JP2020171239A - 気体成分検出用フローセル及び気体成分検出装置 - Google Patents

気体成分検出用フローセル及び気体成分検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光量の検出精度が向上した気体成分検出用フローセル及び気体成分検出装置の提供。【解決手段】補酵素を含む溶液が流れる溶液流路100であって、第1方向に延在し溶液が第1方向+Aに流れる第1流路110及び第1方向と異なる第2方向−Aに延在し第1流路から流出された溶液が第2方向に流れる流路又は第1方向に延在し第1流路からずれた位置若しくは第1流路の第1方向の延長線上からずれた位置に配置され第1流路から流出された溶液が第1方向に流れる流路とされる第2流路120を有する溶液流路と、気体試料が流れる気体流路200と、補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、第1流路と気体流路とを隔てる酵素保持膜とを備え、第2流路の内部は第2流路を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が第2方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域ERを構成する、気体成分検出用フローセル40。【選択図】図2A

Description

本発明は、気体成分検出用フローセル及び気体成分検出装置に関する。
酵素反応に伴う補酵素の減少を検出することにより、気体試料中に含まれる特定の物質を検出する検出装置が知られている。
ここで、特許文献1には、このような検出装置としては、例えば、アセトン等のケトン類、ノネナール等の基質の反応に伴い補酵素であるNADHが減少することを利用して、気体試料に含まれる基質の検出を行う検出装置が開示されている。具体的には、特許文献1に開示されている検出装置は、補酵素を含む溶液が流れる溶液流路と気体試料が流れる気体流路の両方に接するように酵素を保持する酵素保持膜を有している。そして、この検出装置は、酵素保持膜が配されている溶液流路の領域に励起光が照射され、励起光を受けた補酵素が発する蛍光を検出している。
特開2016−220573号公報
ところで、特許文献1に開示されている検出装置の場合、酵素保持膜が蛍光検出部となる光ファイバープローブの先端に取り付けられた気液隔膜フローセルに装着して固定されている。すなわち、光ファイバープローブから出射される励起光の光軸上に酵素保持膜が存在している。そのため、出力信号となる蛍光量は、酵素保持膜の変形の影響を受けて変動する。その結果、蛍光量の検出が不安定となる。
本発明が解決しようとする課題としては、蛍光量の検出精度を向上させることが一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、
補酵素を含む溶液が流れる溶液流路であって、第1方向に延在し溶液が前記第1方向に流れる第1流路及び前記第1方向と異なる第2方向に延在し前記第1流路から流出された溶液が前記第2方向に流れる流路又は前記第1方向に延在し前記第1流路からずれた位置若しくは前記第1流路の前記第1方向の延長線上からずれた位置に配置され前記第1流路から流出された溶液が前記第1方向に流れる流路とされる第2流路を有する溶液流路と、
気体試料が流れる気体流路と、
補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、前記第1流路と前記気体流路との隔てる酵素保持膜と、
を備え、
前記第2流路の内部は、前記第2流路を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が前記第2方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域を構成する、
気体成分検出用フローセルである。
また、請求項2に記載の発明は、
補酵素を含む溶液が流れる溶液流路であって、第1方向に延在し溶液が前記第1方向に流れる第1流路、前記第1方向に延在し前記第1流路からずれた位置若しくは前記第1流路の前記第1方向の延長線上に配置され前記第1流路から流出された溶液が前記第1方向に流れる第2流路及び前記第1流路と前記第2流路とを連結し前記第1流路を流出された溶液を前記第2流路に流入させるための第3流路を有する溶液流路と、
気体試料が流れる気体流路と、
補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、前記第1流路と前記気体流路との隔てる酵素保持膜と、
を備え、
前記第2流路の内部は、前記第2流路を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が前記第1方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域を構成する、
気体成分検出用フローセルである。
第1実施形態の気体成分検出装置の概略図である。 第1実施形態の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。 第1実施形態の気体成分検出用フローセルの横断面図である。 第1実施形態の気体成分検出用フローセルの内部で生じる触媒反応のモデル図である。 第1実施形態の変形例の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。 第2実施形態の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。 第2実施形態の第1変形例の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。 第2実施形態の第2変形例の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。 第2実施形態の第3変形例の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。 第3実施形態の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。 第3実施形態の変形例の気体成分検出用フローセルの縦断面図である。
≪概要≫
以下、本発明の一例である複数の実施形態及びその変形例(第1実施形態及びその変形例、第2実施形態及びその変形例並びに第3実施形態)について、これらの記載順で説明する。なお、参照するすべての図面では同様の機能を有する構成要素に同様の符号を付し、明細書では適宜説明を省略する。
≪第1実施形態≫
まず、第1実施形態について、図1並びに図2A及び図2Bを参照しながら説明する。まず、本実施形態の気体成分検出装置10(図1参照)の構成及び機能について説明する。次いで、本実施形態の気体成分検出動作について説明する。次いで、本実施形態の効果について説明する。
<第1実施形態の気体成分検出装置の構成及び機能>
図1は、本実施形態の気体成分検出装置10の概略図である。本実施形態の気体成分検出装置10は、光照射装置20(照射装置の一例)と、光検出装置30(検出装置の一例)と、気体成分検出用フローセル40(以下、フローセル40という。)と、処理装置CUとを備えている。そして、気体成分検出装置10は、光照射装置20からフローセル40に向けて励起光を照射させ、光検出装置30によりフローセル40の内部で補酵素が発光する蛍光を検出することで、フローセル40の気体流路200を流れる気体試料に含まれる基質を検出する機能を有する。
ここで、本実施形態の気体試料に含まれる基質は、ケトン基を含んでいる。また、補酵素は、基質との反応前又は反応後の状態において励起光により励起されて蛍光を発するものが用いられる。
また、酵素は、補酵素としてNADH又はNADPHを用いる場合、例えば、アラニン脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、イソクエン酸脱水素酵素、ウリジン−5’−ジホスフォ−グルコース脱水素酵素、ガラクトース脱水素酵素、ギ酸脱水素酵素、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、グリセロール脱水素酵素、グリセロール−3−リン酸脱水素酵素、グルコース脱水素酵素、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、グルタミン酸脱水素酵素、コレステロール脱水素酵素、サルコシン脱水素酵素、ソルビトール脱水素酵素、炭酸脱水素酵素、乳酸脱水素酵素、3−ヒドロキシ酪酸脱水素酵素、ピルビン酸脱水素酵素、フルクトース脱水素酵素、6−ホスフォグルコン酸脱水素酵素、ホルムアルデヒド脱水素酵素、マンニトール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ロイシン脱水素酵素等とすることができ、特に、NADH又はNADPHを電子供与体として用いてケトン(アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノンなど)又はエノン(ノネナール、エチルビニルケトンなど)を還元する酵素、より具体的には、二級アルコール脱水素酵素(S−ADH)(二級アルコール脱水素酵素(secondary alcohol dehydrogenase) EC:1.1.1.x)、エノン還元酵素(ER1)(エノン還元酵素(enone reductase type 1, ER1))等とすることができる。
〔光照射装置〕
光照射装置20は、図1に示されるように、光源22と、レンズ系24とを有している。
光源22は、一例として励起光としてピーク波長が340nmである紫外光を出射する機能を有する。光源22は、一例として紫外光発光ダイオードとされている。ただし、光源22は、紫外光発光ダイオードに限られず、例えば、紫外レーザーダイオード、水銀ランプ等でもよい。なお、図1における矢印付き破線OAは、光源22が出射する励起光(及び後述する蛍光)の光軸OAを意味する。
レンズ系24は、光源22と、フローセル40との間に配置され、光源22から出射される励起光をフローセル40の第2流路120に向けて集光する機能を有する。レンズ系24は、コリメートレンズ24Aと、集光レンズ24Bと、励起光バンドパスフィルタ24Cとを有する。コリメートレンズ24A、励起光バンドパスフィルタ24C及び集光レンズ24Bは、光源22側からフローセル40側に亘ってこれらの順で並べられている。
コリメートレンズ24Aは光源22が出射した励起光を平行光にし、集光レンズ24Bはコリメートレンズ24Aによって平行光にされた励起光をフローセル40の第2流路120に向けて集光する機能を有する。励起光バンドパスフィルタ24Cは、補酵素が励起する励起光の波長を含む帯域の励起光を透過させる機能を有する。なお、本実施形態で用いられる補酵素は一例としてNADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)又はNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)とされており、NADHは340nmの波長の紫外線を吸収して蛍光を発する性質を有する。そこで、本実施形態の励起光バンドパスフィルタ24Cが透過させる波長の範囲は、330nm〜350nmとされている。なお、補酵素は、基質との反応前及び反応後の状態で可逆的に化学構造が変化する。
ここで、本明細書で使用する「〜」の意味について補足すると、例えば「330nm〜350nm」は「330nm以上350nm以下」を意味する。そして、本明細書で使用する「〜」は、「『〜』の前の記載部分以上『〜』の後の記載部分以下」を意味する。
〔光検出装置〕
光検出装置30は、図1に示されるように、検出部32と、レンズ系34とを有している。光検出装置30は、フローセル40を挟んで、光照射装置20の反対側に配置されている。
検出部32は、蛍光を検出する検出器であって、例えば分光光度計であり、目的や用途に応じて光電子増倍管、フォトダイオード検出器等としてもよい。
レンズ系34は、フローセル40と検出部32との間に配置され、フローセル40の第2流路120から出射された蛍光を検出部32に向けて集光する機能を有する。レンズ系34は、一例として、コリメートレンズ34Aと、集光レンズ34Bと、蛍光バンドパスフィルタ34Cとを有する。コリメートレンズ34A、蛍光バンドパスフィルタ34C及び集光レンズ34Bは、フローセル40側から検出部32側に亘ってこれらの順で並べられている。
コリメートレンズ34Aは蛍光を平行光にし、集光レンズ34Bはコリメートレンズ34Aによって平行光にされた蛍光を検出部32に向けて集光する機能を有する。蛍光バンドパスフィルタ34Cは、補酵素が発光する蛍光の波長を含む帯域の蛍光を透過させる機能を有する。なお、補酵素とされるNADHが励起することにより発する蛍光の波長は440nm〜510nm、より具体的には491nm付近とされている。そこで、本実施形態の蛍光バンドパスフィルタ34Cが透過させる波長の範囲は、440nm〜510nmとされている。
〔気体成分検出用フローセル〕
図2Aは本実施形態のフローセル40の縦断面図、図2Bは本実施形態のフローセル40の横断面図である。具体的には、図2Aは図2Bの2A−2A断面図であり、図2Bは図2Aの2B−2B断面図である。
本実施形態のフローセル40は、補酵素を含む溶液が流れる溶液流路100と、気体試料が流れる気体流路200と、補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持する第2筒体622(酵素保持膜の一例)と、を備え、気体試料と溶液とを反応させる機能を有する。また、本実施形態のフローセル40は、気体試料と反応した溶液に、外部(前述の光照射装置20)からの励起光が照射されて補酵素を励起する励起領域ERを構成する機能を有する。
フローセル40は、図2A及び図2Bに示されるように、一例として、外観上、円柱状とされている。フローセル40は、図1並びに図2A及び図2Bに示されるように、第1筒50と、第2筒60と、第3筒70と、流入部IN1と、流出部OT1と、吸気部IN2、排気部OT2とを備えている。なお、図2A及び図2Bのフローセル40は、その軸が光軸OAに重なっている状態を図示している。ここで、本実施形態では、一例として、第1筒50、第2筒60及び第3筒70は円筒とされており、それらの長手方向から見るとそれらは同心円を形成している。そして、本実施形態では、フローセル40の軸とは第1筒50、第2筒60及び第3筒70の中心軸を意味する。
以下の説明では、フローセル40における光照射装置20が配置されている側をフローセル40の一端側とし、光検出装置30が配置されている側をフローセル40の他端側と定義する。また、以下の説明で、単に「一端側」と記載する場合は「フローセル40の一端側」を意味し、単に「他端側」と記載する場合は「フローセル40の他端側」を意味するものとする。
第1筒50は、筒体52と、底板54とを有する有底筒とされている。底板54は、筒体52の一端で筒体52に繋がっている。筒体52の一端側の端部には、流出部OT1が繋がっている。第1筒50は、光透過性を有する材料で形成されている。具体的には、第1筒50は、330nm〜510nmの波長の光を透過し、かつ自家蛍光し難い材料、一例としてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等のアクリル樹脂で形成されている。
第2筒60は、筒体62と、底板64とを有する有底筒とされている。底板64は、筒体62の他端で筒体62に繋がっている。筒体62は、第1筒50の筒体52よりも大径の筒体とされている。第2筒60は、筒体52の軸に自身の軸を重ねた状態で、流出部OT1よりも他端側に配置されている。
筒体62は、一端側に配置されている第1筒体621と、他端側に配置されている第2筒体622とを有している。そして、第2筒体622の他端部は、筒体52よりも他端側にはみ出している。
第1筒体621は、一例として、第1筒50と同じ材料で形成されている。
第2筒体622は、ガス透過性を有する多孔質性基材に二級アルコール脱水素酵素が固定化された酵素保持膜とされている。ここで、多孔質性基材は、一例として、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリエーテルスルホン、セルロース混合エステル、セルロースアセテート等とされている。
第1筒体621(第2筒60の一端側)の端部には、流入部IN1が繋がっている。
第3筒70は、筒体72と、中央が貫通している一対の底板74とを有する筒とされている。第3筒70は、筒体52の軸に自身の軸を重ねた状態で径方向外側から第2筒60を囲むように配置されている。第3筒70は、一例として、第1筒50と同じ材料で形成されている。
筒体72は、第2筒60の筒体62よりも大径の筒体とされている。筒体72の(一端から他端までの)長さは、一例として第2筒60の第2筒体622と同じ長さとされている。また、一対の底板74の外周縁は、それぞれ、筒体72の両端に繋がっている。一対の底板74の内周縁は、それぞれ、第2筒60の第2筒体622の両端に繋がっている。
以上のとおりであるから、第3筒70は、第1筒50及び第2筒60の径方向外側で、第2筒体622、筒体72及び一対の底板74とで閉空間を形成している。
なお、筒体72の異なる2箇所には、吸気部IN2及び排気部OT2が繋がっている(図2B参照)。
〔フローセルの各構成要素と溶液流路及び気体流路との関係〕
以上のとおり、フローセル40について、第1筒50、第2筒60及び第3筒70、流入部IN1及び流出部OT1並びに吸気部IN2及び排気部OT2に分けて説明したが、本明細書ではこれらの構成要素で形成される閉空間を以下のように定義する。
(溶液流路)
流入部IN1から流出部OT1に亘る閉空間には、補酵素を含む溶液が流れるようになっている。本実施形態では、当該閉空間を溶液流路100と定義する。
ここで、溶液流路100のうち第1筒50の筒体52と第2筒60の筒体62とで囲まれた閉空間を、第1流路110と定義する。第1流路110は、フローセル40の軸方向の一端側から他端側に向く方向(第1方向の一例、図2Aの+A方向)に延在し、溶液が+A方向に流れる流路とされている。
また、溶液流路100のうち第1筒50の筒体52の内側の閉空間を、第2流路120と定義する。第2流路120は、フローセル40の軸方向の他端側から一端側に向く方向(第2方向の一例、図2Aの−A方向)に延在し、第1流路110から流出された溶液が−A方向に流れる流路とされている。すなわち、−A方向は、+A方向と異なる方向とされている。
なお、前述の説明のとおり(又は図1に示されるとおり)、フローセル40の一端側に光照射装置20、他端側に光検出装置30が配置されている。そして、本実施形態では、第2流路120の内部に光照射装置20から出射される励起光が照射されるようになっている。そのため、第2流路120の内部は、第2流路120を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が+A方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域ERを構成する。
また、本実施形態のフローセル40は、気体成分検出装置10を構成している状態において、その軸が光軸OAと重なるように配置される。そのため、フローセル40の第1筒50は光軸OAに沿って配置されるため、第1筒50の筒体52の内面(内周面)も光軸OAに沿った状態となる。すなわち、フローセル40が気体成分検出装置10を構成している状態において、第2流路120の内面である筒体52の内面(内周面)は、励起光に対して平行な面とされている。
(気体流路)
また、吸気部IN2から排気部OT2に亘る閉空間には、気体試料が流れるようになっている。本実施形態では、当該閉空間を気体流路200と定義する。そして、気体流路200の定義により、フローセル40の他の構成要件との関係で、以下のことがいえる。
例えば、気体流路200は、第1流路110及び第2流路120を径方向外側から覆っている。別の見方をすると、第1流路110及び第2流路120は、気体流路200に覆われている。また、第2筒体622は、補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、第1流路110と気体流路200とを隔てる機能を有する。
〔処理装置〕
処理装置CUは、光照射装置20、光検出装置30、フローセル40の流入部IN1に接続される溶液供給系(図示省略)、流出部OT1に接続される溶液流出系(図示省略)、吸気部IN2に接続される吸気系(図示省略)、排気部OT2に接続される排気系(図示省略)を制御する機能を有する。制御装置CUの具体的な機能については、後述する気体成分検出装置10による気体成分検出動作の説明の中で説明する。また、処理装置CUは、光検出装置30で検出した蛍光の量に基づいてフローセル40の気体流路200を流れる気体試料に含まれる基質の濃度を解析する機能を有していてもよい。
以上が、本実施形態の気体成分検出装置10の構成及び機能についての説明である。
<第1実施形態の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
次に、本実施形態の気体成分検出装置による気体成分検出動作について図面を参照しながら説明する。
まず、処理装置CUは、光照射装置20、光検出装置30、フローセル40の流入部IN1に接続される溶液供給系、流出部OT1に接続される溶液流出系、吸気部IN2に接続される吸気系及び排気部OT2に接続される排気系を作動させる(図1参照)。
これに伴い、溶液供給系から流入部IN1を介して溶液流路100に溶液が流入される。また、吸気系から吸気部IN2を介して気体流路200に気体試料が吸気される。(図2参照)
流入部IN1から流入した溶液は第1流路110を+A方向に向かって流れる。この場合、後述する図3に示される現象(触媒反応)が起こる。
次いで、第1流路110を流れた溶液は、第2流路120に流入される。ここで、第2流路120の内部には、光照射装置20から出射された励起光が照射されている。これに伴い、第2流路120の内部を−A方向に向かって流れる溶液から蛍光が発生する。発生した蛍光は、光検出装置30により検出される。
さらに、第2流路120を流れた溶液は、流出部OT1を介して溶液流出系に流出される(溶液流路100から排出される)。また、気体流路200を移動した気体試料は、排気部OT2を介して排気系に排気される。
ここで、第1流路110及び第2流路120を流れる溶液に起こる現象について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態のフローセル40の内部で生じる触媒反応のモデル図である。
第1流路110の内部の溶液と、気体流路200の内部の気体試料とには、第2筒体622(酵素保持膜)を介して以下の触媒反応が生じる。すなわち、基質であるアルデヒドやケトンを含む気体試料と、補酵素であるNADH(又はNADPH)を溶解させた緩衝液(溶液)とは、第2筒体622を介した状態となる。前述のとおり、第2筒体622は、ガス透過性を有する多孔質性基材にアルコール脱水素酵素が固定化された酵素保持膜とされている。そのため、基質と補酵素とは第2筒体622の内部に浸透する。その結果、酵素の極近傍には基質及び補酵素が存在することでアルコール脱水素酵素による逆反応が進行し、NADH(又はNADPH)は酸化されてNAD+(又はNADP+)に変化して、NADH(又はNADPH)の濃度が減少する。
この場合、NADH(又はNADPH)は340nm近傍の波長の紫外線励起によって蛍光を発する性質(蛍光性)を有するが、NAD+(又はNADP+)は励起されず蛍光を発しない性質(非蛍光性)を有する。そのため、第1流路110を流れた後、第2流路120を流れる溶液に、光照射装置20からピーク波長が340nmの励起光を照射すると、NADHは励起されて490nm近傍の蛍光を発する。この蛍光量はアルデヒドやケトンの濃度に相関を持つことから、蛍光量の変化を測定することでアルデヒドやケトンの濃度を算出することができる。なお、基質がアルコール類の場合は、NADH濃度の増加から基質量が算出される。
以上が、本実施形態の気体成分検出装置10による気体成分検出動作についての説明である。
<第1実施形態の効果>
次に、本実施形態の効果(第1〜第4の効果)について図面を参照しながら説明する。
〔第1の効果〕
本実施形態の溶液流路100は、図2A及び図2Bに示されるように、気体試料と溶液との触媒反応を起こすための第1流路110と、第1流路110で気体と触媒反応をした溶液に励起光が照射され、励起領域ERを構成する第2流路120とに分かれている。そして、第2流路120の構成要素は、第2筒体622(酵素保持膜)を含んでいない。
本実施形態の場合、気体流路200の内部又は溶液流路100の内部に何らかの原因により圧力変化が生じたとしても、第2流路120の変形は生じない(又は変形し難い)。そのため、励起領域ERの体積は一定(又はほぼ一定)のまま保たれ易い。また、本実施形態の場合、第2筒体622(酵素保持膜)での気体試料の透過率等は変化し得るが、第2筒体622を壁とする第1流路110は励起領域ERではない。
したがって、本実施形態の場合、励起領域ERでの蛍光量がより正確に検出され易い(蛍光量の検出精度を向上させることができる)。
〔第2の効果〕
本実施形態の溶液流路100は、図2A及び図2Bに示されるように、第1流路110と、第1流路110とは異なる方向に延在し、励起領域ERを構成する第2流路120とを有している。すなわち、第2流路120は、第1流路110の延在方向の延長上に配置されていない。また、第2流路120の内部の溶液が流れる方向(−A方向)は第1流路110の内部の溶液が流れる方向(+A方向)と反対方向であり、第2流路120は第1流路110に隣接している。すなわち、第1流路110と第2流路120とはフローセル40の径方向で重なっている。別言すると、第1流路110は第2流路120を径方向外側から覆っている。
したがって、本実施形態の場合、前述の第1の効果を奏しつつ、フローセル40を小型化することができる。
〔第3の効果〕
本実施形態の第1流路110(の外周全域)は、図2A及び図2Bに示されるように、気体流路200に覆われている。そして、第1流路110と気体流路200とは筒状の壁とされる第2筒体622により隔てられている。すなわち、第1流路110と気体流路200とは、酵素保持膜により隔てられている。
以上より、本実施形態の場合、効率よく気体試料と溶液とに触媒反応をさせることができる。すなわち、本実施形態の場合、第2流路120の内部(励起領域ER)での蛍光量(蛍光出力)の変化量を大きくできる。
〔第4の効果〕
本実施形態の場合、光照射装置20からの励起光は、光軸OAは第1筒50の軸と概ね平行に重なるように出射される。光照射装置20から出射された励起光は、励起領域ER(第2流路120)を構成する第1筒50の筒体52の内面に向けて照射される。ここで、励起領域ERの内部に照射された励起光が溶液中のNADHを励起すると、NANDは蛍光を全方位に向けて発する。発せられた蛍光の一部は、光軸OAに対して平行な第1筒50の筒体52の内面で多重反射し光軸OA側に伝搬する。この励起領域ERの長さを適当に設定することで、励起光が十分に溶液に吸収され、蛍光も十分に励起され、蛍光検出側への励起光の漏れ込みを最小とすることができる。また、このとき励起され発生する蛍光量も最大となる。
したがって、本実施形態は、蛍光の検出精度を向上させる。また、このとき、蛍光検出側への励起光の漏れ出しが一定程度以下となるため、検出側に設けていた蛍光バンドフィルタ34Cを不要とすることができる、又は、蛍光バンドパスフィルタ34Cは阻止域の透過率が高くても使用可能となる。
以上が、本実施形態の効果についての説明である。また、以上が、第1実施形態についての説明である。
≪第1実施形態の変形例≫
次に、第1実施形態の変形例について、図4を参照しながら説明する。以下、本変形例における第1実施形態と異なる部分について説明する。なお、本変形例の構成要素に、第1実施形態の構成要素と同じ構成要素を用いる場合、その構成要素の名称、符号等は第1実施形態の場合と同じものを用いて説明する。以下、本変形例における第1実施形態と異なる点のみについて説明する。
<第1実施形態の変形例の気体成分検出装置の構成及び機能>
図4は、本変形例の気体成分検出用フローセル40A(以下、フローセル40Aという。)の縦断面図である。具体的には、図4は、光軸OAを含む切断面(図示省略)で切断した縦断面図である。本変形例の気体成分検出装置10Aは、第1実施形態のフローセル40に換えて本変形例のフローセル40Aとなっている点のみ、第1実施形態の気体成分検出装置10と異なる。
図4を第1実施形態の場合の図2Aと比較すると、本変形例のフローセル40Aは、第2流路120の両端部以外の部分に遮蔽材SHが塗布されている。ここで、遮蔽材SHの具体例としては、例えば、アルミ合金薄膜、金属膜等の金属系の膜、金属粉塗料(金属粉を含んだ塗料)等がある。そして、フローセル40Aにおける遮蔽材SHが塗布された部分の励起光の透過率は1%以下とされている。
<第1実施形態の変形例の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
本変形例の気体成分検出動作は、第1実施形態の場合に準じる。
<第1実施形態の変形例の効果>
本変形例は、第1実施形態に比べて、第2流路120の両端部以外の部分から外部からの光が入り難い。そのため、本変形例は、第1実施形態に比べて、励起領域ERでの蛍光検出時のS/N比を大きくすることができる。
また、本変形例の場合、光照射装置20から出射された励起光は、励起領域ER(第2流路120)を構成する第1筒50の筒体52の内面に向けて照射される。ここで、励起領域ERの内部に照射された励起光が溶液中のNADHに励起されると、NANDは蛍光を全方位に向けて発する。発せられた蛍光の一部は光軸OAに対して平行な第1筒50の筒体52の内面で多重反射し光軸OA側に伝搬する。この場合、筒体52の遮蔽材SHにより、蛍光の反射率が高くなる。また、筒体50外から漏れ込んで来る迷光量も低減できる。
したがって、本変形例は、第1実施形態に比べて、蛍光出力の検出精度を向上させることができる。
本変形例のその他の効果は、第1実施形態の場合と同様である。
なお、本変形例のフローセル40Aは、第2流路120の両端部以外の部分に遮蔽材SHが塗布されているとしたが、遮蔽材SHが塗布されている部分は、第2流路120の両端部以外の部分かつ溶液流路100及び気体流路200の少なくとも一部の部分であってもよい。この変形例の場合であっても、第1実施形態に比べて、蛍光出力の検出精度を向上させることができる。
また、本変形例では、遮蔽材SHがフローセル40Aに塗布されているとした。しかしながら、外部の光を遮蔽する、別言すると、外部の光の透過率を低減させることができれば、遮蔽材SHの塗布以外の方法で同様の効果を実現してもよい。例えば、フローセル40Aの一部を励起光の透過率が1%以下の材料で形成してもよい。
また、本変形例の気体成分検出装置10Aは、蛍光バンドパスフィルタ34Cを備える(図1を準用して参照)。しかしながら、蛍光を発生させる流路である第2流路120(蛍光検出光路)の長さが溶液の吸収度から生じる一定の条件を満たす場合には、本変形例の気体成分検出装置10Aは、蛍光バンドパスフィルタ34Cを不要にすることができる。一方で、十分に第2流路120(蛍光検出光路)の長さが確保できない場合であっても、例えば遮蔽材SHに紫外線などの特定励起波長を吸収する素材が混入されていれば、同様に蛍光バンドパスフィルタ34Cを不要にすることができる。
以上が、第1実施形態及びその変形例についての説明である。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態について、図5を参照しながら説明する。以下、本実施形態における第1実施形態と異なる部分について説明する。なお、本実施形態の構成要素に、第1実施形態及びその変形例の構成要素と同じ構成要素を用いる場合、その構成要素の名称、符号等は第1実施形態及びその変形例の場合と同じものを用いて説明する。
<第2実施形態の気体成分検出装置の構成及び機能>
図5は、本実施形態の気体成分検出用フローセル40B(以下、フローセル40Bという。)の縦断面図である。具体的には、図5は、光軸OAを含む切断面(図示省略)で切断した縦断面図である。本実施形態の気体成分検出装置10Bは、第1実施形態のフローセル40に換えて本実施形態のフローセル40Bとなっている点のみ、第1実施形態の気体成分検出装置10と異なる。以下、本実施形態における第1実施形態と異なる点のみについて説明する。
フローセル40Bは、第1筒50Bと、第2筒60Bと、第3筒70Bと、流入部IN1と、流出部OT1と、吸気部IN2、排気部OT2とを備えている。
第1筒50Bは、一例として、両端が有底の円筒とされている。ここで、第1筒50Bの一端側の底板を底板50B1、他端側の底板を底板50B2とする。第1筒50Bの他端部には、流出部OT1が繋がっている。なお、第1筒50Bは第1実施形態の第1筒50と同じ材料で形成されている。
第2筒60Bは、一例として、両端に底がない円筒とされている。第2筒60Bは、一対の第1筒体621Bと第2筒体622(酵素保持膜)とを有している。第2筒体622の両端には各第1筒体621が繋がっている。第2筒60Bの一端には、第1筒50Bの一端部に繋がっている。また、第2筒60Bの他端には、流入部IN1が繋がっている。なお、第1筒50Bと第2筒60Bとは、互いに略直角を成している。
第3筒70Bは、第2筒60Bの第2筒体622を径方向外側から覆って閉空間を形成している。第3筒70Bは、筒体72と一対の底板74とを有している。一対の底板74はそれぞれ筒体72の両端に繋がりつつ、第2筒60Bの第1筒体621Bに繋がっている。筒体72の異なる2箇所には、吸気部IN2及び排気部OT2が繋がっている。なお、第1筒体621Bは第1実施形態の第1筒体621と同じ材料で形成されている。
そして、本実施形態では、第2筒60Bの内部が第1流路110とされ、第1筒50Bの内部は第2流路120(励起領域ER)とされ、第3筒70Bと第2筒60Bとで形成される閉空間は気体流路とされている。また、光照射装置20からの励起光は第1筒50Bの一端(底板50B1)から照射され、励起領域ERで発生した蛍光は他端(底板50B2)から出射する。
<第2実施形態の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
本変形例の気体成分検出動作は、第1実施形態の場合に準じる。なお、図5における流入部IN1から流出部OT1に亘る複数の矢印は、溶液流路100を流れる溶液の流れを示している。
<第2実施形態の効果>
本実施形態の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
≪第2実施形態の第1変形例≫
次に、第2実施形態の第1変形例について、図6Aを参照しながら説明する。以下、本変形例における第2実施形態と異なる部分について説明する。なお、本変形例の構成要素に、第1実施形態及びその変形例並びに第2実施形態の構成要素と同じ構成要素を用いる場合、その構成要素の名称、符号等はこれらの場合と同じものを用いて説明する。
<第2実施形態の第1変形例の気体成分検出装置の構成及び機能>
図6Aは、本変形例の気体成分検出用フローセル40C(以下、フローセル40Cという。)の縦断面図である。具体的には、図6Aは、光軸OAを含む切断面(図示省略)で切断した縦断面図である。本変形例の気体成分検出装置10Cは、第2実施形態のフローセル40Bに換えて本変形例のフローセル40Cとなっている点のみ、第2実施形態の気体成分検出装置10Bと異なる。以下、本変形例における第2実施形態と異なる点のみについて説明する。
本変形例の第1筒50Cは、第2実施形態の場合と異なり、第2筒60Bとで互いに略120°を成している。また、光照射装置20からの励起光は第1筒50Cの一端(底板50C1)から照射され、励起領域ERで発生した蛍光は他端(底板50C2)から出射する。
<第2実施形態の第1変形例の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
本変形例の気体成分検出動作は、第1実施形態の場合に準じる。なお、図6Aにおける流入部IN1から流出部OT1に亘る複数の矢印は、溶液流路100を流れる溶液の流れを示している。
<第2実施形態の第1変形例の効果>
本実施形態の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
≪第2実施形態の第2変形例≫
次に、第2実施形態の第2変形例について、図6Bを参照しながら説明する。以下、本変形例における第2実施形態と異なる部分について説明する。なお、本変形例の構成要素に、前述の構成要素と同じ構成要素を用いる場合、その構成要素の名称、符号等はこれらの場合と同じものを用いて説明する。
<第2実施形態の第2変形例の気体成分検出装置の構成及び機能>
図6Bは、本変形例の気体成分検出用フローセル40D(以下、フローセル40Dという。)の縦断面図である。具体的には、図6Bは、光軸OAを含む切断面(図示省略)で切断した縦断面図である。本変形例の気体成分検出装置10Dは、第2実施形態のフローセル40Bに換えて本変形例のフローセル40Dとなっている点のみ、第2実施形態の気体成分検出装置10Bと異なる。以下、本変形例における第2実施形態と異なる点のみについて説明する。
本変形例の第1筒50Dは、第2実施形態の場合と異なり、第2筒60Bと同じ方向に延在している。また、本変形例の場合、第1筒50Dと第2筒60Bとは、直接繋がっておらず、繋ぎ筒80を介して(間接的に)繋がっている。なお、繋ぎ筒80は、一例として第1筒50Dと略直交する方向に延在し、第1流路110から流入された溶液を第2流路120に流入する第3流路130Dを構成している。以上のとおりであるから、本変形例の第1筒50D(第2流路120)は、第2筒60B(第1流路110)の延在方向の延長上からずれた位置に配置されている。なお、光照射装置20からの励起光は第1筒50Dの一端(底板50D1)から照射され、励起領域ERで発生した蛍光は他端(底板50D2)から出射する。
<第2実施形態の第2変形例の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
本変形例の気体成分検出動作は、第1実施形態の場合に準じる。なお、図6Bにおける流入部IN1から流出部OT1に亘る複数の矢印は、溶液流路100を流れる溶液の流れを示している。
<第2実施形態の第2変形例の効果>
本実施形態の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
≪第2実施形態の第3変形例≫
次に、第2実施形態の第3変形例について、図6Cを参照しながら説明する。以下、本変形例における第2実施形態並びに第1変形例及び第2変形例と異なる部分について説明する。なお、本変形例の構成要素に、前述の構成要素と同じ構成要素を用いる場合、その構成要素の名称、符号等はこれらの場合と同じものを用いて説明する。
<第2実施形態の第3変形例の気体成分検出装置の構成及び機能>
図6Cは、本変形例の気体成分検出用フローセル40E(以下、フローセル40Eという。)の縦断面図である。具体的には、図6Cは、光軸OAを含む切断面(図示省略)で切断した縦断面図である。本変形例の気体成分検出装置10Eは、第2変形例のフローセル40Dに換えて本変形例のフローセル40Eとなっている点のみ、第2変形例の気体成分検出装置10Dと異なる。以下、本変形例における第2変形例と異なる点のみについて説明する。
本変形例のフローセル40Eは、第2流路120におけるその両端部以外の部分(一例として周壁部分)に遮蔽材SHが塗布されている。
<第2実施形態の第2変形例の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
本変形例の気体成分検出動作は、第1実施形態の場合に準じる。なお、図6Cにおける流入部IN1から流出部OT1に亘る複数の矢印は、溶液流路100を流れる溶液の流れを示している。
<第2実施形態の第4変形例の効果>
本変形例は、第2変形例に比べて、蛍光出力の検出精度を向上させることができる。本変形例のその他の効果は、第1実施形態及びその変形例の効果と同様である。
なお、遮蔽材SHが塗布されている部分は、第2流路120の両端部以外の部分かつ溶液流路100及び気体流路200の少なくとも一部の部分であってもよい。また、本変形例では、遮蔽材SHがフローセル40Eに塗布されているとした。しかしながら、外部の光を遮蔽する、別言すると、外部の光の透過率を低減させることができれば、遮蔽材SHの塗布以外の方法で同様の効果を実現してもよい。例えば、フローセル40Eの一部を励起光の透過率が1%以下の材料で形成してもよい。
以上が、第2実施形態及びその変形例についての説明である。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態について、図7を参照しながら説明する。以下、本実施形態における第1実施形態及びその変形例並びに第2実施形態及びその変形例(第1〜第3変形例)と異なる部分について説明する。なお、本実施形態の構成要素に、前述の構成要素と同じ構成要素を用いる場合、その構成要素の名称、符号等はこれらの場合と同じものを用いて説明する。
<第3実施形態の気体成分検出装置の構成及び機能>
図7は、本実施形態の気体成分検出用フローセル40F(以下、フローセル40Fという。)の縦断面図である。具体的には、図7は、光軸OAを含む切断面(図示省略)で切断した縦断面図である。本実施形態の気体成分検出装置10Fは、第1実施形態の第2変形例のフローセル40Dに換えて本実施形態のフローセル40Fとなっている点のみ、第2実施形態の第2変形例の気体成分検出装置10Dと異なる。以下、本実施形態における第2実施形態の第2変形例と異なる点のみについて説明する。
本実施形態の第1筒50F(第2流路120)は、第2実施形態の第2変形例の場合と異なり、第2筒60B(第1流路110)の延在方向の延長上に配置されている。そして、光照射装置20からの励起光は第1筒50Fの一端(底板50F1)から照射され、励起領域ERで発生した蛍光は他端(底板50F2)から出射する。
また、本実施形態の繋ぎ筒80Fは、一例としてU字状を成し、第1流路110から流入された溶液を第2流路120に流入する第3流路130Fを構成している。
<第3実施形態の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
本実施形態の気体成分検出動作は、第1実施形態の場合に準じる。なお、図7における流入部IN1から流出部OT1に亘る複数の矢印は、溶液流路100を流れる溶液の流れを示している。
<第3実施形態の効果>
本実施形態の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
≪第3実施形態の変形例≫
次に、第3実施形態の変形例について、図8を参照しながら説明する。以下、本変形例における第3実施形態と異なる部分について説明する。なお、本変形例の構成要素に、前述の構成要素と同じ構成要素を用いる場合、その構成要素の名称、符号等はこれらの場合と同じものを用いて説明する。
<第3実施形態の変形例の気体成分検出装置の構成及び機能>
図8は、本変形例の気体成分検出用フローセル40G(以下、フローセル40Gという。)の縦断面図である。具体的には、図8は、光軸OAを含む切断面(図示省略)で切断した縦断面図である。本変形例の気体成分検出装置10Gは、第3実施形態のフローセル40Fに換えて本変形例のフローセル40Gとなっている点のみ、第3実施形態の気体成分検出装置10Fと異なる。以下、本変形例における第3実施形態と異なる点のみについて説明する。
本変形例のフローセル40Gは、第2流路120におけるその両端部以外の部分(一例として周壁部分)に遮蔽材SHが塗布されている。
<第3実施形態の変形例の気体成分検出装置による気体成分検出動作>
本変形例の気体成分検出動作は、第1実施形態の場合に準じる。なお、図8における流入部IN1から流出部OT1に亘る複数の矢印は、溶液流路100を流れる溶液の流れを示している。
<第3実施形態の変形例の効果>
本変形例は、第3実施形態に比べて、蛍光出力の検出精度を向上させることができる。本変形例のその他の効果は、第1実施形態及びその変形例、第2実施形態及びその変形例(第1〜第3変形例)並びに第3実施形態の効果と同様である。
なお、遮蔽材SHが塗布されている部分は、第2流路120の両端部以外の部分かつ溶液流路100及び気体流路200の少なくとも一部の部分であってもよい。また、本変形例では、遮蔽材SHがフローセル40Gに塗布されているとした。しかしながら、外部の光を遮蔽する、別言すると、外部の光の透過率を低減させることができれば、遮蔽材SHの塗布以外の方法で同様の効果を実現してもよい。例えば、フローセル40Gの一部を励起光の透過率が1%以下の材料で形成してもよい。
以上が、第3実施形態及びその変形例についての説明である。
以上のとおり、本発明について各実施形態及びその変形例を一例として説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
各実施形態の1つの形態に他の実施形態の構成要素を組み合せた形態としてもよい。例えば、第2実施形態の第1変形例(図6A参照)に第3実施形態の遮蔽材SH(図8参照)を組み合せてもよい。
また、第2実施形態の第1変形例の第1筒50C(図6A参照)は第2筒60Bに対して120°と異なる角度で延在していてもよい。また、第2実施形態の第2変形例の繋ぎ筒80(図6B参照)の長さ、延在方向等は、適宜異なる形状に変更されてもよい。なお、第2実施形態(図5参照)及びその変形例(図6A〜図6C参照)並びに第3実施形態(図7参照)及びその変形例(図8参照)は、第1実施形態の効果と同様の効果以外に、以下の効果を有する。すなわち、これらの形態は、他の装置に組み込まれて使用される場合(例えば他の装置が車両等の場合)、他の装置の構成要素に対して空いたスペースを有効活用するように配置されることが理想である。そして、これらの形態は、当該空いたスペースに配置可能な形状にできる点で有効といえる。
また、第1実施形態の説明では、一例として、第1筒50、第2筒60及び第3筒70は円筒とされており、それらの長手方向から見るとそれらは同心円を形成しているとした。そして、本実施形態では、フローセル40の軸とは第1筒50、第2筒60及び第3筒70の中心軸を意味するとした。しかしながら、第1筒50、第2筒60及び第3筒70はそれぞれ円筒でなくてもよい。例えば、第1筒50、第2筒60及び第3筒70の外観は、直円柱、斜円柱、円錐台、三角柱、四角柱、斜角柱、角柱台その他の形状であってもよい。この点については、他の実施形態の場合も同様である。
また、第1実施形態の説明では、フローセル40が気体成分検出装置10を構成している状態において、その軸が光軸OAと重なるように配置されるとした。しかしながら、フローセル40の構成要素のうち少なくとも第1筒50の中心軸が光軸と重なればよい。この点については、他の実施形態の場合も同様である。
また、第1実施形態の説明では、フローセル40が気体成分検出装置10を構成している状態において、その軸が光軸OAと重なるように配置されるとした。しかしながら、フローセル40の構成要素のうち少なくとも第1筒50の中心軸が光軸と平行であればよい。この点については、他の実施形態の場合も同様である。
10 気体成分検出装置
10A 気体成分検出装置
10B 気体成分検出装置
10C 気体成分検出装置
10D 気体成分検出装置
10E 気体成分検出装置
10F 気体成分検出装置
10G 気体成分検出装置
20 光照射装置(照射装置の一例)
30 光検出装置(検出装置の一例)
40 気体成分検出用フローセル
40A 気体成分検出用フローセル
40B 気体成分検出用フローセル
40C 気体成分検出用フローセル
40D 気体成分検出用フローセル
40E 気体成分検出用フローセル
40F 気体成分検出用フローセル
40G 気体成分検出用フローセル
100 溶液流路
110 第1流路
120 第2流路
130D 第3流路
130F 第3流路
200 気体流路
ER 励起領域
OA 光軸
SH 遮蔽材
+A 第1方向
−A 第2方向

Claims (9)

  1. 補酵素を含む溶液が流れる溶液流路であって、第1方向に延在し溶液が前記第1方向に流れる第1流路及び前記第1方向と異なる第2方向に延在し前記第1流路から流出された溶液が前記第2方向に流れる流路又は前記第1方向に延在し前記第1流路からずれた位置若しくは前記第1流路の前記第1方向の延長線上からずれた位置に配置され前記第1流路から流出された溶液が前記第1方向に流れる流路とされる第2流路を有する溶液流路と、
    気体試料が流れる気体流路と、
    補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、前記第1流路と前記気体流路との隔てる酵素保持膜と、
    を備え、
    前記第2流路の内部は、前記第2流路を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が前記第2方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域を構成する、
    気体成分検出用フローセル。
  2. 前記第2流路は、前記第1方向と異なる第2方向に延在する流路とされ、
    前記第2方向は、前記第1方向の反対方向とされ、
    前記第2流路は、前記第1流路に隣接している、
    請求項1に記載の気体成分検出用フローセル。
  3. 補酵素を含む溶液が流れる溶液流路であって、第1方向に延在し溶液が前記第1方向に流れる第1流路、前記第1方向に延在し前記第1流路からずれた位置若しくは前記第1流路の前記第1方向の延長線上からずれた位置に配置され前記第1流路から流出された溶液が前記第1方向に流れる第2流路及び前記第1流路と前記第2流路とを連結し前記第1流路を流出された溶液を前記第2流路に流入させるための第3流路を有する溶液流路と、
    気体試料が流れる気体流路と、
    補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、前記第1流路と前記気体流路との隔てる酵素保持膜と、
    を備え、
    前記第2流路の内部は、前記第2流路を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が前記第1方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域を構成する、
    気体成分検出用フローセル。
  4. 前記第2流路の内面は、前記励起光の光軸に対して平行な面とされている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の気体成分検出用フローセル。
  5. 前記第2流路は、内部に溶液が流れる円筒状とされている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の気体成分検出用フローセル。
  6. 前記溶液流路及び前記気体流路の少なくとも一部の部分であって、前記第2流路の両端部以外の部分は、前記励起光の透過率が1%以下の材料で形成されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の気体成分検出用フローセル。
  7. 補酵素を含む溶液が流れる溶液流路であって、第1方向に延在する上流側の第1流路及び前記第1方向と異なる第2方向に延在する流路又は前記第1方向に延在し前記第1流路からずれた位置若しくは前記第1流路の前記第1方向の延長線上からずれた位置に配置されている流路とされる下流側の第2流路を有する溶液流路と、
    気体試料が流れる気体流路と、
    補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、前記第1流路と前記気体流路との隔てる酵素保持膜と、
    を備え、
    前記第2流路の内部は、前記第2流路を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が前記第2方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域を構成する、
    気体成分検出用フローセル。
  8. 補酵素を含む溶液が流れる溶液流路であって、第1方向に延在する上流側の第1流路、前記第1方向に延在し前記第1流路からずれた位置若しくは前記第1流路の前記第1方向の延長線上からずれた位置に配置されている下流側の第2流路及び前記第1流路と前記第2流路とを連結する第3流路を有する溶液流路と、
    気体試料が流れる気体流路と、
    補酵素と気体試料との反応の触媒となる酵素を保持し、前記第1流路と前記気体流路との隔てる酵素保持膜と、
    を備え、
    前記第2流路の内部は、前記第2流路を流れる溶液に含まれる補酵素を励起する励起光が前記第1方向に沿って照射されて補酵素を励起する励起領域を構成する、
    気体成分検出用フローセル。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の気体成分検出用フローセルと、
    前記励起領域に補酵素を励起する励起光を照射する照射装置と、
    前記励起領域で励起光が照射された補酵素が発光する蛍光を検出する検出装置と、
    を備える気体成分検出装置。
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