以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における空調システムの全体構成を示す図である。図1には、部屋1に設置されるエアコンディショナー(以下、エアコンディショナーをエアコンと称する)であるエアコン(エアコンは空気調和機または、空調機とも称する)2と、エアコン2を操作するリモートコントローラー(以下、リモートコントローラーをリモコンと称する)であるリモコン3と、在室者が所持する携帯機器4と、が示されている。リモコン3は、近距離無線通信機能を搭載し、エアコン2が設置されている部屋1の出入口5の近傍の壁に固定設置されている。本実施の形態では、通信可能範囲が5~10m程度のBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)により近距離無線通信機能が実現されることを想定している。図1では、リモコン3の通信可能範囲6を破線にて示している。
携帯機器4は、スマートフォン等ユーザに携行される携帯型の情報機器である。携帯機器4は、リモコン3と通信可能な近距離無線機能を搭載している。図1では、在室者Aが携行する携帯機器4の通信可能範囲7を一点破線にて示している。他の在室者においても同様の携帯機器4を携行している。
なお、本実施の形態では、部屋1にいるユーザのみを対象としていることから、「ユーザ」と「在室者」とは同義である。また、在室者は必ず携帯機器4を携行することを前提としている。なお、携帯機器4を区別することなく総称する場合には、「携帯機器4」と記載する。ただし、特定のユーザが携行する携帯機器4を示す場合、例えば「ユーザA」が携行する携帯機器4を特定して説明する場合は、「携帯機器A」と記載することにする。
図1に示すように、リモコン3の近距離無線通信による通信可能範囲6は、部屋1の全域を覆っていない。仮に、リモコン3が持ち運び可能なタイプで、リモコン3が部屋1の中心まで持ち運ばれたとしても、中心まで持ち運ばれたリモコン3の通信可能範囲6は、部屋1の全域を覆わないものとする。
エアコン2、リモコン3及び携帯機器4は、それぞれコンピュータを内蔵しており、従前からある汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、各機器であるエアコン2,リモコン3,携帯機器4(以下、エアコン2,リモコン3,携帯機器4を各機器2,3,4と称する)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を少なくとも有している。リモコン3及び携帯機器4においては、近距離無線通信を行うための通信インタフェースは必須な構成である。エアコン2は、リモコン3と有線にて接続されていることを想定している。しかし、エアコン2がリモコン3と無線により通信を行う場合には、エアコン2は、リモコン3と近距離無線通信を行うための通信インタフェースを有する必要がある。また、各機器2,3,4は、通信対象とするデータを一時記憶するストレージ等の記憶手段を別途備えてもよい。
図2は、本実施の形態における空調システムのブロック構成図である。なお、図2には、本実施の形態の説明に必要な構成要素を示している。図2では、各機器2,3,4において、それぞれの機能を発揮するために本来持っている構成要素であっても、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図示を省略している。また、携帯機器4が室内に複数存在する場合、各携帯機器4は同等の構成を有していればよいので、図2には1台のみ図示した。後述する実施の形態においても同様である。
エアコン2は、空調制御部21及び制御テーブル22を有している。空調制御部21は、在室人数に応じた空調制御を行う。本実施の形態における空調制御部21は、特に制御テーブル22の設定内容に従って空調制御を行う。
図3は、本実施の形態における制御テーブル22のデータ構成例を示す図である。制御テーブル22には、「人数」に「経過時間」及び「制御内容」を対応付けして設定される。「人数」は、新たに測定された在室人数と直前に測定されたときの在室人数との差分、すなわち増減した人数である。「制御内容」は、当該人数となったときの空調制御の内容を示す。「経過時間」は、在室人数の差分が求められてから当該制御内容にて空調制御を開始するまでの経過時間である。「制御内容」については、動作の説明と合わせて説明する。
空調制御部21は、エアコン2に搭載されたCPUと、CPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、制御テーブル22は、エアコン2に搭載されたRAM等の記憶手段にて実現される。
図2のリモコン3は、通信部31、収集委任発信部32、機器リスト収集部33、在室人数算出部34及び記憶部35を有している。通信部31は、近距離無線通信機能を搭載する通信インタフェースにより実現され、携帯機器4との間で近距離無線通信を行う。収集委任発信部32は、収集委任(「台数収集委任要求」に相当)を定周期的に携帯機器4に向けて発信する。機器リスト収集部33は、収集委任に応じて携帯機器4から返信されてきた機器リスト(「機器台数情報」に相当)を収集する。在室人数算出部34は、機器リスト収集部33が収集した機器リストに基づき部屋1にいるユーザの人数、すなわち在室人数を測定する。記憶部35は、携帯機器4から送信されてきた機器リストを記憶する。
図2の構成要素31~34は、リモコン3に搭載されたCPUと、CPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、記憶部35は、リモコン3に搭載されたRAM等の記憶手段にて実現される。
図2の携帯機器4は、通信部41、代表機器機能処理部42、非代表機器機能処理部43、制御部44及び記憶部45を有している。通信部41は、近距離無線通信機能を搭載する通信インタフェースにより実現され、リモコン3及び他の携帯機器4との間で近距離無線通信を行う。代表機器機能処理部42は、自機器が代表機器として動作する際の処理機能を実現する。代表機器機能処理部42に対し、非代表機器機能処理部43は、自機器が代表機器として動作しない場合の処理機能を実現する。
ここで、「代表機器」というのは、リモコン3と近距離無線通信が可能な範囲に位置する携帯機器4であって、リモコン3が発信するデータ、本実施の形態では収集委任のデータを受信する携帯機器4のことをいう。換言すると、収集委任を受信することで、収集委任を受信した携帯機器4が代表機器という立場に置かれることになる。例えば、図1においては、リモコン3の通信可能範囲6内に位置する携帯機器A,B,Cが代表機器に該当する。携帯機器A,B,C以外の携帯機器4は、代表機器とはならない。また、本実施の形態では、自機器(ある携帯機器4)の近傍に位置し、自機器と通信可能な範囲にある他の携帯機器4のことを「近隣機器」と称することにする。例えば、図1において、携帯機器Aの通信可能範囲7内に位置する携帯機器B,C,D,Eが携帯機器Aの近隣機器となる。なお、携帯機器B,C,D,Eにおいても、それぞれの通信可能な範囲に位置する携帯機器4は近隣機器となる。
携帯機器4は、リモコン3の通信可能範囲6内に位置し、リモコン3から発信された収集委任を受信した場合、代表機器機能処理部42に処理をさせる。すなわち、携帯機器4は、自機器を代表機器として動作させる。本実施の形態における代表機器機能処理部42は、応答要請発信部421、機器ID収集部422及び機器リスト送信部423を有している。応答要請発信部421は、収集委任に応じて応答要請(「応答要求」に相当)を他の携帯機器4に向けて発信する。機器ID収集部422は、応答要請に応じて他の携帯機器4(上記「近隣機器」が該当)から返信されてきた機器IDを収集し、記憶部45に保存する。機器IDは、各携帯機器4に固有の機器識別情報であり、例えば、IPアドレス(Internet Protocol Address)等である。機器リスト送信部423は、収集委任に応じて、自機器の機器ID及び機器ID収集部422が収集した機器IDを含む機器リストを生成して、リモコン3へ返信する。
携帯機器4は、リモコン3の通信可能範囲6内に位置しない場合は、リモコン3から発信された収集委任を受信しない。しかし、代表機器から発信された応答要請を受信した場合は、非代表機器機能処理部43に処理をさせる。すなわち、応答要請を受信した携帯機器4は、自機器を代表機器以外の機器(非代表機器)として動作させる。本実施の形態における非代表機器機能処理部43は、応答要請に応じて自機器の機器IDを返信する機器ID送信部431を有している。
制御部44は、前述した代表機器機能処理部42及び非代表機器機能処理部43の動作制御等、他の構成要素と連携して在室人数を測定する処理の一部を担う。記憶部45は、在室人数を測定する際に他の携帯機器4から送信されてきた機器IDを記憶する。
携帯機器4における各構成要素41~44は、携帯機器4に搭載されたCPUと、CPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、記憶部45は、携帯機器4に搭載されたRAM等の記憶手段にて実現される。
本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
図4は、本実施の形態においてリモコン3と携帯機器(代表機器)4との間、及び、携帯機器4間でやり取りされるデータ構成例を示す図である。図4において、通信種別には、送受信されるデータの種類を識別するコードが設定される。本実施の形態では、リモコン3により収集委任が定周期的に発信されるが、時刻IDには、収集委任が発信された時刻が特定可能な識別子が設定される。時刻IDによって、ある収集委任とその他の収集委任とを、判別できる。リモコンIDには、収集委任を発信したリモコン3の識別子が設定される。機器IDには、データを送信する携帯機器4の識別子が設定される。ホップ数については、後述する実施の形態において説明する。
前述したように、リモコンの近距離無線通信可能範囲6が部屋1の全域を覆っているとは限らない。従って、リモコン3が単独では部屋1の在室者を正確に測定できる保証はない。一方、近年では、スマートフォンやタブレット端末などの携帯機器4を所持している人がほとんどである。携帯機器4を従業員全員に支給している企業もある。そして、携帯機器4には、近距離無線通信機能が標準装備されている。携帯機器4には、近距離無線通信機能としてBLEに加え、通信可能範囲が100m程度のWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)が搭載されている。本実施の形態では、在室者が建物内を移動する際には、携帯機器4を常に携行していることを前提とする。また、部屋1の中で検出した携帯機器4の台数を在室人数とみなすことで測定する。また、本実施の形態では、部屋1に設置されたリモコン3が、部屋1にある携帯機器4の台数を検出することを、携帯機器4に委任することを特徴としている。
次に、本実施の形態における人数測定処理について、図5乃至図7に示すフローチャートを用いて説明する。
図5において、リモコン3は、所定のアプリケーションを定周期的に起動することによって図5に示す処理を実行する。まず、アプリケーションが起動されると、収集委任発信部32は、通信部31を介して収集委任をブロードキャスト(発信)する(ステップ301)。収集委任は、図4に示すデータ構成に従って生成される。より具体的には、通信種別に、収集委任を示すコード(CR)を設定する。時刻IDに、現在時刻に基づき生成したコード(識別子)を設定する。リモコンIDに、自機器の識別子を設定する。その他の項目は、ブランクでよい。リモコン3は、収集委任の発信後、第1の所定期間のタイマを設定する。第1の所定期間として、例えば1分間のタイマを設定し、1分間に携帯機器4、すなわち代表機器から機器リストを受信するよう、機器リストを受信する処理に移行する。
ユーザは、少なくとも在室しているときには、携帯機器4の所定のアプリケーションを起動して、図6に示す処理を常時実施可能な状態にしておく必要がある。
図6において、アプリケーションが起動されると、携帯機器4は、データの受信待ち状態になる(ステップ401でN)。ステップ401で、通信部41を介してデータが受信されると(ステップ401でY)、制御部44は、受信したデータがリモコン3から発信された収集委任の場合(ステップ402でY)、代表機器機能処理部42を動作させる。そして、代表機器機能処理部42における応答要請発信部421は、通信部41を介して応答要請をブロードキャスト(発信)する(ステップ403)。応答要請は、図4に示すデータ構成に従って応答要請発信部421により生成される。より具体的には、応答要請発信部421は、通信種別に応答要請を示すコード(AR)を設定する。また、時刻IDに、収集委任に設定されている時刻IDを設定する。また、リモコンIDに、収集委任に設定されているリモコンIDを設定する。また、機器IDに自機器の識別子を設定する。その他の項目は、ブランクでよい。時刻ID及びリモコンIDに、収集委任に設定されている項目データを設定されることで、どのリモコン3からのどの時点の収集委任に従って送受信されるデータなのかが、特定される。応答要請の発信後、代表機器機能処理部42は第2の所定期間のタイマを設定し、例えば第2の所定期間として30秒間のタイマを設定し、30秒間に他の携帯機器4、すなわち近隣機器から応答(機器ID)を受信するよう、応答を受信する処理に移行する。第2の所定期間は、前述した第1の所定期間より短い時間に設定するのが好ましい。
前述したように、アプリケーションが起動されると、携帯機器4は、データの受信待ち状態になる(ステップ401でN)。ここで、通信部41を介してデータが受信され(ステップ401でY)、受信されたデータが他の携帯機器4、すなわち代表機器から発信された応答要請の場合(ステップ402でN)、制御部44は、自機器を代表機器の近隣機器として、また非代表機器として動作させるために非代表機器機能処理部43を動作させる。そして、非代表機器機能処理部43における機器ID送信部431は、応答要請に応答する(ステップ408)。この応答は、図4に示すデータ構成に従って生成される。より具体的には、通信種別に応答を示すコード(ACK)を設定する。時刻IDに応答要請に設定されている時刻IDを設定する。リモコンIDに応答要請に設定されているリモコンIDを設定する。機器IDに自機器の識別子(機器ID)を設定する。その他の項目はブランクでよい。時刻ID及びリモコンIDに、応答要請に設定されている項目データを設定することで、どのリモコン3からのどの時点の収集委任に従って送受信されるデータなのかが特定される。
代表機器に相当する携帯機器4は、タイマの設定により第2の所定期間、近隣機器から応答(機器ID)を受信する処理に移行している。代表機器に相当する携帯機器4の機器ID収集部422は、近隣機器からの応答を受信すると(ステップ404)、受信した応答を記憶部45に保存する(ステップ405)。そして、応答待ち時間(上記「第2の所定期間」)が経過していなければ(ステップ406でN)、ステップ404で応答を受信した近隣機器以外の他の近隣機器からの応答の受信待ち状態に戻る(ステップ404)。そして、応答待ち時間が経過すると(ステップ406でY)、機器リスト送信部423は、記憶部45に保存されている機器IDを読み出し、自機器の機器IDと合わせて機器リストを生成する。機器リスト送信部423は、生成した機器リストをリモコン3へ送信する(ステップ407)。なお、機器リスト送信部423は、1回の収集委任に応じた機器リストをより確実に生成するために、応答に含まれている時刻IDを参照して、同じ時刻IDの応答に含まれている機器IDを読み出すように処理してもよい。
このようにして、代表機器は、リモコン3からの収集委任に応じて、近隣機器から機器IDを収集する。そして、収集した機器IDに自機器の機器IDを含めて、要求元のリモコン3に返信する。
なお、代表機器機能処理部42は、携帯機器4における計時処理を、機器IDを収集する処理と非同期に実施し、ステップ404において受信待ちの状態でも、応答待ち時間が経過すると受信待ち状態を解消して、ステップ407に移行させる必要がある。
機器リストは、図4に示すフォーマットに従って生成される。より具体的には、通信種別に委任応答を示すコード(RR)を設定する。時刻IDに収集委任に設定されていた時刻IDを設定する。リモコンIDに収集委任に設定されているリモコンIDを設定する。機器IDに自機器の識別子を設定する。そして、その他の項目に、機器リストを設定する。
リモコン3は、図5に示すように、タイマの設定により第1の所定期間、代表機器から機器リストを受信する処理に移行している。リモコン3は、代表機器から機器リストを受信すると(ステップ302)、機器リスト収集部33は、受信した機器リストを記憶部35に保存する(ステップ303)。そして、収集時間(上記「第1の所定期間」)が経過していなければ(ステップ304でN)、その他の代表機器からの機器リストの受信待ち状態に戻る(ステップ302)。そして、収集時間が経過すると(ステップ304でY)、在室人数算出部34による在室人数を把握する処理に移行する(ステップ305)。なお、リモコン3では、計時処理を機器リストの収集処理と非同期に実施し、ステップ302において受信待ちの状態でも収集時間が経過すると受信待ち状態を解消してステップ305に移行させる必要がある。
リモコン3が代表機器から機器リストを収集すると、在室人数算出部34は、機器リストを集計して在室人数を把握する(ステップ305)。代表機器が1台の場合、その代表機器から収集した機器リストに含まれている機器IDの数が在室人数となる。複数の代表機器から機器リストを収集した場合、重複して携帯機器4が検出されている場合がある。例えば、図1によると、携帯機器Bは、代表機器であるが、携帯機器Aの近隣機器でもあることから携帯機器Bの機器IDは重複して収集されていることになる。従って、在室人数算出部34は、各代表機器から収集された機器IDを比較しながら、同一の携帯機器4を重複してカウントしないように機器IDを集計する。そして、集計した機器IDの数が部屋1における在室人数となるので、集計した在室人数をエアコン2に送信する。在室人数をエアコン2に送信することによって、現時点における在室人数を報告する(ステップ306)。
エアコン2では、稼働が開始されると、所定のアプリケーションを起動して空調制御部21が常時処理を実施可能な状態にしておく。
アプリケーションが起動されると、エアコン2の空調制御部21は、図7に示すように、リモコン3からの在室人数の受信待ち状態になる(ステップ201でN)。ここで、空調制御部21は、リモコン3からの報告により在室人数を受信すると(ステップ201でY)、受信した在室人数が0人でない場合、すなわち在室者がいる場合(ステップ202でN)、今回受信した在室人数を、直前の処理で受信し記憶しておいた在室人数と比較する。空調制御部21は人数を比較することで、在室者の増減人数を算出する(ステップ203)。そして、空調制御部21は、制御テーブル22の設定内容に従い在室人数の増減人数に応じて空調制御を行う(ステップ204)。
例えば、在室人数が1人増加している場合、空調制御部21は、図3に示す制御テーブル22の「+1」の設定を参照して、現時点の運転能力から60秒の間10%アップさせて運転する。このように、在室人数が増えることで室内の快適性が一時的に悪化する。例えば夏期の場合、室温の上昇が見込まれるので、冷房能力を自動的に増加させるようにする。また、例えば、在室人数が2人減少した場合、図3に示す制御テーブル22の「-2」の設定を参照して、現時点の運転能力から90秒の間15%ダウンさせて運転する。このように、在室人数が減ることで現時点の運転能力で継続運転すると過剰運転となる可能性があることから、運転能力を抑えることによって省エネ効果を得ることが可能となる。
なお、図3に示す制御テーブル22の数値例は一例であって、部屋1の広さやエアコン2の性能等に応じて適宜設定すればよい。また、在室人数の単なる増減人数ではなく現時点の在室人数をも参照し、在室人数に応じて細かく制御テーブル22に設定するようにしてもよい。
空調制御部21は、以上のようにして空調制御を行うと共に、今回受信した在室人数を次回受信する在室人数と比較できるように、内部に保存する(ステップ205)。もちろん、在室人数の履歴を記録しておきたければ、記憶手段(図示せず)に記録するようにしてもよい。
一方、在室人数が0人、すなわち部屋1にユーザが不在の場合(ステップ202でY)、空調制御部21は、制御テーブル22の設定内容に従って空調制御する。図3の制御テーブル22の設定例によると、在室者が0の場合、空調制御部21は、30秒後にエアコン2の動作を停止することになる(ステップ206)。このように、在室人数に基づく空調制御を行うことで、在室者がいなくなったときには、エアコン2を自動停止できる。エアコン2を自動停止できるので、最終退出者が消し忘れした場合でも、無駄な電力消費を抑えることができ、省エネ効果を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態においては、在室人数に変化がない場合について制御テーブル22に設定していない。すなわち、在室人数に変化がない場合、空調制御部21は、在室人数に基づく空調制御を行わず、既存の設定に基づく空調制御を行うことになる。
本実施の形態によれば、在室人数の把握を在室者が携行する携帯機器4に委任するようにしたので、リモコン3の近距離無線通信可能範囲6では部屋1の全域を覆えない場合でも、在室人数を正確に測定することができる。
なお、ユーザは、複数の携帯機器4を携行する場合がある。この場合は、ユーザ毎に1台の携帯機器4のみにアプリケーションプログラムをインストールできるように制限することによって、重複した人数カウントを回避するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、定周期的に在室人数を測定している。そのため、その他の測定、特に前後に実施される測定と混同しないように送受信するデータに時刻IDを設定するようにした。また、時刻を利用することで測定が実施された時刻が特定できる。ただ、1回の測定を識別するためには、時刻でなくても、例えばユニークな文字列等を生成して用いるようにしてもよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1において在室人数を測定する対象となる部屋は、従業員が従事する事務室や会議室等を想定していた。しかし、ホールや体育館など在室人数を測定する範囲が非常に広い空間の場合、あるいは携帯機器4が近距離無線通信機能としてBLEのみを使用する場合(つまり、通信可能な範囲が空間に対して相対的に非常に狭い場合)等、リモコン3及び代表機器だけでは、部屋1の全域を通信可能な範囲に収められない場合も想定しうる。そこで、本実施の形態では、広い空間の場合にも対応できるように、携帯機器4を連携させて在室人数を測定できるようにした。
図8は、本実施の形態における空調システムのブロック構成図である。なお、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付け、説明を適宜省略する。本実施の形態では、エアコン2に複数のリモコン3が接続されることと、時刻サーバ10が設けられていることがシステム構成上、実施の形態1と異なっている。
上記実施の形態1において説明したように、機器3,4間でやり取りするデータに含める時刻IDは、リモコン3に設定されている時刻を用いて生成される。本実施の形態のように、複数のリモコン3が存在すると、各リモコン3での時刻が完全に一致していなければ、異なる時刻IDが生成される可能性が生じてくる。そうすると、1回の在室人数の測定時に収集された機器IDが、同じタイミングで収集されていないと、誤認される可能性が生じてくる。そこで、本実施の形態では、時刻サーバ10を設けるようにしたので、各リモコン3は、共通した時刻を用いることができる。
なお、本実施の形態では、時刻サーバ10を設けたが、いずれか1つのリモコン3が自己の時刻を他のリモコン3に通知して、各リモコン3において時刻ID生成に用いる時刻を同一にするように構成してもよい。また、時刻は、1回の測定を判別するため、換言すると他の測定(特に、前後の測定)と混合しないようにするために用いるので、時刻でなくても、例えばユニークな文字列等を発生する手段を用いるようにしてもよい。
エアコン2は、実施の形態1の構成に、実施の形態1ではリモコン3に設けた在室人数算出部23を有している。リモコン3は、在室人数算出部34の処理機能をエアコン2に移動させたことに伴い、収集した機器リストをエアコン2に渡すための機器リスト送信部36を設けている。
携帯機器4は、構成要素は実施の形態1と同じであるが、代表機器機能処理部42及び非代表機器機能処理部43の内部構成が異なる。代表機器機能処理部42は、実施の形態1の構成に試験要請発信部424を追加した構成を有している。試験要請発信部424は、受信した収集委任に最大中継数が設定されている場合、試験要請(「経路設定要求」に相当)を発信する。「最大中継数」というのは、起点となる機器(代表機器)からデータ(後述する「試験要請」)を中継させる携帯機器4の数である。非代表機器機能処理部43は、試験要請対応処理部432及び応答要請対応処理部433を有している。試験要請対応処理部432は、他の携帯機器4から試験要請を受信した場合、受信した試験要請の送信元を、試験要請の受信以降に受信する応答要請に対する応答先と特定する。加えて、自機器が代表機器から最大中継数の位置、換言すると受信した収集委任の受信ホップ数が0に達していなければ、試験要請を発信する。ここでは、「最大中継数の位置」とは、代表機器からより離れた範囲の位置に散在する携帯機器4であって、機器IDが収集可能な範囲の位置に存在する携帯機器4の数のことである。応答要請対応処理部433は、他の携帯機器4から受信した応答要請に応じて、自機器が代表機器から最大中継数の位置に達していなければ応答要請を発信する。加えて、自機器の機器ID及び発信した応答要請に応じて他の携帯機器4から返信されてきた機器IDを返信する。また、自機器が代表機器から最大中継数の位置に達していれば自機器の機器IDを返信する。応答要請対応処理部433は、応答要請に応じて自機器の機器IDを返信する点で、実施の形態1の機器ID送信部431と同様の機能を有している。
次に、本実施の形態における在室人数の測定処理について説明する。なお、実施の形態1と同じ処理については、説明を適宜省略する。
実施の形態1では、リモコン3は、所定のアプリケーションが起動されることによって処理を開始して、収集委任をブロードキャストしていた。本実施の形態では、時刻サーバ10からの時刻の通知をトリガとして図5に示すフローチャートが実行される。そのために、リモコン3は、所定のアプリケーションが起動されると動作を開始し、時刻サーバ10からの時刻の受信待ち状態になる。時刻サーバ10は、定周期的に時刻を各リモコン3に対して送信するので、各リモコン3における収集委任発信部32は、収集委任に含まれる時刻IDを、時刻サーバ10から送られてきた時刻に基づき生成する。このため、各リモコン3は共に、同じ時刻IDを生成することになり、1回の測定が特定できる。なお、全てのリモコン3は、同じ処理を実行する。
更に、本実施の形態における収集委任発信部32は、収集委任にホップ数(図4参照)を設定するが、ホップ数として前述した最大中継数を設定する。最大中継数は、リモコン3によって異ならせてもよい。以上のようにして、リモコン3は、収集委任のデータを生成して発信する。収集委任の発信後、第1の所定期間として例えば1分間のタイマを設定して、1分間に携帯機器4、すなわち代表機器から機器リストを受信するよう、機器リストを受信する処理に移行する。
本実施の形態における携帯機器4は、収集委任を受信すると、2段階の処理にて携帯機器4の機器IDを収集する。この本実施の形態において特徴的な処理について、図9,10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、実施の形態1と同じ処理には同じステップ番号を付けて、説明を適宜省略する。
図9に示すように、携帯機器4は、アプリケーションが起動されると、携帯機器4が内部に記憶しているホップ数(以下、「記憶ホップ数」)を0に、応答要請に対する応答先を未設定に、それぞれ初期化する(ステップ421)。そして、データの受信待ち状態になるが(ステップ401でN)、データが受信されると(ステップ401でY)、その受信されるデータの種別によって処理が分岐する。
ここでは、第1段階の処理、すなわち、機器IDの収集経路を決定する処理について説明する。
図9において、まず、受信したデータが収集委任の場合(ステップ402で「収集委任」)、制御部44は、代表機器機能処理部42を動作させる。そして、代表機器機能処理部42における試験要請発信部424は、第1段階の処理として、通信部41を介して試験要請をブロードキャスト(発信)する(ステップ422)。試験要請は、図4に示すデータ構成に従って生成される。より具体的には、通信種別に試験要請を示すコード(ER)を設定する。時刻ID、リモコンID及びホップ数に、収集委任に設定されている各項目データを設定する。機器IDに自機器の識別子を設定する。その他の項目はブランクでよい。時刻ID及びリモコンIDに、収集委任に設定されている項目データを設定することで、どのリモコン3からのどの時点の収集委任に従って送受信されるデータなのかを特定できる。試験要請の発信後、タイマを設定して第3の所定期間、つまり収集経路の決定に要する時間、例えば15秒間待機してから第2段階の処理に移行する。
携帯機器4において、受信したデータが試験要請の場合(ステップ402で「試験要請」)、制御部44は、非代表機器機能処理部43を動作させる。そして、非代表機器機能処理部43における試験要請対応処理部432は、受信した試験要請に設定されているホップ数(以下、「受信ホップ数」)を1減算する(ステップ434)。続いて、試験要請対応処理部432は、受信ホップ数と、内部に記憶しているホップ数(以下、「記憶ホップ数」)とを比較する。なお、この時点の記憶ホップ数は、ステップ421で初期化されたホップ数である。ここで、受信ホップ数が記憶ホップ数より大きい場合(ステップ424でY)、受信した試験要請の送信元となる携帯機器4の機器IDを、内部に記憶している応答先(ステップ421で初期化した応答先)に設定する(ステップ425)。応答先がすでに設定されている場合には、応答先を変更することになる。受信ホップ数が記憶ホップ数以下の場合(ステップ424でN)、ステップ426に移行する。つまり、ここの処理では、大きいホップ数を送信してきた携帯機器4の機器IDを応答要請の応答先として保持するようにしている。
続いて、受信した試験要請に設定されている受信ホップ数が1以上の場合(ステップ426でY)、記憶ホップ数を受信ホップ数で更新して(ステップ427)、試験要請をブロードキャスト(発信)する(ステップ428)。このように、他の携帯機器4から発信された試験要請を受信した携帯機器4も自ら試験要請を発信することを、本実施の形態では「中継」と称している。
試験要請は、通信種別に試験要請を示すコード(ER)を設定する。時刻ID及びリモコンIDに、受信した試験要請に設定されている各項目データを設定する。機器IDに自機器の識別子を設定する。ホップ数にステップ427で更新した記憶ホップ数を設定する。その他の項目はブランクでよい。このように、試験要請を受信した携帯機器4は、記憶ホップ数と応答先を内部に保持すると共に、ホップ数が0になるまでは試験要請をブロードキャストすることで、代表機器からの試験要請を中継することになる。
なお、代表機器も近隣機器が発信する試験要請を受信するかもしれない。しかし、例えば、自機器が代表機器となったことを内部に保持しておき、近隣機器からの試験要請に対して対応しないようにする。
代表機器以外の携帯機器4(非代表機器)は、他の携帯機器4から試験要請を複数回受信する可能性がある。しかし、後述する応答要請に対応する先となる応答先は、ステップ425で保持したただ1つの携帯機器4に限定される。また、受信ホップ数が記憶ホップ数より大きい場合に、応答要請に対する応答先を変更するということは、自機器がより多くの携帯機器4の機器IDを中継できるようになる。つまり、代表機器からより離れた範囲に散在する携帯機器4の機器IDを収集可能となる。
代表機器から離れた位置にある携帯機器4は、減算されたホップ数を含む試験要請を受信することになり、試験要請が中継されることによってホップ数が1の試験要請(ステップ434において受信ホップ数が0となる試験要請)を受信する携帯機器4が現れてくる。受信ホップ数が0になると(ステップ426でN)、試験要請を中継しないようになる。このとき、試験要請をはじめて受信した携帯機器4においては、応答先が未設定のままなので、試験要請送信元の携帯機器の機器IDを応答先として設定する(ステップ429)。このようにして、非代表機器の応答先には、応答要請に対応する携帯機器4が設定されることになり、機器IDの収集経路が決定される。
第1段階の処理では、以上のようにして機器IDを収集する経路を決定することができる。経路上の最上位は代表機器が存在するが、以降の説明では、経路上の末端の位置にある携帯機器4を「末端機器」と称することにする。そして、代表機器と末端機器との間には、0以上3以下の携帯機器4が存在しうるが、この代表機器と末端機器の間に位置する携帯機器4のことを「中間機器」と称することにする。
次に、第2段階の処理について説明する。第2段階の処理は、実施の形態1で説明した、部屋1にある携帯機器の機器IDを収集する処理である。
第3の所定期間が経過すると、代表機器機能処理部42における応答要請発信部421は、応答要請をするために、図9に示すように、機器ID収集処理を実行する(ステップ423)。機器ID収集処理は、基本的には実施の形態1で説明した処理(ステップ403~407)と同様である。すなわち、応答要請発信部421は、図10に示すように、通信部41を介して応答要請をブロードキャスト(発信)する(ステップ451)。応答要請は、実施の形態1と同じでよい。応答要請に設定されるホップ数は、第1段階の処理で用いるので、第2段階の処理では不要である。応答要請の発信後、第2の所定期間として例えば30秒間のタイマを設定して、30秒間に他の携帯機器4、すなわち近隣機器から応答(機器ID)を受信するように、応答を受信する処理に移行する。第2の所定期間は、前述した第1の所定期間より短い時間である。
次に、図9に示すように、受信したデータが応答要請の場合(ステップ402で「応答要請」)、非代表機器機能処理部43における応答要請対応処理部433は、応答要請の送信元を確認する。応答要請の送信元が内部に保持している応答先と一致しない場合(ステップ430でN)、機器IDの収集経路にない携帯機器4から応答要請を受信したことになるので、携帯機器4は、受信した応答要請に応じることなく、次のデータの受信待ち状態に戻る(ステップ401)。
一方、応答要請の送信元が内部に保持している応答先と一致する場合(ステップ430でY)、応答要請対応処理部433は、内部に記憶している記憶ホップ数を確認し、ホップ数が1以上でない場合、すなわち記憶ホップ数が0の場合(ステップ431でN)、自機器は、経路上の末端にある携帯機器4、すなわち末端機器と判断できる。従って、応答要請対応処理部433は、応答要請に応答する(ステップ433)。つまり、応答要請に対して自機器の機器IDを返信する。
一方、記憶ホップ数が1以上の場合(ステップ431でY)、自機器は、経路上の途中にある携帯機器4、すなわち中間機器と判断できる。従って、応答要請対応処理部433は、応答要請に応じて機器ID収集処理を実行する(ステップ432)。機器ID収集処理は、基本的には実施の形態1で説明した処理と同様である。すなわち、応答要請対応処理部433は、図10のように、通信部41を介して応答要請をブロードキャスト(発信)する(ステップ451)。応答要請は、実施の形態1と同じでよい。応答要請に設定するホップ数は、第1段階の処理で用いるので、第2段階の処理では不要である。応答要請の発信後、第4の所定期間として例えば20秒間のタイマを設定して、20秒間に他の携帯機器4から応答(機器ID)を受信するように、応答を受信する処理に移行する。第4の所定期間は、前述した代表機器が機器IDの収集に設定した第2の所定期間より短い時間に設定するのが好ましい。
ステップ452において、他の携帯機器4からの応答を待っていた携帯機器4(代表機器又は中間機器、ここでは中間機器を想定して説明する)は、他の携帯機器4が末端機器の場合、その末端機器から当該携帯機器4の機器IDを受信する(ステップ452)。他の携帯機器4が中間機器の場合は、機器リストを受信することになる。他の携帯機器4からの応答を受信すると、その応答に含まれている機器ID(あるいは機器リストに含まれている機器ID)を記憶部45に保存する(ステップ453)。
そして、応答待ち時間(上記「第4の所定期間」)が経過していなければ(ステップ454でN)、その他の携帯機器4からの応答の受信待ち状態に戻る(ステップ452)。そして、応答待ち時間が経過すると(ステップ454でY)、応答要請対応処理部433は、記憶部45に保存されている機器IDを読み出し、自機器の機器IDと合わせて機器リストを生成して、上位の携帯機器4へ送信する(ステップ455)。上位の携帯機器4というのは、代表機器又は応答要請送信元の携帯機器4(中間機器)である。
代表機器に相当する携帯機器4は、タイマの設定により第2の所定期間、近隣機器から応答(機器ID)を受信する処理に移行している。代表機器に相当する携帯機器4は、近隣機器からの応答を受信すると(ステップ452)、その応答に含まれている機器ID(あるいは機器リスト)を記憶部45に保存する(ステップ453)。そして、応答待ち時間(上記「第2の所定期間」)が経過していなければ(ステップ454でN)、その他の近隣機器からの応答の受信待ち状態に戻る(ステップ452)。そして、応答待ち時間が経過すると(ステップ454でY)、機器リスト送信部423は、記憶部45に保存されている機器IDを読み出し、自機器の機器IDと合わせて機器リストを生成してリモコン3へ送信する(ステップ455)。
リモコン3は、タイマの設定により第1の所定期間、代表機器から機器リストを受信する処理に移行している。リモコン3は、代表機器から機器リストを受信すると、収集委任発信部32は、図5に示すように、受信した機器リストを記憶部35に保存する(ステップ303)。そして、収集時間(上記「第1の所定期間」)が経過していなければ(ステップ304でN)、その他の代表機器からの機器リストの受信待ち状態に戻る(ステップ302)。そして、収集時間が経過すると(ステップ304でY)、記憶部35に保存していた機器リスト(機器ID)を、時刻IDを付加してエアコン2に通知する。
エアコン2に接続されているリモコン3は、上記説明したように動作するので、エアコン2は、収集時間経過後に各リモコン3からそれぞれ機器リストを受信することになる。これにより、在室人数算出部23は、同一の時刻IDが付加されている機器リストの中から機器IDを取り出し、同じ機器IDを重複してカウントしないように集計する。このようにして得られた機器IDの数が、部屋1の在室人数となる。
現時点の在室人数が測定できると、エアコン2は、実施の形態1と同様に制御テーブル22の設定内容に従って空調制御を行う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、エアコン2に複数のリモコン3が接続されている場合でも、各測定時点において在室人数を正確に測定することができる。
なお、部屋1に複数のエアコン2が設置されている場合、実施の形態1で説明した構成を複数組み合わせて実現できる。ただ、この場合、エアコン2の上位にあるサーバ等が各エアコン2若しくは各エアコン2に接続されるリモコン3から機器リストを収集して、収集した機器リストに含まれている同じ機器IDを重複してカウントしないように、集計する必要がある。
実施の形態3.
実施の形態3によって、実施の形態1、実施の形態2の所在人数測定システムを構成するエアコン2、リモコン3及び携帯機器4のハードウェア構成を補足する。
実施の形態1、実施の形態2で述べた所在人数測定システムを構成するエアコン2、リモコン3及び携帯機器4の機能は、プログラムで実現される。しかし、エアコン2、リモコン3及び携帯機器4の機能が、ハードウェアで実現されてもよい。
図11は、所在人数測定システムを構成するエアコン2、リモコン3及び携帯機器4の機能がハードウェアで実現される構成を示す図である。図11の電子回路90は、所在人数測定システムを構成するエアコン2の空調制御部21、及び在室人数算出部23、リモコン3の収集委任発信部32、機器リスト収集部33、在室人数算出部34、及び通信部31の機能を実現する専用の電子回路である。また、携帯機器4の代表機器機能処理部42、応答要請発信部421、機器ID収集部422、機器リスト送信部423、試験要請発信部424、非代表機器機能処理部43、機器ID送信部431、制御部44、通信部41、試験要請対応処理部432、及び、応答要請対応処理部433の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路90は、信号線91に接続している。電子回路90は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
所在人数測定システムを構成するエアコン2、リモコン3及び携帯機器4の構成要素の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。また、所在人数測定システムを構成するエアコン2、リモコン3及び携帯機器4の構成要素の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
CPUと電子回路90の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。エアコン2の空調制御部21、在室人数算出部23と、リモコン3の収集委任発信部32、機器リスト収集部33、在室人数算出部34、通信部31と、携帯機器4の代表機器機能処理部42、応答要請発信部421、機器ID収集部422、機器リスト送信部423、試験要請発信部424、非代表機器機能処理部43、機器ID送信部431、制御部44、通信部41、試験要請対応処理部432、応答要請対応処理部433との機能を実現する専用の電子回路である。エアコン2の空調制御部21、在室人数算出部23と、リモコン3の収集委任発信部32、機器リスト収集部33、在室人数算出部34、通信部31と、携帯機器4の代表機器機能処理部42、応答要請発信部421、機器ID収集部422、機器リスト送信部423、試験要請発信部424、非代表機器機能処理部43、機器ID送信部431、制御部44、通信部41、試験要請対応処理部432、応答要請対応処理部433との機能が、プロセッシングサーキットリにより実現されてもよい。
なお、実施の形態1、実施の形態2で説明した所在人数測定システムを構成するエアコン2、リモコン3及び携帯機器4の各構成要素は、以下のように、各手段及び各部に相当することを述べておく。
(1)収集委任発信部32は、要求発信手段に相当する。
(2)機器リスト収集部33は、機器台数情報収集手段に相当する。
(3)代表機器機能処理部42は、代表機器機能処理手段に相当する。
(4)非代表機器機能処理部43は、非代表機器機能処理手段に相当する。
(5)在室人数算出部34は、在室人数計算手段に相当する。
(6)応答要請発信部421は、応答要求発信部に相当する。
(7)機器ID収集部422は、機器識別情報収集部に相当する。
(8)機器リスト送信部423は、機器台数情報返信部に相当する。
(9)試験要請発信部424は、経路設定処理部に相当する。
(10)試験要請対応処理部432は、経路設定要求対応処理部に相当する。
(11)応答要請対応処理部433は、応答要求対応処理部に相当する。
(12)時刻サーバ10は、提供手段に相当する。