JP7029837B1 - パワーサイクル試験装置及びパワーサイクル試験方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、結露の発生を抑制できるパワーサイクル試験装置及びパワーサイクル試験方法を提供することを目的とする。
パワーモジュールPMは、薄板状のデバイスであり、例えば三相インバータ回路の一部を構成する上下アーム及び内部の状態を検出するセンサを内蔵している。パワーモジュールPMは、制御信号を入力したりセンサ信号を出力したりするための複数の制御端子(不図示)及び電力を入出力するための主端子TM1~TM3(図2参照)を有し、第1の端面から各制御端子が延び、第1の端面とは反対の側の第2の端面から主端子TM1~TM3が延びている。
ただし、パワーモジュールPMは、このような構成に限定されるものではない。
第1の試験部20a及び第2の試験部20bは、それぞれパワーサイクル試験装置10の前面側に配置されている。ただし、第1の試験部20a及び第2の試験部20bは、実質的に同様の構成となっているため、以下、第1の試験部20aについてのみ説明する。
載置台202は、その外形が直方体状であり、矩形状をした上面の左右方向中央部に設けられた載置エリアA(図3(A)参照)に、液冷式ヒートシンク付パワーモジュール14を保持したホルダが載せられる。
載置台202の内部には空間が形成されており、配管類やケーブルが収められている。
カバー204は、ガススプリング(不図示)によって支持されており、試験員が、前面側から容易に開閉できるように構成されている。
カバー204が載置台202の上面を覆うことによって、内部に破線で示した試験空間S(図1参照)が形成される。なお、カバー204の載置台202との接触面には、空気が試験空間Sの内部から外部へと漏出することを抑えるためのパッキンが設けられている。ただし、試験空間Sは完全に密閉された状態ではなく、非密閉状態となっている。
カバー204の上面は透明な板状部材により構成されており、試験空間Sを外部から視認できる。
なお、カバー204は、載置台202の上に試験空間Sを形成できれば任意でよい。
なお、第1の端子台210に代えて、第1のコネクタ(第1のケーブル接続部の一例)であってもよく、第1のケーブルを接続するための接続部であれば任意でよい。
なお、第2の端子台220に代えて、第2のコネクタ(第2のケーブル接続部の一例)であってもよく、第2のケーブルを接続するための接続部であれば任意でよい。
従って、バイパス管280により、被試験対象を取り付けることなく冷却液を循環できるので、チラー(不図示)及び冷却液の流路の点検が容易となる。
従って、何らかの要因によって漏洩した冷却液が、ドライエア供給管250に入ってしまう可能性が低減される。
ここで、液冷式ヒートシンク付パワーモジュール14にドライエアが直接当たると、パワーモジュールPMの内部温度に影響を与える要因となりうる。また、温湿度計260にドライエアが直接当たると、測定値に誤差が生じる要因となりうる。
従って、ドライエアの噴出方向は、上向きであることが好ましい。ただし、ドライエアの噴出方向は、液冷式ヒートシンク付パワーモジュール14及び温湿度計260がある方向とは異なる方向であれば、任意でよい。
電磁ロック270は、閉じられたカバー204を開かないようにロックできる。電磁ロック270は、載置台202の上面の左側の前端側の位置に配置されている。
漏液抑制部材310は、載置台202の上面から突出して設けられ、外部に冷却液が漏れることを抑制するための部材である。漏液抑制部材310は、閉じたカバー204の下端部の内周に沿って、前述の第1の端子台210、第2の端子台220、冷却液供給管240、冷却液排出管230、ドライエア供給管250、温湿度計260及び電磁ロック270を取り囲むように配置されている。
試験員が、カバー204を上方へ開き、ホルダ(不図示)に保持された被試験対象である液冷式ヒートシンク付パワーモジュール14(図2参照)を載置エリアAに載せる。その際、被試験対象は、パワーモジュールPMの制御端子が第1の端子台210の側となり、主端子TM1~TM3が第2の端子台の側となるように配置される。また、被試験対象は、第1のチューブ接続部122a及び第2のチューブ接続部122bが奥側又は上側となるように配置される。
その後、試験員が、各パワーモジュールPMの制御端子と第1の端子台210とを第1のケーブルにて接続し、主端子TM1~TM3と第2の端子台220とを第2のケーブルにて接続する。更に、試験員が、液冷式ヒートシンク12の第1のチューブ接続部122aと冷却液供給管240とを第1のチューブにて接続し、第2のチューブ接続部122bと冷却液排出管230とを第2のチューブにて接続する。
従って、載置台202を覆うカバー204が上方に開き、試験員が作業するための広い空間が確保されることと相俟って、試験準備における作業性が向上する。
配線等が完了した後、試験員が、カバー204を閉じ、チラーの運転を開始する。閉じられたカバー204は、電磁ロック270によりロックされる。チラーの運転に伴い、冷却液の温度が低下する。試験環境によっては、液冷式ヒートシンク付パワーモジュール14が結露する場合がある。
準備ステップが完了した後、試験員が操作パネル(不図示)から制御部(不図示)に対して指令信号を出力し、パワーサイクル試験を開始する。
パワーサイクル試験が開始されると、制御部が、所定の周期STごとに露点温度を算出し、予め決められた条件A~Cを全て満たすまで、ドライエア供給管250からドライエアを供給する。
ここで、条件Aは、温湿度計260によって測定された温度及び相対湿度に基づいて求められた露点温度が、予め決められた設定値以下になることである。
条件Bは、冷却液の温度が予め決められた範囲内に到達したことである。
条件Cは、パワーサイクル試験が開始されてから予め設定された時間Tが経過したことである。この時間Tは、結露した液冷式ヒートシンク付パワーモジュール14を乾燥させるために必要な時間として設定される。
予め決められた条件A~Cが全て成立すると、制御部は、ドライエアの供給を停止し、予め決められたサイクルでパワーモジュールPMに通電する。
予め決められたサイクルでパワーモジュールPMに通電している間、制御部は、引き続き所定の周期STごとに露点温度を算出し、算出した露点温度が予め決められた範囲にあることを監視する。
制御部は、露点温度が予め決められた範囲を外れた場合に、ドライエア供給管250からドライエアを供給する。露点温度が設定値以下になると、制御部は、ドライエアの供給を停止する。
その結果、試験空間Sの相対湿度が制御され、被試験対象の結露が抑えられる。
漏洩した冷却液や結露による水は、漏液抑制部材310の内側に留まり、排液孔H2から排出されるため、載置台202の外に漏出することが抑制される。
その結果、より広い温度範囲(0℃以下を含む)において、パワーサイクル試験を実施することができる。
12 液冷式ヒートシンク
14 液冷式ヒートシンク付パワーモジュール
122a 第1のチューブ接続部
122b 第2のチューブ接続部
20a 第1の試験部
20b 第2の試験部
50 駆動電源部
202 載置台
204 カバー
206 ヒンジ
210 第1の端子台
212 板状部材
220 第2の端子台
230 冷却液排出管
240 冷却液供給管
250 ドライエア供給管
260 温湿度計
270 電磁ロック
280 バイパス管
290 バルブ
310 漏液抑制部材
315 排液管
320 漏液センサ
322 アンプ
324 検知帯
326 接続端子台
328 ターミネータ
A 載置エリア
AX 回転軸
H1 配線孔
H2 排液孔
PM パワーモジュール
S 試験空間
TM1、TM2、TM3 主端子
Claims (9)
- 液冷式ヒートシンクに取り付けられ制御端子及び主端子を有する液冷式ヒートシンク付パワーモジュールが載る載置エリアが設けられた載置台と、
前記載置台を覆い内部に試験空間を形成するためのカバーと、を備え、
前記パワーモジュールに通電し、該パワーモジュールを試験するパワーサイクル試験装置であって、
前記試験空間の内部に、
前記制御端子へと延びる第1のケーブルが接続される第1のケーブル接続部と、
前記主端子へと延びる第2のケーブルが接続される第2のケーブル接続部と、
前記液冷式ヒートシンクへと延びる第1のチューブが接続される、冷却液を供給するための冷却液供給管と、
前記液冷式ヒートシンクから延びる第2のチューブが接続される、冷却液を排出する冷却液排出管と、
予め決められた相対湿度以下に維持されたドライエアを供給するドライエア供給管と、
前記試験空間の内部の温度及び相対湿度を測定する温湿度測定部と、を備えたパワーサイクル試験装置。 - 請求項1記載のパワーサイクル試験装置において、
前記第1のケーブル接続部及び前記第2のケーブル接続部が、正面視して前記載置エリアを挟んで左右方向に間隔を空けて配置され、
前記冷却液供給管及び前記冷却液排出管が、前記載置台の上面の後端側の位置に配置されているパワーサイクル試験装置。 - 請求項2記載のパワーサイクル試験装置において、
前記載置台の上面から突出して設けられ、外部に冷却液が漏出することを抑制するための漏液抑制部材と、
漏洩した冷却液を検出する漏液センサと、を更に備え、
前記漏液抑制部材の内側の前記載置台に、漏洩した冷却液を排出する排液孔が設けられているパワーサイクル試験装置。 - 請求項3記載のパワーサイクル試験装置において、
前記漏液センサが、前記漏液抑制部材の内側に配置された検知帯を有し、
前記検知帯が、平面視して、少なくとも前記載置エリア及び前記冷却液供給管を取り囲むように配置されているパワーサイクル試験装置。 - 請求項4記載のパワーサイクル試験装置において、
前記ドライエアの供給を制御する制御部を更に備え、
前記制御部が、前記温湿度測定部によって測定された前記温度及び前記相対湿度に基づいて求められる露点温度が予め決められた設定値以下になるまで、前記ドライエアを供給するパワーサイクル試験装置。 - 請求項5記載のパワーサイクル試験装置において、
前記試験空間の内部に、前記冷却液供給管及び前記冷却液排出管を互いに接続し、流路を開閉するバルブが設けられたバイパス管を更に備えるパワーサイクル試験装置。 - 請求項2記載のパワーサイクル試験装置において、
前記ドライエアの供給を制御する制御部を更に備え、
前記制御部が、前記温湿度測定部によって測定された前記温度及び前記相対湿度に基づいて求められる露点温度が予め決められた値になるまで、前記ドライエアを供給するパワーサイクル試験装置。 - 請求項7記載のパワーサイクル試験装置を使用したパワーサイクル試験方法であって、
前記液冷式ヒートシンク付パワーモジュールが前記載置エリアに載せられ、前記制御端子及び前記第1のケーブル接続部の間と前記主端子及び前記第2のケーブル接続部の間とにそれぞれ前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルが接続される準備ステップと、
前記準備ステップが実施された後、予め決められたサイクルで前記パワーモジュールが通電される試験ステップと、
前記露点温度が予め決められた範囲を外れた場合に、前記制御部が、該露点温度が予め決められた設定値以下になるまで前記ドライエアを供給する露点温度管理ステップと、を含むパワーサイクル試験方法。 - 請求項8記載のパワーサイクル試験方法において、
前記試験ステップにて、前記制御部が、前記パワーモジュールが通電される前に、前記露点温度が予め決められた設定値以下になるまで、前記ドライエアを供給するパワーサイクル試験方法。
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