JP7028217B2 - 転炉型精錬炉の異常検出方法、異常検出装置及び操業方法 - Google Patents
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Description
底吹き型の転炉型精錬炉では、通常、羽口は2重管構造となっており、吹錬中は内側の管から酸素を吹き込むとともに、外側の管からプロパンガスを導入することで羽口を冷却保護して寿命を確保する。このとき、羽口には、プロパンガスによる冷却によってマッシュルーム型の地金(以下、「マッシュルーム」ともいう。)が形成され、羽口を保護することとなる。
このようにして、ガスの流量のバランスが崩れ、流量が低下した場合には、プロパンガスによる冷却が間に合わず、マッシュルームが崩壊して羽口内部に溶鉄が流れ込む可能性がある。この場合、流れ込んだ溶鉄によって、羽口が溶けしていまい、漏鋼等によって転炉型精錬炉による精錬処理が正常にできなくなることから、操業を阻害してしまう。なお、以下の説明では、上述の羽口から吹き込まれるガスの流量低下に起因した異常を、羽口の吹錬中の異常として定義する。
また、特許文献1には、羽口の吹錬中の異常を検出する方法として、ディストリビュータの上流側にて、吹錬中のガスの圧力を所定間隔で測定し、測定結果を基に異常を判定する方法が開示されている。
本発明の一実施形態に係る転炉型精錬炉2の異常検出装置1は、図1に示すように、転炉型精錬炉2に設けられ、転炉型精錬炉2における羽口の吹錬中の異常を検出する。転炉型精錬炉2は、溶鉄3を酸化精錬処理する底吹き型の転炉である。転炉型精錬炉2は、図2及び図3に示すように、炉体20と、第1供給管21と、第1ディストリビュータ22と、複数の第1羽口配管23と、第2供給管24と、第2ディストリビュータ25と、複数の第2羽口配管26と、複数の羽口27とを備える。
第1供給管21は、不図示の酸素ガス供給装置に接続され、この供給装置から供給される酸素ガスを、第1ディストリビュータ22を介して、複数の第1羽口配管23へと供給する。
複数の第1羽口配管23は、第1ディストリビュータ22から供給される酸素ガスを複数の羽口27へそれぞれ供給する。複数の第1羽口配管23は、図4に示すように、ボトム部200の底面に這わせて設けられる。なお、第1羽口配管23の数は、羽口27の数と同じである。
第2ディストリビュータ25は、第2供給管24から供給されるプロパンガスを複数の第2羽口配管26へと分配供給する装置である。
複数の第2羽口配管26は、第2ディストリビュータ25から供給されるプロパンガスを複数の羽口27へそれぞれ供給する。複数の第2羽口配管26は、図4に示すように、ボトム部200の底面に這わせて設けられる。なお、第2羽口配管26の数は、羽口27の数と同じである。
複数の検出部10は、図1及び図3に示すように、複数の第1羽口配管23の外面にそれぞれ固定して設けられ、各第1羽口配管23の振動加速度を検出する振動センサである。複数の第1羽口配管23は、転炉型精錬炉2の吹錬後に溶鋼やスラグを受ける鍋(取鍋やスラグ鍋)が炉体20の下方を通過するため、激しい輻射熱に晒される。このため、複数の検出部10は、センサ本体への輻射熱の影響を抑えるため、耐熱材でセンサ本体を覆うことが好ましい。例えば、複数の検出部10のセンサ本体を、耐熱材料で作成されたカバーで覆ってもよい。この場合、用いられるセンサはできるだけ小型であることが好ましい。なお、検出部10のセンサ本体は、振動加速度を検出して電気信号に変換する振動測定用のピックアップについて、測定面の径が数10mm、高さが数10mm程度のものが選択されることがより好ましい。また、耐熱材料で形成されたカバーの内部に、冷却用のガス(例えば、空気)を流して、センサの冷却を行うようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る転炉型精錬炉2の異常検出方法について説明する。本実施形態では、まず、転炉型精錬炉2にて吹錬が開始されると、複数の検出部10は、設けられたそれぞれの第1羽口配管23の振動加速度を連続して測定し、測定結果を振動加速度波形として判定部11に伝送する。複数の検出部10による振動加速度の測定は、例えば1s間隔で行われてもよい。
配管を流れるガスの流量と配管の振動加速度の振幅とには相関関係があり、この関係では、ガスの流量が多い場合には振幅が大きくなり、ガスの流量が少ない場合には振幅が小さくなる。
図7には、図4~図6の測定結果について、流量と振幅との関係をまとめたグラフを示す。図7に示すように、振幅は、ガスの流量の増加に対して単調に増加することが確認できた。
なお、判定工程は、転炉型精錬炉2にて吹錬が行われている間、所定の時間間隔(例えば、1s間隔)で連続的に行われる。
次に、本実施形態に係る転炉型精錬炉2の操業方法について説明する。本実施形態では、転炉型精錬炉2は、溶鉄3を吹錬により脱炭処理することで、溶銑から溶鋼を溶製する。そして、転炉型精錬炉2による吹錬が行われている間、上述の異常検出方法を用いて、酸素ガスの流量に基づいた羽口27の異常の検出を行う。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
(1)本発明の一態様に係る転炉型精錬炉2の異常検出方法は、炉体20の底面からガスを吹込む複数の羽口27と、複数の羽口27にそれぞれ接続され、複数の羽口27にガスをそれぞれ供給する複数の配管(例えば、複数の第1羽口配管23)と、を有する転炉型精錬炉2において、複数の羽口27の異常を検出する、転炉型精錬炉2の異常検出方法であって、複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定する測定工程と、測定される振動の振幅及び音量の少なくとも一方に基づいて、複数の羽口27において異常が発生したか否かを連続して判定する判定工程と、を備える。
上記(2)の構成によれば、例えば振動センサや小型マイクロフォンで各配管を流れるガスの流量を精度よく推定でき、高い精度で配管の異常を検出することができる。
上記(3)の構成によれば、酸素ガスを複数の羽口27から吹き込んで精錬処理を行う底吹き型の転炉型精錬炉において、羽口27の閉塞による異常を検出することができる。これにより、漏鋼や設備破損といったトラブルを防止することができる。
上記(4)の構成によれば、ケーブルを敷設するスペースが狭く、ケーブルの敷設が困難な転炉型精錬炉2においても、検出部10から判定部11までのデータの伝送を容易に行うことができる。
上記(5)の構成によれば、上記(1)と同様な効果が得られる。
上記(6)の構成によれば、羽口27の閉塞による異常が発生した場合でも、漏鋼や設備破損といったトラブルが発生する前に、炉体20から溶鉄3を排出することで、これらのトラブルを未然に防止することができる。
また、羽口27に閉塞による異常が発生した場合における、異常が発生した羽口27に接続された第1羽口配管23での、基準流量に対する推定流量の割合(%)の吹錬開始から吹錬終了までの経時変化を図9に示す。図9に示すように、吹錬開始後に基準流量に対する推定流量の割合が減少していき、80%以下となった後、10秒ほどで吹錬を非常停止した。吹錬を非常停止した後は、溶鉄3を炉体20の下方に配された鍋へと排出した。その後、異常が発生した羽口27を確認したところ、羽口27の閉塞による冷却不足が原因と推定される羽口27の溶損が確認できた。このことから、上記実施形態によれば、羽口27の異常を精度よく検出することができ、漏鋼やディストリビュータ等の設備の破損を防止できることが確認できた。
10 検出部
11 判定部
2 転炉型精錬炉
20 炉体
200 ボトム部
21 第1供給管
22 第1ディストリビュータ
23 第1羽口配管
24 第2供給管
25 第2ディストリビュータ
26 第2羽口配管
27 羽口
3 溶鉄
Claims (6)
- 炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、前記複数の羽口にそれぞれ接続され、前記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉において、前記複数の羽口の異常を検出する、転炉型精錬炉の異常検出方法であって、
前記複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定し、測定される前記振動の振幅及び音量の少なくとも一方に基づいて、前記複数の配管を流れる前記ガスの流量である推定流量を推定する測定工程と、
前記推定流量と、前記配管を流れる前記ガスの基準の流量である基準流量とに基づいて、前記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定する判定工程と、
を備える、転炉型精錬炉の異常検出方法。 - 前記測定工程では、測定される前記振幅及び前記音量の少なくとも一方と、前記振幅及び前記音量の少なくとも一方と前記ガスの流量との関係から前記複数の配管毎に予め設定される検量線と、から前記複数の配管を流れる前記ガスの流量である推定流量を推定し、
前記判定工程では、前記推定流量と、前記配管を流れる前記ガスの基準の流量である基準流量とから、前記推定流量が前記基準流量に対して所定の割合以下の場合には異常が発生していると判定し、前記推定流量が前記基準流量に対して所定の割合超の場合には異常が発生していないと判定する、
請求項1に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法。 - 前記ガスは、酸素ガスである、請求項1または2に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法。
- 測前記定工程では、前記複数の配管の外面にそれぞれ設けられる複数の検出部を用いて、前記複数の配管の前記振動及び前記音の少なくとも一方を連続して測定し、
前記判定工程では、前記炉体とは独立して設置される演算装置である判定部にて、前記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定し、
前記検出部での測定結果は、前記判定部に無線で伝送される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法。 - 炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、前記複数の羽口にそれぞれ接続され、前記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉において、前記複数の羽口の異常を検出する、転炉型精錬炉の異常検出装置であって、
前記複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定し、測定される前記振動の振幅及び音量の少なくとも一方に基づいて、前記複数の配管を流れる前記ガスの流量である推定流量を推定する検出部と、
前記推定流量と、前記配管を流れる前記ガスの基準の流量である基準流量とに基づいて、前記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定する判定部と、
を備える、転炉型精錬炉の異常検出装置。 - 炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、前記複数の羽口にそれぞれ接続され、前記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉の操業方法であって、
前記転炉型精錬炉にて溶鉄の吹錬を行う際に、請求項1~4のいずれか1項に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法にて、前記複数の羽口の異常を検出し、
前記異常が検出された場合には、前記転炉型精錬炉の吹錬を停止させた後、前記溶鉄を前記炉体から排出し、
前記異常が検出されない場合には、前記転炉型精錬炉の吹錬を継続させる、
転炉型精錬炉の操業方法。
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