JP7030369B1 - 内視鏡用の処置具ハンガー - Google Patents

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Abstract

【課題】感染対策が求められている医療現場の要請にこたえることができる内視鏡用の処置具のハンガーを開発すること。【解決手段】1枚の板状体製であって、プレート本体14の下辺にJ型のフック11、プレート本体14の側端部にホルダー12が設けられていることを特徴とする処置具ハンガープレート1。【選択図】図3

Description

本発明は、内視鏡の施術用の処置具の整理に関する。
内視鏡は、医療分野等において広く利用されている。内視鏡の使用にあたって、体腔内に内視鏡の細長い挿入部を挿入して胃腸などの臓器の観察、処置具を挿通して各種処置をすることができる。
処置具には、鉗子類、局注射、高周波ナイフなど各種デバイスがあり、細長い挿入部を通して操作される。普通の手術等の処置具には、長いワイヤやチューブは必要なく、処置具は薄い皿型のバッドに準備されるが、内視鏡用の処置具は、ワイヤやチューブを伴うので、支柱の頂部にフックなどを設けた処置具スタンドが用いられている。
特許文献1(特開2005-160736号公報)には、処置具スタンドである処置具ハンガーの支柱20の先端側をL字に曲げ、この先端部に被冠する保持プレート15を設け、この保持プレート15に保持孔17を設け、フック部10bと縦溝形に開口した保持溝11を備え得たシリコンゴム製の処置具保持手段10をこの保持孔に着脱自在に取り付けられている処置具ハンガー(図9参照)が開示されている。
特開2005-160736号公報
本発明は、感染管理と内視鏡施術中の安全な処置具管理が求められている医療現場からの要請にこたえることができる内視鏡処置具ハンガーを開発することを目的とする。
本発明は、次の事項を要旨とする。
1.板状体製であって、プレート本体、複数のフック、ホルダーを備えた内視鏡用の処置具ハンガープレートであって、
1枚の板状体製であって、プレート本体の下辺にJ型のフックと、フックとフックの間に受溝、プレート本体の側端部にホルダーが設けられており、
該ホルダーは、前方が開放した「C字」形のホルダー片が上下にあって、下側よりも上側の径が大きく形成された「C字」形であり、
プレート本体の下辺の受溝が、キャスタ付きの処置具ハンガースタンドに設けられたハンガー装着機構のL型支持部に着脱可能に係止されることを特徴とする処置具ハンガープレート。
2.1.に記載された処置具ハンガープレート、ハンガー装着機構、固定機構を備えた処置具ハンガー装置であって、
ハンガー装着機構は、下辺部にL型支持部を有するハンガープレート受を前方に、支柱嵌合部を後方に有するT型の支持バーを備えており、
固定機構は、前方にコ字型の固定具を有し後方に着脱ハンドルを有し、固定軸と長穴が中間に設けられており、
プレート本体の受をハンガー装着機構のL型支持部に係止した状態で、固定機構の固定具をプレート本体とハンガープレート受を上下から押さえて固定する状態と、固定機構の固定具を引いた状態においてプレート本体とハンガープレート受の固定を解除できる、着脱機構を備えていること、
を特徴とする処置具ハンガー装置。
3.支柱、支柱の下端に設けられたキャスタ、支柱の上部に設けられた2.記載の処置具ハンガー装置、支柱の中間に設けられた受枠を備えていることを特徴とする処置具ハンガースタンド。
1.本発明が提案する処置具ハンガープレートは、板状体で一体的に形成されているので、そのまま洗浄や高圧滅菌器で滅菌処理をすることができる。そして、この処置具ハンガープレートを着脱自在に取り付けた処置具ハンガー装置は、処置具ハンガープレート及び装着機構、固定機構共にバラバラにして、洗浄、滅菌処理することができるので、感染対策が十分にでき、清潔に使用できる。
2.処置具ハンガープレートは、金属製などの板材から展開上に切り出しあるいは打ち抜いて準備した素板を、折り曲げ加工などによって一体的に形成されているので、全体を消毒でき、細菌等が増殖できる隙間が無く清潔なハンガーを提供できる。例えば、プレート本体の下辺から下方に延出した長片を屈曲させてJフックとし、プレート本体の端部の上下に「C字」状の切り欠き片を設けて、これを前方に折り曲げることによって、上下2段となる「C字」形のホルダー片を形成することができ、一枚の金属板製とすることができる。
3.フック部には内視鏡処置具の操作用のリング部を係止でき、注射器具関連の操作部やシリンジなどを上下2段の「C字」形のホルダーで係止することで安定させることができる。「C字」形の開口部は、操作部やシリンジから伸びるチューブ類を挿通することができる。
4.複数の部品を組み立てる処置具ハンガーでは、部品間に生ずる隙間などに細菌等が侵入して繁殖、残存しやすく、消毒が不十分になるリスクがあるが、本発明の内視鏡用の処置具ハンガーは全体が一様なので、消毒漏れの恐れは少ない。プラスチック製の部品を用いた場合は、滅菌処理が難しい。同様に、複雑な構造の部品も滅菌処理が完全に行われたか確認も困難である。
処置具ハンガースタンドの斜視図を示す図。 処置具ハンガースタンドの(a)正面図、(b)側面図を示す図。 処置具ハンガープレートの斜視図、(a)全体図、(b)拡大図を示す図。 処置具ハンガープレートの4面図、(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図、(d)展開図を示す図。 取付機構(ハンガー装着機構、固定機構)、(a)側面図、(b)平面図、(c)正面図を示す図。 処置具ハンガー装置、(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図を示す図。 着脱操作、(a)固定状態図、(b)固定解除状態図、(c)分離状態図を示す図。 処置具ハンガースタンドの使用状態を示す図。 特許文献1記載の処置具ハンガーを示す図。
本発明は、簡便な構造で、消毒・滅菌がしやすく取り扱いが容易な内視鏡用の処置具ハンガープレート、処置具ハンガー装置、処置具ハンガースタンド(以下、まとめて「処置具ハンガー」と称する場合がある)である。
本発明は、1枚の板状体製であって、プレート本体の下辺にJ型のフック、プレート本体の側端部にホルダーが設けられている処置具ハンガープレートである。そして、この処置具ハンガープレートを着脱自在に装着した処置具ハンガー装置であり、この処置具ハンガー装置を取り付けた処置具ハンガースタンドである。
内視鏡の処置具は、注射器具以外は処置具の操作部としてリング部を有するものが多く、本発明のフックにはこのリングを係止することができ、ホルダーには注射器具の操作部やシリンジを係止することができる。上下2段に形成された「C字」形のホルダーでは、上の径を大きく、下の径を小さくすることによって、太さが異なるものも上下のホルダーに安定して係止することができる。
そして、処置具ハンガープレート及び処置具ハンガー装置を個別の部品にして、滅菌処理することができる。特に、これらを金属製として、同一条件の滅菌処理をすることができる。
<処置具ハンガースタンド>
図1、2に本発明の処置具ハンガースタンドの全体を示す。
図1に示すように、処置具ハンガースタンド5は、支柱52と、該支柱52の上部に処置具ハンガー装置4が装着され、支柱の中間には保管袋用の受枠53、支柱の下部にはキャスタ51が取り付けられている。また、支柱52には、必要に応じてサイドトレイ55を取り付けることができる。
処置具ハンガー装置4は、処置具ハンガープレート1を着脱自在に取り付けてあるハンガー装着機構2、固定機構によって構成されている。
サイドトレイ55は、高さ調整ハンドル56によって、高さ調整が可能に取り付けられている。この高さ調整ハンドル56を保管袋の受枠53、処置具ハンガー装置4にも適用することができる。
この処置具ハンガースタンド5は、キャスタ51によって、移動可能であり、支柱52を伸縮調整可能とすることができ、支柱52に装着している処置具ハンガー装置4、受枠53、サイドトレイ55はそれぞれ着脱ができる。
<処置具ハンガープレート>
図3、4に処置具ハンガープレートの例を示す。
図示されている処置具ハンガープレート1は、一枚の金属板から構成されている。
処置具ハンガープレート1は、横長のプレート本体14の下部にフック11、両端にホルダー12、フック11、11の中間部に受溝13が設けられている。
展開図が示された図4(d)を参照すると、平板状に切り出された金属板であって、プレート本体14の下方に、フック11用の細長い片が5本あり、プレート本体14の両端には、上下にホルダー12用のC型片が設けられている。フック11、11間のUカット部には受溝13、13が形成されている。
フック11は、図3(b)拡大図に示されるように、2回折り曲げられて、J状に形成されている。フック11には、内視鏡の処置具の操作用のリングを係止する。指を通して操作するためのリングが設けられている内視鏡用の処置具が多い。
ホルダー12は、「C字」形の上部ホルダー片12a、下部ホルダー片12bから形成され、前面の開放部12cが設けられている。上部ホルダー片12aが大きく、下部ホルダー片12bが小さい。そして、開放部12cはチューブが挿通できる幅を持っている。この開放部12cを利用して、チューブを出し入れできるので、注射器操作部と先端の注射針を繋ぐチューブの出し入れが容易になる。
左右のフック11、11の間には、受溝13、13が形成されている。この受溝13は、処置具ハンガープレート1を後面から支持するハンガープレート受のL型支持部と係止する部分であって、切り溝が形成されているので、L型支持部が嵌って安定するように形成されている。
図4には、この処置具ハンガープレート1の4面図を示している。説明は図3と重複するので省略する。
したがって、この処置具ハンガープレート1は、切り出された、あるいは型取りされた一枚の金属板を折り曲げ加工して、注射器具などのホルダー12と処置具のリングを係止するフック11が形成されているので、滅菌処理が容易であり、他の、金属製の医療器具と同様の滅菌処理を行うことができる。
<取付機構>
処置具ハンガープレートを支柱52に取りつける構成を図5に示す。図5には(a)側面図、(b)平面図、(c)正面図が示されている。
支柱52に処置具ハンガープレートを取り付ける構成は、ハンガー装着機構2と固定機構3を備えている。
ハンガー装着機構2は、前方にハンガープレート受21、後方に支柱嵌合部24に繋がる支持バー25を基本としている。ハンガープレート受21は、処置具ハンガープレート1の後から支えるプレートと、処置具ハンガープレート1の受溝に嵌るL型支持部22をプレートの下辺に有している。支柱嵌合部24は支柱52の竿あるいは頂部に嵌合する部分であり、固定用のネジを備えたレバー26によって、ハンガー装着機構2を支柱52に固定する構造である。
平面図(b)を参照すると、支持バー25の前方にハンガープレート受21があって、後方に支柱嵌合部24がある。支柱嵌合部24にはレバー26と羅合するネジ穴が設けられていて、レバー26を支柱52に対して弛緩することができる。ハンガープレート受21の左右端にはL型支持部22が設けられている。正面図(c)を参照すると、L型支持部22は、ハンガープレート受21の端部の下辺に設けられていることがわかる。処置具ハンガープレート1の受溝13をこのL型支持部22が係止する。
固定機構3は、処置具ハンガープレート1をハンガープレート受21が係止した状態で外れないように固定する機構であり、また、固定を解除して、処置具ハンガープレート1を外すことができる、着脱機構である。
固定機構3は、着脱ハンドル32の前方にコ字型の固定具31を有しており、支持バー25に対して、前後に移動可能に取り付けられている。支持バー25の中間部に穴を開けた連結部があり、この連結部の穴に軸ボルト34aで形成された固定軸34が、通されており、軸の一端はヘッドであり、他端にはナット34bが設けられている。着脱ハンドル32の中間には長穴33が形成されており、長穴33に軸ボルト34aが通されており、長穴33の長さ分、着脱ハンドル32を前後に動かすことができ、それに伴い固定具31が進退することになる。着脱ハンドル32は、スライドすることで固定することができる。さらに、ナット34bを締めることによって、しっかり固定することができる。ナット34bは操作しやすいように蝶ナット、あるいは、L型ハンドルによって操作することもできる。
ハンガー装着機構2と固定機構3の構成部材は金属製を用いることができるので、処置具ハンガープレート1と同様に滅菌処理を行うことができる。特に、ハンガープレート受21、支持バー25、着脱ハンドル32、固定具31は、薄い金属板製であり、簡便な形状であるので、滅菌が容易で、衛生に保つことができる。固定軸34、ナット34bも金属製であり、外して、滅菌処理できる部材である。
処置具ハンガー装置の例を図6に示す。処置具ハンガー装置4は、処置具ハンガープレート1とハンガー装着機構2と固定機構3の組み合わせで構成される。組み合われた状態の処置具ハンガー装置4を平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)に示す。
ハンガープレート受21に設けられているL型支持部22に処置具ハンガープレート1の受溝13を係止する。着脱ハンドル32を前方に送り出す操作をして、固定具31でハンガープレート受21と処置具ハンガープレート1を上下から挟み込んで、固定状態とする。さらに、必要があれば、ナット34bを締めて、着脱ハンドル32をきつく固定することができる。支柱嵌合部24を支柱52に嵌めて、レバー26を締めて、支柱52に固定する。
処置具ハンガープレート1を取り外す場合は、着脱ハンドル32を斜め上方にスライドさせ、固定具31をはずすことによって、処置具ハンガープレート1をハンガープレート受21から分離することができる。
この着脱操作を図7に示す。
図7(a)は固定状態を示している。処置具ハンガープレート1はハンガープレート受21のL型支持部22に支えられた状態で、着脱ハンドル32の先端に設けられているコ字型の固定具31で上下から挟み込まれて、処置具ハンガープレート1が外れないように取り付けられている。
図7(b)は固定解除状態を示している。着脱ハンドル32を斜め上方にスライドさせることによって、固定具31は処置具ハンガープレート1とハンガープレート受21から外れた状態となる。なお、ナット34bを締めてある場合は、事前に緩める操作を伴う。
図7(c)は分離状態を示している。処置具ハンガープレート1をハンガープレート受21から分離した状態であり、固定機構3がハンガー装着機構2に取り付けられた状態である。
この処置具ハンガー装置4は、処置具ハンガープレート1をハンガープレート受21のL型支持部22に挿入して、着脱ハンドル32を前に出して、固定具31で両者を上下から挟み込んで、固定するという簡単な操作で済む。
さらに、この処置具ハンガー装置4は、板状の金属製の部材を中心に構成されており、固定軸34も軸ボルト34aとナット34bで構成されており、複雑な機構でもないので、医療用の滅菌処理を行うことができる。
<使用状態>
処置具ハンガープレート1を取り付けた処置具ハンガースタンド5の使用状態の例を図8に示す。
適度の長さに調整された支柱52の頂部に処置具ハンガープレート1が取り付けられている。支柱52の中間には受枠53が取り付けられている。プラスチックフィルム製の一次保管用の保管袋54が受枠53に保持される。
処置具100の操作リングが処置具ハンガープレート1のフックに係止され、処置具から伸びるチューブ104が保管袋54の中に納められている。
処置具ハンガープレート1のホルダーには注射器具101が係止されており、注射器具101のチューブ104も保管袋54に納められている。
処置具ハンガースタンド5は、移動可能なキャスタ51がついているので、必要な場所に移動させることができる。
1 処置具ハンガープレート
11 フック
12 ホルダー
12a 上部ホルダー片
12b 下部ホルダー片
12c 開放部
13 受溝
14 プレート本体
2 ハンガー装着機構
21 ハンガープレート受
22 L型支持部
23 連結部
24 支柱嵌合部
25 支持バー
26 レバー
3 固定機構
31 固定具
32 着脱ハンドル
33 長穴
34 固定軸
34a 軸ボルト
34b ナット
4 処置具ハンガー装置
5 処置具ハンガースタンド
51 キャスタ
52 支柱
53 受枠
54 保管袋
55 サイドトレイ
56 高さ調整ハンドル
100 処置具
101 注射器具
104 チューブ

Claims (3)

  1. 板状体製であって、プレート本体、複数のフック、ホルダーを備えた内視鏡用の処置具ハンガープレートであって、
    1枚の板状体製であって、プレート本体の下辺にJ型のフックと、フックとフックの間に受溝、プレート本体の側端部にホルダーが設けられており、
    該ホルダーは、前方が開放した「C字」形のホルダー片が上下にあって、下側よりも上側の径が大きく形成された「C字」形であり、
    プレート本体の下辺の受溝が、キャスタ付きの処置具ハンガースタンドに設けられたハンガー装着機構のL型支持部に着脱可能に係止されることを特徴とする処置具ハンガープレート。
  2. 請求項1に記載された処置具ハンガープレート、ハンガー装着機構、固定機構を備えた処置具ハンガー装置であって、
    ハンガー装着機構は、下辺部にL型支持部を有するハンガープレート受を前方に、支柱嵌合部を後方に有するT型の支持バーを備えており、
    固定機構は、前方にコ字型の固定具を有し後方に着脱ハンドルを有し、固定軸と長穴が中間に設けられており、
    プレート本体の受をハンガー装着機構のL型支持部に係止した状態で、固定機構の固定具をプレート本体とハンガープレート受を上下から押さえて固定する状態と、固定機構の固定具を引いた状態においてプレート本体とハンガープレート受の固定を解除できる、着脱機構を備えていること、
    を特徴とする処置具ハンガー装置。
  3. 支柱、支柱の下端に設けられたキャスタ、支柱の上部に設けられた請求項2記載の処置具ハンガー装置、支柱の中間に設けられた受枠を備えていることを特徴とする処置具ハンガースタンド。
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