JP7040413B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、シートバック部及びヘッドレスト部を有するシートバック構造体にベルトガイド部が設けられた車両用シートに関する。
車両用シートにおけるシートバックの斜め後上方にシートベルト装置のアンカーが配置される2人乗りクーペ車のような車両では、シートベルトを装着する際に、シートベルトに手が届きやすく、また、装着状態でシートベルトの位置がずれにくいこと等が求められる。
そこで、図8に示すように、シートバック部53とその上側のヘッドレスト部54とを有するシートバック構造体52を備える車両用シート51では、シートバック部53の幅方向におけるシートバック構造体52のアンカー57側の箇所にベルトガイド部55が設けられる場合がある。
この場合、シートベルト装置のシートベルト56は、シートバック構造体52の外部に設置されたリトラクタ58から引き出される。シートベルト56は、アンカー57を経由して、ベルトガイド部55に対し後方から前方に向けて挿通され、シートバック構造体52の前方に導かれる。
上記車両用シート51では、シートバック構造体52の傾斜角度に拘わらず常にシートベルト56がベルトガイド部55に挿通された状態に保持される。そのため、シートバック構造体52が図8に示すように後方へ大きく傾動された場合、シートベルト56の形態がベルトガイド部55から影響を受ける。シートベルト56は、ベルトガイド部55で折れ曲がった形態となる。従って、シートベルト56を、図8において二点鎖線で示すような適切なベルトパスに保持することが難しい。
一方、特許文献1には、図9に示すように、リトラクタ(図示略)がシートバック構造体52に搭載(内蔵)され、かつヘッドレスト部54にベルトガイド部55が設けられた車両用シート61が記載されている。ベルトガイド部55は、ヘッドレスト部54を貫通し、かつ一端が同ヘッドレスト部54の前面において開口し、他端がヘッドレスト部54の底面又は後面において開口する孔62を有している。上記車両用シート61では、リトラクタから引き出されたシートベルト56がベルトガイド部55の孔62に挿通されて、シートバック構造体52の前方に導かれている。なお、図9において、図8と同様の要素については、同一の符号が付されている。この車両用シート61では、シートバック構造体52の傾動に拘わらず、シートベルト56がベルトガイド部55に対し同じ形態で挿通された状態に保持される。そのため、上述したような問題は起こりにくい。
特開平10-315911号公報
ところが、上記特許文献1に記載された車両用シート61は、シートバック構造体52にリトラクタを搭載(内蔵)していることを前提として、上記の効果を発揮する。そのため、先述したような、シートバック構造体52にリトラクタが搭載(内蔵)されていない一般的なベルトガイド部付き車両用シート51においても、シートバック構造体52の傾斜角度に拘わらず、シートベルト56を適切なベルトパスに保持できることが望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、リトラクタがシートバック構造体に搭載されていない車両用シートにおいて、シートバック構造体の傾斜角度に拘わらず、シートベルトを適切なベルトパスに保持できるようにすることである。
上記課題を解決する車両用シートは、シートバック部と、前記シートバック部の上側のヘッドレスト部とを有するシートバック構造体を備え、前記シートバック部は、同シートバック部の幅方向に延びる軸線を有する軸により前後方向へ傾動可能に支持され、前記シートバック構造体の外部のリトラクタから引き出されたシートベルトが、同シートバック構造体の外部であって前記幅方向における一方となる箇所に配置されたアンカーを経由し、前記シートバック構造体の後方から前方へ導かれる車両用シートであって、前記シートバック構造体の上部の前記幅方向における前記アンカー側の箇所には、同アンカーを経由した前記シートベルトが挿通されるベルトガイド部が設けられ、前記ベルトガイド部は、前記幅方向における前記アンカー側の端部が開放され、かつ前記シートベルトが挿通される切欠き部を有しており、前記切欠き部の上面は、前記軸線との間隔が前記幅方向における前記アンカー側ほど増大するように同軸線に対し傾斜している。
上記の構成によれば、装着状態のシートベルトがベルトガイド部の切欠き部内に挿通されているシートバック構造体が後方へ傾動されると、切欠き部の上面とシートベルトとが干渉し合う。ここで、切欠き部が上記の条件を満たすように軸線に対し傾斜していることから、シートベルトに対しては、これをアンカー側へ押し出そうとする力が作用する。シートバック構造体の後方への傾動に伴い、上面とシートベルトとの干渉が強まり、上記力が強まる。そのため、シートバック構造体の後方への傾動の途中で、シートベルトが切欠き部の開放部分から押し出され、ベルトガイド部から離脱する。シートベルトの形態が、ベルトガイド部から影響を受けにくくなる。
また、上記のようにシートベルトがベルトガイド部から離脱した状態のシートバック構造体が前方へ傾動されると、シートベルトは同シートバック構造体によって前方へ押される。シートバック構造体の前方への傾動に伴い、シートベルトがシートバック構造体上を、ベルトガイド部に近づく側へ摺動する。そして、シートバック構造体が所定の角度まで傾動すると、シートベルトが切欠き部の開放部分からベルトガイド部内に入り込み、切欠き部内に挿通された最初の状態に戻る。
このように、シートバック構造体が後方及び前方へ傾動することにより、シートベルトがベルトガイド部から離脱したり、ベルトガイド部内に入り込んだりする。そのため、乗員がシートベルトを操作しなくても、シートバック構造体の傾斜角度によらず、シートベルトを適切なベルトパスに保持することが可能となる。
上記車両用シートにおいて、前記ベルトガイド部における前記切欠き部の下面には、同切欠き部に挿通された前記シートベルトよりも前記幅方向における前記アンカー側の箇所から上方へ突出する返し部が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、シートバック構造体が後方へ大きく傾動されていない状態(起立状態)でのシートベルト非装着時に、切欠き部に挿通されたシートベルトが下面に沿ってシートバック部の幅方向におけるアンカー側へ動こうとすると返し部に当たり、それ以上アンカー側へ動くことを規制される。シートベルトはベルトガイド部にとどめられやすい。従って、次回、シートベルトを装着する際には、車両用シートに着座した乗員は体勢を大きく変えなくてもシートベルトを把持しやすく、装着操作を楽に行うことが可能となる。
上記車両用シートにおいて、前記ベルトガイド部は、前記シートバック構造体に埋没した状態で設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、ヘッドレスト部がシートバック部の幅方向に寸法の大きなものであっても、ベルトガイド部が、シートバック構造体に埋没した状態で設けられることで、同シートバック構造体の後方からシートベルトを、同シートバック構造体の前方であって、乗員を拘束するうえでより望ましい箇所に導くことが可能となる。
特に、ヘッドレスト部がシートバック部に一体に形成されるシートバック構造体は、製造のしやすさ等の点から、ヘッドレスト部の上記幅方向における寸法が、シートバック部における同方向の寸法と同程度となるように形成される場合がある。この場合には、上記の効果が特に有効である。
上記車両用シートにおいて、前記アンカーは、前記シートバック構造体の後方であり、かつ前記幅方向のうち前記ベルトガイド部から遠ざかる方向であり、かつ前記ベルトガイド部よりも上方に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、アンカーが上記の条件を満たす箇所に設置されると、リトラクタによって巻き取られるシートベルトのうちアンカーよりも前側部分に対しては、同アンカーに向かう力、すなわち、シートバック部の幅方向におけるアンカー側の斜め後上方へ向かう力が作用する。
従って、装着状態のシートベルトがベルトガイド部の切欠き部内に挿通されているシートバック構造体が後方へ傾動されると、上述したように、シートベルトに対し、これを幅方向におけるアンカー側へ押し出そうとする力が作用し、シートベルトがベルトガイド部から離脱する。また、シートベルトがベルトガイド部から離脱した状態のシートバック構造体が前方へ傾動されると、シートベルトがシートバック構造体によって押されてそのシートバック構造体上を摺動し、ベルトガイド部内に入り込む。
上記車両用シートによれば、リトラクタがシートバック構造体に搭載されていない車両用シートにおいて、シートバック構造体の傾斜角度に拘わらず、シートベルトを適切なベルトパスに保持することができる。
車両用シートの一実施形態を示す図であり、シートバック構造体が鉛直面に対し後方へ25°傾動された車両用シートを、シートベルト装置及び乗員とともに示す部分斜視図。 一実施形態におけるシートバック構造体の上部の部分正面図。 図2の切欠き部にシートベルトが挿通されたシートバック構造体の上部を拡大して示す部分正面図。 同じく、切欠き部にシートベルトが挿通されたシートバック構造体の上部を示す部分側面図。 一実施形態におけるシートバック構造体が鉛直面に対し後方へ45°傾動された車両用シートを、シートベルト装置及び乗員とともに示す部分斜視図。 (a)~(c)は、図1のシートバック構造体が後方へ傾動される場合の車両用シートを、シートベルト装置及び乗員とともに示す部分斜視図。 (a)~(c)は、図5のシートバック構造体が前方へ傾動される場合の車両用シートを、シートベルト装置及び乗員とともに示す部分斜視図。 従来の一般的なベルトガイド部付き車両用シートを示す図であり、シートバック構造体が後方へ大きく傾動された場合のシートベルトの形態を示す側面図。 特許文献1に記載された車両用シートの斜視図。
以下、車両用シートの一実施形態について、図1~図7を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。また、車幅方向(左右方向)については、車両を後方から見た場合を基準として方向を規定する。
車両用シートが適用される車両としては、例えば、2人乗りのクーペ車が挙げられるが、シートベルト装置におけるアンカーが後述する条件1~3を満たす箇所に配置されている車両であれば、上記クーペ車とは異なるタイプであってもよい。
図1に示すように、車両用シート11は、乗員P1が着座するシートクッション12と、乗員P1の上半身を後ろ側から支えるシートバック構造体13とを備えている。シートバック構造体13は、シートバック部15と、そのシートバック部15の上側に一体に設けられたヘッドレスト部16とを有している。シートバック部15は、そのシートバック部15の下部において幅方向に延びる軸線L1を有する軸14により、シートクッション12に対し前後方向に傾動可能に支持されている。シートバック部15は、車両前方を向く姿勢で車室内に配置されており、同シートバック部15の幅方向は、車幅方向と合致している。
図2~図4における二点鎖線は、シートバック構造体13におけるシートバック部15とヘッドレスト部16との境界部分を示している。ヘッドレスト部16の上記幅方向における寸法は、意匠上等の観点からシートバック部15の同方向の寸法と同程度に設定されている。ヘッドレスト部16の上記寸法は、ヘッドレスト部がシートバック部とは別体によって構成される一般的な車両用シートにおける同ヘッドレスト部の上記幅方向における寸法よりも大きい。
図1に示すように、車両には、シートクッション12に着座してシートバック構造体13に凭れている乗員P1を車両用シート11に拘束するための3点式のシートベルト装置20が装備されている。このシートベルト装置20におけるシートベルト21の一方の端部は、車両用シート11の車外側の側部、車体の床等に固定されている。シートベルト21の他方の端部は、車体において車両用シート11の車外側となる箇所に固定されたベルト巻き取り用のリトラクタ22に固定されている。
また、車体のインナーフレーム等において、下記条件1~条件3を満たす箇所には、ガイド孔26を有するアンカー25が取り付けられている。
条件1:シートバック構造体13よりも後方であること。
条件2:シートバック部15の幅方向のうち、後述するベルトガイド部31から遠ざかる方向であること。
条件3:ベルトガイド部31よりも上方であること。
アンカー25は、上記リトラクタ22よりも上側に位置している。リトラクタ22から引き出されたシートベルト21は、上記アンカー25のガイド孔26に挿通されている。
シートベルト21にはタング(図示略)が移動可能に取付けられている。また、車両用シート11の車内側近傍、例えば、車体の床、車両用シート11等には、タングが係脱可能に装着されるバックル(図示略)が取り付けられている。
そして、シートベルト21に沿ってタングを移動させることにより、同シートベルト21におけるショルダベルト部23及びラップベルト部24の各長さを変更可能である。ここで、ショルダベルト部23は、乗員P1の肩部PSから斜めに胸部PTの前を経由して腰部PPの側方に架け渡されて、肩部PS及び胸部PTを拘束する箇所であり、シートベルト21のうち、アンカー25とタングとの間の部分によって構成される。また、ラップベルト部24は、シートベルト21において乗員P1の腰部PPの一側方から上記幅方向に腰部PPの前を経由して他側方に架け渡されて、腰部PPを拘束する箇所であり、シートベルト21のうち、タング(バックル)と、車両用シート11の車外側の側部等に対する固定箇所との間の部分によって構成されている。
タングは、シートベルト21によって乗員P1を車両用シート11に拘束する場合にはバックルに係合される。このタングがバックルに係合された状態を、以下「シートベルト21の装着状態」というものとする。また、上記係合は、上記乗員P1の拘束を解く場合に、タングがバックルから外されることによって解除される。タングがバックルから外された上記の状態を、以下「シートベルト21の非装着状態」というものとする。
シートベルト21は、アンカー25を経由することで、リトラクタ22から引き出される方向がアンカー25において変えられている。この引き出し方向は、リトラクタ22及びアンカー25の間では略上方であり、アンカー25及びタング(バックル)の間では略前方である。
図2及び図3に示すように、シートバック部15の幅方向におけるシートバック構造体13のアンカー25側であって、同アンカー25を経由したシートベルト21が通過する箇所にはベルトガイド部31が設けられている。本実施形態では、ベルトガイド部31は、ヘッドレスト部16の下部であって、上記幅方向におけるアンカー25側の箇所に設けられている。ベルトガイド部31は、上記背景技術の項で説明したように、シートベルト21を装着する際に、同シートベルト21を手が届きやすい箇所に位置させたり、装着状態でシートベルト21の位置をずれにくくしたりする等の役割を担っている。ベルトガイド部31は、ヘッドレスト部16の他の箇所よりも硬質の材料、例えば硬質樹脂材料等によって形成されている。ベルトガイド部31は、ヘッドレスト部16に埋没した状態で設けられている。
図2~図4に示すように、ベルトガイド部31は、上記幅方向におけるアンカー25側の端部が開放された切欠き部32を有している。切欠き部32は、ヘッドレスト部16のアンカー25側の側面16aにおいて開放されており、互いに上下方向に対向する上面33及び下面35を有している。下面35は、シートバック部15における上記軸線L1との間隔d1が上記幅方向に均一な平面によって構成されている。上面33は、上記軸線L1との間隔d2が上記幅方向におけるアンカー25側ほど増大するように、同軸線L1に対し傾斜する平面によって構成されている。そして、上記アンカー25を経由したシートベルト21のショルダベルト部23は、切欠き部32における上面33及び下面35の間を後方から前方に向けて挿通されている。
切欠き部32の下面35には、同切欠き部32に挿通されたシートベルト21よりも上記幅方向におけるアンカー25側の箇所から上方へ突出する返し部34が形成されている。本実施形態では、返し部34は、下面35の上記幅方向におけるアンカー25側の端部に形成されている。また、返し部34は、ベルトガイド部31の一部として、同ベルトガイド部31の他の部分と一体に形成されている。返し部34は、切欠き部32に挿通されたシートベルト21のアンカー25側への動きを規制する役割を担っている。
次に、上記のように構成された本実施形態の車両用シート11の作用及び効果について説明する。
図1は、シートバック構造体13が軸14を支点として鉛直面に対し後方へ25°傾動された状態を示している。装着状態のシートベルト21がベルトガイド部31の切欠き部32内に挿通されている。
アンカー25が上記条件1~3を満たす箇所に設置されていることから、リトラクタ22によって巻き取られるシートベルト21のうち、アンカー25よりも前側部分に対しては、同アンカー25に向かう力、すなわち、シートバック部15の幅方向におけるアンカー25側の斜め後上方へ向かう力が作用する。
シートバック構造体13が、図1において矢印で示すように後方へ傾動されると、図3及び図4に示すように、切欠き部32の上面33とシートベルト21とが干渉し合う。上面33は、上述したように、軸線L1との間隔d2がシートバック部15の幅方向におけるアンカー25側ほど増大するように、同軸線L1に対し傾斜している。このことから、シートベルト21に対しては、これを上記幅方向におけるアンカー25側へ押し出そうとする力F1が作用する。図6(a),(b),(c)は、シートバック構造体13が鉛直面に対し後方へそれぞれ30°,35°,40°傾動された状態を示している。シートバック構造体13の後方への傾動に伴い、上記上面33とシートベルト21との干渉が、図6(a)→(b)→(c)の順に強まり、上記力F1が強まる。この力F1により、シートベルト21が切欠き部32の開放部分から押し出される。
図5は、シートバック構造体13が鉛直面に対し、上記図6(c)よりも後方へ多く、ここでは45°傾動された状態を示している。同図5に示すように、切欠き部32から押し出されたシートベルト21は、アンカー25及びタングの間で真っ直ぐになろうとして、ベルトガイド部31から上側へ離脱する。シートベルト21の形態は、ベルトガイド部31から影響を受けにくくなる。シートベルト21は、上記図8を用いて説明した従来のベルトガイド部55付き車両用シート51とは異なり、ベルトガイド部31において折り曲げられず、アンカー25とタングとの間において適切なベルトパスに保持される。従って、シートベルト21の折り曲げが原因でリトラクタ22の巻き取り性が低下することが起こりにくい。
また、上記のように、シートベルト21がベルトガイド部31から上側へ離脱した状態のシートバック構造体13が、図5において矢印で示すように前方へ傾動されると、その傾動の最初から又は途中からシートベルト21はシートバック構造体13によって前方へ押される。図7(a),(b),(c)は、シートバック構造体13が鉛直面に対し後方へそれぞれ40°,35°,30°傾斜した箇所まで傾動された状態を示している。シートバック構造体13の前方への傾動に伴い、同シートバック構造体13によって前方へ押されたシートベルト21は、シートバック構造体13上を、ベルトガイド部31に近づく側である下側へ摺動する。このシートベルト21の摺動量は、図7(a)→(b)→(c)の順に多くなる。シートベルト21は、この順にベルトガイド部31に近づく。そして、シートバック構造体13が、図1に示すように所定の角度(25°)まで傾動すると、シートベルト21がベルトガイド部31に到達し、開放部分から切欠き部32内に入り込む。シートバック構造体13は、シートベルト21が切欠き部32の上面33及び下面35の間に挿通された、図3に示す最初の状態に復帰する。
このように、本実施形態によれば、シートバック構造体13の傾斜角度によらず、シートベルト21を適切なベルトパスに保持することができる。
ここで、図8を用いて説明した従来の車両用シート51におけるベルトガイド部55が、シートバック構造体52を後方へ傾動させたときに、乗員がシートベルト56をベルトガイド部55から外部へ取り出すことのできる機構を有しているケースも考えられる。ただし、この場合、シートバック構造体52を前方へ傾動させたときに、乗員が手で再びシートベルト56をベルトガイド部55に掛ける操作が必要であり、その分手間がかかる。
しかし、本実施形態では、上述したように、シートバック構造体13が後方及び前方へ傾動することにより、シートベルト21がベルトガイド部31から離脱したり、ベルトガイド部31内に入り込んだりする。そのため、乗員P1がシートベルト21を操作しなくても、すなわち、手間をかけなくても、シートベルト21を適切なベルトパスに保持するといった上記効果を得ることができる。
さらに、本実施形態は、ベルトガイド部31がシートバック構造体13に埋没した状態で設けられている点で特許文献1(図9参照)と共通する。しかし、本実施形態は、ベルトガイド部31がシートバック部15の幅方向におけるアンカー25側の端部で開放された切欠き部32を有している点で、ベルトガイド部55が孔62を有しているが、上記幅方向におけるアンカー側部分が開放されていない特許文献1と異なる。そのため、特許文献1では、シートベルト56をベルトガイド部55から離脱させることができない。しかし、本実施形態では、シートベルト21のベルトガイド部31からの離脱及びベルトガイド部31への復帰が可能である。
また、シートベルト21は、非装着状態にされたときには、リトラクタ22の巻き取り力によって、シートバック部15の幅方向におけるアンカー25側であって、車両用シート11、車体の床等に対する固定部分とアンカー25との間において縦方向に緊張状態になろうとする。そのため、シートバック構造体13が後方へ大きく傾動されていない状態でのシートベルト21の非装着時には、切欠き部32に挿通されたシートベルト21が下面35に沿って上記アンカー25側へ動こうとする。しかし、シートベルト21は返し部34に当たり、それ以上アンカー25側へ動くことを規制される。シートベルト21はベルトガイド部31にとどめられやすい。従って、次回のシートベルト21の装着時には、車両用シート11に着座した乗員P1は、手を遠くまで伸ばす等、体勢を大きく変えなくてもシートベルト21を把持しやすく、装着操作を楽に行うことが可能となる。
ところで、本実施形態では、ベルトガイド部31が上述したようにシートバック構造体13(ヘッドレスト部16)に埋没した状態で設けられている。シートベルト21は、ヘッドレスト部16において側面16aよりも上記幅方向における内側、表現を変えると、アンカー25から遠ざかった箇所に位置する。そのため、シートバック部15の幅方向におけるヘッドレスト部16の寸法が大きいが、シートベルト21が側面16aよりもアンカー25側に位置する場合に比べ、シートバック構造体13の後方からシートベルト21を、同シートバック構造体13の前方であって、乗員P1を拘束するうえでより望ましい箇所に導くことができる。
本実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
・返し部34がベルトガイド部31の一部として、同ベルトガイド部31に一体に形成されている。そのため、返し部34がベルトガイド部31とは別部材によって構成される場合に比べて、部品点数を少なくすることができる。
また、ベルトガイド部31の一部を下面35から上方へ突出させることで返し部34が形成されているため、返し部34を有するベルトガイド部31をシンプルな形状にすることができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・ヘッドレスト部16がシートバック部15に一体に形成されるシートバック構造体13は、製造のしやすさ等の点から、シートバック部15の幅方向におけるヘッドレスト部16の寸法が、シートバック部15における同方向の寸法と同程度となるように形成される場合がある。
この場合にも上記実施形態と同様に、ベルトガイド部31が、シートバック構造体13のヘッドレスト部16に埋没した状態で設けられることで、シートバック構造体13の後方からシートベルト21を、同シートバック構造体13の前方であって、乗員P1を拘束するうえでより望ましい箇所に導くといった上記効果が特に有効となる。
・切欠き部32における上面33は、平面に代えて、上方へ凹む湾曲面、又は下方へ膨らむ湾曲面によって構成されてもよい。ただし、いずれの場合にも、上面33は、軸線L1との間隔d2がシートバック部15の幅方向におけるアンカー25側ほど増大するように、同軸線L1に対し傾斜していることが必要である。
・切欠き部32における下面35は、軸線L1との間隔d1がシートバック部15の幅方向に均一な面に代えて、上記間隔d1が同幅方向におけるアンカー25側ほど増大する又は減少するように同軸線L1に対し傾斜する面によって構成されてもよい。
ただし、下面35が、間隔d1が減少するように軸線L1に対し傾斜する場合には、返し部34がシートベルト21の動きを規制する性能が低下する。そのため、返し部34の性能を発揮させる観点からは、下面35は間隔d1がシートバック部15の幅方向に均一か、間隔d1が同幅方向におけるアンカー25側ほど増大するように軸線L1に対し傾斜することが望ましい。
・返し部34は、切欠き部32に挿通されたシートベルト21のアンカー25側への動きを規制する要求がない場合には、省略可能である。
・返し部34は、切欠き部32に挿通されたシートベルト21よりもシートバック部15の幅方向におけるアンカー25側の箇所であることを条件に、ヘッドレスト部16の側面16aよりも切欠き部32内へ入り込んだ箇所に形成されてもよい。
・上記車両用シート11は、シートバック構造体13におけるヘッドレスト部16がシートバック部15とは別体によって構成された車両用シートにも適用可能である。この場合、ベルトガイド部31は、ヘッドレスト部16の下部であって、シートバック部15の幅方向におけるアンカー25側の部分に埋没した状態で設けられてもよいし、シートバック部15の上部の幅方向におけるアンカー25側の部分に埋没した状態で設けられてもよい。
・上記車両用シート11は、ベルトガイド部31がシートバック構造体13から突出した状態で設けられた車両用シートにも適用可能である。この場合、ベルトガイド部31は、ヘッドレスト部16の下部からシートバック部15の幅方向におけるアンカー25側へ突出した状態で設けられてもよいし、シートバック部15の幅方向におけるアンカー25側の部分から上方へ突出した状態で設けられてもよい。また、ベルトガイド部31は、ヘッドレスト部16の下部であって、シートバック部15の幅方向におけるアンカー25側の部分と、シートバック部15の上部の幅方向におけるアンカー25側の部分とに跨がって設けられてもよい。いずれの場合にも、ベルトガイド部31は、アンカー25側の端部において開放された切欠き部32を有する。
・上記車両用シート11は、シートバック部15が車両の前方とは異なる方向、例えば側方を向く姿勢で配置される車両にも適用可能である。
・上記車両用シート11は、3つ以上の車両用シートが車幅方向に並設された車両における車両にも適用可能である。
・上記車両用シート11は、前席及び後席を備える車両において、後席を構成する車両用シートに適用されてもよいし、前席を構成する車両用シートに適用されてもよい。
・上記車両用シート11が適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
11…車両用シート、13…シートバック構造体、14…軸、15…シートバック部、16…ヘッドレスト部、21…シートベルト、22…リトラクタ、25…アンカー、31…ベルトガイド部、32…切欠き部、33…上面、34…返し部、35…下面、d1,d2…間隔、L1…軸線。

Claims (4)

  1. シートバック部と、前記シートバック部の上側のヘッドレスト部とを有するシートバック構造体を備え、
    前記シートバック部は、同シートバック部の幅方向に延びる軸線を有する軸により前後方向へ傾動可能に支持され、
    前記シートバック構造体の外部のリトラクタから引き出されたシートベルトが、同シートバック構造体の外部であって前記幅方向における一方となる箇所に配置されたアンカーを経由し、前記シートバック構造体の後方から前方へ導かれる車両用シートであって、
    前記シートバック構造体の上部の前記幅方向における前記アンカー側の箇所には、同アンカーを経由した前記シートベルトが挿通されるベルトガイド部が設けられ、
    前記ベルトガイド部は、前記幅方向における前記アンカー側の端部が開放され、かつ前記シートベルトが挿通される切欠き部を有しており、
    前記切欠き部の上面は、前記軸線との間隔が前記幅方向における前記アンカー側ほど増大するように同軸線に対し傾斜しており、
    前記ベルトガイド部は、
    装着状態の前記シートベルトが前記切欠き部に挿通されている状態で起立状態の前記シートバック構造体が後方へ傾動する場合には、前記シートバック構造体が後方へ傾動することに伴って、前記上面と前記シートベルトとの干渉によって前記シートベルトが前記アンカー側に押し出されることで、前記切欠き部において開放されている前記端部から前記シートベルトが離脱するように構成されており、
    前記装着状態の前記シートベルトが前記切欠き部に挿通されていない状態で前記シートバック構造体が前記起立状態に向けて前方へ傾動する場合には、前記シートバック構造体が前方へ傾動することに伴って前記シートベルトが前記端部に近づく方向に前記シートベルトが前記シートバック構造体上を摺動すると、前記シートベルトが前記端部から前記切欠き部に入り込むように構成されている車両用シート。
  2. 前記ベルトガイド部における前記切欠き部の下面には、同切欠き部に挿通された前記シートベルトよりも前記幅方向における前記アンカー側の箇所から上方へ突出する返し部が設けられている請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記ベルトガイド部は、前記シートバック構造体に埋没した状態で設けられている請求項1又は2に記載の車両用シート。
  4. 前記アンカーは、前記シートバック構造体の後方であり、かつ前記幅方向のうち前記ベルトガイド部から遠ざかる方向であり、かつ前記ベルトガイド部よりも上方に配置されている請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用シート。
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