JP7031731B2 - 鉄道車両用ブレーキディスクおよび鉄道車両用ディスクブレーキ - Google Patents

鉄道車両用ブレーキディスクおよび鉄道車両用ディスクブレーキ Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両用のブレーキディスクおよびそれを備えたディスクブレーキに関する。
新幹線等の鉄道車両では、従来、ディスクブレーキが用いられている。ディスクブレーキは、例えば、車軸と一体的に回転する円板状の回転部材(車輪または車輪とは別に車軸に固定されたディスク体)に固定されるブレーキディスクと、摩擦部材を有するブレーキライニングと、ブレーキライニングを移動させるブレーキキャリパとを備えている。
上記のような構成を有するディスクブレーキでは、ブレーキキャリパによってブレーキライニングを移動させて、ブレーキディスクの表面(摺動面)にブレーキライニングの摩擦部材を押し付けることによって制動力を発生させることができる。これにより、鉄道車両を減速させることができる。
ところで、高速で走行する鉄道車両を減速させる際には、摩擦部材とブレーキディスクとの接触部は摩擦により発熱するため、ブレーキディスクの摺動面が高温になる。これにより、摺動面と、摺動面とは反対側の面(すなわち、回転部材側の面)との間の温度差が大きくなる。
摺動面と回転部材側の面との間の温度差が大きくなると、ブレーキディスクにおいて、摺動面側の部分と回転部材側の部分とで熱膨張量の差が大きくなる。その結果、ブレーキディスクの摺動面側が圧縮降伏して、塑性変形が生じる場合がある。その後、ブレーキディスクが冷却されると、ブレーキディスクに反りが生じる。具体的には、ブレーキディスクの外周側が回転部材から離れるように、ブレーキディスクに反りが生じる。ブレーキディスクに上記のような反りが生じると、ブレーキディスクを回転部材に固定するための締結部材(ボルト等)に大きな負荷がかかり、締結部材が損傷するおそれがある。
そこで、従来、上記のようなブレーキディスクの反りを抑制するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されたブレーキディスクでは、ブレーキディスクの摺動部(摺動面の内周と外周とで囲まれる環状の部分)に、締結部材を取り付けるための締結穴が形成されている。このブレーキディスクでは、締結部材によって摺動部を車輪に固定することによって、反りの発生を抑制することができる。
特開2001-311441号公報
ところで、近年、高速走行および消費電力の低減等の観点から、鉄道車両の軽量化が望まれている。これに伴い、ブレーキディスクの軽量化も望まれている。ブレーキディスクを軽量化するためには、ブレーキディスクの体積を減少させることが考えられる。しかしながら、ブレーキディスクの体積を単に減少させると、ブレーキディスクの熱容量が低下し、熱膨張量が大きくなる。その結果、ブレーキディスクの反りが大きくなるおそれがある。
そこで、本発明は、反りの発生の抑制および軽量化が可能な鉄道車両用ブレーキディスクおよび鉄道車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
本発明者は、反りの発生の抑制および軽量化が可能なブレーキディスクの構成について種々の研究を行った。具体的には、本発明者は、ブレーキディスクの裏面側(上述の回転部材側)に設けられるフィンの形状に着目し、研究を行った。
なお、上述したように、従来、ブレーキディスクに反りが発生することによって、ブレーキディスクを車輪等の回転部材に固定するための締結部材が損傷するおそれがあることが知られている。このため、本発明者は、当初、締結部材が挿入されるフィン(以下、締結フィンと記載する。)の構造について研究を進めることを検討していた。しかしながら、締結フィンの構造については本発明者以外の研究者によっても種々の研究が行われている。
そこで、本発明者は、ブレーキディスクと回転部材(車輪等)とを互いに係止するキーを嵌め込むためのキー溝が形成されたフィン(以下、係止フィンと記載する。)の構造について、種々の研究を行った。まず、本発明者は、係止フィンの形状と、冷却後のブレーキディスクに発生する反りとの関係について調査を行った。具体的には、本発明者は、従来のブレーキディスクに対して係止フィンの外側(ブレーキディスクの径方向における外側)の部分を削った構成を有するブレーキディスク(以下、第1形状のブレーキディスクと記載する。)について、反りの発生態様を調査した。さらに、本発明者は、従来のブレーキディスクに対して係止フィンの内側(ブレーキディスクの径方向における内側)の部分を削った構成を有するブレーキディスク(以下、第2形状のブレーキディスクと記載する。)について、反りの発生態様を調査した。その結果、第2形状のブレーキディスクよりも、第1形状のブレーキディスクの方が、反りの発生を効果的に抑制できることが分かった。
上記の調査結果から、本発明者は、ブレーキディスクを軽量化しつつブレーキディスクの反りを抑制するために、係止フィンの外側部分を削って、係止フィンの体積を減らすことを検討した。しかしながら、係止フィンの外側部分を削った場合、係止フィンのうちキー溝よりも外側の部分と回転部材(車輪等)との接触面積が小さくなる。本発明者がさらに研究を進めたところ、上記のように接触面積が小さくなることによって、鉄道車両の制動時に、キー溝よりも外側において係止フィンと回転部材との間に十分な摩擦力を発生させることができない場合があることが分かった。この場合、係止フィンのうちキー溝よりも外側の部分が回転部材に対して摺動しやすくなる。その結果、係止フィンの外側部分とキーとの間に大きな力が発生し、キーが損傷しやすくなることが分かった。なお、係止フィンの外側部分は内側部分に比べて、周方向における速度が大きくなる。このため、特に係止フィンの外側部分が回転部材に対して摺動しやすくなった場合には、係止フィンの外側部分からキーに大きな力が付与され、キーが損傷しやすくなる。
そこで、本発明者は、車両の制動時にキーにかかる負荷を低減するための構成についてさらに研究を進めた。そして、本発明者は、ブレーキディスクの径方向における締結部材の位置を適切に設定することによって、係止フィンの外側部分を削った場合でも、係止フィンのうちキー溝よりも外側の部分と回転部材との間に十分な摩擦力を生じさせることができることを見出した。本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、下記の鉄道車両用ブレーキディスクおよび鉄道車両用ディスクブレーキを要旨とする。
(1)鉄道車両において、車軸と一体回転する円板状の回転部材に固定される円環状のブレーキディスクであって、
円環状の本体部と、
前記本体部から当該ブレーキディスクの軸方向における一方側に向かって突出し、かつ前記一方側の端部に円環状の摺動面を有する摺動部と、
前記本体部から前記軸方向における他方側に向かって突出し、かつ前記軸方向から見て当該ブレーキディスクの中心に対して放射状に延びる複数のフィンとを備え、
前記複数のフィンは、締結部材を挿入するための貫通孔を有する複数の締結フィンと、前記軸方向における他方側の端部から前記軸方向における一方側に向かって凹むキー溝を有する複数の係止フィンとを含み、
前記係止フィンの前記他方側の端部において前記キー溝の周囲には、当該ブレーキディスクを前記回転部材に固定する際に前記回転部材に接触する接触面が設けられ、
当該ブレーキディスクの径方向において、当該ブレーキディスクの中心から前記貫通孔の中心までの距離は、当該ブレーキディスクの前記中心から前記接触面の中心までの距離よりも大きい、鉄道車両用ブレーキディスク。
(2)前記径方向において、前記摺動面の外縁は前記接触面の外縁よりも外側に位置し、前記摺動面の内縁は前記接触面の内縁よりも内側に位置し、前記摺動面の外縁と前記接触面の外縁との距離は前記摺動面の内縁と前記接触面の内縁との距離よりも大きい、上記(1)に記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
(3)前記径方向において、前記接触面の外縁と前記キー溝の外縁との距離は前記接触面の内縁と前記キー溝の内縁との距離よりも小さい、上記(1)または(2)に記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
(4)前記径方向において、当該ブレーキディスクの前記中心から前記摺動面の内縁までの距離をL1、前記中心から前記摺動面の外縁までの距離をL2、前記中心から前記接触面の内縁までの距離をD1、前記中心から前記接触面の外縁までの距離をD2とした場合に、下記の(i)式、(ii)式および(iii)式の関係を満たす、上記(1)から(3)のいずれかに記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
0.08≦(D1-L1)/(L2-L1)≦0.25 ・・・(i)
0.25<(L2-D2)/(L2-L1)≦0.47 ・・・(ii)
(D2-D1)/(L2-L1)<0.5 ・・・(iii)
ただし、距離D1は距離L1よりも大きく、距離L2は、距離D2よりも大きい。
(5)前記軸方向から見て、前記複数の締結フィンそれぞれの前記貫通孔は、当該ブレーキディスクの前記中心を中心とする仮想円の円周上に配置され、
当該ブレーキディスクの前記中心から前記摺動面の内縁までの前記径方向における距離をL1とし、当該ブレーキディスクの前記中心から前記摺動面の外縁までの前記径方向における距離をL2とし、当該ブレーキディスクの前記中心から前記接触面の外縁までの前記径方向における距離をD2とし、前記仮想円の半径をRとした場合に、下記の(iv)式の関係を満たす、上記(1)から(4)のいずれかに記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
(D2-R)/(L2-L1)<0.25 ・・・(iv)
ただし、距離D2は半径Rよりも大きい。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載のブレーキディスクを備えた、鉄道車両用ディスクブレーキ。
本発明によれば、鉄道車両用のブレーキディスクにおいて反りが発生することを抑制できるとともに、ブレーキディスクの軽量化が可能になる。
図1は、本実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキを示す概略図である。 図2は、本実施形態に係る鉄道車両用ブレーキディスクを示す概略図である。 図3は、本実施形態に係る鉄道車両用ブレーキディスクを示す端面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る鉄道車両用のブレーキディスクおよびそれを備えたディスクブレーキについて図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキを示す概略図であり、図2は、本実施形態に係る鉄道車両用ブレーキディスクを示す概略図であり、図3は、本実施形態に係る鉄道車両用ブレーキディスクを示す端面図である。なお、図2において(a)は、ブレーキディスクの周方向における1/4の領域を示す正面図であり、(b)は、ブレーキディスクの周方向における1/4の領域を示す背面図である。また、図1および図3においては、図2(b)のI-I線切断部におけるブレーキディスクの端面が示されている。
図1を参照して、鉄道車両用ディスクブレーキ100(以下、ディスクブレーキ100と略記する。)は、一対のブレーキディスク10と、一対のブレーキライニング12とを備える。一対のブレーキディスク10は、鉄道車両(図示せず)の車軸101に固定された中空円板状の回転部材102を挟むように、回転部材102に固定されている。ブレーキディスク10および回転部材102は、車軸101と一体回転するように、かつ車軸101と同軸上に設けられている。本実施形態では、回転部材102は、車輪である。したがって、本実施形態では、ブレーキディスク10は、車輪に直接取り付けられる側ディスク(wheel mounted disk)である。以下においては、回転部材102を車輪102と記載する。
一対のブレーキライニング12は、車輪102の軸方向において、一対のブレーキディスク10の外側に設けられている。本実施形態では、図示しないブレーキキャリパによって、ブレーキライニング12を車輪102の軸方向に移動させることができる。これにより、ブレーキディスク10の後述する摺動面16aにブレーキライニング12(摩擦部材)を押し付けることができ、制動力を発生させることができる。なお、車輪102、ブレーキライニング12およびブレーキキャリパとしては、公知の種々の車輪、ブレーキライニングおよびブレーキキャリパを用いることができるので、詳細な説明は省略する。
図1~図3を参照して、ブレーキディスク10は、本体部14と、摺動部16と、複数の締結フィン18と、複数の係止フィン20とを有する。なお、図2には、仮想円50の一部が一点鎖線で示され、図3には、ブレーキディスク10の径方向における仮想円50の位置が一点鎖線で示されている。仮想円50の円周は、ブレーキディスク10の軸方向から見て、後述する各貫通孔60の中心を通る。言い換えると、ブレーキディスク10の軸方向から見て、複数の貫通孔60はそれぞれ、その中心が仮想円50の円周上に位置するように形成されている。ブレーキディスク10の軸方向から見て、仮想円50の中心は、ブレーキディスク10の中心10a(本体部14の中心)に一致する。また、中心10aは、ブレーキディスク10の回転中心に一致する。以下の説明では、ブレーキディスク10の軸方向を、単に軸方向と記載する。また、ブレーキディスク10の径方向を、単に径方向と記載する。
本体部14は、円環形状を有している。摺動部16は、本体部14から軸方向における一方側に向かって突出している。摺動部16は、軸方向における一方側の端部に、円環状の摺動面16aを有している。摺動面16aは、軸方向に略垂直に形成されている。摺動面16aは、ディスクブレーキ100において、制動力を発生させるためにブレーキライニング12が押し付けられる面である。
締結フィン18および係止フィン20はそれぞれ、本体部14から軸方向における他方側に向かって突出する。締結フィン18および係止フィン20はそれぞれ、放熱部として機能する。本実施形態では、複数の締結フィン18および複数の係止フィン20は、軸方向から見て、ブレーキディスク10の中心10aに対して放射状に延びるように形成されている。言い換えると、複数の締結フィン18および複数の係止フィン20はそれぞれ、軸方向から見て、径方向に延びるように形成されている。
複数の締結フィン18および複数の係止フィン20は、ブレーキディスク10の周方向に間隔をおいて交互に並ぶように設けられている。本実施形態では、12個の締結フィン18および12個の係止フィン20が交互に並ぶように設けられている。なお、締結フィン18および係止フィン20の数は図2に示した例に限定されず、締結フィン18の数および係止フィン20の数はそれぞれ、12未満であってもよく、13以上であってもよい。
ブレーキディスク10を軸方向に貫通する複数の貫通孔60が、ブレーキディスク10の周方向に間隔をおいて形成されている。各貫通孔60は、締結フィン18を通るように形成されている。貫通孔60は、ブレーキディスク10を車輪102に固定するための図示しない締結部材(ボルト等)を差し込むために形成されている。
各係止フィン20には、軸方向における他方側の端部から軸方向における一方側に向かって凹むキー溝20aが形成されている。図1を参照して、キー溝20aには、車輪102に取り付けられたキー70が嵌め込まれる。これにより、ブレーキディスク10の周方向において、ブレーキディスク10と車輪102とがキー70を介して互いに係止される。なお、キー70、およびキー70を車輪102に取り付けるための構成としては、公知の種々の構成を採用できるので、詳細な説明は省略する。
図1~図3を参照して、各係止フィン20の軸方向における他方側の端部において、キー溝20aの周囲には、軸方向に略垂直な接触面20bが形成されている。本実施形態では、接触面20bは、軸方向から見てキー溝20aを囲むように環形状を有している。図1を参照して、接触面20bは、ブレーキディスク10を車輪102に固定する際に車輪102に接触する面である。
図3を参照して、径方向において、摺動面16aの外縁は接触面20bの外縁よりも外側に位置し、摺動面16aの内縁は接触面20bの内縁よりも内側に位置している。本実施形態では、係止フィン20のうち、径方向における外側の部分の体積を小さくすることによって、ブレーキディスク10を軽量化しつつ、ブレーキディスク10の反りを抑制することができる。具体的には、例えば、径方向において、摺動面16aの外縁と接触面20bの外縁との距離が、摺動面16aの内縁と接触面20bの内縁との距離よりも大きく設定される。また、例えば、径方向において、接触面20bの外縁とキー溝20aの外縁との距離が、接触面20bの内縁とキー溝20aの内縁との距離よりも小さく設定される。
図2および図3を参照して、本実施形態では、径方向において、ブレーキディスク10の中心10aから各貫通孔60の中心までの距離は、ブレーキディスク10の中心10aから係止フィン20の接触面20bの中心(径方向における接触面20bの外縁と内縁との中心)までの距離よりも大きい。言い換えると、径方向において、仮想円50の円周は、接触面20bの中心よりも外側に位置する。
本実施形態では、上記のように、径方向において、各貫通孔60の中心が接触面20bの中心よりも外側に位置する。この場合、接触面20bのうちキー溝20aよりも径方向外側の部分の面積を小さくしても、各貫通孔60に挿入される締結部材によって、接触面20bの外側部分を十分な力で車輪102に接触させることができる。すなわち、係止フィン20においてキー溝20aよりも径方向外側の部分の体積を小さくした場合でも、係止フィン20の外側部分と車輪102との間に十分な摩擦力を生じさせることができる。これにより、係止フィン20のうちキー溝20aよりも外側の部分が車輪102に対して摺動することを十分に抑制することができる。その結果、鉄道車両の制動時に、係止フィン20の外側部分とキー70との間に大きな力が発生することを抑制でき、キー70が損傷することを抑制することができる。
なお、本実施形態では、ブレーキディスク10は、下記の(i)式、(ii)式および(iii)式の関係を満たすように構成されることが好ましい。図3を参照して、下記式において、L1は、ブレーキディスク10の中心10a(図2参照)から摺動面16aの内縁までの径方向における距離であり、L2は、中心10aから摺動面16aの外縁までの径方向における距離である。また、D1は、中心10aから接触面20bの内縁までの径方向における距離であり、D2は、中心10aから接触面20bの外縁までの径方向における距離である。また、距離D1は距離L1よりも大きく、距離L2は、距離D2よりも大きい。
0.08≦(D1-L1)/(L2-L1)≦0.25 ・・・(i)
0.25<(L2-D2)/(L2-L1)≦0.47 ・・・(ii)
(D2-D1)/(L2-L1)<0.5 ・・・(iii)
本実施形態では、ブレーキディスク10が上記の(i)式および(ii)式の関係を満たすことによって、摺動面16aの外縁と接触面20bの外縁との径方向における距離(L2-D2)を、摺動面16aの内縁と接触面20bの内縁との距離(D1-L1)よりも大きくすることができる。具体的には、摺動面16aの外縁と接触面20bの外縁との径方向における距離(L2-D2)を、摺動面16aの径方向における長さ(L2-L1)の1/4よりも大きくすることができ、かつ、摺動面16aの内縁と接触面20bの内縁との距離(D1-L1)を、摺動面16aの径方向における長さ(L2-L1)の1/4以下にすることができる。さらに、ブレーキディスク10が上記の(iii)式の関係を満たすことによって、接触面20bの径方向における長さ(D2-D1)を、摺動面16aの径方向における長さ(L2-L1)の1/2未満にすることができる。これらの結果、ブレーキディスク10の加熱および冷却が繰り返された場合でも、ブレーキディスク10の外周部において反りが発生することを抑制することができる。また、従来のブレーキディスクに比べて、ブレーキディスク10の体積を減少させることができる。これらの結果、ブレーキディスク10の反りの発生を抑制しつつ、ブレーキディスク10の軽量化が可能になる。
また、本実施形態では、ブレーキディスク10は、下記の(iv)式の関係を満たすことが好ましい。なお、下記の(iv)式において、Rは、仮想円50の半径である。また、距離D2は半径Rよりも大きい。
(D2-R)/(L2-L1)<0.25 ・・・(iv)
上記の(iv)式の関係を満たすことによって、ブレーキディスク10の外周部において反りが発生することを抑制しつつ、ブレーキディスク10を十分に軽量化することができる。
なお、上述の実施形態では、各フィンには、少なくともキー溝20aおよび貫通孔60のうちの少なくとも一方が形成されているが、複数のフィンのうちのいずれかのフィンにおいて、キー溝および貫通孔が形成されていなくてもよい。
上述の実施形態では、ブレーキディスク10が側ディスクである場合について説明したが、ブレーキディスク10が軸マウントディスク(axle mounted disk)であってもよい。具体的には、ブレーキディスク10は、車輪とは別に車軸101に固定された円板状の回転部材(ディスク体)に固定されてもよい。該ディスク体は、車輪と同様に、車軸101と一体回転するように、かつ車軸101と同軸上に設けられる。ブレーキディスク10が軸マウントディスクである場合も、側ディスクの場合と同様に、ブレーキディスク10は、締結部材およびキーを用いてディスク体に取り付けられる。なお、本明細書において円板状の回転部材とは、ブレーキディスクを固定するための円板状の部分を有する回転部材を意味する。したがって、図1に示した車輪102のように、回転部材の内周部および外周部に筒状部が設けられていてもよい。
本発明によれば、鉄道車両用のブレーキディスクにおいて反りが発生することを抑制できるとともに、ブレーキディスクの軽量化が可能になる。
10 ブレーキディスク
10a 中心
12 ブレーキライニング
14 本体部
16 摺動部
16a 摺動面
18 締結フィン
20 係止フィン
20a キー溝
20b 接触面
50 仮想円
60 貫通孔
70 キー
100 ディスクブレーキ
101 車軸
102 回転部材

Claims (6)

  1. 鉄道車両において、車軸と一体回転する円板状の回転部材に固定される円環状のブレーキディスクであって、
    円環状の本体部と、
    前記本体部から当該ブレーキディスクの軸方向における一方側に向かって突出し、かつ前記一方側の端部に円環状の摺動面を有する摺動部と、
    前記本体部から前記軸方向における他方側に向かって突出し、かつ前記軸方向から見て当該ブレーキディスクの中心に対して放射状に延びる複数のフィンとを備え、
    前記複数のフィンは、締結部材を挿入するための貫通孔を有する複数の締結フィンと、前記軸方向における他方側の端部から前記軸方向における一方側に向かって凹むキー溝を有する複数の係止フィンとを含み、
    前記係止フィンの前記他方側の端部において前記キー溝の周囲には、当該ブレーキディスクを前記回転部材に固定する際に前記回転部材に接触する接触面が設けられ、
    当該ブレーキディスクの径方向において、当該ブレーキディスクの中心から前記貫通孔の中心までの距離は、当該ブレーキディスクの前記中心から前記接触面の中心までの距離よりも大きい、鉄道車両用ブレーキディスク。
  2. 前記径方向において、前記摺動面の外縁は前記接触面の外縁よりも外側に位置し、前記摺動面の内縁は前記接触面の内縁よりも内側に位置し、前記摺動面の外縁と前記接触面の外縁との距離は前記摺動面の内縁と前記接触面の内縁との距離よりも大きい、請求項1に記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
  3. 前記径方向において、前記接触面の外縁と前記キー溝の外縁との距離は前記接触面の内縁と前記キー溝の内縁との距離よりも小さい、請求項1または2に記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
  4. 前記径方向において、当該ブレーキディスクの前記中心から前記摺動面の内縁までの距離をL1、前記中心から前記摺動面の外縁までの距離をL2、前記中心から前記接触面の内縁までの距離をD1、前記中心から前記接触面の外縁までの距離をD2とした場合に、下記の(i)式、(ii)式および(iii)式の関係を満たす、請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
    0.08≦(D1-L1)/(L2-L1)≦0.25 ・・・(i)
    0.25<(L2-D2)/(L2-L1)≦0.47 ・・・(ii)
    (D2-D1)/(L2-L1)<0.5 ・・・(iii)
    ただし、距離D1は距離L1よりも大きく、距離L2は、距離D2よりも大きい。
  5. 前記軸方向から見て、前記複数の締結フィンそれぞれの前記貫通孔は、当該ブレーキディスクの前記中心を中心とする仮想円の円周上に配置され、
    当該ブレーキディスクの前記中心から前記摺動面の内縁までの前記径方向における距離をL1とし、当該ブレーキディスクの前記中心から前記摺動面の外縁までの前記径方向における距離をL2とし、当該ブレーキディスクの前記中心から前記接触面の外縁までの前記径方向における距離をD2とし、前記仮想円の半径をRとした場合に、下記の(iv)式の関係を満たす、請求項1から4のいずれかに記載の鉄道車両用ブレーキディスク。
    (D2-R)/(L2-L1)<0.25 ・・・(iv)
    ただし、距離D2は半径Rよりも大きい。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のブレーキディスクを備えた、鉄道車両用ディスクブレーキ。
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