(第1実施形態)
[機能フロー]
本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのパチスロ機について、図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の第1実施形態に係る機能フローについて説明する。
本実施形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートレバーが操作されると、所定の開始条件が成立したものとして複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。この内部当籤役決定手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止させることにより図柄の変動を停止させる制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路及びステッピングモータが担う。
パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定時間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4コマ分に定め、規定時間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1コマ分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
入賞判定手段は、リール停止制御手段により複数のリールの回転がすべて停止し、図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞判定ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により役の入賞であるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロ機では、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロ機では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの画像表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
次に、本実施形態に係るパチスロ機の外観構造について説明する。なお、以後の説明において、パチスロ機1から遊技者に向かう側(方向)をパチスロ機1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、遊技者から見て右側及び左側をパチスロ機1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向又は厚み方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右方向又は幅方向と称する。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する。
<外観構造>
図2及び図3に示すように、パチスロ機1の外観は、矩形箱状の筐体2により構成されている。筐体2は、前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
また、キャビネットGの上面壁G4には、上下方向に貫通する2つの開口G41が左右方向に所定間隔をあけて形成されている。そして、この2つの開口G41それぞれを塞ぐように木製の板部材G42が上面壁G4に取り付けられている。
図4にも示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGにおける開口の上部及び下部を閉塞可能に設けられている。上ドア機構UDは、上側表示窓UD1を中央部に有している。上側表示窓UD1には、光を透過する透明パネルUD11が設けられている。
図5に示すように、キャビネットG内は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている。即ち、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、表示ユニットA等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、リールユニットRUや、パチスロ機1全体の動作を司る主制御基板MS等が収容される。
<表示ユニットA>
図6に示すように、表示ユニットAは、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。図7に示すように、表示ユニットAは、映像を投影する投影ユニットBと、投影ユニットBから投影された映像が表示されるスクリーンユニットCとを有した所謂プロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
この表示ユニットAは、前方に開口が形成された筐体A1を有する。この筐体A1は、投影ユニットBの投影筐体としてのプロジェクタカバーB1、及び、スクリーンユニットCのスクリーン筐体C10とで構成されている。詳細は後述するが、スクリーン筐体C10は、底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4を有した箱方形状をなしている。そして、プロジェクタカバーB1は、スクリーン筐体C10の上面に交換可能に取り付けられる。
<スクリーンユニットC>
スクリーンユニットCは、投影ユニットBから投影された演出用映像が表示されるスクリーン装置を構成する。図8に示すように、スクリーンユニットCは、スクリーン筐体C10を有している。
具体的に、スクリーン筐体C10は、水平配置された底板C1と、底板C1の右端部に立設された右側板C2と、底板C1の左端部に立設された左側板C3と、底板C1の後端部に立設された背板C4とを有している。これにより、底板C1に対して右側板C2と左側板C3と背板C4とがネジ締結により連結されることによって、遊技者が位置する前面側と、投影ユニットBが位置する上面側とが開放された箱形形状のスクリーン筐体C10が形成されている。
スクリーン筐体C10の内部には、固定スクリーンDとフロントスクリーンE1とリールスクリーンF1とが設けられている。固定スクリーンDは、正面反射部D1と右面反射部D2と左面反射部D3と下面反射部D4とを有するとともに、投影ユニットBから投影された映像が表示される固定露出位置でスクリーン筐体C10に固定されている。
フロントスクリーンE1は、投影ユニットBから投影された映像の表示が禁止される待機姿勢となる上側に配置されたフロント待機位置と、投影ユニットBから投影された映像の表示が許可される露出姿勢となる下側に配置されたフロント露出位置との間で回動可能にスクリーン筐体C10に保持されている。フロント露出位置は、投影ユニットBから投影された映像が表示される位置であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。
このため、フロントスクリーンE1がリール露出位置に移動した場合は、フロントスクリーンE1が固定スクリーンDを前方から覆い隠した状態になることによって、投影ユニットBから投影された映像がフロントスクリーンE1だけに表示される。
リールスクリーンF1は、リール露出位置とリール待機位置との間で回動可能にスクリーン筐体C10に保持されている。リール露出位置は、投影ユニットBから投影された映像が表示される位置であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。
このため、リールスクリーンF1がリール露出位置に移動した場合は、リールスクリーンF1が固定スクリーンDを前方から固定スクリーンDの下面反射部D4を残して、覆い隠した状態になることにより、投影ユニットBから投影された映像がリールスクリーンF1と下面反射部D4に表示される。なお、投影ユニットBから投影される映像は、その映像の構成により、リールスクリーンF1のみ、又は、固定スクリーンDの下面反射部D4のみに表示されることもある。
リールスクリーンF1がリール待機位置に移動した場合は、固定スクリーンDが露出されることによって、投影ユニットBから投影された映像が固定スクリーンDに表示される。
<投影ユニットB>
図9は、投影ユニットの分解斜視図である。
図9に示すように、投影ユニットBは、演出用映像を投影する投影装置としてのプロジェクタ機構B2と、プロジェクタ機構B2の前方に配置され、プロジェクタ機構B2によって投影された映像を斜め下後方に配置されたスクリーンユニットC方向に反射するミラーユニットB3と、プロジェクタ機構B2及びミラーユニットB3を収容する投影筐体としてのプロジェクタカバーB1とを有している。
<ミラーユニットB3>
ミラーユニットB3は、プロジェクタ機構B2によって投影された演出用映像(その他調整用映像及び試験用映像を含む)を反射する反射装置を構成する。ミラーユニットB3は、プロジェクタカバーB1に形成されたリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面略中央部に形成されている。
リフレクタ保持部B11には、3つの角度調整穴B111a、B111b、B111c(以下、総称して「角度調整穴B111」という)が形成されている。ミラーユニットB3には、各角度調整穴B111に対応する位置に角度調整穴B311が形成されている。
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、ネジB112が前面側から通されている。ミラーホルダB31の角度調整穴B311は、角度調整穴B111を通されたネジB112の山を受ける内ネジ状(所謂、タップ)に形成されている。
このため、角度調整穴B111を通されたネジB112が角度調整穴B311に対して緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーユニットB3との距離が広がる。一方、角度調整穴B111を通されたネジB112が角度調整穴B311に対して締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーユニットB3との距離が縮まる。
また、角度調整穴B111を通すネジB112は、コイルバネが外嵌されたスプリング調整ネジで構成することで、リフレクタ保持部B11側にコイルバネにより付勢して、リフレクタ保持部B11の調整位置を安定させるようにしてもよい。
<プロジェクタ機構B2の機械的構成>
図10は、プロジェクタ機構の分解斜視図である。
図10に示すように、プロジェクタ機構B2は、外装となる構成要素として、ケースB22、レンズユニットカバーB222、アンダーカバーB223、上側台座B220、及び下側台座B221を有する。ケースB22の前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222が取り付けられる。ケースB22の下面には、アンダーカバーB223が覆うように配置される。アンダーカバーB223は、ステーB223aを介して下側台座B221に支持されるとともに、ケースB22の下面適部にも固定される。
プロジェクタ機構B2は、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1(図9参照)に取り付けられる。プロジェクタ機構B2の取り付け調整手順については後述する。
また、プロジェクタ機構B2は、内部の構成要素として、レンズユニットB21、LED光源を搭載したLED基板(図示せず)、DMDを搭載したDMD基板(図示せず)、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245、及びプロジェクタ制御基板B23を有する。ケースB22には、レンズユニットカバーB222でレンズユニットB21の投射レンズ210が覆われつつレンズユニットB21が収容されるとともに、LED基板、DMD基板、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245が収容される。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22の下面に固定される。
このようなプロジェクタ機構B2は、サブ制御装置SSから演出等の映像に係る映像データが送信され、スクリーンや役物に映像を投影するようにサブ制御装置SSによって制御される。一方、サブ制御装置SSは、スクリーン駆動機構E2,F2を制御することにより、スクリーンE1,F1を演出内容に応じて移動させる。
ここで、サブ制御装置SSは、演出によるスクリーンE1,F1の移動に応じてプロジェクタ機構B2を制御し、移動したスクリーンE1,F1の投影面や固定スクリーンDの投影面に、映像が鮮明に投影されるようにフォーカス調整を行う。
ヒートシンク243R,243G,243Bは、LED基板の背面に部分的に接触している。ヒートシンク243Dは、DMD基板の背面に部分的に接触している。本実施形態において、ヒートシンク243R,243G,243B,243Dのフィン外形サイズとしては、ヒートシンク243R及びヒートシンク243Gが相対的に大きい一方、ヒートシンク243B及びヒートシンク243Dが相対的に小さくなっている。これらのヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、LED基板及びDMD基板それぞれにおいて発生した熱を空気中に放散することにより、光学特性を大きく変化させるまで光学素子や基板の温度を上昇させないように効率よく放熱する。放熱部材であるヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、放熱効果を高めるために導熱性の高いアルミニウム素材が用いられ、空気との接触面積を大きくするために複数の放熱フィンを有している。
吸気用ファン244Aは、ケースB22の右側前部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Rに近接している。吸気用ファン244Bは、ケースB22の左側部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Dに近接している。排気用ファン245は、ケースB22の後部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Gに近接している。
吸気用ファン244Aが近接するケースB22の右側前部には、吸気口B22Aが設けられており、吸気口B22Aに対向してヒートシンク243Rが近接するケースB22の右側後部には、排気口B22Eが設けられている。吸気用ファン244Bが近接するケースB22の左側部の一部には、吸気口B22Bが設けられており、この吸気口B22Bと並ぶようにケースB22の左側部の他の部分には、ケースB22内の空きスペースを通じて3つのヒートシンク243G,243B,243Dまで空気が達するように吸気口B22Cが設けられている。排気用ファン245が近接するケースB22の後部には、排気口B22Dが設けられている。
すなわち、プロジェクタ機構B2のケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244Aによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243Rから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。また、ケースB22内においては、吸気口B22Bから吸気用ファン244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243D、ヒートシンク243B、及びヒートシンク243Gから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。さらに、ケースB22内においては、吸気口B22Cから吸気された後、主としてヒートシンク243Gやヒートシンク243Bから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。
プロジェクタ制御基板B23は、アンダーカバーB223で覆われつつケースB22の下面に取り付けられる。プロジェクタ制御基板B23には、制御LSI230、EEPROM231、DLP制御回路232、及びLEDドライバ233等が搭載されている。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22内に配置されたLED基板及びDMD基板、さらにフォーカス機構と電気的に接続される。
<プロジェクタ機構B2の位置・姿勢調整>
図11は、プロジェクタ機構を固定するための上側台座及び下側台座の分解斜視図である。図12は、上側台座と下側台座とを連結した状態の平面図である。図13は、上側台座の位置決め方法を説明するための図である。図14は、図12に示す上側台座及び下側台座の矢視J-Jに沿う断面図である。図15は、上側台座に対する下側台座の連結構造を説明するための図である。
図11及び図12に示すように、上側台座B220は、中継板B300(図17参照)に固定される板金部材であり、矩形状の本体部2200、本体部2200の左右両側を下方及び外方に折り曲げることで形成され、本体部2200と段差を有して左右両側に延出する左端部2201a及び右端部2201b、並びに本体部2200の後側から後方へと部分的に延出する後端部2202を有する。
左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれには、中継板B300にネジ締結によって固定するための複数の角孔2201cが設けられている。本実施形態において、角孔2201cは、左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれに3つずつ配置され、前後方向に等間隔に設けられている。角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジT(図13参照)のネジ軸径よりも大きくなっている。
図13は、中継板B300に対する上側台座B220の取付形態を示したものである。図13(a)の上図は、上側台座B220の角孔2201cに対して取付ネジTが挿入・締結された状態を示す図であり、図13(a)の下図は、図13(a)の上図に示すB-B'線に沿う断面図である。なお、図13は、上側台座B220の左端部2201aに形成された角孔2201cの周辺を示すが、左端部2201a及び右端部2201bにおけるその余の角孔2201cの周辺も同様である。
図13(a)に示すように、角孔2201cには、上方から取付ネジTが挿入されるとともに、角孔2201cのほぼ中央に取付ネジTが配置される。取付ネジTは、上側台座B220の上面及び中継板B300の下面に添うように配置されたワッシャーWを介して、中継板B300の下面側に位置するナットNと螺結される。これにより、上側台座B220の左端部2201aは、中継板B300に対してネジ止めにより取り付けられる。上側台座B220の右端部2201bも、中継板B300に対して同様のネジ止めにより取り付けられる。
ここで、図13(a)において符号Aで示す斜線部分は、取付ネジTのネジ軸と角孔2201cとの間に形成される隙間である。図13(a)では、取付ネジTのネジ軸が、角孔2201cのほぼ中央に配置され固定されている。このとき、取付ネジTのネジ軸は、符号Aの斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能となる。すなわち、取付ネジTの角孔2201cに対する相対位置を、角孔2201cの開口範囲内において微調整することにより、上側台座B220の左端部2201aを中継板B300に対して位置決め調整することができる。同様に、上側台座B220の右端部2201bも、中継板B300に対して位置決め調整することができる。
図13(b)は、図13(a)に対して上側台座B220の左端部2201aを矢印Eの方向にずらした状態を示している。図13(b)の下図は、図13(b)の上図に示すD-D'線に沿う断面図である。この図13(b)に示す状態では、取付ネジTのネジ軸が角孔2201cの開口範囲内において相対的に右寄りに偏位さられ、符号Cに示す斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能になっている。
このように、上側台座B220は、角孔2201cの開口範囲となる所定の調整範囲のなかで位置決め調整されつつ、中継板B300に対して取り付けられる。すなわち、プロジェクタ機構B2は、上側台座B220の左端部2201a及び右端部2201bに設けられた複数の角孔2201cにより、中継板B300に対する取り付け位置の左右方向のずれと、前後方向のずれと、前後左右平面上における傾き(ヨー角)とを調整することができる。
また、図11及び図12に示すように、上側台座B220の本体部2200及び後端部2202には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。これら3つの連結孔2200Aは、本体部2200に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
下側台座B221は、上側台座B220の本体部2200及び後端部2202に概ね対応する板金部材である。下側台座B221には、3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように3つの連結ネジ部2210が一体形成されている。これら3つの連結ネジ部2210も、下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
また、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214、及びステーB223aをネジ止めするための複数のネジ孔2215が設けられている。下側台座B221は、ケースB22やステーB223aを介してアンダーカバーB223を支持した状態で上側台座B220の下面に連結される。
上側台座B220と下側台座B221とは、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。
連結部R1,R2,R3のそれぞれは、上側台座B220の連結孔2200Aを通る下側台座B221の連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により構成される(図15参照)。
図15は、上側台座B220に対する下側台座B221の連結構造を示したものである。図15は、連結部R2において、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により、下側台座B221が上側台座B220に連結されている状態を示す断面図である。なお、図15は、1箇所の連結部R2を示すが、その余の連結部R1,R3も同様である。
下側台座B221の連結ネジ部2210は、上側台座B220の本体部2200の下面側から連結孔2200Aに挿入され、本体部2200の上面側に配置されたワッシャー2212を介してナット2213に螺結される。連結ネジ部2210には、コイルバネ2211が外嵌されており、このコイルバネ2211は、連結孔2200Aの周縁部において本体部2200の下面と下側台座B221の上面との間に狭持される。このようなコイルバネ2211により、上側台座B220と下側台座B221との連結部R2付近の部分は、互いに離反する方向(上下方向)に付勢されるので、連結ネジ部2210とナット2213との螺合部分における緩み防止が図られる。
このような連結部R2においては、ナット2213を締め付ける方向あるいは緩める方向に適宜回すことにより、コイルバネ2211で付勢されつつも上側台座B220と下側台座B221との間隔が変化させられる。具体的には、ナット2213を締め付ける方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が狭められることとなる。このとき、上述したように、上側台座B220は、中継板B300(図17参照)に固定されており、また、後述するように、中継板B300は、プロジェクタカバーB1に固定されている。そのため、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜締め付けることで上側台座B220に対して近づく方向に変位し、より上位へと高さ位置が調整されることとなる。一方、ナット2213を緩める方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が拡大されることとなる。すなわち、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜緩めることで上側台座B220に対して遠ざかる方向に変位し、より下位へと高さ位置が調整されることとなる。
他の連結部R1,R3においても、上記と同様にナット2213の締め付け量を適宜調整することにより、下側台座B221の連結部R1,R3付近の高さ位置を容易に調整することができる。このような連結部R1,R2,R3は、上側台座B220や下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように、具体的には互いに結んだ線が三角形をなすように配置されている。
すなわち、下側台座B221は、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいてナット2213の締め付け量により高さ位置を微調整することができるので、下側台座B221の高さ方向のずれと、左右方向の傾き(ロール角)と、前後方向の傾き(ピッチ角)とを調整することができる。
以上で説明したような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタ機構B2は、プロジェクタカバーB1に対して位置決め調整かつ光軸調整可能に取り付けられる。
このように、上側台座B220、下側台座B221及び連結部R1,R2,R3は、プロジェクタカバーB1に対する姿勢を調整可能に、プロジェクタ機構B2を保持する投影装置保持機構を構成する。また、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1に固定された第1部材を構成し、下側台座B221は、プロジェクタ機構B2を固定する第2部材を構成する。
<プロジェクタ機構B2のプロジェクタカバーB1への取り付け>
プロジェクタ機構B2のプロジェクタカバーB1への取り付けにおいては、上側台座B220をネジ締結することにより、プロジェクタ機構B2をプロジェクタカバーB1に直接固定してもよいが、本実施形態では、上側台座B220とプロジェクタカバーB1との間に、中継板B300を介在させている。
図16は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態を示す斜視図である。図17は、プロジェクタカバーと中継板と上側台座とを連結した状態の平面図である。
図16に示すように、プロジェクタカバーB1は、ネジ穴B131cを介して右側板C2及び左側板C3にネジがねじ込まれることにより、スクリーン筐体C10と連結される(図7及び図8参照)。
プロジェクタカバーB1は、その内部において、中継板取付部B301を有している。中継板取付部B301は、左右の側壁部B13・B13それぞれの内側面から内側に突出するように形成されている。中継板取付部B301は、略水平に形成された中継板取付面B301aを有している。
中継板取付面B301aには、取付用孔B301b及び位置調整用孔B301cが貫通孔として形成されている。取付用孔B301bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付けるためのネジ孔である。位置調整用孔B301cは、中継板B300を中継板取付部B301に取り付けた際に上側台座B220の角孔2201c(図11参照)と対向するような位置に形成されている。
図17に示すように、ワッシャーB311及び図示しない緩衝部材を介して、中継板取付面B301aの取付用孔B301bにネジB310がねじ込まれることにより、中継板B300がプロジェクタカバーB1に取り付けられている。
また、中継板B300と上側台座B220とが、キャップボルト320及び固定プレートB321を用いて締結されている。なお、中継板B300と上側台座B220との締結に際しては、従来周知の部材を適宜選択して用いることができる。
[パチスロ機の電気的構成]
次に、パチスロ機1が備える制御系について、図18及び図19を参照して説明する。
パチスロ機1は、主制御基板MSと、サブ制御装置SSと備える。主制御基板MSは、主制御回路1060を構成する。主制御回路1060は、内部当籤役の決定、リールRL,RC,RRの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路である。サブ制御装置SSは、副制御回路1070を構成する。副制御回路1070は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。
以下、図18及び図19を用いて、主制御回路1060及び副制御回路1070の具体的な構成について説明する。
<主制御回路>
まず、主制御基板MSにより構成される主制御回路1060について、図18を参照して説明する。図18は、主制御回路の構成例を示すブロック図である。
主制御回路1060は、主制御基板MS上に設置されたマイクロコンピュータ1030を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ1030は、メインCPU1031、メインROM1032及びメインRAM1033により構成される。
メインROM1032には、メインCPU1031により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路1070に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM1033には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU1031には、クロックパルス発生回路1034、分周器1035、乱数発生器1036及びサンプリング回路1037が接続されている。クロックパルス発生回路1034及び分周器1035は、クロックパルスを発生する。メインCPU1031は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器1036は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535)を発生する。サンプリング回路1037は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ1030の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU1031は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ1049L,1049C,1049R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ1007S(ストップスイッチ1007LS,1007CS,1007RS)は、3つのストップボタンDD7(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R)のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ1006Sは、スタートレバーDD6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ1005Sは、メダル投入口DD5に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、C/Pスイッチ1013Sは、一定枚数(例えば、50枚)を上限としてメダルをパチスロ機1内で管理するクレジット機能を使用するか否かを切り換えるC/Pボタンが押されたことを検出する。
BETスイッチ1008Sは、BETボタンが遊技者により押されたことを検出する。BETボタンとしては、最大BETボタンの他に、1-BETボタンが設けられている。上述したように、最大BETボタンが1回押下されるとメダルの投入枚数として「3」が選択される。一方、1-BETボタンが1回押下されるとメダルの投入枚数として「1」が選択され、1-BETボタンが2回押下されるとメダルの投入枚数として「2」が選択され、1-BETボタンが3回押下されるとメダルの投入枚数として「3」が選択される。BETボタン(最大BETボタン又は1-BETボタン)が押下されることにより、1回の遊技を行うのに必要な枚数(本実施形態では2枚又は3枚)のメダルが投入されると、入賞判定ラインが有効化される。
マイクロコンピュータ1030により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ1049L,1049C,1049R及びホッパ機構HPがある。また、マイクロコンピュータ1030の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
駆動制御基板RU114は、各リール(リールRL,RC,RR)に対応して設けられたステッピングモータ1049L,1049C,1049Rの駆動を制御する。リール位置検出回路1050は、発光部と受光部とを有する光センサ(センサ部RU112)により、リールRL,RC,RRが半周する毎に基準位置を検出する。
ステッピングモータ1049L,1049C,1049Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ1049L,1049C,1049Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリールRL,RC,RRに伝達される。ステッピングモータ1049L,1049C,1049Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リールRL,RC,RRは一定の角度で回転する。
メインCPU1031は、基準位置を検出してからステッピングモータ1049L,1049C,1049Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リールRL,RC,RRの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リールRL,RC,RRの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
ホッパ駆動回路1041は、ホッパ機構HPの動作を制御する。また、払出完了信号回路1051は、ホッパ機構HPに設けられたメダル検出部1040Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパ機構HPから外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御回路>
次に、サブ制御装置SSにより構成される副制御回路1070について、図19を参照して説明する。図19は、副制御回路の構成例を示すブロック図である。
副制御回路1070は、主制御回路1060と電気的に接続されており、主制御回路1060から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路1070は、基本的に、サブCPU1071、サブROM1072、サブRAM1073、レンダリングプロセッサ1074、描画用RAM1075、ドライバ1076a~1076c、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)1077、オーディオRAM1078、D/A変換器1079及びアンプ1080を含んで構成されている。
サブCPU1071は、主制御回路1060から送信されたコマンドに応じて、サブROM1072に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM1073は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路1060から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM1072は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU1071が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路1060との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニットAによる映像の表示を制御するプロジェクションマッピング制御タスク、LEDによる光の出力を制御するLED制御タスク、スピーカDD25L,DD25Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するLEDデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路1070には、その動作が制御される周辺装置として、プロジェクタ機構B2、フロントスクリーン駆動機構E2を構成する駆動モータE25、リールスクリーン駆動機構F2を構成する駆動モータF24、液晶表示装置DD20、スピーカDD25L,DD25R及びLED基板が接続されている。
プロジェクタ機構B2は、光源と、光の三原色である赤、緑、及び青のそれぞれに対応する3枚の液晶パネルと、液晶パネルを透過した光を拡大出射するレンズと、光源及び液晶パネルを制御する制御部とを備える透過型液晶プロジェクタである。制御部は、サブCPU1071からの指示に基づいて、光源の点灯及び消灯を制御するとともに、画像データに応じた駆動電圧を液晶パネルの各画素に印加するよう制御を行う。
フロントスクリーンE1及びリールスクリーンF1は、可動式のスクリーンであり、それぞれ、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2により駆動される。このように、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2は、プロジェクタ機構B2によって投影された演出用映像が表示されるスクリーンを固定スクリーンD、フロントスクリーンE1及びリールスクリーンF1の間で切り替えるスクリーン切替機構を構成する。
サブCPU1071は、ドライバ1076bを介して駆動モータE25を制御することにより、フロントスクリーンE1をフロント露出位置とフロント待機位置との間で回動させる一方、ドライバ1076cを介して駆動モータF24を制御することにより、リールスクリーンF1をリール露出位置とリール待機位置との間で回動させる。
フロントスクリーンE1がフロント露出位置に配置されている場合には、フロントスクリーンE1が固定スクリーンDを前方から覆い隠した状態となり、フロントスクリーンE1に映像が表示される。
これに対し、フロントスクリーンE1がフロント待機位置に配置されている場合には、リールスクリーンF1がリール待機位置に配置されていれば、固定スクリーンDが露出した状態となり、固定スクリーンDに映像が表示される。一方、リールスクリーンF1がリール露出位置に配置されていれば、リールスクリーンF1が固定スクリーンDを前方から覆い隠した状態となり、リールスクリーンF1に映像が表示される。
なお、フロントスクリーンE1がフロント露出位置に配置されている場合には、リールスクリーンF1をリール露出位置に配置させることはできない。また、リールスクリーンF1がリール露出位置に配置されている場合には、フロントスクリーンE1をフロント露出位置に配置させることはできない。
サブCPU1071は、リールスクリーンF1がリール待機位置に存在することを条件として、フロントスクリーンE1の回動動作を実行し、フロントスクリーンE1がフロント待機位置に存在することを条件として、リールスクリーンF1の回動動作を実行する。
副制御回路1070には、センサ機構CSが接続されている。センサ機構CSは、フロントスクリーンE1がフロント待機位置に存在するか否かを検出してフロント待機位置に存在することを検出した場合にHi信号を出力するセンサCS1と、フロントスクリーンE1がフロント露出位置に存在するか否かを検出してフロント露出位置に存在することを検出した場合にHi信号を出力するセンサCS2と、リールスクリーンF1がリール待機位置に存在するか否かを検出してリール待機位置に存在することを検出した場合にHi信号を出力するCS3とを含む。
サブCPU1071は、センサCS1~CS3から出力される信号に基づいて、スクリーン同士が干渉してしまうことが防止するように、駆動モータE25及び駆動モータF24を制御する。
サブCPU1071、レンダリングプロセッサ1074、描画用RAM1075(フレームバッファを含む)及びドライバ1076aは、演出内容又はその他の指示内容(例えば、配当表や図柄配列表の表示指示)により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置DD20により表示する。
また、サブCPU1071、レンダリングプロセッサ1074、描画用RAM1075(フレームバッファを含む)及びドライバ1076aは、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って演出用映像を作成し、作成した演出用映像をプロジェクタ機構B2に投影させる。
また、サブCPU1071、DSP1077、オーディオRAM1078、D/A変換器1079及びアンプ1080は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカDD25L,DD25Rにより出力する。
また、サブCPU1071は、演出内容により指定されたLEDデータに従って、LED基板を介してLEDの点灯及び消灯を制御する。
[パチスロ機の調整]
次に、本発明の第1実施形態に係るパチスロ機1の調整について、図20~図43を参照して説明する。図20に示すように、本発明の第1実施形態に係るパチスロ機1の製造時の調整としては、ミラー調整工程P1と、フォーカス調整工程P2と、プロジェクタ姿勢調整工程P3と、プロジェクタ位置調整工程P4とがある。
<ミラー調整工程P1>
ミラー調整工程P1では、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の位置及び姿勢(反射角)がミラー調整装置100によって調整される。
本実施形態において、ミラー調整工程P1は、角度調整穴B111にそれぞれ通されたネジB112(図9参照)によってミラーユニットB3がプロジェクタカバーB1に仮止めされた状態で実行される。
図21に示すように、ミラー調整装置100は、ミラーユニットB3の位置及び姿勢を調整する反射位置姿勢調整手段を構成する調整ドライバ装置101と、ミラーユニットB3の位置及び姿勢を検出する反射位置姿勢検出手段を構成する位置センサ装置102と、位置センサ装置102の検出結果に基づいて調整ドライバ装置101を制御する反射位置姿勢制御手段としての制御装置103とを有している。
調整ドライバ装置101は、角度調整穴B111に通されたネジB112の位置をプロジェクタカバーB1のミラーユニットB3の背面側からそれぞれ調整する調整手段としてのドライバ104a~104cと、制御装置103の制御によりネジB112を締める方向及び緩める方向にそれぞれドライバ104a~104cを駆動させるサーボモータ等のアクチュエータ105a~105cとを有している。
位置センサ装置102は、ミラーユニットB3の反射面の位置及び姿勢を検出するための検出手段としての距離センサ106a~106cを有している。本実施形態において、各距離センサ106a~106cは、接触式変位センサによって構成される。本実施形態における接触式変位センサは、計測距離が5mm~10mm、分解能が0.1μm~1.0μmのセンサ性能を有する。
また、本実施形態において、各距離センサ106a~106cは、調整ドライバ装置101本体から垂直方向に距離を検出するように取り付けられている。更に、距離センサ106aは、ミラーユニットB3の上部中心までの距離を検出し、距離センサ106bは、ミラーユニットB3の左下部までの距離を検出し、距離センサ106cは、ミラーユニットB3の右下部までの距離を検出するように取り付けられている。
更に、距離センサ106bと距離センサ106cとは、調整ドライバ装置101において、水平に取り付けられ、距離センサ106aは、距離センサ106bと距離センサ106cとの取り付け位置を結ぶ線分の垂線2等分線上に取り付けられている。
なお、各距離センサ106a~106cは、位置センサ装置102を基準とした検出点までの距離を検出するが、調整ドライバ装置101と位置センサ装置102とが固定され、位置センサ装置102に対して各距離センサ106a~106cの本体が固定されているため、各距離センサ106a~106cの検出結果である距離を検出点の位置として扱うことができる。
ミラー調整装置100は、プロジェクタカバーB1を固定するクランプ機構107と、制御装置103の制御によりクランプ機構107を駆動する駆動機構108とを更に有している。
位置センサ装置102の上部には、プロジェクタカバーB1の前面の内側に嵌ることでプロジェクタカバーB1の前面側の位置と高さとを位置決めする位置決め部材109が取り付けられている。ミラー調整装置100は、位置決め部材109とクランプ機構107とによりプロジェクタカバーB1の側壁部B13に形成された突起部131(図16参照)の両側を抑え込むことでプロジェクタカバーB1を固定する。
図22に示すように、調整ドライバ装置101と位置センサ装置102とは、ミラー調整装置100に固定されたプロジェクタカバーB1に仮止めされたミラーユニットB3を挟んで対向するように配置されている。
本実施形態において、調整ドライバ装置101のドライバ104a~104cと、位置センサ装置102の距離センサ106a~106cとは、調整ドライバ装置101及び位置センサ装置102の幅方向及び高さ方向でそれぞれ一致するように取り付けられている。
図21において、制御装置103は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、ハードディスク装置と、入力ポートと、出力ポートと、入力装置と、表示装置とを含む汎用的なコンピュータ装置によって構成される。
コンピュータ装置のハードディスク装置には、当該コンピュータユニットを制御装置103として機能させるためのプログラム(所謂、アプリケーションソフトウェア)、当該プログラムを管理するオペレーティングシステム(所謂、OS)及び各種パラメータが記憶されている。すなわち、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置103として機能する。
制御装置103は、位置センサ装置102の検出結果に基づいて、調整ドライバ装置101を制御する。具体的には、制御装置103は、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置となるように、調整ドライバ装置101のアクチュエータ105a~105cを制御する。
ここで、予め定められた位置は、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の位置及び姿勢を調整するときの目標値であり、制御装置103のハードディスク装置に格納されている。
以上のように構成された本発明の第1実施形態に係るミラー調整装置100によるミラー調整動作について図23を参照して説明する。なお、以下に説明するミラー調整動作は、ミラーユニットB3が仮止めされたプロジェクタカバーB1がミラー調整装置100に固定された状態で、制御装置103の入力装置に入力された実行指示に基づいて開始される。
まず、制御装置103は、位置センサ装置102に測定を指示する(S1)。具体的には、位置センサ装置102の距離センサ106a~106cにミラーユニットB3の反射面の位置をそれぞれ検出させる。
次に、制御装置103は、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置であるか否かを判断する(S2)。具体的には、制御装置103は、距離センサ106a~106cによって検出された各位置と予め定められた位置との後述する式(1)~(3)で算出された差分が許容誤差範囲内であるか否かを判断する。
距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置であると判断した場合には(YES)、制御装置103は、ミラー調整動作をステップS9に進める。
一方、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置でないと判断した場合には(NO)、制御装置103は、調整ドライバ装置101の各ドライバ104a~104cをネジB112に嵌めるようにアクチュエータ105a~105cを制御する(S3)。
次に、制御装置103は、調整ドライバ装置101の各ドライバ104a~104cがネジB112に嵌まったかを確認する(S4)。具体的には、制御装置103は、調整ドライバ装置101の各ドライバ104a~104cでネジB112を締める締め動作とネジB112を緩める緩め動作とを実行し、距離センサ106a~106cの検出値が変化するかを確認する。調整ドライバ装置101の各ドライバ104a~104cがネジB112に嵌まったことを確認すると、制御装置103は、図24に示すミラーユニット調整処理を実行する(S5)。
図24に示すミラーユニット調整処理において、まず、制御装置103は、各距離センサ106a~106cの検出値をSensA_dist、SensB_dist及びSensC_distに代入し、SensA_dist、SensB_dist及びSensC_distと予め定められた位置との差分を抽出する(S20)。
制御装置103のハードディスク装置には、各距離センサ106a~106cの検出値の目標値MasterData_SensA、MasterData_SensB及びMasterData_SensCの値が予め格納されている。
制御装置103は、SensA_dist、SensB_dist及びSensC_distとMasterData_SensA、MasterData_SensB及びMasterData_SensCとの各差分SensA、SensB及びSensCを以下の式(1)~(3)に基づいてそれぞれ算出する。
SensA=SensA_dist-MasterData_SensA (1)
SensB=SensB_dist-MasterData_SensB (2)
SensC=SensC_dist-MasterData_SensC (3)
次に、制御装置103は、ミラーユニットB3の傾斜角度と位置とを算出する(S21)。制御装置103のハードディスク装置には、距離センサ106bの取り付け位置と距離センサ106cの取り付け位置との間の設計上の距離Mirror_SensorDist_Xの値と、距離センサ106bと距離センサ106cとの取り付け位置を結ぶ線分と距離センサ106aとの間の設計上の距離Mirror_SensorDist_Yの値が予め格納されている。
制御装置103は、上記式(1)~(3)で算出された差分SensA、SensB及びSensC並びに設計上の距離Mirror_SensorDist_XからミラーユニットB3の幅方向の傾斜角度skew_xと、差分SensA、SensB及びSensC並びに設計上の距離Mirror_SensorDist_Yからから高さ方向の傾斜角度skew_yと、差分SensA、SensB及びSensCから基準位置に対するミラーユニットB3の距離distとを以下の式(4)~(6)に基づいてそれぞれ算出する。
次に、制御装置103は、ミラーユニットB3の傾斜角度及び距離と各目標値との差分を算出する(S22)。制御装置103のハードディスク装置には、ミラーユニットB3の幅方向の傾斜角度の設計上の目標値Mirror_Skew_X_AdjTargetの値と、ミラーユニットB3の高さ方向の傾斜角度の設計上の目標値Mirror_Skew_Y_AdjTargetの値と、基準位置に対するミラーユニットB3の距離の設計上の目標値Mirror_Height_AdjTargetの値とが予め格納されている。
制御装置103は、式(4)で算出されたskew_xとミラーユニットB3の幅方向の傾斜角度の設計上の目標値Mirror_Skew_X_AdjTargetとの差分skew_x_diffと、式(5)で算出されたskew_yとミラーユニットB3の高さ方向の傾斜角度の設計上の目標値Mirror_Skew_Y_AdjTargetとの差分skew_y_diffと、式(6)で算出されたdistとミラーユニットB3の高さの設計上の目標値Mirror_Skew_X_AdjTargetとの差分dist_diffとを以下の式(7)~(9)に基づいて算出する。
skew_x_diff=skew_x-Mirror_Skew_X_AdjTarget (7)
skew_y_diff=skew_y-Mirror_Skew_Y_AdjTarget (8)
dist_diff=dist-Mirror_Height_AdjTarget (9)
次に、制御装置103は、式(7)~(9)で算出されたミラーユニットB3の傾斜角度及び距離と各設計上の目標値との差分から各アクチュエータ105a~105cの駆動量であるパルス数を算出する(S23)。制御装置103のハードディスク装置には、ドライバ104bの取り付け位置とドライバ104cの取り付け位置との間の設計上の距離Mirror_ScrewDist_Xの値と、ドライバ104bとドライバ104cとの取り付け位置を結ぶ線分とドライバ104aとの間の設計上の距離Mirror_ScrewDist_Yの値と、ドライバ104a~ドライバ104c又は角度調整穴B111に通されたネジB112のピッチMirror_ScrewPitchの値と、ドライバ104a~ドライバ104cを1回転させるために必要なアクチュエータ105a~105cのパルス数Mirror_MotorPulseRatioの値とが予め格納されている。
制御装置103は、式(8)で算出されたskew_y_diffと、距離Mirror_ScrewDist_Yと、ドライバ104aを1回転させるパルス数Mirror_MotorPulseRatioと、ネジピッチMirror_ScrewPitchとから式(10)に基づいて、ドライバ104aを駆動させるためにアクチュエータ105aに出力する駆動信号のパルス数Pulse_Aを算出する。
制御装置103は、式(7)で算出されたskew_x_diffと、式(8)で算出されたskew_y_diffと、式(9)で算出されたdistと、距離Mirror_ScrewDist_Xと、距離Mirror_ScrewDist_Yと、ドライバ104aを1回転させるパルス数Mirror_MotorPulseRatioと、ネジピッチMirror_ScrewPitchとから式(11)、(12)に基づいて、ドライバ104b、104cを駆動させるためにアクチュエータ105b、105cにそれぞれ出力する駆動信号のパルス数Pulse_B及びPulse_Cを算出する。
次に、制御装置103は、アクチュエータ105a~105cに式(10)~(12)で算出されたパルス数Pulse_A、Pulse_B、Pulse_Cを表す駆動信号をそれぞれ出力し(S24)、ミラーユニット調整処理を終了する。
図23において、制御装置103は、ミラーユニット調整処理の結果として、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置であるか否かを判断する(S6)。具体的には、制御装置103は、距離センサ106a~106cによって検出された各位置と予め定められた位置とに対して上述の式(1)~(3)で算出された差分が許容誤差範囲内であるか否かを判断する。
距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置でない(差分が許容誤差範囲外)と判断した場合には(NO)、制御装置103は、ミラーユニット調整処理を再度実行するために、ミラー調整動作をステップS5に戻す。
一方、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置である(差分が許容誤差範囲内)と判断した場合には(YES)、制御装置103は、調整ドライバ装置101の各ドライバ104a~104cをネジB112から外すようにアクチュエータ105a~105cを制御する(S7)。
次に、制御装置103は、位置センサ装置102に測定を指示し、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置であるか否かを判断する(S8)。
このステップでは、調整ドライバ装置101の各ドライバ104a~104cをネジB112から外したことによって、距離センサ106a~106cによって検出された各位置がずれてしまっていないかが確認される。具体的には、制御装置103は、距離センサ106a~106cによって検出された各位置と予め定められた位置とに対して上述の式(1)~(3)で算出された差分が許容誤差範囲内であるか否かを判断する。
距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置である(差分が許容誤差範囲内)と判断した場合には(YES)、制御装置103は、表示装置に調整が完了した旨のメッセージを表示させ(S9)。
一方、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置でない(差分が許容誤差範囲外)と判断した場合には(NO)、制御装置103は、表示装置に調整が失敗した旨のメッセージを表示させる(S10)。
ステップS9又はS10の処理を実行した後、制御装置103は、位置センサ装置102に測定を終了させる。すなわち、距離センサ106a~106cを退避させるように位置センサ装置102に指示し(S11)、ミラー調整動作を終了する。
なお、上述したミラー調整動作のステップS8において、距離センサ106a~106cによって検出された各位置が予め定められた位置でないと判断した場合には(NO)、制御装置103は、ミラー調整動作をステップS5に戻すようにしてもよく、ミラー調整動作をステップS1に戻すようにしてもよい。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態に係るミラー調整装置100は、位置センサ装置102の検出結果に基づいて調整ドライバ装置101にミラーユニットB3の位置及び姿勢を調整させるため、ミラーユニットB3の位置及び姿勢の精度を確保するとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るミラー調整装置100は、位置センサ装置102にミラーユニットB3の反射面の複数の位置を検出させ、調整ドライバ装置101にミラーユニットB3の反射面の背面の複数の位置を調整させるため、ミラーユニットB3の反射面の位置及び姿勢を正確に検出し、ミラーユニットB3の位置及び姿勢を正確に調整することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るミラー調整装置100は、位置センサ装置102が検出する反射面の背面の各位置と、調整ドライバ装置101が調整する反射面の各位置とが、幅方向及び高さ方向でそれぞれ一致することにより、制御装置103における制御を簡略化することができる。
なお、図23を参照して説明したミラーユニット調整処理を実行する制御装置103は、ステップS5とステップS6を繰り返すことで、距離センサ106a~106cの結果に基づいて、各ドライバ104a~104cの調整量を変化させていく、所謂フィードバック制御により、ミラーユニットB3の位置及び姿勢を調整している。
<フォーカス調整工程P2>
フォーカス調整工程P2では、プロジェクタ機構B2の焦点距離がフォーカス調整装置200によって調整される。
本実施形態において、フォーカス調整工程P2は、プロジェクタカバーB1にプロジェクタ機構B2が取り付けられた投影ユニットBがスクリーンユニットCに取り付けられた状態で実行される。
図25に示すように、プロジェクタ機構B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御基板B23、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。プロジェクタ機構B2には、中継基板CKを介してサブ制御装置SS(図19参照)が接続される。サブ制御装置SSは、スクリーンや役物の演出動作に応じて、プロジェクタ制御基板B23を制御し、光学機構B24を介して、スクリーンや役物に演出用映像を投影する。
プロジェクタ制御基板B23は、制御LSI230、EEPROM(登録商標)231、DLP(登録商標)制御回路232、及びLEDドライバ233を備える。光学機構B24は、レンズユニットB21(図10参照)の周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源、DMD、レンズユニットB21の投射レンズ210についてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構等を備える(図示せず)。
制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、映像を投影するようにDLP制御回路232を制御する。制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズ210を光軸方向に移動させることにより、映像の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM231には、制御LSI230による制御プログラムやプロジェクタ機構B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ機構B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路232、LEDドライバ、並びに光学機構B24のLED光源及びDMDにより構成される。
DLP制御回路232の制御により、DMDで所定方向に反射された映像は、レンズユニットB21へと進み、投射レンズ210を透過することでミラーユニットB3に入射し、最終的にミラーユニットB3で反射することによって投影対象へと導かれる。これにより、投影対象となるスクリーンや役物に対して映像が投影され、演出に応じた演出用映像が形成される。
本実施形態において、プロジェクタ機構B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ機構B2は、ミラーユニットB3によって映像を折り返すことにより投影対象までの投影距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、映像の投影距離をできるだけ短くするようにしている。
これにより、プロジェクタ機構B2を備えた表示ユニットAは、より安価かつ小型に構成されるとともに、パチスロ機1のキャビネットGにおける限られたスペースに対して容易に搭載される。
フォーカス調整工程P2では、プロジェクタ機構B2には、サブ制御装置SSに代えて、図26に示すフォーカス調整装置200の制御装置201が中継基板CKを介して接続される。
図26に示すように、フォーカス調整装置200は、プロジェクタ機構B2に投影させる試験用映像をプロジェクタ機構B2に出力する試験用映像出力手段を構成する制御装置201と、プロジェクタ機構B2によって試験用映像が投影されたスクリーンユニットCを撮影する撮影手段を構成するカメラ202と、カメラ202の撮影位置を変更する撮影位置変更機構203とを有している。
制御装置201は、ミラー調整装置100の制御装置103と同様な汎用的なコンピュータ装置によって構成される。すなわち、コンピュータ装置において、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置201として機能する。
上述したように、スクリーンユニットCは、固定スクリーンD、フロントスクリーンE1及びリールスクリーンF1(図8参照)を有しているため、カメラ202は、各スクリーンに応じて焦点距離を変更する必要がある。
しかしながら、フォーカス調整装置200は、カメラ202の撮影位置を変更する撮影位置変更機構203を有しているため、カメラ202の焦点距離を調整するための焦点距離の調整制御を行う必要がない。したがって、焦点距離の調整範囲及び分解能が異なるカメラでも、最初に焦点距離を合わせることで簡単にカメラを交換することができる。
撮影位置変更機構203には、スクリーンユニットCに直交する方向にレール部材が配置され、レール部材上にカメラ202を取り付け可能な台座が設置されている。この台座には、サーボモータ等のアクチュエータ204が取り付けられている。
制御装置201は、アクチュエータ204を制御することにより、カメラ202をスクリーンユニットCに近づける方向及びスクリーンユニットCから遠ざける方向に移動させることができるようになっている。
制御装置201は、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2を制御することにより、プロジェクタ機構B2によって投影された試験用映像が表示されるスクリーンを固定スクリーンD、フロントスクリーンE1及びリールスクリーンF1の間で切り替える。
制御装置201は、試験用映像が表示されるスクリーンの切り替えに基づいてカメラ202の撮影位置を変更する。具体的には、制御装置201は、試験用映像が表示されるスクリーンに応じてアクチュエータ204を制御し、カメラ202を移動させることにより、固定スクリーンDとカメラ202との間の距離と、フロントスクリーンE1とカメラ202との間の距離とを略同じ距離にする。
なお、本実施形態において、プロジェクタ機構B2に対して露出している状態では、フロントスクリーンE1及びリールスクリーンF1のプロジェクタ機構B2に対する位置が殆ど変わらないため、制御装置201は、固定スクリーンDに対するプロジェクタ機構B2の焦点距離Aと、フロントスクリーンE1に対するプロジェクタ機構B2の焦点距離Bとを設定する。
制御装置201は、固定スクリーンD及びフロントスクリーンE1が有する表示面に少なくとも一部が投影される試験用映像をプロジェクタ機構B2に出力する。
制御装置201は、固定スクリーンDに対して、例えば、図27に示すように左面反射部D3(図8参照)の表示領域内に投影される映像である試験画像TD7と、正面反射部D1の左上の表示領域内に投影される映像である試験画像TD4と、正面反射部D1の中央の表示領域内に投影される映像である試験画像TD1と、正面反射部D1の右上の表示領域内に投影される映像である試験画像TD3と、右面反射部D2の表示領域内に投影される映像である試験画像TD6と、正面反射部D1の中央の底面に近い表示領域内に投影される映像である試験画像TD2と、下面反射部D4の表示領域内に投影される映像である試験画像TD5との7つの映像を含む試験用映像TDをプロジェクタ機構B2に出力する。
制御装置201は、フロントスクリーンE1に対して、例えば、図28に示すように、9分割した表示領域内に投影される9つの映像である試験画像TE1~TE9を含む試験用映像TEをプロジェクタ機構B2に出力する。
制御装置201は、試験用映像が投影されたスクリーンユニットCがカメラ202によって撮影された画像のエッジの強度を取得するエッジ強度取得手段を構成する。具体的には、制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像のエッジ強度を取得し、各映像のエッジ強度に基づいて試験用映像のエッジ強度を算出する。このエッジ強度を算出する画像処理を実行するために、カメラ202のCCDの画素数は、200万画素以上が望ましい。
制御装置201は、プロジェクタ機構B2の焦点距離を変化させながら算出したエッジの強度が最大となる焦点距離を検出する焦点距離検出手段を構成する。具体的には、制御装置201は、固定スクリーンDとフロントスクリーンE1とに対して、焦点距離を粗く設定する粗調整処理と、粗調整処理の結果に基づいて焦点距離を高精細に設定する微調整処理とを実行する。
粗調整処理において、制御装置201は、予め定められた焦点距離からプロジェクタ機構B2の焦点距離をスクリーンから遠ざける遠距離(+)方向及びスクリーンに近づける(-)方向に粗く変化させながら、試験用映像に含まれる各映像のエッジ強度を取得する。
粗調整処理において、制御装置201は、例えば、プロジェクタ機構B2の焦点距離を予め定められた焦点距離から遠距離方向及び近距離方向に指定単位で段階的に変化させることで焦点距離を特定する。
制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して、エッジ強度と焦点距離との関係を表す2次近似曲線を生成する。制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して生成した各2次近似曲線からエッジ強度が最大となる焦点距離を特定する。
制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して粗調整処理で特定したエッジ強度が最大となる焦点距離のなかで最短の焦点距離を微調整開始位置基準値として特定する。
微調整処理において、制御装置201は、微調整開始位置基準値から予め定められた微調整開始補正値を減じた焦点距離からプロジェクタ機構B2の焦点距離を細かく変化させながら、試験用映像に含まれる各映像のエッジ強度を取得する。
微調整処理において、制御装置201は、例えば、微調整開始位置基準値をプロジェクタ機構B2の焦点距離の起点とし、焦点距離を遠距離方向及び近距離方向に指定単位で段階的に変化させることで焦点距離を特定する。
制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して、エッジ強度と焦点距離との関係を表す2次近似曲線を生成する。制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して生成した各2次近似曲線からエッジ強度が最大となる焦点距離を特定する。
制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して特定したエッジ強度が最大となる焦点距離に対して、試験用映像に含まれる各映像に対して割り当てられた重み係数に基づいた加重平均をとることにより、プロジェクタ機構B2の焦点距離を算出する。重み係数は、試験用映像に含まれる各映像の表示領域が遊技者に注視されやすい場所である程、高く設定されるように予め検証により定められている。
本実施形態において、固定スクリーンDに対する試験画像TD1~TD7のそれぞれの重み係数Wtd1~Wtd7は、例えば、Wtd1=1.5、Wtd2=1.4、Wtd3=1.1、Wtd4=1.1、Wtd5=0.8、Wtd6=0.8、Wtd7=1.0と予め定められ、固定スクリーンDの中心域の焦点が重視されている。
また、フロントスクリーンE1に対する試験画像TE1~TE9のそれぞれの重み係数Wte1~Wte9は、例えば、Wte1=0.8、Wte2=1.1、Wte3=0.8、Wte4=1.2、Wte5=1.5、Wte6=1.3、Wte7=0.9、Wte8=1.3、Wte9=0.9と予め定められ、フロントスクリーンE1の中心域の焦点、次いで、遊技者に近い下部域の焦点が重視されている。
制御装置201は、加重平均により算出した焦点距離を対象とするスクリーンにおける焦点距離として、記憶媒体としてのEEPROM231に記憶する焦点距離記憶手段を構成する。
以上のように構成された本発明の第1実施形態に係るフォーカス調整装置200による焦点距離設定動作について図29を参照して説明する。なお、以下に説明する焦点距離設定動作は、プロジェクタ機構B2が投影ユニットBに仮止めされ、投影ユニットBがスクリーンユニットCに仮組みされた状態で、制御装置201の入力装置に入力された実行指示に基づいて開始される。
まず、制御装置201は、フロントスクリーンE1に試験用映像が表示されるときのフロントスクリーン撮影位置にカメラ202が移動するようにアクチュエータ204を制御する(S30)。
次に、制御装置201は、フロントスクリーンE1がフロント露出位置になければ、フロントスクリーンE1がフロント露出位置に移動するようにフロントスクリーン駆動機構E2を制御する(S31)。
次に、制御装置201は、プロジェクタ機構B2の焦点距離を予め定められたフロントスクリーンE1の初期基準焦点距離に変更させ、フロントスクリーンE1用の試験用映像をプロジェクタ機構B2に投影させる(S32)。ここで、フロントスクリーンE1の初期基準焦点距離は、プロジェクタ機構B2の製造時に初期値として仮に記憶されている。
次に、制御装置201は、フロントスクリーンE1に対する図30に示す粗調整処理を実行し(S33)、フロントスクリーンE1に対する図31に示す微調整処理を実行する(S34)。
図30において、制御装置201は、粗調整処理用のパラメータをとして、調整開始位置FCS_Startの値、調整幅FCS_Step_Lenの値及び調整回数FCS_Step_Numの値などをハードディスク装置から読み込む(S40)。制御装置201のハードディスク装置には、粗調整処理用のFCS_Startの値、FCS_Step_Lenの値及びFCS_Step_Numの値が予め格納されている。
ここで、制御装置201は、調整開始位置FCS_Start、調整幅FCS_Step_Len及び調整回数FCS_Step_Numに基づいてプロジェクタ機構B2の焦点距離を変化させながら、試験用映像に含まれる各映像に対して、エッジ強度を取得する。
すなわち、制御装置201は、調整開始位置FCS_Start、調整幅FCS_Step_Len及び調整回数FCS_Step_Numに基づいて焦点距離がFCS_Start+FCS_Step_Len×(調整回数-1)と変化するようにプロジェクタ機構B2の焦点距離を制御し(S41)、試験用映像に含まれる各映像に対するエッジ強度を取得する(S42)。なお、各映像に対するエッジ強度は、制御装置201に接続されたカメラ202の撮影画像を処理する図示しない画像処理システムによって取得できるようになっている。
試験用映像に含まれる各映像に対して、調整回数FCS_Step_Num分のエッジ強度を取得すると、制御装置201は、調整回数分の焦点距離をY軸とし、試験用映像に含まれる各映像に対するエッジ強度をX軸とする2次近似曲線を生成する(S43)。
次に、制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して生成した各2次近似曲線からエッジ強度が最大となる焦点距離を特定する(S44)。次に、制御装置201は、特定したエッジ強度が最大となる焦点距離のなかで最短の焦点距離を微調整開始基準位置FcsMax_rough_Minとして特定し(S45)、フロントスクリーンE1又は固定スクリーンDに対する粗調整処理を終了する。
図31において、制御装置201は、微調整処理用のパラメータとして、微調整開始補正値Fcs_Fine_AddLowerの値をハードディスク装置から読み込み、微調整開始基準位置FcsMax_rough_Minから微調整開始補正値Fcs_Fine_AddLowerを減じた値を調整開始位置FCS_Startとして算出する(S50)。次に、制御装置201は、調整幅FCS_Step_Lenの値及び調整回数FCS_Step_Numの値などをハードディスク装置から読み込む(S51)。
なお、微調整処理用のパラメータとしての調整幅FCS_Step_Lenは、粗調整処理用のパラメータとしての調整幅FCS_Step_Lenよりも短く、微調整処理用のパラメータとしての調整回数FCS_Step_Numは、粗調整処理用のパラメータとしての調整回数FCS_Step_Num以上となるように定められている。
また、粗調整処理の精度によっては、微調整処理用のパラメータとしての調整回数FCS_Step_Numは、粗調整処理用のパラメータとしての調整回数FCS_Step_Num未満となるように定められていてもよい。
制御装置201のハードディスク装置には、微調整処理用のパラメータとして、微調整開始補正値Fcs_Fine_AddLowerの値、調整幅FCS_Step_Lenの値及び調整回数FCS_Step_Numの値が予め格納されている。
ここで、制御装置201は、調整開始位置FCS_Start、調整幅FCS_Step_Len及び調整回数FCS_Step_Numに基づいてプロジェクタ機構B2の焦点距離を変化させながら、試験用映像に含まれる各映像に対して、エッジ強度を取得する。
すなわち、制御装置201は、調整開始位置FCS_Start、調整幅FCS_Step_Len及び調整回数FCS_Step_Numに基づいて焦点距離がFCS_Start+FCS_Step_Len×(調整回数-1)と変化するようにプロジェクタ機構B2の焦点距離を制御し(S52)、試験用映像に含まれる各映像に対するエッジ強度を取得する(S53)。
試験用映像に含まれる各映像に対して、調整回数FCS_Step_Num分のエッジ強度を取得すると、制御装置201は、調整回数分の焦点距離をY軸とし、試験用映像に含まれる各映像に対するエッジ強度をX軸とする2次近似曲線を生成する(S54)。
次に、制御装置201は、試験用映像に含まれる各映像に対して生成した各2次近似曲線からエッジ強度が最大となる焦点距離を特定し、特定したエッジ強度が最大となる焦点距離の加重平均を対象スクリーンすなわちフロントスクリーンE1又は固定スクリーンDに対するプロジェクタ機構B2の焦点距離として決定する(S55)。次に、制御装置201は、決定した焦点距離をプロジェクタ機構B2のEEPROM231に記憶し(S56)、対象スクリーンに対する微調整処理を終了する。
図29において、フロントスクリーンE1に対する微調整処理を終了すると、制御装置201は、固定スクリーンDに試験用映像が表示されるときの固定スクリーン撮影位置にカメラ202が移動するようにアクチュエータ204を制御する(S35)。
次に、制御装置201は、固定スクリーンDがプロジェクタ機構B2に対して露出するようにフロントスクリーン駆動機構E2を制御するとともに(S36)、固定スクリーンD用の試験用映像をプロジェクタ機構B2に投影させる(S37)。
次に、制御装置201は、固定スクリーンDに対する図30に示した粗調整処理を実行し(S38)、固定スクリーンDに対する図31に示した微調整処理を実行する(S39)。
なお、固定スクリーンDに対する粗調整処理は、フロントスクリーンE1に対する粗調整処理と同一であるため、説明を省略する。また、固定スクリーンDに対する微調整処理は、フロントスクリーンE1に対する微調整処理と同一であるため、説明を省略する。
ここで、固定スクリーンDに対する粗調整処理における各種パラメータFCS_Start、FCS_Step_Len及びFCS_Step_Numは、フロントスクリーンE1に対する粗調整処理における各種パラメータFCS_Start、FCS_Step_Len及びFCS_Step_Numと全てが同一でもよく、一部が同一でもよく、全てが異なっていてもよい。
また、固定スクリーンDに対する微調整処理における各種パラメータFcs_Fine_AddLower、FCS_Step_Len及びFCS_Step_Numは、フロントスクリーンE1に対する微調整処理における各種パラメータFcs_Fine_AddLower、FCS_Step_Len及びFCS_Step_Numと全てが同一でもよく、一部が同一でもよく、全てが異なっていてもよい。固定スクリーンDに対する微調整処理を終了すると、制御装置201は、焦点距離設定動作を終了する。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態に係るフォーカス調整装置200は、プロジェクタ機構B2によってスクリーンユニットCに投影された試験用映像を撮影した画像のエッジの強度が最大となるようにプロジェクタ機構B2の焦点距離を設定するため、スクリーンユニットCの素材、形状又は設置位置が変更されてもプロジェクタ機構B2の焦点距離を最適に設定することができるため、製造コストを抑制することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るフォーカス調整装置200は、フロントスクリーンE1及び固定スクリーンDなどの複数のスクリーンの各スクリーンの形状に応じた試験用映像をプロジェクタ機構B2に出力するため、演出用映像を投影するスクリーンが複数のスクリーンのなかで切り替えられるパチスロ機であっても、各スクリーンに対して最適な焦点距離を投影装置に設定することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るフォーカス調整装置200は、フロントスクリーンE1及び固定スクリーンDなどの複数のスクリーンの各スクリーンが有する表示面に少なくとも一部が投影される試験用映像をプロジェクタ機構B2に出力するため、スクリーンユニットCが固定スクリーンDのような立体形状のスクリーンを有していたとしても、立体形状における全ての表示面に表示される映像の鮮鋭度が考慮された最適な焦点距離をプロジェクタ機構B2に設定することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るフォーカス調整装置200は、カメラ202の撮影位置を変更する撮影位置変更機構203が、複数のスクリーンの各スクリーンの切り替えに基づいて撮影位置を変更することにより、カメラ202として焦点距離を調整する機能がないものを適用することができるため、製造コストを抑制することができる。
<プロジェクタ姿勢調整工程P3>
プロジェクタ姿勢調整工程P3では、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢がプロジェクタ姿勢調整装置300によって調整される。
なお、以下の説明においては、図32に示すように、プロジェクタ機構B2に対して、左右方向を「X軸方向」ともいい、高さ方向を「Y軸方向」ともいい、前後方向を「Z軸方向」ともいい、X軸周りの方向を「Rx軸方向」ともいい、Y軸周りの方向を「Ry軸方向」ともいい、Z軸周りの方向を「Rz軸方向」ともいう。
本実施形態において、プロジェクタ姿勢調整工程P3は、プロジェクタカバーB1にプロジェクタ機構B2が仮止めされ、プロジェクタカバーB1がスクリーンユニットCに取り付けられた状態で実行される。
図33に示すように、プロジェクタ姿勢調整装置300は、プロジェクタ機構B2に投影させる調整用映像をプロジェクタ機構B2に出力する調整用映像出力手段を構成する制御装置301と、プロジェクタ機構B2によって調整用映像が投影されたスクリーンユニットCを撮影する撮影手段を構成するカメラ302、303と、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を調整する投影姿勢調整装置304とを有している。
制御装置301は、ミラー調整装置100の制御装置103と同様な汎用的なコンピュータ装置によって構成される。すなわち、コンピュータ装置において、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置301として機能する。
制御装置301のハードディスク装置には、プログラムや各種パラメータの他に、調整用映像のデータが格納されている。本実施形態における調整用映像は、図35などに示すように、調整用映像を上下に等分に分割する横線と調整用映像を左右に等分に分割する縦線とを含む。
カメラ302は、スクリーンユニットCの固定スクリーンDの正面を撮影する位置に固定されている。カメラ303は、スクリーンユニットCの固定スクリーンD内側の側面(図8の右面反射部D2)の一方を撮影する位置に固定されている。
制御装置301は、カメラ302、303によって撮影された画像を基に算出した調整量に応じて投影姿勢調整装置304を制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を調整する。このように、制御装置301及び投影姿勢調整装置304は、投影姿勢調整手段を構成する。
投影姿勢調整装置304は、図11及び図15などに示した連結ネジ部2210に対するナット2213の締め度を調整するドライバ305a~305cと、制御装置301の制御によりナット2213を締める方向及び緩める方向にそれぞれドライバ305a~305cを駆動させるサーボモータ等のアクチュエータ306a~306cとを有している。
投影姿勢調整装置304は、制御装置301の制御により、待機位置と、各ドライバ305a~305cによりナット2213を締めたり緩めたりすることができる駆動位置との間で上下に移動できるように構成されている。
制御装置301は、カメラ302、303によって撮影された画像を基に算出した調整量に応じてアクチュエータ306a~306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を調整する。
固定スクリーンDの正面の上部には、図34に示す調整用治具350が設置される。図34において、(a)は、調整用治具350の正面図を示し、(b)は、調整用治具350の側面図を示し、(c)は、調整用治具350の背面図を示している。調整用治具350は、固定スクリーンDの正面を実質的に延長した状態にして、意匠された固定スクリーンDの上端部分が水平面を有する形に整形される。
調整用治具350は、固定スクリーンDの正面の幅と同程度の幅を有する本体351と、本体351の両端に取り付けられた規制ピン352、353と、固定スクリーンDの正面の上部に調整用治具350が設置されたときに固定スクリーンDの正面と同一平面になる表示面を有する表示部材354とを有している。
調整用治具350は、各規制ピン352、353は、固定スクリーンDの正面の上部に調整用治具350が設置されたときに、固定スクリーンDの正面の上端で調整用治具350の位置を規制するピン部材410と、固定スクリーンDの正面の上部を本体351との間で挟むフランジ部材411とを有する。
このように、本体351と規制ピン352、353とは、固定スクリーンDの正面の上端に設置される設置手段を構成する。具体的には、本体351と規制ピン352、353とは、固定スクリーンDの正面の上端に嵌る嵌込手段を構成する。
本実施形態において、調整用治具350は、本体351と規制ピン352、353のフランジ部材411との間に固定スクリーンDが嵌め込まれることで固定スクリーンDに設置されるものとして説明したが、調整用治具350は、他の態様で固定スクリーンDに設置されてもよい。
例えば、固定スクリーンDの上端に規制ピン352、353のフランジ部材411が嵌る溝を形成しておくことにより、調整用治具350が固定スクリーンDに設置されるようにしてもよい。
また、本体351と規制ピン352、353とに代えて、表示部材354の下端の幅方向に凸部を形成し、固定スクリーンDの上端の幅方向に凸部が嵌る凹部を形成しておくことにより、調整用治具350が固定スクリーンDに設置されるようにしてもよい。
表示部材354は、固定スクリーンDの正面の上部に調整用治具350が設置されたときに、プロジェクタ機構B2によって投影された映像の境界が表示されるサイズを有する(図39等参照)。
図33において、プロジェクタ姿勢調整装置300は、制御装置301の制御に応じて前後左右方向及び左右回転方向に移動するステージ310と、制御装置301の制御に応じてプロジェクタカバーB1をプロジェクタ姿勢調整装置300に固定するクランプ機構311とを更に有している。
ステージ310上には、投影ユニットBが取り付けられたスクリーンユニットCがステージ310と連動するように嵌め合わされている。したがって、制御装置301は、ステージ310を制御することで、スクリーンユニットCを前後左右方向及び左右回転方向に移動させることができる。
(Rz軸方向の調整)
制御装置301は、アクチュエータ306b、306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のRz軸方向を調整する。
具体的には、図35に示すように、制御装置301は、カメラ302によって撮影された画像において、固定スクリーンDの正面下L1Aと正面下L1Bとを結んだ正面下端L1の傾きSB_θと、調整用治具350の表示部材354に投影された映像の正面上L2Aと正面上L2Bとを結んだ正面上端L2の傾きAX_θとの誤差Error_Rz_deg(=AX_θ-SB_θ)を算出する。
なお、固定スクリーンDは、水平に設定されているため、正面下端L1の傾きSB_θは、物理的に水平(180°)が保障されている。また、プロジェクタ機構B2が投影された映像をカメラ302によって撮影しているため、プロジェクタ機構B2の姿勢が水平であれば、正面上端L2の傾きAX_θは、水平(180°)となる。したがって、SB_θとAX_θとの間で誤差が発生するということは、プロジェクタ機構B2の姿勢が水平でないことを表す。
制御装置301は、誤差Error_Rz_degが許容範囲内(例えば、誤差角±0.5°)である場合には、プロジェクタ機構B2のRz軸方向が調整されていると判断する。具体的には、制御装置301は、誤差Error_Rz_degが傾き誤差の下限(マイナス誤差)であるSpec_Rz_Lower(例えば、-0.5°)より大きく、傾き誤差の上限(プラス誤差)である上限Spec_Rz_Upper(例えば、+0.5°)より小さい場合には、プロジェクタ機構B2のRz軸方向が調整されていると判断する。なお、制御装置201のハードディスク装置には、Spec_Rz_Lowerの値及びSpec_Rz_Upperの値が予め格納されている。
制御装置301は、誤差Error_Rz_degが許容範囲外である場合には、Rz軸調整処理を実行する。Rz軸調整処理において、制御装置301は、誤差Error_Rz_degが許容範囲内となるように、アクチュエータ306b、306cを制御し、ドライバ305b、305cを駆動させる。
制御装置301のハードディスク装置には、ドライバ305b、305cによって締め量が調整される連結部R2、R3のナット2213に螺結される連結ネジ部2210が通る連結孔2200Aの連結部R2と連結部R3との中心間の距離N_X(図12参照)、各ドライバ305a~305cを1回転させるために必要なパルス数PM_Pulse_Ratioの値(アクチュエータ306a~アクチュエータ306cの分解能により100~10,000Pulse)、及び、連結ネジ部2210及びナット2213のねじ山のピッチ(ねじ山間の距離)Pitchの値(例えば、0.7mm)が予め格納されている。
制御装置301は、算出された傾き誤差Error_Rz_degとハードディスク装置から読み込んだ距離N_X、1回転分のパルス数PM_Pulse_Ratio、ピッチPitchにより、アクチュエータ306b、306cに出力する駆動信号のパルス数PM2_Pulse、PM3_Pulseを以下の式(13)~(14)に基づいてそれぞれ算出する。制御装置301は、アクチュエータ306bにPM2_Pulsのパルスを有する駆動信号を出力し、アクチュエータ306cにPM3_Pulsのパルスを有する駆動信号を出力する。
(Ry軸方向の調整)
制御装置301は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のRy軸方向を調整する。
具体的には、図36に示すように、制御装置301は、カメラ302によって撮影された画像において、調整用映像に含まれる縦線L3と横線L4とがなす角、すなわち、調整用映像に含まれる縦線L3の傾きθyと横線L4の傾きθxとの差分を算出する。
制御装置301は、調整用映像に含まれる縦線L3の傾きθyと横線L4の傾きθxとの差分(=θy-θx)から90度を減じることにより誤差Error_Ry_deg(=(θy-θx)-90)を算出する。
具体的には、プロジェクタ機構B2は、縦線L3と横線L4とがなす角度が90°の調整用映像を投影しているが、プロジェクタ機構B2が固定スクリーンDに対してRy軸方向にずれている場合、横線L4が右下(左上)方向又は左下(右上)方向に傾いた状態になる。
このため、プロジェクタ機構B2が固定スクリーンDに対してRy軸方向にずれている場合、カメラ302によって撮影された調整用映像の縦線L3と横線L4とがなす角度が90°ではなくなるため、誤差Error_Ry_degは、0とならない。
制御装置301は、誤差Error_Ry_degが許容範囲内(例えば、±0.3°)である場合には、プロジェクタ機構B2のRy軸方向が調整されていると判断する。具体的には、制御装置301は、誤差Error_Ry_degが傾き誤差の下限(マイナス誤差)であるSpec_Ry_Lower(例えば、-0.3°)より大きく、傾き誤差の上限(プラス誤差)であるSpec_Ry_Upper(例えば、+0.3°)より小さい場合には、プロジェクタ機構B2のRy軸方向が調整されていると判断する。なお、制御装置201のハードディスク装置には、Spec_Ry_Lowerの値及びSpec_Ry_Upperの値が予め格納されている。
制御装置301は、誤差Error_Ry_degが許容範囲外である場合には、Ry軸調整処理を実行する。Ry軸調整処理において、制御装置301は、誤差Error_Ry_degが許容範囲内となるように、ステージ310を制御する。
制御装置301のハードディスク装置には、誤差Error_Ry_degを許容範囲内にするために、ステージ310に要求する要求回転角Val_Stage_θを算出するための、誤差Error_Ry_degに応じた係数Ry_adj_Ratioの値(又は、表1に示すような係数Ry_adj_Ratioのマップ)が予め格納されている。
制御装置301は、誤差Error_Ry_degに係数Ry_adj_Ratioを乗じることにより、ステージ310に要求する要求回転角Val_Stage_θ(=Error_Ry_deg×Ry_adj_Ratio)を算出する。制御装置301は、ステージ310を回転量Val_Stage_θ分回転させるための駆動信号をステージ310に出力する。
(X軸方向の調整)
制御装置301は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のX軸方向を調整する。
具体的には、図37に示すように、制御装置301は、カメラ302によって撮影された画像において、固定スクリーンDの正面下L1Aと正面下L1Bとを結んだ正面下端L1の中点の座標(SB_X,SB_Y)と、調整用治具350の表示部材354に投影された映像に含まれる縦線L3と横線L4との交点の座標(A_X,A_Y)とからX座標の差分Val_x_Pixel(=A_X-SB_X)を算出する。
このように算出されたX座標の差分Val_x_Pixelがプラスの値(A_XがSB_Xよりも大きい値)であれば、プロジェクタ機構B2の位置は、正面下L1B側にずれていることを示し、X座標の差分Val_x_Pixelがマイナスの値(A_XがSB_Xよりも小さい値)であれば、プロジェクタ機構B2の位置は、正面下L1A側にずれていることを示している。
カメラ302を介して撮影される画像を表すデータは、一般的な画像データとは異なり、制御装置301内の画像処理によりサブピクセル処理が施されることで、1ピクセルの実距離は、0.037mmに換算される。
制御装置301は、1ピクセルあたりの長さを表す変換係数PixelRatio(mm/Pixel)をもって、差分Val_x_Pixel(Pixel)相当分の距離の誤差Error_x_dist(=Val_x_Pixel×PixelRatio)を算出する。
制御装置301は、誤差Error_x_dist(mm)が許容範囲内(例えば、±0.3mm)である場合には、プロジェクタ機構B2のX軸方向が調整されていると判断する。具体的には、制御装置301は、誤差Error_x_distがX軸方向の位置の誤差の下限Spec_X_Lower(例えば、-0.3mm)より大きく、X軸方向の位置の誤差の上限Spec_X_Upper(例えば、+0.3mm)より小さい場合には、プロジェクタ機構B2のX軸方向が調整されていると判断する。なお、制御装置301のハードディスク装置には、PixelRatioの値、Spec_X_Lowerの値及びSpec_X_Upperの値が予め格納されている。
具体的には、PixelRatioの値は、1Pixel当り0.037mmであれば、0.037となる。この1Pixel当りの長さは、プロジェクタ機構B2から投影する画像の解像度と、プロジェクタ機構B2と固定スクリーンDまでの投影距離により算出することができる。
制御装置301は、誤差Error_x_distが許容範囲外である場合には、X軸調整処理を実行する。X軸調整処理において、制御装置301は、誤差Error_x_distが許容範囲内となるように、ステージ310を制御する。制御装置301は、ステージ310をX軸(左右)方向に誤差Error_x_dist分移動させるための駆動信号をステージ310に出力する。
(Rx軸方向の調整)
制御装置301は、アクチュエータ306a~306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のRx軸方向を調整する。
具体的には、図38に示すように、制御装置301は、カメラ302によって撮影された画像において固定スクリーンDの正面下端L1(図35参照)の傾きSB_θと、カメラ303によって撮影された画像において固定スクリーンDの側面(右面反射部D2)に投影された調整用映像に含まれる横線L4の傾きθx2との差分Val_Rx_deg(=θx2-SB_θ)を算出する。
制御装置301のハードディスク装置には、調整基準用スクリーンユニットCを用いて実測して得られた最適値Target_Rxの値(例えば、34.4°)が格納されている。制御装置301は、差分Val_Rx_degと最適値Target_Rxとの差分から誤差Error_Rx_deg(=Val_Rx_deg-Target_Rx)を算出する。
制御装置301は、誤差Error_Rx_degが許容範囲内(例えば、34.2°~34.6°)である場合には、プロジェクタ機構B2のRx軸方向が調整されていると判断する。具体的には、制御装置301は、誤差Error_Rx_degが傾き角の誤差の下限Spec_Rx_Lowerより大きく、傾き角の誤差の上限Spec_Rx_Upperより小さい場合には、プロジェクタ機構B2のRx軸方向が調整されていると判断する。なお、制御装置301のハードディスク装置には、Spec_Rx_Lowerの値(例えば、34.2°)及びSpec_Rx_Upperの値(例えば、34.6°)が予め格納されている。
制御装置301は、誤差Error_Rx_degが許容範囲外である場合には、Rx軸調整処理を実行する。Rx軸調整処理において、制御装置301は、誤差Error_Rx_degが許容範囲内となるように、誤差の角度に応じてアクチュエータ306a~306cを制御し、ドライバ305a~305cを駆動させる。
制御装置301のハードディスク装置には、誤差Error_Rx_degを許容範囲内にする投影姿勢調整装置304におけるRx軸の調整角Adj_Rx_Degを算出するために誤差Error_Rx_degに応じた係数Rx_adj_Ratioの値(又は、表2に示すような変換係数Rx_adj_Ratioのマップ)が予め格納されている。例えば、表2において、差分Val_Rx_degの値が33.98の場合、係数Rx_adj_Ratioは、-0.90が選択される。
制御装置301は、誤差Error_Rx_degに変換係数Rx_adj_Ratioを乗じることにより、Rx軸の調整角Adj_Rx_Deg(=Error_Rx_deg×Rx_adj_Ratio)を算出する。
制御装置301のハードディスク装置には、ドライバ305bによって締め量が調整される連結部R2のナット2213及びドライバ305cによって締め量が調整される連結部R3のナット2213にそれぞれ螺結される連結ネジ部2210が通る連結孔2200Aの中心を結ぶ線分と、ドライバ305aによって締め量が調整される連結部R1のナット2213に螺結される連結ネジ部2210が通る連結孔2200Aの中心との距離N_Y(図12参照)の値が予め格納されている。
制御装置301は、アクチュエータ306a~306cに出力する駆動信号のパルス数PM1_Pulse~PM3_Pulseを以下の式(15)~(17)に基づいてそれぞれ算出する。制御装置301は、アクチュエータ306aにPM1_Pulseのパルスを有する駆動信号を出力し、アクチュエータ306bにPM2_Pulseのパルスを有する駆動信号を出力し、アクチュエータ306cにPM3_Pulseのパルスを有する駆動信号をそれぞれ出力する。
(Y軸方向の調整)
制御装置301は、アクチュエータ306a~306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のY軸方向を調整する。
具体的には、図39に示すように、制御装置301は、カメラ302によって撮影された画像において、固定スクリーンDの正面下1Aと正面下L1Bとを結ぶ正面下端L1の中点である座標(SB_X,SB_Y)から、固定スクリーンDの正面下端に対する垂直2等分線L5の調整用治具350の表示部材354に投影された映像の上端である座標(C_X,C_Y)までの距離Val_y_Pixelを算出する。
制御装置301は、カメラ302によって撮影された画像において、固定スクリーンDの正面下端の中点のY座標SB_Yを距離A_Yから減じることにより、距離Val_y_Pixel(=C_Y-SB_Y)を算出する。
制御装置301のハードディスク装置には、調整基準用スクリーンユニットCを用いて実測して得られた最適値Target_Yの値(Pixel)が格納されている。制御装置301は、距離Val_y_Pixelと最適値Target_Yとの差分から誤差Error_y_Pixel(=Val_y_Pixel-Target_Y)を算出する。制御装置301は、変換係数PixelRatio(mm/Pixel)をもって、差分Val_y_Pixel相当分の距離の誤差Error_y_dist(=Val_y_Pixel×PixelRatio)を算出する。
具体的には、最適値Target_Yの値が1200Pixelで、距離Val_y_Pixelの値が1250Pixelであった場合、最適値Target_Yの値に対する距離Val_y_Pixelの値の誤差は、50Pixelとなり、変換係数PixelRatioの値が0.037とすれば、誤差Error_y_distの値は、1.85mmとなる。
制御装置301は、誤差Error_y_distが許容範囲内(例えば、±1.0mm)である場合には、プロジェクタ機構B2のY軸方向が調整されていると判断する。具体的には、制御装置301は、誤差Error_y_distがY軸方向の位置の誤差の下限Spec_Y_Lower(例えば、-1mm)より大きく、Y軸方向の位置の誤差の上限Spec_Y_Upper(例えば、+1mm)より小さい場合には、プロジェクタ機構B2のY軸方向が調整されていると判断する。なお、制御装置301のハードディスク装置には、Spec_Y_Lowerの値及びSpec_Y_Upperの値が予め格納されている。
制御装置301は、誤差Error_y_distが許容範囲外である場合には、Y軸調整処理を実行する。Y軸調整処理において、制御装置301は、距離Error_y_distが許容範囲内となるように、アクチュエータ306a~306cを制御し、ドライバ305a~305cを駆動させる。
制御装置301は、アクチュエータ306a~306cに出力する駆動信号のパルス数PM1_Pulse~PM3_Pulseを以下の式(18)に基づいて算出する。なお、PM2_Puls及びPM3_Pulsは、PM1_Pulsと同じ値になるため、制御装置301は、PM1_Pulsの値をPM2_Puls及びPM3_Pulsにそれぞれ代入する。
制御装置301は、アクチュエータ306aにPM1_Pulseのパルスを有する駆動信号を出力し、アクチュエータ306bにPM2_Pulseのパルスを有する駆動信号を出力し、アクチュエータ306cにPM3_Pulseのパルスを有する駆動信号を出力する。
(Z軸方向の調整)
制御装置301は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のZ軸方向を調整する。
具体的には、図40に示すように、制御装置301は、カメラ302によって撮影された画像において、固定スクリーンDの正面下端の中点のY座標SB_Yと、調整用治具350の表示部材354に投影された映像に含まれる縦線L3と横線L4との交点のY座標A_Yとの差分Val_z_Pixel(=A_Y-SB_Y)を算出する。
制御装置301のハードディスク装置には、調整基準用スクリーンユニットCを用いて実測して得られた最適値Target_Zの値(例えば、1280Pixel)が格納されている。制御装置301は、差分Val_z_Pixelと最適値Target_Zとの差分から誤差Error_z_Pixel(=Val_z_Pixel×PixelRatio)を算出する。
制御装置301は、誤差Error_z_dist(mm)が許容範囲内(例えば、±0.2mm)である場合には、プロジェクタ機構B2のZ軸方向が調整されていると判断する。具体的には、制御装置301は、誤差Error_z_distがZ軸方向の位置の誤差の下限Spec_Z_Lower(例えば、-0.2mm)より大きく、Z軸方向の位置の誤差の上限Spec_Z_Upper(例えば、+0.2mm)より小さい場合には、プロジェクタ機構B2のZ軸方向が調整されていると判断する。なお、制御装置301のハードディスク装置には、Spec_Z_Lowerの値及びSpec_Z_Upperの値が予め格納されている。
制御装置301は、誤差Error_z_distが許容範囲外である場合には、Z軸調整処理を実行する。Z軸調整処理において、制御装置301は、誤差Error_z_distが許容範囲内となるように、ステージ310を制御する。
制御装置301のハードディスク装置には、誤差Error_z_distを許容範囲内にするために、ステージ310に要求する要求移動量Val_z_distを算出するための差分Val_z_distに応じた係数Z_adj_Ratioの値(又は、表3に示すような係数Z_adj_Ratioのマップ)が予め格納されている。なお、画像処理で扱われる座標では、例えば、A_Yは略2560、SB_Yは略3840となるため、算出されるVal_z_Pixelはマイナスの値となる。
制御装置301は、誤差Error_z_distに係数Z_adj_Ratioを乗じることにより、ステージ310に要求する要求移動量Val_Stage_Y_dist(=Error_z_dist×Z_adj_Ratio)を算出するようになっている。制御装置301は、要求移動量Val_Stage_Y_distを表す駆動信号をステージ310に出力する。
以上のように構成された本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300によるプロジェクタ姿勢調整動作について図41を参照して説明する。
なお、以下に説明するプロジェクタ姿勢調整動作を実行するあたって、プロジェクタ機構B2は、プロジェクタカバーB1に仮止めされ、プロジェクタカバーB1は、クランプ機構311によって固定されるとともに、投影ユニットBに仮止めされた状態になっている。また、スクリーンユニットCは、ステージ310上に嵌め合わされた状態になっている。
プロジェクタ姿勢調整動作は、制御装置301の入力装置に入力された実行指示に基づいて開始される。
まず、制御装置301は、投影姿勢調整装置304を待機位置から駆動位置まで移動させる(S70)。次に、制御装置301は、投影姿勢調整装置304の各ドライバ305a~305cによりナット2213を締める締め動作とナット2213を緩める緩め動作とを実行する(S71)。
この締め動作と緩め動作とを実行することにより、制御装置301は、各ドライバ305a~305cがナット2213に嵌まったか否かを確認するとともに、各ドライバ305a~305cとナット2213とが密着すること(所謂、ドライバの噛み込み)を防止する。
次に、制御装置301は、プロジェクタ機構B2のEEPROM231に格納された焦点距離のうち固定スクリーンDに対応する焦点距離Aをプロジェクタ機構B2に設定する(S72)。
次に、制御装置301は、プロジェクタ機構B2に調整用映像を投影させる(S73)。次に、制御装置301は、アクチュエータ306b、306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のRz軸方向を調整するRz軸調整処理を実行する(S74)。
次に、制御装置301は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のRy軸方向を調整するRy軸調整処理を実行する(S75)。次に、制御装置301は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のX軸方向を調整するX軸調整処理を実行する(S76)。
次に、制御装置301は、アクチュエータ306b、306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のRz軸方向を再度調整するRz軸調整処理を実行する(S77)。
次に、制御装置301は、アクチュエータ306a~306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のRx軸方向を調整するRx軸調整処理を実行する(S78)。
次に、制御装置301は、アクチュエータ306a~306cを制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のY軸方向を調整するY軸調整処理を実行する(S79)。次に、制御装置301は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のZ軸方向を調整するZ軸調整処理を実行する(S80)。
次に、制御装置301は、プロジェクタ機構B2の6軸方向が全て調整されたか否かを判断する(S81)。すなわち、制御装置301は、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のRz軸方向の誤差(Rz軸調整処理で算出される誤差Error_Rz_degの値)、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のRy軸方向の誤差(Ry軸調整処理で算出される誤差Error_Ry_degの値)、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のX軸方向の誤差(X軸調整処理で算出される誤差Error_x_distの値)、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のRx軸方向の誤差(Rx軸調整処理で算出される誤差Error_Rx_degの値)、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2のY軸方向の誤差(Y軸調整処理で算出される誤差Error_y_distの値)及びスクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のZ軸方向の誤差(Z軸調整処理で算出される誤差Error_z_distの値)が各許容範囲内であるか否かを判断する。
プロジェクタ機構B2のいずれかの軸方向が調整されていないと判断した場合には(NO)、制御装置301は、プロジェクタ姿勢調整動作をステップS72に戻す。プロジェクタ機構B2の6軸方向が全て調整されたと判断した場合には(YES)、制御装置301は、投影姿勢調整装置304を駆動位置から待機位置まで上昇させる(S82)。
次に、制御装置301は、投影姿勢調整装置304を駆動位置から待機位置まで上昇させた際の衝撃等の影響を受けずに、プロジェクタ機構B2の6軸方向の調整が全て正常に完了した(調整後の最終確認が正常)か否かを判断する(S83)。プロジェクタ機構B2の6軸方向の調整が全て正常に完了したと判断した場合には(YES)、制御装置301は、プロジェクタ姿勢調整動作を終了する。
プロジェクタ機構B2のいずれかの軸方向の調整が正常に完了していない(調整後の最終確認が異常)と判断した場合には(NO)、制御装置301は、プロジェクタ姿勢調整動作をステップS70に戻す。
上述したプロジェクタ姿勢調整動作が終了した場合には、制御装置301は、クランプ機構311を制御し、プロジェクタカバーB1を解放し、プロジェクタ姿勢調整動作が完了した旨を報知する。プロジェクタ姿勢調整動作が完了した旨の報知は、制御装置301に接続されるランプなどの図示しない表示装置及びブザーなどの図示しない音声出力装置などによって行われる。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300は、予め計測された各種最適値と、カメラ302、303によって撮影されたスクリーンユニットC及び調整用映像の画像とを基に算出した調整量に応じてプロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を調整するため、プロジェクタ機構B2の姿勢の精度を確保することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300は、カメラ302、303によって撮影されたスクリーンユニットC及び調整用映像の映像を基に算出した調整量に応じて、上側台座B220と下側台座B221との間隔を各連結部R1,R2,R3で調整するため、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を高精細に調整することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300は、連結ネジ部2210に対するナット2213の締め量を調整することにより上側台座B220と下側台座B221との間隔を各連結部R1,R2,R3で調整する前に、ナット2213を緩める緩め動作と、ナット2213を締める締め動作とを実行するため、投影姿勢調整装置304の各ドライバ305a~305cとナット2213とが密着することを防止する。したがって、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300は、プロジェクタ機構B2の姿勢の精度を確保することができる。
また、本発明の第1実施形態に係る調整用治具350は、固定スクリーンDが嵌められたときに、固定スクリーンDの表示面を実質的に延長した状態にすることができる。したがって、本発明の第1実施形態に係る調整用治具350は、固定スクリーンDの表示面の幅や高さを相対的に長くすることができる。
すなわち、本発明の第1実施形態に係る調整用治具350は、プロジェクタ機構B2の姿勢のずれを固定スクリーンDに投影された映像に十分に反映させることができるため、プロジェクタ機構B2の姿勢の調整精度を向上させることができる。
また、本発明の第1実施形態に係る調整用治具350において、表示部材354は、固定スクリーンDの正面の上部に調整用治具350が嵌められたときに、プロジェクタ機構B2によって投影された映像の境界が表示されるサイズを有するため、表示部材354に投影された映像の境界線(例えば、L2)と、表示部材354に対するスクリーンの対辺(例えば、L1)との距離を十分に長くすることかでき、プロジェクタ機構B2の姿勢の調整精度、特に、プロジェクタ機構B2の傾きの調整精度を向上させることができる。
<プロジェクタ位置調整工程P4>
プロジェクタ位置調整工程P4では、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2の位置がプロジェクタ位置調整装置400によって調整される。
本実施形態において、プロジェクタ位置調整工程P4は、投影ユニットBがスクリーンユニットCに固定され、かつ、プロジェクタカバーB1にプロジェクタ機構B2が仮止め固定された状態で実行される。
図42に示すように、プロジェクタ位置調整装置400は、プロジェクタ機構B2に投影させる調整用映像をプロジェクタ機構B2に出力する調整用映像出力手段を構成する制御装置401と、プロジェクタ機構B2によって調整用映像が投影されたスクリーンユニットCを撮影する撮影手段を構成するカメラ402と、スクリーンユニットCを保持するスクリーンクランプ機構403と、投影ユニットBを固定する投影クランプ機構404と、スクリーンクランプ機構403を移動させるスクリーン移動機構405と、スクリーンユニットCをプロジェクタ機構B2に固定するスクリーンユニット固定装置406とを有している。
制御装置401は、ミラー調整装置100の制御装置103と同様な汎用的なコンピュータ装置によって構成される。すなわち、コンピュータ装置において、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置401として機能する。制御装置401のハードディスク装置には、プログラムや各種パラメータの他に、調整用映像のデータが格納されている。
カメラ402は、スクリーンユニットCの固定スクリーンDの正面を撮影する位置に固定されている。すなわち、カメラ402は、プロジェクタ姿勢調整装置300のカメラ302と同一である。
スクリーンクランプ機構403は、制御装置401の制御により、スクリーンユニットCを固定するように構成されている。投影クランプ機構404は、制御装置401の制御により、待機位置と、投影ユニットBを固定する固定位置との間で移動できるように構成されている。
スクリーン移動機構405は、制御装置401の制御により、スクリーンクランプ機構403を前後方向、左右方向及びロール方向に水平移動させることができる。すなわち、スクリーン移動機構405は、制御装置401の制御により、スクリーンユニットCを前後方向、左右方向及びロール方向に水平移動させることができる。
スクリーンユニット固定装置406は、取付ネジT(図13参照)を締め付ける複数のドライバ407と、制御装置401の制御により複数のドライバ407を駆動させる複数のアクチュエータ408とを有している。
スクリーンユニット固定装置406は、制御装置401の制御により、待機位置と、各ドライバ407により取付ネジTを締めたり緩めたりすることができる駆動位置との間で移動できるように構成されている。
制御装置401は、カメラ402によって撮影された画像を基に算出した調整量に応じてスクリーン移動機構405を制御することにより、投影ユニットBすなわちプロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCの相対的な位置を調整する。このように、制御装置401及びスクリーン移動機構405は、スクリーン位置調整手段を構成する。
(Ry軸方向の調整)
制御装置401は、スクリーン移動機構405を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のRy軸方向を調整する。制御装置401によるRy軸方向の調整は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のRy軸方向を調整するプロジェクタ姿勢調整装置300の制御装置301によるRy軸方向の調整と同様である。
すなわち、制御装置401によるRy軸方向の調整は、プロジェクタ姿勢調整装置300の制御装置301によるRy軸方向の調整に対して、ステージ310に要求する要求回転角Val_Stage_θを算出するための係数Ry_adj_Ratio(又は、係数Ry_adj_Ratioのマップ)をスクリーン移動機構405に要求する要求回転角を算出するための係数(又は、係数のマップ)に代え、制御対象をステージ310からスクリーン移動機構405に代えることにより実現できる。このため、制御装置401によるRy軸方向の調整についての説明は、省略する。
(X軸方向の調整)
制御装置401は、スクリーン移動機構405を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のX軸方向を調整する。制御装置401によるX軸方向の調整は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のX軸方向を調整するプロジェクタ姿勢調整装置300の制御装置301によるRy軸方向の調整と同様である。
すなわち、制御装置401によるX軸方向の調整は、プロジェクタ姿勢調整装置300の制御装置301によるX軸方向の調整に対して、制御対象をステージ310からスクリーン移動機構405に代えることにより実現できる。このため、制御装置401によるX軸方向の調整についての説明は、省略する。
(Z軸方向の調整)
制御装置401は、スクリーン移動機構405を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のZ方向を調整する。制御装置401によるRy軸方向の調整は、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のZ方向を調整するプロジェクタ姿勢調整装置300の制御装置301によるZ軸方向の調整と同様である。
すなわち、制御装置401によるZ軸方向の調整は、プロジェクタ姿勢調整装置300の制御装置301によるZ軸方向の調整に対して、ステージ310に要求する要求移動量Val_Stage_Y_distを算出するための係数Z_adj_Ratio(又は、係数Z_adj_Ratioのマップ)をスクリーン移動機構405に要求する要求回転角を算出するための係数(又は、係数のマップ)に代え、制御対象をステージ310からスクリーン移動機構405に代えることにより実現できる。このため、制御装置401によるZ軸方向の調整についての説明は、省略する。
以上のように構成された本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ位置調整装置400によるプロジェクタ位置調整動作について図43を参照して説明する。
なお、以下に説明するプロジェクタ位置調整動作を実行するあたって、プロジェクタ機構B2の姿勢が調整された投影ユニットBは、スクリーン装置Cに仮止めされた状態になっている。また、スクリーンユニットCは、スクリーンクランプ機構403に固定された状態になっている。
プロジェクタ位置調整動作は、制御装置401の入力装置に入力された実行指示に基づいて開始される。
まず、制御装置401は、投影クランプ機構404を制御し、投影ユニットBを固定させる(S90)。具体的には、制御装置401は、投影クランプ機構404を待機位置から固定位置まで移動させ、投影ユニットBを固定させる。
次に、制御装置401は、スクリーンユニット固定装置406を駆動位置まで移動させる(S91)。次に、制御装置401は、スクリーンユニット固定装置406の各ドライバ407により取付ネジTを締める締め動作と取付ネジTを緩める緩め動作とを実行する(S92)。
この締め動作と緩め動作とを実行することにより、制御装置401は、各ドライバ407が取付ネジTに嵌まったか否かを確認するとともに、各ドライバ407がナット2213とが密着すること(所謂、ドライバの噛み込み)を防止する。
次に、制御装置401は、プロジェクタ機構B2のEEPROM231に格納された焦点距離のうち固定スクリーンDに対応する焦点距離Aをプロジェクタ機構B2に設定する(S93)。
次に、制御装置401は、プロジェクタ機構B2に調整用映像を投影させる(S94)。次に、制御装置401は、スクリーン移動機構405を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のZ軸方向を調整するZ軸調整処理を実行する(S95)。
次に、制御装置401は、スクリーン移動機構405を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のRy軸方向を調整するRy軸調整処理を実行する(S96)。次に、制御装置401は、スクリーン移動機構405を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のX軸方向を調整するX軸調整処理を実行する(S97)。
次に、制御装置401は、プロジェクタ機構B2のZ軸方向、Ry軸方向及びX軸方向の3軸方向の全てが調整されたか否かを判断する(S98)。すなわち、制御装置401は、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のZ軸方向の誤差、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のRy軸方向の誤差及びスクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2のX軸方向の誤差が各許容範囲内であるか否かを判断する。
プロジェクタ機構B2の3軸方向のいずれかの軸方向が調整されていないと判断した場合には(NO)、制御装置401は、プロジェクタ位置調整動作をステップS95に戻す。プロジェクタ機構B2の3軸方向が全て調整されたと判断した場合には(YES)、制御装置401は、スクリーンユニット固定装置406の各ドライバ407により取付ネジTを締め付ける(S99)。このように、制御装置401とスクリーンユニット固定装置406とは、スクリーン装置固定手段を構成する。
次に、制御装置401は、スクリーンユニット固定装置406を駆動位置から待機位置まで移動させる(S100)。次に、制御装置401は、投影クランプ機構404を制御し、投影ユニットBを解放させる(S101)。
次に、制御装置401は、スクリーンユニット固定装置406を駆動位置から待機位置まで上昇させた際の衝撃等の影響を受けずに、プロジェクタ機構B2のZ軸方向、Ry軸方向及びX軸方向の3軸方向の調整が全て正常に完了した(調整後の最終確認が正常)か否かを判断する(S102)。プロジェクタ機構B2の3軸方向の調整が全て正常に完了したと判断した場合には(YES)、制御装置401は、プロジェクタ位置調整動作を終了する。
プロジェクタ機構B2の3軸方向のいずれかの軸方向の調整が正常に完了していない(調整後の最終確認が異常)と判断した場合には(NO)、制御装置401は、スクリーンユニット固定装置406を待機位置から駆動位置まで移動させる(S103)。
次に、制御装置401は、スクリーンユニット固定装置406の各ドライバ407により取付ネジTを緩める(S104)。次に、制御装置401は、投影クランプ機構404を制御し、投影ユニットBを固定させ(S105)、プロジェクタ位置調整動作をステップS94に戻す。
上述したプロジェクタ位置調整動作が終了した場合には、制御装置401は、投影ユニットBをスクリーンクランプ機構403から解放し、プロジェクタ位置調整動作が完了した旨を報知する。プロジェクタ位置調整動作が完了した旨の報知は、制御装置301に接続されるランプなどの表示装置及びブザーなどの音声出力装置などによって行われる。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ位置調整装置400は、カメラ402によって撮影されたスクリーンユニットC及び調整用映像の画像を基に算出した調整量に応じてプロジェクタ機構B2とスクリーン装置Cとの相対的な位置を調整するため、プロジェクタ機構B2の位置の精度を確保することができる。
なお、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ位置調整装置400は、スクリーン移動機構405を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2の位置を調整する例について説明した。
これに対し、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ位置調整装置400は、スクリーン移動機構405に代えて、プロジェクタ姿勢調整装置300と同様にステージ310を設け、ステージ310を制御することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2の位置を調整するようにしてもよい。
同様に、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300は、ステージ310に代えて、プロジェクタ位置調整装置400と同様にスクリーン移動機構405を設け、スクリーン移動機構405を制御することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を調整するようにしてもよい。
また、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300は、プロジェクタカバーB1を固定してプロジェクタ機構B2の姿勢を調整することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を調整するものとして説明した。
これに対し、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置300は、プロジェクタ機構B2を固定してプロジェクタカバーB1の姿勢を調整することにより、プロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の姿勢を調整するようにしてもよい。
また、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ位置調整装置400は、プロジェクタ機構B2を固定してスクリーンユニットCの位置を調整することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2の位置を調整するものとして説明した。
これに対し、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ位置調整装置400は、スクリーンユニットCを固定してプロジェクタ機構B2の位置を調整することにより、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2の位置を調整するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、ミラー調整装置100、フォーカス調整装置200、プロジェクタ姿勢調整装置300及びプロジェクタ位置調整装置400について個別に説明したが、ミラー調整装置100、フォーカス調整装置200、プロジェクタ姿勢調整装置300及びプロジェクタ位置調整装置400は、任意に組み合わせて一体に構成してもよい。
また、本実施形態においては、図20に示したように、ミラー調整工程P1、フォーカス調整工程P2、プロジェクタ姿勢調整工程P3、プロジェクタ位置調整工程P4の順序で実行する例について説明したが、ミラー調整工程P1、フォーカス調整工程P2、プロジェクタ姿勢調整工程P3、プロジェクタ位置調整工程P4の実行順序を任意に変更してもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態における説明が第2実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<上側台座B220及び下側台座B221>
本実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221は、第1実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221とは異なる構成を有している。
図44は、上側台座及び下側台座の斜視図である。図45は、上側台座及び下側台座の平面図である。図46は、上側台座及び下側台座を斜め前方から見た図である。図47は、上側台座及び下側台座を斜め後方から見た図である。図48は、プロジェクタ機構の内部構成要素を収容するケースの斜視図である。図49は、下側台座にケースを取り付けた状態を示す斜視図である。
図44及び図45に示すように、上側台座B220は、平面視矩形状の板金部材に矩形状の開口を設けた形状を有している。図45に示すように、開口は、辺A、辺B、辺C、及び、辺Dに囲まれた略長方形の形状に形成されている。
上側台座B220の右側部分及び左側部分には、それぞれ、角孔2201cが設けられている。角孔2201cは、上側台座B220を中継板B300(図52参照)にネジ締結によって固定するための孔である。第1実施形態と同様に、角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジTのネジ軸径よりも大きくなっている。なお、図には、上側台座B220を中継板B300に固定する際に使用される固定プレートB321も示されている。
上側台座B220には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。第1実施形態と同様に、3つの連結孔2200Aは、上側台座B220に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
下側台座B221は、矩形状の本体部B221a、本体部B221aと段差を有して前方に延出する右側部B221b及び左側部B221c、並びに、本体部B221aと段差を有して後方に延出する後端部B221dを備える板金部材である。
図46に示すように、右側部B221bは、本体部B221aの前端右側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。左側部B221cは、本体部B221aの前端左側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。図47に示すように、後端部B221dは、本体部B221aの後端を下方に折り曲げるとともに、下方に折り曲げられた部分の一部を外方に折り曲げることで形成されている。右側部B221bと左側部B221cと後端部B221dとは、同一平面上に位置付けられるように形成されている。
右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dには、それぞれ、上側台座B220の3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように連結ネジ部2210が一体形成されている。第1実施形態と同様に、3つの連結ネジ部2210も、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dに沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
第1実施形態と同様に、上側台座B220と下側台座B221とは、3つの連結孔2200A及び3つの連結ネジ部2210に対応する3箇所の連結部のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。3箇所の連結部は、それぞれ、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及び、ナット2213により構成される(図15参照)。
図44に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214が設けられている。ケースB22としては、第1実施形態と同様の構成のものを採用することが可能であるが、本実施形態では、図48に示すように、直方体の箱形形状を有するケースB22を採用している。
第1実施形態と同様に、ケースB22には、プロジェクタ機構B2の内部構成要素であるレンズユニットB21(図10参照)、LED基板、DMD基板、ヒートシンク、吸気用ファン等が収容されている。ケースB22の下面には、プロジェクタ制御基板B23(図10参照)が固定されている。
ケースB22の前面に設けられた前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222(図10参照)が取り付けられる。レンズユニットB21は、レンズユニットカバーB222で投射レンズ210(図10参照)が覆われた状態で、ケースB22に収容されている。
また、図示しないが、ケースB22には、左右方向における中央よりも左寄りの箇所(下側台座B221に取り付けた状態(図49参照)における左側部B221cの右端付近)に、2つの吸気用ファン244A・244Bが前後に並ぶように配設されている。2つの吸気用ファン244A・244Bの左側には、ヒートシンクが設けられている。
また、ケースB22の右側面には、吸気口B22Aが設けられており(図48参照)、ケースB22の左側面には、排気口B22Eが設けられている(図49参照)。これにより、ケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244A・244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンクから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。
図49に示すように、ケースB22は、下側台座B221に対してネジ締結により取り付けられて、その上端面(図48に示す上壁部B22F)が下側台座B221の本体部B221aの内側面に当接している。また、上側台座B220と下側台座B221とが連結された状態において、下側台座B221の本体部B221aは、上側台座B220よりも上方に位置している。これにより、ケースB22の上壁部B22Fも、上側台座B220よりも上方に位置付けられることになる。
この点、第1実施形態では、ケースB22の上端が下側台座B221に取り付けられており、上側台座B220は、それよりも上方に配置されていた。そのため、上側台座B220と下側台座B221との間に形成された空間内(図14において矢印Sで示す間隙部分)にケースB22を配置することができなかった。
これに対し、本実施形態では、上側台座B220に開口を形成し、ケースB22の上端(上壁部B22F)が当該開口を上方に挿通するようにケースB22を配置することにより、ケースB22の上端(上壁部B22F)を上側台座B220よりも上方に位置付けることができるようになっている。これにより、図14において矢印Sで示す間隙部分を、ケースB22を配置するためのスペースとして利用することが可能となっている。
なお、このように、第1実施形態と比較して、上側台座B220に対するケースB22(プロジェクタ機構B2)の相対的な位置を上方に移動させたことにより、ケースB22の前面に設けられた前部開口B22k(図48参照)の前方に、上側台座B220の一部が配置されることになる(図49参照)。すなわち、当該上側台座B220の一部が、前部開口B22kに対応するように設置された投射レンズ210(図10参照)の前方に配置された状態となる。これにより、投射レンズ210から出射された光が上側台座B220によって遮られるようにも思われる。
しかしながら、このようにして照射光が遮られることはない。すなわち、本実施形態において、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射される。換言すれば、照射光の出射に際しては、投射レンズ210の下半分(投射レンズ210の上下方向における中央部を通る水平面よりも下側の部分)だけが使用される。このような投射レンズ210における光の出射位置は、従来公知のプロジェクタ(例えば、特開2008-058875号公報参照)とは異なっている。
このように、本実施形態では、照射光の出射に際して、投射レンズ210の上半分が使用されず、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射されるところ、図49のように投射レンズ210の前方に配置された上側台座B220は、投射レンズ210の光軸よりも上方に存在する。従って、投射レンズ210から出射された光の進路は、上側台座B220よりも下方となり、上側台座B220によって照射光が遮られることはない。
また、下側台座B221を下方に折り曲げて、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dを形成することで、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dそれぞれの上方に上側台座B220が配置されるように、上側台座B220と下側台座B221とを連結することができる。これにより、上側台座B220及び下側台座B221の構成を第1実施形態から変更しつつも、3箇所の連結部の構成については、第1実施形態と同様の構成を採用することができる。
また、本実施形態では、ケースB22が上壁部B22Fを有することとして説明しているが、第1実施形態のように、上側が開放されたケースB22(図10参照)を使用することとしてもよい。また、ケースB22の下側台座B221への取付方法としては、特に限定されず、第1実施形態のように、ステーB223a(図10参照)を用いることにより、ケースB22を下側台座B221に取り付けることとしてもよい。
以上で説明したように、本実施形態では、ケースB22の一部を上側台座B220よりも上方に配置することにより、第1実施形態と比較してケースB22を上方に移動させることが可能であり、ケースB22の下方領域に新たな空間を作り出すことができる。このような効果は、上側台座B220の構成を第1実施形態から変更したことにより得られるものであり、プロジェクタカバーB1については、第1実施形態と同様の構成を採用することができる。
もっとも、本実施形態では、他の効果も勘案して、第1実施形態とは異なる構成を有するプロジェクタカバーB1を採用している。以下、本実施形態に係るプロジェクタカバーB1について説明する。
<プロジェクタカバーB1>
図50は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態を示す斜視図である。図51は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの平面図である。図52は、図51に示すプロジェクタカバーの矢視L-Lに沿う断面図と、プロジェクタカバーに取り付けられる中継板の斜視図とを分解して示す図である。図53は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーを斜め上方から見た図である。図54は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの正面図である。図55は、図54に示すプロジェクタカバーの矢視M-Mに沿う断面図である。
図50に示すように、プロジェクタカバーB1は、その内部において、中継板取付部B301を有している。中継板取付部B301は、左右の側壁部B13・B13それぞれの内側面から内側に突出するように形成されている。中継板取付部B301は、段差を有するように形成されており、前方及び後方に形成された中継板取付面B301aと、中継板取付面B301aよりも上方に形成された位置調整面B301dと、前方及び後方それぞれの中継板取付面B301aと位置調整面B301dとを接続する接続部B301eとを有している。
中継板取付面B301aには、取付用孔B301bが形成されている。また、位置調整面B301dには、位置調整用孔B301cが形成されている。第1実施形態と同様に、取付用孔B301bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付けるためのネジ孔である。位置調整用孔B301cは、中継板B300を中継板取付部B301に取り付けた際に上側台座B220の角孔2201c(図44参照)と対向するような位置に形成されている。
図52に示すように、中継板B300は、本体部B300A、本体部B300Aと段差を有して前方に延出する前側部B300B、及び、本体部B300Aと段差を有して後方に延出する後側部B300Cを備える。前側部B300Bは、本体部B300Aの前端を下方及び前方に折り曲げることで形成されている。後側部B300Cは、本体部B300Aの後端を下方及び後方に折り曲げることで形成されている。このように、中継板B300の形状は、プロジェクタカバーB1の中継板取付部B301に設けられた段差に対応した形状となっている。
本体部B300Aには、第1貫通孔B300aが形成されている。前側部B300B及び後側部B300Cには、それぞれ、第2貫通孔B300bが形成されている。第1実施形態と同様に、第1貫通孔B300aは、中継板B300を上側台座B220に取り付ける際にキャップボルトB320(図17参照)が挿通する孔である。一方、第2貫通孔B300bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付ける際にネジが挿通する孔である。
また、図50に示すように、プロジェクタカバーB1の前方における左右両側には、上側が開放した開口B400が設けられている。開口B400は、上面視における形状が辺E~J(図51参照)により構成される六角形に近似する形状となっている。
図53に示すように、辺E~Jを上端として、各辺からそれぞれ下方に向けて連続する壁面(壁面B401e、壁面B401f、壁面B401g、壁面B401h、壁面B401i、及び、壁面B401j)が形成されている。辺Jから連続して形成される壁面B401j(図50参照)は、その他の壁面B401e~B401iと比較して、上下方向の長さが短くなっている。なお、辺Eから連続して形成される壁面B401eは、プロジェクタカバーB1の内側において後方まで連続しており、プロジェクタカバーB1の内側面B403(図55参照)の一部となっている。
また、図52に示すように、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方には空洞B402が形成されている。
図55は、接続部B301eを通る水平面(中継板取付面B301aよりも上方であって、位置調整面B301dよりも下方を通る面)で切断したときの断面図である。
図55に示すように、プロジェクタカバーB1の上側に向けて開放した開口B400と、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方に形成された空洞B402とが、プロジェクタカバーB1の内部において連通している。
[パチスロ機の調整]
次に、本発明の第2実施形態に係るパチスロ機1の製造時の調整について、図56~図69を参照して説明する。図56に示すように、本発明の第2実施形態に係るパチスロ機1の製造時の調整としては、ミラー調整工程P11と、第1ミラー固定工程P12と、フォーカス調整工程P13と、プロジェクタ姿勢調整工程P14と、プロジェクタ位置調整工程P15と、第2ミラー固定工程P16とがある。
なお、図56においては、発明を理解しやすくするために、各工程P11~P16を1つずつ実行する例について示したが、例えば、ミラー調整工程P11及び第1ミラー固定工程P12との一連の工程と、フォーカス調整工程P13及びプロジェクタ姿勢調整工程P14との一連の工程とは、並行し実行することができる。
また、以下の説明においては、各工程P11~P16に応じた製造装置を用いる例について説明するが、複数の工程に対して1つの製造装置を用いてもよい。また、自動搬送機構を用いて製造対象物を搬送することにより、複数の製造装置で1つの製造装置を構成してもよい。
<ミラー調整工程P11>
ミラー調整工程P11は、本発明の第1実施形態におけるミラー調整工程P1と同一である。すなわち、本実施形態におけるミラー調整工程P11は、図21に示したミラー調整装置100を用いて、図23に示したミラー調整動作にしたがって実行される。
<第1ミラー固定工程P12>
図9において、角度調整穴B111aは、スクリーンユニットCの各スクリーンに表示される映像の垂直方向を調整するためにミラーユニットB3に形成されている。角度調整穴B111b、B111cは、スクリーンユニットCの各スクリーンに表示される映像の水平方向を調整するためにミラーユニットB3に形成されている。
図56において、第1ミラー固定工程P12では、各角度調整穴B111b、B111cに通されたネジB112をプロジェクタカバーB1に固定するが、角度調整穴B111aに通されたネジB112をプロジェクタカバーB1に固定しない。角度調整穴B111aに通されたネジB112は、後述する第2ミラー固定工程P16でプロジェクタカバーB1に固定される。
第1ミラー固定工程P12では、図57に前方から見た概略構成を示す第1ミラー固定装置500によって、プロジェクタカバーB1に対する位置及び姿勢(反射角)がミラー調整工程P11で調整されたミラーユニットB3をプロジェクタカバーB1に固定する。すなわち、第1ミラー固定装置500は、ミラーユニットB3のプロジェクタカバーB1に対する水平方向の位置及び姿勢を固定する反射装置固定手段を構成する。
第1ミラー固定装置500は、フレーム501と、特定波長の光により凝固する固定剤を吐出する吐出機構502b、502cと、特定波長の光を照射する照射装置503b、503cと、プロジェクタカバーB1を固定するクランプ機構504と、クランプ機構504に固定されたプロジェクタカバーB1を移動させる移動機構505と、第1ミラー固定装置500の各部を制御する制御装置506とを有している。
本実施形態において、固定剤には、紫外線硬化型接着剤(以下、単に「UV接着剤」という)が用いられる。したがって、本実施形態における特定波長の光とは、紫外線のことをいう。
クランプ機構504は、移動機構505により移動可能に設けられた台座507に固定され、裏面を前方に向けたプロジェクタカバーB1の側壁部B13の両側を抑え込むことでプロジェクタカバーB1を台座507に固定する。
移動機構505は、待機位置と、吐出機構502b、502cによってUV接着剤を吐出させる第1位置と、照射装置503b、503cによって紫外線を照射させる第2位置との間で、台座507を移動させることができる。
フレーム501には、吐出機構502b、502cが取付けられている。各吐出機構502b、502は、移動機構505によって移動されたプロジェクタカバーB1が第1位置にあるときに、プロジェクタカバーB1の各角度調整穴B111b、B111cに対応する位置に取付けられている。
各吐出機構502b、502cは、制御装置506の制御により、角度調整穴B111b、B111cに通された各ネジB112の頭側部と、各角度調整穴B111b、B111cの周辺部とを接着するように、UV接着剤を吐出する。
具体的には、吐出機構502bには、ネジB112の頭部の直径とほほ同距離の間隔で2つの吐出孔502ba,502bbが形成され、吐出機構502cには、ネジB112の頭部の直径とほほ同距離の間隔で2つの吐出孔502ca,502cbが形成されている。
吐出機構502bは、吐出孔502ba,502bbの中心の位置とネジB112の頭部の中心の位置とが概ね一致した状態で、吐出孔502ba,502bbを通じてネジB112の頭側部と角度調整穴B111bの周辺部にUV接着剤を吐出する。
吐出機構502cは、吐出孔502ca,502cbの中心の位置とネジB112の頭部の中心の位置とが概ね一致した状態で、吐出孔502ca,502cbを通じてネジB112の頭側部と角度調整穴B111bの周辺部にUV接着剤を吐出する。
このように、第1ミラー固定装置500は、1つのネジB112に対して、2箇所にUV接着剤を吐出するため、プロジェクタカバーB1に対するネジB112の固定強度を高くしている。
フレーム501には、照射装置503b、503cが取付けられている。各照射装置503b、503cは、各吐出機構502b、502cに対して少なくとも角度調整穴B111の径よりも長い所定距離だけ図中左右方向に離れた位置に取付けられている。
すなわち、各照射装置503b、503cは、移動機構505によって移動されたプロジェクタカバーB1が第1位置よりも所定距離だけ図中左右方向に離れた第2位置にあるときに、各角度調整穴B111b、B111cに対応する位置に取付けられている。
各照射装置503b、503cには、その穴の中心から穴の全面に向けて紫外線を照射するLEDが設けられている。各照射装置503b、503cは、制御装置506による制御に応じて、LEDを発光させる。各吐出装置502b、502cによって吐出されたUV接着剤は、照射装置503b、503cによって照射(5秒~60秒間)された紫外線によって硬化する。なお、紫外線の照射時間は、UV接着剤の成分、及び、特性に応じた照射時間が設定される。
移動機構505は、フレーム501に対して直接又は間接的に固定されている。移動機構505は、制御装置506による制御により、待機位置と第1位置と第2位置との間で、台座507を移動させる。
制御装置506は、ミラー調整装置100の制御装置103(図21参照)と同様な汎用的なコンピュータ装置によって構成される。すなわち、コンピュータ装置において、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置506として機能する。
以上に説明したように、第1ミラー固定装置500は、スクリーンユニットCに表示される映像の水平方向を調整するためにミラーユニットB3に設けられたネジB112を固定(通称、ネジロック)することによって、以降の製造工程においてネジB112にずれが生じることを防止している。
このため、第1ミラー固定装置500は、以降の製造工程において、ネジB112のずれの影響を受けて、プロジェクタ機構B2とスクリーンユニットCとの相対的な位置及び姿勢を調整することが困難になってしまうこと、及び、ミラーユニットB3の再調整による調整工程の増加を防止することができる。
なお、本実施形態においては、移動機構505は、制御装置506による制御により、待機位置と、UV接着剤を吐出するための第1位置と、UV接着剤を硬化させるための第2位置との間で、クランプ機構504を固定した台座507をフレーム501に対して移動させる例について説明した。
これに対し、移動機構505は、制御装置506による制御により、待機位置と、UV接着剤を吐出するための第1位置とUV接着剤を硬化させるための第2位置との間で、フレーム501を固定した台座507をクランプ機構504に対して移動させるようにしてもよい。
また、第1ミラー固定装置500と、図21に示したミラー調整装置100とを一体に構成してもよい。このように構成する場合には、ミラー調整装置100における各ドライバ104b、104cに対して、各吐出機構502b、502c及び各照射装置503b、503cを並べて設け、移動機構505によって、各工程に応じた位置にクランプ機構504に固定されたプロジェクタカバーB1を図中左右方向に移動させるようにすればよい。
<フォーカス調整工程P13>
フォーカス調整工程P13は、本発明の第1実施形態におけるフォーカス調整工程P2と同一である。すなわち、本実施形態におけるフォーカス調整工程P13は、図26に示したフォーカス調整装置200を用いて、図29に示した焦点距離設定動作にしたがって実行される。
<プロジェクタ姿勢調整工程P14>
プロジェクタ姿勢調整工程P14は、本発明の第1実施形態におけるプロジェクタ姿勢調整工程P3がプロジェクタカバーB1に対するプロジェクタ機構B2の位置及び姿勢を調整するのに対し、プロジェクタ機構B2単体で、取付機構としての上側台座B220に対して下側台座B221に取り付けられた光学系(例えば、レンズユニットB21等(図10参照))が収容された光学ユニットとしてのケースB22(図48参照)の位置及び姿勢が調整される(図49参照)。
プロジェクタ姿勢調整工程P14では、本発明の第1実施形態におけるプロジェクタ姿勢調整工程P3と同様に、上側台座B220に対する下側台座B221に取り付けられたケースB22の位置及び姿勢、すなわち、連結部R1,R2,R3(図15参照)の各位置と各間隔とがプロジェクタ姿勢調整装置600によって調整される。
図58に側方から見た概略構成を示すように、プロジェクタ姿勢調整装置600は、プロジェクタ機構B2から映像が投影できるように上側台座B220を水平に固定する固定機構601と、プロジェクタ機構B2によって投影された試験用画像が表示される試験用スクリーン602と、試験用スクリーン602に表示された試験用画像を撮影するカメラ603と、制御装置604と、上側台座B220に対する下側台座B221に取り付けられたケースB22の位置及び姿勢を調整するユニット調整装置605とを有している。
本実施形態において、固定機構601は、投影装置固定手段を構成し、試験用スクリーン602は、試験用画像表示装置を構成し、カメラ603は、試験用画像撮影装置を構成し、制御装置604は、調整量算出手段を構成し、ユニット調整装置605は、制御装置604に制御されることによりユニット調整手段を構成する。
固定機構601は、ケースB22の前部開口B22k(図48参照)が試験用スクリーン602に向けて露出するように、プロジェクタ機構B2の上側台座B220が載る中抜きの本体610と、制御装置604の制御により、上側台座B220を前後方向、左右方向及び下方向に本体610に固定するクランプ機構611とを有する。
本体610には、上側台座B220に形成された角孔2201c(図44参照)に嵌る少なくとも1つの凸部が形成されている。上側台座B220は、角孔2201cに嵌められた凸部により前後方向及び左右方向が試験用スクリーン602に対してケースB22の前部開口B22Kが配置された面が平行になるように規制された状態でクランプ機構611により本体610に固定される。
プロジェクタ姿勢調整装置600は、固定機構601に固定されたプロジェクタ機構B2の投射レンズ210(図10参照)と試験用スクリーン602との間の距離が第1距離(本実施形態においては、250mm)となる第1位置と、第1距離より長い第2距離(本実施形態においては、350mm)になる第2位置との間で固定機構601を移動させるためのアクチュエータ612を更に有する。
試験用スクリーン602は、プロジェクタ姿勢調整装置600において所定の位置に所定の姿勢で固定されている。本実施の形態において、試験用スクリーン602は、プロジェクタ姿勢調整装置600において、表示面を固定機構601に向けた状態で垂直に固定されている。
試験用スクリーン602には、図59に示すように、左右方向の中心を表す基準マーカBM1,BM2が表示面に印されている。基準マーカBM1は、固定機構601に固定されたプロジェクタ機構B2の光軸に相当する位置の目標位置に印されている。基準マーカBM2は、固定機構601が第2位置にあるときに、プロジェクタ機構B2によって投影された映像の下部の左右方向の中心の目標位置に印されている。
図58において、制御装置604は、ミラー調整装置100の制御装置103(図21参照)と同様な汎用的なコンピュータ装置によって構成される。すなわち、コンピュータ装置において、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置604として機能する。制御装置604のハードディスク装置には、プログラムや各種パラメータの他に、図60Aなどに示すような試験用画像のデータが格納されている。
例えば、制御装置604は、カメラ603によって撮影された画像から各連結部R1,R2,R3の調整量を算出する。制御装置604は、連結部R1,R2,R3の調整量にしたがって、ユニット調整装置605を制御することにより、連結部R1,R2,R3の各間隔を調整する。
ユニット調整装置605は、プロジェクタ移動機構606を有している。プロジェクタ移動機構606上には、固定機構601が固定されている。プロジェクタ移動機構606は、制御装置604の制御により、固定機構601を前後左右方向及び左右回転方向に移動させる。
ユニット調整装置605は、図11及び図15などに示した連結ネジ部2210に対するナット2213の締め度を調整するドライバ620a~620cと、制御装置604の制御によりナット2213を締める方向及び緩める方向にそれぞれドライバ620a~620cを駆動させるサーボモータ等のアクチュエータ621a~621cとを更に有している。
各アクチュエータ621a~621cは、各ドライバ620a~620cを制御装置604の制御により、待機位置と、各ナット2213を締めたり緩めたりすることができる駆動位置との間で移動させることもできる。
(光軸調整)
制御装置604は、第1試験用画像をプロジェクタ機構B2から試験用スクリーン602に投影させる。図60Aに示すように、第1試験用画像には、矩形の調整マーカT1、T2が含まれる。
基準マーカBM1と調整マーカT1、T2とが重なると、調整マーカT1、T2が基準マーカBM1で反射するため、基準マーカBM1又は調整マーカT1、T2のいずれか一方又は両方がカメラ603によって識別可能に撮影することができなくなる。
このため、調整マーカT1、T2は、各上辺がプロジェクタ機構B2の光軸と一致し、基準マーカBM1と重なることを防止するために、プロジェクタ機構B2の光軸を挟んで互いに離隔している。
図60Bに示すように、制御装置604は、固定機構601が第1位置にあるときに、カメラ603によって撮影された撮影画像において、調整マーカT1の上辺と光軸から離れた側辺との交点T1pの座標と、調整マーカT2の上辺と光軸から離れた側辺との交点T2pの座標との中点C1pの座標(X1,Y1)を算出する。
制御装置604は、固定機構601が第2位置にあるときに、カメラ603によって撮影された撮影画像において、調整マーカT1の上辺と光軸から離れた側辺との交点T1pの座標と、調整マーカT2の上辺と光軸から離れた側辺との交点T2pの座標との中点C2pの座標(X2,Y2)を算出する。
制御装置604は、固定機構601が第1位置又は第2位置にあるときに、カメラ603によって撮影された撮影画像における基準マーカBM1の座標(Xm,Ym)を特定する。なお、試験用スクリーン602とカメラ603とは、固定機構601が第1位置にあっても、第2位置にあっても、基準マーカBM1の座標(Xm,Ym)は同一となるように直接又は間接的に調整されて固定されている。
制御装置604のハードディスク装置には、1ピクセルあたりの長さを表す変換係数PixelRatio(例えば、0.1mm/Pixel)が格納されている。制御装置604は、変換係数PixelRatioをもって、Rx軸方向の光軸のずれ角Val_Rx_deg、Ry軸方向の光軸のずれ角Val_Ry_deg、X軸方向の光軸のずれ量Val_X、及びY軸方向の光軸のずれ量Val_Yを以下の式(19)~(22)に基づいて算出する。
Val_X=(X2-Xm)×PixelRatio (21)
Val_Y=(Y2-Xm)×PixelRatio (22)
制御装置604は、Rx軸方向の光軸のずれ角Val_Rx_deg、Ry軸方向の光軸のずれ角Val_Ry_deg、X軸方向の光軸のずれ量Val_X、及びY軸方向の光軸のずれ量Val_Yの全てが許容範囲内であれば光軸の調整をスキップする。
例えば、Val_Rx_degの許容範囲は、-0.1°<Val_Rx_deg<0.1°とし、Val_Ry_degの許容範囲は、-0.1°<Val_Ry_deg<0.1°とし、Val_Xの許容範囲は、-0.1mm<Val_X<0.1mmとし、Val_Yの許容範囲は、-0.1mm<Val_Y<0.1mmとする。これらの許容範囲は、制御装置604のハードディスク装置に予め格納されている。
制御装置604は、Rx方向の光軸のずれ角Val_Rx_deg、Ry軸方向の光軸のずれ角Val_Ry_deg、X軸方向の光軸のずれ量Val_X、及びY軸方向の光軸のずれ量Val_Yのいずれかが許容範囲内でなければ以下のように光軸の調整を行う。
制御装置604は、プロジェクタ移動機構606の左右回転方向の調整量Val_Stage_θと、プロジェクタ移動機構606の左右方向の調整量Val_Stage_Xとを以下の式(23)、(24)に基づいて算出する。
Val_Stage_θ=Val_Ry_deg (23)
制御装置604のハードディスク装置には、ドライバ620bによって締め量が調整される連結部R2のナット2213及びドライバ620cによって締め量が調整される連結部R3のナット2213にそれぞれ螺結される連結ネジ部2210が通る連結孔2200Aの中心を結ぶ線分と、ドライバ620aによって締め量が調整される連結部R1のナット2213に螺結される連結ネジ部2210が通る連結孔2200Aの中心との距離N_Y(図12参照、例えば、150mm)の値が予め格納されている。
また、制御装置604のハードディスク装置には、各ドライバ620a~620cを1回転させるために必要なパルス数PM_Pulse_Ratio(例えば、15000Pulse/1回転)、及び、連結ネジ部2210及びナット2213のねじ山のピッチ(ねじ山間の距離)Pitchの値(例えば、0.7mm)が予め格納されている。
制御装置604は、アクチュエータ621a~621cに出力する駆動信号のRx軸調整分のパルス数PM1_Rx_Pulse~PM3_Rx_Pulseと、アクチュエータ621a~621cに出力する駆動信号のY軸調整分のパルス数PM1_Y_Pulse~PM3_Y_Pulseとを以下の式(25)~(30)に基づいてそれぞれ算出する。
制御装置604は、アクチュエータ621a~621cに出力する駆動信号のパルス数PM1_Pulse~PM3_Pulseを以下の式(31)~(33)に基づいてそれぞれ算出する。
PM1_Pulse=PM1_Rx_Pulse+PM1_Y_Pulse (31)
PM2_Pulse=PM2_Rx_Pulse+PM2_Y_Pulse (32)
PM3_Pulse=PM3_Rx_Pulse+PM3_Y_Pulse (33)
このように、制御装置604は、プロジェクタ移動機構606の左右回転方向の調整量Val_Stage_θと、左右方向の調整量Val_Stage_Xとを表す信号をプロジェクタ移動機構606に出力し、アクチュエータ621a~621cにパルス数がPM1_Pulse~PM3_Pulseの駆動信号をそれぞれ出力して、プロジェクタ移動機構606及びアクチュエータ621a~621cを駆動させることにより、各ドライバ620a~620cが連結部R1,R2,R3を回転させ、プロジェクタ機構B2の光軸(X軸方向、Y軸方向、Rx軸方向及びRy軸方向)が調整される。
(Rz軸調整)
制御装置604は、第2試験用画像をプロジェクタ機構B2から試験用スクリーン602に投影させる。図61Aに示すように、第2試験用画像には、調整マーカT1、T2に加えて、矩形の調整マーカT3、T4が含まれる。
基準マーカBM2と調整マーカT3、T4とが重なると、調整マーカT3、T4が基準マーカBM2で反射するため、基準マーカBM2又は調整マーカT3、T4のいずれか一方又は両方がカメラ603によって識別可能に撮影することができなくなる。
このため、調整マーカT3、T4は、各下辺が基準マーカBM2の位置を目標位置として、基準マーカBM2と重なることを防止するために、目標位置を挟んで互いに離隔している。
図61Bに示すように、制御装置604は、固定機構601が第2位置にあるときに、カメラ603によって撮影された撮影画像において、調整マーカT3の下辺と目標位置から離れた左辺との交点T3pの座標と、調整マーカT4の下辺と目標位置から離れた側辺との交点T4pの座標との中点C3pの座標(X3,Y3)を算出する。
制御装置604は、固定機構601が第2位置にあるときに、カメラ603によって撮影された撮影画像において、調整マーカT1の上辺と光軸から離れた側辺との交点T1pの座標と、調整マーカT2の上辺と光軸から離れた側辺との交点T2pの座標との中点C2pの座標(X2,Y2)を再度算出する(図60B参照)。
制御装置604のハードディスク装置には、Rz軸方向の目標角度Target_Rz(例えば、90°)が格納されている。制御装置604は、目標角度Target_Rzをもって、Rz軸方向の光軸のずれ角Val_Rz_degを以下の式(34)に基づいて算出する。
制御装置604は、Rz軸方向の光軸のずれ角Val_Rz_degが許容範囲内であれば光軸のRz軸方向の調整をスキップする。例えば、Val_Rz_degの許容範囲は、-0.01°<Val_Rz_deg<0.01°とする。この許容範囲は、制御装置604のハードディスク装置に予め格納されている。制御装置604は、Rz軸方向の光軸のずれ角Val_Rz_degが許容範囲内でなければ以下のように光軸のRz軸方向の調整を行う。
制御装置604のハードディスク装置には、ドライバ620bによって締め量が調整される連結部R2のナット2213及びドライバ620cによって締め量が調整される連結部R3のナット2213にそれぞれ螺結される連結ネジ部2210が通る連結孔2200Aの中心を結ぶ線分の長さN_X(図12参照)の値が予め格納されている。
制御装置604は、アクチュエータ621b、621cに出力する駆動信号のRz軸調整用のパルス数PM2_Pulse、PM3_Pulseを以下の式(35)~(36)に基づいてそれぞれ算出する。
このように、制御装置604は、アクチュエータ621b、621cにパルス数がPM2_Pulse、PM3_Pulseの駆動信号をそれぞれ出力して、アクチュエータ621b、621cを駆動させることにより、プロジェクタ機構B2の光軸のRz軸方向が調整される。
(Z軸調整)
制御装置604は、プロジェクタ機構B2の光軸のRz軸調整時と同様に、座標(X2,Y2)及び座標(X3,Y3)を再度算出し、Rz軸方向の光軸のずれ角Val_Rz_degを再度算出する。
制御装置604のハードディスク装置には、光軸のZ軸方向の目標量Target_Z(例えば、273.4mm)が格納されている。制御装置604は、目標量Target_Zをもって、Z軸方向の光軸のずれ量Val_Zを以下の式(37)に基づいて算出する。
制御装置604は、Z軸方向の光軸のずれ量Val_Zが許容範囲内であれば光軸のZ軸方向の調整をスキップする。例えば、Val_Zの許容範囲は、-0.1mm<Val_Z<0.1mmとする。この許容範囲は、制御装置604のハードディスク装置に予め格納されている。制御装置604は、Z軸方向の光軸のずれ量Val_Zが許容範囲内でなければ以下のように光軸のZ軸方向の調整を行う。
制御装置604のハードディスク装置には、Val_Zに対する係数Z_Adj_Ratioの値(又は、係数Z_adj_Ratioを算出する数式、もしくは、表4に示すような係数Z_adj_Ratioのマップ)が予め検証により定められ、格納されている。なお、表4におけるVal_Zは、Target_Zが加算された状態で示されている。
制御装置604は、係数Z_Adj_Ratioをもって、プロジェクタ移動機構606の前後方向の調整量Val_Stage_Yを以下の式(38)に基づいて算出する。
Val_Stage_Y=Val_Z×Z_Adj_Ratio (38)
このように、制御装置604は、プロジェクタ移動機構606の前後方向の調整量Val_Stage_Yを表す信号をプロジェクタ移動機構606に出力して、プロジェクタ移動機構606を駆動させることにより、プロジェクタ機構B2の光軸のZ軸方向が調整される。
以上のように、プロジェクタ機構B2において、上側台座B220に対して下側台座B221に取り付けられたケースB22の6軸方向の組付けが調整される。本実施形態においては、制御装置604は、上側台座B220に対して下側台座B221に取り付けられたケースB22の各軸方向のずれを再度算出し、各軸方向のずれのいずれかが許容範囲内でなければ、上述した光軸調整、Rz軸調整及びZ軸調整を再度実行する。
ここで、制御装置604は、各軸方向のずれが許容範囲内であるか否かを判断するときに、各軸方向のずれに対する許容範囲を光軸調整、Rz軸調整及びZ軸調整を実行するときの許容範囲より広くとる。
例えば、制御装置604は、Val_Rx_degの許容範囲を-0.2°<Val_Rx_deg<0.2°とし、Val_Ry_degの許容範囲を-0.2°<Val_Ry_deg<0.2°とし、Val_Xの許容範囲を-0.5mm<Val_X<0.5mmとし、Val_Yの許容範囲を-0.5mm<Val_Y<0.5mmとし、Val_Rz_degの許容範囲を-0.1°<Val_Rz_deg<0.1°とし、Val_Zの許容範囲を-0.5mm<Val_Z<0.5mmとして、各軸方向の調整を再度実行するか否かを判断する。これらの許容範囲は、制御装置604のハードディスク装置に予め格納されている。
以上のように構成された本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ姿勢調整装置600によるプロジェクタ姿勢調整動作について図62を参照して説明する。
なお、以下に説明するプロジェクタ姿勢調整動作を実行するあたって、プロジェクタ機構B2の上側台座B220は、固定機構601に載置されている。
プロジェクタ姿勢調整動作は、制御装置604の入力装置に入力された実行指示に基づいて開始される。
まず、制御装置604は、固定機構601のクランプ機構611を制御し、上側台座B220をクランプ機構611によって固定機構601に固定させる(S110)。次に、制御装置604は、アクチュエータ621a~621cを制御し、ドライバ620a~620cを駆動位置に移動させる(S111)。
次に、制御装置604は、アクチュエータ621a~621cを制御し、各ドライバ620a~620cによりナット2213を締める締め動作とナット2213を緩める緩め動作とを実行する(S112)。
この締め動作と緩め動作とを実行することにより、制御装置604は、各ドライバ620a~620cがナット2213に嵌まったか否かを確認するとともに、各ドライバ620a~620cとナット2213とが密着すること(所謂、ドライバの噛み込み)を防止する。
次に、制御装置604は、上述した光軸調整を実行する(S113)。この光軸調整により、プロジェクタ機構B2の光軸のX軸方向、Y軸方向、Rx軸方向及びRy軸方向が調整される。
次に、制御装置604は、上述したRz軸調整を実行する(S114)。このRz軸調整により、プロジェクタ機構B2の光軸のRz軸方向が調整される。次に、制御装置604は、上述したZ軸調整を実行する(S115)。このZ軸調整により、プロジェクタ機構B2の光軸のZ軸方向が調整される。
次に、制御装置604は、アクチュエータ621a~621cを制御し、各ドライバ620a~620cによりナット2213を締める(S116)。次に、制御装置604は、アクチュエータ621a~621cを制御し、ドライバ620a~620cを待機位置に移動させる(S117)。
次に、制御装置604は、プロジェクタ機構B2の光軸の各軸方向のずれが許容範囲内であるか否かを判断する(S118)。プロジェクタ機構B2の光軸の各軸方向のずれが許容範囲内でないと判断した場合には(NO)、制御装置604は、プロジェクタ姿勢調整動作をステップS110に戻す。
プロジェクタ機構B2の光軸の各軸方向のずれが許容範囲内であると判断した場合には(YES)、制御装置604は、固定機構601のクランプ機構611を制御し、クランプ機構611によって固定機構601に固定された上側台座B220を解放し(S109)、プロジェクタ姿勢調整動作を終了する。
上述したプロジェクタ姿勢調整動作が終了した場合には、制御装置604は、プロジェクタ姿勢調整動作が完了した旨を報知する。プロジェクタ姿勢調整動作が完了した旨の報知は、制御装置604に接続されるランプなどの図示しない表示装置及びブザーなどの図示しない音声出力装置などによって行われる。
以上のように、プロジェクタ姿勢調整装置600は、試験用画像が表示された試験用スクリーン602をカメラ603によって撮影した撮影画像を基に算出した調整量に応じてプロジェクタカバーB1に対する光学ユニットの姿勢を調整するため、プロジェクタ機構B2の姿勢の精度を確保することができるとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
<プロジェクタ位置調整工程P15>
プロジェクタ位置調整工程P15では、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2の位置及び姿勢がプロジェクタ位置調整装置700によって調整される。また、プロジェクタ位置調整工程P15では、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の垂直方向の位置及び姿勢がプロジェクタ位置調整装置700によって再度調整される。
本実施形態において、プロジェクタ位置調整工程P15は、投影ユニットBがスクリーンユニットCに固定され、かつ、プロジェクタカバーB1にプロジェクタ機構B2が仮止め固定された状態で実行される。
図63に側方から見た概略構成を示すように、プロジェクタ位置調整装置700は、制御装置701と、プロジェクタ機構B2によって調整用映像が投影されたスクリーンユニットCを撮影するカメラ702と、スクリーンユニットCを固定するスクリーンクランプ機構703と、プロジェクタ機構B2を固定する投影クランプ機構704と、スクリーンクランプ機構703を移動させるスクリーン移動機構705と、プロジェクタ機構B2を投影ユニットBに固定するプロジェクタ機構固定装置706とを有している。
本実施形態において、制御装置701は、映像制御手段及び調整量算出手段を構成し、カメラ702は、撮影手段を構成し、スクリーン移動機構705は、制御装置701に制御されることにより投影領域調整手段を構成する。
制御装置701は、ミラー調整装置100の制御装置103(図21参照)と同様な汎用的なコンピュータ装置によって構成される。すなわち、コンピュータ装置において、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置701として機能する。制御装置701のハードディスク装置には、プログラムや各種パラメータの他に、調整用映像のデータが格納されている。
カメラ702は、スクリーンユニットCにおいて、露出位置にあるフロントスクリーンE1と、露出位置にあるリールスクリーンF1との正面を撮影する位置に固定されている。
スクリーンクランプ機構703は、制御装置701の制御により、スクリーンユニットCを固定するように構成されている。投影クランプ機構704は、制御装置701の制御により、待機位置と、プロジェクタ機構B2を固定する固定位置との間で移動できるように構成されている。
スクリーン移動機構705は、制御装置701の制御により、スクリーンクランプ機構703を前後方向、左右方向及びロール方向に水平移動させることができる。すなわち、スクリーン移動機構705は、制御装置701の制御により、スクリーンユニットCを前後方向、左右方向及びロール方向に水平移動させることができる。
プロジェクタ機構固定装置706は、取付ネジT(図13参照)を締め付ける複数のドライバ707と、制御装置701の制御により複数のドライバ707を駆動させる複数のアクチュエータ708とを有している。
プロジェクタ機構固定装置706は、制御装置701の制御により、待機位置と、各ドライバ707により取付ネジTを締めたり緩めたりすることができる駆動位置との間で移動できるように構成されている。
制御装置701は、カメラ702によって撮影された画像を基に算出した調整量に応じてスクリーン移動機構705を制御することにより、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCの相対的な位置を調整する。
(フロントスクリーンE1の基準座標情報の検出)
制御装置701は、第1調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるフロントスクリーンE1に投影させ、カメラ702によって撮影された撮影画像から、フロントスクリーンE1の基準座標を検出する。
第1調整用画像は、露出位置にあるフロントスクリーンE1及び露出位置にあるフロントスクリーンE1の表示領域(図64の右上がり斜線部分)を覆うサイズ(図64の右下がり斜線部分までの画像)の単色の画像である。第1調整用画像の色は、複数の色成分の波長と、プロジェクタ機構B2に含まれるレンズの特性とスクリーンの外周部分で発生するエッジにより、画像周囲の色成分が分離してしまうことを防止するため、光の三原則を構成する赤(R)、緑(G)及び青(B)の色成分のうち1つの色成分からなり、第1調整用画像は緑色成分のみの画像を採用している。
図64に示すように、制御装置701は、カメラ702によって撮影された撮影画像において、フロントスクリーンE1の表示領域の左上(UL)、右上(UR)、左下(BL)及び右下(BR)の座標を検出する。ここで、撮影画像におけるフロントスクリーンE1の表示領域の左上の座標(Pixel)を(F_B_X1,F_B_Y1)とし、右上の座標(Pixel)を(F_B_X2,F_B_Y2)とし、左下の座標(Pixel)を(F_B_X3,F_B_Y3)とし、右下の座標(Pixel)を(F_B_X4,F_B_Y4)とする。
(リールスクリーンF1の基準座標情報の検出)
制御装置701は、第1調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるリールスクリーンF1に投影させ、カメラ702によって撮影された撮影画像から、リールスクリーンF1の基準座標を検出する。
図65に示すように、制御装置701は、カメラ702によって撮影された撮影画像において、リールスクリーンF1の表示領域の左下の装飾用の凸部の上側のエッジLEUと下側のエッジLEDとの中心から左側の基準Y座標(Pixel)R_B_LYを検出し、リールスクリーンF1の表示領域の右下の装飾用の凸部の上側のエッジREUと下側のエッジREDとの中心から右側の基準Y座標(Pixel)R_B_RYを検出する。
(Z軸方向の調整)
制御装置701は、第1態様の第2調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるフロントスクリーンE1に投影させ、カメラ702によって撮影された撮影画像から、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのZ軸方向の調整量を算出する。
図66Aに示すように、第1態様の第2調整用画像は、フロントスクリーンE1の表示領域に応じたマーカM1~M5を含む。マーカM1~M4は、フロントスクリーンE1に確実に表示させるため、フロントスクリーンE1の表示領域よりも内側に表示されるように、配置されている。また、マーカM1~M5の色は、第1調整用画像の色と同じ理由により、赤、緑及び青の色成分のうち1つの色成分からなり、第1態様の第2調整用画像は緑色成分のみの画像を採用している。
マーカM1は、フロントスクリーンE1の表示領域の左上に対応し、マーカM2は、フロントスクリーンE1の表示領域の右上に対応し、マーカM3は、フロントスクリーンE1の表示領域の左下に対応し、マーカM4は、フロントスクリーンE1の表示領域の右下に対応し、マーカM5は、フロントスクリーンE1の表示領域の右辺に対応する。
以下の説明において、図66Bに示すように、撮影画像におけるマーカM1の左上の頂点M1pの座標(Pixel)を(F_A_X1,F_A_Y1)とし、撮影画像におけるマーカM2の右上の頂点M2pの座標(Pixel)を(F_A_X2,F_A_Y2)とし、撮影画像におけるマーカM3の左下の頂点M3pの座標(Pixel)を(F_A_X3,F_A_Y3)とし、撮影画像におけるマーカM4の右下の頂点M4pの座標(Pixel)を(F_A_X4,F_A_Y4)とし、撮影画像におけるマーカM5の右上の頂点M5pの座標を(F_A_X5,F_A_Y5)とする。
制御装置701は、撮影画像におけるフロントスクリーンE1の表示領域の左位置F_T_X1(Pixel)と、右位置F_T_X2(Pixel)とを以下の式(39)、(40)に基づいて算出する。
F_T_X1=(F_B_X3-F_B_X1)/(F_B_Y3-F_B_Y1)×(F_A_Y1-F_B_Y1)+F_B_X1 (39)
F_T_X2=(F_B_X4-F_B_X2)/(F_B_Y4-F_B_Y2)×(F_A_Y2-F_B_Y2)+F_B_X2 (40)
制御装置701は、フロントスクリーンE1の表示領域の幅TargetW(Pixel)を以下の式(41)に基づいて算出する。
TargetW=F_T_X2-F_T_X1 (41)
制御装置7014のハードディスク装置には、マーカM1がフロントスクリーンE1の表示領域の左上に表示され、マーカM2がフロントスクリーンE1の表示領域の右上に表示されたと仮定した場合の拡大係数k(本実施形態においては、1118/1082)が格納されている。
制御装置701は、拡大係数kをもって、マーカM1がフロントスクリーンE1の表示領域の左上に表示され、マーカM2がフロントスクリーンE1の表示領域の右上に表示されたと仮定した場合のマーカM1とマーカM2との左右方向の幅WIを以下の式(42)に基づいて算出する。
WI=(F_A_X2-F_A_X1)×k (42)
制御装置701のハードディスク装置には、仕様上、マーカM1~M5を大きめに調整するためのオフセット値Z_Offset(本実施形態においては、40)が格納されている。制御装置701は、オフセット値Z_Offsetをもって、Z軸方向のずれ量Val_Zを以下の式(43)に基づいて算出する。
Val_Z=WI-TargetW-Z_Offset (43)
制御装置701は、Z軸方向のずれ量Val_Zが許容範囲内であればプロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのZ軸方向の調整をスキップする。例えば、Val_Zの許容範囲は、-0.1Pixel<Val_Z<0.1Pixelとする。この許容範囲は、制御装置701のハードディスク装置に予め格納されている。制御装置701は、Z軸方向のずれ量Val_Zが許容範囲内でなければ以下のようにプロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのZ軸方向の調整を行う。
制御装置701のハードディスク装置には、Val_Zに対する係数Z_Adj_Ratioの値(又は、係数Z_adj_Ratioをを算出する数式、表5に示すような係数Z_adj_Ratioのマップ)が予め検証により定められ、格納されている。
制御装置701は、係数Z_Adj_Ratioをもって、スクリーン移動機構705の前後方向の調整量Val_Stage_Yを以下の式(44)に基づいて算出する。
Val_Stage_Y=Val_Z×Z_Adj_Ratio (44)
このように、制御装置701は、スクリーン移動機構705の前後方向の調整量Val_Stage_Yを表す信号をスクリーン移動機構705に出力して、スクリーン移動機構705を駆動させることにより、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのZ軸方向が調整される。
(ミラー粗調整)
図63において、プロジェクタ位置調整装置700は、ミラーユニットB3の角度調整穴B111aに通されたネジB112(図9参照)を調整する反射位置姿勢調整手段を構成するドライバ710と、制御装置701の制御によりネジB112を締める方向及び緩める方向にドライバ710を駆動させるサーボモータ等のアクチュエータ711とを更に有している。
制御装置701は、第2態様の第2調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるリールスクリーンF1に投影させ、カメラ702によって撮影された撮影画像から、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の角度調整穴B111aに通されたネジB112(図9参照)の位置を、アクチュエータ711を介して調整する。
アクチュエータ711は、制御装置701の制御により、ドライバ710を待機位置と、ドライバ707によりネジB112を締めたり緩めたりすることができる駆動位置との間で移動できるように構成されている。
図67に示すように、制御装置701は、第2態様の第2調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるリールスクリーンF1に投影させる。第2態様の第2調整用画像は、演出用映像と下方の輪郭が一致する単色の画像であり、第2態様の第2調整用画像の色は、第1調整用画像の色と同じ理由により、赤、緑及び青の色成分のうち1つの色成分からなり、第2態様の第2調整用画像は緑色成分のみの画像を採用している。
制御装置701は、カメラ702によって撮影された撮影画像において、リールスクリーンF1に表示された第2態様の第2調整用画像の左底辺のY座標(Pixel)R_A_LYと右底辺のY座標(Pixel)R_A_RYとを検出する。
制御装置701のハードディスク装置には、リールスクリーンF1用の高さのオフセット値R¬_Offset(本実施形態においては、0)が格納されている。制御装置701は、オフセット値R¬_Offsetをもって、高さ方向のずれ量(Pixel)Val_Posを以下の式(45)に基づいて算出する。
Val_Pos=(R_A_LY+R_A_RY)/2-(R_B_LY+R_B_RY)/2-R¬_Offset (45)
また、制御装置701は、カメラ702によって撮影された撮影画像において、リールスクリーンF1の表示領域外、本実施形態においては、図67の破線に囲われた解析領域750に表示された第2態様の第2調整用画像の広さ(Pixel)R_A_Blobをブロブ解析(撮影画像を予め定められた閾値により2値化して白黒画像に変換してブロブ(小さな塊)をカウントする)によって算出し、算出した広さR_A_Blobをずれ面積(Pixel)Val_Blobとする。
制御装置701は、高さ方向のずれ量Val_Pos及びずれ面積Val_Blobが許容範囲内であればミラー粗調整をスキップする。例えば、Val_Posの許容範囲は、-20Pixel<Val_Pos<3Pixelとし、Val_Blobの許容範囲は、Val_Blob≦10000Pixelとする。これらの許容範囲は、制御装置701のハードディスク装置に予め格納されている。制御装置701は、高さ方向のずれ量Val_Pos及びずれ面積Val_Blobのいずれかが許容範囲内でなければ以下のようにミラー粗調整を行う。
制御装置701のハードディスク装置には、ずれ面積Val_Blobが所定値(本実施形態においては、5000pixel)を超えているときのずれ面積Val_Blobに対するネジB112の回転角Val_angleを表す表6に示すようなマップと、ずれ面積Val_Blobが所定値以下で0を超えているときのずれ面積Val_Blobに対するネジB112の回転角Val_angleを表す表7に示すようなマップと、ずれ面積Val_Blobが0であるときのずれ量Val_Posに対するネジB112の回転角Val_angleを表す表8に示すようなマップと、が予め検証により定められ、格納されている。なお、表6~表8では、ずれ面積Val_Blobが20Pixel単位で表されている。データとしては1Pixelで回転角が格納されている。
制御装置701は、ずれ面積Val_Blobを基にマップ(表6~表8)を選択し、選択したマップに基づいて、ネジB112の回転角Val_angleを特定し、アクチュエータ711に出力する駆動信号のパルス数PM_Pulseを以下の式(46)に基づいて算出する。
PM_Pulse=Val_angle/360×PM_Pulse_Ratio (46)
なお、PM_Pulse_Ratioは、ドライバ710を1回転させるために必要なパルス数を表し(例えば、15000Pulse/1回転)、制御装置701のハードディスク装置に予め格納されている。
このように、制御装置701は、アクチュエータ711にパルス数PM_Pulseの駆動信号を出力することにより、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の垂直方向の角度が調整される。
(Ry軸方向の調整)
図67に示したように、制御装置701は、第2態様の第2調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるリールスクリーンF1に投影させ、カメラ702によって撮影された撮影画像から、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのRy軸方向の調整量を算出する。
制御装置701は、カメラ702によって撮影された撮影画像において、リールスクリーンF1に表示された第2態様の第2調整用画像の左底辺のY座標(Pixel)R_A_LYと右底辺のY座標(Pixel)R_A_RYとを検出する。
制御装置701のハードディスク装置には、リールスクリーンF1用のRy軸方向のオフセット値R¬_Ry_Offset(本実施形態においては、-10Pixel)が格納されている。制御装置701は、オフセット値R¬_Ry_Offsetをもって、Ry軸方向のずれ角Val_Ryを以下の式(47)に基づいて算出する。
Val_Ry=(R_A_RY-R_B_RY)-(R_A_LY-R_B_LY)-R¬_Ry_Offset (47)
制御装置701は、Ry軸方向のずれ角Val_Ryが許容範囲内であればプロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのRy軸方向の調整をスキップする。例えば、Val_Ryの許容範囲は、-1Pixel<Val_Ry<1Pixelとする。この許容範囲は、制御装置701のハードディスク装置に予め格納されている。制御装置701は、Ry軸方向のずれ角Val_Ryが許容範囲内でなければ以下のようにプロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのRy軸方向の調整を行う。
制御装置701のハードディスク装置には、Val_Ryに対する変換係数Ry_adj_Ratioの値(又は、表9に示すような変換係数Ry_adj_Ratioのマップ)が予め検証により定められ、格納されている。
制御装置701は、変換係数Ry_adj_Ratioをもって、スクリーン移動機構705の左右回転方向の調整量Val_Stage_θを以下の式(48)に基づいて算出する。
Val_Stage_θ=Val_Ry×Ry_adj_Ratio (48)
このように、制御装置701は、スクリーン移動機構705の左右回転方向の調整量Val_Stage_Yを表す信号をスクリーン移動機構705に出力して、スクリーン移動機構705を駆動させることにより、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのRy軸方向が調整される。
(X軸方向の調整)
制御装置701は、図66Aに示したように、第1態様の第2調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるフロントスクリーンE1に投影させ、カメラ702によって撮影された撮影画像から、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのX軸方向の調整量を算出する。
制御装置701のハードディスク装置には、1ピクセルあたりの長さを表す変換係数PixelRatio(本実施の形態においては、0.1mm/Pixel)と、X軸方向のオフセット値X_Offset(本実施形態においては、0)とが格納されている。制御装置701は、変換係数PixelRatioとオフセット値X_Offsetとをもって、X軸方向のずれ量Val_Xを以下の式(49)に基づいて算出する。
Val_X={(F_A_X1+F_A_X2)/2-(F_B_X1+F_B_X2)/2}×PixelRatio-X_Offset (49)
制御装置701のハードディスク装置には、Val_Xに対する係数X_Adj_Ratioの値(又は、表10に示すような係数X_Adj_Ratioのマップ)が予め検証により定められ、格納されている。
制御装置701は、係数X_Adj_Ratioをもって、スクリーン移動機構705の左右方向の調整量Val_Stage_Xを以下の式(50)に基づいて算出する。
Val_Stage_X=Val_X×X_Adj_Ratio (50)
このように、制御装置701は、スクリーン移動機構705の左右方向の調整量Val_Stage_Xを表す信号をスクリーン移動機構705に出力して、スクリーン移動機構705を駆動させることにより、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのX軸方向が調整される。
(ミラー微調整)
制御装置701は、ミラー粗調整と同一の制御にてプロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の角度調整穴B111aに通されたネジB112(図9参照)の位置を、アクチュエータ711を介して調整する。
制御装置701のハードディスク装置には、ミラー粗調整に用いるリールスクリーンF1用の高さのオフセット値R¬_Offset(本実施形態においては、0)に加えて、ミラー微調整に用いるがリールスクリーンF1用の高さのオフセット値R¬_Offset(本実施形態においては、-15)が格納されている。
また、高さ方向のずれ量Val_Posの許容範囲は、-20Pixel<Val_Pos<3Pixelとし、Val_Blobの許容範囲は、Val_Blob≦0とする。これらのミラー微調整用の許容範囲は、ミラー粗調整用の許容範囲に加えて、制御装置701のハードディスク装置に予め格納されている。
制御装置701は、高さ方向のずれ量Val_Pos及びずれ面積Val_Blobが許容範囲内であればミラー微調整をスキップする。制御装置701は、高さ方向のずれ量Val_Pos及びずれ面積Val_Blobのいずれかが許容範囲内でなければミラー微調整を行う。
以上のように、スクリーンユニットCに対するプロジェクタ機構B2の位置及び姿勢と、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の垂直方向の位置及び姿勢とが調整される。
制御装置701は、調整結果を判定するために、Z軸方向のずれ量Val_Z、ずれ面積Val_Blob、Ry軸方向のずれ量Val_Ry、X軸方向のずれ量Val_Xを再度算出し、以下に説明するように、高さ方向のずれ量Val_Posに代えて、高さ方向の左のずれ量Val_L_Posと高さ方向の右のずれ量Val_R_Posを新たに算出し、第1態様の第2調整用画像の右辺のずれ量Val_optを新たに算出する。
制御装置701のハードディスク装置には、判定時に用いるリールスクリーンF1用の高さのオフセット値R¬_Offset(本実施形態においては、-15)が格納されている。制御装置701は、オフセット値R¬_Offsetをもって、高さ方向のずれ量Val_L_Pos、Val_R_Posを以下の式(51)、(52)に基づいて算出する。
Val_L_Pos=R_A_LY-R_B_LY-R¬_Offset (51)
Val_R_Pos=R_A_RY-R_B_RY-R¬_Offset (52)
制御装置701は、第1調整用画像をプロジェクタ機構B2から露出位置にあるフロントスクリーンE1に投影させ、カメラ702によって撮影された撮影画像から、フロントスクリーンE1の右辺のX座標RXを以下の式(53)に基づいて算出する。
RX=(F_B_X4-F_B_X2)/(F_B_Y4-F_B_Y2)×(F_A_Y5-F_B_Y2)+F_B_X2 (53)
制御装置701は、右辺のずれVal_optを以下の式(54)に基づいて算出する。
Val_opt=F_A_X5-RX (54)
制御装置701は、Z軸方向のずれ量Val_Z、ずれ面積Val_Blob、Ry軸方向のずれ量Val_Ry、X軸方向のずれ量Val_X、高さ方向のずれ量Val_L_Pos、Val_R_Pos及び右辺のずれVal_optのいずれかが許容範囲内でなければ、上述したフロントスクリーンE1の基準座標情報の検出、リールスクリーンF1の基準座標情報の検出、Z軸方向の調整、ミラー粗調整、Ry軸方向の調整、X軸方向の調整及びミラー微調整を再度実行する。
例えば、制御装置701は、Val_Zの許容範囲を-5Pixel<Val_Z<5Pixelとし、Val_Blobの許容範囲をVal_Blob≦0Pixelとし、Val_L_Posの許容範囲を-20Pixel<Val_L_Pos<20Pixelとし、Val_R_Posの許容範囲を-20Pixel<Val_R_Pos<20Pixelとし、Val_Ryの許容範囲を-30Pixel<Val_Ry<30Pixelとし、Val_Xの許容範囲を-0.5Pixel<Val_X<0.5Pixelとし、Val_optの許容範囲をVal_opt≦0.5Pixelとして、各値が許容範囲内であるか否かを判断する。これらの許容範囲は、制御装置701のハードディスク装置に予め格納されている。
以上のように構成された本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ位置調整装置700によるプロジェクタ位置調整動作について図68を参照して説明する。
まず、制御装置701は、スクリーンクランプ機構703を制御し、スクリーンユニットCを固定する(S120)。次に、制御装置701は、投影クランプ機構704を制御し、プロジェクタ機構B2を固定する(S121)。
次に、制御装置701は、外部端子を介してサブCPU1071を制御し、フロントスクリーンE1を待機位置に移動させ、リールスクリーンF1を露出位置に移動させる(S122)。次に、制御装置701は、リールスクリーンF1の基準座標情報の検出を行う(S123)。
次に、制御装置701は、図示しない外部端子を介してサブCPU1071(図19参照)を制御し、フロントスクリーンE1を露出位置に移動させる(S124)。次に、制御装置701は、フロントスクリーンE1の基準座標情報の検出を行う(S125)。次に、制御装置701は、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのZ軸方向の調整を行う(S126)。
次に、制御装置701は、外部端子を介してサブCPU1071を制御し、フロントスクリーンE1を待機位置に移動させ、リールスクリーンF1を露出位置に移動させる(S127)。
次に、制御装置701は、アクチュエータ711を制御し、ドライバ710を駆動位置に移動させ、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の垂直方向の姿勢を相対的に粗く調整するミラー粗調整を行い(S128)、ドライバ710を駆動位置に移動させる。
次に、制御装置701は、外部端子を介してサブCPU1071を制御し、リールスクリーンF1を待機位置に移動させ、フロントスクリーンE1を露出位置に移動させる(S129)。
次に、制御装置701は、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのRy軸方向の調整を行う(S130)。次に、制御装置701は、プロジェクタ機構B2に対するスクリーンユニットCのX軸方向の調整を行う(S131)。
次に、制御装置701は、ドライバ707を駆動位置に移動させ、ドライバ707によって取付ネジTを締め付けるようにアクチュエータ708を制御する(S132)。次に、制御装置701は、投影クランプ機構704を制御し、プロジェクタ機構B2を解放する(S133)。
次に、制御装置701は、アクチュエータ711を制御し、ドライバ710を駆動位置に移動させ、プロジェクタカバーB1に対するミラーユニットB3の垂直方向の姿勢を相対的に高い精度で調整するミラー微調整を行い(S134)、制御装置701は、アクチュエータ711を制御し、ドライバ710を待機位置に移動させる(S135)。
次に、制御装置701は、調整が完了したか否かを判断する(S136)。すなわち、制御装置701は、Z軸方向のずれ量Val_Z、ずれ面積Val_Blob、Ry軸方向のずれ量Val_Ry、X軸方向のずれ量Val_X、高さ方向のずれ量Val_L_Pos、Val_R_Pos及び右辺のずれVal_optの全てのずれが許容範囲内であるか否かを判断する。
調整が完了したと判断した場合、すなわち、全てのずれが許容範囲内であると判断した場合には(YES)、制御装置701は、スクリーンクランプ機構703を制御し、スクリーンユニットCを解放し(S137)、プロジェクタ位置調整動作を終了する。一方、調整が完了していないと判断した場合、すなわち、いずれかのずれが許容範囲内でないと判断した場合には(NO)、制御装置701は、プロジェクタ位置調整動作をステップS121に戻す。
なお、上述したプロジェクタ位置調整動作において、制御装置701は、調整精度を向上させるため、ステップS125からS131までの一連の処理を、2回以上連続して実行するようにしてもよい。
以上のように、プロジェクタ位置調整装置700は、第1調整用画像が投影されたスクリーンユニットCの撮影画像から、撮影画像におけるスクリーンユニットCの表示領域に関する座標情報を基準座標情報として取得し、第1態様の第2調整用画像が投影されたスクリーンユニットCの撮影画像と、基準座標情報とを基に、プロジェクタ機構B2の投影領域の調整量を算出するため、プロジェクタ機構B2の投影領域の精度を確保するとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
また、プロジェクタ位置調整装置700は、第1調整用画像が投影されたスクリーンユニットCがカメラ702によって撮影された撮影画像から表示領域と非表示領域との境界を検出するため、撮影画像におけるスクリーンユニットCの表示領域に関する座標情報を取得することができる。
また、プロジェクタ位置調整装置700は、フロントスクリーンE1の表示領域に応じたマーカM1~M5を有する第1態様の第2調整用画像が投影されたフロントスクリーンE1の撮影画像と、基準座標情報とを基に、プロジェクタ機構B2の投影領域の調整量を算出するため、プロジェクタ機構B2の投影領域の精度を確保することができる。
また、プロジェクタ位置調整装置700は、演出用映像と下方の輪郭が一致する第2態様の第2調整用画像が投影されたリールスクリーンF1の撮影画像と、基準座標情報とを基に、プロジェクタ機構B2の投影領域の調整量を算出するため、プロジェクタ機構B2によって投影された映像がリールスクリーンF1の表示領域外に表示されることで、演出用映像の見た目が損なわれることを防止することができる。
<第2ミラー固定工程P16>
第2ミラー固定工程P16では、ミラー調整工程P11と、第1ミラー固定工程P12と、フォーカス調整工程P13と、プロジェクタ姿勢調整工程P14と、プロジェクタ位置調整工程P15とを経て、組み付けが完了した表示ユニットAのプロジェクタカバーB1に対して、図69に上方から見た概略構成を示す第2ミラー固定装置800によってミラーユニットB3を固定する。
第1ミラー固定工程P12では、ミラーユニットB3のプロジェクタカバーB1に対する水平方向の位置及び姿勢を固定するのに対し、第2ミラー固定工程P16では、ミラーユニットB3のプロジェクタカバーB1に対する垂直方向の位置及び姿勢を固定する。すなわち、第1ミラー固定装置500は、ミラーユニットB3のプロジェクタカバーB1に対する垂直方向の位置及び姿勢を固定する反射装置固定手段を構成する。
第1ミラー固定工程P12では、角度調整穴B111b、B111cに通された各ネジB112の頭側部と、各角度調整穴B111b、B111cの周辺部とを固定し、角度調整穴B111aに通されたネジB112をプロジェクタカバーB1の頭側部と、角度調整穴B111aの周辺部とを固定しない。
これに対し、第2ミラー固定工程P16では、角度調整穴B111aに通されたネジB112の頭側部と、角度調整穴B111aの周辺部とを固定し、角度調整穴B111b、B111cに通された各ネジB112の頭側部と、各角度調整穴B111b、B111cの周辺部とを固定しない。
第2ミラー固定装置800は、フレーム801と、UV接着剤を吐出する吐出機構802aと、紫外線を照射する照射装置803aと、表示ユニットAを固定するクランプ機構804と、クランプ機構804に固定された表示ユニットAを移動させる移動機構805と、第2ミラー固定装置800の各部を制御する制御装置806とを有している。
クランプ機構804は、移動機構805により移動可能に設けられた台座807に固定され、表示ユニットAの両側を抑え込むことで表示ユニットAを台座807に固定する。移動機構805は、待機位置と、吐出機構802aによってUV接着剤を吐出させる第1位置と、照射装置803aによって紫外線を照射させる第2位置との間で、台座807を移動させることができる。
フレーム801には、吐出機構802aが取付けられている。吐出機構802aは、移動機構805によって移動された表示ユニットAが第1位置にあるときに、プロジェクタカバーB1の角度調整穴B111a(図9参照)に対応する位置に取付けられている。
吐出機構802aは、制御装置806の制御により、角度調整穴B111aに通されたネジB112の頭側部と、角度調整穴B111aの周辺部とを接着するように、UV接着剤を吐出する。
具体的には、吐出機構802aには、ネジB112の頭部の直径とほほ同距離の間隔で2つの吐出孔が形成されている。吐出機構802aは、2つの吐出孔の中心の位置とネジB112の頭部の中心の位置とが概ね一致した状態で、2つの吐出孔を通じてネジB112の頭側部と角度調整穴B111bの周辺部にUV接着剤を吐出する。
このように、第2ミラー固定装置800は、ネジB112に対して、2箇所にUV接着剤を吐出するため、プロジェクタカバーB1に対するネジB112の固定強度を高くしている。
フレーム801には、照射装置803aが取付けられている。照射装置803aは、吐出機構802aに対して少なくとも角度調整穴B111の径よりも長い所定距離だけ図中左右方向に離れた位置に取付けられている。
すなわち、照射装置803aは、移動機構805によって移動された表示ユニットAが第1位置よりも所定距離だけ図中左右方向に離れた第2位置にあるときに、角度調整穴B111aに対応する位置に取付けられている。
照射装置803aには、その穴の中心から穴の全面に向けて紫外線を照射するLEDが設けられている。照射装置803aは、制御装置806による制御に応じて、LEDを発光させる。吐出装置802aによって吐出されたUV接着剤は、照射装置803aによって照射(5秒~60秒間)された紫外線によって硬化する。なお、紫外線の照射時間は、UV接着剤の成分、及び、特性に応じた照射時間が設定される。
移動機構805は、フレーム801に対して直接又は間接的に固定されている。移動機構805は、制御装置806による制御により、待機位置と第1位置と第2位置との間で、台座807を移動させる。
制御装置806は、ミラー調整装置100の制御装置103(図21参照)と同様な汎用的なコンピュータ装置によって構成される。すなわち、コンピュータ装置において、CPUがハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータ装置は、制御装置806として機能する。
なお、本実施形態においては、移動機構805は、制御装置806による制御により、待機位置と、UV接着剤を吐出するための第1位置と、UV接着剤を硬化させるための第2位置との間で、クランプ機構804を固定した台座807をフレーム801に対して移動する例について説明した。
これに対し、移動機構805は、制御装置806による制御により、待機位置と、UV接着剤を吐出するための第1位置とUV接着剤を硬化させるための第2位置との間で、フレーム801を固定した台座807をクランプ機構804に対して移動させるようにしてもよい。
[発明の要旨]
(要旨1)
特開平06-035066号公報及び特開2009-240459号公報に開示されたように、投影装置から投影された映像を反射装置で反射してスクリーン装置に表示させる遊技機においては、反射装置の位置又は姿勢が僅かでもずれていると、スクリーン装置に表示される映像がずれてしまう。このため、投影装置から投影された映像を反射装置で反射してスクリーン装置に表示させる遊技機は、反射装置の位置及び姿勢の精度を確保する必要があった。また、数千から数万台が製造される遊技機においては、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とが要求される。
本発明に係る遊技機の製造装置は、
演出用映像を投影する投影装置(プロジェクタ機構B2)と、
前記投影装置によって投影された演出用映像を反射する反射装置(ミラーユニットB3)と、
前記反射装置によって反射された演出用映像が表示される表示装置(スクリーンユニットC)と、
を有する遊技機の製造装置であって、
前記反射装置の位置及び姿勢を調整する反射位置姿勢調整手段(調整ドライバ装置101)と、
前記反射装置の位置及び姿勢を検出する反射位置姿勢検出手段(位置センサ装置102)と、
前記反射位置姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記反射位置姿勢調整手段を制御する反射位置姿勢制御手段(制御装置103)と、
前記反射装置の位置及び姿勢を固定する反射装置固定手段(第1ミラー固定装置500)と、
を備え、
前記反射位置姿勢調整手段は、前記表示装置に表示される映像の表示領域を調整するために前記反射装置に設けられた複数の調整機構(ネジB112)をそれぞれ調整する複数の調整手段(ドライバ104a~104c)を有し、
前記反射位置姿勢検出手段は、前記反射装置を挟んで前記複数の調整手段に対向する複数の検出手段(距離センサ106a~106c)を有し、
前記反射位置姿勢制御手段は、前記複数の検出手段の検出結果に基づいて、前記反射装置の反射面が予め定められた角度になるように前記複数の調整手段を制御し、
前記反射装置固定手段は、特定波長の光(例えば、紫外線)により凝固する固定剤(例えば、紫外線硬化型接着剤)によって、前記複数の調整機構のうち、前記表示装置に表示される映像の水平方向を調整するために前記反射装置に設けられた調整機構(角度調整穴B111b、B111cに通されたネジB112)を固定する
構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、反射位置姿勢検出手段の検出結果に基づいて反射位置姿勢調整手段に反射装置の位置及び姿勢を調整させるため、反射装置の位置及び姿勢の精度を確保するとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
また、本発明に係る遊技機の製造装置は、表示装置に表示される映像の水平方向を調整するために反射装置に設けられた調整機構を固定することによって、以降の製造工程において当該調整機構にずれが生じることを防止している。
このため、本発明に係る遊技機の製造装置は、以降の製造工程において、当該調整機構のずれの影響を受けて、投影装置と表示装置との相対的な位置及び姿勢を調整することが困難になってしまうことを防止することができる。
(要旨2)
特開平06-035066号公報及び特開2009-240459号公報に開示されたように、投影装置から投影された映像をスクリーン装置(表示装置)に表示させる遊技機においては、投影装置の姿勢が僅かでもずれていると、表示装置に表示される映像がずれてしまう。このため、投影装置から投影された映像を表示装置に表示させる遊技機の製造装置は、投影装置の姿勢の精度を確保する必要があった。また、数千から数万台が製造される遊技機においては、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とが要求される。
本発明に係る遊技機の製造装置は、
演出用映像を投影する投影装置(プロジェクタ機構B2)と、
前記投影装置によって投影された演出用映像が表示される表示装置(スクリーンユニットC)と、
を有する遊技機の製造装置であって、
前記投影装置は、
光学系(例えば、レンズユニットB21等)が収容された光学ユニット(ケースB22)と、
前記光学ユニットを投影筐体(プロジェクタカバーB1)に取り付けるための取付機構(上側台座B220)と、
前記取付機構に対する前記光学ユニットの位置及び姿勢を調整可能に前記光学ユニットと前記取付機構とを連結する複数の連結部(R1,R2,R3)と、
を含む遊技機の製造装置であって、
前記光学系から映像が投影できるように前記取付機構を固定する投影装置固定手段(固定機構601)と、
前記投影装置によって投影された試験用画像が表示される試験用画像表示装置(試験用スクリーン602)と、
前記試験用画像表示装置に表示された試験用画像を撮影する試験用画像撮影装置(カメラ603)と、
前記試験用画像撮影装置によって撮影された画像から前記複数の連結部の調整量をそれぞれ算出する調整量算出手段(制御装置604)と、
前記調整量算出手段によってそれぞれ算出された調整量にしたがって、前記複数の連結部を調整することで、前記取付機構に対する前記光学ユニットの位置及び姿勢を調整するユニット調整手段(ユニット調整装置605)と、
を備えた構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、試験用画像が表示された試験用画像表示装置を撮影手段によって撮影した撮影画像を基に算出した調整量に応じて投影筐体に対する光学ユニットの姿勢を調整するため、投影装置の姿勢の精度を確保することができるとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
(要旨3)
要旨2と同様な課題を解決するため、本発明に係る遊技機の製造装置は、
演出用映像を投影する投影装置(プロジェクタ機構B2)と、
前記投影装置によって投影された演出用映像が表示される表示装置(スクリーンユニットC)と、
を有する遊技機の製造装置であって、
前記投影装置は、
光学系(例えば、レンズユニットB21等)が収容された光学ユニット(ケースB22)と、
前記光学ユニットを投影筐体(プロジェクタカバーB1)に取り付けるための取付機構(上側台座B220)と、
前記取付機構に対する前記光学ユニットの位置及び姿勢を調整可能に前記光学ユニットと前記取付機構とを連結する複数の連結部(R1,R2,R3)と、
を含む遊技機の製造装置であって、
前記光学系から映像が投影できるように前記取付機構を固定する投影装置固定手段(固定機構601)と、
前記投影装置によって投影された試験用画像が表示される試験用画像表示装置(試験用スクリーン602)と、
前記試験用画像表示装置に表示された試験用画像を撮影する試験用画像撮影装置(カメラ603)と、
前記試験用画像撮影装置によって撮影された画像から前記複数の連結部の調整量をそれぞれ算出する調整量算出手段(制御装置604)と、
前記調整量算出手段によってそれぞれ算出された調整量にしたがって、前記複数の連結部を調整することで、前記取付機構に対する前記光学ユニットの位置及び姿勢を調整するユニット調整手段(ユニット調整装置605)と、
を備え、
前記試験用画像表示装置には、左右方向の中心を表す基準マーカ(BM1、BM2)が表示面に印され、
前記試験用画像は、複数の調整マーカ(T1~T4)を含み、
前記調整量算出手段は、前記試験用画像撮影装置によって撮影された画像における前記基準マーカ及び前記調整マーカが表す座標に基づいて、前記複数の連結部の調整量をそれぞれ算出し、
前記複数の調整マーカは、前記試験用画像表示装置に表示されたときに、前記基準マーカを挟んで互いに離隔する
構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、試験用画像が表示された試験用画像表示装置を撮影手段によって撮影した撮影画像を基に算出した調整量に応じて投影筐体に対する光学ユニットの姿勢を調整するため、投影装置の姿勢の精度を確保することができるとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
また、本発明に係る遊技機の製造装置は、左右方向の中心を表す基準マーカを挟んで互いに離隔するように、調整マーカを試験用画像表示装置に表示させるため、基準マーカと調整マーカとが重ななることで調整マーカが基準マーカで反射して基準マーカ又は調整マーカのいずれか一方又は両方が撮影手段によって識別可能に撮影することができなくなることを防止することができる。
(要旨4)
特開平06-035066号公報及び特開2009-240459号公報に開示されたように、投影装置から投影された映像をスクリーン装置(表示装置)に表示させる遊技機においては、投影装置の投影領域が僅かでもずれていると、表示装置に表示される映像がずれてしまう。このため、投影装置から投影された映像を表示装置に表示させる遊技機の製造装置は、投影装置の投影領域の精度を確保する必要があった。また、数千から数万台が製造される遊技機においては、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とが要求される。
本発明に係る遊技機の製造装置は、
演出用映像を投影する投影装置(プロジェクタ機構B2)と、
前記投影装置によって投影された演出用映像が表示される表示装置(スクリーンユニットC)と、
を有する遊技機の製造装置であって、
前記投影装置に投影させる映像を制御する映像制御手段(制御装置701)と
前記投影装置によって映像が投影された前記表示装置を撮影する撮影手段(カメラ702)と、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像を基に、前記投影装置の投影領域の調整量を算出する調整量算出手段(制御装置701)と、
前記調整量算出手段によって算出された調整量に応じて、前記投影装置の投影領域を調整する投影領域調整手段(スクリーン移動機構705)と、
を備え、
前記調整量算出手段は、
前記映像制御手段の制御により前記投影装置から第1調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像から、前記撮影手段の撮影画像における前記表示装置の表示領域に関する座標情報を基準座標情報として取得し、
前記映像制御手段の制御により前記投影装置から第2調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像と、前記基準座標情報とを基に、前記投影装置の投影領域の調整量を算出する
構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、第1調整用画像が投影された表示装置の撮影画像から、撮影画像における表示装置の表示領域に関する座標情報を基準座標情報として取得し、第2調整用画像が投影された表示装置の撮影画像と、基準座標情報とを基に、投影装置の投影領域の調整量を算出するため、投影装置の投影領域の精度を確保するとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
また、本発明に係る遊技機の製造装置において、
前記映像制御手段は、前記表示装置の表示領域を覆うサイズの単色の画像を前記第1調整用画像として前記投影装置に投影させ、
前記調整量算出手段は、前記第1調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像から前記表示領域と非表示領域との境界を検出することにより、前記基準座標情報を取得する
ようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、第1調整用画像が投影された表示装置が撮影手段によって撮影された撮影画像から表示領域と非表示領域との境界を検出するため、撮影画像における表示装置の表示領域に関する座標情報を取得することができる。
また、本発明に係る遊技機の製造装置において、
前記映像制御手段は、前記表示装置の表示領域に応じたマーカ(M1~M5)を有する画像を前記第2調整用画像として前記投影装置に投影させ、
前記調整量算出手段は、前記第2調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像から前記マーカを検出し、前記撮影画像における前記マーカの座標情報と、前記基準座標情報とに基づいて、前記投影装置の投影領域の調整量を算出する
ようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、表示装置の表示領域に応じたマーカを有する第2調整用画像が投影された表示装置の撮影画像と、基準座標情報とを基に、投影装置の投影領域の調整量を算出するため、投影装置の投影領域の精度を確保することができる。
また、本発明に係る遊技機の製造装置において、
前記投影装置によって投影された演出用映像を反射する反射装置(ミラーユニットB3)と、
前記反射装置の位置及び姿勢を調整する反射位置姿勢調整手段(ドライバ710)と、
前記投影装置の投影領域が前記投影領域調整手段によって調整された後に、前記反射装置の位置及び姿勢を固定する反射装置固定手段(第2ミラー固定装置800)と、を更に備え、
前記表示装置には、前記反射装置によって反射された演出用映像が表示され、
前記反射位置姿勢調整手段は、前記表示装置に表示される映像の表示領域を調整するために前記反射装置に設けられた複数の調整機構(ネジB112)のうち、前記表示装置に表示される映像の垂直方向を調整するために前記反射装置に設けられた調整機構(角度調整穴B111aに通されたネジB112)を調整し、
前記反射装置固定手段は、特定波長の光(例えば、紫外線)により凝固する固定剤(例えば、紫外線硬化型接着剤)によって、前記複数の調整機構のうち、前記反射位置姿勢調整手段によって調整された調整機構を固定する
ようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、表示装置に表示される映像の垂方向を調整するために反射装置に設けられた調整機構を固定することによって、当該調整機構にずれが生じることを防止するため、投影装置の投影領域の精度を確保することができる。
(要旨5)
要旨4と同様な課題を解決するため、本発明に係る遊技機の製造装置は、
演出用映像を投影する投影装置(プロジェクタ機構B2)と、
前記投影装置によって投影された演出用映像が表示される表示装置(スクリーンユニットC)と、
を有する遊技機の製造装置であって、
前記投影装置に投影させる映像を制御する映像制御手段(制御装置701)と
前記投影装置によって映像が投影された前記表示装置を撮影する撮影手段(カメラ702)と、
前記撮影手段によって撮影された撮影画像を基に、前記投影装置の投影領域の調整量を算出する調整量算出手段(制御装置701)と、
前記調整量算出手段によって算出された調整量に応じて、前記投影装置の投影領域を調整する投影領域調整手段(スクリーン移動機構705)と、
を備え、
前記調整量算出手段は、
前記映像制御手段の制御により前記投影装置から第1調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像から、前記撮影手段の撮影画像における前記表示装置の表示領域に関する座標情報を基準座標情報として取得し、
前記映像制御手段の制御により前記投影装置から第2調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像と、前記基準座標情報とを基に、前記投影装置の投影領域の調整量を算出し、
前記映像制御手段は、前記表示装置の表示領域を覆うサイズの単色の画像を前記第1調整用画像として前記投影装置に投影させ、
前記調整量算出手段は、前記第1調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像から前記表示領域と非表示領域との境界を検出することにより、前記基準座標情報を取得し、
前記映像制御手段は、前記演出用映像と下方の輪郭が一致する単色の画像を前記第2調整用画像として前記投影装置に投影させ、
前記調整量算出手段は、前記第2調整用画像が投影された前記表示装置が前記撮影手段によって撮影された撮影画像から、前記表示装置の表示領域外(例えば、解析領域750)に表示された前記第2調整用画像の広さを算出し、算出した広さが許容範囲内となるように、前記投影装置の投影領域の調整量を算出する
構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機の製造装置は、第1調整用画像が投影された表示装置の撮影画像から、撮影画像における表示装置の表示領域に関する座標情報を基準座標情報として取得し、第2調整用画像が投影された表示装置の撮影画像と、基準座標情報とを基に、投影装置の投影領域の調整量を算出するため、投影装置の投影領域の精度を確保するとともに、調整にかかる精度の均一化と調整時間にかかる製造コストの抑制とを実現することができる。
また、本発明に係る遊技機の製造装置は、第1調整用画像が投影された表示装置が撮影手段によって撮影された撮影画像から表示領域と非表示領域との境界を検出するため、撮影画像における表示装置の表示領域に関する座標情報を取得することができる。
また、本発明に係る遊技機の製造装置は、演出用映像と下方の輪郭が一致する第2調整用画像が投影された表示装置の撮影画像と、基準座標情報とを基に、投影装置の投影領域の調整量を算出するため、投影装置によって投影された映像が表示装置の表示領域外に表示されることで、演出用映像の見た目が損なわれることを防止することができる。
以上、本発明の実施形態をパチスロ機の調整装置及び製造方法に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチンコ機やスロットマシン等)の調整装置及び製造方法に適用することも可能である。
また、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。