JP7038592B2 - 車両検知器、車両検知方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
車両検知器は、例えば車線を挟んで対向するように設置された投光部と受光部との複数の対により構成される。この場合、複数の投光部の各々が光を投光し、各投光部にそれぞれ関連付けられた複数の受光部が当該光を受光する。このような車両検知器によれば、車線を走行する車両が投光部と受光部との対の間に存在したとき、投光部から受光部へと投光される光が車両で遮光され、特定の受光部が上記光を受光しなくなる。このような仕組みにより車両検知器は、受光部における受光の有無に基づいて車両の進入及び通過を一台ずつ検知することができる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような断面積の小さな牽引棒によって連結された連結車両が料金所を通過する際には、上記の車両検知器では一つの投光部から投光される光と、他の投光部から投光される光との間を牽引棒が通過してしまうことがある。この場合、牽引棒が料金所を通過している間は、投光部から投光される光が車両によって遮光されない。この結果、牽引棒が車両検知器によって検知されず、牽引棒が車両検知器を通過している間は車両が料金所を通過していると認識されない。従って、車両と被牽引物とが別々の車両であると車両検知器が誤認し、車両検知器で正確な車両検知が行われず、正確に料金収受ができないといった問題が生じる。
一方で本態様では、投光部と受光部とを結ぶ光軸には、路面に対して傾斜する光軸が存在する。よって被検知部位が高さ方向の寸法に対して幅方向の寸法が大きい形状、即ち、被検知部位が高さ方向に薄い形状をなしている場合には、被検知部位の高さ方向を向く上面や下面によっても路面に対して傾斜する光軸が遮光される場合がある。そしてこの傾斜する光軸が遮光されたか否かを示す受光信号についても受光信号取得部で取得することができる。よって、路面に対して傾斜する光軸が存在することで、光軸が被検知部位によって遮光される範囲を拡大することができる。この結果、高さ方向に薄い形状を有する被検知部位であっても検知が可能となる。よって、より正確に車両検知器が車両の存在を検知できる。
また、このような構成では、一つの投光部と複数の受光部とを結ぶ複数の光軸が存在している。従って、一つの投光部からは放射状に光軸が延びている。よって、車両の被検知部位が高さ方向に薄い形状をなしていても、路面に対して平行に光軸が延びている場合と比較して光軸が被検知部位によって遮光される範囲をさらに拡大することができる。この結果、高さ方向に薄い被検知部位の存在も検知することができ、車線に車両が存在するか否かの検知をより正確に行うことができる。
また、このようにすることで、一つのみの光軸が遮光されても受光信号取得部は受光信号を取得しない。一方で、車両の被検知部位が高さ方向に二つ以上の光軸にまたがって存在する場合に受光信号取得部は受光信号を取得することになる。被検知部位が二つの光軸にまたがって存在する場合とは、被検知部位の高さ方向の寸法が、二つの光軸の間の高さ方向の距離よりも大きくなっている場合である。従って上記構成により、被検知部位の高さ方向の寸法が、ある所定の値よりも大きい場合のみに被検知部位を検知するようにできる。
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態に係る車両検知器1について説明する。
図1に示すように、車両検知器1は、高速道路の料金所に設けられた車線Lに設置され、当該車線Lを走行する車両Aの進入及び通過を検知する。本実施形態に係る車両検知器1は、例えば、電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう)の構成の一つをなすものである。この場合、車線Lには、電子式料金収受システムを構成する種々の構成機器(路側アンテナ、開閉バー等)が設けられ得るが、これらの構成機器については図示及び説明を省略する。
投光塔100及び受光塔101は、車線Lの車線方向(±X方向)における同じ所定位置であって、車線Lを挟むように車線Lの両側部(アイランド)にそれぞれ設置される。本実施形態においては、図1に示すように、投光塔100は、車線Lの-Y方向側の側部に、受光塔101は、車線Lの幅方向の+Y方向側の側部に設置される。また、投光塔100、受光塔101は、それぞれ、両側部(アイランド)から高さ方向の+Z方向側に伸びる直方状に形成され、車線Lを挟んで互いに対向する面を有している。
後述するように、各投光部Eは、制御装置11から各々に入力される所定の投光用制御信号に従い、それぞれタイミングをずらしながら一つずつ順番に投光を行う。
後述するように、各受光部Rは、制御装置11から各々に入力される所定の受光用制御信号に従い、各投光部Eが投光するタイミングに合わせて、受光の有無を検知する。
図3に示すように、制御装置11は、投光受光処理部110と、受光信号取得部120と、検知信号出力部130とを備えている。
また、投光受光処理部110は、各受光部Rに受光用制御信号を出力し、上記の投光のタイミングに応じたタイミングで、各投光部Eから投光された検知光Pの受光の有無を各受光部Rに検知させる。例えば各投光部Eに設けられたスイッチSIを受光用制御信号によって動作させ、一の投光部Eからの検知光Pを、当該投光部Eに関連付けられた一の受光部Rで受光可能とする。
・投光部E1に対して受光部R1、R2、R3(図4参照)
・投光部E2に対して受光部R1、R2、R3、R4(図5参照)
・投光部E3に対して受光部R1、R2、R3、R4、R5(図6参照)
・投光部E4に対して受光部R2、R3、R4、R5(図7参照)
・投光部E5に対して受光部R3、R4、R5(図8参照)
ここで上述した投光受光処理部110、受光信号取得部120、及び検知信号出力部130の機能は、各々の投光部Eで順に発揮される。即ち投光部E1から検知光Pが投光されると、投光部E1に関連付けられた各々の受光部R1、R2、R3について光軸Pが遮光されたか否かが受光信号取得部120で判断され、検知信号出力部130で、車両が存在するか否かの検知信号が出力される。その後、投光部E2から投光された検知光Pに対して光軸Pが遮光されたか否かが判断され、車両が存在するか否かの検知信号が出力される。この手順ですべての投光部Eについて光軸Pが遮光されたか否かが判断され、車両が存在するか否かの検知信号が出力される。また本実施形態では、少なくとも一つの光軸Pが遮光された場合に「車両が存在する」との検知信号が出力されるが、これに限定されない。例えば最も上部の投光部E1から投光される光軸Pのうちの複数(例えば全て)の光軸Pが遮光された場合には、光軸Pを遮光するものが大型車のバックミラーや、ユニック車(クレーン車)のアームであることが想定されるため、光軸Pを遮光しているものは車両ではないと判断してもよい。さらに、最も下部の投光部E5から投光される光軸Pのうちの複数(例えば全て)の光軸Pが遮光された場合には、光軸Pを遮光するものが車高の低い車両のフロントノーズや牽引棒であることが想定されるため、このような場合には光軸Pを遮光しているものが車両であると判断してもよい。よって、どの高さの位置で光軸Pが遮光されたかや、高さ方向に連続して光軸Pが遮光されているか否か等の条件で、車両の存在の有無を判断することも可能である。
図9に示す本実施形態の処理フローは、車両検知器1の稼働中に繰り返し実行される。
具体的には、投光受光処理部110は、複数の投光部Eの各々に対し、投光用制御信号を出力して、一つずつ順番に(例えば、上から順に)検知光P(図4から図8参照)を投光させる。投光用制御信号を受け付けた各投光部Eは、当該投光用制御信号を受け付けたタイミングで検知光Pを投光する。
また、投光受光処理部110は、複数の受光部Rの各々に対し、各投光部Eを投光させるタイミングに合わせて受光用制御信号を出力する。上記の通り、検知光Pを投光した投光部Eに対応する複数の受光部Rに対して受光用制御信号が出力される。
以上説明した本実施形態の車両検知器1では、一の投光部Eと投光部Rとを結ぶ光軸Pのうち、少なくとも一つの光軸Pが遮光された場合に、車両Aが路面上に存在していると判定可能となっている。そして本実施形態では、複数の光軸Pには路面上の仮想線VLに対して高さ方向に傾斜する光軸Pも含まれている。従って、仮想線VLに対して高さ方向に傾斜する光軸Pが車両Aによって遮光された場合にも車両Aが路面上に存在していると判定可能である。
次に、図10を参照して、本発明の第二実施形態に係る車両検知器1Aについて説明する。第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、受光信号取得部120Aでの処理フローが第一実施形態と異なっている。
第一実施形態と同様に、「YES」の受信信号を取得する場合は、路面上の仮想線VLに平行な光軸Pが遮光された場合と、仮想線VLに対して高さ方向に傾斜する光軸Pが遮光された場合の二つの場合が含まれる。
さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
9…コンピュータ
11… 制御装置
91…CPU
92…主記憶装置
93…補助記憶装置
94…インタフェース
100…投光塔
101…受光塔
110…投光受光処理部
120、120A…受光信号取得部
130…検知信号出力部
L…車線
E…投光部
R…受光部
A…車両
A1…車両本体
A2…牽引棒
A3…被牽引物
P…検知光(光軸)
SI…スイッチ
SF1…上面
SF2…下面
Claims (3)
- 車線の幅方向の一方に配置され、高さ方向に複数配列された投光部と、
前記車線を挟んで前記幅方向で前記投光部に対向し、各々の前記投光部と対をなして前記高さ方向に複数配列された受光部と、
前記投光部が投光する検知光と該検知光を受光する前記受光部とを結ぶ光軸が遮光されたか否かを示す受光信号を取得する受光信号取得部と、
取得された前記受光信号に基づいて、前記車線に車両が存在するか否かを示す検知信号を出力する検知信号出力部と、
を備え、
前記投光部及び前記受光部は、前記車線の路面上で前記幅方向に延びる仮想線に対して平行な光軸、及び前記仮想線に対して前記高さ方向に傾斜する光軸を形成するように配列されており、
前記投光部及び前記受光部は、一つの前記投光部が投光する検知光と、該検知光を受光するとともに前記高さ方向に配列される複数の前記受光部の各々とを結ぶ複数の光軸を形成するように配列されており、
前記受光信号取得部は、一つの前記投光部と、前記高さ方向に配列される複数の前記受光部の各々とを結ぶ複数の前記光軸のうち、二つ以上の光軸が遮光された場合にのみ、該光軸が遮光されたことを示す受光信号を取得する車両検知器。 - 車線の幅方向の一方から該幅方向に、高さ方向に並ぶ複数の投光位置から検知光を投光する投光工程と、
前記投光工程で投光された前記検知光を、前記車線を挟んで前記幅方向に対向するとともに、複数の前記投光位置と対をなす前記高さ方向に並ぶ複数の受光位置で受光する受光工程と、
前記投光位置から投光された前記検知光と該検知光を受光する前記受光位置とを結ぶ光軸が遮光されたか否かを示す受光信号を取得する信号取得工程と、
前記信号取得工程で取得された前記受光信号に基づいて、前記車線に車両が存在するか否かを示す検知信号を出力する信号出力工程と、
を含み、
前記投光工程及び前記受光工程では、
前記車線の路面上で前記幅方向に延びる仮想線に対して平行な光軸、及び前記仮想線に対して前記高さ方向に傾斜する光軸が形成されるように投光及び受光が行われ、
一つの前記投光位置と、前記高さ方向に並ぶ複数の前記受光位置の各々とを結ぶ複数の光軸が形成されるように投光及び受光が行われ、
前記信号取得工程では、一つの前記投光位置と、前記高さ方向に並ぶ複数の前記受光位置の各々とを結ぶ複数の光軸のうち、二つ以上の光軸が遮光された場合にのみ、該光軸が遮光されたことを示す受光信号を取得する車両検知方法。 - 車線の幅方向の一方に配置されて高さ方向に複数配列された投光部と、前記車線を挟んで前記幅方向で前記投光部に対向して各々の前記投光部と対をなして前記高さ方向に複数配列された受光部と、を備え、前記投光部が投光する検知光と該検知光を受光する前記受光部とを結ぶ光軸として、前記車線の路面上で前記幅方向に延びる仮想線に対して平行な光軸、及び前記仮想線に対して前記高さ方向に傾斜する光軸が形成され、前記投光部及び前記受光部は、一つの前記投光部が投光する検知光と、該検知光を受光するとともに前記高さ方向に配列される複数の前記受光部の各々とを結ぶ複数の光軸を形成するように配列されている車両検知器で車両の存在の有無を検知可能とする制御装置のコンピュータを、
一つの前記投光部と、前記高さ方向に配列される複数の前記受光部の各々とを結ぶ複数の前記光軸のうち、二つ以上の光軸が遮光された場合にのみ、該光軸が遮光されたことを示す受光信号を取得する受光信号取得手段、
取得された前記受光信号に基づいて、前記車線に車両が存在するか否かを示す検知信号を出力する検知信号出力手段、
として機能させるプログラム。
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