JP7033368B1 - 再帰反射光学素子用金型の製造方法及び再帰反射光学素子の製造方法 - Google Patents

再帰反射光学素子用金型の製造方法及び再帰反射光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

製造される金型の形状精度が十分に高く、効率的な再帰反射光学素子用金型の製造方法を提供する。多角形の形状の複数の面からなる再帰反射光学素子用金型の製造方法であって、面の目標の形状を基準として、所定の切削分を残すように実施される該面の粗加工ステップと、二辺に刃を備えた刃部であって、該二辺のなす角度は面の多角形の内角とほぼ同じであり、該二辺の刃の長さは該多角形の一辺の長さ以上である刃部の逃げ角を1度以下に維持し、該刃部の先端を該多角形の頂点の方向へ相対的に移動させることによる該所定の切削分の切削を実施する該面の仕上げ加工ステップであって、一回の切削ごとの切り込みは2マイクロメータ以下であり、該移動は、該多角形の該頂点の方向への直進及び振動を組み合わせたものであり、該直進の方向の変位及び該直進の方向と垂直な方向の変位の少なくとも一方を伴う該面の仕上げ加工ステップと、を含む。

Description

本発明は、再帰反射光学素子用金型の製造方法、及びその金型を使用する再帰反射光学素子の製造方法に関する。
再帰反射光学素子の代表例であるコーナーキューブリフレクタ用金型の従来の製造方法は以下のとおりである。第1の製造方法は、ピンと呼称される複数の棒状部材を、それぞれの面がコーナーキューブリフレクタの面を形成するように組み合せて金型を製造する。各ピンは超精密研磨によって製造する。第2の製造方法は、ボールエンドミルを取り付けた多軸加工機によるミリング加工によって金型を製造する。
近年、コーナーキューブリフレクタのセグメントの小型化が要求されている。セグメントとは、コーナーキューブリフレクタの構成単位であり、一つの立方体の三面から形成される。
第1の製造方法に関し、セグメントサイズ、すなわちセグメントの一つの面の正方形の対角線の長さが1ミリメータより小さくなるとピンを使用する製造は困難となる。
また、ピンによる製造が可能な場合でも、一定面積のコーナーキューブリフレクタを製造するのに使用されるピンの本数は、セグメントサイズの逆数の二乗に比例して増加する。したがって、たとえばセグメントサイズが2ミリメータより小さくなるとピンの本数が大幅に増加し加工コストが大幅に増大する。
第2の製造方法に関し、ミリング加工によって金型を製造する場合に、ボールエンドミルの刃先の円弧形状が加工対象の形状にそのまま転写される。したがって、ボールエンドミルの最小曲率半径である0.03マイクロメータより小さい曲率半径のコーナーを備える加工対象を製造することができない。このため、セグメントサイズが小さくなるほど、金型によって製造される再帰反射光学素子の光学性能が低下する。
他方、小型セグメントからなる再帰反射光学素子用金型の新しい製造方法としてマイクロチゼリングと呼称される切削による製造方法が開発されている(たとえば、特許文献1)。しかし、この製造方法によって得られる再帰反射光学素子用金型の形状精度は十分ではない。
したがって、製造される金型の形状精度が十分に高く、効率的な再帰反射光学素子用金型の製造方法、及びその金型を使用する再帰反射光学素子の製造方法に対するニーズがある。
特表2020-533637(WO2019/051413)
本発明の技術的課題は、製造される金型の形状精度が十分に高く、効率的な再帰反射光学素子用金型の製造方法、及びその金型を使用する再帰反射光学素子の製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様による再帰反射光学素子用金型の製造方法は、多角形の形状の複数の面からなる再帰反射光学素子用金型の製造方法であって、面の目標の形状を基準として、所定の切削分を残すように実施される該面の粗加工ステップと、二辺に刃を備えた刃部であって、該二辺のなす角度は面の多角形の内角とほぼ同じであり、該二辺の刃の長さは該多角形の一辺の長さ以上である刃部の逃げ角を1度以下に維持し、該刃部の先端を該多角形の頂点の方向へ相対的に移動させることによる該所定の切削分の切削を実施する該面の仕上げ加工ステップであって、一回の切削ごとの切り込みは2マイクロメータ以下であり、該移動は、該多角形の該頂点の方向への直進及び振動を組み合わせたものであり、該直進の方向の変位及び該直進の方向と垂直な方向の変位の少なくとも一方を伴う該面の仕上げ加工ステップと、を含む。
本態様の製造方法は、二辺に刃を備えた刃部であって、該二辺のなす角度は面の多角形の内角とほぼ同じであり、該二辺の刃の長さは該多角形の一辺の長さ以上である刃部の該多角形の頂点の方向への直進によって切削するので面を効率的に切削することができる。また、刃部の移動は、該多角形の該頂点の方向への直進及び振動を組み合わせたものであるので、加工される面の高さのランダムな変化を抑え、高い形状精度の金型を製造することができる。
本発明の第1の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該振動の面の、該二辺によって形成される面からの傾きの絶対値が3度以内である。
本発明の第2の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該振動の該直進の方向と垂直な方向の変位が0.1マイクロメータから25マイクロメータの範囲である。
本実施形態によれば、加工される面の高さのランダムな変化を抑える効果が顕著である。
本発明の第3の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該振動の該直進の方向の変位が0.1マイクロメータから25マイクロメータの範囲である。
本実施形態によれば、加工される面の高さのランダムな変化を抑える効果が顕著である。
本発明の第4の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該振動の周期間の該直進方向の移動距離が0.01マイクロメータから20マイクロメータの範囲である。
本実施形態によれば、加工される面の高さのランダムな変化を抑える効果が顕著である。
本発明の第5の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該刃部を多軸加工機に取り付けて、該直進及び該振動を該多軸加工機によって実施する。
本実施形態によれば、直進と振動の種々の組み合わせにより加工される面の形状精度を向上させることができる。
本発明の第6の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該振動は、円運動、楕円運動または単振動によって実現される。
本発明の第7の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該刃部を振動子に取り付け、該振動子を該多軸加工機に取り付けて、該直進を該多軸加工機によって実施し、該振動を該振動子によって実施する。
本実施形態によれば、多軸加工機の動作は直進のみであるので効率が向上する。
本発明の第8の実施形態による再帰反射光学素子用金型の製造方法において、該再帰反射光学素子がコーナーキューブリフレクタであり、該刃部の該二辺のなす角度が90度である。
本発明の第2の態様による再帰反射光学素子の製造方法は、上記のいずれかに記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法によって製造した再帰反射光学素子用金型を使用する。
本態様によれば、高い形状精度の再帰反射光学素子が得られる。
本発明の再帰反射光学素子用金型の製造方法を実施するための多軸加工機の一例を示す図である。 Y軸上の視点から多軸加工機を眺めた図である。 工具の一例を示す図である。 図3に示す工具をB軸ステージに取り付けるための治具を示す図である。 工具の他の例を示す図である。 図5に示す工具を取り付けた振動子を示す図である。 振動子を取り付けた切削ユニットを示す図である。 再帰反射光学素子の一例であるコーナーキューブリフレクタの形状を示す図である。 コーナーキューブリフレクタ用金型の三面S1、S2及びS3及び刃部を示す図である。一 コーナーキューブリフレクタ用金型の上面図である。 コーナーキューブリフレクタ用金型の側面図である。 本発明の一実施形態の再帰反射光学素子用金型の製造方法を説明するための流れ図である。 刃部の移動が、多角形の頂点の方向への相対的な直進及び円運動を組み合わせたものである場合の仕上げ加工を説明するための図である。 刃部の先端の移動が、多角形の頂点の方向への相対的な直進及び上記の方向と垂直な方向の単振動を組み合わせたものである場合の仕上げ加工を説明するための図である。 本発明の他の実施形態の再帰反射光学素子用金型の製造方法を説明するための流れ図である。 振動子による刃部の楕円運動を説明するための図である。
図1は、本発明の再帰反射光学素子用金型の製造方法を実施するための多軸加工機の一例を示す図である。多軸加工機1000は互いに直交する方向に直進移動可能なX軸ステージ1010、Y軸ステージ1020及びZ軸ステージ1030を備える。多軸加工機1000は、Z軸ステージ1030に取り付けた回転可能なB軸ステージ1040及びY軸ステージ1020に取り付けた回転可能なC軸ステージ1050をさらに備える。加工対象物200をC軸ステージ1050に取り付け、工具100をB軸ステージ1040に取り付けた後、各ステージを動作させながら工具100によって加工対象物200を加工する。
図2は、Y軸上の視点から多軸加工機1000を眺めた図である。多軸加工機1000の動作については後で説明する。
図3は、工具の一例を示す図である。図3に示す工具は単結晶ダイヤモンドからなる刃を備えた刃部101とシャンク部120を備える。
図4は、図3に示す工具をB軸ステージ1040に取り付けるための治具を示す図である。治具の部材120と部材125との間にねじなどによって図3に示す工具のシャンク部120を固定して工具をB軸ステージ1040に取り付ける。
図5は、工具の他の例を示す図である。図5に示す工具は単結晶ダイヤモンドからなる刃を備えた刃部101と部材150を備える。
図6は、図5に示す工具を取り付けた振動子160を示す図である。ねじ155によって部材150を振動子160に固定することによって図5に示す工具を振動子160に取り付ける。振動子160の動作については後で説明する。
図7は、振動子160を取り付けた切削ユニット170を示す図である。図6は図7のAの部分に相当する。切削ユニット170はねじなどによってB軸ステージ1040に取り付ける。
図8は、再帰反射光学素子の一例であるコーナーキューブリフレクタの形状を示す図である。コーナーキューブリフレクタは、それぞれが立方体の頂点を形成するように組み合された互いに直交する正方形の三面R1、R2及びR3からなる複数のセグメントが所定のピッチSP1及びSP2で密に配列されたものである。コーナーキューブリフレクタに入射した光線は面で1回から3回反射された後、入射光線と平行で入射光線と反対の方向に進行する。
表1は、コーナーキューブリフレクタの仕様の一例を示す図である。
Figure 0007033368000001
セグメントサイズについては図9を使用して後で説明する。表面粗さとは、単位面積の面における、加工面の高さの平均値の平面からの加工面上の各点の高さの絶対値の算術平均である。平面度とは、完全に平らな二平面でコーナーキューブリフレクタの各面を上下から挟んだとき、二平面間の距離の示す値である。
コーナーキューブリフレクタ用金型の形状は、図8に示したコーナーキューブリフレクタの形状と同様である。金型の材料は、例としてニッケル・リンメッキ、無酸素銅、アルミ合金である。
図9は、コーナーキューブリフレクタ用金型の三面S1、S2及びS3及び刃部101を示す図である。一例として正方形の一辺の長さl1 は354マイクロメータであり、正方形の対角線の長さl2、すなわちセグメントサイズは500マイクロメータである。刃部101の2個のストレートエッジ部E1及びE2によって形成される角度は90度である。また、刃部101の2個のストレートエッジ部E1及びE2の長さLは正方形の一辺の長さl1以上である必要がある。
図10は、コーナーキューブリフレクタ用金型の上面図である。図10の面は面S1に平行である。刃部101の先端が面S2及びS3の交線である辺(図10においては直線で表されるS2及びS3の交点)に向かう方向Dに進行することによって面S1が切削される。
図11は、コーナーキューブリフレクタ用金型の側面図である。図11の面は面S1に垂直である。刃部101の逃げ角θは1度以下であるのが好ましい。図11において、刃部101の進行による面S1に対応する面への切り込み量をCで示す。
図12は、本発明の一実施形態の再帰反射光学素子用金型の製造方法を説明するための流れ図である。
図12のステップS1010において粗加工を実施する。粗加工において、目標の形状を基準として、仕上げ加工による所定の切削代を残して切削する。
粗加工は、多軸加工機に仕上げ加工において使用する図3及び4によって説明したタイプの工具を取り付けて実施してもよい。その場合には、粗加工から仕上げ加工に移行する際に被加工物を取り外さなければ、工具の交換による位置ずれを考慮する必要がないので上記の仕上げ加工による所定の切削代は一例として1マイクロメータから1.5マイクロメータである。
粗加工は、多軸加工機にたとえばボールエンドミルを取り付けて実施してもよい。その場合には、ボールエンドミルのボール形状の曲率半径により多角形の頂点の周囲及び頂点を通過する三辺のうちの二辺によって形成されるコーナーの周囲に未加工部分が残る。また、粗加工から仕上げ加工に移行する際の工具の交換による位置ずれを考慮する必要がある。上記の未加工部分及び位置ずれを考慮して上記の仕上げ加工による所定の切削代は一例として約50マイクロメータである。
図12のステップS1020において、多軸加工機に図3及び4によって説明したタイプの工具を取り付けて仕上げ加工を実施する。仕上げ加工において上記の所定の切削代を切削する。具体的に、仕上げ加工において、多軸加工機によって刃部を振動させながら多角形の頂点の方向へ相対的に移動させて面を切削する。
図13は、刃部の移動が、多角形の頂点の方向への相対的な直進及び円運動を組み合わせたものである場合の仕上げ加工を説明するための図である。この場合に刃部の振動は円運動によって実現される。刃部の移動は、正方形の面S1の頂点Vを通過する正方形の角の二等分線線B上の点の頂点Vに向かう一定速度の直進と、上記の点を中心とした一定の方向の所定の半径の円運動と、を組み合わせたものである。上記の所定の半径は多角形の頂点に近づくにしたがって次第に小さくなるように定めてもよい。
二等分線線B上の任意の点を基準点として刃部の先端の位置のベクトルを以下のように表す。
Figure 0007033368000002
また、上記の直進方向の単位ベクトルを以下のように表す。
Figure 0007033368000003
そうすると、経過時間をt、上記の直進速度をc、上記の所定の半径をa、円運動の角速度をωとして刃部の先端の位置は以下のように表せる。
Figure 0007033368000004
仕上げ加工における切削は主に刃部の直進によって実施される。しかし、刃部の直進のみによって切削を実施すると、面の高さがランダムに大きく変化し、その結果、加工された面の平面度が許容値を超える場合がある。そこで、刃部の直進に上記の円運動による振動を加えることにより、刃部の直進に周期的かつ一時的な中断を追加しながら切削を実施する。
上記の円運動による振動は刃部の先端が多角形の頂点に到達する前に中止しその後は刃部の直進のみによって切削を実施する。
上記の振動は、図9に示す刃部101の刃の二辺の形成する面とほぼ同一の面内で生成される。具体的に振動面の、刃の二辺の形成する面からの傾きの角度の絶対値は3度以内である。振動面の状態は他の実施形態においても同様である。
図12のステップS1030において、仕上げ加工を終了するか否か判断する。一例として、所望の粗さを得るための切削の回数(パス数)をあらかじめ定めておき、その回数の切削を実施した場合に仕上げ加工を終了してもよい。仕上げ加工を終了すると判断した場合には処理を終了する。仕上げ加工を終了しないと判断した場合にはステップS1020に戻る。
表2は、図13で説明した仕上げ加工の加工条件の一例を示す表である。
Figure 0007033368000005
表2において加工機送り速度は多軸加工機の軌跡上の点間の移動速度を意味する。切り込みは一回の切削ごとの、図11に示した切り込み量Cを意味する。円運動の振幅aは上記の所定の半径を意味する。円運動の移動ピッチPは、上記の二等分線線Bと刃部の先端の軌跡との交点のうち隣接する二点間の距離である。すなわち、上記の距離は刃部の先端の円運動による振動の周期間の刃部の先端の直進方向の移動距離である。パスとは一回の切削を意味する。1パスの加工時間とは、仕上げ加工において、三面に対して一回の切削を実施するのに要する時間を意味する。
加工面の高さのランダムな変化を生じさせないために、一回の切削ごとの切り込みは2マイクロメータ以下であり、円運動の振幅は0.1マイクロメータから25マイクロメータの範囲であり、振動の周期間の直進方向の移動距離、すなわち円運動の移動ピッチPが0.01マイクロメータから20マイクロメータの範囲であるのが好ましい。
図14は、刃部の先端の移動が、多角形の頂点の方向への相対的な直進及び上記の方向と垂直な方向の単振動を組み合わせたものである場合の仕上げ加工を説明するための図である。この場合に刃部の振動は単振動によって実現される。より具体的に、刃部の運動は、正方形の面S1の頂点Vに向かって頂点Vを通過する正方形の角の二等分線B上を一定の速度で相対的に移動する点の運動と、上記の点を中心とし、二等分線Bに垂直な方向の単振動を組み合わせたものである。単振動の振幅は多角形の頂点に近づくにしたがって次第に小さくなるように定めてもよい。
二等分線線B上の任意の点を基準点として刃部の先端の位置のベクトルを以下のように表す。
Figure 0007033368000006
また、上記の直進方向の単位ベクトル及び上記の直進方向と垂直な方向の単位ベクトルを以下のように表す。
Figure 0007033368000007
Figure 0007033368000008
そうすると、経過時間をt、上記の直進速度をc、単振動の振幅をb、単振動に対応する円運動の角速度をωとして刃部の先端の位置は以下のように表せる。
Figure 0007033368000009
単位ベクトル
Figure 0007033368000010
の方向は直進方向と垂直ではなく鋭角を形成するようにしてもよい。
刃部の直進に上記の単振動による振動を加えることにより、刃部の直進に周期的かつ一時的な中断を追加しながら切削を実施する。
上記の単振動による振動は刃部の先端が多角形の頂点に到達する前に中止しその後は刃部の直進のみによって切削を実施する。
表3は、図14で説明した仕上げ加工の加工条件の一例を示す表である。
Figure 0007033368000011
サインカーブの波長の半値Pは、二等分線線Bと刃部の先端の軌跡との交点のうち隣接する二点間の距離である。すなわち、上記の距離は刃部の単振動の周期間の刃部の先端の直進方向の移動距離である。
図15は、本発明の他の実施形態の再帰反射光学素子用金型の製造方法を説明するための流れ図である。
図15のステップS2010において粗加工を実施する。粗加工において、目標の形状を基準として、仕上げ加工による所定の切削代を残して切削する。
粗加工は、多軸加工機にたとえばボールエンドミルを取り付けて実施してもよい。その場合には、ボールエンドミルのボール形状の曲率半径により多角形の頂点の部分に未加工部分が残る。また、仕上げ加工に移行する際の工具の交換による位置ずれを考慮する必要がある。上記の未加工部分及び位置ずれを考慮して上記の仕上げ加工による所定の切削代は一例として約50マイクロメータである。
図15のステップS2020において、多軸加工機に図5乃至7によって説明したタイプの工具を取り付けて仕上げ加工を実施する。具体的に、刃部を取り付けた振動子を取り付けた多軸加工機を使用して、振動子によって刃部を振動させながら多軸加工機によって振動子を多角形の頂点の方向へ相対的に移動させて面を切削する。
図16は、振動子による刃部101の楕円運動を説明するための図である。この場合に刃部の振動は上記の楕円運動によって実現される。刃部の開き角の二等分線の方向の楕円運動の振幅の二倍値はAM1であり、刃部の上記の方向に垂直な方向の楕円運動の振幅の二倍値はAM2である。
振動子は、根元に備わる悦電素子に振動子の共振周波数に合わせた周波数の電圧を加えることで振動したわむことによって、先端に取り付けた刃部の楕円振動を生じさせる。
刃部101の多軸加工機による運動は、図13に示す正方形の面S1の頂点Vに向かって頂点Vを通過する正方形の角の二等分線線B上を一定の速度で相対的に移動する運動である。刃部101の運動は、振動子による楕円運動と多軸加工機による直進運動とを組み合わせたものである。
図15のステップS2030において、仕上げ加工を終了するか否か判断する。一例として、所望の粗さを得るための切削の回数(パス数)をあらかじめ定めておき、その回数の切削を実施した場合に仕上げ加工を終了してもよい。仕上げ加工を終了する場合には処理を終了する。仕上げ加工を終了しない場合にはステップS2020に戻る。
表4は、図15のステップS2020で説明した振動子を使用した仕上げ加工の加工条件の一例を示す表である。
Figure 0007033368000012
加工面の高さのランダムな変化を生じさせないために、移動ごとの切り込みは2マイクロメータ以下であり、楕円運動の振幅は0.1マイクロメータから25マイクロメータの範囲であり、振動の周期間の直進方向の移動距離が0.01マイクロメータから20マイクロメータの範囲であるのが好ましい。
図12の流れ図に示すように加工機によって刃部を振動させる場合は、上述の円運動及び単振動を含む任意の運動による振動を与えることができる。円運動の半径及び単振動の振幅など振動の変位の大きさも所望の値とすることができる。また、振動の周期間の刃部の直進方向の移動距離も所望の値とすることができる。振動の条件を変化させながら面の算術平均高さを最小とするような条件を定めることができる。したがって、面の算術平均高さで表される加工精度は、振動子によって刃部を振動させる場合よりも高い。
表2に示した加工条件で図13によって説明した切削を実施した面の算術平均高さは0.002マイクロメータであり、面の平面度は0.017マイクロメータであった。面の算術平均高さとは、測定対象の断面における、加工面の高さの平均値の平面からの加工面上の各点の高さの絶対値の算術平均であり、表1の表面粗さに対応する。面の平面度は、加工面の高さの比較的長い周期の変動であるうねりによって定まる。
このように図13によって説明した、加工機によって刃部を振動させる仕上げ加工によって製造した金型を使用して射出成形を実施することによって表1に示す仕様を満足するコーナーキューブリフレクタを製造することができた。
図15の流れ図に示すように振動子によって刃部を振動させる場合は、振動子の振動条件が決まっているので、刃部の振動の条件の自由度は加工機によって刃部を振動させる場合よりも小さい。振動の周期間の刃部の直進方向の移動距離は刃部の直進速度によってしか変化させることができない。しかし、振動子によって刃部を振動させる場合に加工機による移動は直進のみなので加工時間は、加工機によって刃部を振動させる場合と比較して顕著に小さい。
表4に示した加工条件で図15によって説明した切削を実施した面の算術平均高さは0.004マイクロメータであり、面の平面度は0.048マイクロメータであった。
このように図15によって説明した、加工機によって刃部を振動させる仕上げ加工によって製造した金型を使用して射出成形を実施することによって表1に示す仕様を満足するコーナーキューブリフレクタを製造することができた。
他方、振動を伴わない刃部の直進のみによる切削を実施した場合には、面の高さがランダムに大きく変化する場合があり、特に平面度を許容値以内に保証するのが困難である。
また、マイクロチゼリングによってセグメントサイズ0.5ミリメータのコーナーキューブリフレクタ用金型を加工した場合に切削を実施した面の算術平均高さは0.166マイクロメータであり、面の平面度は0.7マイクロメータであり、表1に示す仕様を満足するコーナーキューブリフレクタを製造することのできる金型は得られなかった。
また、三面の間の角度を立方体の形状からわずかにずらしたリフレクタが開発されている(たとえば、JP3340640)。このようなリフレクタにおいて、ある面の正方形の頂点の角度と90度との差はせいぜい0.1度であり、セグメントサイズ0.5ミリメータ程度であれば、本発明の製造方法によって、刃の二辺のなす角度が90度の刃部を使用して全く問題なく所定の精度のリフレクタを製造することができる。
上記において、再帰反射光学素子の一例としてコーナーキューブリフレクタについて説明した。本発明は、正方形以外の他の多角形の面からなる再帰反射光学素子にも適用できる。
上述のように本発明による再帰反射光学素子用金型の製造方法によって製造した再帰反射光学素子用金型を使用して射出成形を実施することによって表1に示した仕様を満たす高い形状精度のコーナーキューブリフレクタを製造することができる。

Claims (10)

  1. 多角形の形状の複数の面からなる再帰反射光学素子用金型の製造方法であって、
    面の目標の形状を基準として、所定の切削分を残すように実施される該面の粗加工ステップと、
    二辺に刃を備えた刃部であって、該二辺のなす角度は面の多角形の内角とほぼ同じであり、該二辺の刃の長さは該多角形の一辺の長さ以上である刃部の逃げ角を1度以下に維持し、該刃部の先端を該多角形の頂点の方向へ相対的に移動させることによる該所定の切削分の切削を実施する該面の仕上げ加工ステップであって、一回の切削ごとの切り込みは2マイクロメータ以下であり、該移動は、該多角形の該頂点の方向への直進及び振動を組み合わせたものであり、該直進の方向の変位及び該直進の方向と垂直な方向の変位の少なくとも一方を伴う該面の仕上げ加工ステップと、を含む再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  2. 該振動の面の、該二辺によって形成される面からの傾きの絶対値が3度以内である請求項1に記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  3. 該振動の該直進の方向と垂直な方向の変位が0.1マイクロメータから25マイクロメータの範囲である請求項1または2に記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  4. 該振動の該直進の方向の変位が0.1マイクロメータから25マイクロメータの範囲である請求項1から3のいずれかに記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  5. 該振動の周期間の該直進方向の移動距離が0.01マイクロメータから20マイクロメータの範囲である請求項1から4のいずれかに記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  6. 該刃部を多軸加工機に取り付けて、該直進及び該振動を該多軸加工機によって実施する請求項1から5のいずれかに記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  7. 該振動は、円運動、楕円運動または単振動によって実現される請求項6に記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  8. 該刃部を振動子に取り付け、該振動子を多軸加工機に取り付けて、該直進を該多軸加工機によって実施し、該振動を該振動子によって実施する請求項1から5のいずれかに記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  9. 該再帰反射光学素子がコーナーキューブリフレクタであり、該刃部の該二辺のなす角度が90度である請求項1から8のいずれかに記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の再帰反射光学素子用金型の製造方法によって製造した再帰反射光学素子用金型を使用する再帰反射光学素子の製造方法。
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