JP7037670B2 - 鋳型 - Google Patents
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Description
溶鋼がノズルを介して鋳型の内部に供給されると、凝固シェルが鋳型内の溶鋼の湯面から形成され始めるが、下方に向かって進むにつれて凝固シェルが厚くなる。また、凝固シェルは、下方に向かって進むにつれて温度が下がってこれによる凝固収縮が生じるが、これを鋳型で補償することができなければ、鋳型と鋳片との間に空気層が生成されてしまう。空気層が形成されれば、鋳型と溶鋼または鋳片との間の伝熱能が減って凝固遅延現象が生じ、これに伴い、鋳片にブレークアウト(Break‐out)及びひび割れが生じてしまう。
一方、上記のように、鋳片の長辺の凝固収縮率を補償するために、短辺部の勾配(傾斜度、傾き)を調節して、一対の長辺部と締結する。そして、鋳片の短辺方向への凝固収縮率を補償するために、長辺部と接する短辺部の側面に傾斜をつけて、短辺部は、上部から下部に向かって進むにつれてその幅が狭くなるように製造される。このとき、長辺部と短辺部との締結に際して、短辺部の全体の勾配を調節もしくは変更することにより、鋳片の長辺の凝固収縮率を調節することができるが、短辺部の側面の勾配は変更することができない。
このため、鋳片の短辺方向への凝固収縮率の補償の度合いを増やすために、従来には、鋳型の短辺部の配設勾配をさらに大きくしていた。ところが、この場合、鋳片の短辺と鋳型の短辺部との間に摩耗が生じ、これに伴い、鋳型の寿命が短くなり、しかも、鋳片の品質が低下してしまうという問題がある。
本発明のまた他の目的とするところは、凝固シェルの凝固収縮率を補償することのできる鋳型を提供することにある。
前記凸部材の幅は、下側に向かって進むにつれて次第に減少することが好ましい。
前記凸部材の幅が前記ボディの幅に比べてさらに狭いことがよい。
前記凸部材の幅が前記ボディの幅と同じであることができる。
前記ボディ内面と前記凸部材との境界線が直線であることがよい。
前記凸部材の幅が下側に向かって進むにつれて次第に減少するに当たって、不均一な割合で減少することができる。
前記ボディ内面と前記凸部材との境界線が曲線であることができる。
前記境界線は、前記凸部材の内側に向かって凹んだ形状であることがよい。
前記長辺部材と当接する前記短辺部材の側面が下側に向かって進むにつれて前記短辺部
材の幅方向の中心に向かって傾いた形状であることができる。
前記ボディは、鋳造される鋳片の隅角部に面取り面を形成するように、前記短辺部材の
延長方向の両側の端部に形成された突出部材を備えることが好ましい。
また、短辺部の側面の勾配をさらに大きくしなくても、凝固シェルの短辺における収縮に対する補償率を向上させることができる。
一方、従来には、凝固シェルの短辺方向への凝固収縮率を増やすために、短辺部の配設勾配をさらに大きくしていたが、このとき、鋳片の短辺と鋳型の短辺部との間に摩耗が生じ、これに伴い、鋳型の寿命が短くなり、しかも、鋳片の品質が低下してしまうという問題があった。
しかしながら、本発明の実施形態によれば、短辺部の配設勾配をさらに大きくしなくても、凝固シェルの短辺方向への収縮に対する補償率を向上させることができて、摩耗による鋳型の損傷を抑制もしくは防止することができる。
図1は、通常の連続鋳造装置の要部を示す図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る鋳型を示す立体図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る鋳型において、一対の短辺部間の離間距離が下側に向かって進むにつれて次第に減少するように配設されたことを説明するための正面図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る鋳型において、長辺部に触れる短辺部の側面が傾いた形状を説明するための正面図である。
図6は, 本発明の第1の実施形態に係る鋳型における、凝固シェルを説明する図であって、(a)は上部に形成された凝固シェル、(b)は下部に形成された凝固シェルを示す。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る短辺部において、凸部材の形状、短辺部の幅、凸部材の幅を説明する図である。図8は、本発明の第1の実施形態に係る短辺部において、短辺部の内面の長さを説明するための図であって、(a)は凸部材が形成された短辺部の内面の延長長さ、(b)は従来の短辺部の内面の延長長さを示す。
また、鋳型300の下部に配備されて鋳型300から引き抜かれた未凝固鋳片1を冷却させながら一連の成形作業を行うように複数のセグメント(segment)50が連続して配列された冷却帯40を備える。
本発明の実施形態に係るボディは、それぞれが一方向に延設され、延長方向と交差または直交する方向に互いに離れて配設された一対の長辺部310及びそれぞれが長辺部310と交差または直交する方向に延設され、その延長方向と交差または直交する方向に互いに離れて配設された一対の短辺部320を備える。そして、本発明の実施形態に係る一対の短辺部320は、内部空間に向かって突設され、下側に向かって進むにつれて突出長さが次第に減少する形状の凸部材322を備える。
一対の長辺部310のそれぞれは、上記のように、X軸方向に延設され、X軸方向と直交する方向であるY軸方向に互いに離れて配置される。このため、一対の長辺部310は、Y軸方向に向かい合うように配置される。以下、一対の長辺部310を第1及び第2の長辺部310と称する。
一対の短辺部320は、Y軸方向に延設され、Y軸方向または長辺部310の延長方向と直交する方向であるX軸方向に互いに離れて配置される。このため、一対の短辺部320は、X軸方向に向かい合うように配置される。このとき、一対の短辺部320間の離間距離は、長辺部310の延長長さに比べてさらに小さくてもよい。もちろん、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、一対の短辺部320間の離間距離を長辺部310の延長方向に等しくしてもよい。以下、一対の短辺部320を第1及び第2の短辺部320と称する。
一方、鋳型300内に溶鋼Mが注入されると、まず、鋳型300の内面に沿って凝固が始まり、これにより、前記鋳型300の内面に沿って凝固シェルCが形成される。そして、凝固シェルCは、下部に向かって進むにつれて次第に厚くなり、鋳型300による冷却及び鋳型300の外部における冷却により縮まる。
凝固シェルCの収縮は、鋳型300の内面と凝固シェルCとの間に空気層または隙間(gap)を生じさせるが、主としてその延長方向の中心に向かって縮まるので、長辺部310と短辺部320とが連結される鋳型300の隅角部に主として隙間(gap)が生じる(図25の(b)参照)。これにより、鋳型300と溶鋼Mまたは鋳型300と凝固シェルCとの間の伝熱能が減少し、凝固遅延現象が生ずる。これに伴い、鋳片にブレークアウト(Break‐out)及びひび割れが生じる。
より具体的に説明すると、第1及び第2の短辺部320が向かい合うように配置されるに当たって、図2及び図3に示したとおり、第1及び第2の短辺部320のそれぞれは、下側に向かって進むにつれて長辺部310の延長方向(X軸方向)の中心に次第に近づくように傾いて配設される。換言すれば、第1の短辺部320と第2の短辺部320との離間距離が下側に向かって進むにつれて次第に減少するように傾いて配設される。このため、第1の短辺部320と第2の短辺部320との上部離間距離SLに比べて、下部離間距離SLの方がさらに短い。要するに、このような第1の短辺部320と第2の短辺部320との離間距離の変化は、鋳片の長辺の長さが下側に向かって進むにつれて次第に減少することを意味する。
これにより、たとえ下部に向かって進むにつれて長辺凝固シェルLCが縮まるとしても、下部に向かって進むにつれて次第に近づき合う一対の短辺部320により、凝固シェルCと鋳型の内壁、より具体的には、長辺凝固シェルLCの両端と短辺部320との間の隙間(gap)の発生が防止もしくは抑制される。
また、第1及び第2の短辺部320のそれぞれは、その下側に向かって進むにつれてその延長長さSWが次第に減少するように形成される。換言すれば、図4に示すように、第1及び第2の短辺部320のそれぞれは、下部に向かって進むにつれてその延長長さY(軸方向への延長長さ)SWが次第に減少するように形成される。
ここで、第1及び第2の短辺部320のそれぞれの幅SWが下部に向かって進むにつれて次第に減少するということは、換言すれば、長辺部310と当接する短辺部320の両側面が傾斜面であることを意味する。すなわち、図4に示すように、第1及び第2の短辺部320の両側面は、上部から下部に向かって進むにつれて前記短辺部320の幅方向の中心に次第に近づくように傾いた形状であってもよい。このため、第1及び第2の短辺部320は、下部に向かって進むにつれてY軸方向の長さ、つまり、幅SWが次第に減少する。
すなわち、短辺凝固シェルSCは、収縮により下部に向かって進むにつれてその延長長さが次第に減少するが、短辺部320の両側面が下部に向かって進むにつれて次第に近づき合うように傾けて形成して、第1及び第2の長辺部310間の離間距離が下部に向かって進むにつれて次第に近づき合うようにすることで、鋳型300と凝固シェルC、より具体的には、短辺凝固シェルSCの両端と長辺部310との間の隙間(gap)の発生が防止もしくは抑制される。
ところが、短辺部320の両側面は、短辺部320の製造に際してその勾配が決定されるものであり、長辺部310との締結の際に可変にすることができない。そして、鋼種、操業条件などに応じて凝固収縮率が異なるため、短辺部320の側面の勾配を十分に大きくすることができない。これは、凝固シェルCの短辺方向への凝固収縮率を十分に補償できるほどに短辺部320の両側面の勾配を大きくすることができないことを意味する。
このため、たとえ短辺部320の両側面が下部に向かって進むにつれて次第に近づき合うように傾けて形成するとしても、鋳型300が凝固シェルCの短辺方向への収縮を十分に補償することができないため、図25の(b)に示すように、隙間(gap)が依然として生じる。
このために、本発明の実施形態においては、鋳型300の短辺部320の内面が、図2及び図5に示すように、鋳型300の内部空間に向かって突出する形状もしくは凸となる形状であり、上部の突出の度合いを下部の突出の度合いに比べてさらに大きくする。
短辺部320のX軸方向の両面の一方の面は、鋳型300の外側に露出される外面であり、他方の面は、鋳型300の内部空間に露出されて、溶鋼Mまたは凝固シェルCに直接的に触れる内面である。本発明の実施形態に係る短辺部320の内面は、幅方向の両周縁から中心に向かって上向きに傾いた形状であり、その傾いた形状が曲げ率を有する形状、すなわち、凸状であってもよい。
凸部材322が短辺部材321の延長方向、すなわち、幅方向(Y軸方向)に延設されるに当たって、その延長方向の両端から中心に向かって進むにつれて突出長さAが次第に増加する形状である。凸部材322の幅方向において、最大の突出長さAを有する個所または領域は、前記凸部材322の幅方向の中心となる個所であってもよい。したがって、凸部材322の内面は、幅方向の両端から中心に向かって上向きに傾いた形状であってもよい。
したがって、本発明の実施形態に係る凸部材322は、鋳型300の内部空間に向かって凸となる形状であってもよい。そして、短辺部320または凸部材322の内面は、幅方向に勾配を有するように形成されるに当たって、Y軸方向に勾配が可変となってもよい。すなわち、曲げ率を有していてもよい。
このように、凸部材322の幅PWが短辺部材321の幅SWに比べてさらに狭く、凸部材322の幅方向の中心と短辺部材321の幅方向の中心とが同心をなすように形成される場合、短辺部320の内面は、凸部材322の内面と、前記凸部材322の内面の外側に相当する短辺部材321の内面と、を含む。
第1の実施形態に係る短辺部320または凸部材322の内面は、Y軸方向の両端から中心に向かって進むにつれてその突出長さAが次第に増加する形状である。このとき、凸部材322の上下方向(Z軸方向)において、図5の(a)から(d)に示したとおり、上部の突出長さAは、下部の突出長さAに比べてさらに長く形成する。換言すれば、凸部材322の上部の突出長さAに比べて下部の突出長さAの方がさらに短い。このとき、上下方向の突出長さAの変化の形状は、勾配が変わらない領域なしに、上部から下部に向かって連続して次第に減少する形状であってもよい(図5の(c)参照)。もちろん、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、上下方向(Z軸方向)の突出長さAの変化の形状は、上部から下部に向かって進むにつれて次第に減少する傾向を有するが、その上下方向の一部の領域においては突出長さAが変わり、他の一部の領域においては突出長さAが変わらない階段状であってもよい。
すなわち、本発明の実施形態と従来の短辺部320において、その幅SWは同じであってもよい。しかしながら、本発明の実施形態に係る鋳型300の場合、短辺部材321から鋳型300の内部空間に向かって突出した凸部材322が形成され、上部から下方に向かって延設される。このため、少なくとも凸部材322が形成された短辺部320の内面の延長長さSILは、従来の短辺部320の内面の延長長さSILに比べてさらに長い(図8参照)。すなわち、凸部材322の突出長さAに見合う分だけ短辺部320の内面の延長長さSILが増加する。
このように、短辺部320が凸部材322を有するように形成し、短辺部320の内面の延長長さSILが下部に向かって進むにつれて次第に減少するように形成することは、凝固シェルCの短辺方向への凝固収縮率をさらに補償するためである。
凸部材322の突出長さAの変化は、鋳造しようとする鋼種、鋳造速度、鋳造設備などに応じて複数回に亘っての実験を通じて得られる。
しかしながら、本発明の実施形態の場合、鋳型300の内部空間に突出するように凸部材322を有する短辺部320を設けることにより、従来に比べて凝固シェルCの短辺方向への収縮に対する補償率をさらに向上させることができる。
したがって、凝固シェルCの短辺方向への収縮または短辺凝固シェルSCの収縮により、前記短辺凝固シェルSCと長辺部310との間に隙間(gap)が生じることを従来に比べて抑制もしくは防止することができる。したがって、凝固シェルCの収縮に伴う表面のひび割れ及びブレークアウトの発生を抑制もしくは防止することができる。
図9は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る短辺部を示す図であり、(a)内面の方向から眺めた立体図であり、(b)は、内面の方向から眺めた正面図であり、(c)は、側面の方向から眺めた側面図であり、(d)の(イ)、(ロ)、(ハ)は、(c)の上下方向(高さ方向またはZ軸方向)における高さ位置の(イ)、(ロ)、(ハ)における上面図である。
すなわち、本発明の第1の実施形態に係る凸部材322の上下方向への延長長さH2は、図5の(a)から(c)に示したとおり、短辺部材321の上下方向への延長長さH1に比べてさらに短く、凸部材322の下端の高さが短辺部材321の下端の高さに比べてさらに高くてもよい。このため、短辺部材321の内面のうち、凸部材322の下側に相当する領域は、前記凸部材が形成されていない領域であるため、溶鋼または凝固シェルに触れる短辺部320の内面が平らな形状である。
また、凸部材322の上下方向への延長長さH2は、図10に示す第2の変形例のように、短辺部材321の上下方向への延長長さH1に等しくてもよい。すなわち、凸部材322は、短辺部材321の上部から下部に亘って形成されてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る凸部材322は、その幅PWが変わらない。すなわち、凸部材322の高さ別に、幅方向の両端のうちの一方の端及び他方の端の位置が同じであってもよい。
上記本発明の第1の実施形態及びこの変形例に係る凸部材322は、突出長さAが下側に向かって進むにつれて次第に減少するが、その幅PWは、上下方向に変わることなく、同じであった。
さらに、凸部材322の上下方向への延長長さH2は、図13に示す第2の実施形態の第2の変形例のように、短辺部材321の延長長さH1に等しくても良い。このため、第2の実施形態の第2の変形例に係る凸部材322は、短辺部材321の上部から下部に亘って形成されてもよい。
すなわち、凸部材322の高さ別に、幅方向の両端のうちの一方の端及び他方の端の位置が異なっていてもよい。このため、凸部材322の高さ方向に連続して形成された凸部材322の一方の端を結び、凸部材322の高さ方向に連続して形成された凸部材322の他方の端を結んだ線を「境界線DL」としたとき、境界線DLがなす形状が逆三角形状であってもよく(図11から図13参照)、逆台形状であってもよい(図11の(c)参照)。そして、本発明の第2の実施形態に係る凸部材322は、その境界線が曲げ率を有さない直線であってもよい。なお、凸部材322の全体の形状は、下側に向かって進むにつれてその幅または面積が次第に狭くなる逆三角形状であってもよく、逆台形状であってもよい。
しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、図14から図16に示す第3の実施形態のように、その境界線DLが曲げ率を有していてもよい。このとき、本発明の第3の実施形態に係る凸部材322は、その境界線DLが凸部材322の外側に凸となる形状、または正の曲げ率を有する形状であってもよい。換言すれば、凸部材322の幅PWが下側に向かって進むにつれて次第に減少するが、減少率が一定ではないことを意味することもある。
そして、上記の第3の実施形態においては、凸部材322は、その境界線DLがなす形状が略逆三角形状であり、かつ、前記境界線DLが凸部材322の外側に凸となる形状、または正の曲げ率を有する形状であってもよい。
前記第1から第4の実施形態に係る凸部材322は、その幅PWが短辺部材321の幅SWに比べてさらに短い。
しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、図20に示す第5の実施形態のように、凸部材322の幅PWは短辺部材321の幅SWと同じであってもよく、それと対応していてもよい。
しかし、凸部材322の突出長さAは、下部に向かって進むにつれて次第に減少するため、短辺部320の内面の延長長さSILは、下部に向かって進むにつれて次第に減少する。
しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、鋳型300の長辺部310が凸部材312を備えていてもよい。すなわち、図21に示す第6の実施形態のように、長辺部310は、短辺部320と交差または直交するようにX軸方向に延設された長辺部材311及び長辺部材311の内面から鋳型300の内部空間に向かってまたはY軸方向に突設され、長辺部材311の延長方向であるX軸方向に延設された凸部材312を備える。
そして、長辺部310の凸部材312は、図5、図9から図20において説明した第1から第5の実施形態に適用可能である。
上記のとおり、短辺部320の内面が鋳型300の内部空間に向かって突出するように、または凸となるように形成することは、図22に示す第7の実施形態のような面取りされた鋳型(CHAMFERED MOLD)に適用可能である。
第7の実施形態に係る鋳型300は、それぞれが一方向に延設され、延長方向と交差または直交する方向に互いに離れて配設された一対の長辺部310及びそれぞれが長辺部310と交差または直交する方向に延設され、その延長方向と交差または直交する方向に互いに離れて配設された一対の短辺部320を備える。
短辺部320は、鋳型300の内部に向かって突出した突出部材323を備える。すなわち、第7の実施形態に係る短辺部320は、Y軸方向に延設された短辺部材321、短辺部材321のY軸方向の両周縁の内側面から鋳型300の内部空間に向かって延設された一対の突出部材323及び一対の突出部材323の間において短辺部材321の内面から鋳型300の内部空間に向かってまたはX軸方向に突設された凸部材322を備える。
ここで、短辺部320の凸部材322は、図5、図9から図20において説明した第1から第5の実施形態に適用可能である。
また、面取りされた鋳型(CHAMFERED MOLD)において、凸部材322が長辺部310にもさらに設けられてもよく、長辺部310にのみ設けられてもよい。
上記の実施形態においては、短辺部320が短辺部材321と凸部材322とに分離されてなるか、あるいは、長辺部310が長辺部材311及び凸部材312に分離されてなることを想定して説明した。しかしながら、短辺部材321と凸部材322は一体形に構成され、長辺部材311と凸部材312は一体形に構成されてもよい。
さらに、短辺部320の側面の勾配をさらに大きくしなくても、凝固シェルCの短辺方向への収縮に対する補償率を向上させることができる。
しかしながら、本発明の実施形態によれば、短辺部320の配設勾配をさらに大きくしなくても、凝固シェルCの短辺方向への収縮に対する補償率を向上させることができて、摩耗による鋳型300の損傷を抑制もしくは防止することができる。
10:取鍋
20:タンディッシュ(tundish)
22:浸漬ノズル、ノズル
40:冷却帯
50:セグメント(segment)
300:鋳型(mold)300
310:長辺部
311:長辺部材
312:凸部材
320:短辺部
321:短辺部材
322:凸部材
323:突出部材
A:突出長さ
C:凝固シェル
DL:境界線
E1:内面の一方の端
E2:他方の端
H1、H2:上下方向への延長長さ
LC:長辺凝固シェル
M:溶鋼
PW:(凸部材の)幅
SC:短辺凝固シェル
SIL:内面の延長長さ
SL:離間距離
SW:(短辺部材の)幅
Claims (14)
- 内部空間に注入された溶鋼を凝固させる鋳型であって、
前記内部空間を有するボディと、
前記ボディの内面から前記内部空間に向かって突設され、下側に向かって進むにつれて前記内面から内部空間に向かっての突出長さが次第に減少する凸部材と、を備え、
前記ボディは、
それぞれが一方向に延設され、延長方向と交わる方向に向かい合うように配設された一対の長辺部材と、
それぞれが前記長辺部材と交わるように延設されて、前記一対の長辺部材の間を密閉し、向かい合って配設された一対の短辺部材と、
を備え、
前記凸部材は、短辺部材に形成され、
前記凸部材の上部と前記ボディの上部とが同じ高さに位置し、
前記凸部材の上下方向への延長長さは、前記ボディの上下方向への延長長さに比べてさらに短く、
前記凸部材の上下方向への延長長さは、前記短辺部材の上下方向への延長長さの0.5超え、1未満であることを特徴とする鋳型。 - 上下方向の前記凸部材の幅が同じであることを特徴とする請求項1に記載の鋳型。
- 前記凸部材の幅は、下側に向かって進むにつれて次第に減少することを特徴とする請求項1に記載の鋳型。
- 前記凸部材の幅が前記ボディの幅に比べてさらに狭いことを特徴とする請求項1に記載の鋳型。
- 前記凸部材の幅が前記ボディの幅と同じであることを特徴とする請求項1に記載の鋳型。
- 前記凸部材の幅が下側に向かって進むにつれて次第に減少するに当たって、一定の割合で減少することを特徴とする請求項3に記載の鋳型。
- 前記ボディの内面と前記凸部材との境界線が直線であることを特徴とする請求項6に記載の鋳型。
- 前記凸部材の幅が下側に向かって進むにつれて次第に減少するに当たって、不均一な割合で減少することを特徴とする請求項3に記載の鋳型。
- 前記ボディの内面と前記凸部材との境界線が曲線であることを特徴とする請求項8に記載の鋳型。
- 前記境界線は、前記凸部材の外側に向かって凸となる形状であることを特徴とする請求項9に記載の鋳型。
- 前記境界線は、前記凸部材の内側に向かって凹んだ形状であることを特徴とする請求項9に記載の鋳型。
- 前記一対の短辺部材間の離間距離が下側に向かって進むにつれて次第に減少するように傾いて配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の鋳型。
- 前記長辺部材と当接する前記短辺部材の側面が下側に向かって進むにつれて前記短辺部材の幅方向の中心に向かって傾いた形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の鋳型。
- 前記ボディは、鋳造される鋳片の隅角部に面取り面を形成するように、前記短辺部材の延長方向の両側の端部に形成された突出部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の鋳型。
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