以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態:共通C-Plane制御ノードを有するシステム)
図1では、仮想化されたネットワークを構成するシステム(通信システム)1の構成を示している。図1のシステム1は、仮想化ネットワークであるスライスに対してサービスを割り当てることで、サービスユーザ(Service User)の使用する端末(ユーザ端末)であるUE(User Equipment)90に対してネットワークサービスを提供する。スライスとは、ネットワーク装置のリンクとノードの資源を仮想的に切り分けて、切り分けた資源を結合し、ネットワークインフラ上に論理的に生成される仮想化ネットワーク又はサービス網であり、スライス同士は資源を分離しており、互いに干渉しない。ネットワークサービスとは、通信サービス(専用線サービス等)やアプリケーションサービス(動画配信、エンベデッド装置等のセンサ装置を利用したサービス)等のネットワーク資源を用いたサービスをいう。また、UE90は、例えば、スマートフォン等の通信機能を有する端末装置である。
図1に示すようにシステム1は、BSS/OSS(Business Support System / Operations Support System)10と、SO(Service Operator)20と、NFVO30と、VNFM40と、VIM(Virtualized Infrastructure Management:仮想化基盤管理)50とを含んで構成されている。また、システム1には、NFVI(NFV(Network Functions Virtualisation) Infrastructure)60と、SSF(Slice Selection Function)70とeNB(eNodeB)80とUE90とを含んで構成されている。このうち、NFVO30とVNFM40とVIM50は、ETSI NFV-ISGで仕様化されているMANO(Management & Orchestration)architectureの機能である。
これらの構成要素は、システム1におけるコアとなるネットワークを構成するものである。なお、互いに情報の送受信が必要な構成要素間は、有線接続されており情報の送受信が可能となっている。
本実施形態に係るシステム1は、物理サーバ上に実現される仮想マシンにおいて動作する仮想サーバによって移動通信端末に対して通信機能を提供する。即ち、システム1は、仮想化された移動体通信ネットワークである。通信機能は、仮想マシンによって当該通信機能に応じた通信処理を実行することで移動通信端末に対して提供される。
NFVI60は、仮想化環境を構成する物理資源(ノード群)から形成されたネットワークを示す。この物理資源は、概念的には計算資源、記憶資源、伝送資源を含む。具体的には、この物理資源は、システム1において通信処理を行う物理的なサーバ装置である物理サーバ、スイッチ等のノードを含んで構成されている。物理サーバは、CPU(コア、プロセッサ)、メモリ、及びハードディスク等の記憶手段を備えて構成される。通常、NFVI60を構成する物理サーバ等のノードは、複数まとめてデータセンタ(DC)等の拠点に配置される。データセンタでは、配置された物理サーバがデータセンタ内部のネットワークによって通信可能とされており、互いに情報の送受信を行うことができるようになっている。また、システム1には、複数のデータセンタが設けられている。データセンタ間はネットワークで通信可能とされており、異なるデータセンタに設けられた物理サーバはそのネットワークを介して互いに情報の送受信を行うことができる。
SO(Service Operator)20は、ネットワークサービスを提供するためのネットワークの作成を要求する装置であり、例えば、仮想ネットワークを用いて各種ユーザへサービス提供をする事業者の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)である。
BSS/OSS10は、システム1におけるサービス管理を行い、システム1での通信機能に係る指示を行うノードである。例えば、BSS/OSS10は、NFVO30に対して、新たなネットワークサービスを追加するように指示を行う。また、BSS/OSS10は、システム1に係る通信事業者によって操作され得る。
NFVO30は、物理資源であるNFVI60上に構築された仮想ネットワーク(スライス)全体の管理を行う全体管理ノード(機能エンティティ)である。NFVO30は、BSS/OSS10からの指示を受信し、当該指示に応じた処理を行う。NFVO30は、インフラとネットワークサービスの移動体通信網の物理資源において構築された仮想化ネットワーク全体にわたる管理を行う。NFVO30は、仮想ネットワークにより提供されるネットワークサービスをVNFM40及びVIM50と連携して適切な場所に実現する。例えば、ネットワークサービスのライフサイクル管理(具体的には例えば、ネットワークサービスの生成、更新、スケール制御、イベント収集)、移動体通信網内全体にわたる資源管理、すなわち資源の分散・予約・割当管理、サービス・インスタンス管理、及び資源配置に関わるポリシー管理(具体的には例えば、リソースの予約・割当、地理・法令等に基づく最適配置)を行う。
VNFM40は、物理資源(ノード)となるNFVI60に対して、ネットワークサービスを構成する機能を追加する仮想通信機能管理ノード(機能エンティティ)である。VNFM40は、システム1に複数、設けられていてもよい。
VIM50は、NFVI60における物理資源(ノード)各々を管理する物理資源管理ノード(機能エンティティ)である。具体的には、資源の割当・更新・回収の管理、物理資源と仮想化ネットワークとの関連付け、ハードウェア資源とSW資源(ハイパーバイザー)一覧の管理を行う。通常、VIM50は、データセンタ(局舎)毎に管理を行う。物理資源の管理は、データセンタに応じた方式で行われる。データセンタの管理方式(管理資源の実装方式)は、OPENSTACKやvCenter等の種類がある。通常、VIM50は、データセンタの管理方式毎に設けられる。即ち、互いに異なる方式で、NFVI60における物理資源各々を管理する複数のVIM50が含まれる。なお、異なる管理方式で管理される物理資源の単位は、必ずしもデータセンタ単位でなくてもよい。
なお、NFVO30、VNFM40及びVIM50は、物理的なサーバ装置上でプログラムが実行されることにより実現される(但し仮想化上で実現されることを制限するものでは無く、管理系統を分離した上で、仮想化上で実現してもよい)。NFVO30、VNFM40及びVIM50は、それぞれ別々の物理的なサーバ装置で実現されていてもよいし、同じサーバ装置で実現されていてもよい。NFVO30、VNFM40及びVIM50(を実現するためのプログラム)は、別々のベンダから提供されていてもよい。
NFVO30は、BSS/OSS10からのネットワークサービス作成要求を受信すると、VIM50に対してスライス(スライスSL1、SL2等)のためのリソース確保要求を行う。VIM50が、NFVI60を構成するサーバ装置やスイッチにおけるリソースを確保すると、NFVO30は、当該これらNFVI60に対してスライスを定義する。
また、NFVO30は、VIM50に、NFVI60においてリソース確保させると、当該NFVI60に対してスライスを定義した情報をNFVO30が記憶しているテーブルに記憶する。そして、NFVO30は、当該ネットワークサービスに必要となる機能を実現するためのソフトウェアのインストール要求をVNFM40に対して行う。VNFM40は、当該インストール要求に応じて、VIM50によって確保されたNFVI60(サーバ装置、スイッチ装置またはルータ装置などのノード)に対して上記ソフトウェアをインストールする。
NFVO30は、VNFM40によりソフトウェアがインストールされると、NFVO30が記憶しているテーブルへスライスとネットワークサービスとの対応付けをする。
具体的にNFVO30では、図2に示すように、第1のサービス(サービスS1)用のスライスであるスライスSL1(第1のスライス)、第2のサービス(サービスS2)用のスライスであるスライスSL2(第2のスライス)、及び、スライスSL1又はスライスSL2の制御に係る制御装置としての機能を有するスライスであるスライスSL3(第3のスライス)を生成する。NFVO30は、スライスSL1に対してサービスS1を割り当て、スライスSL2に対してサービスS2を割り当てる。サービスS1及びサービスS2を実行する機能は、スライスSL3から送られる信号等に基づいて処理を行ったり、必要に応じて後述の通信制御装置としての機能を有するノードが設けられるスライスSL3に対して情報の提供を要求する処理を行ったりする。
このように、システム1では、スライスSL1、スライスSL2およびスライスSL3が、互いに論理的に通信可能に構築される。
なお、本実施形態では、サービスS1を提供するスライスSL1には、第1C-Plane制御ノード(CP1)211及び第1U-Plane制御ノード(UP1)212が含まれる。第1C-Plane制御ノード211は、ユーザに対してサービスS1を提供する際の通信路の開設及び切断に係る制御信号等の送受信を行う。また、第1U-Plane制御ノード212は、ユーザに対してサービスS1を提供する際に通信路を設けると共に、サービスを提供するサービスサーバ101とも通信路を設けて、ユーザデータの送受信を実行する。また、サービスS2を提供するスライスSL2には、第2C-Plane制御ノード(CPX1)221及び第2U-Plane制御ノード(UPX1)222が含まれる。第2C-Plane制御ノード221は、ユーザに対してサービスS2を提供する際の通信路の開設及び切断に係る制御信号等の送受信を行う。また、第2U-Plane制御ノード222は、ユーザに対してサービスS2を提供する際に通信路を設けると共に、サービスを提供するサービスサーバ102とも通信路を設けて、ユーザデータの送受信を実行する。上記のスライスとサービスとの対応関係は、一例であり、適宜変更することができる。すなわち、複数のサービスを提供するためのノードが1つのスライスに割り当てられていてもよい。
なお、図面等においては、「CP1、UP1」と「CPX1、UPX1」とを区別して示している場合がある。この「CP」と「CPX」との表記の違いは、これらのノードがどのサービスに適用されるノードであるかを示しているものである。すなわち、CP1等はサービスS1に適用されるノードであり、CPX1等はサービスS2に適用されるノードであることを模式的に示している。また、「CPY、UPY」と記載されるノードも存在する。このノードは、元来サービスS1又はサービスS2に対して適用することを想定していなかったノードを模式的に示したものである。
図2のスライスSL3には共通C-Plane制御ノード(Common CP)301が含まれる。共通C-Plane制御ノード301は、サービスS1の第1C-Plane制御ノード211、及び、サービスS2の第2C-Plane制御ノード221等を管轄する機能を有し、ユーザ側からの指示に基づいて、ユーザと各スライスとの通信路の開設及び切断に係る処理を実行する。
なお、共通C-Plane制御ノード301は、スライスSL3に機能を割り当てて実現することに代えて、ハードウェアを有する装置によって実現されていてもよい。この場合、NFVO30により生成されるスライスは、スライスSL1,SL2となる。
図3に、各スライスとサーバとの対応関係の例を示す。図3に示すように、ノードはサーバの一部であり、スライス1(スライスSL1)の第1C-Plane制御ノード211の機能及びスライス2(スライスSL2)の第2C-Plane制御ノード221の機能は、サーバ1(110A)及びスイッチ、ルータ等により実現される。また、スライス1(スライスSL1)の第1U-Plane制御ノード212の機能及びスライス2(スライスSL2)の第2U-Plane制御ノード222の機能は、サーバ2(110B)及びスイッチ、ルータ等により実現される。なお、図3では、スライス3の共通C-Plane制御ノード301に関しては記載を省略するが、上記の各ノードと同様に、サーバ、スイッチ及びルータ等により実現される。
NFVO30がスライスへネットワークサービスを割り当てた後、NFVO30は、当該ネットワークサービスのIDと、当該ネットワークサービスの最初の機能を提供する論理ノードの宛先(例えば、IPアドレス)とを含むアクセス情報をBSS/OSS10へ送信する。
BSS/OSS10は、当該アドレス情報を受信すると、各SSF70へ当該アドレス情報を通知する。SSF70は、基地局装置であるeNodeB(eNB)80と互いに通信可能なサーバ装置であり、サービスユーザであるUE90からネットワークサービスIDと共に、サービス要求がeNB80へなされると、当該eNB80からSSF70に対してUE90から受信したネットワークサービスIDを通知する。なお、SSF70は、eNB80と一体として実現されていてもよいし、MME(Mobility Management Entity)等の他の装置と一体として実現されていてもよい。
SSF70は、eNB80からネットワークサービスIDを受信すると、SSF70が記憶するアドレス情報のうち、eNB80から受信したネットワークサービスIDに対応するアドレス情報のネットワークサービスの最初の機能を提供する論理ノードの宛先情報をeNB80へ送信する。eNB80は、当該宛先情報をUE90へ通知する。これにより、UE90は、ネットワークサービスを利用するために最初にアクセスする宛先を特定することができる。
上記のように、SSF70は、ネットワークサービスの機能を提供する論理ノードの情報を保持している。換言すると、SSF70は、論理ノード毎に対応可能なサービスを特定する情報を保持している。詳細は後述するが、他の論理ノードからの問い合わせに基づいて、SSF70は、この情報を提供する機能を有する。
ここで、図2及び図4を参照しながら、本実施形態に係るシステム1により生成されるスライスの各ノード及びその他の装置により構成されるコアネットワークN1における技術課題を説明する。このコアネットワークN1とは、UE90が通信を行ってサービスを利用する際のコアネットワークを指している。
図2に示すように、システム1において構築されるスライスを含むコアネットワークN1においては、UE90は、eNB80、及び、スライスSL1に設けられたサービスS1に係る第1U-Plane制御ノード212を経由して、サービスサーバ101との間で通信を行うことで、サービスサーバ101の提供するサービスS1を利用することができる。この際、eNB80と第1U-Plane制御ノード212との間には、UE90に係るユーザデータを送受信するための通信路が設けられる。すなわち、第1U-Plane制御ノード212がスライスSL1における制御ノードとして機能する。また、eNB80と第1U-Plane制御ノード212との間の通信路の開設及び切断に係る処理を行うための制御信号は、共通C-Plane制御ノード301及び第1C-Plane制御ノード211を経由して送受信が行われる。
また、UE90は、eNB80、及び、スライスSL2に設けられたサービスS2に係る第2U-Plane制御ノード222を経由して、サービスサーバ102との間で通信を行うことで、サービスサーバ102の提供するサービスS2を利用することができる。この際、eNB80と第2U-Plane制御ノード222との間には、UE90に係るユーザデータを送受信するための通信路が設けられる。すなわち、第2U-Plane制御ノード222がスライスSL2における制御ノードとして機能する。また、このeNB80と第2U-Plane制御ノード222との間の通信路の開設及び切断に係る処理を行うための制御信号は、共通C-Plane制御ノード301及び第2C-Plane制御ノード221を経由して送受信が行われる。
このように、本実施形態においては、UE90が在圏するエリアのeNB80と2つのスライスSL1,SL2との間で通信路を設けることで、UE90はスライスSL1,SL2を利用した通信が可能な状態となっている。
ここで、図4に示すように、UE90が何らかの事情により、サービスを利用するために通信を行っているスライスの変更、もしくは、スライスとUE90との間の通信路の変更を行う必要が生じたとする。UE90が上記の変更を行う可能性はいくつか考えられるが、UE90に係るコンテキスト情報の変更(例えば、所属する基地局やセクタの変化、乗り物への乗車等による移動速度の変化、建造物への侵入、周囲の混雑情報等)に伴って通信路もしくは通信路を設ける相手方のスライスを変更することが必要となる可能性がある。例えば、UE90が通信エリアを跨ぐ移動を行う、すなわち、位置情報を変更することにより、UE90がアクセスするeNBを変更すると、移動前のeNBとスライスとの間に設けていた通信路を変更する必要が生じる。また、UE90が複数のサービスを利用している場合には、UE90はeNBを介して複数のスライスにおける制御ノードとの間で通信路を設けることがあるが、UE90に係るコンテキスト情報の変更に伴って、これを1つのスライスにまとめることも考えられる。この場合にも、通信路を改めて設けることが必要となる場合がある。
図4では、UE90がサービス提供エリアを跨ぐ移動をした場合の例を示している。図4に示す例では、2つのエリアが示されている。エリア(SA:Service Area)#1は、eNB81が管轄するエリアであり、エリア(SA)#2は、eNB82が管轄するエリアである。SA#1において、UE90は、スライスSL1,SL2との間に通信路を設けてサービスS1,S2を利用することができる。また、SA#2において、UE90は、スライスSL4,SL5との間に通信路を設けてサービスS1,S2を利用することができる。図4では、上記のSA#1からSA#2へUE90が移動する場合を示している。
スライスSL4には、第4C-Plane制御ノード341(CP2)及び第4U-Plane制御ノード342(UP2)に係る機能が設けられる。第4U-Plane制御ノード342は、サービスS1を提供するサービスサーバ101との間で通信路を設けることができるとする。また、スライスSL5には、第5C-Plane制御ノード351(CPX2)及び第5U-Plane制御ノード352(UPX2)に係る機能が設けられる。第5U-Plane制御ノード352は、サービスS2を提供するサービスサーバ102との間で通信路を設けることができるとする。
UE90がSA#1に在圏している際は、UE90がサービスS1の提供を受けるため、eNB81とスライスSL1の第1U-Plane制御ノード212との間でUE90に係る通信路が設けられる。また、UE90がサービスS2の提供を受けるため、eNB81とスライスSL2の第1U-Plane制御ノード222との間でUE90に係る通信路が設けられる。
ここで、UE90がSA#1からSA#2に移動すると、UE90がアクセスする基地局装置はeNB82となる。そして、図4に示す例では、UE90がサービスS1の提供を受けるためには、eNB82とスライスSL4の第4U-Plane制御ノード242との間で通信路を設ける必要がある。また、UE90がサービスS2の提供を受けるためには、eNB82とスライスSL5の第5U-Plane制御ノード252との間で通信路を設ける必要がある。なお、共通C-Plane制御ノード301は、両方のエリア(SA#1,SA#2)のC-Plane制御ノード211,221,241,251を管轄する機能を有し、ユーザ側からの指示に基づいて、ユーザと各スライスとの通信路の開設及び切断に係る処理を実行するとする。
図4に示すように、UE90がエリアを移動した後も移動前と同一のサービスを受けるためには、ユーザデータを送受信するための通信路を設ける対象のスライスを変更する必要がある場合がある。また、スライスSL1,SL2にアクセスすることでサービスを利用することができる場合であっても、UE90のエリア内の移動に伴ってUE90に係る通信の制御を行うeNBが変更となるため、通信路を改めて設ける必要がある。
本実施形態では、このように、UE90が複数のスライスとの間で通信を行っている際に、何らかの事情により、UE90がサービスを利用するために通信を行っているスライスの変更、もしくは、複数のスライスとUE90との間にそれぞれ設けられる通信路の変更を行う必要が生じた場合の処理を説明する。以下の実施形態で説明する処理は、UE90がサービスを利用する状態を継続しながら、通信路を変更することを特徴とする。UE90がサービスを利用する状態を継続しながら、とは、通信路がConnected Modeであることを継続しながら、という意味である。これを実現するためには、複数のスライスの制御ノードに対して設けられる通信路それぞれについて、変更前の通信路と、変更後の通信路とが両立した状態を設けながら、通信路の変更に係る処理を行う。
上記の処理は、共通C-Plane制御ノード301が主体的に実行する。すなわち、共通C-Plane制御ノード301が、複数のスライスの制御ノードに対して設けられるUE90に係る通信路の制御を行う通信制御装置として機能する。そのため、共通C-Plane制御ノード301は、図5に示すように、変更要求取得部310と、判定部320と、通信処理部330と、を有する。
変更要求取得部310は、スライスSL1等との通信路の変更に係る要求を取得する機能を有する。UE90の移動に伴いUE90に係る通信路を変更する場合には、この通信路の変更に係る要求は、UE90がアクセスするeNBから送信される。また、他のコンテキスト情報の変更に伴って通信路を変更する場合には、通信路の変更に係る要求はeNBとは異なる装置から送信される場合がある。通信路の変更に係る要求を送信するeNBとは異なる装置としては、例えば、UE90、又は、UE90に係るコンテキスト情報を収集する機能を有するSSF70等が考えられる。変更要求取得部310が通信路の変更に係る要求を取得すると、当該要求に含まれる情報は、判定部320へ送られる。
判定部320は、通信路の変更に係る要求の対象のUE90に係る通信路が、複数のスライスに対して設けられているかを判定する機能を有する。判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報に基づいて、上記の判定を行う。また、判定部320における判定結果に基づいて、通信処理部330による処理が行われる。
通信処理部330は、通信路の変更に係る要求に基づいて、UE90がサービスを利用しながら通信路の変更が行えるように、通信路の変更に係る処理を行う。通信処理部330による処理の詳細については後述する。
図6は、本実施形態に係る処理を実行する各ノードの機能を実現するサーバ(例えば、共通C-Plane制御ノード301を構成するサーバ等)のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のサーバは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。上記のサーバのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
サーバにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の共通C-Plane制御ノード301における通信処理部330などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、上述の通信処理部330は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の変更要求取得部310,通信処理部330などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、共通C-Plane制御ノード301は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
次に、共通C-Plane制御ノード301を含むシステム1におけるUE90に係る通信路の変更の具体的な処理(通信制御方法)について説明する。UE90が複数のサービスを利用しながらその通信路を変更する場合、上述したように、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態を設けながら、通信路の変更に係る処理を行う。
前提として、2つのスライスに対してUE90に係る通信路が設けられているとする。この場合、変更前の通信路と変更後の通信路をどのように設けるかについては、具体的には、4つのケースが考えられる。第1に、通信路を設けるスライスは変更せずに通信路のみを変更するケース、第2に、変更前とは異なるスライスであって、2つのサービスをそれぞれ個別に提供可能な2つのスライスに対してそれぞれ通信路を設けるケース、第3に、変更前とは異なる1つのスライスに対して通信路を設けるケースであってDNSサーバが対応可能なスライスの情報を保持している場合、第4に、変更前とは異なる1つのスライスに対して通信路を設けるケースであってDNSサーバが対応可能なスライスの情報を保持していない場合、である。以下、この4つのケースについて、それぞれ状況を説明すると共に、具体的な処理についてシーケンス図を参照しながら説明する。
(第1:通信路のみを変更するケース)
図7は、第1のケースの状況を説明する図である。図7に示すケースは、例えば、UE90がスライスSL1,SL2との間で通信を行うことでUE90がサービスS1,S2を利用することができるエリアSA#1内で移動をする場合である。この場合、UE90が通信をする際の基地局装置は、ハンドオーバによりeNB81からeNB82へ変更されるが、引き続きスライスSL1,SL2との通信を行ってサービスS1,S2を利用することができる。したがって、移動前のeNB81と第1U-Plane制御ノード212との通信路をeNB82と第1U-Plane制御ノード212との通信路に切り替えると共に、移動前のeNB81と第2U-Plane制御ノード222との通信路をeNB82と第2U-Plane制御ノード222との通信路に切り替えることで、サービスS1,S2を継続して利用することができる。
このようなケースにおける具体的な処理の手順について、図8を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S101)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S102)。
この後、移動先のeNB82から、共通C-Plane制御ノード301に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S103:変更要求取得ステップ)。なお、ここでは、UE90がハンドオーバを行う場合について説明しているので、通信路の変更に係る要求を行う信号は”Path Switch Request”であるが、通信路の変更に係る要求を行う信号は、通信路を変更する事情に応じて適宜変更される。これは、他のケースでも同様である。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1,TU-2)及びセッションを特定する情報(S-ID1, S-ID2)が含まれる。なお、セッションを特定する情報(S-ID:Session ID)に代えて、無線アクセスベアラのID(E-RAB ID:E-UTRAN Radio Access Bearer ID)を用いてもよい。この点は後述の他の実施形態及び他のケースでも同様である。共通C-Plane制御ノード301の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に基づいて、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S104:判定ステップ)。本実施形態では、通信路の変更に係る要求に、通信路を特定する情報が複数含まれていて、セッションを特定する情報が複数含まれていると、判定部320では、UE90に関して2つの通信路が個別に設けられていることを判断することができる。このように、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、判定部320では、複数の通信路が設けられているか否かの判定を行う。そして、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図8に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定した場合、共通C-Plane制御ノード301の通信処理部330は、セッションを特定する情報等に基づいて、第1C-Plane制御ノード211及び第2C-Plane制御ノード221に対して通信路の変更に関する指示を送信する(Path Switch Request:S105、S106:通信処理ステップ)通信路の変更に関する指示には、変更先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、変更の対象となる通信路を特定する情報(TU-1もしくはTU-2)と、が含まれる。なお、2つのノードへの通信路の変更に関する指示の送信順序(S105,S106)は、変更することができる。
第1C-Plane制御ノード211では、通信路の変更に関する指示を受信すると、当該指示に基づいて、公知の手順により、通信路の変更に係る処理を行う。具体的には、同一のスライスSL1の第1U-Plane制御ノード212に対して、変更の対象となる通信路を特定する情報(TU-1)と共に、変更先のeNB82を特定する情報(eNB ID)を送信することで、通信路の作成を指示する(Modify Bearer Request:S107)。これに対して、第1U-Plane制御ノード212は、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UP1 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことを第1C-Plane制御ノード211に対して返信する(Modify Bearer Response:S109)。第1U-Plane制御ノード212からの返信を受信した第1C-Plane制御ノード211は、通信路の変更に係る処理が終わったことを、通信路の変更に関する指示(S105)に対する応答として、共通C-Plane制御ノード301に対して通知する(Path Switch Request ack:S111:通信処理ステップ)。
第2C-Plane制御ノード221においても同様の処理が行われる。すなわち、第2C-Plane制御ノード221では、通信路の変更に関する指示を受信すると、当該指示に基づいて、公知の手順により、通信路の変更に係る処理を行う。具体的には、同一のスライスSL2の第2U-Plane制御ノード222に対して、変更の対象となる通信路を特定する情報(TU-2)と共に、変更先のeNB82を特定する情報(eNB ID)を送信することで、通信路の作成を指示する(Modify Bearer Request:S108)。これに対して、第2U-Plane制御ノード222は、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UPX1 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことを第2C-Plane制御ノード221に対して返信する(Modify Bearer Response:S109)。第1U-Plane制御ノード222からの返信を受信した第2C-Plane制御ノード221は、通信路の変更に係る処理が終わったことを、通信路の変更に関する指示(S106)に対する応答として、共通C-Plane制御ノード301に対して通知する(Path Switch Request ack:S112:通信処理ステップ)。
図8では、スライスSL1での処理と、スライスSL2での処理と、が交互に行われるように示している。しかしながら、スライスSL1での処理と、スライスSL2での処理は個別に行われるため、処理の順序は、図8に示す順序とは異なる可能性がある。
共通C-Plane制御ノード301では、第1C-Plane制御ノード211からの応答(S111)と、第2C-Plane制御ノード221からの応答(S112)と、を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S113:通信処理ステップ)。この信号には、第1U-Plane制御ノード212を特定する情報(UP1 ID)と、第2U-Plane制御ノード222を特定する情報(UPX1 ID)とが含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S114)。これにより、UE90は、eNB82を経由して第1U-Plane制御ノード212との間でユーザデータの送受信が可能となる(S115)と共に、eNB82を経由して第2U-Plane制御ノード222との間でユーザデータの送受信が可能となる(S116)。これにより、UE90は、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる。
上記の処理において、eNB82と、第1U-Plane制御ノード212及び第2U-Plane制御ノード222との間の通信路が設けられた時点(S113)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
(第2:新たに2つのスライスに対して通信路を設けるケース)
図9は、第2のケースの状況を説明する図である。図9に示すケースは、例えば、UE90がスライスSL1,SL2との間で通信を行うことでUE90がサービスS1,S2を利用することができるエリアSA#1から、異なるエリアSA#2へ移動をする場合である。この場合、UE90が通信をする際の基地局装置は、ハンドオーバによりeNB81からeNB82へ変更されるだけでなく、UE90がサービスS1,S2を利用するために通信を行うスライスを、スライスSL1,SL2からスライスSL4,SL5に変更する必要がある。移動前のeNB81と第1U-Plane制御ノード212との通信路は、eNB82と第4U-Plane制御ノード242との通信路に切り替える。また、移動前のeNB81と第2U-Plane制御ノード222との通信路は、eNB82と第5U-Plane制御ノード252との通信路に切り替える。これにより、UE90はサービスS1,S2を継続して利用することができる。なお、UE90の移動先のエリアSA#2において、eNB82がどのスライスとの間に通信路を設けることで、UE90がサービスS1,S2を利用できるかについては、eNB82、共通C-Plane制御ノード301、及びUE90等は把握をしていない。この情報については、共通C-Plane制御ノード301がDNS(Domain Name System)サーバ350に対して問い合わせをすることで、情報を取得する。DNSサーバ350は、ドメイン名とIPアドレスとの対応付けに係る情報を保持していて、スライスに係る情報も保持している。
このようなケースにおける具体的な処理の手順について、図10を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S201)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S202)。
この後、移動先のeNB82から、共通C-Plane制御ノード301に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S203:変更要求取得ステップ)。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)及びセッションを特定する(S-ID1, S-ID2)が含まれる。共通C-Plane制御ノード301の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S204:判定ステップ)。本実施形態では、通信路の変更に係る要求に、通信路を特定する情報が複数含まれていて、セッションを特定する情報が複数含まれていると、判定部320では、UE90に関して2つの通信路が個別に設けられていることを判断することができる。このように、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、判定部320では、複数の通信路が設けられているか否かの判定を行う。そして、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図10に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
さらに、判定部320では、2つのスライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことを確認する(S204)。共通C-Plane制御ノード301では、第1C-Plane制御ノード211が含まれるスライスSL1及び第2C-Plane制御ノード221が含まれるスライスSL2に係る情報を、eNB81とスライスSL1,SL2間の通信路の開設時に取得している。したがって、2つのスライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことは、共通C-Plane制御ノード301において把握することができる。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていて、且つ、スライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことが確認された場合、共通C-Plane制御ノード301の通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、eNB82を介して通信路を設ける際のスライスに係る情報を問い合わせる(DNS Query Request / Response:S205:通信処理ステップ)。より具体的には、eNB82を介してサービスS1,S2を利用する際に通信を行うことができるC-Plane制御ノードを特定する情報を取得する。この結果、通信処理部330では、DNSサーバ350から取得されるC-Plane制御ノードに係る情報から、eNB82間でユーザデータを送受信しようしているサービスサーバのAPN(Access Point Name)と、UE90の位置(すなわちアクセスするeNB82の情報)とに基づいて、サービスS1を利用するためにアクセスすべきスライス(ここでは、スライスSL4)のC-Plane制御ノード241と、サービスS2を利用するためにアクセスすべきスライス(ここでは、スライスSL5)のC-Plane制御ノード251と、が特定される(S206:通信処理ステップ)。
通信処理部330では、特定された2つのC-Plane制御ノード、すなわち、第4C-Plane制御ノード241及び第5C-Plane制御ノード251に対して、UE90に係る新たなセッションを設けるための要求を送信する(Create Session Request:S207、S208:通信処理ステップ)。セッションの作成要求には、アクセス先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、セッションの作成により設けられる通信路を特定する情報(TU-1もしくはTU-2)と、が含まれる。なお、2つのノードへのセッションの作成要求の送信順序(S207,S208)は、変更することができる。
第4C-Plane制御ノード241では、セッションの作成要求を受信すると、当該要求に基づいて、公知の手順により、通信路の作成に係る処理を行う。具体的には、通信路を作成するU-Plane制御ノードとして、同一のスライスSL4の第4U-Plane制御ノード242を選択する(UP Selection:S209)。その後、第4U-Plane制御ノード242に対して、通信路を特定する情報(TU-1)と共に、eNB82を特定する情報(eNB ID)を送信することで、通信路の作成を指示する(Create Session Request:S211)。第4U-Plane制御ノード242は、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことを第4C-Plane制御ノード241に対して返信する(Create Session Response:S213)。第4U-Plane制御ノード242からの返信を受信した第4C-Plane制御ノード241は、通信路の作成に係る処理が終わったことを、セッションの作成要求(S207)に対する応答として、共通C-Plane制御ノード301に対して通知する(Create Session Response:S215:通信処理ステップ)。
第5C-Plane制御ノード251においても同様の処理が行われる。すなわち、第5C-Plane制御ノード251では、セッションの作成要求を受信すると、当該要求に基づいて、公知の手順により、通信路の作成に係る処理を行う。具体的には、通信路を作成するU-Plane制御ノードとして、同一のスライスSL5の第5U-Plane制御ノード252を選択する(UP Selection:S210)。その後、第5U-Plane制御ノード252に対して、通信路を特定する情報(TU-2)と共に、eNB82を特定する情報(eNB ID)を送信することで、通信路の作成を指示する(Create Session Request:S212)。第5U-Plane制御ノード252は、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことを第5C-Plane制御ノード251に対して返信する(Create Session Response:S214)。第5U-Plane制御ノード252からの返信を受信した第5C-Plane制御ノード251は、通信路の作成に係る処理が終わったことを、セッションの作成要求(S208)に対する応答として、共通C-Plane制御ノード301に対して通知する(Create Session Response:S216:通信処理ステップ)。
図10では、スライスSL4での処理と、スライスSL5での処理と、が交互に行われるように示している。しかしながら、スライスSL4での処理と、スライスSL5での処理は個別に行われるため、処理の順序は、図10に示す順序とは異なる可能性がある。
共通C-Plane制御ノード301では、第4C-Plane制御ノード241からの応答(S215)と、第5C-Plane制御ノード251からの応答(S216)と、を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S217:通信処理ステップ)。この信号には、第4U-Plane制御ノード242を特定する情報(UP2 ID)と、第5U-Plane制御ノード252を特定する情報(UPX2 ID)とが含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S218)。また、共通C-Plane制御ノード301は、eNB81との間で通信路を設けていたスライスSL1の第1C-Plane制御ノード211と、スライスSL2の第2C-Plane制御ノード221に対して、セッションの開放を指示して、セッションの開放処理を行う(Delete Session Request / Response:S219,S220:通信処理ステップ)。eNB82からeNB81へのリソースの開放指示(S218)と、共通C-Plane制御ノード301からのセッション開放指示(S219,S220)とは、順序が入れ替わっていても良い。
以上の処理により、UE90は、eNB82を経由して第4U-Plane制御ノード242との間でユーザデータの送受信が可能となると共に、eNB82を経由して第5U-Plane制御ノード252との間でユーザデータの送受信が可能となる。これにより、UE90は、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる。
上記の処理では、eNB82と、第4U-Plane制御ノード242及び第5U-Plane制御ノード252との間の通信路が設けられた時点(S217)では、eNB81側での2つの通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
(第3:1つのスライスとの間で通信路を設けるケースであって、DNSサーバから情報を取得することができる場合)
図11は、第3のケースの状況を説明する図である。図11に示すケースは、例えば、UE90がスライスSL1,SL2との間で通信を行うことでUE90がサービスS1,S2を利用することができるエリアSA#1から、異なるエリアSA#2へ移動をする場合である。この場合、UE90が通信をする際の基地局装置をハンドオーバによりeNB81からeNB82へ変更するだけでなく、サービスS1,S2を利用するために通信を行うスライスを変更する必要がある。ただし、移動先のエリアSA#2では、スライスSL1に対応するスライスSL4は存在するが、スライスSL2に対応するスライスが存在しない場合がある。このような場合に2つのサービスを継続して利用する方法として、第3のケースでは、移動前のeNB81と第1U-Plane制御ノード212との通信路と、移動前のeNB81と第2U-Plane制御ノード222との通信路と、の両方の機能を、eNB82と第4U-Plane制御ノード242との通信路に切り替える。すなわち、1つのスライスSL4に対して設けられる1本の通信路により、2つのサービスのユーザデータの送受信を行う。これにより、UE90では、サービスS1,S2を継続して利用することができる。
なお、UE90の移動先のエリアSA#2において、eNB82がどのスライスとの間に通信路を設けることで、UE90がサービスS1,S2を利用できるかについては、eNB82、共通C-Plane制御ノード301、及びUE90等は把握をしていない。この情報については、共通C-Plane制御ノード301がDNS(Domain Name System)サーバ350に対して問い合わせをすることで、情報を取得する。また、共通C-Plane制御ノード301がDNSサーバ350及びSSF70に問い合わせることで、これらの情報を取得する場合もある。これらの手法については後述する。
上記のような第3のケースにおける具体的な処理の手順について、図12を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S301)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S302)。
この後、移動先のeNB82から、共通C-Plane制御ノード301に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S303:変更要求取得ステップ)。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)及びセッションを特定する(S-ID1, S-ID2)が含まれる。共通C-Plane制御ノード301の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S304:判定ステップ)。本実施形態では、通信路の変更に係る要求に、通信路を特定する情報が複数含まれていて、セッションを特定する情報が複数含まれていると、判定部320では、UE90に関して2つの通信路が個別に設けられていることを判断することができる。このように、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、判定部320では、複数の通信路が設けられているか否かの判定を行う。そして、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図12に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
さらに、判定部320では、2つのスライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことを確認する(S304)。この点は第2のケースと同様である。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていて、且つ、スライスSL1,SL2がエリアSA#2をカバーしていないことが確認された場合、共通C-Plane制御ノード301の通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、eNB82を介して通信路を設ける際のスライスに係る情報を問い合わせる(DNS Query Request:S305:通信処理ステップ)。より具体的には、通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、ECGI(E-UTRAN Cell Global ID)もしくはサービスS1,S2を提供するサービスサーバのAPN(APN1&2)を送信することで、サービスS1,S2を利用する際に通信を行うべきスライスのC-Plane制御ノードを特定する情報を取得する。ECGIは、UE90が在圏するセルを特定する情報であり、すなわち、UE90の位置を示す情報である。
ここで、DNSサーバ350が図13(A)に示す情報を保持している場合、DNSサーバ350は、UE90の位置に応じて、各種サービスに対応したスライスに係る情報を提供することができる。図13(A)では、エリア(location)毎に、サービスの種類(Service Type)と、当該サービスを利用する際に利用されるスライス及びそのスライスを構成するノードが示されている。例えば、Location#1で特定されるエリアでは、MBBというサービスを利用する際にはスライス1との間で通信路を設け、V2Xというサービスを利用する際にはスライス2との間で通信路を設けることが示されている。一方、Location#2で特定されるエリアでは、MBB及びV2Xの両方のサービスに対してスライス3が対応付けられている。また、Location#3で特定されるエリアでは、MBB及びV2Xの両方のサービスに対してスライス4が対応付けられている。
第2のケースは、Location#1のように、サービス毎に異なるスライスが対応付けられているようなケースであった。これに対して、第3のケースは、Location#2又はLocation#3のように、一つのスライスのノードが2つのサービスS1,S2に適用されるようなケースである。eNB82が管轄するエリア(UE90が在圏するエリア)がこのような状況である場合、DNSサーバ350から送信される結果には、1つのC-Plane制御ノードを特定する情報のみが返送される(DNS Query Response:S306:通信処理ステップ)。ここでは、第4C-Plane制御ノード241を特定する情報がDNSサーバ350から共通C-Plane制御ノード301に対して送られる。これにより、共通C-Plane制御ノード301では、第4C-Plane制御ノード241が含まれるスライスSL4との間で2つのサービスに係るセッションを設けることを決定する(Selects CP2 for both APN1&2 Sessions:S309:通信処理ステップ)。
なお、DNSサーバ350が保持している情報では、UE90の在圏するエリアにおいてサービスS1,S2に対応することができるスライスを特定することができない場合がある。それは、DNSサーバ350において、例えば図13(B)に対応する情報のみを保持している場合である。図13(B)に示す例では、エリア(location)毎に、利用することができるスライス及びそのスライスを構成するノードのみが示されている。すなわち、どのスライスとの間で通信を行うとどのサービスを利用することができるかが不明である場合である。この場合、UE90が例えばLocation#2に在圏している場合には、DNSサーバ350からは、スライスSL4の第4C-Plane制御ノード241を特定する情報が共通C-Plane制御ノード301に対して送られる。ただし、この場合には、DNSサーバ350からの情報のみでは第4C-Plane制御ノード241が含まれるスライスSL4に対して通信を行うことで、2つのサービスを利用できるかどうかが不明である。したがって、共通C-Plane制御ノード301の通信処理部330では、SSF70に対してUE90を特定する情報と、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)と、ECGIとを送信して、問い合わせを行う(Policy Request:S307:通信処理ステップ)。
DNSサーバ350が図13(B)に示すような情報のみを保持している場合、SSF70では、図13(C)に示すような情報、すなわち、サービス毎に優先して通信を行うべきスライスを特定する情報を保持することができる。図13(C)に示す例では、2つのサービスのそれぞれについて、対応可能なスライスが優先される順に記載される。SSF70では、共通C-Plane制御ノード301から送信されるサービスを特定する情報に応じて、対応するスライスの情報を提供する(Policy Response:S308:通信処理ステップ)。ここでは、スライスSL4を特定する情報として、第4C-Plane制御ノード241を特定する情報が提供される。
そして、共通C-Plane制御ノード301では、DNSサーバ350からの情報と、SSF70からの情報とに基づいて、第4C-Plane制御ノード241が含まれるスライスSL4との間で2つのサービスに係るセッションを設けることを決定する(Selects CP2 for both APN1&2 Sessions:S309:通信処理ステップ)。
このように、DNSサーバ350が保持する情報だけでは、適切なスライス(C-Plane制御ノード)を選択することができない場合には、SSF70がサービスに対応したスライスを特定する情報を保持する構成として、共通C-Plane制御ノード301がSSF70にも問い合わせを行うことで、2つのサービスを利用するための適切なスライス(C-Plane制御ノード)を特定する構成としてもよい。
なお、上記では、DNSサーバ350が図13(B)に示すような情報のみを保持している場合について説明したが、他にもDNSサーバ350が保持している情報では、UE90の在圏するエリアにおいてサービスS1,S2に対応することができるスライスを特定することができない場合がある。それは、例えば、DNSサーバ350がサービスの種類(Service Type)と、当該サービスを利用する際に利用されるスライス及びそのスライスを構成するノードとの対応のみを保持している場合である。このようなケースでは、DNSサーバ350ではUE90の在圏するエリアに係る情報を考慮して適切なスライスを選択することができないことが考えられるため、SSF70に対して問い合わせを行う必要が生じる。
また、上記のように、DNSサーバ350がサービスの種類(Service Type)と、当該サービスを利用する際に利用されるスライス及びそのスライスを構成するノードとの対応を保持している場合に、DNSサーバ350が保持している情報だけは、特定のサービスに関して対応することができるスライスを特定できない場合がある。例えば、図13(A)に示す例では、Location#2において、サービスMBB及びサービスV2Xについてスライス3が対応可能であることが示されているが、サービスV2Xに対応可能なスライスが特定されていない場合がある。このような場合についても、DNSサーバ350は、1つのC-Plane制御ノードを特定する情報のみを結果として共通C-Plane制御ノード301に対して返送する(DNS Query Response:S306:通信処理ステップ)。このように、1つのC-Plane制御ノードを特定する情報が返送された場合には、そのC-Plane制御ノードは、DNSサーバ350において複数のサービス全てに対応可能であると判断されたスライスに係るノードの情報である場合と、特定のサービスにのみ対応可能なスライスに係るノードの情報である場合と、がある。前者の場合は、SSF70に問い合わせなくてもよいが、後者の場合は、複数のサービスの利用を継続するためには、SSF70に対しても問い合わせを行う必要が生じる。
DNSサーバ350及びSSF70がどのような情報を保持していて、共通C-Plane制御ノード301からの要求に基づいてどのような情報を返すかは予め定められる。例えば、DNSサーバ350において、UE90の位置、UE90が利用するサービス、及び、スライスのポリシー等の情報に基づいた判断がなされていれば、DNSサーバ350から1つのC-Plane制御ノードに係る情報(スライスに係る情報)が提供された場合にもSSF70に対する問い合わせは不要であると考えられる。一方、DNSサーバ350が保持する情報が少ない場合には、DNSサーバ350から1つのC-Plane制御ノードに係る情報(スライスに係る情報)が提供された場合にはSSF70に対して問い合わせることが好ましいと考えられる。このように、DNSサーバ350が保持する情報の量や精度等によっても、SSF70に対して問い合わせることが好ましいかは変化すると考えられる。したがって、共通C-Plane制御ノード301がDNSサーバ350から1つのC-Plane制御ノードに係る情報を取得した場合に、SSF70に対しても問い合わせを行うかどうかは、DNSサーバ350が保持する情報の種類等に基づいて、予め決めてもよいし、DNSサーバ350からの応答内容に応じて変更するような構成としてもよい。
なお、DNSサーバ350及びSSF70が、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)に対して適切なスライスを特定する情報を提供できない場合には、サービスの提供ができないため、サービスの提供自体が中断される。
通信処理部330では、ここまでの処理により特定されたC-Plane制御ノード、すなわち、第4C-Plane制御ノード241に対して、UE90に係る新たなセッションを設けるための要求を送信する(Create Session Request:S310:通信処理ステップ)。セッションの作成要求には、アクセス先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、セッションの作成により設けられる通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)と、サービスを特定する情報(APN1及びAPN2)が含まれる。これにより、第4C-Plane制御ノード241においても、2つのサービスに係るセッションを開設することが認識される。
第4C-Plane制御ノード241では、セッションの作成要求を受信すると、当該要求に基づいて、公知の手順により、通信路の作成に係る処理を行う。具体的には、通信路を作成するU-Plane制御ノードとして、同一のスライスSL4の第4U-Plane制御ノード242を選択する(UP Selection:S311)。その後、第4U-Plane制御ノード242に対して、通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)と共に、eNB82を特定する情報(eNB ID)を送信することで、通信路の作成を指示する(Create Session Request:S312)。第4U-Plane制御ノード242は、通信路の作成に係る処理を行った後、通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)及び自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことを第4C-Plane制御ノード241に対して返信する(Create Session Response:S313)。第4U-Plane制御ノード242からの返信を受信した第4C-Plane制御ノード241は、通信路の作成に係る処理が終わったことを、セッションの作成要求(S310)に対する応答として、共通C-Plane制御ノード301に対して通知する(Create Session Response:S314:通信処理ステップ)。
共通C-Plane制御ノード301では、第4C-Plane制御ノード241からの応答(S314)を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S315:通信処理ステップ)。この信号には、第4U-Plane制御ノード242を特定する情報(UP2 ID)に対応付けて、2つの通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)と、2つのセッションを特定する情報(S-ID1, S-ID2)が含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S316)。また、共通C-Plane制御ノード301は、eNB81との間で通信路を設けていたスライスSL1の第1C-Plane制御ノード211と、スライスSL2の第2C-Plane制御ノード221に対して、セッションの開放を指示して、セッションの開放処理を行う(Delete Session Request / Response:S317,S318:通信処理ステップ)。eNB82からeNB81へのリソースの開放指示(S316)と、共通C-Plane制御ノード301からのセッション開放指示(S317,S318)は、順序が入れ替わっていても良い。
以上の処理により、UE90は、eNB82を経由して第4U-Plane制御ノード242との間でユーザデータの送受信が可能となることで、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる。
なお、上記の第3のケースでは、移動先のエリアSA#2では、スライスSL1に対応するスライスSL4は存在するが、スライスSL2に対応するスライスが存在しない場合、として説明したが、逆の場合であってもよい。すなわち、スライスSL1に対応するスライスは存在しないが、スライスSL2に対応するスライスSL5が存在する場合も、上記で説明した処理と同様の方法で処理を行うことができる。
上記の処理では、eNB82と、第4U-Plane制御ノード242との間の通信路が設けられた時点(S315)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
(第4:1つのスライスとの間で通信路を設けるケースであって、SSFから情報を取得することができる場合)
図14は、第4のケースの状況を説明する図である。図14に示すケースは、第3のケースと同様に、UE90がスライスSL1,SL2との間で通信を行うことでUE90がサービスS1,S2を利用することができるエリアSA#1から、異なるエリアSA#2へ移動をする場合である。この場合、UE90が通信をする際の基地局装置は、ハンドオーバによりeNB81からeNB82へ変更されるだけでなく、サービスS1,S2を利用するために通信を行うスライスを変更する必要がある。ただし、移動先のエリアSA#2では、スライスSL1,SL2に対応するスライスが存在しない場合がある。つまり、第3のケースと同様に、DNSサーバ350に対して問い合わせを行った場合に、DNSサーバ350からC-Plane制御サーバに係る情報を取得できない場合である。
このような場合に2つのサービスを継続して利用する方法としては、第4のケースでは、移動前のeNB81と第1U-Plane制御ノード212との通信路と、移動前のeNB81と第2U-Plane制御ノード222との通信路と、の両方の機能を、2つのサービスとは関連性がないスライスSL6に設けられた第6U-Plane制御ノード(UPY)262との通信路に切り替える。スライスSL6には、第6C-Plane制御ノード(CPY)261と、第6U-Plane制御ノード262と、が含まれる。
なお、UE90の移動先のエリアSA#2において、eNB82がどのスライスとの間に通信路を設けることで、UE90がサービスS1,S2を利用できるかについては、eNB82、共通C-Plane制御ノード301、及びUE90等は把握をしていない。また、スライスSL6がサービスS1,S2に対応可能であることをDNSサーバ350が把握していない場合には、DNSサーバ350もこの情報を共通C-Plane制御ノード301に対して提供することができない。そのため、共通C-Plane制御ノード301は、SSF70に問い合わせることで情報を取得する。
上記のような第4のケースにおける具体的な処理の手順について、図15を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S401)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S402)。
この後、移動先のeNB82から、共通C-Plane制御ノード301に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S403:変更要求取得ステップ)。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)及びセッションを特定する(S-ID1, S-ID2)が含まれる。共通C-Plane制御ノード301の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S404:判定ステップ)。本実施形態では、通信路の変更に係る要求に、通信路を特定する情報が複数含まれていて、セッションを特定する情報が複数含まれていると、判定部320では、UE90に関して2つの通信路が個別に設けられていることを判断することができる。このように、通信路の変更に係る要求に含まれる情報に基づいて、判定部320では、複数の通信路が設けられているか否かの判定を行う。そして、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図15に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
さらに、判定部320では、2つのスライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことを確認する(S404)。この点は第2のケースと同様である。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていて、且つ、スライスSL1,SL2がエリアSA#2をカバーしていないことが確認された場合、共通C-Plane制御ノード301の通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、eNB82を介して通信路を設ける際のスライスに係る情報を問い合わせる(DNS Query Request:S405:通信処理ステップ)。より具体的には、通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、ECGI(E-UTRAN Cell Global ID)もしくはサービスS1,S2を提供するサービスサーバのAPN(APN1&2)を送信することで、サービスS1,S2を利用する際に通信を行うべきスライスのC-Plane制御ノードを特定する情報を取得する。ECGIは、UE90が在圏するセルを特定する情報であり、すなわち、UE90の位置を示す情報である。
第4のケースでは、eNB82の管轄するエリアSA#2は、図13(A)に示す表には含まれない状態となっている。すなわち、location及びサービスの種類に対して、アクセス先(通信路を設ける先)のスライスを特定する情報が対応付けられていない状態である。したがって、DNSサーバ350は、共通C-Plane制御ノード301に対して、サービスに対応するスライスが存在しないことを示す情報、すなわち、C-Plane制御ノードの情報がないことを通知する(DNS Query Response:S406:通信処理ステップ)。
このように、DNSサーバ350からC-Plane制御ノードを特定する情報が提供されない場合、共通C-Plane制御ノード301側では、UE90がサービスS1,S2を利用するためにeNB82との間で通信路を設ける相手方のスライスを特定することができないことになる。そこで、共通C-Plane制御ノード301の通信処理部330では、SSF70に対してUE90を特定する情報と、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)と、ECGIとを送信して、問い合わせを行う(Policy Request:S407:通信処理ステップ)。
これに対して、SSF70は、利用したいサービスを特定する情報と、EGCIと、自装置で保持している情報と、に基づいて、UE90の在圏するエリアにおいて、当該サービスを利用するための通信路を設けることができるスライスを特定する。図13(C)に示すように、SSF70では、サービス毎に対応可能なスライスを特定する情報を保持していることから、この情報を利用して、対応するスライスの情報を提供する(Policy Response:S408:通信処理ステップ)。
共通C-Plane制御ノード301では、SSF70からの情報に基づいて、第6C-Plane制御ノード261が含まれるスライスSL6との間で2つのサービスに係るセッションを設けることを決定する(Selects CPY for both APN1&2 Sessions:S409:通信処理ステップ)。
このように、DNSサーバ350から提供される情報では、適切なスライス(C-Plane制御ノード)を選択することができない場合には、サービスに対応したスライスを特定する情報を保持するSSF70に対して問い合わせる構成とする。これにより、2つのサービスを利用するための適切なスライス(C-Plane制御ノード)に係る情報を取得することが可能となる。
なお、DNSサーバ350及びSSF70が、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)に対して適切なスライスを特定する情報を提供できない場合には、サービスの提供ができないため、サービスの提供自体が中断される。
通信処理部330では、ここまでの処理により特定されたC-Plane制御ノード、すなわち、第6C-Plane制御ノード261に対して、UE90に係る新たなセッションを設けるための要求を送信する(Create Session Request:S410:通信処理ステップ)。セッションの作成要求には、アクセス先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、セッションの作成により設けられる通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)と、サービスを特定する情報(APN1及びAPN2)が含まれる。これにより、第6C-Plane制御ノード261においても、2つのサービスに係るセッションを開設することが認識される。
第6C-Plane制御ノード261では、セッションの作成要求を受信すると、当該要求に基づいて、公知の手順により、通信路の作成に係る処理を行う。具体的には、通信路を作成するU-Plane制御ノードとして、同一のスライスSL6の第6U-Plane制御ノード262を選択する(UP Selection:S411)。その後、第6U-Plane制御ノード262に対して、通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)と共に、eNB82を特定する情報(eNB ID)を送信することで、通信路の作成を指示する(Create Session Request:S412)。第6U-Plane制御ノード262は、通信路の作成に係る処理を行った後、通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)及び自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことを第6C-Plane制御ノード261に対して返信する(Create Session Response:S413)。第6U-Plane制御ノード262からの返信を受信した第6C-Plane制御ノード261は、通信路の作成に係る処理が終わったことを、セッションの作成要求(S410)に対する応答として、共通C-Plane制御ノード301に対して通知する(Create Session Response:S414:通信処理ステップ)。
共通C-Plane制御ノード301では、第4C-Plane制御ノード241からの応答(S414)を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S415:通信処理ステップ)。この信号には、第6U-Plane制御ノード262を特定する情報(UPY ID)に対応付けて、2つの通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)と、2つのセッションを特定する情報(S-ID1, S-ID2)が含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S416)。また、共通C-Plane制御ノード301は、eNB81との間で通信路を設けていたスライスSL1の第1C-Plane制御ノード211と、スライスSL2の第2C-Plane制御ノード221に対して、セッションの開放を指示して、セッションの開放処理を行う(Delete Session Request/Response:S417,S418:通信処理ステップ)。eNB82からeNB81へのリソースの開放指示(S416)と、共通C-Plane制御ノード301からのセッション開放指示(S417,S418)は、順序が入れ替わっていても良い。
以上の処理により、UE90は、eNB82を経由して第6U-Plane制御ノード262との間でユーザデータの送受信が可能となることで、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる。
上記の処理では、eNB82と、第6U-Plane制御ノード262との間の通信路が設けられた時点(S415)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
以上のように、第1実施形態に係る通信制御装置である共通C-Plane制御ノード301及びこの共通C-Plane制御ノード301による通信制御方法によれば、上記の4つのケースに共通するが、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立した状態を設けながら、通信路の変更に係る処理が行われる。このため、UE90は、変更前の通信路もしくは変更後の通信路を利用してユーザデータを送受信可能な状態を保つことができること。したがって、複数のスライスに割り当てられているサービスを利用しながら、複数のスライスとの間に設けられる通信路を変更することが実現される。
また、上記の4つのケースに共通して、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにすることで、UE90が複数のスライスに対して接続している状態であっても、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
また、第2のケースでは、変更前の複数の通信路について、それぞれ、変更前の通信路が設けられたスライスSL1,SL2とは異なり、且つ、互いに異なるスライスSL4,SL5におけるU-Plane制御ノードに対して設けられる通信路へ変更する。このような構成であると、変更前の通信路毎に変更後も個別に通信路が設けられるため、通信路を変更した後についても、ユーザデータを好適に送受信することができる。
一方、第3のケース及び第4のケースでは、変更前の複数の通信路に対して、変更前の通信路が設けられたスライスSL1,SL2とは異なるスライス(第3のケースの場合には、スライスSL4であり、第4のケースの場合にはスライスSL6である)におけるU-Plane制御ノードに対して設けられる一つの通信路へ変更される。上記実施形態でも説明したが、変更前の複数のスライスにおける制御ノードそれぞれに対して個別に通信路に対応した通信路を設けることができないようなケースが存在する。この場合には、上記のように、変更前の複数の通信路を、1つのスライスの制御ノードに対して設けられる1つの通信路にまとめる構成とすることで、通信路を変更した後についても、複数のサービスに係るユーザデータを好適に送受信することができる。
なお、第3のケース及び第4のケースでは、複数の通信路(上記実施形態では2つの通信路)を1つの通信路にまとめる構成について説明したが、このように1つの通信路にまとめる複数の通信路は、UE90に関して設けられている通信路全てでなくてもよい。例えば、変更前にはUE90が通信路を3つ設けている場合に、3つの通信路のうちの2つの通信路について変更後は1つの通信路にまとめ、残りの1つの通信路は変更後も1つの通信路として別途設けていてもよい。この場合、UE90に係る変更後の通信路の数は2つとなる。このように、UE90に係る全ての通信路を1つの通信路にまとめなくてもよい。この点は、後述の第2実施形態についても同様である。
(第2実施形態:C-Plane制御ノードにより通信路の管理を一括して行うシステム)
次に、本発明に係る通信制御装置を共通C-Plane制御ノードを有しないネットワーク構成に適用した場合について説明する。
図16は、第2実施形態に係るシステムにより構築されたスライス構成を含むコアネットワークN2を説明する図であり、第1実施形態の図2に対応する。
図16に示すように、第2実施形態においても、第1のサービス(サービスS1)用のスライスであるスライスSL1(第1のスライス)、第2のサービス(サービスS2)用のスライスであるスライスSL2(第2のスライス)、及び、スライスSL1又はスライスSL2の制御に係る制御装置としての機能を有するスライスであるスライスSL3(第3のスライス)を生成する。NFVO30は、スライスSL1に対してサービスS1を割り当て、スライスSL2に対してサービスS2を割り当てる。サービスS1及びサービスS2を実行する機能は、スライスSL3から送られる信号等に基づいて処理を行ったり、通信制御装置としての機能を有するノードを含むスライスSL3に対して情報の提供を要求する処理を行ったりする。
第2実施形態においては、サービスS1,S2に対応するスライスSL1,SL2には、C-Plane制御ノードが設けられていない。すなわち、サービスS1に係るノードとしては、スライスSL1の第1U-Plane制御ノード(UP1)212のみが存在する。また、サービスS2に係るノードとしては、スライスSL2の第2U-Plane制御ノード(UPX1)222のみが存在する。
また、スライスSL3にはC-Plane制御ノード305が含まれる。C-Plane制御ノード305は、ユーザ側からの指示に基づいて、ユーザと各スライスとの通信路の開設及び切断に係る処理を実行する。すなわち、第2実施形態では、サービスを提供するスライスにはノードとしてC-Plane制御ノードが設けられず、スライスSL3に設けられるC-Plane制御ノード305がサービスを利用する際に経由する各スライスに対する通信路の開設及び切断に係る処理を行う。この点が第1実施形態との相違点である。
第2実施形態のシステムにおいては、スライスSL3に設けられるC-Plane制御ノード305が第1実施形態での共有C-Plane制御ノード301の機能と、各スライスに設けられたC-Plane制御ノードの機能と、を有している。すなわち、C-Plane制御ノード305が、複数のスライスの制御ノードに対して設けられるUE90に係る通信路の制御を行う通信制御装置として機能する。
なお、LTEネットワークにおけるEPC(Evolved Packet Core)においては、例えば、MME(Mobility Management Entity)が、第2実施形態におけるC-Plane制御ノード305に係る機能を有する構成とすることができる。また、例えば、SGW(Serving Gateway)及びPGW(Packet Data Network Gateway)が、第2実施形態におけるU-Plane制御ノードに係る機能を有する構成とすることができる。
このような第2実施形態のシステムにおいて、UE90が複数のスライスとの間で通信を行っている際に、何らかの事情により、UE90がサービスを利用するために通信を行っているスライスの変更、もしくは、スライスとUE90との間の通信路の変更を行う必要が生じた場合の処理について説明する。第2実施形態のシステムでは、上記の処理をC-Plane制御ノード305が主体的に実行する。そのため、C-Plane制御ノード305は、共通C-Plane制御ノード301と同様に、図5に示す変更要求取得部310と、判定部320と、通信処理部330と、を有する。
各部の機能は共通C-Plane制御ノード301と同様である。変更要求取得部310は、スライスSL1等との通信路の変更に係る要求を取得する機能を有する。また、判定部320は、通信路の変更に係る要求の対象のUE90が複数のスライスとの間で通信路を設けているかを判定する機能を有する。さらに、通信処理部330は、通信路の変更に係る要求に基づいて、UE90がサービスを利用しながら通信路の変更が行えるように、処理を行う。
次に、C-Plane制御ノード305を含むコアネットワークN2におけるUE90に係る通信路の変更の具体的な処理について説明する。UE90が複数のサービスを利用しながらその通信路を変更する場合には、第1実施形態と同様に、4つのケースが考えられる。以下、4つのケースについて、それぞれ状況を説明すると共に、具体的な処理についてシーケンス図を参照しながら説明する。なお、4つのケースにおける処理の内容については第1実施形態と共通している部分が多いため、説明を簡略化する場合がある。
(第1:通信路のみを変更するケース)
図17は、第1のケースの状況を説明する図である。図17に示すケースは、例えば、UE90がスライスSL1,SL2との間で通信を行うことでUE90がサービスS1,S2を利用することができるエリアSA#1内で移動をする場合である。この場合、UE90が通信をする際の基地局装置は、ハンドオーバによりeNB81からeNB82へ変更されるが、引き続きスライスSL1,SL2との通信を行ってサービスS1,S2を利用することができる。したがって、移動前のeNB81と第1U-Plane制御ノード212との通信路をeNB82と第1U-Plane制御ノード212との通信路に切り替えると共に、移動前のeNB81と第2U-Plane制御ノード222との通信路をeNB82と第2U-Plane制御ノード222との通信路に切り替えることで、サービスS1,S2を継続して利用することができる。
このようなケースにおける具体的な処理の手順について、図18を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S501)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S502)。
この後、移動先のeNB82から、C-Plane制御ノード305に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S503:変更要求取得ステップ)。なお、ここでは、UE90がハンドオーバを行う場合について説明しているので、通信路の変更に係る要求を行う信号は”Path Switch Request”であるが、通信路の変更に係る要求を行う信号は、通信路を変更する事情に応じて適宜変更される。これは、他のケースでも同様である。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)及びセッションを特定する(S-ID1, S-ID2)が含まれる。C-Plane制御ノード305の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S504:判定ステップ)。判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図18に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定した場合、C-Plane制御ノード305の通信処理部330は、セッションを特定する情報等に基づいて、第1U-Plane制御ノード212及び第2U-Plane制御ノード222に対して通信路の変更に関する指示を送信する(Path Switch Request:S505,S506:通信処理ステップ)。通信路の変更に関する指示には、変更先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、変更の対象となる通信路を特定する情報(TU-1もしくはTU-2)と、が含まれる。なお、2つのノードへの通信路の変更に関する指示の送信順序(S505,S506:通信処理ステップ)は、変更することができる。
第1U-Plane制御ノード212では、通信路の変更に関する指示を受信すると、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UP1 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことをC-Plane制御ノード301に対して返信する(Modify Bearer Response:S507:通信処理ステップ)。第2U-Plane制御ノード222においても、同様に、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UPX1 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことをC-Plane制御ノード305に対して返信する(Modify Bearer Response:S508:通信処理ステップ)。
なお、スライスSL1での処理と、スライスSL2での処理は個別に行われるため、上記の処理(S505~S508)の順序は、図18に示す順序とは異なる可能性がある。
C-Plane制御ノード305では、第1U-Plane制御ノード212からの応答(S507)と、第2U-Plane制御ノード222からの応答(S508)と、を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S509:通信処理ステップ)。この信号には、第1U-Plane制御ノード212を特定する情報(UP1 ID)と、第2U-Plane制御ノード222を特定する情報(UPX1 ID)とが含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S510)。これにより、UE90は、eNB82を経由して第1U-Plane制御ノード212との間でユーザデータの送受信が可能となる(S511)と共に、eNB82を経由して第2U-Plane制御ノード222との間でユーザデータの送受信が可能となる(S512)。これにより、UE90は、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる。
上記の処理では、eNB82と、第1U-Plane制御ノード212及び第2U-Plane制御ノード222との間の通信路が設けられた時点(S509)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
上記の処理では、eNB82と、第1U-Plane制御ノード212及び第2U-Plane制御ノード222との間の通信路が設けられた時点(S509)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
(第2:新たに2つのスライスに対して通信路を設けるケース)
図19は、第2のケースの状況を説明する図である。図19に示すケースは、例えば、UE90がエリアSA#1からエリアSA#2へ移動をする場合である。この場合、UE90が通信をする際の基地局装置は、ハンドオーバによりeNB81からeNB82へ変更されるだけでなく、サービスS1,S2を利用するために通信を行うスライスを、スライスSL1,SL2からスライスSL4,SL5に変更する。すなわち、移動前のeNB81と第1U-Plane制御ノード212との通信路は、eNB82と第4U-Plane制御ノード242との通信路に切り替える。また、移動前のeNB81と第2U-Plane制御ノード222との通信路は、eNB82と第5U-Plane制御ノード252との通信路に切り替える。なお、スライスSL4,SL5に係る情報は、C-Plane制御ノード305がDNS(Domain Name System)サーバ350に対して問い合わせをすることで取得する点は、第1実施形態と同様である。
このようなケースにおける具体的な処理の手順について、図20を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S601)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S602)。
この後、移動先のeNB82から、C-Plane制御ノード305に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S603:変更要求取得ステップ)。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)及びセッションを特定する(S-ID1, S-ID2)が含まれる。C-Plane制御ノード305の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S604:判定ステップ)。判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図19に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
さらに、判定部320では、2つのスライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことを確認する(S604)。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていて、且つ、スライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことが確認された場合、C-Plane制御ノード305の通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、eNB82を介して通信路を設ける際のスライスに係る情報を問い合わせる(DNS Query Request/Response:S605:通信処理ステップ)。より具体的には、eNB82を介してサービスS1,S2を利用する際に通信を行うことができるC-Plane制御ノードを特定する情報を取得する。この結果、通信処理部330では、DNSサーバ350から取得されるC-Plane制御ノードに係る情報から、eNB82間でユーザデータを送受信しようしているサービスサーバのAPN(Access Point Name)と、UE90の位置(すなわちアクセスするeNB82の情報)とに基づいて、サービスS1を利用するために通信路を設けるべきスライス(ここでは、スライスSL4)のU-Plane制御ノード242と、サービスS2を利用するために通信路を設けるべきスライス(ここでは、スライスSL5)のU-Plane制御ノード252と、が特定される(S606:通信処理ステップ)。
通信処理部330では、特定された2つのU-Plane制御ノード、すなわち、第4U-Plane制御ノード242及び第5U-Plane制御ノード252に対して、UE90に係る新たなセッションを設けるための要求を送信する(Create Session Request:S607、S208:通信処理ステップ)。セッションの作成要求には、アクセス先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、セッションの作成により設けられる通信路を特定する情報(TU-1もしくはTU-2)と、が含まれる。なお、2つのノードへのセッションの作成要求の送信順序(S607,S608)は、変更することができる。
第4U-Plane制御ノード242では、セッションの作成要求を受信すると、当該要求に基づいて、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことをC-Plane制御ノード305に対して通知する(Create Session Response:S609:通信処理ステップ)。第5U-Plane制御ノード252においても、セッションの作成要求を受信すると、通信路の作成に係る処理を行った後、自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことをC-Plane制御ノード305に対して通知する(Create Session Response:S610:通信処理ステップ)。
なお、スライスSL4での処理と、スライスSL5での処理は個別に行われるため、上記の処理(S607~S610)の順序は、図20に示す順序とは異なる可能性がある。
C-Plane制御ノード305では、第4U-Plane制御ノード242からの応答(S609)と、第5U-Plane制御ノード252からの応答(S610)と、を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S611:通信処理ステップ)。この信号には、第4U-Plane制御ノード242を特定する情報(UP2 ID)と、第5U-Plane制御ノード252を特定する情報(UPX2 ID)とが含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S612)。また、C-Plane制御ノード305は、eNB81との間で通信路を設けていたスライスSL1の第1U-Plane制御ノード212と、スライスSL2の第2U-Plane制御ノード222に対して、セッションの開放を指示して、セッションの開放処理を行う(Delete Session Request/Response:S613,S614:通信処理ステップ)。eNB82からeNB81へのリソースの開放指示(S612)と、C-Plane制御ノード305からのセッション開放指示(S613,S614)とは、順序が入れ替わっていても良い。
以上の処理により、UE90は、eNB82を経由して第4U-Plane制御ノード242との間でユーザデータの送受信が可能となる(S615)と共に、eNB82を経由して第5U-Plane制御ノード252との間でユーザデータの送受信が可能となる(S616)。これにより、UE90は、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる。
上記の処理では、eNB82と、第4U-Plane制御ノード242及び第5U-Plane制御ノード252との間の通信路が設けられた時点(S611)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
(第3:1つのスライスとの間で通信路を設けるケースであって、DNSサーバから情報を取得することができる場合)
図21は、第3のケースの状況を説明する図である。図21に示すケースは、例えば、UE90がエリアSA#1からエリアSA#2へ移動をする場合である。この場合、UE90が通信をする際の基地局装置は、ハンドオーバによりeNB81からeNB82へ変更される。また、サービスS1,S2を利用するために通信を行うスライスを変更する必要がある。ただし、移動先のエリアSA#2では、スライスSL1に対応するスライスSL4は存在するが、スライスSL2に対応するスライスが存在しない場合である。第3のケースでは、移動前のeNB81と第1U-Plane制御ノード212との通信路と、移動前のeNB81と第2U-Plane制御ノード222との通信路と、の両方の機能を、eNB82と第4U-Plane制御ノード242との通信路に切り替える。
なお、C-Plane制御ノード305がDNSサーバ350及びSSF70に対して問い合わせをすることで、サービスS1,S2を利用するための通信路を設けるスライスと特定する情報を取得する点は、第1実施形態と同様である。
上記のような第3のケースにおける具体的な処理の手順について、図22を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S701)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S702)。
この後、移動先のeNB82から、C-Plane制御ノード305に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S703:変更要求取得ステップ)。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)及びセッションを特定する(S-ID1, S-ID2)が含まれる。C-Plane制御ノード305の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S704:判定ステップ)。判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図22に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
さらに、判定部320では、2つのスライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことを確認する(S704)。この点は第2のケースと同様である。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていて、且つ、スライスSL1,SL2がエリアSA#2をカバーしていないことが確認された場合、C-Plane制御ノード305の通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、eNB82を介して通信路を設ける際のスライスに係る情報を問い合わせる(DNS Query Request:S705:通信処理ステップ)。より具体的には、通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、ECGI(E-UTRAN Cell Global ID)もしくはサービスS1,S2を提供するサービスサーバのAPN(APN1&2)を送信することで、サービスS1,S2を利用する際に通信を行うべきスライスのU-Plane制御ノードを特定する情報を取得する。
第3のケースの場合には、DNSサーバ350から送信される結果には、1つのU-Plane制御ノードを特定する情報のみが返送される(DNS Query Response:S706:通信処理ステップ)。ここでは、第4U-Plane制御ノード242を特定する情報がDNSサーバ350からC-Plane制御ノード305に対して送られる。これにより、C-Plane制御ノード305では、第4U-Plane制御ノード242が含まれるスライスSL4との間で2つのサービスに係るセッションを設けることを決定する(Selects UP2 for both APN1&2 Sessions:S709:通信処理ステップ)。
なお、DNSサーバ350が保持している情報では、UE90の在圏するエリアにおいてサービスS1,S2に対応することができるスライスを特定することができない場合がある。この場合には、第1実施形態と同様に、C-Plane制御ノード305の通信処理部330は、SSF70に対してUE90を特定する情報と、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)と、ECGIとを送信して、問い合わせを行う(Policy Request:S707:通信処理ステップ)。これにより、SSF70では、C-Plane制御ノード305から送信されるサービスを特定する情報に応じて、対応するスライスの情報を提供する(Policy Response:S708:通信処理ステップ)。ここでは、スライスSL4を特定する情報として、第4U-Plane制御ノード242を特定する情報が提供される。
そして、C-Plane制御ノード305では、DNSサーバ350からの情報と、SSF70からの情報とに基づいて、第4U-Plane制御ノード241が含まれるスライスSL4との間で2つのサービスに係るセッションを設けることを決定する(Selects UP2 for both APN1&2 Sessions:S709:通信処理ステップ)。
このように、DNSサーバ350が保持する情報だけでは、適切なスライス(U-Plane制御ノード)を選択することができない場合には、SSF70がサービスに対応したスライスを特定する情報を保持する構成として、C-Plane制御ノード305がSSF70にも問い合わせを行うことで、2つのサービスを利用するための適切なスライス(U-Plane制御ノード)を特定する構成としてもよい。この点も第1の実施形態と同様である。
なお、DNSサーバ350及びSSF70が、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)に対して適切なスライスを特定する情報を提供できない場合には、サービスの提供ができないため、サービスの提供自体が中断される。
通信処理部330では、ここまでの処理により特定されたU-Plane制御ノード、すなわち、第4U-Plane制御ノード242に対して、UE90に係る新たなセッションを設けるための要求を送信する(Create Session Request:S710:通信処理ステップ)。セッションの作成要求には、アクセス先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、セッションの作成により設けられる通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)と、サービスを特定する情報(APN1及びAPN2)が含まれる。これにより、第4U-Plane制御ノード242においても、2つのサービスに係るセッションを開設することが認識される。
第4U-Plane制御ノード242では、通信路の作成に係る処理を行った後、通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)及び自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことをC-Plane制御ノード305に対して通知する(Create Session Response:S711:通信処理ステップ)。
C-Plane制御ノード305では、第4U-Plane制御ノード242からの応答(S711)を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S712:通信処理ステップ)。この信号には、第4U-Plane制御ノード242を特定する情報(UP2 ID)に対応付けて、2つの通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)と、2つのセッションを特定する情報(S-ID1, S-ID2)が含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S713)。また、C-Plane制御ノード305は、eNB81との間で通信路を設けていたスライスSL1の第1U-Plane制御ノード212と、スライスSL2の第2U-Plane制御ノード222に対して、セッションの開放を指示して、セッションの開放処理を行う(Delete Session Request/Response:S714,S715:通信処理ステップ)。eNB82からeNB81へのリソースの開放指示(S713)と、C-Plane制御ノード305からのセッション開放指示(S714,S715)は、順序が入れ替わっていても良い。
以上の処理により、UE90は、eNB82を経由して第4U-Plane制御ノード242との間でユーザデータの送受信が可能となることで、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる(S716)。
なお、上記の第3のケースでは、移動先のエリアSA#2では、スライスSL1に対応するスライスSL4は存在するが、スライスSL2に対応するスライスが存在しない場合、として説明したが、逆の場合であってもよい。すなわち、スライスSL1に対応するスライスは存在しないが、スライスSL2に対応するスライスSL5が存在する場合も、上記で説明した処理と同様の方法で処理を行うことができる。
上記の処理では、eNB82と、第4U-Plane制御ノード242との間の通信路が設けられた時点(S712)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
(第4:1つのスライスとの間で通信路を設けるケースであって、SSFから情報を取得することができる場合)
図23は、第4のケースの状況を説明する図である。図23に示すケースは、第3のケースと同様に、UE90がエリアSA#1からエリアSA#2へ移動をする場合である。ただし、移動先のエリアSA#2では、スライスSL1,SL2に対応するスライスが特定されておらず、第3のケースと同様にDNSサーバ350に対して問い合わせを行った場合に、DNSサーバ350からC-Plane制御サーバに係る情報を取得できない場合である。第4のケースでは、2つのサービスとは関連性がないスライスSL6に設けられた第6U-Plane制御ノード(UPY)262との通信路に切り替える。
なお、C-Plane制御ノード305がDNSサーバ350及びSSF70に対して問い合わせをすることで、サービスS1,S2を利用するための通信路を設けるスライスと特定する情報を取得する点は、第1実施形態と同様である。
上記のような第4のケースにおける具体的な処理の手順について、図24を参照しながら説明する。
まず、UE90の移動前のeNB81と移動先のeNB82との間でハンドオーバに係る信号の送受信が行われる(HO Request, HO Request ACK:S801)。この信号を契機として、UE90,eNB81,eNB82の間でハンドオーバに係る処理が行われる(Handover Execution:S802)。
この後、移動先のeNB82から、C-Plane制御ノード305に対して、通信路の変更に係る要求を行う信号が送信される(Path Switch Request:S803:変更要求取得ステップ)。
通信路の変更に係る要求には、UE90を特定する情報と、通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)及びセッションを特定する(S-ID1, S-ID2)が含まれる。C-Plane制御ノード305の変更要求取得部310において、eNB82からの要求を受信すると、判定部320では、通信路の変更に係る要求に含まれる情報により、UE90が2つのスライスとの間で通信路を設けているか否かを判定する(S804:判定ステップ)。判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていると判定された場合には、図24に示す以下の処理を行う。なお、判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていない、すなわち、UE90に関して、1つのスライスとの間にのみ通信路が設けられている、もしくは、通信路が設けられていないと判定された場合には、公知のハンドオーバに係る処理が行われる。
さらに、判定部320では、2つのスライスSL1,SL2がeNB82の管轄するエリアをカバーしていないことを確認する(S804)。この点は第2のケースと同様である。
判定部320において、UE90に関して複数の通信路が設けられていて、且つ、スライスSL1,SL2がエリアSA#2をカバーしていないことが確認された場合、C-Plane制御ノード305の通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、eNB82を介して通信路を設ける際のスライスに係る情報を問い合わせる(DNS Query Request:S805:通信処理ステップ)。より具体的には、通信処理部330は、DNSサーバ350に対して、ECGI(E-UTRAN Cell Global ID)もしくはサービスS1,S2を提供するサービスサーバのAPN(APN1&2)を送信することで、サービスS1,S2を利用する際に通信を行うべきスライスのU-Plane制御ノードを特定する情報を取得する。
第4のケースでは、eNB82の管轄するエリアSA#2は、図13(A)に示す表には含まれない状態となっている。すなわち、location及びサービスの種類に対して、アクセス先(通信路を設ける先)のスライスを特定する情報が対応付けられていない状態である。したがって、DNSサーバ350は、C-Plane制御ノード305に対して、サービスに対応するスライスが存在しないことを示す情報、すなわち、C-Plane制御ノードの情報がないことを通知する(DNS Query Response:S806:通信処理ステップ)。
このように、DNSサーバ350からC-Plane制御ノードを特定する情報が提供されない場合、C-Plane制御ノード305側では、UE90がサービスS1,S2を利用するためにeNB82との間で通信路を設ける相手方のスライスを特定することができないことになる。そこで、C-Plane制御ノード305の通信処理部330では、SSF70に対してUE90を特定する情報と、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)と、ECGIとを送信して、問い合わせを行う(Policy Request:S807:通信処理ステップ)。
これに対して、SSF70は、利用したいサービスを特定する情報と、EGCIとに基づいて、自装置で保持している情報に基づいて、UE90の在圏するエリアにおいて、当該サービスを利用するための通信路を設けることができるスライスを特定し、対応するスライスの情報を提供する(Policy Response:S808:通信処理ステップ)。
C-Plane制御ノード305では、SSF70からの情報に基づいて、第6U-Plane制御ノード262が含まれるスライスSL6との間で2つのサービスに係るセッションを設けることを決定する(Selects UPY for both APN1&2 Sessions:S809:通信処理ステップ)。
なお、DNSサーバ350及びSSF70が、利用したいサービスを特定する情報(APN1&APN2)に対して適切なスライスを特定する情報を提供できない場合には、サービスの提供ができないため、サービスの提供自体が中断される。
通信処理部330では、ここまでの処理により特定されたC-Plane制御ノード、すなわち、第6U-Plane制御ノード262に対して、UE90に係る新たなセッションを設けるための要求を送信する(Create Session Request:S810)。セッションの作成要求には、アクセス先のeNB82を特定する情報(eNB ID)と、セッションの作成により設けられる通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)と、サービスを特定する情報(APN1及びAPN2)が含まれる。これにより、第6U-Plane制御ノード262においても、2つのサービスに係るセッションを開設することが認識される。
第6U-Plane制御ノード262では、セッションの作成要求を受信すると、通信路の作成に係る処理を行った後、通信路を特定する情報(TU-1及びTU-2)及び自ノードを特定する情報(UP2 ID)と共に、通信路を作成する処理を行ったことをC-Plane制御ノード305に対して通知する(Create Session Response:S811:通信処理ステップ)。
C-Plane制御ノード305では、第6U-Plane制御ノード262からの応答(S811)を受信すると、eNB82に対して、通信路の変更に係る処理が終了したことを通知する(Path Switch Request ack:S812:通信処理ステップ)。この信号には、第6U-Plane制御ノード262を特定する情報(UPY ID)に対応付けて、2つの通信路を特定する情報(TU-1, TU-2)と、2つのセッションを特定する情報(S-ID1, S-ID2)が含まれる。この情報に基づいて、eNB82は、通信路の相手方となるノードを特定することができる。
その後、eNB82からeNB81に対して、通信路に係るリソースの開放を指示する(Release Resource:S813)。また、C-Plane制御ノード305は、eNB81との間で通信路を設けていたスライスSL1の第1U-Plane制御ノード212と、スライスSL2の第2U-Plane制御ノード222に対して、セッションの開放を指示して、セッションの開放処理を行う(Delete Session Request/Response:S814,S815:通信処理ステップ)。eNB82からeNB81へのリソースの開放指示(S813)と、C-Plane制御ノード305からのセッション開放指示(S814,S815)は、順序が入れ替わっていても良い。
以上の処理により、UE90は、eNB82を経由して第6U-Plane制御ノード262との間でユーザデータの送受信が可能となることで、eNB82を経由してサービスS1,S2を利用することが可能となる(S816)。
上記の処理では、eNB82と、第6U-Plane制御ノード262との間の通信路が設けられた時点(S812)では、eNB81側での通信路に係るリソースが開放されていない。したがって、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられた上で、通信路の変更に係る処理が行われる。
すなわち、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにして、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
以上のように、第2実施形態に係る通信制御装置であるC-Plane制御ノード305及びこのC-Plane制御ノード305による通信制御方法においても、上記の4つのケースに共通するが、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立した状態を設けながら、通信路の変更に係る処理が行われる。このため、UE90は、変更前の通信路もしくは変更後の通信路を利用してユーザデータを送受信可能な状態を保つことができる。したがって、複数のスライスに割り当てられているサービスを利用しながら、複数のスライスとの間に設けられる通信路を変更することが実現される。
また、上記の4つのケースに共通して、変更後の通信路を設ける処理を行った後、変更前の通信路の開放に係る処理が行われる。このようにすることで、UE90が複数のスライスに対して接続している状態であっても、変更前の通信路と変更後の通信路とが両立する状態が設けられる。
また、第2のケースでは、変更前の複数の通信路について、それぞれ、変更前の通信路が設けられたスライスSL1,SL2とは異なり、且つ、互いに異なるスライスSL4,SL5におけるU-Plane制御ノードに対して設けられる通信路へ変更する。このような構成であると、変更前の通信路毎に変更後も個別に通信路が設けられるため、通信路を変更した後についても、ユーザデータを好適に送受信することができる。
一方、第3のケース及び第4のケースでは、変更前の複数の通信路に対して、変更前の通信路が設けられたスライスSL1,SL2とは異なるスライス(第3のケースの場合には、スライスSL4であり、第4のケースの場合にはスライスSL6である)におけるU-Plane制御ノードに対して設けられる一つの通信路へ変更される。上記実施形態でも説明したが、変更前の複数のスライスにおける制御ノードそれぞれに対して個別に通信路に対応した通信路を設けることができないようなケースが存在する。この場合には、上記のように、変更前の複数の通信路を、1つのスライスの制御ノードに対して設けられる1つの通信路にまとめる構成とすることで、通信路を変更した後についても、複数のサービスに係るユーザデータを好適に送受信することができる。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において特定の装置によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。例えば、特定の装置が基地局であった場合においては、当該基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせであってもよい。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、信号はメッセージであってもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(accesspoint)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
ユーザ端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
「含む(include)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。