフランジ25fをフローセル50の側面に固定することによって下流側の溶液流路25に接続されている。
これらの第1の貫通孔51、第2の貫通孔52、シリコーン部材60及び固定化膜70によって溶液が流れる溶液流路25が内部に形成されている。
したがって、先端部42cから照射された励起光は溶液流路25の内部に直接的に照射される。また、溶液流路25内部に流れる溶液は、固定化膜70に接触可能となっている。
固定化膜70は、膜材料である担体上に酵素が固定化されたものである。固定化膜70は、酵素を保持する酵素保持面が補酵素流路の流通方向に沿って形成されている。担体としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。担体の厚みは、好ましくは1μm~200μmであり、更に好ましくは10μm~100μmである。
担体上に酵素を固定する方法としては、例えば、酵素とポリマーとを混合して担体上に塗布し乾燥することが挙げられる。酵素と混合するポリマーとしては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール又はポリビニルアルコールにSbQの光官能基を組み合わせたPVA-SbQ、SPP-H13、ホスホリルコリン基を含むポリマー等が挙げられる。酵素を担体に固定化する他の方法として、グルタルアルデヒドの架橋によって行ってもよい。
酵素は、補酵素(電子供与体)としてNADH又はNADPHを用いる場合、例えば、アラニン脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、イソクエン酸脱水素酵素、ウリジン-5’-ジホスフォ-グルコース脱水素酵素、ガラクトース脱水素酵素、ギ酸脱水素酵素、グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素、グリセロール脱水素酵素、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素、グルコース脱水素酵素、グルコース-6-リン酸脱水素酵素、グルタミン酸脱水素酵素、コレステロール脱水素酵素、サルコシン脱水素酵素、ソルビトール脱水素酵素、炭酸脱水素酵素、乳酸脱水素酵素、3-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、ピルビン酸脱水素酵素、フルクトース脱水素酵素、6-ホスフォグルコン酸脱水素酵素、ホルムアルデヒド脱水素酵素、マンニトール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ロイシン脱水素酵素等を挙げることができ、特に、NADH又はNADPHを電子供与体として用いてケトン(アセトン、2-ブタノン、2-ペンタノンなど)またはアルデヒド(ノネナール、エチルビニルケトンなど)を還元する酵素、より具体的には、二級アルコール脱水素酵素(S-ADH)(二級アルコール脱水素酵素(secondary alcohol dehydrogenase) EC:1.1.1.x)、エノン還元酵素(ER1)(エノン還元酵素(enone reductase type 1, ER1))等が利用できる。
励起光の照射方向であって、フローセル50の第1の貫通孔51の下方には試料流路35が設けられている。すなわち、励起光の照射方向上において、溶液流路25、試料流路35の順にそれぞれ配設されている。
試料流路35は、フローセル50の底面50b側と嵌合するための嵌合孔35hが形成されている。試料流路35の嵌合孔35hには、反射部80が嵌合孔35hを塞ぐように固定化膜70と接して設けられている。反射部80は、励起光の照射方向上において、固定化膜70と試料流路35間に設けられている。また、固定化膜70は、酵素が溶液及び試料に接触可能であり、かつ溶液流路25と試料流路35とを隔てる隔膜となる。
固定化膜70は、溶液流路25に対向して形成される面が親水性を有する。これにより、気体試料を溶液流路25側に容易に通すことができる。親水性は、親水性処理を膜の表面に施すことによって得ることができる。親水性処理は、例えば、親水性を有する樹脂材を含むコート剤を塗布すること等が挙げられる。
反射部80は、補酵素から発せられた蛍光を先端部42cに反射させると共に、光源部41から照射された励起光をフローセル50の溶液流路25を流れる補酵素に向けて反射させるように設けられている。
具体的には、反射部80は、先端部42cから照射される励起光の照射方向に対して垂直な面を有するように、フローセル50の上面50aの形成方向に対して略平行に設けられる。
反射部80は、気体試料を溶液流路25側に通すと共に、溶液を試料通路35側に通さない多孔質の樹脂膜である。樹脂膜の素材としては、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、PVDF(PolyVinylidene DiFluoride)、ニトロセルロース等を用いることができる。
これらの樹脂素材は、検出の妨げとなる不要な蛍光が発生しないものが好ましい。すなわち、補酵素が発する蛍光の波長と重複する波長(ピーク波長460nm)の蛍光を発しないものが好ましい。不要な蛍光を出さないものとしては、例えば、バイオラッド社製の低蛍光 イミュン-ブロット PVDF メンブレンが挙げられる。
反射部80の一例としては、疎水性を有するPTFE膜で、ポア径:0.2μm、空隙率:74%、膜の厚さ:80μm、波長340nmにおける反射率:98%,波長490nmにおける反射率92%のものが挙げられる。
反射部80は、試料流路35に対向して形成される面が疎水性を有する。これにより、溶液が試料流路35側に漏れ出すことを効果的に防止できる。反射部80を疎水性にするには、例えば、疎水性の樹脂を反射部80として用いること等が挙げられる。
尚、固定化膜70と反射部80とは、フローセル50の側面にOリング90によって共に固定される。
以上で説明したように、光源部41から第1の導光路42aと先端部42cを介して照射された励起光はフローセル50の溶液流路25内に照射される。溶液流路25内に照射された励起光は、反射部80によって反射される。これにより、反射された励起光が再びフローセル内の溶液流路25内を照射することになる。この結果、補酵素は励起光を受光する機会が増加する。したがって、補酵素から発せられる蛍光の光量を増加させることができる。このため、検出器46の検出精度を高めることができる。
また、反射部80によって蛍光が反射されることにより、検出部43に導光される蛍光の光量が増加することになる。したがって、検出器46の検出精度を高めることができる。
このように、反射部80は、励起光、蛍光を反射することにより、励起光、蛍光の光量が増加し、検出対象である基質の検出効率を高めることが可能となる。
尚、反射部80は、膜状に形成されるように説明した。しかし、反射部80は膜状のものに限られず、例えば板状のPTFEで構成してもよい。板状のPTFEで反射部80を構成した場合は、誘電体多層膜を設けて反射機能を有するようにしてもよい。板状の反射部80を用いることにより、反射部80の剛性を高めることができる。したがって、溶液の加圧範囲を広げることができる。
また、反射部80は、樹脂素材に限られず、例えば、メッシュ状の金属フィルタを用いてもよい。
酵素保持部としての固定化膜70と反射部80は、別部材で構成されるように説明した。しかし、酵素保持部を反射部80と一体に形成し、酵素を保持すると共に、励起光又は蛍光を反射するようにしてもよい。
この場合には、反射部80を構成する膜の表面に酵素を固定する方法と、多孔質の膜であればその膜の孔に酵素を埋め込む方法とがある。膜の表面に酵素を固定する場合は、酵素を膜上に塗布し乾燥する方法を用いると良い。膜の孔に酵素を埋め込む場合は、グルタルアルデヒドで酵素を架橋して酵素を埋め込む方法を用いると良い。
補酵素から発せられた蛍光が反射部80で検出器46に向かって反射されるだけでなく、光源部41から照射された励起光も反射部80で補酵素に向かって反射されるため、補酵素の励起効率も改善され、蛍光強度を高めること、すなわち、検出器46に導かれる蛍光の光量を増加させることが可能となる。
上記のバイオセンサ10について、アセトンを検出対象として以下の通り実験を行った。尚、補酵素にNADH、酵素にS-ADHを用いた。実験の諸条件は下記の通りである。
-溶液
pH7.5、0.1Mのリン酸緩衝液(PB)を用いて50μMのNADHを含むリン酸緩衝液(溶液)が調製された。PBの調製は、0.1Mのリン酸水素二カリウムを0.1Mのリン酸二水素カリウムに徐々に加えることにより行われた。溶液流路25の溶液の流速は、200ml/minとした。
-試料ガス
ガスジェネレータ(PD-1B-2、株式会社ガステック)を用いて、アセトン蒸気が調製された。試料流路35の試料の流速は200ml/minとした。試料流路35には最初に高純度空気が流され、測定開始から4分経過後にアセトン蒸気が流された。
-光源部41
UV-LED(DOWA Electronics Materials Co., Ltd製UF4VL-1H33 ピーク波長340nm)を光源部41として用いた。このUV-LEDにUV-LED電源(GS200、横河電機株式会社)を接続した。
-検出器46
検出器46として光電子倍増管(C9692、浜松ホトニクス株式会社)を使用した。
-バンドパスフィルタ45,47
光源部41側に用いられたバンドパスフィルタ45の透過波長は、330~350nmである。検出器46側に用いられたバンドパスフィルタ47の透過波長は、480~500nmである。
-フローセル50
溶液流路25の直径が4mmに形成されたPMMA(Polymethyl methacrylate)セルを用いた。
-反射部80
PTFE膜(ADVANTEC社製 T020A047A)を用いた。この膜は、ポア径:0.2μm、空隙率:74%、膜の厚さ:80μm、波長340nmにおける反射率:98%,波長490nmにおける反射率92%である。

(比較例)
実施例の反射部80を設けないこと以外は全て実施例と同じく構成した。

(蛍光強度測定)
以上の条件で行った実施例と比較例の蛍光強度測定を行った。図4は、測定時間に対する蛍光強度を測定したグラフを示す図である。図中の太線は本実施例の測定時間に対する蛍光強度を示す。図中の細線は反射部80を設けていない比較例の測定時間に対する蛍光強度を示す。
図4において示されるように、本実施例の出力信号は比較例の3.9倍であった。また、実施例の信号品質は比較例よりも+3.0dB高かった。
反射部80は、嵌合孔35hを塞ぐようにして固定化膜70と試料流路35の間に設けられるものであった。しかし、反射部80は、固定化膜70から離れた試料流路35に設けられるものであってもよい。
図5は、変形例1に係るフローセルの構成を示す検出装置の断面図であって、反射部80が、試料流路35に設けられている態様を示す図である。
図5に示すように、反射部80は、励起光の照射方向上であって、試料流路35内において下側の内壁面に接して設けられている。
このようにして反射部80を設けた場合は、試料が反射部80を介して固定化膜70に達するようにする必要がないため、反射部80は多孔質であることや、親水性を有する必要はない。
尚、反射部80は湾曲して形成されるようにしてもよい。
図6は、変形例1に係る他のフローセルの構成を示す検出装置の断面図であって、反射部80が湾曲して形成される態様を示す図である。
図6に示すように、反射部80は、固定化膜70に対向する面が凹面を有するように湾曲して形成される。
このように反射部80を形成した場合は、反射部80は、先端部42cの最先端に対する焦点距離となるように設けられているとよい。反射部80は、焦点距離となるように設けられていることにより、試料流路35にまで到達した励起光及び蛍光をそれぞれ溶液流路25及び先端部42cに向けて効率的に反射させることができる。
図7は、変形例2に係るフローセルの構成を示す検出装置の断面図である。
図7に示すように、固定化膜70の酵素保持面に対して平行に位置するように検出器46の受光面46aが設けられている。また、光源部41から照射される励起光の光軸Aは、受光面46aに垂直な方向に対して角度を有するように光源部41が設けられている。
このように光源部41と検出器46を配置することで、光源部41から照射される励起光の光軸Aと、補酵素から発せられる蛍光の検出部43までの光軸Bとは、互いに異なることになる。
励起光の光軸Aと蛍光の光軸Bとをずらすことにより、検出器46への励起光導光を回避することができる。したがって、検出器46の検出バックグランドレベルの上昇を抑えることができるため、ノイズを小さくすることができる。
また、光軸Aと光軸Bとをずらすことにより、蛍光が分岐されることなく直接的に受光側である検出器46に向かうため、検出器46がロスなく蛍光を受光することが可能になる。
尚、固定化膜70が小さく形成される場合であっても、反射部80によって励起光が反射されるため、固定化膜70に励起光を照射することが容易になる。
10 バイオセンサ
20 溶液制御部
25 補酵素流路
30 試料制御部
35 試料流路
40 光学部
41 光源部
43 検出部
50 フローセル
70 固定化膜
80 反射部

Claims (2)

  1. 補酵素が励起光によって励起されることで発せられる蛍光に基づいて、試料気体中に含まれる検出対象を検出する検出装置であって、
    前記補酵素と共に前記試料気体の反応を触媒する酵素を保持しかつ一方の面に前記励起光が照射される親水性を有する酵素保持膜と、
    前記酵素保持膜の他方の面側に設けられ前記励起光及び前記蛍光を反射する反射膜と、
    前記酵素保持膜の一方の面側に設けられ、前記蛍光の光量に基づき、前記試料気体中における前記検出対象の濃度を検出する検出部と、
    前記酵素保持膜の一方の面側に設けられ前記励起光を前記酵素保持膜に照射する光源部と、
    前記酵素保持膜の一方の面側に面して前記補酵素を含む溶液が流通可能である補酵素流路と、
    前記酵素保持膜によって前記補酵素流路と隔てられ、かつ前記反射膜に面して前記試料気体が流通可能な試料流路と、を備え、
    前記反射膜は、前記試料気体を通すと共に前記補酵素を含む溶液を通さない疎水性を有する多孔質の樹脂膜であり、
    前記反射膜は前記励起光及び前記蛍光を前記酵素保持膜に向けて反射させるように設けられていることを特徴とする検出装置。
  2. 前記試料流路に面した前記反射膜及び前記補酵素流路に面した前記酵素保持膜は、互いに接して設けられて前記補酵素流路と前記試料流路を隔てることを特徴とする請求項に記載の検出装置。
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