JPH0957464A - スポット溶接ガン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スポット溶接ガンにおいて、流量を制限する
ことなく、電極チップが抜けた際の流水を防止させる。 【解決手段】 冷却水路１５に、水冷パイプ２０を縦方
向へスライド可能にガイドするガイド筒１７を収納す
る。水冷パイプ２０の先端部が電極チップ１３に圧接す
るように水冷パイプ２０を先方へコイルばね１８で付勢
し、水冷パイプ２０の基端部分の側壁に、通常状態で冷
却水を導入するための導水口２３を穿孔する。水冷パイ
プ２０の基端部分に、電極チップ１３が抜けた際にコイ
ルばね１８で付勢されて前進する水冷パイプ２０の前進
位置を規制するストッパ用フランジ部２２を設ける。ガ
イド筒１７の基端部分に、電極チップ１３が抜けた際に
コイルばね１８で付勢されてストッパ用フランジ部２２
で規制される位置に前進した導水口２３を閉鎖する導水
口閉鎖面を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電極チップが外れ
た際の流水防止機能を備えたスポット溶接ガンに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のスポット溶接ガンとして、実開
昭５０−１３５７１９号公報によれば、水冷パイプにチ
ェック弁作動バーを挿入し、その先端を電極チップに当
接させ、他端に電極チップが抜けた際に水冷パイプを閉
鎖して冷却水の放出を防止するチェック弁を設けたのが
周知となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合、作動バーの占有面積により流量が不足し、この問題
を解決しようとすると水冷パイプの内径を大きくする必
要がある。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みて、通常の
流量を制限することなく、電極チップが抜けた際の流水
を防止し得るスポット溶接ガンを提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、請求項１により、冷却水路に、水冷パイ
プを縦方向へスライド可能にガイドするガイド筒を収納
すると共に、水冷パイプの先端部が電極チップに圧接す
るように水冷パイプを先方へばねで付勢し、水冷パイプ
の基端部分の側壁に、通常状態で冷却水を導入するため
の導水口を穿孔すると共に、水冷パイプの基端部分に、
電極チップが抜けた際にばねで付勢されて前進する水冷
パイプの前進位置を規制するストッパを設け、ガイド筒
の基端部分に、電極チップが抜けた際にばねで付勢され
てストッパで規制される位置に前進した水冷パイプの導
水口を閉鎖する導水口閉鎖面を形成したことを特徴とす
る。

【０００６】ばねで付勢された冷却パイプの先端部が電
極チップに圧接した状態で、導水口から導入された冷却
水は冷却パイプ内を経由して、その先端部で電極チップ
に給水し、ガイド筒の周囲の冷却水路を経由して排水さ
れる。このような動作状態において、電極チップがチッ
プホルダから抜けると、ばねの付勢によりストッパで規
制される位置まで冷却パイプが前進し、導水口が導水口
閉鎖面で閉鎖され、したがって冷却水パイプの先端部か
らの流水が防止される。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１を基に本発明の実施形態によ
る流水防止機能付スポット溶接ガンを説明する。１０は
ガンアーム１のＬ字形に曲げられた円筒状のアーム先端
部９に取付けられたチップホルダであり、先端部に電極
チップ１３を嵌合させるチップシャンク１２と、その基
端部を嵌合させるホルダ本体１１とより構成されてい
る。ホルダ本体１１は、その基端部がアーム先端部９に
開口された嵌合穴１ａに嵌合させられている。

【０００８】チップホルダ１０には縦方向へ冷却水路１
５が形成されると共に、その内部に水冷パイプ２０とこ
の水冷パイプを縦方向へスライド可能にガイドするガイ
ド筒１７とが収納されている。水冷パイプ２０の斜めの
先端部２８から噴出した流水は、ガイド筒１７の周面と
冷却水路１５の壁面間に形成された排水路１６を経由し
て、ガンアーム１の排水路６に排水される。

【０００９】水冷パイプ２０には、その途中から基端側
の外径を小さくすることによりパイプ細部２１が形成さ
れ、ガイド筒１７には、水冷パイプ２０の前述の途中位
置よりも基端寄りの途中から基端側の内径を水冷パイプ
２０の外径に対応して小さくすることによりガイド筒細
部１７ａが形成されている。パイプ細部２１の始端にな
る段部２５及びガイド筒細部１７ａの始端になる段部１
７ｂ間に、水冷パイプ２０を先方へ付勢するコイルばね
１８が装着されている。

【００１０】アーム先端部９には、嵌合穴１ａを通過し
たガイド筒細部１７ａを嵌入させて保持するより小さな
内径の円筒部１ｂが形成されている。アーム先端部９の
さらに基端側には、給水路５に連通する給水室１ｃが形
成されると共に、シール材２で側端部の開口がシールさ
れている。パイプ細部２１の基端部分は給水室１ｃに侵
入すると共に、その側壁に導水口２３が穿孔されてい
る。パイプ細部２１の基端面は閉鎖されると共に、スト
ッパ用のフランジ部２２が形成されている。このフラン
ジ部は、位置固定部分である円筒部１ｂ及びガイド筒細
部１７ａの基端縁に拘束されて、水冷パイプ２０の前進
位置を規制する。ガイド筒細部１７ａの内周面は、パイ
プ細部２１のガイド面及び導入口２３を閉鎖する導水口
閉鎖面として機能する。

【００１１】このように構成されたスポット溶接ガンの
動作は、次の通りである。通常状態では、コイルばね１
８で付勢された水冷パイプ２０は先端部２８が電極チッ
プ１３に拘束された原位置を占め、導水口２３は給水室
１ｃ内に侵入している。これにより、給水路５から給水
される給水室１ｃで冷却水が導水口２３に導入され、水
冷パイプ２０内を経由して、その先端部２８から電極チ
ップ１３に給水して排水路１９を経由して排水路６へ排
水される。

【００１２】このような動作状態において、電極チップ
１３がチップシャンク１２から抜けると、コイルばね１
８の付勢によりフランジ部２２がガイド筒細部１７ａの
基端縁及びその周囲の基端面３で拘束される位置まで前
進する。これにより、導水口２３がガイド筒細部１７ａ
の内周面で閉鎖され、したがって水冷パイプ２０の先端
部からの流水が防止される。

【００１３】尚、本発明は、前述の実施形態に限らず、
種々の構造のスポット溶接ガンに適用される。例えば、
チップシャンクを備えず、一体に形成されたチップホル
ダの先端部に電極チップが直接嵌合する構造、或は給水
室及びガイド筒の保持部分がガンアームの先端部でなく
チップホルダ自体の基端部分に形成される構造にも構成
することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上、本発明によれば、電極チップが抜
けた際に、ばねにより水冷パイプが前進させられ、給水
導入口を確実にその導水口閉鎖面に移動させ、通常の流
量を制限せずに、確実な防水作用が得られる。また、既
存のガンに対しても水冷パイプを交換するだけで実施で
きるように構成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態によるスポット溶接ガンの
縦断面図である。

【符号の説明】

１０ チップホルダ １３ 電極チップ １５ 冷却水路 １７ ガイド筒 １７ａ ガイド筒細部 ２０ 水冷パイプ ２１ パイプ細部 ２２ フランジ部 ２３ 導水口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先端部に電極チップを嵌合させるチップホ
   ルダを縦断する冷却水路に、基端部から給水された冷却
   水を電極チップへ給水する水冷パイプが収納され、その
   先端部から水冷パイプ周囲の冷却水路を経由して排水さ
   れるようになったスポット溶接ガンにおいて、 冷却水路に、水冷パイプを縦方向へスライド可能にガイ
   ドするガイド筒を収納すると共に、前記水冷パイプの先
   端部が電極チップに圧接するように前記水冷パイプを先
   方へばねで付勢し、 前記水冷パイプの基端部分の側壁に、通常状態で冷却水
   を導入するための導水口を穿孔すると共に、前記水冷パ
   イプの前記基端部分に、前記電極チップが抜けた際に前
   記ばねで付勢されて前進する前記水冷パイプの前進位置
   を規制するストッパを設け、 前記ガイド筒の基端部分に、前記電極チップが抜けた際
   に前記ばねで付勢されて前記ストッパで規制される位置
   に前進した前記水冷パイプの前記導水口を閉鎖する導水
   口閉鎖面を形成した、ことを特徴とするスポット溶接ガ
   ン。
2. 【請求項２】 水冷パイプに、その途中から基端側の外
   径を小さくすることによりパイプ細部を形成すると共
   に、このパイプ細部の側壁に導水口を形成し、 ガイド筒に、前記途中よりも基端寄りの途中から基端側
   の内径を前記外径に対応して小さくすることにより、内
   周面が前記水冷パイプのガイド面及び導水口閉鎖面とし
   て機能するガイド筒細部を形成し、 前記パイプ細部の始端の段部及び前記ガイド筒細部の始
   端の段部間に、前記水冷パイプを付勢するコイルばねを
   装着し、 前記パイプ細部の基端面を閉鎖すると共に、前記パイプ
   細部の前記導水口よりも基端寄りに、前記導水口を前記
   導水口閉鎖面に前進させ得る位置の位置固定部分で拘束
   されるストッパ用フランジ部を形成した、ことを特徴と
   する請求項１のスポット溶接ガン。