JP7041989B1 - 樹脂改質用モノマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は容易に溶解または分散でき、最終機能に必要とされる場合を除いて有害な配位子を持つ不純物を含まず、かつ経時安定性に優れ、強度、耐熱性、透明性の機能を向上させることができる樹脂改質用不飽和酸亜鉛モノマー溶液を提供する。【解決手段】 本発明は、(1)(メタ)アクリル酸亜鉛塩からなる単量体A、(2)以下の化学式:【化1】TIFF0007041989000008.tif2066(化学式中、R1は、水素または炭素数1~2のアルキル基であり、R2は、炭素数1~3のアルキル基であり、R3は、炭素数1~3のアルキル基または炭素数6~12の環状脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、nは2~2.4の数値を表す。)で表される単量体B、および(3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる単量体Cを含有し、かつ全亜鉛濃度が全組成物100重量部に対して0.01~12重量%である、樹脂改質用モノマー組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂改質用に使用されるモノマー組成物に関する。
従来、ジエン系ゴムの共架橋剤として粉末状不飽和酸亜鉛モノマーが知られている。これはゴムの架橋密度を向上させ強度、硬度、耐熱性、耐引き裂き性等物性を大きく改善させるとして例えばゴルフボールコア、伝動ベルト、工業用ロール等の業界で幅広く使用されている。この性能を樹脂改質に応用し、さらに高屈折率、耐熱性、耐久性、高強度、強靭性その他有用な効果を得るためにハードコートや積層フィルム材料、塗料や接着剤向け、インプリント材料のようなフレキシブルパネルやフォトレジスト向け、あるいはSMC(シートモールディングコンパウンド)やBMC(バルクモールディングコンパウンド)のようなコンパウンド材料など幅広い分野で検討されている。
しかしながら、粉末状不飽和酸亜鉛モノマーを樹脂改質に適用するには油性系中に対する溶解性が低く、また凝集しやすく分散安定性も悪いことから、使用に際し注意する点が多くかつ使用できない場合も多かった。
そこで、不飽和酸亜鉛モノマーを油性系中に導入するために、これまで多くの検討がなされた。例えば、特定の配位子を有する有機溶剤、モノマーまたポリマーによって分散溶解させ共重合させる方法等種々の技術が提案されてきた(特許文献1~6)。
WO2019/116964A 特開2018-173474号公報 特開2012-251158号公報 特許第5780241号 特許第4963813号 特許第3685857号
特許文献1に記載の方法は、全固体二次電池用バインダーに不飽和酸金属塩モノマーを含む全固体二次池用バインダー組成物であるが、金属塩が水系のため乳化重合を行う必要があり、最終的は油性にしなければならず、そのため相溶性かつ安定性が悪く、更に合成プロセスが複雑なためコストが高くなり、使用した乳化剤が不純物となり好ましくない。特許文献2に記載の方法は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸金属塩を含む感光性樹脂組成物であるが、必須成分として多量の酸価を保有するため、基材が限定され、かつ腐食発生の不具合を生じさせ好ましくない。特許文献3に記載の方法は、(メタ)アクリル酸亜鉛を含む防汚塗料組成物であるが、粉末状の(メタ)アクリル酸亜鉛を樹脂へ混合すると油性相溶性が悪く、凝集したり不均一となる課題がある。一方で飽和脂肪酸を含む(メタ)アクリル酸亜鉛の共重合物は硬化不良を起こしべたつきが生じる不具合があり好ましくない。
特許文献4に記載の方法は、アクリル酸金属塩を含む積層ラミネートフィルムであるが、必須成分として芳香族アミンを含むことから、安全性に課題がある。かつ不純物となるため共重合物は経時で着色しやすい不具合が生じ好ましくない。特許文献5に記載の方法は、粒子径を制御した酸化亜鉛及び各種アクリレートによる帯電防止性ハードコート樹脂組成物であるが、酸化亜鉛を有機溶剤中で湿式粉砕し、一次粒子径を0.05μm以下にするなど合成プロセスが煩雑でありかつ作業コストが高くなる。さらに油性になじみの悪い酸化物を主に用いることから凝集しやすく分散不良となるため好ましくない。
特許文献6に記載の方法は、ビニル基を有する単量体および重合体を溶媒として主に(メタ)アクリル酸と亜鉛化合物と水を含む溶液として合成したのち重合させて樹脂組成物を得るものであるが、必須成分である重合体を事前に合成するプロセスが煩雑であり、かつ不純物である水を含むため油性中で不安定となり沈殿物が生じやすい課題がある。経時安定性が悪いことは品質不安定ならびに生産性に問題をきたすことから重大な不具合となる。
以上の問題点を鑑みて、本発明の目的は樹脂改質に使用される成形中になじみが良く容易に溶解または分散でき、最終機能に必要とされる場合を除いて有害な配位子を持つ不純物を含まず、かつ経時安定性に優れ、ビニル基を含有する化合物に添加して重合させることで樹脂組成物の強度、耐熱性、透明性の機能を向上させることができる樹脂改質用不飽和酸亜鉛モノマー溶液を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を実施した結果、本発明をなすに至った。即ち、本発明は以下の態様を有する:
[1](1)(メタ)アクリル酸亜鉛塩からなる単量体A、
(2)以下の化学式:
Figure 0007041989000001
(化学式中、Rは、水素または炭素数1~2のアルキル基であり、Rは、炭素数1~3のアルキル基であり、Rは、炭素数1~3のアルキル基または炭素数6~12の環状脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、nは2~2.4の数値を表す。)
で表される単量体B、および
(3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる単量体C
を含有し、かつ全亜鉛濃度が全組成物100重量部に対して0.01~12重量%である、樹脂改質用モノマー組成物。
[2]前記単量体Aが全組成物100重量部に対して1~20重量%であり、前記単量体Bが全組成物100重量部に対して45~75重量%であり、前記単量体Cが全組成物100重量部に対して10~40重量%である、請求項1記載の樹脂改質用モノマー組成物。
[3]前記単量体Bの化学式において、Rが水素またはメチル基であり、Rがエチレン基であり、Rがフェニレン基である、[1]または[2]に記載の樹脂改質用モノマー組成物。
[4]前記単量体Bが、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸亜鉛およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂改質用モノマー組成物。
[5]前記単量体Cが、溶解性パラメータ値(SP値)8.5~12.5を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂改質用モノマー組成物。
[6]前記単量体Cが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂改質用モノマー組成物。
[7]更に、溶媒を含み、溶媒がSP値8.5~12.5を有するアルコール類、ケトン類、ジケトン類、エステル類、不飽和エステル類、グリコールエーテル類、芳香族化合物類、複素環式化合物類およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂改質用モノマー組成物。
本発明によれば、油性系中へのなじみがよく、経時で凝集や分散不良を起こすことがなく安定性に優れた樹脂改質用モノマー組成物を提供できる。本発明では、従来の粉末状不飽和酸金属塩モノマーを導入する際に必要な乳化や溶媒抽出などの煩雑なプロセスが不要となり、導入工程が非常に簡便となる。また、本発明の樹脂改質用モノマー組成物には有害な配位子また不要な有機溶剤などを含まないため、安全性が高く、環境配慮面で優れ、しかも不純物が含まれることが少ないので品質面においても腐食ないし着色等の悪影響が生じない。本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、事前に特殊なモノマーないしポリマーを合成する煩雑なプロセスが不要であり、一般的な材料と簡単な工程で合成することが可能となるので、製造にも利点を有する。更に、本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、経時安定性に優れ、室温下3ヶ月以上静置させても凝集あるいは沈殿等析出物がみられず変化しないため取り扱い性に優れている。そして樹脂へ導入された時には、強度、耐熱性、透明性等を付与することが可能である。
本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、
(1)(メタ)アクリル酸亜鉛塩からなる単量体A、
(2)以下の化学式:
Figure 0007041989000002
(化学式中、Rは、水素または炭素数1~2のアルキル基であり、Rは、炭素数1~3のアルキル基であり、Rは、炭素数1~3のアルキル基または炭素数6~12の環状脂肪族または芳香族炭化水素基であり、nは2~2.4の数値を表す。)
で表される単量体B、および
(3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる単量体C
を含有し、かつ全亜鉛濃度が全組成物100重量部に対して0.01~12重量%である必要がある。それぞれの成分から説明する。
<単量体A>
本発明の樹脂改質用モノマー組成物の第1成分は(メタ)アクリル酸亜鉛塩からなる単量体Aである。単量体Aは、樹脂改質として反応速度を向上させ、かつ亜鉛濃度を高めることを目的に使用される。本明細書中において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの混合物を含む概念である。本発明に用いられる(メタ)アクリル酸亜鉛塩は、市販品を用いてもよい。また(メタ)アクリル酸と亜鉛化合物を別個に使用して本発明の単量体の合成時に同時に反応させてもよい。これら化合物は1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を適宜用いてもよい。なお(メタ)アクリル酸中は通常、市販品には品質保持のため重合防止剤が含まれているが、それらが存在しても支障はない。具体的には、通常用いられる重合防止剤であるハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を含んでいても何ら支障はない。
本発明の樹脂改質用モノマー組成物には、上記単量体Aを全組成物100重量部に対して、1~20重量%、好ましくは3~18重量%、より好ましくは5~15重量%の量で含む。単量体Aが1重量%未満では、樹脂改質として効果が現れ難くなり、20重量%を超えると、油性系への相溶性が悪化し使用時に沈殿等を生じるおそれがある。
<単量体B>
本発明の樹脂改質用モノマー組成物の第2成分は以下の化学式:
Figure 0007041989000003
(化学式中、Rは、水素または炭素数1~2のアルキル基であり、Rは、炭素数1~3のアルキル基であり、Rは、炭素数1~3のアルキル基または炭素数6~12の環状脂肪族または芳香族炭化水素基であり、nは2~2.4の数値を表す。)
で表される単量体Bである。単量体Bは、樹脂改質として油性への相溶性を高め、複塩を形成し安定性を高めることを目的に使用される。
化学式中、Rは、水素または炭素数1~2のアルキル基であり、水素の場合はアクリル酸のエステルであり、炭素数1のアルキル基(即ち、メチル基)の時はメタクリル酸のエステルなり、炭素数2のアルキル基(即ち、エチル基)の時はエタクリル酸のエステルになる。
化学式中、Rは、炭素数1~3のアルキル基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基であり、プロピレン基はイソプロピレン基であってもよい。Rは、炭素数1~3のアルキル基または炭素数6~12の環状脂肪族または芳香族炭化水素基である。炭素数1~3のアルキル基としては、Rで説明したアルキル基と同じものである。炭素数6~12の環状脂肪族炭化水素基は、シクロヘキシレン基、シクロヘプタン基等が挙げられ、炭素数6~12の芳香族炭化水素基は、フェニレン基やナフタレン基が挙げられる。Rは2塩基酸から導入されるものであり、使用し得る2塩基酸としてはマロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸またはナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの2塩基酸をアルキレングリコール(即ち、HO-R-OH)と反応させた後、(メタ)アクリル酸と反応し、2塩基酸のもう一方のカルボキシル基は、この反応に関与せず、亜鉛と塩を形成することにより単量体Bが形成される。
上記化学式中、nは2~2.4の範囲の数値を表し、亜鉛原子に結合しているカルボン酸基の数の平均値を示している。亜鉛は2価の金属であるが、2を下回ると塩基性塩となることから安定性が低下し、沈殿や白濁を生じやすくなる、また2.4を上回ると酸過剰となり腐食が生じることがあるため用途によって制限が生じ好ましくない。
単量体Bの一般的に入手可能な具体例としては、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸亜鉛または2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸亜鉛が挙げられ、これらの混合物を用いても良い。
単量体Bは、本発明の樹脂改質用モノマー組成物中に、組成物100重量部に対して、45~75重量%の範囲となるように配合する。45重量%を下回ると油性系への相溶解性が悪化し、75重量%を超えると系全体の粘度が高くなり均一な反応物が得難くなる。単量体Bは、樹脂改質用モノマー組成物100重量部中に、好ましくは48~72重量%、より好ましくは50~70重量%の量で配合される。
<単量体C>
本発明の樹脂改質用モノマー組成物の第3成分は(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる単量体Cである。単量体Cは、形成された複塩の安定性を高め、かつ適切な粘度に調整し取扱い性を高めることを目的に使用される。単量体Cは、SP値8.5~12.5を有するものを使用する。SP値は、好ましくは8.8~12.2、より好ましくは9~12である。SP値が上記範囲外になると、系の溶解性のバランスが崩れ懸濁あるいは層分離を起こし不均一となる。
尚、「SP値」とは、Hildebrand溶解性パラメータ(δ)と呼ばれ、凝集エネルギー密度の平方根で定義される物性値であり、溶媒の溶解挙動を示す数値である。SP値を出すには、いくつかの方法があるが、本発明ではFedorsの推算法、即ちδ=[ΣEcoh/ΣV]1/2を用いて計算した。ここで、ΣEcohは凝集エネルギーを、ΣVはモル分子容を示す。
単量体Cの(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、直鎖または分岐鎖、環状のいずれでもよく、必要に応じて適当な置換基で置換されていてもよい。単量体Cの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリロニトリル、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルである。これら化合物は1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を適宜用いてもよい。単量体Cは、好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるものである。
単量体Cは、樹脂改質用モノマー組成物100重量部に対して、10~40重量%、好ましくは12~38重量%、より好ましくは15~35重量%の量で含まれる。10重量%を下回ると系全体の粘度が高くなり反応が不均一となり、40重量%を上回ると粘度が低下し系全体のバランスが崩れ未反応物が生じる。
<その他の成分>
本発明の樹脂改質用モノマー組成物には、必要に応じて溶媒Dを添加して、希釈若しくは粘度低下してもよい。溶媒Dは、樹脂改質用モノマー組成物との溶解性が必要であり、溶解性パラメータ(SP値)8.5~12.5であるものを使用する。SP値は、単量体Cで説明したものと同じである。SP値が上記範囲外になると、系の溶解性のバランスが崩れ懸濁あるいは層分離を起こし不均一となる。溶媒DのSP値は、好ましくは8.8~12.2、より好ましくは9~12である。
溶媒Dとして用いられる溶媒は、具体的にはアルコール類、ケトン類、ジケトン類、エステル類、不飽和エステル類、グリコールエーテル類、芳香族化合物類、複素環式化合物類等から選択されるものであってよい。
溶媒Dの具体例は、アルコール類(イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、シクロヘキサノール、n-ヘキサノール);ケトン類(メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン);ダイアセトンアルコール;エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル);グリコールエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート);芳香族化合物類(トルエン、キシレン、スチレン);複素環式化合物(テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン)等が挙げられる。溶媒Dは、好ましくは相溶性の点でイソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン等が挙げられるが、この限りではない。
溶媒Dの使用量は、必要とする組成物の粘度に応じて変化するものであり、特定できるものではないが、例えば組成物100重量部に対して1~40重量%、好ましくは5~38重量%、より好ましくは10~35重量%である。
<亜鉛濃度>
本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、亜鉛の濃度が組成物100重量部に対して0.01~12重量%であることが必要である。組成物中の亜鉛の濃度が0.01重量%を下回ると樹脂改質として効果が現れ難くなり、逆に12重量%を上回ると油性系への相溶性が悪化し使用時に沈殿等を生じるおそれがある。亜鉛の濃度は、好ましくは1~11.5重量%、より好ましくは2~11重量%である。亜鉛の量(亜鉛濃度)は、EDTAによるキレート滴定で求めることができる。
<樹脂改質用モノマー組成物の対象となる樹脂>
本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、重合性樹脂やゴムなどの組成物に添加して重合させることにより、樹脂の強度、耐熱性を改質し、場合によっては透明性を付与することも可能である。
改質する樹脂に存在するビニル基を有する化合物は、特別限定されるものではない。例えば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のアクリル酸類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類;ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能ビニル化合物;アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸N,N-ジメチルアミド等のアクリル酸アミドやメタクリル酸アミド類;ブタジエン等のジエン類;アクリロニトリル、酢酸ビニル、フェニルマレイミド、等が挙げられる。これら化合物は1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を適宜用いてもよい。
樹脂組成物の重合の形態として、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等従来公知の種々の形態を採用することができる。従って樹脂組成物は重合形態に応じて、粒状、粉末状等の種々の形状あるいは溶液状態で得られる。なお樹脂組成物を得る際の反応圧力、反応時間および反応温度等の条件は、使用する樹脂の組み合わせ、使用量その他最終目的に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。重合方法として、一般的な熱、電子線照射、紫外線照射、触媒等いずれも可能である。重合開始剤は、重合方法に基づき適宜選択することができる。例えば、有機アゾ化合物、有機過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキシド等挙げられるが、特別この限りではない。
その他加工性改善や特定機能を得るために用いられる重合促進剤、増粘剤、低収縮化剤、しゃく解剤、滑剤、補強剤、充填剤、顔料、老化防止剤等は必要に応じて適宜選択することができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明は、これら実施例に限定されるものと解してはならない。実施例中、%、部等は特に指示しない限り重量に基づく。
<実施例1>
内容量3Lのジャケット付きGL攪拌釜に、単量体Aとしてアクリル酸73.7g、単量体Bとして2-アクリロイルオキシエチルフタル酸625.0g、単量体Cとしてメタクリル酸メチル(SP値:8.9)170.5gを加えて混合し均一とした。次に、亜鉛化合物として酸化亜鉛130.8gを徐々に添加しながら投入してスラリーとした。次いで、ジャケット温水循環させ、80℃まで加温させ、その後2時間攪拌を維持したのち、83メッシュ通したのち回収物1000gを得た。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)によるキレート滴定によると亜鉛濃度10.7重量%であり、赤外吸収スペクトル(IR)分析によると単量体A、B、Cおよび酸化亜鉛のいずれとも異なるピークを示し、樹脂改質用モノマー組成物(混合液)であることを確認できた。
得られた混合液の合成直後の外観、油性相溶性および組成物を屋内で室温3ヶ月静置したものの外観を以下の基準で観察し、表1に記載した。測定方法と基準は以下の通りである。尚、表1には、単量体A~Cの配合量を重量%で表したものを記載した。
合成直後-外観
混合液の合成後すぐの溶液状態を目視観察し下記の評価をした。
〇:流動性のある均一な溶液である。
△:僅かに流動性ありまたは僅かに沈殿物が見られる。
×:非流動性または沈殿物が見られる。
合成直後の油性相溶性
合成後の混合液にトルエンを、混合物:トルエン=1:1重量比率で混和させたのち溶液状態を目視で観察し以下の基準で評価した。
〇:均一に混和した。
×:凝集または沈殿物が見られる。
室温3ヶ月後-外観
得られた混合液を屋内に静置させたのち目視観察し下記の評価をしたもの。
〇:流動性のある均一な溶液である。
△:僅かに流動性ありまたは僅かに沈殿物が見られる。
×:非流動性または沈殿物が見られる。
<実施例2>
内容量3Lのジャケット付きGL攪拌釜に、単量体Aとしてメタクリル酸116.3g、単量体Bとして2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸571.5g、単量体Cとしてメタクリル酸メチル182.8gを加えて混合し均一とした。次に亜鉛化合物として酸化亜鉛129.4gを徐々に添加しながら投入してスラリーとした。次いで、ジャケット温水循環させ、80℃まで加温させ、その後2時間攪拌を維持したのち、83メッシュ通したのち回収物1000gを得た。キレート滴定によると亜鉛濃度10.4重量%であった。以下、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。
<実施例3>
単量体Cとしてメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(SP値:12.1)に替えた以外は実施例2と同様の操作を行った。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。
<実施例4>
内容量3Lのジャケット付きGL攪拌釜に、単量体Aとしてメタクリル酸7.8g、単量体Bとして2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸678.1g、単量体Cとしてメタクリル酸メチル218.7gを加えて混合し均一とした。次に亜鉛化合物として酸化亜鉛95.5gを徐々に添加しながら投入してスラリーとした。次いで、ジャケット温水循環させ、80℃まで加温させ、その後3時間攪拌を維持したのち、83メッシュ通したのち回収物1000gを得た。キレート滴定によると亜鉛濃度7.7重量%であった。以下、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。
<実施例5>
内容量3Lのジャケット付きGL攪拌釜に、単量体Aとしてメタクリル酸77.5g、単量体Bとして2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸435.9g、単量体Cとしてメタクリル酸メチル392.9gを加えて混合し均一とした。次に亜鉛化合物として酸化亜鉛93.7gを徐々に添加しながら投入してスラリーとした。次いで、ジャケット温水循環させ、80℃まで加温させ、その後3時間攪拌を維持したのち、83メッシュ通したのち回収物1000gを得た。キレート滴定によると亜鉛濃度7.6重量%であった。以下、実施例1と同様の操作を行った。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。
<実施例6>
単量体Cとしてメタクリル酸t-ブチル(SP値:7.9)に替えた以外は実施例2と同様の操作を行い、回収物を得た。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。外観は評価不能であった。
<実施例7>
内容量3Lのジャケット付きGL攪拌釜に、単量体Aとしてメタクリル酸38.8g、単量体Bとして2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸193.7g、単量体Cとしてメタクリル酸メチル724.0gを加えて混合し均一とした。次に亜鉛化合物として酸化亜鉛43.6gを徐々に添加しながら投入してスラリーとした。次いで、ジャケット温水循環させ、80℃まで加温させ、その後2時間攪拌を維持したのち、83メッシュ通したのち回収物1000gを得た。キレート滴定によると亜鉛濃度3.5重量%であった。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。
<比較例1>
内容量3Lのジャケット付きGL攪拌釜に、単量体Aとしてアクリル酸147.3g、単量体Bとして2-アクリロイルオキシエチルフタル酸535.7g、単量体Cとしてメタクリル酸メチル160.0gを加えて混合し均一とした。次に亜鉛化合物として酸化亜鉛156.9gを徐々に添加しながら投入してスラリーとした。次いで、ジャケット温水循環させ、80℃まで加温させ、その後3時間攪拌を維持したのち、83メッシュ通したのち回収物1000gを得た。キレート滴定によると亜鉛濃度12.6重量%であり、赤外吸収スペクトル(IR)分析によると単量体A、B,Cおよび酸化亜鉛のいずれとも異なるピークを示し、不飽和酸亜鉛モノマー溶液であることを確認できた。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。尚、この混合液はトルエンと分離してしまい油性相溶性不良であった。さらに屋内で室温静置したところ、1ヶ月で沈殿が生じた。
<比較例2>
この比較例は、飽和脂肪酸の亜鉛塩であるネオデカン酸亜鉛を用いているもので、単量体Bを使用していない例である。
内容量3Lのジャケット付きGL攪拌釜に、メタクリル酸109.6g、ネオデカン酸101.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテル713.2gを加えて混合し均一とした。次に酸化亜鉛75.8gを徐々に添加しながら投入してスラリーとした。次いで、ジャケット温水循環させ、80℃まで加温させ、その後2時間攪拌を維持したのち、83メッシュ通したのち回収物1000gを得た。キレート滴定によると亜鉛濃度6.0重量%であった。
この反応物を屋内で室温3ヶ月静置したものは外観目視上沈殿等なく変化はみられなかった。しかし、後述の樹脂改質試験2では、飽和脂肪酸が不純物となり、優れた改質性能が得られない。
実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に記載する。
Figure 0007041989000004
表1に示すように実施例1~7および比較例2では油性相溶性がよく、室温3ヶ月後も安定で経時安定性に優れていた。しかし、実施例6では単量体CのSP値が8.5より低く、混合物は透明では無く、若干白濁する傾向にある。また、実施例7では、単量体Bの配合量が少なく、単量体Cの配合量が多い傾向にあるので、複塩構造のバランスが崩れ、沈殿物が多少多く生じる傾向であった。比較例1は亜鉛濃度が本発明範囲外であるため油性相溶性が悪く層分離してしまい、かつ室温1ヶ月後、沈殿物が生じ不良であった。比較例2は、樹脂改質試験2では飽和脂肪酸(不純物)を含むため、曇りのある組成物となり、表面はべたつきがみられ不良であった。
<樹脂改質試験>
樹脂改質試験1
トリメチロールプロパントリメタクリレート5重量部に、実施例1で得られた混合液5重量を加え、更に重合開始剤としてクメンヒドロペルオキシド80重量%溶液を0.1重量部、重合促進剤としてバナジルアセチルアセトナート10重量%アセトン溶液0.2重量部を加えて、室温下で硬化物を作成した。
硬化物の亜鉛濃度、硬化時間、外観、表面硬度、結晶性の評価を行い表2に結果を示す。表2中、亜鉛濃度とは樹脂組成物としての理論値であり、硬化時間とは重合開始剤及び重合促進剤を加えて流動性を失うまでの時間を計測したものを言う。外観、表面硬度および結晶性は以下のように測定した。
上記同じ硬化実験を、実施例1の混合液5重量部の代わりに、実施例2の混合液5重量部を添加して、同じ実験を行った。結果を表2に示す。
比較例3として、上記実施例1で亜鉛化合物を含まないものを作製し、上記実験と同じく5重量部を添加して、同じ実験を行った。結果を表2に示す。同じ実験を行った。結果を表2に示す。
更に、比較例4として、粉末のメタクリル酸亜鉛シグマアルドリッチ製、試薬)1.5重量部を実施例1で得られた混合液5重量の代わりに添加して、
外観
硬化物を目視観察したものであり、色合いを評価した。
表面硬度
表面硬度計(デュロメータADMーD:新潟精機製)を用いてJIS K6253に則して測定した。
結晶性
XRD(SmartLab9kW/リガク製)にてθ/2θ法(Cu-Kα)で測定した。
Figure 0007041989000005
上記表2に示すように、亜鉛を含まない比較例3と比較して実施例1および2では硬化性に優れ、透明性のある樹脂組成物が得られた。しかし比較例4では結晶性を有した不均一な粒状を含む白濁した組成物であり、従来の粉末では樹脂に導入できていなく、強度および透明性が得られないことが明らかとなった。
樹脂改質試験2
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5重量部に実施例1、比較例2、比較例3または比較例4で得た混合液5重量部を混和させ、重合開始剤としてイルガキュア2959の20%メタノール溶液0.1重量部を加えて、ガラス板の上へNo.10バーコーター(22.90μm指標)で均一に塗り広げたのち、UVランプ(36W、波長域350~400μm)で30分照射して得た硬化物の亜鉛濃度、透過率、外観、鉛筆硬度、耐熱性(150度×30分)の評価を行い表3に示す。表3中、亜鉛濃度とは樹脂組成物としての理論値であり、硬化時間とは重合開始剤及び重合促進剤を加えて流動性を失うまでの時間を計測したものを言う。硬化直後の外観とは、目視観察したものであり、色合いを観察した。鉛筆硬度はJISK5600に沿って測定したものであり、耐熱試験とは樹脂組成物を150度×30分静置させたものの外観および鉛筆硬度を測定したものであり、外観の評価は以下の通りある。
〇:外観変化なし
×:剥離、カール、割れ等の変化あり
Figure 0007041989000006
表3に示すように、本発明の樹脂改質用モノマー組成物を含む実施例1では高硬度かつ高透明性の樹脂組成物が得られ、耐熱試験後も外観に変化なかった。一方で亜鉛を含まない比較例3は耐熱試験後カールや剥離が多数みられ、強度および耐熱性不良であるとわかった。従来の粉末のメタクリル酸亜鉛を含む比較例4では不均一な粒状を含む白濁した組成物であり、従来の粉末品では樹脂への改良効果がなく、強度および透明性が得られないことが明らかとなった。比較例2は不純物である飽和脂肪酸を含むため、曇りのある組成物となり、表面はべたつきがみられ不良であった。
上記の結果から明らかであるように、本発明によれば、油性相溶性に優れ、不要な不純物を含まず、混合加温のみのプロセスで合成でき、経時安定性に優れ室温3ヶ月以上の保存が可能である樹脂改質用不飽和酸亜鉛モノマー溶液が提供可能となった。また、本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、従来の粉末品のように分散不良や凝集を起こすことなく樹脂添加剤として使用が可能となり、亜鉛を直接的に導入できることから強度、耐熱性、透明性等の樹脂組成物の機能性向上に大いに有用であることが解る。
本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、油性系との相溶性が優れるため、これまで樹脂改質としての要望がありながら適用できないでいたフィルム、塗料、接着剤、印刷、成形材料など幅広い産業ないし工業材料の機能性添加剤としての使用が可能となる。また本発明の樹脂改質用モノマー組成物は、均一な溶液状であり油性系との相溶性に優れるため、従来の粉末状ゴム共架橋剤の代替として性能向上が期待できる。

Claims (6)

  1. (1)(メタ)アクリル酸亜鉛塩からなる単量体A、
    (2)以下の化学式:
    Figure 0007041989000007
    (化学式中、Rは、水素または炭素数1~2のアルキル基であり、Rは、炭素数1~3のアルキレン基であり、Rは、炭素数1~3のアルキレン基または炭素数6~12の環状脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、nは2~2.4の数値を表す。)
    で表される単量体B、および
    (3)(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる単量体C
    を含有し、
    前記単量体Aが全組成物100重量部に対して1~20重量%であり、前記単量体Bが全組成物100重量部に対して45~75重量%であり、前記単量体Cが全組成物100重量部に対して10~40重量%で存在し、
    かつ全亜鉛濃度が全組成物100重量部に対して0.01~12重量%である、ビニル基を有する化合物からなる樹脂又はゴムの改質用モノマー組成物。
  2. 前記単量体Bの化学式において、Rが水素またはメチル基であり、Rがエチレン基であり、Rがフェニレン基である、請求項1に記載のビニル基を有する化合物からなる樹脂又はゴムの改質用モノマー組成物。
  3. 前記単量体Bが、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸亜鉛、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸亜鉛およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1または2に記載のビニル基を有する化合物からなる樹脂又はゴムの改質用モノマー組成物。
  4. 前記単量体Cが、溶解性パラメータ値(SP値)8.5~12.5(cal/cm1/2を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のビニル基を有する化合物からなる樹脂又はゴムの改質用モノマー組成物。
  5. 前記単量体Cが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1~4のいずれか1項に記載のビニル基を有する化合物からなる樹脂又はゴムの改質用モノマー組成物。
  6. 更に、溶媒を含み、溶媒が溶解性パラメータ値(SP値)8.5~12.5(cal/cm 1/2 を有するアルコール類、ケトン類、ジケトン類、エステル類、不飽和エステル類、グリコールエーテル類、芳香族化合物類、複素環式化合物類およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1~5のいずれか1項に記載のビニル基を有する化合物からなる樹脂又はゴムの改質用モノマー組成物。
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