以下、本発明の一実施形態を示す遊技機としてパチスロを例に挙げ、図面を参照しながら、その構成及び動作について説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりパチスロにメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値という)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。内部当籤役の決定により、後述の有効ライン(入賞判定ライン)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、最大滑り駒数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(以下、「CB」という)及び「CB」を連続して作動させる「MB」(ミドルボーナス)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1駒分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段もまた、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
具体的には、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値という)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図5を参照して、一実施形態におけるパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体(遊技機本体)2を備える。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aの開口を開閉可能に取り付けられるフロントドア2bと、を有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられる(図2では一方の側面の把手7のみを示す)。把手7は凹状部材で構成され、パチスロ1を運搬するときに作業者の手がこの把手7にかけられる。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3R(変動表示手段)が横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向(リールの回転方向)に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、腰部パネル12と、台座部13とを備える。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられる。ヒンジは、パチスロ1の前方側(遊技者側)からドア本体9を見た場合、ドア本体9の左側の側端部に設けられる。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に設けられている。このフロントパネル10は、開口10aを有する枠状に形成されている。フロントパネル10の開口10aは、キャビネット2aの内部に配置された後述の表示装置11に対向する。また、フロントパネル10の開口10aは、表示装置カバー30によって塞がれている。
表示装置カバー30は、黒色の半透明な合成樹脂により形成されている。遊技者は、後述の表示装置11により表示された映像(画像)を、表示装置カバー30を介して視認する。 本実施形態では、表示装置カバー30を黒色の半透明な合成樹脂により形成することで、キャビネット2a内への外光の入り込みを抑制して、後述の表示装置11により表示された映像(画像)を鮮明に視認できるようにしている。
フロントパネル10には、ランプ群21が設けられている。ランプ群21は、例えば、遊技者側から見て、フロントパネル10の上部に設けられたランプ21a、21bを含む。ランプ群21を構成する各ランプは、LED(Light Emitting Diode)85(図7参照)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
腰部パネル12は、ドア本体9の中央部に設けられている。腰部パネル12は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源(LED85)を有している。
台座部13は、フロントパネル10と腰部パネル12との間に設けられている。台座部13には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置(メダル投入口14、MAXベットボタン15A、1BETボタン15B、スタートレバー16、3つのストップボタン17L,17C,17R、精算ボタン等)が設けられる。
が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを視認することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓4の各リール3L,3C,3Rに対向する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部13に設けられた枠部材31により形成されている。この枠部材31は、リール表示窓4と、情報表示窓32と、ストップボタン取付部15を有している。
情報表示窓32は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。この情報表示窓には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。また、情報表示窓32及びリール表示窓4は、透明の窓カバー(不図示)によって覆われている。
メダル投入口14は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口14から受け入れられたメダルは、予め設定された所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えたメダルの枚数分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン15A及び1BETボタン15Bは、キャビネット2aの内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。また、精算ボタン18は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、図2には示さないが、台座部13には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6(図7参照)が設けられる。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数という)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数という)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口24、メダル受皿25、2つのスピーカ用孔20L,20R等が設けられる。メダル払出口24は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿25は、メダル払出口24から排出されたメダルを貯める。また、2つのスピーカ用孔20L,20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音声を出力する。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3〜図6を参照しながら説明する。
図3及び図4は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図4では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。また、図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
図5に示すように、キャビネット2aは、上面板27aと、底面板27bと、左右の側面板27c,27dと、背面板27eを有している。キャビネット2a内の上部には、表示装置11が配置されている。
表示装置11は、プロジェクタ213と、プロジェクタ213から投射された映像光を投影する台形部材302等の被投影部材とを有しており、プロジェクションマッピングによる映像表示を行う。すなわち、本実施形態では、被投影部材の位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて映像光を生成し、その映像光を被投影部材(立体物)の表面に投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を行う。
キャビネット2aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板27bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は精算ボタンが押圧されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口24(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板27bに係合されており、底面板27bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図7参照)。この電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板27cに取り付けられている。電源装置53は、サブ電源装置(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
電源装置53の上方には、副制御基板72(図7参照)を収容する副制御基板ケース56が配設されている。副制御基板ケース56に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図9参照)を構成する。この副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
副制御基板ケース56の上方には、副中継基板61が配設されている。この副中継基板61は、副制御基板72と後述の主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副中継基板61は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。
キャビネット2a内には、キャビネット側中継基板(不図示)が配設されている。このキャビネット側中継基板は、後述のミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた主制御基板71(図7参照)と、ホッパー装置51、遊技メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
図3,図4及び図6に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の側部と下部には、ドアストッパ41a,41bが設けられている。このドアストッパ41a,41bは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a,41bを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。
ミドルドア41には、主制御基板71(図7参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられている。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路91(図8参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の下方には、スピーカ65L,65Rが配設されている。スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔20L,20R(図2参照)に対向している。
スピーカ65Lの上方には、セレクタ66と、ドア開閉監視スイッチ67が配設されている。セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口14に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左斜め下に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図4参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図7参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図7参照)、セレクタ66及び遊技動作表示基板81(図7参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXベットボタン15A、1BETボタン15B、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図7を参照して説明する。
図7は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71と、キャビネット2aに配設された副制御基板72を有している。
主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ57と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ57、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52の後述するスイッチ貫通孔を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン18が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器6に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器6とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、複数のLED基板62、24hドア開閉監視ユニット63が接続されている。24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、スピーカ65L,65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。複数のLED基板62には、ランプ群21を構成する各ランプのLED85が実装される。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、プロジェクタ中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及びプロジェクタ中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース56に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。プロジェクタ中継基板87は、副制御基板72と表示装置11のプロジェクタ213とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図8を参照して説明する。
図8は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU(Central Processing Unit)93、メインROM(Read Only Memory)94及びメインRAM(Random Access Memory)95を備える。
メインROM94には、メインCPU93により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを一時的に格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続される。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生(生成)する。そして、メインCPU93は、生成されたクロックパルスに基づいて、各種制御プログラムを実行する。また、乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから対応するリールのステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リールの回転角度の管理手法を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM95に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
<副制御回路>
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図9を参照して説明する。
図9は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続され、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的には、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、及び、ドライバ106を含む。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示装置11による映像の表示を制御するための描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ65L,65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGM(Back-Ground Music)や効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM103は、決定された演出内容、演出データ等を登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データ等を格納する格納領域などを有する。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ65L,65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
本実施形態では、サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成した映像はプロジェクタ213により表示される。
演出内容により指定されたアニメーションデータは、2次元用のアニメーションデータとしてロムカートリッジ基板86に記憶されている。サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、所定の演出を行う場合(後述の台形部材302や擬似リール部材303に映像光を投影する場合)に、2次元用のアニメーションデータを補正して3次元用の映像を作成し、該映像を後述の3つの液晶パネルに表示する。
これにより、表示装置11は、被投影部材の形状や大きさに合わせて補正した3次元の映像を表す映像光を被投影部材に投影する。その結果、奥行きや深さや厚みなどが感じられる立体感のある映像を表示することができ、映像を用いた演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態では、2次元用のアニメーションデータを補正して3次元用の映像を作成する際に、その映像で表されるものに影を付ける。これにより、映像によって表現するものが浮き出て見えたり、空中に浮いているように見えたりするため、投影する映像に奥行きを生じさせることができる。
<表示装置の構成>
次に、表示装置11の構成について、図10を参照して説明する。
図10は、表示装置11の斜視図である。
図10に示すように、表示装置11は、投影ブロック201と、投影ブロック201の下方に配置された被投影ブロック202を備えている。この表示装置11は、投影ブロック201の後述するプロジェクタ213によって映像光を生成し、被投影ブロック202の後述する台形部材302等の被投影部材に投影する。
[投影ブロック]
次に、投影ブロック201の構成について、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、投影ブロック201の分解斜視図である。図12は、投影ブロック201の縦断面図である。
図11に示すように、投影ブロック201は、ベース部材211と、反射部材212と、プロジェクタ213とを有している。ベース部材211は、下面が開口された中空の直方体状に形成されており、上板部221と、前板部222と、後板部223と、左側板部224と、右側板部225とを有する。
上板部221の裏面は、プロジェクタ213に対向する。前板部222には、反射部材取付け部227が設けられている。この反射部材取付け部227は、前板部222よりも前方に突出する突部として形成されている。
反射部材取付け部227は、上板部221に連続する上部片231と、前板部222に連続する左側部片232及び右側部片233と、前部片234とを有している。前部片234は、横長の長方形の板状に形成されており、表面が斜め上方を向いて裏面が斜め下方を向くように傾斜している。
図12に示すように、反射部材212は、前部片234と略同じ大きさの長方形の板状に形成されたミラーホルダ236と、ミラーホルダ236に固定された反射ミラー237とを有する。ミラーホルダ236は、前部片234の裏面にねじ等の固定部材を用いて固定されている。ミラーホルダ236の一方の面は、前部片234の裏面に対向しており、他方の面は、被投影ブロック202に向いている。
反射ミラー237は、ミラーホルダ236の他方の面に固定されている。この反射ミラー237は、反射面が斜め下方を向くように傾斜しており、プロジェクタ213から投射される映像光を、被投影ブロック202の後述する台形部材302等の被投影部材に向けて反射する。
プロジェクタ213は、プロジェクタ本体241と、取付ブラケット242とを有する。取付ブラケット242は、略長方形の板状に形成されており、ベース部材211における上板部221の裏面に対向する上面242aと、プロジェクタ本体241が取り付けられる下面242bを有する。この取付ブラケット242は、ベース部材211における上板部221の裏面にねじ等の固定部材を用いて固定されている。
プロジェクタ本体241は、ケース251と、照明ユニット252と、液晶プリズムユニット253と、投射レンズ254と、複数のヒートシンク255と、複数のファン256とを有する。なお、図12では、1つのヒートシンク255と、1つのファン256が示されている。
ケース251は、中空の筐体に形成されている。このケース251の内部には、照明ユニット252、液晶プリズムユニット253、投射レンズ254、ヒートシンク255及びファン256が配置されている。また、ケース251の前面には、投射レンズ254によって塞がれる開口部が設けられている。
投射レンズ254の後方には、液晶プリズムユニット253が配置されており、液晶プリズムユニット253の後方には、照明ユニット252が配置されている。そして、照明ユニット252の周囲には、複数のヒートシンク255が配置されており、複数のファン256は、複数のヒートシンク255に隣接して配置されている。
照明ユニット252は、例えば、複数の光源を有している。複数の光源は、赤色の光を出射する光源R(不図示)と、緑色の光を出射する光源G(不図示)と、青色の光を出射する光源B(不図示)とから構成されている。したがって、液晶プリズムユニット253には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の光がそれぞれ入射する。
なお、本発明に係る光源としては、例えば、1つの高輝度放電ランプを使用してもよい。この場合は、色分解ミラー(ダイクロイックミラー)を使用して、高輝度放電ランプから出射された光を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の光に分解する。
液晶プリズムユニット253は、例えば、3つの液晶パネルと、色合成用のクロスプリズム(ダイクロイックプリズム)等を備えている。3つの液晶パネルは、赤色の光が入射する液晶パネルR(不図示)と、緑色の光が入射する液晶パネルG(不図示)と、青色の光が入射する液晶パネルB(不図示)である。クロスプリズムは、各液晶パネルによって生成された3つの映像光を1つの映像光として合成する。
投射レンズ254は、反射部材212の反射ミラー237と対向している。液晶プリズムユニット253から出射された映像光は、投射レンズ254を通って反射ミラー237に投射される。複数のヒートシンク255は、照明ユニット252によって発生した熱を放熱する。また、複数のファン256は、複数のヒートシンク255に空気を送風して、複数のヒートシンク255を冷却する。
[被投影ブロック]
次に、被投影ブロック202の構成について、図13及び図14を参照して説明する。
図13は、被投影ブロック202の分解斜視図である。図14は、被投影ブロック202における移動機構の分解斜視図である。
図13に示すように、被投影ブロック202は、収納ケース301と、台形部材302と、擬似リール部材303と、平面スクリーン部材304と、被投影部材移動機構305を備えている。平面スクリーン部材304は、本発明に係る第1の被投影部材の具体例を示すものであり、台形部材302及び擬似リール部材303は、本発明に係る第2の被投影部材の具体例を示すものである。
収納ケース301は、前面及び上面が開口された中空の筐体であり、台座部311と、背面壁312と、左側壁313と、右側壁314とを有している。台座部311は、長方形の板状に形成されており、収納ケース301の底部を形成している。この台座部311は、上方を向く載置面311aと、載置面311aと反対側の下面311bとを有している。
背面壁312は、長方形の板状に形成されており、収納ケース301の背面を形成している。左側壁313は、長方形の板状に形成されており、収納ケース301の左側面を形成している。この左側壁313には、シャフト374の一端が貫通する貫通孔313aが設けられている。右側壁314は、長方形の板状に形成されており、収納ケース301の右側面を形成している。この右側壁314には、シャフト374の他端が貫通する貫通孔314aと、モータ固定部314bが設けられている。
台形部材302は、台形の床板部321と、3つの壁板部322,323,324から構成されており、収納ケース301の台座部311にねじ等の固定部材を用いて固定されている。
床板部321は、台座部311の載置面311aに載置される。床板部321の一方の平面は、台座部311の載置面311aに当接し、他方の平面は、投影面321aとなる。床板部321の投影面321aには、プロジェクタ213から投射されて反射部材212により反射された映像光が投影される。
また、床板部321は、互いに平行な第1の辺321b及び第2の辺321cを有している。第1の辺321b及び第2の辺321cは、前後方向で対向しており、第1の辺321bは、第2の辺321cよりも長く、フロントドア2b側に位置している。すなわち、床板部321は、第1の辺321bがフロントドア2b側となるように配置されている。
壁板部322は、床板部321の第2の辺321cに連続しており、床板部321に対して略垂直に立ち上がる板状に形成されている。壁板部322の一方の平面は、フロントドア2b側を向いており、投影面322aとなる。壁板部322の投影面322aには、投影面321aと同様に、反射部材212により反射された映像光が投影される。
壁板部323は、床板部321のその他の2辺のうちの左側に位置する辺に連続しており、床板部321に対して略垂直に立ち上がる板状に形成されている。壁板部323の一方の平面は、壁板部324に対向しており、投影面323aとなる。この投影面323aと投影面322aが交差する角度は、鈍角であり、投影面323aは、フロントドア2bの開口10aを介して遊技者から視認可能となる。投影面323aには、投影面321aと同様に、反射部材212により反射された映像光が投影される。
壁板部324は、床板部321のその他の2辺のうちの右側に位置する辺に連続しており、床板部321に対して略垂直に立ち上がる板状に形成されている。壁板部324の一方の平面は、壁板部323に対向しており、投影面324aとなる。この投影面324aと投影面322aが交差する角度は、鈍角であり、投影面324aは、フロントドア2bの開口10aを介して遊技者から視認可能となる。投影面324aには、投影面321aと同様に、反射部材212により反射された映像光が投影される。
本実施形態では、台形部材302の投影面321a,322a,323a,324aの一部の領域に映像光が投影される。すなわち、投影面321a,322a,323a,324aは、映像光が投影される投影領域と、映像光が投影されない非投影領域を有している。そして、投影面321a,322a,323a,324aの投影領域には、銀色(灰色)の塗料が塗布されている。一方、投影面321a,322a,323a,324aの非投影領域には、黒色の塗料が塗布されている。
このように、投影面321a,322a,323a,324aの非投影領域に黒色の塗料を塗布することにより、非投影領域で光が反射することを抑制して、キャビネット2a内における光の乱反射を抑制することができる。また、非投影領域に黒色の塗料を塗布することにより、被投影部材の振動、回転、崩壊、形状変化、彩色変化、一部分の強調表現が可能になる。
図13及び図14に示すように、擬似リール部材303は、円弧板部331と、円弧板部331に連続する一対の回動腕332A,332B(回動腕332Bは、図16参照)とを備えている。
円弧板部331は、側面形状が円弧状の板体からなり、内周面331aと、外周面331bとを有している。円弧板部331の内周面331aには、パチスロ1に関連した装飾が設けられている。外周面331bは、滑らかな曲面となっており、プロジェクタ213から投射された映像光を投影する投影面である(図16参照)。また、円弧板部331の内周面331a及び外周面331bには、シルバー(又は灰色)の塗料が塗布されている。
一対の回動腕332A,332Bは、円弧板部331の円弧状の2辺にそれぞれ連続しており、略扇型の板状に形成されている。一対の回動腕332A,332Bは、被投影部材移動機構305の後述する支持板351A,351Bに回動可能に支持される。擬似リール部材303は、内周面331aを前方に向ける待機位置と、外周面331bを前方に向ける露出位置との間を回動する。擬似リール部材303の動作については、後で図16及び図17を参照して説明する。
図13に示すように、平面スクリーン部材304は、横長の略長方形の板状に形成されており、第1平面304aと、第2平面304bとを有している。平面スクリーン部材304の第1平面304aには、シルバー(又は灰色)の塗料が塗布されており、第2平面304bには、白色の塗料が塗布されており、反射部材212により反射された映像光が投影される。
平面スクリーン部材304は、被投影部材移動機構305の後述するクランクアーム378A,378Bに支持されている。クランクアーム378A,378Bは、支持板351A,351Bに回動可能に支持される。平面スクリーン部材304は、第1平面304aを斜め下方に向ける待機位置と、第2平面(投影面)304bを前方に向ける露出位置との間を回動する。すなわち、平面スクリーン部材304が露出位置に配置されると、第2平面(投影面)304bに映像光が投影される。
図13及び図14に示すように、被投影部材移動機構305は、支持板351A,351Bと、擬似リール部材移動機構352と、平面スクリーン部材移動機構353とを備えている。
支持板351A,351Bは、縦長の略長方形の板状に形成されており、適当な距離をあけて左右方向で対向している。支持板351A,351Bは、収納ケース301における台座部311の載置面311aに、ねじ等の固定部材を用いて固定されている。そして、支持板351A,351B間には、擬似リール部材303が配置されている。
また、支持板351A,351Bは、擬似リール部材303の一対の回動腕332A,332Bを回動可能に支持している。そして、支持板351A,351Bには、平面スクリーン部材移動機構353の後述するシャフト374が貫通する貫通孔と、擬似リール部材303における回動腕332A,332Bの回動軸335が貫通する貫通孔が設けられている。
さらに、支持板351Bには、ストッパ355と、第1センサ356と、第2センサ357が設けられている。ストッパ355は、擬似リール部材移動機構352の後述する駆動ギア362の回転範囲を制限する。第1センサ356は、平面スクリーン部材304を待機位置に移動させた場合に、平面スクリーン部材移動機構353の後述するクランクアーム378Bを検出する。第2センサ357は、平面スクリーン部材304を露出位置に移動させた場合に、平面スクリーン部材移動機構353の後述するクランクアーム378Bを検出する。
擬似リール部材移動機構352は、駆動モータ361と、駆動ギア362とを有している。駆動モータ361は、収納ケース301における右側壁314のモータ固定部314bに、ねじ等の固定部材を用いて固定されている。駆動モータ361の回転軸(不図示)は、駆動ギア362に噛み合う。
駆動ギア362は、略半円状に形成されており、支持板351Bに回転可能に支持されている。この駆動ギア362は、支持板351Bにおける収納ケース301の右側壁314(図13参照)に対向する面に配置されている。また、駆動ギア362の中心部には、擬似リール部材303の回動腕332B(図16参照)の回動軸335が接続されている。
平面スクリーン部材移動機構353は、駆動モータ371と、中間ギア372,373と、シャフト374と、クランクギア375,376と、クランクアーム378A,378Bとを有している。駆動モータ371は、支持板351Bに、ねじ等の固定部材を用いて固定されている。駆動モータ371の回転軸371aは、中間ギア372に噛み合う。
中間ギア372は、支持板351Bと、収納ケース301の右側壁314との間に配置されている。中間ギア372の中心部には、シャフト374の他端部が接続されており、そのシャフト374の他端は、収納ケース301の右側壁314に設けた貫通孔314a(図13参照)を貫通する。
中間ギア373は、支持板351Aと、収納ケース301の左側壁313との間に配置されている。中間ギア373の中心部には、シャフト374の一端部が接続されており、そのシャフト374の一端は、収納ケース301の左側壁313に設けた貫通孔313a(図13参照)を貫通する。
シャフト374は、支持板351A,351Bを貫通しており、支持板351A,351Bに回転可能に支持されている。中間ギア373は、シャフト374により中間ギア372と接続されている。したがって、中間ギア373は、中間ギア372と一緒に回転する。
クランクギア375は、支持板351Bと、収納ケース301の右側壁314との間に配置されており、右側壁314に回転可能に支持されている。クランクギア375は、中間ギア372と噛み合っている。中間ギア372の支持板351Bに対向する面には、クランクピン375aが形成されている。
クランクギア376は、支持板351Aと、収納ケース301の左側壁313との間に配置されており、左側壁313に回転可能に支持されている。クランクギア376は、中間ギア373と噛み合っている。中間ギア373の支持板351Aに対向する面には、クランクピン376aが形成されている。
クランクアーム378Aは、支持板351Aと、収納ケース301の左側壁313との間に配置されており、支持板351Aに回転可能に支持されている。クランクアーム378Aは、略L字状のアーム部381と、アーム部381の一端に設けられた接続部382とを有している。
アーム部381には、支持板351Aに回転可能に係合する回動軸384と、直線状の係合溝385が設けられている。係合溝385は、アーム部381における収納ケース301の左側壁313と対向する面に設けられている。この係合溝385には、クランクギア376のクランクピン376aが摺動可能に係合する。
接続部382は、長方形の板状に形成されている。接続部382の一方の平面は、アーム部381に連続しており、他方の平面は、平面スクリーン部材304に当接する。この接続部382は、平面スクリーン部材304にねじ等の固定部材を用いて固定されている。
クランクアーム378Bは、支持板351Bと、収納ケース301の右側壁314との間に配置されており、支持板351Bに回転可能に支持されている。クランクアーム378Bは、略L字状のアーム部391と、アーム部391の一端に設けられた接続部392とを有している。
アーム部391には、支持板351Aに回転可能に係合する回動軸(不図示)と、直線状の係合溝395と、第1検出片396と、第2検出片397が設けられている。係合溝395は、アーム部391における収納ケース301の右側壁314と対向する面に設けられている。この係合溝395には、クランクギア375のクランクピン375aが摺動可能に係合する。
第1検出片396は、アーム部391の側方に突出している。擬似リール部材移動機構352が平面スクリーン部材304を待機位置に移動させると、第1検出片396は、支持板351Bに設けた第1センサ356に検出される。
第2検出片397は、第1検出片396の下方に設けられており、アーム部391の側方に突出している。擬似リール部材移動機構352が平面スクリーン部材304を露出位置に移動させると、第2検出片397は、支持板351Bに設けた第2センサ357に検出される。
接続部392は、長方形の板状に形成されている。接続部392の一方の平面は、アーム部391に連続しており、他方の平面は、平面スクリーン部材304に当接する。この接続部392は、平面スクリーン部材304にねじ等の固定部材を用いて固定されている。
[台形部材の使用状態]
次に、台形部材302を投影対象とした状態について、図15を参照して説明する。
図15は、台形部材302を投影対象とした状態の被投影ブロック202の縦断面図である。
図15に示すように、台形部材302を投影対象とした状態では、擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304がそれぞれの待機位置に配置されている。
擬似リール部材303が待機位置に配置されると、擬似リール部材303は、台形部材302の後方に位置し、円弧板部331の内周面331aが前方を向く。このとき、駆動ギア362の一方の半径部がストッパ355に当接している。そのため、駆動ギア362は、被投影ブロック202を右側方から見た場合の右回り(時計回り)への回動がストッパ355によって係止されている。
また、平面スクリーン部材304が待機位置に配置されると、平面スクリーン部材304は、台形部材302の上方に位置し、第1平面304aが下方を向く。このとき、第1センサ356は、平面スクリーン部材移動機構353におけるクランクアーム378Bの第1検出片396を検出する。これにより、副制御回路101は、平面スクリーン部材304が待機位置に配置されたことを検知する。
待機位置に配置された擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304(被投影部材)は、台形部材302とフロントパネル10の開口10a(図2参照)との間に介在しない。したがって、台形部材302は、フロントパネル10の開口10aから露出され、投影対象となる。
投影対象となった台形部材302の投影面321a,322a,323a,324a(投影面324aは図13参照)には、投影ブロック201のプロジェクタ213から投射された映像光が投影される。これにより、演出に用いる映像が投影対象である台形部材302に表示され、遊技者に視認可能となる。
本実施形態では、台形部材302の床板部321と3つの壁板部322,323,324(壁板部324は図13参照)の投影面321a,322a,323a,324aに映像光を投影して、演出に用いる映像を表示する。これにより、コストを上昇させることなく、且つ、簡易な構成で映像に立体感や奥行きが感じられる斬新な演出を行うことができる。その結果、映像を表示する演出の興趣を高めることができる。
本実施形態では、被投影部材として適用した台形部材302が、映像光の光軸に対して異なる角度で交差する4つの投影面を有している。しかし、本発明に係る被投影部材としては、映像光の光軸に対して異なる角度で交差する2つ又は3つの投影面を有していてもよく、また、映像光の光軸に対して異なる角度で交差する5つ以上の投影面を有していてもよい。
また、本実施形態では、台形部材302を所定の位置に固定する構成にした。しかし、本発明に係る台形部材としては、プロジェクションから投射された映像光が投影されない待機位置と、プロジェクションから投射された映像光が投影される露出位置との間で移動させる構成にしてもよい。この場合の台形部材としては、適当な軸を中心に回動するものであってもよく、また、直線移動するものであってもよい。
[擬似リール部材の動作]
次に、擬似リール部材303の動作について、図16及ぶ図17を参照して説明する。
図16は、擬似リール部材303を投影対象とした状態の被投影ブロック202を示す説明図である。図17は、擬似リール部材303を投影対象とした状態の被投影ブロック202の縦断面図である。
擬似リール部材303を投影対象とする場合は、擬似リール部材303を待機位置から露出位置へ移動させる。なお、平面スクリーン部材304は、待機位置に配置した状態を維持する。
擬似リール部材303を露出位置へ移動させるには、擬似リール部材移動機構352の駆動モータ361を駆動して、被投影ブロック202を右側方から見た場合に、駆動ギア362を左回り(反時計回り)に回転させる(図16参照)。
駆動ギア362には、擬似リール部材303の回動腕332Bに設けた回動軸335が接続されている。そのため、駆動ギア362が左回りに回転すると、擬似リール部材303が待機位置から左回りに回動する。そして、駆動ギア362の他方の半径部がストッパ355に当接すると、駆動ギア362の左回りの回転がストッパ355によって係止される。その結果、図16及び図17に示すように、擬似リール部材303は、露出位置に配置される。
露出位置に配置された擬似リール部材303は、台形部材302の前方を覆う。また、待機位置に配置された平面スクリーン部材304は、擬似リール部材303とフロントパネル10の開口10a(図2参照)との間に介在しない。したがって、擬似リール部材303は、フロントパネル10の開口10aから露出され、投影対象となる。
投影対象となった擬似リール部材303の外周面331b(以下、「投影面331b」と言う)には、投影ブロック201のプロジェクタ213から投射された映像光が投影される。これにより、演出に用いる映像が投影対象である擬似リール部材303に表示され、遊技者に視認可能となる。例えば、擬似リール部材303の湾曲する投影面331bに、リールを表す映像光を投影することにより、物理的なリールが設けられているように見せることができる。
なお、擬似リール部材303を露出位置から待機位置へ移動させるには、擬似リール部材移動機構352の駆動モータ361を駆動して、被投影ブロック202を右側方から見た場合に、駆動ギア362を右回り(時計回り)に回転させる(図16参照)。
駆動ギア362が右回りに回転すると、擬似リール部材303が露出位置から右回りに回動する。そして、駆動ギア362の一方の半径部がストッパ355に当接すると、駆動ギア362の右回りの回転がストッパ355によって係止される。その結果、図15に示すように、擬似リール部材303は、待機位置に配置される。
本実施形態では、擬似リール部材303の湾曲する投影面331bにリールを表す映像光を投影する。これにより、フロントパネル10(フロントドア2b)の開口10aに対向するキャビネット2a内に、リールが物理的に存在しているように見せることができる。その結果、コストを上昇させることなく、且つ、簡易な構成で映像に立体感や奥行きが感じられる斬新な演出を行うことができ、映像を表示する演出の興趣を高めることができる。
[平面スクリーン部材の動作]
次に、平面スクリーン部材304の動作について、図18及ぶ図19を参照して説明する。
図18は、平面スクリーン部材304を投影対象とした状態の被投影ブロック202を示す説明図である。図19は、平面スクリーン部材304を投影対象とした状態の被投影ブロック202の縦断面図である。
平面スクリーン部材304を投影対象とする場合は、平面スクリーン部材304を待機位置から露出位置へ移動させる。なお、擬似リール部材303は、待機位置に配置した状態を維持する。
平面スクリーン部材304を露出位置へ移動させるには、平面スクリーン部材移動機構353の駆動モータ371を駆動して、被投影ブロック202を右側方から見た場合に、中間ギア372を右回り(時計回り)に回転させる(図18参照)。
中間ギア372には、シャフト374の他端部が接続されており、シャフト374の一端部には、中間ギア373(図14参照)が接続されている。そのため、中間ギア372が右回りに回転すると、被投影ブロック202を右側方から見た場合に、中間ギア373が右回りに回転する。
中間ギア372,373が右回りに回転すると、被投影ブロック202を右側方から見た場合に、クランクギア375,376(図14参照)が左回り(反時計回り)に回転する。クランクギア375のクランクピン375aは、クランクアーム378Bの係合溝395に係合しており、クランクギア376のクランクピン376aは、クランクアーム378Aの係合溝385に係合している。
したがって、クランクギア375,376(図14参照)が左回りに回転すると、クランクピン375a,376がクランクアーム378A,378Bを左回り(反時計方向)に回転するように押圧する。その結果、クランクアーム378A,378Bに接続された平面スクリーン部材304が待機位置から左回りに回動する。
そして、第2センサ357が、クランクアーム378Bの第2検出片397を検出すると、駆動モータ371の駆動が停止され、平面スクリーン部材304の回動が停止する。その結果、図18及び図19に示すように、平面スクリーン部材304は、露出位置に配置される。
露出位置に配置された擬似リール部材303は、台形部材302の前方を覆う。また、待機位置に配置された平面スクリーン部材304は、擬似リール部材303とフロントパネル10の開口10a(図2参照)との間に介在しない。したがって、擬似リール部材303は、フロントパネル10の開口10aから露出され、投影対象となる。
露出位置に配置された平面スクリーン部材304は、台形部材302の前方を覆う。また、待機位置に配置された擬似リール部材303は、平面スクリーン部材304とフロントパネル10の開口10a(図2参照)との間に介在しない。したがって、平面スクリーン部材304は、フロントパネル10の開口10aから露出され、投影対象となる。
投影対象となった平面スクリーン部材304の投影面304bには、投影ブロック201のプロジェクタ213から投射された映像光が投影される。これにより、演出に用いる映像が投影対象である平面スクリーン部材304に表示され、遊技者に視認可能となる。例えば、平面スクリーン部材304の平面である投影面304bに、2次元の映像を表す映像光を投影することにより、液晶表示装置などのフラットパネルを用いた表示装置に映像を表示したように見せることができる。
なお、平面スクリーン部材304を露出位置から待機位置へ移動させるには、平面スクリーン部材移動機構353の駆動モータ371を駆動して、被投影ブロック202を右側方から見た場合に、中間ギア372,373を左回り(反時計回り)に回転させる(図18参照)。
中間ギア372,373が左回りに回転すると、クランクギア375,376(図14参照)が右回りに回転する。そして、クランクギア375,376が右回りに回転すると、クランクピン375a,376がクランクアーム378A,378Bを右回りに回転するように押圧する。その結果、クランクアーム378A,378Bに接続された平面スクリーン部材304が露出位置から右回りに回動する。
その後、第1センサ356が、クランクアーム378Bの第1検出片396を検出すると、駆動モータ371の駆動が停止され、平面スクリーン部材304の回動が停止する。その結果、図15に示すように、平面スクリーン部材304は、待機位置に配置される。
本実施形態では、平面スクリーン部材304の投影面304bに白色の塗料を塗布した。そして、平面スクリーン部材304の投影面304bに2次元の映像を表す映像光を投影する。白色及び銀色(灰色)は、少なくとも可視光線の反射率が約一定であり、白色は、銀色よりも光の反射率が高い。これにより、白色の投影面304bに投影された2次元の映像を、例えば、銀色の塗料を塗布した投影面304bに投影した2次元の映像よりも見えやすくすることができる。
また、本実施形態では、台形部材302の投影面321a,322a,323a,324aと、擬似リール部材303の投影面331bに銀色(灰色)の塗料を塗布した。その結果、投影面321a,322a,323a,324a,331bに白色の塗料を塗布する場合よりも3次元の映像よりも立体的に見えるようにすることができる。
本実施形態では、平面スクリーン部材304の投影面304bを平面に形成し、白色の塗料を塗布した。しかし、本発明に係る平面スクリーン部材の投影面としては、平面に形成して印刷シートを貼り付けてもよい。例えば、印刷シートを複数の領域に分けて、それぞれの領域に異なる絵画や記号を形成する。そして、プロジェクタから投射される映像光により異なる絵画や記号に順番に照明を当てるような映像(画像)を表示する。これにより、いずれかの絵画(記号)が選択される、所謂、ルーレット演出を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。
本実施形態では、擬似リール部材303及び平面スクリーン部材304を移動させる構成とした。しかし、本発明に係る被投影部材としては、全体が移動するものに限定されるものではなく、例えば、可動部を有するものであってもよい。この場合は、可動部の動作に合わせた映像光を投影することにより、躍動感のある映像を表示することができる。その結果、映像を用いた演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態のフロントドア2bは、フロントパネル10が設けられる上扉と、腰部パネル12及び台座部13が設けられる下扉とを有している。そして、下扉のロックを解除して下扉を開けなければ、上扉のロックが解除されないようになっている。すなわち、下扉を開かなければ、上扉が開かないようになっている。
また、本実施形態では、キャビネット2aの内部におけるフロントパネル10の開口10aに対向する位置に、プロジェクタ213を有する表示装置11を配置した。しかし、本発明に係る遊技機としては、腰部パネル12に開口を設け、キャビネット2aの内部における腰部パネル12の開口に対向する位置に、プロジェクタを有する表示装置を配置してもよい。
また、本実施形態では、キャビネット2aの内部に表示装置11を配置したが、本発明に係る遊技機としては、フロントドア2bにプロジェクタを有する表示装置を配置してもよい。
また、擬似リール部材303の投影面331bに投影する映像光としては、スタートレバー16の操作(開始操作)に応じて、図柄が変動する映像を表すようにしてもよい。そして、ストップボタン17L,17C,17Rの押圧操作(停止操作)に応じて、変動する図柄を停止する映像を表すようにしてもよい。
また、本実施形態では、本発明の遊技機としてパチスロ遊技機を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の遊技機としては、例えば、パチンコ遊技機であってもよい。