JP7036989B2 - 診断システム、診断システムの運転方法、および診断プログラム - Google Patents

診断システム、診断システムの運転方法、および診断プログラム Download PDF

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Description

本発明は、化学プラントを流通するプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断システム、診断システムの運転方法、および診断プログラムに関する。
化学プラントでは、原料、中間体、製品などのプロセス流体の流通を制御するために、開閉弁や制御弁などのプロセス機器が多数用いられている。また、併せて、安全弁や破裂板などの、平常時はプロセス流体を流通させず、非常時のみにプロセス流体を流通させるプロセス機器も用いられている。これらのプロセス機器はいずれも、プロセス流体を漏洩させないことが要求されるため、プロセス機器は一般的に、定期的または非定期的な検査を受ける。
プロセス機器を検査する技術として、たとえば特開2016-524233号公報(特許文献1)には、圧力調整器の二次側における圧力に基づいて、当該圧力調整器を診断する技術が開示されている。また、特開2013-242909号公報(特許文献2)には、プロセス流体の圧力と弁の移動度とに基づいて、弁体を弁座に向けて付勢するばねの故障または劣化を検出する技術が開示されている。他にも、特開2013-54483号公報(特許文献3)には、定期的にサンプリングされる弁開度に基づいて調節弁の異常を診断する技術が開示されている。
特開2016-524233号公報(または米国特許出願公開第2014/0352408号明細書) 特開2013-242909号公報(または米国特許出願公開第2009/0222220号明細書) 特開2013-54483号公報(または米国特許出願公開第2013/0060523号明細書)
化学プラントにおいては、多数のプロセス機器について定期的な診断を行い、プロセス機器群の運転状態を良好に維持することが求められる。かかる維持のためには、過去の診断結果を、保守整備作業および次回以降の診断において有効に活用することが望ましい。しかし、特許文献1~3では、診断結果の報告について、診断対象のプロセス機器の位置や個体などを特定することについて開示がないか、または不十分であるため、過去の診断結果を活用することが十分になされない場合があった。
そこで、プロセス機器の診断結果を、利用しやすい態様で使用者に提供できる診断システム、診断システムの運転方法、および診断プログラムの実現が求められる。
本発明に係る診断システムは、化学プラントを流通する原料、中間体、製品、および廃棄物の少なくとも一つを含むプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断システムであって、診断対象の前記プロセス機器である診断対象機器に係る物理量を測定可能な物理量測定部と、前記物理量に基づいて前記診断対象機器における前記プロセス流体の漏れの有無を判定する診断演算処理をコンピュータにより実行可能な演算部と、前記診断対象機器を識別する機器識別情報、前記物理量測定部により測定した前記物理量および前記診断演算処理の結果に係る情報を含む診断結果情報、前記診断対象機器の設置場所に係る情報を含む設置場所情報、前記診断対象機器により流通が制御される流体に係る情報を含む流体情報、前記診断対象機器の型式に係る情報を含む機器情報、および前記診断対象機器の規定の運転状態としての当該診断対象機器の運転頻度に係る情報を含む運転情報、を前記診断対象機器ごとに記憶可能な記憶部と、前記診断対象機器についての前記機器識別情報、前記診断結果情報、前記設置場所情報、前記流体情報、前記機器情報、および前記運転情報を含む診断結果報告画面を表示可能な表示部と、を備え、前記物理量測定部は、前記診断対象機器に係る超音波を測定可能な超音波測定部と、前記診断対象機器に係る温度を測定可能な温度測定部とを有し、前記演算部は、前記診断演算処理として、前記超音波に基づき、かつ前記温度に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第一診断演算処理と、前記温度に基づき、かつ前記超音波に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第二診断演算処理とをコンピュータにより実行可能であり、前記第一診断演算処理を、前記第二診断演算処理より前に実行するように構成されており、前記演算部は、前記第一診断演算処理において前記診断対象機器に漏れが生じていないと判断したときは、前記第二診断演算処理を実行しないことを特徴とする。
また、本発明に係る診断システムの運転方法は、化学プラントを流通する原料、中間体、製品、および廃棄物の少なくとも一つを含むプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断システムの運転方法であって、診断対象の前記プロセス機器である診断対象機器に係る物理量を取得する物理量測定工程と、前記物理量に基づいて前記診断対象機器における前記プロセス流体の漏れの有無を判定する診断演算処理をコンピュータにより実行する演算工程と、前記診断対象機器を識別する機器識別情報、前記物理量測定工程において測定した前記物理量および前記診断演算処理の結果に係る情報を含む診断結果情報、前記診断対象機器の設置場所に係る情報を含む設置場所情報、前記診断対象機器により流通が制御される流体に係る情報を含む流体情報、前記診断対象機器の型式に係る情報を含む機器情報、および前記診断対象機器の規定の運転状態としての当該診断対象機器の運転頻度に係る情報を含む運転情報、を前記診断対象機器ごとに記憶装置に記憶する記憶工程と、前記診断対象機器についての前記機器識別情報、前記診断結果情報、前記設置場所情報、前記流体情報、前記機器情報、および前記運転情報を含む診断結果報告画面を表示装置に表示する表示工程と、を備え、前記物理量測定工程は、前記診断対象機器に係る超音波を測定可能な超音波測定工程と、前記診断対象機器に係る温度を測定可能な温度測定工程とを有し、前記演算工程において、前記診断演算処理として、前記超音波に基づき、かつ前記温度に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第一診断演算処理と、前記温度に基づき、かつ前記超音波に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第二診断演算処理とをコンピュータにより実行し、前記第一診断演算処理を、前記第二診断演算処理より前に実行し、前記第一診断演算処理において前記診断対象機器に漏れが生じていないと判断したときは、前記第二診断演算処理を実行しないことを特徴とする。
また、本発明に係る診断プログラムは、化学プラントを流通する原料、中間体、製品、および廃棄物の少なくとも一つを含むプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断プログラムであって、診断対象の前記プロセス機器である診断対象機器について測定した物理量に基づいて、前記診断対象機器における前記プロセス流体の漏れの有無を判定する診断演算処理を行う演算機能と、前記診断対象機器を識別する機器識別情報、前記物理量および前記診断演算処理の結果に係る情報を含む診断結果情報、前記診断対象機器の設置場所に係る情報を含む設置場所情報、前記診断対象機器により流通が制御される流体に係る情報を含む流体情報、前記診断対象機器の型式に係る情報を含む機器情報、および前記診断対象機器の規定の運転状態としての当該診断対象機器の運転頻度に係る情報を含む運転情報、を前記診断対象機器ごとに記憶装置に記憶する記憶機能と、前記機器識別情報、前記診断結果情報、前記設置場所情報、前記流体情報、前記機器情報、および前記運転情報を含む診断結果報告画面を表示装置に表示する表示機能と、をコンピュータに実行させ、前記物理量は、前記診断対象機器に係る超音波と、前記診断対象機器に係る温度と、を含み、前記演算機能において、前記診断演算処理として、前記超音波に基づき、かつ前記温度に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第一診断演算処理と、前記温度に基づき、かつ前記超音波に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第二診断演算処理とを行い、前記第一診断演算処理を、前記第二診断演算処理より前に行い、前記第一診断演算処理において前記診断対象機器に漏れが生じていないと判断したときは、前記第二診断演算処理を実行しないことを特徴とする。
これらの構成によれば、プロセス機器の診断結果を、利用しやすい態様で使用者に提供できる。また、超音波に基づく第一診断演算処理と、温度に基づく第二診断演算処理とを組み合わせて、より精度の高い診断を実施しうる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記記憶部に記憶された各情報を更新可能な入力部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、プラント機器に係る各種情報を適宜更新できる。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記記憶部は、前記診断演算処理において前記プロセス流体の漏れがあると判定された前記診断対象機器について、当該漏れに対する補修措置の状況に係る情報を含む補修情報をさらに記憶可能であり、前記診断結果報告画面は、前記補修情報をさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、補修が必要なプロセス機器について、その補修の状況を容易に把握しうる。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記診断結果報告画面の表示および前記補修情報の更新が可能であり、かつ、前記記憶部に記憶されている情報のうち前記補修情報の他の情報の更新は不可能である管理者用端末をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、更新されるべきでない情報が不慮に更新されることを防ぎうる。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記設置場所情報は、前記診断対象機器が設置されているプラントの平面図において前記診断対象機器が設置されている位置を特定する平面図上位置情報と、前記診断対象機器が設置されているプラントの配管機器図において前記診断対象機器を特定する配管機器図上特定情報と、を含むことが好ましい。
この構成によれば、修理作業および二回目以降の検査等のために作業員が診断対象機器に到達することが補助されうる。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記診断結果報告画面は、前記診断対象機器に係る前記平面図上位置情報に基づいて、前記平面図において前記診断対象機器の位置を示す平面図部分と、前記診断対象機器に係る前記配管機器図上特定情報に基づいて、前記配管機器図において前記診断対象機器を特定して示す配管機器図部分と、を含むことが好ましい。
この構成によれば、修理作業および二回目以降の検査等のために作業員が診断対象機器に到達することが補助されうる。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記診断対象機器に取り付けられた、当該診断対象機器に係る前記機器識別情報を特定可能な識別タグを読取可能な読取部をさらに備え、前記演算部は、前記読取部が読み取った前記機器識別情報に基づいて前記診断対象機器を特定して前記診断演算処理を実行し、前記記憶部は、前記診断演算処理の結果に基づいて、前記読取部が読み取った前記機器識別情報により特定される前記診断対象機器に係る診断結果情報を記憶することが好ましい。
この構成によれば、診断対象のプロセス機器の各々を確実に特定しうる。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記診断対象機器を撮影可能な撮影部をさらに備え、前記記憶部は、前記撮影部により撮影した前記診断対象機器に係る画像データをさらに記憶可能であり、前記診断結果報告画面は、前記診断対象機器に係る前記画像データをさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、修理作業および二回目以降の検査等のために作業員が診断対象機器に到達することが補助されうる。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記撮影部は、前記診断対象機器の熱画像を撮影可能であり、前記画像データは、前記診断対象機器に係る熱画像データを含み、前記診断結果報告画面は、前記診断対象機器に係る前記熱画像データを含むことが好ましい。
この構成によれば、診断対象機器の温度状態を理解しやすい。
本発明に係る診断システムは、一態様として、前記記憶部は、複数回の診断に係る複数の診断結果情報を記憶可能であり、前記表示部は、当該複数の診断結果情報を、順次、並べて、または重ねて表示できることが好ましい。
この構成によれば、複数回の診断結果を蓄積および表示できるので、診断対象機器の状態の経時変化を把握しやすい。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
本発明の実施形態に係る診断システムの構成図である。 本発明の実施形態に係る診断機の外観図である。 本発明の実施形態に係る診断結果報告画面の例である。 本発明の実施形態に係るズーム写真の代替例である。 本発明の実施形態に係る一次判定のフロー図である。 本発明の実施形態に係る二次判定のフロー図である。 本発明の実施形態に係る三次判定のフロー図である。 本発明の実施形態に係る四次判定のフロー図である。
本発明に係る診断システム、診断システムの運転方法、および診断プログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係る診断システムを、化学プラントにおいてプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断システム1に用いた例について説明する。
〔用語の定義〕
本願に係る明細書等において、プロセス流体とは、化学プラントを流通する原料、中間体、製品、および廃棄物の少なくとも一つを含む流体であると定義する。すなわち、プロセス流体とは、反応工程における反応物質や分離工程における分離対象の混合物などに対して直接に供給される物質、またはこれらの工程から直接に排出される物質に係る流体をいう。したがって、化学プラントにおいて用いられる流体であっても、化学プラントにおける生産活動において補助的に使用される流体(計装エアー、蒸気、冷媒、作動油など)は、プロセス流体の範疇に含めない。
プロセス流体の例として、水素、硫化水素、飽和炭化水素(メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンなど)、不飽和炭化水素(エチレン、プロピレン、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、1-ペンテン、シス-2-ペンテン、トランス-2-ペンテン、2-メチル-1-ブテンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエンなど)などが挙げられる。ただし、プロセス流体は、上記の例に限定されない。また、プロセス流体は、混合物であってもよい。
本願に係る明細書等において、プロセス機器とは、プロセス流体の流通を制御する機器であると定義する。具体的には、開閉弁、制御弁、安全弁、破裂板などが該当する。これらの例のうち、開閉弁および制御弁は、グローブ弁、ゲート弁、ボール弁などの公知の方式の弁として実装される。
〔診断システムの構成〕
本実施形態に係る診断システム1は、診断機10と、管理端末20と、サーバ装置30とを備える(図1)。診断機10は、超音波を測定可能な超音波測定部11(物理量測定部の例)と、温度を測定可能な温度測定部12(物理量測定部の例)と、演算処理が可能な演算部13と、各種の情報を記憶可能な記憶部14と、管理端末20と通信可能な通信部15と、RFIDタグリーダ16(読取部の例)と、を有する。管理端末20は、タブレット型コンピュータとして実装されており、使用者からの入力の受付および使用者に対する情報の表示が可能なタッチパネル21(表示部および入力部の例)と、各種の情報を記憶可能な記憶部22と、演算処理が可能な演算部23と、診断機10およびネットワークNと通信可能な通信部24と、を有する。サーバ装置30は、サーバ型コンピュータとして実装されており、各種の情報を記憶可能な記憶部31と、ネットワークNに接続可能な通信部32とを有する。
診断機10において、超音波測定部11および温度測定部12は、棒状の探針10aの先端に設けられている(図2)。この探針10aを、診断対象のプロセス機器である診断対象機器に接触させることで、超音波測定部11による超音波測定と、温度測定部12による温度測定とを同時に実施できる。超音波測定部11には公知の超音波検出素子(たとえば、圧電素子)が設けられており、温度測定部12には公知の温度測定素子(たとえば、熱電対)が設けられている。
超音波測定部11により測定された超音波と、温度測定部12により測定された温度とは、それぞれ電子データとして、記憶部14に記憶される。記憶部14は、具体的には半導体メモリ(フラッシュメモリなど)として実装されている。演算部13は、CPUを中核部材とする演算装置として実装されており、記憶部14に記憶された複数回の測定に係る超音波および温度のデータを比較演算できる。
RFIDタグリーダ16は、各プロセス機器に取り付けられたRFIDタグから、当該プロセス機器の管理番号を読み取ることができる。読み取られた管理番号により、検査対象のプロセス機器が特定される。
通信部15は、超音波測定部11により測定された超音波および温度測定部12により測定された温度の生データ、および、演算部13により演算処理された演算処理データを、RFIDタグリーダ16により読み取られた検査対象のプロセス機器の管理番号と関連付けて、管理端末20(通信部24)に対して送出できる。
診断機10は、その他、使用者からの入力を受付可能な入力ボタン17、および、使用者に対して情報を表示可能な液晶ディスプレイ18を有する(図2)。液晶ディスプレイ18には、超音波測定部11により測定された超音波および温度測定部12により測定された温度の各データ、演算部13による演算処理の結果、および診断作業に必要な種々の情報が表示される。入力ボタン17は、液晶ディスプレイ18に表示される情報を切り替える操作などの入力を受け付ける。
前述の通り管理端末20はタブレット型コンピュータとして実装されており、タッチパネル21は使用者に対する入出力インターフェースとして機能する。タッチパネル21を介して入出力される各種情報の詳細については後述する。
通信部24は、診断機10(通信部15)から送出された各種データを受信できる。受信したデータは、記憶部22に記憶される。また通信部24は、ネットワークNを介してサーバ装置30(通信部32)と通信し、各種の情報をサーバ装置30と交換できる。加えて、通信部24は、ネットワークN上の他のコンピュータ(不図示)とも通信可能であり、かかる他のコンピュータからも各種の情報を取得できる。
記憶部22には、診断機10から受信した各種データに加えて、診断対象の各プロセス機器に係る各種の情報が記憶される。記憶部22は、具体的には半導体メモリ(フラッシュメモリなど)として実装されている。演算部23は、記憶部22に記憶された各種データおよび各種情報に基づいて、タッチパネル21に表示する診断結果報告画面40を生成する。記憶部22に記憶されるデータおよび情報ならびに診断結果報告画面40の内容については後述する。
サーバ装置30は、通信部32を介して管理端末20(通信部24)と各種の情報を交換するとともに、記憶部31に各種の情報を記憶する。記憶部31は、ハードディスク等の大容量記憶装置として実装されている。サーバ装置30に対しては、管理端末20の他の端末(不図示)からもアクセスでき、記憶部31に記憶された各種の情報を、かかる他の端末からも閲覧できる。たとえば、検査員が診断機10および管理端末20を用いてプロセス機器の診断を行い、その診断結果をサーバ装置30に記憶させると、当該プロセス機器の管理者が診断結果を他の端末から閲覧できる。
なお、診断システム1において、サーバ装置30の記憶部31に記憶された情報がマスターデータとしての位置づけを有する。管理端末20の記憶部22は、取得、入力等された後、まだ記憶部31に記憶されていない情報、および、管理端末20上での処理に用いるために選択された情報を記憶する。そのため、たとえばタッチパネル21に表示する頻度の低い情報などは、記憶部31に記憶された上で、記憶部22からは削除される。
〔診断結果報告画面の構成〕
次に、タッチパネル21に表示される診断結果報告画面40(図3)の構成について説明する。診断結果報告画面40は、診断対象のプロセス機器ごとに作成される。診断結果報告画面40は、検査員が各プロセス機器についての診断結果を入力する際の入力インターフェースとして、かつ、検査員、管理者、およびその他の関係者が各プロセス機器についての診断結果を閲覧する際の出力インターフェースとして、機能する。診断結果報告画面40には、ロケーション情報41、流体情報42、機器情報43、運転情報44、診断結果45、補修状況46、平面図47、配管機器図48(P&ID48)、およびロケーション写真49が含まれる。
ロケーション情報41には、診断対象のプロセス機器が設置されている場所を特定するための情報が含まれる。具体的には、当該プロセス機器の管理番号(機器識別情報の例)、当該プロセス機器が設置されているエリアの名称、当該プロセス機器が設置されているプロセスの名称、当該プロセス機器が設置されている配管の名称、当該プロセス機器が設置されている地点を特定する名称、当該プロセス機器が設置されている階層、および、当該プロセス機器が設置されている箇所にアクセスするための方法(徒歩によりアクセス可能か、脚立等を使用する必要があるか、などの種別)など(いずれも設置場所情報の例)が含まれる。これらの情報により、診断対象のプロセス機器の各々を確実に特定するとともに、修理作業および二回目以降の検査等のために作業員が当該プロセス機器に到達することを補助する。
流体情報42には、診断対象のプロセス機器に流通する流体に関する情報が含まれる。具体的には、当該プロセス機器を流通する流体の種類、当該プロセス機器を流通する流体の状態(気体、液体などの種別)、当該プロセス機器を流通する流体のライン圧力、および、当該プロセス機器を流通する流体の背圧などが含まれる。なお、これらの情報はいずれも、当該プロセス機器の平常運転時の状態に関する情報である。これらの情報により、当該プロセス機器がどのような条件下で使用されているかがわかる。
機器情報43には、診断対象のプロセス機器自身に関する情報が含まれる。具体的には、当該プロセス機器の種類(開閉弁、制御弁、安全弁、破裂板など)、当該プロセス機器の平常運転時における開閉状態、当該プロセス機器の製造元メーカーおよび型式名、当該プロセス機器の設定圧力、ならびに当該プロセス機器の入口および出口の寸法および接続仕様などが含まれる。これらの情報により、当該プロセス機器の仕様が明らかになり、修理および交換の準備がしやすくなる。
運転情報44には、診断対象のプロセス機器の運転頻度に関する情報が含まれる。図3に示した例では、当該プロセス機器が設置されたラインが運転中であり、その稼働時間は24時間/日かつ365日/年であることが示されている。これらの情報により、当該プロセス機器の負荷状況を推定しうる。
診断結果45(診断結果情報の例)には、診断対象のプロセス機器の診断結果に関する情報が含まれる。具体的には、診断を行った日、診断を行った検査員、診断による判定結果、ならびに診断時における当該プロセス機器の入口および出口の表面温度およびその温度差などが含まれる。判定結果は、「正常」、「要確認」、および「漏れ」の三段階で表現される。「正常」の判定結果は、診断機10を用いた診断により、当該プロセス機器から漏れが生じていない正常な状態であると断定できたことを意味する。「漏れ」の判定結果も同様に、診断機10を用いた診断により、当該プロセス機器から漏れが生じていると断定できたことを意味する。一方、「要確認」の判定結果は、診断機10を用いた診断からでは漏れの有無を断定できず、漏れの有無を判定するためにはより詳細な検査が必要であることを意味する。
補修状況46には、診断対象のプロセス機器の補修状況が表示される。図3に示した例では、当該プロセス機器が補修されたことが確認された日付を入力および表示できるようになっている。
平面図47には、診断対象のプロセス機器が設置された箇所の周辺の平面図が表示される。ここで表示される平面図は、当該プロセス機器が設置されたプラントを運転する事業者等が所持する当該プラントについての配置図を、当該プロセス機器が設置された箇所の周辺について複製したものである。また、平面図47には、当該プロセス機器の設置場所を表す表示子47a(平面図上位置情報の例)が表示される。なお、平面図47の縮尺は自由に変更できる。平面図47は、修理作業および二回目以降の検査等のために作業員が当該プロセス機器に到達することを補助する。
配管機器図48には、診断対象のプロセス機器が設置された箇所の周辺の配管機器図(P&ID)が表示される。ここで表示される配管機器図は、当該プロセス機器が設置されたプラントを運転する事業者等が所持する当該プラントについての配管機器図を、当該プロセス機器が設置された箇所の周辺について複製したものである。また、配管機器図48には、配管機器図上における当該プロセス機器を示す表示子48a(配管機器図上特定情報の例)が表示される。なお、配管機器図48の縮尺は自由に変更できる。配管機器図48は、検査員、管理者、およびその他の関係者が、当該プロセス機器のプロセス中での役割を理解する助けとなる。
ロケーション写真49には、診断対象のプロセス機器およびその周辺を撮影した写真が含まれる。図3に示した例では、バルブ(プロセス機器の例)にズームインしたズーム写真49aと、当該バルブの周囲を一緒に写したアウト写真49bとが並べて表示される。また、ズーム写真49aおよびアウト写真49bには、それぞれの写真中におけるバルブを特定する表示子49c、49dが表示される。ロケーション写真49は、修理作業および二回目以降の検査等のために作業員が当該バルブに到達することを補助する。
なお、ロケーション写真49としては、通常のデジタル画像に替えて、または加えて、熱画像を使用できる。たとえば、図4に示したズーム写真の代替例49eでは、通常のデジタル画像に重ねて、診断対象のバルブの熱画像49fを表示する。この例では、高温部分から低温部分にかけて、明色から暗色に移り変わる態様で表示することによって、熱画像上で温度差を表現しており、高温のプロセス流体が存在するために温度が高いバルブの一次側(図4では左側)は明色で示され、かかるプロセス流体が存在せず温度が低い二次側(図4では右側)は暗色で示される。
〔診断システムの運転方法〕
次に、本実施形態に係る診断システム1の運転方法について説明する。プロセス機器の診断にあたり、検査員は、診断機10および管理端末20を所持して、プラント内に設置された各プロセス機器を一つずつ検査する。なお、本実施形態では、検査対象とするプロセス機器の二次側がフレアスタックに接続されており、したがって各プロセス機器の二次側が大気圧である場合を例として説明する。
《検査の開始》
検査員が診断対象のプロセス機器(以下、診断対象機器という。)に到達すると、まず、診断機10のRFIDタグリーダ16により、診断対象機器に取り付けられたRFIDタグを読み取る。これにより、演算部13は、診断対象機器の管理番号を取得する。
取得された管理番号は、管理端末20に送出される。管理端末20の演算部23は、診断機10から受信した管理番号をキーとして、診断対象機器に関するデータが管理端末20の記憶部22に存在するか否かを検索する。かかるデータが存在する場合は、タッチパネル21に、診断対象機器に関する診断結果報告画面40が表示される。検査員は、診断結果報告画面40に表示された事項と、現地において確認した診断対象機器の設置状況および使用状況とを比較し、修正すべき項目があれば修正点を入力する。
一方、診断対象機器の管理番号に対応するデータが存在しない場合は、診断対象機器の管理番号のみが入力された新規データが作成される。検査員は、診断対象機器が設置された場所、診断対象機器に接続された配管、診断対象機器の銘板に記載された情報などに基づいて、ロケーション情報41、流体情報42、機器情報43、および運転情報44の各項目を入力する。また、検査員は、平面図47上において診断対象機器の位置を指定する入力操作を行い、当該指定箇所に表示子47aを配置する。同様に、配管機器図48上に表示子48aを配置する。加えて、診断対象機器のズーム写真およびアウト写真を撮影し、それぞれズーム写真49a、アウト写真49bとして登録する。この撮影は、管理端末20と一体に設けられた撮影機器(撮影部の例、不図示)または管理端末20とは別個に設けられた撮影機器(撮影部の例、不図示)のいずれを用いて行ってもよい。また、ズーム写真49aおよびアウト写真49bにおいて、診断対象機器の位置を指定する入力操作を行い、表示子49cおよび49dを配置する。なお、以上の入力操作は、診断対象機器の検査に先立って行ってもよいし、一連の検査が終了した後の任意の時期に行ってもよい。ここで入力された各情報は、管理端末20の記憶部22およびサーバ装置30の記憶部31に記憶される。
演算部13が診断対象機器の管理番号を取得すると、液晶ディスプレイ18に、診断対象機器の本体部の測定を行うべき旨の指示が表示される。検査員は、診断機10の探針10aを診断対象機器の本体に押し当てて検査を実施する。このとき、超音波測定部11による超音波測定と、温度測定部12による温度測定とが行われ、演算部13は両測定の測定結果を取得する。また、これらの測定結果は記憶部14に記憶され、さらに管理端末20の記憶部22およびサーバ装置30の記憶部31に記憶される。
《一次判定》
演算部13は、検出された超音波の強度に基づく一次判定演算(第一診断演算処理の例)を行う(図5)。演算部13は、超音波測定部11により測定された超音波の強度(S11)と、所定の閾値とを比較する(S12)。超音波の強度が閾値未満である場合は、診断対象機器は漏れが生じていない「正常」の状態であると判定する。一方、超音波の強度が閾値以上である場合は、液晶ディスプレイ18に、診断対象機器の上流側および下流側の配管(以下、周辺部という。)についての測定を行うべき旨の指示が表示される。検査員は、診断対象機器の上流側および下流側の配管に探針10aを順次押し当てて、これらの配管の振動および温度を測定する(S13)。演算部13は、本体部の測定と同様に、周辺部の測定結果を取得する。また、周辺部の測定結果は、記憶部14に記憶される。
このとき演算部13は、本体部と周辺部との超音波の強度を比較する(S14a、S14b)。ここで、周辺部の超音波(第二超音波)の強度が本体部の超音波(第一超音波)の強度より十分に大きい場合(すなわち、周辺部の超音波の強度が本体部の超音波の強度より大きく、かつ、その差が所定の基準値以上である場合)は、演算部13は、診断対象機器は「正常」の状態であると判定する。この場合、本体部において検出された超音波は、プロセス流体の漏れではなく、周辺環境で生じている振動など(以下、外乱という。)によるものだと判断できるからである。一方、本体部の超音波の強度が周辺部の超音波の強度より十分に大きいときは、演算部13は、診断対象機器は「漏れ」の状態であると判定する。この場合、本体部で検出された超音波の原因が外乱にあるとは考えられず、当該超音波がプロセス流体の漏れに起因すると判断できるからである。これらの場合のように、超音波の強度に基づいて「正常」または「漏れ」の状態であると判定できる場合は、後述する二次~四次判定は実行しない。
なお、周辺部の超音波の強度と本体部の超音波の強度との差が小さい場合(すなわち、周辺部の超音波の強度と本体部の超音波の強度との差が上記基準値未満の場合)は、演算部13は、一次判定演算によっては診断対象機器の状態を断定できない「要確認」状態であると判定する。
一次判定演算が終了すると、測定された超音波および温度のデータ、ならびに判定結果が、管理端末20に送出される。管理端末20はこれらの情報を受信し、これらの情報は記憶部22に記憶される。また、演算部23がこれらの情報を取得し、診断結果報告画面40には、診断結果45の判定、入口表面温度、出口表面温度、および温度差の項目が受信したデータに基づいて表示される。加えて、データを受信した日時に基づいて、診断日が入力される。なお、診断者については、検査員が自身で入力するようにしてもよいし、管理端末20のログインIDに紐付けるなどの方法により自動で入力されるようにしてもよい。
なお、管理端末20は、記憶部22に蓄積された各種データを、適宜サーバ装置30に送出する。各種データはサーバ装置30の記憶部31にも記憶される。
《二次判定》
一次判定演算によって「要確認」状態だと判定された場合、演算部23は、検出された温度に基づく二次判定演算(第二診断演算処理の例)を行う(図6)。演算部23は、入力されたプロセス流体の種類に基づいて、当該プロセス流体の沸点の値を記憶部22から取得する(S21)。なお、プロセス流体の種類が未入力の場合は、タッチパネル21にその入力を促す案内が表示される。また、記憶部22に当該プロセス流体の沸点の値が記憶されていない場合は、ネットワークNを介してサーバ装置30または他のコンピュータから当該沸点の値を取得する。
次に演算部23は、入力されたプロセス流体の状態(気体、液体などの種別)に基づいて、平常時において、当該プロセス流体が診断対象機器の一次側において液体であるか否かを判定する(S22)。プロセス流体が液体である場合は、当該プロセス流体の沸点(S21で取得)と、診断時における診断対象機器の周辺気温とを比較する(S23)。かかる周辺気温は、温度測定部12により取得されてもよいし、他の公知の方法により取得されてもよい。ここで、当該プロセス流体が液体ではない(一次側において気体である場合など)、および当該プロセス流体の沸点が気温より高い、の少なくとも一方の条件を満たす場合は、二次判定演算によっては診断対象機器の状態を断定できない「要確認」状態であると判定する。この場合、さらなる判定のためには後述する三次判定を要する。
診断対象機器の一次側においてプロセス流体が液体であり、かつ、その沸点が気温より低い場合に、診断対象機器において漏れが生じると、診断対象機器から漏れたプロセス流体が大気圧に開放されることによって、プロセス流体の急激な気化が起こる。このとき、気化熱によって二次側の流路周辺の熱が奪われるため、診断対象機器の下流側において温度が低下する。すなわち、診断対象機器の一次側におけるプロセス流体の状態と、当該プロセス流体の沸点とに基づいて、診断対象機器において漏れが生じた場合に気化熱による温度低下が生じるか否かを予測できる。この予測を前提として、演算部23は、診断対象機器の下流側の温度と、上流側の温度および気温とを比較する(S24)。ここで、下流側の温度が上流側の温度および気温の双方より5℃以上低い場合、演算部23は、診断対象機器は「漏れ」の状態であると判定する。この場合は、下流側において明らかな温度低下が見られている(誤差、ばらつき等による温度差の域を超えた温度差が存在する)といえるので、プロセス流体が漏れて気化熱による温度低下が生じていると判断できるからである。
一方、下流側の温度と上流側の温度および気温との関係から、気化熱による温度低下が生じていると認められない場合、演算部23は、下流側の温度と気温とをさらに比較する(S25)。ここで、下流側の温度が外気温と同等または外気温より高温の場合、演算部23は、診断対象機器は「正常」の状態であると判定する。これは仮に漏れが生じている場合、上記のように気化熱による温度低下が生じるはずであるので、下流側の温度が外気温と同等または外気温より高温である現象が観測されえないためである。また、上記の「漏れ」または「正常」と判定するいずれの場合にも該当しない場合、すなわち、下流側の温度が上流側の温度および気温の双方より低いものの、その差が5℃未満の場合は、その温度差が気化熱によるものなのか、誤差、ばらつき等によるものなのかを判断できないため、二次判定演算によっては診断対象機器の状態を断定できない「要確認」状態であると判定する。この場合、さらなる判定のためには後述する四次判定を要する。
《三次判定》
二次判定演算において、プロセス流体が液体ではない場合(一次側において気体である場合など)、および当該プロセス流体の沸点が気温より高い場合の少なくとも一方に該当し、「要確認」状態であると判定された場合、演算部23は検出された温度に基づく三次判定演算(第二診断演算処理の例)を行う(図7)。演算部23は、診断対象機器の上流側の温度と、診断時における診断対象機器の周辺気温とを比較する(S31)。ここで、上流側の温度が気温以下の場合、演算部23は、三次判定演算によっては診断対象機器の状態を断定できない「要確認」状態であると判定する。この場合、さらなる判定のためには後述する四次判定を要する。
上流側の温度が気温より高い場合、演算部23は、下流側の温度と気温とを比較する(S32)。ここで、下流側の温度が気温より高い場合、演算部23は、診断対象機器の下流側のスチームトレースの状態を確認する旨の案内を、タッチパネル21に表示させる(S33)。検査員は、案内に従い、目視、触診などの方法により、スチームトレースの状態を確認し、スチームトレースの設置状態が、診断対象機器の下流側の温度状態に変化を与えているか否かを判断し、その結果をタッチパネル21に入力する(S34)。ここで、スチームトレースの設置状態が診断対象機器の下流側の温度状態に変化を与えていないと判断できる場合、演算部23は、診断対象機器は「漏れ」の状態であると判定する。この判定フローに進む場合、上流側の温度が気温より高いので、すなわち診断対象機器の一次側には気温より高い温度のプロセス流体が流通している。そのため、かかるプロセス流体が診断対象機器の二次側に漏れ出すと、二次側の配管の温度が上昇する。そして、かかる温度上昇は、スチームトレースの設置状態の不良に起因するものではないと判断されている。以上の理由により、上記の場合は、「漏れ」の状態であると判定される。
一方、スチームトレースの設置状態が不良であり、下流側の温度が気温より高いことがプロセス流体の漏れによると断定できない場合は、演算部23は、三次判定演算によっては診断対象機器の状態を断定できない「要確認」状態であると判定する。この場合、さらなる判定のためには後述する四次判定を要する。
また、上流側の温度が気温より高く、かつ、下流側の温度が気温以下である場合、演算部23は、診断対象機器の周囲のスチームトレースの状態を確認する旨の案内を、タッチパネル21に表示させる(S35)。検査員は、案内に従い、目視、触診などの方法により、スチームトレースの状態を確認し、スチームトレースの設置状態が、診断対象機器の温度状態に変化を与えているか否かを判断し、その結果をタッチパネル21に入力する(S36)。ここで、スチームトレースの設置状態が診断対象機器の温度状態に変化を与えていないと判断できる場合、演算部23は、診断対象機器は「正常」の状態であると判定する。この判定フローに進む場合、下流側の温度は気温以上なので、気温より高い温度のプロセス流体が二次側に漏れ出している状態ではないと認められる。そして、スチームトレースの設置状態は正常であり温度状態に変化を与えていないと判断されている。以上の理由により、上記の場合は、「正常」の状態であると判定される。
一方、スチームトレースの設置状態が不良であり、下流側の温度が気温より低いことがプロセス流体の漏れがないことを保証すると断定できない場合は、演算部23は、三次判定演算によっては診断対象機器の状態を断定できない「要確認」状態であると判定する。この場合、さらなる判定のためには後述する四次判定を要する。
《四次判定》
以上の一次~三次判定により診断対象機器の状態を断定できない場合、四次判定を実施する(図8)。まず、診断対象機器の下流側に開閉可能なバルブが存在するか否かを確認する(S41)。そのようなバルブが存在しない場合や、そのようなバルブは存在するが運転状況などの事情により当該バルブを操作できない場合は、診断対象機器の状態を断定できないことが確定し、演算部23は診断対象機器の状態を「要確認」とする判定を確定する。
操作可能なバルブ(以下、単に「バルブ」と記載する。)が存在する場合、演算部23は、診断対象機器の超音波測定を行うべき旨の案内をタッチパネル21に表示させる(S42)。検査員は、案内に従い、診断機10の探針10aを診断対象機器に接触させて、超音波測定部11による超音波測定を開始する。次に演算部23は、超音波測定を継続しながら、バルブの開閉操作を行う旨の案内をタッチパネル21に表示させる(S43、S45)。検査員は、バルブを閉止したときの超音波測定(S44)の結果と、バルブを開放したときの超音波測定(S46)とを確認する。なお、四次判定に進んでいる場合は、本体部において超音波が検出された場合(S12)であるので、バルブ操作を行う前の超音波測定(S42)においても超音波が検出される。この超音波が、バルブを閉止したときに消失し、バルブを開放したときに再び検出される場合、演算部23は、診断対象機器は「漏れ」の状態であると判定する。漏れが生じている場合に下流側のバルブを閉止すると、やがて診断対象機器の一次側と二次側との圧力が同一になり、漏れが生じなくなって超音波が検出されなくなる。しかし、バルブを開放すると再び圧力差が生じるため漏れが生じ、超音波が再び検出される。以上の理由により、上記の場合は、「漏れ」の状態であると判定される。
一方、バルブを閉止しても引き続き超音波が検出される場合、および、バルブ閉止後にバルブを開放しても超音波が再び検出されるようにならない場合、演算部23は、診断対象機器は「正常」の状態であると判定する。この場合、先に本体部から検出された超音波(S12、S42)は、外乱によるものであったと判断されるためである。
以上のように、診断対象機器に係る超音波および温度の測定に基づいて、診断対象機器においてプロセス流体の漏れが生じているか否かを判定できる。判定された「正常」、「漏れ」、または「要確認」の状態は、診断対象機器の管理番号と関連付けられて、管理端末20の記憶部22およびサーバ装置30の記憶部31に記憶される。
〔診断結果の閲覧および補修措置〕
上記の診断システム1の運転方法により、各プロセス機器についての診断結果が蓄積される。検査員、プラント管理者、およびその他の関係者(以下、閲覧者という。)は、管理端末20、管理者用の管理者用端末、またはその他の任意の端末に、各プロセス機器についての診断結果報告画面40を表示させて、各プロセス機器の診断結果および関連情報を閲覧できる。また、閲覧者は、サーバ装置30の記憶部31に記憶された複数のプロセス機器に係る診断結果に基づいて、「漏れ」状態のプロセス機器の一覧、「要確認」状態のプロセス機器の一覧、プラントのエリアごとの「漏れ」状態のプロセス機器の個数の集計、などの二次的な情報を閲覧できる。さらに、プラントの平面図上に各診断対象機器の位置示すアイコンを重ねて表示し、各アイコンの色を各診断対象機器の状態に対応した色(「正常」は緑、「要確認」は黄、「漏れ」は赤)にした機器分布図も出力可能である。
「漏れ」の状態と診断されたプロセス機器については、修理、交換などの補修措置が必要である。また、「要確認」の状態と診断されたプロセス機器については、プラントを停止する機会に当該プロセス機器を解体して点検するべきであり、漏れが認められた場合は補修措置が必要である。本実施形態に係る診断システム1では、任意の閲覧者が、診断結果報告画面40の補修状況46に対して、補修措置の実施状況を入力できる。「漏れ」の状態と診断されたプロセス機器について、補修措置の実施が完了したことが入力されると、当該プロセス機器の状態は「漏れ(補修済)」に変更される。なお、実際の補修措置の実施にあたっては、ロケーション情報41、流体情報42、機器情報43、平面図47、配管機器図48、およびロケーション写真49を参考にすると、現地において補修対象のプロセス機器を特定しやすい。
なお、診断システム1は、診断結果報告画面40の補修状況46以外の部分に対しては、補修状況46以外の部分に対しては管理端末20からのみ更新が可能であり、管理者用端末などの他の端末からは更新を行えないように構成されている。これは、ロケーション情報41、流体情報42、機器情報43、運転情報44、平面図47、配管機器図48、およびロケーション写真49は原則として更新する必要がない情報であり、診断結果45は診断機10を用いた実測に基づく場合にのみ更新されるべき情報であるからである。上記の構成により、更新されるべきでない情報が不慮に更新されることを防ぎうる。
〔二回目以降の検査〕
同一のプラント機器に対する二回目以降の検査は、上記と同様に実施される。このとき、同一のプラント機器に対する複数回の診断結果が、サーバ装置30の記憶部31に蓄積される。このように、同一の診断対象機器に対する複数回の診断結果が蓄積されている場合、当該診断対象機器に対応する診断結果報告画面40をタッチパネル21に表示させると、初期状態では最新の診断結果が診断結果45として表示される。なお、過去の診断結果を閲覧することも可能である。この場合、最新の診断結果と過去の診断結果とを、順次表示する態様、並べて表示する態様、および重ねて表示する態様が選択できる。このように、同一のプラント機器に係る診断結果を定期的に蓄積すると、当該プラント機器の経時による劣化を察知しやすい。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る診断システム、診断システムの運転方法、診断プログラムのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
上記の実施形態では、診断システム1が、診断機10と、管理端末20と、サーバ装置30とを備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る診断システムにおいて、超音波測定部、温度測定部、および演算部、ならびに他の任意の構成要素は、一つ、二つ、または四つ以上の構成機器として存在しうる。本発明に係る診断システムは、たとえば、演算処理をサーバ装置の演算部により行うように構成されうる。
上記の実施形態では、一次判定に係る演算処理を診断機10の演算部13により実行し、二次~四次判定に係る演算処理を管理端末20の演算部23により実行する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る診断システムにおいて、各演算処理を行う演算部は、単一であっても複数であってもよい。また、演算部が複数である場合、各演算処理をいずれの演算部によって行うかの割当ては任意である。
上記の実施形態では、一次判定において、診断対象機器の本体部における超音波の強度が閾値以上である場合に、診断対象機器の上流側および下流側の配管の振動を測定する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る第二超音波の測定は、診断対象機器に接続された配管について超音波の測定を行う限り、上記の態様に限定されない。たとえば、診断対象機器の上流側および下流側の一方のみの配管の振動を測定してもよい。
上記の実施形態では、一次判定および四次判定において、検出された超音波の強度に基づいて判定を行う構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る第一診断演算処理において、超音波に基づいてプロセス流体の漏れの有無を判定する方法は特に限定されない。たとえば、超音波の強度に替えて、または加えて、超音波の波形、特徴量、平均値などを判定材料にしうる。
上記の実施形態では、二次判定および三次判定において、診断対象機器などの温度(瞬時値)に基づいて判定を行う構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る第二診断演算処理において、温度に基づいてプロセス流体の漏れの有無を判定する方法は特に限定されない。たとえば、温度の瞬時値に替えて、または加えて、温度の時間変化率、移動平均、所定の期間における最大値または最小値などを判定材料にしうる。
上記の実施形態では、三次判定において、気温より高い温度のプロセス流体が流通している場合において、当該プロセス流体が漏れているときは診断対象機器の二次側で温度上昇が見られる現象を利用して、漏れの有無を判定する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る第二診断演算処理において、温度に基づいてプロセス流体の漏れの有無を判定する方法は特に限定されない。たとえば、診断対象機器の上流側の温度が気温より低い場合に、プロセス流体の漏れにより二次側で温度低下が見られる現象を利用してもよい。
上記の実施形態では、診断結果報告画面40が、ロケーション情報41、流体情報42、機器情報43、運転情報44、診断結果45、補修状況46、平面図47、配管機器図48、およびロケーション写真49を含む構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る診断結果報告画面は、少なくとも、機器識別情報、診断結果情報、設置場所情報、流体情報、機器情報、および運転情報を含めばよい。また、上記に例示した以外の情報を含んでもよく、たとえば、診断時におけるフレアスタックの炎の色や、当該炎の画像などを含みうる。
上記の実施形態では、検査対象とするプロセス機器の二次側がフレアスタックに接続されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る診断システムは、プロセス流体の流通を制御するプロセス機器である限り、任意の態様で設置されたプロセス機器を診断しうる。なお、一次~四次判定の各判定基準は、プロセス機器が設置される条件に基づいて任意に変更されうる。たとえば、プロセス機器の二次側が、一次側より低く大気圧より高い気圧である場合、漏出したプロセス流体の気化熱により生じる温度低下の幅が小さくなりうるので、これを考慮した判定条件を設定する。
上記の実施形態では、診断機10のRFIDタグリーダ16により診断対象機器に取り付けられたRFIDタグを読み取ることによって、診断対象機器の管理番号を特定する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る診断システムにおいて、診断対象機器を識別する機器識別情報を特定する方法は特に限定されず、たとえば検査員が診断対象機器の銘板に記載された機器識別情報を目視により読み取ってこれを診断システムに入力する方法であってもよい。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、たとえば化学プラントにおいてプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断システムに利用することができる。
1 :診断システム
10 :診断機
10a :探針
11 :超音波測定部
12 :温度測定部
13 :演算部(診断機)
14 :記憶部(診断機)
15 :通信部(診断機)
16 :RFIDタグリーダ
17 :入力ボタン
18 :液晶ディスプレイ
20 :管理端末
21 :タッチパネル
22 :記憶部(管理端末)
23 :演算部(管理端末)
24 :通信部(管理端末)
30 :サーバ装置
31 :記憶部(サーバ装置)
32 :通信部(サーバ装置)
N :ネットワーク
40 :診断結果報告画面
41 :ロケーション情報
42 :流体情報
43 :機器情報
44 :運転情報
45 :診断結果
46 :補修状況
47 :平面図
47a :表示子(平面図)
48 :配管機器図
48a :表示子(配管機器図)
49 :ロケーション写真
49a :ズーム写真
49b :アウト写真
49c :表示子(ズーム写真)
49d :表示子(アウト写真)
49e :ズーム写真の代替例
49f :熱画像

Claims (12)

  1. 化学プラントを流通する原料、中間体、製品、および廃棄物の少なくとも一つを含むプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断システムであって、
    診断対象の前記プロセス機器である診断対象機器に係る物理量を測定可能な物理量測定部と、
    前記物理量に基づいて前記診断対象機器における前記プロセス流体の漏れの有無を判定する診断演算処理をコンピュータにより実行可能な演算部と、
    前記診断対象機器を識別する機器識別情報、前記物理量測定部により測定した前記物理量および前記診断演算処理の結果に係る情報を含む診断結果情報、前記診断対象機器の設置場所に係る情報を含む設置場所情報、前記診断対象機器により流通が制御される流体に係る情報を含む流体情報、前記診断対象機器の型式に係る情報を含む機器情報、および前記診断対象機器の規定の運転状態としての当該診断対象機器の運転頻度に係る情報を含む運転情報、を前記診断対象機器ごとに記憶可能な記憶部と、
    前記診断対象機器についての前記機器識別情報、前記診断結果情報、前記設置場所情報、前記流体情報、前記機器情報、および前記運転情報を含む診断結果報告画面を表示可能な表示部と、を備え、
    前記物理量測定部は、前記診断対象機器に係る超音波を測定可能な超音波測定部と、前記診断対象機器に係る温度を測定可能な温度測定部とを有し、
    前記演算部は、前記診断演算処理として、前記超音波に基づき、かつ前記温度に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第一診断演算処理と、前記温度に基づき、かつ前記超音波に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第二診断演算処理とをコンピュータにより実行可能であり、
    前記第一診断演算処理を、前記第二診断演算処理より前に実行するように構成されており、
    前記演算部は、前記第一診断演算処理において前記診断対象機器に漏れが生じていないと判断したときは、前記第二診断演算処理を実行しない診断システム。
  2. 前記記憶部に記憶された各情報を更新可能な入力部をさらに備える請求項1に記載の診断システム。
  3. 前記記憶部は、前記診断演算処理において前記プロセス流体の漏れがあると判定された前記診断対象機器について、当該漏れに対する補修措置の状況に係る情報を含む補修情報をさらに記憶可能であり、
    前記診断結果報告画面は、前記補修情報をさらに含む請求項1または2に記載の診断システム。
  4. 前記診断結果報告画面の表示および前記補修情報の更新が可能であり、かつ、前記記憶部に記憶されている情報のうち前記補修情報の他の情報の更新は不可能である管理者用端末をさらに備える請求項に記載の診断システム。
  5. 前記設置場所情報は、
    前記診断対象機器が設置されているプラントの平面図において前記診断対象機器が設置されている位置を特定する平面図上位置情報と、
    前記診断対象機器が設置されているプラントの配管機器図において前記診断対象機器を特定する配管機器図上特定情報と、を含む請求項1~のいずれか一項に記載の診断システム。
  6. 前記診断結果報告画面は、
    前記診断対象機器に係る前記平面図上位置情報に基づいて、前記平面図において前記診断対象機器の位置を示す平面図部分と、
    前記診断対象機器に係る前記配管機器図上特定情報に基づいて、前記配管機器図において前記診断対象機器を特定して示す配管機器図部分と、を含む請求項に記載の診断システム。
  7. 前記診断対象機器に取り付けられた、当該診断対象機器に係る前記機器識別情報を特定可能な識別タグを読取可能な読取部をさらに備え、
    前記演算部は、前記読取部が読み取った前記機器識別情報に基づいて前記診断対象機器を特定して前記診断演算処理を実行し、
    前記記憶部は、前記診断演算処理の結果に基づいて、前記読取部が読み取った前記機器識別情報により特定される前記診断対象機器に係る診断結果情報を記憶する請求項1~のいずれか一項に記載の診断システム。
  8. 前記診断対象機器を撮影可能な撮影部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記撮影部により撮影した前記診断対象機器に係る画像データをさらに記憶可能であり、前記診断結果報告画面は、前記診断対象機器に係る前記画像データをさらに含む請求項1~のいずれか一項に記載の診断システム。
  9. 前記撮影部は、前記診断対象機器の熱画像を撮影可能であり、
    前記画像データは、前記診断対象機器に係る熱画像データを含み、
    前記診断結果報告画面は、前記診断対象機器に係る前記熱画像データを含む請求項に記載の診断システム。
  10. 前記記憶部は、複数回の診断に係る複数の診断結果情報を記憶可能であり、
    前記表示部は、当該複数の診断結果情報を、順次、並べて、または重ねて表示できる請求項1~のいずれか一項に記載の診断システム。
  11. 化学プラントを流通する原料、中間体、製品、および廃棄物の少なくとも一つを含むプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断システムの運転方法であって、
    診断対象の前記プロセス機器である診断対象機器に係る物理量を取得する物理量測定工程と、
    前記物理量に基づいて前記診断対象機器における前記プロセス流体の漏れの有無を判定する診断演算処理をコンピュータにより実行する演算工程と、
    前記診断対象機器を識別する機器識別情報、前記物理量測定工程において測定した前記物理量および前記診断演算処理の結果に係る情報を含む診断結果情報、前記診断対象機器の設置場所に係る情報を含む設置場所情報、前記診断対象機器により流通が制御される流体に係る情報を含む流体情報、前記診断対象機器の型式に係る情報を含む機器情報、および前記診断対象機器の規定の運転状態としての当該診断対象機器の運転頻度に係る情報を含む運転情報、を前記診断対象機器ごとに記憶装置に記憶する記憶工程と、
    前記診断対象機器についての前記機器識別情報、前記診断結果情報、前記設置場所情報、前記流体情報、前記機器情報、および前記運転情報を含む診断結果報告画面を表示装置に表示する表示工程と、を備え、
    前記物理量測定工程は、前記診断対象機器に係る超音波を測定可能な超音波測定工程と、前記診断対象機器に係る温度を測定可能な温度測定工程とを有し、
    前記演算工程において、前記診断演算処理として、前記超音波に基づき、かつ前記温度に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第一診断演算処理と、前記温度に基づき、かつ前記超音波に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第二診断演算処理とをコンピュータにより実行し、
    前記第一診断演算処理を、前記第二診断演算処理より前に実行し、
    前記第一診断演算処理において前記診断対象機器に漏れが生じていないと判断したときは、前記第二診断演算処理を実行しない診断システムの運転方法。
  12. 化学プラントを流通する原料、中間体、製品、および廃棄物の少なくとも一つを含むプロセス流体の流通を制御するプロセス機器を診断可能な診断プログラムであって、
    診断対象の前記プロセス機器である診断対象機器について測定した物理量に基づいて、前記診断対象機器における前記プロセス流体の漏れの有無を判定する診断演算処理を行う演算機能と、
    前記診断対象機器を識別する機器識別情報、前記物理量および前記診断演算処理の結果に係る情報を含む診断結果情報、前記診断対象機器の設置場所に係る情報を含む設置場所情報、前記診断対象機器により流通が制御される流体に係る情報を含む流体情報、前記診断対象機器の型式に係る情報を含む機器情報、および前記診断対象機器の規定の運転状態としての当該診断対象機器の運転頻度に係る情報を含む運転情報、を前記診断対象機器ごとに記憶装置に記憶する記憶機能と、
    前記機器識別情報、前記診断結果情報、前記設置場所情報、前記流体情報、前記機器情報、および前記運転情報を含む診断結果報告画面を表示装置に表示する表示機能と、をコンピュータに実行させ、
    前記物理量は、前記診断対象機器に係る超音波と、前記診断対象機器に係る温度と、を含み、
    前記演算機能において、前記診断演算処理として、前記超音波に基づき、かつ前記温度に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第一診断演算処理と、前記温度に基づき、かつ前記超音波に基づかずに、前記プロセス流体の漏れの有無を判定する第二診断演算処理とを行い、
    前記第一診断演算処理を、前記第二診断演算処理より前に行い、
    前記第一診断演算処理において前記診断対象機器に漏れが生じていないと判断したときは、前記第二診断演算処理を実行しない診断プログラム。
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