JP5111256B2 - 通信システムおよびサーバ装置 - Google Patents
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Description
VPNを提供する事業者と、VPNを構築する広域IP網を提供する事業者とが異なる場合における、ユーザからのサービス変更の流れに関しては、例えば、特許文献1の図1で紹介されている。この場合のエンドユーザからのサービス要求は、ユーザ側のVPN管理者が仲介する形で広域IP網管理者に申し込みを行うという形態であった。特許文献1の技術では、サービス要求発生から実際にサービス変更が行われるまでのタイムラグを削減する仕組みとして、広域IP網ポリシーとVPNポリシーを共に格納し、広域IP網に対するVPNポリシーの検証や、VPNポリシーに対するサービス要求検証を行うVPNポリシー管理装置が開示されている。
一方、特許文献3では、複数のユーザノードから、ひとつのユーザノードにトラフィックが集中する場合に、送信元ユーザノード別に帯域を確保しつつ、あるユーザノードから受信したデータ量に応じて、他のユーザノードからの出力速度を変更する方法が開示されている。
更に、特許文献4では、複数のユーザ要求受付部を設けることにより、ユーザ要求部の処理負荷を軽減して性能の低下を抑制し、受付制御機能全体の性能低下を回避する方法が開示されている。
特に、上記のような設定インタフェースをユーザに開放すると、複数のユーザが通信事業者網の設備に関わる設定変更を行う可能性がある。よって、複数の変更要求が発生した場合にも、ユーザの待ち時間を抑えつつ、それぞれの変更要求を反映させることによって、通信事業者網に矛盾や不整合が発生しないよう調整しながら網設備の設定変更を行う必要がある。
特許文献1や特許文献2では、上記のような複数のユーザが変更要求を発行する際の課題については触れられていない。
特許文献3では、複数のユーザノードから、ひとつのユーザノードにトラフィックが集中する場合の帯域制御方法については述べられているが、新たに発生した複数の要求が、同一のユーザノードへのトラフィック集中となる場合の判定制御等については考慮されていない。
本発明は、以上の点に鑑み、複数のユーザが設定変更要求を発行した場合にも、ユーザの待ち時間を抑えつつ、通信事業者網に矛盾や不整合が生じないよう制御しながら、網設備の設定変更を行う通信システムおよびサーバ装置を提供することを目的とする。
更に、本発明は、ノード装置に対する設定更新を行う際に、ユーザ要求の受付判定で認可された複数の要求内容を一括してオーダすることを特徴のひとつとする。
複数のユーザネットワーク間を接続するネットワークを構成し、制御要求に従い前記ユーザネットワーク間の論理回線の設定情報を変更する複数のノード装置と、
前記設定情報を送信する端末と、
前記端末から前記設定情報を受信して、前記ノード装置に制御要求を送信するサーバ装置と
を備えた通信システムであって、
前記端末は、
前記ユーザネットワーク間の論理回線の設定情報を入力する入力部と、
前記設定情報を前記サーバ装置に送信する送信部と
を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末から前記設定情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記設定情報を、前記論理回線の経路上にある前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に分類する分類部と、
前記分類部で分類された前記設定情報を、前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に記憶する要求記憶部と、
前記ノード装置の各インタフェースに接続される物理回線の帯域情報を記憶するリソース記憶部と、
各ノード装置のインタフェースについて、前記物理回線の帯域情報と前記論理回線の設定情報とに基づいて、設定情報の受付可否を判定する受付判定部と、
前記受付判定部で受付可能と判定された前記論理回線の設定情報に基づき、前記ノード装置に対する制御要求を生成する制御発行部と
を有する通信システムが提供される。
複数のユーザネットワーク間を接続するネットワークを構成し、制御要求に従い前記ユーザネットワーク間の論理回線の設定情報を変更する複数のノード装置と、前記設定情報を送信する端末と、前記端末から前記設定情報を受信して、前記ノード装置に制御要求を送信するサーバ装置とを備えた通信システムにおける前記サーバ装置であって、
前記端末から、前記ユーザネットワーク間の論理回線の前記設定情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記設定情報を、前記論理回線の経路上にある前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に分類する分類部と、
前記分類部で分類された前記設定情報を、前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に記憶する要求記憶部と、
前記ノード装置の各インタフェースに接続される物理回線の帯域情報を記憶するリソース記憶部と、
各ノード装置のインタフェースについて、前記物理回線の帯域情報と前記論理回線の設定情報とに基づいて、設定情報の受付可否を判定する受付判定部と、
前記受付判定部で受け付け可能と判定された前記論理回線の設定情報に基づき、前記ノード装置に対する制御要求を生成する制御発行部と
を備えた前記サーバ装置が提供される。
図1は、本実施の形態の一例を示すネットワーク構成図である。
通信事業者は、複数の地域拠点に跨る同一企業の網(ユーザ網2)同士を繋ぐ通信インフラとして、広域IP網をサービス提供する。
各ユーザ網2と通信事業者がサービス提供するネットワークとは、アクセス網4を介して接続する。ユーザ網2側のアクセス網4との接続は、ユーザノード3を介して行われる。
通信事業者側のネットワークは、コア網8を、幾つかの分割した地域ごとに設置する地域網7同士を相互に接続することにより構成する。各地域網はコアノード6を備え、地域網7同士の間は、それぞれの地域網7を構成するコアノード6を相互に接続する。例えば、地域網7aと地域網7bの間ならば、コアノード6cとコアノード6dを相互に接続する。地域網7とアクセス網4の間は、コアノード6とエッジノード5で相互に接続する。コアノードとエッジノードの関係は1対1とは限らず、1台のコアノード(例:6a)は、複数台のエッジノード(例:5a、5b)と相互に接続してもよい。同様に、エッジノード(例:5a)もアクセス網4aを介して、複数のユーザ拠点(例:30、31)を収容する。このような木構造でネットワークが構成されるため、上流の装置には自ずと複数のユーザ拠点からのトラヒックが集まる形となる。
このような設定変更機能を提供する際のネットワーク構成は、上記コア網8と管理用ネットワーク9を、それぞれコアノード6eとエッジノード5dで接続し、管理用ネットワーク9内にリソース制御受付装置(サーバ装置)10を設ける。
ユーザ企業のネットワーク管理者は、本サービスを利用して設定変更を行う際には、自身のネットワーク(ユーザ網2)内の端末1から、リソース制御受付装置10にリクエストを発行する。端末1は、例えば、拠点(ユーザネットワーク)間のIP−VPN(論理回線)の設定情報を入力する入力部と、設定情報をリソース制御受付装置10に送信する送信部とを有する。
話を戻して、複数のユーザが同時に設定変更を行った場合の課題について、図1を用いて補足説明する。複数のユーザによる設定変更が影響するポイントは、例えば、複数のユーザ拠点からのトラヒックが集まって相乗りする回線である。上記木構造のネットワークの末端では、装置上は複数ユーザのトラヒックが集線されるかもしれないが、ポート/論理インタフェースはユーザ個別となるため、トラヒックの相乗りという状況は発生しない。しかし、上流のコアノードでは、全ユーザの個別トラヒックを対象に資源を割り当てることは不可能であるため、必然的に同一回線にトラヒックが相乗りする形となる。一般的に上流のネットワークになる程、回線帯域は太くなるよう構築するが、全ての回線が均一では無い。例えば、地域網1(7a)と地域網2(7b)の間、コアノード6cとコアノード6dの間など、他のコア網/地域網内の回線より細くなる場合がある。このような回線では、あるユーザが行う設定変更が、他のユーザのトラヒックに影響を与えることになる。
上記のようなポイントに関しては、設定要求の受付可否を判定する必要があるが、同様の設定変更を複数のユーザが同時に行う可能性もある。その際に、リクエストの到着順にシーケンシャルに処理を行うというアプローチもあるが、後にまわされたユーザは待ち時間に対して不満を抱くかもしれない。シーケンシャルに処理を行うアプローチの課題に関しては、図2を用いて説明する。
図中表記のユーザ端末は、本サービスを利用する企業のネットワーク管理者により操作されるユーザ網内の端末を指し、サービスに関わる変更要求を発行する。最初は、変更内容を入力するためのシステムへのログインである(S1)。図では省略しているが、このステップで認証確認などを行う。
ユーザからの要求は、リソース制御受付装置10で処理する。システムにユーザがログインする際には、ユーザ入力画面を生成して提示する(S2)。
図9は、提示されるユーザ入力画面の例である。
契約情報である拠点や契約帯域の情報は、例えば、拠点ごとに提示する(90、91)。また、ユーザ設定済みの情報に関しても、例えば、拠点単位に分類して提示する(92、93、94)。
図16は、契約情報テーブルの構成図である。図17は、設定情報テーブルの構成図である。契約情報や設定情報は、例えば、それぞれ契約情報テーブルを管理するデータベース(契約情報DB、図16)、設定情報テーブルを管理するデータベース(設定情報DB、図17)から取得することができる。契約情報テーブルは、例えば、ユーザ識別子と拠点識別子と契約帯域とが対応して記憶される。設定情報テーブルは、ユーザ識別子と拠点識別子とVPN−IDと帯域情報と優先度情報とが対応して記憶される。各テーブルから情報が読みだされて、図9のユーザ入力画面の生成に利用される。
また、後述する図3でリソース制御受付装置10の機能ブロック図を示しているが、ここまでの手順は汎用的な技術を活用すれば良いため、機能ブロック図では省略している。契約情報DB、設定情報DBは共にリソース制御受付装置10とは異なる装置に実装しても構わない。その場合は、リソース制御受付装置10と同様、管理用ネットワーク9内に設置する。
再び図2の説明に戻ると、図9のような画面を利用して、ユーザ端末は設定変更する情報を例えばキーボードやマウス等の入力部から入力して、更新ボタンが押下されることにより要求を発行する(S3)。設定変更要求S3を受け取ったリソース制御受付装置は、設定変更要求の受付可否判定を行う(S4)。受付られない場合はその旨を返信し、受付可能な場合は、該当するノード装置に対して設定変更要求を発行する(S5)。設定変更要求S5を受け取ったノード装置は、変更の可否判定を行い(S6)、設定の変更を実施する(S7)。要求に対するノード装置からの応答を受け取ったリソース制御受付装置は、ユーザ端末に結果を通知して(S8)、次の要求処理に移る(S9)。
本実施の形態では、このように複数の要求が集中した場合にも、ユーザに対する待ち時間を抑えたリソース制御処理を実現する。本実施の形態では、ネットワークリソース制御システム等が、ユーザ要求の受付可否を判定する際に、ノード装置に設定反映された実リソース情報を参照すると共に、重複するユーザ要求を管理するキューに先に積まれた要求内容を考慮して受付判定を行い、先にキューに積まれた要求を実際のノード装置に設定反映し終わるまで待たなくても受付判定を行い、ユーザ要求に対する判定の待ち時間を短くする。また、本実施の形態では、ネットワーク制御システムが、ノード装置に対する設定更新を行う際に、ユーザ要求の受付判定で認可された複数の要求内容を一括してオーダし、複数のユーザが同時に同一のノード装置に関わる設定変更要求を発行した場合にも、ノード装置の設定変更要求にかかる負荷を削減する。
本実施の形態のリソース制御受付装置10は、プロセッサ301、メモリ302、記憶装置303及びネットワークインタフェース(304および305)を備える。例えば、汎用的なサーバ装置に、リソース制御受付プログラム309を搭載する。リソース制御受付プログラム309は、記憶装置304に格納され、プログラム実行時にメモリ302上にロードされて、プロセッサ301により動かされる。
経路情報管理部17は、一般的なネットワーク管理システムが管理するものと同様であり、各ノード装置に設定されている経路情報を集約したものである。図18に示したように、経路情報管理部17は、CPU311、メモリ312、記憶装置313、ネットワークインタフェース314を備えた汎用的なデータベース装置310で管理されるテーブル情報である。
経路情報管理テーブルは、VPN−ID150と、送信元152および送信先154と、経路情報156とが記憶される。経路情報156は、例えば、VPN−ID150で特定される経路、または、送信元152及び154で特定される経路にあるノード装置の識別子、インタフェースの識別子が記憶される。
一方、対象リスト管理部18は、ユーザの設定変更が他のユーザのトラヒックにも影響を与えるポイント(回線)を含むノード装置およびインタフェースを登録管理する。図18に示したように、対象リスト管理部18は、CPU321、メモリ322、記憶装置323、ネットワークインタフェース324を備えた汎用的なデータベース装置320で管理されるテーブル情報である。こちらは、図1の説明の中で例示したような、回線帯域が細くなるポイント(図1では、6cと6dの間を例に説明)のノード装置(例えば、6cや6d)および対象インタフェースを、当該ネットワークの管理者(通信事業者網の管理者)が事前に登録しておく(図13)。
リソース管理部19の構成は従来のネットワーク管理システムやノード管理システムで用いられているものと同様で構わない。リソース管理部19は、図18に示したように、CPU331、メモリ332、記憶装置333、ネットワークインタフェース334を備えた汎用的なデータベース装置330で管理されるテーブル情報である。限界値の設定としては、物理回線の帯域と等しい値による運用でも構わないし、システムのコンフィグレーションで設定する許容幅の値を、物理回線の帯域に上乗せする運用でも構わない(図14)。
ちなみに図18では、経路情報管理部17を格納するデータベース装置310、対象リスト管理部18を格納するデータベース装置320、リソース管理部19を格納するデータベース装置330を、それぞれ別装置で構成するイメージで示したが、これらの情報は同一のデータベース装置で管理する構成であっても構わない。
図3は、リソース制御受付プログラム309の機能ブロック図である。
リソース制御受付プログラム309は、例えば、要求受付部11と、判定制御部15と、制御実行部16とを有する。判定制御部15は、制御要求分類部20と、制御要求管理部21と、受付判定部22と、制御発行部23とを有する。
図3では、設定変更要求(S3)を受け取った後の処理に関わる機能ブロックのみを記載している。
制御要求分類部20では、設定変更項目ごとに制御対象となるノード装置やインタフェースを調べ、制御対象ごとの要求として分類を行う。分類結果は、制御が完了するまで制御要求管理部21に一次的に記録する。
図4に、制御要求管理部21のテーブル構成例を示す。
変更内容41は、対象ノードおよび対象インタフェース(40)毎に分類する。この時、対象ノードおよび対象インタフェースは、経路情報管理部17と対象リスト管理部18を参照して特定する。
引き続き、図4に示した残りの要素について説明する。差分欄(diff)42は、要求帯域に変更がある場合の、変更前帯域と変更後帯域の差分を登録する欄である。後の受付判定部22の処理を行う際に算出する形でも構わないが、変更内容欄41に情報を登録する流れで、制御要求分類部20の処理として行った方がデータの読み出しなどに無駄が無い。
状態欄(Status)44は、変更要求の処理状況を管理する欄である。制御要求分類部20で各変更要求を対象ノード、対象インタフェース毎に分離し、制御要求管理部21に登録した際には、「未」の状態となる。以降、受付判定部22で変更要求の受付判定を行った結果、受付が可能な場合は「OK」に、受付が出来ない場合は「NG」に登録内容を変更する。同一の要求IDに対する受付判定結果が全て「OK」となった場合は、制御発行部23でノード装置に対する設定変更を実施した後に、制御要求管理テーブルから削除する。一方、一つでも「NG」となった要求IDの変更要求に関しては、要求内容では受け付けることが出来ないため、その旨を、要求受付部11を介してユーザに返信する。
図4の説明の中で部分的に説明を行ったが、再び図3に戻って説明を続ける。制御要求分類部20で制御要求管理部21に分類登録を行った後は、受付判定部22において制御要求管理部21に新たに登録された制御要求の受付判定を行う。この時に対象となるのは、図4に示した制御要求管理テーブルの項目で状態欄44が「未」のものである。
上記のような判定を行う際の、制御対象における既存のリソース使用状況や限界値の情報は、リソース管理部19から取得する。
ここまでが、図3に示したリソース制御受付装置10の一連の処理の流れになる。図3では、制御要求分類部20、受付判定部22、制御発行部23が、全て一台の装置上に実装された形態を示したが、要求受付部11と制御要求分類部20を実装する装置、受付判定部22を実装する装置、制御発行部23と制御実行部16を実装する装置を分けて、それぞれの装置が、制御要求管理部21を実装した装置と通信を行いながら動作するシステムの形態を採っても構わない。
また、図4は帯域幅の設定変更に伴う制御要求管理に焦点を当てたテーブル構成例であるが、優先度の設定変更に伴う、優先度毎の帯域割当の変動を検査する必要がある場合は、対象ノードおよびインタフェースに加えて優先度を分類項目に加える。つまり、図4の項目40に優先度という条件を加えて分類整理する。同様に、図14に示したリソース管理テーブルも、優先度という条件を加えて分類整理する形となる(例えば、142と144の間に列を追加して分類する)。
図5は、ユーザ要求受信時のリソース制御受付装置の処理手順を示すフローチャートである。
全体的な流れとしては、既に図3で説明したように、ユーザ要求を要求受付部11で受け取る要求受付処理50を行い、次に、判定制御部15で行う判定制御処理52を行う。判定制御処理52については、後に図6を用いて詳細に説明する。判定制御処理52を行ったら、制御実行部16でノード装置に対する制御54を実行する。
図6は、判定制御部15の判定制御処理を示すフローチャートである。
要求分類処理61は制御要求分類部20の処理に相当し、受付判定処理63は受付判定部22の処理に相当する。また、制御発行処理65は制御発行部23の処理に相当する。基本的な流れは、図3で説明したように、要求分類処理61、受付判定処理63、制御発行処理65を順に行っていく形でだが、ここでは処理間の遷移のタイミングを中心に掘り下げて説明する。いずれの処理も、未処理の内容は全て処理した上で、次の処理に遷移させる。要求分類処理61であれば、未処理の要求が無くなるまで処理を行い、未処理の要求が無くなった時点で、次の受付判定処理に遷移する(ステップ60)。受付判定処理63では、未判定の処理が無ければ次の制御発行処理に遷移するが、未判定の処理があれば(ステップ62)、これら全ての受付判定処理を行う(ステップ63)。同様に、制御発行処理65では、未制御の処理が無ければ再び要求分類処理に遷移するが、未制御の処理があれば(ステップ64)、これら全ての制御発行処理を行う(ステップ65)。
未処理キューの実現方式としては、図7のような方式と、図8のような方式が考えられるが、次に図6の流れを、各処理キューの構成に従って説明する。
このモデルは処理に依存しない統一キューを設ける方式で、各処理は発生した時点で当該キューに積まれる。図7に示す例のような形で各処理が積まれている場合、72の処理A6が終わるまでは、ステップ60の未処理の要求確認で「有」と判定されるため、繰り返し要求分類処理61が行われる。要求の分類が終わると、各処理A4〜A6は新たな受付判定待ち処理B4〜B6となるが、これらは76の後ろに順次積む形となる。73の処理B2に順番がまわってくると、ステップ60の未処理の要求確認には該当せず「無」と判定され、ステップ62の未処理の判定確認で「有」と判定されるため、受付判定処理63が行われる。74の処理B3が終わるまでは、ステップ62の未処理の判定確認で「有」と判定されるため、繰り返し受付判定処理63が行われる。次の75の処理A7は、ステップ64の未処理の制御確認には該当しないため、再びステップ60に戻って、ステップ61の要求分類処理を行う。次の76の処理C1は、ステップ60にもステップ62にも該当しないため、ステップ64に遷移してステップ65の制御発行処理を行うという流れになる。なお、受付判定処理、制御発行処理は、例えば、B2、B3を繰り返し処理する以外にもまとめて処理することができる。
次に、図8のような処理キューの構成を採る場合について説明する。
こちらのモデルは処理ごとにキューを用意する方式で、要求分類処理61、受付判定処理63、制御発行処理65を、例えば、複数のCPUにより並列に動作させる場合などに適する。厳密には、制御要求管理テーブル21を共有する都合上、排他制御により各処理は時分割されることになるが、処理間の割当時間(順序)79が巡ってきた際に、積まれている同種の処理を一気に裁く形態としては適している。例えば、予め定められたタイミング79毎に各キューに積まれた処理を実行する。また、キューに予め定められた量がたまったら、まとめて処理を実行するようにしてもよい。
要求分類処理61、受付判定処理63、制御発行処理65について、フローチャートを用いて補足する。
図10に要求分類処理61のフローチャートを示す。要求分類処理については、図4の説明の中で、制御要求分類部20が行う処理手順として、図10の符号を参照して述べているため省略する。
受付判定処理については、図3の後半の説明の中で受付判定部22の処理として触れているが、ここではフローチャートの手順に従って説明する。受付判定処理では、制御要求管理テーブルの状態欄44が「未」の要求(処理状態が「未」の要求)を対象に処理を行う(ステップ111)。処理状態が「未」の要求を抽出する際には、同一のノードおよびインタフェース単位に抽出する(ステップ112)。制御要求管理テーブルの要求は、対象ノードおよび対象インタフェース毎に分類(40)されているので、順に検索を行えば良い。同一のノードおよびインタフェースに対する未処理要求を一括り抽出したら、抽出した複数の要求を纏めた要求内容が許容されるか、リソース管理部19の対応ノードおよびインタフェースの情報を照合する(ステップ113)。纏めた要求内容の許容判定については、図3の後半の受付判定部22の説明で述べているので省略する。判定結果は状態欄44に反映し(ステップ114)、次のノードおよびインタフェースに対する要求の判定に移る(ステップ115)。ここで判定結果は、状態欄44への反映と共に、ユーザ端末に対して通知しても構わない。
図12に制御発行処理65のフローチャートを示す。
制御発行処理についても、図3の後半の説明の中で制御発行部23の処理として触れているが、ここではフローチャートの手順に従って説明する。制御発行処理では、制御要求管理テーブルの状態欄44が「OK」の要求を対象に処理を行う(ステップ121)。受付判定処理と同様に、ここでも同一のノードおよびインタフェース単位に抽出を行う(ステップ122)。同一のノードおよびインタフェースに対する要求を抽出したら、要求内容を纏めて、対象ノードに対する制御要求を発行する(ステップ123)。制御実行部16に制御要求を渡した処理済の要求は、制御要求管理テーブルから削除する(ステップ124)。ここで再び処理状況をユーザ端末に通知しても構わない。制御要求管理テーブルの状態欄44が「OK」の全ノードおよびインタフェースに対する処理が完了したら(ステップ125)、状態欄44に記載された判定結果が「NG」の要求を纏めて削除する(ステップ126)。但し、判定結果が「NG」の要求を削除するタイミングに関しては、受付判定処理の最後に行っても構わないし、制御発行処理の最初に行っても構わない。
本実施の形態のネットワーク制御システムは、ノード装置に対する設定更新を行う際に、ユーザ要求の受付判定で認可された複数の要求内容を一括してオーダするため、複数のユーザが同時に同一のノード装置に関わる設定変更要求を発行した場合にも、ノード装置の設定変更要求にかかる負荷を削減することができる。
再び、図1の拠点30、31、32が、同一企業の拠点と仮定する。例えば、当初、拠点30と拠点32の間でのみVPN回線を開設したところに、新たに、拠点31と拠点32の間でも別のVPN回線を開設しようとしたとする。また、拠点30と拠点32の間のVPN回線の帯域も同時に増量しようとしたとする。
この時、発信側の拠点30と31に関しては、それぞれの変更要求が契約帯域内に収まっているかもしれないが、この要求を受け付けられるか否かは、拠点32側の状況を加味した上で判断を行う。拠点32は、拠点30と拠点31からの異なるVPNトラヒックが合流する形となる。合計トラヒック量が拠点32の契約帯域を遥かにオーバしていた場合、この設定変更で要求されている通信帯域を保証できなるため、ユーザには要求内容では受け付けられないことを伝える。
このように、設定変更の結果、複数のトラヒックが合流するポイントが発生する場合、リソース制御受付装置10は次のようにこれらの要求を扱う。要求受付部11で受信する要求は一要求が対象となるが、前述のとおり、一要求の中には複数の設定変更項目が含まれる可能性がある。設定要求分析部20では、設定変更項目ごとに制御対象となるノード装置やインタフェースを調べ、制御対象ごとに要求を分類して制御要求管理部21に一次記録する。ここで、設定変更項目とは、例えば、新たなVPN回線の開設、現在のVPN回線の帯域の増量についてである。
受付判定部22では、同一の対象ノード、同一の対象インタフェースに関する制御要求は纏めて判定を行うため、複数のトラヒックが合流するポイントに対して、複合する設定変更が受け付けが可能か否かも判定できる。以降の処理は同様である。
2 ユーザネットワーク
3 ユーザノード
4 アクセス網
5 エッジノード
6 コアノード
7 地域網
8 コア網
9 管理用ネットワーク
10 リソース制御受付装置
11 要求受付部
15 判定制御部
16 制御実行部
17 経路情報管理部
18 対象リスト管理部
19 リソース管理部
20 制御要求分類部
21 制御要求管理部
22 受付判定部
23 制御発行部
309 リソース制御受付プログラム
Claims (20)
- 複数のユーザネットワーク間を接続するネットワークを構成し、制御要求に従い前記ユーザネットワーク間の論理回線の設定情報を変更する複数のノード装置と、
前記設定情報を送信する複数の端末と、
前記端末から複数の前記設定情報を受信して、前記ノード装置に制御要求を送信するサーバ装置と
を備えた通信システムであって、
前記端末は、
前記ユーザネットワーク間の論理回線の設定情報を入力する入力部と、
前記設定情報を前記サーバ装置に送信する送信部と
を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末から前記設定情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記設定情報を、前記論理回線の経路上にある前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に分類する分類部と、
前記分類部で分類された前記設定情報を、前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に記憶する要求記憶部と、
前記ノード装置の各インタフェースに接続される物理回線の帯域情報を記憶するリソース記憶部と、
各ノード装置のインタフェースについて、前記物理回線の帯域情報と前記論理回線の設定情報とに基づいて、同一ノード装置のインタフェースに対する設定情報については纏めて設定情報の受付可否を判定する受付判定部と、
前記受付判定部で受付可能と判定された前記論理回線の設定情報に基づき、前記ノード装置に対する制御要求を生成する制御発行部と
を有する通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記論理回線の識別情報に対応して、該論理回線の経路上にある前記ノード装置の識別子及び該ノード装置のインタフェースの識別子を記憶した経路情報管理部
をさらに備え、
前記サーバ装置の前記分類部は、
前記設定情報に含まれる論理回線の識別情報を基に、前記経路情報管理部を参照して、通信経路上の前記ノード装置の識別子及び該ノード装置のインタフェースの識別子を抽出する手段と、
抽出された前記ノード装置の識別子及び該ノード装置のインタフェースの識別子毎に、前記設定情報を前記要求記憶部に記憶する手段と
を有することを特徴とする通信システム。 - 請求項2に記載の通信システムにおいて、
制御対象の前記ノード装置の識別子を管理する対象リスト管理部
をさらに備え、
前記サーバ装置の前記分類部は、
抽出された前記ノード装置の識別子と、前記対象リスト管理部で管理された制御対象の前記ノード装置の識別子とを照合し、
照合した結果が合致した場合に、制御対象となる前記ノード装置の識別子及び該ノードのインタフェースの識別子毎に、前記設定情報を前記要求記憶部に記憶することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記受付判定部は、
前記要求記憶部に記憶された同一のノード装置及び同一のインタフェースの複数の設定情報を纏めて受付可否判定して、判定結果を前記要求記憶部に記憶することを特徴とする通信システム。 - 請求項4に記載の通信システムにおいて、
前記受付判定部は、
受付可否判定の結果が否となった場合には、後から登録された設定情報から順に削って受付可否判定を繰り返し、受付可能な設定情報と受付不能な設定情報とを分類して、結果を前記要求記憶部に記憶することを特徴とする通信システム。 - 請求項4に記載の通信システムにおいて、
前記受付判定部は、
受付可否判定の結果が否となった場合には、2分岐探索法を用いて受付可能な設定情報と受付不能な設定情報とを分類し、結果を前記要求記憶部に記憶することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記制御発行部は、
前記受付判定部で受付可能と判定された設定情報を、前記要求記憶部に記憶された同一のノード装置及び同一のインタフェース単位で纏めて、該ノード装置への制御要求を生成することを特徴とする通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記受信部が、複数の設定情報を受信し、
設定情報を受信すると、分類処理待ちをキューに積み、
分類処理を実行すると、受付判定処理待ちを前記キューに積み、
受付判定処理を実行すると、制御発行処理待ちを前記キューに積み、
前記受付判定部は、前記キューに連続して積まれた複数の設定情報についての受付判定処理待ちに対して纏めて受付可否を判定し、及び、前記制御発行部は前記キューに連続して積まれた複数の設定情報についての制御発行処理待ちに対して纏めて制御要求を生成する通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記受信部が、複数の設定情報を受信し、
予め定められたタイミング毎に、前記受付判定部は複数の設定情報について纏めて受付可否を判定し、及び、前記制御発行部は複数の設定情報について纏めて制御要求を生成する通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記設定情報は、前記論理回線の帯域情報及び優先度のいずれかを含む通信システム。 - 請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記端末を複数備え、
前記サーバ装置の前記受信部は、複数の前記端末から複数の設定情報を受信する通信システム。 - 複数のユーザネットワーク間を接続するネットワークを構成し、制御要求に従い前記ユーザネットワーク間の論理回線の設定情報を変更する複数のノード装置と、前記設定情報を送信する複数の端末と、前記端末から前記設定情報を受信して、前記ノード装置に制御要求を送信するサーバ装置とを備えた通信システムにおける前記サーバ装置であって、
前記端末から、前記ユーザネットワーク間の論理回線の前記設定情報を複数受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記設定情報を、前記論理回線の経路上にある前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に分類する分類部と、
前記分類部で分類された前記設定情報を、前記ノード装置及び該ノード装置のインタフェース毎に記憶する要求記憶部と、
前記ノード装置の各インタフェースに接続される物理回線の帯域情報を記憶するリソース記憶部と、
各ノード装置のインタフェースについて、前記物理回線の帯域情報と前記論理回線の設定情報とに基づいて、同一ノード装置のインタフェースに対する設定情報については纏めて設定情報の受付可否を判定する受付判定部と、
前記受付判定部で受け付け可能と判定された前記論理回線の設定情報に基づき、前記ノード装置に対する制御要求を生成する制御発行部と
を備えた前記サーバ装置。 - 請求項12に記載のサーバ装置において、
前記分類部は、
前記論理回線の識別情報に対応して、該論理回線の経路上にある前記ノード装置の識別子及び該ノード装置のインタフェースの識別子を記憶した経路情報管理部を参照して、
前記設定情報に含まれる論理回線の識別情報を基に、通信経路上の前記ノード装置の識別子及び該ノード装置のインタフェースの識別子を抽出する手段と、
抽出された前記ノード装置の識別子及び該ノード装置のインタフェースの識別子毎に、前記設定情報を前記要求記憶部に記憶する手段と
を有することを特徴とするサーバ装置。 - 請求項13に記載のサーバ装置において、
前記分類部は、
抽出された前記ノード装置の識別子と、制御対象の前記ノード装置の識別子を管理する対象リスト管理部で管理された制御対象の前記ノード装置の識別子とを照合し、
照合した結果が合致した場合に、制御対象となる前記ノード装置の識別子及び該ノードのインタフェースの識別子毎に、前記設定情報を前記要求記憶部に記憶することを特徴とするサーバ装置。 - 請求項12に記載のサーバ装置において、
前記受付判定部は、
前記要求記憶部に記憶された同一のノード装置及び同一のインタフェースの複数の設定情報を纏めて受付可否判定して、判定結果を前記要求記憶部に記憶することを特徴とするサーバ装置。 - 請求項15に記載のサーバ装置において、
前記受付判定部は、
受付可否判定の結果が否となった場合には、後から登録された設定情報から順に削って受付可否判定を繰り返し、受付可能な設定情報と受付不能な設定情報とを分類して、結果を前記要求記憶部に記憶することを特徴とするサーバ装置。 - 請求項15に記載のサーバ装置において、
前記受付判定部は、
受付可否判定の結果が否となった場合には、2分岐探索法を用いて受付可能な設定情報と受付不能な設定情報とを分類し、結果を前記要求記憶部に記憶することを特徴とするサーバ装置。 - 請求項12に記載のサーバ装置において、
前記制御発行部は、
前記受付判定部で受付可能と判定された設定情報を、前記要求記憶部に記憶された同一のノード装置及び同一のインタフェース単位で纏めて、該ノード装置への制御要求を生成することを特徴とするサーバ装置。 - 請求項12に記載のサーバ装置において、
前記受信部が、複数の設定情報を受信し、
設定情報を受信すると、分類処理待ちをキューに積み、
分類処理を実行すると、受付判定処理待ちを前記キューに積み、
受付判定処理を実行すると、制御発行処理待ちを前記キューに積み、
前記受付判定部は前記キューに連続して積まれた複数の設定情報についての受付判定処理待ちに対して纏めて受付可否を判定し、及び、前記制御発行部は前記キューに連続して積まれた複数の設定情報についての制御発行処理待ちに対して纏めて制御要求を生成するサーバ装置。 - 請求項12に記載のサーバ装置において、
前記受信部が、複数の設定情報を受信し、
予め定められたタイミング毎に、前記受付判定部は複数の設定情報について纏めて受付可否を判定し、及び、前記制御発行部は複数の設定情報について纏めて制御要求を生成するサーバ装置。
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