本発明は、一般的に化学および生化学分析のための光学的方法および装置に関し、特に、このような分析のためのファイバー光学に基づく方法並びに装置に関する。
ヒトの病原因および食品、水、環境中の毒素を検出するための高感度でかつ特異的な技術が必要とされている。ミルクや血液、汚水、肉製品のような自然界における溶液中に含まれる有機物を効果的に低濃度で検出すること、および病原性のものと無害なものとを区別することは非常に困難である。従来の生物学的分析方法は、通常、数立方センチメートルのオーダーのサンプル用に設計されており、多量の試料から病原物質を抽出または濃縮することにより必要な感度に合わせることが付加的な作業課題となっている。
未加工で未精製の病原を分析することを達成するために最も見込みのある策略の1つは、生物学的なリガンド−受容体相互作用を利用して特定の化合物を識別するセンサーを基本としたものである。このような策略を実施する解決法の例には、光ファイバーのエバネセント波センサー、および表面プラズモン共鳴センサーが含まれる。
ある物質中を通過して誘電性の界面で反射される電磁波は、その界面の反対側にある第2の物質中で指数関数的に減衰する電界を生じる。光周波数においては、これはエバネセント波効果と称され、無線周波数においては、この現象はしばしば“スキン効果”と呼ばれている。第2の物質中への浸透深さであるエバネセント波領域は波長のごく一部ではあるが、それでもサイズとしては光または蛍光を生じるレポーター分子、光吸収ないし散乱分子、およびコロイド粒子やミクロスフィアのような光学的ラベル物質よりも大きい。これらのラベルはエバネセント領域において光学的変化を発生またはモニターすること、あるいは隣接する誘電体における光の伝播を変更させるために使用することが可能であり、表面近傍にあるターゲット物質を、遠くにあるそれとは違って、検出する基礎的な手段を提供するものである。特に、この界面を顕微鏡的に特異的な捕捉剤または目的の分子ターゲットでコーティングすることにより、非常に高感度な光学センサーが作製可能となる。
ある競合的分析技術では、図1Aに示されるように、検査対象試料と共に使用されるフルオロフォアをラベルした抗原104がファイバー上にコーテイングされた捕捉抗体100に晒され、抗体結合部位に対して、ラベルした抗原が試料中の非標識分析対象106と競合する。ファイバー102を通過する光108により発生するエバネセント電界はその後フルオロフォアを励起して発光110を生起させ、ファイバーそのものは都合良く蛍光信号のための帰還用導波路の役割りを果たす。この例では、蛍光信号の強度は検査試料中の分析対象濃度に反比例する。また別の選択肢では、試料中の分析対象物の濃度に蛍光信号が直接的に関与するサンドイッチ形式のような非競合的技術が使用可能である。キレート剤、抗体、クラウエバネッセント電界強度ル等々のようなターゲットに特異的な物質が適切なルミネッセンス、蛍光、または別の導波路による光輸送体と組み合わされて使用されることにより、金属、毒素、蛋白質、ウィルス、生または死状態のバクテリア、および胞子を広範囲において高感度にかつ特異的に検出することが可能となる。微量の病原を検出する応用では、捕捉物質がターゲット物質に結合することにより中和されるまでセンサーが活性状態を維持するため、1回の分析当たりのコストは低くなる。
表面プラズモン共鳴感知として、図1Bには、クラッド層116を除去した光ファイバー114のコア部分112に装着した金などの金属薄膜110が示されている。ファイバー114を通る光118により発生するエバネセント電界は金属110の外側表面において白色光がファイバー114を通過するとき、表面プラズモン波の励起はファイバーを通る光スペクトルのディップを引き起こし、このディップが生じる共振波長はファイバーコア、金属層、およびファイバー周囲の溶液の複合屈折率、および光の入射角度の関数である。ファイバー114を通る光はミラー122によりはね返されるかまたは、(ミラーがない場合)ファイバー末端を通りぬけて、当該技術に従事する者にはよく知られているが、光学的処理や分析に寄与する。流体の屈折率変化はすべて検出可能であり、金属110に結合した分子の屈折率がバルク流体と異なった場合、それを検出することができる。金属層110をターゲットに特異的な捕捉物質(図示せず)でコーティングすることにより、これが試料流体中の分析対象ターゲットに反応し、金属表面上における(抗原−抗体反応および酸化還元反応のような)反応を検出することが可能となる。
光ファイバーエバネセント波センサーは、ここで参考資料として開示を採用した以下の米国特許の主題となっている。Hirschfeldらの“Fluorescent Immunoassay Employing Optical Fiber in Capillary Tube”というタイトルの米国特許4,447,546号(特許文献1)、Hirschfeldらの“Assay Apparatus and Method”というタイトルの米国特許4,5直角リフレクター58,014号(特許文献2)、Blockらの“Apparatus Including Optical Fiber for Fluorescence Immunoassay”というタイトルの米国特許4,直角リフレクター582,809号(特許文献3)、Hirschfeldの“Apparatus for Improving the Numerical Aperture at the Input of a Fiber Optic Devices”というタイトルの米国特許4,654,532号(特許文献4)、Blockらの“Fluorescent Assays, Including Immunoassays, with Feature of Flowing Sample”というタイトルの米国特許4,716,121号(特許文献5)、Blockらの“Immunoassay Apparatus”というタイトルの米国特許4,909,990号(特許文献6)、Hirschfeldの“Nucleic Acid Assay Method”というタイトルの米国特許5,242,797号(特許文献7)、Thompsonらの“Waveguide−Binding Sensor for Use With Assays”というタイトルの米国特許5,061,857号(特許文献8)、Andersonらの“Mode−Matched, Combination Taper Fiber Optic Probe”というタイトルの米国特許5,430,813号(特許文献9)、Lackieの“Immunoassay Apparatus”というタイトルの米国特許5,152,962号(特許文献10)、Feldmanらの“Synthesis of Tapers for Fiber Optic Sensors”というタイトルの米国特許5,290,398号(特許文献11)、そしてFeldmanらの“Optical System for Detection of Signal in Fluorescent Immunoassay”というタイトルの米国特許5,399,866号(特許文献12)である。光ファイバー表面プラズモン共鳴センサーは、Jorgensonらの“Fiber Optic Sensor and Methods and Apparatus Relating Thereto”というタイトルの米国特許5,359,681号(特許文献13)において主題とされており、その開示はここで参考資料として採用している。
エバネセント波センサーとしては、エバネセント電界の最適化および検出蛍光の帰還経路の光学特性の最適化が望まれている。上述の特許には数多くの最適化手法が述べられており、その中には種々のシステム構成要素の開口数をマッチさせようという試みやシステム開口数を改善しようという試みが含まれている。開口数はシステムの光軸に関してのシステムを透過する光線の有している最大角度の指標となる。光学システムのそれぞれの構成要素は独自の限定された開口数を有しており、最も低い開口数を有しているシステム構成要素によって最大のシステム開口数が決定される。システムの開口数は光感知のキーとなるパラメータである。なぜなら伝送されるパワーは、殆どの場合においてその二乗に比例するからである。すぐれた設計の実施形態とコスト効率の面からシステムの構成要素が開口数のマッチングをもつことが要求される。
開口数のマッチングをとるための1つのよく知られた手法は、テーパーをつけるかまたは円錐形状にした導波路を採用することである。開口数のマッチングをとることに付け加えて、光ファイバーの活性で分析対象感受性部分をテーパー化することが入射光の実質的部分をほぼ臨界角に保ち、それによって大きなエバネセント界を維持する。しかしながら、このテーパーが微弱に導入された光線に作用して臨界角を超えさせてしまって、ファイバーに沿って一定の損失を生じることもある。
表面プラズモン共鳴センサーに接続して使用される光ファイバーにおいて白色光を伝播させるためには、ファイバーは最大波長の光を支えるために充分な大きさの直径を有している必要がある。また、大きな直径のファイバーは開口数の高い光を伝播するため、従来プロセスで容易に成膜できる厚さの金属膜において表面プラズモン波の励起をし易くできる。結果として、ある角度範囲にわたって光を伝播するマルチモードのファイバーが使用される。しかしながら、この角度範囲は共鳴効果を損なう結果となる。なぜならそれぞれの角度の伝播のために異なる共振波長となるからである。
図2Aに、シリカ製の光ファイバーコアに厚さ55nmの金の層を施して水中に浸したときのファイバーコアの光軸に関してさまざまな伝播角度における理論的共鳴曲線を示した。全体の検出共鳴は種々の伝播角度それぞれの共鳴効果を重畳したものである。図2Bには、種々の伝播角度における光パワーのサイン2乗分布を仮定したときの角度0〜23.6°における各理論的共鳴の集積曲線を示す。表面プラズモン共鳴感知への電流接近に伴なう顕著な信号減衰が図2(B)の共鳴曲線と図2(A)の、例えば23.6°の共鳴曲線を比べると見受けられる。
1980年代初期に記述された最初のエバネセント導波路センサーは、実質的に円筒状導波路、即ち、断面が円形でその全断面エリアに光が均一に満たされているものであった。最近の開発は、コリメートされた光ビームによりスラブ型の導波路を励起するものが強調されてきた。スラブ型もしくはプレナー型の導波路は、共通の対称光学プレーンを共有している1対の平行な内方反射面を有している。
これらのデバイスでは光は1方向のみしか含まず、側部方向への広がりは全体的に励起光学機器により規定される。この実質的なシフトは、光ビームの照射径路にあるプレーナ型導波路表面において捕捉物質の複数スポットの直線または2次元パターンを映し出し、それによりそれぞれの分析対象に特異的なスポットをスラブ型の導波路のもう一方の側にあるCCD検出アレイまたは光増倍管によりモニターすることによる複数分析対象の実現を目的とすることによるものである。
米国特許4,447,546号
米国特許4,5直角リフレクター58,014号
米国特許4,直角リフレクター582,809号
米国特許4,654,532号
米国特許4,716,121号
米国特許4,909,990号
米国特許5,242,797号
米国特許5,061,857号
米国特許5,430,813号
米国特許5,152,962号
米国特許5,290,398号
米国特許5,399,866号
米国特許5,359,681号
しかしながら、スラブ型の手法は、光導波能力が限定されることに加えていくつかの他の弱点を有している。殆どの場合、個々の分析スポットのサイズが小さいためにそれぞれのドットを完全に液体サンプルに効果的に接触させることが課題となる。これは食料品の病原検査をするときにとりわけ顕著になる。非常に低レベルの病原物質でも健康に対する危険性が高いため、法規制で300立方センチメートルまたはそれ以上の分析サンプルを使用することが要求される。例を挙げると、Escerichia coli O157:H7についてUS Department of Agricultureが設定している許容限度は25gのサンプル中で1菌体までである。このような低濃度の有機体を典型的には1mm2またはそれ以下の生物学的分析のドットに基づいた方法で効果的に検出することは非常に困難である。加えて、生の食品サンプルを検査するときにはサンプルの異質性が問題となる。脂質粒およびその他の非毒性成分がセンサーに非特異的に付着することやターゲットとの接触を物理的にブロックすることにより効果的検出感度を低下させることがある。また、サンプルが粘性であって物質伝送境界層を厚くし、拡散による物質の移動速度を低下させることもある。これらの因子により得られる信号レベルが低下し、ターゲットの量が低いにもかかわらずヒトや動物の病原が致死濃度であるという信頼性のない統計値になることがある。
また、分析対象物質拡散の境界層は、殆どの場合、円筒形のような回転体にとってよりもスラブ型構造にとってより厚くなる。その理由として、分析にサンドイッチ免疫分析法のような多段階のプロトコルが含まれている場合、あるいはセンサーを再使用する必要がある場合、スラブ型の幾何構造はよりクリーニングが困難なためである。最後に、食品安全のような用途にとってターゲットとなる病原はわずか1〜6種類であり、最先端でコスト高となりがちなCCDや光増倍管信号回収技術を必要とする低感度のアレイ技術の価値は疑問視される。
エバネセント波および表面プラズモン共鳴センサーは医療および食品安全への用途に見込みがあるが、当該技術に携わる者であれば現在の技術が上述の欠点を含めていくつかの注意点において最適でないことを理解できる。
また、入射励起光の光源とセンサーとの互いの横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーを補うように助ける改良された光センサーが必要とされている。これは、上記エラーが、通常の光センサー用の感知導波路により伝送される励起光線の光量並びに/もしくは伝播角度に好ましくない悪化を一般的に生じさせるからである。このことは、また、感知導波路により回復される信号回復光の光量に、対応した好ましくない低下を生じさせる。換言すると、上記ミスアラインメントエラーは、一般の光センサーの全体の機能を一般的に低下させる。この必要性は、円筒型の導波路センサーデザインとスラブ型の導波路センサーデザインとの両方に対しても存在している。
また、感知導波路に送られる励起光を多くする、並びに/もしくは、感知導波路からの信号回復光がコリメートされる程度に多くする1もしくは複数のレンズを備えた改良された光センサーと、前記必要性の一方もしくは両方を満足させて、一般の光センサーの全体の機能を高めることが要求されている。
本発明の一態様に係われば、光源から励起光を受光するように動作可能な光センサーが設けられることができる。このセンサーは、感知導波路と、センサーと励起光源との間に横方向、軸方向、並びに/もしくは角度ミスアラインメントがあっても、励起光の光量を最大にするように選定される共に、前記感知導波路へと励起光を反射する可変反射伝播角度θoiを有している反射面とを有していることができる。
本発明の他の態様に係われば、光センサーは、感知導波路に伝送される励起光の光量を多くするための励起光レンズ、並びに/もしくは、感知導波路からの信号回復光がコリメートされる程度に多くするための単一の信号回復光レンズを有していることができる。中心の励起光レンズと、この励起光レンズを囲み、同軸、同心で、環状の非球面信号回復レンズとにより構成された、径方向に分割された二焦点レンズが設けられることができる。
本発明の他の態様は、上記励起光レンズと信号回復レンズをデザインする方法である。
上記本発明の概要が、本発明の態様、効果、特徴、構成、方法、並びに、プロセスの全てを記載しているわけではないことは、これら及び更なる本発明の態様、効果、特徴、構成、方法、並びに、プロセスが、ここに開示された全てに属する技術分野の者に直接もしくは本質的に開示されるであろうから、理解できるであろう。
本発明の前記態様並びに多くの意図した効果は、添付の図面を参照した以下の詳細な説明に基づいて、より容易に、良く理解できるようになるであろう。
発明の実施の形態
本発明の実施の形態の自動化されたシステムと方法とを説明する前に、これの基礎となる分析装置を図3ないし13を参照として説明する。
図3は分析システム20を示す機能ブロックダイヤグラムである。光センサー(センサー)22は、下記にさらに詳細を記述するが、レンズ部24、リフレクター部分26、および感知導波路、即ちファイバー部分28を有している。この光センサー22は励起光30を受け、信号回収光32を返す。励起光30は駆動回路(光源駆動回路)36の制御下において光源モジュール(光源)34により発生される。光源モジュール34は、導波路、即ち供給源ファイバー38のような光ファイバーを経由して励起光を供給する。光学的質問モジュール(光学呼び掛けモジュール)40は信号回収光32を受け、さらに都合のよいことにセンサー22と供給源ファイバー38とを経由して送信された励起光とを光学的に結合させる。光学的質問モジュール40はレンズのような光学装置と光検出器のような変換器とを有しており、信号回収光32に関数として関連した電気信号を生み出す。この電気信号は光電流増幅器(光電増幅器)42により増幅され、これが増幅信号をマイクロコントローラ44に供給する。そのあとマイクロコントローラ44は、この増幅信号を解析して感知動作結果を読み出しまたはプリントアウト、または後の解析のために貯蔵する形で供給する。また、マイクロコントローラ44は光源駆動回路36の動作を制御することも可能である。
当該技術に携わる者であれば、図3に示された分析システムが構成と機能のよく知られた構成要素を示す簡単化したブロックダイヤグラムであることが判るであろう。光源モジュール34、光学的質問モジュール40、およびセンサー22に関する詳細は本発明のさまざまな実施形態とつながりを持たせて以下に説明する。図3に示されている他の機能ブロックに関してさらに詳細説明することは、当該技術に携わる者が本発明を実行する上で必要のないことである。
図4は、図3の光源モジュールの部分を示したものである。この図は光軸45に沿った断面を示している。レーザーダイオードのような光源46が、ウインドウ50を有している供給源ハウジング48内部に収容されている。このレーザーダイオード46は、励起光30を発生し、この励起光は、開口数調節レンズ52によって供給源ファイバー38の端部51上に焦点合わせされる。この供給源ファイバー38は、光ファイバーフェルール39により保持され、ファイバーの端部51が開口数調節レンズの焦点になるよう位置決めされる。それから供給源ファイバー38は励起光を、例えば図3に示したセンサー22に伝送する。
一実施の形態において、前記レーザーダイオード46は、市販の可視光レーザーダイオードで良く、規格の9mmパッケージ型で、600〜700nm帯域で動作し、平均パワー1mWまたはそれ以上を出力するものである。開口数調節レンズ52は直径3mm、0.25ピッチ勾配屈折率(GRIN)型レンズである。供給源ファイバー38はコア直径200ミクロンの光ファイバーであり、好ましくはガラスまたは石英のような自己蛍光発光が最小限で散乱損失の小さい伝送材料により作製されたものである。しかしながら、プラスティックファイバーや他の導波路も、特に、光源モジュール34からセンサー(部材)22(図3参照)までの距離が数メートル以下の場合は適合可能である。この実施形態では、GRINレンズは開口数およそ0.4ないし0.6のレーザーダイオードを、比較的低い石英ファイバーの最大開口数を保ちながら、約0.22に変換する。透過性の薄い(約0.15mm)ガラス円板54が透明接着剤によりGRINレンズ52に接着されており、これは光軸45に軸対称で配置された直径約0.75mmの円形遮光部56を有している。遮光部56の効果は供給源ファイバー38に伝播角度の小さい光線が入射するのを除去することである。供給源ファイバー38が内部的なモード変換を生じるほど曲げられず、多数の散乱中心を含んでいない場合、ファイバー内の光はファイバーに入射した光と同じ角度特性を有している。
図5は、遮光部56がある場合とない場合について、供給源ファイバー38から出る光の角度分布測定結果を示したグラフである。これらの測定結果は上述した特定の構成の光源モジュール34と供給源ファイバー38に対応している。明らかに、遮光部56は低い伝播角度の光線を大幅に削減した光の角度分布を提供しており、その利点はこれ以降の検討の中で明確になるであろう。便宜的に表示する目的で、光軸45(図4参照)に相関する伝播角度は図5のグラフでは開口数の値で表わしている。
図6Aは供給源ファイバー38を通ってファイバーの端部59に形成された直角リフレクター58に向かう励起光30を示している。その後、励起光30はセンサー22のレンズ部24に入射し、反射部26のリフレクター表面27で反射し、感知ファイバー28に入射する。感知ファイバー28はクラッド層を除去した光ファイバーのコア部分であってもよい。別の選択肢では、感知ファイバー28はプラスティックファイバーまたは適切に適合された数ある導波路構造のいずれかであってもよい。
図6Bは、エバネセント電界誘導による蛍光などの信号回収光32が感知ファイバー28を通り、リフレクター26で反射し、レンズ24で屈折し、ウインドウ60を通って質問モジュール40(図3も参照)に返ってくるのを示したものである。一度質問モジュール40内に入ると、信号回収光32はサファイアボールレンズ62のようなレンズによって光検出器64などの変換器に焦点を絞られる。
図7Aは、質問モジュールのウインドウ60の1つの例をさらに詳細を示したものである。供給源ファイバー38の末端59は45°の角度でミラー仕上げに研磨され、反射膜61がコーテングされて直角リフレクター58を形成している。供給源ファイバー38のこの部分は、詳細を説明するが、質問モジュールウインドウ60の中に集積化されている。直角リフレクター58は、供給源ファイバー38内の光がウインドウ60から通常はウインドウ表面に直角に、例えば開口数0.22でもって浮かび出てくるように設置されている。
質問モジュールの前記ウインドウ60は、レーザー線排除フィルター膜66をガラス板67の片面に成膜されて有している。このフィルター膜66の根本的な機能は励起光30に伴なう揺らぎ光が質問モジュール40に含まれる光学部品に到達するのをすべて排除し、より長波長の蛍光信号回収光32(図6Aおよび図6B参照)が妨害を受けない経路を提供することである。励起源およびブロッキングフィルターの選択は信号の回収に密接に関連しており、これに関しては後ほど検討する。例えば、直径約1.5mmの円形の遮光部68がフィルター膜66の外側表面に塗布またはコーテングされている。この遮光部68は、センサー22のレンズ部24で反射される後方反射励起光30をすべてブロッキングすることによりフィルター膜66を増強している。
図7Aおよび図7Bの両方によると、溝70はフィルター膜66と反対側のガラス板67に切り込まれている。この溝は高速の水冷式ダイアモンドソーで切り込むことができる。この後、溝70は高い不透明さを有している、Epoxy Technologies of Billerica, Mass.の320エポキシのような材料72が充填される。供給源ファイバー38の幅と同じの、比較的狭い第2の溝74は、不透明材料72内で、溝74の長さに沿った全部分で不透明材料72を突き破らないよう配慮した位置に設けられている。それから供給源ファイバー38が、正しい位置で正しい方向に光射出するように溝74に配置され、そして薄いガラスカバー板76が溝のウインドウ面に押し付けられてファイバーの位置を保持する。それから、UV接着剤P92(Summers Optical of Fort Washington,PA)のような透明材料が、捕捉された供給源ファイバー38の空間にしみ込まされて空気を除去し、接着剤が硬化される。
接着剤とカバー板76の両方は、供給源ファイバー38のクラッド層と殆ど同じ屈折率をもつように選択され、ビームの収差を最小にする。励起光30は、直角リフレクター58からの反射した上で供給源ファイバー38の円筒状の壁を通過する必要があり、さもないとファイバーの壁が円筒形レンズとして作用し、射出励起光ビームの形状を歪める。不透明材料72は、遮光部68と共に、直角リフレクター58における欠陥から洩れるかまたは、励起光30がセンサー22のレンズ部24に最初に入射する場所で反射されるあらゆる励起光を吸収する。
図3、図6A、および図6Bと関連付けて以上に検討してきたセンサー22は、ポリスチレンなどの射出成型により単一片として形成可能である。図6Aに示すように、センサー22に入射する励起光30は最初にレンズ部24の表面に遭遇し、これは球面状または放物面状のようないくつかの適切な構成のいずれでもよい。レンズ部24の根本的な機能は図6Bに示したように、信号回収光32をコリメートすることである。しかしながら、レンズ部24は励起光30に関して、励起光の実効的部分を光軸45に移す二次的な役割りをも果たす。
現在の技術の状態と関連させて以上に説明したように、励起源から供給された光は平衡化した分布の伝播角度から成り、テーパー化したファイバーの断面がしばしば開口数を液体サンプルに浸されたときの感知ファイバーと適合するようにマッチングさせるのに使用される。しかしながら、大部分の光線の角度特性がエバネセント電界強度に対して微弱にしか寄与しないので、この手法は入力エネルギーを顕著に浪費する。他の試みはテーパーを感知ファイバー全長に沿って使用するものであり、それにより低い伝播角度の光線をファイバーに沿ったいくつかの場所においてエバネセント電界に寄与するような高い伝播角度の光線に変換する。しかしながら、これらの低角度の光線のために、最初から高い伝播角度を有している光線が損失とならざるを得ない。伝播角度の低い光線をファイバーのテーパーによって連続的にグレードアップすることはファイバーの長さに沿って励起光が洩れ出るという不利益によって得られるのである。これは分析感度がファイバーに沿って変化することを意味するものであり、これがキャリブレーションの問題を引き起こす。また、ファイバーから外面のサンプルへの光の漏出は結合しているフルオロフォア単独ではなく、サンプル自体の蛍光励起につながり得るものである。
理想的には、すべての入射励起光が感知ファイバーの臨界角に非常に近いものであり、エバネセント電界強度を最大化し、それによってファイバーに結合したあらゆるフルオロフォア分子による蛍光を最大化すればよい。また、感知ファイバーが、単位長さ当たりの感度を一定に保つように本質的に直径が一定であり、外部環境への光の漏出が最小になればよい。実際上の問題として、射出成型による作製のような製造プロセスの結果としてわずかにテーパーのある感知ファイバーとなる必要がある。典型的には、約0.02°のこのテーパーは射出鋳型から欠陥を形成させずにファイバーを取り出すのに充分であり、このようなテーパーは本質的に光学的効果において無視できるものである。本発明の実施形態は殆ど理想的な条件を提供できるものであり、根本的にセンサー22のリフレクター部分26の特性に帰するものである。
図6Aによると、リフレクター部分26の反射面27は、供給源ファイバー38の端部から射出されるすべての光線がセンサー22の光軸45に相関して同じ角度で反射されるように作製されている。言い換えると、感知ファイバー28内のすべての光線は同じ伝播角度を有しており、これはエバネセント波に基づくセンサーにとって高度に望ましい特徴である。光源(即ち、供給源ファイバー38の端部にある直角リフレクター58)はほぼ点光源であり、その光源から射出される光の角度分布がある制限値(下記で検討)になると仮定すると、必要とされる反射面27の形状は数学的に容易に導き出せる。実際的には、ファイバーはコアの直径が3ミクロンの小ささまで入手できるため、点光源を要求することは困難な条件ではなく、またセンサー22の相対的サイズを単純に大きくすることも可能である。実際問題として、実験を通して感知ファイバー28の直径が供給源ファイバー38のそれのおよそ4倍の大きさである場合、点光源条件が得られることが判明した。
望ましい反射面27の形状は図8に示した曲線27Aを光軸45について回転させたもので規定される。点光源をO点とすると、曲線27Aは次の極座標、
r(θ) = R(0)×(1-cos(θO))/(1-cos((90°-θ)+θO))
により説明することが可能であり、ここでr(θ)はO点源から曲線27Aまでの距離、θは励起光線30と光軸45の間の角度である。角度θ0は光軸に相関する出射の望ましくは一定となる角度、R(0)はθ=0のときのO点源から曲線27Aまでの距離である。
図9によると、反射面27が、ある伝播角度範囲に入っている光線についてのみ作用することは明らかである。図示したように、光軸45に相関して小さい角度で伝播する励起光30Aは直接的に感知ファイバー部分28へと通過する。光軸に対して比較的大きな角度で伝播する光線30Bは反射面27で反射し、2回目となりそしてセンサー22から屈折して放出される。しかしながら、この伝播角度の拘束条件に入っているものでも、80ないし90%の光線を集めて望ましい角度θ0で感知ファイバー部分28に向けることは困難ではない。
水中に浸したポリスチレンの導波路において開口数はおよそ0.856である。励起光の伝播角度が臨界角に非常に近くなったとき、最も大きなエバネセント電界強度が創出される。ポリスチレンの600ないし700nm帯域における屈折率は約1.直角リフレクター584であり、これは光軸に相関した臨界角が約32.7であることにつながる。しかしながら実際の設計上の問題として、製造誤差などに伴なう調整ズレの効果を補償するためには、より低い伝播角度を使用する方が適切である。臨界角より約2°小さい伝播角度での設計が容易に達成され、満足できる結果が得られている。
図10は、センサー22の感知ファイバー部分28に入射する光線の累積的角度分布を、市販の光線追跡プログラム、商標登録Opticadによりモデル化して示したものである。モデル化された特定のセンサーは、図11に示した寸法で、直径200ミクロンの供給源ファイバー38をセンサーのレンズ部24の対面する表面から0.5mm離れた場所に配置して作製されている。モデル化を簡単化するために、供給源ファイバー38が、上限の開口数0.22までの光線角度の均一な分布を有している光線を伝送すると仮定してする。
図11は、集積化されたレンズ部24およびリフレクター部分26の特定の幾何形状を示したものであり、次のレンズメーカーの等式、
z(mm)=7.59178h2-1.130917h4+15.184765h6-1.276721h8+3.500005h10
で説明することが可能であり、当該技術に携わる者であれば理解されよう。
図10に示したように、小さい伝播角度の光線フラックスは全く適量である。大部分の光線は設計の伝播角度(開口数0.81で表示)付近に集中しており、センサー22のファイバー部分28に射出される84%以上の光線が0.75以上の開口数で表わされる伝播角度を有している。光線の約16%は開口数0.15以下で表わされる伝播角度を有しており、それらの光線は非球面リフレクター断面26を低伝播角度で通過し、したがってリフレクター26の作用を受けないで表示されている。
図4に示されている光源モジュール34に使用される中央部の遮光部56によりさらなる改善が供給される。明らかに、図10は、低い伝播角度の光線を実質的にすべてブロックするこの遮光部56の効果を含んでいない。低い伝播角度の光線は実質的にエバネセント電界強度に寄与しないため、検出信号の発生には殆ど価値がない。しかしながら、それは、質問モジュール40(図6B参照)により排除すべき、無信号時の顕著なバックグラウンド光の発生源となる可能性がある。このようなバックグラウンドの揺らぎ光は、センサー材料のバルクまたはその中の不純物の軌跡の射出による蛍光、または励起光の質問モジュール40自体への洩れ、または導波路内部の粒子や導波路表面の不完全さから後方散乱した励起光に由来することがある。フィルター膜66(図7A参照)のような励起光排除フィルター膜は100%の効果をもち得ない。システムから低伝播角度の光を除去することにより、質問モジュール40における無信号時のバックグラウンド光の量は対応して低くなり、エバネセント電界が表面に結合したフルオロフォアを励起することに与える効果が殆どなくなる。
図6Bによると、信号回収光32は質問モジュール40に入射する前にコリメートされることが望ましい。光線が設計の入射角度からおよそ±10°以上外れた角度で衝突する場合、フィルター膜66(図7A参照)の性能は殆どにおいて低下する。蛍光発生プロセスはあらゆるフルオロフォア部分からの均等な光線角度分布を発生するので、広範囲の光線角度分布をコリメートして小さく、低ノイズの光検出器に方向付けすることも望ましい。
比較的低い伝播角度を有している信号回収光32のフラックスは、感知ファイバー28を出てセンサー22のレンズ24を直接的に通過する。これらの光がレンズの焦点付近で感知ファイバー28からあらわれ、それによりコリメートされた状態でレンズから出て行くようにレンズ部24の表面および軸の配置は実施される。しかしながら、信号回収光32のうち第2の、殆どの場合において、より大きなフラックスは大きな伝播角度で感知ファイバー部分28から出る。これらの光線の多くは、その後、リフレクター26の反射面27に衝突し、これが高い伝播角度の光をレンズ24へと反射し、それから質問モジュール40内に含まれる光学システムへと入射し、それにより、回収された信号光の実質的部分(それ以外は失われている)を集める。光線モデル化の研究は感知ファイバー28から射出された信号回収光の90%以上が光検出器64に到達することを示している。
数多くのロングパスまたはバンドパスフィルター設計のいずれもが、臨界波長以上の波長を伝播して臨界波長以下の波長をブロックするか、または周波帯以内を伝播して第2周波帯以上を排除可能な光学結晶および薄膜干渉フィルターのようなフィルター膜66に採用可能である。最も単純で最もコスト効果の高いフィルター膜66としては、Optical Coating Laboratories(Santa Barbara,CA)から入手可能な特殊なフィルター特性を有しているロングパスダイクロイックフィルターが可能である。しかしながら、付加的な励起のブロッキングは、典型例の周波帯において、フィルター膜66と組み合わせてスペクトル吸収着色フィルターを使用する、例えば、Schott Glass Technologies(Duryea,PA)のRG−645やRG−665シャープカットガラス、またはHoya CorporationのR−62、R−64、R−66またはR−68シャープカットフィルター材料のようなロングパスバルクフィルター、またはレーザー波長で強い吸光度を有して少なくとも蛍光発光周波帯の一部で吸光度の低い有機染料ポリマーから平板67を作製する、ことにより得ることができる。前に検討したように、1種類としての薄膜フィルターは光軸45に対して急角度をなす光線には効果的ではないが、着色フィルターはそれを補う機能を提供するものである。
600ないし700nmの周波帯(例えば、638、645、6直角リフレクター58nm)の市販のソリッドステートレーザーダイオード励起光源46により、約25nm以上でレーザー発光波長を超える波長までにおいて50%の伝播性を示すロングパスフィルターを組み合わせて使用すると、励起光揺らぎをおよそ1000〜10000の因数で低減することが可能である。この程度の励起のブロッキングレベルが達成されると、残された揺らぎ光レベルは光学的欠陥および材料の不均質性により大きく影響され、レーザーダイオードおよび高い光強度に晒された他の励起光学成分からのラマン成分および強い蛍光を有している。この点でのS/N比は、蛍光発光を防止するために光源34にレーザーバンドパスフィルターを配置すること、導波路材料とその純度を変えること、センサー22の光学表面特性を改善すること、光学的質問モジュール40における強い無信号光レベルを生起しない励起波長に移動させることによる最も効果的な影響を受ける。殆どの誘電性材料について、動作周波帯を長波長に移動させると蛍光および内部的後方散乱は急激に減少する。これらのバックグラウンド効果を超える小さな蛍光信号を検出するためには、したがって安定で効率的な、約600nmないし800nmの周波帯内で発光するフルオロフォアが利用可能な最も長い波長で動作することが好ましい。
適切な分子の類の1つはアルミニウムフタロシアニン化合物であり、Schindeleらの“Monomeric Phthlocyanine Reagents”というタイトルの米国特許5,494,793に開示されている。適切な分子の類の2番目はMolecular Probes(Eugene,OR)から入手可能なアレクサ・フリュオー(Alexa Fluor)染料(例えばAlexa Fluor 660および680)である。適切な分子の類の3番目はAmersham Pharmacia Biotech,Inc.(Piscataway,NJ)から入手可能なCyDyeシアニン染料(例えばCY5)である。図12は、生物学的分析のために開発されたこれらの赤色蛍光ラベル4種についてレーザー励起波長を600nmないし700nmの周波帯で変えたときの1分子当たりの相対的蛍光信号強度を示したものである。この比較のために、レーザーとブロッキングフィルターとの間に30nmの光学ギャップを使用した。レーザーダイオードはさまざまなメーカー製の次に示す波長の市販品である。即ち、633nm、635nm、638nm、640nm、645nm、650nm、6直角リフレクター58nm、670nm、675nm、680nm、685nmおよび690nmである。もちろん他の波長のものも将来は入手可能となり、メーカーは公表されている出力波長と異なる波長を提供するために製品をカスタム選択することができる。それに加えて、発光ダイオードの励起源も薄膜フィルターのような適切なフィルター処理をして使用することが可能であり、これにより最大発光波長をより厳密に規定および限定される。
こうした理解のうえで、高価でない既製品の励起源を使用した蛍光を基本とするエバネセント波感知システムにおいて最高のS/N比を得るためには、励起波長が660nm以上になると、信号強度が弱くなりかつ利用可能ないくつかのフルオロフォアに約640ないし650nmの励起波長が非常に良くマッチするため、利益がないと図12から結論付けることができ、そして幸運にもこの範囲で多くの材料が利用可能なのである。
質問モジュールのウインドウ60を通り、励起光のフィルター処理済みの光は焦点距離の短いレンズにより適切な低ノイズ光検出器64に焦点を絞られる。高い集光性能をもつレンズであればいずれも使用可能であり、特に効果的でコンパクトな設計は高屈折率を有している直径1ないし10mmのガラスまたはサファイア球体で構成される。光学品質のサファイヤ球体はEdmund Scientific(Barington,NJ)から入手可能である。ソリッドステートフォトダイオードは、小型で電力を消費せず、低ノイズであるため適切な光検出器64である。光検出器64に入射する光はそれから光電流に変換され、これが同期検波のような標準的な小信号の電子的増幅方法を使用して電圧に変換される。6mmのサファイアボールレンズ、低ノイズ光検出器S4707−01(Hammatsu,Inc. Bridgewater,NJ)、および同期検波型増幅技術を最適のチョップ周波数135Hzで動作させて使用し、非常に好適な光電流感度0.025pAが実現された。
以上の検討の多くは、エバネセント波に基づくセンサーへの応用に焦点を当てているが、当該技術に携わる者であればセンサー22が表面プラズモン共鳴センサーにおける利用に適合化できることは理解するであろう。光ファイバーに伝送するためにさまざまな光伝播角度をほぼ一定の伝播角度に変換する能力は、表面プラズモン共鳴技術にとってとりわけ利点がある。当該技術の現在の状態と関連付けて上述したように、現在利用可能な表面プラズモン共鳴センサーのための検出共鳴スペクトルはさまざまな伝播角度で感知ファイバーを伝播する光に伴なう共鳴スペクトルを重畳したものである。それに代わって、本質的に単一の伝播角度が使用されるならば、伝播スペクトルにおける共鳴効果はより良く規定され、より簡単に検出され、より良い定量分析を付与する。
上述した分析システムは、表面プラズモン共鳴感知の動作に使用するために容易に適合化できる。白色光を発生する光源モジュールは、上述した供給源ファイバー38、質問モジュール40、および質問モジュールウインドウ60と実質的に同じ構成の供給源ファイバー、質問モジュール、および質問モジュールのウインドウによりセンサー22に結合することができる。表面プラズモン共鳴センサーファイバー114が帰還信号光(図1B参照)のためのミラー122を有している場合、質問モジュール40に非常に類似した光学システムが採用できる。もちろん、スペクトルグレーティングおよびアレー検出器(または他の適切な分光学的装置)で光検出器64(図6B参照)を置き換え、そしてフィルター膜66(図7A参照)を設計から除外することはできる。
図4における遮光部56の使用のように、低伝播角度の光を除去することは表面プラズモン共鳴感知の動作にいくつかの利点を提供する。現在使用できる方法では容易に加工できないほど金属膜を薄くする場合を除いて、低い伝播角度の光は表面プラズモン波を励起しない。図1Bのミラー122からの後方反射信号光のケースでは、低い伝播角度の光は本質的に信号ノイズであって、測定すべき共鳴効果をぼやけさせるものである。センサー22のリフレクター部分26は、やはり低い伝播角度の光をより高い伝播角度に調節するものである。
上述の形態によると、ほぼ一定の伝播角度の開口数の高い光が表面プラズモン波センサーに供給可能となる。図13は、当該技術の現状と比較した(図2Bと図13の両方を参照)ときの、センサー22の光学的特徴を採り入れた表面プラズモン共鳴センサーをモデル化した結果を示している。400ミクロンのシリカ光ファイバーコアに厚さ55nmの金の層が施され、ファイバーコアの光軸に相関する光の伝播角度が21.60°で±0.2°の均一分散を有していることが想定値として含まれている。2つの曲線の差異は上述した分析システムの適合化による表面プラズモン共鳴技術の顕著な改善を示している。
図14は、本発明の一実施の形態自動化するシステムで使用される、4つのセンサー22を採り入れることのできる使い捨て型の射出成型分析カード80を示したものである。軸方向に質問される4つのセンサー22はタブ82を有しており、これは、好ましくはレンズ24、リフレクター26、および感知ファイバー28が一体構造となっている。タブ82は券80に成型された流路88内にセンサー22を設置することおよび操作することを補助するものである。この実施形態では、励起および信号回収は4つの光学的質問モジュール40により提供される。券80には成型流路88をシールするためのカバーおよびカードにサンプルと試薬を導入するための複数の注入針をもつ隔壁が含まれる。溶液は各流路88および軸方向に配置されたセンサー22に分けて配分されるか、または流路88が互いに入り口−出口で接続されて1本の蛇状に曲がりくねった流路を形成することも可能である。少なくとも試薬が互いに交叉反応するのを防止するようにかつ試薬濃度と反応速度が最大化されるように関与する限りにおいては、個々の導波路は分離する方が好ましい。別の選択肢では、複数の導波路28を並列に装着した唯一の溶液チャンバーをカードが有していることもある。
使用に際しては、カード80は、多数流路の溶液制御用ペリスタポンプおよびバッファーや廃液用のリザーバーのような、当該技術に携わる者であれば理解するであろう分析システムの他の補助部品を有している分析ユニット92(図15)に挿入される。
前記光センサー22の反射面27は、“一定反射伝播角度θo”の反射面27と称されることができる。これは、この反射面27(これは図8の曲線27Aにより示されている)が、光軸45に対して特に所望の(即ち、一定の)反射伝播角度θo(図8並びに9を参照)で感知ファイバー28に入射する励起光30の光線数を最大にするように、励起光30を非常に良く反射する、からである。
第1に、励起光のための質問モジュール(装置)40は、供給源ファイバー38の一端にある直角リフレクター58のような、考察のもとでの特別なセンサー22のための点光源、もしくは少なくとも有効なほぼ点光源でなければならない。しかし、他の一般の点光源、もしくは、特別なセンサー22のための少なくとも有効もしくはそれに近い点光源である他の一般の点光源の全てが、直角リフレクター58の代わりに使用され得る。
第2に、前記光センサー22と直角リフレクター58とは、センサー22と直角リフレクター58と質問モジュール40との共通の光軸45上で、互いに最適の位置に置かれなければならない。上述したように、所望の反射伝播角度θoが、感知導波路28の臨界角と同じかほとんど同じになるように選定されると、感知導波路28の周りの全エバネッセント電界強度と、感知導波路28から戻される信号回収光の光量は、共に最大とされるであろう。
しかし、センサー22と直角リフレクター58とが、これらセンサー22と直角リフレクター58との互いの幅方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーのような、最適の位置から反らされていると、センサー22からの励起光30のもれと、励起光30のための反射伝播角度θoの広げられた分布とが生じるであろう。このような励起光30のもれと、励起光30のための反射伝播角度θoの広げられた分布とは、これらが、感知導波路28の周りの全エバネッセント電界強度の対応した減少を生じさせて、感知導波路28から戻される信号回復光32の光量の対応した減少を生じさせるので、非常に好ましくない。
例えば、センサー22を基準として使用する場合に、横方向のミスアラインメントエラーは、直角リフレクター58が、センサー22の光軸45に対して直角に変位されることがあるであろうし、また、軸方向のミスアラインメントエラーは、リフレクター直角リフレクター58とセンサー22とのギャップが、センサー22の光軸45に沿って見た測定されると、所望のギャップよりも大きいか小さくなるであろうし、そして、角度ミスアラインメントエラーは、質問モジュール40とこれのリフレクター直角リフレクター58との光軸がセンサー22の光軸45に対していくらかの角度だけ回転されるであろう。特別なミスアラインメントエラーは、1もしくは複数の横方向、軸方向、並びに角度のミスアラインメントエラーを含むであろう。前記質問モジュール40とこれのリフレクター直角リフレクター58とが、基準として使用されると、センサー22の横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーが生じる、同様のことが言える。
例えば、直角リフレクター58が、光センサー22の光軸45に対して、横方向もしくは角度的に変位されると、励起光30の光線の広がりの一部は、通常は使用されないであろう反射面27の部分から反射されるであろう。一般的に、このような光線の一部は、反射面27から非常に鋭い角度で反射され、弱く、即ち、感知導波路28の側壁から反射によりロスされる結果となるであろう。また、上記光線の他の部分は、反射面27に対して非常に小さい反射伝播角度を有している励起光30の光線を同時にもしくは異なって生じさせ得る。同様の結果が、直角リフレクター58とセンサー22との間のギャップが最適なギャップよりも大きい場合に生じるであろう。これは、ここで再び、直角リフレクター58により与えられる励起光30の光線の広がりの一部が、励起光30に関しては一般には関係していない反射面27の部分から反射され、また、このような光線の一部が、最適光量よりも少なく、即ち、感知導波路28の側壁からリークすることによりロスするであろう、からである。
実際の製造の観点から、センサー22と直角リフレクター58とが、これらの共通の光軸上の互いに、平均の感覚以外で、最適な位置に配置されるであろうように、センサー22と質問モジュール40とを装着できるであろうことを期待するのは、道理にかなっていない。
図17を参照すると、ここに示されている光センサー222は、上述した光センサー22の別の例である。この光センサー222は、これのサイズ、形状、デザイン、材料、構造、製造、物理上の特性、ディメンション、角度仕様、変形、に関するような全ての点において、ここでのせ爪イの全てにより明らかであろうこれらの相違を除いて、前記センサー22と同じもしくは類似している。
従って、明確かつ簡単にするために、センサー222の所定の部分は、センサー22の対応する夫々の部分のために使用された参照符号の最初に“2”を付加した参照符号が付けられている。
図17並びに18に示された、可変の反射伝播角度θoのセンサー222のリフレクター227の特別な形状は、センサー222と直角リフレクター58との互いの所定の誤差、横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラー全体に渡って大きい程度に許容するであろう。この結果、ミスアラインメントエラーの結果になるであろうセンサー222と励起光30との最適な相互作用からのずれが最小となる。この結果、前記ミスアラインメントエラーによる感知導波路228の周りの全エバネッセント電界強度で好ましくない対応した減少と、感知導波路228から戻される信号回復光32の光量の対応した減少とが、最小になるであろう。
前記リフレクター227は、内方に反射する形状を有し、このために、この内方反射面から、図18に見られるように、入射励起光30と信号回復光32とが反射される。
前記内方反射形状(リフレクター227)と、感知導波路228とは、この導波路228が真直ぐであれば、単一の分離される光軸45を有していることができる。導波路228が、真直ぐでない(即ち、分離される光軸45に対して湾曲もしくは折曲されている)場合には、内方反射形状の分離される光軸45は、導波路228の長軸が分離される光軸45がそれる場合でも、導波路228の入力端に少なくとも延びているであろう。
前記感知導波路228は、長軸が中心に向って下方に延びた少なくともほぼ柱形状を有し、また、少なくともほぼ円形の断面を有している。ここで使用している用語“柱形”は、真直ぐな柱形だけではなく、折曲もしくは湾曲された柱形も含み、また、また、この用語“柱形”は、正円形の断面や、楕円形のように非正円形の断面を有している円筒形や、正方形もしくは長方形のような幾何学的な形態を有している断面も含んでいる。この感知導波路228の長軸は、単一の分離される光軸45と一致され得る。
“可変の反射伝播角度θoi”のリフレクター227は、入射励起光30の反射伝播角度θoiが、入射伝播角度ωの関数として、リフレクター227の全体に渡って変化するので、適切に命名されている。ここで、図18に示すように、前記反射伝播角度θoiは、リフレクター227からの励起光30の反射光線が光軸45(垂直軸Z)となす角度であり、また、前記入射伝播角度ωは、励起光30の入射光線が、垂直軸Yとなす角度である。
前に説明したように、光源(レーザダイオード46もしくは直角リフレクター58)は、度々制限された開口数にまで、入射伝播角度ωの範囲の全体に渡って励起光30を一般的には射出し、一方、リフレクター227は、このリフレクター227の表面形状と入射伝播角度ωの範囲とにより特別に決定される反射伝播角度θoiの対応した範囲全体に渡って、入射励起光30を一般的に反射する。
前記反射伝播角度θoiが、リフレクター227全体に渡って変化するけれども、入射励起光30の反射伝播角度θoiの範囲は、リフレクター227からの反射の後には、特に所望の反射伝播角度θoiの近くで比較的しっかりとしたグループ分けされ、また、反射伝播角度θoiの範囲内で感知導波路228に入る励起光30の光線の数が最大にされることが、判明されている。このことは、また、感知導波路228の周りの全エバネッセント電界強度と、感知導波路228から戻される信号回復光32の光量とを、所定の誤差範囲全体に渡っての直角リフレクター58とセンサー222との互いのいかなる横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーにも係わらず、好ましく、最大にする。
換言すれば、新規の反射表面リフレクター227は、感知導波路228の周りでの所望の最大全エバネッセント電界強度と、感知導波路228からも信号回復光32の望ましい最大光量とを、直角リフレクター58とセンサー222との管の所定のミスアラインメントエラー誤差範囲を可能にしながら、与える(高機能センサー222を与える)ことが、判明されている。
前記反射表面リフレクター227のデザインが、以下に説明される。回転対称センサー222にとって、リフレクター227の形状は、図18に示されている曲線リフレクター227Aの光軸45を中心とする一定の曲率のラインの部分的もしくは全体的な回転により、分離される光軸45上の各軸方向位置により規定されている。
原点で想定されている点光源において、曲線センサー222A(これの破線の延長リフレクター227B,リフレクター227Cと同様)は、以下の極座標に従って示されることができる。
この式で、r(ω)は、原点Oから曲線リフレクター227A,リフレクター227B,リフレクター227Cまでの距離であり、入射伝播角度ωは、入射励起光30が垂直軸Yとなす角度であり、反射伝播角度θoiは、リフレクター227からの励起光30の反射光線が光軸45(水平軸Z)となす角度であり、R90°は、入射伝播角度ωが90°であるときの、原点Oから曲線リフレクター227Cまでの距離であり、そして、θ90°は、入射伝播角度ωが90°であるときの、反射伝播角度θoiである。そして
P=1/(1−R)である。
ここで、Bは、入射伝播角度ωの関数として反射伝播角度θoiの変化の割合である。
r(ω)に対する上記式は、反射伝播角度θoiが、リフレクター227の全体に渡っての入射伝播角度ωの関数として線形的に変化し、かくして、リフレクター227上の如何なる点のための反射伝播角度θoiが以下の式により与えられることを仮定している。
θoi=A+Bω
ここで、Aは、入射伝播角度ωがゼロのときの、反射伝播角度θoiである。
上述されたように、線形的に反射伝播角度θoiを変化させることは、閉じた形式の式(closed−form equation)をさらに与える最も複雑な関係であると信じられている。しかし、入射伝播角度ωの関数としての反射伝播角度θoiの他の依存性に対する閉じていない形式の式の解が知られるけれども、計算機数値法が使用されれば、r(ω)が、指数法則依存性(power−law dependency)のような反射伝播角度θoiと入射伝播角度ωとの間の単調な関係に対して導かれ得る。
r(ω)に対する上記式は、また、夫々レンズ部134,134aと、固体スラブ感知導波路140,140aと、固体スラブリフレクター部分142,142aとを有している、図16,26,26Aのスラブ光学センサー132,132aに対して有効である。前記固体スラブリフレクター部分は、スラブ感知導波路140,140aの入射端から互いに外方に広がっている1対の対向した反射面により構成されている。前記スラブ感知導波路140,140aは、図18でY軸に垂直に向けられている1対の平行導波面を有している。
前記スラブ感知導波路140,140aの平行導波面は、平坦であるが必ずしも平坦でなくても良い。例えば、これら導波面は、少なくとも実質的もしくは本質的に互いに平行であれば、湾曲さていても、丸く凹んでいても折曲していても良い。このような場合には、スラブ光学センサー132,132aとリフレクター部分142,142aとは、また、スラブ感知導波路140,140aの入力端の形状に対応するように、湾曲、丸く凹むもしくは折曲され得る。
図16のスラブ光センサー132と図26,26Aのスラブ光センサー132aとは、本発明のスラブ光センサーの異なる例である。これらスラブ光センサー132,132aは、ここでの説明の全てにより当業者にとって明らかになされるであろう相違以外の、サイズ、形状、デザイン、材料,構造,製造,物理的特性、ディメンション、角度仕様、変化、使用に対するような全ての態様において同じか、少なくとも類似している。
従って,明確かつ簡単にするために、スラブ光センサー132aの所定の部分は、スラブ光センサー132の対応する部分に対して使用された参照符号と同じ参照符号にサフィックス“a”を付けて示されている。
簡単にするために、限定されない例により、図26、26Aのスラブ光センサー132aは、主として以下に説明され、これに関する説明の全てが、ここでの開示の全ての観点で当業者により明らかであろう相違は除いて、スラブ光センサー132と等しくなされるであろうことが理解される。同様に、スラブ光センサー132に関してここでなされた説明は、ここでの開示の全ての観点で当業者により明らかであろう相違は除いて、スラブ光センサー132aと等しくなされるであろう。
回転対称感知部材センサー222の共通の光軸45は、図18で面Y=0として切断され得る、スラブ感知導波路140aに対する対称共通の光学145に変更されている。励起光30に対する正味の(net)伝播方向は、デカルト座標での正のZ軸に沿うように仮定されている。X軸(図示せず)は、Y軸とZ軸とに直交している。限定によるこのZ軸は、(X,Z)平面と直交(X,Z)平面との交線と一致している。かくして、スラブ光センサー132aのリフレクター部分142aの各反射面は、r(ω)により与えられる図18の(Y,Z)平面内の1次元デカルト反射面プロファイルにより表されている。
円筒形センサー導波路228とスラブセンサー132aとの顕著な相違は、スラブセンサー132aが固有の回転対称ではないことである。このことは、スラブセンサー132aに対して,各光線が、直交した(Y,Z)平面もしくは(X,Z)平面へとの光路の投影により便利に特徴付けられることができるように、励起光30の各光線が、直交ベクトル成分に分けられることができることを、意味している。
かくして、円筒形の感知センサー132の場合と同様に,(直角リフレクター58のような)点光源からの励起光30が、リフレクター部分142aの1次元デカルト反射面プロファイルからの反射の後に、(Y,Z)平面での入射伝播角度ωの範囲と、(Y,Z)平面での反射伝播角度θoiの対応した範囲とにより、スラブセンサー132aのために特徴付けられることができる。しかし、励起光30の各光線の直交成分(即ち、(X,Z)平面上への光路の投影により得られるベクトル部分)は、デカルト反射面プロファイルにより一般的には影響されない。このような光路は、別の発行物で論じられなければならない。
直角リフレクター58のような、励起光30の点光源は、円形もしくは楕円形の断面の光線として励起光30を射出するので、励起光30は、直交(X,Z)平面内で伝播角度の第3の範囲を表している。この励起光30は、これがスラブ感知導波路140aを前へと伝播するのに従って、スラブ感知導波路140aの2つの非導波面方向に広がるのを防ぐために、この(X,Z)平面内で励起光30の光線をコリメートすることが必要である。
このようにして励起光30の光線を部分的にコリメートすることにより、光線は、これがスラブ感知導波路140aを前へと伝播するのに従って、横方向に発散することがない。複数の信号回復光の検出器250と、スラブ感知導波路140aの外面上のターゲット分析物質の感知コーテング252の対応し分離されたパッチとが、図26、26Aに見られるように、リニアーアレイの形態で互いに近接して配置され得る。代わって、ターゲット分析物質の感知コーテング252は、1もしくは複数の分離されたパッチにより形成されるよりも、スラブ感知導波路140aの外面の一部もしくは全部の上に連続したコーテングを形成しても良い。そして、このようなスラブ感知導波路140aの長手方向に沿って配置された1もしくは複数の単一の信号回復光用の検出器250が設けられても良い。
1つの信号回復光の検出器250のみが示されているけれども、1つの検出器250は、ターゲット分析物の質感知コーテング252のパッチの各々に対して設けられることができる。代わって、1つの信号回復光の検出器250のみと、ターゲット分析物質の感知コーテング252の1つのパッチのみとが使用されても良い。1つのスラブ光センサー132aのみが、図26には示されているけれども、スラブセンサー132に対して図16で示されているように、複数のスラブ光センサー132aを使用しても良い。このような場合には、複数の光源246が使用されるか、1つの光源246が、複数のスラブ光センサー132aに対して励起光30を与え得る。このスラブ光センサー132aの全ての部分は、プラスチックの射出成型により、単一の一体的な連続構造体として製造されることができる。
図16には示されていないけれども、図26で、励起光30の横方向のコリメートが、シリンドリカルレンズ部134aと光源246との間に配置されたコリメータレンズ253によりなされていることが、見られる。このコリメータレンズ253は、励起光30の点光源で良い光源246が、コリメータレンズ253の焦点にあるように、位置され得る。また、このコリメータレンズ253は、円筒形で良く、また、(X,Z)平面に平行な励起光30の光路成分が実質的に影響されないようにして、コリメータレンズ253が、図18の(X,Z)平面内で励起光30の光線を屈折してコリメートし、励起光30の一定幅の光束とするのに必要な部分的(横方向)コリメートを果たすように、配置されることができる。
しかし、コリメータレンズ253が、例えば、球面、非球面、もしくは累進屈折率レンズデザインの回転対称レンズであると、このレンズ253に入射する励起光30は、充分にコリメートされる。即ち、(X,Y)平面上への励起光30の光線の投影により得られるベクトル部分は、また、Z軸に平行である。励起光30の充分にコリメートされた光束を射出するコリメータレンズ253の特別な場合が、以下に有用的に説明される。
図26に見られるように、回転対称なコリメータレンズ253をでた励起光30の光線は、円筒レンズ部134aに入る。このレンズ部は、これが、励起光30の平行光線を、コリメータレンズ253と、円筒レンズ部134aと、リフレクター部分142aと、スラブ感知導波路140aとの共通の光学面145上のラインにホーカス(焦点合わせ)するようにデザインされている。この対称な共通の光学面145は、図18の(X,Z)平面に対応している。そして、励起光30のこの仮想ライン光源は、満たし、スラブ光センサー132aのリフレクター部分142aから反射する励起光30の入射伝播角度ωの範囲を与える。前記反射された光線は、スラブ感知導波路140aに入る前に、対応した反射伝播角度θoiの範囲に含まれている。
かくして、図26に見られるように、図18の原点Oと垂直Y軸とは、スラブ光センサー132aのための励起光30の仮想ライン光源上に位置されることができる。従って、入射伝播角度ωは、励起光30の仮想ライン光源からの入射励起光30の光線が、Y軸となす角度であり、また、反射伝播角度θoiは、リフレクター部分142aからの励起光30の反射光線が、対称な共通の光学面145となす角度である。
このことは、励起光30が、直角リフレクター58(これは、励起光30の点光源となっている)からセンサー222のリフレクター227へと伝播される方法に類似している。このリフレクター227は、回転対称のデザインに形成されている。前記円筒レンズ部134aは、(X,Z)平面内での励起光30の光路に実質的な影響を及ぼさないで、図18の(Y,Z)内で励起光30の充分にコリメートされた光束のフォーカスを果たす。この結果、励起光30の光線は、一定の幅特性が維持される。
前記レンズ部134aは、質問モジュール40の質問ウインドウ60へのモールドとは別の部材、質問モジュール40とスラブセンサー132aのリフレクター部分142aとの間の別の部材、もしくは、図26に見られるようなスラブセンサー132aの一部で良い。上記説明の最後のオプションは、スラブセンサー132aとコリメータレンズ253との相互の横方向並びに軸方向のミスアラインメントエラーが、このようなミスアラインメントエラーの所定の範囲の全体に渡って、感知導波路140a内での励起光30の伝播に影響を及ぼさないので、有効である。これは、コリメータレンズ253を出る励起光30の光線が平行光線となっており、このことは、コリメータレンズ253が、ミスアラインメントエラーの範囲内であっても、スラブセンサー132a内の同じ仮想ライン光源位置に励起光30をフォーカスし続けるであろうからである。これは、所定の範囲のミスアラインメントエラーに対する実質的な安定性をスラブセンサー132aに与えることができる。なぜならば、スラブセンサー132aとコリメータレンズ253との相互の比較的大きいミスアラインメントエラーが、コリメータレンズ253とレンズ部134aとの間を通る励起光30のコリメートされた光束が、レンズ部134aの面に入射する前に、必要とされるであろうからである。
更に、仮想のライン光線とリフレクター部分142aとの間の距離は、スラブセンサー132a全体が、光学グレードプラスチックのような材料の一体構造として形成、即ち、モールド成形される場合には、厳しく維持され得る。この結果、製造の観点でのミスアラインメントに対する精度を最小にすることができる。図16に見られるリフレクター部分142の光学的なテーパ形状は、リフレクター部分142とレンズ部134との境界の強度を高めるための製造上の形態のためであって、光学上の形態のためではない。この結果、リフレクター部分142は、レンズ部142とは容易には剥離しないであろう。
スラブセンサー132aのリフレクター部分142aの中へとコリメートされた励起光30を入射させる前記円筒レンズ部134aの使用は、鈍角でスラブ感知導波路140aの中に予めコリメートされた励起光30の光束を入射させるように、スラブ感知導波路140aの複数の平行導波面の一方にモールド成形され得るプリズムをアラインメントさせる困難性のある従来の装置に対して重要な改良となり得る。このスラブ感知導波路140aは、図17の円筒形の感知導波路228により与えられる信号回復と回転対称捕獲とは果たさない。スラブ感知導波路140aの表面にあるターゲット分析物質を測定するのに使用され得るほとんどの光により生じる反応は、全ての方向に均一に射出される信号回復光32を発生するので、スラブ感知導波路140aの信号回復光32の収集効率は、もし図6Bに見られるようなレンズ62と光検出器64とにより信号回復光32をモニターする試みがなされると、非常に低くなり得る。
従って、代わって、図26並びに26Aに示されているように配置されたレンズ262と光検出器264とで、信号回復光32をモニターすることが好ましい。この実施の形態において、ターゲット分析物質の感知コーテング252の各パッチが、スラブ感知導波路140aの複数の平行導波面の1つの上に配置されており、ここで、励起光30によりスラブ感知導波路140aの周りに発生されるエバネッセント電界と反応できる。前記ターゲット分析物質の感知コーテング252の各パッチは、如何なる適当なサイズを有していることができ、また、円形もしくは矩形のような如何なる適当な形状を有していることができる。
ターゲット分析物質の感知コーテング252の各パッチにより発生される信号回復光32のフラクションは、スラブ感知導波路140aを通って、この感知導波路140aのドライ側のそれぞれの信号回復光用の検出器250に入る。ここで前記フラクションは、1対のコリメータレンズ254,255のような適当な手段によりコリメートされ、そして、レーザライン拒否フイルター膜268とバルク吸収フイルター266とにより、励起光30は処理され、そして、レンズ262により光検出器264上にフォーカスされる。前記コリメータレンズ254,255は、信号回復光32に対して高い捕獲効率を有している如何なるデザインの1もしくは複数のレンズで良い。
スラブ感知導波路140a上のターゲット分析物質の感知コーテング252の各パッチは、これと対応した信号回復光用の検出器250により、異なるターゲット分析物を検出するために使用され得る。代わって、レンズアレイ検出器やCCDアレイ検出器のような一体的な光学技術が、ターゲット分析の物質の感知コーテング252の各パッチに対して、別の光学系と信号回復光用の検出器250を有している代わりに使用されることができる。
ターゲット分析物質の感知コーテング252の少なくとも2つのパッチを有しているスラブ感知導波路140aが、同じサンプル流体内の別々のターゲット分析物を同時に検出するために使用され得る。代わって、異なる流体内の別々のターゲット分析物を同時に検出するために使用され得る。この場合、異なるサンプル流体は、1つの容器内に位置された分離壁を与えるか、各々が異なる流体を収容する幾つかの容器を与えるような、如何なる適当な手段により、互いに分離されることができる。
前記センサー222を使用する場合には、センサー132aのリフレクター142aの対をなす反射面は、内方へ反射させる形状を有していることができ、また、導波路140aが真っ直ぐな場合には、スラブ感知導波路140aを有し、単一で対称な分けられた光学面を有していることができる。導波路140aが真っ直ぐでない(即ち、分けられた光路45に対して湾曲もしくは折曲されている)場合には、内方に反射させる形状の対称な分けられた光学面は、導波路140aに対する対称面が、分けられた対称面からそれることができても、導波路140aの入力端へと少なくとも延びるであろう。
図17のセンサー222に再び戻ると、円筒形の導波路228の半径の約40%以上の、直角リフレクター58とセンサー222との相互間の横方向もしくは軸方向のミスアラインメントのパーセントエラーがあっても、反射面リフレクター227により導波路228の中に反射される励起光30の少なくとも大部分は、導波路228の最大開口数の少なくとも約10%以上であり得る。さらに、このようなミスアラインメントのパーセントエラーの範囲全体に渡って、感知導波路228の全エバネッセント電界強度は、ミスアラインメントのパーセントエラーの約1/10以上よりも少ないパーセントだけ減じられることができる。スラブ感知導波路140aの対向した平行反射面間の距離の約20%以上の直角リフレクター58とスラブセンサー132aとの相互間の横方向もしくは軸方向のミスアラインメントのセントエラーがある場合に、リフレクター部分142aにより導波路140aの中に反射される励起光30の少なくとも大部分は、導波路140aの最大開口数の少なくとも約10%以上であり得る。さらに、このようなミスアラインメントのパーセントエラーの範囲全体に渡って、感知導波路140aの全エバネッセント電界強度は、ミスアラインメントのパーセントエラーの約1/10以上よりも少ないパーセントだけ減じられることができる。
本発明の以下の説明において、センサー222が、限定されない例により説明される。しかし、ここで含まれているセンサー222,22の説明の全ては、観点で当業者により明らかであろう相違は除いて、図16,26,26Aのスラブセンサー132,132aに等しく適用されるであろうことが、理解される。
図17において、反射伝播角度θoiは、反射面リフレクター227により反射された後に感知導波路228に直接入ることのできる入射励起光線30Cに対する最大錐角に相当し、また、入射伝播角度ωに相当する。そして、反射伝播角度θ02は、反射面リフレクター227により反射された後に感知導波路228に直接入ることのできる入射励起光線30Dに対する最小錐角に相当し、また、入射伝播角度ω2に相当する。前記パラメータの変化の割合Bは、2つの反射伝播角度間の差(θ02−θ01)をとって、この結果を2つの入射伝播角度間の差(ω2−ω1)で割ることにより都合よく算出されることができる。
限定されない例によれば、励起光30の入射伝播角度ωが、0.24の最大開口数を有し、0.08より大きい開口数を有している励起光30の光線の全てがリフレクター227に入ることが望まれている場合には、最大錐角(これは入射伝播角度ωに相当する)での光線30Cが、0.78の開口数でリフレクター227から反射され、最少錐角(これは入射伝播角度ω2に相当する)での光線30Dが、リフレクター227から反射されると、Aの値は、0.133°であり、Bの値は、0.36であり、そして、指数Pの値は、1.56である。
前記リフレクター227は、ω1ないしω2の範囲内にある励起光30の光線に対して最も良く作用することが明らかである。これは、比較的大きい錐角で伝播する励起光30の光線、即ち、ω1未満の入射伝播角度を有している光線が、1度以より多くリフレクター227で反射されないでリークする、即ち、感知導波路228の外に屈折され得、一方、比較的小さい錐角で伝播する励起光30の光線、即ち、ω2より大きい入射伝播角度を有している光線が、感知導波路228中に直接入るためである。
かくして、前記リフレクター227の範囲は、重要なパラメータである。このリフレクター227の角測長さ(angular length)は、ω1=(ωb―ωa)として規定され得る。ここで、ωaは、入射励起光線30Eが、垂直軸Yとなし、リフレクター227から感知導波路228に向かって販社される最少角度であり、また、ωbは、励起光線30Dが、垂直軸となし、リフレクター227から感知導波路228に向かって反射される最大角度である。上記説明から、ωb=ω2であることが明かであるが、或る程度の工夫が、ωaに対する最良の選択を決定するために必要とされている。
比較的短い角測長さωLが、使用されることができるけれども、最少の好ましい角測長さωLは、(ω2−ω1)に等しい。ここで、ωa=ω1である。これは、直角リフレクター58とセンサー222との相互間の横方向もしくは軸方向のミスアラインメントエラーが無い場合に、励起光30の光線が、特別なセンサー222に対する特別な開口数の範囲の全体に渡って、リフレクター227により感知導波路228へと反射されることを確実にしている。一方、ミスアラインメントエラーがある場合に、感知導波路228に入る励起光30の光量を最大にするためには、角測長さωLを前記最少よりも大きくなるように選択することが一般的に好ましい。
図25のデザイン例に対する限定されない例によれば、リフレクター227の公称最少角測長さωL=(ω2−ω1)は、約5.8°である。一方、0.15mmの横方向ミスアラインメントエラー(これは、図25のデザイン例の導波路228の0.381mmの半径に対して約40%の横方向位置のエラーに相当する)に対して、リフレクター227の角測長さωLは、少なくとも2°だけ大きくして、励起光30の光線が、ミスアラインメントエラーによるリフレクター227を避けることがないようにしなければならない。
入射励起光30に対して、光センサー222の機能のための2つの原則がある。第1の原則は、励起光30に対する“伝播効率(transport efficiency)、即ち、直角リフレクター58から射出されて光センサー222の感知導波路228に連続して送れて伝播する励起光30の光線のパーセンテイジである。このような励起光30の光線は、”伝播される光線“と使用され得る。一般的に、伝播される光線の数が多くなるのに従って、これらが感知導波路228の周りに発生させる全エバネッセント電界強度もまた、大きくなるであろう。さらに、感知導波路228の臨界角度と同じかこれの近くである反射伝播角度θoiを有し、伝播される光線の数が多くなるのに従って、これらが感知導波路228の周りに発生させる全エバネッセント電界強度もまた、大きくなるであろう。
入射励起光30に対する、光センサー222の機能のための第2の原則は、感知導波路228の外面からの所定の距離のところで、搬送されている光線により発生される、感知導波路228の“全エバネッセント電界強度”である。励起光30の搬送されている光線の各々は、対応したエバネッセント電界を生じさせるであろう。従って、感知導波路228の全エバネッセント電界強度は、全ての伝播光線により発生される個々のエバネッセント電界を総計することにより、計算され得る。これは、図1Aフルオロフォアをラベルした抗原104上にあるような蛍光発生分子が、光センサー222に対するデザイン変更が調節されるような導波路228の外面からの特に与えられた公称距離のところで蛍光を発する、強度の原則を与える。代表的には、このような公称距離は、0ないし100nmであり、50nmが、比較分析に対して適切な値である。伝播光線の各々のエバネッセント電界の貢献モデルは、“Instrumentation for Cylindrical Waveguide Evanescent Fluorosensors” by Lackie et al.,published in 1991 by Winegard,copyright The Humana Press,Incのような文献で見ることができる。
かくして、前記導波路228の平均エバネッセント電界強度は、全エバネッセント電界を、導波路センサー222が搬送する伝播される光線の数で割るよりも、センサー222に入る励起光30の光線の数で割ることにより算出される。以下の説明において、導波路228の全エバネッセント電界強度は、一定のパワーを有している励起光30を射出する光源46に関して同様に説明される。
センサー222の重要な目標は、このセンサーに入射される励起光30に対して伝播効率を大きくすることと、このセンサーの感知導波路228の周りの全エバネッセント電界強度を強くすることとである。しかし、センサー222に対するこれら機能のレベルの変動は、直角リフレクター58とセンサー222との互いの想定されるミスアラインメントエラーの誤差範囲全体に渡って許容されなければならない。
ここで説明される、図25の水中浸漬ポリスチレンの光センサー222のデザインの場合に対する限定されない例によれば、直角リフレクター58とセンサー222との最悪の場合のミスアラインメントエラーが、+/−0.15mmであると仮定する。一般的に、直角リフレクター58とセンサー222との間の軸方向のミスアラインメントエラーは、2つの対象物間の一次元でのスペースを機械的制御することは比較的容易なので、重要なことではない。しかし、同じ対象物間の二次元の横方向のアラインメントをさせることは、特に、これら2つの対象物が、マルチセンサー222もしくは132aに見られるであろう複数の平行光学チャンネルを許容しなければならない場合には、難しいであろう。
球面励起光レンズ160の光学半径が、1.32であり、また、2つの重要な入射伝播角度ω並びにω2が、空気中で、夫々76.1°並びに85.4°であることを想定する。前記入射伝播角度ω並びにω2は、これらが、リフレクター227から反射されて感知導波路228に直接入ることのできる入射励起光線30C並びに30Dに対する最大並びに最少錐角に、夫々相当するので、重要であることが、思いおこされる。さらに、ω1は、プロファイルr(ω)の形状により、即ち、調節可能なパラメータR90°、A並びにBにより決定されることが、思いおこされる。導波路センサー222に対するリフレクター227の交差に関係したこの第2の角度は、デザイナーにより独立して選択されることができ、また、光源の開口数の約1/3ないし1/2の開口数と代表的には等しくなるように設定される。前記リフレクター227の効果は、前記開口数が減少されるのに従って僅かに良くなるが、リフレクター227の形状は長くされることが判明されている。光学品質の仕上げの長いテーパ付けされたプラスチック射出成形プロファイルは、製造がより困難になり、このことは、更にω2を減少させるのに実用上の制限となっている。
前記リフレクター227のデザインを含む多くの独立した変数のために、Focus Software of Tucson,Arizonaにより作られたOpticadのような非シーケンシャル光線トレースプログラムを使用することにより、特に所望のリフレクター227を最適にすることは有用である。
このような技術を使用して、前記リフレクター227が、ω1近くの反射伝播角度θoiが、リフレクター227のための平均反射伝播角度θoiよりも小さくされ、また、励起角度ω2近くの反射伝播角度θoiが、平均よりも大きくされている場合には、感知導波路228から戻る信号回復光32の光量が、直角リフレクター58とセンサー222との互いのミスアラインメントエラーの範囲全体に渡って、比較的一定で変動しないようにされ得ることが、判明されている。このようなやり方は、平均反射伝播角度θoiと等しい一定の反射伝播角度θ0を使用する、前記センサー22の導波路28のデザインよりも大きい全エバネッセント電界強度を、感知導波路228の周囲に与え得る。
図19並びに20は、ω1とω2とが、上述された特別に想定された開口数を有しているリフレクター227の形状を変えることによる影響を示している。リフレクター227の形状のこのような変化は、励起光30の光線の反射伝播角度θoiを変え、ω1ないしω2の範囲から外れた反射伝播角度θoiのためと同様に、ω1とω2との間の励起光30の反射伝播角度θoiのための開口数範囲での変化と対応する結果となる。
再び図19を参照すると、これは、リフレクター227のための形状範囲に対して0.15mmの公称の最悪な場合の横方向のミスアラインメントエラーのもとで、光センサーに入射された励起光30に対する、光センサー222の伝播効率を示している。等高線プロット162は、センサー222の感知導波路228により連続して伝播される、直角リフレクター58からの入射励起光30の光線のパーセントを示しており、2つの重要な入射伝播角度ω1とω2でリフレクター227から夫々反射された入射励起光線30Cと30Dの開口数の関数としてプロットされている。
図20を参照すると、この図は、リフレクター227のための形状範囲に対する、0.15mmの公称の最悪な場合の横方向のミスアラインメントエラーのもとで、導波路の外面から50nmの距離のところでの感知導波路228に対する相対的な全エバネッセント電界強度を示している。等高線プロット164は、2つの重要な入射伝播角度ω1とω2でリフレクター227から夫々反射された入射励起光線30Cと30Dの開口数の関数としてプロットされている。
図19並びに20から、0.15mmの公称の最悪な場合の横方向のミスアラインメントエラーでの励起光30に対する最高の伝播効率と、最高の相対的な全エバネッセント電界強度との両方が、以下のときに得られることが見られることができる。即ち、(a)入射伝播角度ω2を有し、反射された励起光線30Dの開口数が、0.83のときと、(b)入射伝播角度ω1を有し、反射された励起光線30Cの開口数が、0.78のときとである。この結果、20℃の水に浸漬されたポリステレン導波路228内での励起光30の光線に対する0.856の制限開口数と比較されるように、約0.805のリフレクター227の角度範囲全体に渡って平均開口数が与えられる。
また、図19並びに20は、光センサー22の一定の反射伝播角度θ0の反射面27と、光センサー222の変化可能な反射伝播角度θoiのリフレクター227との間での比較を可能にしている。一定の反射伝播角度θ0の反射面27のデザインは、同じ縦軸値と横軸値を有している、即ちω1とω2とで同じ開口数である、図19並びに20内のポイントの部分集合により与えられる。かくして、一定の反射伝播角度θ0の反射面27を有しているデザインは、夫々の図内の直線166並びに168に沿って下がる。
0.805の開口数を有している一定の反射伝播角度θ0の反射面27が、0.805の前述された平均開口数を有している変化可能な反射伝播角度θoiのリフレクター227と比較されたときに、この変化可能な反射伝播角度θoiのリフレクター227が、直角リフレクター58により反射されて導波路に入射される励起光30に対して比較的高い伝播効率を有し、また、比較的高い全エバネッセント電界強度を有していることが見られることができる。
従って、ほとんどの場合で、変化可能な反射伝播角度θoiのリフレクター227が、センサー222と直角リフレクター58との互いの横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーの所定の範囲内で、等価の一定の反射伝播角度θ0の反射面27よりも優れているであろう。
光センサー222のレンズ部224のデザインが以下に説明される。このレンズ部224が、中心にあり、小さく、比較的短い焦点距離を有している励起光レンズ用の160と、このレンズ160を囲み、共軸で同心的で、大きく、比較的長い焦点距離を有している信号回復光用のレンズ174とからなる、径方向に分割された二重焦点形態で形成されていれば、少なくとも3つの効果があることが、判明している。これらレンズ160,174は、各々球面もしくは非球面で良い。限定されない例によれば、以下の説明で、レンズ160は、球面に選ばれており、一方、レンズ174は、非球面に選ばれている。また、これらレンズ160,174は、各々単一もしくは複合レンズで構成され得る。
同様の効果が、レンズ部134aが、内側の、小さく、比較的短い焦点距離を有している励起光用のレンズと、外側の、大きく、比較的長い焦点距離を有し、前記励起光用のレンズを覆っている信号回復光用のレンズとにより構成されたレンズ部134aを有しているスラブセンサー132aに対しても得られる。前記励起光用のレンズをセンサー132aの対称共通の光学面が通っている。前記レンズ部134aは、シリンドリカルもしくは非シリンドリカルな励起光用及び信号回復光用のレンズにより構成され得る。これらレンズは、単一もしくは複合レンズにより夫々構成され得る。前記センサー222のレンズ部224に関する以下の説明は、また、スラブセンサー132aのレンズ部134aに対しても適用できる。このことは、内側の励起光用のレンズと外側の信号回復光用のレンズとのシリンドリカルレンズ反射面形状が、センサー222の共通の光軸45を基準とした回転対称反射面形状の代わりに、スラブセンサー132aのための対称共通の光学面を基準とした1次元のデカルト反射面として理解することに基づいている。
前記光センサー222の径方向に分割された双焦点レンズ部224は、スラブセンサー132,132aに対して既に説明された方法に類似している励起光30の取扱いを可能にしている。特に、励起光用のレンズの反射面は、レンズ160と反射面リフレクター227との間の一点に励起光30をフォーカスし、かくして、結像された光源が、スラブセンサー132,132aのためのシリンドリカルレンズ部134,134aを用いてなされたような、リフレクター227のデザインで使用するための内部原点Oを与えるように形成される。このことは、励起光30のコリメートされた光束を射出する複数のレンズを有している複数の光源を使用することを可能にしている。この励起光30のコリメートされた光束を形成並びに当扱う方法は、この分野では良く知られている。1つの最も簡単な例は、直角リフレクター58のような点光源を屈折もしくは反射レンズの焦点に配置することである。
入射励起光30の使用に関連した潜在的な効果は、直角リフレクター58とセンサー222との相互間の横方向並びに軸方向のミスアラインメントエラーの影響を減じることと、表面の塵埃により実質的に妨げられる励起光30の小さい光源からの励起光30のリスクを少なくすることとを含んでいる。また、潜在的欠点は、センサー222の材料中の励起光30のための光路が長くなるとこと光線の断面が大きくなることとにより励起光に生じる光の揺らぎ(flare)に加えて、角度のミスアラインメントエラーの影響が大きくなることと、励起光30のコリメートされた光束を許容するためにセンサー222の全サイズが大きくなることとを含んでいる。
励起光30の光線が、直角リフレクター58により発生されるように、励起光30に対する発散された入射光線形態を有している小さいエミッターの場合の双焦点レンズ部224を使用する効果が、以下に説明される。
達成されるであろう、光センサー222の径方向に分割された双焦点レンズ部224の第1の重要な効果は、直角リフレクター58とセンサー222との相互間の横方向、軸方向並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーの所定の範囲全体に渡って、励起光用のレンズ160が、光センサー222に入射する励起光30の光線の全体に渡っての更なる有効な制御性を与えることである。即ち、前記レンズ160は、リフレクター227と組み合わされて、所定の範囲のミスアラインメントエラーがあっても、前記直角リフレクター58によりセンサーの中に射出される入射励起光30に対するセンサー222の伝播効率の低下を最少にし、また、感知導波路228の全エバネッセント電界強度の低下を最少にするであろう。励起光用のレンズ160他の有効な影響は、前記リフレクター227からの直角リフレクター58の有効な光学間隔を調節することである。前に説明されたように、前記リフレクター227の機能は、これが軸方向に長く形成されるのに従って、良くなるけれども、長いリフレクター227を製造するのは難しい。前記レンズ160は、励起光30に対する有効焦点距離が、リフレクター227の軸方向の実際の物理的増加が無くても、長くなるように、励起光30の光線を反射するようにデザインされ得る。かくして、双焦点レンズ部224は、励起光30と信号回復光32とを、独立して最適にされ得るように、処理可能としている。
前記レンズ160は、リフレクター227からの所定光量の反射された励起光30を受けることができるように選ばれた形状とサイズとを有することができる。前記所定光量は、レンズ160により受けられる励起光30の少なくとも約75%に、感知導波路228が、このパーセントよりも低い光量を受けるかも知れないけれども、等しい。レンズ160は、感知導波路228並びにリフレクター227からの信号回復光32の全光量の約20%未満をレンズが、このレンズ160はこのパーセントより多くの光量を受けるかもしれないけれども、受けることができるように選定されている、光軸45に対する物理的な半径を有していることができる。
例えば、図23で見られるように、光軸45上に中心合わせされた1.5mmの光学半径のレンズ160は、104ユニット(unit)の相対全エバネッセント電界強度を、そして、0.15mmの公称横方向ミスアラインメントスラーのもとでは101ユニットを、与える。このことは、実際になされる0.15mmのミスアラインメントにも係わらず、全エバネッセント電界強度での約3%のロスを表わしている。
比較の方法により、図20に見られるように、1.32mmのレンズ半径のセンサー22での0.15mmの公称横方向ミスアラインメントに対して、一定の反射伝播角度θ0のデザインポイント(ω1,ω2)=(0.805,0.805)で、約97ユニットの相対全エバネッセント電界強度である。この値は、一例の可変反射伝播角度θoiデザインポインと(ω1,ω2)=(0.78,0.83)の平均公称値に相当している。かくして、反射伝播角度θoiを使用したセンサー222は、0.381の半径の導波路228に対して40%の横方向のミスアラインメントエラーのもとで、一定の反射伝播角度θ0を有しているセンサー22に対して約4%全エバネッセント電界強度を増加させる。
前記直角リフレクター58と可変反射伝播角度θoiのセンサー222もしくは一定の反射伝播角度θ0のセンサー22との横方向のミスアラインメントエラーの影響が、両センサー222並びに22に対して算出されと、図27と図28とに示されている比較が見られる。また、これらセンサーの軸方向のミスアラインメントエラーの影響が、算出されると、図29に示されている比較が見られる。そして、横方向のミスアラインメントエラーは、図27と28との両方で共通の光軸に対して測定される。
図27ないし29において、センサー222の機能は、これが1.5mmの光学半径の励起光用のレンズ160を有しているときに、夫々の曲線190,190a,190bにより示されている。一方、センサー22の機能は、これが2.4mmの光学半径のレンズ24を有しているときに、夫々の曲線192,192a,192bにより示されている。
図27は、励起光30を考えるとセンサー222と22の捕獲効率(captrue efficiency)での横方向のミスアラインメントエラーの影響を示している。特に、図27は、リフレクター227から反射された後の高い数値平均(numerical average)での、(センサー222の)感知導波路228もしくは(センサー22の)感知導波路28に入射する励起光30のハーセントを示している。高い数値平均の反射された励起光30は、導波路228,28の周りにエバネッセント電界を発生するのに有効である。リフレクター227から反射されないで、感知導波路228に直接入射する励起光の低い数値平均光線は、考慮されていない。勿論、導波路228,28の臨界角もしくはほぼ臨界角で入る励起光30は、エバネッセント電界に最も重要に貢献するであろうが、導波路228,28に入る励起光の全ては(光軸45に平行もしくはほぼ平行に入る励起光30は除く)、エバネッセント電界にいくらかは貢献するであろう。
図28は、横方向のミスアラインメントエラーの関数として、ミスアラインメントの無い電界強度に対するミスアラインメントのある電界強度の比として示された、導波路228,28から50nmの距離のところでのセンサー222,22に対する相対全エバネッセント電界強度を示している。これは、燐が、感知導波路228,28の外面近くにどこでもあり、ターゲット分析物質の感知で必要である場合での、感知導波路228,28により搬送される伝播入射励起光30の励起効果の測定である。これら電界強度は、励起光30を考慮したセンサー222,22の図27に示す捕獲効率に対応している。
図27並びに28は、横方向のミスアラインメントエラーが無い場合に、夫々の導波路228,28の周りにエバネッセント電界を発生させる励起光30の捕獲光線において、可変反射伝播角度θoiのセンサー222が、一定の反射伝播角度θoのセンサー22よりも約8%有効であることを示している。更に、センサー222は、導波路228,28の半径の約40%に等し、横方向のミスアラインメント+/−0.15mmの範囲で優れた機能を奏する。この範囲を超えると,両センサー222,22は、励起光30を捕獲する効果が低下する。
前記直角リフレクター58と可変反射伝播角度θoiのセンサー222もしくは一定の反射伝播角度θoのセンサー22との間の共通の光軸45に対する軸方向のミスアラインメントエラーが図29に見られる。この図には、導波路228,28から50nmの距離のところでの相対全エバネッセント電界強度が、ミスアラインメントがないときの電界強度に対するミスアラインメントがあるときの電界強度の比として示されている。公称の軸方向位置は、0.25mmのエアーギャップが質問モジュール40と導波路センサー222もしくは22間に生じる場所に対応している。
軸方向のミスアラインメントが変化するのに従って、両センサー222,22は、相対全エバネッセント強度が単調変化している。1.5mmの軸方向のミスアラインメントエラーに対して、センサー222は、公称位置と比較されるように相対全エバネッセント電界強度が約3%変化していることを示し、センサー22は、約1.5%ないし2%変化していることを示している。
前に説明されたように、軸方向のミスアラインメントエラーは、デザイン的な事項で非常に容易に処理されるけれども、公称の軸方向の距離とは異なる直角リフレクター58からセンサー222までの軸方向の意図した使用は、導波路228が、小さいか大きいターゲット分析物質を強調するように、同調されることを可能にしている。これは、導波路228の周りの全エバネッセント電界が、導波路228の外面から指数的に減少し、周りの流体中への全エバネッセント電界の進入深さが、導波路228内で伝播される励起光30が導波路228の外面となす平均光線角度が導波路228の臨界角に近づくのに従って,増加するからである。
直角リフレクター58とセンサー222との間の軸方向の距離は、センサー222のリフレクター227のどの部分が直角リフレクター58からの励起光の広がった(fan)光線が当たるかを規定している。広がり角(直角リフレクター58からの励起光30の1本の光線が光軸45に対してなす角度)の単位当り(per unit of fan angle)の励起光30の光線の数は、励起光30の光線の広がり内の幾つかの中間広がり角で、代表的には、最大となるであろう。また、センサー222のリフレクター227は、これに入射する励起光30を、リフレクター227の軸長に沿う軸方向の場所で変る反射伝播角度θoiで反射するので、これらファクターにより、導波路228内の励起光30の伝播される光線が導波路118の外面に対してなす平均光線角が、直角リフレクター58とセンサー222との間の軸方向の距離を単に調節することにより変えられることが可能になっている。この軸方向の調節処置は、また、一定の反射伝播角度θoのセンサー22でわずかではあるがなされる。しかし、これのリフレクター27は、単一の反射伝播角度θoのみを有している励起光30の光線を発生するようにデザインされ、また、励起光30の光線に対するこれのレンズ24の屈折面の影響が小さいので、制御もしくは調節をすることが容易ではない。
かくして、平均光線角度を調節することにより、周りの流体の中へのエバネッセント電界の進入深さは、都合良く変化され得、このため、センサー222の機能を、周りの流体中のターゲット分析物質の特別なサイズ゛に対して調整もしくは最適化させ得る。
かくして、限定されない例によれば、ターゲット分析物質が大きいバクテリアの場合であり、また、サンドイッチ分析が使用されている場合には、軸方向のミスアラインメントエラーは、導波路228臨界角に非常に近い平均光線角度を有している励起光30を導波路228に与えるように意図的に選定されるこができる。例えば、図29に見られるように、意図的な−0.2mmの軸方向のミスアラインメントエラーは、ゼロのミスアラインメントエラーで生じるであろう相対全エバネッセント電界強度と比較して、導波路228の周りの相対全エバネッセント電界強度を、望ましくは、高めるであろう。これがなされると、周りの流体の中へのエバネッセント電界の進入が、増加され、最大光量の信号回復光32が、得られる。しかし、これは、また、サンプル流体中のフルオロ燐酸からのバックグラウンド信号回復光32を多くし、また、質問モジュール40とセンサー222との間に存在するかも知れない砂もしくは他の破片によるダメージのリスクが大きくなるであろう。このために、選択は、用心深く考慮されなければならない。
一方、ターゲット分析物質がプロテインのように小さい場合であって、競合、変位、もしくはサンドイッチ分析が使用される場合には、強いエバネッセント電界が、導波路228の外面の近くでのみ必要であり、励起光30が、導波路228の臨界角に近くなるような平均光速角度を有している必要がないであろう。
光センサー222の径方向に分離された双焦点レンズ部224の第2の重要な効果は、直角リフレクター58とセンサー222との相互間の横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーの所定の範囲全体に渡って、励起光用のレンズ160が、感知導波路228から戻る好ましくない後方散乱励起光30に対して付加で有効な程度の制御を果すことができるであろうことである。このような後方散乱励起光30は、これがターゲット分析物質についての情報を有していないので、好ましくなく、この結果、質問モジュール40による信号回復光32の正確な解釈に悪影響を及ぼすであろう。
後方散乱励起光30は、図25の感知水中浸漬ポリスチレンの一例の光センサー222に対する制限された0.856の開口数にまでの、この後方散乱励起30の導波路228の光軸に対してなす角度の減少関数である強度分布を有して、感知導波路228から射出される。即ち、質問モジュール40のところでの後方散乱励起光30の強度は、質問モジュール40と感知センサー222との間の共通の光軸45上に沿って最大となるであろう。
前記小さい励起光用のレンズ160の光学半径は、全てのの実用上の目的のためには、感知導波路228の基端からの軸上の距離よりも通常は非常に短いので、小さい励起光用のレンズ160は、ある程度コリメートされた(quasi−collimated)後方散乱励起光30の光線を見て、このレンズ160の焦点のところで質問モジュール40の内側の拡散点に上記光線をフォーカスするようになるであろう。即ち、このレンズ160は、図7Aに見られる質問モジュール40のウインドウ60内のガラス板67の(左側の)後方の点方向に光線を集めて集中させるであろう。
しかし、前記ウインドウ60は、不透明で円形の遮光部68を有しているので、レンズ160の前記収束効果は、小さい励起光用のレンズ160を備えていないセンサー22のレンズ24と比較して、後方散乱励起光30の中心成分をより効率良く除去するように機能する。同様に、前記遮光部68は、双焦点シリンドリカルレンズや非シリンドリカルレンズを有していることができるレンズ部134aを備えたスラブセンサー132aに対しては、円形よりも矩形のほうが良い。
例えば、センサー222の図25のデザインの場合には、感知導波路228から射出されてレンズ160の内面に入射する散乱励起光30の光線は、共通の光軸45にほぼ平行であり、レンズ160の外側の約2.6mmのところの空気内の点にレンズ160によりフォーカスされる。前記質問モジュール40内のウインドウ60は、上記フォーカス点よりもレンズ160にかなり接近しているので、レンズ160の重要な効果は、前記遮光部68により好ましくはブロックされるであろう光軸45方向に後方散乱励起光30をフォーカスすることである。レンズ160のこのフォーカス効果は、光検出器64に達する信号回復光を多くすることができる、他の場合と比較して小さい遮光部68の使用を可能にする好ましい効果を含むことができる。
前記センサー222の径方向に分割された双焦点レンズ部224の第3の重要な効果は、光学質問モジュール40とセンサー222との相互間の横方向、軸方向並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーの所定の範囲の全体に渡って、これの同軸、同心で管状の信号回復光用のレンズ174は、前記リフレクター227と組をなして、光センサー222の光軸45にほぼ平行な少なくとも実質的にコリメートされた光束に信号回復光32を成形する。この結果、所定の範囲のミスアラインメントエラーにも係わらず、質問モジュール40中への信号回復光32の伝送が増加し、また、質問モジュール40による後方散乱励起光30の排除が増す。このような質問モジュール40による後方散乱励起光30の排除は、このモジュール40のレーザー線排除フィルター膜66の有効性が、後方散乱励起光30の光線が、このフイルター膜66の面に対して直角もしくはこれに近い角度でこのフイルター膜に入射するときに、(即ち、後方散乱励起光30が、レンズ174によりコリメートもしくはほぼコリメートされるときに)最高となるので、増加される。
前記レンズ174のサイズと形状とは、リフレクター227並びに導波路228から導かれる信号回復光32の約80%以上をレンズ174が受けることが可能なように選定され得る。
前記質問モジュール40による信号回復光32の最適な回復のために、ここで説明されている図25の一例の水中浸漬ポリスチレン光センサー222は、約7mmの焦点距離を有している、一般的な非双焦点球面の信号回復光用のレンズ(図9のレンズ24のようなレンズ)を必要とするであろう。しかし、このようなレンズ24を使用した場合の重要な問題は、これが、可変の反射伝播角度θoiのリフレクター227を有している光センサー222に対して、少しだけ入射励起光30に有効に影響を与えるであろうことである。同様に、このレンズ24が、光センサー222のための入射励起光30の処理に対して最適であれば、信号回復光32をコリメートするこのレンズの機能は、実質的に減じられるであろう。
しかし、前記光センサー222の顕著な双焦点レンズ部224は、これの小さい励起光用のレンズ160と大きく、同心的な、信号回復光用のレンズ174とにより、入射励起光30と信号回復光32との両方に夫々独立して、有効に影響するであろう。
前記双焦点レンズ部224の働きは、感知導波路228の外面に配置されているフルオロフォアをラベルした抗原104により射出されるような信号回復光32のほとんどが、導波路228に斜めから入り、大きく同心的な、信号回復光用のレンズ174に主として入る信号回復光の斜めの光線と大きな比率でなるので、可能である。この結果、励起光用のレンズ160により占められた、レンズ174の小さい中心領域には、信号回復光32がほとんど無いであろう。
更に、前記双焦点レンズ部224は、センサー222と直角リフレクター58との互いの横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーが所定の範囲であっても、光センサー222により入射励起光30と信号回復光32との両方の有効な処理を最大にするように援助することができる。
前記励起光用のレンズ160のサイズと形状とのデザインが、以下に説明される。同様の説明が、スラブセンサー132aのシリンドリカルもしくは非シリンドリカルの励起光用のレンズのデザインにも適用されるであろう。
前記励起光用のレンズ160の最小の物理的直径は、直角リフレクター58を最大の許容可能な横方向のミスアラインメントエラーにさらすことにより、かくして、レンズ160に対してどの程度の物理的直径が、直角リフレクター58からの励起光30の光線の全てが、環状の信号回復光用のレンズ174にではなく、このレンズ160に入るように要求されているかを知ることにより、決定され得る。
このレンズ160の最大の物理的直径は、図21に示されている分布曲線178を参照することにより決定され得る。この曲線178は、レンズ160の先端に対応した光軸45上の位置での光軸45のからの径方向位置の関数としての、信号回復光32の光線の相対数を与えている。この分布曲線178を作成するのに際して、レンズ174の外面175は、如何なる屈折面により変更される前に有しているであろう光線プロファイルが存在するように、湾曲ではなく、平坦であると仮定された。限定されない例によれば、光軸45に垂直な0.75mmの半径により規定された円内に配置された励起光用のレンズ160が、信号回復光32の小さい部分のみに悪影響を与えていることが図21から見られることができる。かくして、1.50mmが、レンズ160に対して適した最大物理的直径となり得る。しかし、このレンズ160のためのこれよれも短いか長い最大物理的直径が、センサー222の所望の機能と環境との総合に対応して選択され得る。スラブセンサー132aのシリンドリカルもしくは非シリンドリカルの励起光用のレンズの最小並びに最大の物理的サイズが、同様にして決定される。
含まれている多数の可変数のために、Focus Software of Tucson,Arizonaにより作られたOpticadのような非シーケンシャル光線トレースプログラムを使用することにより、如何なる所望のレンズ160の非球面形状もしくは光学半径を最適にすることが有用であり得る。リフレクター227に関連して使用されたのと同様の等高線プロット方法が、レンズ160のサイズと形状とのデザインにおいても使用され得る。ここで説明された図25の光センサー222のための水に浸漬されたポリステレンデザインの場合に対して、これの励起光用のレンズ160が、ポリステレンで形成され、かつ球面プロファイルを有していると想定されている。
図22並びに23には、夫々異なる光学半径を有している球面の励起光用のレンズ160を通って直角リフレクター58からの励起光30の射出された光線を通す影響が、センサー222の感知導波路228により伝送される励起光30の伝播光線に対して0.805の平均開口数を有し、ここで説明された図25のデザイン例の反射面リフレクター227に対して示されている。
図22は、光センサー222に射出される入射励起光30に対する、光センサー222の伝播効率を示している。等高線プロット170は、センサー222の導波路228により連続して伝送される励起光30のパーセントを示している。図23の等高線プロット170は、導波路228の外面から50nmの距離のところでの感知導波路228の相対全エバネッセント電界強度を示している。等高線プロット170,172は、直角リフレクター58に対する、センサー222の横方向のミスアラインメント並びに励起光用のレンズ160の光学半径の関数としてプロットされている。
図22並びに23は、励起光用のレンズ160の光学半径が、短くなるのに従って、センサー222の伝播効率と、感知導波路228の全エバネッセント電界強度とは、かなり影響されることを示している。限定されない例によれば、これら図から、+/−0.15mmの横方向のミスアラインメントエラーの範囲では比較的一定で高い伝播効率と全エバネッセント電界強度とを維持するためには、励起光用のレンズ160が、ここで説明されている図25のセンサー222のデザイン例に対して約1.25mmないし1.75mmの範囲の光学半径を有していることが好ましいであろうことが、見られることができる。
一般的に、前記直角リフレクター58とセンサー222との間の軸方向のミスアラインメントエラーは、同じサイズの横方向のミスアラインメントエラーのような励起光30の光線の作用での顕著な影響を与えてはいない。前になされたのと類似した分析が、+/−0.15mmの範囲の軸方向のミスアラインメントエラーでなされる場合には、光センサー222の伝播効率並びに感知導波路228の相対全エバネッセント電界強度に対する影響は、同じ範囲での横方向のミスアラインメントエラーの場合よりも少ない。
図17並びに25に見られる前記センサー222のフランジ176とスペーサ部材185とに関すれば、これらは、信号回復光32が、これらの外面に入射しないようなサイズと形状とを有しいる限りは、如何なる直径と外面形状とを有していることができ、また、1つの部材として一体化されることができる。また、これらフランジ176とスペーサ部材185の合計軸方向厚さに関すれば、主な光学的な関心事は、直角リフレクター58からリフレクター227までね正確な距離が、r(ω)により規定されているようなリフレクター227の所望の反射特性が悪く影響されないように維持されることである。
大きく同心的な、信号回復光用のレンズ174のデザインが、以下に説明される。同様の説明が、スラブセンサー132aのシリンドリカルもしくは非シリンドリカルな信号回復光用のレンズのデザインに対してもなされる。
このレンズ174は、これの外面175が、感知導波路228から戻る信号回復光32をコリメートするのに好ましく、また、球面外面175と比較して感知導波路228からの後方散乱励起光30を区分並びに排除するのに好ましいので、非球面外面175を有しているように好ましくは形成されるべきである。
光センサー222の感知導波路228から戻る信号回復光32をコリメートするためのレンズ174の外面175のための最も好ましい非球面形状を得るために、このような非球面形状を形成するための反復数値方法(iterative numerical method)が、考案された。同様の反復数値方法が、また、外面175のための最も好ましい非シリンドリカル形状を得るのにも使用されることができる。
信号回復光32の光線は、理想的な点光源から射出されないので、信号回復光32の完全なコリメートを果たすレンズ174の外面175のための非球面形状を形成することは不可能である。しかし、ここで説明された反復数値方法は、感知導波路228から戻る信号回復光32の光線の最大の可能性のあるフラクションをコリメートするのに最適なレンズ174の外面178のための、円滑で連続した非球面コリメート面の形状を与える。
上記方法は、信号回復光32と後方散乱励起光30との両方の光線は、レンズ174に入射する前に、多くの異なる複雑な光路を通るので、有用である。例えば、前記センサー222のリフレクター227が、軸方向で短い場合には、このような光線のほとんどが、感知導波路228から直接レンズ174に入るので、前記光線のうちの少ないパーセントの光線のみが、リフレクター227を通ることができる。しかし、リフレクター227の軸方向の距離が長くなるのに従って、高いパーセントで光線が、レンズ174に入る前に、リフレクター227により1もしくは複数回反射されるであろう。いずれの場合でも、このような光線は、点光源から出たのではないために、反復数値レンズデザイン方法が、光軸45に並行な上記光線の最高の比率で射出光束を生じさせる要望とこのような光線の個々の発生源とを考慮して、最良の屈折外面をデザインするために必要とされている。
考案された反復数値方法は、対称かつ拡散分布の光線が入射し、通常は球面もとくはシリンドリカル屈折レンズ面である場所での、広範囲の光学デザインに対して有効であることに、注意する必要がある。前に説明した非シーケンシャル光線トレースプログラムが、レンズ174の外面175のための最も好ましい非球面形状のデザイン、非球面の励起光用のレンズ160のデザイン、一定の反射伝播角度θoiの反射面27を有している光センサー22のための非球面レンズのデザイン、スラブセンサー132aの非シリンドリカルの励起光用のレンズと信号回復光ようのレンズのデザイン、もしくは、コリメートされる、即ち、最大にコリメートされる光学出力を必要としている他の光学装置のための非球面もしくはシリンドリカルレンズのデザインのために、本発明の反復数値方法で使用されることができる。
本発明の反復数値方法は、入射光伝播角度の分布が、主として斜め方向のフラクションとする如何なるレンズ用のコリメートする外面のデザインのために使用されるであろう。一般的に、この方法では、斜めの一方向でのレンズの外面は、隣接したセグメントに分割される。前記外面が、極座標で示され、また、入射光伝播角度が、例えば、球面もしくは非球面の外面175を有しているレンズ174のようなレンズの外面での径方向の位置の関数であれば、前記セグメントは、環形状である。一方、デカルト座標が、例えば、シリンドリカルレンズでのように外面を表すことができ、また、伝播角度が、主として、一次元のみの関数であれば、これらセグメントは、シリンドリカルレンズの外面全体に渡って平行なストリップであろう。これら環状並びにストリップ形状のセグメントは、一定の幅を有しても、有さなくても良く、これらは、互いに隣接していなくても良いけれども、互いに隣接していることが好ましい。
本発明の方法の第1の反復でのレンズ174のための非球面の外面175のデザインを再度考えると、この外面175は、平坦であり、また、センサー222並びにこれのレンズ174の共通の光軸45に対して垂直であると想定される。外面175に対するこの最初に想定された形状は、光軸45に対して、同軸、同心で、環状の複数の径方向リングセグメントに分割される。限定されない例によれば、これら環状のセグメントの数は、約10ないし100の範囲で良い。この数は、外面175の要求される精度と、所望の環状のセグメントに入射する入射テスト光線のうちの光線の方向での場所での変化の程度とにより、決定される。
前述した光線トレースプログラムで、最初にランダムな伝播方向を有している充分な数の入射テスト光線は、フルオロフォアをラベルした抗原104からのような導波路228の外面の近くの蛍光信号分子からの信号回復光32の光線の射出を最小とするように、感知導波路228のシリンドリカルな外面の直下の1もしくは複数の周囲位置から、感知導波路228へとこれの先端から入射される。向けられている。
代わって、入射テスト光線は、例えば、点光源もしくは線光源のような入射光線の他の特別な光源を最小にするように選定されることができる。
充分な入射テスト光線の正確な数は、望まれる精度の程度のような変数に依存しているであろうし、この分野の者により容易に決定されることができる。しかし、限定されない例によれば、入射テスト光線の充分な数は、約10,000ないし約50,000の範囲であり、これよりも多くても少なくても良い。
次に、前記レンズ174の想定された平坦な外面175に達するテスト光線の入射点と方向コサインとは、本発明の反復数値方法で使用するためにストアされる。これら入射点と方向コサインとは、外面175が、以下に説明される本発明の第2の続く反復での場合のように、比較的長い平坦でないときでさえ、これら入射点と方向コサインとが、テスト光線の入射軌跡を規定し続ける。
各環状のセグメントのところでの平均光線角度は、ストアされた入射点と方向コサインのデータを使用することにより、特別な環状のセグメントに入射する全てのテスト光線について算出される。そして、この平均光線角度は、特別な環状のセグメントに対する平均テスト光線が、光軸45に平行となって特別な環状のセグメントから射出され得るように選定された外面175のための部分的な表面の傾斜を、特別な環状のセグメントのために算出するように使用される。この部分的な傾斜は、この分野では良く知られているスネルの法則を使用して導かれる。
次に、全ての環状のセグメントのための半径方向の位置に対する算出された結果の部分的な表面の傾斜は、レンズ174の外面175のための反復表面形状を得るように、シンプソンの法則を使用して、数値的に積分される。この第1の反復表面形状は、代表的には、非平坦(nonplanar)になるので、最初の想定された平坦な外面175上の最初のテスト光線の入射点は、もはや矯正されている。
従って、本発明の方法の第2の反復に対して、第1の反復表面上に入射するテスト光線の新たな入射点が、平坦な表面形状での入射点と方向コサインのためのすでにストアされているデータを使用することにより、第1の反復表面形状の各環状のセグメントに対して算出される。上記データを使用するのは、これら入射点と方向コサインとは、第1の反復表面形状に入射するテスト光線の軌跡を依然として規定しているであろうからである。
次に、前記第1の反復表面形状の環状のセグメントに対する平均光線入射角が、第1の反復表面形状の各環状セグメントでの新たに算出された入射点と入射光線の方向コサインとを使用して、算出される。そして、これら平均光線入射角は、光軸45に平行な屈折射出光線を与えるであろう外面175の環状のセグメントの部分的な表面の傾斜が、スネルの法則を使用することにより算出されるように、使用される。そして、全ての環状のセグメントのための半径方向の位置に対する算出された結果の部分的な表面の傾斜は、レンズ174の外面175のための第2の反復表面形状を得るように、シンプソンの法則を使用して、数値的に積分される。
上述された反復方法は、各反復が、前の反復から外面175のための算出された表面形状を出発点として使用して、レンズ174の外面175のための第3の反復、そしてこれに続く反復表面形状を得るように、必要に応じて幾度となく繰り返されることができる。
考えられる全ての場合において、上記反復方法は、レンズ174の外面175のための安定した非球面の表面形状を得るためであることが判る。例えば、入射テスト光線が、感知導波路228内で光軸45上に位置されている点光源から出たテストケースでは、この反復方法は、全ての実用上の目的のために、入射テスト光線を完全にコリメートされた光束へと、全範囲に渡って屈折したレンズ174のための非球面の外面175を生じさせた。
一方、光源が、フルオロフォアをラベルした抗原104のように、感知導波路228の周りの入射テスト光線の光源が、完全な点光源でないか、光軸45上にない場合には、上記反復方法により得られるレンズ174の外面175のための非球面の表面形状もまた、完全ではないであろう。しかし、この反復方法は、入射テスト光線のための不完全状態の所定のセットに、外面175の最良の可能な非球面の表面形状を与えるであろうし、また、テステ光線を不完全状態の所定のセットのもとで可能な最大の程度にコリメートさせるであろう。
このことは、信号回復光32の光束のコリメートが良くなるのに従って、センサー222から質問モジュール40中への信号回復光32の好ましい伝送が多くなり、かつ、フイルター膜66による後方散乱励起光30の改良された排除により、質問モジュール40による後方散乱励起光の好ましい排除も、また、多くなるので、顕著で重要な改良である。これは、後方散乱励起光の光線が、フイルター膜66の面に対して直角に向けられているときに、即ち、後方散乱励起光30の光線が、前記信号回復光のレンズ174により、共通の光軸45に可能な限り平行になるように向けられているときには、フイルター膜66が、後方散乱励起光30をブロックするのに最も有効であるためである。
前述したことから、上記反復方法は、レンズ174への入射光の光源の数、形式、もしくは位置により明らかに悪影響されない、従って、レンズ174と如何なる特別なリフレクター227との組み合わせの効果の安定性を可能にすることが評価されるであろう。さらに、この反復方法は、光センサー222が、全く、リフレクター227を有していないときか、センサー222が、光センサー22の反射面27のような異なる反射面を有しているか、また、他の反射面を有しているときに、レンズ174の外面175に対して最も好ましい非球面形状を決定するために、また、使用されることができる。
限定されない例によれば、上記反復方法は、リフレクター227の角測長さωLが、上述された最小角測長さ(ω2-ω1)を超えて長くされているときに、どのような影響が、入射がレンズ174により発生される信号回復光32のコリメートされた光束の質にあるかを知るのにも使用されることができる。これは、センサー222から質問モジュール40に戻される後方散乱励起光30の光路を検査することにより、なされ得る。なぜなら、レンズ174の非球面の表面175は、信号回復光32と後方散乱励起光30との両方を等しく良く、等しくない場合があるかもしれないが、コリメートするからである。後方散乱励起光30の分析のために、後方散乱励起光30が、信号回復光32が従うであろうのと同じ光線軌跡に従い、かくして、遮光部68の有効な影響を減じてしまう最悪の場合が想定される。
前記リフレクター227の角測長さωLを変えることが、信号回復光32のコリメートされた光束の質に関係するであろう影響は、レンズ174からの後方散乱励起光30のコリメートされた光束を、質問モジュール40のロングパスアィルター集合体を通すことにより、量化されることができる。前記ロングパスアィルター集合体は、図7Aのレザーライン排除用のフィルター膜66により構成されることができる。このようなフィルターは、後方散乱励起光30をブロックするのには完全ではなく、また、これの機能は、後方散乱励起光30の光線の角度と波長とに依存しているので、後方散乱励起光30の幾らかは、図6Bの光検出器64により、常時検出されるであろう。
上記反復方法が、使用されると、図24に示すグラフ180が、リフレクター227の角測長さωLを変化させ、そして、各角測長さで使用されたレンズ174のための最適な非球面の外面175を算出することにより、形成される。このグラフ180は、度でのリフレクター227の角測長さの関数として、フィルター膜66を通過した後方散乱励起光30のための相対信号強度をプロットしている。
また、図24にプロットされたグラフ182と184とは、夫々、後方散乱励起光30の理論的に完全にコリメートされた光束に対する結果と、レンズ174が無いリフレクター227(即ち、レンズ174が、平坦な外面175を有している)に対する結果である。
図24において、レンズ174が無くて有効であるリフレクター227に対するグラフ184から、リフレクター227の角測長さωLが大きくなるのに従って、フィルター膜66を通った後方散乱励起光30の相対信号強度での対応した有効な減少が生じていることが、見られる。
しかし、最適な非球面の外面175を有しているレンズ174と組み合わされたリフレクター227に対する後方散乱励起光30を示すグラフ180と、前記グラフ184が比較されると、非球面の外面175は、リフレクター227の全ての角測長さωLで10ないし30倍少ないレベルの後方散乱励起光30を生じさせていることが、見られる。
約14°の角測長さωLで現れるグラフ180の高いポイントは、感知導波路228から直接くる励起光30の後方散乱光線と、リフレクター227により反射された励起光30の後方散乱光線との間の変化バランスによるように解釈される。
約9°ないし14°の範囲での比較的短い角測長さωLを有しているリフレクター227に対して、信号回復光32の光線と感知導波路228から直接きた後方散乱励起光30との大きな割合と、レンズ174の非球面の外面175とが、前記光線のコリメートを支配していることが、見られる。一方、長い角測長さを有しているリフレクター227に対しては、リフレクター227と非球面の外面175との両方が、光線のコリメートに非常に影響を与えていることが判る。
これは、リフレクター227の角測長さωLが、比較的短い場合には、比較的低いパーセントの光線のみが反射面に入射し、かくして、このような光線に対する影響は、非常に重要ではないためである。しかし、反射面の角測長さが増加するのに従って、比較的高いパーセントの光線が反射面に入射し、このような光線の“光源点(source point)”のための有効“スポットサイズ”は、直径が大きくなると共にレンズ174の外面175に近づくように動く。このような両影響は、全体の角測長さが、リフレクター227の自然なコリメート特性が支配するポイントへと増加するまで、組み合わされたリフレクター227とレンズの外面175が、このような光線のコリメートされた光束を生じさせることを難しくしている。
実用的な観点から、短い角測長さωLを有しているリフレクター227が、好ましい。これは、リフレクター227のための光学仕上げに射出モールドを仕上げるのは、長い角測長さに対するよりも短い角測長さに対する方が難しくないからである。
前記図25は、また、限定されない例によれば、水中に浸したポリスチレンのデザインの場合の光センサー222の特定の幾何学的形状を示している。代わって、このセンサー222は、ポリスチレン以外の適当な光学プラスチックにより形成されるか、石英もしくはガラスのような他の光学材料から形成されることができる。更なる代わりとして、センサー222は、水以外の如何なる流体の中に浸漬するようにデザインされることができる。ここで、“流体”という用語は、溶解可能な物質もしくは溶解不可能な物質が混合されるか入っている流体を含む液体、気体、もしくはこれらの混合をカバーする広い概念で使用されている。このような変更したセンサー222のデザインは、ここで説明された全てに基づいて問う業者によりなされるであろう。
また、センサー222は、射出成型か、他の適当な既知の手段により形成されることができる。
限定されない例によれば、図25で、リフレクター227は、0.24の開口数の程度全体に渡って射出する光源34から感知導波路228の中への励起光30の反射光線に必要な最小角測長さ(ω2−ω1)よりも長い2.5°の角測長さωLを有している。このような特別な2.5°の角測長さは、感知センサー222と直角リフレクター58との間に0.15mmのミスアラインメントエラーがあるときに、信号回復光32の過度の少ないコリメーションをすることがなく、センサー222による励起光30の捕捉と伝送とを目的としている。
ここでの説明の全てから、如何なる所定のセンサー222に対しても、このリフレクター227のために選定される角測長さωLは、センサー222が形成される特別な光学材料と、センサー222が許容するようにデザインされたミスアラインメントエラーの大きさと種類とに依存するであろう。一般的に、許容されるミスアラインメントが大きくなればなるほど、リフレクター227の角測長さωLがおおきくなるであろう。また、一般的に、センサー222と、これの種々の部分の各々とは、本発明により達成される効果を維持しながら、サイズを大きくもしくは小さくすることが可能である。
図25から見られるように、励起光用のレンズ160は、光軸45から垂直な方向に測定して、1.50mmの光学半径と、1.30mmの物理的直径とを有している。この物理的直径の外で、信号回復光用のレンズ174の非球面の外面175は、当業者により理解されるであろう以下のレンズ形成式を参照して開示されることができる。
Z(h)=0.09671905h2+0.122496h4
−0.05673484h6+0.01429319h8
−0.001317767h10
光センサー222が、ガラスもしくはプラスチックでモールド成型される場合に、双焦点レンズ160,174のための部分を含んでいるモールド成型のためのモールドもしくはパターンの全てもしくは部分は、適当な既知の技術により形成されることができる。限定されない例によれば、Polymer Optics,LLC of Santa Roseにより与えられるようなダイヤモンド調整(diamond turning)が、光学表面を形成するために使用されることができる。代わって、センサー222の全部もしくは一部は、ストック材から直接にダイヤモンド調整されることができる。このダイヤモンド調整の効果は、光センサー222の全部もしくは一部に対しての適当な光学仕上げが、如何なる二次的な研磨を必要としないでなされ、かくして、センサー222の外面の形状でのエラーが最小となることである。
本発明における構造の変形として、前記リフレクター227は、光センサー22の反射面27のその場での使用が、またこれとは反対の使用が可能であり、また、反射面27,277が、ここで説明されている感知導波路28,140,140a,導波路228でなされる変形のような、如何なる物理的パラメータもしくはターゲット分析物質を感知するための感知導波路の如何なる通常の形状にされることができる。更なる変更として、前記リフレクター227は、単独で使用されるか、励起光用のレンズ160と信号回復光のレンズ174との一方と一緒に、これら両方のレンズ160,174と一緒ではなく、使用されることができる。また、更なる変更として、前記励起光用のレンズ160並びに/もしくは信号回復光用のレンズ174は、反射面27もしくはリフレクター227がなくても使用されることができる。更に、光センサー22,222の全てもしくは一部のデザインは、機能での僅かの変化で、他の絶対的なディメンションへと直接大きくもしくは小さくされることができる。
更に、サイズ、形状、デザイン、材料、構造、製造、物理的性質ねディメンション、角度仕様、変更、並びに使用のような、ここで説明された光センサー22,222の全ての態様は、限定されない例により厳格に与えられており、光センサー22,222のためのデザインが、1つの特別な感知材料(ポリスチレン)と1つの特別な浸漬流体(水)とに対して最適化されることができる方法を単に示しているのに過ぎない。
光センサー22もしくはセンサー222の全部もしくは一部の光学特性、もしくはセンサーが中に浸漬される流体の実質的な変更は、これらの感知導波路28,導波路228の周りの全エバネッセント電界強度を、夫々最大にすると共に、光センサー22もしくはセンサー222と直角リフレクター58との相互の如何なる横方向、軸方向、もしくは角度のミスアラインメントエラーを最小にするために、光センサー22もしくはセンサー222のための新たなセットのデザインパラメータを作るように、ここで説明されている技術を使用する必要がある。
本発明の実施の形態の全てが、説明の目的ためにここでは説明されている。かくして、本発明に対する種々の変形が、本発明の精神並びに範囲を逸脱しないで、なされることができる。
例えば、複数のセンサー22もしくはセンサー222を有し、図16の複数素子センサー130に類似した、線形もしくは二次元複数素子センサーが、複合センサー22もしくはセンサー222のためのキャビティを有している射出モールドの使用により、単一の工程で単一の部品として形成されることができる。このようなセンサーは、前述したフランジ176に類似した連続フランジを介して一体的に接続されている。
代わって、図16に示されるように、ほぼ平行な複数のスラブセンサー132を有している複数素子センサー130が、単一のレンズ部134と連続した単一のユニットとして形成されることができる。各スラブセンサー132に、上述され、これのレンズ部134の一部がレンズ部24もしくは224に基本的に交換されることができるセンサー22並びにセンサー222に基本的に交換されることができる。また、シリンドリカルレンズ136は、サファイアのボールレンズ62(もしくは夫々機能上はサファイアのボールレンズ62と等価である非球面もしくは球面レンズのアレイ)に基本的に交換されることができる。また、ホトダイオードアレイもしくは線形電荷結合装置138に、光検出器64が基本的に交換されることができる。これらセンサーは、各々、1対の対向した反射面と固体スラブ内に対称に位置された平面とを備えた、光学材料の固体スラブを有しているスラブ感知導波路140を具備している。また、この導波路140は、上述された反射面27,リフレクター227と数学的に同様に規定された上並びに下反射面を有している反射部分142を具備している。このスラブ感知導波路140に、感知導波路28並びに導波路228が基本的に交換されることができ、また、反射部142に、前記反射部分26,226が基本的に交換されることができる。
前記複数素子センサー130の効果は、改良された製造可能性、複合ターゲット分析、より汎用性のあるデザインパラメータ、改良された導波パワー密度、及びテストサンプル体積に対するスラブ感知導波路140のための大きくなった感知表面面積等であり、この結果、ノイズ特性における信号を改良している。
他の例として、種々のレンズ形態に、図4を参照して説明されたGRINレンズ52が基本的に交換されることができる。低い伝播角度の光のブロックは、非常にコリメートされた光を生じさせる対をなす平凹レンズを有し、遮光部が選択的に配置された複合レンズ形態により、容易に達成されることができる。
光ファイバー、屈折面、並びに反射面のような特別な光学構造が、本発明の特定の実施の形態に関連して説明された。しかし、当業者は、上述された効果と機能とを達成するように適当に適用並びに組み合わされることができる多くの導光媒体を適用することができるであろう。例えば、種々の導波路が、センサーとしての使用のために適用されることができる。また、金属化されたミラーの反射面に、上述された誘電体面が交換されることができる。また、反射面に、屈折面が、また、この逆に交換されることができる。
反射面27,リフレクター227の上述された例は、単独でもしくはレンズ部24,224と組み合わされて、1もしくは複数の機能を有していることができる。即ち、これらは、入射励起光30の伝播角度を調節か変更する光再指向装置として機能することができる。即ち、これらは、レンズ部24,224の方向に特別な方法で信号回復光32を反射することができる、並びに/もしくは、光センサー22,222と直角リフレクター58との間の横方向、軸方向、並びに/もしくは角度のミスアラインメントエラーを補償するように補助することができる。
光源モジュール34の上述された例は、説明されたレンズ52と遮光部56に関連した態様により、所定の範囲の光伝播角度の光が、続く光処理構成部品に与えるようにブロック、透過、もしくは選定されることができる、機能的な光選択性を有している。供給源ファイバー38と、一部では感知導波路28,導波路228との上述された例は、光伝送装置として機能する。この分野の者は、媒体、部材並びに装置の広範囲に渡る変更が、特に説明されたものに基本的に交換可能であることを、評価するであろう。
この分野の者は、本発明のさまざまな実施形態が分析方法および装置以外の分野にも応用可能であることを理解するであろう。更に、光源モジュールとセンサーのような構成部品間の区別はどこか明確でない面があるが、これはセンサーに関連して説明した特徴のうちのある部分は光源モジュールの一部を形成するために適合可能なものだからである。さらに、上述の説明は“光学的”特徴および効果を認識しているが、本発明は、可視光以外の光も含めた他の電磁スペクトルの他のものに関連した多様な同等の特徴および効果も指向するものである。
これら、並びに他の変更は、上記詳細な説明に照らして本発明でなされることができる。一般に、特許請求の範囲において、使用した用語は、本発明を明細書に開示した特定の実施形態に限定すると解釈すべきでなく、信号伝送、保持および検出特性を伴なって供給するよう要求されて動作するすべてのエネルギー指向性媒体および装置を有していると解釈すべきである。したがって、本発明はこの開示に限定されるものではなく、その代わりに、その範囲は特許請求の範囲によって完全に決定されるものである。
本発明の好ましい実施形態を描写および説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく多様な変形が可能であることは理解されるであろう。
先行技術によるエバネセント波感知動作に適合化した光ファイバーを示した図である。
先行技術による表面プラズモン共鳴感知動作に適合化した光ファイバーを示した図である。
先行技術による表面プラズモン共鳴感知動作に図1Bの光ファイバーを使用したときの理論的共鳴曲線を示すグラフ図である。
先行技術による表面プラズモン共鳴感知動作に図1Bの光ファイバーを使用したときの理論的共鳴曲線を示すグラフ図である。
本発明の基礎となる分析システムを示す機能ブロック図である。
図3の分析システムに含まれる光源モジュールの一部分を示す図である。
図4の光源モジュールにより提供される特性改善された光分布を示すグラフ図である。
図3のシステムに含まれる光学的質問モジュールおよび光センサーの一部分、および励起光の径路を示した図である。
図6Aの質問モジュールおよび光センサーの部分、および信号回収光の径路を示した図である。
図6Aの光学的質問モジュールに含まれる質問モジュールのウインドウの実施形態を示す側面図である。
は、図7Aの質問モジュールウインドウの正面図である。
図6Aおよび図6Bの光センサーに含まれるリフレクター部分の幾何形状を示す図である。
さまざまな角度の方向をもつ励起光線に対する図8のリフレクター部分の効果を示す光線軌跡を示す図である。
図8のリフレクター部分による作用を受けた光線の角度分布を示すグラフ図である。
光センサーのリフレクター部分およびレンズの特有の幾何形状を認識する図である。
フルオロフォアとレーザー励起波長とのさまざまな組み合わせを使用したときの信号強度を表わしたグラフ図である。
図6Aおよび図6Bの光センサーを採用した表面プラズモン共鳴センサーの改善された特性を表わしたグラフ図である。
本発明の一実施の形態で使用される、図6Aおよび6Bの光センサーを含んでいるだ分析券を示す図である。
図14の分析券を挿入可能な分析ユニットを示す図である。
本発明の実施の形態に係わる複合素子センサーを示す図である。
光質問モジュールと他の実施の形態との一部を示し、励起光と信号回復光との光路を示す図である。
図17の光センサーに形成されている反射面の幾何学的形状を示す図である。
図17のセンサーに対しての励起光伝播効率のパーセントと図17のセンサーの感知導波路の周りの相対エバネッセント電界強度とを、横方向のミスアラインメント状態のときに、夫々示す等高線プロットを示すグラフである。
図17のセンサーに対しての励起光伝播効率のパーセントと図17のセンサーの感知導波路の周りの相対エバネッセント電界強度とを、横方向のミスアラインメント状態のときに、夫々示す等高線プロットを示すグラフである。
図17の導波路から戻る信号回復光の光線の相対数を、センサーの光軸からの半径方向の位置の関数として示すグラフである。
図17のセンサーに対する励起光伝播効率のパーセントと図17のセンサーの感知導波路の周りの相対エバネッセント電界強度とを、センサーの励起光用のレンズと横方向のミスアラインメントとの関数として示す等高線プロットを示すグラフである。
図17のセンサーに対する励起光伝播効率のパーセントと図17のセンサーの感知導波路の周りの相対エバネッセント電界強度とを、センサーの励起光用のレンズと横方向のミスアラインメントとの関数として示す等高線プロットを示すグラフである。
図17に示すセンサーからの後方散乱励起光の相対信号強度を、幾つかの異なる形状のセンサーに対して、センサーの反射面の角測長さの関数として示すグラフである。
図17のセンサーの実施の形態の特別な幾何学的形状とディメンションとを示す図である。
光センサーの異なる実施の形態を、これに使用されている質問モジュールの所定の構成部品と共に示す側面図である。
図26の右側の部分を拡大して示す部分図である。
2つの異なるセンサーに対する、夫々の感知導波路内の励起光のハーセントを、横方向のミスアラインメントエラーを関数して示すグラフである。
2つの異なるセンサーに対する、夫々の感知導波路の周りの相対全エバネッセント電界強度を、横方向のミスアラインメントエラーを関数して示すグラフである。
2つの異なるセンサーに対する、夫々の感知導波路の周りの相対全エバネッセント電界強度を、軸方向のミスアラインメントエラーを関数して示すグラフである。
符号の説明
20…分析システム、22,222…光センサー(センサー)、24,160,174…レンズ部、26…リフレクター部分、28…ファイバー部分、30,30C,30D,30E…励起光、32…信号回収光、34…光源モジュール(光源)、36…駆動回路(光源駆動回路)、38…導波路(供給源ファイバー),228、40…光学的質問モジュール(光学呼び掛けモジュール)、42…光電流増幅器(光電増幅器)、44…マイクロコントローラ、45…光軸。
これらのデバイスでは光は1方向のみしか含まず、側部方向への広がりは全体的に励起光学機器により規定される。この実質的なシフトは、光ビームの照射径路にあるプレーナ型導波路表面において捕捉物質の複数スポットの直線または2次元パターンを映し出し、それによりそれぞれの分析対象に特異的なスポットをスラブ型の導波路のもう一方の側にあるCCD検出アレイまたは光増倍管によりモニターすることによる複数分析対象の実現を目的とすることによるものである。
米国特許4,447,547号
米国特許4,558,014号
米国特許4,582,809号
米国特許4,654,532号
米国特許4,716,121号
米国特許4,909,990号
米国特許5,242,797号
米国特許5,061,857号
米国特許5,430,813号
米国特許5,152,962号
米国特許5,290,398号
米国特許5,399,866号
米国特許5,359,681号
光ファイバーエバネセント波センサーは、ここで参考資料として開示を採用した以下の米国特許の主題となっている。Hirschfeldらの“Fluorescent Immunoassay Employing Optical Fiber in Capillary Tube”というタイトルの米国特許4,447,547号(特許文献1)、Hirschfeldらの“Assay Apparatus and Method”というタイトルの米国特許4,558,014号(特許文献2)、Blockらの“Apparatus Including Optical Fiber for Fluorescence Immunoassay”というタイトルの米国特許4,582,809号(特許文献3)、Hirschfeldの“Apparatus for Improving the Numerical Aperture at the Input of a Fiber Optic Devices”というタイトルの米国特許4,654,532号(特許文献4)、Blockらの“Fluorescent Assays, Including Immunoassays, with Feature of Flowing Sample”というタイトルの米国特許4,716,121号(特許文献5)、Blockらの“Immunoassay Apparatus”というタイトルの米国特許4,909,990号(特許文献6)、Hirschfeldの“Nucleic Acid Assay Method”というタイトルの米国特許5,242,797号(特許文献7)、Thompsonらの“Waveguide−Binding Sensor for Use With Assays”というタイトルの米国特許5,061,857号(特許文献8)、Andersonらの“Mode−Matched, Combination Taper Fiber Optic Probe”というタイトルの米国特許5,430,813号(特許文献9)、Lackieの“Immunoassay Apparatus”というタイトルの米国特許5,152,962号(特許文献10)、Feldmanらの“Synthesis of Tapers for Fiber Optic Sensors”というタイトルの米国特許5,290,398号(特許文献11)、そしてFeldmanらの“Optical System for Detection of Signal in Fluorescent Immunoassay”というタイトルの米国特許5,399,866号(特許文献12)である。光ファイバー表面プラズモン共鳴センサーは、Jorgensonらの“Fiber Optic Sensor and Methods and Apparatus Relating Thereto”というタイトルの米国特許5,359,681号(特許文献13)において主題とされており、その開示はここで参考資料として採用している。
これらのデバイスでは光は1方向のみしか含まず、側部方向への広がりは全体的に励起光学機器により規定される。この実質的なシフトは、光ビームの照射径路にあるプレーナ型導波路表面において捕捉物質の複数スポットの直線または2次元パターンを映し出し、それによりそれぞれの分析対象に特異的なスポットをスラブ型の導波路のもう一方の側にあるCCD検出アレイまたは光増倍管によりモニターすることによる複数分析対象の実現を目的とすることによるものである。
米国特許4,447,547号
米国特許4,558,014号
米国特許4,582,809号
米国特許4,654,532号
米国特許4,716,121号
米国特許4,909,990号
米国特許5,242,797号
米国特許5,061,857号
米国特許5,430,813号
米国特許5,152,962号
米国特許5,290,398号
米国特許5,399,866号
米国特許5,359,681号
この式で、r(ω)は、原点Oから曲線リフレクター227A,リフレクター227B,リフレクター227Cまでの距離であり、入射伝播角度ωは、入射励起光30が垂直軸Yとなす角度であり、反射伝播角度θoiは、リフレクター227からの励起光30の反射光線が光軸45(水平軸Z)となす角度であり、R90°は、入射伝播角度ωが90°であるときの、原点Oから曲線リフレクター227Cまでの距離であり、そして、θ90°は、入射伝播角度ωが90°であるときの、反射伝播角度θoiである。そして
P=1/(1−B)である。
回転対称感知部材センサー222の共通の光軸45は、図18で面Y=0として切断され得る、スラブ感知導波路140aに対する対称で共通の光学面145に変更されている。励起光30に対する正味の(net)伝播方向は、デカルト座標での正のZ軸に沿うように仮定されている。X軸(図示せず)は、Y軸とZ軸とに直交している。限定によるこのZ軸は、(Y,Z)平面と直交(X,Z)平面との交線と一致している。かくして、スラブ光センサー132aのリフレクター部分142aの各反射面は、r(ω)により与えられる図18の(Y,Z)平面内の1次元デカルト反射面プロファイルにより表されている。
かくして、図26に見られるように、図18の原点Oと垂直Y軸とは、スラブ光センサー132aのための励起光30の仮想ライン光源(線光源)上に位置されることができる。従って、入射伝播角度ωは、励起光30の仮想ライン光源からの入射励起光30の光線が、Y軸となす角度であり、また、反射伝播角度θoiは、リフレクター部分142aからの励起光30の反射光線が、対称な共通の光学面145となす角度である。
光センサー222のレンズ部224のデザインが以下に説明される。このレンズ部224が、中心にあり、小さく、比較的短い焦点距離を有している励起光用のレンズ160と、このレンズ160を囲み、共軸で同心的で、大きく、比較的長い焦点距離を有している信号回復光用のレンズ174とからなる、径方向に分割された二重焦点形態で形成されていれば、少なくとも3つの効果があることが、判明している。これらレンズ160,174は、各々球面もしくは非球面で良い。限定されない例によれば、以下の説明で、レンズ160は、球面に選ばれており、一方、レンズ174は、非球面に選ばれている。また、これらレンズ160,174は、各々単一もしくは複合レンズで構成され得る。
図27は、励起光30を考えるとセンサー222と22の捕獲効率(captrue efficiency)での横方向のミスアラインメントエラーの影響を示している。特に、図27は、リフレクター227から反射された後の高い数値平均(numerical average)での、(センサー222の)感知導波路228もしくは(センサー22の)感知導波路28に入射する励起光30のパーセントを示している。高い数値平均の反射された励起光30は、導波路228,28の周りにエバネッセント電界を発生するのに有効である。リフレクター227から反射されないで、感知導波路228に直接入射する励起光の低い数値平均光線は、考慮されていない。勿論、導波路228,28の臨界角もしくはほぼ臨界角で入る励起光30は、エバネッセント電界に最も重要に貢献するであろうが、導波路228,28に入る励起光の全ては(光軸45に平行もしくはほぼ平行に入る励起光30は除く)、エバネッセント電界にいくらかは貢献するであろう。