JP7035411B2 - クレーン操縦支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クレーンの操縦を支援する装置に関する。
特許文献1には、GPS(Global Positioning System)による位置計測機能付きの移動式クレーンが開示されている。つまり、GPS計測装置がクレーンの運転台に設けられ、第1GPSアンテナがブームの先端に設けられ、第2GPSアンテナがクレーンの旋回部に設けられており、これらGPSアンテナの位置、つまり緯度、経度及び高度がGPS計測装置によって計測される。GPS計測装置は計測結果をコンピュータに無線送信する。コンピュータは、ブームの起伏角度をGPS計測装置の計測結果から計算する。更にコンピュータは、旋回部の中心の位置、つまり緯度及び経度をGPS計測装置の計測結果から計算する。そして、コンピュータは、これらの計算結果を利用して、予め設定された侵入禁止エリアにクレーンが侵入したか否かを判断する。その判断結果が表示されたり、警報されたりする。
特許第4218449号公報
ところで、運転台にてクレーンを操縦するオペレータは、クレーン及びその吊り荷をその周囲から客観的に観察することができない。特にオペレータの熟練度が低いと、クレーンを所望の姿勢に操作することができない上、吊り荷を所望の位置に位置させることができない。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、オペレータがクレーン及びその吊り荷の状態を客観的に把握できるようにすることである。
以上の課題を解決するための発明は、吊り荷を吊るクレーンの操縦を三次元コンピュータグラフィックスにより支援するクレーン操縦支援装置であって、前記クレーンの可動部に設けられ、前記可動部の姿勢を計測する姿勢計測手段と、前記クレーンのフックブロックに設けられ、前記フックブロックの高さを計測する高さ計測手段と、前記姿勢計測手段の計測結果に基づいてクレーンモデルの可動部モデルを仮想的な三次元空間に配置し、前記姿勢計測手段の計測結果及び前記高さ計測手段の計測結果に基づいてクレーンモデルのフックブロックモデルを前記三次元空間に配置するクレーンモデル配置手段と、前記姿勢計測手段の計測結果及び前記高さ計測手段の計測結果に基づいて吊り荷モデルを前記三次元空間に配置する吊り荷モデル配置手段と、前記三次元空間内の前記可動部モデル、前記フックブロックモデル及び前記吊り荷モデルの描画処理をして、表示デバイスに前記可動部モデル、前記フックブロックモデル及び前記吊り荷モデルを表示させる描画手段と、を備え、前記姿勢計測手段が、前記クレーンの可動部としての旋回部の旋回角の角速度を検出する角速度センサと、所定期間の間中、前記角速度センサの検出値を所定閾値と比較する比較手段と、前記比較手段の比較の結果、前記角速度センサの検出値が前記所定期間の間中常に前記所定閾値以下である場合に、前記角速度センサの検出値をゼロに補償する補償手段と、前記比較手段の比較の結果、前記角速度センサの検出値が前記所定期間の間中に前記所定閾値を超えた場合に、前記補償手段を無効化する手段と、前記補償手段によって補償され又は補償されなかった前記角速度センサの検出値から、前記旋回部の姿勢としての旋回角を算出する手段と、を有するクレーン操縦支援装置である。
以上によれば、仮想的な三次元空間に配置されたクレーンモデルの可動部モデル及びフックブロックモデル並びに吊り荷モデルが、表示デバイスに表示される。ここで、可動部モデルは姿勢計測姿勢計測手段の計測結果に基づいて三次元空間に配置され、フックブロックモデル及び吊り荷が姿勢計測姿勢計測手段及び高さ計測手段の計測結果に基づいて三次元空間に配置される。それゆえ、オペレータがクレーンを操縦して、可動部、フックブロック及び吊り荷を動かせば、可動部モデル、フックブロックモデル及び吊り荷も三次元空間内で同様に動き、可動部モデル、フックブロックモデル及び吊り荷の動きが表示デバイスに表示される。それゆえ、オペレータは表示デバイスを見れば、クレーン及びその吊り荷の状態を客観的に把握できる。よって、オペレータの操縦を支援することができる。
本発明によれば、オペレータは、表示デバイスに表示された可動部モデル、フックブロックモデル及び吊り荷モデルからクレーン及び吊り荷の状態を客観的に把握できる。
図1は、工事中の建造物の出来形及びクレーンを示した図面である。 図2は、クレーンの操縦室に配置された表示デバイス及びその画面を示した図面である。 図3は、クレーン操縦支援装置のブロック図である。 図4は、クレーンの上部旋回体の停止中における旋回角計測部の検出値の変動の一例を示したグラフである。 図5は、クレーンの上部旋回体の旋回中における旋回角計測部の検出値の変動の一例を示したグラフである。 図6は、コンピュータの実行処理のフローチャートである。 図7は、クレーンモデルデータの説明図である。 図8は、建造物モデルデータの説明図である。 図9は、クレーンモデルをリンクによって三次元的に表現した概略図である。 図10は、クレーンモデルをリンクによって二次元的に表現した概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
1. クレーン、吊り荷、建造物、出来形
図1は、工事中の建造物の出来形1及び移動式のクレーン10を示した図面である。ここで、出来形1とは、工事の目的物たる建造物のうち施工が完了した部分をいう。
クレーン10は走行可能なタワー型クレーンである。クレーン10は下部走行体11、上部旋回体12、操縦室13、ブーム14、ジブ15、フックブロック17及びウィンチ20~22等を備える。上部旋回体12、ブーム14及びジブ15は、下部走行体11を基準として動作する可動部である。
下部走行体11はクローラ型の走行体である。下部走行体11はクローラによって地盤上を走行する。下部走行体11の上部には、上部旋回体12が設けられている。上部旋回体12は下部走行体11に対して鉛直軸回りに旋回する。上部旋回体12の前部には、操縦室13が設けられている。上部旋回体12の前部であって操縦室13の側方には、ブーム14の基端が水平な回転軸によって連結されている。ブーム14は、その基端の回転軸回りに上部旋回体12に対して起伏可能となっている。ブーム14の先端には、ジブ15の基端が水平な回転軸によって連結されている。ジブ15は、その基端の回転軸回りにブーム14に対して起伏可能となっている。ジブ15の先端からロープ16が垂下して、フックブロック17がロープ16によって吊り下げられている。
上部旋回体12の最後部には、カウンタウエイト18が取り付けられている。また、上部旋回体12の後部には、ブーム起伏用ウィンチ20、ジブ起伏用ウィンチ21及びフック昇降用ウィンチ22が搭載されている。ブーム起伏用ウィンチ20は、ブーム14に接続されたロープの巻き取り及び繰り出しをすることによってブーム14を起伏させる。ジブ起伏用ウィンチ21は、ジブ15に接続されたロープの巻き取り及び繰り出しをすることによってジブ15を起伏させる。フック昇降用ウィンチ22は、ロープ16の巻き取り及び繰り出しをすることによってフックブロック17を昇降させる。
なお、建造物の工事に必要な資材等をクレーン10によって揚重する際には、ブーム14が起立した状態となっている。そのため、ブーム14がマストとして機能する。
オペレータは操縦室13内にて操縦器を操作することによってクレーン10を操縦する。つまり、オペレータは下部走行体11を走行させたり、上部旋回体12を旋回させたり、ブーム14を起伏させたり、ジブ15を起伏させたり、フックブロック17を昇降させたりする。クレーン10の操縦によって建造物の吊り荷2を揚重して、建造物を施工する。吊り荷2は建造物の構成要素であり、例えば梁、柱、壁、床材、天井材又は屋根材である。
2. クレーン操縦支援装置の概要
操縦室13内には、図2に示す据付型又は可搬型の表示デバイス32が配置されている。オペレータがクレーン10の操縦を容易に行えるように、図3に示すクレーン操縦支援装置30によって、出来形1及びクレーン10を仮想的な三次元空間内にモデリングした三次元モデル101,110が操縦室13内の表示デバイス32に即時に表示される。クレーン10によって吊り荷2を揚重する時には、更に吊り荷2を三次元空間内にモデリングした三次元モデル102が操縦室13内の表示デバイスに表示される。ここで、仮想的な三次元空間の座標系をワールド座標系という。ワールド座標系は互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸によって定義され、三次元空間内の位置はX座標、Y座標、Z座標によって表される。XY平面は現実の水平面に相当し、Z軸方向は現実の鉛直方向に相当する。
以下では、クレーン10の三次元モデル110をクレーンモデル110と、出来形1の三次元モデル101を出来形モデル101と、揚重中の吊り荷2の三次元モデル102を吊り荷モデル102という。これらモデル101,102,110は、サーフェースモデル、ソリッドモデル、ワイヤフレームモデル若しくはポリゴンモデル又はこれらの組み合わせである。
出来形モデル101及び吊り荷モデル102は、工事の目的物たる建造物の三次元モデルの一部である。建造物の三次元モデルは、建造物の複数の構成要素の三次元モデルから構成されている。以下では、建造物の三次元モデルを建造物モデルといい、構成要素の三次元モデルを構成要素モデルという。出来形モデル101は、建造物モデルの中の一部の構成要素モデルから構成され、吊り荷モデル102は、建造物モデルの中の何れかの構成要素モデルである。
クレーンモデル110は下部モデル111、上部モデル112、ブームモデル114、ジブモデル115及びフックブロックモデル117からなる。下部モデル111は下部走行体11の三次元モデルであり、上部モデル112は上部旋回体12及び操縦室13を組み合わせた三次元モデルであり、ブームモデル114はブーム14の三次元モデルであり、ジブモデル115はジブ15の三次元モデルであり、フックブロックモデル117はフックブロック17のモデルである。
オペレータがクレーン10を動作させると、同時にクレーンモデル110がクレーン10の動作と同じように動作するように表示される。つまり、下部走行体11を走行させると、クレーンモデル110が三次元空間内のXY平面に沿って移動する。また、上部旋回体12を旋回させると、上部モデル112、ブームモデル114、ジブモデル115及びフックブロックモデル117が一体となってZ軸に平行な軸回りに旋回する。ブーム14を起伏させると、ブームモデル114及びジブモデル115が一体となってXY平面に平行な軸回りに起伏するともに、フックブロックモデル117がジブモデル115の先端に追従する。ジブ15を起伏させると、ジブモデル115がXY平面に平行な軸回りに起伏するように表示されるともに、フックブロックモデル117がジブモデル115の先端に追従する。フックブロック17を昇降させると、フックブロックモデル117がZ軸に平行な方向に移動する。従って、表示中のクレーンモデル110の姿勢はクレーン10の現実の姿勢と同じであり、表示中の出来形モデル101に対するクレーンモデル110の相対的な位置は出来形1に対するクレーン10の相対的な現実の位置と同じである。
吊り荷2の揚重中は、吊り荷モデル102がフックブロックモデル117から懸下された様子が表示される。そして、クレーン10の動作に伴い、吊り荷モデル102がフックブロックモデル117から吊り荷モデル102までのベクトルを一定に保った状態でフックブロックモデル117に追従するように表示される。従って、表示中の吊り荷モデル102の姿勢は吊り荷2の現実の姿勢と同じであり、表示中の出来形モデル101に対する吊り荷モデル102の相対的な位置は出来形1に対する吊り荷2の相対的な現実の位置と同じである。
更に、吊り荷2の現実の位置と設置位置との差分が表示デバイス32の画面の差分表示領域109に表示される。その差分は、作業半径(旋回半径)の差分と、上部旋回体12の旋回角の差分と、吊り荷2の高さの差分とによって表される。作業半径の差分とは、下部走行体11からジブ15の先端までの現実の作業半径と、クレーン10によって吊り荷2を設置位置まで移動させた時における下部走行体11からジブ15の先端までの作業半径との差である。上部旋回体12の旋回角の差分とは、現実の上部旋回体12の旋回角と、クレーン10によって吊り荷2を設置位置まで移動させた時の上部旋回体12の旋回角との差である。吊り荷2の高さの差分とは、吊り荷2の現実の高さと、クレーン10によって吊り荷2を設置位置まで移動させた時の吊り荷2の高さとの差である。
3. クレーン操縦支援装置
図3を参照して、クレーン操縦支援装置30について詳細に説明する。図3はクレーン操縦支援装置30のブロック図である。
クレーン操縦支援装置30は、コンピュータ31、表示デバイス32、入力デバイス33、記憶部34、無線モジュール35~40、旋回角計測部41、ブーム起伏角計測部42、ジブ起伏角計測部43、高さ計測部44、位置・向き計測部45及びマイクロコンピュータ41a~45aを備える。以下、マイクロコンピュータ41a~45aをマイコン41a~45aと略記する。
3.1. コンピュータ
コンピュータ31は、CPU、GPU、ROM、RAM、システムバス及びハードウェアインタフェース等を有する。
3.2. 表示デバイス
表示デバイス32は、例えば液晶ディスプレイデバイス、有機ELディスプレイデバイス又はプロジェクタである。コンピュータ31が演算処理によって映像信号を生成し、その映像信号を表示デバイス32に出力する。そうすると、映像信号に従った画面が表示デバイス32に表示される。表示デバイス32とコンピュータ31が一体化されていてもよいし、別体であってもよい。
3.3. 入力デバイス
入力デバイス33は、例えばスイッチ、キーボード若しくはポインティングデバイス又はこれらの組み合わせである。入力デバイス33は、表示デバイス32の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。入力デバイス33は、操作されると操作内容に応じた信号をコンピュータ31に出力する。
3.4. 記憶部
記憶部34は、半導体メモリ又はハードディスクドライブ等からなる記憶装置である。記憶部34は、コンピュータ31に内蔵されたものでもよいし、コンピュータ31に外付けされたものでもよい。記憶部34には、コンピュータ31にとって読取可能なクレーンモデルデータ60及び建造物モデルデータ70が格納されている。更に、記憶部34には、コンピュータ31にとって読取可能且つ実行可能なプログラム80が格納されている。コンピュータ31の機能及び演算処理は、プログラム80によって実現される。クレーンモデルデータ60、建造物モデルデータ70及びプログラム80については、後に詳細に説明する。
3.5. 無線モジュール
無線モジュール35は、所定の通信規格、例えばZigBee(登録商標)の規格に従って無線モジュール36~40と無線通信を行う。無線モジュール35が親機であり、無線モジュール36~40が子機である。無線モジュール35~40の無線通信には中継器が介在してもよい。
コンピュータ31、表示デバイス32、入力デバイス33及び記憶部34はクレーン10の操縦室13内に配置されている。無線モジュール35は、操縦室13内に設けられているか、操縦室13のすぐ近くの操縦室13の外側に設けられている。無線モジュール35は、コンピュータ31と一体化されていてもよいし、コンピュータ31に外付けされていてもよい。
無線モジュール36と旋回角計測部41とマイコン41aがユニット51に組み立てられて、図1に示すようにそのユニット51が上部旋回体12又は操縦室13に取り付けられている。無線モジュール37とブーム起伏角計測部42とマイコン42aがユニット52に組み立てられて、図1に示すようにそのユニット52がブーム14の上端部に取り付けられている。無線モジュール38とジブ起伏角計測部43とマイコン43aがユニット53に組み立てられて、図1に示すようにそのユニット53がジブ15に取り付けられている。無線モジュール39と高さ計測部44とマイコン44aがユニット54に組み立てられ、そのユニット54がフックブロック17に取り付けられている。無線モジュール40と位置・向き計測部45とマイコン45aがユニット55に組み立てられ、そのユニット55が下部走行体11の車体に取り付けられている。
3.6. 旋回角計測部及び補償
旋回角計測部41は、微細加工技術によって集積化したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサである。なお、計測部42~44もMEMSセンサである。
旋回角計測部41は、上部旋回体12の姿勢、つまり上部旋回体12の旋回角を計測するための姿勢計測部である。より具体的には、旋回角計測部41は、上部旋回体12の旋回角速度を検出するジャイロセンサによって構成される。旋回角計測部41によって検出される旋回角速度の時間積分が旋回角である。旋回角計測部41の検出値が、マイコン41aに入力されて、マイコン41aによってAD変換等の信号処理をされる。従って、信号処理された検出値は、所定のサンプリング周波数で標本化・量子化されたデジタルデータである。旋回角速度を表す検出値がマイコン41aから無線モジュール36に出力されて、無線モジュール36によって無線モジュール35に送信される。コンピュータ31は、旋回角計測部41の検出値を無線モジュール35から入力する。コンピュータ31は、旋回角計測部41の検出値を時間積分することによって、旋回角を算出する。なお、マイコン41aが旋回角計測部41の検出値を時間積分することによって、旋回角を算出してもよい。この場合、旋回角を表す信号がマイコン41aから無線モジュール36,35を介してコンピュータ31に入力される。
ここで、図4は、上部旋回体12が停止している際の旋回角計測部41からマイコン41aに入力される検出値の一例を示したグラフである。図5は、上部旋回体12が旋回している際の旋回角計測部41からマイコン41aに入力される検出値の一例を示したグラフである。図4及び図5のグラフにおいて、縦軸は旋回角計測部41の検出値を表し、横軸は時間を表す。
旋回角計測部41が角速度センサ(ジャイロセンサ)であるので、旋回角計測部41からマイコン41aに入力される検出値には、ゼロ点変動(ゼロドリフト)による誤差が含まれる(図4,図5参照)。そのため、図4に示すように旋回角計測部41の検出値がサンプリング周期よりも長い所定の周期Tの間中常に所定の閾値α以下であれば、補償装置としてのマイコン41aはその周期T中の検出値を補償する。但し、図5に示すように旋回角計測部41の検出値が周期Tの間に1回でも閾値αを超えることがあれば、マイコン41aはその周期T中の検出値を補償しない。これは、上部旋回体12の旋回が非常に遅いので、旋回角計測部41の検出値がゼロ点変動と上部旋回体12の旋回のどちらに起因したものであるか識別できないためである。つまり、上部旋回体12の旋回速度が遅い場合でも、旋回角計測部41の検出値が周期Tの間中に所定の閾値αを超えると、旋回角計測部41の検出値の補償が行われないので、上部旋回体12が回転するものとして、ゼロに近い検出値がゼロに補償されることを抑制できる。
図6を参照して、マイコン41aの処理の流れについてより具体的に説明する。図6のフローチャートは、1周期Tのマイコン41aの処理の流れを示す。
旋回角計測部41の検出値がサンプリング周期毎にマイコン41aに入力されるが、マイコン41aは検出値を要素とした配列VをRAM等に記憶する(ステップS1~S5)。つまり、マイコン41aは、先ず、配列Vの添字に相当する計数値nをゼロに設定する(ステップS1)。そして、マイコン41aは、旋回角計測部41の検出値を取得する(ステップS2)度に、検出値を配列Vの要素として記憶した上で(ステップS3)、計数値nに1を加算し(ステップS4)、加算後の計数値nを所定の整数Nと比較する(ステップS5)。比較の結果、計数値nが所定の整数N未満であれば(ステップS5:No)、マイコン41aの処理がステップS2に戻る。そのため、マイコン41aは、計数値nが整数Nになるまで(ステップS5:YES)、ステップS2~ステップS5の処理を繰り返す。なお、周期Tは、サンプリング周期に整数Nを乗じて得られた値に等しい。
その後、マイコン41aは、配列Vの各要素と閾値αとの比較結果の論理積に基づいて、配列Vの各要素(つまり、検出値)を補償するか否かを決定する(ステップS6)。具体的には、論理積が真であれば、つまり、配列Vの全ての要素が閾値α以下であれば(ステップS6:YES)、マイコン41aは配列Vの各要素を補償する(ステップS7)。一方、論理積が偽であれば、つまり、配列Vの全ての要素のうち1つでも閾値αを越えるものがあれば(ステップS6:NO)、マイコン41aが補償処理を無効化するので、補償処理が実行されない。補償処理は、例えば、配列Vの全ての要素の平均値を算出して、配列Vの各要素から平均値を減算する処理である。
なお、マイコン41aが図6に示す処理を実行せず、コンピュータ31が実行するものとしてもよい。この場合、旋回角計測部41の検出値がマイコン41aによってAD変換等の信号処理をされるが、補償処理されない。そして、旋回角計測部41の検出値がマイコン41aから無線モジュール36,35を介してコンピュータ31に入力され、コンピュータ31が図6に示す処理を実行した上で、時間積分を行う。
3.7. ブーム起伏角計測部
図2に示すブーム起伏角計測部42は、ブーム14の姿勢、つまり水平面を基準としたブーム14の起伏角を計測する姿勢計測部である。より具体的には、ブーム起伏角計測部42は、ブーム14の起伏角に応じた重力の分力の加速度を検出する加速度センサによって構成される。ブーム起伏角計測部42の出力信号がマイコン42aによって信号処理されると、その出力信号がブーム14の起伏角に換算される。起伏角を表す検出値がマイコン42aから無線モジュール37に出力されて、無線モジュール37によって無線モジュール35に送信される。コンピュータ31は検出値をブーム14の起伏角として無線モジュール35から取得する。
3.8. ジブ起伏角計測部
ジブ起伏角計測部43は、ジブ15の姿勢、つまり水平面を基準としたジブ15の起伏角を計測する姿勢計測部である。より具体的には、ジブ起伏角計測部43は、ジブ15の起伏角に応じた重力の分力の加速度を検出する加速度センサによって構成される。ジブ起伏角計測部43の出力信号がマイコン43aによって信号処理されると、その出力信号がジブ15の起伏角に換算される。起伏角を表す検出値がマイコン43aから無線モジュール38に出力されて、無線モジュール38によって無線モジュール35に送信される。コンピュータ31は検出値をジブ15の起伏角として無線モジュール35から取得する。
3.9. 高さ計測部
高さ計測部44は、フックブロック17の高さを計測するセンサである。より具体的には、高さ計測部44は、フックブロック17の高さに応じた気圧を検出する気圧センサよって構成される。高さ計測部44の出力信号がマイコン44aによって信号処理されると、その出力信号がフックブロック17の高さに換算される。高さを表す検出値がマイコン44aから無線モジュール39に出力されて、無線モジュール39によって無線モジュール35に送信される。コンピュータ31は検出値をフックブロック17の高さとして無線モジュール35から取得する。
3.10. 位置・向き計測部
位置・向き計測部45は、下部走行体11の位置及び向きを計測するセンサである。より具体的には、位置・向き計測部45は、地面上に設置されたターゲット9に向けてレーザー光を水平に照射して、ターゲット9からのレーザー光の反射光を受光することによって、下部走行体11から位置・向き計測部45までの距離とレーザー光の照射角とを検出するレーザー計測器である。位置・向き計測部45によって検出される距離及び照射角は下部走行体11の位置及び向きに換算できる。位置・向き計測部45の出力信号がマイコン45aによって信号処理されると、その出力信号が下部走行体11の位置及び向きに換算される。位置及び向きを表す検出値がマイコン45aから無線モジュール40に出力されて、無線モジュール40によって無線モジュール35に送信される。コンピュータ31は検出値を下部走行体11の位置及び向きとして無線モジュール35から取得する。
位置・向き計測部45の検出値から換算される下部走行体11の位置の座標を(X0,Y0,Z0)とする。この座標(X0,Y0,Z0)はワールド座標系におけるものである。座標(X0,Y0,Z0)は、ワールド座標系における下部モデル111の座標でもある。Z0は定数であり、例えば位置・向き計測部45の設置高さか、地面からブーム14の下端(上部旋回体12とブーム14の連結部)までの高さを表す。
なお、位置・向き計測部45は、複数の航法衛星から電波を受信することによって測位を行うとともに、その計測された位置(緯度、経度、高度)の差分から向きを求める衛星航法受信機であってもよい。
3.11. クレーンモデルデータ
クレーンモデルデータ60及び建造物モデルデータ70は、BIM(Building Information Modeling:ビルディング インフォメーション モデリング)を実現する設計用ソフトウェアによって作成されたものである。
図7に示すように、クレーンモデルデータ60は、下部モデルデータ61、上部モデルデータ62、ブームモデルデータ64、ジブモデルデータ65及びフックブロックモデルデータ67の集合体である。
下部モデルデータ61は、三次元形状情報61aから構成されている。三次元形状情報61aは、下部モデル111の三次元形状をモデリングするために、下部モデル111の各点の位置をローカル座標系によって定義するものである。
上部モデルデータ62は、三次元形状情報62a及び節点位置情報62bから構成されている。三次元形状情報62aは、上部モデル112の三次元形状を三次元空間にモデリングするために、上部モデル112の各点の位置をローカル座標系によって定義するものである。節点位置情報62bは、下部モデル111と上部モデル112を結合する節点の位置を下部モデル111のローカル座標系によって定義するものである。
ブームモデルデータ64は、三次元形状情報64a及び節点位置情報64bから構成されている。三次元形状情報64aは、ブームモデル114の三次元形状をローカル座標系の三次元空間にモデリングするために、ブームモデル114の各点の位置をローカル座標系によって定義するものである。節点位置情報64bは、上部モデル112とブームモデル114を結合する節点の位置を上部モデル112のローカル座標系によって定義するものである。
ジブモデルデータ65は三次元形状情報65a及び節点位置情報65bから構成されている。三次元形状情報65aは、ジブモデル115の三次元形状をローカル座標系の三次元空間にモデリングするために、ジブモデル115の各点の位置をローカル座標系によって定義するものである。節点位置情報65bは、ブームモデル114とジブモデル115を結合する節点の位置をブームモデル114のローカル座標系によって定義するものである。
フックブロックモデルデータ67は、三次元形状情報67aから構成されている。三次元形状情報67aは、フックブロックモデル117の三次元形状をローカル座標系の三次元空間にモデリングするために、フックブロックモデル117の各点の位置をローカル座標系によって定義する三次元形状情報67aから構成されている。
3.12. クレーンモデルの配置
コンピュータ31は、プログラム80による機能によって、クレーンモデル110をワールド座標系の三次元空間に配置する。つまり、コンピュータ31は、上述のクレーンモデルデータ60及び後述の計測部41~44の検出値を利用して、座標演算処理を行う。具体的には、以下の通りである。
コンピュータ31は、モデルデータ61,62,64,65,67の三次元形状情報65aに従って、モデル111,112,114,115,117をそれぞれのローカル座標系の三次元空間に配置する。
次に、コンピュータ31は、ジブ起伏角計測部43の検出値及び節点位置情報65bに基づいて、ジブモデル115をジブモデル115のローカル座標系からブームモデル114のローカル座標系に座標変換する。座標変換によって、ジブモデル115がジブ起伏角計測部43の検出値(起伏角)に従って回転移動して、ジブモデル115が節点位置情報65bの節点位置の座標に従って平行移動する。これにより、ジブモデル115がブームモデル114のローカル座標系の三次元空間に配置される。
次に、コンピュータ31は、ブーム起伏角計測部42の検出値及び節点位置情報64bに基づいて、ブームモデル114及びジブモデル115をブームモデル114のローカル座標系から上部モデル112のローカル座標系に座標変換する。座標変換によって、ブームモデル114及びジブモデル115がブーム起伏角計測部42の検出値(起伏角)に従って回転移動して、ブームモデル114及びジブモデル115が節点位置情報64bの節点位置の座標に平行移動する。これにより、ブームモデル114及びジブモデル115が上部モデル112のローカル座標系の三次元空間に配置される。
次に、コンピュータ31は、旋回角計測部41の検出値の時間積分(旋回角)及び節点位置情報62bに基づいて、上部モデル112、ブームモデル114及びジブモデル115を上部モデル112のローカル座標系から下部モデル111のローカル座標系に座標変換する。座標変換によって、上部モデル112、ブームモデル114及びジブモデル115が旋回角計測部41の検出値の時間積分(旋回角)に従って回転移動して、上部モデル112、ブームモデル114及びジブモデル115が節点位置情報62bの節点位置の座標に従って平行移動する。これにより、上部モデル112、ブームモデル114及びジブモデル115が下部モデル111のローカル座標系の三次元空間に配置される。
次に、コンピュータ31は、位置・向き計測部45の検出値に基づいて、下部モデル111、上部モデル112、ブームモデル114及びジブモデル115を下部モデル111のローカル座標系からワールド座標系に座標変換する。これにより、下部モデル111、上部モデル112、ブームモデル114及びジブモデル115がワールド座標系の三次元空間に配置される。
次に、コンピュータ31は、高さ計測部44の検出値及び位置・向き計測部45の検出値に基づいて、フックブロックモデル117をローカル座標系からワールド座標系に座標変換する。この際、フックブロックモデル117の向きは、位置・向き計測部45の検出値に従った向きにする。フックブロックモデル117のXY座標は、ワールド座標系におけるジブモデル115のXY座標と等しくする。フックブロックモデル117のZ座標は、高さ計測部44の検出値に従った高さにする。
以上のようにして、クレーンモデル110(モデル111,112,114,115,117の集合体)をワールド座標系の三次元空間に配置する。
以上のような座標計算の際、コンピュータ31はジブモデル115の先端を認識しながら行う。下部モデル111、フックブロックモデル117についても同様である。従って、コンピュータ31は、ワールド座標系における下部モデル111の座標、ジブモデル115の先端の座標、フックブロックモデル117の座標を認識する。
3.13. 建造物モデルデータ
図8に示すように、建造物モデルデータ70は、複数の構成要素モデルデータ71の集合体である。構成要素モデルデータ71は三次元形状情報72、位置・向き情報73、属性情報74及び状態情報75から構成されている。三次元形状情報72は、構成要素モデルの三次元形状をモデリングするために、構成要素モデルの各点の位置をローカル座標系によって定義するものである。位置・向き情報73は、ワールド座標系における構成要素モデルの位置及び向きを定義するものである。属性情報74は、建造物の構成要素が有する属性(例えば、名前、種類、体積、重量、サイズ、仕様、素材、原材料、製造元、施工予定日等)を表すものである。状態情報75は、構成要素の現状状態、つまり構成要素の設置・施工が完了しているか否か、構成要素が吊り荷として吊られているか否かを表すものである。
3.14. 出来形モデルの配置
コンピュータ31は、プログラム80による機能によって、出来形モデル101をワールド座標系の三次元空間に配置する。つまり、コンピュータ31は、上述の建造物モデルデータ70を利用して、座標演算処理を行う。具体的には、以下の通りである。
コンピュータ31は、状態情報75が設置・施工の完了となる構成要素モデルデータ71を読み込む。そして、コンピュータ31は、読み込んだ構成要素モデルデータ71の三次元形状情報72に従って、構成要素モデルをそれぞれのローカル座標系に配置する。
次に、コンピュータ31は、読み込んだ構成要素モデルデータ71の位置・向き情報73に基づいて、構成要素モデルをワールド座標系に座標変換する。
以上のようにワールド座標系の三次元空間に配置された構成要素モデルの集合体が出来形モデル101である。
3.15. 吊り荷モデルの配置
コンピュータ31は、プログラム80による機能によって、吊り荷モデル102をワールド座標系の三次元空間に配置する。つまり、コンピュータ31は、上述の建造物モデルデータ70、高さ計測部44の検出値及び位置・向き計測部45の検出値を利用して、座標演算処理を行う。具体的には、以下の通りである。
コンピュータ31は、状態情報75が吊り荷として吊られていることを表している構成要素モデルデータ71を読み込む。そして、コンピュータ31は、読み込んだ構成要素モデルデータ71の三次元形状情報72に従って、構成要素モデルをローカル座標系の三次元空間に配置する。
次に、コンピュータ31は、構成要素モデルをローカル座標系からワールド座標系に座標変換する。この際、構成要素モデルの向きは、位置・向き計測部45の検出値に従った向きにする。構成要素モデルのXY座標は、ワールド座標系におけるジブモデル115のXY座標と等しくする。構成要素モデルのZ座標は、高さ計測部44の検出値から所定値を減じた値にする。
従って、構成要素モデルのZ座標はフックブロックモデル117のZ座標よりも小さく、構成要素モデルがフックブロックモデル117の下に配置される。この構成要素モデルが吊り荷モデル102である。
以上のような座標計算の際、コンピュータ31は吊り荷モデル102及びその座標を認識しながら行う。
3.16. レンダリング(描画)
コンピュータ31は、以上のように出来形モデル101、吊り荷モデル102及びクレーンモデル110をワールド座標系の三次元空間に配置したら、出来形モデル101、吊り荷モデル102及びクレーンモデル110のレンダリング処理を実行する。これにより、出来形モデル101、吊り荷モデル102及びクレーンモデル110が二次元画像として表示デバイス32に表示される。具体的には、以下の通りである。
まず、コンピュータ31は、ワールド座標系の三次元空間に視点の位置、視線ベクトル(注視点)、視点の上向きベクトルを設定することによって、その視点位置、視線ベクトル及び上向きベクトルによって定められるビュー変換マトリクスを設定する。そして、コンピュータ31は、出来形モデル101、吊り荷モデル102及びクレーンモデル110をビュー変換マトリクスによってビュー座標系に座標変換する。次に、コンピュータ31は、ビュー座標系の出来形モデル101、吊り荷モデル102及びクレーンモデル110を視線ベクトルに垂直な平面状のスクリーン(このスクリーンの座標系は二次元座標系である)に投影変換する。そして、コンピュータ31は、スクリーン上の出来形モデル101、吊り荷モデル102及びクレーンモデル110をラスタライズ化して、ラスタライズ化された映像(但し、この映像には、後述のように算出した差分の値も合成されている。)に従った映像信号を生成する。コンピュータ31は、その映像信号を表示デバイス32に出力する。そうすることで、例えば図2に示すような映像が表示デバイス32の画面に表示される。
オペレータがクレーン10を操縦すると、計測部41~45のうち少なくとも1つの検出値が変化するので、それに伴って表示中のクレーンモデル110も動作するように表示される。
なお、オペレータが入力デバイス33によってパン操作、オービット操作、ズーム操作等をすることによって、ワールド座標系における視点位置、視線ベクトル、上向きベクトルを変更したり、前述のスクリーンの範囲を拡大又は縮小したりすることができる。
3.17. 差分表示
図2に示す差分表示領域109に表示される差分について、図9及び図10を参照して詳細に説明する。
図9は、ワールド座標系のXYZ軸及びクレーンモデル110を示した図面である。図10は、ワールド座標系のXY軸及びクレーンモデル110を示した図面である。図9及び図10では、クレーンモデル110をリンクによって表現する。
上述のように、コンピュータ31は、クレーンモデル110及び吊り荷モデル102をワールド座標系の三次元空間に配置するにあたって、ワールド座標系における下部モデル111の座標、ジブモデル115の先端の座標、吊り荷モデル102の座標を認識する。図9及び図10において、座標(X0,Y0,Z0)は、下部モデル111の座標であり、下部走行体11の現在位置も表す。座標(X1,Y1,Z1)は、ジブモデル115の先端の座標であり、ジブ15の先端の現在位置も表す。座標(X2,Y2,Z2)は、吊り荷モデル102の座標であり、吊り荷2の現在位置も表す。なお、X1とX2は等しく、Y1とY2は等しい。
また、コンピュータ31は、状態情報75が吊り荷として吊られていることを表している構成要素モデルデータ71の位置・向き情報73、つまり、吊り荷モデル102の位置・向き情報73を読み込む。図9及び図10において、座標(X3,Y3,Z3)は、読み込んだ位置・向き情報73によって表される吊り荷モデル102の設置座標であり、吊り荷2の設置位置も表す。
コンピュータ31は、座標(X0,Y0,Z0)と座標(X1,Y1,Z1)と座標(X2,Y2,Z2)と座標(X3,Y3,Z3)とから、作業半径(旋回半径)の差分と、上部旋回体12の旋回角の差分と、吊り荷2の高さの差分とを計算する。
作業半径の差分は次式によって求まる。次式において、ΔRは作業半径の差分である。
Figure 0007035411000001
上部旋回体12の旋回角の差分は次式によって求まる。次式において、TRは右回りの旋回角の差分(単位はrad)であり、TLは左回りの旋回角の差分(単位はrad)である。θ1は、XY平面において、ブームモデル114及びジブモデル115とX軸とが成す角度である。θ2は、XY平面において、下部モデル111と吊り荷モデル102を結ぶ線と、ブームモデル114及びジブモデル115とが成す角度である。
Figure 0007035411000002
吊り荷2の高さの差分は次式によって求まる。次式において、ΔHは吊り荷2の高さの差分である。
Figure 0007035411000003
コンピュータ31は、上述のようなレンダリング処理により生成した映像に、算出した差分を表す数値を合成して、その合成した映像の信号を表示デバイス32に出力する。そうすることで、例えば図2に示すような映像が表示デバイス32の画面に表示される。
なお、右回りの旋回角の差分TRと左回りの旋回角の差分TLの両方が表示されてもよいが、一方だけが表示されるものとしてもよい。具体的には、差分TRの絶対値が差分TLの絶対値以上である場合、差分TLの絶対値が左回りである旨とともに表示され、差分TRの絶対値が差分TLの絶対値未満である場合、差分Tの絶対値が右回りである旨とともに表示されるようにしてもよい。
4. 有利な効果
(1) ワールド座標系の三次元空間に配置されたクレーンモデル110及び吊り荷モデル102は、計測部41~45の計測結果を利用して、位置及び姿勢が決められたものである。それゆえ、オペレータがクレーン10を操縦すると、表示デバイス32に表示されるクレーンモデル110もクレーン10と同じように動き、吊り荷モデル102も吊り荷2と同じように動く。よって、オペレータが表示デバイス32の画面を見れば、クレーン10及び吊り荷2の状態を客観的に把握することができる。これは越境防止に寄与する。つまり、オペレータは、吊り荷2やクレーン10が所定の進入禁止領域に進入しないようにクレーン10を操縦することができる。
(2) クレーンモデル110及び吊り荷モデル102に加えて、出来形モデル101も表示デバイス32に表示される。出来形モデル101は設計データ、つまり建造物モデルデータ70に従ってモデリングされたものである。そして、出来形モデル101とクレーンモデル110の相対的な位置関係は、実際の出来形1とクレーン10の相対的な位置関係と同じである。出来形モデル101と吊り荷モデル102の相対的な位置関係も、実際の出来形1と吊り荷2の相対的な位置関係と同じである。よって、オペレータは表示デバイス32を見れば、吊り荷2やクレーン10が出来形1に当たるか否かを直感的に把握することができる。これは衝突防止に寄与する。つまり、オペレータは、吊り荷2やクレーン10が出来形1に衝突しないようにクレーン10を操縦することができる。
(3) 吊り荷2の現実の位置と設置位置との差分が差分表示領域109に表示されるので、オペレータは吊り荷2をどの程度動かせば良いか認識することができる。しかも、その差分は作業半径(旋回半径)の差分と、旋回角の差分と、高さの差分とによって表現されるので、オペレータにとってわかりやすい。
(4) コンピュータ31が図6に示すような処理を実行するので、上部旋回体12が遅く旋回している時に、旋回角計測部41の検出値がゼロ点変動として補償されずに済む。
5. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以下に、以上の実施形態からの変更点について説明する。以下に説明する変更点は、可能な限り組み合わせて適用してもよい。
(1) 上記実施形態では、クレーン10をマストクライミング方式又はフロアクライミング方式のクレーンに変更してもよい。マストクライミング方式又はフロアクライミング方式のクレーンは、立設されたマストと、マストの上端において鉛直軸回りに旋回する旋回体と、旋回体に連結されたジブ(ブーム)と、ジブの先端から吊り下げられたフックブロックモデルと、から構成されている。この場合、クレーンモデル110もマストクライミング方式又はフロアクライミング方式のモデルに変更する。マストクライミング方式又はフロアクライミング方式のクレーンモデルは、マストモデル、旋回体モデル、ジブモデル及びフックブロックモデルから構成されている。また、無線モジュール36と旋回角計測部41からなるユニット51は、マストの上端部で旋回する旋回体に取り付ける。また、無線モジュール40と位置・向き計測部45からなるユニット55はクレーン10に設けず、ワールド座標系におけるマストモデルの位置は一定である。
(2) 上記実施形態では、コンピュータ31、表示デバイス32、入力デバイス33及び記憶部34が操縦室13内に配置され、無線モジュール35が操縦室13内又はその近傍に設置されていた。それに対して、コンピュータ31が建造物の施工現場の管理室内に配置され、無線モジュール35が管理室近傍に設置されていてもよい。この場合、コンピュータ31と通信可能なクライアントコンピュータが操縦室13内に設置されている。そして、そのクライアントコンピュータとコンピュータ31との通信によって表示デバイス32の表示画面がクライアントコンピュータの表示デバイスにミラーリングされる。また、オペレータがクライアントコンピュータの入力デバイスを操作すると、その操作内容に応じた信号がコンピュータ31に送信されて、コンピュータ31を遠隔操作することができる。
(3) 上記実施形態では、1機のクレーン10が操縦され、そのクレーン10のモデル110がコンピュータ31によって仮想三次元空間にモデリング・配置されて、そのモデル110がレンダリング処理により表示デバイス32に表示されている。それに対して、複数機のクレーン10が操縦され、それらクレーン10のモデル110がコンピュータ31によって仮想三次元空間にモデリング・配置されて、それらモデル110がレンダリング処理により表示デバイス32に表示されてもよい。この場合、何れのクレーン10にも上述のようなユニット51~55が設けられている。複数のモデル110が表示されると、クレーン10同士の衝突防止に寄与する。つまり、或るクレーン10を操縦するオペレータは、吊り荷2やそのクレーン10が他のクレーン10に衝突しないように操縦することができる。
6. 付記
特許請求の範囲に記載の発明のほかに以下の発明も、本明細書に記載されている。
角速度を検出する角速度センサの検出値を補償する補償装置において、
所定期間の間中、前記角速度センサの検出値を所定閾値と比較する比較手段と、
前記比較手段の比較の結果、前記角速度センサの検出値が前記所定期間の間中常に前記所定閾値以下である場合に、前記角速度センサの検出値を補償する補償手段と、
前記比較手段の比較の結果、前記角速度センサの検出値が前記所定期間の間中に前記所定閾値を超えた場合に、前記補償手段を無効化する手段と、
を備える補償装置。
好ましくは、前記補償手段が、前記所定期間の間中の前記角速度センサの検出値の時間平均値を求める平均値算出手段と、前記所定期間の間中の前記角速度センサの検出値から前記時間平均値を減ずる減算手段と、を有する。
好ましくは、前記角速度センサがクレーンの旋回の角速度を検出する。
好ましくは、前記角速度センサがジャイロセンサである。
角速度を検出する角速度センサの検出値はゼロ点変動によって誤差が含まれるので、角速度センサの検出値は補償回路等によって補償される。ここで、ゼロ点変動とは、角速度センサによる測定対象物が回転していないにもかかわらず、角速度センサの検出値がゼロとならないことである。ところが、測定対象物の回転速度が遅いと、角速度の検出値がゼロに近いので、その検出値が補償されると、補償後の値がゼロになってしまう。
そこで、以上のような補償装置の構成を採用する。以上のような補償装置によれば、測定対象物の回転速度が遅い場合でも、角速度センサの検出値が所定期間の間中に所定閾値を超えると、補償手段が無効化される。そのため、測定対象物が回転するものとして、ゼロに近い検出値がゼロに補償されることを抑制できる。
10…クレーン
11…下部走行体
12…上部旋回体(可動部)
14…ブーム(可動部)
15…ジブ(可動部)
17…フックブロック
30…クレーン操縦支援装置
31…コンピュータ(クレーンモデル配置手段、吊り荷モデル配置手段、描画手段、差分計算手段)
34…記憶部(記憶手段)
41…旋回角計測部(姿勢計測手段)
42…ブーム起伏角計測部(姿勢計測手段)
43…ジブ起伏角計測部(姿勢計測手段)
44…高さ計測部(高さ計測手段)
102…吊り荷モデル
110…クレーンモデル
111…下部モデル
112…上部モデル
114…ブームモデル
115…ジブモデル
117…フックブロックモデル

Claims (3)

  1. 吊り荷を吊るクレーンの操縦を三次元コンピュータグラフィックスにより支援するクレーン操縦支援装置であって、
    前記クレーンの可動部に設けられ、前記可動部の姿勢を計測する姿勢計測手段と、
    前記クレーンのフックブロックに設けられ、前記フックブロックの高さを計測する高さ計測手段と、
    前記姿勢計測手段の計測結果に基づいてクレーンモデルの可動部モデルを仮想的な三次元空間に配置し、前記姿勢計測手段の計測結果及び前記高さ計測手段の計測結果に基づいてクレーンモデルのフックブロックモデルを前記三次元空間に配置するクレーンモデル配置手段と、
    前記姿勢計測手段の計測結果及び前記高さ計測手段の計測結果に基づいて吊り荷モデルを前記三次元空間に配置する吊り荷モデル配置手段と、
    前記三次元空間内の前記可動部モデル、前記フックブロックモデル及び前記吊り荷モデルの描画処理をして、表示デバイスに前記可動部モデル、前記フックブロックモデル及び前記吊り荷モデルを表示させる描画手段と、を備え、
    前記姿勢計測手段が、
    前記クレーンの可動部としての旋回部の旋回角の角速度を検出する角速度センサと、
    所定期間の間中、前記角速度センサの検出値を所定閾値と比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較の結果、前記角速度センサの検出値が前記所定期間の間中常に前記所定閾値以下である場合に、前記角速度センサの検出値をゼロに補償する補償手段と、
    前記比較手段の比較の結果、前記角速度センサの検出値が前記所定期間の間中に前記所定閾値を超えた場合に、前記補償手段を無効化する手段と、
    前記補償手段によって補償され又は補償されなかった前記角速度センサの検出値から、前記旋回部の姿勢としての旋回角を算出する手段と、を有するクレーン操縦支援装置。
  2. 前記姿勢計測手段がMEMSセンサを有する
    請求項1に記載のクレーン操縦支援装置。
  3. 前記吊り荷モデルの設置位置を表す座標を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段によって記憶された座標と、前記吊り荷モデル配置手段によって配置された前記吊り荷モデルの座標との差分を計算する差分計算手段と、
    前記差分計算手段によって差分を前記可動部モデル、前記フックブロックモデル及び前記吊り荷モデルとともに前記表示デバイスに表示させる手段と、を更に備える
    請求項1又は2に記載のクレーン操縦支援装置。
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