JP7029580B2 - 冷却水管理装置及び当該装置を組み込んだ冷却水管理ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、溶接ガンに供給する冷却水を管理する冷却水管理装置及び当該装置を組み込んだ冷却水管理ユニットに関する。
一般的に、スポット溶接に使用する溶接機において実際に溶接を行う部分は溶接ガンと呼ばれており、この溶接ガンは電極チップ(例えば電極棒)及び冷却水の供給用・排水用の通水路を備えている。
溶接工程では、溶接ガンを溶接箇所まで移動し、電極チップを被溶接材と接触させ、接触した状態で電流を流し接触抵抗で発生する熱により母材を溶かし接着を行う。そして、ある箇所を溶接すると直ちに次の溶接箇所へ溶接ガンを移動し、これを繰り返す。このように、溶接を繰り返すと、溶接ガン及び電極チップは蓄熱し、高温状態となるため、溶接ガン及び電極チップを冷却する必要が生じる。冷却は、冷却水タンク等からポンプ等の動力源を利用し、バルブ(切換弁)を通じて溶接ガンへ冷却水を通水することで行われる。
しかしながら、溶接不良、特に溶着過多不良の場合、電極チップが被溶接材と固着してしまい、溶接ガンの次工程への移動とともに電極チップが抜けてしまうことがある。通水路の蓋(栓)の役割も兼ねている電極チップが抜けると通水路から冷却水の漏れが発生し、周辺機器の損傷や環境汚染の原因となってしまう。
そこで、例えば、特許文献1のように、電極チップが抜けたときに機構的に蓋をして通水路を遮断する構造や、特許文献2のように、流量計により冷却水の流量を計測し、ある一定の流量値(閾値)と比較して電極チップの抜けを検出する方法等が知られている。
特開平9-57464号公報 特開平6-71459号公報
上記特許文献1のように、電極チップが抜けたときに機構的に蓋をする構造を用いる場合、電極チップ及び通水路の構造の複雑化を伴う。また、電極チップが抜けたときに機構的に蓋をする構造を用いる場合、冷却水の漏れを抑えることは可能であるが、電極チップが抜けた状態を何らかの信号として出力する機能は無い。
電極チップが抜けたときは、次の溶接箇所へ移動する前には、速やかに溶接機を停止し、電極チップを取り付ける必要があるが、電極チップが抜けた状態を検出するセンサ等を別途取付ける必要がある。
また、工場に溶接機が多数配置されている場合、冷却水の供給は一つの供給源(前記タンク等)から分岐して各溶接機に通水され、各溶接機が独立して溶接を行うことが多い。このため、分岐された個々の溶接機は通水状態、止水状態が様々であり、全体としては通水路の有効断面積が時々刻々と変化している状態である。
溶接ガンで電極チップの抜けが発生すると、抜けた個所の配管抵抗が減少して、冷却水が漏れ出すため、上流側の流量は増加し、下流側の流量は低下する。この場合において、上記特許文献2のように、上流側のみ、若しくは下流側のみに流量計を設置し、所定の閾値を超える(あるいは低下)ことにより電極チップの抜けを検出する場合には、上述のように通水路全体として有効断面積が時々刻々と変化する状況においては、誤検出あるいは不検出という問題が生じる。
さらに、冷却水の供給源は主にポンプ等であるが、この能力が常に一定とは限らず、周囲温度や冷却水の劣化に伴う粘度変化により吐出流量が変化する。したがって、ある一定の流量値(閾値)を基準として電極チップの抜けを検出する方法では、誤検出あるいは不検出となる場合があり、検出精度が低かった。
そこで、本発明は、溶接ガンが有する電極チップの抜けを高精度で検出し、冷却水の漏れを最小限に抑える冷却水管理装置及び当該装置を組み込んだ冷却水管理ユニットを提供することを目的とする。
本発明の冷却水管理装置は、電極チップを有する溶接ガンに冷却水を供給するための上流側通水路に設けられた上流側流量計と、冷却水の供給源と上流側流量計との間に設けられ、冷却水の供給及び供給停止を切り換えるバルブと、溶接ガンから冷却水を排水するための下流側通水路に設けられた下流側流量計とに接続された冷却水管理装置であって、上流側流量計及び下流側流量計から冷却水の上流側流量及び下流側流量に係る信号を入力する信号入力手段と、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量を算出し、これらの変化量が上流側流量及び下流側流量の各々について予め設定された検出条件を同時に満たすときに電極チップの抜けを検出するチップ抜け検出手段と、チップ抜け検出手段が電極チップの抜けを検出したときに、バルブを閉栓させる制御信号を出力する信号出力手段と、を備える。
本発明によれば、従来のように溶接ガンの上流側又は下流側の流量と所定の閾値とを比較するのではなく、溶接ガンの上流側及び下流側の流量の所定時間ごとの変化量が所定の検出条件を同時に満たすときに電極チップの抜けを検出する構成であるため、複数の溶接ガンが分散配置された溶接工程ライン全体で通水路の有効断面積が時々刻々と変化し、流量が全体的に増減するような場合でも、電極チップの抜けを高精度で検出し、冷却水の漏れを最小限に抑えることができる。
本発明の冷却水管理装置は、検出条件を記憶する検出条件記憶手段と、外部入力された設定値に基づいて検出条件を設定する検出条件設定手段と、を備え、チップ抜け検出手段は、検出条件記憶手段に記憶された検出条件を参照してもよい。これにより、ユーザが任意に入力した設定値を検出条件として設定することができ、検出条件の変更が容易となる。
本発明の冷却水管理装置において、検出条件は、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量が、各々について予め設定された変化量設定値以上となる状態のまま、所定時間よりも長くなるように予め設定された継続時間設定値以上で継続することを定めてもよい。これにより、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量が瞬間的に増加した場合等をノイズとして除去することができるため、誤検出を防止することができる。
本発明の冷却水管理装置において、継続時間設定値は、上流側継続時間設定値及び下流側継続時間設定値に分けて設定されてもよい。これにより、上流側と下流側とで流量の変化にタイムラグが生じるような場合であっても高精度で検出することができる。
本発明の冷却水管理装置において、チップ抜け検出手段は、電極チップの抜けの検出時における上流側流量及び下流側流量の変化量に係るデータを検出時変化量として所定の記憶領域に記憶してもよい。これにより、実際に電極チップの抜けを検出したときの上流側流量及び下流側流量の変化量を保存しておくことで、検出条件として最適な設定値を決定する際の目安とすることが可能になる。
本発明の冷却水管理装置において、検出条件は、信号出力手段がバルブを開栓させる他の制御信号を出力してからチップ抜け検出手段が電極チップの検出処理を開始するまでの待機時間設定値を含んでもよい。これにより、バルブを開栓した直後は通水路内で冷却水の流量が不安定な状態になるが、このような不安定な状態の期間を対象外とすることで電極チップの抜けの検出精度を向上させることができる。
本発明の冷却水管理ユニットは、電極チップを有する溶接ガンに冷却水を供給するための上流側通水路に設けられた上流側流量計と、冷却水の供給源と上流側流量計との間に設けられ、冷却水の供給及び供給停止を切り換えるバルブと、溶接ガンから冷却水を排水するための下流側通水路に設けられた下流側流量計と、上流側流量計、バルブ、及び下流側流量計に接続された冷却水管理装置と、を備える冷却水管理ユニットであって、冷却水管理装置は、上流側流量計及び下流側流量計から冷却水の上流側流量及び下流側流量に係る信号を入力する信号入力手段と、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量を算出し、これらの変化量が上流側流量及び下流側流量の各々について予め設定された検出条件を同時に満たすときに電極チップの抜けを検出するチップ抜け検出手段と、チップ抜け検出手段が電極チップの抜けを検出したときに、バルブを閉栓させる制御信号を出力する信号出力手段と、を含む。
本発明によれば、従来のように溶接ガンの上流側又は下流側の流量と所定の閾値とを比較するのではなく、溶接ガンの上流側及び下流側の流量の所定時間ごとの変化量が所定の検出条件を同時に満たすときに電極チップの抜けを検出する構成であるため、複数の溶接ガンが分散配置された溶接工程ライン全体で通水路の有効断面積が時々刻々と変化し、流量が全体的に増減するような場合でも、電極チップの抜けを高精度で検出し、冷却水の漏れを最小限に抑えることができる。
本発明の冷却水管理ユニットにおいて、検出条件を記憶する検出条件記憶手段と、外部入力された設定値に基づいて検出条件を設定する検出条件設定手段と、を備え、チップ抜け検出手段は、検出条件記憶手段に記憶された検出条件を参照してもよい。これにより、ユーザが任意に入力した設定値を検出条件として設定することができ、検出条件の変更が容易となる。
本発明の冷却水管理ユニットにおいて、検出条件は、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量が、各々について予め設定された変化量設定値以上となる状態のまま、所定時間よりも長くなるように予め設定された継続時間設定値以上で継続することを定めてもよい。これにより、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量が瞬間的に増加した場合等をノイズとして除去することができるため、誤検出を防止することができる。
本発明の冷却水管理ユニットにおいて、継続時間設定値は、上流側継続時間設定値及び下流側継続時間設定値に分けて設定されてもよい。これにより、上流側と下流側とで流量の変化にタイムラグが生じるような場合であっても高精度で検出することができる。
本発明の冷却水管理ユニットにおいて、チップ抜け検出手段は、電極チップの抜けの検出時における上流側流量及び下流側流量の変化量に係るデータを検出時変化量として所定の記憶領域に記憶してもよい。これにより、実際に電極チップの抜けを検出したときの上流側流量及び下流側流量の変化量を保存しておくことで、検出条件として最適な設定値を決定する際の目安とすることが可能になる。
本発明の冷却水管理ユニットにおいて、検出条件は、信号出力手段がバルブを開栓させる他の制御信号を出力してからチップ抜け検出手段が電極チップの検出処理を開始するまでの待機時間設定値を含んでもよい。これにより、バルブを開栓した直後は通水路内で冷却水の流量が不安定な状態になるが、このような不安定な状態の期間を対象外とすることで電極チップの抜けの検出精度を向上させることができる。
本発明によれば、溶接ガンが有する電極チップの抜けを検出し、冷却水の漏れを最小限に抑える冷却水管理装置及び当該装置を組み込んだ冷却水管理ユニットを提供することができる。
第1の実施形態に係る冷却水管理装置を組み込んだ冷却水管理ユニットの全体構成を示すブロック図である。 図1に示す冷却水管理装置の外観斜視図である。 図1に示す制御部の機能ブロック図である。 図1に示す溶接ガンを複数配置した溶接工程ラインを示すブロック図である。 従来の装置においてチップ抜けを検出する場合の具体例を示す図である。 従来の装置においてチップ抜けの誤検出が発生する場合の具体例を示す図である。 従来の装置においてチップ抜けの不検出が発生する場合の具体例を示す図である。 第1の実施形態における制御部のチップ抜け検出処理を説明する図である。 図9Aは、図1に示す上流側流量計において計測される流量の時系列での変化の具体例であって、流量がステップ状に増加した場合を示す図である。図9Bは、図1に示す上流側流量計において計測される流量の時系列での変化の具体例であって、流量が一定の傾きで変化した場合を示す図である。 図1に示す制御部のチップ抜け検出処理の具体例を示すフローチャートである。 バルブ開閉用電源の入力時からバルブを閉栓するまでの信号及び流量の時間変化を説明する図である。 第2の実施形態における制御部のチップ抜け検出処理を説明する図である。 第2の実施形態における制御部のチップ抜け検出処理の具体例を示すフローチャートである。
本発明に係る冷却水管理装置及びこれを組み込んだ冷却水管理ユニットについて、好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る冷却水管理装置10を組み込んだ冷却水管理ユニット12の全体構成を示すブロック図である。冷却水管理ユニット12は、冷却水管理装置10、溶接ガン14、上流側流量計18、バルブ20、下流側流量計22、及びポンプ16を備えており、これらにより冷却水の循環路が構築されている。
冷却水管理装置10は、冷却水管理ユニット12において溶接ガン14への冷却水の供給及び供給停止を管理する装置である。溶接ガン14は、冷却水管理ユニット12の中で被溶接材Wに対して実際に溶接を行う部分であり、通電により発熱する電極チップ(例えば電極棒)14a、14bと冷却水の供給用・排水用の通水路(図示省略する)を内部に備えている。
ポンプ16は、図示しない冷却水タンク等に連通する冷却水の供給源であり、溶接ガン14よりも上流側に設けられた通水路(以下、上流側通水路という。)R1及び下流側に設けられた通水路(以下、下流側通水路という。)R2を介して溶接ガン14の内部の通水路(図示省略する)に接続されている。上流側通水路R1には、溶接ガン14の上流側における冷却水の流量を検出する上流側流量計18と、上流側流量計18よりも上流側に配置され、溶接ガン14への冷却水の供給・供給停止を切り換えるバルブ20とが設けられている。
また、下流側通水路R2には、溶接ガン14の下流側における冷却水の流量を検出する下流側流量計22が設けられている。
上流側流量計18及び下流側流量計22は、冷却水の流量に応じた信号(図1中、「上流側流量入力」及び「下流側流量入力」と記載している。)を出力するセンサである。信号は、例えば流量の大きさに比例するように、1.0~5.0Vの範囲の電圧値に変換して出力する。なお、信号の変換方法はこれに限定されず、例えば流量の大きさに比例した周波数のパルス信号を出力してもよい。
図1に示すように、冷却水管理装置10は、制御部24、第1コネクタ26、第2コネクタ28、第3コネクタ30、第4コネクタ32、及び第5コネクタ34を備えている。
制御部24は、例えばマイクロコンピュータ等の小型の制御装置であり、第1コネクタ26、第2コネクタ28、第3コネクタ30、第4コネクタ32、及び第5コネクタ34にそれぞれ接続されている。また、制御部24は、電極チップ14a、14bの抜けを検出する機能、信号を入出力する機能、画面表示を制御する機能等に対応する各種のプログラムを備えている。
第1コネクタ26は、外部機器(図示省略する)から、接地端子(GND)との間に、例えばDC24Vのバルブ開閉用電源を入力(図1中、「バルブ開閉用電源入力」と記載している。)するとともに、外部機器上でユーザが任意に設定した各種のパラメータ(設定値)を入力(図1中、「パラメータ入力」と記載している。)する端子である。なお、バルブ開閉用電源の入力は、制御部24を起動するスタート信号の入力をも意味する。
第2コネクタ28は、外部電源(DC24V)を入力するとともに、制御部24による制御に基づいて外部機器に対して溶接ガン14の状態を示す状態信号を出力(図1中、「状態信号出力」と記載している。)する端子である。状態信号がonの場合は溶接可、offの場合は溶接不可を示す。
第3コネクタ30は、制御部24を介して第1コネクタ26に接続されており、制御部24による制御に基づいてバルブ20の開栓・閉栓を切り換えるバルブ制御信号としてバルブ開閉用電源の電圧値信号を出力(図1中、「バルブ開閉用電源出力」と記載している。)する端子である。例えば、バルブ開閉用電源出力がonになり、24Vの電圧がバルブ20に印加された場合には、バルブ20は開栓する。逆に、バルブ開閉用電源出力がoffになった場合には、電圧は0Vとされ、バルブ20は閉栓する。
第4コネクタ32は、上流側流量計18の近傍若しくは内部に設けられた温度センサ(図示省略する)から冷却水の温度を示す信号を入力(図1中、「温度入力」と記載している。)するとともに、上流側流量計18から上流側通水路R1における冷却水の上流側流量を示す信号を入力(図1中、「上流側流量入力」と記載している。)する端子である。
第5コネクタ34は、下流側流量計22から下流側通水路R2における冷却水の下流側流量を示す信号を入力(図1中、「下流側流量入力」と記載している。)する端子である。
図2は、図1に示す冷却水管理装置10の外観斜視図である。ここでは、図2中手前側の側面に上述した第1コネクタ26、第2コネクタ28、第3コネクタ30、第4コネクタ32、及び第5コネクタ34が設けられている。
また、上面の左側には、上流側流量計18及び下流側流量計22からそれぞれ取得した流量値を表示する流量表示モニタ36と、流量表示モニタ36の表示設定を切り換える入力ボタン38が設けられている。
上面の右側には、温度センサ(図示省略する)から取得した上流側通水路R1における冷却水の温度データを表示する温度表示モニタ40と、温度表示モニタ40の表示設定を切り換える入力ボタン42が設けられている。
図3は、図1に示す制御部24の機能ブロック図である。制御部24は、信号入力部(信号入力手段)24a、冷却水監視部24b、チップ抜け検出部(チップ抜け検出手段)24c、記憶部(検出条件記憶手段)24d、設定部(検出条件設定手段)24e、信号出力部(信号出力手段)24f、及び表示制御部24gを備えている。
信号入力部24aは、上流側流量計18及び下流側流量計22から冷却水の上流側流量及び下流側流量に係る信号(上流側流量入力及び下流側流量入力)を入力し、冷却水監視部24bへ出力する。また、信号入力部24aは、温度センサ(図示省略する)から上流側通水路R1における冷却水の温度に係る信号(温度入力)を入力し、冷却水監視部24bへ出力する。さらに、信号入力部24aは、外部機器からバルブ開閉用電源入力を入力し、信号出力部24fへ出力する。
冷却水監視部24bは、信号入力部24aから入力された上流側流量及び下流側流量に係る信号(上流側流量入力及び下流側流量入力)を冷却水の流量データに変換し、チップ抜け検出部24c及び表示制御部24gに出力する。
また、冷却水監視部24bは、信号入力部24aから入力された冷却水の温度に係る信号(温度入力)を温度データに変換し、表示制御部24gに出力する。
チップ抜け検出部24cは、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量を算出し、これらの変化量が上流側流量及び下流側流量の各々について予め設定された検出条件を同時に満たすときに電極チップ14a、14bの抜けを検出する。本実施形態では、チップ抜け検出部24cは、後述する記憶部24dに記憶された検出条件を参照することで検出処理を実行するが、プログラム上に検出条件を定義することもできる。
また、チップ抜け検出部24cは、所定時間前からの上流側流量及び下流側流量の履歴を記憶するメモリ24hと経過時間を計測するカウンタ24iとを有している。本実施形態では、ある一定周期で上流側流量及び下流側流量を取得するため、メモリ24hも同一周期で更新されるものとする。また、メモリ24hは、一定周期分の流量の履歴を保持している。
記憶部24dは、チップ抜け検出部24cが電極チップ14a、14bの抜けの検出処理時に参照する検出条件を記憶する。本実施形態における検出条件としては、ある所定時間ごとの上流側流量及び下流側流量の各々の変化量設定値、継続時間設定値、待機時間設定値(安定化待ち時間設定値)がある。各設定値は、任意に設定されている。
設定部24eは、外部入力された設定値(パラメータ入力)に基づいて記憶部24dへの検出条件の設定(登録・更新)を行う。設定値の入力は、図2に示した流量表示モニタ36及び入力ボタン38を用いて行うことができる。
設定値の入力は様々な方法が考えられる。例えば、ユーザが設定する上流側流量及び下流側流量の変化量設定値は、画面上ではユーザによって把握し易い流量値とし、計測値のスケールに合わせ換算して設定する。
また、流量が安定するまでには時間がかかるため、ユーザ設定として待機時間(安定待ち時間)の設定値を入力する。継続時間設定値はms単位の数値を設定でき、計測周期の長さにより計測回数に換算して処理する。
信号出力部24fは、チップ抜け検出部24cが電極チップ14a、14bの抜けを検出したときに、バルブ20を閉栓させる制御信号(状態信号出力)を出力する。また、信号出力部24fは、バルブ開閉用電源入力に基づいてバルブ20を開栓させる制御信号(バルブ開閉用電源出力)を出力する。
表示制御部24gは、冷却水監視部24b及びチップ抜け検出部24cからの出力に基づいて流量表示モニタ36及び温度表示モニタ40の表示内容を制御する。例えば、チップ抜け検出部24cが電極チップ14a、14bの抜けを検出した場合には、流量表示モニタ36に警告表示を行うと好適である。
図4は、図1に示す溶接ガン14を複数配置した溶接工程ラインを示すブロック図である。ここでは、共通のポンプ16と複数の溶接ガン14の間には分岐した上流側通水路R1及び下流側通水路R2が形成されており、複数の溶接ガン14の各々に対してバルブ20、上流側流量計18、下流側流量計22が設置されていることが示されている。すなわち、冷却水管理ユニット12が溶接ガン14ごとに構築されている。このように、分岐された個々の冷却水管理ユニット12では、バルブ20が独立して制御されているため、通水状態及び止水状態は様々であり、全体としては通水路の有効断面積は時々刻々と変化する。
続いて、従来の装置における電極チップ14a、14bのチップ抜け検出処理と本実施形態に係る冷却水管理装置10におけるチップ抜け検出処理とを比較して説明する。
図5は、従来の装置においてチップ抜けを検出する場合の具体例を示す図である。ここでは、上欄に時間と流量との関係、下欄に時間とバルブ20を開閉させる制御信号の関係が同じ時系列で示されている。時刻t0でバルブ20が開栓(バルブ開閉用電源出力:on)されると、流量は時刻t1までは一定で推移しているが、時刻t1から増加傾向に転じ、時刻t2で流量が所定の閾値Q1以上となっている。これに伴い、時刻t2では、バルブ20を閉栓(バルブ開閉用電源出力:off)させるように制御している。すなわち、時刻t1でチップ抜けが発生した場合に、時刻t2でチップ抜けを検出して冷却水の供給を停止する制御を示している。
図6は、従来の装置においてチップ抜けの誤検出が発生する場合の具体例を示す図である。ここでは、時刻t0でバルブ20が開栓(バルブ開閉用電源出力:on)されると、流量は時刻t1までは一定で推移し、時刻t1から増加傾向に転じているが、流量が所定の閾値Q1未満となっている。このような場合、従来の装置では、実際には時刻t1でチップ抜けが発生しているものの、流量が閾値Q1以上になるまで検出することができなかった。
図7は、従来の装置においてチップ抜けの不検出が発生する場合の具体例を示す図である。ここでは、時刻t0~t1の間において流量は一定であるものの、時刻t0で既に所定の閾値Q1以上であることからバルブ20を閉栓(バルブ開閉用電源出力:off)している。すなわち、実際にチップ抜けが発生しているのは時刻t1であるが、チップ抜け以外の要因で流量が大幅に増加してしまい、閾値Q1以上となっている場合には不検出となってしまう。例えば通水路が分岐している溶接工程ライン上で他のバルブ20が閉栓されると、別ユニット内では流量が増加することが考えられる。
図8は、第1の実施形態における制御部24のチップ抜け検出部24cのチップ抜け検出処理を説明する図である。上流側においては、上流側流量計18により計測された上流側流量値Aとメモリ24h内に保存されている所定時間(一定時間)前の流量値との差分値dAが減算器24jにより算出され、この差分値dAがユーザにより予め設定された上流側流量値Aの変化量設定値(上流側流量の変化量設定値)THaと比較器24k(COMPARATOR)で比較されている。差分値dAが変化量設定値THa以上(dA≧THa)の場合には、判定結果「H」が出力される。
同様に、下流側においては、下流側流量計22により計測された下流側流量値Bとメモリ24h内に保存されている所定時間前の流量値との差分値dBが減算器24lにより算出され、この差分値dBがユーザにより予め設定された下流側流量値Bの変化量設定値(下流側流量の変化量設定値)THbと比較器24mで比較されている。差分値dBが変化量設定値THb以下(dB≦THb)の場合には、判定結果「H」が出力される。
そして、AND回路24pに入力される上流側及び下流側における判定結果がいずれも「H」である場合には、カウンタ24iが継続時間Tの測定を開始し、ユーザが設定した継続時間設定値Tc以上継続したときに電極チップ14a、14bの抜けを検出する。逆に、カウンタ24iのカウント値が継続時間設定値Tcに達する前に、上流側及び下流側の一方又は両方の判定結果が「L」となった場合には、電極チップ14a、14bの抜けは検出されない。
図9A及び図9Bは、図1に示す上流側流量計18において計測される流量の時系列での変化の具体例を示す図である。図9Aは、流量がステップ状に増加した場合を示す図、図9Bは、流量が一定の傾きで変化した場合を示す図である。
図9Aの場合には、時刻t1で流量が一気に増加し、その後一定に維持されている。 このため、時刻t1~t2の間では、現在の流量と所定時間前の流量との変化量が算出されるが、時刻t2以降において変化量は0となっている。したがって、時刻t1で流量が増加した時点でチップ抜けが発生してしまうと誤検出してしまう可能性がある。
また、図9Bの場合には、時刻t1~t3の間では流量が一定の傾きで変化し、時刻t3以降は流量値が一定になっている。このため、流量の変化量を短い時間内だけで判定すると、誤検出の可能性がある。これに対し、本実施形態では検出条件の中に継続時間設定値Tcを含んでいるため、図9A及び図9Bのいずれの場合でもチップ抜けを誤検出することを回避できる。
以下、上記のように構成された冷却水管理装置10の動作・作用を図10及び図11に基づいて説明する。図10は、制御部24におけるチップ抜け検出処理の具体例を示すフローチャートである。この処理は、制御部24にバルブ開閉用電源(スタート信号)が入力された後、所定の周期で行われるものとする。なお、変数A、変数B、変数mA、変数mBは、上流側流量値A、下流側流量値B、上流側保存値mA、下流側保存値mBをそれぞれ表す。
ステップS1において、上流側流量計18及び下流側流量計22が、それぞれ計測した上流側流量値A及び下流側流量値Bの大きさに比例した信号を出力すると、制御部24(信号入力部24a)は、これらの信号を入力する。
ステップS2において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、上流側流量計18及び下流側流量計22から入力された最新の上流側流量値A及び下流側流量値Bの信号を変換し、それぞれ上流側保存値mA及び下流側保存値mBとしてメモリ24hに記憶する。
ステップS3において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、メモリ24hに記憶されている最新の流量値と所定時間(設定可能な、例えば、msオーダーの時間n)前の計測値との差分値(差分)dA及びdBを算出する。ここで、n時間前の計測値をmA(n)、mB(n)と表すと、上流側及び下流側における差分値dA及びdBは、dA=A-mA(n)、dB=B-mB(n)とそれぞれ算出される。これらの差分値dA、dBは、所定時間ごとの流量の変化量(傾き)に相当する。
ステップS4において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、ステップS3において算出された差分値(上流側流量の変化量算出値)dAが予め正の値(>0)で設定された上流側流量値Aの変化量設定値THa以上であり、かつ、差分値(下流側流量の変化量算出値)dBが、予め負の値(<0)で設定された下流側流量値Bの変化量設定値THb以下であるか否かを判定する。
ステップS4において判定条件を満たすと判定されたときは(ステップS4:YES)、ステップS5へ進み、判定条件を満たさないと判定されたときは(ステップS4:NO)、ステップS8へ進む。
ステップS5において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、差分値dAが変化量設定値THa以上、かつ、差分値dBが変化量設定値THb以下の状態での継続時間Tが、予め設定された継続時間設定値Tc以上であるか否かを判定する。
ステップS5において判定条件を満たすと判定されたときは(ステップS5:YES)、ステップS6へ進み、判定条件を満たさないと判定されたときは(ステップS5:NO)、ステップS8へ進む。
ステップS6において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14の上流側及び下流側において冷却水の流量の変化量に異常が有る、すなわち、溶接ガン14において電極チップ14a、14bの抜けが発生していると判定する。
ステップS7では、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、ステップS6における判定結果に基づいて信号出力部24fからのバルブ開閉用電源出力をoffに制御し、バルブ20を閉栓して処理を終了する。
一方、ステップS8において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14の上流側及び下流側において冷却水の流量の変化量に異常が無いと判定し、処理を終了する。
図11は、バルブ開閉用電源の入力時からバルブ20を閉栓するまでの信号及び流量の時間変化を説明する図である。ここでは、バルブ開閉用電源の入力(スタート信号)のon/off、バルブ20に対するバルブ開閉用電源出力のon/off、上流側流量、下流側流量、及び状態信号出力のon/offを縦軸、時間を横軸として、時系列でどのように関係するのかを示している。
時刻t0~t1の間においては、バルブ開閉用電源入力及び出力がoffであるため、バルブ20はoff(閉栓)に制御されている。このとき、上流側流量及び下流側流量は0であり、状態信号出力もoff(溶接不可)となっている。
時刻t1では、バルブ開閉用電源入力及び出力がonに切り換わるため、バルブ20はon(開栓)に制御される。これに伴い、上流側流量及び下流側流量は増加し、時刻t2では流量が安定状態となっている。しかし、時刻t1~t2の間においては、状態信号出力は未だoff(溶接不可)のままである。これは、バルブ20が開栓した直後においては上流側流量及び下流側流量が安定しておらず、待機時間設定値(安定化待ち時間設定値)Tsが経過するまでは電極チップ14a、14bの抜けの検出処理が開始されていないことを示している。
時刻t2~t3の間では、上流側流量及び下流側流量は一定に推移しているため、状態信号出力はon(溶接可)となっているが、時刻t3の時点から上流側流量が増加し、下流側流量は減少している。
時刻t3~t4の間では、上流側流量及び下流側流量の所定時間ごとの変化量をそれぞれ算出し、上流側流量の変化量が上流側流量変化量設定値以上、かつ、下流側流量の変化量が下流側流量変化量設定値以下の状態のまま、その継続時間Tが継続時間設定値Tc以上継続するか否かによって溶接ガン14で電極チップ14a、14bの抜けが発生しているか否かが判定されている。
時刻t4では、電極チップ14a、14bの抜けが検出されたことで、バルブ開閉用電源出力がoff(閉栓)、状態信号出力もoff(溶接不可)に切り換わり、上流側流量及び下流側流量は時間経過とともに減少する。
このように、本実施形態に係る冷却水管理装置10によれば、従来のように溶接ガン14の上流側又は下流側の流量と所定の閾値とを比較する方式ではなく、溶接ガン14の上流側及び下流側の流量の所定時間ごとの変化量が所定の検出条件を同時に満たすときに電極チップ14a、14bの抜けを検出する方式のため、複数の溶接ガン14が分散配置された溶接工程ライン全体で通水路の有効断面積が時々刻々と変化し、流量が全体的に増減する場合でも、電極チップ14a、14bの抜けを高精度で検出し、冷却水の漏れを最小限に抑えることができる。
また、制御部24に予め電極チップ14a、14bの抜けを検出するためのプログラムを実装することで、所定の検出条件を満たすときに冷却水の供給を停止させるバルブ制御信号を出力することが可能である。このため、溶接ガン14の電極チップ14a、14bに対してチップ抜けを検出するためのセンサ等を設ける必要がなくなり、構造を単純化することができる。
<第2の実施形態>
図12は、第2の実施形態における制御部24のチップ抜け検出処理を説明する図である。なお、上記第1の実施形態において付された符号と同一の符号は同一の対象を示すため説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
図12の上流側においては、上流側流量計18により計測された上流側流量値Aとメモリ24h内に保存されている所定時間前の流量値との差分値dAが減算器24jにより算出され、この差分値dAがユーザにより予め設定された上流側流量値Aの変化量設定値(上流側流量の変化量設定値)THaと比較器24kで比較されている。差分値dAが変化量設定値THa以上(dA≧THa)の場合には、判定結果「H」が出力される。
比較器24kから判定結果「H」が出力されると、カウンタ24iが継続時間T1の測定を開始し、その継続時間T1がユーザの設定した上流側継続時間設定値Ta以上継続したときに上流側で異常有りとみなして判定結果「H」を出力する。
同様に、下流側においては、下流側流量計22により計測された下流側流量値Bとメモリ24h内に保存されている所定時間前の流量値との差分値dBが減算器24lにより算出され、この差分値dBがユーザにより予め設定された下流側流量値Bの変化量設定値(下流側流量の変化量設定値)THbと比較器24mで比較されている。差分値dBが変化量設定値THb以下(dB≦THb)の場合には、判定結果「H」が出力される。
比較器24mから判定結果「H」が出力されると、カウンタ24iが継続時間T2の測定を開始し、ユーザが設定した下流側継続時間設定値Tb以上継続したときに下流側で異常有りとみなして判定結果「H」を出力する。そして、AND回路24pに入力される上流側及び下流側における判定結果がいずれも「H」である場合には、電極チップ14a、14bの抜けを検出する。
このように、上記第1の実施形態では、検出条件の一つである継続時間設定値Tcを上流側と下流側で共通に定めていたが、第2の実施形態では、上流側と下流側で個別に継続時間設定値Ta、Tbを定める点で第1の実施形態とは異なっている。
図13は、第2の実施形態における制御部24のチップ抜け検出処理の具体例を示すフローチャートである。この処理は、制御部24にバルブ開閉用電源(スタート信号)が入力された後、ある所定の周期で行われるものとする。なお、変数A、変数B、変数mA、変数mBは、上流側流量値A、下流側流量値B、上流側保存値mA、下流側保存値mBをそれぞれ表す。
ステップS11において、上流側流量計18及び下流側流量計22が、それぞれ計測した上流側流量値A及び下流側流量値Bの大きさに比例した信号を出力すると、制御部24(信号入力部24a)は、この信号を入力する。
ステップS12において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、上流側流量計18及び下流側流量計22から入力された最新の上流側流量値A及び下流側流量値Bの信号を変換し、それぞれ上流側保存値mA及び下流側保存値mBとしてメモリ24hに記憶する。
ステップS13において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、メモリ24hに記憶されている最新の流量値と所定時間(設定可能な、例えば、msオーダーの時間n)前の計測値との差分値(差分)dA及びdBを算出する。ここで、n時間前の計測値をmA(n)、mB(n)と表すと、上流側及び下流側における差分値dA及びdBは、dA=A-mA(n)、dB=B-mB(n)とそれぞれ算出される。これらの差分値dA、dBは、所定時間ごとの流量の変化量(傾き)に相当する。ステップS13が終了すると、ステップS14及びステップS18の処理が平行して開始される。
ステップS14において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、ステップS13において算出された差分値dAが予め正の値(>0)で設定された上流側流量値Aの変化量設定値THa以上であるか否かを判定する。
ステップS14において判定条件を満たすと判定されたときは(ステップS14:YES)、ステップS15へ進み、判定条件を満たさないと判定されたときは(ステップS14:NO)、ステップS17へ進む。
ステップS15において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、差分値dAが変化量設定値THa以上の状態での継続時間T1が、予め設定された上流側の継続時間設定値Ta以上であるか否かを判定する。
ステップS15において判定条件を満たすと判定されたときは(ステップS15:YES)、ステップS16へ進み、判定条件を満たさないと判定されたときは(ステップS15:NO)、ステップS17へ進む。
ステップS16において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14の上流側において冷却水の流量の変化量に異常が有ると判定し、ステップS22へ進む。
ステップS17において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14の上流側において冷却水の流量の変化量に異常が無いと判定し、処理を終了する。
ステップS18において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、ステップS13において算出された差分値dBが予め負の値(<0)で設定された下流側流量値Bの変化量設定値THb以下であるか否かを判定する。
ステップS18において判定条件を満たすと判定されたときは(ステップS18:YES)、ステップS19へ進み、判定条件を満たさないと判定されたときは(ステップS18:NO)、ステップS21へ進む。
ステップS19において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、差分値dBが変化量設定値THb以下の状態での継続時間T2が、予め設定された下流側の継続時間設定値Tb以上であるか否かを判定する。
ステップS19において判定条件を満たすと判定されたときは(ステップS19:YES)、ステップS20へ進み、判定条件を満たさないと判定されたときは(ステップS19:NO)、ステップS21へ進む。
ステップS20において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14の下流側において冷却水の流量の変化量に異常が有ると判定し、ステップS22へ進む。
ステップS21において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14の下流側において冷却水の流量の変化量に異常が無いと判定し、処理を終了する。
ステップS22において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14の上流側及び下流側の両方において冷却水の流量の変化量に異常が有るか否かを判定する。ステップS22において判定条件を満たすと判定されたときは(ステップS22:YES)、ステップS23へ進み、判定条件を満たさないと判定されたときは(ステップS22:NO)、処理を終了する。
ステップS23において、制御部24(チップ抜け検出部24c)は、溶接ガン14において流量の変化量に異常が有る、すなわち、電極チップ14a、14bの抜けが生じているとみなすステップS22での判定結果に基づいて信号出力部24fからのバルブ開閉用電源出力をoffに制御し、バルブ20を閉栓して処理を終了する。
このように、本実施形態に係る冷却水管理装置10によれば、検出条件の一つである継続時間設定値Tc(図8)を上流側継続時間設定値Ta及び下流側継続時間設定値Tbの2種類(図12)に分けて設定しているため、上流側と下流側とで流量の変化にタイムラグが生じるような場合であっても高精度で検出することができる。
[変形例]
上記した実施形態では、電極チップ14a、14bの抜けを検出した場合には、バルブ20を閉栓する制御信号を出力するとともに、流量表示モニタ36に検出結果を表示する構成としたが、流量安定時間後から上流側流量変化量の最大値及び上流側流量変化量の最小値を保存する機能を有してもよい。例えば、チップ抜け検出部24cは、電極チップ14a、14bの抜けの検出時における上流側流量及び下流側流量に係るデータを検出時流量として所定の記憶領域(例えば記憶部24d、メモリ24h等)にそれぞれ記憶してもよい。実際に電極チップ14a、14bの抜けを検出したときの流量に係るデータを保存しておくことで、検出条件として最適な設定値を設定することが可能になる。また、保存されている検出時流量を統計的に解析して最適な設定値を自動設定するプログラムを制御部24に組み込んでもよい。
なお、本発明に係る冷却水管理装置及び当該装置を組み込んだ冷却水管理ユニットは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…冷却水管理装置 12…冷却水管理ユニット
14…溶接ガン 14a、14b…電極チップ
16…ポンプ 18…上流側流量計
20…バルブ 22…下流側流量計
24…制御部 24a…信号入力部
24b…冷却水監視部 24c…チップ抜け検出部
24d…記憶部 24e…設定部
24f…信号出力部 24g…表示制御部
24h…メモリ 24i…カウンタ
26…第1コネクタ 28…第2コネクタ
30…第3コネクタ 32…第4コネクタ
34…第5コネクタ 36…流量表示モニタ
38、42…入力ボタン 40…温度表示モニタ

Claims (12)

  1. 電極チップを有する溶接ガンに冷却水を供給するための上流側通水路に設けられた上流側流量計と、前記冷却水の供給源と前記上流側流量計との間に設けられ、前記冷却水の供給及び供給停止を切り換えるバルブと、前記溶接ガンから前記冷却水を排水するための下流側通水路に設けられた下流側流量計とに接続された冷却水管理装置であって、
    前記上流側流量計及び前記下流側流量計から前記冷却水の上流側流量及び下流側流量に係る信号を入力する信号入力手段と、
    前記上流側流量及び前記下流側流量の所定時間ごとの変化量を算出し、これらの変化量が前記上流側流量及び前記下流側流量の各々について予め設定された検出条件を同時に満たすときに前記電極チップの抜けを検出するチップ抜け検出手段と、
    前記チップ抜け検出手段が前記電極チップの抜けを検出したときに、前記バルブを閉栓させる制御信号を出力する信号出力手段と、
    を備えることを特徴とする冷却水管理装置。
  2. 請求項1に記載の冷却水管理装置であって、
    前記検出条件を記憶する検出条件記憶手段と、
    外部入力された設定値に基づいて前記検出条件を設定する検出条件設定手段と、
    を備え、
    前記チップ抜け検出手段は、前記検出条件記憶手段に記憶された前記検出条件を参照する
    ことを特徴とする冷却水管理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷却水管理装置であって、
    前記検出条件は、前記上流側流量及び前記下流側流量の前記所定時間ごとの変化量が、各々について予め設定された変化量設定値以上となる状態のまま、前記所定時間よりも長くなるように予め設定された継続時間設定値以上で継続することを定める
    ことを特徴とする冷却水管理装置。
  4. 請求項3に記載の冷却水管理装置であって、
    前記継続時間設定値は、上流側継続時間設定値及び下流側継続時間設定値に分けて設定される
    ことを特徴とする冷却水管理装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の冷却水管理装置であって、
    前記チップ抜け検出手段は、前記電極チップの抜けの検出時における前記上流側流量及び前記下流側流量の変化量に係るデータを検出時変化量として所定の記憶領域に記憶する
    ことを特徴とする冷却水管理装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の冷却水管理装置であって、
    前記検出条件は、前記信号出力手段が前記バルブを開栓させる他の制御信号を出力してから前記チップ抜け検出手段が前記電極チップの検出処理を開始するまでの待機時間設定値を含む
    ことを特徴とする冷却水管理装置。
  7. 電極チップを有する溶接ガンに冷却水を供給するための上流側通水路に設けられた上流側流量計と、
    前記冷却水の供給源と前記上流側流量計との間に設けられ、前記冷却水の供給及び供給停止を切り換えるバルブと、
    前記溶接ガンから前記冷却水を排水するための下流側通水路に設けられた下流側流量計と、
    前記上流側流量計、前記バルブ、及び前記下流側流量計に接続された冷却水管理装置と、
    を備える冷却水管理ユニットであって、
    前記冷却水管理装置は、
    前記上流側流量計及び前記下流側流量計から前記冷却水の上流側流量及び下流側流量に係る信号を入力する信号入力手段と、
    前記上流側流量及び前記下流側流量の所定時間ごとの変化量を算出し、これらの変化量が前記上流側流量及び前記下流側流量の各々について予め設定された検出条件を同時に満たすときに前記電極チップの抜けを検出するチップ抜け検出手段と、
    前記チップ抜け検出手段が前記電極チップの抜けを検出したときに、前記バルブを閉栓させる制御信号を出力する信号出力手段と、
    を含む
    ことを特徴とする冷却水管理ユニット。
  8. 請求項7に記載の冷却水管理ユニットであって、
    前記検出条件を記憶する検出条件記憶手段と、
    外部入力された設定値に基づいて前記検出条件を設定する検出条件設定手段と、
    を備え、
    前記チップ抜け検出手段は、前記検出条件記憶手段に記憶された前記検出条件を参照する
    ことを特徴とする冷却水管理ユニット。
  9. 請求項7又は8に記載の冷却水管理ユニットであって、
    前記検出条件は、前記上流側流量及び前記下流側流量の前記所定時間ごとの変化量が、各々について予め設定された変化量設定値以上となる状態のまま、前記所定時間よりも長くなるように予め設定された継続時間設定値以上で継続することを定める
    ことを特徴とする冷却水管理ユニット。
  10. 請求項9に記載の冷却水管理ユニットであって、
    前記継続時間設定値は、上流側継続時間設定値及び下流側継続時間設定値に分けて設定される
    ことを特徴とする冷却水管理ユニット。
  11. 請求項7~10のいずれか1項に記載の冷却水管理ユニットであって、
    前記チップ抜け検出手段は、前記電極チップの抜けの検出時における前記上流側流量及び前記下流側流量の変化量に係るデータを検出時変化量として所定の記憶領域に記憶する
    ことを特徴とする冷却水管理ユニット。
  12. 請求項7~11のいずれか1項に記載の冷却水管理ユニットであって、
    前記検出条件は、前記信号出力手段が前記バルブを開栓させる他の制御信号を出力してから前記チップ抜け検出手段が前記電極チップの検出処理を開始するまでの待機時間設定値を含む
    ことを特徴とする冷却水管理ユニット。
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