本明細書に記載される化合物は、神経性とGBM(多形神経膠芽腫)幹細胞転写リプレッサーOLIG2(例えば、NM_005806、ヒトのためのNP_005797)のモジュレーターまたは阻害剤である。OLIG2(本明細書ではOlig2とも書かれる)は乏突起膠細胞転写因子2である。このタンパク質はbHLH(塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス)ファミリーのメンバーである。bHLHファミリーは、ループによって接続される2つのアルファヘリックスを特徴とする構造モチーフを含む転写因子のファミリーである。bHLHドメインを含む転写因子は一般に二量体である。一般に、ヘリックスの1つは、DNAとの結合を促す塩基性アミノ酸残留物を含んでいる。OLIG2は通常、非疾患状態で中枢神経系(CNS)に制限され、ここではOLIG2は前駆細胞運命の必要不可欠なレギュレーターである。OLIG2はE12またはE47タンパク質でホモ二量体化およびヘテロ二量体化することで、他の効果のなかでもp21遺伝子プロモーターと結合して抑制する。P21は幹細胞および腫瘍の抑制遺伝子であり、OLIG2によって直接抑制される。P21は腫瘍抑制遺伝子p53によって活性化される。p53は原発性のGBM患者のサンプルのほぼ70%において無傷の野性型形態で生じる。OLIG2は、すべてのびまん性神経膠腫において高発現し、CD133幹細胞マーカーに対して陽性のGBM細胞の事実上100%で見られる。重要なことには、OLIG2は一般に正常な脳では見られず、T細胞白血病、黒色腫、肺癌、および乳癌のように悪性でない限りCNSの外側の組織でも見られない。他の神経または神経膠マーカー遺伝子も他の転写リプレッサーも乳癌との一貫したつながりを示すものはない。対照的に、膜受容体(EGFR、PDGFRなど)は患者の間で均一には発現せず、膜受容体を標的とすることに対する様々なアプローチはGBM処置では成功は限られている。
びまん性の神経膠腫におけるOlig2の発現はこれらの腫瘍の形質転換幹細胞由来に起因する。患者のGBM中に存在する細胞の小コホートがとりわけCD133とネスチンを含む神経幹細胞マーカーを発現することが分かった。既存のGBMから単離したCD133(+)細胞は、マウスへ同所移植される際に、高腫瘍形成性である。1つの研究では、患者のGBMから抽出されたわずか100ほどのCD133(+)細胞は、レシピエントマウスの脳へ移植されると侵襲性の腫瘍を生じさせたが、100,000のCD133(-)GBM細胞は腫瘍を生成することができなかった。こうした発見物と一致しているため、GBMの著しく高い割合は、脳の中の神経幹細胞の胚領域に近接して生じ、つまり、神経幹細胞は悪性形質転換を経験し、胚領域から一定の距離移動し、GBMを確立する。
GBM癌幹細胞(CSC)に関する別の重要な発見は、CD133(+)細胞が、CD133(-)細胞で構成される腫瘤よりも、GBMを処置するために使用される放射線や細胞毒性薬に対して著しく強い耐性を有しているということである。これは、従来の放射線/化学療法がGBM内にCSCを残し、これらの細胞が標的とされなければ、腫瘍は致死作用を伴って常によみがえるということを示唆している。さらに、GBMを生き残るごくわずかな患者は、認知、内分泌腺の平衡、および他の機能の点で、化学毒性および放射線毒性により生涯を通して病的状態に苛まれる。
Olig2は、GBM CSC中で高発現するが、正常な脳では低レベルでしか発現せず、神経系の外側の組織では検知されない。Olig2阻害剤では従来の化学療法よりも優れた治療上のマージンが与えられることになる。低い全身毒性は、現在使用される処置のアプローチよりも、GBMの長期的な臨床管理の方とはるかに適合するであろう。
脳癌を抱える患者の死亡率が高いことから、脳癌は、男性、女性、および子どもにおける癌に関連する死の主要な原因である。原発性の脳腫瘍は実際に小児期の最も一般的な固形腫瘍であり、白血病に次いで癌による死の第2の主要原因である。最新の処置の毒性は、生存するわずかの患者において深刻な生涯続く病的状態をもたらす。小分子、すなわち、脳癌に効果的な低毒性で経口摂取可能な医薬品の開発は重要な進歩を意味することになる。さらに、該化合物は、幹細胞により駆動され、Olig2を高発現する他の癌でも効果的なことがある。こうした癌はT細胞白血病、皮膚癌、小細胞肺癌、および乳癌を含む。さらに、こうした癌はしばしば脳に転移する。これは世界中で何百万もの患者に関係してくることになる。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、神経膠芽腫や他の脳癌、つまり、髄芽腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、髄膜腫、および希突起神経膠腫の生存と増殖に必要不可欠な転写因子であるOlig2を阻害する小さな分子がある。Olig2は主として脳で検知され、一般に神経系の外部では検知されず、神経膠芽腫腫瘍中で高発現する。このことは、Olig2の阻害が患者に対する毒性が比較的低いことを意味する。Olig2は、黒色腫、肺癌、乳癌、およびT細胞白血病で過剰に発現し、したがって、Olig2阻害剤はこうした癌の処置にも適用可能なことがある。
Olig2と同じくらい脳癌との一貫したつながりを示す転写因子またはマーカーは他になく、したがって、Olig2の阻害は神経膠芽腫中の他のシグナル経路阻害剤に比較しても勝るとも劣らないはずである。Olig2は、その二量化ループのヒンジ領域がそのクラスの他のタンパク質(塩基性ヘリックス-ループ-ヘリックスタンパク質)と比較して一意的であるという点で、頑強な標的である。
Olig2を標的とする本明細書に記載される阻害剤は、有効性と毒性の観点から一意的であると証明されるはずである。
脳癌を処置するために使用される既存の薬剤、治療、および方法は、テモゾロミド(TMZ-Temodar)、放射線、シクロホスファミド、カルマスティン、カルボプラチン、および時々のアバスチンの補充を含む。これらはすべてごくわずかな効果しかない標準的な脳癌治療薬であり、毒性が非常に強い。脳腫瘍のための脳癌幹細胞阻害剤は現在、存在しない。
別の態様では、OLIG2の活性を阻害する方法が提供される。上記方法は、本明細書で提供される有効な量の化合物(例えば、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物)に、Olig2タンパク質を接触させる工程を含む。化合物は、本明細書で提供される式の構造(または、上記のその実施形態のいずれか)を有することもある。いくつかの実施形態では、Olig2タンパク質を阻害する方法は細胞内で行われる。したがって、ある実施形態では、細胞内のOlig2の活性を阻害する方法が提供される。該方法は、有効な量の本明細書で提供される化合物に細胞を接触させる工程を含む。化合物は、本明細書で提供される式の構造(または、上記のその実施形態のいずれか)を有することもある。いくつかの実施形態では、細胞は前核生物または真核生物である。細胞は、真核生物(例えば原生動物細胞、真菌細胞、植物細胞、または動物細胞)であってもよい。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞、雌ウシ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞およびネコ細胞、マウス細胞、またはラット細胞などの哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物の細胞である。細胞は、臓器または生物の一部を形成することがある。ある実施形態では、細胞は、臓器またはは生物の一部を形成しない。
別の態様では、細胞中のOlig2の活性を阻害する方法が提供される。方法は、本明細書で提供されるような(例えば、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の)化合物に細胞を接触させる工程を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、Olig2の二量化ループのヒンジ領域と結合する。いくつかの実施形態では、化合物は、Olig2の二量化を阻害する。化合物
本明細書に記載される化合物は、細胞内のOlig2の活性を阻害し、Olig2活性の阻害が有益な効果がある疾患あるいは症状の処置で使用されることがある。
1つの態様では、式(I)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグが本明細書に記載されており、
はナフタレンまたは二環式C
5-C
9ヘテロアリールであり、
は、非置換であるか、1つ、2つ、または3つのR
1基で置換され、
R
1はそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OCF
3、-OCH
2F、-OCF
2H、-CF
3、-SR
8、-N(R
8)S(=O)
2R
9、S(=O)
2N(R
8)
2、-S(=O)R
9、-S(=O)
2R
9、-C(=O)R
9、-CO
2R
8、-N(R
8)
2、-C(=O)N(R
8)
2、-N(R
8)C(=O)R
9、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
9ヘテロアリールであり、
R
2とR
3はそれぞれ独立して、H、-CN、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、またはC
2-C
7ヘテロシクロアルキルであり、あるいは、R
2とR
3は一体となって、5または6員の複素環を形成し、
R
4とR
5は独立して、H、ハロゲン、-CN、-OH、-CF
3、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
9ヘテロアリールであり、
R
6は、H、非置換のC
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、-(C(R
14)(R
15))
mR
17、-(C(R
14)(R
15))
mN(R
11)(R
12)、-(C(R
14)(R
15))
mOR
13、-(C(R
14)(R
15))
nR
16、または-OR
22であり、
R
8はそれぞれ独立してH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
9はそれぞれ独立して置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
10はH、または非置換のC
1-C
4アルキルであり、
R
11はH、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、-C(=O)R
19、あるいは-S(=O)
2R
19であり、
R
12はH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
13はH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
14とR
15はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
16は置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、あるいは-C(=O)N(R
18)
2であり、
R
17は-C(=O)R
20、-CO
2R
21、-C(=O)N(R
21)
2、あるいは置換または非置換のC
2-C
9ヘテロアリールであり、
R
18はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキルであり、あるいは、2つのR
18は一体となってヘテロシクロアルキル環を形成し、
R
19は置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
20は置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
21はそれぞれ独立してH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、あるいは、2つのR
21は一体となってヘテロシクロアルキル環を形成し、
R
22は、H、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
mは2-6であり、および、
nは1-5である。
1つの実施形態では、R10がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R10が非置換のC1-C4アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R10が-CH3である、式(I)の化合物がある。
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12が置換はまたは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が置換はまたは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が置換されたC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-OHで置換されたC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19であり、R19が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19であり、R19が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19であり、R19が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19であり、R19が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R14とR15がそれぞれ独立して、H、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R14とR15がそれぞれHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが2-4である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが4である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが5である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが6である、式(I)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)R20である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)R20であり、R20が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R17が-CO2R21である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-CO2R21であり、R21が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-CO2R21であり、R21が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれHまたは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれ非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれ-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、1つのR21がHであり、1つのR21が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が置換または非置換のC2-C9ヘテロアリールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17がC2-C9ヘテロアリールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピロールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のチオフェンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のフランである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のイミダゾールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のオキサゾールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のイソオキサゾールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピラゾールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のチアゾールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のイソチアゾールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピリジンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピリミジンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピラジンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R14とR15がそれぞれ独立してH、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R14とR15がそれぞれHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが2-4である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが4である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが5である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが6である、式(I)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が-CH2CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13がアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C1-C6アルキルアルキン、ハロ、アシル、アシルオキシ、-CO2H、-CO2-アルキル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つ以上の基で置換されたC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13がアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つ以上の基で置換されたC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13がアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つの基で置換されたC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13が-OH、ハロ、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つの基で置換されたC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が-OHで置換されたC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R14とR15がそれぞれ独立してH、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R14とR15がそれぞれHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが2-4である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが4である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが5である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが6である、式(I)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のピペリジンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のピペラジンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のモルホリンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16がC1-C6アルキルで置換された非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が置換されたピペラジンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれ独立してHまたは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれ非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれ-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、1つのR18がHであり、1つのR18が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R14とR15がそれぞれ独立してH、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R14とR15がそれぞれHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが1である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが4である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが5である、式(I)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6が-OR22である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22が-CH3である、式(I)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6がHである、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH3である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH(CH3)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH3である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH2CH(CH3)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH2CH3である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH2CH2CH(CH3)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH2CH2CH3である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH2CH2CH2CH(CH3)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH2CH2CH2CH3である、式(I)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R4がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4がハロゲンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4が-CF3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態において、R4が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物が提供される。別の実施形態において、R4が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物が提供される。別の実施形態では、R4が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4が-CH2CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態において、R4が-CH(CH3)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC1-C6ヘテロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC3-C8シクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4がシクロプロピルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC6-C10アリールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC2-C7ヘテロアリールである、式(I)の化合物がある。
別の実施形態では、R5がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5がハロゲンである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5がFである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5がClである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が-CF3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態において、R5が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が-CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が-CH2CH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態において、R5が-CH(CH3)2である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC1-C6ヘテロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC3-C8シクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態において、R5が非置換のC3-C8シクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態において、R5がシクロプロピルである、式(I)の化合物が提供される。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC6-C10アリールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC2-C7ヘテロアリールである、式(I)の化合物がある。
別の実施形態では、
が非置換のナフタレンまたは非置換の二環式C
5-C
9ヘテロアリールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
から選択される、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
別の実施形態では、
がナフタレンまたは二環式のC
5-C
9ヘテロアリールであり、
が1つ、2つ、または3つのR
1基で置換され、R
1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OCF
3、-OCH
2F、-OCF
2H、-CF
3、-SR
8、-N(R
8)S(=O)
2R
9、S(=O)
2N(R
8)
2、-S(=O)R
9、-S(=O)
2R
9、-C(=O)R
9、-CO
2R
8、-N(R
8)
2、-C(=O)N(R
8)
2、-N(R
8)C(=O)R
9、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
9ヘテロアリールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
がナフタレンまたは二環式のC
5-C
9ヘテロアリールであり、
が1つ、2つ、または3つのR
1基で置換され、R
1がそれぞれ独立してハロゲン、-CN、-OH、-OCF
3、-CF
3、S(=O)
2N(R
8)
2、-S(=O)R
9、-C(=O)R
9、-CO
2R
8、-N(R
8)
2、-C(=O)N(R
8)
2、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
9ヘテロアリールである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、
がナフタレンまたは二環式のC
5-C
9ヘテロアリールであり、
が1つ、2つ、または3つのR
1基で置換され、および、R
1はそれぞれ独立してハロゲンあるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルである。
別の実施形態では、R2とR3がそれぞれ独立してH、-CN、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、またはC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(I)の化合物である。
別の実施形態において、R2とR3がそれぞれHである、式(I)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3がそれぞれ独立して、H、-CN、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、またはC2-C7ヘテロシクロアルキルであり、および、R2とR3の少なくとも1つがHではない、式(IID)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がC1-C4アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がCH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がC3-C6シクロアルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がシクロプロピルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がシクロペンチルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がCH3であり、R3がCH3である、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がC1-C4アルキルであり、R3がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がCH3であり、R3がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がC3-C6シクロアルキルであり、R3がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がシクロプロピルであり、R3がHである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2がシクロペンチルであり、R3がHである、式(I)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3が一体となって、5または6員の複素環を形成する、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2とR3が一体となって、5員の複素環を形成する、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R2とR3が一体となって、6員の複素環を形成する、式(I)の化合物がある。
別の態様では、式(II)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグが本明細書に記載されており、
式中、
R
1はそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OCF
3、-OCH
2F、-OCF
2H、-CF
3、-SR
8、-N(R
8)S(=O)
2R
9、S(=O)
2N(R
8)
2、-S(=O)R
9、-S(=O)
2R
9、-C(=O)R
9、-CO
2R
8、-N(R
8)
2、-C(=O)N(R
8)
2、-N(R
8)C(=O)R
9、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のフェノキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
7ヘテロアリールであり、あるいは、2つのR
1は一体となって、置換または非置換の複素環、あるいは置換または非置換の炭素環を形成し、
R
2とR
3はそれぞれ独立して、H、-CN、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、またはC
2-C
7ヘテロシクロアルキルであり、あるいは、R
2とR
3は一体となって、5または6員の複素環を形成し、
R
4はH、ハロゲン、-CN、-OH、-CF
3、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
7ヘテロアリールであり、
R
6は-OR
7であり、
R
7はHあるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、R
8はそれぞれ独立してH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
9はそれぞれ独立して、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、あるいは、置換または非置換のC
6-C
10アリールであり、および、
nは0-5である。
1つの実施形態では、R10がHである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R10が非置換のC1-C4アルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R10が-CH3である、式(II)の化合物がある。
別の実施形態では、R7がHである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R7が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態において、R7が非置換のC1-C6アルキルである、式(I)の化合物がある。別の実施形態では、R7が-CH3である、式(II)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(II)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(II)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R4がHである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R4がハロゲンである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R4が-CF3である、式(II)の化合物がある。別の実施形態において、R4が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(II)の化合物が提供される。別の実施形態では、式(II)の化合物があり、式中、R4は-CH3である。別の実施形態では、式(II)の化合物があり、式中、R4は-CH2CH3である。別の実施形態において、R4が-CH(CH3)2である、式(II)の化合物である。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC1-C6ヘテロアルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC3-C8シクロアルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、式(II)の化合物があり、式中、R4はシクロプロピルである。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC6-C10アリールである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC2-C7ヘテロアリールである、式(II)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3がそれぞれ独立してH、-CN、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、またはC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2とR3がそれぞれHである、式(II)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3がそれぞれ独立してH、-CN、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、またはC2-C7ヘテロシクロアルキルであり、および、R2とR3の少なくとも1つがHではない、式(IID)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がC1-C4アルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がCH3である、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がC3-C6シクロアルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がシクロプロピルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がシクロペンチルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がCH3であり、R3がCH3である、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がC1-C4アルキルであり、R3がHである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がCH3であり、R3がHである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がC3-C6シクロアルキルであり、R3がHである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がシクロプロピルであり、R3がHである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2がシクロペンチルであり、R3がHである、式(II)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3が一体となって、5または6員の複素環を形成する、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2とR3が一体となって、5員の複素環を形成する、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R2とR3が一体となって、6員の複素環を形成する、式(II)の化合物がある。
別の実施形態では、nが0である、式(II)の化合物がある。
別の実施形態において、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OH、-OCF3、-OCH2F、-OCF2H、-SR8、-N(R8)S(=O)2R9、-S(=O)2N(R8)2、-S(=O)R9、-S(=O)2R9、-C(=O)R9、-CO2R8、-N(R8)2、-C(=O)N(R8)2、-N(R8)C(=O)R9、置換または非置換のC1-C6アルキル、置換または非置換のC1-C6アルコキシ、置換または非置換のC1-C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC3-C8シクロアルキル、置換または非置換のC6-C10アリール、あるいは置換または非置換のC2-C7ヘテロアリールである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OH、置換または非置換のC1-C6アルキル、あるいは置換または非置換のC1-C6アルコキシである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OCF3、-OCH2F、-OCF2H、置換または非置換のC1-C6アルキル、置換または非置換のC1-C6アルコキシ、置換または非置換のC1-C6ヘテロアルキル、置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC3-C8シクロアルキル、置換または非置換のC6-C10アリール、あるいは置換または非置換のC2-C7ヘテロアリールである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OCF3、-OCH2F、-OCF2H、置換または非置換のC1-C6アルキル、あるいは置換または非置換のC1-C6アルコキシである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OCF3、-OCH2F、-OCF2H、置換または非置換のC1-C6アルキル、あるいは置換または非置換のC1-C6アルコキシであり、nが3である、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-OCF3、-OCH2F、-OCF2H、置換または非置換のC1-C6アルキル、あるいは置換または非置換のC1-C6アルコキシであり、nが2である、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが3であり、R1がそれぞれ独立してハロゲンである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが2であり、R1がそれぞれ独立してハロゲンである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが2であり、R1がそれぞれ独立してFまたはClである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが2であり、R1がそれぞれFである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが2であり、R1がそれぞれ独立してClである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1がハロゲンである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1がFである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1がClである、式(II)の化合物である。別の実施形態では、nが1であり、R1が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1がCH3である、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1が置換または非置換のC1-C6アルコキシである、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1が-OCH3である、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1が-OCF3である、式(II)の化合物がある。別の実施形態では、nが1であり、R1が-OCF2Hである、式(II)の化合物がある。
別の態様では、式(III)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグが本明細書に記載されており、
式中、
R
1はそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OH、-OCF
3、-OCH
2F、-OCF
2H、-CF
3、-SR
8、-N(R
8)S(=O)
2R
9、S(=O)
2N(R
8)
2、-S(=O)R
9、-S(=O)
2R
9、-C(=O)R
9、-CO
2R
8、-N(R
8)
2、-C(=O)N(R
8)
2、-N(R
8)C(=O)R
9、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
7ヘテロアリールであり、
R
2とR
3はそれぞれ独立して、H、-CN、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、またはC
2-C
7ヘテロシクロアルキルであり、あるいは、R
2とR
3は一体となって、5または6員の複素環を形成し、
R
4とR
5は独立して、H、ハロゲン、-CN、-OH、-CF
3、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
1-C
6アルコキシ、置換または非置換のC
1-C
6ヘテロアルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキル、置換または非置換のC
6-C
10アリール、あるいは置換または非置換のC
2-C
9ヘテロアリールであり、
R
6はH、非置換のC
1-C
6アルキル、-(C(R
14)(R
15))
mR
17、-(C(R
14)(R
15))
mN(R
11)(R
12)、-(C(R
14)(R
15))
mOR
13、-(C(R
14)(R
15))
nR
16、または-OR
22であり、
R
7は置換または非置換のフェノキシまたは-C(=O)R
23であり、
R
8はそれぞれ独立してH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
9はそれぞれ独立して置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
10はH、または非置換のC
1-C
4アルキルであり、
R
11はH、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、-C(=O)R
19、あるいは-S(=O)
2R
19であり、
R
12はH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
13はH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
14とR
15はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
16は置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、あるいは-C(=O)N(R
18)
2であり、
R
17は-C(=O)R
20、-CO
2R
21、-C(=O)N(R
21)
2、あるいは置換または非置換のC
2-C
9ヘテロアリールであり、
R
18はそれぞれ独立して、H、置換または非置換のC
1-C
6アルキル、置換または非置換のC
2-C
7ヘテロシクロアルキル、あるいは、置換または非置換のC
3-C
8シクロアルキルであり、あるいは、2つのR
18は一体となってヘテロシクロアルキル環を形成し、
R
19は置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
20は置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
21はそれぞれ独立してH、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、あるいは、2つのR
21は一体となってヘテロシクロアルキル環を形成し、
R
22は、H、あるいは置換または非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
23は置換または非置換のC
6-C
10アリールであり、
mは2-6であり、
nは1-5であり、および、
pは0-4である。
1つの実施形態において、R7が置換または非置換のフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が置換されたフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C1-C6アルキルアルキン、ハロ、アシル、アシルオキシ、-CO2H、-CO2-アルキル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つ以上の基で置換されたフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、およびアミノから選択された1つ以上の基で置換されたフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が、アルキル、ハロ、およびハロアルキルから選択された1つ以上の基で置換されたフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、pが0であり、R7が、アルキル、ハロ、およびハロアルキルから選択された1つ以上の基で置換されたフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、pが1であり、R7が、アルキル、ハロ、およびハロアルキルから選択された1つ以上の基で置換されたフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が非置換のフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、pが0であり、R7が非置換のフェノキシである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、pが1であり、R7が非置換のフェノキシである、式(III)の化合物がある。
別の実施形態において、R7が-C(=O)R23である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が-C(=O)R23であり、R23が置換または非置換のフェニルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が-C(=O)R23であり、R23が非置換のフェニルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が-C(=O)R23であり、R23が置換されたフェニルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が-C(=O)R23であり、R23が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C1-C6アルキルアルキン、ハロ、アシル、アシルオキシ、-CO2H、-CO2-アルキル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つ以上の基で置換されたフェニルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が-C(=O)R23であり、R23が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、およびアミノから選択された1つ以上の基で置換されたフェニルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R7が-C(=O)R23であり、R23がアルキル、ハロ、およびハロアルキルから選択された1つ以上の基で置換されたフェニルである、式(III)の化合物がある。
別の実施形態では、R10がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R10が非置換のC1-C4アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R10が-CH3である、式(III)の化合物がある。
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12が置換はまたは非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R12が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が置換されたC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-OHで置換されたC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19であり、R19が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19であり、R19が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19であり、R19が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19であり、R19が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R14とR15がそれぞれ独立してH、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、R14とR15がそれぞれHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが2-4である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが4である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが5である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mN(R11)(R12)であり、mが6である、式(III)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)R20である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)R20であり、R20が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-CO2R21である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-CO2R21であり、R21が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-CO2R21であり、R21が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれHまたは非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれ非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、R21がそれぞれ-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が-C(=O)N(R21)2であり、1つのR21がHであり、1つのR21が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が置換または非置換のC2-C9ヘテロアリールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17がC2-C9ヘテロアリールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピロールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のチオフェンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のフランである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のイミダゾールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のオキサゾールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のイソオキサゾールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピラゾールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のチアゾールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のイソチアゾールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピリジンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピリミジンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R17が非置換のピラジンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R14とR15がそれぞれ独立してH、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、R14とR15がそれぞれHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが2-4である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが4である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが5である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mR17であり、mが6である、式(III)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が-CH2CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13がアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C1-C6アルキルアルキン、ハロ、アシル、アシルオキシ、-CO2H、-CO2-アルキル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つ以上の基で置換されたC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13がアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つ以上の基で置換されたC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13がアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つの基で置換されたC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、およびR13が-OH、ハロ、および、一置換ならびに二置換アミノを含むアミノから選択された1つの基で置換されたC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R13が-OHで置換されたC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R14とR15がそれぞれ独立してH、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、R14とR15がそれぞれHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが2-4である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが4である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが5である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))mOR13であり、mが6である、式(III)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のピペリジンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のピペラジンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が非置換のモルホリンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が置換されたC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16がC1-C6アルキルで置換された非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が置換されたピペラジンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれ独立してHまたは非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれ非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、R18がそれぞれ-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R16が-C(=O)N(R18)2であり、1つのR18がHであり、1つのR18が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R14とR15がそれぞれ独立してH、ハロゲン、あるいは非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、R14とR15がそれぞれHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが1である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが4である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(C(R14)(R15))nR16であり、nが5である、式(III)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R6が-OR22である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-OR22であり、R22が-CH3である、式(III)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R6がHである、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R6が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH3である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH(CH3)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH3である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH2CH(CH3)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH2CH3である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH2CH2CH(CH3)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH2CH2CH3である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、R6が-CH2CH2CH2CH(CH3)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-CH2CH2CH2CH2CH2CH3である、式(III)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
である、式(III)の化合物がある。いくつかの実施形態において、
別の実施形態では、R4がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4がハロゲンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が-CF3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態において、R4が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が-CH2CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が-CH(CH3)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC1-C6ヘテロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC3-C8シクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4がシクロプロピルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC6-C10アリールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R4が置換または非置換のC2-C7ヘテロアリールである、式(III)の化合物がある。
別の実施形態では、R5がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5がハロゲンである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5がFである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が-CF3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が非置換のC1-C6アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が-CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が-CH2CH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が-CH(CH3)2である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC1-C6ヘテロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC3-C8シクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が非置換のC3-C8シクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5がシクロプロピルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC6-C10アリールである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R5が置換または非置換のC2-C7ヘテロアリールである、式(III)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3がそれぞれ独立して、H、-CN、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、またはC2-C7ヘテロシクロアルキルである、式(III)の化合物がある。
別の実施形態において、R2とR3がそれぞれHである、式(III)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3がそれぞれ独立して、H、-CN、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、あるいはC2-C7ヘテロシクロアルキルであり、および、R2とR3の少なくとも1つがHではない、式(IID)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がC1-C4アルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がCH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がC3-C6シクロアルキルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がシクロプロピルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がHであり、R3がシクロペンチルである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がCH3であり、R3がCH3である、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がC1-C4アルキルであり、R3がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がCH3であり、R3がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がC3-C6シクロアルキルであり、R3がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がシクロプロピルであり、R3がHである、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2がシクロペンチルであり、R3がHである、式(III)の化合物がある。
別の実施形態では、R2とR3が一体となって、5または6員の複素環を形成する、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2とR3が一体となって、5員の複素環を形成する、式(III)の化合物がある。別の実施形態では、R2とR3が一体となって、6員の複素環を形成する、式(III)の化合物がある。
別の態様において、本明細書には、式(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグが記載され、
式中、
R
1はそれぞれ独立して、ハロゲン、-OCF
3、-OCH
2F、-OCF
2H、-CF
3、非置換のC
1-C
6アルキル、非置換のC
1-C
6アルコキシ、非置換のフェニル、あるいは非置換のC
2-C
9ヘテロアリールであり、
R
6はH、非置換のC
1-C
6アルキル、-(CH
2)
mN(R
11)(R
12)、あるいは-(CH
2)
mOR
13であり、
R
9は非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
10はH、または非置換のC
1-C
4アルキルであり、
R
11はH、非置換のC
1-C
6アルキル、-C(=O)R
9、あるいは-S(=O)
2R
9であり、
R
12はHまたは非置換のC
1-C
6アルキルであり、
R
13はHまたは非置換のC
1-C
6アルキルであり、
mは2-4であり、および、
pは1-3である。
1つの実施形態では、R10がHである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R10が非置換のC1-C4アルキルである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R10が-CH3である、式(IV)の化合物がある。
別の実施形態では、R6がHである、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6が非置換のC1-C6アルキルである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH3である、式(IV)の化合物が提供される。別の実施形態において、R6が-CH2CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH(CH3)2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH2CH2CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH2CH(CH3)2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH2CH2CH2CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH2CH2CH(CH3)2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH2CH2CH2CH2CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH2CH2CH2CH(CH3)2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、R6が-CH2CH2CH2CH2CH2CH3である、式(IV)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態において、R6が-(CH2)mN(R11)(R21)である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R12がHである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R12が非置換のC1-C6アルキルである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R12が-CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R11がHである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R11が非置換のC1-C6アルキルである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R11が-CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R11が-C(=O)R19であり、R19が-CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-S(CH2)mN(R11)(R12)であり、R11が-S(=O)2R19であり、R19が-CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、mが2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、mが3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mN(R11)(R12)であり、mが4である、式(IV)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13であり、R13がHである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13であり、R13が非置換のC1-C6アルキルである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13であり、R13が-CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13であり、R13が-CH2CH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13であり、mが2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13であり、mが3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R6が-(CH2)mOR13であり、mが4である、式(IV)の化合物がある。
いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
である、式(IV)の化合物がある。いくつかの実施形態では、
別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-OCF3、-CF3、非置換のC1-C6アルキル、非置換のC1-C6アルコキシ、非置換のフェニル、あるいは非置換のC2-C9ヘテロアリールである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-OCF3、-CF3、非置換のC1-C6アルキル、非置換のC1-C6アルコキシ、または非置換のフェニルである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-OCF3、-CF3、非置換のC1-C6アルキル、非置換のC1-C6アルコキシ、または非置換のフェニルであり、pが3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R1がそれぞれ独立して、ハロゲン、-OCF3、-CF3、非置換のC1-C6アルキル、非置換のC1-C6アルコキシ、または非置換のフェニルであり、pが2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態では、R1がハロゲン、-OCF3、-CF3、非置換のC1-C6アルキル、非置換のC1-C6アルコキシ、または非置換のフェニルであり、pが1である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが3であり、R1がそれぞれ独立してハロゲンである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが2であり、R1がそれぞれ独立してハロゲンである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが2であり、R1がそれぞれ独立してFまたはClである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが2であり、R1がそれぞれFである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが2であり、R1がそれぞれ独立してClである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1がハロゲンである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1がFである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1がClである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1が非置換のC1-C6アルキルである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1がCH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1が非置換のC1-C6アルコキシである、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1が-OCH(CH3)2である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1が-OCH3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1が-OCF3である、式(IV)の化合物がある。別の実施形態において、pが1であり、R1が非置換のフェニルである、式(IV)の化合物がある。
別の実施形態において、以下から選択される化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグがある:
別の実施形態において、以下から選択される化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:
別の実施形態において、以下から選択される化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:
別の実施形態において、以下の構造を有する化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:
別の実施形態において、以下の構造を有する化合物あるいはその溶媒和物またはプロドラッグがある:
別の実施形態において、以下から選択される化合物あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグがある:
別の実施形態において、以下から選択される化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグがある:
ジューテリウム(Dまたは2H)は、水素の安定した非放射性の同位体であり、2.0144の原子量を持つ。水素は、同位元素1H(水素またはプロチウム)、D(2Hまたはジュウテリウム)およびT(3Hまたはトリチウム)の混合物として自然発生する。重水素の天然存在度は、0.015%である。通常、H原子を持つ化学化合物において、H原子は実際にHとDの混合物を表わし、約0.015%がDである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているジュウテリウム濃縮化合物は、ジュウテリウムでの交換プロトン、またはジュウテリウムに濃縮された出発物質および/または中間物による交換プロトン、によって達成される。
様々な変数について上に記載された基の任意の組み合わせが本明細書で企図される。
本明細書全体にわたって、安定した部分と化合物をもたらすように群とその置換基を選択することができる。
化合物のさらなる形態
本明細書に記載される化合物は、場合によっては、ジアステレオマー、エナンチオマー、あるいは他の立体異性の形態として存在することがある。本明細書で提示される化合物は、すべてのジアステレオマー形態、エナンチオマー形態、およびエピマー形態と、その適切な混合物とを含む。立体異性体の分離は、クロマトグラフィー、またはジアステレオマー形成、および再結晶化による分離、またはクロマトグラフィー、またはその任意の組み合わせによって実行可能である(Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, ”Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981、本開示のために参照により組み込まれる)。立体異性体は立体選択的な合成によっても得られることがある。
いくつかの状況において、化合物は互変異性体として存在することがある。互変異性体はすべて本明細書に記載される硬式内に含まれる。
本明細書に記載される方法と組成物は、結晶形態(多形体としても知られている)と同様に非晶形の使用を含んでいる。本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態をしていることがある。同様に、同じタイプの活性を有するこうした化合物の活性代謝物は、本開示の範囲内に含まれている。加えて、本明細書に記載される化合物は、非溶媒和形態だけでなく、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を含む溶媒和形態で存在することができる。本明細書に提示の化合物の溶媒和形態は、同様に本明細書で開示されるものとみなされる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物はプロドラッグとして調製されてもよい。「プロドラッグ」はインビボで親薬物に変換された薬剤を指す。プロドラッグは、状況によっては親薬物よりも投与すること簡単なことがあるので、多くの場合、有用である。プロドラッグは例えば経口投与によって生物が利用可能なこともあるが、親薬物はそうではない。プロドラッグはさらに、親薬物よりも医薬組成物中での溶解度が改善されている。プロドラッグの一例は、限定されないが、本明細書に記載される化合物となり、これは、水溶解性が移動度に有害である細胞膜への伝達を促すためにエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、水溶解性が有益な細胞の内部にいったん入ると、活性な部分であるカルボン酸へ代謝的に加水分解される。プロドラッグのさらなる例は、ペプチドが活性部分を暴露するために代謝される酸性基に結合した短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であってもよい。ある実施形態では、インビボ投与後、プロドラッグは、化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態に化学変換される。ある実施形態では、プロドラッグは、化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態へと1つ以上の工程またはプロセスによって酵素で代謝される。
プロドラッグを生成するために、活性な化合物は、インビボ投与後に再生成されるように修飾される。プロドラッグは、薬の代謝性安定性または輸送特性を変えるか、副作用または毒性を覆うか、薬物の風味を改善するか、あるいは薬物の他の特徴または特性を変えることを目的とすることができる。いくつかの実施形態において、薬力学的なプロセスとインビボでの薬物代謝についての知識のおかげで、いったん薬学的に活性な化合物が決定されると、化合物のプロドラッグが設計される。(例えば、Nogrady (1985) Medicinal Chemistry A Biochemical Approach, Oxford University Press, New York, pages 388-392; Silverman (1992), The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, Academic Press, Inc., San Diego, pages 352-401, Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985; Rooseboom et al., Pharmacological Reviews, 56:53*102, 2004; Miller et al., J. Med. Chem. Vol.46, no. 24, 5097-5116, 2003; Aesop Cho, ”Recent Advances in Oral Prodrug Discovery”, Annual Reports in Medicinal Chemistry, Vol. 41, 395-407, 2006を参照)
本明細書に記載される化合物のプロドラッグの形状は請求の範囲内に含まれるものであり、このプロドラッグはインビボで代謝されて、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を生成する。場合によっては、本明細書で記載される化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグであることがある。
プロドラッグはしばしば有用である。なぜなら、プロドラッグは、いくつかの状況では、親薬物よりも投与するのが簡単なことがあるからである。プロドラッグは例えば経口投与によって生物が利用可能なこともあるが、親薬物はそうではない。プロドラッグはさらに、親薬物よりも医薬組成物中での溶解度が改善されている。プロドラッグは、部位特異的な組織への薬物送達を増強する改質剤として使用されるために、可逆的な薬物誘導体として設計されることがある。いくつかの実施形態では、プロドラッグの設計は効果的な水溶解度を増大させる(例えば、Fedorak et al., Am. J. Physiol., 269:G210-218 (1995); McLoed et al., Gastroenterol, 106:405-413 (1994); Hochhaus et al., Biomed. Chrom., 6:283-286 (1992); J. Larsen and H. Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics, 37, 87 (1987); J. Larsen et al., Int. J. Pharmaceutics, 47, 103 (1988); Sinkula et al., J. Pharm. Sci., 64:181-210 (1975); T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; and Edward B. Roche, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987を参照。開示のためにすべてが本明細書に組み込まれる)。
本明細書に記載される化合物の芳香族環部分上の部位は様々な代謝反応の影響を受けやすく、ゆえに、ほんの一例としてハロゲンなどの芳香族環構造の適切な置換基の取り込みにより、この代謝経路を減少させるか、最小限に抑えるか、あるいは取り除くことができる。
本明細書に記載される化合物は同位体で(例えば放射性同位元素で)標識されるか、あるいは、限定されないが、発色団あるいは蛍光性部分、生物発光標識、光で活性化することができる標識または化学発光標識の使用を含む他の手段によって標識されてもよい。
本明細書に記載される化合物は同位体標識された化合物を含み、これは、1つ以上の原子が自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子と取り替えられるという事実を除けば、様々な式と構造において詳述されるものと同一である。本化合物に組み込むことが出来る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、および塩素の同位体であり、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Clなどである。本明細書に記載される特定の同位体で標識された化合物、例えば、3Hや14Cなどの放射性同位体が取り込まれた化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイで有用である。さらに、重水素(つまり2H)などの同位元素を用いる置換は、例えば、インビボの半減期の増加または投与条件の減少などの、より大きな代謝性安定性に起因する特定の治療上の利点を与えることができる。
追加の実施形態またはさらなる実施形態では、本明細書に記載される化合物は、生物への投与時に代謝されることで代謝産物が生成され、これを用いて望ましい治療効果を含む所望の効果を生み出す。
本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容可能な塩として形成されることもあれば、および/または、薬学的に許容可能な塩として使用されることもある。製薬的に許容可能な塩のタイプとしては、限定されないが、以下を含む。(1)化合物の遊離塩基形態を、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸などの薬学的に許容可能な無機酸と、または、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルフォン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸などと反応させることによって形成される酸付加塩;(2)親化合物中にある酸性の陽子が金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えば、マグネシウムまたはカルシウム)、アルミニウムイオンと取り替えられるときに形成される塩。場合によっては、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基と配位することもある。他の例では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、アルギニン、リジンなどのアミノ酸とともに塩を形成することがある。酸性の陽子を含む化合物とともに塩を形成するために使用される許容可能な無機塩基としては、限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
薬学的に許容可能な塩への言及が溶媒和物付加形態あるいはその結晶形、とりわけ、溶媒和物または多形体を含むことを理解されたい。溶媒和物は化学量論または非化学量論量のいずれかの溶媒を含み、水、エタノールなどのような薬学的に許容可能な溶媒を用いる結晶化のプロセスの間に形成されることがある。水和物は溶媒が水である場合に形成され、アルコラートは溶媒がアルコールの際に形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセスの間に都合よく調製または形成可能である。加えて、本明細書で提供される化合物は、溶媒和形態と同様に、非溶媒和形態でも存在し得る。一般的に、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法の目的のため、非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III)、あるいは(IV)の化合物などの本明細書に記載される化合物は、限定されないが、非晶形、粉砕形態、およびナノ粒子形態を含む様々な形態をしている。加えて、本明細書に記載される化合物は、多形体としても知られている結晶性形態を含んでいる。多形体は、化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む。多形体は通常、様々なX線回折パターン、融点、密度、硬度、水晶形状、光学的性質、安定性、および溶解性を有している。再結晶化溶媒、結晶速度、および保存温度のような様々な要因により、単結晶形態が支配的になることがある。
薬学的に許容可能な塩、多形体、および/または溶媒和物のスクリーニングおよび特徴づけは、限定されないが、熱分析、X線回折、分光法、蒸気収着、および顕微鏡検査法を含む様々な技術を駆使して実行されてもよい。熱分析方法は、限定されないが、多形性の遷移(polymorphic transitions)を含む熱化学分解または熱物理処理に対処しており、こうした方法は、多形体間の関係を分析するために、重量の損失を判定するために、ガラス転移温度を見つけるために、または賦形剤適合性研究のために使用される。上記方法は、限定されないが、示差走査熱量測定法(DSC)、変調性の示差走査熱量測定(MDCS)、熱重量分析法(TGA)、および温度比重測定法および赤外分析法(Thermogravi-metric and Infrared analysis)(TG/IR)を含む。X線回折法は、限定されないが、単結晶と粉末回折計とシンクロトロン源を含む。使用される様々な分光器の技術は、限定されないが、Raman、FTIR、UV-VIS、およびNMR(液体と固体の状態)を含む。様々な顕微鏡検査法技術は、限定されないが、偏光顕微鏡法、エネルギー分散型X線分析(EDX)を含む走査電子顕微鏡(SEM)、(気体または水蒸気大気中の)EDXを含む環境制御型走査電子顕微鏡、IR顕微鏡検査法、およびRaman顕微鏡検査法を含む。
本明細書全体にわたって、安定した部分と化合物をもたらすように群とその置換基を選択することができる。
化合物の合成
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物の合成は、化学の文献に記載される手段を用いて、本明細書に記載される方法を用いて、あるいはこれらの組み合わせによって達成される。さらに、本明細書に示される溶媒、温度、および他の反応条件は変動することもある
さらなる実施形態において、本明細書に記載される化合物、および様々な置換基を有する他の関連する化合物は、本明細書に記載される技術や材料、および、例えば、以下の文献に記載されるような当該技術分野で認識されている技術や材料を用いて合成される(:Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989);Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991), Larock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc.,1989), March, Advanced Organic Chemistry 4th Ed.,(Wiley 1992);Carey and Sundberg, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4th Ed., Vols.A and B (Plenum 2000,2001)、およびGreen and Wuts, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS 3rd Ed.,(Wiley 1999)(これら全ては、このような開示のための引用によって組み込まれる)である。
特定の化学用語
別段の定めのない限り、本明細書で使用される技術用語と科学用語は、本願の主題が属するものと一般に理解されるのと同じ意味を持っている。本明細書の用語に複数の定義がある場合、この項の定義が優先される。特許、特許出願、公開、および本明細書で引用される公開されたヌクレオチドとアミノ酸配列(例えばGenBankまたは他のデータベースで入手可能な配列)はすべて、参照により組み込まれる。URLまたは他のそのような識別子あるいはアドレスについて言及される場合、こうした識別子を変更することができ、かつインターネット上の特定の情報は現れたり消えたりし得るが、同等な情報をインターネット検索により発見できることを理解されたい。こうしたことに対する言及は、そのような情報の利用可能性や公的な普及を証拠づけるものである。
前述の一般的な記載と以下の詳細な記載が典型的かつ説明的なものに過ぎず、任意の本願の主題を限定するものではないことが理解されよう。本出願では、単数の使用は、特別に別記しない限り、複数を含む。明細書および添付の請求項内で用いられる通り、単数形「a」、「an」、および「the」は、その文脈が明確に他のことを定めていない限り、複数の指示対象を含む。本出願において、「または」の使用は特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含んでいる(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、限定的なものではない。
本明細書に使用される段落の見出しは、組織化するためのものに過ぎず、記載される主題を制限するものと解釈されてはならない。
標準的な化学用語の定義は、限定されないが、Carey and Sundberg ”ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TH ED.” Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New York.を含む参考資料で見られることもある。別段の定めのない限り、質量分光法、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組換DNA技術、および薬理学の従来の方法である。
特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載される分析化学、有機合成化学、および医薬品化学と製薬化学に関連して採用された命名法、およびこれらの検査法と技術は、当該技術分野で認識されているものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、薬剤の調整、処方、および、送達、ならびに、患者の処置に用いられ得る。標準的な技術は、組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、および、組織の培養と形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)に使用され得る。反応および精製の技術は、例えば、メーカーの仕様書のキットを用いて、または、当該技術で一般に遂行されるように、または、本明細書に記載されるように、行うことができる。前述の技術と手順は、一般に従来の方法で、および、本明細書全体にわたって引用・議論される様々な一般的かつ特定の文献に記載されるように、行うことができる。
本明細書に記載される方法と組成物は、本明細書に記載される特定の方法、プロトコル、細胞系統、構築物、および試薬に限定されず、そのようなものとして変わり得ることが理解されよう。さらに、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけを記載することを目的としており、本明細書に記載される方法、化合物、組成物の範囲を制限することを意図していない。
本明細書で使用されるように、C1-Cxは、C1-C2、C1-C3...C1-Cxを含む。C1-Cxは、それが指定する(任意の置換基以外)部分を構成する炭素原子数を指す。
「アルキル」基とは脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は、不飽和の単位を含むこともあれば含まないこともある。アルキル部分は「飽和アルキル」基であってもよく、このことはそれが不飽和(つまり炭素炭素二重結合または炭素炭素三重結合)の単位を含まないことを意味する。アルキル基はさらに「不飽和アルキル」部分であってもよく、このことはそれが少なくとも1単位の不飽和を含むことを意味する。アルキル部分は、飽和であれ不飽和であれ、分枝鎖、直鎖、または環状であってもよい。
「アルキル」基は、1~12の炭素原子を有し得る(本明細書ではいかなる場合も、「1~6」などの数的範囲は、指定された範囲の各々の整数を指し;例えば、「1~6の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、および最大6個の炭素原子を含むものから成り得ることを意味するが、本定義はまた、数の範囲が指定されない用語「アルキル」の発生も含む)。本明細書に記載される化合物のアルキル基は「C1-C6アルキル」または同様の命名として指定されてもよい。ほんの一例として、「C1-C6アルキル」は、アルキル鎖中に1~6つの炭素原子があること、すなわち、アルキル鎖が、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、ヘキシル、プロペン-3-イル(アリル)、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルからなる群から選択される。アルキル基は置換型または非置換型であり得る。アルキル基は、構造によって、モノラジカルまたはジラジカル(つまりアルキレン基)であり得る。
「アルコキシ」は「-O-アルキル」基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。
用語「アルケニル」は、アルキル基の最初の2つの原子が芳香族基の一部ではない二重結合を形成する、アルキル基の一種を指す。つまり、アルケニル基は、原子-C(R)=CR2で開始し、ここでRは、同じまたは異なり得る、アルケニル基の残りの部分を指す。アルケニル基の限定しない例としては、-CH=CH2、-C(CH3)=CH2、-CH=CHCH3、-CH=C(CH3)2および-C(CH3)=CHCH3が挙げられる。アルケニル部分は分枝鎖、直鎖、または環状であってもよい(いずれかの場合でも、それは「シクロアルケニル」基として知られる)。アルケニル基には2~6つの炭素を有することがある。アルケニル基は置換型または非置換型であり得る。アルケニル基は、構造によっては、モノラジカルまたはジラジカル(つまりアルケニレン基)であり得る。
用語「アルキニル」は、アルキル基の最初の2つの原子が三重結合を形成する、アルキル基の一種を指す。つまり、アルキニル基は、原子-C≡C-Rで始まり、ここでRは、アルキニル基の残りの部分を指す。アルキニル基の限定しない例としては、-C≡CH、-C≡CCH3、-C≡CCH2CH3および-C≡CCH2CH2CH3が挙げられる。アルキニル部分の「R」部分は分枝鎖、直鎖または環状であってもよい。アルキニル基は2~6つの炭素を有し得る。アルキニル基は置換型または非置換型であり得る。アルキニル基は、構造によっては、モノラジカルまたはジラジカル(つまりアルキニレン基)であり得る。
「アミノ」は-NH2基を指す。
用語「アルキルアミン」または「アルキルアミノ」は-N(アルキル)xHy基を指し、アルキルは本明細書に定義される通りであり、xとyはx=1、y=1、およびx=2、y=0から選択され、x=2の場合、アルキル基は、それらが結合している窒素と一緒に、随意に環状の環系を形成することができる。「ジアルキルアミノ」は、-N(アルキル)2基を指し、ここでアルキルは本明細書に定義される通りである。
用語「芳香族」とは、4n+2π電子(nは整数である)を含む、非局在化されたπ-電子系を有する平面環を指す。芳香族環は5、6、7、8、9、または9以上の原子から形成可能である。芳香族は随意に置換することができる。用語「芳香族」は、アリール基(例えば、フェニル、ナフタレニル)とヘテロアリール基(例えば、ピリジニル、キノリニル)の両方を含んでいる。
本明細書で使用されるように、用語「アリール」は、環を形成する原子の各々が炭素原子である、芳香族環を指す。アリール環は5、6、7、8、9、または9以上の炭素原子によって形成可能である。アリール基は随意に置換可能である。アリール基の例はフェニルとナフタレニルを含むが、これらに限定されない。構造によっては、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(つまりアリーレン基)であり得る。
用語「炭素環」は、環を形成する原子の各々が炭素原子である環を指す。炭素環はアリールまたはシクロアルキルでもよい。
「カルボキシ」は-CO2Hを指す。いくつかの実施形態では、カルボキシ部分は、「カルボン酸バイオ等配電子体(bioisostere)」と取り替えられることもあり、これは、カルボン酸部分として類似した物理的および/または化学的な性質を示す官能基または部分を指す。カルボン酸バイオ等配電子体はカルボン酸基と同様の生物学的特性を有している。カルボン酸部分を含む化合物は、カルボン酸部分をカルボン酸バイオ等配電子体と交換することができ、カルボン酸を含む化合物と比較して、同様の物理的および/または生物学的特性を有し得る。例えば、一実施形態では、カルボン酸バイオ等配電子体は、カルボン酸基とほぼ同じ程度まで生理的なpHでイオン化することになる。カルボン酸のバイオ等配電子体の例としては、限定されないが、以下を含む。
用語「シクロアルキル」とは、単環式または多環式の非芳香族ラジカルを指し、ここで、環を形成する原子(つまり骨格原子)の各々は炭素原子である。シクロアルキルは飽和されるか、または部分的に不飽和であり得る。シクロアルキルは芳香族環で縮合されることがある(その場合にはシクロアルキルは非芳香族環炭素原子によって結合する)。シクロアルキル基は、3~10の環状原子を有する基を含む。シクロアルキル基の説明的な例は、以下の部分を含むがこれらに限定されない:
「ヘテロアリール」あるいは代替的に「ヘテロ芳香族」との用語は、窒素、酸素、および硫黄から選択された1つ以上の環ヘテロ原子を含むアリール基を指す。Nを含む「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリール」部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子であるような芳香族基を指す。多環式のヘテロアリール基は縮合することもあれば縮合していないこともある。ヘテロアリール基の実例となる例は以下の部分を含んでいる:
「ヘテロシクロアルキル」基あるいは「ヘテロ脂環式」基とは、少なくとも1つの骨格環原子が窒素、酸素、および硫黄から選択されたヘテロ原子である、シクロアルキル基を指す。ラジカルはアリールまたはヘテロアリールで縮合されることがある。非芳香族複素環としても表される、ヘテロシクロアルキル基の説明的な例は、以下を含む。
ヘテロ脂環式との用語は、限定されないが、単糖類、二糖類、および少糖類を含む、炭水化物の環状形態もすべて含んでいる。特段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルは環の中に2~10の炭素を有している。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数を参照する際、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキル(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)を構成する原子(ヘテロ原子を含む)の総数と同じではないことに留意する。
用語「複素環」は、少なくとも1つの骨格環状原子が、窒素、酸素、および硫黄から選択される環を指す。複素環はヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルでもよい。
用語「ハロ」あるいは代替的に「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。
用語「ハロアルキル」は1つ以上のハロゲンで置換されるアルキル基を指す。ハロゲンは同じこともあれば異なることもある。ハロアルキルの非限定的な例としては、-CH2Cl、-CF3、-CHF2、-CH2CF3、-CF2CF3、-CF(CH3)3などが挙げられる。
「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」との用語は、1つ以上のフッ素原子で置換される、アルキルとアルコキシの基をそれぞれ含む。フルオロアルキルの非限定的な例としては、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CH2CF3、-CF2CF3、-CF2CF2CF3、-CF(CH3)3などが挙げられる。フルオロアルコキシ基の非限定的な例としては、-OCF3、-OCHF2、-OCH2F、-OCH2CF3、-OCF2CF3、-OCF2CF2CF3、-OCF(CH3)2などが挙げられる。
用語「ヘテロアルキル」とは、1つ以上の骨格鎖原子が炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、リン、シリコン、またはこれらの組み合わせから選択されている、アルキルラジカルを指す。ヘテロ原子はヘテロアルキル基の任意の内部位置に置かれることもある。例としては、限定されないが、-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH2-NH-OCH3、-CH2-O-Si(CH3)3、-CH2-O-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、および-CH=CH-N(CH3)-CH3が挙げられる。加えて、最大で2つのヘテロ原子は、一例として-CH2NH-OCH3、および-CH2O-Si(CH3)3などの連続することがある。ヘテロ原子の数以外に、「ヘテロアルキル」には1~6つの炭素原子を有することがある。
用語「結合」あるいは「単結合」とは、結合によって結合された原子がより大きな下部構造の一部であると考えられるときの2つの原子間あるいは2つの部分間の化学結合を指す。
用語「部分」は、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学的部分は、分子に埋め込まれたまたは付加された化学物質と認識されることが多い。
本明細書で使用されるように、単独で現れて数の指示のない置換基「R」は、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素によって結合)、およびヘテロシクロアルキルの中から選択された置換基を指す。
用語「随意に置換された」あるいは「置換された」とは、参照された基が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C1-C6アルキルアルキン、ハロ、アシル、アシルオキシ、-CO2H、-CO2-アルキル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、および、一置換と二置換のアミノ基(例えば、-NH2、-NHR、-N(R)2)とその保護された誘導体とを含むアミノから個々に独立して選択された1つ以上の追加の基で置換されてもよいことを意味する。一例として、随意の置換基はLsRsであり、ここで、各Lsは独立して、単結合、-O-、-C(=O)-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-NH-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-S(=O)2NH-、-NHS(=O)2-、-OC(O)NH-、-NHC(O)O-、-(C1-C6アルキル)-、または-(C2-C6アルケニル)-から選択され、および、Rsはそれぞれ、H、(C1-C6アルキル)、(C3-C8シクロアルキル)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、およびC1-C6ヘテロアルキルから独立して選択される。上記の置換基の保護誘導体を形成することがある保護基は、上のGreene and Wutsなどのソースで見られる。
本明細書に記載される方法および製剤は、結晶性形状(多形体としても知られる)、あるいは式(I)、(II)、(III)または(IV)の構造を有する化合物の薬学的に許容される塩、並びに同じ種類の活性を有するこれらの化合物の活性代謝物の使用を含む。いくつかの状況では、化合物は互変異性体として存在することがある。全ての互変異性体は、本明細書に示される化合物の範囲内に含まれる。加えて、本明細書に記載される化合物は、非溶媒和形態だけでなく、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を含む溶媒和形態で存在することができる。本明細書に提示の化合物の溶媒和形態は、同様に本明細書で開示されるものとみなされる。
「キット」および「製品」との用語は同義語として使用される。
用語「被験体」あるいは「患者」は哺乳動物と非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例は、限定されないが、哺乳動物のクラスの任意のメンバーを含んでいる:ヒト、チンパンジーのようなヒト以外の霊長類、および他の類人猿並びにサル類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物;ラット、マウスおよびモルモットなどの、げっ歯類を含む実験動物を含む。非哺乳動物の例は、限定されないが、鳥類、魚類などを含む。本明細書に提供される方法および組成物の1つの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
用語「疾患」または「疾病」は、本明細書に提供される化合物または方法による処置が可能な患者または被験体の状態、または健康状態を指す。実施形態において、疾患は、Olig2または異常なOlig2活性に関連する(例えば、それらにより引き起こされる)疾患である(例えば、脳癌、多形性神経膠芽腫、髄芽細胞腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、髄膜腫、乏突起神経膠腫、黒色腫、肺癌、乳癌、白血病、またはダウン症候群)。疾患、障害、または疾病の例は、限定されないが、脳癌、多形性神経膠芽腫、髄芽細胞腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、髄膜腫、乏突起神経膠腫、黒色腫、肺癌、乳癌、白血病、ダウン症候群、結腸直腸癌、乳頭様甲状腺癌、肝細胞癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、前頭側頭型認知症、クロイツフェルト-ヤコブ病、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、プリオン病、神経変性疾患、癌、心血管疾患、高血圧症、X症候群、うつ病、不安、緑内障、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)または後天性免疫不全症候群(AIDS)、神経変性、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知力改善、クッシング症候群、アジソン病、骨粗鬆症、虚弱、筋肉虚弱、炎症性疾患、変形性関節炎、関節リウマチ、喘息および鼻炎、副腎機能関連の病気、ウィルス感染、免疫不全、免疫調節、自己免疫疾患、アレルギー、創傷治癒、強迫行動、多剤耐性、中毒、精神病、食欲不振、カヘキシー、外傷後ストレス障害、手術後の骨折、医学的異化作用、主要な精神病性うつ病、軽度認知障害、精神病、認知症、高血糖症、ストレス障害、精神病治療薬により誘発される体重増加、せん妄、落ち込んだ患者の認知障害、ダウン症候群を患う個体の認知衰退、およびインターフェロン-アルファ治療に関連した精神病、慢性疼痛、胃食道逆流性疾患に関連した疼痛、産後精神病、産後うつ病、未熟児の神経学的障害、片頭痛、卒中、動脈瘤、脳動脈瘤(brain aneurysm)、脳動脈瘤(cerebral aneurysm)、脳発作、脳血管障害、虚血、血栓症、動脈塞栓症、出血、一過性脳乏血発作、貧血症、塞栓症、全身性の低潅流、静脈血栓症、関節炎、再潅流障害、皮膚疾患または疾病、ざ瘡、尋常性ざ瘡、毛孔性角化症、急性前骨髄性白血病、脱毛症、酒さ性ざ瘡、道化師様魚鱗癬、色素性乾皮症、角化症、神経芽細胞腫、進行性の化骨性線維異形成、湿疹、酒さ、日光による損傷(sun damage)、しわ、または表面的な疾病を含む。いくつかの例において、「疾患」または「条件」は癌を指す。さらにいくつかの例において、「癌」は、ヒト癌および癌腫、肉腫、腺癌、リンパ腫、白血病などであり、固形癌およびリンパ癌、腎臓、乳房、肺、膀胱、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、胃、脳、頭頸部、皮膚、子宮、睾丸、神経膠腫、食道、および肝細胞癌を含む肝臓の癌、B急性リンパ芽球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(例えば、バーキット、小細胞型、および大細胞型のリンパ腫)を含むリンパ腫、ホジキンリンパ腫、白血病(AML、ALL、およびCMLを含む)、または多発性骨髄腫を含む。
本明細書で使用されるように、用語「癌」は、白血病、癌腫および肉腫を含む、哺乳動物で見られる癌、新生物、または悪性腫瘍の全ての種類を指す。本明細書で提供される化合物または方法により処置され得る典型的な癌は、甲状腺、内分泌系、脳、乳房、子宮頚、結腸、頭頸部、肝臓、腎臓、肺、非小細胞肺、黒色腫、中皮腫、卵巣、肉腫、胃、子宮、または髄芽細胞腫の癌を含む。付加的な例は、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形性神経膠芽腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、癌、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前癌状態の皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、尿生殖器管癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、内分泌腺または外分泌膵臓の新生物、髄様甲状腺癌、甲状腺髄様癌、黒色腫、結腸直腸癌、乳頭様甲状腺癌、肝細胞癌、または前立腺癌を含む。
用語「白血病」は、造血器官の進行性の悪性疾患を広く表し、通常は白血球の歪んだ増殖および発達と、血液と骨髄におけるそれらの前駆体を特徴としている。白血病は通常、(1)急性または慢性疾患の持続時間および特徴;(2)関与する細胞のタイプ、すなわち脊髄性(骨髄性)、リンパ性(リンパ向性)、または単球性;および(3)白血病性、無白血性(亜白血病性)の血液における異常細胞の数の増加または非増加に基づいて、臨床的に分類される。本明細書に提供される化合物または方法により処置され得る典型的な白血病は例えば、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球溶血性(leukocythemic)白血病、好塩基性白血病、芽細胞白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、幹細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞白血病、血母細胞性(hemoblastic)白血病、血球芽細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ性白血病、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞白血病、骨髄巨核性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、脊髄性顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、前骨髄性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血症、または未分化細胞性白血病を含む。
用語「肉腫」は通常、胎児結合組織のような物質から構成され、且つ、原繊維性または均質な物質に埋め込まれた、ぎっしりと詰まった細胞で通常は構成される、腫瘍を指す。本明細書に提供される化合物または方法により処置され得る肉腫は、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、Abemethy肉腫、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞状軟部肉種、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルム腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、繊維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性の複数色素性出血性肉腫(idiopathic multiple pigmented hemorrhagic sarcoma)、B細胞の免疫芽球肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー星細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨肉腫、細網肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、または末梢血管拡張性肉腫を含む。
用語「黒色腫」は、皮膚と他の器官のメラニン細胞系から生じる腫瘍を意味するととらえられる。本明細書に提供される化合物または方法により処置され得る黒色腫は例えば、末端性黒子性黒色腫、無色性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング-パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子由来黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、爪下(subungal)黒色腫、または表在拡大型黒色腫を含む。
用語「癌腫」は、周囲の組織に浸透し、且つ転移を生じさせる傾向がある上皮細胞から構成された悪性新生物を指す。本明細書に提供される化合物または方法により処置され得る典型的な癌腫は例えば、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、細葉細胞癌、小葉癌、腺嚢癌腫、腺様嚢胞癌、腺癌(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質の癌腫、細気管支肺胞上皮癌、肺胞上皮細胞癌、基底細胞癌、基底細胞癌、類基底細胞癌、基底扁平細胞癌、細気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支癌、大脳様癌腫、胆管細胞癌、絨毛癌、膠様癌、コメド癌、子宮体部癌、篩状癌、鎧状癌腫、皮膚癌、円柱状癌腫、円柱細胞癌、腺管癌、硬性癌、胎児性癌、脳様癌、類表皮癌、腺上皮癌、外向発育癌、潰瘍癌、線維癌、ゼラチン状癌腫(gelatiniforni carcinoma)、膠様癌、巨細胞癌、巨大細胞癌、腺癌、顆粒膜細胞癌腫、毛母組織癌、血様癌、肝細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、硝子状癌、副腎様癌腫、小児胎児性癌、上皮内癌(carcinoma in situ)、表皮内癌、上皮内癌腫、Krompecher癌腫、Kulchitzky細胞癌、大細胞癌、レンズ様癌、レンズ状癌、脂肪腫様癌、リンパ上皮癌、髄様癌、髄様癌、黒色癌、軟性癌、粘液性癌腫、粘液分泌癌、粘液細胞癌、粘液性類表皮癌、粘液癌、粘液性癌、粘液腫状癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、骨様癌腫、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌腫、軟性癌、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌腫、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、バレイショ状癌、回転楕円面細胞癌腫、紡錘体細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌(squamous carcinoma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、ストリング癌腫(string carcinoma)、血管拡張癌、毛細血管拡張性癌腫、移行上皮癌、結節癌(carcinoma tuberosum)、結節癌(tuberous carcinoma)、疣状癌、または絨毛癌を含む。
「異常なOlig2活性に関連した癌」(本明細書で「Olig2関連性の癌」とも称される)は、異常なOlig2活性(例えば、突然変異したOlig2遺伝子)により引き起こされた癌である。Olig2関連性の癌は、脳癌、多形性神経膠芽腫、髄芽細胞腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、髄膜腫、乏突起神経膠腫、黒色腫、肺癌、乳癌、白血病、T細胞白血病を含み得る。
用語「処置する」、「処置すること」、または、「処置」は、本明細書で使用されるように、疾患または疾病を緩和するか、軽減するか、改善すること、追加の症状を防ぐこと、症状の根本的な原因を改善するか防ぐこと、疾患または疾病を阻害すること、例えば、疾患または疾病の進行を抑えること、疾患または疾病を和らげること、疾患または疾病の退行を引き起こすこと、疾患または疾病によって引き起こされた状態を和らげること、あるいは疾患または疾病の症状を予防的および/または治療的に止めることを含む。例えば、本明細書で提供される特定の方法は、癌の発生率を減少させること、および/または癌の寛解を引き起こすことにより癌を成功裡に処置する。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される特定の方法は、ダウン症候群の発生率を減少させること、ダウン症候群の1以上の症状を減少させること、またはダウン症候群の1以上の症状の重症度を低下させることにより、ダウン症候群を成功裡に処置する。
本明細書で使用されるように、特定の化合物または医薬組成物の投与による、特定の疾患、障害、または疾病の症状の寛解とは、化合物または組成物の投与に起因するまたは関連する、重症度の任意の減少、発症の遅れ、進行の遅れ、または持続時間の短縮(永久的であれ一時的であれ)を指す。
用語「調節する」とは、本明細書で使用されるように、ほんの一例として、標的の活性を阻害すること、または標的の活性を制限するか減少させることを含む、標的タンパク質の活性を変化させるために、直接的または間接的に標的タンパク質と相互に作用することを意味する。
本明細書で使用されるように、用語「モジュレーター」は標的の活性を変化させる化合物を指す。例えば、モジュレーターは、モジュレーターがない状態での活性の大きさと比較して、標的の特定の活性の大きさの増加と減少を引き起こし得る。ある実施形態では、モジュレーターは阻害剤であり、これは標的の1つ以上の活性の量を減少させる。ある実施形態では、阻害剤は標的の1つ以上の活性を完全に防ぐ。いくつかの実施形態において、Olig2モジュレーターは、細胞におけるOlig2の活性を低下させる化合物である。いくつかの実施形態において、Olig2疾患モジュレーターは、Olig2に関連した疾患(例えば、癌またはダウン症候群)の1以上の症状の重症度を低下させる化合物である。
本明細書に使用されるように、用語「標的活性」は、モジュレーターによって調節することができる生物活性を指す。ある典型的な標的活性はとしては、限定されないが、結合親和性、シグナル伝達、酵素活性、腫瘍の増殖、炎症または炎症に関連するプロセス、および、疾患または疾病に関連する1つ以上の症状の改善が挙げられる。
Olig2活性に関して、用語「阻害する」、「阻害すること」、または「阻害剤」は、本明細書で使用されるように、オリゴデンドロサイト転写因子2活性の阻害を指す。タンパク質阻害剤相互作用に関して、この用語は、阻害剤(例えば、Olig2阻害剤またはOlig2阻害化合物)が無い状態でタンパク質(例えばOlig2転写因子)の活性または機能に相対的なタンパク質の活性または機能に対し負に影響を及ぼす(例えば、減らす)(例えば、Olig2により調節された遺伝子転写を減らす)ことを意味する。いくつかの実施形態において、阻害は、疾患または疾患の症状の低減を指す。いくつかの実施形態において、阻害は、シグナル伝達経路またはシグナル経路の活性の低下(例えば、Olig2による転写調節またはOlig2により調節された転写に関する経路の減少)を指す。ゆえに、阻害は、少なくとも部分的に、部分的に、または完全に、刺激を遮断し、活性化を減らし、防ぎ、または遅延させ、あるいは、シグナル伝達、酵素活性、またはタンパク質(例えばOlig2)の量を不活性化し、脱感作し、または下方調節することを含む。いくつかの実施形態において、阻害はOlig2の阻害を指す。
本明細書で使用されるように、製剤、組成物あるいは成分に関して「許容可能な」との用語は、処置されている被験体の健康状態に持続的な有害作用を持たないことを意味する。
「薬学的に許容可能」によって、本明細書で使用されるように、化合物の生物学的活性または特性を抑制せず、かつ、比較的無毒である担体または希釈剤などの材料を指し、つまり、該材料は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、または、それが含まれる組成物の成分のいずれかに対しても有害なやり方で相互作用することなく、個体に投与される。
本明細書で使用されるように、用語「薬学的な組み合わせ」は、1つを超える有効成分の混合または併用に起因し、有効成分の固定されたおよび固定されていない組み合わせを含む製品を意味する。「固定的併用」という用語は、1つの活性成分、例えば式(I)、(II)、(III)、または(IV)および架橋剤が両方とも患者へ同時に単一体または用量の形態で投与されることを意味する。「非固定的併用」という用語は、1つの活性成分、例えば式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物および架橋剤が別個のものとして患者へ、特定の介在するタイムリミットを有さずに同時に、一斉にまたは連続して投与され、そうした投与により、患者の体内で2つの化合物の効果的なレベルがもたらされる。後者の用語はカクテル療法、例えば、3以上の活性成分の投与にも当てはまる。
「医薬組成物」という用語は、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤および/または賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、有機体への化合物の投与を促進する。化合物を投与する複数の技術が当該技術分野に存在し、これらは以下を含む:静脈内、経口、エアロゾル、非経口、経眼、肺、局所的な投与。
「有効な量」または「治療上有効な量」という用語は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の症状の1つ以上をある程度まで軽減する、投与されている薬剤または化合物の十分な量を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、または原因が減少および/または軽減され得るか、または、生物系の任意の他の所望の変化がもたらされ得る。例えば、治療用の「有効量」は、疾患の症状を臨床的に有意に減少させるのに必要とされる、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または((IV))の化合物を含む組成物の量である。任意の固体における適切な「有効な」量は、用量増加試験などの技術を使用して定められてもよい。
用語は「増強する」あるいは「増強すること」は、本明細書で使用されるように、効能または持続時間のいずれかにおいて所望の効果を増加させるか延ばすことを意味する。従って、治療薬の効果を増強することに関して、用語「増強すること」は、効力または持続時間のいずれかで、系に対する他の治療薬の効果を増加または延長する能力を指す。「増強させる有効な量」は、本明細書で使用されるように、所望の系において別の治療薬の効果を増強するのに十分な量を指す。
「接触すること」は、その単純な通常の意味に従って使用されるものであり、少なくとも2つの別の種(例えば、生体分子または細胞を含む化学化合物)が、反応、相互作用、または物理的接触を行うのに十分に隣接することを可能にするプロセスを指す。しかし、結果として生じた反応生成物は、追加の試薬間の反応から、または、反応混合物中に生成され得る追加の試薬の1以上の中間体から、直接生成され得る。 用語「接触すること」は、2つの種が反応、相互作用、または物理的接触を行うのを可能にすることを含み、ここで、2つの種は、本明細書に記載されるような化合物、およびタンパク質または酵素(例えばOlig2)であり得る。いくつかの実施形態において、タンパク質はOlig2でもよい。いくつかの実施形態において、「接触すること」は、本明細書に記載される化合物が、転写に関与するタンパク質または酵素と相互作用するのを可能にすることを含む。
用語「同時投与」などは、本明細書で使用されるように、一人の患者に対する選択された治療薬の投与を包含することを意味しており、同じあるいは異なる投与経路によって、または同じあるいは異なるときに薬剤が投与される治療レジメンを含むことを意図している。
用語「賦形剤」または「担体」は、本明細書で使用されるように、細胞または組織への化合物の組み込みを促進する、比較的に無毒な化学化合物または薬剤を表す。
用語「希釈剤」は、送達の前に所望の化合物を希釈するために使用される化合物を指す。希釈剤はまた、より安定した環境を提供できるので、化合物を安定させるために用いられることもある。緩衝液(pHの制御または維持をもたらし得る)中に溶解した塩は、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩溶液を含む当該技術分野の希釈剤として利用される。
本明細書で開示される化合物の「代謝産物」は、化合物が代謝される際に形成されるその化合物の誘導体である。用語「活性代謝物」は、化合物が代謝される時に形成される、化合物の生物学的に活性な誘導体を指す。用語「代謝される」とは、本明細書で使用されるように、特別の物質が生物により変化するプロセス(限定されないが、酵素により触媒される加水分解反応と反応を含む)の合計を指す。従って、酵素は、化合物への特定の構造的変化をもたらし得る。例えば、シトクロムP450は様々な酸化反応や還元反応を触媒するが、その一方でウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミン、および遊離スルフヒドリル基への活性化グルクロン酸分子の移動を触媒している。代謝についてのさらなる情報は、The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Edition, McGraw-Hill (1996)」から得られる。本明細書で開示される化合物の代謝物は、宿主への化合物の投与と宿主から採取した組織サンプルの解析により、または、肝細胞を用いた化合物のインビトロでのインキュベーションと得られた化合物の分析のいずれかによって、同定される。
「バイオアベイラビリティ」とは、本明細書で開示される化合物(例えば、式(I)、(II)、(III)、または(IV))の重量パーセントについて言及し、この化合物は研究される動物またはヒトの全身循環へ伝達される。静脈内に投与時の薬物の完全な曝露(AUC(0-∞))は一般に100%生物が利用可能である(F%)と定義される。「経口バイオアベイラビリティ」とは、本明細書で開示される化合物が、静脈内注射と比較して、医薬組成物が経口で摂取される際に全身循環へ吸収される程度を指す。
「血漿濃度」は、被験体の血液の血漿成分内における、本明細書で開示される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の濃度を指す。本明細書に記載される化合物の血漿濃度は、代謝および/または他の治療薬との起こり得る相互作用に対する可変性により、被験体間で著しく変動することがあることを理解されたい。本明細書で開示される1つの実施形態に合わせて、本明細書で開示される化合物の血漿濃度は被験体ごとに変動することがある。同様に、最大血漿濃度(Cmax)、または最大血漿濃度(Tmax)に達する時間、または血漿濃度時間曲線(AUC(0-∞))の下の総面積などの値は、被験体毎に変わることがある。この可変性により、化合物の「治療上有効な量」を構成するのに必要な量は、被験体毎に変動することがある。
本明細書で使用されるように、「寛解」とは、疾患または疾病の改善、あるいは少なくとも疾患または疾病に関連した症状の部分的な緩和を指す。
本明細書で使用されるように、「免疫細胞」は、免疫系の細胞、および免疫応答において機能または活動を実行する細胞を含み、限定されないが、T細胞、B細胞、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞、好中球、好酸球、好塩基球、肥満細胞、形質細胞、白血球、抗原提示細胞、およびナチュラルキラー細胞を含む。
処置方法
別の態様では、医薬組成物は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
別の態様では、細胞中のOlig2の活性を阻害するための薬物の製剤化のための、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、または薬学的に許容可能なプロドラッグの使用が提供される。該方法は、その実施形態を含む、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物に、細胞を接触させる工程を含む。
さらなる態様では、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む組成物を、それを必要としている被験体に投与する工程を含む、Olig2活性の阻害から利益を得ることになる被験体の疾患、障害、または疾病を処置する方法がある。いくつかの実施形態では、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む組成物を、それを必要としている被験体に投与する工程を含む、Olig2活性の阻害から利益を得ることになる被験体の疾患、障害、または疾病を処置する方法があり、疾患は癌またはダウン症候群である。
別の態様では、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む組成物を、それを必要としている被験体に投与する工程を含む、被験体の疾患を処置する方法があり、疾患は癌またはダウン症候群である。いくつかの実施形態では、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む組成物を、それを必要としている被験体に投与する工程を含む、被験体の癌を処置する方法がある。いくつかの実施形態では、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む組成物を、それを必要としている被験体に投与する工程を含む、被験体のダウン症候群を処置する方法がある。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを含む組成物を、それを必要としている被験体に投与する工程を含む、被験体の癌を処置する方法があり、ここで、癌は脳癌、多形神経膠芽腫、髄芽腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、髄膜腫、希突起神経膠腫、黒色腫、肺癌、乳癌、または白血病である。
別の態様では、細胞中のOlig2の活性を阻害する方法であって、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグに、細胞を接触させる工程を含む、細胞中のOlig2の活性を阻害する方法がある。
別の態様では、Olig2活性の阻害から利益を得ることになる疾患、障害、または疾病の処置のための薬物の製造における、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグの使用がある。
1つの態様において、本明細書には、本明細書で提供される有効な量の化合物、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。さらなる態様において、第2の薬学的に活性な成分をさらに含む組成物が提供される。
特定の実施形態において、本明細書には医薬組成物が提供され、該医薬組成物は、i)生理学的に許容可能な担体、希釈剤、および/または賦形剤;ii)本明細書に記載される1以上の化合物と、を含む。
前述の態様のいずれかにおいて、本明細書に開示される有効な量の化合物の単回投与を含むさらなる実施形態であって、該実施形態はさらに、(i)式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物が一度投与され、(ii)式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物が1日にわたって複数回哺乳動物に投与され、(iii)断続的に投与され、または(iv)継続的に投与される、さらなる実施形態を含む。
前述の態様のいずれかにおいて、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の有効な量の化合物の複数回投与を含むさらなる実施形態であって、さらに、(i)式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物が単一用量で投与され、(ii)複数回投与の間隔が6時間ごとであり、(iii)式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物が8時間毎に哺乳動物に投与される、さらなる実施形態を含む。追加のまたは代替的な実施形態では、上記方法は休薬日を含み、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の投与は一時的に停止され、あるいは、式(I)、(II)、(III)、または(IV)化合物の投与は一時的に減らされ、休薬日の終わりに、式(I)、(II)、(III)、または(IV)化合物の投与が再開される。休薬日の長さは2日から1年まで変動する場合がある。
1つの態様において、本明細書に記載される化合物はヒトに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は、経口で投与される。
医薬組成物および投与方法の例
医薬組成物は、薬学的に使用可能な調製物への活性化合物の処理を促す賦形剤と助剤を含む、1つ以上の生理学的に許容可能な担体を使用して、従来のやり方で処方されてもよい。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。本明細書に記載される医薬組成物に適切な賦形剤に関するさらなる詳細は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)(Lippincott Williams & Wilkins1999)で見ることができ、これらの文献は、開示のために引用することで本明細書に組み込まれる。
本明細書で用いられる通り、医薬組成物は、本明細書で用いられる式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤および/または賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、有機体への化合物の投与を促進する。本明細書で提供される処置方法または使用方法を行う際に、本明細書に記載される治療上有効な量の化合物は、処置される疾患、障害、または、疾病を抱える哺乳動物に医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。特定の実施形態において、治療上有効な量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の力価、および、他の因子に依存して変化する。式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、単独で、または、(併用療法などで)混合物の成分として1以上の治療剤と組み合わせて、使用される。
本明細書に記載される医薬製剤は、限定されないが、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、頬側、局所的、直腸、または経皮的な投与経路を含む、複数の投与経路によって被験体に投与可能である。さらに、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を含む、本明細書に記載される医薬組成物は、限定されないが、水溶性の経口分散剤、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、懸濁液、噴霧剤、制御放出製剤、速溶製剤、発泡製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、粉末、丸剤、糖衣錠、カプセル、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多微粒子製剤、並びに混合された即時放出兼制御放出製剤を含む、任意の好適な剤形に製剤可能である。
全身方法よりも、局所方法で、例えば、頻繁にデポ製剤または徐放製剤で、器官または組織への化合物の直接注入を介して、化合物および/または組成物が投与され得る。そのような長時間作用型の製剤は、移植によって(例えば皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与されてもよい。更に、標的とされた薬物送達システムにおいて、例えば、臓器特異的抗体(organ-specific antibody)に覆われたリポソームにおいて、薬物が投与され得る。リポソームは、臓器の標的とされ、臓器によって選択的に取り込まれる。加えて、薬物は、迅速な放出製剤の形態で、持続放出製剤の形態で、または中間の放出製剤の形態で、提供されることがある。
本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、ほんの一例として、従来の混合、溶解、粒状化、ドラジェ製造、粉末化、乳化、カプセル化、封入、または圧縮のプロセスなどによって従来のやり方で製造され得る。
医薬組成物は、遊離酸または遊離塩基の形状、あるいは薬学的に許容される塩の形状の活性成分として、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の少なくとも1つを含む。加えて、本明細書に記載される方法と医薬組成物は、同じタイプの活性を有するこうした化合物の活性代謝物と結晶形態(多形体としても知られている)の使用を含んでいる。いくつかの状況で、化合物は互変異性体として存在することがある。全ての互変異性体は、本明細書に示される化合物の範囲内に含まれる。さらに、本明細書に記載される化合物は、非溶媒和形態だけでなく、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を備えた溶媒和形態で存在することができる。本明細書に提示の化合物の溶媒和形態は、同様に本明細書で開示されるものとみなされる。
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物は、微生物活性を阻害するために1つ以上の保存剤をさらに含むこともある。適切な保存剤は、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、および塩化セチルピリジウムなどの四級アンモニウム化合物を含む。
経口使用のための医薬組成物は、1つ以上の固形賦形剤を、本明細書に記載される1つ以上の化合物(例:式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物)と混合して、随意に、得られた混合物を粉砕し、および、錠剤、丸剤、またはカプセルを得るために必要に応じて適切な助剤を加えた後に顆粒の混合物を処理することによって得られる。適切な賦形剤は、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物;または、ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)あるいはリン酸カルシウムなどの他のものを含む。必要に応じて、架橋したクロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、または、アルギン酸あるいはアルギン酸ナトリウムなどのその塩といった崩壊剤が加えられることもある。
ドラジェ・コアには適切なコーティングが施される。この目的のために、濃縮された砂糖水が使用されてもよく、これは随意にアラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含むことがある。染料または色素は、同定のために、または、活性化合物の用量の異なる組み合わせを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠のコーティングに加えられてもよい。
経口で使用可能な医薬品は、ゼラチンから作られた押し込み型のカプセル剤と、グリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤やゼラチンから作られたソフトな密閉カプセルを含む。押し込み型のカプセル剤は、ラクトースのような充填剤、デンプンなどの結合剤、および/または、滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および随意に安定化剤と混合して、活性成分を含み得る。ソフトカプセル剤において、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体のポリエチレングリコールなどの、適切な液体中に溶解または懸濁され得る。加えて、安定剤を加えてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される固体の剤形は、錠剤(懸濁液錠剤、速溶製剤、咬傷崩壊性の錠剤、急速崩壊性の錠剤、発泡錠、またはカプレットを含む)、丸剤、粉末(無菌の包装された粉末、分注可能な粉末、または発泡粉末を含む)、カプセル(ソフトカプセルまたはハードカプセルの両方を含む、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作られたカプセル、または、「散布式カプセル(sprinkle capsule)」)、固体分散体、固溶体、生体内分解性の剤形、制御放出製剤、パルス放出剤形、多粒子剤形、ペレット剤、顆粒、またはエアロゾルの形態であってもよい。他の実施形態において、医薬製剤は、粉末剤の形態である。また他の実施形態において、医薬製剤は、限定されないが速溶錠剤を含む錠剤の形態である。さらに、本明細書に記載される化合物の医薬製剤は単一のカプセルとして、または複数のカプセル剤形で投与され得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤は、2、3、または4つのカプセルまたは錠剤で投与される。
いくつかの実施形態において、固体の剤形、例えば、錠剤、発泡錠剤、およびカプセルは、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の粒子を、1つ以上の医薬賦形剤と混合して調整され、これによりバルク混合組成物が形成される。これらバルク混合組成物を均質と呼ぶ場合、それは本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の粒子が組成物中において均一に分散していることを意味し、このため、組成物は錠剤、丸剤、およびカプセル等の同様に効果的な単位用量形態へと分割されることが可能である。個々の単位投与量は、経口摂取あるいは希釈剤との接触後に崩壊する、フィルムコーティングをさらに含み得る。こうした製剤は、従来の薬理学的技術によって製造され得る。
本明細書に記載される薬学的な固体の剤形は、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物と、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤、例えば、適合性担体、結合剤、充填剤、懸濁剤、香味料、甘味料、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色料、希釈剤、可溶化剤、保湿剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、抗酸化物質、防腐剤、または1つ以上のそれらの組み合わせを含む。さらに別の態様では、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Edition (2000)に記載される手順などの標準的なコーティング手順を使用して、本明細書に記載される化合物の製剤のまわりにフィルムコーティングが施される。1つの実施形態において、本明細書に記載される化合物の粒子の一部またはすべてがコーティングされる。別の実施形態では、本明細書に記載される化合物の粒子の一部またはすべてがマイクロカプセル化される。さらに別の実施形態では、本明細書に記載される化合物の粒子はマイクロカプセル化されず、コーティングされない。
本明細書に記載される固体の剤形で使用される適切な担体は、限定されないが、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、バクガデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼイン酸ナトリウム、ダイズレシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラギーナン、モノグリセリド、ジグリセリド、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートステアラート、スクロース、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトールなどを含む。
本明細書に記載される固体の剤形で使用される適切な充填剤は、限定されないが、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストラート、デキストラン、デンプン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートステアラート(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどを含む。
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を、固体の剤形マトリックスから可能な限り効率的に放出するために、とくに剤形が結合剤で圧縮される場合に、崩壊剤がしばしば製剤中で使用される。崩壊剤は、水分が剤形中に吸収される際に、膨張または毛細管作用によって剤形マトリクスを破裂するのを助ける。本明細書に記載される固体の剤形における使用に適切な崩壊剤は、限定されないが、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンなどの天然のデンプン、National 1551またはAmijel(登録商標)などのα化デンプン、または、Promogel(登録商標)あるいはExplotab(登録商標)などのナトリウムデンプングリコラート、セルロース、例えば、木製品、メチル結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Min Tia(登録商標)、および、Solka-Floc(登録商標))、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロース(架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロースなど)、ナトリウムデンプングリコラートなどの架橋デンプン、クロスポビドンなどの架橋ポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸の塩などのアルギン酸塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの粘土、ゴム、例えば、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、またはトラガント、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然のスポンジ、界面活性剤、陽イオン交換樹脂のような樹脂、柑橘類の果肉、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウムなどを含む。
結合剤は固体の経口剤形製剤に粘着性を与え、粉末を充填したカプセル製剤について、結合剤は、ソフトシェルまたはハードシェルのカプセルに充填され得る栓の形成を助け、および錠剤の製剤について、結合剤は、圧縮後に錠剤を確実に未変化のまま残るようにし、圧縮または充填の工程前に混合均一性を確実なものとする。本明細書に記載される固体剤形の結合剤の使用に適した材料は、限定されないが、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロースUSP Pharmacoat-603、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアラート(Aqoate HS-LFおよびHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、および微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、微結晶性デキストロース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、多糖類酸、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、α化デンプン、トラガント、デキストリン、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))などの糖、グルコース、デキストロース、モラセス、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、ラクトース、などの天然か合成ゴム、アカシア、トラガント、ガッティガム、イサポール皮(isapol husks)の粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン(例えば、Povidone(登録商標) CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL-10、およびPovidone(登録商標)K-12)、カラマツアラビノガラクタン、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウムなどを含む。
一般に、20-70%の結合剤レベルが粉末で充填されたゼラチンカプセル製剤中で使用される。錠剤製剤における結合剤の使用レベルは、直接圧縮、湿式造粒法、ローラー圧縮、または、それ自体が中程度の結合剤として作用し得る充填剤などの他の賦形剤の使用のいずれかで、異なる。いくつかの実施形態では、調合剤は製剤のための結合剤レベルを決定し、錠剤製剤中で最大で70%の結合剤使用レベルが一般的である。
本明細書に記載される固体の剤形における使用に適切な潤滑剤または流動促進剤は、限定されないが、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ナトリウムステアリルフマレート、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、例えば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコールまたはメトキシポリエチレングリコール(Carbowax(商標)、PEG4000、PEG5000、PEG6000など)、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベへン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、マグネシウム、またはラウリル硫酸ナトリウムなどを含む。
本明細書に記載される固体の剤形で使用される適切な希釈剤としては、限定されないが、糖(ラクトース、スクロース、およびデキストロースを含む)、多糖類(デキストラートとバクガデキストリンを含む)、ポリオール(マンニトール、キシリトール、およびソルビトールを含む)、シクロデキストリンなどが挙げられる。
本明細書に記載される固体の剤形における使用に適切な湿潤剤は、例えば、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、四級アンモニウム化合物(例えば、Polyquat 10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムドクセート、トリアセチン、ビタミンE TPGSなどを含む。
本明細書に記載される固体の剤形における使用に適切な界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート、ポロクサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)などを含む。
本明細書に記載される固体の剤形で使用するのに適切な懸濁剤としては、限定されないが、ポリビニルピロリドン(例えばポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは約300~約6000、約3350~約4000、または約5400~約7000の分子量を有する)、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(S630)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゴム(例えば、トラガカントゴムおよびアカシアゴム、グアーゴム、キサンタンゴムを含むキサンタンなど)、砂糖、セルロース系のもの(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)、ポリソルベート80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポビドンなどが挙げられる。
本明細書に記載される固体の剤形で使用される適切な抗酸化剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロール(BHT)などが挙げられる。
本明細書に記載される固体の剤形で使用される添加剤にはかなりの重複がある。したがって、上記の列挙された添加剤は、本明細書に記載される医薬組成物の固体の剤形に含むことができる添加剤のタイプの単なる例証的なものに過ぎず、限定的であると解釈されてはならない。
他の実施形態では、医薬製剤の1つ以上の層が可塑化される。例示的に、可塑剤は一般的に高沸点の固体または液体である。適切な可塑剤は、コーティング組成物の約0.01重量%乃至約50重量%(w/w)まで加えられ得る。可塑剤は、限定されないが、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、トリアセチン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸、ステアロール、ステアレート、およびヒマシ油を含む。
圧縮錠剤は、上に記載された製剤の大量の混合物の圧縮により調製された固体の剤形である。様々な実施形態において、口の中で溶解するよう設計される圧縮錠剤は、1以上の香味料を含む。他の実施形態において、圧縮錠剤は、最終的な圧縮錠剤を囲むフィルムを含む。いくつかの実施形態において、フィルムコーティングにより、製剤からの、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の放出を遅延させることができる。他の実施形態において、フィルムコーティングは、患者のコンプライアンスを支援する(例えば、Opadry(登録商標)コーティング、または糖衣)。Opadry(登録商標)を含むフィルムコーティングは典型的に、約1%から約3%までの錠剤重量の範囲にある。他の実施形態において、圧縮錠剤は1以上の賦形剤を含む。
カプセルは、例えば、カプセルの内部に、上に記載された化合物の製剤の大量の混合物を配することにより調製され得る。いくつかの実施形態において、製剤(非水性の懸濁液および溶液)は、ソフトゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態において、製剤は、HPMCを含むカプセルなどの、標準的なゼラチンカプセルまたは非ゼラチンカプセルに入れられる。他の実施形態において、製剤はスプリンクルカプセルに入れられ、ここで、カプセルはすべて呑み込まれ得るか、または、カプセルが開かれ、内容物を食事前に食物に散布されてもよい。いくつかの実施形態において、治療用量は、複数の(例えば2、3、または4の)カプセルに分けられる。いくつかの実施形態において、製剤の全用量は、カプセル形態で送達される。
様々な実施形態において、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物と1以上の賦形剤の粒子が乾燥混合されて錠剤等の塊に圧縮され、この塊は、経口投与後約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、または約60分未満以内に実質的に分解し、これにより製剤を胃腸液に放出する医薬組成物を提供するのに十分な硬度を有する。
別の態様では、剤形はマイクロカプセル化された製剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の他の互換性をもつ材料が、マイクロカプセル化材料の中に存在する。典型的な材料は、限定されないが、pH調整剤、侵食促進剤、消泡剤、抗酸化剤、香味料、および、結合剤、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、および希釈剤などの担体材料を含む。
本明細書に記載されるマイクロカプセル化に役立つ材料は、他の互換性をもたない賦形剤から化合物を十分に単離する、本明細書に記載される化合物と互換性をもつ材料を含む。本明細書に記載される化合物と適合する材料は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の放出のインビボでの放出を遅らせるものである。
本明細書に記載される化合物を含む製剤の放出を遅らせるのに有用な例示的なマイクロカプセル化材料は、限定されないが、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)(Klucel(登録商標)またはNisso HPC、低置換ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L-HPC)など)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)(Seppifilm-LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)-E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824、およびBenecel MP843など)、メチルセルロースポリマー(Methocel(登録商標)-A、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアラートAqoat(HF-LS、HF-LG、HF-MS)、およびMetolose(登録商標)など)、エチルセルロース(EC)およびその混合物(E461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)-EC、Surelease(登録商標)など)、ポリビニルアルコール(PVA)(Opadry AMBなど)、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol(登録商標)など)、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)の塩(Aqualon(登録商標)-CMCなど)、ポリビニルアルコールとポリエチレングリコールのコポリマー(Kollicoat IR(登録商標)など)、モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、加工食物デンプン、アクリルポリマーおよびアクリルポリマーとセルロースエーテルとの混合物(Eudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)L30D-55、Eudragit(登録商標)FS 30D、Eudragit(登録商標)L100-55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)RD100、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)L12.5、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)NE30D、およびEudragit(登録商標)NE 40Dなど)、酢酸フタル酸セルロース、セプフィルム(sepifilms)(HPMCとステアリン酸の混合物など)、シクロデキストリン、およびこれら材料の混合物を含む。
さらに別の実施形態では、ポリエチレングリコール、例えば、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 1450、PEG 3350、PEG 800、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、およびトリアセチンなどの可塑剤はマイクロカプセル化材料に組みこまれる。他の実施形態において、医薬組成物の放出を遅らせるのに有用なマイクロカプセル化材料は、USPまたは国民医薬品集(NF)からのものである。また他の実施形態において、マイクロカプセル化材料はKlucelである。また他の実施形態において、マイクロカプセル化材料はmethocelである。
本明細書に記載されるマイクロカプセル化された化合物は、例えば、噴霧乾燥プロセス、回転ディスク溶媒プロセス、熱溶媒プロセス、噴霧低温化方法、流動床、静電沈着、遠心押出し、回転懸濁液分離、液体-ガスまたは固体-ガスの境界面での重合、圧力押し出し、または噴霧式溶媒抽出浴などを含む方法によって製剤化されてもよい。これらに加え、様々な化学技術、例えば、複合コアセルベーション、溶解蒸発、ポリマー-ポリマーの不適合性、液体培地中の界面重合、インサイツの重合、液中乾燥法、および液体培地中の脱溶媒和も、使用され得る。さらに、ローラー圧縮、排出/球形化、コアセルベーション、またはナノ粒子コーティングなど他の方法も使用してもよい。
さらに別の実施形態では、発泡粉末も本開示に合わせて調製される。発泡塩は、経口投与向けに水中で薬を分散させるために使用されてきた。発泡塩は、通常は重炭酸ナトリウム、クエン酸、および/または酒石酸で構成される、乾燥混合物中に薬剤を含む果粒剤または粗粉である。こうした塩が水に加えられると、酸と塩基は反応して炭酸ガスを遊離し、それによって「泡立ち」を引き起こす。発泡塩の例は、例えば以下の成分を含む:重炭酸ナトリウム、または重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合物、クエン酸および/または酒石酸。成分が医薬的用途に適しており、且つ結果として約6.0以上のpHをもたらす限り、二酸化炭素の遊離を結果的にもたらす任意の酸-塩基の組み合わせは、重炭酸ナトリウム、クエン酸、および酒石酸の組み合わせの代わりに使用され得る。
他の実施形態では、本明細書に記載される化合物を含む本明細書に記載される製剤は、固体分散体である。例えば、こうした固体分散体を生成する方法は、限定されないが、米国特許第4,343,789号、第5,340,591号、第5,456,923号、第5,700,485号、第5,723,269号、および米国特許公報第2004/0013734号を含む。また他の実施形態において、本明細書に記載される製剤は固溶体である。固溶体は、活性薬剤と他の賦形剤と共に物質を組み込み、それにより、混合物が加熱され、その結果薬物の溶解が生じ、結果として生じた組成物はその後に冷却されることで、さらに処方され、カプセルに直接加えられ、あるいは錠剤へと圧縮され得る固形混合物をもたらす。そのような固溶体を生成する方法は、限定されないが、例えば、米国特許4,151,273号、第5,281,420号、および第6,083,518号を含む。
本明細書に記載される化合物を含む、本明細書に記載の製剤を含む薬学的な固体の経口剤形は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の制御放出をもたらすようにさらに製剤可能である。制御放出とは、本明細書に記載される化合物が長期間にわたって所望のプロファイルにしたがって組みこまれる剤形からの上記化合物の放出を指す。制御放出特性は、例えば、持続放出、長期放出、パルス放出、および遅延放出の特性を含む。即時放出組成物とは対照的に、制御放出組成物は、あらかじめ定められた特性に従って、長期間にわたる被験体への薬剤の送達を可能にする。そのような放出速度は、長期間、治療上有効なレベルの薬剤を提供し、その結果として、より長期間の薬理反応を提供し、一方で、従来の急速放出剤形と比較して、副作用を最小限に抑える。こうした長期間の反応により、対応する短時間作用性の即時放出調合剤では達成されない多くの固有の利益がもたらされる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体の剤形は、腸溶性コーティングを施された遅延放出経口剤形として、つまり、胃腸管の小腸での放出に影響を与えるために腸溶コーティングを利用する本明細書に記載されるような医薬組成物の経口剤形として)製剤化可能である。腸溶コーティングした剤形は、活性成分および/または他の組成成分の果粒剤、粉末、ペレット、ビーズ、または微粒子(それ自体がコーティングされるまたはコーティングされない)を含む、圧縮された、成型された、または押し出し加工された錠剤/モールド(コーティングされたまたはコーティングされていない)であり得る。腸溶コーティングした経口剤形は、固形の担体のペレット、ビーズ、または顆粒を含むカプセル(コーティングされたまたはコーティングされていない)、および/または、組成物(それ自体がコーティングされるまたはコーティングされない)であり得る。
本明細書で使用されるような「遅延放出」との用語は、遅延放出の変化がなかったならば放出が達成されていたであろう位置よりも遠位にある胃腸管の一般に予測可能な位置で達成可能であるような送達を指す。いくつかの実施形態において、放出の遅延の方法は、コーティングである。全コーティングが約5よりも下のpHでは胃腸液に溶けないが5以上のPHで溶けるように、任意のコーティングは十分な厚みに塗られなければならない。コーティングは、以下のものから作られ得る。
アクリルポリマー。アクリルポリマーのパフォーマンス(主として生体液中での可溶性)は、置換の程度およびタイプに基づいて異なり得る。適切なアクリルポリマーの例は、メタクリル酸コポリマーおよびアンモニウムメタクリル酸塩コポリマーを含む。EudragitシリーズE、L、S、RL、RS、およびNE(Rohm Pharma)は、有機溶媒、水分散液、または乾燥粉末中で可溶化されるように、利用可能である。EudragitシリーズRL、NE、およびRSは胃腸管では不溶性であるが透過性であり、主として結腸の標的化に使用される。Eudragitシリーズ(E)は胃で溶ける。EudragitシリーズL、L-30D、およびSは胃では不溶性であり、腸で溶ける。
セルロース誘導体。適切なセルロース誘導体の例は次のとおりである:エチルセルロース;無水フタル酸を備えたセルロースの部分的な酢酸塩エステルの反応混合物。その性能は、置換の程度およびタイプによって異なることがある。酢酸フタル酸セルロース(CAP)はpH>6で溶ける。Aquateric(FMC)は、水性ベースの系であり、<1μmの粒子を用いる噴霧乾燥させたCAP偽ラテックス(psuedolatex)である。Aquateric中での他の成分はプルロニック、トゥイーン、および、アセチル化モノグリセリドを含み得る。他の適切なセルロース誘導体は以下を含む:酢酸セルローストリメリテート(Eastman);メチルセルロース(Pharmacoat、Methocel);ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP);ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート(HPMCS);および、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(例えば、AQOAT(Shin Etsu))。その性能は、置換の程度およびタイプによって異なることがある。例えば、HPMCP、例えば、HP-50、HP-55、HP-55S、HP-55Fのグレードが適切である。その性能は、置換の程度およびタイプによって異なることがある。例えば、適切なグレードのヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートは、限定されないが、pH5で溶けるAS-LG(LF)、pH5.5で溶けるAS-MG、およびそれよりも高いpHで溶けるAS-HG(HF)を含む。これらのポリマーは水性の分散液のための顆粒剤または微粉末として提示される;
ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)。PVAPはpH>5で溶け、水蒸気と胃液には対してはさほど浸透性がない。
いくつかの実施形態において、コーティングは、可塑剤、および、着色剤、タルク、および/またはステアリン酸マグネシウムなどの他の可能なコーティング賦形剤を含有し得、およびそれらを通常は含有している。適切な可塑剤はクエン酸トリエチル(Citroflex 2)、トリアセチン(三酢酸グリセリン)、クエン酸アセチルトリエチル(Citroflec A2)、カーボワックス400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、トリブチル・クエン酸塩、アセチル化されたモノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコールおよびフタル酸ジブチルを含んでいる。陰イオンのカルボキシル基のアクリルポリマーは、通常、可塑剤、とりわけフタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、およびトリアセチンの10-25重量%を含む。スプレーまたはパンコーティングのような従来のコーティング技術はコーティングを施すために使用される。コーティングの厚みは腸管での局所的な送達の所望の部位に到達するまで、経口剤形が完全なままであることを保証するために、十分なものでなければならない。
着色剤、デタッキファイヤー(detackifiers)、界面活性剤、消泡剤、潤滑剤(例えば、ブラジルロウヤシのロウまたはPEG)は、コーティング材料を可溶性にするか分散させるために、かつコーティング性能とコーティングされた生成物を改善するために、可塑剤に加えてコーティングに加えられることがある。
他の実施形態において、本明細書に記載される製剤は、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を含み、パルス剤形を用いて送達される。パルス剤形は、制御された遅延時間後のあらかじめ決められた時点、または特定の部位で、1つ以上の即時放出パルスを提供することができる。パルス剤形は、限定されないが米国特許第5,011,692号;第5,017,381号;第5,229,135号;第5,840,329号;第4,871,549号;第5,260,068号;第5,260,069号;第5,508,040号;第5,567,441号、および第5,837,284号に記載されるものを含む、様々なパルス製剤を使用して投与されてもよい。。
他の多くのタイプの制御放出系は本明細書に記載される製剤とともに使用するのに適している。こうした送達システムの例としては、例えば、ポリ乳酸とポリグリコール酸、ポリ酸無水物、およびポリカプロラクトンのようなポリマーベースの系;多孔性のマトリックス、ステロール、例えば、コレステロール、コレステロールエステル、および脂肪酸、または中性脂肪、例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドなどの、脂質である非ポリマーベースの系;ヒドロゲル放出系;サイラスティック系;ペプチドベースの系;ワックス・コーティング、生体内分解性の剤形、従来の結合剤を使用する圧縮錠剤などが挙げられる。例えば、Liberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms, 2 Ed., Vol. 1, pp. 209-214 (1990); Singh et al., Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, 2nd Ed., pp. 751-753 (2002);米国特許第4,327,725号;第4,624,848号;第4,968,509号;第5,461,140号;第5,456,923号;第5,516,527号;第5,622,721号;第5,686,105号;第5,700,410号;第5,977,175号;第6,465,014号;および、第6,932,983号を参照。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物(例:式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物)の粒子と、被験体への経口投与のための少なくとも1つの分散剤あるいは懸濁剤を有する医薬製剤が提供される。製剤は懸濁用の粉末および/または顆粒であってもよく、水との混合後に実質的に均一の懸濁液が得られる。
経口投与用の液体製剤の剤形は、限定されないが、薬学的に許容可能な水性の経口分散剤、エマルジョン、溶液、エリキシル剤、ゲル剤、およびシロップ剤を含む群から選択される水性懸濁液であり得る。例えば、Singh et al.,Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,2nd Ed.,pp.754-757(2002)を参照。
少なくとも4時間、USP薬剤師薬局方(2005年版、905章)で定義されるように、本明細書に記載される水性懸濁液と分散液は均質の状態のまま留まることができる。均質性は、全組成物の均質性の決定に関して一貫したサンプリング方法によって決定されなければならない。1つの実施形態では、水性懸濁液は、1分未満続く物理的な撹拌によって均質の懸濁液へと再懸濁可能である。別の実施形態では、水性懸濁液は、45秒未満続く物理的な撹拌によって均質の懸濁液へと再懸濁可能である。さらに別の実施形態では、水性懸濁液は、30秒未満続く物理的な撹拌によって均質の懸濁液へと再懸濁可能である。さらに別の実施形態では、均質の水性分散液を維持するのに撹拌は必要ではない。
本明細書に記載される医薬組成物は、限定されないが、アカシアシロップ、アセサルフェーム K、アリターム、アニス、りんご、アスパルテーム、バナナ、バヴァロア、ベリー類、カシス、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、カンフル、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、風船ガム、柑橘類、柑橘類のポンチ、柑橘類のクリーム、綿菓子、ココア、コーラ、冷たいチェリー、クールシトラス、シクラメート、シラメート(cylamate)、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツ・パンチ、ショウガ、グリチルレチナート(glycyrrhetinate)、カンゾウ(甘草)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハチミツ、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、モノアンモニウム・グリリチナート(glyrrhizinate)(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、カエデ、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジン(neohesperidine)DC、ネオテーム、オレンジ、西洋ナシ、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)パウダー、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミント・クリーム、イチゴ、イチゴ・クリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、ナトリウムサッカリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム・カリウム、マンニトール、タリン(talin)、スクラロース、ソルビトール、スイス・クリーム、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ、バニラ、クルミ、スイカ、アメリカザクラ、ウィンターグリーン、キシリトール、またはこれらの香味料成分の任意の組み合わせ、例えば、アニス-メントール、チェリー-アニス、シナモン-オレンジ、チェリー-シナモン、チョコレート-ミント、ハチミツ-レモン、レモン-ライム、レモンミント、メントール-ユーカリ、オレンジ-クリーム、バニラ-ミント、およびこれらの混合物などの甘味剤を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤は、自己乳化式薬物送達系(SEDDS)であり得る。エマルジョンは、別の、通常は液滴の形態の1つの不混和性の相の分散液である。一般に、エマルジョンは活発な機械的分散によって作成される。SEDDSは、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンとは対照的に、任意の外部の機械的分散または撹拌を伴わずに過剰な水に加えられる際に自発的にエマルジョンを形成する。SEDDSの利点は、溶液の全体に液滴を分布させるために軽く混合しさえすればよいということである。さらに、水または水相は投与の直前に加えることができ、これにより不安定なまたは疎水性の活性成分の安定性が保証する。したがって、SEDDSは疎水性の活性成分の経口および非経口の送達のために効果的な送達システムを提供する。SEDDSは、疎水性の活性成分のバイオアベイラビリティの改良をもたらすことがある。自己乳化型の剤形を生成する方法は、限定されないが、例えば、米国特許第5,858,401号、第6,667,048号、および第6,960,563号を含む。
本明細書に記載される水性分散液または懸濁液中で使用される上記の列挙された添加剤には重複がある。というのも、ある所定の添加剤が様々な当業者によってしばしば異なるように分類されるか、あるいは、いくつかの異なる機能のいずれかについて一般に使用されるからである。したがって、上記の列挙された添加剤は、本明細書に記載される製剤に含まれ得る添加剤のタイプの単なる例証に過ぎず、限定的なものではないと解釈されなければならない。
鼻腔内の製剤用の可能な賦形剤は、例えば、米国特許第4,476,116号、第5,116,817号、および第6,391,452号を含む。ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、フルオロカーボン、および/または、他の可溶化剤あるいは分散剤を使用する食塩水中の製剤溶液。例えば、Ansel,H.C.et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Sixth Ed.(1995)を参照。好ましくは、これらの組成物と製剤は、適切な無毒の薬学的に許容可能な成分で調製される。適切な担体の選択は、望ましい経鼻用剤形(例えば、溶液、懸濁液、軟膏剤、ゲル剤)の正確な性質に大きく依存する。経鼻用剤形は、一般に活性成分に加えて大量の水を含んでいる。pH調節剤、乳化剤、または分散剤などの少量の他の成分、保存剤、界面活性剤、ゲル化剤、またはバッファー、および他の安定化剤と可溶化剤も存在することがある。好ましくは、経鼻用剤形は鼻の分泌物と等張でなければならない。
吸入による投与について、本明細書に記載される化合物は、エアロゾル、ミスト、または粉末としての形態であってもよい。本明細書に記載される医薬組成物は、適切な高圧ガス、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、他の適切なガスを用いて、加圧されたパックまたは噴霧器からエアロゾルスプレー表示の形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルの場合、投与単位は、測定された量を送達するためのバルブを設けることによって決定されてもよい。ほんの一例として、吸入器または注入器で使用されるゼラチンのカプセル剤とカートリッジは、本明細書に記載される化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基材との粉末混合物を含んで、処方されることがある。
本明細書に記載された化合物を含む頬側製剤は、限定されないが、米国特許第4,229,447号、第4,596,795号、第4,755,386号、および第5,739,136号を含む様々な製剤を使用して投与されてもよい。加えて、本明細書に記載される頬側剤形は、頬粘膜へ剤形を付着させる役目も果たす生体内分解性(加水分解性)のポリマー担体を含む。頬側剤形はあらかじめ決められた時間にわたって徐々に腐食するように作られ、ここで、化合物の送達は本質的には至る所にもたらされる。頬側薬物送達は、経口の薬物投与で直面する不利益、例えば、緩慢な吸収、胃腸管に存在する流体による活性薬剤の分解、および/または肝臓中での初回通過の不活性化を回避する。生体内分解性(加水分解性)のポリマー担体に関しては、所望の薬物放出プロファイルが危険にさらされない限り、かつ、担体が本明細書に記載される化合物と頬側投与量単位中に存在する他の成分と互換性がある限り、事実上このような任意の担体を使用することができる。一般に、ポリマー担体は親水性で(水溶性、そして水膨潤する、可能な、頬粘膜の湿潤面に付着するポリマー)含む。本明細書で有用なポリマー担体の例は、アクリル酸ポリマー、およびコポリマー(co)、例えば「カルボマー」として知られるものを含む(B.F. Goodrichから得られるCarbopol(登録商標)が、このようなポリマーの1つである)。他の成分は、限定されないが、崩壊剤、希釈剤、結合剤、潤滑剤、香味料、着色剤、保存剤などを含む本明細書に記載される頬側剤形に組みこまれてもよい。頬側または舌下の投与については、組成物は、従来のやり方で処方された錠剤、ロゼンジ、またはゲル剤の形態をとってもよい。
本明細書に記載された経皮的な製剤は、限定されないが、米国特許第3,598,122号、米国特許第3,598,123号、米国特許第3,710,795号、米国特許第3,731,683号、米国特許第3,742,951号、米国特許第3,814,097号、米国特許第3,921,636号、米国特許第3,972,995号、米国特許第3,993,072号、米国特許第3,993,073号、米国特許第3,996,934号、米国特許第4,031,894号、米国特許第4,060,084号、米国特許第4,069,307号、米国特許第4,077,407号、米国特許第4,201,211号、米国特許第4,230,105号、米国特許第4,292,299号、米国特許第4,292,303号、米国特許第5,336,168号、米国特許第5,665,378号、米国特許第5,837,280号、米国特許第5,869,090号、米国特許第6,923,983号、米国特許第6,929,801号、および、米国特許第6,946,144号を含む様々な機器を使用して投与されてもよい。
本明細書に記載される経皮的な剤形は、当該技術分野で従来のものである薬学的に許容可能な賦形剤を組み込むことがある。1つの実施形態では、本明細書に記載される経皮的な製剤は少なくとも3つの成分:(1)化合物の製剤;(2)浸透促進剤;および、(3)水性のアジュバントを含む。加えて、経皮的な製剤は、限定されないが、ゲル化剤、クリーム剤、および軟膏基剤など追加の成分を含み得る。いくつかの実施形態では、経皮的な製剤は、吸収度を増強し、かつ皮膚からの経皮的な製剤の除去を防ぐために、織物材料または不織裏地材料をさらに含み得る。他の実施形態では、本明細書に記載される経皮的な製剤は、皮膚への拡散を促すために飽和したまたは過飽和した状態を維持することができる。
本明細書に記載される化合物の経皮的な投与に適した製剤は、経皮的な送達装置と経皮的な送達パッチを使用してもよく、ポリマーまたは接着剤中に分散および/または溶解した、脂肪親和性の強いエマルジョンまたは緩衝した水溶液であり得る。こうしたパッチは、医薬品の連続的、パルス的、またはオンデマンドな送達のために構築されてもよい。またさらに、本明細書に記載される化合物の経皮的な送達は、イオン泳動的なパッチなどによって実行可能である。さらに、経皮的なパッチは、本明細書に記載される化合物の制御送達をもたらすことができる。吸収速度は、律速膜を使用することにより、またはポリマーマトリクスまたはゲル内で化合物を捕捉することにより、遅らせることが可能である。反対に、吸収促進剤は吸収度を増加させるために使用可能である。吸収促進剤または担体は、皮膚を通過するのを助けるために吸収可能な薬学的に許容可能な溶媒を含み得る。例えば、経皮的な装置は、裏打ち部材と、随意に担体を含む化合物を含んでいるリザーバと、随意に、長時間にわたって制御されたあらかじめ決められた速度で宿主の皮膚に化合物を送達するための速度制御バリアと、皮膚に装置を固定する手段とを含む包帯の形態である。
筋肉内、皮下、または静脈内の注射に適した製剤は、生理学的に許容可能な無菌の水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液、またはエマルジョン、および無菌注射剤溶液または分散液へと再構成される無菌の粉末を含むことがある。適切な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、クレモフォールなど)、その適切な混合物、植物油(オリーブオイルなど)、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機酸エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、分散液の場合だとの要求される粒径の維持と、界面活性剤の使用によって、レシチンなどのコーティングを用いることで維持することができる。皮下注射に適した製剤は、保存料、湿潤剤、乳化剤、および予製剤などの添加剤を含み得る。微生物の成長の防止は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などの様々な抗菌剤および抗真菌剤によって確実にすることができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張薬剤を含むことが望ましいこともある。注射可能な剤形の長期間の吸収は、モノステアリン酸アルミニウムとゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤の使用によって引き起こされ得る。
静脈内注射については、本明細書に記載される化合物は、水溶液中で、好ましくはハンク溶液、リンガー溶液、または緩衝生理食塩水などの生理学的に互換性をもつ緩衝剤中で製剤されてもよい。口腔粘膜な投与については、浸透する障壁に適切な浸透剤は製剤中で使用される。こうした浸透剤は当該技術分野で一般に認識される。他の非経口的な注入については、適切な製剤は、好ましくは生理学的に互換性をもつ緩衝剤または賦形剤と共に、水性または非水性の溶液を含むことがある。このような賦形剤は当該技術分野で一般に認識されている。
非経口的な注入は大量注射または持続注入を含むことがある。注射のための製剤は、追加の保存剤とともに、単位剤形で、例えば、アンプルまたは複数回用量容器で提示されてもよい。本明細書に記載される医薬組成物は、油性または水性のビヒクル中の無菌の懸濁液、溶液、またはエマルジョンとして非経口的な注入に適した形態であってもよく、および、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤などの調合剤を含み得る。非経口適用のための医薬製剤は、水溶性の形態の活性化合物の水溶液を含んでいる。さらに、活性化合物の懸濁液は適切な油性の注射懸濁液として調製され得る。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、ごま油などの脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成の脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。水性の注射懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含み得る。随意に、懸濁液は、高濃度の溶液の調製を可能にするために化合物の溶解度を増加させる適切な安定剤または薬剤も含んでもよい。代替的に、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質を含まない蒸留水との構成のための粉末形態であってもよい。
ある実施形態では、例えば、リポソームとエマルジョンなどの医薬品化合物のための送達系が使用されてもよい。ある実施形態では、本明細書に記載される組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウム、およびデキストランの中から選択される粘膜付着性ポリマーをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は局所的に投与されてもよく、溶液、懸濁液、ローション剤、ゲル剤、ペースト剤、薬用スティック、鎮静薬、クリーム剤、または軟膏剤などの様々な局所的に投与可能な組成物へと製剤される。こうした医薬品化合物は可溶化剤、安定化剤、張性促進剤、緩衝剤、および保存剤を含み得る。
本明細書に記載される化合物は、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤の他に、ポリビニルピロリドン、PEGなどの、合成ポリマーも含有する、浣腸剤、直腸ゲル、直腸泡(rectal foams)、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー状の坐薬、または停留浣腸剤などの直腸組成物で製剤されてもよい。組成物の坐薬形態において、限定されないが、脂肪酸グリセリドの混合物などの低融点ワックスは、随意にココアバターと組み合わされて最初に融解する。
一般的に、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物などの薬剤は、疾患または障害を改善するため、あるいは疾患または障害の症状の進展を防止するために有効な量(すなわち、治療上有効な量)で投与される。したがって、治療上有効な量は、疾患または障害を少なくとも部分的に予防または元に戻すことができる量であり得る。有効な量を得るのに必要な投与量は、薬剤、製剤、疾患または障害、および、薬剤が投与される個体にに依存して変動することがある。
有効な量の測定はインビトロでの分析を含んでもよく、この場合、様々な投与量の薬剤が培養物中の細胞へ投与され、インビボで要求される濃度を計算するために、一部またはすべての症状を寛解するのに効果的な薬剤の濃度が判定される。有効な量はインビボの動物研究に基づくこともある。
薬剤は、疾患または障害の症状が現れる前、現れると同時に、および現れた後に投与可能である。いくつかの実施形態では、薬剤は、疾患または障害の家族歴がある被験体、あるいは疾患または障害に対する素因を示し得る表現型を有する被験体、あるいは、疾患または障害に罹りやすい遺伝子型を有する被験体に投与される。
投与方法および処置レジメンの例
本明細書に記載される化合物は、癌の処置のための、または、Olig2阻害から少なくとも部分的に利益を得ることになる疾患または疾病の処置のための、薬物の調製において使用され得る。加えて、上記処置を必要としている患者における本明細書に記載の疾患または疾病のいずれかを処置するための方法は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物を含有する医薬組成物、または、それらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能なプロドラッグ、または、薬学的に許容可能な溶媒化合物の上記被験体に治療上効果的な量での投与を含む。
本明細書に記載される化合物を含む組成物は、予防的なおよび/または治療的な処置のために投与可能である。治療用途では、組成物は、疾患または疾病の症状を治療するか少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で疾患または疾病に既に苦しんでいる患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬品に対する反応、ならびに治療医の判断に依存する。
予防的な適用では、本明細書に記載される化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害あるいは疾病になりやすい、あるいはそのリスクのある患者に投与される。こうした量は「予防的に有効な量または投与量」であると定義される。この用途では、正確な量は患者の容態、体重などによって変わる。患者で使用される際、この使用のための有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態および医薬品に対する反応、ならびに治療医の判断に依存する。
患者の状態が改善しない場合、医者の判断で、化合物の投与は、患者の疾患または疾病の症状を改善するか、さもなければ制御または制限するために、慢性的に、すなわち、患者の生涯を含む長期間の間、投与され得る。
患者の状態が改善する場合、医者の判断で、化合物は継続的に投与されてもよいか、代替的に、投与されている薬物の投与量は、一時的に減らされるか、または特定の長さにわたって一時的に止められる(つまり「休薬日」)。休薬日の長さは、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、または365日を含む、2日~1年の間で変動し得る。休薬日中の投与量の減少は、ほんの一例として、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%を含む、約10%から約100%であってもよい。
いったん患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。その後、投与量または投与頻度、あるいはその両方は、症状に応じて、改善された疾患、障害、または疾病が保持されるレベルにまで減少可能である。しかしながら、患者は症状の任意の再発で長期間にわたって断続的な処置を必要とすることがあり得る。
そうした量に相当する所定の薬剤の量は、特定の化合物、疾患または疾病およびその重症度、処置を必要とする被験体または宿主の独自性(例えば、体重)などの因子に依存して変わるが、それにもかかわらず、例えば、投与されている特定の薬剤、投与経路、処置されている疾病、および処置されている被験体または宿主を含む、その状況を取り巻く特定の環境に従って当該技術分野で認識されたやり方で決定され得る。しかし、一般的に、成人のヒトの処置に利用される投与量は典型的に、1日につき約0.02-約5000mg、いくつかの実施形態においては1日につき約1-1500mgの範囲である。所望の投与量は都合よく、単回用量で提示されるか、あるいは分割投与量として、同時に(または短時間で)、あるいは、適切な間隔で、例えば、1日当たり2、3、または4回以上の下位用量として投与されてもよい。
本明細書に記載される医薬組成物は、正確な投与量の単一の投与に適した単位剤形であってもよい。単位剤形では、製剤は1つ以上の化合物の適切な量を含む単位投与量に分割される。単位投与量は、製剤の離散量を含む包装の形態をしてもよい。非限定的な例は、包装された錠剤またはカプセル剤、および、バイアルまたはアンプル中の粉末である。水性懸濁液組成物は単回量の再密閉できない容器で包むことができる。代替的に、複数回投与用の再密閉できる容器は使用することができ、この場合、組成物中に保存剤を含むことは典型的である。ほんの一例として、非経口的な注入のための製剤は単位剤形の中で提示されてもよく、これは、追加の保存剤と共に、限定されないがアンプル、または複数回投与用容器を含む。
本明細書に記載の化合物に適している日常的な投与量は、約0.01mg/kgから約20mg/kgである。ある実施形態において、日常的な投与量は約0.01mg/kgから約10mg/kgである。ヒトを含む(ただし、ヒトに限定されない)大型哺乳類で用いられる日常的な投与量は、約0.5mgから約1000mgの幅であり、単回投与または一日に4度(但し、これに限定されない)の複数回投与、または持続放出形態で投与される。経口投与にふさわしい単位剤形は約1~約500mgの活性成分を含んでいる。1つの実施形態では、単位投与量は、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約250mg、約400mg、または約500mgである。個々の処置レジメンに関する変数が大きいため、前述の範囲は単に示唆的なものでしかなく、これらの推奨値からのある程度の逸脱は珍しいわけではない。こうした投与量は、多くの変数、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与モード、個々の被験体の必要条件、処置されている疾患または疾病の重症度、および医師の判断に依存して変更されることがある。
こうした処置レジメンの毒性と治療の有効性は、限定されないが、LD50(母集団の50%に対する致死投与量)と、ED50(母集団の50%で治療上効果的な投与量)の測定を含む、細胞培養または実験動物中の標準的な製薬手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、LD50とED50との間の比率として表され得る。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトで使用される一連の投与量を処方するのに使用可能である。こうした化合物の投与量は好ましくは、最小限の毒性を備えるED50を含む一連の循環濃度内に位置する。投与量は、使用された剤形と利用された投与経路に依存してこの範囲内で変動することがある。
併用療法
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、およびその組成物も、処置される疾病の治療価値のために選択される他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。一般に、本明細書に記載される組成物と、併用療法が用いられる実施形態においては、他の薬剤とは、同じ医薬組成物で投与される必要はなく、様々な物理的および化学的な特性ゆえに様々な経路によって投与されなければならないこともある。投与のモードと投与の妥当性の判定は、可能な場合には、同じ医薬組成物において、十分に臨床医の知識の範囲内である。最初の投与は当該技術分野で認識されている確立されたプロトコルにしたがって行うことができ、その後、観察された効果、投与量、投与モード、および投与の回数に基づいて、臨床医によって修正可能である。
ある例では、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物を別の治療薬と組み合わせて投与することが適切なことがある。ほんの一例として、もし、本明細書に記載の化合物の1つ(例えば、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の1つの化合物)を投薬されてすぐに患者に起こった副作用が吐き気だった場合、当初の治療剤と組み合わせて嘔吐抑制剤を投与することが適切なこともある。または、ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つの治療的恩恵は、アジュバントの投与によって増強されることがある(つまり、アジュバント単独では最小限の治療的有用性しかないが、別の治療薬と組み合わせると患者への全体的な治療的恩恵は増強される)。または、ほんの一例として、患者が受ける恩恵は、本明細書に記載される化合物の1つを、治療的利点を有する別の治療薬(治療レジメンも含む)とともに投与することによって増大することもある。どんな場合でも、処置されている疾患、障害、または疾病にかかわらず、患者が経験する全体的な利益は2つの治療薬の単なる添加剤であるか、あるいは、患者は相乗的な利益を受けることがある。
治療用途のために、本発明の化合物または薬物は、単独で、または、従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法、および/または免疫療法と組み合わせて同時投与され得る。
非限定的な例として、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブチル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソ尿素、テモゾロミドなど)、抗代謝産物(例えば、5-フルオロウラシル、アザチオプリン、メトトレキサート、ロイコボリン、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセドなど)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセルなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、エトポシドホスフェート、テニポシドなど)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンなど)、白金ベースの化合物(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン(oxaloplatin)、カルボプラチンなど)を含む従来の化学療法剤とともに同時投与可能である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、従来の化学療法および放射線療法と組み合わせて同時投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、テモゾロミドと放射線療法と組み合わせて同時投与される。
本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、限定されないが、ステロイド(例えば、デキサメサゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害薬、タモキシフェン、およびゴセレリンなどのゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRH)を含む従来のホルモン治療剤とともに同時投与可能である。
さらに、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、限定されないが、免疫賦活剤(例えば、カルメット-ゲラン杆菌(BCG)、レバミソール、インターロイキン2、αインターフェロンなど)、モノクローナル抗体(例えば、抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗-HLA-DR、および抗VEGFモノクローナル抗体)、免疫毒素(例えば、抗CD33モノクローナル抗体-カリチアマイシン抱合体、抗CD22モノクローナル抗体シュードモナスエキソトキシン抱合体など)、および放射免疫治療(例えば、111In、90Y、あるいは131Iに結合した抗CD20モノクローナル抗体など)を含む従来の免疫療法剤とともに同時投与可能である。
さらなる実施形態では、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、STAT 3阻害剤、ヤーヌス・キナーゼ阻害剤、あるいはEGFR阻害剤とともに同時投与可能である。
使用される化合物の特定の選択は、主治医の診断と、患者の疾病に対する判断と、適切な処置プロトコルに依存する。化合物は、疾患、障害、または疾病の性質、患者の状態、および使用される化合物の実際の選択に依存して、一斉に(例えば、同時に、本質的に同時に、または同じ処置プロトコル内で)、あるいは、連続して投与されてもよい。投与の順番と処置プロトコル中の各治療薬の投与の反復回数との決定は、処置されている疾患と患者の状態を評価した後の医師の知識の十分な範囲内である。
医薬品が処置の組み合わせで使用される場合、治療上有効な投与量は変わる場合がある。併用処置レジメンで使用される治療上有効な投与量の薬物および他の薬剤を試験的に決定するための方法が文献に記載されている。例えば、規則正しい投薬、すなわち、毒性の副作用を最小化するために頻繁に少量の投与を行うことは、文献に広く記載されている。併用療法はさらに、患者の臨床管理に役立たせるために様々な時間に開始および停止する定期的な治療を備える。
本明細書に記載される併用療法について、同時投与された化合物の投与量は、使用された助剤のタイプ、使用された特定の薬物、処置されている疾患または疾病などに依存して変化する。加えて、1つ以上の生理的に活性な材料で同時投与される際、本明細書に記載される化合物は、生理的に活性な薬剤と同時に、または連続して投与されることがある。連続して投与される場合、主治医は生理的に活性な薬剤と組み合わせてタンパク質を投与する適切な配列を決める。
任意の場合に、複数の治療薬(そのうちの1つは、本明細書に記載の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の1つ)を任意の順序でまたは同時に投与することがある。もし同時であれば、複数の治療薬は、単一の、統一された形態で、または複数回の形態で(ほんの一例として、単一の丸剤または2つの別々の丸剤のどちらかとして)提供され得る。治療薬の1つは複数回投与で与えられてもよく、または、両方とも複数回投与として与えられてもよい。同時ではない場合、複数回投与間のタイミングは0週以上から4週未満で変動することがある。さらに、併用の方法、組成物および製剤は、2つの薬剤のみの使用に限定されない。複数の治療の組み合わせを用いることも想定される。
緩和が求められる疾病を処置、予防、または寛解するための投薬レジメンは、様々な要因に従って改変され得ることが、理解される。これらの因子は、被験体の年齢、体重、性別、食事、および病状と同様に、被験体が患っている障害も含む。ゆえに、実際に用いられる投薬レジメンは広く異なる場合があり、それ故、本明細書に記載される投与レジメンから逸脱することがあり得る。
本明細書に開示された併用療法を構築する医薬品は、組み合わされた剤形であるか、または、ほぼ同時の投与を意図した個別の剤形であってもよい。併用療法を構築する医薬品は、2段階の投与を要求するレジメンによって投与されている一方の治療上の化合物と共に、連続して投与されてもよい。2段階の投与レジメンは、活性薬剤の連続する投与、または、別個の活性薬剤の間隔を空けた投与を要求してもよい。複数の投与段階の間の期間は、医薬品の性能、可溶性、バイオアベイラビリティ、血漿半減期、および速動性の特性といった、医薬品それぞれの特性に依存して、数分から数時間にまで及んでもよい。標的分子濃度の日周期の変化はまた、最適な投与間隔を決定する場合がある。
加えて、本明細書に記載される化合物は、患者に付加的または相乗的な効果を提供する手順と組み合わせて使用されてもよい。ほんの一例として、患者は、本明細書に記載される方法において、治療的および/または予防的効果を得ると予測され、ここで、本明細書に開示される化合物の医薬組成物、および/または他の治療法との併用は、個体が特定の疾患または疾病と相互関連すると知られている突然変異遺伝子の保有者であるかどうかを判定するための遺伝子検査と組み合わされる。
本明細書に記載される化合物および併用治療は、疾患または疾病の発症前、その最中、またはその後に投与可能であり、化合物を含む組成物の投与のタイミングは異なり得る。したがって、例えば、化合物は、予防薬として使用することができ、疾患または疾病の発症を防ぐために、疾病または疾患を進行させる傾向のある被験体に継続的に投与可能である。化合物および組成物は、症状発症の間に、または発症後可能な限り早急に、被験体に投与され得る。化合物の投与は、症状の発症の最初の48時間以内、好ましくは症状の発症の最初の48時間以内、より好ましくは症状の発症の最初の6時間以内、および最も好ましくは症状の発症の3時間以内に開始され得る。最初の投与は、例えば、静脈注入、ボーラス注入、約5分~約5時間にわたる注入、丸剤、カプセル剤、経皮パッチ、頬側送達など、またはこれらの組み合わせといった、任意の経路を介して行われ得る。化合物は、疾患または疾病の発症が検出または疑われた後に実施可能な限り早急に、および、例えば約1日~約3ヶ月間など、疾患の処置が必要とされる期間に投与されることが好ましい。処置の長さは、各被験体について異なることがあり、この長さは既知の分類基準を使用して決定することができる。例えば、化合物または化合物を含む製剤は、少なくとも2週間、好ましくは約1ヶ月と約5年の間、および約1ヶ月乃至約3年の間、投与され得る。
キット/製品
本明細書に記載される治療用途で使用するために、キットと製品も本明細書に記載されている。このようなキットは、例えば、バイアル、チューブなどの1以上の容器を受けるために仕切られた、運搬装置、パッケージ、または容器を含み、こうした容器の各々は、本明細書中に記載される方法で使用される別個の要素の1つを含んでいる。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管を含む。容器は、ガラスまたはプラスチックのような様々な材料から形成され得る。
本明細書で提供される製品は包装材料を含む。例えば、米国特許第5,323,907号、第5,052,558号、および、第5,033,252号をされたい。医薬包装材料の例としては、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、瓶、および選択された製剤および意図された様式による投与や処置に適切な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に提供される化合物と組成物の多数の製剤は、Olig2活性の阻害により利益を受ける、任意の疾患、障害、または疾病のための様々な処置であるとして、考慮される。
例えば、容器は、随意に組成物中に、または、本明細書で開示されるような別の薬剤と組み合わせて、本明細書に記載される1以上の化合物を含むことができる。容器は、無菌のアクセスポートを任意に有する(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルとなりえる)。このようなキットは、本明細書中に記載される方法におけるその使用に関する、同定する解説書、またはラベル、あるいは説明書を有する化合物を任意に含む。
キットは一般に1以上の追加の容器を含み、その各々は、本明細書中に記載される化合物の使用に関して商業的な観点とユーザの観点から望ましい1以上の様々な材料(例えば、試薬、随意に濃縮された形態および/またはデバイスで)を含む。こうした材料の非限定的な例としては、限定されないが、緩衝液、賦形剤、フィルタ、針、シリンジ;担体、包装、容器、バイアルおよび/または、内容物および/または使用の説明書を列挙したチューブラベルが挙げられる。1セットの説明書も典型的に含まれる。
ラベルは容器上にあるか、あるいは、容器に結び付けられている。ラベルを形成する文字、数字、または他の字が容器自体に結合しているか、成型されているか、または、エッチングされている場合、ラベルは容器上にあり得る;ラベルは、容器を保持する入れ物または運搬装置内に存在する場合、例えば、添付文書として容器に結び付けられる。ラベルは内容物が具体的な治療適用に使用されることを示すために使用され得る。ラベルはさらに、例えば、本明細書中に記載される方法で、内容物の使用のための指示を示すことができる。
特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含む1以上の単位剤形を含み得るパックまたはディスペンサー装置で提供可能である。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属ホイルまたはプラスチックホイルを含み得る。パックまたはディスペンサー装置には、投与説明書を添付することが可能である。パックまたはディスペンサーに、製薬の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形式で包装容器に付随した通知が添えられることもある。その通知は、人間または獣医学の投与のため薬の形式の機関による承認を反映する。こうした通知書は、例えば、処方薬または承認された生成物の挿入物に関して米国食品医薬品局により承認されたラベルである。適合性の薬学の担体において処方された、本明細書提供の化合物を含んでいる組成物はまた、適切な包装容器において調合、入れることができ、示された疾病の処置のためにラベル化される。
これらの実施例は説明目的のために提供されるにすぎず、請求項の範囲を制限するものではない。本明細書に記載される化合物の合成に使用される出発物質および試薬は、合成されるか、あるいは限定されないが、Sigma-Aldrich,Acros Organics、Fluka、およびFischer Scientificなどの商用源から得られ得る。
HPLC方法:プラットフォーム(方法1):Column-Zorbax Eclipse Plus C18、大きさ2.1X50mm溶媒A:水中の0.10%のギ酸、溶媒B:アセトニトリルにおける0.00%のギ酸;流量-0.7ml/分;勾配:5分で5%のB~95%のB、2分間95%のBで保持;UV検出器-チャネル1=254nm、チャネル2=254nm。実施例1:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(3)の合成
工程1:2-イソシアナトナフタレン(1)
2-ナフチルアミン(1g、7.0mmol)、ジクロロメタン(DCM、70mL)と0°Cの飽和した炭酸水素ナトリウム(NaHCO3、70mL)の撹拌された混合物を、トリホスゲン(0.77g、2.6mmol)を用いて液滴で処理した。混合物を75分間0°Cで維持し、その間、TLCは出発物質の摂取を示した。有機質層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過の後に、有機物を油に濃縮して、これは静置時に凝固して表題化合物(1)(1.2g、100%)を生成した。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(2)
2-イソシアナトナフタレン(1)(1.2g、7.3mmol)および2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.95g、6.6mmol)およびトルエン(8.8mL)の混合物を、100°Cで夜通し加熱した。混合物を冷まし、MeoH(50.0mL)で希釈した。形成された沈殿物を濾過して、表題化合物(2)(1.3g、61%)を得た。LC/MS:Rt=0.27min、m/z=313.1[MH+]。
工程3:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(3)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(2)(75mg、0.23mmol)を、2-プロパノール(0.48mL)中で懸濁した。これに、トリエチルアミン(0.05mL、0.36mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.04mL、0.28mmol)を加え、混合物を夜通し撹拌しながら80°Cで加熱した。冷ます際に、混合物をエタノール(3mL)で希釈し、形成された沈殿物をろ過することで表題化合物(3)(55mg、61%)を得た。LC/MS:方法1:Rt=0.36min、m/z=379.3[MH+]。
実施例2-19の化合物を、実施例1について記載された同様の手順に従って調製した:
実施例20:1-(4-((2-(1H-イミダゾール-2-イル)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(22)の合成
1-(4-((2-(1H-イミダゾール-2-イル)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(22)は、最終生成物が、MeOH/80%のDCM中で20%の1M NH4OHを使用して、分取TLCによって精製されたことを除けば、3-(1H-イミダゾール-2-イル)-エチルアミン二塩酸塩を使用して、実施例1と同様の手順によって調製された。(13.0mg、21%)。LC/MS:Rt=1.62min、m/z=388.2[MH+]。
実施例21:1-(4-((3-(1H-イミダゾール-2-イル)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(23)の合成
1-(4-((3-(1H-イミダゾール-2-イル)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(23)は、3-(1H-イミダゾール-2-イル)プロパノ-1-アミン二塩酸塩を使用して、実施例16と同様の手順によって調製された。収率:(9.0mg、14%)。LC/MS:Rt=1.69min、m/z=402.3[MH+]。
実施例22:1-(4-((2-(1H-ピロール-2-イル)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(24)の合成
1-(4-((2-(1H-ピロール-2-イル)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(24)は、最終生成物がDCM中で5%のMeOHを使用して、分取TLCによって精製されたことを除けば、2-ピロール-2-イルエチルアミンを使用して、実施例1と同様の手順によって調製された。(15.0mg、24%)。LC/MS:Rt=2.64min、m/z=388.2[MH+]。
実施例23:メチル 3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパノアート(25)の合成
メチル3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパノアート(25)は、メチル 3-アミノプロパノアート塩酸塩を使用して、実施例16と同様の手順によって調製された。収率:(7.0mg、11%)。LC/MS:Rt=2.33min、m/z=380.2[MH+]。
実施例24:3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパンアミド(26)の合成
3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパンアミド(26)は、最終生成物がMeOH/90% DCM中で10%の1M NH4OHを使用して、分取TLCによって精製されたことを除けば、3-アミノプロパンアミド塩酸塩を使用して、実施例1と同様の手順によって調製された。(6.0mg、7%)。LC/MS:Rt=1.89min、m/z=365.2[MH+]。
実施例25:1-(4-((2,2-ジフルオロ-3-ヒドロキシプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(27)の合成
1-(4-((2,2-ジフルオロ-3-ヒドロキシプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(27)は、最終生成物が95/5のDCM /MeOHを使用して、分取TLCによって精製されたことを除けば、3-アミノ-2,2-ジフルオロプロパン-1-オールを使用して、実施例1と同様の手順によって調製された。(4.0mg、4%)。LC/MS:Rt=2.22min、m/z=388.2[MH+]。
実施例26:1-(4-((2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(28)の合成
1-(4-((2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(28)は、2-(2-ジメチルアミノ-エトキシ)-エチルアミンを使用して、実施例23と同様の手順によって調製された。収率:(8.0mg、8%)。LC/MS:Rt=1.52min、m/z=409.3[MH+]。
実施例27:1-(4-メチル-6-((2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(30)の合成
工程1:tert-ブチルメチル(2-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)カルバマート(29)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(2)(75mg、0.24mmol)、N-(2-アミノエチル)-N-メチルカルバミン酸tert-ブチルエステル(50mg、0.29mmol)、および、トリエチルアミン(0.05mL、0.36mmol)の混合物を、2-プロパノール(0.48mL)中で夜通し撹拌しながら還流するまで加熱した。冷ます際にメタノール(3mL)を加え、30分後、形成された沈殿物をろ過することで表題化合物(29)(77mg、70%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-メチル-6-((2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(30)
BOC誘導体(29)(74mg、0.16mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.12mL、1.5mmol)が加えられたDCM(0.12mL)中で懸濁した。さらなるトリフルオロ酢酸(0.15mL)の追加の前に反応混合物を2時間撹拌した。混合物を45°Cに温め、夜通し撹拌した。飽和したNaHCO3溶液を加え、混合物を30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、水で洗浄することで、白色固形物(30)(51mg、88%)として所望の化合物を得た。LC/MS:Rt=0.37min、m/z=351.2[MH+]。
実施例28:1-(4-メチル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(31)の合成
1-(4-メチル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素は、最終生成物が、MeOH/60%のDCM中で40%の1M NH4OHを使用して、分取TLCによって精製されたことを除けば、(tert-ブチル(3-アミノプロピル)(メチル)カルバマートを使用して、実施例26と同様の手順によって調製された。収率:(8.3mg、31%)。LC/MS:Rt=1.48min、m/z=365.3[MH+]。
実施例29:1-(4-メチル-6-((ピペリジン-3-イルメチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(32)の合成
1-(4-メチル-6-((ピペリジン-3-イルメチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素は、最終生成物が、MeOH/90%のDCM中で10%の1M NH4OHを使用して、分取TLCによって精製されたことを除けば、tert-ブチル3-(アミノメチル)ピペリジン-1-カルボン酸塩を使用して、実施例26と同様の手順によって調製された。収率:(21.2mg、31%)。LC/MS:Rt=1.59min、m/z=391.3[MH+]。
実施例30:1-(4-メチル-6-((4-(メチルアミノ)ブチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(33)の合成
1-(4-メチル-6-((4-(メチルアミノ)ブチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素は、最終生成物が、MeOH/60%のDCM中で40%の1M NH4OHを使用して、分取TLCによって精製されたことを除けば、tert-ブチル(3-アミノブチル)(メチル)カルバマートを使用して、実施例26と同様の手順によって調製された。収率:(16.8mg、30%)。LC/MS:Rt=0.35min、m/z=379.3[MH+]。
実施例31:N-(3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(34)の合成
DCM(0.54mL)中の1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2、化合物4)(75mg、0.21mmol)、無水酢酸(0.02mL、0.24mmol)、ピリジン(0.11mL、1.3mmol)、および触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン)の混合物を、3時間室温で撹拌した。この時に、MeOH(1mL)を用いる希釈前に、混合物を-20°Cに冷やした。結果として生じた固形物をろ過して乾燥させることで、表題生成物(34)(42mg、50%)を得た。LC/MS:Rt=2.05min、m/z=393.3[MH+]。
実施例32:N-(2-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(35)の合成
N-(2-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミドは、1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2、化合物5)から実施例26と同様の手順によって調製された。収率:(67.0mg、79%)。LC/MS:Rt=1.85min、m/z=379.2[MH+]。
実施例33:N-(2-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(36)の合成
0°Cに冷ましたDCM(0.30mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2、化合物5)(75mg、0.22mmol)とトリエチルアミン(0.06mL、0.45mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.02mL、0.25mmol)を加え、これを2時間室温で撹拌した。その後、混合物を冷凍庫(-20°C)で冷やし、その後、MeOH(1mL)で希釈し、結果として生じた固形物を濾過した。この材料を、溶出剤としてDCM中で5%のMeOHを使用して分取TLCによって精製することで、表題生成物(36)(8mg、9%)を得た。LC/MS:Rt=2.06min、m/z=415.2[MH+]。
実施例34:N-(3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)メタンスルホンアミド(37)の合成
N-(3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)メタンスルホンアミドは、(1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2および4)から実施例32と同様の手順によって調製された。収率:(5.2mg、6%)。LC/MS:Rt=2.08min、m/z=429.2[MH+]。
実施例35:2,2,2-トリフルオロ-N-(2-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(38)の合成
0°Cに冷ましたDCM(0.50mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2、化合物5)(89mg、0.26mmol)とトリエチルアミン(0.04mL、0.28mmol)の混合物に、トリフルオロ酢酸無水物(0.02mL、0.25mmol)を加え、これを1時間室温で撹拌した。この時に、混合物をMeOH(1mL)で希釈し、結果として生じた固形物をろ過することで表題生成物(38)(87.1mg、76%)を得た。LC/MS:Rt=2.51min、m/z=433.0[MH+]。
実施例36:N,N-ジメチル-3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパンアミド(42)の合成
工程1:ベンジル(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)カルバマート(40)
3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(1.5g、6.6mmol)をDMFに溶かし、この溶液に40%の水性のジメチルアミン(2.4mL)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(3.63g、24mmol)、および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(5.15g、27mmol)を加えた。結果として生じた混合物を24時間撹拌した。この時に、混合物は酢酸エチルと0.1N塩酸溶液との間で分割された。分離および無水硫酸ナトリウムで乾燥させる前に、有機層を飽和した水性の炭酸水素ナトリウムで2回、ブラインで1回洗浄した。濾液を蒸発させることで生成物を得て、これを直接使用した。収率:(1.57g、95%)。
工程2:3-アミノ-N,N-ジメチルプロパンアミド(41)
ベンジル(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)カルバマート((40)(1.57g、6.3mmol)をエタノール(12mL)と酢酸エチル(12mL)に溶かし、これにパラジウム(炭素上で10%活性化:0.1g)を加えた。容器を1気圧の水素で満たし、混合物を16時間撹拌した。混合物をセライトを介してろ過し、溶媒を蒸発させることで透明な油(0.73g、100%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
工程3:N,N-ジメチル-3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパンアミド(42)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(2)(100mg、0.32mmol)を、2-プロパノール(3mL)、トリエチルアミン(0.07mL、0.48mmol)、および3-アミノ-N,N-ジメチルプロパンアミド(41)(74mg、0.64mmol)と混合し、その混合物を80°Cで活発に夜通し撹拌した。冷ますと、固形物を濾過してエタノールで洗浄することで、表題生成物(42)(91mg、73%)を得た。LC/MS:Rt=2.01min、m/z=393.3[MH+]。
実施例37:N-メチル-3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパンアミド(43)の合成
N-メチル-3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパンアミドは、1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2、化合物4)と40%の水性のメチルアミンから実施例36と同様の手順によって調製された。収率:(33mg、52%)。LC/MS:Rt=1.98min、m/z=379.2[MH+]。
実施例38:1-(4-(メトキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素の合成(44)
N-メチル-3-((6-メチル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロパンアミドは、1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2、化合物4)とO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例1と同様の手順によって調製された。収率:(33mg、30%)。LC/MS:Rt=3.17min、m/z=324.2[MH+]。
実施例39:1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素の合成(45)
1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素は、1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2および4)とヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例1と同様の手順によって調製された。表題生成物を、DCM中のMeOHにおいて0-15%の1N NH4OHの勾配でカラムクロマトグラフィーによって精製した。収率:(15mg、20%)。LC/MS:Rt=2.00min、m/z=310.2[MH+]。
実施例40:1-(4-アミノ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(47)の合成
工程1:1-(4-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(46)
1-(4-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素は、1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(実施例2および4)と4-メトキシベンジルアミンから、実施例1と同様の手順によって調製された。)この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-アミノ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(47)
1-(4-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(46)をDCM(0.07mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(0.07mL)で処理した。2時間撹拌した後、混合物を初めに20時間40°Cで、その後21時間72°Cで加熱した。追加のトリフルオロ酢酸(1mL)を添加し、80°Cでの加熱を続けた。4時間後、混合物をDCM(1mL)と飽和した炭酸水素ナトリウム溶液(1mL)とで分割し、水層をDCM(2x2mL)で再抽出した。結合した有機画分を乾燥させ、得られた残留物を、最初に酢酸エチル/ヘキサン(50/50)を溶出するカラムクロマトグラフィーによって、その後、DCM中の0-30%のMeOHの勾配で精製した。精製により表題生成物を得た。収率:(4.8mg、18%)。LC/MS:Rt=2.31min、m/z=294.1[MH+]。
実施例41:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(50)の合成
工程1:イソキノリン-6-カルボニルアジド(48)
無水DMF(1mL)中のキノリン-6-カルボン酸(1g、5.7mmol)の溶液に、トリメチルアミン(0.96mL、6.8mmol)、その後、ジフェニルホスホリルアジド(1.48mL、6.8mmol)を加え、この混合物を夜通し撹拌した。この時に、結果として生じた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で繰り返し洗浄した。有機質層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後に、有機物を濃縮し、残留物を、ヘキサン中の0-45%の酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルクロマドグラフィーより精製した。画分の蒸発後、白色固形物として表題化合物を得た(1.0g、85%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(49)
トルエン(50mL)中のイソキノリン-6-カルボニルアジド(48)(1.2g、4.8mmol)と2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.70g、4.8mmol)の混合物を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.3mL、7.2mmol)で処理し、混合物を2時間110°Cで加熱した。混合物を冷まし、溶媒を蒸発させることで残留物を得て、これを、DCM中の0-5%のMeOHの勾配でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。関連する画分の蒸発により表題化合物(49)(0.73g、46%)を得た。LC/MS:Rt=1.35min、m/z=314.1[MH+]。
工程3:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(50)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(49)(50mg、0.15mmol)を2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これに、トリエチルアミン(0.03mL、0.23mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.02mL、0.18mmol))を加え、混合物は夜通し撹拌しながら80°Cで加熱した。冷ました後、混合物を、DCM中の5-20%の3M メタノール性水酸化アンモニウム中で分取TLCによって精製することで、表題化合物(50)(35mg、58%)を得た。LC/MS:Rt=0.57min、m/z=380.3[MH+]。
実施例42:1-(4-((2-ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(51)の合成
1-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素は、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)とN,N-ジメチルエチレンジアミンから、実施例40と同様の手順によって調製された。収率:(42mg、72%)。LC/MS:Rt=0.58min、m/z=366.2[MH+]。
実施例43:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(52)の合成
1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(52)は、生成物がDCM中の0-45%の3M メタノール性水酸化アンモニウムの勾配でフラッシュクロマトグラフィーによって精製されたことを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)とエチレンジアミンから、実施例40と同様の手順によって調製された。収率:(168mg、78%)。LC/MS:Rt=0.64min、m/z=338.2[MH+]。
実施例44:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-イソキノリン-6-イル)尿素(53)の合成
1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(53)は、反応混合物が濾過され、EtOH/Et2O(1/1)で洗浄されることで、表題生成物を得たということを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)と1,3-ジアミノプロパンから、実施例40と同様の手順によって調製された。収率:(178mg、79%)。LC/MS:Rt=0.56min、m/z=352.2[MH+]。
実施例45-50の化合物は実施例44について記載された同様の手順に従って調製された:
実施例51:1-(4-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(60)の合成
1-(4-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(60)は、生成物が、DCM中の0-30%の3M メタノール性水酸化アンモニウムの勾配でフラッシュクロマトグラフィーによって精製されたことを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)とエタノールアミンから、実施例43と同様の手順によって調製された。収率:(16mg、30%)。LC/MS:Rt=0.78min、m/z=339.2[MH+]。
実施例52:1-(イソキノリン-6-イル)-3-(4-(メトキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(61)の合成
1-(イソキノリン-6-イル)-3-(4-(メトキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(61)は、生成物がDCM中の20%のMeOHでフラッシュクロマトグラフィーによって精製されたことを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41および49)とO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例43と同様の手順によって調製された。収率:(22mg、20%)。LC/MS:Rt=1.48min、m/z=325.2[MH+]。
実施例53:1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(62)の合成
1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素は、得られた固形物がDCMと飽和したNaHCO3との間で分割されたことを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)とヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例44と同様の手順によって調製された。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させることで、表題生成物(62)(22.5mg、30%)を得た。LC/MS:Rt=1.21min、m/z=311.1[MH+]。
実施例54:1-(イソキノリン-6-イル)-3-(4-メチル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(64)の合成
工程1:tert-ブチル(3-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート(63)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)(100mg、0.30mmol)、N-(3-アミノプロピル)-N-メチルカルバミン酸tert-ブチルエステル(71mg、0.36mmol)、およびトリエチルアミン(0.06mL、0.45mmol)の混合物を、2-プロパノール(3mL)を夜通し撹拌しながら90°Cに加熱した。冷ました後、溶媒を蒸発させ、残留物を、DCM中の0-10%の3M メタノール性水酸化アンモニウムの勾配でカラムクロマトグラフィーによって精製することで、表題生成物(63)を得た。(140mg、94%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(イソキノリン-6-イル)-3-(4-メチル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(64)
BOC誘導体(63)(140mg、0.29mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.22mL、2.9mmol)が加えられたDCM(2.8mL)中で懸濁した。さらなるトリフルオロ酢酸(0.29mL)の追加の前に反応混合物を2時間撹拌した。混合物を45°Cに温め、夜通し撹拌した。飽和したNaHCO3溶液を追加した。エタノールを加え、沈殿物を濾過した。この材料を、DCM中の0-20%の3M メタノール性水酸化アンモニウムの勾配でフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、表題生成物(64)(24mg、22%)を得た。LC/MS:Rt=0.65min、m/z=366.3[MH+]。
実施例55:1-(イソキノリン-6-イル)-3-(4-メチル-6-((4-(メチルアミノ)ブチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(65)の合成
1-(イソキノリン-6-イル)-3-(4-メチル-6-((4-(メチルアミノ)ブチル)アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(65)は、最終生成物がDCMへ抽出されたことを除けば、tert-ブチル(3-アミノブチル)(メチル)カルバマートを使用して、実施例54と同様の手順によって調製された。溶媒の乾燥および蒸発により表題生成物(11.5mg、9%)を得た。LC/MS:Rt=0.69min、m/z=380.3[MH+]。
実施例56:N-(3-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(66)の合成
DCM(1mL)中の1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例43、化合物52)(50mg、0.14mmol)、無水酢酸(0.01mL、0.15mmol)、ピリジン(0.07mL、0.83mmol)、および触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジンの混合物を、2時間60°Cで撹拌した。この時に、混合物を濃縮し、残留物を、DCM中の0-30%のMeOHでのフラッシュクロマトグラフィーと、DCM中の5-10%の3M メタノール性水酸化アンモニウム中の分取TLCによって精製することで、表題生成物(66)(27mg、48%)を得た。LC/MS:Rt=0.83min、m/z=394.1[MH+]。
実施例57:N-(2-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(67)の合成
N-(2-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(67)は、1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例43、化合物52)から、実施例56と同様の手順によって調製された。収率:(13.0mg、23%)。LC/MS:Rt=0.78min、m/z=380.2[MH+]。
実施例58:N-(3-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)メタンスルホンアミド(71)の合成
工程1:tert-ブチル(3-(メチルスルホンアミド)プロピル)カルバマート(69)
無水THF(15mL)中のtert-ブチル-3-アミノプロピル-カルバマート(68)(1.07g、5.8mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.2mL、8.7mmol)を加え、混合物を0°Cに冷ました。塩化メタンスルホニル(0.64mL、8.2mmol)を加え、混合物を1.5時間0°Cで撹拌した。溶媒は減圧下で除去し、結果として生じた残留物をEtOAcで希釈して水で洗浄した。水層をEtOAcで3回逆抽出した。有機質層を組み合わせ、飽和したブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させることで固形物として表題化合物(69)(1.45g、95%)を得て、これを直接使用した。
工程2:N-(3-アミノプロピル)メタンスルホンアミド塩酸塩(70)
tert-ブチル(3-(メチルスルホンアミド)プロピル)カルバマート(69)(1.45g、5.5mmol)をジオキサン(18mL)中の4M HClに溶かし、室温で撹拌した。出発物質が消費されるまで、反応をTLCによってモニタリングした。この時点で、溶媒を蒸発させ、残留物を直接使用した。収率:(1.01g、93%)
工程3:N-(3-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)メタンスルホンアミド(71)
2-プロパノール(3mL)中の1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41および49)(100mg、0.30mmol)とN-(3-アミノプロピル)メタンスルホンアミド)塩酸塩(70)(180mg、0.90mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.21mL、1.5mmol)を加え、これを90°Cで夜通し加熱した。固形物をろ過し、エタノールで洗浄し、乾燥させることで、表題生成物(71)(105mg、77%)を得た。LC/MS:Rt=1.25min、m/z=430.2[MH+]。
実施例59:N-(2-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(75)の合成
工程1:tert-ブチル(2-(メチルスルホンアミド)エチル)カルバマート(73)
無水THF(200mL)中のtert-ブチル-2-アミノエチル-カルバマート(72)(10g、61mmol)の溶液に、トリエチルアミン(12.9mL、91.8mmol)を加え、混合物を0°Cに冷ました。塩化メタンスルホニル(6.7mL、85.6mmol)を加え、混合物を1.5時間0°Cで撹拌した。溶媒は減圧下で除去し、結果として生じた残留物をEtOAcで希釈して水で洗浄した。水層をEtOAcで3回逆抽出した。有機質層を組み合わせ、飽和したブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させることで黄色の固形物(12.9g、84%)として表題化合物(73)を得て、これを直接使用した。
工程2:N-(2-アミノエチル)メタンスルホンアミド塩酸塩(74)
tert-ブチル(2-(メチルスルホンアミド)エチル)カルバマート(73)(12.9g、51.5mmol)をジオキサン(170mL)中の4M HClに溶かし、室温で撹拌した。出発物質が消費されるまで、反応をTLCによってモニタリングした。この時点で、溶媒を蒸発させ、残留物を直接使用した。
工程3:N-(2-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(75)
(2-プロパノール(1mL)中の1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)(50mg、0.15mmol)とN-(2-アミノエチル)メタンスルホンアミド)塩酸塩(74)(42mg、0.23mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.06mL、0.45mmol)を加え、これを90°Cで夜通し加熱した。混合物を濃縮し、残留物をDCM中の0-20%のMeOHの勾配を使用して、フラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、表題生成物(75)(27mg、40%)を得た。LC/MS:Rt=0.88min、m/z=416.2[MH+]。
実施例60:3-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N,N-ジメチルプロパンアミド(76)の合成
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)(100mg、0.32mmol)を、2-プロパノール(3mL)、トリエチルアミン(0.07mL、0.48mmol)、および3-アミノ-N,N-ジメチルプロパンアミド(41)(74mg、0.64mmol)と混合し、混合物を80°Cで活発に夜通し撹拌した。冷ますと、固形物を濾過してエタノールで洗浄することで、表題生成物(76)(100mg、76%)を得た。LC/MS:Rt=0.92min、m/z=394.2[MH+]。
実施例61:(3-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチルプロパンアミド(77)の合成
3-((2-(3-(イソキノリン-6-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチルプロパンアミド(77)は、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-6-イル)尿素(実施例41、化合物49)から、実施例37と同様の手順によって調製された。収率:(25mg、39%)。LC/MS:Rt=0.79min、m/z=380.2[MH+]。
実施例62:1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(80)の合成
工程1:1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(79)
DCM(35mL)中の4-アミノベンゾフラン(78)(0.5g、3.6mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.77mL、5.5mmol)を加え、混合物を0°Cに冷ました。トリホスゲン(1.1g、3.6mmol)を0°Cで混合物に数回に分けて加えた。氷浴を取り除き、混合物を、さらに5時間撹拌する前に室温まで温めた。真空内での濃縮により固形物を得て、これをトルエン(1mL)で希釈し、これに、2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.49g、3.3mmol)一度に加えた。結果として生じた混合物を100°Cで還流するまで夜通し加熱した。反応をEt2Oで希釈し、ろ過することで青白いピンクの固形物を得た。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、0-45%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し、その後、MeOH/DCM/ヘキサン中の主要な画分の再結晶化によって、白色固形物(0.42g、36%)として表題化合物(79)を得た。LC/MS:Rt=3.27min、m/z=303.1[MH+]。
工程2:1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(80)
1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(79)(50mg、0.16mmol)を2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これに、トリエチルアミン(0.03mL、0.24mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.02mL、0.19mmol)を加え、混合物は夜通し撹拌しながら90°Cで加熱した。冷ますと、混合物を濃縮して、DCM中の5%の3M メタノール性アンモニア中で分取TLCによって残留物を精製することで、表題化合物(80)(40mg、66%)を得た。LC/MS:方法1:Rt=1.15min、m/z=379.3[MH+]。
実施例63:1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(81)の合成
1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(81)は、1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(実施例62、化合物79)の実施例62と同様の手順によって調製された。収率:(25mg、39%)。LC/MS:Rt=0.79min、m/z=380.2[MH+]。
実施例64:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ベンゾフラン-5-イル)尿素(82)の合成
1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(82)は、1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(実施例62、化合物79)から、表題生成物がDCM中の0-45%の3M メタノール性アンモニアで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製され、その後、DCM中の30%の3M メタノール性アンモニア中の分取TLCによって再精製されたことを除けば、実施例62と同様の手順によって調製された。収率:(30mg、28%)。LC/MS:Rt=1.23min、m/z=327.2[MH+]。
実施例65:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ベンゾフラン-5-イル)尿素(83)の合成
1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ベンゾフラン-5-イル)尿素(83)は、表題生成物が、DCM中の0-35%の3M メタノール性アンモニアで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製され、その後、DCM中の20%の3M メタノール性アンモニア中の分取TLCによって再精製されたことを除けば、1-(ベンゾフラン-5-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(実施例62、化合物79)の実施例62と同様の手順によって調製された。収率:(30mg、28%)。LC/MS:Rt=1.10min、m/z=341.2[MH+]。
実施例66:N-(2-((2-(3-(ベンゾフラン-5-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(84)の合成
DCM(0.1mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ベンゾフラン-5-イル)尿素(実施例64、化合物82)(50mg、0.15mmol)、無水酢酸(0.02mL、0.17mmol)、ピリジン(1mL、0.83mmol)、およびN,N-ジメチルアミノピリジン(5mg、0.04mmol)の混合物を2時間60°Cで撹拌した。この時に、混合物を濃縮し、残留物を、DCM中の0-25%の3M メタノール性アンモニアでのフラッシュクロマトグラフィーと、その後の、DCM中の5-10%のMeOHでの分取TLCによって精製することで、表題生成物(84)(18mg、32%)を得た。LC/MS:Rt=1.50min、m/z=369.2[MH+]。
実施例67:N-(3-((2-(3-(ベンゾフラン-5-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(85)の合成
N-(3-((2-(3-(ベンゾフラン-5-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(85)は、1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ベンゾフラン-5-イル)尿素(実施例65、化合物83)の実施例66と同様の手順によって調製された。収率:(32mg、28%)。LC/MS:Rt=1.53min、m/z=383.2[MH+]。
実施例68:N-(2-((2-(3-(ベンゾフラン-5-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(86)の合成
ピリジン(1mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(ベンゾフラン-5-イル)尿素(実施例64、化合物82)(50mg、0.15mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.03mL、0.44mmol)を加え、これを2時間60°Cで加熱した。この時に、混合物を濃縮し、DCM中の0-5%のMeOHで最初に、その後DCM中の0-25%の3M メタノール性アンモニアでフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。この材料を、溶出剤としてDCM中で5-10%のMeOHを使用して分取TLCによって精製することで、表題生成物(86)(22mg、36%)を得た。LC/MS:Rt=1.63min、m/z=405.2[MH+]。
実施例69:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(89)の合成
工程1:イソキノリン-3-カルボニルアジド(87)
無水DMF(1mL)中のイソキノリン-3-カルボン酸(1g、5.7mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.95mL、6.7mmol)を加え、その後、ジフェニルホスホリルアジド(1.46mL、6.7mmol)を加え、この混合物を夜通し撹拌した。この時に、結果として生じた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で繰り返し洗浄した。有機質層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後に、有機物を濃縮し、残留物を、ヘキサン中の0-45%の酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルクロマドグラフィーより精製した。表題化合物(87)は、画分の蒸発後に白色固形物として得られた(0.80g、69%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(88)
トルエン(13mL)中のイソキノリン-3-カルボニルアジド(87)(0.17g、0.83mmol)および2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.10g、0.69mmol)の混合物を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL、1.0mmol)で処理し、混合物を3時間110°Cで加熱した。混合物を冷まして、溶媒を蒸発させることで残留物を得て、これを、ヘキサン中の0-50%の酢酸エチルの勾配でフラッシュクロマトグラフィーによって、その後、ヘキサン中の50%酢酸エチルを用いる分取TLCによって精製した。関連する画分の蒸発により表題化合物(88)(0.11g、50%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(89)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(88)(50mg、0.15mmol)を、2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これに、トリエチルアミン(0.03mL、0.23mmol)と、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.02mL、0.18mmol)を加え、混合物を夜通し撹拌しながら80°Cで加熱した。冷ました後、混合物を、DCM中の15%の3M メタノール性水酸化アンモニウム中で分取TLCによって精製することで、表題化合物(89)(35mg、58%)を得た。LC/MS:Rt=1.22min、m/z=380.2[MH+]。
実施例70:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(90)の合成
1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(90)は、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(88)(50mg、0.15mmol)から、実施例69と同様の手順によって調製された。DCM中の0-20%の3M メタノール性水酸化アンモニウム中のフラッシュクロマトグラフィーによって表題化合物を精製した。収率:(32mg、28%)。LC/MS:Rt=1.17min、m/z=338.2[MH+]。
実施例71:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(91)の合成
1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(91)は、反応混合物を冷ます際に濾過することで表題生成物(50mg、26%)を得たことを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(88)(170mg、0.52mmol)から、実施例69と同様の手順によって調製された。LC/MS:Rt=1.27min、m/z=352.2[MH+]。
実施例72:N-(3-((2-(3-(イソキノリン-3-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(92)の合成
DCM(0.5mL)中の1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(実施例71、化合物91)(45mg、0.13mmol)、無水酢酸(0.01mL、0.14mmol)、ピリジン(0.06mL、0.79mmol)、および、触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジンの混合物を、2時間室温で撹拌した。この時に、エーテル(1mL)で希釈する前に混合物を冷凍庫で冷やした。固形物をろ過し、エーテルで洗浄することで、乾燥している表題生成物(92)を得た。(25mg、50%)。LC/MS:Rt=1.56min、m/z=394.2[MH+]。
実施例73:N-(2-((2-(3-(イソキノリン-3-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(93)の合成
0°Cに冷ましたDCM(0.30mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-3-イル)尿素(実施例70、化合物90)(50mg、0.15mmol)とトリエチルアミン(0.03mL、0.22mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.01mL、0.16mmol)を加え、これを2時間室温で撹拌した。この時に、混合物をDCM(1mL)で希釈し、および、溶出剤としてDCM中で0-20%の3M メタノール性アンモニアを使用してフラッシュクロマトグラフィーによって混合物を精製することで表題生成物(93)(30mg、49%)を得た。LC/MS:Rt=1.75min、m/z=416.2[MH+]。
実施例74:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(96)の合成
工程1:キノリン-2-カルボニルアジド(94)
無水DMF(1mL)中のキノリン-2-カルボン酸(1g、5.7mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.95mL、6.8mmol)を加え、その後、ジフェニルホスホリルアジド(1.48mL、6.8mmol)を加え、この混合物を夜通し撹拌した。この時に、結果として生じた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で繰り返し洗浄した。有機質層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後に、有機物を濃縮し、残留物を、ヘキサン中の0-45%の酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルクロマドグラフィーより精製した。画分の蒸発後、白色固形物として表題化合物(94)を得た(0.77g、65%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(95)
トルエン(13mL)中のキノリン-2-カルボニルアジド(94)(0.17g、0.83mmol)および2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.10g、0.69mmol)の混合物をN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL、1.0mmol)で処理し、混合物を3時間110°Cで加熱した。混合物を冷まし、溶媒を蒸発させることで残留物を得て、これをヘキサン中の0-40%の酢酸エチルの勾配でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。関連する画分の蒸発により表題化合物(95)(0.20g、89%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(96)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(95)(50mg、0.15mmol)を2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これにトリエチルアミン(0.03mL、0.23mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.02mL、0.18mmol)を加え、混合物を夜通し撹拌しながら80°Cで加熱した。冷ました後、混合物を、DCM中の15%の3M メタノール性水酸化アンモニウム中で分取TLCによって精製することで、表題化合物(96)(32mg、53%)を得た。LC/MS:Rt=1.22min、m/z=380.2[MH+]。
実施例75:1-(4-((2-ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-2-イル)尿素(97)の合成
1-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(97)は、DCM中の10%の1M メタノール性水酸化アンモニウムを使用して、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(95)(50mg、0.15mmol)から、実施例74と同様の手順によって調製されることで、表題化合物を得た。収率:(35mg、40%)。LC/MS:Rt=1.16min、m/z=366.2[MH+]。
実施例76:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-2-イル)尿素(98)の合成
1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(98)は、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(95)(50mg、0.15mmol)から、実施例74と同様の手順によって調製されることで、表題化合物を得た。収率:(11mg、7%)。LC/MS:Rt=1.18min、m/z=338.2[MH+]。
実施例77:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-2-イル)尿素(99)の合成
1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(99)は、DCM中の30%の1M メタノール性水酸化アンモニウムを使用して、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(95)(50mg、0.15mmol)から、実施例74と同様の手順によって調製されることで、表題化合物を得た。収率:(35mg、40%)。LC/MS:Rt=1.16min、m/z=366.2[MH+]。
実施例78:N-(3-((6-メチル-2-(3-(キノリン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(100)の合成
DCM(0.5mL)中の1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(99)(50mg、0.14mmol)、無水酢酸(0.01mL、0.15mmol)、ピリジン(0.07mL、0.87mmol)、および触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジンの混合物を、室温で夜通し撹拌した。この時に、混合物を濃縮し、DCM中の30%のMeOHを使用して、分取TLCによって精製することで、乾燥している表題生成物(100)を得た。収率:(17mg、31%)。LC/MS:Rt=1.68min、m/z=394.2[MH+]。
実施例79:N-(2-((6-メチル-2-(3-(キノリン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(101)の合成
N-(2-((6-メチル-2-(3-(キノリン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(101)は、1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(98)(35mg、0.10mmol)から、実施例78で使用される手順に似た手順を使用して調製された。収率:(14mg、35%)。LC/MS:Rt=1.68min、m/z=380.2[MH+]。
実施例80:N-(2-((6-メチル-2-(3-(キノリン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(102)の合成
0°Cに冷ましたDCM(0.30mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(98)(54mg、0.16mmol)とトリエチルアミン(0.04mL、0.32mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.01mL、0.18mmol)を加え、これを2日間室温で撹拌した。このときに、混合物を濃縮し、溶出剤としてDCM中の10%のMeOHを使用して分取TLCによって精製することで、表題生成物(102)(9mg、14%)を得た。LC/MS:Rt=1.77min、m/z=416.2[MH+]。
実施例81:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(105)の合成
工程1:キノリン-6-カルボニルアジド(103)
無水DMF(1mL)中のキノリン2-カルボン酸(1g、5.6mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.95mL、6.7mmol)を加え、その後、ジフェニルホスホリルアジド(1.46mL、6.7mmol)を加え、この混合物を夜通し撹拌した。この時に、結果として生じた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で繰り返し洗浄した。有機質層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後に、有機物を濃縮し、残留物を、ヘキサン中の0-40%の酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルクロマドグラフィーより精製した。画分の蒸発後、白色固形物として表題化合物(103)を得た(0.88g、75%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(104)
トルエン(13mL)中のキノリン-2-カルボニルアジド(103)(0.17g、0.83mmol)および2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.14g、0.69mmol)の混合物を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL、1.0mmol)で処理し、混合物を3時間110°Cで加熱した。混合物を冷まし、溶媒を蒸発させることで残留物を得て、これをヘキサン中の0-80%の酢酸エチルの勾配でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。関連する画分の蒸発により表題化合物(104)(0.18g、76%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-2-イル)尿素(105)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(104)(50mg、0.15mmol)を2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これにトリエチルアミン(0.03mL、0.23mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.02mL、0.18mmol)を加え、混合物を夜通し撹拌しながら90°Cで加熱した。冷ました後、混合物を、DCM中の15%の3M メタノール性水酸化アンモニウム中で分取TLCによって精製することで、表題化合物(105)(33mg、55%)を得た。LC/MS:Rt=0.73min、m/z=380.3[MH+]。
実施例82:1-(4-((2-ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(106)の合成
1-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(106)は、分取TLC溶媒としてDCM中の5%の3M メタノール性水酸化アンモニウムを使用して、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(104)(50mg、0.15mmol)から、実施例81と同様の手順によって調製された。収率:(35mg、67%)。LC/MS:Rt=0.70min、m/z=366.2[MH+]。
実施例83:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(107)の合成
1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(107)は、分取TLC溶媒としてDCM中の30%の3M メタノール性水酸化アンモニウムを使用して、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(104)(150mg、0.45mmol)から、実施例81と同様の手順によって調製された。収率:(106mg、66%)。LC/MS:Rt=0.67min、m/z=328.2[MH+]。
実施例84:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(108)の合成
1-(4-((3-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(108)は、分取TLC溶媒としてDCM中の50%の3M メタノール性水酸化アンモニウムを使用して、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(104)(150mg、0.45mmol)から、実施例81と同様の手順によって調製された。収率:(135mg、80%)。LC/MS:Rt=0.68min、m/z=352.2[MH+]。
実施例85:N-(3-((6-メチル-2-(3-(キノリン-6-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(109)の合成
DCM(1mL)中の1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(108)(50mg、0.14mmol)、無水酢酸(0.01mL、0.15mmol)、ピリジン(0.07mL、0.84mmol)、および触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン)の混合物を、室温で夜通し撹拌した。この時に、混合物を濃縮し、DCM中の5-30%の3M メタノール性アンモニアを使用して、分取TLCによって精製することで、乾燥している表題生成物(109)を得た。収率:(21mg、38%)。LC/MS:Rt=0.99min、m/z=394.2[MH+]。
実施例86:N-(2-((6-メチル-2-(3-(キノリン-6-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(110)の合成
N-(2-((6-メチル-2-(3-(キノリン-6-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(110)は、1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(107)(35mg、0.10mmol)から、実施例85で使用される手順に似た手順を使用して調製された。収率:(15mg、33%)。LC/MS:Rt=0.94min、m/z=380.2[MH+]。
実施例87:N-(2-((6-メチル-2-(3-(キノリン-6-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(111)の合成
0°Cに冷ましたDCM(1mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(キノリン-6-イル)尿素(107)(40mg、0.11mmol)とトリエチルアミン(0.05mL、0.73mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.01mL、0.17mmol)を加え、これを室温で夜通し撹拌した。混合物を濃縮し、溶出剤としてDCM中の10%の3Mメタノール性アンモニアを使用して分取TLCによって精製することで、表題生成物(111)(17mg、35%)を得た。LC/MS:Rt=1.0min、m/z=416.2[MH+]。
実施例88:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(114)の合成
工程1:イソキノリン-7-カルボニルアジド(112)
無水DMF(1mL)中のイソキノリン-7-カルボン酸(1g、5.6mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.94mL、6.7mmol)を加え、その後、ジフェニルホスホリルアジド(1.49mL、6.7mmol)を加え、この混合物を4時間撹拌した。この時、混合物を-20°Cで夜通し保存した。この溶液を酢酸エチルで希釈し、水で繰り返し洗浄した。有機質層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過後に、有機物を濃縮し、残留物を、ヘキサン中の30-50%の酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルクロマドグラフィーより精製した。画分の蒸発後、白色固形物として表題化合物(112)を得た(0.85g、77%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(113)
トルエン(30mL)中のイソキノリン-7-カルボニルアジド(112)(0.85g、4.2mmol)および2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.51g、3.6mmol)の混合物を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.93mL、5.4mmol)で処理し、混合物を3時間100°Cで加熱し、その後、夜通し75°Cで加熱した。混合物を冷まし、混合物をMeoH(10mL)で希釈した。結果として生じた固形物の濾過により、表題生成物(113)(0.69g、62%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(114)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(113)(75mg、0.24mmol)を、2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これに、トリエチルアミン(0.05mL、0.36mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.04mL、0.29mmol)を加え、混合物を夜通し撹拌しながら80°Cで加熱した。このとき、2-プロパノール(0.5mL)、トリエチルアミン(0.05mL、0.36mmol)、およびN,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.03mL、0.22mmol)のさらなる画分を加え、加熱を1日続けた。冷ました後、混合物をMeOH(5mL)で希釈し、結果として生じた固形物をろ過し、これらを、DCM中の10%の1M メタノール性水酸化アンモニウムでの分取TLCによって精製することで、表題化合物(114)(20mg、22%)を得た。LC/MS:Rt=1.00min、m/z=380.3[MH+]。
実施例89:1-(4-((2-ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(115)の合成
1-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素は、反応混合物をMeOH(5mL)で希釈し、固形物をろ過することで表題生成物(115)(31mg、35%)を得たことを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(113)(75mg、0.24mmol)から、実施例88と同様の手順によって調製された。LC/MS:Rt=1.04min、m/z=366.2[MH+]。
実施例90:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(116)の合成
1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(116)は、反応混合物をMeOH(10mL)で希釈し、結果として生じた固形物をろ過することを除けば、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(113)(150mg、0.48mmol)から、実施例88と同様の手順によって調製された。これらはDCM中の0-30%の3M メタノール性水酸化アンモニウムを使用して、フラッシュクロマトグラフィーによって精製された。収率:(40mg、25%)。LC/MS:Rt=0.99min、m/z=338.2[MH+]。
実施例91:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(117)の合成
1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(117)は、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(113)(150mg、0.48mmol)から、実施例90と同様の手順によって調製された。収率:(43mg、25%)。LC/MS:Rt=1.02min、m/z=352.2[MH+]。
実施例92:N-(3-((2-(3-(イソキノリン-7-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(118)の合成
DCM(1mL)中の1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(117)(50mg、0.14mmol)、無水酢酸(0.01mL、0.15mmol)、ピリジン(0.07、0.84mmol)、および触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン)の混合物を、室温で夜通し撹拌した。このとき、無水酢酸(0.02mL、0.21mmol)第2の部分を加え、混合物はもう一日撹拌した。混合物を濃縮し、DCM中の10%のMeOHを使用して、分取TLCによって精製することで、乾燥している表題生成物(118)を得た。収率:(15mg、27%)。LC/MS:Rt=1.21min、m/z=394.2[MH+]。
実施例93:N-(2-((2-(3-(イソキノリン-7-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(119)の合成
N-(2-((2-(3-(イソキノリン-7-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(119)は、1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(116)(57mg、0.16mmol)から、実施例92で使用される手順に似た手順を使用して調製された。収率(11mg、17%)。LC/MS:Rt=1.16min、m/z=380.2[MH+]。
実施例94:N-(2-((2-(3-(イソキノリン-7-イル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(120)の合成
0°CのDCM(0.3mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(イソキノリン-7-イル)尿素(116)(29mg、0.09mmol)とトリエチルアミン(0.05mL、0.34mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.01mL、0.19mmol)を加えた。反応混合物を一晩、室温で撹拌した。メタンスルホニル塩化物(0.04mL、0.54mmol)の第2の部分を加え、撹拌を1時間続けた。混合物を2時間40°Cまで加熱し、その後、濃縮した。この混合物を、溶出剤としてDCM中の0-10%のMeOHを使用してフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、表題生成物(120)(2mg、6%)を得た。LC/MS:Rt=1.24min、m/z=416.2[MH+]。
実施例95:N-(2-((2-(3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(123)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(121)の合成
窒素注入口、冷却器、および磁気撹拌棒を装備した1Lの丸底フラスコに、3,4-ジクロロフェニルイソシアナート(70.6g、367.8mmol)と無水トルエン(334mL)を充填した。結果として生じた溶液を室温で撹拌した。4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-アミン(50g、334.3mmol)を室温の溶液に加え、装置に窒素ガスを流して窒素雰囲気下で維持した。反応混合物を15時間の還流するまで加熱し、その間、部分的に不均質な反応は厚いスラリーを形成した。結果として生じたスラリーを濾過し、固形物を大量のMeOHで洗浄し、その後、ジエチルエーテルで洗浄した。固形物を採取し、減圧下で乾燥させることで、表題生成物(121)(112g、99%)を得た。
工程2:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(122)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(121)(200mg、0.60mmol)を、トリエチルアミン(0.13mL、0.9mmol)とエチレンジアミン(0.04mL、0.60mmol)が添加された2-プロパノール(0.9mL)に懸濁した。混合物を還流するまで加熱し、反応の完了についてLC/MSによってモニタリングした。この時に、混合物をろ過し、固形物をMeOHとエーテルで洗浄することで、表題生成物(122)(159mg、71%を得た。LC/MS:Rt=1.8min、m/z=355.1-357.1[MH+]。
工程3:N-(2-((2-(3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(123)
0°CのDCM(0.7mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(122)(75mg、0.21mmol)とトリエチルアミン(0.04mL、0.32mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.02mL、0.23mmol)を加えた。反応混合物を、-20°Cで混合物を保存する前に、2時間室温で撹拌した。このときに、混合物を濃縮し、溶出剤としてDCM中で0-30%の3M メタノール性アンモニアを使用して、カラムクロマトグラフィーによって精製することで、表題生成物(123)(60mg、66%)を得た。LC/MS:Rt=2.3min、m/z=397.2-399.2[MH+]。
実施例96:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(125)の合成
工程1:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(124)の合成
2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.5g、3.4mmol)および4-ビフェニルイソシアネート(0.82g、4.1mmol)およびトルエン(3.1mL)の混合物を、室温で撹拌し、その後、110°Cで夜通し加熱した。結果として生じたスラリーを濾過し、固形物をジエチルエーテルで洗浄することで、表題生成物(124)(1.1g、98%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(125)
1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(124)(200mg、0.57mmol)を、トリエチルアミン(0.12mL、0.86mmol)と3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.09mL、0.69mmol))が添加された2-プロパノール(0.5mL)に懸濁した。沈殿物が形成されると、混合物を2時間80°Cに加熱した。冷ますと、混合物をろ過することで表題生成物(125)(171mg、70%)を得た。LC/MS:Rt=1.70min、m/z=405.3[MH+]。
実施例97:1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-(4-(エチルアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(126)の合成
1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-(4-(エチルアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(126)は、1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(124)(200mg、0.57mmol)とエチルアミンから、実施例96の手順に似た手順によって調製された。収率:(146mg、70%)。LC/MS:Rt=2.84min、m/z=348.2[MH+]。
実施例98:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-フェノキシフェニル)尿素(128)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-フェノキシフェニル)尿素(127)の合成
2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.5g、3.4mmol)および3-フェノキシフェニルイソシアネート(0.87g、4.1mmol)およびトルエン(3.1mL)の混合物を室温で撹拌し、その後、110°Cで夜通し加熱した。結果として生じたスラリーを濾過し、固形物をジエチルエーテルで洗浄することで、表題生成物(127)(1.1g、89%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-フェノキシフェニル)尿素(128)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-フェノキシフェニル)尿素(127)(200mg、0.55mmol)を、トリエチルアミン(0.11mL、0.83mmol)と3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.09mL、0.69mmol)が添加された2-プロパノール(0.5mL)に懸濁した。沈殿物が形成されると、混合物を2時間80°Cに加熱した。冷ますと、混合物をろ過することで表題生成物(128)(200mg、83%)を得た。LC/MS:Rt=1.73min、m/z=421.3[MH+]。
実施例99:1-([1,1’-ビフェニル]-3-イル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(131)の合成
工程1:[1,1’-ビフェニル]-3-カルボニルアジド(129)の合成
無水DMF(10mL)中の[1,1’-ビフェニル]-3-カルボン酸(1g、4.9mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.77mL、5.4mmol)とジフェニルホスホリルアジド(1.28mL、5.4mmol)を加え、反応がLC/MSで判断されるように完了するときまでこの混合物を撹拌した。この溶液を酢酸エチルで希釈し、水で繰り返し洗浄した。有機質層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過の後に、有機物を濃縮し、残留物を次の工程で直接使用した。
工程2:1-([1,1’-ビフェニル]-3-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(129)の合成
トルエン(65mL)中の2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.5g、3.4mmol)および[1,1’-ビフェニル]-3-カルボニルアジド(129)(0.98g、4.1mmol)の混合物を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.47mL、5.2mmol)で処理し、混合物を3時間100°Cで加熱した。混合物を冷まし、混合物をMeoH(10mL)で希釈した。結果として生じた固形物の濾過により、表題生成物(130)(0.28g、24%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-([1,1’-ビフェニル]-3-イル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(131)の合成
1-([1,1’-ビフェニル]-3-イル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(130)(200mg、0.57mmol)を、トリエチルアミン(0.12mL、0.86mmol)と3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.09mL、0.69mmol))が添加された2-プロパノール(0.5mL)に懸濁した。沈殿物が形成されると、混合物を2時間80°Cに加熱した。冷ますと、混合物をろ過し、固形物を、DCM中の0-40%の3M メタノール性アンモニアの勾配でカラムクロマトグラフィーによって精製することで、表題生成物(131)(100mg、41%)を得た。LC/MS:Rt=1.99min、m/z=405.3[MH+]。
実施例100:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-フェノキシフェニル)尿素(133)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-フェノキシフェニル)尿素(132)の合成
2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.5g、3.4mmol)および4-フェノキシフェニルイソシアネート(0.87g、4.1mmol)およびトルエン(3.1mL)の混合物を室温で撹拌し、その後、110°Cで夜通し加熱した。結果として生じたスラリーを濾過し、固形物をジエチルエーテルで洗浄することで、表題生成物(132)(1.1g、89%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-フェノキシフェニル)尿素(133)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-フェノキシフェニル)尿素(132)(200mg、0.55mmol)を、トリエチルアミン(0.11mL、0.82mmol)と3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.09mL、0.66mmol)が添加された2-プロパノール(0.5mL)に懸濁した。沈殿物が形成されると、混合物を2時間80°Cに加熱した。冷ますと、混合物をろ過することで表題生成物(133)(150mg、62%)を得た。LC/MS:Rt=1.78min、m/z=421.0[MH+]。
実施例101:1-(4-エチルアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-フェノキシフェニル)尿素(134)の合成
1-(4-(エチルアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-フェノキシフェニル)尿素(134)は、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-フェノキシフェニル)尿素(132)(200mg、0.57mmol)およびエチルアミンから実施例100の手順に似た手順によって調製され、ここで、反応生成物は、DCM中の3M メタノール性アンモニアを使用して、カラムクロマトグラフィーによって精製された。収率:(82mg、39%)。LC/MS:Rt=2.43min、m/z=363.9[MH+]。
実施例102:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(136)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(135)の合成
2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(1.3g、8.8mmol)および4-メチルエトキシベンゼンイソシアネート(1.72g、9.7mmol)およびトルエン(8.8mL)の混合物を、室温で撹拌し、その後、4時間110°Cで加熱した。MeOH(1mL)を加え、結果として生じた混合物を固形残留物に濃縮し、これをMeOHから結晶化して表題生成物(135)(0.73g、26%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(136)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(135)(75mg、0.23mmol)を、トリエチルアミン(0.05mL、0.35mmol)と3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.04mL、0.26mmol)が添加された2-プロパノール(0.47mL)に懸濁した。沈殿物が形成されると、混合物を夜通し80°Cに加熱した。冷ますと、混合物をろ過し、固形物を、DCM中の0-20%の1M メタノール性アンモニアを用いてクロマトグラフィーにかけることで、表題生成物(136)(24mg、26%)を得た。LC/MS:Rt=1.58min、m/z=387.3[MH+]。
実施例103:1-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(137)の合成
1-(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(137)は、1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(135)(75mg、0.23mmol)および2-ジメチルアミノエチルアミン)から、実施例102の手順に似た手順によって調製された。収率:(23mg、27%)。LC/MS:Rt=1.52min、m/z=373.3[MH+]。
実施例104:N-(2-((2-(3-(4-イソプロポキシフェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(139)の合成
工程1:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(138)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(135)(150mg、0.47mmol)を、トリエチルアミン(0.10mL、0.7mmol)とエチレンジアミン(0.04mL、0.56mmol)が添加された2-プロパノール(0.9mL)に懸濁した。混合物を還流するまで加熱し、夜通し加熱した。このとき、混合物をろ過し、固形物をDCM中で10-30%の1M メタノール性アンモニアを使用してクロマトグラフィーにかけた。精製された画分を蒸発させ、DCMと炭酸水素ナトリウム溶液との間に分割し、DCMを用いて水層を逆抽出した。結合させた有機分画を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させることで、表題生成物(138)(40mg、26%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:N-(2-((2-(3-(4-イソプロポキシフェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(139)
0°Cの1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(138)(64mg、0.18mmol)およびピリジン(0.74mL、0.18mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.04mL、0.55mmol)を加えた。反応混合物を4時間室温で撹拌した。このとき、さらなるメタンスルホニル塩化物(0.05mL、0.69mmol)を加え、撹拌を夜通し続けた。混合物をMeOH(2mL)でクエンチして、濃縮して、残留物を、溶出剤としてDCM中で0-10%のMeOHを使用して、カラムクロマトグラフィーによって精製することで、表題生成物(139)(23mg、30%)を得た。LC/MS:Rt=1.99min、m/z=424.2[MH+]。
実施例105:N-(2-((2-(3-(4-イソプロポキシフェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)アセトアミド(140)の合成
DCM(0.5mL)中の1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(138)(35mg、0.10mmol)、無水酢酸(0.01mL、0.11mmol)、ピリジン(0.05mL、0.62mmol)、および触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジン)の混合物を、室温で夜通し撹拌した。混合物を濃縮し、DCM中の10%のMeOHを使用してクロマトグラフィーにかけることによって、乾燥している表題生成物(140)を得た。収率:(13mg、32%)。LC/MS:Rt=1.84min、m/z=387.3[MH+]。
実施例106:N-(3-((2-(3-(4-イソプロポキシフェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(142)の合成
工程1:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(141)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(135)(150mg、0.47mmol)を、トリエチルアミン(0.10mL、0.7mmol)とプロパン-1,3-ジアミン(0.05mL、0.56mmol)が添加された2-プロパノール(0.5mL)に懸濁した。混合物を還流するまで加熱し、夜通し加熱した。このとき、混合物をろ過し、固形物をDCM中で10-30%の1M メタノール性アンモニアを使用してクロマトグラフィーにかけた。精製された画分を蒸発させ、DCMと炭酸水素ナトリウム溶液との間に分割し、DCMを用いて水層を逆抽出した。結合させた有機分画を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させることで、表題生成物(141)(22mg、13%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:N-(3-((2-(3-(4-イソプロポキシフェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)アセトアミド(142)
DCM(0.5mL)中の1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(141)(22mg、0.06mmol)、無水酢酸(0.006mL、0.07mmol)、ピペリジン(0.07mL、0.30mmol)、および触媒量のN,N-ジメチルアミノピリジンの混合物を、室温で撹拌した。無水酢酸(0.08mL、0.93mmol)の第2の部分を加え、混合物を夜通し撹拌した。DCM(1mL)を加え、混合物を、DCM中の0-10%のMeOHを使用して、クロマトグラフィーをかけることで、乾燥している表題生成物(142)を得た。収率:(15mg、57%)。LC/MS:Rt=1.83min、m/z=401.3[MH+]。
実施例107:1-(4-メチル-6-(メチルアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(144)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(143)
ジオキサン(39mL)中の2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(4.2g、29.3mmol)および4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート(6.5g、32.2mmol)の混合物を、100°Cで7時間加熱した。MeOH(40mL)を加え、混合物を夜通し撹拌した。固形物をろ過することで、一期作の表題生成物(143)を得た。濾液の濃縮により固形物を得て、これをMeOH(40mL)から結晶化することで、第2の部分を得た(7.4g、73%)。
工程2:1-(4-メチル-6-(メチルアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(144)
2-プロパノール(0.43mL)中の1-(4-クロロ-6-メチル-2-ピリミジニル)-3-(p-トリフルオロメトキシフェニル)尿素(143)(75mg、0.22mmol)、トリエチルアミン(0.04mL、0.32mmol)、およびメチルアミン(THF中の2M:0.13mL、0.26mmol)の混合物を、80°Cで夜通し加熱した。反応混合物を冷まし、MeoH(3mL)で処理した。白色沈殿物をろ過し、MeOHで洗浄し、空気乾燥させることで、表題化合物(144)(44mg、59%)を得た。LC/MS:Rt=2.17min、m/z=342.2[MH+]。
実施例108:1-(4-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(145)の合成
1-(4-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(145)は、1-(4-クロロ-6-メチル-2-ピリミジニル)-3-(p-トリフルオロメトキシフェニル)尿素(143)(75mg、0.22mmol)およびエタノールアミンから、実施例107の手順に似た手順によって調製された。収率:(52mg、60%)。LC/MS:Rt=2.17min、m/z=372.2[MH+]。
実施例109:1-(4-(メトキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(146)の合成
1-(4-(メトキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(146)は、1-(4-クロロ-6-メチル-2-ピリミジニル)-3-(p-トリフルオロメトキシフェニル)尿素(143)(100mg、0.29mmol)、およびO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例107の手順に似た手順によって調製された。生成物を、DCM中の5%のMeOH、および、その後の20%のMeOHを使用して、段階的にクロマトグラフィーにかけた。収率:(12mg、11%)。LC/MS:Rt=3.32min、m/z=358.2[MH+]。
実施例110:1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(147)の合成
1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(147)は、1-(4-クロロ-6-メチル-2-ピリミジニル)-3-(p-トリフルオロメトキシフェニル)尿素(143)(75mg、0.22mmol)、およびヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例107の手順に似た手順によって調製された。生成物を、DCM中の0-20%の1M メタノール性アンモニアの勾配でクロマトグラフィーにかけた。収率:(11mg、15%)。LC/MS:Rt=2.12min、m/z=358.2[MH+]。
実施例111:1-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(149)の合成
工程1:1-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(148)
トルエン(8mL)中の2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.60g、4.2mmol)および3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート(1.1g、4.6mmol)の混合物を、100°Cで夜通し加熱した。MeOH(10mL)を加え、混合物をろ過することで固形物を得て、これをMeOH(1mL)で洗浄することで、表題生成物(148)(321mg、20%)を得た。
工程2:1-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(149)
2-プロパノール(0.40mL)中の1-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(148)(75mg、0.20mmol)、トリエチルアミン(0.04mL、0.30mmol)、および3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.03mL、0.24mmol)の混合物を、80°Cで夜通し加熱した。反応混合物を冷まし、MeoH(3mL)で処理した。白色沈殿物をろ過し、MeOHで洗浄し、空気乾燥させることで、表題化合物(149)(44mg、50%)を得た。LC/MS:Rt=2.10min、m/z=447.2-449.2[MH+]。
実施例112:1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(150)の合成
1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(150)は、1-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(148)(100mg、0.26mmol)およびエチレンジアミンから、実施例111に似た手順によって調製された。収率:(63mg、60%)。LC/MS:Rt=1.93min、m/z=403.1-405.1[MH+]。
実施例113:N-(2-((2-(3-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ウレイド)-6-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)メタンスルホンアミド(151)の合成
0°Cの1-(4-((2-アミノエチル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素(150)(117mg、0.29mmol)およびピリジン(1.16mL、0.29mmol)の混合物に、メタンスルホニル塩化物(0.04mL、0.55mmol)を加えた。反応混合物を5時間室温で撹拌した。混合物を濃縮し、DCMに溶かし、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。2回量のDCMで水層を洗浄することで、結合した有機分画が得られ、これを硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸発させることで、表題生成物(151)(51mg、36%)を得た。LC/MS:Rt=2.40min、m/z=483.1-485.1[MH+]。
実施例114:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-メチル-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(153)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-メチル-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(152)
トルエン(9mL)中の2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(0.65g、4.5mmol)および3-メチル-4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート(1.1g、5.0mmol)の混合物を、80°Cで夜通し加熱した。MeOH(1mL)を加え、混合物をろ過することで固形物を得て、これをMeOH(1mL)で洗浄することで、表題生成物(152)(350mg、21%)を得た。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-メチル-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(153)
2-プロパノール(0.40mL)中の1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3-メチル-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(152)(75mg、0.21mmol)、トリエチルアミン(0.04mL、0.31mmol)、および3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.03mL、0.25mmol)の混合物を、80°Cで夜通し加熱した。反応混合物を冷まし、MeoH(3mL)で処理した。白色沈殿物をろ過し、その後、DCM中で0-30%の1M メタノール性アンモニアを使用してクロマトグラフィーにかけることによって、表題化合物(153)(43mg、48%)を得た。LC/MS:Rt=1.80min、m/z=427.2[MH+]。
実施例115:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-ベンゾイルフェニル)尿素(155)の合成
工程1:1-(4-ベンゾイルフェニル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(154))
トルエン(6.4mL)中の2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(1.0g、6.8mmol)および4-ベンゾイルフェニルイソシアネート(1.9g、8.1mmol)の混合物を、110°Cで夜通し加熱した。混合物をろ過することで固形物を得て、これをエーテルで洗浄することで表題生成物(154)(2.5mg、96%)を得た。
工程2:1-(4-((3-アミノプロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-ベンゾイルフェニル)尿素(155)
2-プロパノール(0.40mL)中の1-(4-ベンゾイルフェニル)-3-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(154)(103mg、1.36mmol)、トリエチルアミン(0.38mL、2.7mmol)、および1,3-ジアミノプロパン(0.12mL、1.36mmol)の混合物を、80°Cで夜通し加熱した。白色沈殿物をろ過することで表題化合物(155)(165mg、57%)を得た。LC/MS:Rt=1.84min、m/z=405.3[MH+]。
実施例116:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(157)の合成
工程1:1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(156)
トルエン(20mL)中の2-アミノ-4-クロロ-ピリミジン(2.5g、18.5mmol)および3,4-ジクロロフェニルイソシアネート(3.9g、20.4mmol)の混合物を、夜通し加熱還流した。混合物をろ過することで固形物を得て、これをエタノール、その後、エーテルで洗浄することで表題生成物(156)(4.5g、74%)を得た。
工程2:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(157)
2-プロパノール(3mL)中の1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(156)(250mg、0.78mmol)、トリエチルアミン(0.13mL、0.9mmol)、およびN,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.22mL、1.9mmol)の混合物を、80°Cで夜通し加熱した。白色沈殿物をろ過し、無水アルコールで洗浄することで、表題化合物(157)(152mg、48%)を得た。LC/MS:Rt=1.78min、m/z=383.2-385.2[MH+]。
実施例117:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(158)の合成
1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(158)は、1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(156)(200mg、0.63mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例116の手順に似た手順によって調製された。収率:(63mg、60%)。LC/MS:Rt=2.29min、m/z=314.1-316.1[MH+]。
実施例118:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(160)の合成
工程1:1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(159)
2-イソシアナトナフタレン(1)(0.94g、5.6mmol)および2-アミノ-4-クロロ-ピリミジン(0.67g、5.0mmol)およびトルエン(1mL)の混合物を、夜通し加熱還流した。冷ますと、形成された沈殿物を濾過し、エタノール、その後エーテルで洗浄することで、表題化合物(159)(0.9g、58%)を得た。LC/MS:Rt=3.96min、m/z=299.1[MH+]。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(160)
1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(159)(200mg、0.67mmol)を、2-プロパノール(3mL)に懸濁した。これに、トリエチルアミン(0.11mL、0.80mmol)を加え、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.19mL、1.6mmol)をその後加え、混合物を夜通し撹拌しながら80°Cで加熱した。冷ますと、混合物を濾過してエタノールで洗浄することで、表題化合物(160)(100mg、39%)を得た。LC/MS:方法1:Rt=1.61min、m/z=365.3[MH+]。
実施例119:1-(4-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(161)の合成
1-(4-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(161)は、1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(159)(200mg、0.67mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩から、実施例118の手順に似た手順によって調製された。収率:(177mg、85%)。LC/MS:Rt=1.97min、m/z=296.1[MH+]。
実施例120:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(163)の合成
工程1:1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(162)
ジオキサン(21mL)中の2-アミノ-4-クロロピリミジン(2g、15.4mmol)および4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート(3.4g、17.0mmol)の混合物を、100°Cで2.5時間加熱した。MeOH(30mL)を加え、混合物を濃縮した。固形物を2時間MeOH(40mL)で撹拌し、その後、ろ過することで表題生成物(162)(2.7g、52%)を得た。LC/MS:Rt=4.00min、m/z=334.1[MH+]。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(163)
2-プロパノール(0.45mL)中の1-(4-クロロピリミジン-2-イル)-3-(4-トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(162)(75mg、0.23mmol)、トリエチルアミン(0.05mL、0.34mmol)、およびN,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.03mL、0.27mmol)の混合物を、80°Cで4時間加熱した。反応混合物を、DCM中の10%の1Mメタノール性アンモニアを使用して分取TLCによって精製することで、表題化合物(163)(29mg、32%)を得た。LC/MS:Rt=1.74min、m/z=399.2[MH+]。
実施例121:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)尿素(168)の合成
工程1:(1-エトキシ-2-フルオロ-1,3-ジオキソプロパン-2-イル)ナトリウム(164)
水素化ナトリウム(鉱油中の60%:6.8g、169mmol)に、冷やしながら(氷浴)窒素流の下でジエチルエーテル(240mL)を加えた。無水アルコール(0.8mL)を加え、その後、ギ酸エチル(12.9g、169mmol)を加え、その後、1.5-2時間かけてジエチルエーテル(100mL)中のエチルフルオロアセタート(18.1g、169mmol)の溶液を液滴で加えた。この混合物を、溶媒の蒸発前に室温で夜通し撹拌することで表題化合物(164)(26.4g、100%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
工程2:2-アミノ-5-フルオロピリミジン-4(5H)-オン(165)
ナトリウムエトキシド(エタノール中の21重量%:189mL、507mmol)の溶液に、塩酸グアニジン(51.0g、507mmol)を加え、これを30分間室温で撹拌して、沈殿物が形成された。無水アルコール(177mL)中の(1-エトキシ-2-フルオロ-1,3-ジオキソプロパン-2-イル)ナトリウム(164)(26.4g、169mmol)の溶液に、濾液を加えた。この混合物を、冷却と濃度の前に90°Cで夜通し加熱した。6NのHCl溶液を用いる0°Cの濃縮物の中和により懸濁液を得て、これをこの温度で1時間撹拌した。濾過により茶色の固形物を得て、これを、アセトニトリル中で0-7%の水を使用して逆相によってクロマトグラフィーにかけることで、淡黄色の固形物として表題化合物(165)(5.1g、22%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
工程3:4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-アミン(166)
2-アミノ-5-フルオロピリミジン-4(5H)-オン(165)(5.1g、37mmol)を、塩化ホスホリル(24mL、255mmol)で処理し、この混合物を4時間加熱した。均質な混合物を冷やし、氷の上に注いだ。この温度を維持しつつ、水(500mL)を加えてpHを7に調整した。水層を酢酸エチル(3X)で抽出し、有機物をブラインで洗浄した。溶媒を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発させることで固形物を得て、これをヘキサン中の0-25%の酢酸エチルでクロマトグラフィーにかけた。精製された材料をヘキサン中でDCMから結晶化することで、表題生成物(166)(0.99g、17%を得た。LC/MS:Rt=1.87min、m/z=148.0[MH+]。
工程4:1-(4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(167)
ジオキサン(3mL)中の4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-アミン(166)(0.1g、0.64mmol)および3,4-ジクロロフェニル)イソシアネート(0.24g、1.29mmol)の混合物を、90°Cで夜通し加熱した。混合物をヘキサン中の0-60%の酢酸エチルでクロマトグラフィーにかけることによって、表題生成物(167)(75mg、35%)を得た。
工程5:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)尿素(168)
2-プロパノール(1mL)中の1-(4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(167)(20mg、0.06mmol)、トリエチルアミン(0.02mL、0.17mmol)、およびN,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.01mL、0.11mmol)の混合物を、90°Cで夜通し加熱した。白色沈殿物をろ過し、無水アルコール/エーテル(1/1)で洗浄することで、表題化合物(168)(14mg、59%)を得た。LC/MS:Rt=2.38min、m/z=401.2-403.1[MH+]。
実施例122:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(170)の合成
工程1:1-(4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(169)
2-イソシアナトナフタレン(1)(0.22g、1.3mmol)および4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-アミン(166)(0.1g、0.64mmol)およびジオキサン(3mL)の混合物を、90°Cで夜通し加熱した。混合物をヘキサン中の0-60%の酢酸エチルでクロマトグラフィーにかけることによって表題生成物(169)を得て、DCM/MeOH/ヘキサン(55mg、26%)から結晶化した。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(170)
1-(4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(169)(23mg、0.07mmol)を2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これにトリエチルアミン(0.03mL、0.21mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.02mL、0.16mmol)を加え、混合物を夜通し撹拌しながら90°Cで加熱した。冷ました後、混合物を、DCM中の0-30%の1M メタノール性アンモニアでクロマトグラフィーにかけることによって表題化合物(170)(8mg、29%)を得た。LC/MS:方法1:Rt=2.20min、m/z=383.2[MH+]。
実施例123:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(172)の合成
工程1:1-(4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(171)
4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアナート(0.27g、1.3mmol)および4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-アミン(166)(0.1g、0.64mmol)およびジオキサン(3mL)の混合物を、90°Cで夜通し加熱した。混合物をヘキサン中の0-30%の酢酸エチルでクロマトグラフィーにかけることによって、表題生成物(171)(84mg、35%)を得た。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(172)
1-(4-クロロ-5-フルオロピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(171)(20mg、0.05mmol)を2-プロパノール(1mL)に懸濁した。これにトリエチルアミン(0.02mL、0.16mmol)を加え、その後、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.01mL、0.11mmol)を加え、混合物を夜通し撹拌しながら90°Cで加熱した。冷ました後、混合物を、DCM中の0-25%の1M メタノール性アンモニアでクロマトグラフィーにかけることによって表題化合物(172)(6mg、25%)を得た。LC/MS:方法1:Rt=2.35min、m/z=417.2[MH+]。
実施例124:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素ジメタンスルホン酸塩(174)の合成
工程1:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(173)
1-(4-クロロ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(実施例95、化合物121)(50g、149mmol)を、トリエチルアミン(31.5mL、224mmol))およびN,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(22.8mL、179mmol)が添加された2-プロパノール(299mL)に懸濁した。混合物を夜通し還流するまで加熱した。冷ました後、混合物をろ過し、固形物をMeOHで洗浄した。得られた固形物を、固形物の濾過および乾燥の前に30分間、撹拌しながらジエチルエーテル中でスラリー化することで、表題生成物(173)(55.3g、89%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素ジメタンスルホン酸塩(174)
メタンスルホン酸(3.9mL、60mmol)が添加された1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)尿素(173)(10g、25mmol)を、DCM(101mL)で懸濁した。混合物をかき回すことで溶液を形成し、この溶液を撹拌すると懸濁液になった。溶媒を除去し、最小量のメタノールを加えて溶解させた。混合物を2時間撹拌すると、MTBEを混濁点まで加えた。この混合物はろ過することで表題生成物(174)(10.2g、69%)を得た。LC/MS:方法1:Rt=0.35、m/z=397.2-399.2[MH+]。
実施例125:1-(4-アミノ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)尿素(176)の合成
工程1:1-(4-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロ-メトキシ)フェニル)尿素(175)
1-(4-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)尿素(175)は、1-(4-クロロ-6-メチル-2-ピリミジニル)-3-(p-トリフルオロメトキシフェニル)尿素(143)(100mg、0.29mmol)および4-メトキシベンジルアミン(108mg、85%)から、実施例107と同様の手順によって調製された。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-アミノ-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(176)
1-(4-((4-メトキシベンジル)アミノ)-6-メチルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)尿素(175)(108mg、0.24mmol)を、トリフルオロ酢酸(4.2mL)に溶かした。混合物を80℃で夜通し加熱した。揮発性物質を蒸発させ、固形物を飽和した重炭酸ナトリウム水溶液に懸濁した。30分後、固形物をろ過することで表題生成物(176)(51mg、64%)を得た。LC/MS:Rt=2.40min、m/z=328.1[MH+]。
実施例126:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-イソプロピル-6-((3-(メチル-アミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(184)の合成
工程1:2-アミノ-6-イソプロピルピリミジン-4(5H)-オン(180)
無水アルコール60mL中のエチルイソブチリルアセテート(5g、30mmol)と塩酸グアニジン(4.5g、45mmol)の懸濁液に、ナトリウムメトキシド(メタノール中の25%:2.5g、45mmol)を加えた。結果として生じた混合物を高圧シール容器内に密封し、100°Cまで夜通し加熱した。溶媒を真空内で除去し、結果として生じた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配、ヘキサン中の20-80%のEtOAc;ジクロロメタン中の0-20%のMeOH)によって精製することで、淡黄色の固形物として所望の化合物を得た(3.7g、76%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-アミン(181)
2-アミノ-6-イソプロピルピリミジン-4(5H)-オン(180)(3.7g、24.0mmol)を塩化ホスホリル(16mL)で処理し、この混合物を4時間加熱した。均質な混合物を冷やし、氷の上に注いだ。この温度を維持しつつ、水(500mL)を加えてpHを7に調整した。水層を酢酸エチル(3X)で抽出し、有機物をブラインで洗浄した。溶媒を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発させることで固形物を得て、これをヘキサン中の0-25%の酢酸エチルでクロマトグラフィーにかけた。精製された材料をヘキサン中でジクロロメタンから結晶化することで、表題生成物(181)(2.1g、51%を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(182)
トルエン(5mL)中の4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-アミン(0.70g、3.78mmol)と3,4-ジクロロフェニル-イソシアネート(0.77g、3.78mmol)の混合物を3時間100°Cまで加熱した。形成された沈殿物を濾過によって採取し、エーテル/ヘキサン(1:1)で洗浄することで、白色固形物として表題化合物(182)を得た(1.38、94%)。LC/MS:Rt=5.06min、m/z=359.1,361.1[MH+]。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:tert-ブチル(3-((2-(3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド)-6-イソプロピルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート(183)
2-プロパノール(5mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(182)(0.10g、0.26mmol)の懸濁液に、3-(N-Boc-N-メチルアミノ)-プロピルアミン(0.08g、0.39mmol)およびトリエチルアミン(0.11mL、0.79mmol)を加えた。混合物を95°Cまで夜通し加熱した。反応物を濃縮して、次の脱保護に直接使用した。(0.14g、100%);
工程4:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-イソプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)-アミノ)ピリミジン-2-イル)尿素(184)
ジクロロメタン(1.25mL)中の粗製のtert-ブチル(3-((2-(3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド)-6-イソプロピルピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート(183)(0.14g)の溶液に、TFA(1.25mL)を加えた。混合物を室温で撹拌した。3時間の撹拌の後、反応混合物を濃縮し、冷たい5%のアンモニア水で中和し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配、ジクロロメタン中の0-30%の1M NH3/MeOH)によって精製されることで、白色固形物として表題化合物(184)を得た。(0.04g、37%)。LC/MS:Rt=1.89min、m/z=411.2-413.2[MH+]。
実施例127:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-イソプロピル-ピリミジン-2-イル)尿素(185)の合成
工程1:1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)尿素(185)
2-プロパノール(5mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(182)(0.10g、0.26mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(0.19g、2.6mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.41mL、2.9mmol)を加え、結果として生じた混合物を3時間95°Cに加熱した。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配、ジクロロメタン中の0-15%の1M NH3/MeOH)によって精製することで、白色固形物として表題化合物(185)を得た。(0.06g、62%)。LC/MS:Rt=2.69min、m/z=356.1-358.1[MH+]。
実施例128:1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素の合成(187)
工程1:1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(186)
トルエン(1mL)中の4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-アミン(181)(0.70g、3.78mmol)および2-ナフチル-イソシアネート(0.69g、3.78mmol)の混合物を、3時間100°Cに加熱した。形成された沈殿物を濾過によって採取し、エーテル/ヘキサン(1:1)で洗浄することで、白色固形物(186)として表題化合物を得た(0.85、61%)。LC/MS:Rt=4.1min、m/z=341.2[MH+]。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(187)
2-プロパノール(5mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(186)(0.20g、0.59mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(0.42g、5.9mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.33mL、2.3mmol)を加え、結果として生じた混合物を2時間80°Cに加熱した。混合物をろ過し、メタノールで洗浄することで、白色固形物として表題化合物(187)を得た。(0.18g、85%)。LC/MS:Rt=2.37min、m/z=338.2[MH+]。
実施例129:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(188)の合成
工程1:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(188)
2-プロパノール(3mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(186、実施例128)(0.20g、0.59mmol)および3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.17mL、1.43mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.1mL、0.7mmol)を加え、結果として生じた混合物を15時間80°Cに加熱した。混合物をろ過し、メタノールで洗浄することで、白色固形物として表題化合物(188)(0.17g、66%)を得た。LC/MS:Rt=1.73min、m/z=407.3[MH+]。
実施例130:1-(4-アミノ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素の合成(190)
工程1:1-(4-イソプロピル-6-((4-メトキシベンジル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(189)
2-プロパノール(2mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(186、実施例128)(0.15g、0.44mmol)および4-メトキシベンジルアミン(0.12mL、0.88mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.16mL、1.1mmol)を加え、結果として生じた混合物を15時間80°Cに加熱した。混合物をろ過し、メタノールで洗浄することで、白色固形物として表題化合物(189)(0.21g、100%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-アミノ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(190)
1-(4-イソプロピル-6-((4-メトキシベンジル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(189)(0.21g、0.44mmol)にTFA(7mL)を加え、混合物を勢いよく撹拌し、2時間80°Cに加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、減圧下の濃縮の前に反応を中和するために水中の10%のアンモニアを加えた。残留物をメタノール中のジクロロメタンとアンモニアを使用して、クロマトグラフィーによって精製することで表題化合物(190)(5mg、3%)を得た。LC/MS:Rt=0.25min、m/z=322.2[MH+]。
実施例131:1-(4-イソプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(192)の合成
工程1:tert-ブチル(3-((6-イソプロピル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート(191)
2-プロパノール(0.5mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(186、実施例129)(0.15g、0.44mmol)および3-(N-Boc-N-メチルアミノ)プロピルアミン(0.11mL、0.53mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.9mL、0.66mmol)を加え、結果として生じた混合物を8時間80°Cに加熱した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、ろ過し、乾燥させることで、白色固形物(0.14g、64%)として表題化合物(191)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-イソプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)尿素(192)
tert-ブチル(3-((6-イソプロピル-2-(3-(ナフタレン-2-イル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート)(191)(0.12g、0.25mmol)を、ジクロロメタン(0.7mL)とTFA(0.3mL、4.2mmol)に懸濁した。撹拌時に溶液が形成され、これが2時間後に濃縮された。飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えて8のpHを得た。混合物を濾過して、水、エタノール、および、その後エーテルで洗浄することで、白色固形物(45g、46%)として表題化合物(192)を得た。LC/MS:Rt=1.72min、m/z=393.3[MH+]。
実施例132:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(194)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(193)
トルエン(1mL)中の4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-アミン(0.70g、3.87mmol)と4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソシアネート(0.80g、3.87mmol)の混合物を3時間100°Cに加熱した。形成された沈殿物を濾過によって採取し、エーテル/ヘキサン(1:1)で洗浄することで、黄色固形物として表題化合物(193)(0.78、51%)を得た。LC/MS:Rt=4.61min、m/z=375.1[MH+]。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(194)
2-プロパノール(1mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)尿素(193)(75mg、0.20mmol)および3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.03mL、0.24mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.04mL、0.3mmol)を加え、結果として生じた混合物を1時間80°Cに加熱した。冷ますと、混合物をメタノールで希釈して蒸発させた。残留物をジクロロメタン中の15%のメタノール中において分取TLCによって精製することで、生成物(194)(20mg、23%)を得た。LC/MS:Rt=1.92min、m/z=441.3[MH+]。
実施例133:1-(4-アミノ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロ-メトキシ)フェニル)尿素の合成(196)
工程1:1-(4-イソプロピル-6-((4-メトキシベンジル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(195)
2-プロパノール(0.5mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(193、実施例132)(75mg、0.20mmol)および4-メトキシベンジルアミン(0.05mL、0.40mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.04mL、0.30mmol)を加え、結果として生じた混合物を1時間80°Cに加熱した。4-メトキシベンジルアミン(0.03mL)の追加部分を加え、加熱を続けた。3時間後、混合物をメタノール(3mL)で希釈し、ろ過することで白色固形物(195)(69mg、72%)として表題化合物を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-アミノ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(196)
1-(4-イソプロピル-6-((4-メトキシベンジル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)尿素(195)(69mg、0.14mmol)に、TFA(2.5mL)を加え、混合物を勢いよく撹拌し、80°Cに夜通し加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、8のpHになるまで飽和した炭酸水素ナトリウムを加えた。固形物をろ過し、ジクロロメタン中の5%のメタノールを使用して分取TLCによって精製することで、表題化合物(196)(28mg、46%)を得た。LC/MS:Rt=2.47min、m/z=356.2[MH+]。
実施例134:1-(4-イソプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(198)の合成
工程1:tert-ブチル(3-((6-イソプロピル-2-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート(197)
2-プロパノール(0.4mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(193、実施例132)(75mg、0.20mmol)および、3-(N-Boc-N-メチルアミノ)プロピルアミン(0.05g、0.24mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.04mL、0.3mmol)を加え、結果として生じた混合物を1時間80°Cに加熱した。2-プロパノール(0.2mL)に溶かした3-(N-Boc-N-メチルアミノ)プロピルアミン(26mg)を加え、加熱を続けた。2時間後、混合物をメタノールで希釈し、ろ過することで固形物(5mg)を得た。濾液を濃縮し、分取TLC[ジクロロメタン中5%のメタノール]によって精製されることで、表題化合物として初期の固形物と同一の追加の固形物を得た(197)(40mg、37%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-イソプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(198)
tert-ブチル(3-((6-イソプロピル-2-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート)(197)(40mg、0.075mmol)をジクロロメタン(0.06mL)に懸濁し、TFA(0.06mL、0.75mmol)を加えた。撹拌時に溶液が形成され、これが1.5時間後に濃縮された。飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えて8のpHを得た。2時間撹拌後、混合物をろ過することで白色固形物として表題化合物(198)を得た(28mg、86%)。LC/MS:Rt=1.91min、m/z=427.2[MH+]。
実施例135:1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(199)の合成
工程1:1-(4-(ヒドロキシアミノ)-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)尿素(199)
エタノール(0.5mL)中の1-(4-クロロ-6-イソプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(193、実施例132)(75mg、0.20mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(66mg、2mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.11mL、0.8mmol)を加え、結果として生じた混合物を3時間80°Cに加熱した。混合物をメタノール(5mL)で希釈し、濾過した。固形物を分取TLC(ジクロロメタン中の15%のMeOH)によって精製することで、白色固形物(10mg、14%)として表題化合物(199)を得た。LC/MS:Rt=2.53min、m/z=372.2[MH+]。
実施例136:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(204)の合成
工程1:2-アミノ-6-シクロプロピルピリミジン-4(5H)-オン(201)
無水アルコール120mL中のエチル3-シクロプロピル-3-オキソプロピオナート(200:10g、60.8mmol)および塩酸グアニジン(12.2g、122mmol)の懸濁液に、ナトリウムメトキシド(メタノール中の25%:6.9g、122mmol)を加えた。結果として生じた混合物を高圧シール容器内に密封し、100°Cまで夜通し加熱した。溶媒を真空内で除去し、結果として生じた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配、ヘキサン中の20-80%のEtOAc;ジクロロメタン中の0-18%のMeOH)によって精製することで、淡黄色の固形物として所望の化合物(201)を得た(7.7g、79%)。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-アミン(202)
2-アミノ-6-シクロプロピルピリミジン-4(5H)-オン(201)(7.7g、48.0mmol)を塩化ホスホリル(50mL)で処理し、この混合物を4時間加熱した。均質な混合物を冷やし、氷の上に注いだ。この温度を維持しつつ、水(500mL)を加えてpHを7に調整した。水層を酢酸エチル(3X)で抽出し、有機物をブラインで洗浄した。溶媒を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発させることで固形物を得て、これをヘキサン中の0-25%の酢酸エチルでクロマトグラフィーにかけた。精製された材料をヘキサン中でジクロロメタンから結晶化することで、表題化合物(202)(1.5g、17%を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(203)
トルエン(4mL)中の4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-アミン(202:0.6g、3.36mmol)と3,4-ジクロロフェニル-イソシアネート(0.66g、3.36mmol)の混合物を3時間100°Cまで加熱した。形成された沈殿物を濾過によって採取し、エーテル/ヘキサン(1:1)で洗浄することで、白色固形物として表題化合物(203)を得た(1.02、82%)。LC/MS:Rt=4.22min、m/z=357.0,359.0[MH+]。この材料を次の工程で直接使用した。
工程3:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(204)
2-プロパノール(3mL)中の1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(203)(0.2g、0.56mmol)および3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.16mL、1.4mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.09mL、0.67mmol)を加え、結果として生じた混合物を80°Cに夜通し加熱した。冷ますと、混合物をろ過することで表題化合物(204)(147mg、59%)を得た。LC/MS:Rt=2.01min、m/z=423.2-425.2[MH+]。
実施例137:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(206)の合成
工程1:tert-ブチル(3-((6-シクロプロピル-2-(3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート(205)
2-プロパノール(1.1mL)中の1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(203)、(0.2g、0.56mmol)および3-(N-Boc-N-メチルアミノ)プロピルアミン(0.14g、0.67mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.12mL、0.84mmol)を加え、結果として生じた混合物を8時間80°Cに加熱した。冷ました後、混合物をエーテルで希釈し、ろ過することで、固形の生成物(205)(0.14g、47%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(206)
tert-ブチル(3-((6-シクロプロピル-2-(3-(3,4-ジクロロフェニル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート)(205)(0.14g、0.28mmol)を、ジクロロメタン(0.7mL)に懸濁し、TFA(1mL)を加えた。撹拌時に溶液が形成され、これが1.5時間後に濃縮された。飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えて8のpHを得た。2時間の撹拌後、混合物を濾過して濃縮した。残留物を、クロマトグラフィー[1Nのアンモニアを含むジクロロメタン中の30%のメタノール]によって精製することで、表題化合物(206)(70mg、43%)を得た。LC/MS:Rt=2.07min、m/z=409.1,411.1[MH+]。
実施例138:1-(4-シクロプロピル-6-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(207)の合成
工程1:1-(4-シクロプロピル-6-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(207)
2-プロパノール中の1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(203)(75mg、0.20mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(47mg、0.66mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.12mL、0.84mmol)を加え、結果として生じた混合物を80°Cに加熱した。混合物を濃縮してフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで固形物を得て、これをメタノールを用いてすりつぶし、ろ過し、乾燥させることで、表題化合物(207)(0.04g、5%)を得た。LC/MS:Rt=0.24min、m/z=354.1,356.1[MH+]。
実施例139:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(ジメチルアミノプロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(209)の合成
工程1:1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(208)
トルエン(4mL)中の4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-アミン(202:0.6g、3.36mmol)と4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート(0.69g、3.36mmol)の混合物を3時間100°Cに加熱した。形成された沈殿物を濾過によって採取し、エーテル/ヘキサン(1:1)で洗浄することで、白色固形物として表題化合物(208)を得た(0.84、64%)。LC/MS:Rt=4.03min、m/z=373.1[MH+]。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(209)
2-プロパノール(0.5mL)中の1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(208)(75mg、0.20mmol)および3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン(0.03mL、0.24mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.04mL、0.30mmol)を加え、結果として生じた混合物を80°Cに夜通し加熱した。冷ました後、混合物を濃縮し、ジクロロメタン中の15%のメタノールで分取TLCによって精製することで、表題化合物(209)(34mg、38%)を得た。LC/MS:Rt=2.00min、m/z=439.2[MH+]。
実施例140:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(211)の合成
工程1:tert-ブチル(3-((6-シクロプロピル-2-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート(210)
2-プロパノール(0.5mL)中の1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)-フェニル)尿素(208)(75mg、0.20mmol)および3-(N-Boc-N-メチルアミノ)-プロピルアミン(48mg、0.24mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.04mL、0.30mmol)を加え、結果として生じた混合物を80°Cに夜通し加熱した。冷ました後、混合物を濃縮し、ジクロロメタン中の5%のメタノールで分取TLCによって精製することで、固形の生成物(210)(31mg、29%)を得た。この材料を次の工程で直接使用した。
工程2:1-(4-シクロプロピル-6-((3-(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(211)
tert-ブチル(3-((6-シクロプロピル-2-(3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ウレイド)ピリミジン-4-イル)アミノ)プロピル)(メチル)カルバマート)(210)(31mg、0.06mmol)を、ジクロロメタン(0.04mL)に懸濁し、TFA(0.04mL)を加えた。撹拌時に溶液が形成され、これが3時間後に濃縮された。飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えて8のpHを得た。1.5時間撹拌後、混合物をろ過することで白色固形物として表題化合物(211)を得た(16mg、66%)。LC/MS:Rt=2.02min、m/z=425.2[MH+]。
実施例141:1-(4-シクロプロピル-6-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(212)の合成
工程1:1-(4-シクロプロピル-6-(ヒドロキシアミノ)ピリミジン-2-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)尿素(212)
エタノール(0.5mL)中の1-(4-クロロ-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-3-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(203)(75mg、0.20mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(66mg、2.0mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.11mL、0.80mmol)を加え、結果として生じた混合物を80°Cに加熱した。1時間後、反応物を夜通し冷ました。加熱を1時間80°Cで再開した。混合物をメタノールで希釈し、ろ過することで、白色固形物として表題化合物(212)を得た。(28mg、38%)。LC/MS:Rt=2.80min、m/z=370.1[MH+]。
実施例142:化合物174の溶解性
1ドラムのバイアルに化合物174のサンプルを加えた。固形物が十分に溶けるまでDI水を加えた。添加された水1mLあたりの固形物の量から溶解を評価した。予測される溶解性は~30mg/mL(2回の測定)。
実施例143:GBM4およびGBM8の生存率測定
細胞培養培地は、NSA増殖キット(Neurocult)およびNeuroCultサプリメント(幹細胞 Tech Cat.#05751)から調製され、10μg/mLのrh EGFの20μL、10μg/mLのrh bFGFの10μL、および0.2%のヘパリンの10μLで処理した。この培地では、1×106細胞mlが達成されるまで、ヒト神経膠芽腫細胞を超低接着(ultra-low attachment)組織培養フラスコで培養した(GBM4とGBM8はこれらのヒト患者組織に由来した特徴的なニューロスフェア細胞培養である)。GBM4とGBM8の細胞を分離し、90uL当たり4000のヒト神経膠芽腫細胞を含む培地10mLを、超低接着性の96ウェルプレートに移し、37°Cで夜通しインキュベートした。翌日に、アッセイ培地中の試験化合物の1%DMSO溶液10μLを、3日間37°Cでインキュベートされた細胞懸濁液と混合物を含むウェルに加えた。この時に、プレートをインキュベータから取り除き、室温に到達させた。約30分後、Cell Titer Go溶液50μLを各ウェルに加え、プレートを1分間低速で振った。10分後、Tecan Safire2リーダーを使用して発光を記録した。
DMSOのみの対照ウェルと比較された発光の減少を用いて、細胞成長の阻害割合を決定した。IC50sは、プリズム(San Diego)曲線フィッティングプログラム内の4パラメータフィットにフィットさせた化合物の階段希釈に関する発光の%阻害を使用して、計算された。表1(化合物3-188)および2(化合物190-212)は、本明細書に記載された化合物のGBM4 IC50とGBM8 IC50を示す。
実施例144:ウェスタンによって測定された神経膠芽腫細胞のOlig2の枯渇
様々な濃度のolig2阻害剤を用いて処理されたGBM細胞(10-6/プレートウェル)をエピチューブ(epitubes)に移し、阻害剤を含むRipa緩衝液(30-35μL)で溶解させた。説明書当たりのPierce Coumassieを用いて溶解物濃度を決定した。メーカーの説明書につき、プロテインシンプル(Protein Simple)Wes試薬、DTT、Fluorescent 5Xマスターミックス(Master Mix)、ビオチン化ラダー(Biotinylated ladder)、および10X サンプル緩衝液(Sample Buffer)を調整した。
溶解物サンプルを0.4mg/mlの最終濃度でのウェスタン分析のために調製した。溶解物を0.1Xサンプル緩衝液(水を用いて希釈した10Xサンプル緩衝液1:100)で希釈した。1部の5X Fluorescent マスターミックスは、マイクロチューブ内で4部の溶解物と組み合わされた(最終濃度0.4mg/ml)。サンプルとビオチン化ラダーを95°Cで5分間変性させ、その後、遠心分離機にかけた。プロテインシンプルプレートを溶解物サンプル、希釈緩衝液、希釈した抗体Olig2およびGAPDH、メーカーの説明書ごとのルミナール試薬で充填させた。内部標準に正規化させたバンド密度の変動に基づいてIC50値を計算した。
GBM4とGBM8の細胞中のOlig2枯渇に関するIC50値が表3に示される。
実施例145:マウス腹部腫瘍モデルにおけるOlig2阻害剤の腫瘍増殖阻害
雌のNSGマウス(NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ、Jackson Laboratory)は、試験の1日目に生後6週間であり、17.8g-22.7gの範囲の体重であった。この動物に好きなときに水(逆浸透、1ppm Cl)、および18.0%粗タンパク質、5.0%粗脂肪、および5.0%粗繊維からなるNIH31 Modified and Irradiate Lab Diet(登録商標)を与えた。マウスを、20~22°C(70~72°F)および40~60%湿度で12時間照明サイクルにおいて、静的マイクロアイソレーターの放射線照射したEnrich-o’cobs(商標)beddingに収容した。
ヒトGBM4あるいはGBM8神経膠芽腫細胞株を、20ng/mLのEGF、10ng/mLのbFGF、および2μg/mLのヘパリンを含む完全なNeuroCult増殖培地を維持した。細胞を超低接着T75フラスコ(Corning REF-3814)で培養し、結果として生じたニューロスフェアを、NeuroCultの科学的解離(Chemical Dissociation)キット(Stemcell Technologies Cat#05707)を使用して、4-6日ごとに解離した。細胞培養を、5%のCO2と95%の空気の雰囲気下で37°Cの加湿インキュベータ内の組織培養フラスコで維持した。細胞サンプルを細胞移植の前に1つの経路で採取し、凍結培地で保存した。
移植に使用された細胞を、対数増殖期中に収穫し、50%のMatrigel(商標)(BD Biosciences)を含む冷たいPBSに再懸濁した。1×107腫瘍細胞(0.1mL細胞懸濁液)を有する各マウスの右腹部へのGBM4細胞の皮下注射によって1日目に腫瘍増殖を開始し、12日目に始まる腫瘍増殖を4つの群(n=8)でモニタリングした。処置群は群1(ビヒクル)、群2(試験Olig2阻害剤)、3(テモゾロミドと放射線を用いる処置)、および群4(テモゾロミドと放射線と組み合わせた試験Olig2阻害剤)を含んでいた。腫瘍はモニターサイズに対して二次元でカリパスを用いて測定された。腫瘍サイズは式を使用して計算された:腫瘍容積(mm3)=w2xl/2;ここで、腫瘍のw=幅であり、l=長さである(mm)。腫瘍の重量は、1mgが腫瘍容積の1mm3と同等であるという仮定を用いて推定されてもよい。腫瘍は、試験の期間、週に2回カリパスを用いて測定された。テモゾロミド(Merck & Co.,Lot No.L046487)を、5mg/kgあるいは10mg/kgの投与量で経口投与した。放射線はFaxitronモデルCP-160X線システムを用いて施された。それぞれの動物を実際の抑制物で動けなくした。治療を160kVおよび6.0mAで1.3分間施し、各動物に1グレー(Gy)の投与量を与えた。
試験エンドポイントは、どちらが最初に来ても、2000mm3または152日目の腫瘍容積であった。その腫瘍が容積エンドポイントに達すると、各動物を腫瘍進行(TP)のために安楽死させた。各動物の時間対エンドポイント(TTE)を以下の方程式で計算した:TTE(日)=log10(エンドポイント容積、mm3)-b/m;ここで、bは切片であり、mは、対数変換された腫瘍増殖データセットの直線回帰によって得られた線の勾配である。データセットは、試験エンドポイント容積を超えた第1の観察と、エンドポイント容積の到達直前の3つの連続する観察とで構成される。エンドポイントに到達しなかったどんな動物も試験の最後に安楽死させ、試験(152日目)の最後の日と等しいTTE値を割り当てた。エンドポイントに達する前に、対数変換された計算されたTTEが日に先行したか、腫瘍容積エンドポイントに達する日を超えた例では、線状の補間はTTEに接近するように行われた。処置に関連する(TR)原因で死んだと判断だれたいかなる動物も死亡の日と等しいTTE値を割り当てられた。処置に関連しない(NTR)原因で死んだいかなる動物も分析から除外した。
治療成績は腫瘍増殖遅延(TGD)から評価され、これは、対照群と比較して、処置群の中央値のTTEの増加として定義され、TGD=T-Cであり、日または対照群の中央値のTTEの割合として表現され、
TGD(%)=T-C/Cx100
T=処置群の中央値のTTE
C=対照群の中央値のTTE。
例となる化合物は、いずれかが単独で投与されたTTE(群2の処置)では大幅な遅延を示し、および、テモゾロミドおよび放射線と組み合わせたとき(群4)にはTTEの増加を示す。TTEへの遅延は、テモゾロミドと放射線のみ(群3)と比較して増加した。
GBM4とGBM8の細胞の腫瘍増殖阻害(中央値のTTE)のデータが表4に示される。
実施例146:同所性の神経膠芽腫マウスモデルにおけるOlig2阻害剤の生存
患者由来の異種移植片サンプルを、永久増殖細胞株と比較して、ヒト膠芽腫のより正確な表現としてこの試験で使用された。マウス中の連続継代のみによる患者由来の異種移植片の維持は、もとの腫瘍の遺伝子特徴を忠実に保存する手段として提唱された。腫瘍完全性は、短いタンデム反復評価によって定期的に確認される。これらの方法を用いて、インビボで使用されるG06細胞の細胞懸濁液を得た。簡潔に言えば、短期培養細胞を、無胸腺ヌードマウス(Nu/Nu:Envigo)の腹部に注入した。これらのマウスで増殖した腫瘍を採取して培養することで、生存率試験のための細胞懸濁液を得た。1-1.5cm3の腫瘍を有するマウスを、CO2を使用して安楽死させた。腫瘍をベタジン(Carefusion #29906-016)を用いて拭き取り、無菌のメスで切除した。腫瘍サンプルを培養皿に置き、無菌のシリンジで解体した。キット(StemPro NSC SFMキット: ThermoFisher Scientific#A1050901:3mL)から調製された幹細胞培地を加えた。[500mLを作るために、以下の成分+L-グルタミンとPen-Strep溶液を以下のように組み合わせて、ろ過して殺菌した(Nalgene: Thermo Scientific #156-4020):KnockOut DMEM/F-12 Basal Media- 500 mL; StemPro NSC SFM Supplement-10 mL;FGFBasic Recombinant Human-10μg;EGF Recombinant Human-10μg;L-グルタミン(Corning#25005CI):10mLの200mM溶液およびペニシリン/ストレプトマイシン(Corning#30001CI;5000I.U./mL Pen、5000μg/mL strep(P/S)5ml]。細胞懸濁液を均一にラミニン(Sigma #L2020-1MG)でコーティングされたフラスコ(Corning#430825)へ分布させ、追加の培地を加えた(25-35mL)。フラスコへの付着が完了するまで(1-7日)、細胞をインキュベータ(37°C、5%のCO2)で維持した。破片を取り除いた;培地を補充し、細胞を80-90%のコンフルエンスに培養した。この時に、細胞を、トリプシン-EDTA(Corning#25-052-CI;HBSS中の0.05%のトリプシン/0.53mMのEDTA)を使用してトリプシン処理した。完了後、トリプシンをDMEM(10%のFBSおよび1%のP/S:10-20mL)(Corning#10-013-CV)で中和した。細胞と培地を3分間320RCFで遠心分離機にかけた。血球計で測定されるような105細胞/100μLの濃度になるまでペレット剤を幹細胞培地で再懸濁した。
G06あるいは培養されたGBM8細胞(3x105、3μL)を、麻酔をかけた雌の無胸腺ヌードマウス(NU/NU:Envigo)に頭蓋内注入した。回復の際に、マウスを8匹のマウスの群へ無作為に分けた:1つの群がビヒクルを受け取り、他の群は例となる化合物の昇順の経口量を受け取る。製剤は、細胞移植後4日目に始めて、処置群に対するマウスの体重に基づいて200μL/20gで投与された。マウスが瀕死になるか死ぬまで、投与を継続した。動物の数と体重を毎日モニタリングした。生存率の改善は、薬物処置対ビヒクルに関する中央値のパーセント増加として測定された。例となる化合物は、中央値の生存率の統計的に有意な改善を実証する。
化合物174および176の有効性データ(評価されたGBM生存利点)を表5に示す。
実施例147:再発性のRb陽性の神経膠芽腫の患者における式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の第II相試験
この第II相試験の目的は、Rb陽性の再発性の多形神経膠芽腫あるいは神経膠肉腫の患者における(6ヶ月目の無進行生存によって測定される)式(I)、(II)、(III)、または(IV)化合物の有効性を判定することである。合計30人の患者が処置される;15人は計画された外科的切除を受け、手術の前に7日間、薬物を受け入れ、その後、手術から回復後に薬物を受ける。他の15人患者は計画された外科手術を受けずに薬物を受け入れる。
患者:適格な被験体は18歳以上の男女である。
基準:包含基準:
*X線写真で証明された再発性の、頭蓋内の多形神経膠芽腫、あるいは神経膠肉腫の患者は、このプロトコルに適格である。患者は、Rb陽性の疾患の証拠書類を持っていなければならない。
*すべての患者は、この試験の調査の性質を承知していることを示すインフォームドコンセントに署名しなければならない。患者は、保護された健康情報の公開の認定書に署名していなければならない。患者は治験薬を用いる処置の前に登録されなければならない。処置は登録の7日以内に行わなければならない。処置が7日よりも遅れる場合には、適格性と病歴のための検体検査と健康診断を繰り返さなければならない。
*患者は先に外部ビーム放射とテモゾロミド化学療法を受けていなければならない。使用される先の化学療法の数には制限はない。患者は1回目、2回目、または3回目の再発で処置を受けることもある。
*患者は>18歳を超え、かつ、そして平均寿命>8週間でなければならない。
*患者は、>60のカルノフスキー・パフォーマンス・ステータスを持っていなければならない。
*登録の時点で:患者は先の治療の中毒作用から回復していなければならない。任意の治験薬から>28日[注:FDAで承認された薬剤の適用外使用は、このプロトコルの目的のための調査とはみなさない]、先の細胞毒性治療から>28日、ニトロソ尿素から>42日、ベバシズマブから>28日、および、非細胞毒性薬、例えば、インターフェロン、タモキシフェン、サリドマイド、シス-レチン酸、および、エルロチニブなどから>7日。非細胞毒性薬の定義に関係するいかなる質問も、主任研究者に委ねられなければならない。
*患者は治療を始める前に、適切な骨髄機能(WBC>3,000/μl、ANC>1,500/mm3、>100,000/mm3の血小板数、およびヘモグロビン>10gm/dl)、適切な肝機能(SGOTおよびビリルビン<ULNの2倍)、および適切な腎機能(クレアチニン<1.5mg/dL)を有していなければならない。試験前EKGはすべての患者に要求され、患者は正常なQT間隔を持っていなければならない。これらの試験は登録前14日間以内に行なわれなければならない。ヘモグロビンの適格性レベルに輸血によって到達してもよい。
*患者は、MRI走査によって腫瘍進行の明白なX線証拠写真を示していなければならない。走査は、登録前の14日以内に、かつ、少なくとも7日間は安定しているステロイド投与量で行われなければならない。ステロイド投与が画像処理日と登録日の間で増加した場合、新しいベースラインMRIが必要となる。同じタイプの走査、つまり、MRIは、腫瘍測定のためのプロトコル処置の期間にわたって使用されなければならない。MR画像処理を受けることができない患者は適格ではない。
*以下の条件のすべてが適用される限り、再発性または進行性の腫瘍の最近の切除を経験した患者は適格となる:
○ 患者は手術の影響から回復している。
○ 再発性の頭蓋内の多形神経膠芽腫あるいは神経膠肉腫の切除後の残存疾患は、試験への適格性のために強制されるものではない。手術後に残存病変の範囲を最良に評価するために、MRIは、登録前の14日間以内で、手術直後の96時間以内に、あるいは術後少なくとも4週間に行わなければならない。96時間の走査が登録前の14日間を超える場合、走査は反復する必要がある。ステロイド投与が画像処理日と登録日との間で増加した場合、新しいベースラインMRIは少なくとも7日間、安定したステロイド投与量で必要である。
*患者は先の放射線治療およびテモゾロミドに失敗していなければならず、放射線治療の完了から試験エントリーまで42日以上の間隔を空けていなければならない。
*間質放射線治療、定位手術的照射、あるいはGliadelウエハーを含む先の治療を受けた患者は、PET走査法に基づく放射線壊死、MR分光法、あるいは疾患の手術証拠書類よりもむしろ、真の進行性疾患の確認を行わなければならない。
*15人の患者の一部は計画された指示された外科的切除の前に登録される。患者は、手術候補であり、急性頭蓋内出血の証拠がなく、かつ、手術の7日前にプロトコル処置を始めることができる場合にのみ、手術前に登録することができる。
*生殖能力のある男女の患者は、試験処置の停止中および停止後の3ヶ月間に、適切な場合に、承認されている避妊の方法(例えば、子宮内器具[IUD]、避妊薬、あるいはバリア装置)を使用しなければならない。出産に可能性のある女性は、登録前の14日間以内に陰性のβ-HCG妊娠テストを文書化しなければならない。
*以前の手術の腫瘍組織のブロックあるいはスライドは、IHC Rb染色を行うのに利用可能でなければならない。陰性の腫瘍(Rb陰性)の患者は試験から除外される。
除外基準:
*患者は、調査者の見解が適切な治療では適切に制御できないか、あるいは、この治療に耐える患者の能力を損なうことになる重大な医学的疾患を抱えていてはならない。
*任意の他の癌(頚部の非黒色腫性の皮膚癌あるいは上皮内癌以外)の病歴がある患者は、完全寛解ではなく、最低3年間のその疾患のすべての治療から離れていない限り、不適格である。
*患者は活性な感染あるいは深刻な介入性の医学的疾患を抱えてはならない。急性頭蓋内出血の病歴のある患者も除外される。
*患者は妊娠していてはならず/母乳による育児を行っていてはならず、適切な避妊を行うことに同意しなければならない。
*患者は、毒性を隠すか、または薬物代謝を危険なほどに変える疾患を抱えてはならない。
*薬理相互作用の可能性があることから、酵素誘導抗痙攣薬あるいはCYP3A酵素誘導あるいは阻害を引き起こす他の薬物を摂取している患者は、少なくとも14日間治療から離れていない限り、適格ではない。
*EKGのQT間隔の延長について先天的あるいはそれ以外の理由のある患者は除外される。
研究設計:再発性の神経膠芽腫あるいは神経膠肉腫を抱える全部で30人の患者は、21日間連続して毎日125mgの投与量で処置され、その後、7日間の中断治療(サイクル長さは28日間)がある。この30人の患者のうち、15人は進行について示された意図した外科的切除前の7日間薬物を受け入れ、その後、手術からの回復後に同じ投与量で薬物を再度使用し始める。処置は28日ごとに繰り返され、疾患の進行がない場合、患者は12のサイクルの処置を受けることがある。その際、患者は、12を超えるサイクル、最大で24のサイクルの調査を継続する選択肢を与えられる。
登録後、以前の手術からの利用可能なブロックあるいはスライドは、診断調査(多形神経膠芽腫または神経膠肉腫の確認)とRbステータスの決定のために提出されなければならない。Rb陽性腫瘍の患者だけを処置することができ、Rb腫瘍ステータスは任意の処置の前に知られていなければならない。以前の手術からのさらなる組織も腫瘍中の分子の異常を評価するために得られる。こうした試験は過去に遡って行われ、登録前に実施される必要はない。
モニタリングは各サイクルの開始前の(4週間ごとの)臨床的および神経学的な試験を含む。差異のある全血球数は各サイクルの1日目と15日目に調べられる。肝臓と腎臓の機能は4週間ごとに実行される。毒性と投与量の修正は、NCI CTCAE Version 4に基づく。疾患ステータスは各サイクルで(4週間ごとに)臨床的に評価され、各2回目のサイクル(8週間ごと)のX線写真で評価される。
主要評価項目:
*無進行生存によって決定されるような有効性[時間枠:1-2年][安全性の問題として指定される:なし]
*6ヶ月目の無進行生存によって測定されるように、Rb陽性の再発性の多形神経膠芽腫あるいは神経膠肉腫の患者における式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の有効性を判定する。合計30人の患者が処置される;計画された意図された外科的切除を受ける15人が、手術の前に7日間、薬物を受け入れ、その後、手術から回復後に薬物を受ける。15人の患者は計画された外科手術を受けずに薬物を受け入れる。
副次的評価項目:
*安全性と耐性の尺度としての有害事象を有する参加者の数[時間枠:1-2年][安全性問題として指定された:はい]
実施例146:再発性または難治性の髄芽腫を抱える大人における、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の安全性および有効性の第二相臨床試験
この第II相試験の目的は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物が再発性または難治性の髄芽腫を抱える大人の患者を処置する際にどれくらいよく作用するかについてである。
患者:適格な被験体は、22歳以上の男女である。
基準:包含基準:
*再発性、進行性、または、標準的な治療に対して耐性があり、かつ、既知の治癒的な治療がない、髄芽腫(後頭蓋窩PNETを含む)の診断が組織学的に確認された患者は適格である。段落に記載されるような試験前MRIでは、残存する測定可能な疾患あるいは病変の証拠がなければならない。測定可能な脊椎脊髄疾患を患う患者は適格となる。
*診断は処置機関で確認されなければならず、(診断または再発から、あるいは、好ましくは両時点からの)組織は生体試験に利用可能でなければならない。
*神経障害を抱える患者は、登録前に最低1週間安定している障害を抱えていなければならない。これはデータベースに記録される。
*米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス0-2
*試験エントリーの4週間(事前にニトロソ尿素の場合は6週間)以内にいかなる他の骨髄抑制化学療法あるいは免疫療法もない。
*デカドロン投与は、治療開始の少なくとも1週間(7日)前には安定しているか、あるいは減少していなければならない。
*放射線治療(XRT)≧頭蓋脊髄照射への試験エントリーの3ヶ月前(≧23Gy);≧原発性腫瘍への局部照射に8週間;≧徴候的な転移部への焦点照射について試験エントリーの前に2週間
*試験エントリー(GCSF、GM CSF、エリスロポエチン)の≧1週間前のすべてのコロニー刺激因子から
*絶対好中球数(ANC)≧1000/μL
*血小板数≧50,000/uL(独立した輸血)
*ヘモグロビン≧8.0gm/dL(RBC輸液剤を受け入れてもよい)
*クレアチニンクリアランスあるいはラジオアイソトープGFR≧70ml/min/1.73m2、または
*血清中クレアチニン≦2.0mg/dL
*総ビリルビン≦年齢の正常上限(ULN)の1.5x
*血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)(アラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT])≦2.5x制度上のULN
*血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST])≦制度上のULNの2.5倍
*血清アルブミン≧2.5g/dL
*患者はこの試験に入る前にすべての以前の治療の有意な急性毒性から回復していなければならず、他のすべての適格基準を満たさなければならない。
*妊娠は、出産の可能性の女性への最後の投与後12ヶ月間は回避されなければならない。出産の可能性の女性の患者は妊娠していてはならず、授乳していてもならない。出産の可能性の女性の患者は処置を始める前に24時間以内に負の血清または尿妊娠テストを持っていなければならない。
*出産の可能性のある女性は、試験への参加中および最後の投与後の12ヶ月間の1つの障害式避妊法を含む許容可能な避妊の2つの形態を使用することを要求される;医学的な理由または個人的な理由で、禁断に対する100%の関与は産児制限の許容可能な形態と考えられる。すべての患者は、調査者による、あるいはOB/婦人科医による、あるいはこの専門領域で資格のある他の医師による避妊のカウンセリングを受け入れなければならない。
*制度上のガイドラインに従って署名したインフォームドコンセントが得られなければならない。
除外基準:
*プロトコル治療に耐える患者の能力を損なうことになるか、試験の手順または結果に干渉することになる可能性が高い、任意の臨床的に有意な無関係な全身疾患(深刻な感染症あるいは重大な心機能不全、肺機能不全、肝機能不全、他の臓器機能不全)を抱える患者
*任意の他の抗癌治療または治験薬治療を受ける患者
*フォローアップ訪問のために戻ったり、あるいは治療に対する毒性を評価するのに必要なフォローアップ試験を受けたりすることができない患者
*執刀医によって決定されるように平均寿命<12週間
*カプセル剤を呑み込むことができないこと
*腸管内吸収に干渉することになる吸収不良症候群あるいは他の疾病
*うっ血性心不全の病歴
*薬物を必要とする心室性不整脈の病歴
*適切な電解液の追加にもかかわらず機関の正常下限未満として定義された制御されない低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、あるいは低カリウム血症
*先天性QT延長症候群。
研究設計:患者は1-28日目に週に一度、式(I)、(II)、(III)、または(IV)化合物をPOで受け入れる。処置は疾患の進行または受け入れがたい毒性のない状態で最大で26コースにわたって28日ごとに繰り返す;
主要評価項目:
*RECIST基準を使用する段階的な奏効率(PRとCR)[時間枠:最大で12か月][安全性の問題として指定されたもの:なし]
*真の未知の奏効率の95パーセントの信頼区間推定値は3つの層の各々について構築される。確認された完全寛解、部分寛解、および安定した疾患が確認された患者の割合は3つの層の各々について記述的に報告される。時間対客観的応答の累積発生率の関数も提供される。
副次的評価項目:
*保持された客観的応答の持続時間[時間枠:その後確認された完全寛解または部分寛解を記録する最初の走査から、記録された進行または研究中の死亡の早い方まで。最大で12ヶ月評価した][安全性の問題として指定されたもの:なし]
*無進行生存[時間枠:式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を用いる当初の処置の日付から、試験中の進行あるいは死亡の中で最も早いときまで。最大で12ヶ月評価した][安全性の問題として指定されたもの:なし]
*移植後の最初の6ヶ月間の医療費
*患者および移植片生着
実施例148:再発性の悪性星状細胞腫の処置における式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の安全性、耐性、および抗腫瘍有効性の第I相/第II相臨床試験
これは、再発性の悪性星細胞腫(神経膠芽腫、神経膠肉腫、未分化星状細胞腫、退形成乏突起神経膠腫、未分化の乏突起星細胞腫、および未分化の上衣腫)を抱える患者における、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の安全性、耐性、および抗腫瘍有効性を調査するための単一施設の非盲検の非ランダム化第I相/II相試験である。患者は最大で5つのサイクルにわたって処置される。処置サイクルは、28日+7日の休養として定義される(サイクル1~4の28+7日、およびサイクル5の28日)。処置の継続基準が満たされるまで、次のサイクルは開始されない。同時の支持療法が可能である。
患者:好適な被験体は18歳以上の男女である。
基準:包含基準:
*試験の性質について知らされており、書面によるインフォームドコンセントをうけている。
*少なくとも18歳
*0、1、あるいは2のECOGパフォーマンス、あるいはKPS(カルノフスキー・パフォーマンス・ステータス)≧60。
*WHOグレード4星細胞腫(神経膠芽腫または神経膠肉腫)、またはWHOグレード3未分化星状細胞腫、退形成乏突起神経膠腫、未分化の乏突起星細胞腫、あるいは未分化の上衣腫の病理学的な検証。
*化学療法と放射線の少なくとも1つの処置に失敗した後の記録された再発性の神経膠芽腫、神経膠肉腫、未分化星状細胞腫、退形成乏突起神経膠腫、未分化の乏突起星細胞腫、あるいは未分化の上衣腫。
*少なくとも3ヶ月の予想生存期間
*実施された場合、腫瘍細胞減少手術から少なくとも2週間、ベバシズマブあるいは他の化学療法から4週間(以前の化学療法がニトロソ尿素だった場合、6週間)、および、放射線療法の完了から12週間。
*プロトコルで定義されるように周期的に画像処理色素を用いないまたは用いるMRI走査を受けることができる能力
*少なくとも7日間の薬物の投薬中断は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の最初の投与量の投与前にCYP2C9とCYP3A4を誘発する
*保存された主要な臓器機能、すなわち:血液白血球数≧3.0×109/L血液絶対好中球数≧1.5×109/L血小板数≧100x109/L血液ヘモグロビン≧100g/l(輸液剤が許可される)血漿総ビリルビンレベル≦l正常l(つまり基準)範囲の制度上の上限(ULN)の1.5倍血漿AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)あるいはALT≦l正常l範囲の制度上の上限(ULN)の2.5倍血漿クレアチニン≦l正常l範囲の制度上の上限(ULN)の1.5倍12-リードECG正常なトレーシングを用いる;あるいは、臨床的に有意でなく、医療的介入を必要としない変化は、およびQTc<500ms最初の試験処置日前にCYP2C9あるいはCYP3A4を阻害または誘導する少なくとも7日間の投薬中断。
除外基準:
*調査者に従って患者に許容しがたいリスクをもたらす進行中の感染あるいは他の主要な最近のまたは進行中の疾患
*過去28日以内のグレード3以上の便秘あるいは無作為化前14日間以内のグレード2の便秘。(便秘が便秘の最適な管理でグレード1まで低下した場合、過去14日以内のグレード2の便秘を抱える患者を再度選別することができる)
*限定されないが、活性な心疾患と重大な痴呆を含む共存する制御されない病状
*抗レトロウイルス療法を必要とする、B型肝炎またはC型肝炎、あるいは、HIV感染症
*基底細胞皮膚癌以外の活性な悪性病変
*過去3年の他の活性な悪性病変
*4週間以内の主要な外科手術
*機能的なニューロイメージング(PET、ダイナミックMRI、MRS、SPECT)によって、あるいは再発の記録された組織学的な確認での再操作によって明白な進行がない限り、従来の定位放射線照射またはガンマナイフ放射線照射あるいは陽子放射線
*以下のような以前の抗腫瘍治療:放射線治療から少なくとも12週間;少なくともテモゾロミドまたはベバシズマブを用いる以前の処置から4週間、BCNUあるいはCCNUの6週間。
*産児制限(経口避妊薬、IUD)の許容可能な方法の使用に同意しない出産の可能性のある女性(WOCBP)。この試験の目的のために、WOCBPは、初経を経験し、卵管結紮術を経験しておらず、および、閉経後ではないあらゆる女性を含む。閉経後は以下のように定義される:無月経≧別の原因のなく連続して12か月。
*医学的に制御されない1型または2型糖尿病
*妊娠あるいは授乳
*4週間以内の他の治験に現在参加していること。
*薬物の最適化後の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス>2(付録4を参照)、あるいはKPS<60
*3ヶ月未満の予想される平均寿命
*治験薬への禁忌あるいは既知のまたは疑いのある過敏症
*CYP2C9を誘導し、またはCYP2C9の有力な阻害剤であり、あるいは治療域が狭いCYP3A4の敏感な基質である併用薬を摂取しなければならない患者は参加しないこともある。
*任意の理由により調査者によって判断される試験への参加の適切性が欠けていること
研究設計:
試験は二相に分割される。第1の相では、10-20人の患者が登録され、28日間にわたって式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の300-520mgのBIDで処置される。第1相の主要評価項目は、再発性または進行性の神経膠芽腫の患者における式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の推奨された第2相投与(RP2D)を決定し、および、この患者群における式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の安全性と毒性を評価することである。試験は3+3設計を備えており、第1のコホートは、最大で5サイクルで繰り返される28日間にわたって400mgの式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物で処置される。好中球減少症などの用量制限毒性(DLT)が生じた場合、投与は中断され、個々の患者は、正規化後、標準化された手順に従って同じまたは低い投与レベルで再開される。特定の投与レベルを受ける最初の3人の患者のうちの2人または3人が、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を用いる処置の最初の28日間にDLTを経験した場合、以下の患者は低い投与レベルで処置される。1つのDLTが最初の3人の患者における投与の最初の28日間で生じる場合、さらに3人の患者が同じ投与レベルで処置される。6つの患者のうちの2人がDLTを示す場合、次の患者は低い投与レベルで処置される。6人の患者のうちDLTのない、あるいは、最大で1つのDLTがある最も高い投与レベルは、RPTDである。後のコホートのための投与量の調整に対する評価はすべて、処置の最初の28日間に行われる。非進行性の患者は、合計して5つの28日間サイクル(24週間)で治療されることがある。
第2相では、12人の患者が登録され、5サイクルで反復される28日間にわたって式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の同定されたRP2Dで処置される。第II相の主要評価項目は、24週目の無進行の患者の割合を評価し、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物の安全性、耐性、および有害事象プロフィールを評価することである。
主要評価項目:
*第I相-推奨される第II相の投与量を決定する。[時間枠:8か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]
*第II相-抗腫瘍効果を決定する[時間枠:4か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]
*第I相-安全性と耐性の尺度としての有害事象を抱える参加者の数[時間枠:6か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]
*物理的な/神経学的検査(病理学的所見および質と量)。
*有害事象(1投与レベル当たりの質および量)
*バイタルサイン、ECG、検査パラメータ(検査パラメータ、記述統計学のための質と量としての病理学的所見)
副次的評価項目:
*腎臓の第I相-最大耐量(MTD)[時間枠:8か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物のMTDを同定すること。
*第I相-最適応答の分子マーカー[時間枠:8か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]最適応答のサブ集団群を予測することがある潜在的な分子マーカーの評価
*第I相-IGF(インシュリン様増殖因子)-1R経路の分子マーカー[時間枠:8か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]悪性の星細胞腫を抱える患者における式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物による処置の後にIGF-1R経路活性化/阻害の代替分子マーカーを評価すること。
*第II相-無増悪期間(TTP)および全生存期間(OS)[時間枠:4か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を用いて処置された患者の無増悪期間(TTP)と全生存期間(OS)を判定すること。
*第II相-全奏効率[時間枠:4か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を用いる処置の後に再発性の悪性星細胞腫の全奏効率(ORR)を評価すること。
*第II相-応答の画像化の証拠。[時間枠:4か月][安全性の問題として指定されたもの:はい]RANO基準(T2-FLAIR、DWI(拡散強調画像法)、潅流MRIおよびマルチボクセルMRS(磁気共鳴分光法)配列にさらなる特別な注意を払って)MRI(磁気共鳴撮像)配列上の応答の代替的な画像処理の証拠を同定すること。
実施例149:医薬組成物:
実施例149A:非経口組成物
注射による投与に適切な非経口医薬組成物を調製するために、式(I)、(II)、(III)または(IV)の100mgの化合物をDMSOに溶解させ、その後、10mLの0.9%無菌食塩水と混合させる。混合物を、注入による投与に適した投与量単位の形態に組み込む。
別の実施形態において、注入可能な製剤を形成するために以下の成分を混合する:
水を除く上記成分を全て組み合わせて撹拌し、必要に応じてわずかに加熱する。その後、十分な量の水を加える。
実施例149B:経口組成物
経口送達のための医薬組成物を調製するために、100mgの式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を750mgのスターチと混合する。経口投与に適した硬ゼラチンカプセルなどの経口投与ユニットに混合物を入れる。
別の実施形態において、以下の成分を密に混合し、単一の分割錠に圧縮する。
さらに別の実施形態において、以下の成分を密に混合し、ハードシェルのゼラチンカプセルに充填する。
さらに別の実施形態において、経口投与用の溶液/懸濁液を形成するために以下の成分を混合する:
実施例149C:舌下(ハードロゼンジ)組成物
硬ドロップ剤などの口腔送達用の医薬組成物を調製するために、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物100mgを、1.6mLのライトコーンシロップ、2.4mLの蒸留水、および、0.42mLのミント抽出物と混ぜ合わせた420mgの粉砂糖と混合する。混合物を穏やかに混ぜ合わせ、型に注ぐことで、口腔投与に適した錠剤を形成する。
実施例149D:吸入組成物
吸入送達用の医薬組成物を調製するために、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物20mgを、50mgの無水クエン酸、および、100mLの0.9%塩化ナトリウム溶液と混合する。吸入投与に適した、例えば噴霧器のような吸入送達ユニットに混合物を組み込む。
実施例149E:直腸ゲル組成物
直腸送達に適した医薬組成物を調製するために、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物100mgを、2.5gのメチルセルロース(1500mPa)、100mgのメチルパラペン、5gのグリセリン、および、100mLの精製水と混合する。結果として生じたゲル混合物を、その後、直腸投与に適した、例えばシリンジのような直腸送達ユニットに組み込む。
実施例149F:坐薬製剤
総重量2.5gの座薬は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物100mgを、Witepsol(商標)H-15(飽和植物脂肪酸のトリグリセリド;Riches-Nelson,Inc.,New York)と混合することによって生成され、以下の組成物を有する:
実施例149G:局所ゲル組成物
医薬的な局所ゲル組成物を調製するために、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物100mgを、1.75gのヒドロキシプロピルセルロース、10mLのプロピレングリコール、10mLのミリスチン酸イソプロピル、および、100mLの精製アルコールUSPと混合する。結果として生じたゲル混合物を、その後、局所投与に適した、例えばチューブなどの容器に組み込む。
実施例149H:点眼溶液組成物
医薬的な点眼液組成物を調製するために、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物100mgを、100mLの精製水中の0.9gのNaClと混合させ、0.2.ミクロンのフィルタを用いてろ過する。結果として生じた点眼溶液をその後、点眼投与に適した点眼容器のような点眼送達ユニットに組み込む。
本明細書に記載される実施例と実施形態は、例証目的のためのものに過ぎず、実施形態によっては、様々な修飾または変更は本開示と添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。