JP7034044B2 - 放射線検出装置 - Google Patents

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Description

本開示は、放射線検出装置に関する。
下記特許文献1には、軽量性に優れた可搬性のX線画像検出装置を提供するために、回路基板を固定するための金属支持板として、アルミニウム合金及びマグネシウム合金から選択される少なくとも一種の合金材料を用いた構成が開示されている。
また、下記特許文献2には、放射線画像撮影装置を輸送時の振動や衝撃等から守るために、アルミニウム合金やマグネシウム合金等から成る基台に、放射線像検出パネルが固定された構成が開示されている。
特開2018-115899号公報 特開2004-321568号公報
上記特許文献1、2のような放射線検出装置は、撮影室内の撮影台に取り付けて用いる場合の他、撮影室外へ持ち出して病室のベッドと患者との間に挿入して用いる場合等がある。このため、これらの装置は持ち運びを容易にするために、可能な限り軽量化することが好ましい。
一方、これらの放射線検出装置は、その使用形態から、例えば放射線の受照面などに局所的な荷重が加わり易い。放射線検出装置の内部には、放射線検出パネルが格納されている。こ放射線検出パネルを保護するために、放射線検出パネルが固定される支持板は、外部からの荷重によって可能な限り変形しないことが好ましい。
しかし、上記特許文献1、2のように、支持板としてアルミニウム合金やマグネシウム合金を用いた構成では、変形抑制と軽量化の両立が難しい。
そこで本開示は、放射線検出パネルが固定される支持板の変形抑制と軽量化とを両立できる放射線検出装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本開示に係る放射線検出装置は、放射線を検出する放射線検出パネルと、放射線検出パネルが接した状態で固定されるMgLi合金製の支持板と、支持板における放射線検出パネルと反対側の面に接して複数形成された筒状の支持柱と、放射線検出パネル、支持板及び支持柱が収容され、支持柱と接して配置された筐体と、を備えている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持柱は多角形状とされ、互いに隣接する支持柱において少なくとも一部の支持柱同士は、それぞれの辺が対向して配置されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持柱は軸方向が支持板の面外方向に沿って形成されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持柱は、先端から支持板寄りの根元部分に亘って厚みが漸増する。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持柱は、支持板と同一材料により一体に形成されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持柱間には反対側の面に接して補強リブが架け渡されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、補強リブの両端部は、支持柱に向かって支持柱の軸方向に沿った厚みが漸増する。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持柱の内壁間には、内側補強リブが架け渡されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、内側補強リブは、補強リブの延長線上に配置されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持板の外周部が筐体に接合されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、支持板の外周部には枠状の外周部補強リブが設けられ、外周部補強リブが筐体に接合されている。
また、本開示に係る放射線検出装置は、筐体は、支持板の外周部が取り付けられる取付リブと、取付リブが連結された連結リブと、連結リブによって連結されると共に、筐体の外縁に沿って形成された外リブ及び内リブと、を備えている。
本開示に係る放射線検出装置によれば、支持板における放射線検出パネルと反対側の面に接して筒状の支持柱が複数形成され、これらの支持柱が、筐体と接して配置されている。
ここで、支持板はマグネシウムリチウム合金(MgLi合金)で形成されている。MgLi合金は、例えばマグネシウム合金(Mg合金)やアルミニウム合金(Al合金)等と比較して比重が小さい。このため、支持板としてMgLi合金を用いることより、Mg合金等と比較して軽量化できる。
また、MgLi合金は、Mg合金やAl合金等と比較してヤング率が小さく、剛性が低い。本開示においては、放射線検出装置の使用時に放射線検出装置が外部から押圧され、放射線検出パネルに面外方向の荷重が作用した際に、支持板が受ける荷重を支持柱によって筐体へ伝達する。これにより支持板が変形し難い。また、支持柱をそれぞれ筒状に形成することにより、支持板の変形抑制と軽量化とを両立している。
本実施形態に係る放射線検出装置を示す斜視図である。 本実施形態に係る放射線検出装置を分解した状態を示す分解側断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置を示す側断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置における背面部材を示す正面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置における支持板を示す正面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置における放射線検出パネルを示す正面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置における制御基板を示す正面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置における背面部材の補強リブでトラス構造を形成した変形例を示す正面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置における背面部材の内リブと外リブの厚みを等しく形成した変形例を示す正面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置においてバッテリ挿入用の開口部を短辺のみに設けた変形例を示す斜視図である。 本実施形態に係る放射線検出装置においてバッテリ挿入用の開口部を同一側面に二箇所設けた変形例を示す斜視図である。 本実施形態に係る放射線検出装置においてバッテリ挿入用の開口部を背面部材の裏面に設けた変形例を示す斜視図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持板に形成された支持柱の厚みを先端部から支持板に向かって漸増するように形成した変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持板に形成された支持柱の厚みを軸方向の中央部から支持板に向かって漸増するように形成した変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持板に形成された補強リブの端部における厚みを支持柱に向かって漸増するように形成した変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持板に形成された支持柱の内部に補強リブを形成した変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持柱と支持板とを別体で形成した変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持柱と支持板とを別体で形成し、支持柱の軸方向を支持板の面内方向に沿った方向とした変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持柱を背面部材の底板と一体に形成した変形例を示す断面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持柱を同一形状の支持柱のみで形成した変形例を示す拡大平面図である。 本実施形態に係る放射線検出装置において支持柱を八角形状とした変形例を示す拡大平面図である。
(放射線検出装置)
図1には、本開示の実施形態に係る放射線検出装置10の概形が斜視図で示されている。放射線検出装置10は、平面視で略矩形状とされた電子カセッテであり、正面部材20及び背面部材30を含んで構成された筐体12に、バッテリ100が装着されて駆動する。
筐体12の平面サイズは、例えば半切サイズ(383.5mm×459.5mm)のフイルムカセッテ又はIP(Imaging Plate)カセッテと同様の国際規格ISO4090:2001に準拠したサイズとされている。これにより、放射線検出装置10は、フイルムカセッテやIPカセッテ用の撮影台に取り付けて使用することもできる。
バッテリ100は、平面視で略矩形状とされた背面部材30において互いに隣接する2辺の中央部に形成された開口部30A、30Bにそれぞれ挿入されて放射線検出装置10に装着される。放射線検出装置10は、開口部30A、30Bの少なくとも一方にバッテリ100が装着された状態で駆動する。
なお、開口部30Aは、放射線検出装置10において、図1に示すY方向に沿う側面(短辺)の中央部に形成された開口部であり、開口部30Bは、開口部30Aが形成された側面と隣接し、Y方向と直交するX方向に沿う側面(長辺)の中央部に形成された開口部である。
背面部材30に組み付けられる正面部材20は、略矩形状の透過板22を含んで構成されている。透過板22は例えばX線透過率が高いカーボン材料で形成されている。この透過板の面内方向に対して略直交方向から、放射線(本実施形態においてはX線P)が入射される。
なお、正面部材20及び背面部材30は、本実施形態においてはMg合金を用いてダイカスト成形によって形成される。但し正面部材20及び背面部材30の材質並びに製法はこの限りではなく、各種金属や樹脂等を用いて成形することができる。
図2には、筐体12(図1、図3参照)を分解した状態が断面図で示されている。この図に示されるように、筐体12の内部には、放射線検出パネル40と、放射線検出パネル40が取り付けられた支持板50と、放射線検出パネル40を制御する制御基板60と、が正面部材20及び背面部材30に挟まれた状態で格納されている。
これらの正面部材20、背面部材30、放射線検出パネル40、支持板50、制御基板60及びバッテリ100(図1参照)等を組付けることで、図3に示される放射線検出装置10が形成される。
なお、図2、図3においては、支持板50の構成を簡略化して図示している。すなわち、図2、図3に示された支持板50は、後述する支持柱54、補強リブ56B、保護リブ56Dの図示を省略した、支持板50の構成の概略を示すものである。
(背面部材-二重枠)
背面部材30は、二重枠32(外リブ32A及び内リブ32B)及び底板34を備えて形成されている。図4に示すように、二重枠32は、上述したX方向及びY方向に沿う矩形の枠状に形成され、図2に示すように、底面に底板34が嵌め込まれている。底板34は、ネジなどを用いて二重枠32に固定されている。
二重枠32には、底板34が嵌め込まれる矩形状の開口端を補強する内リブ32Bが、正面部材20の方向へ向って立設されている。また、二重枠32は、底板34が嵌め込まれた底面から外縁部に向かってなだらかに正面部材20の方向へ向って立ち上げられており、この立ち上げられた部分が、外リブ32Aとされている。
外リブ32Aの立ち上げ高さH1は、内リブ32Bの立ち上げ高さH2より高く形成され、外リブ32Aの厚みW1は、内リブ32Bの厚みW2より厚く形成されている。一例として、厚みW1は4~5mm程度、厚みW2は0.8mm程度とされている。なお、本実施形態においては、外リブ32Aは、全周において内リブ32Bより厚みが厚く形成されているが、本開示の実施形態はこれに限らず、外リブ32Aは、部分的に内リブ32Bより薄く形成してもよい。換言すると、内リブ32Bは、部分的に外リブ32Aより厚く形成してもよい。
なお、背面部材30における外リブ32Aにおいて正面部材20と対向する面と、正面部材20との間には、図示しない樹脂製のパッキンが配置され、正面部材20と背面部材30との間で圧縮されて、正面部材20と背面部材30との間に形成される内部空間を水密空間としている。
図4には、背面部材30の平面視(図1に示すX線Pの入射方向から背面部材30を見た状態)が示されている。この図に示すように、外リブ32Aは背面部材30の外縁に沿って、各辺がX方向及びY方向に沿う枠状に形成され、外リブ32Aの内側において、外リブ32Aに沿って内リブ32Bが枠状に形成されている。
なお、本開示における「沿って」とは、外リブ32Aと内リブ32Bとが互いに離間して平行に配置されている状態の他、互いに接して平行に配置されている状態を含むものとする。また、厳密に平行である必要はなく、製造上のバラつきによる捩れがある場合や、外リブ32A及び内リブ32Bの少なくとも一方をジグザグ状や波型に配置した状態を含むものとする。
また、本開示における「枠状」とは、背面部材30の外縁部において、周長の半分以上の長さを閉める部分に外リブ32Aが配置されている状態を示している。この外リブ32Aは必ずしも連続している必要はなく、間欠部を備えていてもよい。また、後述するように、外リブ32Aには貫通孔による開口部を形成してもよい。内リブ32Bについても同様である。
外リブ32Aには、貫通孔32AA、32ABが形成されており、バッテリ100(図1参照)が挿入可能とされている。また、貫通孔32AA、32ABにおけるバッテリ100の挿入方向内側には内リブ32Bが形成されていない。換言すると、内リブ32Bには、外リブ32Aにおける貫通孔32AA、32ABの内側に間欠部32BA、32BBが形成されている。
これらの貫通孔32AA、間欠部32BAによって、上述した開口部30Aが形成され、貫通孔32AB、間欠部32BBによって、上述した開口部30Bが形成されている。なお、貫通孔32AA及び貫通孔32AB、間欠部32BA及び間欠部32BBは、本開示における「開口部」の一例である。
(背面部材-連結リブ)
図4に示すように、外リブ32Aと内リブ32Bには、複数の連結リブ36が接合され、外リブ32Aと内リブ32Bとは、これらの連結リブ36によって連結されている。連結リブ36は、外リブ32A及び内リブ32Bと略直交する方向へ延設されている。なお、以下の説明において、連結リブ36のうち、外リブ32Aの角部から内リブ32Bへ向って延出されたものを角部連結リブ36Aと称す。また、連結リブ36のうち、開口部30A、30Bの両端に形成されたものを開口連結リブ36Bと称す。
なお、外リブ32Aの「角部」とは背面部材30のX方向に沿う中心線CL1よりもX方向に沿う外リブ32Aに近い部分であって、かつ、背面部材30のY方向に沿う中心線CL2よりもY方向に沿う外リブ32Aに近い部分を指す。また、外リブ32Aの「中央部」とは、上述した「角部」以外の部分であって、中心線CL1、CL2を含む部分を指す。
角部連結リブ36Aは1箇所の角部毎に複数本形成され、外リブ32Aの角部から内リブ32Bへ向って、X方向及びY方向と交わる方向へ延出されている。内リブ32Bにおいて、外リブ32Aの角部と対向する部分には、角部連結リブ36Aと略直交する方向に延設された斜行部32Cが形成されている。換言すると、内リブ32Bは、矩形の角部の一部が面取りされた形状の枠状に形成され、当該面取り部分に、角部連結リブ36Aが直交するように連結された斜行部32Cが形成されている。
なお、斜行部32Cは、内リブ32Bにおける各辺のうち、放射線検出装置10の短辺に沿う辺(すなわちY方向に沿う辺)であって、開口部30Aが形成された辺の端部に形成される。
一方、内リブ32Bにおける各辺のうち、放射線検出装置10の短辺に沿う辺(すなわちY方向に沿う辺)であって、開口部30Aが形成されていない辺は、その他の辺と比較して、外リブ32Aとの離隔距離が大きくなるように配置されている。
開口連結リブ36Bは、内リブ32Bにおける間欠部32BA、32BBの両端部において、外リブ32Aと内リブ32Bとを連結している。開口連結リブ36Bには、支持板50(図2参照)を固定するための取付孔を形成する取付リブ38が連結されている。
取付リブ38は複数設けられており、開口連結リブ36Bの他、角部連結リブ36Aの近傍に配置された連結リブ36にも連結されている。また、取付リブ38は、内リブ32Bにおいて、他の辺と比較して外リブ32Aとの離隔距離が大きく形成された辺にも連結されている。なお、「角部連結リブ36Aの近傍」とは、上述した「角部」に含まれる部分を指すものとする。
(支持板)
図5には、支持板50の平面視(図1に示すX線Pの入射方向と反対方向から支持板50を見た状態)が示されている。すなわち、図2に示す放射線検出パネル40が取付けられた面とは反対側の面が示されている。
支持板50は、マグネシウム(Mg)に対するリチウム(Li)の配合比率(質量パーセント)が9%とされたMgLi合金を用いて形成されている。
なお、リチウム(Li)の配合比率としては9%に限定されるものではなく、1.5%以上14%以下であればよい。配合比率が1.5%未満の場合、軽量化効果が得られにくくなる。すなわち、同等の剛性を備えたMgLi合金とMg合金とでは、Mg合金の方が軽量化できる。また、配合比率が14%より大きい場合、耐食性への配慮が必要となる。
支持柱52は支持板50と一体的に形成され、図2に示すように、軸方向が支持板50の面外方向(面内方向と直交する方向、すなわち法線方向)に沿う筒状に形成されている。支持柱52における壁面は、支持板50と垂直に形成されている。
図3に示すように、筐体12と放射線検出パネル40及び支持板50とを組付けた状態においては、透過板22が放射線検出パネル40と接して配置されている。また、支持柱52及び後述する支持柱54は、背面部材30における底板34と接して配置されている。
なお、「接して配置されている」とは、放射線検出装置10の使用時に透過板22が外部から押圧された際に支持柱52、54と底板34とが接する程度の隙間がある状態を含むものとする。また、詳しくは後述するが、支持柱と底板とが一体的に形成されている場合を含むものとする。
図5に示すように、支持柱52は略正六角形状に形成され、平面視で所定の間隔で配置されている。より具体的には、平面を充填する正三角形グリッドの格子点上に支持柱52の中心が配置されている。また、六角形状の支持柱52における各頂点は曲線状に面取りされ、正三角形グリッドを形成する三角形の辺上に配置されている。
また、各支持柱52の間には、隣接する辺同士の長さが異なる六角形状の支持柱54が配置されている。より具体的には、上述した正三角形グリッドを形成する三角形の重心上に支持柱54の中心が配置されている。支持柱54は、短辺54Aと長辺54Bとが交互に隣接して形成され、短辺54Aが支持柱52の辺52Aと対向し、長辺54Bが、隣接する支持柱54の長辺54Bと対向している。なお、本実施形態において互いに隣接する支持柱52同士は、辺52A同士が対向配置されていない。本開示における「少なくとも一部の支持柱同士は、それぞれの辺が対向して配置されている」とは、このように、辺同士が対向配置されない支持柱を含んでいてもよい。
さらに、互いに隣接する支持柱52間には、上述した正三角形グリッドに沿う補強リブ56Aが形成されている。また、互いに隣接する支持柱52と支持柱54との間、及び、互いに隣接する支持柱54間には、補強リブ56Bが形成されている。
またさらに、これらの支持柱52、54、補強リブ56A、56Bを取り囲むように、かつ支持板50の外周に沿って、枠状の外周部補強リブ56Cが形成されている。外周部補強リブ56Cには、突起部58が形成されている。この突起部58は、上述した背面部材30における取付リブ38によって形成された取付孔と対応する位置に形成されており、この取付孔に突起部58を挿入及び接着することで、背面部材30と支持板50の外周部とが接合される。
またさらに、背面部材30における開口部30A、30Bと対応する位置には、保護リブ56Dが形成されている。保護リブ56Dは、外周部補強リブ56Cを分断し、開口部30A、30Bへ挿入されたバッテリ100(図1参照)を取り囲むように配置されている。
(放射線検出パネル)
放射線検出パネル40は、平面視で外縁に4辺を有する四辺形状の平板である。図6に示すように、放射線検出パネル40は、絶縁性基板に薄膜トランジスタ48Aおよびコンデンサ48Bが形成されたTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基(TFT基板)47を備えている。また、このTFT基板47上には、入射されるX線を光に変換するシンチレータ(不図示)が配置されている。さらにTFT基板47には、シンチレータによって変換された光が入射されることにより電荷を発生するセンサ部48Cが形成されている。
TFT基板47には、センサ部48C、コンデンサ48B及び薄膜トランジスタ48Aを含んで構成される画素48が一定方向(図6の左右方向=行方向)及び一定方向に対する交差方向(図6の上下方向=列方向)に2次元状に複数設けられている。
また、放射線検出パネル40には、各薄膜トランジスタ48Aをオン・オフさせるための複数本のゲート配線42Bと、オン状態の薄膜トランジスタ48Aを介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線42Aとが設けられている。ゲート配線42Bとデータ配線42Aとは、互いに交差する方向へ延設されている。
さらに、データ配線42Aの一端側には結線用のコネクタ44Aが複数個並んで設けられ、ゲート配線42Bの一端側にコネクタ44Bが複数個並んで設けられている。
コネクタ44Aには、フレキシブルケーブル46Aの一端が接続され、コネクタ44Bには、フレキシブルケーブル46Bの一端が接続されている。
(制御基板)
図7に示すように、制御基板60には、信号処理部62A、ゲート線ドライバ62B、画像メモリ62C及び制御部62Dや、図示しない無線通信部等が設けられている。
TFT基板47の個々のゲート配線42Bは、フレキシブルケーブル46Bを介してゲート線ドライバ62Bに接続され、TFT基板47の個々のデータ配線42Aは、フレキシブルケーブル46Aを介して信号処理部62Aに接続されている。
ゲート線ドライバ62B及び信号処理部62Aは、支持板50において互いに隣接する2辺に沿って配置され、支持板50に対して直接接合されている。つまり、樹脂等のマウント部材を介さずに、支持板50とゲート線ドライバ62B及び信号処理部62Aとが直接接するように配置されている。
また、ゲート線ドライバ62B及び信号処理部62Aは、支持板50においてバッテリ100を保護する保護リブ56Dが設けられた辺とは異なる辺に取付けられている。さらに、画像メモリ62C及び制御部62Dは、支持柱52、54と干渉しない位置に取り付けられている。
なお、図7に示されたゲート線ドライバ62B、信号処理部62A、画像メモリ62C及び制御部62Dの配置は一例であり、支持柱の形状や配置に応じて適宜変更することができる。換言すると、ゲート線ドライバ62B、信号処理部62A、画像メモリ62Cの大きさや形状に応じて、支持柱の配置は適宜調整することができる。
TFT基板47の各薄膜トランジスタ48Aは、ゲート線ドライバ62Bからゲート配線42Bを介して供給される信号により行単位で順にオンされる。オン状態とされた薄膜トランジスタ48Aによって読み出された電荷は、電気信号としてデータ配線42Aを伝送されて信号処理部62Aに入力される。これにより、電荷は行単位で順に読み出され、二次元状の放射線画像が取得可能となる。
図示は省略するが、信号処理部62Aは、個々のデータ配線42A毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路及びサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線42Aを伝送された電気信号は増幅回路で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電気信号はマルチプレクサへ順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
信号処理部62Aには画像メモリ62Cが接続されており、信号処理部62AのA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ62Cに順に記憶される。画像メモリ62Cは所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ62Cに順次記憶される。
画像メモリ62Cは制御部62Dと接続されている。制御部62Dはマイクロコンピュータによって構成され、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部を備えており、放射線検出装置10全体の動作を制御する。
また、制御部62Dには無線通信部(不図示)が接続されている。無線通信部は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。制御部62Dは、無線通信部を介して、放射線撮影全体を制御するコンソールなど外部装置と無線通信が可能とされており、コンソールとの間で各種情報の送受信が可能とされている。
これらの各種回路や各素子(ゲート線ドライバ62B、信号処理部62A、画像メモリ62C、無線通信部や制御部62Dとして機能するマイクロコンピュータ)は、バッテリ100から供給された電力によって作動する。なお、図7では、バッテリ100と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
本開示に係る放射線検出装置10においては、図2及び図5に示すように、支持板50における放射線検出パネル40と反対側の面に接して筒状の支持柱52、54が複数形成され、これらの支持柱52、54が、筐体12における底板34と接して配置されている。なお、「接して」とは、支持柱52、54のように、支持板50と一体的に形成されている状態を含むものとする。
ここで、支持板50はMgLi合金で形成されている。MgLi合金は、例えばMg合金やAl合金等と比較して比重が小さい。このため、支持板50としてMgLi合金を用いることより、Mg合金等と比較して軽量化できる。
また、MgLi合金は、Mg合金やAl合金等と比較してヤング率が小さく、剛性が低い。本実施形態においては、放射線検出装置10の使用時に放射線検出装置10が外部から押圧され、放射線検出パネル40に面外方向の荷重が作用した際に、支持板50が受ける荷重を支持柱52、54によって筐体12へ伝達する。これにより支持板50が変形し難い。また、支持柱52、54をそれぞれ筒状に形成することにより、支持板50の変形抑制と軽量化とを両立している。
また、放射線検出装置10においては、支持柱52、54がそれぞれ六角形状とされ、互いに隣接する支持柱52と支持柱54は、それぞれの辺52Aと短辺54Aとが対向して配置されている。また、互いに隣接する支持柱54同士は、それぞれの長辺54B同士が対向して配置されている。
これにより、支持柱52及び支持柱54の支持力を高められる。すなわち、放射線検出装置10の使用時に放射線検出装置10が外部から押圧され、放射線検出パネル40において支持柱52と支持柱54との間の部分に面外方向の荷重が作用した際に、当該荷重は支持柱52及び支持柱54へ伝達される。
このとき、荷重は辺52Aと短辺54Aとで支持されるため、例えば六角形状の頂点で支持する場合として、支持柱52及び支持柱54に発生する内部応力が分散される。これにより、支持柱52及び支持柱54の支持力が高くなる。
また、放射線検出装置10においては、支持柱52、54は、軸方向が支持板50の面外方向であって、面内方向と直交する方向に沿って形成されている。このため、支持板50及び透過板22に直交する方向からの外力に対する支持力が高い。
また、放射線検出装置10においては、支持柱52、54は、支持板50と一体成形されている。このため、支持板50が受けた荷重が支持柱52、54へ伝達されやすい。また、例えば支持柱52、54と支持板50とが接着されている場合と比較して、支持板50の面外変形に対する追随性が高く、耐久性が高い。
また、放射線検出装置10においては、支持柱52間、支持柱54間、及び支持柱52、54間に、支持板50に接する補強リブ56A、56Bが架け渡されている。このため、支持柱52間、支持柱54間、及び支持柱52、54間に面外方向の荷重が作用した際に、当該荷重は、これらの補強リブ56A、56Bに伝達され、さらに支持柱52、54へ伝達される。
このように、荷重が支持柱52、54へ伝達される前に、一旦補強リブ56A、56Bに伝達されることにより、補強リブ56A、56Bが梁材として機能し、支持板50の面外変形が抑制される。
また、放射線検出装置10では、図2及び図3に示すように、放射線検出パネル40が、正面部材20と背面部材30の間に配置される。背面部材30には、外縁に沿って外リブ32Aが形成され、さらに外リブ32Aの内側に内リブ32Bが形成されている。これにより、内リブ32B及び外リブ32Aの何れか一方が無い構造や、内リブ32B及び外リブ32Aの何れも無い構造と比較して、背面部材30の剛性が高い。このため、例えば放射線検出装置10に落下時の衝撃が加わっても背面部材30が変形し難く、放射線検出パネル40が保護される。
また、放射線検出装置10では、図4に示すように、外リブ32A及び内リブ32Bが枠状に形成されている。このため、外リブ及び内リブの少なくとも一方が、例えば背面部材30の角部のみや、X方向又はY方向に沿う辺上のみに形成されている場合と比較して、背面部材30が歪み難い。これにより、放射線検出パネル40の保護効果が高い。
また、放射線検出装置10では、外リブ32Aは内リブ32Bより厚みが厚く形成されている。これにより、例えば内リブのほうが外リブより厚みが厚い場合や、内リブと外リブの厚みが等しい場合と比較して、外部からの衝撃が直接加わる外リブが変形し難くなる。このため、衝撃に対して効率的に背面部材30の変形を抑制できる。
また、放射線検出装置10では、外リブ32Aと内リブ32Bが連結リブ36によって連結されている。これにより、外リブ32Aが受けた衝撃を、連結リブ36を介して内リブ32Bへ伝達することができる。これにより、連結リブ36が無い構成と比較して、内リブ32Bによる背面部材30の剛性向上効果を高めることができる。
また、連結リブ36の一部は、外リブ32Aの角部から内リブ32Bへ向って延出された角部連結リブ36Aとされ、内リブ32Bにおける斜行部32Cは角部連結リブ36Aと直交するように形成されている。
これにより、外リブ32Aの角部に加わった衝撃Cが、角部連結リブ36Aを介して斜行部32Cに伝達される。この際、角部連結リブ36Aが外リブ32Aと斜行部32Cとの間で圧縮材として機能して、衝撃に抵抗することができる。
また、外リブ32Aの角部に衝撃Cが加わった際、衝撃が加わった角部に隣接する角部には、引張力Tが作用する。この際、角部連結リブ36Aが外リブ32Aと斜行部32Cとの間で引張材として機能して、背面部材30の変形を抑制できる。
また、放射線検出装置10は、図2、図3に示すように、放射線検出パネル40を支持する支持板50を備え、支持板50における突起部58が、背面部材30における取付リブ38によって形成された取付孔へ挿入されて接合及び接着されている。これにより、背面部材30は板材である支持板50によって補剛され、支持板50の面内方向に沿うせん断変形が抑制される。また、支持板50の面外方向に沿う曲げ変形が抑制される。
さらに、支持板50は背面部材30の角部において、背面部材30と接合されている。これにより、例えば支持板50が角部以外の部分において背面部材30と接合されている場合と比較して、接合箇所で囲まれる部分の面積が大きくなり、背面部材30の剛性向上効果が高い。
なお、支持板50と背面部材30との接合方法としては、突起部58を取付リブ38によって形成された取付孔へ挿入する方法の他、ネジ止め、溶接、接着等各種の方法を採用できる。また、支持板50及び背面部材30の材料の選定は自由であり、当該材料に適した任意の接合方法を選択できる。
またさらに、図5に示すように、支持板50には補強リブ56が形成されている。この補強リブ56のうち、枠状に形成された外周部補強リブ56Cに突起部58が形成されている。この突起部58によって、支持板50が背面部材30に固定されている。このため背面部材30は、支持板50と接合された状態で、外リブ32A、内リブ32B、外周部補強リブ56Cによる三重枠構造とされる。これにより背面部材30の変形抑制効果がさらに高められている。
また、支持板50において外周部補強リブ56Cによって囲まれた部分においては、補強リブ56A、56B、支持柱52、54が相互に連結されている。このため、補強リブ56A、56B、支持柱52、54が無い構成と比較して、外周部補強リブ56Cが変形し難く、背面部材30の変形抑制効果がさらに高められている。
なお、上記で説明したように、支持板50と背面部材30とが接合されることで、背面部材30が補強される一方、同様に、支持板50も補強される。すなわち、支持板50は、支持板50の外周部に形成された外周部補強リブ56Cにおける突起部58が、背面部材30に固定される。このため、支持板50が背面部材30と固定されない構成と比較して、支持板50の剛性が高い。
さらに、背面部材30は、支持板50の突起部58が取り付けられる取付リブ38と、取付リブ38が連結された連結リブ36と、連結リブ36によって連結される外リブ32A及び内リブ32Bと、を備えている。このため、背面部材30は枠状の外リブ32A及び内リブ32Bによって補剛される。
また、放射線検出装置10においては、図4に示すように、外リブ32A及び内リブ32Bには、それぞれ外挿部材としてのバッテリ100を挿入する開口部としての貫通孔32AA及び貫通孔32AB、間欠部32BA及び間欠部32BBが形成されている。さらに、これらによって形成された背面部材30における開口部30A、30Bの両端に、開口連結リブ36Bが形成されている。これにより、開口部30A、30Bが補強され、変形し難い。
また、開口連結リブ36Bには取付リブ38が連結されており、この取付リブ38によって形成される取付孔に支持板50が接合される。これにより、開口部30A、30Bが補強される。また、支持板50には、保護リブ56Dが形成されているため、開口部30A、30Bから挿入されたバッテリ100が保護される。
また、開口部30A、30Bは、背面部材30における中央部、すなわち中心線CL1、CL2上に形成されている。これにより、背面部材30の角部付近に開口部が形成されている場合と比較して、角部が衝撃を受けた際にその影響を受け難く開口部が変形し難い。
さらに、開口部30A、30Bは、背面部材30において互いに隣接する2辺にそれぞれ形成されている。これにより、図7に示すように、支持板50の互いに隣り合う2辺に沿って設置された、制御基板60における信号処理部62A、ゲート線ドライバ62Bと、バッテリ100とが干渉することが抑制されている。また、信号処理部62A、ゲート線ドライバ62Bに接続されたフレキシブルケーブル46A、46Bと、バッテリ100とが干渉することが抑制されている。
また、放射線検出装置10においては、図2、図3に示すように、背面部材30における底板34は、ネジなどを用いて二重枠32に固定されている。これにより、ネジを外すことで制御基板60における信号処理部62A、ゲート線ドライバ62B、画像メモリ62C、制御部62D等を交換したり保守点検することができる。なお、二重枠32と底板34とは、それぞれ一体的に形成することもできる。この場合、二重枠32の剛性をさらに向上できる。
また、放射線検出装置10においては、背面部材30における二重枠32が、底板34が嵌め込まれた底面から外縁部に向かってなだらかに正面部材20の方向へ向って立ち上げられており、この立ち上げられた部分が、外リブ32Aとされている。これにより、放射線検出装置10をベッドと患者との間に差し込む場合などにおいて、外リブ32Aがシーツや衣類に引っ掛かることが抑制され、作業性が高い。
また、背面部材30における外リブ32Aにおいて正面部材20と対向する面と、正面部材20との間には、図示しないパッキンが配置され、正面部材20と背面部材30とで形成される内部空間を水密空間としている。これにより、Mg合金と比較して耐食性が低いMgLi合金で形成された支持板50を保護することができる。
また、放射線検出装置10においては、内リブ32Bにおける各辺のうち、放射線検出装置10の短辺に沿う辺(すなわちY方向に沿う辺)であって、開口部30Aが形成されていない辺は、その他の辺と比較して、外リブ32Aとの離隔距離が大きくなるように配置されている。これにより、当該離隔距離がその他の辺と等しい場合と比較して、X方向に沿う衝撃に対する変形抑制効果が高くなる。
また、放射線検出装置10においては、バッテリ100を挿入する開口部30A、30Bが、背面部材30の側面に形成されている。このため、例えば撮影台に取り付けて使用する場合などにおいて、バッテリ100と撮影台が引っ掛かり難く、撮影台から排出し易い。
これに対して、例えばバッテリ100を設置する開口部が背面部材30の裏面に形成されている場合においては、裏面からバッテリカバー等が突出する虞があり、撮影台と引っ掛かる可能性がある。また、作業台、ベッドなど様々な箇所と接触する機会が多い裏面にバッテリ用の開口部を設けると、バッテリと背面部材30との間の隙間に塵などが詰まりやすい。
また、本実施形態においては、ゲート線ドライバ62B及び信号処理部62Aが、樹脂等のマウント部材を介さずに、支持板50と直接接するように配置されている。これにより、ゲート線ドライバ62B及び信号処理部62Aから発せられた熱が支持板50へ放熱され、ゲート線ドライバ62B及び信号処理部62Aの耐久性が向上する。また、放射線検出装置10の内部が局所的に加熱されることが抑制される。
(その他の実施形態)
上記実施形態においては、図4に示すように、連結リブ36は、外リブ32A及び内リブ32Bと略直交する方向へ延設したが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図8に示す連結リブ36Cのように、外リブ32A及び内リブ32Bと交差する方向へ延設し、連結リブ36Cと外リブ32A又は内リブ32Bとで三角形を形成してもよい。これにより、外リブ32A、内リブ32B及び連結リブ36Cがトラス構造を形成し、二重枠32の剛性を高めることができる。
なお、上記実施形態においては、外リブ32Aと内リブ32Bに連結リブ36が「接合」されているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば連結リブ36と内リブ32Bとの間に隙間を設けてもよい。隙間の大きさとしては、外リブ32Aに外力が加わった際に隙間が閉じて、連結リブ36と内リブ32Bとが接触する程度の大きさが好ましい。これにより、外力を内リブ32Bへ伝達できる。
また、連結リブ36と内リブ32Bとの間の隙間を大きくしたい場合は、例えば連結リブ36を太く形成し、外リブ32Aに加わった外力を、連結リブ36から二重枠32における連結リブ36の背面側(図4における紙面奥側)へ伝達する。このように隙間を形成することで、放射線検出パネル40又は制御基板60における各種の配線を二重枠の内部、すなわち外リブ32Aと内リブ32Bとの間に配置することができる。これにより配線の配置自由度を向上できる。
さらに、配線の配置自由度を向上させるためには、内リブ32B及び連結リブ36の少なくとも一方を部分的に低くしたり切り欠いた欠損部を設け、この欠損部に配線を通してもよい。またさらに、欠損部に代えて又は加えて、内リブ32B及び連結リブ36に貫通孔を形成し、この貫通孔に配線を通してもよい。
また、上記実施形態においては、図4に示すように、内リブ32Bの厚みH2を外リブ32Aの厚みH1より薄く形成したが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図9に示す内リブ32Dのように、内リブは外リブ32Aの厚みと同等としてもよい。これにより、二重枠32の剛性を向上できる。又は、二重枠32の剛性を保持しつつ、二重枠32の幅H3を小さくすることができる。二重枠32の幅H3を小さくすることにより、例えば支持板50及び放射線検出パネル40の大きさを大きくして、検出できる放射線量を増やすことができる。
また、上記実施形態においては、図4に示すように、開口部30Aが形成されていない短辺における内リブ32Bは、その他の辺における内リブ32Bと比較して、外リブ32Aとの離隔距離が大きくなるように配置したが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図9に示すように、開口部30Aが形成されていない短辺における内リブ32Dと外リブ32Aとの離隔距離を、その他の辺における内リブ32Dと外リブ32Aとの離隔距離と同等としてもよい。この際、開口部30Aが形成されていない短辺における内リブ32Dの両端にも斜行部32Cを設けることが好適である。
なお、図9に示す実施形態において、太い内リブ32Dを細い内リブ32Bに代えてもよい。あるいは、開口部30Aが形成されていない短辺における太い内リブ32Dと外リブ32Aとの離隔距離を、その他の辺における内リブ32Dと外リブ32Aとの離隔距離より大きく形成してもよい。
また、上記実施形態においては、図1に示すように、背面部材30の互いに隣接する側面のそれぞれに、バッテリ100を挿入する開口部30A、30Bを形成したが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図10に示すように、背面部材30における1つの短辺のみに開口部30Aを形成してもよい。あるいは、互いに対向する2つの短辺にそれぞれ開口部30A、30Cを形成してもよい。
又は、図11に示すように、背面部材30における1つの長辺のみに2つの開口部30D、30Eを形成してもよい。あるいは、図示は省略するが、背面部材30における1つの長辺のみに1つの開口部を設けてもよい。
さらに、図12に示す開口部30Fのように、開口部は背面部材30の側面ではなく背面に設けてもよい。また、開口部が2つある実施形態においては、一方のバッテリを外挿入バッテリとし、他方のバッテリを内蔵バッテリとしてもよい。内蔵バッテリは端子を備え、外部から充電ケーブルを接続して充電される。また、開口部から挿入される部品としては、バッテリの他、メモリカード、通信機器など、適宜採用することができる。
また、上記実施形態においては、外リブ32A及び内リブ32Bが枠状に形成されているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば外リブ32A及び内リブ32Bの少なくとも一方を背面部材30の角部のみに形成することで、衝突及び変形し易い角部を効率的に保護することができる。
あるいは、外リブ32A及び内リブ32Bは、背面部材30の角部に限らず、X方向及びY方向に沿う側面の一部に部分的に形成してもよい。部分的に形成することでも、当該部分の剛性が高くなるため、放射線検出パネル40の保護効果が得られる。
また、上記実施形態においては、図2に示すように、支持柱52における壁面は、支持板50と垂直に形成されているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図13に示す支持柱52Bのように、支持柱52Bの先端から支持板50に向って厚みが漸増するように形成してもよい。このようにすることで、支持柱52と比較して強度が向上するほか、成形後の抜き勾配が得られるため製造効率が高くなる。なお、抜き勾配としては支持板50の法線方向に対して6度程度が好ましい。
あるいは図14に示す支持柱52Cのように、軸方向に沿った高さ方向における中間部から支持板50に向って厚みが漸増するように形成してもよい。このようにすることで、支持板50全体の重量の増加を抑制しつつ、応力が集中し易い支持柱52Cの根元部を補強することができる。
また、上記実施形態においては、図2に示すように、補強リブ56Aは、支持柱52の軸方向に沿う厚みが一定とされているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図15に示す補強リブ56Eのように、支持柱52との接続箇所において支持柱52の軸方向に沿う厚みを漸増させる構成としてもよい。これにより、支持板50から補強リブ56Eへ荷重が入力された際に、補強リブ56Eと支持柱52との境界部に作用する曲げモーメント及びせん断力に対する耐力が大きくなる。このため、荷重を支持柱52へ効率的に伝達できる。
なお、このように支持柱52との接続箇所において支持柱52の軸方向に沿う厚みを漸増させる構成は、補強リブ56Bにも適用できる。
また、上記実施形態においては、図2に示すように、筒状の支持柱52の内部は空洞とされているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図16に示すように、支持柱52の内壁間に内側補強リブ56Fを架け渡してもよい。これにより、支持柱52の座屈を抑制できる。
なお、この内側補強リブ56Fは、図5に破線で示すように、補強リブ56Aの延長線上に配置することが好適である。これにより、補強リブ56Aから伝達される荷重によって支持柱52が変形することが抑制される。
また、上記実施形態においては、支持柱52は支持板50と一体的に形成され、軸方向が支持板50の面外方向(面内方向と直交する方向)とされた筒状に形成されているが、本開示の実施形態はこれに限らない。
一例として、図17に示す支持柱52Dのように、支持柱と支持板50とは別体としてもよい。この場合、補強リブ56A、56Bは、支持柱52Dと一体に形成してもよいし、別体で形成してもよい。補強リブ56A、56Bと支持柱52Dとを別体とした場合、補強リブ56A、56Bと支持柱52Dとは接着により固定する。また、支持柱52D及び補強リブ56A、56Bは、支持板50へ接着することが好適である。
また別の一例として、図18に示す支持柱52Eのように、支持柱の軸方向を支持板50の面内方向に沿うように形成してもよい。
さらに別の一例として、図19に示す支持柱52Fのように、支持柱を背面部材30における底板34と一体に形成してもよい。
これらの支持柱52D、52E、52Fによっても、透過板22及び放射線検出パネル40に面外方向の荷重が作用した際に、当該荷重を負担できる。なお、支持柱52D、52E、52Fの構成は、図5に示す支持柱54にも適用できる。
なお、支持柱を支持板50と別体とする場合、支持柱は各種の材料で形成することができる。支持柱としては、一例としてAl合金及びMg合金等の金属系材料を用いる事ができる。
また別の一例として、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、PC(Polycarbonate)樹脂、変PPE(modified-Polyphenyleneether)樹脂、PE(Polyethylene)樹脂、HDPE(High Density Polyethylene)樹脂、PP(Polypropylene)樹脂、POM(Polyoxymethylene)樹脂、LCP(Liquid Crystal Polymer)樹脂及びPEEK(Polyetheretherketone)樹脂等の樹脂材料を用いる事ができる。
さらに別の一例として、これらの樹脂材料にガラス繊維、セルロースナノファイバ、タルク(カルシウム系の強化材)及びマグネシウム繊維等を添加して強化した複合樹脂材(強化プラスチック)を用いる事ができる。またさらに別の一例としては、例えばカーボン素材を用いたり、FRP(Fiber-Reinforced Plastics)等を用いることができる。
また、上記実施形態においては、支持板50に、形状の異なる2つの支持柱52、54を配置しているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図20に示すように、略正六角形状の支持柱52のみを用いてもよい。このような場合、互いに隣接する支持柱52における辺52A同士が対向するように配置することが好適である。
また、上記実施形態においては、支持柱52、54が六角形状とされているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば図21に示す支持柱52Gのように、支持柱は八角形状としてもよい。このような場合においても、互いに隣接する支持柱52Gにおける辺52GA同士が対向するように配置することが好ましい。さらに、支持柱は多角形だけでなく円形とすることもできる。このように、本開示は様々な態様で実施することができる。
10 放射線検出装置
12 筐体
20 正面部材
22 透過板
30 背面部材
30A 開口部
30B 開口部
30D 開口部
30F 開口部
32 二重枠
32A 外リブ
32AA 貫通孔
32AB 貫通孔
32B 内リブ
32BA 間欠部
32BB 間欠部
32C 斜行部
32D 内リブ
34 底板
35B 開口連結リブ
36 連結リブ
36A 角部連結リブ
36B 開口連結リブ
36C 連結リブ
38 取付リブ
40 放射線検出パネル
42A データ配線
42B ゲート配線
44A コネクタ
44B コネクタ
46A フレキシブルケーブル
46B フレキシブルケーブル
47 基板
48 画素
48A 各薄膜トランジスタ
48A 薄膜トランジスタ
48B コンデンサ
48C センサ部
50 支持板
52 支持柱
52A 辺
52B 支持柱
52C 支持柱
52D 支持柱
52E 支持柱
52F 支持柱
52G 支持柱
52GA 辺
54 支持柱
54A 短辺
54B 長辺
56 補強リブ
56A 補強リブ
56B 補強リブ
56C 外周部補強リブ
56D 保護リブ
56E 補強リブ
56F 内側補強リブ
58 突起部
60 制御基板
62A 信号処理部
62B ゲート線ドライバ
62C 画像メモリ
62D 制御部
100 バッテリ

Claims (11)

  1. 放射線を検出する放射線検出パネルと、
    前記放射線検出パネルが接した状態で固定されるMgLi合金製の支持板と、
    前記支持板と同一材料により同一部材として形成され、前記支持板における前記放射線検出パネルと反対側の面に複数形成された筒状の支持柱と、
    前記放射線検出パネル、前記支持板及び前記支持柱が収容され、前記支持柱と接して配置された筐体と、
    を備えた放射線検出装置。
  2. 前記支持柱は多角形状とされ、互いに隣接する前記支持柱において少なくとも一部の前記支持柱同士は、それぞれの辺が対向して配置されている、請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記支持柱は軸方向が前記支持板の面内方向と直交する方向に沿って形成されている、請求項1又は請求項2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記支持柱は、先端から前記支持板寄りの根元部分に亘って厚みが漸増する、請求項1~3の何れか1項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記支持柱間には前記反対側の面に接して補強リブが架け渡されている、請求項1~の何れか1項に記載の放射線検出装置。
  6. 前記補強リブの両端部は、前記支持柱に向かって前記支持柱の軸方向に沿った厚みが漸増する、請求項に記載の放射線検出装置。
  7. 前記支持柱の内壁間には、内側補強リブが架け渡されている、請求項5又は6に記載の放射線検出装置。
  8. 前記内側補強リブは、前記補強リブの延長線上に配置されている、請求項に記載の放射線検出装置。
  9. 前記支持板の外周部が前記筐体に接合されている、請求項1~の何れか1項に記載の放射線検出装置。
  10. 前記支持板の外周部には枠状の外周部補強リブが設けられ、前記外周部補強リブが前記筐体に接合されている、請求項に記載の放射線検出装置。
  11. 前記筐体は、
    前記支持板の外周部が取り付けられる取付リブと、
    前記取付リブが連結された連結リブと、
    前記連結リブによって連結されると共に、前記筐体の外縁に沿って形成された外リブ及び内リブと、
    を備えている、請求項9又は10に記載の放射線検出装置。
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