JP7035316B2 - 磁性体粒子操作用デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、ゲル状媒体層及び液体層が長手方向に交互に重層されるとともに磁性体粒子が充填される内部空間が形成された管状の容器を備える磁性体粒子操作用デバイスに関するものである。
医学的検査、食品安全衛生上の管理、環境保全のためのモニタリング等では、多種多様な夾雑物を含む試料から、目的物質を抽出して、検出や反応に供することが求められる。例えば、医学的検査では、動植物から分離取得される血液、血清、細胞、尿、糞便等に含まれる、核酸、タンパク質、糖、脂質、細菌、ウィルス、放射性物質等を検出、同定、定量する必要がある。これらの検査に際しては、夾雑物に起因するバックグランド等の悪影響を排除するために、目的物質を分離・精製することが必要となる場合がある。
試料中の目的物質を分離・精製するために、粒径が0.5μm~十数μm程度の磁性体の表面に、目的物質との化学的な親和力や分子認識機能を持たせた磁性体粒子を用いる方法が開発され、実用化されている。この方法では、磁性体粒子の表面に目的物質を固定させた後、磁場操作により磁性体粒子を液相から分離・回収し、必要に応じて、回収された磁性体粒子を洗浄液等の液相に分散させ、液相から磁性体粒子を分離・回収する工程が繰り返し行われる。その後、磁性体粒子が溶出液中に分散されることにより、磁性体粒子に固定されていた目的物質が溶出液中に遊離し、溶出液中の目的物質が回収される。磁性体粒子を用いることにより、磁石による目的物質の回収が可能となるため、化学抽出・精製の自動化に有利な特徴を持つ。
このような目的物質を分離・精製する方法として、キャピラリー等の管状容器を用いる方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特許文献1に記載の方法では、キャピラリー等の管状容器(管状デバイス)内に、溶解/固定液、洗浄液、溶出液等の液体層と、ゲル状媒体層とを交互に重層させる。そして、この管状デバイス内に磁性体粒子及び試料を導入した後、管状デバイスに永久磁石などの磁場印加手段を近接させる。その後、この磁場印加手段を管状デバイスの長手方向に沿って移動させることにより、磁性体粒子を磁場印加手段に追随させるように移動させて、目的物質を分離・精製している。
国際公開第2012/086243号
上記したような試料中の目的物質を分離・精製する場合においては、一度の操作で多量の試料の処理ができることが好ましい。例えば、上記した従来の管状デバイスにおいて、その内径を大きくすれば、管内に導入する試料の量を増やすことができ、一度の動作で多量の試料の処理を行うことができる。ここで、管状デバイスにおいて、ゲル状媒体層は、その粘性によって管内の一定位置で保持されている。管の径が大きくなると、管の単位面積当たりのゲル状媒体層の重量が増える。その結果、ゲル状媒体層を管内に安定的に保持できず、運搬時の振動などによってゲル状媒体層が流動するという不具合や、ゲル状媒体層で分画された液体層が混合するという不具合が生じてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、多量の処理ができ、かつ、ゲル状媒体層を安定的に保持できる磁性体粒子操作用デバイスを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る磁性体粒子操作用デバイスは、ゲル状媒体層及び液体層が長手方向に交互に重層されるとともに磁性体粒子が充填される内部空間が形成された管状の容器を備える。前記磁性体粒子操作用デバイスでは、前記容器の内部空間における液体層が装填された部分の前記長手方向に直交する第1断面の面積が、ゲル状媒体層が装填された部分の前記長手方向に直交する第2断面の面積よりも大きい。
このような構成によれば、管状の容器において、液体層が装填される部分の容量を大きく保ちながら、ゲル状媒体層が装填される部分の径を小さくできる。
そのため、管状の容器において、液体層で多量の処理を行うことができ、かつ、ゲル状媒体層を安定的に保持できる。
(2)また、前記容器内には、試料導入空間と、試料移動空間とが形成されていてもよい。前記試料導入空間には、試料が導入される。前記試料移動空間では、ゲル状媒体層及び液体層が前記長手方向に交互に重層され、前記試料導入空間内の試料に含まれる目的成分を磁性体粒子に固定させて前記長手方向に移動させる。前記第1断面は、前記試料移動空間における液体層が装填された部分の前記長手方向に直交する断面であってもよい。前記第2断面は、前記試料移動空間におけるゲル状媒体層が装填された部分の前記長手方向に直交する断面であってもよい。
このような構成によれば、試料に含まれる目的成分を磁性体粒子に固定させて移動させるための空間である試料移動空間が形成される容器の部分において、液体層が装填される部分の容量を大きく保ちながら、ゲル状媒体層が装填される部分の径を小さくできる。
(3)また、前記容器には、磁場印加部を対向させて前記長手方向に移動させる対向面が形成されていてもよい。前記第1断面は、前記対向面に対して直交方向の内径よりも、前記対向面に対して平行方向の内径の方が大きくてもよい。
このような構成によれば、磁場印加部を容器の対向面に対向させた場合において、磁場印加部と容器内部の磁性体粒子との間の寸法を小さく保つことができる。
そのため、容器における液体層が装填される部分の容量を大きく保ちつつ、容器内部の磁性体粒子に対して磁場印加部の磁力を確実に作用させることができる。
その結果、磁場印加部を長手方向に移動させた場合に、容器内部の磁性体粒子を磁場印加部に追随するようにして円滑に移動させることができる。
(4)また、前記第1断面及び前記第2断面は、前記長手方向に沿って見たときに前記対向面側の前記磁場印加部に対向する部分において面一であってもよい。
このような構成によれば、磁場印加部を容器の対向面に沿って長手方向に移動させた場合に、容器内部において磁性体粒子を円滑に移動させることができる。
(5)また、前記容器の内部空間における液体層が装填された部分とゲル状媒体層が装填された部分とが、前記長手方向に対して傾斜したテーパ面により接続されていてもよい。
このような構成によれば、容器内部において磁性体粒子が移動する場合に、液体層が装填された部分とゲル状媒体層が装填された部分との境界で、磁性体粒子が残留することを抑制できる。
そのため、容器内部において磁性体粒子を円滑に移動させることができる。
(6)また、前記液体層には、洗浄層と、溶出層とが含まれていてもよい。前記洗浄層には、試料中の目的物質を洗浄するための洗浄液が装填される。前記溶出層には、試料中の目的成分を溶出させる溶出液が装填される。前記第1断面は、前記容器の内部空間における前記洗浄層の前記長手方向に直交する断面であってもよい。
このような構成によれば、洗浄層が形成が充填される容器の部分の容量を大きく保つことができる。
そのため、管状の容器内において、洗浄層を多量に充填できる。
本発明によれば、管状の容器において、液体層が装填される部分の容量を大きく保ちながら、ゲル状媒体層が装填される部分の径を小さくできる。そのため、管状の容器において、液体層で多量の処理を行うことができ、かつ、ゲル状媒体層を安定的に保持できる。
本発明の一実施形態に係る磁性体粒子操作用デバイスの構成例を示した正面図である。 図1の磁性体粒子操作用デバイスの構成例を示した背面図である。 図1の磁性体粒子操作用デバイスのA-A断面図である。 磁性体粒子操作用装置の構成例を示した正面図である。 磁性体粒子を操作する際の態様について説明するための模式図である。 磁性体粒子操作用デバイスの第1の変形例の構成例を示した断面図である。 磁性体粒子操作用デバイスの第2の変形例の構成例を示した断面図である。
1.磁性体粒子操作用デバイスの構成
(1)磁性体粒子操作用デバイスの内部構成
図1は、本発明の一実施形態に係る磁性体粒子操作用デバイス1の構成例を示した正面図である。図2は、図1の磁性体粒子操作用デバイス1の構成例を示した背面図である。図3は、図1の磁性体粒子操作用デバイス1のA-A断面図である。この磁性体粒子操作用デバイス1(以下、「デバイス1」という。)は、液体試料から目的物質を抽出・精製するためのものであり、一直線上に延びる管状の容器20を備えている。
容器20内には、複数の液体層11と複数のゲル状媒体層12が形成されている。具体的には、容器20の最下部に液体層11が形成され、上方に向かって長手方向にゲル状媒体層12と液体層11とが交互に重層されている。この例では、4つの液体層11と3つのゲル状媒体層12が長手方向(上下方向)に交互に形成された構成となっているが、これに限られるものではなく、液体層11及びゲル状媒体層12の数は任意に設定可能である。
容器20の最上部の液体層11は、目的物質を含む液体試料であり、多数の磁性体粒子13が装填されている。容器20の最上部の液体層11は、目的物質を磁性体粒子13に固定させるための固定層11Aである。容器20の最下部の液体層11は、液体試料中の目的物質を溶出させるための溶出層11Cである。容器20の中間部の1つ又は複数(この例では2つ)の液体層11は、液体試料に含まれる夾雑物を除去するための洗浄層11Bである。これらの各液体層11は、ゲル状媒体層12によって互いに分離されている。液体試料に含まれる目的物質は、固定層11Aにおいて磁性体粒子13に固定された上で、磁場を変化させることによって容器20の最上部から最下部まで移動させる操作(粒子操作)が行われ、その間に洗浄層11Bによって洗浄された上で、最下部の溶出層11Cに溶出される。
磁性体粒子13は、その表面又は内部に、核酸や抗原等の目的物質を特異的に固定可能な粒子である。容器20の最上部の液体層11(固定層11A)中で磁性体粒子13を分散させることにより、この液体層11中に含まれる目的物質が磁性体粒子13に選択的に固定される。
磁性体粒子13への目的物質の固定方法は特に限定されず、物理吸着、化学吸着等の各種公知の固定化メカニズムが適用可能である。例えば、ファンデルワールス力、水素結合、疎水相互作用、イオン間相互作用、π-πスタッキング等の種々の分子間力により、磁性体粒子13の表面あるいは内部に目的物質が固定される。
磁性体粒子13の粒径は1mm以下が好ましく、0.1μm~500μmがより好ましく、3~5μmがさらに好ましい。磁性体粒子13の形状は、粒径が揃った球形が望ましいが、粒子操作が可能である限りにおいて、不規則な形状で、ある程度の粒径分布を持っていてもよい。磁性体粒子13の構成成分は単一物質でもよく、複数の成分からなるものでもよい。
磁性体粒子13は、磁性体のみからなるものでもよいが、磁性体の表面に目的物質を特異的に固定するためのコーティングが施されたものが好ましく用いられる。磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、ならびにそれらの化合物、酸化物及び合金等が挙げられる。具体的には、マグネタイト(Fe3O4)、ヘマタイト(Fe2O3又はαFe2O3)、マグヘマイト(γFe2O3)、チタノマグネタイト(xFe2TiO4・(1-x)Fe3O4)、イルメノヘマタイト(xFeTiO3・(1-x)Fe2O3)、ピロタイト(Fe1-xS(x=0~0.13)‥Fe7S8(x~0.13))、グレイガイト(Fe3S4)、ゲータイト(αFeOOH)、酸化クロム(CrO2)、パーマロイ、アルコニ磁石、ステンレス、サマリウム磁石、ネオジム磁石、バリウム磁石が挙げられる。
磁性体粒子13に選択的に固定される目的物質としては、例えば、核酸、タンパク質、糖、脂質、抗体、受容体、抗原、リガンド等の生体由来物質や細胞自身が挙げられる。目的物質が生体由来物質である場合は、分子認識等により、磁性体粒子13の内部あるいは粒子表面に目的物質が固定されてもよい。例えば、目的物質が核酸である場合は、磁性体粒子13として、表面にシリカコーティングが施された磁性体粒子等が好ましく用いられる。目的物質が、抗体(例えば、標識抗体)、受容体、抗原及びリガンド等である場合、磁性体粒子13の表面のアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アピジン、ピオチン、ジゴキシゲニン、プロテインA、プロテインG等により、目的物質を粒子表面に選択的に固定できる。特定の目的物質を選択的に固定可能な磁性体粒子13として、例えば、ライフテクノロジーズから販売されているDynabeads(登録商標)や、東洋紡から販売されているMagExtractor(登録商標)等の市販品を用いることもできる。
目的物質が核酸である場合、洗浄液(洗浄層11B)は、核酸が磁性体粒子13の表面に固定された状態を保持したまま、液体試料中に含まれる核酸以外の成分(例えばタンパク質、糖質等)や、核酸抽出等の処理に用いられた試薬等を洗浄液中に遊離させ得るものであればよい。洗浄液(洗浄層11B)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム等の高塩濃度水溶液、エタノール、イソプロパノール等のアルコール水溶液等が挙げられる。
核酸を溶出するための溶出液(溶出層11C)としては、水又は低濃度の塩を含む緩衝液を用いることができる。具体的には、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、蒸留水等を用いることができ、pH7~9に調整された5~20mMトリス緩衝液を用いることが一般的である。核酸が固定された磁性体粒子13を溶出液中で分散させることにより、核酸溶出液中に核酸を遊離溶出させることができる。回収された核酸は、必要に応じて濃縮や乾固等の操作を行った後、分析や反応等に供することができる。
ゲル状媒体層12は、粒子操作前においてゲル状、若しくはペースト状である。ゲル状媒体層12は、隣接する液体層11に対して不溶性又は難溶性であり、化学的に不活性な物質からなることが好ましい。ここで、液体に不溶性又は難溶性であるとは、25℃における液体に対する溶解度が概ね100ppm以下であることを意味する。化学的に不活性な物質とは、液体層11との接触や磁性体粒子13の操作(すなわち、ゲル状媒体層12中で磁性体粒子13を移動させる操作)において、液体層11、磁性体粒子13や磁性体粒子13に固定された物質に、化学的な影響を及ぼさない物質を指す。
ゲル状媒体層12の材料や組成等は、特に限定されず、物理ゲルであってもよいし、化学ゲルであってもよい。例えば、WO2012/086243号に記載されているように、非水溶性又は難水溶性の液体物質を加熱し、加熱された当該液体物質にゲル化剤を添加し、ゲル化剤を完全に溶解させた後、ゾル・ゲル転移温度以下に冷却することで、物理ゲルが形成される。
(2)磁性体粒子操作用デバイスの容器の形状
デバイス1の容器20は、直線状に形成される管状の容器である。詳しくは後述するが、容器20は、通常、その長手方向が上下方向に沿う状態で使用される。容器20は、膨出部21と、複数(3つ)の小径部22と、複数(2つ)の大径部23と、先端部24とを備えている。
膨出部21は、容器20の最上部に配置されている。膨出部21は、他の部分よりも内径及び外径が大きい。膨出部21の上面は開口部となっており、膨出部21に対して着脱可能なキャップ30により当該開口部を封止することができる。膨出部21の内部空間が、試料導入空間の一例である。
小径部22と大径部23とは、上下方向において交互に配置されている。最上部の小径部22は、膨出部21の下方に配置されている。この例では、3つの小径部22が、上下方向に互いに間隔を隔てて配置されている。小径部22は、上下方向に延びる筒状に形成されており、上端から下端にわたって同一の形状のまま(直線状に)延びている。図1及び図3に示すように、小径部22の前面22Aは、前後方向及び上下方向と直交する方向である幅方向に沿う平坦面状に形成されており、上下方向に延びている。図2及び図3に示すように、小径部22の背面22Bは、幅方向に沿っており、上下方向に延びている。小径部22の背面22Bは、前面22Aよりも幅方向の寸法が小さい平坦面状に形成されており、前面22Aと平行となるように配置されている。このような構成により、小径部22は、水平方向に沿う断面の形状が前方から後方に向かうにつれて徐々に先細るテーパー状となっている。小径部22内には、上記したゲル状媒体層12が装填される。
大径部23は、小径部22の下方に配置されている。この例では、上方側の2つの小径部22のそれぞれの下方に大径部23が配置されている。すなわち、この例では、2つの大径部23が、上下方向に互いに間隔を隔てて配置されている。大径部23は、上下方向に延びる筒状に形成されており、その上端部及び下端部のそれぞれが、端縁に向かうにつれて先細るテーパー状に形成されている。図3に示すように、大径部23は、その外周面として、前面23Aと、背面23Bと、側面23Cと、上端面23Dと、下端面23Eとを備えている。大径部23の前面23Aは、幅方向に沿う平坦面状に形成されており、上下方向に延びている。大径部23の背面23Bは、幅方向に沿う平坦面状に形成されており、上下方向に延びている。図1及び図2に示すように、大径部23の背面23Bは、前面23Aよりも上下方向の寸法が大きく形成されており、前面23Aと平行となるように配置されている。大径部23の側面23C(図3参照)は、前面23Aと背面23Bとに連続している。図1に示すように、大径部23の上端面23Dは、前面22A及び側面23Cから連続して上方に延びており、かつ、上方に向かうにつれて内側(後方側かつ幅方向内側)に向かうように傾斜している。大径部23の下端面23Eは、前面22A及び側面23Cから連続して下方に延びており、かつ、下方に向かうにつれて内側(後方側かつ幅方向内側)に向かうように傾斜している。すなわち、大径部23の上端面23D及び下端面23Eのそれぞれは、上下方向に対して傾斜している。大径部23の上端面23D及び下端面23Eが、テーパー面の一例である。
図1及び図2に示すように、大径部23は、上下方向において、小径部22に挟まれるように配置されている。大径部23の外周面は、その上方に配置される小径部22の外周面、及び、その下方に配置される小径部22の外周面に連続している。特に、図2及び図3に示すように、小径部22の背面22Bと、大径部23の背面23Bとは、面一の状態で連続している。大径部23の断面積(径)は、小径部22の断面積よりも大きい。具体的には、大径部23の前後方向の寸法は、小径部22の前後方向の寸法よりも大きく、大径部23の幅方向の寸法は、小径部22の幅方向の寸法よりも大きい。また、上下方向に見たときに、小径部22は、大径部23の縁部の内方に配置されている。なお、小径部22の背面22B、及び、大径部23の背面23Bが対向面の一例である。
図3に示すように、大径部23は、その幅方向の寸法(内径)L1が、その前後方向の寸法(内径)L2よりも大きい。具体的には、大径部23の幅方向のL1を、大径部23の前後方向の寸法L2で除した値は、例えば、1.5以上であることが好ましい。大径部23の上端面23D及び下端面23Eのそれぞれが上下方向とがなす角度θは、例えば、60°以下であることが好ましい。大径部23内には、上記した液体層11(洗浄層11B)が装填される。
図1及び図2に示すように、先端部24は、最下部の小径部22の下方に配置されている。先端部24は、上下方向に延びる円筒状に形成されている。先端部24内には、上記した液体層11(溶出層11C)が装填される。先端部24の下端(容器20の底面)には、開口が形成されており、当該開口がフィルム部材40により封止されている。先端部24の液体層11(溶出層11C)である溶出液中に溶出された目的物質は、フィルム部材40を貫通させるようにしてピペットを溶出液中に挿入することにより、当該ピペット内に吸い出すことができる。フィルム部材40は、例えば、アルミなどにより形成されるが、これに限られるものではない。先端部24、大径部23及び小径部22の内部空間が、試料移動空間の一例である。
容器20内への液体層11及びゲル状媒体層12の装填は、適宜の方法により行い得る。本実施形態のように管状の容器20が用いられる場合、装填に先立って容器20の一端(例えば下端)の開口が封止され、他端(例えば上端)の開口部から液体層11及びゲル状媒体層12が順次装填されることが好ましい。このとき、膨出部21、大径部23及び先端部24のそれぞれには、液体層11が装填される。また、小径部22には、ゲル状媒体層12が装填される。小径部22は、その断面積(径)が小さいため、小径部22に装填されたゲル状媒体層12は、容器20内において安定的に保持される。また、大径部23は、その断面積(径)が大きいため、液体層11の容量を大きくできる。そのため、液体層11において、多量の処理を行うことができる。
容器20における各部の容量、すなわち、容器20内に装填される液体層11及びゲル状媒体層12の容量は、操作対象となる磁性体粒子13の量や、操作の種類等に応じて適宜に設定され得る。
本実施形態のように容器20内に複数の液体層11及びゲル状媒体層12が設けられる場合、各部(各層)の容量は同一でもよいし、異なっていてもよい。各部(各層)の厚みも適宜に設定され得る。操作性等を考慮した場合、各部(各層)の厚みは、例えば2mm~20mm程度が好ましい。
容器20の肉厚は特に限定されるものではないが、永久磁石130(後述する)と対向する背面側において肉厚が一定であれば、永久磁石130と容器20の内周面との距離を一定に保つことができるため、磁性体粒子13をスムーズに移動できる。そのため、容器20の肉厚は、背面側において、少なくともゲル状媒体層12が装填された部分で一定であることが好ましい。容器20の長さは特に限定されず、一例として、50mm~200mm程度でよい。
容器20の材料は、容器20内で磁性体粒子13を移動可能であり、液体層11及びゲル状媒体層12を保持できるものであれば、特に限定されない。容器20外から磁場を変化させる操作(磁場操作)を行うことにより容器20内の磁性体粒子13を移動させるためには、プラスチック等の透磁性材料が好ましく、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン等の樹脂材料が挙げられる。容器20の材質としては、上述の素材の他、セラミック、ガラス、シリコーン、非磁性金属等も用いられ得る。容器20の内壁面の撥水性を高めるために、フッ素系樹脂やシリコーン等によるコーティングが行われてもよい。
なお、デバイス1において、洗浄層11Bが装填された状態の大径部23における水平方向に沿う断面が、第1断面の一例である。図3では、この第1断面が実線で表されている。また、デバイス1において、ゲル状媒体層12が装填された状態の小径部22における水平方向に沿う断面が、第2断面の一例である。図3では、この第2断面が破線で表されている。上記したように、小径部22の背面22Bと、大径部23の背面23Bとは、面一の状態で連続している。すなわち、第1断面である大径部23の断面と、第2断面である小径部22の断面とは、背面側の部分において面一である。
2.磁性体粒子操作用装置
図4は、磁性体粒子操作用装置100の構成例を示した正面図である。この磁性体粒子操作用装置100(以下、「装置100」という。)は、図1~図3に示すデバイス1が固定された状態で使用され、デバイス1の容器20内の液体試料に含まれる目的物質に対して粒子操作を行うためのものである。
装置100には、デバイス1を保持する容器保持部110が形成された本体101と、容器保持部110に保持されているデバイス1の容器20を押圧して固定するための容器押圧部102とを備えている。この例では、容器押圧部102が、本体101に対してヒンジ(図示せず)により回動可能に取り付けられた扉により構成されている。ただし、容器押圧部102は、容器保持部110に保持されているデバイス1を固定可能な構成であれば、本体101に対して回動可能な構成に限らず、本体101に対してスライド可能な構成や、本体101に対して着脱可能な構成などであってもよい。
容器保持部110は、本体101の前面120に形成された凹部により構成されている。容器保持部110は、デバイス1の膨出部21を収容する第1収容部111と、デバイス1の小径部22、大径部23及び先端部24を収容する第2収容部112とが、上下方向D1に連続して延びるように形成されている。また、容器保持部110は、容器20が延びる方向(上下方向D1)に対して直交し、本体101の前面120に平行な方向である横方向D2の幅が、デバイス1に対応する幅となっている。
具体的には、第1収容部111の横方向D2の幅W1は、デバイス1の膨出部21の幅よりも若干大きい。一方、第2収容部112の横方向D2の幅W2は、デバイス1の大径部23の幅よりも若干大きく、膨出部21の幅よりも小さい。また、第1収容部111及び第2収容部112は、上下方向D1に対して傾斜した絞り部113により接続されている。これにより、容器保持部110内にデバイス1を収容した状態では、デバイス1の膨出部21が容器保持部110の絞り部113に引っ掛かり、吊り下げられた状態で保持されるようになっている。
図示しないが、デバイス1は、その長手方向が上下方向に沿い、その前面(小径部22の前面22A、大径部23の前面23A)が前方を向き、その背面(小径部22の背面22B、大径部23の背面23B)が後方を向くようにして、容器保持部110内に収容される。
この状態で、容器押圧部102を構成する扉を閉じることにより、装置100内においてデバイス1が固定される。
容器保持部110の背面側は開口しており、容器保持部110に対向するように永久磁石130が配置されている。この永久磁石130は、上下方向D1に沿ってスライド可能に保持されている。永久磁石130は、デバイス1内(容器20内)の磁性体粒子13を磁力で引き付ける。これにより、容器20の背面側に磁性体粒子13が集められる。このようにして磁性体粒子13を永久磁石130側に引き付けた状態で、永久磁石130を上下方向D1に移動させることにより、容器20内の磁性体粒子13を上下方向D1に移動させることができる。
このように、永久磁石130は、磁場を変化させることにより容器20内の磁性体粒子13を移動させる磁場印加部を構成している。永久磁石130は、モータ等の駆動手段によりスライドさせてもよいし、手動でスライドさせてもよい。磁場印加部が有する磁力源としては、永久磁石130を用いる以外に電磁石を用いることも可能である。また、磁場印加部は、複数の磁力源を有してもよい。
3.磁性体粒子の操作
図5は、磁性体粒子13を操作する際の態様について説明するための模式図である。なお、図5では、説明を分かりやすくするために、デバイス1(容器20)の形状を簡略化して示している。図5では、容器20の前面側が左方を向き、容器20の背面側が右方を向いた状態を示している。図5Aにおいて、容器20の最上部(膨出部21)の液体層11(固定層11A)には、液体試料及び多数の磁性体粒子13が含まれている。図示しないが、この液体試料及び磁性体粒子13は、容器20のキャップ30(図1参照)を取り外した状態で、膨出部21内に導入されたものである。このようにして、磁性体粒子13を液体層11(固定層11A)中で分散させることにより、液体層11(固定層11A)中に含まれる目的物質が磁性体粒子13に選択的に固定される。
その後、図5Bに示すように、容器20の外周面(膨出部21の背面)に、磁力源である永久磁石130を近付けられて、目的物質が固定された磁性体粒子13が、磁場の作用により、容器20内の永久磁石130側に集められる。そして、図5Cに示すように、永久磁石130を容器20の外周面に沿って容器20の長手方向(上下方向)に移動させると、磁場の変化に追随して、磁性体粒子13も容器20の長手方向に沿って移動し、交互に重層された液体層11及びゲル状媒体層12を順次移動する。
次いで、永久磁石130を先端部24(図1参照)に対向する位置まで移動させると、磁性体粒子13が先端部24の液体層11(溶出層11C)に移動する。そして、先端部24の液体層11(溶出層11C)において、目的物質が溶出される。
このとき、磁性体粒子13の周囲に液滴として物理的に付着している液体の大半は、磁性体粒子13がゲル状媒体層12の内部に進入する際に、磁性体粒子13の表面から脱離する。ゲル状媒体層12内への磁性体粒子13の進入及び移動により、ゲル状媒体層12が穿孔されるが、ゲルの復元力による自己修復作用により、ゲル状媒体層12の孔は直ちに塞がれる。そのため、磁性体粒子13による貫通孔を介したゲル状媒体層12への液体の流入は、ほとんど生じない。
また、磁性体粒子13は、小径部22内(ゲル状媒体層12)及び大径部23内(洗浄層11B)を移動する際には、小径部22の背面22B、及び、大径部23の背面23Bに沿って移動する。すなわち、磁性体粒子13は、小径部22内(ゲル状媒体層12)及び大径部23内(洗浄層11B)を移動する際には、容器20の面一の部分に沿って移動する。そのため、容器20内部において磁性体粒子13を円滑に移動させることができる。また、図3に示すように、小径部22の背面22Bは、幅方向の寸法が小さく形成されている。そのため、磁性体粒子13は、幅方向に拡がらずに、棒状の塊となって容器20の長手方向に移動し、ゲル状媒体層12を通過する。磁性体粒子13を棒状の塊として容器20の長手方向に移動させることで、磁性体粒子13が通過する際のゲル状媒体層12の孔の径を小さくできる。したがって、磁性体粒子13の通過後にゲル状媒体層12の孔を速やかに塞ぐことができるため、液体層11の液体が別の液体層11に混入することを防止できる。
また、図3に示すように、大径部23は、その断面積(径)が大きい。そのため、液体層11(洗浄層11B)の容量を大きくでき、液体層11(洗浄層11B)においては、多量の処理を行うことができる。また、大径部23(第1断面)は、その幅方向の寸法(内径)L1が、その前後方向の寸法(内径)L2よりも大きい。そのため、大径部23(洗浄層11B)の容量を大きく保つ一方で、大径部23内の磁性体粒子13に対して永久磁石130の磁力を確実に作用させることができる。その結果、永久磁石130を長手方向に移動させた場合に、容器20内部(大径部23内部)の磁性体粒子13を永久磁石130に追随するようにして円滑に移動させることができる。
また、図1及び図2に示すように、小径部22と大径部23との接続部分には、長手方向に対して傾斜する上端面23D又は下端面23Eが配置されている(小径部22と大径部23とは、長手方向に対して傾斜する上端面23D又は下端面23Eにより接続されている)。そのため、容器20内において磁性体粒子13が移動する場合に、小径部22と大径部23との境界で磁性体粒子13が残留することを抑制できる。
このように、液体層11内で磁性体粒子13を分散させ、磁性体粒子13を液体層11内の液体と接触させることにより、磁性体粒子13への目的物質の固定、磁性体粒子13の表面に付着している夾雑物を除去するための洗浄操作、磁性体粒子13に固定されている目的物質の反応、磁性体粒子13に固定されている目的物質の液体中への溶出等の操作が行われる。
4.作用効果
(1)本実施形態によれば、図3に示すように、容器20は、液体層11が装填された部分(大径部23)の長手方向に直交する第1断面の面積が、ゲル状媒体層12が装填された部分(小径部22)の長手方向に直交する第2断面の面積よりも大きくなるように形成される。
そのため、容器20において、大径部23の容量を大きく保ちながら、小径部22の径を小さくできる。
その結果、容器20において、液体層11(洗浄層11B)で多量の処理を行うことができ、かつ、ゲル状媒体層12を安定的に保持できる。
(2)また、本実施形態によれば、容器20内には、膨出部21の内部空間である試料導入空間と、小径部22、大径部23及び先端部24の内部空間である試料移動空間とが形成されている。容器20では、試料移動空間において、液体層11が装填された部分(大径部23)の長手方向に直交する第1断面の面積が、ゲル状媒体層12が装填された部分(小径部22)の長手方向に直交する第2断面の面積よりも大きく形成されている。
そのため、試料移動空間が形成される容器20の部分において、液体層11が装填される部分の容量を大きく保ちながら、ゲル状媒体層12が装填される部分の径を小さくできる。
(3)また、本実施形態によれば、図3に示すように、容器20において、大径部23(第1断面)は、その幅方向の寸法(内径)L1が、その前後方向の寸法(内径)L2よりも大きくなるように形成されている。
そのため、大径部23内において、液体層11(洗浄層11B)の容量を大きく保ちつつ、大径部23内の磁性体粒子13と永久磁石130との間の寸法を小さく保つことができる。
その結果、大径部23内の磁性体粒子13に対して、永久磁石130の磁力を確実に作用させることができる。
ゆえに、永久磁石130を長手方向に移動させた場合に、容器20内部(大径部23内部)の磁性体粒子13を永久磁石130に追随するようにして円滑に移動させることができる。
(4)また、本実施形態によれば、図3に示すように、容器20において、小径部22の背面22Bと、大径部23の背面23Bとは、面一の状態で連続している。磁性体粒子13は、小径部22内(ゲル状媒体層12)及び大径部23内(洗浄層11B)を移動する際には、小径部22の背面22B、及び、大径部23の背面23Bに沿って移動する。すなわち、磁性体粒子13は、小径部22内(ゲル状媒体層12)及び大径部23内(洗浄層11B)を移動する際には、容器20の面一の部分に沿って移動する。
そのため、磁性体粒子13を容器20に沿って長手方向に移動させた場合に、容器20内部において磁性体粒子13を円滑に移動させることができる。
(5)また、本実施形態によれば、図1及び図2に示すように、容器20において、小径部22と大径部23との接続部分には、上端面23D又は下端面23Eが配置されている(小径部22と大径部23とは、上端面23D又は下端面23Eにより接続されている)。上端面23D及び下端面23Eは、長手方向に対して傾斜している。
そのため、容器20内において磁性体粒子13が移動する場合に、小径部22と大径部23との境界で磁性体粒子13が残留することを抑制できる。
その結果、容器20内部において磁性体粒子13を円滑に移動させることができる。
(6)また、本実施形態によれば、容器20内の液体層11には、洗浄層11Bと溶出層11Cとが含まれる。容器20では、洗浄層11Bが装填される大径部23の容量が大きく保たれる。
そのため、容器20内において、溶出層11Cに比べて、洗浄層11Bを多量に装填できる。
5.磁性体粒子操作用デバイスの変形例
図6は、磁性体粒子操作用デバイスの第1の変形例の構成例を示した断面図である。図7は、磁性体粒子操作用デバイスの第2の変形例の構成例を示した断面図である。
これらの変形例では、いずれも小径部22の断面形状が上記した構成と異なっている。
図6の例では、小径部22が、上下方向に延びる円筒状に形成される点が、図3の構成と異なっている。図6の構成では、大径部23の前後方向の寸法は、小径部22の前後方向の寸法よりも大きく、大径部23の幅方向の寸法は、小径部22の幅方向の寸法よりも大きい。上下方向に見たときに、小径部22は、大径部23の縁部の内方に配置されている。また、小径部22の背面22Bと、大径部23の背面23Bとは、面一の状態で連続している。なお、図6において、小径部22の背面22Bの部分は、小径部22の後方側の周面の一部であって、幅方向に延びる線を接線とする接点が位置する部分である。すなわち、小径部22の背面22Bは、小径部22の後方側の周面の一部であって、上下方向に延びる直線状の部分である。
図7の例では、小径部22が、上下方向に延びる円筒状に形成されており、小径部22の断面積が大きく形成されている点が、図3の構成と異なっている。図7の構成では、大径部23の前後方向の寸法は、小径部22の前後方向の寸法とほぼ同一であり、大径部23の幅方向の寸法は、小径部22の幅方向の寸法よりも大きい。また、図7の構成では、図6の構成と同様に、上下方向に見たときに、小径部22は、大径部23の縁部の内方に配置されている。また、小径部22の背面22Bと、大径部23の背面23Bとは、面一の状態で連続している。
6.その他の変形例
上記した実施形態では、容器20において、大径部23には、洗浄層11Bが装填され、先端部24には、溶出層11Cが装填されるとして説明した。しかし、容器20において、大径部23及び先端部24のそれぞれに、目的物に対して所定の反応を生じさせるための反応層が装填されていてもよい。この場合、容器20において、先端部24の形状を大径部23と同様の形状にすることが好ましい。
1 磁性体粒子操作用デバイス
11 液体層
11B 洗浄層
11C 溶出層
12 ゲル状媒体層
13 磁性体粒子
20 容器
21 膨出部
22 小径部
22B 背面
23 大径部
23B 背面
23D 上端面
23E 下端面
130 永久磁石

Claims (6)

  1. ゲル状媒体層及び液体層が長手方向に交互に重層されるとともに磁性体粒子が充填される内部空間が形成された管状の容器を備える磁性体粒子操作用デバイスであって、
    前記容器の内部空間における液体層が装填された部分の前記長手方向に直交する第1断面の面積が、ゲル状媒体層が装填された部分の前記長手方向に直交する第2断面の面積よりも大きく、
    前記容器には、磁場印加部を対向させて前記長手方向に移動させる対向面が形成されており、
    前記第1断面は、前記対向面に対して直交方向の内径よりも、前記対向面に対して平行方向の内径の方が大きく、
    前記第1断面及び前記第2断面は、前記長手方向に沿って見たときに前記対向面側の前記磁場印加部に対向する部分において面一であることを特徴とする磁性体粒子操作用デバイス。
  2. 前記容器内には、試料が導入される試料導入空間と、ゲル状媒体層及び液体層が前記長手方向に交互に重層され、前記試料導入空間内の試料に含まれる目的成分を磁性体粒子に固定させて前記長手方向に移動させる試料移動空間とが形成されており、
    前記第1断面は、前記試料移動空間における液体層が装填された部分の前記長手方向に直交する断面であり、
    前記第2断面は、前記試料移動空間におけるゲル状媒体層が装填された部分の前記長手方向に直交する断面であることを特徴とする請求項1に記載の磁性体粒子操作用デバイス。
  3. 前記第1断面及び前記第2断面は、前記長手方向に沿って見たときに前記対向面側の前記磁場印加部に対向する部分において面一であって、前記第2断面の中心は前記第1断面の中心に対して前記対向面側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体粒子操作用デバイス。
  4. 前記容器の内部空間における液体層が装填された部分とゲル状媒体層が装填された部分とが、前記長手方向に対して傾斜したテーパ面により接続されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の磁性体粒子操作用デバイス。
  5. 前記液体層には、試料中の目的物質を洗浄するための洗浄液が装填された洗浄層と、試料中の目的成分を溶出させる溶出液が装填された溶出層とが含まれており、
    前記第1断面は、前記容器の内部空間における前記洗浄層の前記長手方向に直交する断面であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性体粒子操作用デバイス。
  6. 前記第2断面の形状が、前記対向面に向かうにつれて徐々に先細るテーパー状であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の磁性体粒子操作用デバイス。
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