JP7041762B2 - ポペットバルブ - Google Patents

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Description

本開示は、軸部の駆動により弁体が軸方向へ移動するポペットバルブに関し、例えば、
EGRガスの流量を制御するポペットバルブに関する。
従来技術として特許文献1には、調節バルブを開閉させることにより、ハウジング内を流れる流体の流量を調節するバルブ装置が開示されている。このバルブ装置においては、調節バルブに備わるバルブ頭部がプレス加工により傘状に形成されている。そして、このバルブ頭部は、肉抜き部と、肉抜き部から延設され軸部を圧入するための挿入孔が形成されるように略円筒状に形成される連結部とを備えている。
特開2014-173706号公報
特許文献1に開示されるバルブ装置においては、バルブ頭部に、軸部が圧入される連結部が形成されている。しかしながら、バルブ頭部に連結部が形成されていない方が、バルブ頭部をプレス加工により形成する際に肉抜き部から連結部を延設させる必要がない分、製造工程を簡便にできる。そこで、バルブ頭部に軸部が圧入される連結部を形成しないで、軸部をバルブ頭部に溶接することが考えられる。そして、このように軸部をバルブ頭部(弁体)に溶接する場合、バルブ頭部の板厚が薄いと、溶接時のバルブ頭部の変形量が大きくなり、溶接後の軸部の位置にずれが生じるおそれがある。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、弁体と溶接される軸部の位置ずれを抑制できるポペットバルブを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、弁座と、前記弁座に対して当接および離間するものであって、底部と前記底部の縁部から立ち上がるように設けられる側壁部とを備えるようにして前記底部に対向する側が開口した形状の弁体と、前記弁体の前記底部の貫通孔に挿入されて前記底部と溶接される軸部と、前記軸部を当該軸部の軸方向に駆動させるステップモータと、を有するポペットバルブにおいて、前記貫通孔は打ち抜きプレス加工により形成され、前記貫通孔の内壁に形成された剪断面についての前記貫通孔の軸方向の長さは、前記底部の板厚に対して所定割合以上の長さであり、前記所定割合は、前記弁体の前記底部と前記軸部の溶接時にて前記軸部から前記底部への伝熱を均一化できる値であること、を特徴とする。
この態様によれば、溶接時の弁体に対する熱伝導の均一化を図ることができるので、溶接時の弁体の変形を抑制できる。
上記の態様においては、前記所定割合は49%であること、が好ましい。
この態様によれば、より確実に、溶接時の弁体に対する熱伝導の均一化を図ることができるので、溶接時の弁体の変形を抑制できる。
上記課題を解決するためになされた本開示の他の形態は、弁座と、前記弁座に対して当接および離間するものであって、底部と前記底部の縁部から立ち上がるように設けられる側壁部とを備えるようにして前記底部に対向する側が開口した形状の弁体と、前記弁体の前記底部の貫通孔に挿入されて前記底部と溶接される軸部と、前記軸部を当該軸部の軸方向に駆動させるステップモータと、を有するポペットバルブにおいて、前記側壁部の板厚は、前記底部の板厚よりも小さいこと、を特徴とする。
この態様によれば、弁体の軽量化を図ることができる。
本開示のポペットバルブによれば、弁体と溶接される軸部の位置ずれを抑制できる。
本実施形態のEGRバルブの断面図である。 本実施形態における溶接前のバルブとシャフトの先端部の断面図である。 板厚/シャフト径の比と溶接後のシャフト位置に関する評価結果を示す図である。 溶接エネルギと溶接後のシャフト位置に関する評価結果を示す図である。 本実施形態品における溶接直後のバルブの変形と溶接部の凝固時のバルブの戻りを説明した図である。 バルブの質量とバルブの周波数に関する評価結果を示す図である。 挿入孔の剪断面の長さ/板厚の比と溶接後のシャフト位置に関する評価結果を示す図である。 比較品における溶接直後のバルブの変形と溶接部の凝固時のバルブの戻りを説明した図である。
本開示に係るポペットバルブの一実施形態であるEGRバルブ1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すEGRバルブ1は、エンジンから排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路へ流すEGR通路(図示略)に設けられ、EGRガス流量を調節するために使用される。
図1に示すように、EGRバルブ1は、ポペット弁構造を有し、ハウジング2と、ハウジング2に形成されたEGRガスの流路3と、流路3の途中に設けられたシート4(弁座)と、シート4に着座(シート4に対して当接および離間)可能に設けられ、シート4との間でEGRガスの計量部を形成するバルブ5(弁体)と、バルブ5をシート4に対し往復運動(ストローク運動)させるためにバルブ5が一端部に設けられたシャフト6(弁軸)と、バルブ5と共にシャフト6を軸方向へ往復運動(ストローク運動)させるために出力軸7を回転させる駆動手段としてのステップモータ8とを備える。このEGRバルブ1は、ステップモータ8によりバルブ5をシート4に対し移動させて計量部の開口面積を変化させることにより、流路3におけるEGRガス流量を調節するように構成される。
シャフト6は、出力軸7とバルブ5との間に設けられ、図1において、ハウジング2を垂直に貫通して配置される。バルブ5は、シャフト6の一端に固定され、傘状をなし、その外周面45(図2参照)がシート4に対して当接又は離間するようになっている。シャフト6の他端には、スプリング受9が一体に設けられる。ハウジング2とシャフト6との間には、シャフト6をその軸方向へ移動可能(ストローク運動可能に)に支持するために直列に配置された第1スラスト軸受10と第2スラスト軸受11が設けられる。各スラスト軸受10,11は、略筒形をなす。
本実施形態では、図2に示すように、バルブ5は、底部41とこの底部41の縁部から立ち上がって設けられる側壁部42とを備えるようにして底部41に対向する側が開口した形状に形成されている。より具体的には、バルブ5は、底部41と側壁部42で形成される内壁面5aの内側に形成され底部41に対向する側が開口した開口部43を備えるようにして、傘状に形成されている。本実施形態における「傘状」とは、バルブ5の中央から水平方向に円盤状に張り出し、当該円盤状の外縁部にて軸方向側に折れ曲がった形状である。なお、バルブ5の材質は、鉄又は鉄を含んだ材質(例えば、ステンレス(例えば、SUS304))である。また、シャフト6は、バルブ5の底部41の貫通孔44に挿入されて底部41と溶接されている。なお、シャフト6の材質は、鉄又は鉄を含んだ材質(例えば、ステンレス(例えば、SUS304))である。
ステップモータ8は、コイル21を含むステータ22と、ステータ22の内側に設けられたマグネットロータ23と、マグネットロータ23の中心に設けられた出力軸7とを含む。これらの部材7,21~23等が樹脂製のケーシング24によりモールドされて覆われる。ケーシング24には、横へ突出したコネクタ25が一体に形成される。コネクタ25には、コイル21から延びる端子(不図示)が設けられる。
出力軸7は、外周に雄ネジ7aを有する。出力軸7の上端部は、シャフト6の先端部に設けられたスプリング受9に連結される。マグネットロータ23は、ロータ本体27と、ロータ本体27の外周に一体的に設けられた円筒状のプラスチックマグネット28とを含む。ロータ本体27の上端部外周には、ケーシング24との間に第1のラジアル軸受29が設けられる。プラスチックマグネット28の下端部内周には、第1のスラスト軸受10との間に第2のラジアル軸受30が設けられる。これら上下のラジアル軸受29,30によりマグネットロータ23がステータ22の内側にて回転可能に支持される。ロータ本体27の中心には、出力軸7の雄ネジ7aに螺合する雌ネジ27aが形成される。マグネットロータ23と、下側の第2のラジアル軸受30との間には、第1の圧縮スプリング31が設けられる。シャフト6の上端部のスプリング受9と、第2のラジアル軸受30との間には、シャフト6をマグネットロータ23へ向けて付勢する第2の圧縮スプリング32が設けられる。
図1に示すように、バルブ5がシート4に着座した全閉状態において、マグネットロータ23が一方向へ回転することにより、出力軸7の雄ネジ7aとロータ本体27の雌ネジ27aとの螺合関係により、第2の圧縮スプリング32の付勢力に抗して、出力軸7が一方向へ回転しながらスラスト方向である図1の下方向へストローク運動する。この出力軸7のストローク運動により、シャフト6と共にバルブ5が図1の下方向へストローク運動し、バルブ5がシート4から離れて開弁する。
一方、バルブ5がシート4から最大限に離れた全開状態において、マグネットロータ23が反対方向へ回転することにより、出力軸7の雄ネジ7aとロータ本体27の雌ネジ27aとの螺合関係と、第2の圧縮スプリング32の付勢力により、出力軸7が反対方向へ回転しながらスラスト方向である図1の上方向へストローク運動する。この出力軸7のストローク運動により、シャフト6と共にバルブ5が図1の上方向へストローク運動し、バルブ5がシート4に近付いて閉弁する。
また、ハウジング2とシャフト6との間には、ハウジング2とシャフト6との間をシールするための略円筒状をなすリップシール15が、第2スラスト軸受11に隣接して設けられる。ハウジング2には、バルブ5を着座させるシート4が設けられる。
本実施形態では、シャフト6は、バルブ5の底部41(図2参照)の貫通孔44(図2参照)内に挿入されて底部41と溶接されている。この溶接は、例えば、TIG溶接により行われ、シャフト6の先端51(図2参照)側に電極を配置して行われる。
本実施形態では、シャフト6をステップモータ8に通電保持させた状態で、バルブ5とシャフト6を溶接する。このとき、出力軸7の雄ネジ7aとロータ本体27の雌ネジ27aとの間で噛み合わせにおける隙間が存在するため、また、溶接時に作用する力によりステータ22に対してマグネットロータ23が回転し得るため、シャフト6が軸方向に移動するおそれがある。
そのため、図8に示すように、溶接直後においてバルブ5が(-)方向(ステップモータ8の方向)へ変形した後、溶接部が凝固する時にバルブ5が(+)方向(ステップモータ8とは反対方向)に戻り、これに伴って、シャフト6が軸方向に位置ずれし易い。そして、その位置ずれ量が大きいと、開弁ステップ(全閉状態から開弁状態になるまでに必要なステップモータ8のステップ数)がステップ数の多い方側に規格を外れて、EGRバルブ1が所定ステップで開弁しないおそれがある。そして、このように開弁ステップが所定の規格を外れると、EGRバルブ1において必要流量のEGRガスを流すように調節できなくなるおそれがある。そのため、溶接直後のバルブ5の変形量を抑制して、シャフト6の位置ずれを抑制することが望まれる。
そこで、本実施形態では、バルブ5の底部41の板厚Tvをシャフト径Ds(シャフト6の径)との比で設定している。すなわち、シャフト径Dsに対する板厚Tvの比である板厚/シャフト径の比R1(板厚軸径比)を、所定値以上に設定している。そして、この所定値は、バルブ5の材質に依存して決定される。本実施形態では、バルブ5の材質は鉄又は鉄を含んだ材質であることから、所定値を0.55~0.66の間で設定している。
ここで、出願人は、板厚/シャフト径の比R1と溶接後のシャフト6の位置(シャフト位置)との関係を調べる評価を行った。バルブ5とシャフト6との溶接時にはシート4とバルブ5を当接させながらシャフト6をバルブ5からステップモータ8の所定ステップ数だけ突き出させた状態で溶接を開始する。そして、評価では、この溶接開始時のシャフト6の位置「0」を溶接後のシャフト6の目標位置の上限の位置とした。目標位置とは、溶接後のシャフト6の位置がこの目標位置の範囲内にあれば、開弁ステップのずれが発生しないという目安の位置である。
なお、評価では、シャフト径Dsをφ4mmとした。また、バルブ5として、第1比較品と第2比較品と本実施形態品を使用した。そして、第1比較品について、板厚Tvを1.5mmとして、板厚/シャフト径の比R1を0.375とした。また、第2比較品について、板厚Tvを2.0mmとして、板厚/シャフト径の比R1を0.500とした。また、本実施形態品について、板厚Tvを2.5mmとして、板厚/シャフト径の比R1を0.625とした。
そして、評価の結果、図3に示すように、第1比較品と第2比較品では、溶接後のシャフト6の位置は目標位置を外れた。その理由は、以下のように考えられる。まず、第1比較品と第2比較品では、板厚Tvが薄く板厚/シャフト径の比R1が小さいために、図8に示すように、溶接直後のバルブ5の(-)方向(溶接開始時にシャフト6をバルブ5から突き出させた方向とは反対方向)の変形量が大きくなる。そして、これに伴って、溶接部が凝固する時のバルブ5の(+)方向(溶接開始時にシャフト6をバルブ5から突き出させた方向)の戻り量も大きくなる。そのため、結果的に、溶接後のシャフト6の位置は、溶接開始時のシャフト6の位置「0」よりも(+)方向へ戻ってしまい、目標位置を外れてしまうと考えられる。
そして、溶接後に溶接部を含めたバルブ5全体が(+)方向に変形することでバルブ5がシート4から離れる方向に移動しようとする。なお、実際にはバルブ5の上端面をアース電極で押しているためにバルブ5はシート4から離れない。そして、このようにバルブ5全体が(+)方向に変形すると、開弁ステップがステップ数の多い方側に規格を外れて、EGRバルブ1が所定ステップで開弁しないおそれがある。そして、このように開弁ステップが所定の規格を外れると、EGRバルブ1において必要流量のEGRガスを流すように調節できなくなるおそれがある。
これに対し、図3に示すように、本実施形態品では、溶接後のシャフト6の位置は目標位置に収まった。また、図4に示すEGRバルブ1の製造時に想定される良品範囲α内(良品が製造可能な範囲内)で溶接エネルギを変化させても、溶接後のシャフト6の位置は目標位置に収まった。なお、図4に示すように、本実施形態品では、溶接エネルギを良品範囲α外に変化させても溶接後のシャフト6の位置は目標位置に収まった。
このように本実施形態品では、板厚Tvが厚く板厚/シャフト径の比R1が大きいために、図5に示すように、図8に示す比較品の場合と比べて、溶接直後のバルブ5の(-)方向の変形量が小さく溶接部が凝固する時のバルブ5の(+)方向の戻り量も小さくなる。そのため、結果的に、溶接後のシャフト6の位置は、溶接開始時のシャフト6の位置「0」よりも(-)方向の目標位置の範囲内に留まる。そのため、本実施形態品では、開弁ステップが所定の規格を満たし、EGRバルブ1において必要流量のEGRガスを流すように調節できる。
そして、図3に示す評価の結果より、板厚/シャフト径の比R1が0.55~0.66であれば、溶接後のシャフト6の位置は目標位置に留まることが分かった。
このようにして、本実施形態では、大流量対応のためのバルブ5の径Dv(図2参照)の拡大とバルブ5の薄肉化の対策として、プレス加工したバルブ5をシャフト6に溶接している。そして、バルブ5の底部41の板厚Tvをシャフト径Dsの大きさに対応して設定することにより、シャフト6をバルブ5に溶接する際の溶接直後のバルブ5の変形量を小さくしてシャフト6の位置の変化を小さくし、溶接後のシャフト6の位置ずれを抑制できる。
なお、板厚/シャフト径の比R1を所定値以上となるように設定するときのこの所定値は、バルブ5の材質に依存して決定される。そのため、バルブ5の材質に対応して、所定値を変化させる。本実施形態ではバルブ5の材質は鉄又は鉄を含んだ材質(例えば、ステンレス)であり所定値を0.55~0.66の間で設定するが、バルブ5の材質が他の材質(例えば、アルミニウムなどの非鉄金属)であれば、その材質に対応して、所定値を変化させる。
このようにバルブ5の底部41の板厚Tvを厚くすると、溶接後のシャフト6の位置を目標位置に収めることが可能となる。しかしながら、板厚Tvを厚くすることによりバルブ5の質量が大きくなってしまうと、EGRバルブ1に加えられる振動(例えば、エンジンの振動)により、バルブ5が共振してシャフト6から取れる可能性が高くなる。
そこで、本実施形態では、バルブ5の質量の上限を規定している。具体的には、本実施形態では、バルブ5の質量は、所定質量よりも小さく設定されている。そして、この所定質量は、EGRバルブ1に対して振動が加えられたときのバルブ5の周波数(振動周波数)がバルブ5の共振周波数の帯域の上限値よりも高くなる値に設定されている。具体的には、図6に示すように、バルブ5の質量が小さくなるほどバルブ5の周波数が高くなるところ、本実施形態のバルブ5の質量は、バルブ5の周波数が耐震性悪化領域β(バルブ5の共振周波数の帯域)の上限の周波数fmax(例えば、270Hz)を超えて高くなる値(例えば、6.7g~7.4g)に設定されている。これにより、EGRバルブ1に対してエンジンの振動が加えられたときに、バルブ5が共振し難くなる。そのため、エンジンの振動によりシャフト6からバルブ5が取れることを抑制できる。なお、図6に示すバルブの質量が20g以上の比較品は、傘状に薄肉化されていない既存形状のバルブである。
また、本実施形態では、バルブ5の貫通孔44は打ち抜きプレス加工により形成される。ここで、貫通孔44の内壁に形成された剪断面44aの部分の厚みが小さく破断面の部分の厚みが大きいと、溶接時にてバルブ5とシャフト6を組み合わせたときに、バルブ5の破断面とシャフト6の間に生じる隙間が大きくなってしまう。そうすると、溶接時にて、バルブ5とシャフト6の接触面積が小さくなり、さらに、バルブ5の破断面とシャフト6の間の隙間に空気が入り込んで断熱されるので、シャフト6からバルブ5への伝熱性が悪くなってしまう。
そこで、本実施形態では、貫通孔44の打ち抜き後に、貫通孔44にシェービング加工を施し、剪断面44aについての貫通孔44の軸方向の長さL(図2参照)を、底部41の板厚Tvに対して所定割合以上の長さに設定している。そして、この所定割合を、バルブ5とシャフト6の溶接時にてシャフト6からバルブ5の底部41への伝熱が均一化される値としている。具体的には、所定割合を49%として、剪断面44aについての貫通孔44の軸方向の長さLを、底部41の板厚Tvに対して49%以上の長さに設定している。
ここで、出願人は、剪断面44aの長さLを設定することによる効果についての評価を行った。評価の結果、図7に示すように、バルブ5における底部41の板厚Tvに占める(対する)剪断面44aの長さLの割合(比)を示す剪断面長さ/板厚の比R2が49%未満の比較品において、溶接後のシャフト位置が目標位置の範囲外となった。これに対し、剪断面長さ/板厚の比R2が49%以上の本実施形態品(R2=49.6%,68.7%)において、溶接後のシャフト位置が目標位置の範囲内に収まった。
このように本実施形態では、剪断面44aの長さLを底部41の板厚Tvに対して所定割合以上の長さに設定しているので、溶接時におけるバルブ5とシャフト6の接触面積が大きくなり、シャフト6からバルブ5への伝熱性が良くなる。そのため、溶接時のシャフト6からバルブ5への熱伝導の均一化、すなわち、溶接時のシャフト6からバルブ5への伝熱を板厚Tv方向について均等化できるので、溶接時のバルブ5の変形を抑制できる。
また、バルブ5の底部41の板厚Tvに対するバルブ径Dv(バルブ5の径)の比を所定値(例えば、8.0~9.0)に設定することにより、バルブ5について、バルブ径Dvを維持しつつ、振動(例えば、エンジンの振動)に耐えうる重量範囲で厚肉化できる。そして、これにより、溶接後のシャフト6の位置ずれをさらに抑制できる。
以上のように本実施形態では、板厚/シャフト径の比R1が所定比以上に設定され、この所定比はバルブ5の材質に依存して決定される。このようにして、バルブ5の底部41の板厚Tvについてシャフト径Dsに対して所定比以上の大きさを確保することにより、バルブ5とシャフト6を溶接する際に生じるバルブ5の変形量を小さく抑えることができる。そのため、バルブ5と溶接されるシャフト6の位置ずれを抑制できる。ここで、所定比は、溶接直後のバルブ5の変形量が小さくなって溶接部が凝固する時のバルブ5の戻り量が小さくなることにより、溶接後のシャフト6の位置が目標位置に収まる値とする。そして、所定比はバルブ5の材質に依存して決定されるので、バルブ5の底部41の板厚Tvをバルブ5の材質に応じて設定することにより、バルブ5の材質に関わらずシャフト6の位置ずれを抑制できる。
そして、バルブ5の材質は鉄又は鉄を含んだ材質であり、前記の所定比は0.55~0.65の間で設定されている。これにより、シャフト径Dsに対して十分な大きさの板厚Tvを確保できるので、溶接直後のバルブ5の(-)方向への変形量を小さくして、溶接部が凝固する時のバルブ5の(+)方向への戻り量を小さくできる。そして、これにより、溶接後のシャフト6の位置を目標位置に収めることができる。そのため、より確実に、バルブ5と溶接されるシャフト6の位置ずれを抑制できる。
また、本実施形態では、バルブ5の質量は所定質量よりも小さい。そして、この所定質量は、EGRバルブ1に対して振動が加えられたときのバルブ5の周波数がバルブ5の共振周波数の帯域の上限値よりも高くなる値に設定されている。このようにして、バルブ5の質量の上限を設定することで、振動(例えば、エンジンの振動)によりシャフト6からバルブ5が取れることを抑制できる。
また、本実施形態では、バルブ5の貫通孔44はプレス加工により形成されたものである。そして、貫通孔44の内壁に形成された剪断面44aについての貫通孔44の軸方向の長さLは、そのバルブ5の底部41の板厚Tvに対して所定割合以上の長さとしている。そして、この所定割合は、バルブ5の底部41とシャフト6の溶接時にてシャフト6からバルブ5への伝熱を均一化できる値である。これにより、溶接時のバルブ5に対する熱伝導の均一化を図ることができるので、溶接時のバルブ5の変形を抑制できる。
そして、前記の所定割合を49%とすることにより、より確実に、溶接時のバルブ5に対する熱伝導の均一化を図ることができるので、溶接時のバルブ5の変形を抑制できる。
また、側壁部42の板厚Tw(図2参照)は、シャフト6の位置ずれの抑制に関与しないため、底部41の板厚Tvよりも小さくすることができる。これにより、バルブ5の軽量化を図ることができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
例えば、バルブ5の形状は、傘状に限らず、一方の端面が開口している立方体形状であってもよい。また、バルブ5の質量は、前記の所定質量以上に設定されていてもよい。また、バルブ5の質量は、EGRバルブ1に対して振動が加えられたときのバルブ5の周波数が耐震性悪化領域βよりも低くなる値に設定されていてもよい。また、バルブ5とシャフト6の材質は、鉄又は鉄を含んだ材質に限らず、例えばアルミニウムや真鍮であってもよい。また、バルブ5とシャフト6の溶接は、TIG溶接以外の溶接(例えばアーク溶接)により行われてもよい。
また、バルブ5の貫通孔44の剪断面44aの長さLを底部41の板厚Tvに対して所定割合以上の長さに設定するときに、剪断面長さ/板厚の比R2(所定割合)は49%よりも大きな値に設定されていてもよい。あるいは、剪断面長さ/板厚の比R2は、必ずしも考慮されなくてもよい。
また、側壁部42の板厚Twを、底部41の板厚Tvと同等以上に設定してもよい。
また、バルブ5の貫通孔44は、プレス加工により形成される以外にも、切削加工により形成されていてもよい。
また、ポペットバルブを採用するものであれば、EGRバルブに限らず、どのようなものでも本願のバルブを適用可能であり、例えば空調装置に採用される流量切替バルブがその一例である。
1 EGRバルブ
4 シート
5 バルブ
6 シャフト
7 出力軸
7a 雄ネジ
8 ステップモータ
23 マグネットロータ
27 ロータ本体
27a 雌ネジ
28 プラスチックマグネット
41 底部
42 側壁部
43 開口部
44 貫通孔
44a 剪断面
51 先端
Tv 板厚
Tw 板厚
Ds シャフト径
Dv バルブ径
R1 板厚/シャフト径の比
R2 剪断面長さ/板厚の比
α 良品範囲
β 耐震性悪化領域
fmax 上限の周波数
L 長さ

Claims (3)

  1. 弁座と、
    前記弁座に対して当接および離間するものであって、底部と前記底部の縁部から立ち上がるように設けられる側壁部とを備えるようにして前記底部に対向する側が開口した形状の弁体と、
    前記弁体の前記底部の貫通孔に挿入されて前記底部と溶接される軸部と、
    前記軸部を当該軸部の軸方向に駆動させるステップモータと、を有するポペットバルブにおいて、
    前記貫通孔は打ち抜きプレス加工により形成され、
    前記貫通孔の内壁に形成された剪断面についての前記貫通孔の軸方向の長さは、前記底部の板厚に対して所定割合以上の長さであり、
    前記所定割合は、前記弁体の前記底部と前記軸部の溶接時にて前記軸部から前記底部への伝熱を均一化できる値であること、
    を特徴とするポペットバルブ。
  2. 請求項1のポペットバルブにおいて、
    前記所定割合は49%であること、
    を特徴とするポペットバルブ。
  3. 弁座と、
    前記弁座に対して当接および離間するものであって、底部と前記底部の縁部から立ち上がるように設けられる側壁部とを備えるようにして前記底部に対向する側が開口した形状の弁体と、
    前記弁体の前記底部の貫通孔に挿入されて前記底部と溶接される軸部と、
    前記軸部を当該軸部の軸方向に駆動させるステップモータと、を有するポペットバルブにおいて、
    前記側壁部の板厚は、前記底部の板厚よりも小さいこと、
    を特徴とするポペットバルブ。
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