JP7035099B2 - 回路付立体成形品及びその製造方法 - Google Patents

回路付立体成形品及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7035099B2
JP7035099B2 JP2020012009A JP2020012009A JP7035099B2 JP 7035099 B2 JP7035099 B2 JP 7035099B2 JP 2020012009 A JP2020012009 A JP 2020012009A JP 2020012009 A JP2020012009 A JP 2020012009A JP 7035099 B2 JP7035099 B2 JP 7035099B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
sheet
pattern
surface region
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020012009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021118305A (ja
Inventor
忠壮 谷口
俊介 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Co Ltd
Original Assignee
Nissha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Co Ltd filed Critical Nissha Co Ltd
Priority to JP2020012009A priority Critical patent/JP7035099B2/ja
Priority to PCT/JP2020/048970 priority patent/WO2021153139A1/ja
Publication of JP2021118305A publication Critical patent/JP2021118305A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7035099B2 publication Critical patent/JP7035099B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C51/00Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor
    • B29C51/10Forming by pressure difference, e.g. vacuum
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

この発明は、回路付シートを備えた回路付立体成形品及びその製造方法に関する。
家電製品、音響機器、携帯端末などの電子機器の筐体の表面に、基体シートの上にアンテナやタッチセンサなどの回路パターンが形成された回路付シートを接着した、回路付立体成形品がある。例えば特許文献1には、三次元形状を有する成形樹脂体の成形と同時に、成形樹脂体の表面に静電容量タッチセンサシートを接着した静電容量スイッチ付き成形品が開示されている。
特開2009-238661号公報
上記のような従来の回路付立体成形品は、三次元形状を有する成形樹脂体に回路付シートを接着する場合に、成形樹脂体の屈曲部分で回路付シートが伸びることで、回路パターンが成形樹脂体の所望の位置に形成されていない可能性があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、回路付シートが三次元形状を有する成形樹脂体に積層されている場合においても、回路パターンが位置ずれしにくい回路付立体成形品を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、上面部と、その上面部の端から屈曲して接続する側面部とを有する成形樹脂体と、上面部に固着される上面領域と、側面部に固着される側面領域とを有し、成形樹脂体の表面に固着される回路付シートとを備え、回路付シートは、基体シートと、上面領域及び側面領域の一部の基体シートの上に形成された回路パターンと、回路パターンの周囲の基体シートの上に形成されたダミーパターンとを含む、回路付立体成形品である。
このように構成すると、回路付シートに形成されたダミーパターンによって、ダミーパターン領域の回路付シートの伸びが抑制され、回路付シートの伸び具合が調整されるため、屈曲する成形樹脂体の表面に回路付シートを固着しても、回路付シートの回路パターンが位置ずれしにくい回路付立体成形品となる。
第2の発明は、第1の発明において、回路パターンとダミーパターンとが、屈曲する部分を挟んで対向するように、屈曲する部分に沿って形成された回路付立体成形品である。
このように構成すると、成形樹脂体の屈曲する部分の回路付シートの伸び具合が調整されるため、回路パターンの位置ずれが生じやすい成形樹脂体の屈曲する部分において、回路パターンの位置ずれが抑制された回路付立体成形品となる。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、回路パターンの両側にダミーパターンが形成され、又はダミーパターンの両側に回路パターンが形成された回路付立体成形品である。
このように構成すると、回路付シートの上の回路パターンの両側又は回路パターンと回路パターンの間がダミーパターンによって埋められることで、回路パターン近辺の伸び具合が一定となりやすいため、回路パターンの位置ずれが抑制された回路付立体成形品となる。
第4の発明は、第1の発明において、回路パターンとダミーパターンとが、上面領域及び側面領域の少なくとも1つの全面に形成された回路付立体成形品である。
このように構成すると、成形樹脂体の上面部及び側面部の少なくとも1つの全面において回路付シートの伸び率が調整されるため、全面にパターンを形成した領域において、より回路パターンの位置ずれが抑制された回路付立体成形品となる。
第5の発明は、第1の発明において、ダミーパターンは、屈曲する部分を跨いで形成された回路付立体成形品である。
このように構成すると、回路付シートが特に伸びやすい成形樹脂体の屈曲する部分の伸び具合を調整できるため、回路パターンの位置ずれが抑制された回路付立体成形品となる。
第6の発明は、第1の発明において、側面部は、その長手方向に屈曲する角面部を有し、回路付シートは、角面部に固着される角面領域を有し、ダミーパターンが角面領域の基体シートの上に形成された回路付立体成形品である。
このように構成すると、回路付シートが特に伸びやすい成形樹脂体の角面部の伸び具合を調整できるため、回路パターンの位置ずれが抑制された回路付立体成形品となる。
第7の発明は、第1の発明において、回路パターンは、屈曲する部分に沿って伸びるように形成され、ダミーパターンは、回路パターンと同じ方向に延び、間隔をあけて複数が横に並んで形成され、ダミーパターンの面積(長さ及び幅の少なくとも1つ)は、回路パターンから離れるに従って小さくなっている、又は間隔は、回路パターンから離れるに従って大きくなっている回路付立体成形品である。
このように構成すると、回路パターンから離れるに従い回路付シートの伸び率が変化するため、回路付シート内の伸び率の差によるラインの発生が抑制された回路付立体成形品となる。
第8の発明は、上面部と、その上面部の端から屈曲して接続する側面部とを有する成形樹脂体と、
上面部に固着される上面領域と、側面部に固着される側面領域とを有し、成形樹脂の表面に固着された回路付シートとを備えた回路付立体成形品の製造方法であって、基体シートと、上面領域及び側面領域の一部の基体シートの上に形成された回路パターンと、回路パターンの周囲の基体シートの上に形成されたダミーパターンとを含む回路付シートを準備する工程と、回路付シートを成形樹脂体の表面に沿う立体形状に加工する工程と、加工された回路付シートを射出成型用金型のキャビティに配置する工程と、キャビティに溶融樹脂を射出して成形樹脂体を形成し、その形成された成形樹脂体の表面に回路付シートを固着させる工程とを備えた回路付立体成形品の製造方法である。
このように構成すると、ダミーパターンによって、回路パターンの周囲の伸び具合が抑制された回路付シートが、成形同時に成形樹脂体の表面に固着されるため、回路パターンの位置ずれを抑制した回路付立体成形品を得ることができる。
この発明によれば、回路パターンの位置ずれを抑制した回路付立体成形品を得ることができる。
その(a)がこの発明の第1実施形態による回路付立体成形品の斜視図であり、その(b)がI-Iラインの概略断面図である。 その(a)が図1で示した回路付立体成形品に用いる回路付シートの平面図であり、その(b)がII-IIラインの概略断面図である。 図2で示した回路付シートのプレフォーム工程を説明する概略断面図である。 図1で示した回路付立体成形品の製造工程を説明する概略断面図である。 この発明の回路付シートの変形例Aから変形例Fを示す平面図である。 この発明の回路付シートの変形例Gから変形例Lを示す平面図である。 この発明の回路付シートの変形例Mを示す平面図である。 この発明の回路付シートの変形例Nを示す平面図である。 その(a)がこの発明の第2実施形態による回路付立体成形品の斜視図であり、その(b)がその(a)で示した回路付立体成形品に用いる回路付シートの平面図であり、その(c)がこの発明の第3実施形態による回路付立体成形品の斜視図であり、その(d)がその(c)で示した回路付立体成形品に用いる回路付シートの平面図である。 この発明の第4実施形態による回路付立体成形品に用いる回路付シートの平面図である。 この発明の第5実施形態による回路付立体成形品に用いる回路付シートの平面図である。
次に、発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
図1(a)を参照して、この発明の第1実施形態による回路付立体成形品10は、8つの角が丸みを帯びた扁平な直方体形状である。それぞれの角は、両側面視、平面視の双方においてR形状となっている。回路付立体成形品10は、成形樹脂体11と成形樹脂体11の表面に固着された回路付シート60とを備えている。成形樹脂体11は、角丸直方体形状の上面に対応する上面部12と上面部12の端である4辺から屈曲して一体的に接続する4つの側面部13と4つの側面部13に一体的に接続し、上面部12と対向する面である底面部14を備えている。又、1つの側面部13が隣り合う側面部13と一体的に接続するように、側面部13の長手方向に屈曲する角面部15を備えている。図1(b)を参照して、回路付シート60は、成形樹脂体11の上面部12に固着される上面領域72と成形樹脂体11の側面部13に固着される側面領域73を有している。又、回路付シート60の上面領域72と側面領域73の間に屈曲する部分74が形成されており、成形樹脂体11の上面部12の端から側面部13へ屈曲して接続する部分に固着されている。
図2を参照して、回路付シート60の上面領域72と側面領域73の境界に二点鎖線で示される折れ線64で折れ曲がる屈曲する部分74が形成されている。屈曲する部分74には、上面領域72と側面領域73の折れ線64の近傍部分が含まれる。
回路付シート60は、支持体である基体シート61と基体シート61の上に回路パターン62及びダミーパターン63が形成されている。図2(a)を参照して、回路パターン62は、回路付シート60の上面領域72における基体シート61上に、J字状に形成されている。又、ダミーパターン63は、回路パターン62の周囲の基体シート61の上に形成され、上面領域72に1つのダミーパターン63と側面領域73のうち、成形樹脂体11の2つの隣り合う側面部13に固着される領域に、回路パターン62に沿って2つのダミーパターン63が形成されている。上面領域72に形成されているダミーパターン63は、J字状に形成された回路パターン62に沿って形成され、回路パターン62の折れ曲がる先端部分では、回路パターン62の折れ曲がる先端部分を囲うように、回路パターン62が折れ曲がる方向である上面領域72の内側に向かって折れ曲がる逆U字状となっている。
回路付立体成形品10は、例えば、ワイヤレスイヤホンの筐体、スマートフォン、電磁波透過カバーであり、回路パターン62は、それぞれ、無線通信の送受信用アンテナ、タッチセンサ用電極、融雪用ヒータ電極である。回路パターン62は、図示しない端子によって回路付シート60の外部に取り出し、回路パターン62の機能を制御する制御基板に接続され、端子は、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)や接点ピンである。接点ピンは、導電性材料からなる、例えば円柱状の部材である。成形樹脂11に上面部12から底面部14へとつながる穴を形成し、上面部12から底面部14につながる穴に接点ピンを挿入し、回路付シート60の成形樹脂体11に固着する面側から導電性接着剤を介して、回路パターン62に接点ピンを固着することで、回路パターン62と外部の制御基板とを接続することができる。一方、ダミーパターン63は、制御基板には接続されておらず、回路パターン62や他のダミーパターン63とは絶縁されている。
成形樹脂体11は、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂である。又、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂を使用することもできる。成形樹脂体11の厚みは、特に限定されず、製造する製品の筐体の厚みに合わせて選択される。
基体シート61は、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂などの熱可塑性樹脂およびこれらの積層品である。又、基体シート21の厚みは、例えば、12μm~100μmが好ましい。基体シート21の厚みが12μm以上であれば、ハンドリング性に優れた厚みを有し、厚みが100μm以下であれば、適度な剛性となるため良好な屈曲性を有する。
回路パターン62は、導電材料を用いることができ、例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、鉛などの金属や、ITO、ZnO、IGO、IGZO、CuOなどの金属酸化物、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、PSS(ポリスチレンスルホン酸)などの導電性高分子、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェンなどの炭素材料である。回路パターン62の厚みは、例えば、0.1μm~15μmが好ましい。回路パターン62の厚みが0.1μm以上であれば、断線しにくい厚みとなり、厚みが15μm以下であれば、回路付立体成形品10の曲面部分に回路パターン62を形成しても曲面に追随しやすい屈曲性となる。
ダミーパターン63は、回路パターン62に用いる導電材料から選択して用いられる。又、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂材料を用いても良い。ダミーパターン63の材料として、回路パターン62と同じ導電材料を用いた場合、回路付シート60を製造する際に、基体シート61の上に回路パターン62とダミーパターン63を同時に形成することができる。回路パターン62とダミーパターン63に用いる導電材料は、例えば、良好な導電率と回路付シート60の伸び具合の調整しやすさの点から、銅を用いることが好ましい。一方、ダミーパターン63の材料として樹脂材料を用いると、例えば回路パターン62を送受信用アンテナとして使用する場合、ダミーパターン63が導電材料の場合に発生する可能性があるノイズを抑制できる。ダミーパターン63の厚みは、回路パターン62と同程度の厚みであることが好ましく、例えば、0.1μm~15μmが好ましい。ダミーパターン63の厚みが回路パターン62の厚みと同程度の厚みであれば、回路付シート60を立体形状を有する成形樹脂体11に張り付ける際に、回路付シート60の伸び具合が均一となりやすい。
次に、回路付立体成形品10の製造方法を示す。
図2を参照して、基体シート60の上に回路パターン62とダミーパターン63が形成された回路付シート60を準備する。基体シート上への回路パターン62とダミーパターン63の形成は、例えば、スクリーン印刷などの印刷法やフォトリソグラフィー法を用いて、回路パターン62とダミーパターン63を順番に形成する。回路パターン62とダミーパターン63に同じ材料を用いる場合には、順番に形成せずに同時に形成しても良い。又、次の工程である回路付シート60を立体形状に加工する工程の前に、回路付シート60を立体形状に沿いやすいように、回路付シート60の一部に切り欠きや切り抜きなどのトリミングを行っても良い。
次に、回路付シート60を成形樹脂体11の表面に沿う立体形状に加工する工程について、説明する。図3(a)を参照して、回路付シート60を回路パターン62とダミーパターン63が形成されていない面をプレフォーム用金型80の上に乗せ、図示しないクランプで回路付シート60の端を固定する。次に、図3(b)を参照して、図示しない真空装置を用い、プレフォーム金型80と回路付シート60の間を真空とし、回路付シート60をプレフォーム用金型80に形成された凹部81に沿った形状に加工する。ここで、回路付シート60の上に形成された回路パターン62の周囲には、ダミーパターン63が形成されているため、基体シート61の伸び具合が調整され、回路付シート60を立体形状に加工しても回路パターン62の位置ずれが起こりにくい。次に図3(c)を参照して、切り取り76で示す位置で回路付シート60をカットし、上面領域72と側面領域73以外の不要部分である切り取り領域75を除去する。このとき、切り取り領域75の他に、上面領域72又は側面領域73に、製品に用いない部分があれば切り取っても良い。
次に、図4(a)を参照して、樹脂の射出口87が形成された第1金型85と凹部88が形成された第2金型86からなる射出成形用の金型を準備する。次に、第2金型86の凹部88に沿って、回路付シート60を設置する。次に、図4(b)を参照して、第1金型85と第2金型86を型閉じする。第1金型85と第2金型86を型閉じすることで、射出成形金型にキャビティ89となる空間が形成され、キャビティ89に回路付シート60が配置されている。次に、第1金型85の射出口87からキャビティ89に溶融樹脂を射出する。次に、溶融樹脂が固化するまで冷却することで成形樹脂体11を形成する。溶融樹脂が固化し成形樹脂体11が形成される過程で、成形樹脂体11の表面に回路付シート60が固着する。次に、図4(c)を参照して、射出成形金型を開き、図示しない取り出し用アームを用いて回路付立体成形品10を取り出すことで、回路付立体成形品10を得る。
以上から、上記のように製造される回路付立体成形品10は、ダミーパターン63によって、回路パターン62の周囲の領域において、基体シートの伸び具合が抑制された回路付シート60を成形同時に成形樹脂体11の表面に固着するため、回路パターン62の位置ずれを抑制した回路付立体成形品10を得ることができる。
次にこの発明の変形例について、図を参照しながら先の実施形態と異なる点を中心に説明する。
この発明の変形例である回路付立体成形品10A~10Nは、先の実施形態で示した成形樹脂体11を用いることができ、回路付立体成形品10と同じ製造方法で得ることができる。一方、回路付立体成形品10A~10Nに用いる回路付シート60A~60Nの回路パターン62及びダミーパターン63の形成位置や形状が異なっている。図5(a)~(f)、図6(a)~(f)、図7及び図8は、回路付立体成形品10A~10Nに用いる回路付シート60A~60Nの平面図であり、これらの図を参照して変形例について説明する。
(変形例A)
図5(a)を参照して、回路付シート60Aは、回路パターン62及びダミーパターン63は、上面領域72に形成されている。ダミーパターン63は、上面領域72の中心付近に帯状に延びて形成され、回路パターン62は、ダミーパターン63を挟むように、ダミーパターン63と同一方向に伸びる2つの帯状のパターンで形成されている。このような回路付シート60Aを用いて回路付立体成形品10Aを製造することで、回路付シート60の上面領域72において伸び具合が調整でき、特に、2つの回路パターン62の間の伸び具合が調整できるため、2つの回路パターン62の位置関係がずれにくい回路付立体成形品10Aが得られる。
(変形例B)
図5(b)を参照して、回路付シート60Bは、回路パターン62及びダミーパターン63は、上面領域72に形成されており、折れ線64で示す上面領域72の側面領域73との境界付近となる上面領域72の周囲に、対向する2本の帯状の回路パターン62と回路パターン62が形成されていない上面領域72の周囲を埋めるようにC字状のダミーパターン63と逆C字状のダミーパターン63が形成されている。このような回路付シート60Bを用いて回路付立体成形品10Bを製造することで、回路付シート60Bが伸びやすい上面領域72の周囲において、回路パターン62の位置ずれが起こりにくい回路付立体成形品10Bが得られる。
(変形例C)
図5(c)を参照して、回路付シート60Cは、回路パターン62及びダミーパターン63は、上面領域72に形成されている。上面領域72の周囲に、対向する2本の帯状の回路パターン62と、回路パターン62が形成されていない部分を埋めるようにH字状にダミーパターン63が形成され、上面領域72の全面に回路パターン62又はダミーパターン63が形成されている。このような回路付シート60Cを用いて回路付立体成形品10Cを製造することで、上面領域72全面の伸び具合を調整できるため、より回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Cが得られる。
(変形例D)
図5(d)を参照して、回路付シート60Dは、回路付シート60Cと同じように、回路パターン62及びダミーパターン63は、上面領域72の全面に形成されており、上面領域72の周囲に、対向する2本の帯状の回路パターン62と回路パターン62が形成されていない上面領域72を埋めるようにダミーパターン63が形成されている。回路付シート60Dでは、上面領域72の4つの角に4つの矩形形状のダミーパターン63と上面領域72の中央を通り帯状に延びる1つのダミーパターン63を形成することで、回路パターン62とダミーパターン63によって上面領域72の全面が占有されている。このような回路付シート60Dを用いて回路付立体成形品10Dを製造することで、上面領域72全面の伸び具合を調整できるため、より回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Dが得られる。
(変形例E)
図5(e)を参照して、回路付シート60Eは、回路パターン62は、上面領域72に形成されており、上面領域72の周囲のうち、3辺に沿ったU字状に配置されている。ダミーパターン63は、側面領域73に形成され、折れ線64で示す屈曲する部分74を挟んで、回路パターン62に対向するように、3つのダミーパターン63が屈曲する部分74に沿って形成されている。このような回路付シート60Eを用いて回路付立体成形品10Eを製造することで、屈曲する部分74の回路付シート60Eの伸び具合が調整されるため、回路パターン62の位置ずれが生じやすい屈曲する部分74において、より回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Eとなる。
(変形例F)
図5(f)を参照して、回路付シート60Fは、回路パターン62は、上面領域72に形成されており、上面領域72の周囲のうち、3辺に沿ったU字状に配置されている。ダミーパターン63は、回路付シート60Eと同じように、側面領域73に形成され、折れ線64で示す屈曲する部分74を挟んで、回路パターン62に対向するように、屈曲する部分74に沿って形成されている。回路付シート60Fでは、複数の矩形形状のダミーパターン63が、上面領域72の周囲を囲むように、側面領域73に配置されている。このような回路付シート60Fを用いて回路付立体成形品10Fを製造することで、屈曲する部分74の回路付シート60Fの伸び具合が調整されるため、回路パターン62の位置ずれが生じやすい屈曲する部分74において、より回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Fとなる。
(変形例G)
図6(a)を参照して、回路付シート60Gは、回路パターン62は上面領域72に形成されており、ダミーパターン63は、上面領域72及び側面領域73の両方に形成されている。回路パターン62は、上面領域72の周囲のうち、3辺に沿ったU字状に配置されている。ダミーパターン63は、上面領域72において、U字状に形成された回路パターン62の内側に沿って2つの帯状のダミーパターン63が形成されている。又、側面領域73において、U字状に形成された回路パターン62の外側を囲うように5つの帯状のダミーパターン63が形成されている。このような回路付シート60Gを用いて回路付立体成形品10Gを製造することで、回路付シート60Gの折れ線64で示す屈曲する部分74を挟んで対向するように回路パターン62とダミーパターン63が形成され、かつ、回路パターン62を内側と外側から挟むようにダミーパターン63が形成されているため、回路付シート60Gが伸びやすい屈曲する部分74と位置ずれを抑制したい回路パターン62の周囲の伸び具合を抑制できるため、より回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Gが得られる。
(変形例H)
図6(b)を参照して、回路付シート60Hは、回路パターン62が上面領域72に形成されており、上面領域72の周囲のうち、3辺に沿ったU字状に配置されている。ダミーパターン63は、上面領域72の周囲のうち、回路パターン62が形成されていない1辺から折れ線63で示す屈曲する部分74を跨いで上面領域72と側面領域73の両方に形成されている。このような回路付シート60Hを用いて回路付立体成形品10Hを製造することで、回路付シート60Hが特に伸びやすい屈曲する部分74の伸び具合を調整できるため、回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Hとなる。
変形例Aから変形例Hでは、回路パターン62が上面領域72のみに形成されている例を示したが、変形例Iから変形例Lに示すように、回路パターン62が側面領域73に形成されていても良い。
(変形例I)
図6(c)を参照して、回路付シート60Iは、回路パターン62が側面領域73に形成されており、回路付シート60Iの外周のうち2辺に沿って、2つの回路パターン62が配置されている。ダミーパターン63は、上面領域72のみに形成されており、2つのダミーパターン63が、折れ線64で示す屈曲する部分74を挟み、2つの回路パターン62と対向するように形成されている。このような回路付シート60Iを用いて回路付立体成形品10Iを製造することで、回路付シート60Iが特に伸びやすい屈曲する部分74の伸び具合を調整できるため、回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Iとなる。
(変形例J)
図6(d)を参照して、回路付シート60Jは、回路パターン62が側面領域73に形成されており、回路付シート60Jの外周のうち隣り合う2辺に沿って、2つの回路パターン62が配置されている。ダミーパターン63は、側面領域73に形成された2つの回路パターン62の間に対応する、回路付シート60Jの角部分である角面領域77に形成されている。図1(a)を参照して、角面領域77は、成形樹脂体11の角面部15に固着される領域である。このような回路付シート60Jを用いて回路付立体成形品10Jを製造することで、回路付シート60Jが3次元方向に伸びる角面領域77の伸び具合を調整できるため、回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Jとなる。
(変形例K)
図6(e)を参照して、回路付シート60Kは、変形例Jで示した回路付シート60Jに配置された回路パターン62とダミーパターン63に加え、回路付シート60Kの外周を回路パターン62又はダミーパターン63で占有するように、ダミーパターン63が側面領域の回路パターン62が形成されていない領域と変形例Jでは形成していない3つの角面領域77に更に形成されている。このような回路付シート60Kを用いて回路付立体成形品10Kを製造することで、角面領域77を含む側面領域72全体の伸び具合を均一に調整でき、回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Kとなる。
(変形例L)
図6(f)を参照して、回路シート60Lは、変形例Iで示した回路付シート60Iに配置された回路パターン62とダミーパターン63に加え、側面領域73の周囲のうち回路パターン62が形成されていない2辺の領域にそれぞれ、帯状のダミーパターン63が側面領域73から折れ線64で示す屈曲する部分74を跨いで上面領域72へと形成されている。このような回路付シート60Lを用いて回路付立体成形品10Lを製造することで、回路付シート60Lの特に伸びやすい屈曲する部分74の全周にわたって伸び具合を調整できるため、回路パターン62の位置ずれが抑制された回路付立体成形品10Lとなる。
(変形例M)
図7を参照して、回路付シート60Mは、回路付シート60Mの上面領域72の右側半分に、回路パターン62が渦巻状であるスパイラルアンテナとして形成されている。回路パターン62の渦巻の外側となる一端は、上面領域72の右側から左側へまっすぐ延びている。したがって、回路付シート60Mの上面領域72のうち、右側半分は渦巻状の回路パターン62によって占有されている一方、上面領域72のうち、左側半分は、回路パターン62が存在しない領域が多く存在する。ダミーパターン63は、上面領域72の回路パターン62が形成されていない左側部分に矩形形状で形成されている。又、回路付シート60Mの側面領域73に、上面領域72を囲うように、4つのダミーパターン63が形成されている。回路パターン62が渦巻状であるため、回路付シート60Mの一部分に密に回路パターン62が形成されているが、回路パターン62が形成されていない領域にダミーパターン63が形成されていることで、回路付シート60Mの一部分が極端に伸びにくくなることを抑制し、回路付シート60Mが均一な伸び具合となるため、回路パターン62が目的の位置に形成された回路付立体成形品10Mを製造しやすくなる。
尚、上面領域72に形成されるダミーパターン63の形状は、矩形形状に限られず、例えば、渦巻形状として形成してもよい。このように構成すると、回路付シート60Mの伸び具合が左右対称となりやすく、より回路パターン62の位置ずれを抑制することができる。更に、ダミーパターン63を回路パターン62とは逆巻きの渦巻状とすると更に、回路付シート60Mの伸び具合の左右対称性が向上する。
(変形例N)
上記の第1実施形態及び各変形例では、主にアンテナを回路パターン62に使用した場合について説明したが、回路パターン62の用途はアンテナには限定されず、例えばタッチセンサ用電極やヒータ用電極など、アンテナ以外の用途として用いても良い。変形例Nでは、回路パターン62のアンテナ以外の用途として、タッチセンサを例に説明する。
図8を参照して、回路付シート60Nは、上面領域72に回路パターン62として、スライド操作検出用電極68とタッチ操作検出用電極69が形成されている。スライド操作検出用電極68とタッチ操作検出用電極69は、図示しない端子によって回路付シート60の外部に取り出され、回路パターン62の機能を制御する制御基板に接続されている。スライド操作検出用電極68は、90度回転させたV字状の電極が一方向に5つ並ぶように形成されている。5つの電極のいずれかの上に、指やペンなどを接触させて、5つの電極が並ぶ方向に沿って、指又はペンなどを動かすことで、指又はペンなどのスライド操作を検出することができる。タッチ操作検出用電極69は、矩形形状の電極が一方向に3つ並ぶように形成されている。3つの電極はそれぞれ独立したボタンとして機能し、3つのうちいずれかの電極に指やペンを接触させることで、指やペンが接触したボタンが押されたことを検出する。尚、指やペンの接触を検出するのではなく、指やペンを接触させ、更に押し込む操作を加えることでボタンが押されたことを検出する構成としても良い。
ダミーパターン63は、スライド操作検出用電極68とタッチ操作検出用電極69が並ぶように複数の電極が形成された方向の両端に形成され、回路付シート60Nの上面領域72のうち、回路パターン62が形成されていない領域を電極によって占有するように形成されている。又、回路付シート60Nの側面領域73には、スライド操作検出用電極68とタッチ操作検出用電極69が並ぶ方向に沿って、帯状に形成されている。このように、スライド操作検出やタッチ操作検出などの機能が不要な部分にダミーパターン63を形成することで、回路付シート60Nの特定の箇所のみが伸びにくくなることを抑制し、回路付シート60Mを用いて回路付立体成形品10Nを製造した場合においても、回路パターン62の位置ずれを抑制することができる。回路付立体成形品10Nは、例えば、タッチ操作可能なイヤホン、車載用表示パネル、表示パネルと連動する操作パネルに用いることができる。
次に、この発明の第2実施形態について、図を参照しながら先の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図9(a)を参照して、回路付立体成形品20は、8つの角が丸みを帯びた扁平な直方体形状の成形樹脂体21に、回路パターン62とダミーパターン63を有する回路付シート95が固着されている点、及び回路付立体成形品20の製造方法は同じであるが、ダミーパターン63の形成位置に特徴がある点で異なっている。図9(a)及び(b)を参照して、回路パターン62は、上面領域72において、折れ線64で示す上面領域72と側面領域73の境界付近に、2つの帯状の回路パターン62が形成されている。ダミーパターン63は、2つの回路パターン62に隣接して、2つのダミーパターン63が成形樹脂体21の側面部23の高さh1に対して、高さh1の半分を示す分割線90よりも上面部22側の領域に形成されている。言い換えると、成形樹脂体21の上面部22を底面として、高さh1の半分である高さh2までの領域のみにダミーパターン63が形成されている。ダミーパターン63を側面領域72の全面に形成した場合には、側面領域72が過度に伸びにくくなる場合がある。一方で、成形樹脂体21の上面部22から半分までの高さの領域のみにダミーパターンを形成すると、回路付シート95が特に伸びやすい、上面領域72と側面領域73との境界付近を中心に伸び率を調整できるとともに、回路付シート95の側面領域73全面が伸びにくくなることを抑制し、回路付シート95が成形樹脂体21の立体形状に追随しやすくなる。したがって、回路パターン62の位置ずれを抑制し、かつ、回路付シート95が成形樹脂体21の立体形状に追随して固着された回路付立体成形品20となる。
次に、この発明の第3実施形態について、図を参照しながら先の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図9(c)を参照して、回路付立体成形品30は、成形樹脂体31に、回路パターン62とダミーパターン63を有する回路付シート96が張り付けられている点、及び回路付立体成形品30の製造方法は同じであるが、成形樹脂体31の形状が異なっている。成形樹脂体31は、第1樹脂体36と第2樹脂体37が重なった形状である。第1樹脂体36は直方体形状であり、上面部32と上面部32の端である4辺から屈曲して一体的に接続する4つの側面部33とを有し、側面部33は、もう一方の樹脂体である第2樹脂体37と一体的に接続している。第2樹脂体37は、直方体形状であり、第1樹脂体36の上面部32に対向する面より大きい面を上面として、その上面に接続する4つの側面及び、4つの側面に接続して上面に対向する底面を有する。第2樹脂体37の上面は、成形樹脂体31の全体を見たときの第1樹脂体36の上面部32との位置関係から、下面部34と呼ぶ。下面部34が第1樹脂体36の4つの側面部33と接続する面である。成形樹脂体31の全体的な形状は、第2樹脂体37から第1樹脂体36が飛び出た、立体的な凸型形状となっている。成形樹脂体31を溶融樹脂の射出成形により製造する場合、第1樹脂体36と第2樹脂体37を同じパーツとして一度に形成しても良く、二重成形や二色成形を行い、第1樹脂体36と第2樹脂体37とを別々に形成しても良い。
回路付シート96は、成形樹脂体31の上面部32と側面部33と下面部34に固着されている。図9(d)を参照して、回路付シート96は、成形樹脂体31の上面部32に固着される上面領域72には、上面領域72全体に4つの角をR形状とした矩形形状のダミーパターン63が形成され、側面部33に固着される側面領域73には、上面領域72を囲うように4つの矩形形状の回路パターン62が形成され、下面部34に固着される下面領域78には、側面領域73の4つの回路パターン62に隣接して、回路パターン62の周囲に4つのダミーパターン63が形成されている。上面領域72と側面領域73との境界は、第1折れ線65に対応し、側面領域73と下面領域78の境界は、第2折れ線66に対応する。第1折れ線65及び第2折れ線66は、回路付シート96が成形樹脂体31に固着された場合に、屈曲する部分である。成形樹脂体31に回路付シート96が固着された回路付立体成形品30は、回路付シート96の上面領域72と下面領域78において、側面領域73に形成された回路パターン62の周囲に対応する位置に、ダミーパターン63が形成されているため、成形樹脂体31の側面部33の目的の位置に、回路パターン62の位置ずれを抑制して形成できる。このように、第1実施形態及び第2実施形態のような直方体形状の成形樹脂体に限られず、本実施形態のような複雑な立体形状の成形樹脂体31に対しても、本実施形態で説明した回路付シート96を用いることができる。回路付立体成形品30の側面部33に形成された回路パターン62は、例えばタッチセンサである。回路付立体成形品30の上面部32に手のひらを載せて、各指で回路パターン62を触ることでタッチ操作を検出できる。又、上面部32と水平方向に手を回転させながら、それぞれの指で4つの回路パターンを順番に触れるようにスライドすることで、時計回りの回転や反時計回りの回転を検出するように構成してもよい。時計回りの回転や反時計回りの回転は、例えば、音響機器のボリュームの調整や、表示パネルと組み合わせて表示パネルに表示された選択項目の送り操作として用いることができる。
次に、この発明の第4実施形態について、図を参照しながら先の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
回路付立体成形品40は、図1で示す第1実施形態による回路付立体成形品10と同じように、8つの角が丸みを帯びた扁平な直方体形状を有する成形樹脂体41に、回路パターン62とダミーパターン63を有する回路付シート97が固着されている点、及び回路付立体成形品40の製造方法は同じである。一方、回路付シート97に形成されたダミーパターン63の形状に特徴がある点で異なっている。又、先の各実施形態のように、回路付シート97の伸び率を調整して、回路パターン62の位置ずれを抑制する目的に加え、回路付シート97の伸び率が変化する部分には、ラインが発生する可能性があるが、本実施形態では、更にラインの発生を抑制することを目的とする。
図10を参照して、回路付立体成形品40に用いる回路付シート97は、上面領域72のうち、回路付シート97が屈曲する部分74である折れ線64で示す上面領域72と側面領域73の境界に沿って延びるように、逆L字状の回路パターン62が形成されている。ダミーパターン63は、上面領域72のうち、回路パターン62の周囲と、側面領域73のうち、折れ線64で示す屈曲する部分74を挟んで回路パターン62に対向するように形成されている。上面領域72及び側面領域73に形成されたダミーパターン63は、それぞれ回路パターン62が折れ線64で示す屈曲する部分74に沿って延びる方向と回路パターン62から離れる方向に間隔をあけて、複数の矩形形状のダミーパターン63が形成されている。回路パターン62が延びる方向については、同じ形状、同じ面積のダミーパターン63が横に並んで形成されている。又、回路パターン62から離れる方向には、3つのダミーパターン63が形成されている。3つのダミーパターンの面積は、回路パターン62に近い順番にそれぞれS1、S2、S3とすると、S1>S2>S3となるように、回路パターン62から離れるに従い、面積が小さくなっている。例えば、隣り合う2つの回路パターンの面積SnとSn+1の関係は、Sn+1がSnの60%~90%の大きさである。尚、ダミーパターン63の面積とは、矩形形状のダミーパターン63の長さ及び幅の少なくとも1つが小さくなっていれば良く、全てのダミーパターン63が相似形でなくても良い。このようなダミーパターン63が形成された回路付シート97を用いて、回路付立体成形品40を製造することで、回路パターン62から離れる方向にダミーパターン63の面積が小さくなるため、回路付シート97の伸び率が、回路パターン62が形成されている部分から離れるに従い、緩やかに大きくなるため、回路付シート97の急激な伸び率の変化に起因するラインの発生を抑制した回路付立体成形品40を得ることができる。
次に、この発明の第5実施形態について、図を参照しながら先の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
回路付立体成形品50は、第4実施形態で説明した回路付立体成形品40と同じ形状、同じ製造方法であり、第4実施形態の回路付シート97の伸び率の変化によるラインの発生を抑制する点も同じである。一方、第5実施形態に用いる回路付シート98は、ラインの発生を抑制するためのダミーパターン63の形状と配置が異なっている。
図11を参照して、回路付シート98は、上面領域72のうち、回路付シート98が屈曲する部分である折れ線64で示す上面領域72と側面領域73の境界に沿って延びるように、1つの帯状の回路パターン62が形成されている。ダミーパターン63は、上面領域72のうち、回路パターン62の周囲と、側面領域73のうち、折れ線64で示す屈曲する部分74を挟んで回路パターン62に対向するように形成されている。上面領域72及び側面領域73に形成されたダミーパターン63は、それぞれ回路パターン62が折れ線64で示す屈曲する部分74に沿って延びる方向と回路パターン62から離れる方向に間隔をあけて、複数の矩形形状のダミーパターン63が形成されている。回路パターン62が延びる方向については、同じ形状、同じ面積のダミーパターン63が横に並んで形成されている。又、回路パターン62から離れる方向には、上面領域72においては、4つのダミーパターン63が形成されており、側面領域73においては3つのダミーパターンが形成されている。回路パターン62から離れる方向に間隔をあけて並ぶダミーパターン62は、それぞれの面積は同じであるが、隣り合うダミーパターン63の間隔の大きさが異なっている。図11を参照して、上面領域72において、回路パターン62から離れる方向に形成された4つのダミーパターンを例に説明する。回路パターン62と回路パターン62に最も近いダミーパターン63との間の間隔は、幅L1である。回路パターンに最も近いダミーパターン62と2番目に回路パターン62に近いダミーパターン63との間は、幅L2である。以下同様に、回路パターン62に2番目に近いダミーパターン63と3番目に近いダミーパターン63との間は、幅L3であり、回路パターン62に3番目に近いダミーパターン63と4番目に近い(最も遠い)ダミーパターン63との間は、幅L4である。幅L1~幅L4の大小関係は、L4>L3>L2>L1であり、回路パターン62から離れるに従って大きくなっている。例えば、隣り合う2つの幅LnとLn+1の関係は、Ln+1がLnの1.1倍~1.5倍の大きさである。隣接するダミーパターン63の間隔を調整することで、回路パターン62から離れるに従って、ダミーパターン63の分布が密から疎に変化するため、回路付シート98の伸び率は、回路パターン62から離れるに従って緩やかに大きくなる。このようなダミーパターン63が形成された回路付シート98を用いて、回路付立体成形品50を製造すると、回路付シート98の伸び率が回路パターン62が形成されている部分から離れるに従い、緩やかに大きくなるため、回路付シート98の急激な伸び率の変化に起因するラインの発生を抑制した回路付立体成形品50を得ることができる。
尚、上記の各実施形態では、回路付立体成形品の製造工程で、回路付シートを成形樹脂体の立体形状に加工する工程のためのプレフォーム用金型と成形樹脂体を形成するための射出成型用金型の2つの金型を用いたが、射出成形金型に回路付シートを立体形状に加工するための構成を追加し、1つの金型で回路付シートのフォーミングと成形樹脂の射出成形を行っても良い。
又、上記の各実施形態では、回路付立体成形品は、成形樹脂体の射出成形と同時に、成形樹脂体の表面に回路付シートを固着させる製造方法について説明したが、立体形状を有する成形樹脂体に、回路パターンと回路パターンの周囲に回路パターンの位置ずれを抑制するダミーパターンが形成された回路付シートが固着されていれば、回路付立体成形品の製造方法は限定されない。例えば、成形樹脂体を射出成形により形成後、成形樹脂体を金型から取り出し、取り出した成形樹脂体に回路付シートが固着された回路付立体成形品でも良い。
更に、上記の各実施形態では、回路パターンとダミーパターンを帯状や矩形形状を中心に説明したが、これらの形状に限られず、三角形や四角形などの多角形形状や丸型や星型などを含むその他の幾何学的形状としても良い。
更に、第4実施形態及び第5実施形態では、ダミーパターンの面積を回路パターンから離れるに従い小さくなっている、又は、隣り合うダミーパターンの間の間隔が回路パターンから離れるに従い大きくなっているが、両方を組み合わせて、回路パターンから離れるに従い、ダミーパターンの面積を小さくするとともに、隣り合うダミーパターンの間の面積を小さくしても良い。
10,10A~10N,20,30,40,50 回路付立体成形品
11,21,31,41,51 成形樹脂体
12,22,32,42,52 上面部
13,23,33,43,53 側面部
15 角面部
60,95,96,97,98 回路付シート
61 基体シート
62 回路パターン
63 ダミーパターン
72 上面領域
73 側面領域
74 屈曲する部分
77 角面領域

Claims (8)

  1. 上面部と、その上面部の端から屈曲して接続する側面部とを有する成形樹脂体と、
    前記上面部に固着される上面領域と、前記側面部に固着される側面領域とを有し、前記成形樹脂体の表面に固着される回路付シートとを備え、
    前記回路付シートは、基体シートと、前記上面領域及び前記側面領域の一部の前記基体シートの上に形成された回路パターンと、前記回路パターンの周囲の前記基体シートの上に形成されたダミーパターンとを含み、
    前記ダミーパターンの少なくとも1つは、前記回路パターンが形成された領域と同じ領域に形成された、回路付立体成形品。
  2. 前記回路パターンと前記ダミーパターンとが、屈曲する部分を挟んで対向するように、屈曲する部分に沿って形成された、請求項1記載の回路付立体成形品。
  3. 前記回路パターンの両側に前記ダミーパターンが形成され、又は前記ダミーパターンの両側に前記回路パターンが形成された、請求項1又は請求項2記載の回路付立体成形品。
  4. 前記回路パターンと前記ダミーパターンとが、前記上面領域及び前記側面領域の少なくとも1つの全面に形成された、請求項1記載の回路付立体成形品。
  5. 前記ダミーパターンは、屈曲する部分を跨いで形成された、請求項1記載の回路付立体成形品。
  6. 前記側面部は、その長手方向に屈曲する角面部を有し、
    前記回路付シートは、前記角面部に固着される角面領域を有し、
    前記ダミーパターンが前記角面領域の基体シートの上に形成された、請求項1記載の回路付立体成形品。
  7. 前記回路パターンは、屈曲する部分に沿って伸びるように形成され、
    前記ダミーパターンは、前記回路パターンと同じ方向に延び、間隔をあけて複数が横に並んで形成され、
    前記ダミーパターンの面積(長さ及び幅の少なくとも1つ)は、前記回路パターンから離れるに従って小さくなっている、
    又は前記間隔は、前記回路パターンから離れるに従って大きくなっている、請求項1記載の回路付立体成形品。
  8. 上面部と、その上面部の端から屈曲して接続する側面部とを有する成形樹脂体と、
    前記上面部に固着される上面領域と、前記側面部に固着される側面領域とを有し、前記成形樹脂の表面に固着された回路付シートとを備えた回路付立体成形品の製造方法であって、
    基体シートと、前記上面領域及び前記側面領域の一部の前記基体シートの上に形成された回路パターンと、前記回路パターンの周囲の前記基体シートの上に形成されたダミーパターンとを含み、前記ダミーパターンの少なくとも1つは、前記回路パターンが形成された領域と同じ領域に形成された前記回路付シートを準備する工程と、
    前記回路付シートを前記成形樹脂体の表面に沿う立体形状に加工する工程と、
    加工された前記回路付シートを射出成型用金型のキャビティに配置する工程と、
    前記キャビティに溶融樹脂を射出して成形樹脂体を形成し、その形成された成形樹脂体の表面に前記回路付シートを固着させる工程とを備えた、回路付立体成形品の製造方法。
JP2020012009A 2020-01-28 2020-01-28 回路付立体成形品及びその製造方法 Active JP7035099B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020012009A JP7035099B2 (ja) 2020-01-28 2020-01-28 回路付立体成形品及びその製造方法
PCT/JP2020/048970 WO2021153139A1 (ja) 2020-01-28 2020-12-25 回路付立体成形品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020012009A JP7035099B2 (ja) 2020-01-28 2020-01-28 回路付立体成形品及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021118305A JP2021118305A (ja) 2021-08-10
JP7035099B2 true JP7035099B2 (ja) 2022-03-14

Family

ID=77079054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020012009A Active JP7035099B2 (ja) 2020-01-28 2020-01-28 回路付立体成形品及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7035099B2 (ja)
WO (1) WO2021153139A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4912288A (en) 1985-09-04 1990-03-27 Allen-Bradley International Limited Moulded electric circuit package
JP2001184928A (ja) 1999-12-28 2001-07-06 Minebea Co Ltd 面状照明装置
JP2006165079A (ja) 2004-12-03 2006-06-22 Kenwood Corp フレキシブルプリント基板
JP2006289918A (ja) 2005-04-14 2006-10-26 Nissha Printing Co Ltd 成形同時加飾用シート
EP2048918A1 (en) 2007-10-09 2009-04-15 Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk Onderzoek TNO Manufacture of a conductive pattern on a plastic component

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2631808B2 (ja) * 1993-07-16 1997-07-16 株式会社名機製作所 プリント回路基板とプリント回路基板用転写シートおよびプリント回路基板の製造方法
JP2010141049A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Ricoh Co Ltd 配線構造体
JP2010238724A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Sankyo Kasei Co Ltd 成形回路部品の製造方法
JP6672108B2 (ja) * 2016-08-12 2020-03-25 株式会社フジクラ 配線基板及び当該配線基板の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4912288A (en) 1985-09-04 1990-03-27 Allen-Bradley International Limited Moulded electric circuit package
JP2001184928A (ja) 1999-12-28 2001-07-06 Minebea Co Ltd 面状照明装置
JP2006165079A (ja) 2004-12-03 2006-06-22 Kenwood Corp フレキシブルプリント基板
JP2006289918A (ja) 2005-04-14 2006-10-26 Nissha Printing Co Ltd 成形同時加飾用シート
EP2048918A1 (en) 2007-10-09 2009-04-15 Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk Onderzoek TNO Manufacture of a conductive pattern on a plastic component

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021153139A1 (ja) 2021-08-05
JP2021118305A (ja) 2021-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8003900B2 (en) Mesh sheet and housing for electronic devices
EP2722734B1 (en) Wired electrode for a touch screen panel
JP5612288B2 (ja) 電子機器ケース及びその製造方法
US20150160760A1 (en) Touch panel, method for manufacturing touch panel, and touch panel integrated display device
JP2021012701A5 (ja)
US11157125B2 (en) Touch panel implementing touch and pressure sensing performances and related touch display panel
US10557759B2 (en) Sensor element and electronic device having the same
CN105446526A (zh) 触控面板、近距离无线通讯技术终端及其制作方法
KR20150113846A (ko) 센싱 패턴의 교차 구조를 개선시킨 터치 패널
US20130265272A1 (en) Touch display panel
JP7035099B2 (ja) 回路付立体成形品及びその製造方法
KR101290078B1 (ko) 베젤의 폭을 줄인 터치스크린 패널 및 그 제조방법
US9464360B2 (en) Electronic device and casing thereof
JP6195969B2 (ja) タッチセンサ、タッチデバイス及びタッチセンサの製造方法
US20180011575A1 (en) Touch window
JP6502518B2 (ja) 入力装置および入力装置の製造方法
KR102123553B1 (ko) 3d 프린팅을 이용한 스트레처블 전도성 소자 및 그 제조방법
JP6109767B2 (ja) タッチパネル用電極積層体、静電容量式タッチパネル及び三次元タッチパネル付表示装置
CN104780728A (zh) 电子装置及其外壳
US11324114B2 (en) Cylindrical printed board and printed-board-integrated molded article
JP5489919B2 (ja) センサープレートおよびセンサープレートの製造方法
CN117950513A (zh) 触控结构、显示装置及电子设备
US20120162018A1 (en) Thin-Film Antenna
KR101514289B1 (ko) 모바일 단말기용 입력 모듈
KR102187787B1 (ko) 터치 윈도우

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211005

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20211005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7035099

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150