JP7028341B2 - スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法、スラグ粒、スラグ粒の製造方法及び人工石の製造方法 - Google Patents

スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法、スラグ粒、スラグ粒の製造方法及び人工石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法、スラグ粒、スラグ粒の製造方法及び人工石の製造方法に関する。
耐火物に使用されるMgO(酸化マグネシウム)は、融点が高く、耐熱性に優れている。また、鉄鋼業の精錬工程において発生する塩基度の高い溶融スラグに対する浸食性に優れている。そのため、MgOは、精錬容器用の耐火物に広く用いられている。しかし、MgOを多量に含む耐火物の場合、精錬工程で耐火物中のMgOがスラグに溶解して耐火物が溶損することがある。これを避けるため、溶融スラグ中のMgOが飽和する以上に溶融スラグ中にMgOを多量に添加する操業が行われている。溶融スラグ中のMgOを飽和させることで、耐火物中のMgOの溶解を妨げている。
MgOが飽和する以上に添加されたMgOは溶融スラグに溶けきれない。このため、冷却及び凝固させた後に、溶融スラグ中に未反応のMgOが残ってしまうことがある。また、スラグを冷却及び凝固させる過程で、晶出したMgOも生成される。このような未反応のMgOや晶出したMgOを合わせて、フリーMgOと呼んでいる。
鉄鋼業の精錬工程において発生するスラグは、CaOやMgO、Al、SiO等で形成される複合酸化物である。これらは、天然石と同様な成分である。このため、スラグの一部はスラグ製品(鉄鋼スラグ製品)として、コンクリートの骨材や道路用路盤材等へ有効利用されている。しかし、上述のフリーMgOを多く含むスラグは、フリーMgOが水と反応し、水酸化マグネシウムに変化する水和反応が起こる。この際、スラグが膨張するため、スラグ製品が用いられている道路や人工石などが自壊してしまう恐れがある。人工石は、鉄鋼スラグ水和固化体の通称であり、セメントコンクリートの代替品として開発されたものである。セメントコンクリートの代替品となる人工石は、セメントの代わりに高炉スラグ微粉末、骨材には製鋼スラグを用いるリサイクル製品である。また、このような人工石は、主に、港湾工事における消波ブロック、被覆ブロックや石材代替として利用されている。
このため現状では、鉄鋼製造プロセスで発生するフリーMgOを含有するスラグをスラグ製品として出荷する際には、事前に蒸気エージング処理をおこなっている。蒸気エージング処理により事前に水和反応を進めておくことで、使用中の膨張が大きくならない。しかしながらフリーMgOの水和反応はゆっくりと進むため、長期の蒸気エージング処理が必要となり、大幅なコスト増加につながる。
MgOが水和反応により膨張することは、例えば、MgOを原料として使用する耐火物の分野では、一般的によく知られる現象である。
特許文献1では、マグネシア微粉の表面を水和しない親水性無機材料によってコーティング処理することで、マグネシア含有不定形耐火物中の酸化マグネシウムの水和反応を抑制する方法が開示されている。
特開平8-183673号公報
特許文献1に記載の方法は、耐火物の原料として使用される単体のマグネシア微粉の表面をコーティングして利用する技術である。しかしながら、スラグのような複合酸化物の中に存在するフリーMgOの表面を選択的にコーティングすることは困難である。また、スラグ製品は前述したように、コンクリートの骨材や道路用路盤材といった比較的安価で大量に使用されるものであり、その全量をコーティング処理するといった高度な処理を行うことは経済的に困難である。したがって、特許文献1に記載の方法は、実際のスラグ製品で酸化マグネシウムの水和を十分に抑制できる技術ではない。
本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、スラグ製品におけるフリーMgOの水和を抑制することができる、スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法、スラグ粒、スラグ粒の製造方法及び人工石の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、フリーMgOを含有するスラグと、上記フリーMgOを含有するスラグ中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有するホウ素含有物質とを接触させる、スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法が提供される。
本発明の一態様によれば、スラグ製品として使用されるスラグ粒であって、表面にマグネシウムとホウ素とを含む層を有する、スラグ粒が提供される。
本発明の一態様によれば、スラグ製品として使用されるスラグ粒の製造方法であって、フリーMgOを含有するスラグ粒を、上記フリーMgOを含有するスラグ粒中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有するホウ素を含有する固体化合物が溶解した水に接触させることを特徴とする、スラグ粒の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、スラグ製品として使用されるスラグ粒の製造方法であって、フリーMgOを含有するスラグ粒と、上記フリーMgOを含有するスラグ粒中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有するホウ素を含有する固体化合物とを混合した混合物へ水を散布する、スラグ粒の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、上記のスラグ粒の製造方法により製造されたスラグ粒を含む製鋼スラグを骨材に用いて、結合剤に高炉スラグ微粉末を使用し、水、混和剤を配合して混練し、固化させることを特徴とする人工石の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、スラグ製品におけるフリーMgOの水和を抑制することができる、スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法、スラグ粒、スラグ粒の製造方法及び人工石の製造方法が提供される。
試験におけるTEM分析結果であり、ホウ素の化学結合状態を測定した結果を示すグラフである。 試験におけるTEM分析結果であり、炭素の化学結合状態を測定した結果を示すグラフである。 試験におけるTEM分析結果であり、酸素の化学結合状態を測定した結果を示すグラフである。 試験のホウ素との接触がなかった条件におけるTEM分析結果であり、酸素の化学結合状態を測定した結果を示すグラフである。 試験における80℃浸漬膨張率の経時変化を示すグラフである。 試験の3時間経過したスラグを用いた場合における、80℃浸漬膨張率の経時変化を示すグラフである。 実施例における結果を示すグラフである。 ホウ素含有物質と接触したフリーMgOを含有するスラグの表層に存在するマグネシウム、酸素、ホウ素のXPSによる分析結果を示すグラフである。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するように、本発明の実施形態を例示して多くの特定の細部について説明する。しかしながら、かかる特定の細部の説明がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかである。また、図面は、簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
本発明者らは、スラグ製品におけるフリーMgOの水和を抑制する方法を検討するに当たり、ホウ素による水和抑制の効果に着目し本発明を知見するにいたった。ホウ素による水和抑制の効果を検討するに当たり、本発明者らは以下の試験を行った。試験では、酸化マグネシウム粒を、ホウ素を酸化マグネシウム粒に対して1.8質量%溶解させた水溶液に浸漬させて1日保持した後、この酸化マグネシウム粒の厚み方向の構造をTEMで分析した。
試験におけるTEMの分析結果として、図1にホウ素の化学結合状態を測定した結果、図2に炭素の化学結合状態を測定した結果、及び図3に酸素の化学結合状態を測定した結果をそれぞれ示す。また、比較として、同様な酸化マグネシウム粒を純水に浸漬させて1日保持した後、この酸化マグネシウム粒の厚み方向の構造をTEMで分析を行った。この比較の結果として、図4に酸素の化学結合状態を測定した結果を示す。なお、図1ないし図4の横軸の単位はエレクトロンボルト(eV)であり、縦軸は各元素のカウント数である。
図1に示すホウ素の結果から、ホウ素を溶解させた水溶液に浸漬させた酸化マグネシウムでは、2種類の結合形態であるπ結合とσ結合とを含む化合物が形成されていることを確認した。また、図2及び図3に示す炭素及び酸素の結果から、炭酸化物はみられなかった。さらに、図3に示す酸素の結果から、酸素の結合についても、π結合とσ結合との2種類の結合形態が確認された。一方、図4に示す純水に浸漬させてホウ素との接触がなかった酸化マグネシウムの場合、図3におけるσ結合のみが検出され、π結合の状態となる酸素が検出されなかった。つまり、ホウ素と接触させて反応させることで、酸化マグネシウムの酸素の波形とは異なるホウ素由来の化合物が酸化マグネシウムの表層に形成されることが確認できた。
さらに、酸化マグネシウム粒の表面に形成している層を調査するためにXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析によって、B水溶液に浸漬した酸化マグネシウム粒の深さ方向の組成分析を試みた。これは、Ar単原子イオンビームを試料の表面へスパッタリングして試料を深さ方向へ掘削し、所定の深さ毎に、その深さでの元素情報及びその結合状態の情報をXPSにより取得するものである。深さの同定はSi基板の上に成膜した既知の膜厚を有するSiO薄膜を標準試料として用いて行なう。つまり、所定のAr単原子イオンビームにより、標準試料のSiO薄膜を貫通する時間からスパッタリングレート(nm/min)を算出しておき、このスパッタリングレートと酸化マグネシア粒をスパッタリングした時間とを掛けることで深さ(nm)を求めるものである。
その結果を図8に示す。図8において、横軸は酸化マグネシウム粒の表面からの深さを表し、縦軸はそこに存在する原子の量を100分率(%)で示す。
酸素はマグネシウムと結合しているものとホウ素と結合しているものとに分かれていることが分かった。そして100nmの位置では、マグネシウムと結合した酸素がマグネシウムとほぼ同量であることから、MgOとして存在し、かつ、ホウ素1個に対して、ホウ素と結合している酸素が2.5個結合した状態で存在していることがわかった。通常Bの化合物として、BやB(OH)といったものが考えられるが、上記の酸化マグネシウム粒の表面近傍ではホウ素に対する酸素の結合割合が異なるため、酸化マグネシウムと結合したホウ素の化合物が存在するものと推察される。
この知見をもとに、フリーMgOを13質量%含むスラグを粒度2mmで篩い、篩を通過したものを30g用意した。そして、このスラグに、ホウ素を含有する水を15g添加して、スラグの表面にホウ素を含む水が接触するように、スラグを良く攪拌した。水に溶解させたホウ素の量は、スラグ中のフリーMgOの質量に対して1.8質量%以上とした。このようなスラグを3個製作し、そのまま1日保持した。その後、スラグを直径25mmの円柱状に圧縮成型させることで試料を製作した。この試料を、80℃の水に浸漬させて、その状態で60日間保持し、1日毎に円柱状の試料の高さを測定した。
圧縮成型時に対する試料の高さHの経時変化を100分率で表した80℃浸漬膨張率を図5に示す(図5のホウ素添加有)。なお、この試験では、ホウ素を含む水と接触させなかったスラグについても同様に円柱状に圧縮成型させて試料とし、上述の試験と同様に、80℃の水に浸漬させて60日間保持して高さHの経時変化を測定した(図5のホウ素添加無)。図5に示すように、ホウ素を含む水と接触させなかった試料のスラグは80℃の水に浸漬している間膨張をし続けているのに対し、ホウ素を含む水を添加した試料のスラグはほとんど膨張しないことが分かった。
さらに、図5に示す試験で用いたスラグと同様なスラグに対して、ホウ素を含む水を15g添加して、良く撹拌した後、スラグ表面の状態を観察したところ、3時間で表面がほぼ乾き始める様子が見られた。そこで、ホウ素を溶解させた水を添加した後、3時間が経過したスラグを用いて、図5と同様な膨張試験をしたところ、図6に示す結果となった。なお、図6に示す膨張試験では、ホウ素の添加量を、スラグ中のフリーMgOの質量に対して1.8質量%以上とした。図6に示す試験においても、80℃の水に10日間浸漬してもほとんど膨張しないことが確認できた。このことから、短時間でフリーMgOとホウ素とが反応することがわかった。
これは、ホウ素とスラグ中の酸化マグネシウムが反応して、酸化マグネシウムの表面に、マグネシウムとホウ素からなる緻密な層(以下、「水和抑制層」ともいう。)が形成されて、内部にある未反応の酸化マグネシウムの水和のそれ以上の進行が抑制されるためであると推測した。そして、このようなスラグ表面での反応は少なくとも3時間で効果があることが分かった。
(スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法及びスラグ粒の製造方法)
本発明は、上記の現象を利用したものであり、その詳細を以下に説明する。
本発明の一実施形態に係るスラグ中のフリーMgOの水和抑制方法及びスラグ粒の製造方法では、鉄鋼業の精錬工程において発生し、フリーMgOを含むスラグを対象とする。
本実施形態では、スラグ製品として使用されるスラグにホウ素を含有するホウ素含有物質を添加することで、スラグにホウ素含有物質を接触させる。スラグ製品は、ホウ素自体が環境基準に定められている成分であることから、海域で使用される人工石骨材であることが望ましい。また、スラグ製品は、道路用路盤材であってもおよい。スラグは、目的に応じて粒径が適宜設定されるが、粒径を40mm以下のスラグ粒とすることが好ましい。これは、スラグ粒を土木材として使用する際に、他の砕石等と同等の粒径であることが望ましいからである。また、スラグに含有される金属鉄等を分離する必要があり、40mm以下に破砕することで、金属鉄等を分離することができる。
また、添加されるホウ素含有物質は、ホウ素を含有する化合物が溶解した水(水溶液)であってもよく、ホウ素を含有する固体化合物であってもよい。ホウ素を含有する固体化合物を使用する場合は、フリーMgOを含むスラグとホウ素を含有する固体化合物とを混合した混合物へ水を散布する。なお、以下では、ホウ素含有物質が、ホウ素を含有する化合物が溶解した水である場合を液体状のホウ素含有物質ともいい、ホウ素を含有する固体化合物である場合を固体状のホウ素含有物質ともいう。ホウ素の添加量は、スラグ粒中のフリーMgOに対して、質量比で1.8%以上28.6%以下であることが望ましい。この質量比はホウ素含有物質中のホウ素の質量で計算するものである。ホウ素の添加量が28%超となる場合、スラグ粒を人工石骨材に用いる際に、人工石が固化しにくくなることがある。フリーMgOは、未反応の酸化マグネシウムであり、精錬工程において過剰に酸化マグネシウムが添加され、スラグに溶解せずにスラグの冷却時に残るもの、及び冷却家庭でスラグ中の安定鉱物相が変化して晶出したものである。また、フリーMgOには、炭酸マグネシウム等の酸化マグネシウムを含む化合物が分解してできたものが含まれてもよい。
液体状のホウ素含有物質を用いる場合、ホウ素含有物質は、ホウ素や酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ砂等の、ホウ素及びホウ素化合物を水に溶解させたものとなる。また、溶解させる水の量は、ホウ素がすべて溶解する量とすることが好ましい。ホウ素が溶解した水のホウ素の濃度は、低すぎるとホウ素化合物の形成に時間がかかるため、ホウ素の濃度ができるだけ高くすることが好ましく、ホウ素が飽和した濃度とすることがより好ましい。さらに、液体状のホウ素含有物質をスラグに接触させる方法としては、スラグに液体状のホウ素含有物質を散布する方法、スラグを液体状のホウ素含有物質に浸漬させる方法、及びスラグと液体状のホウ素含有物質とをミキサーに入れて一緒に混合する方法が用いられてもよい。液体状のホウ素含有物質をスラグに接触させた後、ホウ素とスラグ表面のフリーMgOとが反応する。この反応は、速やかに進行するが、ホウ素と酸化マグネシウムを含む水和抑制層をスラグの表面に確実に形成させるには、接触させた状態で3時間以上保持することが好ましい。さらに、液体状のホウ素含有物質を用いる場合、スラグにホウ素含有物質を添加し、3時間以上(例えば1日程度)経過した後、水で処理後のホウ素を除去し、骨材や道路基盤材等のスラグ製品に用いることが好ましい。
固体状のホウ素含有物質を用いる場合、ホウ素含有物質は、ホウ素や酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ砂等の、ホウ素及びホウ素化合物を含むものである。また、固体状のホウ素含有物質の粒径は、10mm以下であることが好ましい。これは、ホウ素含有物質は水に溶けにくいことから、粒径が大きいと溶解に時間がかかることや水溶液の濃度のばらつきが大きくなるためである。また、固体状のホウ素含有物質をスラグに接触させる方法としては、スラグと固体状のホウ素含有物質とをミキサーに入れて一緒に混合する方法が用いられてもよい。この場合、スラグと固体状のホウ素含有物質とを混合させた混合物をスラグ製品にそのまま用いてもよいが、混合物に水を予め添加することが好ましい。混合物をそのまま用いる場合、スラグ製品が水と接触した段階で、スラグ粒の表面のフリーMgOとホウ素とが反応し、水和抑制層が形成される。しかし、この場合には、水に溶解してホウ素が流出する可能性がある。これに対して、混合物に水を予め添加する方法では、スラグ製品として用いられる前に、水和抑制層が形成される。混合物に水を予め添加する方法としては、混合物に水を散布する方法や、水に浸漬させる方法を用いることができる。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法及びスラグ粒の製造方法について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明は、スラグ製品として利用されるスラグ粒であってもよい。このスラグ粒は、上記実施形態のスラグ粒の製造方法にて製造されるものであって、表面にマグネシウムとホウ素とを含む層(水和抑制層)を有する。なお、このスラグ粒の粒径は、使用用途によって適宜設定されるものであるが、40mm以下とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、水和抑制層の形成に要する時間を、少なくとも3時間としたが、本発明はかかる例に限定されない。水和抑制層を形成する反応は、速やかに行われることを確認しており、水和抑制層の形成に要する時間は少なくとも30分程度であってもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係るスラグ中のフリーMgOの水和抑制方法は、フリーMgOを含有するスラグ中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有するフリーMgOを含有するスラグと、ホウ素含有物質とを接触させる。
上記(1)の構成によれば、スラグ表面のフリーMgOとホウ素とが反応することで、スラグの表面に酸化マグネシウムとホウ素とを含む水和抑制層が形成される。この水和抑制層がスラグ内部のフリーMgOの水和を抑制することで、スラグ製品における酸化マグネシウムの水和を抑制することができる。また、この水和抑制層は、フリーMgOとホウ素との反応によって生じるものであり、スラグにある他の酸化物には形成されない。このため、スラグ表面の複合酸化物のうち、フリーMgOを選択的にコーティングすることができる。
(2)上記(1)の構成において、ホウ素含有物質は、ホウ素を含有する化合物が溶解した水である。
上記(2)の構成によれば、液体状のホウ素含有物質とスラグとが接触することで、水和抑制層が速やかに形成される。
(3)上記(1)の構成において、ホウ素含有物質は、ホウ素を含有する固体化合物である。
上記(3)の構成によれば、固体状のホウ素含有物質とスラグとの混合物が、その後の工程や使用する際にあたって、水と接触することでスラグの表面に水和抑制層が形成される。
(4)本発明の一態様に係るスラグ粒は、スラグ製品として使用されるスラグ粒であって、表面にマグネシウムとホウ素とを含む層を有する。
上記(4)の構成によれば、上記(1)の構成と同様な効果が得られる。
(5)上記(4)の構成において、フリーMgOを含有するスラグ粒を鉄鋼スラグ水和固化体製人工石の原料としたときに、その人工石からのホウ素の溶出量が0.8mg/L以下である。
(6)本発明の一態様に係るスラグ粒の製造方法は、スラグ製品として使用されるスラグ粒の製造方法であって、フリーMgOを含有するスラグ粒を、フリーMgOを含有するスラグ粒中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有するホウ素を含有する固体化合物が溶解した水に接触させる。
上記(6)の構成によれば、上記(2)の構成と同様な効果が得られる。
(7)上記(6)の構成において、フリーMgOを含有するスラグ粒の粒径が40mm以下である。
(8)本発明の一態様に係るスラグ粒の製造方法は、スラグ製品として使用されるスラグ粒の製造方法であって、フリーMgOを含有するスラグ粒と、フリーMgOを含有するスラグ粒中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有するホウ素を含有する固体化合物とを混合した混合物へ水を散布する、スラグ粒の製造方法。
上記(8)の構成によれば、上記(3)の構成と同様な効果が得られる。
(9)上記(8)の構成において、フリーMgOを含有するスラグ粒の粒径が40mm以下であり、固体化合物の粒径が10mm以下である。
(10)本発明の一態様に係る人工石の製造方法は、上記(6)~(9)のいずれか一つの構成に記載のスラグ粒の製造方法により製造されたスラグ粒を含む製鋼スラグを骨材に用いて、結合剤に高炉スラグ微粉末を使用し、水、混和剤を配合して混練し、固化させる。
本発明者らが行った実施例について説明する。実施例では、表1に示す組成のスラグ(スラグ種A及びスラグ種B)を用いて、膨張測定を行った。なお、表1においてCaO/SiO2(以下、「塩基度」ともいう。)は、スラグ中のSiO2濃度(質量%)に対するCaO濃度(質量%)の比を示し、MgO及び未反応MgOは、スラグ中のMgO濃度(質量%)及びフリーMgO濃度(質量%)をそれぞれ示す。実施例では、塩基度の異なる2種類のスラグに、未反応の酸化マグネシウムに対して添加割合を変えた複数の条件でホウ素を添加し、膨張率を調査した。
Figure 0007028341000001
実施例では、まず、表1に示す2種類のスラグについて、2mm及び1.18mmで篩い、直径が1.18mm超2mm以下のスラグと、直径が0mm以上1.18以下のスラグとにそれぞれ篩い分けた。そして、直径が1.18mm超2mm以下のスラグを15g、直径が0mm以上1.18以下のスラグを15g混合することで、サンプルとした。そして、このサンプルをホウ素の添加割合の異なる各条件に対して、3検体ずつ作成し、液体状のホウ素含有物質を添加した。
液体状のホウ素含有物質を添加した条件の一つである条件1では、液体状のホウ素含有物質としてホウ素を溶解させた水(以下、「ホウ素含有水」ともいう。)をサンプルに添加した。ホウ素含有水に用いた水の質量は、ホウ素の添加量に対して50倍の質量とした。ホウ素含有水をスラグに添加した後、均一になるように混合し、24時間保持した。また、液体状のホウ素含有物質を添加した他の条件である条件2では、上記の粒径範囲の異なる2種類のスラグを混合した後、酸化ホウ素を溶解させた水を所定量分散布して、24時間保持した。その後、保持した条件1,2のサンプルの膨張測定を行った。膨張測定では、保持後のサンプルを直径25mmの円柱状に圧縮成型させて、80℃の水に浸漬させた。そして、この供試体の10日間の高さの変化量を膨張量(cm)として測定し、測定された膨張量を供試体の高さで除して100分率で表した値を膨張率とした。
表2に実施例における条件、膨張率の測定結果及び膨張判定の結果を示す。実施例では、表2に示すように、スラグA,Bの2種類のスラグについて、ホウ素の添加割合を、それぞれのスラグ中の未反応の酸化マグネシウムの質量に対し、1.8質量%、2.5質量%、4.3質量%、14.3質量%及び28.6質量%の5条件で変化させ、それぞれ膨張測定を行った(実施例1~10)。なお、実施例1~6におけるホウ素の添加条件は条件1であり、実施例7~10におけるホウ素の添加条件は条件2である。また、比較として、表2に示す比較例1,2では、ホウ素及びホウ素含有物質(ホウ素含有水等)を接触させずにスラグを円柱状に成型し、実施例と同様に膨張測定を行った。さらに、表2に示す比較例3,4では、ホウ素の添加割合を、1.4質量%として実施例と同様に膨張試験を行った。
Figure 0007028341000002
実施例の結果、表2に示すように、ホウ素を添加していない比較例1,2の条件では、膨張率が大きくなるのに対して、ホウ素を添加した比較例3,4及び実施例1~10の条件では膨張率が小さくなることが確認できた。また、ホウ素の添加割合が1.8%以上となると、膨張率にほぼ変化がなくなることが確認できた。さらに、ホウ素の添加割合が4.3%以上となると、膨張が進行しなくなることが確認できた。
さらに、実施例では、上述の調査と同様な条件でホウ素を添加して処理したスラグ粒を骨材として用いて人工石を製造した。人工石の配合条件を、表3に示す。人工石の製造方法は、一般財団法人沿岸技術研究センター発刊の鉄鋼スラグ水和固化体技術マニュアルに則っておこなった。ホウ素を添加する際には,スラグに対して、0.5%の質量比になるホウ素を秤量した後に、スラグにホウ素を練り混ぜ、水に添加して用いた。その後、φ100×200mmの供試体を3本作成し、80℃の水に浸漬させて、30日経過したときの供試体を観察した。観察では、大きな割れが生じるものと健全なものとを評価した。その結果を、表2の膨張判定の結果に示す。表2において、膨張判定の結果の「合」は割れが発生しなかった健全なものを示し、「否」は割れが発生したものを示す。表2に示すように、ホウ素の添加割合が1.8%以上であれば、供試体に割れが生じず、健全なままであることが確認できた。また、ホウ素は環境安全品質基準で設定されている物質であることから、鉄鋼スラグ水和固化体製人工石材-港湾関連民間技術の確認審査・評価報告書 第07001号-JIS K 0058-1:2005スラグ類の化学物質試験方法に基づいてホウ素の溶出量を評価した。ほう素溶出量は0.185mg/Lと低く、基準値20mg/Lを大きく下回った。これは、海域用途の人工石用途だけでなく、基準値0.8mg/Lである水和固化体の路盤材の用途でも利用できる溶出量であった。
Figure 0007028341000003

Claims (9)

  1. フリーMgOを含有する固体状のスラグと、前記フリーMgOを含有する固体状のスラグ中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有するホウ素含有物質とを接触させる、スラグ中のフリーMgOの水和抑制方法。
  2. 前記ホウ素含有物質は、ホウ素を含有する化合物が溶解した水である、請求項1に記載のスラグ中のフリーMgOの水和抑制方法。
  3. 前記ホウ素含有物質は、ホウ素を含有する固体化合物である、請求項1に記載のスラグ中のフリーMgOの水和抑制方法。
  4. スラグ製品として使用されるスラグ粒であって、
    表面にマグネシウムとホウ素とを含む層を有する、スラグ粒。
  5. スラグ製品として使用されるスラグ粒の製造方法であって、
    フリーMgOを含有するスラグ粒を、前記フリーMgOを含有するスラグ粒中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有する固体化合物が溶解した水に接触させることを特徴とする、スラグ粒の製造方法。
  6. 前記フリーMgOを含有するスラグ粒の粒径が40mm以下である、請求項5に記載のスラグ粒の製造方法。
  7. スラグ製品として使用されるスラグ粒の製造方法であって、
    フリーMgOを含有するスラグ粒と、前記フリーMgOを含有するスラグ粒中のフリーMgOの質量に対し、1.8質量%以上の量のホウ素を含有する固体化合物とを混合した混合物へ水を散布する、スラグ粒の製造方法。
  8. 前記フリーMgOを含有するスラグ粒の粒径が40mm以下であり、前記固体化合物の粒径が10mm以下である、請求項7に記載のスラグ粒の製造方法。
  9. 請求項5~8に記載のスラグ粒の製造方法により製造されたスラグ粒を含む製鋼スラグを骨材に用いて、結合剤に高炉スラグ微粉末を使用し、水、混和剤を配合して混練し、固化させることを特徴とする人工石の製造方法。
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