本発明の一実施の形態に係る動力伝達装置は、内燃機関の動力が入力される入力軸と、内燃機関又はモータの動力が入力されるモータ軸と、複数の変速ギヤを介して入力軸、モータ軸及び差動装置へ接続される出力軸と、を備え、入力軸又はモータ軸の少なくとも一方の動力を差動装置へ伝達して車両を走行させる動力伝達装置であって、複数の変速ギヤは車両を前進させる前進ギヤと、車両を後進させる後進ギヤと、を含み、前進ギヤを介して入力軸と出力軸とを接続する第1動力伝達経路と、後進ギヤを介して入力軸と出力軸とを接続する第2動力伝達経路と、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路のうち何れか一方を接続状態に設定する経路設定部と、入力軸とモータ軸との間を接続状態又は切断状態に切替える第1切替部と、モータ軸と出力軸との間を接続状態又は切断状態に切替える第2切替部と、経路設定部、第1切替部及び第2切替部を制御する制御部と、を備え、制御部は、経路設定部によって第1動力伝達経路を接続状態に設定し内燃機関の動力で車両を走行させる際に、第1切替部及び第2切替部をそれぞれ切断状態にすることを特徴とする。これにより、変速ギヤの同時噛み合いを防止でき、かつ、燃費性能を向上させることができる。
以下、本発明に係る動力伝達装置の第1実施例について、図面を用いて説明する。図1から図6は、本発明に係る第1実施例の動力伝達装置を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1において、内燃機関2とモータ6とを駆動源とするハイブリッド車両(以下、単に車両という)100は、動力伝達装置としての自動変速機1Aを備えており、自動変速機1Aは、前進6速段、後進1速段の変速段を有する。
本実施例の自動変速機1Aは、AMT(Automated Manual Transmission)から構成されている。AMTは、MT(Manual Transmission)において運転者が行う変速操作をアクチュエータにより自動で行うことで、AT(Automatic Transmission)のような自動変速を可能にした変速機である。
自動変速機1Aは、クラッチ3と、入力軸10と、入力軸10と平行に設置される出力軸20と、入力軸10と平行に設置されるファイナル軸30及びリバースアイドラ軸40とを有している。入力軸10には、内燃機関2の動力が入力される。出力軸20は、複数の変速ギヤを介して入力軸10、第2モータ軸60及び差動装置32へ接続される。
自動変速機1Aには内燃機関2が連結されており、入力軸10は、内燃機関2のクランク軸2Aと同軸上に設けられている。内燃機関2が発生した動力は、内燃機関2のクランク軸2Aから自動変速機1Aの入力軸10に伝達される。
クラッチ3は、図示しないクラッチアクチュエータによって駆動されることにより、クランク軸2Aと入力軸10とを接続又は切断し、内燃機関2の動力を入力軸10に伝達したり、又はその伝達を遮断したりする。ここで、切断とは、物理的に切断される必要はなく、動力の伝達が遮断される構造をいう。
入力軸10には1速段用の入力ギヤ4A、2速段用の入力ギヤ4B、3速段用の入力ギヤ4C、4速段用の入力ギヤ4D、5速段用の入力ギヤ4E及び6速段用の入力ギヤ4Fが設けられている。入力ギヤ4A、4Bは、入力軸10に固定されており、入力軸10と一体で回転する。
入力ギヤ4Cから4Fは、入力軸10と相対回転するように入力軸10に設けられている。また、入力軸10にはリバース駆動ギヤ4Rが固定されており、リバース駆動ギヤ4Rは、入力軸10と一体で回転する。
出力軸20には1速段用のカウンタギヤ5A、2速段用のカウンタギヤ5B、3速段用のカウンタギヤ5C、4速段用のカウンタギヤ5D、5速段用のカウンタギヤ5E及び6速段用のカウンタギヤ5Fが設けられており、カウンタギヤ5A~5Fは、入力ギヤ4A~4Fに噛み合っている。
また、出力軸20にはリバース従動ギヤ5Rが設けられており、リバース従動ギヤ5Rは、出力軸20に固定されて出力軸20と一体で回転する。
カウンタギヤ5A、5Bは、出力軸20と相対回転するように出力軸20に設けられている。カウンタギヤ5Cから5Fは、出力軸20に固定されており、出力軸20と一体で回転する。
入力軸10にはハブスリーブ7、8が設けられており、ハブスリーブ7、8は、入力軸10とスプライン嵌合することで、入力軸10の軸線方向に移動自在で、かつ、入力軸10と相対回転不能に入力軸10に接続されている。
ハブスリーブ7、8は、シフトフォーク等を含んで構成される図示しないシフトアクチュエータによって駆動されることにより、入力軸10の軸線方向に移動自在となっている。
ハブスリーブ7、8は、それぞれ入力ギヤ4Cと入力ギヤ4Dとの間、入力ギヤ4Eと入力ギヤ4Fとの間に設置されている。ハブスリーブ7、8が中立位置(ニュートラル位置)に位置した状態において、入力ギヤ4Cから4Fは、入力軸10に非接続となり、入力軸10と相対回転する。
これにより、入力ギヤ4Cから4F及びカウンタギヤ5Cから5Fを介して入力軸10から出力軸20に動力が伝達されない。
シフトアクチュエータによってハブスリーブ7が入力ギヤ4C側に移動すると、入力ギヤ4Cがハブスリーブ7を介して入力軸10に接続され、シフトアクチュエータによってハブスリーブ7が入力ギヤ4D側に移動すると、入力ギヤ4Dがハブスリーブ7を介して入力軸10に接続される。
入力ギヤ4Cがハブスリーブ7を介して入力軸10に接続されると、3速段が成立し、入力軸10の動力が入力ギヤ4Cからカウンタギヤ5Cを介して出力軸20に伝達される。
入力ギヤ4Dがハブスリーブ7を介して入力軸10に接続されると、4速段が成立し、入力軸10の動力が入力ギヤ4Dからカウンタギヤ5Dを介して出力軸20に伝達される。
シフトアクチュエータによってハブスリーブ8が入力ギヤ4E側に移動されると、入力ギヤ4Eがハブスリーブ8を介して入力軸10に接続され、シフトアクチュエータによってハブスリーブ8が入力ギヤ4F側に移動されると、入力ギヤ4Fがハブスリーブ8を介して入力軸10に接続される。
入力ギヤ4Eがハブスリーブ8を介して入力軸10に接続されると、5速段が成立し、入力軸10の動力が入力ギヤ4Eからカウンタギヤ5Eを介して出力軸20に伝達される。
入力ギヤ4Fがハブスリーブ8を介して入力軸10に接続されると、6速段が成立し、入力軸10の動力が入力ギヤ4Fからカウンタギヤ5Fを介して出力軸20に伝達される。
出力軸20にはハブスリーブ9が設けられており、ハブスリーブ9は、出力軸20とスプライン嵌合することで、出力軸20の軸線方向に移動自在で、かつ、出力軸20と相対回転不能に出力軸20に接続されている。
ハブスリーブ9は、シフトアクチュエータによって出力軸20の軸線方向に移動される。ハブスリーブ9は、カウンタギヤ5Aとカウンタギヤ5Bとの間に設置されている。ハブスリーブ9が中立位置に位置した状態において、カウンタギヤ5A、5Bは、出力軸20に非接続となり、出力軸20と相対回転する。
これにより、入力軸10から入力ギヤ4A、4Bを介して出力軸20に動力が伝達されない。
シフトアクチュエータによってハブスリーブ9がカウンタギヤ5A側に移動すると、カウンタギヤ5Aがハブスリーブ9を介して出力軸20に接続され、シフトアクチュエータによってハブスリーブ9がカウンタギヤ5B側に移動すると、カウンタギヤ5Bがハブスリーブ9を介して出力軸20に接続される。
カウンタギヤ5Aがハブスリーブ9を介して出力軸20に接続されると、1速段が成立し、入力軸10の動力が入力ギヤ4Aからカウンタギヤ5Aを介して出力軸20に伝達される。
カウンタギヤ5Bがハブスリーブ9を介して出力軸20に接続されると、2速段が成立し、入力軸10の動力が入力ギヤ4Bからカウンタギヤ5Bを介して出力軸20に伝達される。
ここで、入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fが入力軸10又は出力軸20に接続するとは、入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fが入力軸10又は出力軸20に同期して接続することである。
入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fが入力軸10又は出力軸20に非接続となるとは、入力ギヤ4Aから4F、カウンタギヤ5Aから5Fを入力軸10又は出力軸20に対して相対回転させることである。
出力軸20の内燃機関2側の端部にはファイナルドライブギヤ5Gが固定されており、ファイナルドライブギヤ5Gは、出力軸20と一体で回転する。本実施例の入力ギヤ4Aから4F及びカウンタギヤ5Aから5Fは、前進用の変速段を切替えるための変速機構を構成する。
ファイナルドライブギヤ5Gは、ファイナル軸30に固定されたファイナルドリブンギヤ31に噛み合っている。ファイナル軸30は、左右に分割されており、図示しない左右の駆動輪に接続されている。
ファイナル軸30及びファイナルドリブンギヤ31は、図示しないピニオンギヤ及びサイドギヤとともに差動装置32を構成している。
差動装置32は、出力軸20からファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ31を介して伝達された動力を、左右のファイナル軸30を介して駆動輪に差動回転自在に伝達する。
リバースアイドラ軸40にはリバース従動ギヤ42、モータ従動ギヤ41及びリバース駆動ギヤ44が設けられている。リバース従動ギヤ42はリバースアイドラ軸40に固定されており、リバースアイドラ軸40と一体回転する。
モータ従動ギヤ41及びリバース駆動ギヤ44は、リバースアイドラ軸40と相対回転自在となっている。モータ従動ギヤ41は、リバース従動ギヤ42とリバース駆動ギヤ44の間に配置されている。
リバース従動ギヤ42は、リバース駆動ギヤ4Rに噛み合っている。リバース駆動ギヤ44はリバース従動ギヤ5Rと噛み合っている。
リバースアイドラ軸40には第1切替部43が設けられている。第1切替部43は、リバース駆動ギヤ44とモータ従動ギヤ41との間に設置されている。第1切替部43は、シフトアクチュエータによってリバースアイドラ軸40の軸線方向に移動される。第1切替部43は、ハブスリーブ7、8、9と同様に構成されている。
第1切替部43が中立位置(ニュートラル位置)に位置した状態において、リバース駆動ギヤ44及びモータ従動ギヤ41は、リバースアイドラ軸40に非接続となり、リバースアイドラ軸40と相対回転する。この状態では、リバースアイドラ軸40からリバース駆動ギヤ44及びモータ従動ギヤ41を介して出力軸20に動力が伝達されない。
シフトアクチュエータによって第1切替部43がリバース駆動ギヤ44側に移動すると、リバース駆動ギヤ44が第1切替部43を介してリバースアイドラ軸40に接続され、リバース駆動ギヤ44とリバースアイドラ軸40とが一体回転する。
シフトアクチュエータによって第1切替部43がモータ従動ギヤ41側に移動すると、モータ従動ギヤ41が第1切替部43を介してリバースアイドラ軸40に接続され、モータ従動ギヤ41とリバースアイドラ軸40とが一体回転する。
本実施例では、自動変速機1Aにはモータ6が取付けられており、モータ6には図示しないインバータが接続されている。インバータは、モータ6の力行時に図示しないバッテリからの直流電力を交流電力に変換してモータ6に供給する。インバータは、回生時にはモータ6が発電した交流電力を直流電力に変換してバッテリに充電する。
モータ6には第1モータ軸50が設けられており、モータ6の動力は、第1モータ軸50に伝達される。第1モータ軸50は、入力軸10及び出力軸20と平行に設置されており、第1モータ軸50にはモータ駆動ギヤ51が固定されている。
本実施例では、自動変速機1Aには第2モータ軸60が設けられており、第2モータ軸60には内燃機関2又はモータ6の動力が入力される。第2モータ軸60は、入力軸10及び出力軸20と平行に設置されている。第2モータ軸60にはモータ従動ギヤ62、アウトプット接続ギヤ61が設けられている。第1モータ軸50及び第2モータ軸60は本発明におけるモータ軸を構成する。
モータ従動ギヤ62は、第2モータ軸60に固定されており、第2モータ軸60と一体で回転する。モータ従動ギヤ62は、モータ駆動ギヤ51に噛み合っており、モータ駆動ギヤ51との間で相互に動力を伝達可能である。さらに、モータ従動ギヤ62は、モータ従動ギヤ41に噛み合っており、モータ従動ギヤ41との間で相互に動力を伝達可能である。
アウトプット接続ギヤ61は、第2モータ軸60と相対回転するように第2モータ軸60に設けられている。アウトプット接続ギヤ61は、リバース従動ギヤ5Rに噛み合っており、アウトプット接続ギヤ61は、リバース従動ギヤ5Rとの間で相互に動力を伝達可能である。
第2モータ軸60には第2切替部64が設けられており、第2切替部64は、第2モータ軸60とスプライン嵌合することで、第2モータ軸60の軸線方向に移動自在で、かつ、第2モータ軸60と相対回転不能に第2モータ軸60に連結されている。第2切替部64はハブスリーブ7、8、9と同様に構成されている。
第2切替部64は、図示しないシフトフォークやシフトモータ等を備えたシフトアクチュエータによって第2モータ軸60の軸線方向に移動自在となっている。第2切替部64は、モータ従動ギヤ62とアウトプット接続ギヤ61との間に設置されており、モータ従動ギヤ62に接続する位置とアウトプット接続ギヤ61に接続する位置との間で移動する。
第2切替部64がシフトアクチュエータによってアウトプット接続ギヤ61側に移動すると、アウトプット接続ギヤ61が第2切替部64を介して第2モータ軸60に接続される。
第2切替部64がシフトアクチュエータによってモータ従動ギヤ62側に移動すると、モータ従動ギヤ62が第2切替部64を介して第2モータ軸60に接続される。
このように構成された自動変速機1Aは、前進ギヤを介して入力軸10と出力軸20とを接続する動力伝達経路(以下、第1動力伝達経路という)と、後進ギヤを介して入力軸10と出力軸20とを接続する動力伝達経路(以下、第2動力伝達経路という)を有する。
ここで、前進ギヤとは、車両100が1速段から6速段のいずれかで前進走行する際に動力が通過する入力ギヤ4Aから4F及びカウンタギヤ5Aから5Fである。また、後進ギヤとは、車両100が後進走行する際に動力が通過するリバース駆動ギヤ4R及びリバース従動ギヤのことである。
図2において、自動変速機1Aは、シフトインターロック機構128を有するシフトセレクト機構120を備えている。シフトセレクト機構120は、シフトインターロック機構128によって、前進ギヤを介して入力軸10と出力軸20とを接続する動力伝達経路(第1動力伝達経路)と、後進ギヤを介して入力軸10と出力軸20とを接続する動力伝達経路(第2動力伝達経路)のうち何れか一方を接続状態に設定する。
シフトセレクト機構120は、第2切替部64と独立して制御可能に構成される。シフトセレクト機構120は、シフトセレクトシャフト121を備えている。シフトセレクトシャフト121の一端部には、シフトアクチュエータに連結される連結部122が設けられている。
シフトセレクトシャフト121は、シフトアクチュエータによって軸線方向に移動(セレクト動作)され、かつ、周方向に回動(シフト動作)される。
シフトセレクトシャフト121の他端部には、フィンガー部123、シフトインターロック機構128が設けられている。シフトインターロック機構128は、一対のインターロックプレート124、インターロックピン126及び溝部127を備えている。
ヨーク部134、135、136、137は、各ヨーク部134、135、136、137に対応する図示しないシフトロッドに固定されており、シフトロッドにはそれぞれシフトフォークが固定されている。
フィンガー部123はシフトセレクトシャフト121に固定されており、シフトセレクトシャフト121と一体で回動する。インターロックプレート124は、シフトセレクトシャフト121とは別に支持されており、回動しない。
フィンガー部123及び一対のインターロックプレート124は、シフトセレクトシャフト121の軸線方向に整列した状態で、ヨーク部134、135、136、137に差し込まれている。また、一対のインターロックプレート124の間隔は、ヨーク部134、135、136、137の2枚分未満の厚みに設定されている。
このため、シフトセレクトシャフト121が軸線回りに回動すると、ヨーク部134、135、136、137のうち、フィンガー部123が差し込まれているヨーク部のみがフィンガー部123とともに移動し、インターロックプレート124が差し込まれているヨーク部は、インターロックプレート124によって移動が規制される。
したがって、ヨーク部134、135、136、137の何れか1つのヨーク部のみをフィンガー部123により移動することができる。
さらに、フィンガー部123の基部の側面には溝部127が形成されており、この溝部127は、シフトセレクトシャフト121の軸線方向及び回動方向における正規の移動経路に沿う形状に形成されている。溝部127にはインターロックピン126の先端が差し込まれている。
これにより、シフトセレクトシャフト121に対してセレクト動作が行われる際に、フィンガー部123が、ヨーク部134、135、136、137のうち2つのヨーク部を同時に押す中間位置で静止してしまうことを未然に防止できる。この結果、変速ギヤの同時噛み合いを防止することができる。ここで、変速ギヤの同時噛み合いとは、前進用又は後進用の複数の変速段のうち2つの変速段が同時に形成されることをいう。
図1において、自動変速機1Aは制御部110を備えており、制御部110は、アクチュエータによってハブスリーブ7、8、9、第1切替部43及び第2切替部64を制御することによって、自動変速機1Aにおける動力伝達経路を切替える。
制御部110は、シフトセレクト機構120及び第2切替部64を制御する。そして、制御部110は、シフトセレクト機構120を制御することによって、ハブスリーブ7、8、9及び第1切替部43を接続状態又は切断状態等に制御する。例えば、制御部110は、シフトセレクト機構120によって、第1動力伝達経路を接続状態に設定し内燃機関2の動力で車両100を走行させる際に、第1切替部43及び第2切替部64をそれぞれ切断状態にする。
このように構成された自動変速機1Aは、入力軸10又は第2モータ軸60の少なくとも一方の動力を差動装置32へ伝達して車両100を走行させる。
ここで、車両100の走行モードには、モータ走行モード、発電モード、モータ切り離し走行モード、後進内燃機関走行モードが含まれる。自動変速機1Aは、制御部110によって、モータ走行モード、発電モード、モータ切り離し走行モード又は後進内燃機関走行モードに制御される。
モータ走行モードは、モータ6を駆動源として車両100を走行させるモードである。
発電モードは、車両100が停車している状態において、内燃機関2によってモータ6を発電するモードであり、モータ6によって発電された電力は、バッテリに充電される。
モータ切り離し走行モードは、内燃機関2からファイナル軸30までの動力伝達経路からモータ6を切り離した状態で、内燃機関2を駆動源として車両100を走行させるモードである。
後進内燃機関走行モードは、内燃機関2を駆動源として車両100を後進させるモードである。
なお、車両100の走行モードには、さらにモータアシスト走行モード及び回生モードが含まれる。自動変速機1Aは、制御部110によって、モータアシスト走行モード又は回生モードに制御される。
モータアシスト走行モードは、内燃機関2とモータ6(モータ6の力行)とを動力源として車両100を走行させるモードである。走行発電モードは、内燃機関2を駆動源として車両100を走行させるとともに、モータ6を発電機として機能させ(モータによる回生)、バッテリを充電するモードである。
モータ走行モード時において、制御部110は、第1切替部43を中立位置に切替え、第2切替部64を接続位置に切替える。これにより、図3に矢印で示すように、モータ6の回転は、第1モータ軸50、モータ駆動ギヤ51、モータ従動ギヤ62、第2モータ軸60、アウトプット接続ギヤ61、リバース従動ギヤ5R、出力軸20、ファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ31を経て、ファイナル軸30に伝達される。したがって、モータ6を駆動源として車両100が走行することができる。
発電モード時において、制御部110は、第1切替部43をモータ従動ギヤ41との接続位置に切替え、第2切替部64を切断位置に切替える。これにより、図4に矢印で示すように、内燃機関2の動力は、リバース駆動ギヤ4R、リバース従動ギヤ42、リバースアイドラ軸40、モータ従動ギヤ41、モータ従動ギヤ62、モータ駆動ギヤ51、第1モータ軸50を経てモータ6に伝達される。したがって、車両100が停車している状態において、内燃機関2によってモータ6を発電することができ、モータ6によって発電された電力をバッテリに充電することができる。
モータ切り離し走行モード時において、制御部110は、第1切替部43を中立位置に切替え、第2切替部64を切断位置に切替える。これにより、図5に矢印で示すように、モータ6の動力は、第1モータ軸50、モータ駆動ギヤ51、モータ従動ギヤ62を経てモータ従動ギヤ41に伝達されるが、第1切替部43が中立状態にされているため、リバースアイドラ軸40には伝達されない。したがって、車両100が内燃機関2の動力によって走行する際に、モータ6が内燃機関2の動力に連れ回りすることを防止でき、モータ6の回転抵抗が負荷となって内燃機関2の燃費が悪化することを防止できる。
後進内燃機関走行時において、制御部110は、第1切替部43をリバース駆動ギヤ44との接続位置に切替え、第2切替部64を接続位置に切替える。これにより、図6に矢印で示すように、内燃機関2の動力は、入力軸10、リバース駆動ギヤ4R、リバース従動ギヤ42、リバースアイドラ軸40、リバース駆動ギヤ44、リバース従動ギヤ5R、出力軸20、ファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ31を経て、ファイナル軸30に伝達される。内燃機関2を駆動源として車両100が後進走行することができる。
このように本実施例の自動変速機1Aにおいて、複数の変速ギヤは、車両100を前進させる前進ギヤ(入力ギヤ4Aから4F及びカウンタギヤ5Aから5F)と、車両100を後進させる後進ギヤ(リバース駆動ギヤ4R、リバース従動ギヤ5R)と、を含んでいる。また、自動変速機1Aは、前進ギヤを介して入力軸10と出力軸20とを接続する第1動力伝達経路と、後進ギヤを介して入力軸10と出力軸20とを接続する第2動力伝達経路と、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路のうち何れか一方を接続状態に設定するシフトセレクト機構120と、入力軸10と第2モータ軸60との間を接続状態又は切断状態に切替える第1切替部43と、第2モータ軸60と出力軸20との間を接続状態又は切断状態に切替える第2切替部64と、シフトセレクト機構120、第1切替部43及び第2切替部64を制御する制御部110と、を備える。
そして、制御部110は、シフトセレクト機構120によって第1動力伝達経路を接続状態に設定し内燃機関2の動力で車両100を走行させる際に、第1切替部43及び第2切替部64をそれぞれ切断状態にする。
これにより、内燃機関2の動力のみで車両100を前進走行させる際に、前進ギヤと後進ギヤの同時噛み合いを防止しつつ、モータ6が車両100の入力軸10から切断させることによりモータ6の回転抵抗を受けないため、車両100の燃費性能を向上させることができる。
また、本実施例の自動変速機1Aにおいて、シフトセレクト機構120は、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路の両方を切断状態に設定可能に構成される。そして、制御部110は、シフトセレクト機構120によって第1動力伝達経路及び第2動力伝達経路の両方を切断状態に設定するときは、第1切替部43により入力軸10とモータ軸6との間を接続状態とし、第2切替部64を切断状態とする。具体的には、制御部110は、発電モード時(図4参照)において、第1切替部43をモータ従動ギヤ41との接続位置に切替え、第2切替部64を切断位置に切替える。
これにより、入力軸10と第2モータ軸60のみが接続され出力軸20には内燃機関2又はモータ6の何れも接続されていない状態を形成することができる。このため、内燃機関2から入力軸10及び第2モータ軸60を経てモータ6に伝達された動力によってモータ6が発電することができ、いわゆる停車発電を実現できる。
また、本実施例では、第1切替部43は、従来からAMTがリバースアイドラ軸上に備える構成要素である切替機構に基づいて、その位置及び構造を大きく変更することなく構成することができる。そのため、第1切替部43のために新規にアクチュエータ及びセンサ等を備えることを不要にでき、製造コスト及び開発コストを削減できる。
また、第2切替部64は、接続位置と切断位置の2つの位置の間で切替えを行う構造であるため、第2切替部64を駆動するアクチュエータ及びセンサを単純な構造にでき、開発コスト及び製造コストを削減できる。
さらに、本実施例の自動変速機1Aは、入力軸10、出力軸20、ファイナル軸30及びこれらの各軸上のギヤ等を、従来のAMTと共通に用いることができるため、部品の共通化により製造コストを削減できる。
次に、本発明に係る動力伝達装置の第2実施例について、図面を用いて説明する。図7から図11は、本発明に係る第2実施例の動力伝達装置を示す図である。
本実施例では、車両100は、自動変速機1Bを備えており、自動変速機1Bは、第2切替部64を、第2モータ軸60に代えて第1モータ軸50に設けた点において、第1実施例の自動変速機A1と異なっている。また、自動変速機1Bにおいて、第1モータ軸50にはモータ駆動ギヤ51に加えて、モータ駆動ギヤ52が設けられている。前述の実施例と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
具体的には、図7において、第1モータ軸50には、モータ6に近い側から順に、モータ駆動ギヤ51、モータ駆動ギヤ52及び第2切替部64が設けられている。
モータ駆動ギヤ51は、第1モータ軸50に固定されており、モータ従動ギヤ41と噛み合っている。
モータ駆動ギヤ52は、第1モータ軸50と相対回転自在となっている。モータ駆動ギヤ52は、モータ駆動ギヤ51と第2切替部64の間に配置されている。
第2切替部64は、第1モータ軸50とスプライン嵌合することで、第1モータ軸50の軸線方向に移動自在で、かつ、第1モータ軸50と相対回転不能に第1モータ軸50に連結されている。
第2切替部64は、図示しないシフトフォークやシフトモータ等を備えたシフトアクチュエータによって第1モータ軸50の軸線方向に移動自在となっている。第2切替部64は、モータ駆動ギヤ52に接続する接続位置と、モータ駆動ギヤ52に接続しない切断位置との間で移動する。
第2切替部64がシフトアクチュエータによってモータ駆動ギヤ52側に移動すると、モータ駆動ギヤ52が第2切替部64を介して第1モータ軸50に接続される。
第2切替部64がシフトアクチュエータによってモータ駆動ギヤ52から離れる側に移動すると、モータ駆動ギヤ52が第1モータ軸50から切り離される。
一方、第2モータ軸60には、モータ従動ギヤ63、アウトプット接続ギヤ61が設けられている。
モータ従動ギヤ63は、第2モータ軸60に固定されており、第2モータ軸60と一体で回転する。モータ従動ギヤ63は、モータ駆動ギヤ52に噛み合っており、モータ駆動ギヤ52との間で相互に動力を伝達可能である。
アウトプット接続ギヤ61は、リバース従動ギヤ5Rに噛み合っており、アウトプット接続ギヤ61は、リバース従動ギヤ5Rとの間で相互に動力を伝達可能である。
モータ走行モード時において、制御部110は、第1切替部43を中立位置に切替え、第2切替部64を接続位置に切替える。これにより、図8に矢印で示すように、モータ6の回転は、第1モータ軸50、モータ駆動ギヤ52、モータ従動ギヤ63、第2モータ軸60、アウトプット接続ギヤ61、リバース従動ギヤ5R、出力軸20、ファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ31を経て、ファイナル軸30に伝達される。したがって、モータ6を駆動源として車両100が走行することができる。
発電モード時において、制御部110は、第1切替部43をモータ従動ギヤ41との接続位置に切替え、第2切替部64を切断位置に切替える。これにより、図9に矢印で示すように、内燃機関2の動力は、リバース駆動ギヤ4R、リバース従動ギヤ42、リバースアイドラ軸40、モータ従動ギヤ41、モータ駆動ギヤ51、第1モータ軸50を経てモータ6に伝達される。したがって、車両100が停車している状態において、内燃機関2によってモータ6を発電することができ、モータ6によって発電された電力をバッテリに充電することができる。
モータ切り離し走行モード時において、制御部110は、第1切替部43を中立位置に切替え、第2切替部64を切断位置に切替える。これにより、図10に矢印で示すように、モータ6の動力は、第1モータ軸50、モータ駆動ギヤ51を経てモータ従動ギヤ41に伝達される。しかし、第1切替部43が切断状態にされているため、モータ従動ギヤ41の動力はリバースアイドラ軸40に伝達されない。したがって、車両100が内燃機関2の動力によって走行する際に、モータ6が内燃機関2の動力に連れ回りすることを防止でき、モータ6の回転抵抗が負荷となって内燃機関2の燃費が悪化することを防止できる。
後進内燃機関走行時において、制御部110は、第1切替部43をリバース駆動ギヤ44との接続位置に切替え、第2切替部64を接続位置に切替える。これにより、図11に矢印で示すように、内燃機関2の動力は、入力軸10、リバース駆動ギヤ4R、リバース従動ギヤ42、リバースアイドラ軸40、リバース駆動ギヤ44、リバース従動ギヤ5R、出力軸20、ファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ31を経て、ファイナル軸30に伝達される。したがって、内燃機関2を駆動源として車両100が後進走行することができる。
このように本実施例の自動変速機1Bにおいて、第2切替部64は、第1モータ軸50に配置される。
これにより、モータ走行や発電を行う際に、モータ6の回転負荷が第2切替部64に過度に加わることを抑制できる。
また、第2切替部64に作用する荷重負荷を少なくできるため、第2切替部64の構成部品に過剰な耐久性が要求されることがなくなり、第2切替部64の製造コストを低減することができる。
また、第2切替部64に作用する回転負荷が少なくなるため、第2切替部64で同期に要する時間を短くすることができる。
次に、本発明に係る動力伝達装置の第5実施例について、図面を用いて説明する。図14は、本発明に係る第5実施例の動力伝達装置を示す図である。本実施例では、車両100は、自動変速機1Eを備えており、自動変速機1Eは、第1実施例の自動変速機1Aに対して実施例2、実施例3及び実施例4を全て適用したものである。前述の実施例と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図14において、自動変速機1Eは、第2切替部64を、第2モータ軸60に代えて第1モータ軸50に備えている。また、第1モータ軸50にはモータ駆動ギヤ51に加えて、モータ駆動ギヤ52が設けられている。また、リバースアイドラ軸40からリバース駆動ギヤ44を省略している。また、モータ従動ギヤ41に代えてモータ従動駆動ギヤ45をリバースアイドラ軸40に備えている。また、入力軸10からリバース駆動ギヤ4Rを省略し、2速段用の入力ギヤ4Bをリバース従動ギヤ42と噛み合わせている。
具体的には、第1モータ軸50には、モータ6に近い側から順に、モータ駆動ギヤ51、モータ駆動ギヤ52及び第2切替部64が設けられている。モータ駆動ギヤ51は、第1モータ軸50に固定されており、モータ従動駆動ギヤ45と噛み合っている。モータ駆動ギヤ52は、第1モータ軸50と相対回転自在となっている。モータ駆動ギヤ52は、モータ駆動ギヤ51と第2切替部64の間に配置されている。
第2モータ軸60には、モータ従動ギヤ63、アウトプット接続ギヤ61が設けられている。モータ従動ギヤ63、アウトプット接続ギヤ61は、第2モータ軸60に固定されており、第2モータ軸60と一体で回転する。モータ従動ギヤ63は、モータ駆動ギヤ52に噛み合っており、モータ駆動ギヤ52との間で相互に動力を伝達可能である。アウトプット接続ギヤ61は、リバース従動ギヤ5Rに噛み合っており、アウトプット接続ギヤ61は、リバース従動ギヤ5Rとの間で相互に動力を伝達可能である。
また、リバースアイドラ軸40にはリバース従動ギヤ42、モータ従動駆動ギヤ45が設けられている。リバース従動ギヤ42はリバースアイドラ軸40に固定されており、リバースアイドラ軸40と一体回転する。モータ従動駆動ギヤ45は、リバースアイドラ軸40と相対回転自在となっている。リバース従動ギヤ42は、入力ギヤ4Bに噛み合っている。モータ従動駆動ギヤ45は、モータ駆動ギヤ51と噛み合っている。
リバースアイドラ軸40には第1切替部43が設けられている。第1切替部43は、リバース従動ギヤ42とモータ従動駆動ギヤ45との間に設置されている。
第1切替部43が切断位置に位置した状態(切断状態)において、モータ従動駆動ギヤ45は、リバースアイドラ軸40に非接続となり、リバースアイドラ軸40と相対回転する。シフトアクチュエータによって第1切替部43がモータ従動駆動ギヤ45側の接続位置に移動した状態(接続状態)になると、モータ従動駆動ギヤ45が第1切替部43を介してリバースアイドラ軸40に接続され、モータ従動駆動ギヤ45とリバースアイドラ軸40とが一体回転する。
モータ走行モード時において、制御部110は、第1切替部43を切断位置に切替え、第2切替部64を接続位置に切替える。これにより、図15に矢印で示すように、モータ6の回転は、第1モータ軸50、第2切替部64、モータ駆動ギヤ52、モータ従動ギヤ63、第2モータ軸60、アウトプット接続ギヤ61、リバース従動ギヤ5R、出力軸20、ファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ31を経て、ファイナル軸30に伝達される。したがって、モータ6を駆動源として車両100が走行することができる。
発電モード時において、制御部110は、第1切替部43をモータ従動駆動ギヤ45との接続位置に切替え、第2切替部64を切断位置に切替える。これにより、図16に矢印で示すように、内燃機関2の動力は、2速段用の入力ギヤ4B、リバース従動ギヤ42、リバースアイドラ軸40、モータ従動駆動ギヤ45、モータ駆動ギヤ51、第1モータ軸50を経てモータ6に伝達される。したがって、車両100が停車している状態において、内燃機関2によってモータ6を発電することができ、モータ6によって発電された電力をバッテリに充電することができる。
モータ切り離し走行モード時において、制御部110は、第1切替部43を切断位置に切替え、第2切替部64を切断位置に切替える。これにより、図17に矢印で示すように、モータ6の動力は、第1モータ軸50、モータ駆動ギヤ51を経てモータ従動駆動ギヤ45に伝達される。しかし、第1切替部43が切断状態にされているため、モータ従動駆動ギヤ45の動力はリバースアイドラ軸40に伝達されない。したがって、車両100が内燃機関2の動力によって走行する際に、モータ6が内燃機関2の動力に連れ回りすることを防止でき、モータ6の回転抵抗が負荷となって内燃機関2の燃費が悪化することを防止できる。
後進内燃機関走行時において、制御部110は、第1切替部43をモータ従動駆動ギヤ45との接続位置に切替え、第2切替部64を接続位置に切替える。これにより、図18に矢印で示すように、内燃機関2の動力は、入力軸10、2速段用の入力ギヤ4B、リバース従動ギヤ42、リバースアイドラ軸40、モータ従動駆動ギヤ45、モータ駆動ギヤ51を経て第1モータ軸50に伝達される。そして、第1モータ軸50の動力は、第2切替部64、モータ駆動ギヤ52、モータ従動ギヤ63、第2モータ軸60、アウトプット接続ギヤ61、リバース従動ギヤ5R、出力軸20、ファイナルドライブギヤ5G、ファイナルドリブンギヤ31を経て、ファイナル軸30に伝達される。したがって、内燃機関2を駆動源として車両100が後進走行することができる。
以上説明したように、自動変速機1Eは、第1実施例の自動変速機1Aに対して実施例2、実施例3及び実施例4を全て適用することで構成されている。
これにより、第1実施例と同様に、内燃機関2の動力のみで車両100を前進走行させる際に、前進ギヤと後進ギヤの同時噛み合いを防止しつつ、モータ6が車両100の入力軸10から切断させることによりモータ6の回転抵抗を受けないため、車両100の燃費性能を向上させることができる。
また、入力軸10と第2モータ軸60のみが接続され出力軸20には内燃機関2又はモータ6の何れも接続されていない状態を形成することができる。このため、内燃機関2から入力軸10及び第2モータ軸60を経てモータ6に伝達された動力によってモータ6が発電することができ、いわゆる停車発電を実現できる。
これに加え、第2実施例と同様に、モータ走行や発電を行う際に、モータ6の回転負荷が第2切替部64に過度に加わることを抑制できる。また、第2切替部64に作用する荷重負荷を少なくできるため、第2切替部64の構成部品に過剰な耐久性が要求されることがなくなり、第2切替部64の製造コストを低減することができる。また、第2切替部64に作用する回転負荷が少なくなるため、第2切替部64で同期に要する時間を短くすることができる。
これに加え、第3実施例と同様に、第2切替部64が第1切替部43から独立して切替え可能なため、第1切替部43及び第2切替部64を同時に接続状態にできる。このため、内燃機関2の動力を第2モータ軸60及び出力軸20を経て差動装置に伝達することによって後進変速段を形成できる。また、リバースアイドラ軸40上からリバース駆動ギヤ(図1のリバース駆動ギヤ44に相当する)を省略した場合であっても、後進用の動力伝達経路を新たに形成できる。このため、リバース駆動ギヤ44を省略することができ、リバースアイドラ軸上にリバース駆動ギヤを要する従来のAMTと比較して製造コストを削減できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。