JP7041485B2 - ライン光源及びこれを備えた光ラインセンサユニット - Google Patents
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ここで、強度とは、可視域において、受光センサがフラットな分光感度特性を有していると仮定し、その受光センサの分光感度スペクトルに前記LED光源の発光スペクトルを掛け合わせた場合の可視域における積分値をいう。
図1は、本発明の実施の形態における光ラインセンサユニットの構成を示す概略断面図である。
これらの筐体16、ライン光源10、受光部12、レンズアレイ11は、y方向(主走査方向)、すなわち図1における紙面に対して垂直な方向に延びていて、図1はその断面を示している。
この紫外光は300nm~400nmのピーク波長を有するもので、赤外光は1500nmまでのピーク波長を有するものである。
これらの光のうち少なくとも紫外光は、他の光と時間的に重ならないようにして(すなわち時間的にスイッチングされながら)発光される。赤外光は、可視光と時間的に重なって発光されることもあり、時間的に重ならないようにして発光されることもある。
保護ガラス14の材質はライン光源10から出射される光を透過させるものであれば良く、例えばアクリル樹脂やシクロオレフィン系樹脂などといった透明の樹脂であってもよい。ただし、本発明の実施の形態では、白板ガラス、ホウケイ酸ガラスなど特に紫外光を透過させるものを使用するのが好ましい。
焦点面20から受光部12までの任意の位置に、受光部12に紫外光が入らないように、紫外光を反射又は吸収することにより遮断する紫外光遮断フィルタ15を設けることが好ましい。本発明の実施の形態では、レンズアレイ11の表面に紫外光遮断フィルタ15を取り付け、紫外光を遮断する機能を持たせている。本明細書で「光を遮断する」とは、光を反射又は吸収して、透過させないことをいう。
受光部12は基板13に実装され、反射光を受けて光電変換により電気出力として画像を読み取る受光素子を含んで構成されている。受光素子の材質・構造は特に規定されるものではなく、アモルファスシリコン、結晶シリコン、CdS、CdSeなどを用いたフォトダイオードやフォトトランジスタを配置したものであってもよい。またCCD(Charge Coupled Device)リニアイメージセンサであってもよい。さらに受光部12として、フォトダイオードやフォトトランジスタ、駆動回路及び増幅回路を一体としたIC(Integrated Circuit)を複数個並べた、いわゆるマルチチップ方式のリニアイメージセンサを用いることもできる。また、必要に応じて基板13上に駆動回路、増幅回路などの電気回路、あるいは信号を外部に取り出すためのコネクタなどを実装することもできる。さらに基板13上にA/Dコンバータ、各種補正回路、画像処理回路、ラインメモリ、I/O制御回路などを同時に実装してデジタル信号として外部に取り出すこともできる。
図3は、図1に示される光ラインセンサユニットにおけるライン光源10の外観を概略的に示す斜視図である。図4はライン光源10の各構成部材の分解斜視図、図5はライン光源10の側面図である。なお、図5ではカバー部材2の図示は省略している。
ライン光源10は、長手方向Lに沿って延びる透明な導光体1と、長手方向Lの一方の端面付近に設けられた第2の光源部3と、長手方向Lの他方の端面付近に設けられた第1の光源部4と、導光体1の各側面(底側面1a及び左右側面1b,1c)を保持するためのカバー部材2と、底側面1aと左右側面1bとの間に斜めに形成された光拡散パターン形成面1gに形成され、第2の光源部3及び第1の光源部4から導光体1の端面1e,1fに入射され導光体1の中を進む光を拡散・屈折させて、導光体1の光出射側面1dから出射させるための光拡散パターンPとを有している。また好ましくは、導光体1の端面1e,1fにそれぞれ形成された第2の光学フィルタ6、第1の光学フィルタ7を有している。
導光体1は、細長い柱状であり、その長手方向Lに直交する断面は、長手方向Lのどの切り口においても、実質的に同じ形状、同じ寸法をしている。また導光体1のプロポーション、すなわち導光体1の長手方向Lの長さと、その長手方向Lに直交する断面の高さHとの比率は10よりも大きく、好ましくは30よりも大きい。例えば導光体1の長さが200mmであれば、その長手方向Lに直交する断面の高さHは5mm程度である。
この光拡散パターンPは、導光体1の光拡散パターン形成面1gに彫刻された複数のV字状の溝により構成されている。この複数のV字状の溝の各々は、導光体1の長手方向Lに直交する方向に延びるよう形成されており、互いに同じ長さを有している。複数のV字状の溝は、断面が例えば二等辺三角形状を有していてもよい。
カバー部材2は、導光体1の長手方向Lに沿った細長い形状であり、導光体1の底側面1a及び左右側面1b,1cを覆うことができるように、導光体1の光拡散パターン形成面1gに対向する底面2a、導光体1の右側面1bに対向する右側面2b、及び導光体1の左側面に対向する左側面2cを有している。これらの3つの側面はそれぞれ平面をなしており、これらの3つの内面で断面がほぼU字状の凹部を形成するので、導光体1をこの凹部の中に挿入することができる。この覆った状態で、カバー部材2の底面2aが導光体1の底側面1aに密着し、カバー部材2の右側面2bが導光体1の右側面1bに密着し、左側面2cが導光体1の左側面1cに密着する。このため、カバー部材2で導光体1を保護することができる。
反射させる干渉フィルタとしては、例えば、酸化珪素と五酸化タンタルなどを採用し、それぞれの透過率や屈折率及び膜厚を調整して多層蒸着することにより所望のバンドパスフィルタ特性を確保することで得られる。なお、当然ながら通常の光学関連産業用に従来から生産されているバンドパスフィルタで、要求性能を満足するものであれば、採用に際して特に制限はない。
第2の光学フィルタ6が紫外光を吸収する光学フィルタであれば、有機系の紫外光吸収剤を透明フィルムに混入あるいはコーティングした紫外光吸収フィルムであってもよい。また、干渉フィルタで、例えば、酸化珪素と酸化チタンなどを採用し、それぞれの透過率や屈折率及び膜厚を調整して多層蒸着することにより紫外光を反射、吸収両機能により遮断することで所望波長特性を確保してもよい。
なお、第2の光学フィルタ6、第1の光学フィルタ7の導光体1への設置方法は任意であり、導光体1の端面1e,1fに塗布又は蒸着により被覆してもよい。またフィルム状もしくは板状の第2の光学フィルタ6、第1の光学フィルタ7を用意し、導光体1の端面1e,1fに密着させて、もしくは端面1e,1fから一定の距離をおいて取り付けてもよい。
また、第2の光学フィルタ6、第1の光学フィルタ7を導光体1の端面1e,1fに設けるのではなく、第2の光源部3、第1の光源部4に設けることも可能である。この場合、各光源部3,4に光学フィルタ6,7を塗布又は蒸着により被覆してもよいし、フィルム状もしくは板状の光学フィルタ6,7を用意し、各光源部3,4に密着させて取り付けてもよい。あるいは、第2の光源部3の封止剤に、可視光を透過させ、紫外光を遮断する物質を添加することにより、第2の光学フィルタ6を構成してもよい。同様に、第1の光源部4の封止剤に、紫外光を透過させ、可視光を遮断する物質を添加することにより、第1の光学フィルタ7を構成してもよい。
第2の光源部3の白色LED光源から発光される白色光、単色LED光源3R,3G,3B,3Vから発光される複数色の単色光は、第2の光学フィルタ6を介して導光体1に入射し、光拡散パターン形成面1gにより拡散・屈折して、光出射側面1dから焦点面20にある紙葉類(媒体)に照射される。これにより、可視光を用いた紙葉類の識別を行うことができる。
図6は、受光部12の素子配列を示す模式図である。受光部12は、y方向に直線状に並べられた複数の受光素子(それぞれフォトダイオード、フォトトランジスタなどで構成される)と信号処理部21とドライバ22とを一体化させたセンサICチップを配列し、各受光素子をカラーフィルタで覆い、これを基板上に実装したものである。ドライバ22は受光素子を駆動するためのバイアス電流を作成し供給する回路部分であり、信号処理部21は受光素子の光検出信号を読み取り処理する回路部分である。受光素子の種類は、限定されないが、例えばシリコンPNダイオード若しくはPINダイオードが用いられる。
このように、受光部12には、各画素に対応付けて可視光カラーフィルタ(R,G,B)が設けられ、このカラーフィルタを透過した光が各受光素子に入射する。ただし、カラーフィルタは、各画素につき3色に限らない。
なお、図6では1素子のみが同一色のカラーフィルタで覆われていたが、2つ以上の受光素子が同一色のカラーフィルタで覆われていてもよい。
なお、有機材料においては、液晶用途に用いられる紫外光吸収剤を含んだ透明材料は、紫外光に対して透明でないので、採用することは好ましくない。
このように、受光部12は、一画素に複数の受光素子とそれらを覆う各色のカラーフィルタが搭載されているため、光源の波長を切り替えないで、それぞれが所望の波長領域の光を単独で照射できる複数の発光素子を同時に点灯させて、紙葉類の色情報を1本の観測ラインで一度に出力することが可能となる。
また、透明(W)フィルタの代わりに、緑(G)のカラーフィルタを設けることにより、RGBGRGBG・・・というような配列にしてもよい。
図8は、白色LED光源3WとRGB各色の単色LED光源3R,3G,3Bを同時点灯させたときの発光スペクトルを示した図である。
図10は、白色LED光源3WとRGBV各色の単色LED光源3R,3G,3B,3Vを同時点灯させたときの発光スペクトルを示した図である。
図12は、白色LED光源3WとRG各色の単色LED光源3R,3Gを同時点灯させたときの発光スペクトルを示した図である。
本実施形態では、白色LED光源3W及び複数の単色LED光源(RGB各色の単色LED光源3R,3G,3Bの少なくとも2つ)を同時点灯させて紙葉類を照明することにより、sRGBの色域との差異を小さくすることができる。したがって、白色LED光源3Wから発生する白色光の強度と、複数の単色LED光源(RGB各色の単色LED光源3R,3G,3Bの少なくとも2つ)から発生する各単色光の強度とを適切に設定すれば、sRGBの色域をより忠実に再現することができる。
この場合、白色LED光源3Wと複数の単色LED光源(RGB各色の単色LED光源3R,3G,3Bの少なくとも2つ)を同時に用いたときに、各単色光のピーク波長が白色LED光源3Wの青色波長領域における発光スペクトルのピーク波長と異なっていることがより望ましい。特に、白色LED光源3Wの青色波長領域における発光スペクトルのピーク波長よりも短波長側に、単色LED光源3Bの発光スペクトルのピーク波長があれば、3色光源で4色光源効果が得られるため更に一層好ましい。
ライン光源10は、導光体1に対して長手方向Lの一方又は両方の端面から光を入射させ、光拡散パターンPで光を拡散・屈折させるような構成に限らず、導光体1の底側面1a側から光出射側面1dを介して焦点面20に光を直接照射するような構成(いわゆる直下型)であってもよい。この場合、紫外光源が、導光体の長手方向に沿って並べて複数設けられ、導光体の内部に紫外光を入射させるような構成であってもよい。また、赤外光源が、導光体の長手方向における一方の端面に対向し、当該一方の端面から導光体の内部に赤外光を入射させてもよい。さらに、白色LED光源及び複数の単色LED光源(RGB各色の単色LED光源3R,3G,3Bの少なくとも2つ)が、導光体の長手方向における他方の端面に対向し、当該他方の端面から導光体の内部に光を入射させてもよい。
3 第2の光源部
3W 白色LED光源
3R,3G,3B,3V 単色LED光源
4 第1の光源部
10 ライン光源
11 レンズアレイ
12 受光部
P 光拡散パターン
Claims (11)
- 紙葉類を読み取る光ラインセンサユニットの照明光源として用いられるライン光源であって、
蛍光体を蛍光させることにより白色光を発生させる白色LED光源と、
赤色及び緑色の2色の単色光を発生させる複数の単色LED光源とを備え、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源を同時点灯させて前記紙葉類を照明することによりsRGBの色域との差異を小さくするように構成され、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源を同時点灯させたときの発光スペクトルにおける赤色、緑色、青色の各色に対応するピーク強度をIr、Ig、Ibで表したとき、
Ig<Ib<Ir
を満足するとともに、
前記発光スペクトルが、Igに対応するピークとIbに対応するピークとの間における460nm以上かつ520nm以下の波長に極小値を有することを特徴とするライン光源。 - 紙葉類を読み取る光ラインセンサユニットの照明光源として用いられるライン光源であって、
蛍光体を蛍光させることにより白色光を発生させる白色LED光源と、
赤色、緑色及び青色の3色の単色光を発生させる複数の単色LED光源とを備え、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源を同時点灯させて前記紙葉類を照明することによりsRGBの色域との差異を小さくするように構成され、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源を同時点灯させたときの発光スペクトルにおける赤色、緑色、青色の各色に対応するピーク強度をIr、Ig、Ibで表したとき、
Igに対応するピークが、Ir及びIbに対応するピークに比べてブロードな特性を有し、
Ig<Ir<Ib
を満足するとともに、
前記発光スペクトルが、Igに対応するピークとIbに対応するピークとの間における460nm以上かつ520nm以下の波長に極小値を有することを特徴とするライン光源。 - 紙葉類を読み取る光ラインセンサユニットの照明光源として用いられるライン光源であって、
蛍光体を蛍光させることにより白色光を発生させる白色LED光源と、
赤色、緑色、青色及び紫色の4色の単色光を発生させる複数の単色LED光源とを備え、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源を同時点灯させて前記紙葉類を照明することによりsRGBの色域との差異を小さくするように構成され、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源を同時点灯させたときの発光スペクトルにおける赤色、緑色、青色、紫色の各色に対応するピーク強度をIr、Ig、Ib、Ivで表したとき、
Igに対応するピークが、Ir、Ib及びIvに対応するピークに比べてブロードな特性を有し、
Ig<Ir<Ib<Iv
を満足するとともに、
前記発光スペクトルが、Igに対応するピークとIbに対応するピークとの間における460nm以上かつ520nm以下の波長に極小値を有することを特徴とするライン光源。 - 前記白色LED光源から発生する白色光の強度が、前記複数の単色LED光源から発生する各単色光の強度よりも大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のライン光源。
- 前記白色LED光源から発生する白色光の発光スペクトルは、前記複数の単色LED光源から発生する各単色光の発光スペクトルよりもブロードな発光スペクトルを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のライン光源。
- 前記白色LED光源の出力が10%から90%に立ち上がるまでの時間、及び、90%から10%に立ち下がるまでの時間のそれぞれが、2μ秒以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のライン光源。
- 前記蛍光体が、YAG蛍光体であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のライン光源。
- 長尺形状を有し、長手方向に沿って出射面が形成された導光体と、
前記導光体の長手方向に沿って設けられ、前記導光体の内部に入射した光を拡散させて前記出射面から出射させる光拡散パターンと、
前記導光体の長手方向における一方の端面に対向し、当該一方の端面から前記導光体の内部に紫外光を入射させる紫外光源とをさらに備え、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源は、前記導光体の長手方向における他方の端面に対向し、当該他方の端面から前記導光体の内部に光を入射させることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のライン光源。 - 長尺形状を有し、長手方向に沿って出射面が形成された導光体と、
前記導光体の長手方向に沿って並べて設けられ、前記導光体の内部に紫外光を入射させる複数の紫外光源と、
前記導光体の長手方向における一方の端面に対向し、当該一方の端面から前記導光体の内部に赤外光を入射させる赤外光源とをさらに備え、
前記白色LED光源及び前記複数の単色LED光源は、前記導光体の長手方向における他方の端面に対向し、当該他方の端面から前記導光体の内部に光を入射させることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のライン光源。 - 前記複数の単色LED光源のうち、青色の単色光を発生させる単色LED光源の発光スペクトルのピーク波長が、前記白色LED光源の青色波長領域における発光スペクトルのピーク波長よりも短波長であることを特徴とする請求項2又は3に記載のライン光源。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載のライン光源と、
前記ライン光源から出射され、前記紙葉類で反射又は透過した光を導くためのレンズアレイと、
前記レンズアレイにより収束された光を受光し、電気信号に変換する受光部とを備えることを特徴とする光ラインセンサユニット。
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