JP7039418B2 - アンカーの選定方法、及び、アンカー施工方法 - Google Patents

アンカーの選定方法、及び、アンカー施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、斜面(法面)等のアンカー施工現場において使用するアンカーの選定方法等に関する。
例えば、アンカー施工現場としての斜面(法面)の崩落を防止するための対策として、斜面にネットを張設した上に、ワイヤーを格子状に配置し、その交差部を結束具で連結して該ワイヤーの随所をアンカーで斜面に固定するアンカー施工を行うこと等が知られている(特許文献1等参照)。
従来、アンカー施工現場においてアンカー施工を行う場合、アンカー施工前に、事前に、アンカー施工現場の地盤において定着層となる岩盤の位置をボーリング調査して、当該定着層の位置に応じて使用するアンカーの諸元(アンカーの種類、アンカーの長さ等)を選定し、アンカー施工現場において任意に決められた各アンカー施工位置に、選定したアンカーを使用するようにしている。
特開2005-307450号公報
しかしながら、上述したボーリング調査は、例えば、斜面の傾斜に沿った一直線上の数ヵ所の地点で行うだけであるので、アンカー施工現場全体の定着層の位置を正確に知ることはできない。このため、実施工にあたっては、作業員が感覚や経験によって各アンカー施工位置毎に使用するアンカーの諸元を選定しており、各アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を正確に選定することはできなかった。
また、アンカー施工現場において任意に決められた各アンカー施工位置のすべての位置においてボーリング調査を行なうことも考えられるが、多数の各アンカー施工位置のすべての位置においてボーリング調査を行なうことは、ボーリング調査にかかるコストが膨大になり、現実的ではない。また、例えば、崩落地のようなアンカー施工現場では、ボーリング調査を実施することが困難である。
本発明は、上述した課題を解消すべく、アンカー施工現場において任意に決められた各アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を、正確、かつ、安価に選定できるようにしたアンカーの選定方法等を提供するものである。
本発明に係るアンカーの選定方法は、アンカー施工現場において、任意に決められた多数の各アンカー施工位置毎に測定棒を挿入することによって各アンカー施工位置毎の土砂厚を測定し、当該土砂厚の測定結果に基づいて、各アンカー施工位置毎に使用するアンカーの諸元を選定するアンカーの選定方法であって、土砂厚が所定値以下のアンカー施工位置において、削岩機で地盤を掘削した際の振動状況に応じて地盤が定着層となる岩盤であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、当該アンカー施工位置に使用するアンカーの諸元を選定したので、アンカー施工現場において任意に決められた各アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を、正確、かつ、安価に選定できるようになるとともに、当該アンカー施工位置の地盤が定着層であるか否かを判定できるようになって、当該アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を、正確に選定できるようになり、適切なアンカー施工を実施できるようになる。
また、アンカー施工現場において、任意に決められた多数の各アンカー施工位置毎に測定棒を挿入することによって各アンカー施工位置毎の土砂厚を測定し、当該土砂厚の測定結果に基づいて、各アンカー施工位置毎に使用するアンカーの諸元を選定するアンカーの選定方法であって、土砂厚が所定値以下のアンカー施工位置において、削岩機として振動センサー付きの削岩機を用い、当該振動センサー付きの削岩機で地盤を掘削した際に振動センサーにより検出された振動波形に基づいて、地盤が定着層となる岩盤であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、当該アンカー施工位置に使用するアンカーの諸元を選定したので、アンカー施工現場において任意に決められた各アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を、正確、かつ、安価に選定できるようになるとともに、当該アンカー施工位置の地盤が定着層であるか否かを、より正確に判定できるようになって、当該アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を、より正確に選定できるようになり、より適切なアンカー施工を実施できるようになる。
また、測定結果及び判定結果に基づいてアンカー施工現場の定着層分布3次元モデルを作成し、当該定着層分布3次元モデルに基づいて、アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を選定した。
また、測定結果及び判定結果に基づいて作成されたアンカー施工現場の定着層分布3次元モデルに基づいて、アンカー施工位置を追加するか否かを検証するとともにアンカー施工位置を追加する場合に当該アンカー施工位置に使用するアンカーの諸元を選定したので、適切なアンカー施工を実施できるようになる。
また、定着層分布3次元モデルは、各アンカー施工位置毎の土砂厚の測定結果、及び、土砂厚が所定値以下のアンカー施工位置においての定着層の有無の判定結果に基づいて作成される。
また、本発明に係るアンカー施工方法は、上述したアンカーの選定方法により選定されたアンカーを該当するアンカー施工位置に施工したので、適切なアンカー施工を実施できるようになる。
アンカーの選定方法を示すフロー図。 アンカー施工現場(斜面)に施された密着型安定ネット工を上面から見た図。 土砂厚測定ステップを示す断面図。 定着層判定ステップを示す断面図。 アンカー施工位置に施工されたアンカーの一例を示す断面図。 アンカー選定処理の一例を示すフロー図。
実施形態1
実施形態1に係るアンカーの選定方法は、図2に示すように、アンカー施工現場10において任意に決められた各アンカー施工位置11,11…毎に施工されるアンカー12の諸元(アンカーの種類、アンカーの長さ等)を選定する方法であって、図1に示すように、土砂厚測定ステップ1と、定着層判定ステップ2と、定着層分布3次元モデル作成ステップ3と、アンカー選定ステップ4とを備える。
図2に示すように、アンカー施工現場10は、例えば、地震や地滑り等により発生した崩壊斜面、地滑り対策工事を要する斜面、保護工事を要する斜面(法面)等である。
アンカー施工現場10において実施されるアンカー施工は、例えばアンカー施工現場10に恒久的な安全化対策として実施する密着型安定ネット工において、アンカー施工現場10に設定された多数のアンカー施工位置11,11…に、図5に示すように、アンカー12を施工(打設)する工事を言う。
密着型安定ネット工は、斜面崩壊を抑止するために、斜面に設定された複数のアンカー施工位置11,11…にアンカー12を施工するとともに、これらアンカー12,12…の頭部同士をワイヤーロープ13で連結させて構造物としてのワイヤーネット体を構築する工事を言う。
図5に示すように、定着層15となる岩盤に設置されたアンカー12は、定着層15に埋め込まれた鉄筋等の引張材と、セメントペーストやセメントモルタル等の定着材の注入によって引張材の少なくとも先端部に形成されるアンカー体と、地表面に露出して構造物に連結されるアンカー頭部とを備えた構成である。
当該アンカー12を施工した密着型安定ネット工によれば、アンカー頭部に連結された構造物としてのワイヤーネット体からの力が、引張力として引張材に伝達され、引張材を介してアンカー体に伝達され、アンカー体を介して定着層15に伝達されることにより、斜面崩壊抑止効果が得られる。
図1,図3に示すように、土砂厚測定ステップ1では、アンカー施工現場10の斜面上に任意に決められた各アンカー施工位置11,11…毎に、作業者が、測定棒16を、打ち込んだり、押し込んだり等することによって、アンカー施工位置11下の地中18に挿入して、各アンカー施工位置11,11…毎の土砂厚tを測定する。
各アンカー施工位置11,11…は、例えば、図2に示すように、アンカー施工現場10を上方から見た場合に、平面視において、格子の交点に決められる。互いに隣り合うアンカー施工位置11,11間の距離は、例えば、数十cm~数m程度に設定される。
測定棒16は、例えば、先端が尖った、長さ1.5m、直径1.3cmの鉄製の丸棒又は角棒を用いる。例えば、棒の延長方向に沿って棒の先端17からの長さを示す目盛が設けられた測定棒16を用いることが好ましい。
即ち、各アンカー施工位置11,11…において、測定棒16の先端17が地中18の岩部19に衝突するまで測定棒16を挿入することにより、各アンカー施工位置11,11…の地表面20から地中18の岩部19までの長さである土砂厚tを測定する。
測定棒16は、土砂厚tを正確に測定できるように、各アンカー施工位置11,11…の地表面20である斜面に対して直交する方向に挿入することが好ましい。
尚、地震や地滑り等により発生した大規模な崩壊斜面では、崩落地であることから、定着層15の位置を調べるためにボーリング調査を実施することは困難である。
一方、実施形態1では、アンカー施工位置11,11…毎に、測定棒16を挿入して、各アンカー施工位置11,11…毎の土砂厚tを測定するため、アンカー施工位置11,11…毎の定着層15の位置を、安価に、簡単かつ正確に知ることができるようになる。
図1,図4に示すように、定着層判定ステップ2では、土砂厚tが所定値以下のアンカー施工位置11において、振動センサー21付きの削岩機22を用いて地盤を掘削する。
例えば、土砂厚測定ステップ1において、例えば長さ1.5mの測定棒16の先端17が岩部19に衝突した場合、即ち、土砂厚tが例えば1.5m以下のアンカー施工位置11において、振動センサー21付きの削岩機22を用いて地盤を掘削する。
尚、各アンカー施工位置11,11…において、土砂厚測定を終了した後は、削岩機22を用いて地盤を掘削する。そして、土砂厚tが所定値以下のアンカー施工位置11においては、振動センサー21付きの削岩機22を用いて地盤を掘削する。この場合、掘削開始時から削岩機22に振動センサー21を取付けて掘削作業を行ってもよいし、岩部19近くまで削岩機22に振動センサー21を付けないで掘削作業を行ない、削岩機22の先端(削岩ビット)23が岩部19近くまで到達してから、削岩機22に振動センサー21を取付けて掘削作業を続けるようにしてもよい。
そして、削岩機22の先端23がアンカー施工位置11下の岩部19を削孔中に振動センサー21により検出される振動波形に基づいて、当該岩部19が、定着層15となる岩盤であるか否かを判定する。
即ち、削岩機22の先端23がアンカー施工位置11下の岩部19を削孔中に振動センサー21により検出される振動波形に基づいて、アンカー施工位置11下の所定深度1.5m以下の位置に定着層15が存在するか否かを判定する。
つまり、削岩機22の先端23が岩部19を削孔中に振動センサー21により検出される振動波形の振幅値により、その岩部19の強度を判定し、当該岩部19が定着層15となる岩盤であるか否かを判定する。
例えば、削岩機22の先端23が岩部19を削孔中に振動センサー21により検出される振動波形の振幅値が所定値よりも小さければ、その岩部19は、定着層15となる強固な岩盤であると判定する。
また、削岩機22の先端23が岩部19を削孔中に振動センサー21により検出される振動波形の振幅値が所定値よりも大きければ、その岩部19は、定着層15とはならない転石や割岩であると判定したり、定着層15とはならない軟弱な岩盤等であると判定する。
このように、定着層判定ステップ2では、振動センサー21付きの削岩機22を用いて削岩機22の先端23が岩部19を削孔中に振動センサー21により検出された振動波形に基づいて、アンカー施工位置11下に、定着層15が存在するか否かを判定する。即ち、振動波形を目視確認することで、アンカー施工位置11下に、定着層15が存在するか否かの判定を行うことができるので、定量的な正確な判定を行うことが可能となる。
定着層分布3次元モデル作成ステップ3では、土砂厚測定ステップ1での測定結果、及び、定着層判定ステップ2での判定結果に基づいて、アンカー施工現場10における定着層分布3次元モデルを作成する。即ち、上述した各アンカー施工位置11,11…毎の土砂厚tの測定結果、及び、土砂厚tが所定値以下のアンカー施工位置11においての定着層15の有無の判定結果に基づいて、アンカー施工現場10における定着層分布3次元モデルを作成する。
定着層分布3次元モデル作成ステップ3は、例えば、コンピュータと、当該コンピュータとの協働により定着層分布3次元モデルを作成する定着層分布3次元モデル作成処理プログラムとを備えた定着層分布3次元モデル作成手段により、実行される。
つまり、入力手段を介してコンピュータに上述した測定結果及び判定結果を入力することによって、定着層分布3次元モデル作成処理プログラムが、当該入力された測定結果及び判定結果に基づいて、アンカー施工現場10の定着層分布3次元モデルを作成する。
そして、定着層分布3次元モデル作成手段により、定着層分布3次元モデルの画像や数値データを、コンピュータの表示手段に表示したり、プリンター等の出力手段に出力することができる。
アンカー選定ステップ4では、土砂厚測定ステップ1での測定結果、及び、定着層判定ステップ2での判定結果に基づいて、各アンカー施工位置11,11…毎に使用するアンカー12の諸元を選定する。
アンカー選定ステップ4は、例えば、コンピュータと、各土砂厚範囲と当該土砂厚範囲に適したアンカー12の諸元とが対応付けされた土砂厚-アンカー関連付けデータと、コンピュータとの協働によりアンカー12の諸元を選定するアンカー選定処理プログラムとを備えたアンカー選定手段により、実行される。
つまり、アンカー選定処理プログラムが、入力手段を介してコンピュータに入力された上述した測定結果及び判定結果と、土砂厚-アンカー関連付けデータとを照合し、各アンカー施工位置11,11…毎に使用するアンカー12の最適な諸元を選定する。
そして、アンカー選定手段により、各アンカー施工位置11,11…とアンカー12の諸元とが対応付けされた関連表やアンカー施工位置11,11…毎のアンカーの諸元等を、コンピュータの表示手段に表示したり、プリンター等の出力手段に出力することができる。
例えば、アンカー選定ステップ4では、アンカー選定手段により、図6に示すようなアンカー選定処理が実行される。
即ち、土砂厚測定ステップ1での測定結果である土砂厚tが30cm以下であり、定着層判定ステップ2での判定結果が定着層であると判定されたアンカー施工位置11に使用するアンカー12として、全長1mの岩部用セメントアンカーが選定される。
また、土砂厚測定ステップ1での測定結果である土砂厚tが30cmより厚くて50cm以下であり、定着層判定ステップ2での判定結果が定着層であると判定されたアンカー施工位置11に使用するアンカー12として、全長1.5mの岩部用セメントアンカーが選定される。
また、土砂厚測定ステップ1での測定結果である土砂厚tが50cmより厚くて100cm以下であり、定着層判定ステップ2での判定結果が定着層であると判定されたアンカー施工位置11に使用するアンカー12として、全長1.5mの土被り部用セメントアンカーが選定される。
また、土砂厚測定ステップ1での測定結果である土砂厚tが100cmより厚くて150cm以下であり、定着層判定ステップ2での判定結果が定着層であると判定されたアンカー施工位置11に使用するアンカー12として、全長2mの土被り部用セメントアンカーが選定される。
また、土砂厚測定ステップ1での測定結果である土砂厚tが150cmより厚いアンカー施工位置11に使用するアンカー12として、土砂部用アンカーが選定される。
また、定着層判定ステップ2での判定結果が定着層15ではないと判定されたアンカー施工位置11に使用するアンカー12として、土砂部用アンカーが選定される。
土被り部用セメントアンカーは、例えば、図5に示すように、定着層15に埋め込まれた鉄筋等のアンカー本体(引張材)31と、定着層15に埋め込まれたアンカー本体31の先端側の埋設部分と当該埋設部分の周囲に注入されたセメントペーストやセメントモルタル等の定着材32とによって形成されたアンカー体33と、地表面に露出してワイヤーロープ等の構造物に連結されるアンカー頭部34と、スウィング35と、ガイド筒36とを備えた構成である。
土被り部用セメントアンカーは、土砂厚tが比較的厚い場所(例えば土砂厚tが50cmを超える場所)に用いられるため、アンカー施工位置11の表層部に筒状のスウィングと呼ばれる部品を設置することで、アンカーの軸方向以外の方向(以下、横方向という)からの荷重に対しアンカーの変位を抑えることができるように構成されたアンカーである。
アンカー施工位置11への土被り部用セメントアンカーの施工は、まず、例えばエアーパンチャーと呼ばれるような専用の機械を用いてスウィング35をアンカー施工位置11の表層部に打ち込み、その後、削岩機22を用いて、定着層15を、アンカーの設置に必要な所定の深さまで削孔する。次に、アンカー本体31の先端側の埋設部分を定着層15の孔に設置し、孔内に定着材32を注入して、アンカー本体31の先端側の埋設部分と定着層15とを定着材32で固定したアンカー体33を構築する。その後、表層側のアンカー本体31とスウィング35との間にガイド筒36を設置した後、アンカー頭部34にワイヤーロープ等の構造物を連結する。尚、ガイド筒36の内側には、アンカー本体31を周囲から支持するための支持体38;38…が設けられ、スウィング35の内側には、ガイド筒36を周囲から支持するための支持体37;37…が設けられている。つまり、表層側、即ち、土砂層に位置するアンカー本体31が、ガイド筒36及びスウィング35によって周囲から支持された構成となっているため、横方向からの荷重に対して当該土砂層に位置するアンカー本体31の変位を抑えることができるように構成されている。
岩部用セメントアンカーは、図示しないが、定着層15に埋め込まれた鉄筋等のアンカー本体(引張材)と、定着層15に埋め込まれたアンカー本体の埋設部分と当該埋設部分の周囲に注入されたセメントペーストやセメントモルタル等の定着材とによって形成されたアンカー体とを備える。
岩部用セメントアンカーは、土砂厚tが比較的薄い場所(例えば土砂厚tが50cm以下の場所)に用いられ、横方向からの荷重に対するアンカーの変位は小さいため、スウィングを備えない構成である。
アンカー施工位置11への岩部用セメントアンカー12の施工は、まず、削岩機22を用いて、定着層15を、アンカーの設置に必要な所定の深さまで削孔する。次に、アンカー本体を定着層15の孔内に設置し、孔内に定着材を注入して、アンカー本体と定着層15とを定着材で固定したアンカー体を構築する。その後、アンカー頭部にワイヤーロープ等の構造物を連結する。
土砂部用のアンカーは、図示しないが、土砂層に埋め込まれた鉄棒等のアンカー本体と、表層部に設置されるスウィング、あるいは、アンカー本体に周面から突出するように設けられたクロスウィングとを備えた構成である。
土砂部用のアンカーは、土砂層に埋め込まれて定着層15に定着させないアンカーであるため、スウィングやクロスウィングにより、横方向からの荷重に対しアンカーの変位を抑えることができるように構成されたアンカーである。
スウィング付きの土砂部用のアンカーは、例えばエアーパンチャーを用いてスウィングをアンカー施工位置11の表層部に打ち込んだ後、エアーパンチャーを用いてアンカー本体をアンカー施工位置11の土砂層に打ち込む。その後、アンカー頭部にワイヤーロープ等の構造物を連結する。
クロスウィング付きの土砂部用のアンカーは、クロスウィングが取付けられたアンカー本体をエアーパンチャーを用いて土砂層に打ち込む。その後、アンカー頭部にワイヤーロープ等の構造物を連結する。
実施形態1によれば、アンカー施工現場10において任意に決められた各アンカー施工位置11,11…毎に適したアンカー12の諸元を、安価に、かつ、正確に選定できるようになる。
そして、各アンカー施工位置11,11…毎に選定されたアンカー12を、該当するアンカー施工位置11に施工することにより、適切、かつ、確実なアンカー施工を実施できるようになる。
また、コンピュータにより実行される定着層分布3次元モデル作成ステップ3及びアンカー選定ステップ4を備えたので、施工後の維持管理等において、定着層分布3次元モデル及びアンカー選定結果のデータを利用できるようになる。
また、アンカー施工現場10を複数の施工区域に分割して、施工区域毎にアンカー施工する場合において、施工後の施工区域の定着層分布3次元モデル及びアンカー選定結果のデータを、次に施工する施工区域の施工時において、参考として利用することが可能となる。
また、アンカー施工現場10が、地震や地滑り等により発生した大規模な崩壊斜面の場合には、崩壊する前の地質データを、定着層分布3次元モデルのデータにより、修正することが可能となる。
実施形態2
実施形態1での測定結果及び判定結果に基づいて作成されたアンカー施工現場10における定着層分布3次元モデルに基づいて、施工管理者が、アンカー施工位置11を追加するか否かを検証する。
当該検証により、アンカー施工位置11の追加が必要とされ、アンカー施工位置11を追加する場合には、当該追加するアンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を選定する。
尚、当該追加するアンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を選定する処理は、例えば、以下のように行えばよい。
追加するアンカー施工位置11での土砂厚の測定及び定着層か否かの判定を行った後に、アンカー選定手段によるアンカー選定処理を実行して、当該追加するアンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を選定する。
あるいは、追加するアンカー施工位置11での土砂厚の測定及び定着層か否かの判定を行なわずに、当該追加するアンカー施工位置11の近傍のアンカー施工位置11での測定結果及び判定結果から所定のアルゴリズムで当該追加するアンカー施工位置11での土砂厚及び定着層判定を推測する処理プログラムを用い、当該処理プログラムで推測した当該追加するアンカー施工位置11での土砂厚及び定着層判定に基づいて、当該追加するアンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を選定する。
あるいは、追加するアンカー施工位置11での土砂厚の測定及び定着層か否かの判定を行なわずに、当該追加するアンカー施工位置11の近傍のアンカー施工位置11での測定結果及び判定結果から、人が、経験や知識に基づいて、当該追加するアンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を選定する。
即ち、実施形態2のアンカーの選定方法によれば、実施形態1での測定結果及び判定結果に基づいて作成されたアンカー施工現場10における定着層分布3次元モデルに基づいて、アンカー施工位置11を追加するか否かを検証するとともにアンカー施工位置11を追加する場合に当該アンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を選定したので、より確実で適切なアンカー施工を実施できるようになる。
尚、実施形態1での測定結果に基づいて作成されたアンカー施工現場10における定着層分布3次元モデル、即ち、実施形態1での定着層判定を行わずに作成された定着層分布3次元モデルに基づいて、アンカー施工位置11を追加するか否かを検証するとともにアンカー施工位置11を追加する場合に当該アンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を選定するようにしてもよい。
実施形態3
実施形態1では、コンピュータにより実行される定着層分布3次元モデル作成ステップ3及びアンカー選定ステップ4を備えたアンカーの選定方法を例示したが、人が、土砂厚測定ステップ1での測定結果と定着層判定ステップ2での判定結果と土砂厚-アンカー関連付けデータの内容とを照合することによって、各アンカー施工位置11,11…毎に適したアンカーの諸元を選定するようにしてもよい。例えば、図6に示したような、アンカー選定処理を、人が行なってもよい。
実施形態4
実施形態1では、コンピュータにより実行される定着層分布3次元モデル作成ステップ3を備えたアンカーの選定方法を例示したが、定着層分布3次元モデル作成ステップ3を備えないアンカーの選定方法であってもよい。
尚、上述した定着層判定ステップ2では、振動センサー21付きの削岩機22を用いて当該振動センサー21付きの削岩機22で地盤を掘削した際に振動センサー21により検出された振動波形に基づいて、アンカー施工位置11下の岩部19が定着層となる岩盤であるか否かを判定した例を示したが、振動センサー21が付いていない削岩機22を用いて、削岩機22の先端(削岩ビット)23がアンカー施工位置11下の岩部19に衝突した際に、削岩機22を操作する作業員が感じる振動の状況を感覚的に判断することにより、アンカー施工位置11下の岩部19が定着層15であるか否かを判定してもよい。
また、定着層判定ステップ2を実施しないようにしてもよい。
即ち、アンカー施工現場10において、任意に決められた多数の各アンカー施工位置11,11…毎に測定棒16を打ち込むことによって各アンカー施工位置11,11…毎の土砂厚tを測定し、当該土砂厚tの測定結果に基づいて、各アンカー施工位置11,11…毎に使用するアンカー12の諸元を選定するようにしてもよい。
例えば、人あるいはコンピュータが、土砂厚測定ステップ1での測定結果と土砂厚-アンカー関連付けデータの内容とを照合することによって、各アンカー施工位置11,11…毎に適したアンカーの諸元を選定するようにしてもよい。
本発明では、コンピュータと、当該コンピュータとの協働により定着層分布3次元モデルを作成する定着層分布3次元モデル作成処理プログラムとを備えた定着層分布3次元モデル作成手段を備え、当該定着層分布3次元モデル作成手段が、実施形態1の土砂厚測定ステップ1での測定結果、及び、定着層判定ステップ2での判定結果に基づいて、アンカー施工現場10の定着層分布3次元モデルを作成したり、あるいは、当該定着層分布3次元モデル作成手段が、実施形態1の土砂厚測定ステップ1での測定結果に基づいて、アンカー施工現場10の定着層分布3次元モデルを作成する。
即ち、本発明によるアンカー施工現場10の定着層分布3次元モデル作成方法は、定着層分布3次元モデル作成手段が、実施形態1の土砂厚測定ステップ1での測定結果、及び、定着層判定ステップ2での判定結果を入力して、定着層分布3次元モデル作成処理プログラムで規定されたアルゴニズムにより所定の演算処理を行って、アンカー施工現場10の定着層分布3次元モデルを作成したり、あるいは、定着層分布3次元モデル作成手段が、実施形態1の土砂厚測定ステップ1での測定結果を入力して、定着層分布3次元モデル作成処理プログラムで規定されたアルゴニズムにより所定の演算処理を行って、アンカー施工現場10の定着層分布3次元モデルを作成する。
このように、本発明では、上述した測定結果及び判定結果に基づいて、又は、上述した測定結果に基づいて、アンカー施工現場10の定着層分布3次元モデルを作成したので、当該定着層分布3次元モデルに基づいて、アンカー施工位置11,11…毎に適したアンカー12の諸元を正確に選定できるようになるとともに、実施形態2で説明したように、アンカー施工位置11を追加するか否かの検証を行うこともできるようになり、このようにアンカー施工位置11を追加する場合においても、当該追加するアンカー施工位置11に使用するアンカー12の諸元を正確に選定できるようになる。
また、上記では、例として、アンカー施工現場10に恒久的な安全化対策として実施される密着型安定ネット工でのアンカー施工で使用されるアンカー12の選定方法について説明したが、本発明のアンカーの選定方法は、グラウンドアンカー工や法枠工等のアンカー施工で使用されるアンカー12の諸元を選定する場合にも利用できる。
10 アンカー施工現場、11 アンカー施工位置、12 アンカー、15 定着層、16 測定棒、21 振動センサー、22 削岩機。

Claims (6)

  1. アンカー施工現場において、任意に決められた多数の各アンカー施工位置毎に測定棒を挿入することによって各アンカー施工位置毎の土砂厚を測定し、当該土砂厚の測定結果に基づいて、各アンカー施工位置毎に使用するアンカーの諸元を選定するアンカーの選定方法であって、
    土砂厚が所定値以下のアンカー施工位置において、削岩機で地盤を掘削した際の振動状況に応じて地盤が定着層となる岩盤であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、当該アンカー施工位置に使用するアンカーの諸元を選定したことを特徴とするアンカーの選定方法。
  2. アンカー施工現場において、任意に決められた多数の各アンカー施工位置毎に測定棒を挿入することによって各アンカー施工位置毎の土砂厚を測定し、当該土砂厚の測定結果に基づいて、各アンカー施工位置毎に使用するアンカーの諸元を選定するアンカーの選定方法であって、
    土砂厚が所定値以下のアンカー施工位置において、削岩機として振動センサー付きの削岩機を用い、当該振動センサー付きの削岩機で地盤を掘削した際に振動センサーにより検出された振動波形に基づいて、地盤が定着層となる岩盤であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、当該アンカー施工位置に使用するアンカーの諸元を選定したことを特徴とするアンカーの選定方法。
  3. 測定結果及び判定結果に基づいてアンカー施工現場の定着層分布3次元モデルを作成し、当該定着層分布3次元モデルに基づいて、アンカー施工位置毎に適したアンカーの諸元を選定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンカーの選定方法。
  4. 定結果及び判定結果に基づいて作成されたアンカー施工現場の定着層分布3次元モデルに基づいて、アンカー施工位置を追加するか否かを検証するとともにアンカー施工位置を追加する場合に当該アンカー施工位置に使用するアンカーの諸元を選定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンカーの選定方法。
  5. 定着層分布3次元モデルは、各アンカー施工位置毎の土砂厚の測定結果、及び、土砂厚が所定値以下のアンカー施工位置においての定着層の有無の判定結果に基づいて作成されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のアンカーの選定方法。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のアンカーの選定方法により選定されたアンカーを該当するアンカー施工位置に施工したことを特徴とするアンカー施工方法。
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