JP7028217B2 - 転炉型精錬炉の異常検出方法、異常検出装置及び操業方法 - Google Patents

転炉型精錬炉の異常検出方法、異常検出装置及び操業方法 Download PDF

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Description

本発明は、転炉型精錬炉の異常検出方法、異常検出装置及び操業方法に関する。
溶鉄の精錬装置である転炉型精錬炉には、炉底に設けられた複数の羽口から酸素を吹き込み、溶銑の脱炭吹錬を行う底吹き型の転炉精錬炉や、炉体の上部からランスを挿入し送酸するとともに、不活性ガスなどを炉底から吹込み溶鉄の流動性を高める上底吹き型の転炉型精錬炉などがある。なお、以下において、溶鉄(溶銑や溶鋼)に酸素ガスを供給し、酸化精錬処理を施すことを吹錬ともいう。
底吹き型の転炉型精錬炉では、通常、羽口は2重管構造となっており、吹錬中は内側の管から酸素を吹き込むとともに、外側の管からプロパンガスを導入することで羽口を冷却保護して寿命を確保する。このとき、羽口には、プロパンガスによる冷却によってマッシュルーム型の地金(以下、「マッシュルーム」ともいう。)が形成され、羽口を保護することとなる。
マッシュルームが成長した場合、各羽口におけるマッシュルームの成長度合いの違いから、羽口の出側での抵抗や閉塞度合に違いが生じ、各羽口から吹き込まれるガスの流量が異なることがある。そして、マッシュルームによる抵抗が顕著な場合は、ガスの流量に大きく差が生じることとなる。また、配管内に異物が混入した場合には、ガスの流れが阻害され、羽口におけるガス流量が低下することもある。
このようにして、ガスの流量のバランスが崩れ、流量が低下した場合には、プロパンガスによる冷却が間に合わず、マッシュルームが崩壊して羽口内部に溶鉄が流れ込む可能性がある。この場合、流れ込んだ溶鉄によって、羽口が溶けしていまい、漏鋼等によって転炉型精錬炉による精錬処理が正常にできなくなることから、操業を阻害してしまう。なお、以下の説明では、上述の羽口から吹き込まれるガスの流量低下に起因した異常を、羽口の吹錬中の異常として定義する。
このようなことから、ガスの流量を測定することは、羽口の吹錬中の異常をいち早く検出するために重要であり、各羽口につながる配管(以下、「羽口配管」ともいう。)に分岐するためのディストリビュータとよばれる装置の上流側には、ガス流量計が設置されている。このようなガス流量計を用いた異常検出では、複数の羽口に流れるガスの総流量を監視し、ガスの総流量が低下した場合には、いずれかの羽口にてガスの流量低下が発生したとして異常を検出することができる。
また、特許文献1には、羽口の吹錬中の異常を検出する方法として、ディストリビュータの上流側にて、吹錬中のガスの圧力を所定間隔で測定し、測定結果を基に異常を判定する方法が開示されている。
特開2003-226909号公報
しかしながら、上述のように、ディストリビュータの上流側にてガスの総流量や圧力を判定する方法では、羽口の本数が多い場合には、羽口周囲で異常が発生しても、総流量や圧力の測定結果に大きな変化が現れないことがある。このような場合、最終的に羽口からの溶鉄が漏れ出る漏鋼や、ディストリビュータの墳破が発生することによって、初めてデータに異常が現れることとなる。
羽口配管のガス流量を個別に計測するための装置としては、様々な原理を利用した流体の流量計が市販されている。ところが、転炉型精錬炉の炉底の羽口配管内では、ガスだけではなく、石灰を粉末状にして、ガスと一緒に炉内へ吹き込む吹錬方法が実施されている。市販の流量計では電気的にせよ、機械的にせよ、羽口配管内部にプローブを出して流量を測定するものがほとんどである。このため、こうした方式の流量計では、石灰がセンサ上に堆積したり、粒子がセンサに衝突することで破損したりするため、継続して測定が行えず、測定精度や耐久性に問題があった。また、プローブが羽口配管内に突き出ない超音波タイプの流量計もあるが、この方式では、羽口配管の直線部が十分長くないと精度が得られない。しかし、転炉型精錬炉の炉底では空間の制約が大きいため、必要な長さの直線の羽口配管を敷設するのは困難であった。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、転炉型精錬炉の羽口配管を流れるガスの流量低下を伴う羽口の異常を精度よく検出することができる、転炉型精錬炉の異常検出方法、異常検出装置及び操業方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、上記複数の羽口にそれぞれ接続され、上記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉において、上記複数の羽口の異常を検出する、転炉型精錬炉の異常検出方法であって、複上記数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定する測定工程と、測定される上記振動の振幅及び上記音量の少なくとも一方に基づいて、上記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定する判定工程と、を備える、転炉型精錬炉の異常検出方法が提供される。
本発明の一態様によれば、炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、上記複数の羽口にそれぞれ接続され、上記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉において、上記複数の羽口の異常を検出する、転炉型精錬炉の異常検出装置であって、上記複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定する検出部と、測定される上記振動の振幅及び上記音量の少なくとも一方に基づいて、上記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定する判定部と、を備える、転炉型精錬炉の異常検出装置が提供される。
本発明の一態様によれば、炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、上記複数の羽口にそれぞれ接続され、上記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉の操業方法であって、上記転炉型精錬炉にて溶鉄の吹錬を行う際に、上記の転炉型精錬炉の異常検出方法にて、上記複数の羽口の異常を検出し、上記異常が検出された場合には、上記転炉型精錬炉の吹錬を停止させた後、上記溶鉄を上記炉体から排出し、上記異常が検出されない場合には、上記転炉型精錬炉の吹錬を継続させる、転炉型精錬炉の操業方法が提供される。
本発明の一態様によれば、転炉型精錬炉の羽口配管を流れるガスの流量低下を伴う羽口の異常を精度よく検出することができる、転炉型精錬炉の異常検出方法、異常検出装置及び操業方法が提供される。
異常検出装置を示す説明図である。 転炉型精錬炉を示す説明図である。 転炉型精錬炉のボトム部を示す底面図である。 配管を流れるガスの流量が100L/minの場合における、振動加速度波形の測定結果を示すグラフである。 配管を流れるガスの流量が125L/minの場合における、振動加速度波形の測定結果を示すグラフである。 配管を流れるガスの流量が150L/minの場合における、振動加速度波形の測定結果を示すグラフである。 図4~図6における、流量と振幅との関係をまとめたグラフである。 実施例において、吹錬が正常に行われた場合における、基準流量に対する推定流量の割合の経時変化を示すグラフである。 実施例において、羽口に異常が発生した場合における、基準流量に対する推定流量の割合の経時変化を示すグラフである。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するように、本発明の実施形態を例示して多くの特定の細部について説明する。しかしながら、かかる特定の細部の説明がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかである。また、図面は、簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
<転炉型精錬炉の異常検出装置>
本発明の一実施形態に係る転炉型精錬炉2の異常検出装置1は、図1に示すように、転炉型精錬炉2に設けられ、転炉型精錬炉2における羽口の吹錬中の異常を検出する。転炉型精錬炉2は、溶鉄3を酸化精錬処理する底吹き型の転炉である。転炉型精錬炉2は、図2及び図3に示すように、炉体20と、第1供給管21と、第1ディストリビュータ22と、複数の第1羽口配管23と、第2供給管24と、第2ディストリビュータ25と、複数の第2羽口配管26と、複数の羽口27とを備える。
炉体20は、鉄皮の内部に耐火物がライニングされた精錬容器であり、上部に設けられた開口部である炉口を介して精錬処理する溶鉄3を収容する。また、炉体20の底面部分をボトム部200ともいう。
第1供給管21は、不図示の酸素ガス供給装置に接続され、この供給装置から供給される酸素ガスを、第1ディストリビュータ22を介して、複数の第1羽口配管23へと供給する。
第1ディストリビュータ22は、第1供給管21から供給される酸素ガスを複数の第1羽口配管23へと分配供給する装置である。
複数の第1羽口配管23は、第1ディストリビュータ22から供給される酸素ガスを複数の羽口27へそれぞれ供給する。複数の第1羽口配管23は、図4に示すように、ボトム部200の底面に這わせて設けられる。なお、第1羽口配管23の数は、羽口27の数と同じである。
第2供給管24は、不図示のプロパンガス供給装置に接続され、この供給装置から供給されるプロパンガスを、第2ディストリビュータ25を介して、複数の第2羽口配管26へと供給する。
第2ディストリビュータ25は、第2供給管24から供給されるプロパンガスを複数の第2羽口配管26へと分配供給する装置である。
複数の第2羽口配管26は、第2ディストリビュータ25から供給されるプロパンガスを複数の羽口27へそれぞれ供給する。複数の第2羽口配管26は、図4に示すように、ボトム部200の底面に這わせて設けられる。なお、第2羽口配管26の数は、羽口27の数と同じである。
複数の羽口27は、炉体20のボトム部200に設けられる2重管の羽口である。複数の羽口27は、ボトム部200を貫通して設けられ、一端が炉体20の内部側、他端が炉体20の外部側となるように設けられる。複数の羽口27は、他端が複数の第1羽口配管23及び複数の第2羽口配管26にそれぞれ接続される。また、各羽口27の内管は第1羽口配管23に接続され、各羽口27の外管は複数の第2羽口配管26に接続される。そして、各羽口27は、第1羽口配管23及び第2羽口配管26から供給される、酸素ガス及びプロパンガスを、炉体20の内部へと吹き込む。羽口27の数や配置、寸法等は特に限定されず、底吹き型の転炉型精錬炉として一般的に用いられるものとすることができる。
また、転炉型精錬炉2は、酸素ガスと共に粉末状の石灰等の精錬剤を炉体20の内部に吹き込む構成であってもよい。この場合、第1供給管21から複数の羽口27までの酸素ガスの供給路において、精錬剤供給装置(不図示)から供給される精錬剤が酸素ガスと共に搬送される。さらに、転炉型精錬炉2は、炉口を介して炉体20の内部に上方から挿入される上吹きランス(不図示)を有する構成であってもよい。このような転炉型精錬炉2では、複数の羽口27からの酸素ガスなどの供給に加え、この上吹きランスからも酸素ガスや石灰等の精錬剤が炉体20の内部の溶鉄3へと供給されることで精錬処理を行うことができる。
異常検出装置1は、図1に示すように、複数の検出部10と、判定部11とを備える。
複数の検出部10は、図1及び図3に示すように、複数の第1羽口配管23の外面にそれぞれ固定して設けられ、各第1羽口配管23の振動加速度を検出する振動センサである。複数の第1羽口配管23は、転炉型精錬炉2の吹錬後に溶鋼やスラグを受ける鍋(取鍋やスラグ鍋)が炉体20の下方を通過するため、激しい輻射熱に晒される。このため、複数の検出部10は、センサ本体への輻射熱の影響を抑えるため、耐熱材でセンサ本体を覆うことが好ましい。例えば、複数の検出部10のセンサ本体を、耐熱材料で作成されたカバーで覆ってもよい。この場合、用いられるセンサはできるだけ小型であることが好ましい。なお、検出部10のセンサ本体は、振動加速度を検出して電気信号に変換する振動測定用のピックアップについて、測定面の径が数10mm、高さが数10mm程度のものが選択されることがより好ましい。また、耐熱材料で形成されたカバーの内部に、冷却用のガス(例えば、空気)を流して、センサの冷却を行うようにしてもよい。
複数の検出部10は、吹錬中の第1羽口配管23の振動加速度を逐次計測し、測定結果である振動加速度波形を判定部11へと伝送する。本実施形態では、複数の検出部10は、測定される振動加速度波形を判定部11へと無線で伝送可能な無線送信手段(無線送信器)を有し、この無線送信手段を用いて測定結果を、無線受信手段を有する判定部11へと無線で伝送する。この際、複数のセンサデータが混信しないように、他の第1羽口配管に設置したセンサの信号を互いに識別可能である必要がある。
上記では、複数の検出部10の測定結果を無線で判定部11に伝送するものとして説明したが、測定結果を有線で伝送するものとしてもよい。有線で伝送する場合、各センサによって得られた信号は、アンプを介してケーブルによって判定部11へと伝送される。ボトム部200に設置されたセンサのセンサ信号は、その場で処理するのは困難であるため、炉体20の熱影響等がない程度に離れた位置に、炉体20とは独立して設置される判定部11にて処理されることとなる。転炉型精錬炉2では、通常、ケーブルを敷設できるのが、トラニオンと呼ばれる炉体20が傾動するための傾動軸の部分のみとなる。しかしながら、このトラニオンのケーブルが敷設可能な部分は非常にスペースが狭く、複数のセンサに対応するだけのケーブルを通すことが難しい場合がある。このため、本実施形態のように無線で測定結果を送信する方法が好ましいものとなる。
また、無線送信手段を用いる場合やセンサにアンプが必要な場合には、電源が必要となる。この場合、電源ケーブル程度であればトラニオンにも敷設可能となるため、トラニオンを介して電源ケーブルを各検出部10に接続するようにしてもよい。また、電源として、熱電モジュールを用いることも可能である。この場合、熱電モジュールは、各検出部10またはボトム部200のガスが流れる配管に取り付けられ、配管に流れる室温のガスと、輻射源となる鍋との温度差から発電を行う。この温度差は大きいものとなるため、発電効率が高くなる。また、熱電モジュールを各検出部10に設ける場合、電源ケーブルを底面に這わせて設ける必要がなくなるため、輻射熱に対する電源ケーブルの保護等をしなくてもよい。
判定部11は、複数の検出部10から伝送される振動加速度の測定結果から、各第1羽口配管23を流れる酸素ガスの流量を推定し、推定結果から複数の羽口27に異常があったか否かを判断する。判定部11は、炉体20の熱影響等がない程度に離れた位置に、炉体20とは独立して設置される、例えばPC等の演算装置であり、後述する方法にて異常を検出する。
<転炉型精錬炉の異常検出方法>
次に、本実施形態に係る転炉型精錬炉2の異常検出方法について説明する。本実施形態では、まず、転炉型精錬炉2にて吹錬が開始されると、複数の検出部10は、設けられたそれぞれの第1羽口配管23の振動加速度を連続して測定し、測定結果を振動加速度波形として判定部11に伝送する。複数の検出部10による振動加速度の測定は、例えば1s間隔で行われてもよい。
次いで、判定部11は、伝送された各第1羽口配管23の振動加速度波形から振幅を演算し、さらに、求められた振幅から各第1羽口配管23での酸素ガスの流量を推定する。なお、以下では、複数の検出部10による振動加速度の測定からガスの流量の推定までの工程を、測定工程ともいう。
配管を流れるガスの流量と配管の振動加速度の振幅とには相関関係があり、この関係では、ガスの流量が多い場合には振幅が大きくなり、ガスの流量が少ない場合には振幅が小さくなる。
この現象を確認するため、本発明者らは、振幅とガスの流量との関係について調査を行った。調査では、JIS規格100Aの鋼管(内径Φ110mm)を用い、この交換に振動センサを取り付けた。そして、この鋼管に100L/min、125L/min、150L/minの3条件で空気を流して、振動加速度波形を測定した。本調査の結果として、図4にガスの流量が100L/minの場合、図5にガスの流量が125L/minの場合、図6にガスの流量が150L/minの場合における振動加速度波形の測定結果を示す。図4~図6に示すように、ガスの流量が大きくなるほど、振幅が大きくなることが確認できた。ただし、振動加速度波形は、さまざまな周波数成分からなっており、非周期性信号となる。したがって、下記(1)式により振幅の実効値を用いて計算する。
Figure 0007028217000001
・・・(1)
(1)式において、Vは電圧信号、Tは信号に含まれる周波数成分より十分長い時間(s)、x(t)は測定した振動加速度の振幅(mm/sec)である。実際は、等時間間隔で測定を行うので、離散的な式となる。
図7には、図4~図6の測定結果について、流量と振幅との関係をまとめたグラフを示す。図7に示すように、振幅は、ガスの流量の増加に対して単調に増加することが確認できた。
振動加速度の振幅から酸素ガスの流量を推定する際には、予め設定される検量線(ガスの流量と振幅との関係)を用いて酸素ガスの流量の推定を行う。つまり、例えば、図7に示す関係から、測定される振幅に対応する酸素ガスの流量を求めることで、この推定が行われる。ガスの流量と振幅との関係は、配管の素材や配管の寸法、配管経路の長さ、配管の固定箇所、配管経路の形状等に応じて変わるものとなる。このため、炉体20にボトム部200を組み込む前に、予め各第1羽口配管23に空気等のガスを流して、検量線を求めておくことが好ましい。具体的には、測定する第1羽口配管23を除いた他の第1羽口配管23の先端部を閉塞した状態で、第1供給管21からガスを流し、ガスの流量を徐々に増加させる。そして、ガスの各流量における振幅を記録することで、ガスの流量と振幅との関係を測定する。このようにして測定される検量線は、全ての第1羽口配管23についてそれぞれ行われる。
各種の配管を含むボトム部200は、補修の際に炉体20から取り外して交換することがある。そして、この補修は室温の雰囲気下にある状態で行われるため、補修の期間には、検量線の測定を容易に行うことができる。なお、検量線を求める工程は、炉体20の底面の組み込みを行う際に毎回行ってもよいが、炉体20の底面における配管形状が同様なものについては、以前に測定された検量線を用いるようにしてもよい。また、違いが問題とならない程度のものとなるのであれば、上述のように、吹錬中に実際に流すガス(酸素ガス)と、検量線を決定するために事前に配管に流すガス(空気)とは異なる成分であってもよい。
また、本発明者らは、底吹き型の転炉型精錬炉の脱炭吹錬(溶鉄3の脱炭処理を目的とした吹錬)において、粉末状の石灰を第1羽口配管23に酸素ガスと共に流す場合についても確認をした。その結果、脱炭吹錬において一般的に用いられる粒径及び添加量の粉末状の石灰であれば、検量線が、粉末状の石灰を流さない場合と同程度であることを確認できた。つまり、粉末状の石灰を羽口27から吹き込む場合においても、上記のように事前に得られる検量線を用いて酸素ガスの流量が推定できる。
酸素ガスの流量が推定された後、判定部11は、推定された各第1羽口配管23の酸素ガスの流量(以下、「推定流量」ともいう。)と、基準流量とに基づいて、各羽口27において異常があるか否かを連続して判定する(判定工程)。基準流量は、複数の第1羽口配管23の1本あたりの流量の理論値であり、例えば、第1供給管21における酸素ガスの流量(実績値または設定値)を、羽口27の数で除した流量としてもよい。そして、異常があるか否かの判定は、推定流量が、基準流量に対して所定の割合以下であるか否かで行われ、推定流量が所定の割合以下である場合には異常があると判定され、推定流量が所定の割合超である場合には異常がないと判定される。この所定の割合は、外乱による流量の変動量のバラつきに応じて設定されてもよく、実際に異常が発生した時の流量の実績値から設定されてもよい。例えば、第1羽口配管23の流量は、外乱によって±5%程度のバラつきが見られるため、所定の割合を80%として、推定流量が基準流量に対して20%以上低下した値である場合には異常と判定されてもよい。
上述のように、底吹き型の転炉型精錬炉2では、二重管の内側から酸素ガスを、炉体20に収容された溶鉄3に吹き込むことで、溶鉄3を酸化精錬処理する。また、酸素ガスと共に、二重管の外側からプロパンガスを吹込むことで、羽口27の溶鉄3側の先端が冷却され、羽口27の溶損を抑えることができる。この際、羽口27の溶鉄3側の先端には、プロパンガスの冷却によってマッシュルームが形成される。このマッシュルームが成長して大きくなり過ぎると、羽口27が閉塞していき、羽口27を流れるガス(酸素ガス及びプロパンガス)の流量が低下することとなる。しかし、上述の異常検出方法によれば、この閉塞による第1羽口配管23を流れるガスの流量低下を測定することができ、測定される流量から羽口27の閉塞といった異常を検出することができる。
なお、判定工程は、転炉型精錬炉2にて吹錬が行われている間、所定の時間間隔(例えば、1s間隔)で連続的に行われる。
<転炉型精錬炉の操業方法>
次に、本実施形態に係る転炉型精錬炉2の操業方法について説明する。本実施形態では、転炉型精錬炉2は、溶鉄3を吹錬により脱炭処理することで、溶銑から溶鋼を溶製する。そして、転炉型精錬炉2による吹錬が行われている間、上述の異常検出方法を用いて、酸素ガスの流量に基づいた羽口27の異常の検出を行う。
検出の結果、異常(酸素ガスの流量低下)が検出されない場合には、引き続き溶鉄3の吹錬を行う。一方、検出の結果、異常(酸素ガスの流量低下)が検出される場合には、溶鉄3の吹錬を停止し、溶鉄3を炉体20から排出する処理を即座に行う。炉体20からの溶鉄3の排出は、精錬処理された溶鉄3を鍋へと排出する動作と同様に行われてもよい。つまり、炉体20を傾動させて、炉体20の側面に設けられた出湯孔(不図示)を通じて、炉体20の下方に設けられる鍋へ溶鉄3を排出することで行われてもよい。
このようにすることで、炉体20からの漏鋼や、ディストリビュータ等の機器の破損といった羽口27の異常に起因した操業トラブルを、羽口27を流れるガスの流量低下という事前の兆候を検出することができ、これらの操業トラブルを事前に防止することができる。また、上述の異常検出方法によれば、どの第1羽口配管23で異常があったかがわかることから、応急的な処置でボトム部200を再利用する場合等でも、短時間且つ容易に処置を施すことができる。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、異常検出装置1は、測定される第1羽口配管23の振動加速度の振幅から流量を推定するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、異常検出装置1は、第1羽口配管23の音を測定し、測定される音量から流量を推定してもよい。この場合、複数の検出部10として、例えば、小型マイクロフォンを用い、複数の検出部10によって測定される音の強さに応じて、ガスの流量が推定される。配管を流れるガスの流量は、振動加速度の場合と同様に、音の強さとも相関がある。つまり、配管を流れるガスの流量が大きくなると配管から発せられる音が強くなり、配管を流れるガスの流量が小さくなると配管から発せられる音が弱くなる。このため、第1羽口配管23を流れるガスの流量は、測定される音の強さから推定することができる。なお、ガスの流量の推定の際には、上記実施形態と同様に、事前に測定される各第1羽口配管23における、ガスの流量と音の強さとの関係を検量線として用いて流量の推定が行われる。また、異常検出装置1は、振動加速度か音の一方のみを測定するものに限らず、振動加速度及び音の両方を測定し、両方の測定結果(振動加速度の振幅及び音量)から、流量を測定し、異常を検出してもよい。
また、上記実施形態では、一例として、転炉型精錬炉2は溶鉄3の主に脱炭処理を行う底吹き型の転炉であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。転炉型精錬炉2は、脱珪処理や脱燐処理といった脱炭処理前の予備処理を主として行う精錬炉であってもよい。また、転炉型精錬炉2は、上方のランスから酸素ガス等を炉体20に収容された溶鉄3に吹込み、炉体20の炉底の羽口から不活性ガスを攪拌ガス(底吹きガス)として流す、上吹き型の転炉であってもよい。この場合、底吹きガスの流量を監視して、ガスの流量から異常を検出してもよい。
さらに、上記実施形態では、羽口27の本数や配置の一例として、図3を用いて説明をしたが、本発明はかかる例に限定されない。羽口27の本数は、複数であればよく、図3に示す例(羽口27が6本の例)よりも多くてもよい。また、羽口27の配置も、図3に示す例(直線状に並んだ例)に限らず、炉体20の底面視で、複数の同心円上に分布した配置や、底面内にランダムに分布した配置等、他の配置であってもよい。なお、羽口27の本数が多くなり、羽口27が直線状に並んで配されない場合には、各羽口27へと接続される第1羽口配管23は、直線状の部分が少ない複雑な経路で設けられることとなる。このような場合においても、上記実施形態の異常検出方法を用いることで、ガスの流量を精度よく測定することができ、異常を検出することができる。
さらに、上記実施形態では、第1羽口配管23を流れる酸素ガスの流量を推定する構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、第2羽口配管26を流れるプロパンガスの流量を推定し、プロパンガスの流量の低下から異常を検出するようにしてもよい。この場合、プロパンガスの流量のみから異常を検出してもよく、プロパンガスの流量と酸素ガスの流量の両方の流量から異常を検出してもよい。例えば、プロパンガスが流れる配管内に異物が混入した場合、プロパンガスの流量が低下するため、羽口27の冷却能が低下し、漏鋼等の操業トラブルの原因となる。しかし、第2羽口配管26を流れるプロパンガスの流量を監視することで、このような異常を早期に検出することができ、漏鋼等のトラブルを防止することができる。
さらに、上記実施形態では、測定される振動加速度の振幅からガスの流量を推定し、推定される流量から異常を検出するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。上述のように、振動加速度の振幅とガスの流量とは相関があるものとなるため、ガスの流量が異常を検出するのではなく、測定される振動加速度の振幅から直接、異常を検出してもよい。なお、上記の振動加速度の代わりに音を用いた変形例の場合も同様に、音量から直接、異常を検出してもよい。また、ガスの流量の推定の際に用いられる振幅は、振動加速度の振幅に限らず、例えば、加速度を時間で積分して計算される配管の実際の振幅であってもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係る転炉型精錬炉2の異常検出方法は、炉体20の底面からガスを吹込む複数の羽口27と、複数の羽口27にそれぞれ接続され、複数の羽口27にガスをそれぞれ供給する複数の配管(例えば、複数の第1羽口配管23)と、を有する転炉型精錬炉2において、複数の羽口27の異常を検出する、転炉型精錬炉2の異常検出方法であって、複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定する測定工程と、測定される振動の振幅及び音量の少なくとも一方に基づいて、複数の羽口27において異常が発生したか否かを連続して判定する判定工程と、を備える。
上記(1)の構成によれば、配管を流れるガスの流量と相関のある、振動の振幅(例えば振動加速度の振幅)及び音量を用いることで、ガスの流量低下を伴う羽口27の異常を検出することができる。振動の振幅及び音量を測定は、例えば、振動センサや小型マイクロフォンで行うことができるため、複数の配管の外側からそれぞれ測定を行うことができる。このため、特許文献1のように、ディストリビュータの上流側の総流量を測定する場合に比べて、各配管のガスの流量を個別に知ることができる。分岐前のガスの総流量で異常の判断をする場合、羽口に異常が生じても大きな変化が現れない。特に、羽口の本数が多い場合や、異常が発生した羽口の数が少ない場合等には、この傾向が顕著なものとなる。しかし、上記(1)の構成によれば、それぞれの配管について個別に流量が推定されるため、配管を流れるガスの流量低下を伴う羽口27の異常を精度よく検出することができる。また、プローブが配管内に突き出さない超音波タイプの流量計を用いる場合に比べ、配管の経路の形状が直線部の少ない形状であっても測定することができるため、配管の経路が複雑な場合でもすべての配管を流れるガスの流量を精度よく推定することができる。さらに、配管内にプローブを出して流量を測定するような方法では、ガスと共に粉末状の石灰等を流す場合、粒子の衝突によるプローブやセンサの破損や、石灰等のセンサ上への堆積が懸念されるものであった。しかし、上記(1)の構成によれば、検出機器を配管の内側に設ける必要がないため、配管内での検出機器と粒子との衝突や石灰等の堆積を防止することができる。
(2)本発明の一態様に係る転炉型精錬炉2の異常検出方法は、上記(1)の構成において、測定工程では、振動の振幅及び音量の少なくとも一方を測定し、測定された振幅及び強さの少なくとも一方と、振幅及び強さの少なくとも一方とガスの流量との関係から複数の配管毎に予め設定される検量線と、から複数の配管を流れるガスの流量である推定流量を推定し、判定工程では、推定流量と、配管を流れるガスの基準の流量である基準流量とから、推定流量が基準流量に対して所定の割合以下の場合には異常が発生していると判定し、推定流量が基準流量に対して所定の割合超の場合には異常が発生していないと判定する。
上記(2)の構成によれば、例えば振動センサや小型マイクロフォンで各配管を流れるガスの流量を精度よく推定でき、高い精度で配管の異常を検出することができる。
(3)本発明の一態様に係る転炉型精錬炉2の異常検出方法は、上記(1)または(2)の構成において、ガスは、酸素ガスである。
上記(3)の構成によれば、酸素ガスを複数の羽口27から吹き込んで精錬処理を行う底吹き型の転炉型精錬炉において、羽口27の閉塞による異常を検出することができる。これにより、漏鋼や設備破損といったトラブルを防止することができる。
(4)本発明の一態様に係る転炉型精錬炉2の異常検出方法は、上記(1)~(3)のいずれかの構成において、測定工程では、複数の配管の外面にそれぞれ設けられる複数の検出部10を用いて、複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定し、判定工程では、炉体20とは独立して設置される演算装置である判定部11にて、複数の羽口27において異常が発生したか否かを連続して判定し、検出部10での測定結果は、判定部に無線で伝送される。
上記(4)の構成によれば、ケーブルを敷設するスペースが狭く、ケーブルの敷設が困難な転炉型精錬炉2においても、検出部10から判定部11までのデータの伝送を容易に行うことができる。
(5)本発明の一態様に係る転炉型精錬炉2の異常検出装置は、炉体20の底面からガスを吹込む複数の羽口27と、複数の羽口にそれぞれ接続され、複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管(例えば、第1羽口配管23)と、を有する転炉型精錬炉2において、複数の羽口27の異常を検出する、転炉型精錬炉2の異常検出装置1であって、複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定する検出部10と、測定される振動の振幅及び音量の少なくとも一方に基づいて、複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定する判定部11と、を備える。
上記(5)の構成によれば、上記(1)と同様な効果が得られる。
(6)本発明の一態様に係る転炉型精錬炉2の操業方法は、炉体20の底面にガスを吹込む複数の羽口27と、複数の羽口27にそれぞれ接続され、複数の羽口27にガスをそれぞれ供給する複数の配管(例えば、第1羽口配管23)と、を有する転炉型精錬炉2の操業方法であって、転炉型精錬炉2にて溶鉄3の吹錬を行う際に、上記(1)~(4)のいずれかの構成の転炉型精錬炉2の異常検出方法にて、複数の羽口27の異常を検出し、異常が検出された場合には、転炉型精錬炉2の吹錬を停止させた後、溶鉄3を炉体20から排出し、異常が検出されない場合には、転炉型精錬炉の吹錬を継続させる。
上記(6)の構成によれば、羽口27の閉塞による異常が発生した場合でも、漏鋼や設備破損といったトラブルが発生する前に、炉体20から溶鉄3を排出することで、これらのトラブルを未然に防止することができる。
次に、本発明者らが行った実施例について説明する。実施例では、18本の羽口27を有する転炉型精錬炉2を用いて、溶鉄3の吹錬を行う際に、上記実施形態に係る異常検出方法を用いて、羽口27の異常検出を行った。実施例では、第1ディストリビュータ22を介して、1本の第1供給管21から18本の第1羽口配管23へと酸素ガスを流した。各第1羽口配管23の管径は全て同じであり、JIS規格の150Aとした。
実施例では、まず、ボトム部200を炉体20から取り外して補修を行う段階で、18本の第1羽口配管23に振動センサである18個の検出部10をそれぞれ取り付けた。次いで、上記実施形態と同様に、第1羽口配管23に個別に空気を、流量を増加させながら流し、検出部10にて振動の振幅を測定することで、各第1羽口配管23におけるガスの流量と振動の振幅との関係を測定した。このガスの流量と振動の振幅との関係の測定は、18本の第1羽口配管23について1本ずつ行った。なお、各検出部10から判定部11への測定結果のデータの伝送は、2.4GHz帯の無線装置無線で振動加速度波形をそのまま送信して解析を行った。また、各検出部10としては、振動センサ本体を耐熱材料で作成したカバー覆い、カバーの内部に振動センサ本体と共に無線送信器を組み込んだものを用いた。また、カバーの内部は、ガス(空気)で冷却するものとした。
次いで、ボトム部200を炉体20に組み込み、転炉型精錬炉2を用いて溶鉄3の主に脱炭処理を目的とした吹錬を行った。吹錬が行われている間、上記実施形態と同様に、18個の検出部10を用いて各第1羽口配管23における振動の振幅を測定し、事前に測定したガスの流量と振動の振幅との関係を検量線として、測定される振幅から酸素ガスの推定流量を推定した。第1羽口配管23の1本当たりの酸素ガスの流量は、第1供給管21を流れる総流量の1/18となるが、実際には外乱による±5%程度のばらつきが見られる。このため、実施例では、第1羽口配管23の1本あたりに流れる酸素ガスの流量の理論値である基準流量を100%としたとき、推定流量が20%以上低下した場合を異常と判定した。つまり、推定流量が基準流量の80%以下となる場合を異常が発生していると判定とし、推定流量が基準流量の80%超となる場合を異常が発生していない正常な状態と判定した。
実施例の結果として、正常に吹錬が行われた場合における、1本の第1羽口配管23での、基準流量に対する推定流量の割合(%)の吹錬開始から吹錬終了までの経時変化を図8に示す。図8に示すように、羽口27に異常がない状態においては、基準流量に対する推定流量の割合は、80%超となることが確認できた。
また、羽口27に閉塞による異常が発生した場合における、異常が発生した羽口27に接続された第1羽口配管23での、基準流量に対する推定流量の割合(%)の吹錬開始から吹錬終了までの経時変化を図9に示す。図9に示すように、吹錬開始後に基準流量に対する推定流量の割合が減少していき、80%以下となった後、10秒ほどで吹錬を非常停止した。吹錬を非常停止した後は、溶鉄3を炉体20の下方に配された鍋へと排出した。その後、異常が発生した羽口27を確認したところ、羽口27の閉塞による冷却不足が原因と推定される羽口27の溶損が確認できた。このことから、上記実施形態によれば、羽口27の異常を精度よく検出することができ、漏鋼やディストリビュータ等の設備の破損を防止できることが確認できた。
1 異常検出装置
10 検出部
11 判定部
2 転炉型精錬炉
20 炉体
200 ボトム部
21 第1供給管
22 第1ディストリビュータ
23 第1羽口配管
24 第2供給管
25 第2ディストリビュータ
26 第2羽口配管
27 羽口
3 溶鉄

Claims (6)

  1. 炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、前記複数の羽口にそれぞれ接続され、前記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉において、前記複数の羽口の異常を検出する、転炉型精錬炉の異常検出方法であって、
    前記複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定し、測定される前記振動の振幅及び音量の少なくとも一方に基づいて、前記複数の配管を流れる前記ガスの流量である推定流量を推定する測定工程と、
    前記推定流量と、前記配管を流れる前記ガスの基準の流量である基準流量とに基づいて、前記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定する判定工程と、
    を備える、転炉型精錬炉の異常検出方法。
  2. 前記測定工程では、測定され前記振幅及び前記音量の少なくとも一方と、前記振幅及び前記音量の少なくとも一方と前記ガスの流量との関係から前記複数の配管毎に予め設定される検量線と、から前記複数の配管を流れる前記ガスの流量である推定流量を推定し、
    前記判定工程では、前記推定流量と、前記配管を流れる前記ガスの基準の流量である基準流量とから、前記推定流量が前記基準流量に対して所定の割合以下の場合には異常が発生していると判定し、前記推定流量が前記基準流量に対して所定の割合超の場合には異常が発生していないと判定する、
    請求項1に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法。
  3. 前記ガスは、酸素ガスである、請求項1または2に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法。
  4. 測前記定工程では、前記複数の配管の外面にそれぞれ設けられる複数の検出部を用いて、前記複数の配管の前記振動及び前記音の少なくとも一方を連続して測定し、
    前記判定工程では、前記炉体とは独立して設置される演算装置である判定部にて、前記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定し、
    前記検出部での測定結果は、前記判定部に無線で伝送される、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法。
  5. 炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、前記複数の羽口にそれぞれ接続され、前記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉において、前記複数の羽口の異常を検出する、転炉型精錬炉の異常検出装置であって、
    前記複数の配管の振動及び音の少なくとも一方を連続して測定し、測定される前記振動の振幅及び音量の少なくとも一方に基づいて、前記複数の配管を流れる前記ガスの流量である推定流量を推定する検出部と、
    前記推定流量と、前記配管を流れる前記ガスの基準の流量である基準流量とに基づいて、前記複数の羽口において異常が発生したか否かを連続して判定する判定部と、
    を備える、転炉型精錬炉の異常検出装置。
  6. 炉体の底面からガスを吹込む複数の羽口と、前記複数の羽口にそれぞれ接続され、前記複数の羽口にガスをそれぞれ供給する複数の配管と、を有する転炉型精錬炉の操業方法であって、
    前記転炉型精錬炉にて溶鉄の吹錬を行う際に、請求項1~4のいずれか1項に記載の転炉型精錬炉の異常検出方法にて、前記複数の羽口の異常を検出し、
    前記異常が検出された場合には、前記転炉型精錬炉の吹錬を停止させた後、前記溶鉄を前記炉体から排出し、
    前記異常が検出されない場合には、前記転炉型精錬炉の吹錬を継続させる、
    転炉型精錬炉の操業方法。
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