JP7027819B2 - 設備稼動制御システム、設備稼動制御方法、およびプログラム - Google Patents

設備稼動制御システム、設備稼動制御方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、設備稼動制御システム、設備稼動制御方法、およびプログラムに関し、特に、圧縮空気を消費する装置に用いて好適なものである。
工場では、コンプレッサ(空気圧縮機)から供給される圧縮空気を消費する装置を用いて製品(半製品も含む。以下同じ)に対して処理を行うことがある。例えば、鉄鋼業では、鋼材の表面(例えば鋼管の内面)に対して、圧縮空気により投射材を投射するショットブラスト装置や、同じく鋼材の表面に対して、圧縮空気により投射材を投射するショットピーニング装置といった装置がある。ショットブラスト装置は、鋼材の表面の酸化スケールや潤滑剤等を除去することを目的とする装置であり、ショットピーニング装置は、鋼材の表面の改質・硬化を行うことを目的とする装置である。
このような装置を有する処理設備では、コスト削減等の観点から、圧縮空気の供給量(流量)を調整することが求められる。圧縮空気の供給量を調整する技術として特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1には以下の技術が開示されている。まず、各生産設備で消費された圧縮空気の流量の時系列データと、各生産設備において圧縮空気を消費する工程のタクトタイムとを用いて、圧縮空気の総消費流量の時系列変化をシミュレートする。そして、シミュレートした結果から、圧縮空気の総消費流量が閾値以下になる区間の中で最大となる最大稼動有効区間と、最大稼動有効区間において各生産設備の最初と最後のタクト開始時間とを特定する。そして、複数の生産設備の何れかの動作を、最初のタクト開始時間で開始させ、最後のタクト開始時間で停止させることを最大稼動有効区間の周期で繰り返し行う。
特許第5264438号公報
ところで、前述したようなショットブラスト装置を有する処理設備では、製品に対する処理の具体的な計画が決められない場合がある。例えば、1日の処理量は決められるが、その日のどのタイミングでどの位の量の処理を行うのかは、ショットブラスト工程の上工程や下工程における操業状況や在庫の状況等に応じて、現場のオペレータが判断する場合がある。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、圧縮空気の流量の測定値に基づいて、圧縮空気の総消費流量の時系列変化をシミュレートする。このため、圧縮空気を消費する装置で圧縮空気を消費させるタイミングの精度は、シミュレーションの結果に依存し、当該シミュレーションの精度は、圧縮空気の流量の測定値に依存する。製品に対する処理の具体的な計画が決められない場合、各生産設備で消費された圧縮空気の流量の時系列データは、測定期間により大きく変動する。従って、シミュレートされる圧縮空気の総消費流量の時系列変化も、各生産設備で消費された圧縮空気の流量の時系列データの測定期間により大きく変動する。よって、シミュレーションの結果の精度が低下し、圧縮空気を過剰に供給したり、圧縮空気の流量が不足したりする虞がある。このような場合には、使用するコンプレッサをオペレータが手動で調整することになる。
また、前述したように製品に対する処理の具体的な計画が決められない場合、特許文献1に記載の技術のように設備の稼動のタイミングを決定しても、上工程や下工程における操業状況や在庫の状況等により、当該タイミングと異なるタイミングで稼動した方が操業上、好ましい場合がある。このような場合に、特許文献1に記載の技術で決定したタイミングに応じて圧縮空気の流量を自動的に調整すると、圧縮空気を過剰に供給したり、圧縮空気の流量が不足したりする虞がある。このような場合には、使用するコンプレッサをオペレータが手動で調整することになる。
以上のように特許文献1に記載の技術では、圧縮ガスの供給に使用する装置を自動的に決定することが容易ではない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、圧縮ガスを消費する装置に可及的に過不足なく圧縮空気を供給することができるように、圧縮ガスの供給に使用する装置を自動的に決定することができるようにすることを目的とする。
本発明の設備稼働制御システムは、圧縮ガスを供給する複数の第1供給装置と、圧縮ガスを間欠的に消費して処理設備における処理を実行するために動作する3つ以上の第1消費装置と、前記第1消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することをオペレータが指示するための第1操作部と、当該第1消費装置の状態を、当該第1消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることをオペレータが指示するための第2操作部と、を有する第1操作装置と、を有する処理設備において、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを含む処理を実行する設備稼動制御システムであって、前記待機状態の前記第1消費装置の数が複数である場合に、前記待機状態の前記第1消費装置の数よりも少ない数を、最大同時稼動台数として決定する最大同時稼動台数決定手段と、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値に基づいて第1最大消費ガス流量を決定する第1最大消費ガス流量決定手段と、圧縮ガスを生成するのに必要なコストと、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量と、圧縮ガスを供給する前記第1供給装置の数と、のうち少なくとも1つに応じて定まる評価指標に基づいて、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定する第1供給装置決定手段と、を有し、前記第1最大消費ガス流量決定手段は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第1消費装置の中から前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置を選択し、選択した前記第1消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第1最大消費ガス流量とすることを特徴とする。
本発明の設備稼働制御方法は、圧縮ガスを供給する複数の第1供給装置と、圧縮ガスを間欠的に消費して処理設備における処理を実行するために動作する3つ以上の第1消費装置と、前記第1消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することをオペレータが指示するための第1操作部と、当該第1消費装置の状態を、当該第1消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることをオペレータが指示するための第2操作部と、を有する第1操作装置と、を有する処理設備において、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを含む処理を実行する設備稼動制御方法であって、最大同時稼動台数決定手段が、前記待機状態の前記第1消費装置の数が複数である場合に、前記待機状態の前記第1消費装置の数よりも少ない数を、最大同時稼動台数として決定する最大同時稼動台数決定工程と、第1最大消費ガス流量決定手段が、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値に基づいて第1最大消費ガス流量を決定する第1最大消費ガス流量決定工程と、第1供給装置決定手段が、圧縮ガスを生成するのに必要なコストと、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量と、圧縮ガスを供給する前記第1供給装置の数と、のうち少なくとも1つに応じて定まる評価指標に基づいて、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定する第1供給装置決定工程と、を有し、前記第1最大消費ガス流量決定工程は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第1消費装置の中から前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置を選択し、選択した前記第1消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第1最大消費ガス流量とすることを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記設備稼動制御システムの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
本発明によれば、圧縮ガスを消費する装置に可及的に過不足なく圧縮空気を供給することができるように、圧縮ガスの供給に使用する装置を自動的に決定することができる。
図1は、処理設備の構成の一例を示す図である。 図2は、待機状態にある4台のショットブラスト装置から圧縮空気が同時に噴射される時間の一例を日別に示す図である。 図3は、設備稼動制御装置の機能的な構成の一例を示す図である。 図4は、各ショットブラスト装置(SB1~SB5)における圧縮空気を噴射中の期間を示す図である。 図5は、ショットブラスト装置の状態、および、コンプレッサにおける供給空気流量と、時間との関係の一例を概念的に示す図である。 図6は、ショットブラスト装置に対するコンプレッサにおける供給空気流量、および、ショットブラスト装置における消費空気流量と、時間との関係の一例を示す図である。 図7は、事前設定部の動作の一例を説明するフローチャートである。 図8は、SP用コンプレッサ決定部の動作の一例を説明するフローチャートである。 図9は、SB用コンプレッサ決定部330の動作の一例を説明するフローチャートである。 図10は、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更する際のSB用コンプレッサ決定部の動作の一例を説明するフローチャートである。 図11は、SB稼動制御部の動作の一例を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態では、コンプレッサから供給される圧縮空気を消費する装置が、鉄鋼業において鋼材に対してショットブラストを行うショットブラスト装置と、鋼材に対してショットピーニングを行うショットピーニング装置とを含む場合を例に挙げて説明する。前述したように鋼材は、例えば鋼管である。
(処理設備の構成)
図1は、処理設備の構成の一例を示す図である。尚、図1では、本実施形態の説明に必要な部分のみを必要に応じて簡略化して示す。処理設備は、後述する設備稼動制御装置300が有する機能を実現することができる構成を有していれば、必ずしも図1に示す設備でなくてもよく、図1に示す処理設備に対し適宜、変更することができる。
ショットブラスト装置101a~101eは、鋼材の表面に対して、圧縮空気により投射材を投射する装置であり、鋼材の表面(例えば、鋼管の内面)の酸化スケールや潤滑剤等を除去するためのものである。図1では、ショットブラスト装置101a~101eの数が5台である場合を例に挙げて示すが、ショットブラスト装置の数は、3台以上であれば、何台であってもよい。
操作盤102a~102eは、それぞれ、ショットブラスト装置101a~101eと通信可能に接続される。操作盤102a~102eは、それぞれ、ショットブラスト装置101a~101eに対する各種の指示を行うためのボタンやスイッチを有する。オペレータは、操作盤102a~102eを操作することにより、ショットブラスト装置101a~101eに対する操作指示を行う。操作盤102a~102eは、稼動要求ボタン103a~103eと、噴射ボタン104a~104eとを有する。稼動要求ボタン103a~103eは、例えば、押しボタンである。稼働要求ボタン103a~103eを1度押すと稼働要求がオンされた状態(稼働要求オン状態)となり、再度押すと稼働要求がオフされた状態(稼働要求オフ状態)となる。すなわち、稼働要求オフ状態で稼働要求ボタン103a~103eを押すと稼働状態オン状態となり、稼働要求オン状態で稼働要求ボタンを押すと稼働要求オフ状態となる。噴射ボタン104a~104eについても同様である。
処理設備を長時間停止する場合を除き、通常の操業時においては、弁105a~105eは常時開かれている。ショットブラスト装置101a~101eの稼働要求オン状態又はオフ状態に応じて、対応する噴射ボタン104a~104eの有効又は無効をプログラム的に(電子制御的に)制御している。すなわち、プログラムによるインターロック機能を設け、稼働要求オフ状態の場合には、オペレータがそのショットブラスト装置101a~101eの噴射ボタン104a~104eを押して圧縮空気の噴射がオン状態(噴射オン状態)になる操作を行っても、その操作を無効とし圧縮空気を噴射する動作を行わないように制御している。
噴射ボタン104a~104eが押され、圧縮空気の噴射がオン状態(噴射オン状態)にされると、圧縮空気の噴射がオン状態にされた噴射ボタン104a~104eに対応するショットブラスト装置101a~101eから、圧縮空気が噴射される。それによって、投射材が鋼材の表面に向けて投射される。再度噴射ボタン104a~104eが押され、圧縮空気の噴射がオフ状態(噴射オフ状態)にされると、当該噴射ボタン104a~104eに対応するショットブラスト装置101a~101eからの圧縮空気の噴射が停止される。
以下の説明では、稼動要求ボタン103a~103eが押され、稼働要求がオンされている状態(稼働要求オン状態)を、必要に応じて待機状態と称する。尚、稼動要求がオフされた状態(稼働要求オフ状態)で噴射ボタン104a~104eが押された場合は、ショットブラスト装置101a~101eは圧縮空気を噴射する動作を行わない。
コンプレッサ106a~106eは、圧力調整弁108、および弁105a~105eを介してショットブラスト装置101a~101eに対して圧縮空気を供給する装置である。コンプレッサ106a~106eの少なくとも2つは、圧縮空気を生成する方式等が異なることにより、単位流量の圧縮空気を生成するのに必要なコストが相互に異なるものであるとする。圧縮空気を生成する方式とは、例えば、往復式(レシプロ)、回転式、遠心式といった方式を指す。尚、図1では、コンプレッサ106a~106eの数が5台である場合を例に挙げて示すが、コンプレッサ106a~106eの数は複数台であれば、5台に限定されない。
なお、圧力調整弁107は、ショットブラスト101a~101eで消費されない圧縮空気を他の系統(圧縮空気を利用する他の設備が接続された配管)へ排出するためのものであり、または、他の系統が存在しない場合は、大気中へ排出するためのものである。
圧力調整弁108は、圧力調整弁108からショットブラスト装置101a~101eに至る経路にある配管内の空気の圧力を調節するための弁である。例えば、配管内の空気の圧力の測定値と目標値との差に応じて、不図示の制御器により圧力調整弁108の開度が調整される。
ショットピーニング装置109a~109cは、鋼材の表面に対して、圧縮空気により投射材を投射する装置であり、鋼材の表面の改質・硬化を行うためのものである。図1では、ショットピーニング装置109a~109cの数が3台である場合を例に挙げて示すが、ショットピーニング装置の数は、限定されない(1台であってもよい)。
操作盤110a~110cは、それぞれ、ショットピーニング装置109a~109cと通信可能に接続される。操作盤110a~110cは、それぞれ、ショットピーニング装置109a~109cに対する各種の指示を行うためのボタンやスイッチを有する。オペレータは、操作盤110a~110cを操作することにより、ショットピーニング装置109a~109cに対する操作指示を行う。操作盤110a~110cは、稼動要求ボタン111a~111cと、噴射ボタン112a~112cとを有する。稼動要求ボタン111a~111cは、例えば、押しボタンである。稼働要求ボタン111a~111cを1度押すと稼働要求がオンされた状態(稼働要求オン状態)となり、再度押すと稼働要求がオフされた状態(稼働要求オフ状態)となる。すなわち、稼働要求オフ状態で稼働要求ボタン111a~111cを押すと稼働状態オン状態となり、稼働要求オン状態で稼働要求ボタンを押すと稼働要求オフ状態となる。噴射ボタン112a~112cについても同様である。
処理設備を長時間停止する場合を除き、通常の操業時においては、弁113a~113cは常時開かれている。ショットピーニング装置109a~109cの稼働要求オン状態又はオフ状態に応じて、対応する噴射ボタン112a~112cの有効又は無効をプログラム的に(電子制御的に)制御している。すなわち、プログラムによるインターロック機能を設け、稼働要求オフ状態の場合には、オペレータがそのショットピーニング装置109a~109cの噴射ボタン112a~112cを押して圧縮空気の噴射がオン状態(噴射オン状態)になる操作を行っても、その操作を無効とし圧縮空気を噴射する動作を行わないように制御している。
噴射ボタン112a~112cが押され、圧縮空気の噴射がオン状態(噴射オン状態)にされると、圧縮空気の噴射がオン状態にされた噴射ボタン112a~112cに対応するショットピーニング装置109a~109cから、圧縮空気が噴射される。それによって、投射材が鋼材の表面に向けて投射される。再度噴射ボタン112a~112cが押され、圧縮空気の噴射がオフ状態(噴射オフ状態)にされると、当該噴射ボタン112a~112cに対応するショットピーニング装置109a~109cからの圧縮空気の噴射が停止される。
以下の説明では、稼動要求ボタン111a~111cが押され、稼働要求がオンされている状態(稼働要求オン状態)を、必要に応じて待機状態と称する。尚、稼動要求がオフされた状態(稼働要求オフ状態)で噴射ボタン112a~112cが押された場合は、ショットピーニング装置109a~109cは圧縮空気を噴射する動作を行わない。
コンプレッサ114a~114bは、圧力調整弁115、弁113a~113cを介してショットピーニング装置109a~109cに対して圧縮空気を供給する装置である。コンプレッサ114a~114bは、単位流量の圧縮空気を生成するのに必要なコストが相互に異なるものであってもよいし同じであってもよい。また、コンプレッサ114a~114bから供給される圧縮空気の圧力は、コンプレッサ106a~106eから供給される圧縮空気の圧力よりも高い。尚、図1では、コンプレッサ114a~114bの数が2台である場合を例に挙げて示すが、コンプレッサ114a~114bの数は、限定されない(1台であってもよい)。
圧力調整弁115は、圧力調整弁115からショットピーニング装置109a~109cに至る経路にある配管内の空気の圧力を調節するための弁である。例えば、配管内の空気の圧力の測定値と目標値との差に応じて、不図示の制御器により圧力調整弁115の開度が調整される。更に前述したように、コンプレッサ114a~114bから供給される圧縮空気の圧力は、コンプレッサ106a~106eから供給される圧縮空気の圧力よりも高い。従って、コンプレッサ114a~114bから供給される圧縮空気のうち、ショットピーニング装置109a~109cでは使用しない余剰の圧縮空気をショットブラスト装置101a~101eでも使用することができる。このようにすれば、コンプレッサ106a~106eから供給する圧縮空気の流量を小さくすることができるので、ショットブラストを行うためのコストを削減することができる。
圧力調整弁116は、配管内の空気の圧力を調節するための弁である。例えば、配管内の空気の圧力の測定値と目標値との差に応じて、不図示の制御器により圧力調整弁116の開度が調整される。このときの目標値は、ショットブラスト装置101a~101eに対して必要な圧縮空気を供給することができる範囲内で定められる。これにより、ショットブラスト装置101a~101eで使用可能な圧力の圧縮空気を、圧力調整弁108、および弁105a~105eを介してショットブラスト装置101a~101eに供給することができる。以下の説明では、コンプレッサ114a~114bで生成される圧縮空気のうち、ショットブラスト装置101a~101eに供給される圧縮空気の流量を必要に応じて余剰空気流量と称する。
尚、以上の説明から明らかなように、図1において、各構成部を相互に繋ぐ線は、ショットブラスト装置101a~101eおよび操作盤102a~102eを相互に繋ぐ線と、ショットピーニング装置109a~109cおよび操作盤110a~110cを相互に繋ぐ線とを除いて配管を示す線である。また、ショットブラスト装置101a~101eおよび操作盤102a~102eを相互に繋ぐ線と、ショットピーニング装置109a~109cおよび操作盤110a~110cを相互に繋ぐ線は、通信線を示す。
(本発明者らが見出した知見)
次に、本発明者らが見出した知見について説明する。
図1に示す例おいて、5台のショットブラスト装置101a~101eの全てが稼働するのに必要な圧縮空気を供給すれば、5台のショットブラスト装置101a~101eが同時に稼働する場合、すなわち、5台全てのショットブラスト装置から同時に圧縮空気を噴射する場合でも圧縮空気の流量が不足することはない。または、5台のショットブラスト装置101a~101eのうち待機状態にある(稼働要求オン状態である)ショットブラスト装置の全てが稼働するのに必要な圧縮空気を供給すれば、待機状態にある全てのショットブラスト装置が同時に稼働する場合でも圧縮空気の流量が不足することはない。この場合は、前者に比べ圧縮空気の供給量を節約できる。
ところで、ショットブラスト処理では、1つの鋼材に対する処理が5分程度であり、1つの鋼材に対する処理が終了すると、次の鋼材に対する処理を開始できるようにするための準備時間がある。従って、ショットブラスト装置101a~101eでは、圧縮空気を5分程度噴射した後、準備期間の間は、圧縮空気の噴射は行われない。このように、ショットブラスト装置101a~101eは、比較的短周期で間欠的に圧縮空気を噴射する。
本発明者らは、4台のショットブラスト装置が待機状態である場合に、それら4台のショットブラスト装置が同時に稼働する時間(それら4台のショットブラスト装置から圧縮空気が同時に噴射される時間)を調査した。図2は、待機状態にある4台のショットブラスト装置から圧縮空気が同時に噴射される時間の一例を日別に示す図である。図2に示す例では、待機状態にある4台のショットブラスト装置から圧縮空気が同時に噴射される時間は、最大でも13分/日であり、平均すると2.3分/日である。待機状態にあるショットブラスト装置の数が異なっても同様の傾向を示した。
以上のように本発明者らは、待機状態にある全てのショットブラスト装置で必要な圧縮空気を供給すると、圧縮空気を過剰に供給している時間帯が長いという知見を得た。このことから、本発明者らは、待機状態にある全てのショットブラスト装置で消費される流量の圧縮空気を供給せずに、待機状態にあるショットブラスト装置の一部のショットブラスト装置で消費される流量の圧縮空気を供給しても、圧縮空気が不足する時間帯は短いため、操業上、大きな問題にならず、こうすることで、圧縮空気の供給量をより節約できることを見出した。
ただし、このようにすると、待機状態にあるショットブラスト装置の噴射ボタンをそれぞれのオペレータが押すタイミングが重なり、それらのショットブラスト装置において圧縮空気の噴射が同時にオン状態になると、供給する圧縮空気の流量よりも、圧縮空気の噴射が指示されたショットブラスト装置で消費する圧縮空気の流量が多くなることがある。そこで、本発明者らは、以下のようにするのが好ましいことを見出した。
まず、待機状態にあるショットブラスト装置に対し、オペレータにより圧縮空気の噴射が指示された順に当該ショットブラスト装置から圧縮空気を噴射させる。そして、圧縮空気を噴射中(稼働中)のショットブラスト装置の数が、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値になると、それ以降は圧縮空気の噴射が指示されても、そのショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可しない。その後、稼働中のショットブラスト装置の数が、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値を下回ると、当該圧縮空気の噴射が指示されたショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可する。
以上のようにすれば、噴射が指示されたショットブラスト装置で消費される圧縮空気の流量が不足することを抑制しつつ、過剰な圧縮空気がショットブラスト装置に供給されることを抑制することができる。
一方、ショットピーニング装置は、ショットブラスト装置とは異なり、1回の処理時間が長い(1つの鋼材に対する処理に長時間要する)。そのため、圧縮空気が噴射されている期間に対し、圧縮空気が噴射されていない期間が短い。このため、ショットピーニング装置に対しては、待機状態にある全てのショットピーニング装置で必要な圧縮空気を供給する。ただし、ショットピーニング装置に対してもショットブラスト装置と同様の構成を採用してもよく、ショットピーニング装置に対してショットブラスト装置と同様の構成を採用することを排除するものではない。以下に説明する本実施形態の設備稼動制御装置は、このような知見に基づいてなされたものである。
(設備稼動制御装置)
図3は、設備稼動制御装置300の機能的な構成の一例を示す図である。設備稼動制御装置300のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、PLC(Programmable Logic Controller)、または専用のハードウェアを用いることにより実現することができる。以下に、本実施形態の設備稼動制御装置300が有する機能の一例を説明する。
図3において、設備稼動制御装置300は、事前設定部310と、SP(ショットピーニング)用コンプレッサ決定部320と、SB(ショットブラスト)用コンプレッサ決定部330と、SB稼動制御部340とを有する。
事前設定部310は、SP用コンプレッサ決定部320およびSB用コンプレッサ決定部330での処理で必要な情報を事前に設定する。
SP用コンプレッサ決定部320は、ショットピーニング装置109a~109cに対するコンプレッサ114a~114bから、使用するコンプレッサを決定する。
SB用コンプレッサ決定部330は、ショットブラスト装置101a~101eに対するコンプレッサ106a~106eから、使用するコンプレッサを決定する。
SB稼動制御部340は、ショットブラスト装置101a~101eの圧縮空気の噴射を制御する。
以下に、各部の機能の一例を詳細に説明する。
<事前設定部310>
まず、事前設定部310が有する機能の詳細を説明する。
[設備データ入力部310a]
設備データ入力部310aは、設備データを入力する。設備データの入力の形態として、例えば、オペレータによるユーザインターフェースに対する設備データの入力操作、外部装置から送信された設備データの受信、および可搬型記憶媒体に記憶された設備データの読み出しの少なくとも何れか1つを採用することができる。
設備データは、ショットピーニング装置及びショットブラスト装置それぞれで単位時間当たり消費される圧縮空気の流量(消費空気流量)、コンプレッサの接続系統、コンプレッサの発停制限回数、それぞれのコンプレッサから単位時間当たり供給(生成)される圧縮空気の流量(供給空気流量)、電力単価、燃料ガス単価、それぞれのコンプレッサにおける消費電力又は消費燃料ガス量、および使用不可コンプレッサを含む。
圧空生成コスト(円/h(時間))は、単位時間(1時間)当たりの圧縮空気の生成コストであり、コンプレッサ106a~106e、114a~114b毎に以下のように計算により求められる。
圧空生成コストは、例えば、電力単価(円/kWh)、消費電力(kW)、燃料ガス単価(円/Nm3)、消費燃料ガス流量(Nm3/h)を用いることにより計算される。
消費電力は、電気駆動方式の各コンプレッサの消費電力である。燃料ガス単価は、燃料ガスの単位流量当たりのコストである。消費燃料ガス流量は、ガス駆動方式の各コンプレッサで単位時間当たりに消費する燃料ガスの流量である。
圧空生成コスト(円/h)は、電動駆動方式のコンプレッサについては、電力単価×消費電力により、ガス駆動方式のコンプレッサについては、燃料ガス単価×消費燃料ガス流量により計算される。
尚、電力単価や燃料ガス単価は変動するので、定期的に電力単価および燃料ガス単価を更新するのが好ましい。
消費空気流量(Nm3/h)は、ショットブラスト装置101a~101eおよびショットピーニング装置109a~109cのそれぞれで消費される単位時間当たりの圧縮空気の流量を個別(装置毎)に表したものである。消費空気流量は、例えば、以下のようにして得られる。まず、1カ月から数か月程度(場合によっては1年程度)の期間に亘って、ショットブラスト装置101a~101eおよびショットピーニング装置109a~109cのそれぞれで消費される圧縮空気の流量の実績値を個別に調査する。そして、調査した流量のそれぞれの平均値を、ショットブラスト装置101a~101eおよびショットピーニング装置109a~109cのそれぞれにおける消費空気流量とする。
コンプレッサの接続系統は、複数の接続系統で共用できるコンプレッサの接続系統を示す。例えば、コンプレッサ106aが、ショットブラスト装置101a~101e以外の別の装置に対しても選択的に使用することができるものである場合、コンプレッサ106aが、ショットブラスト装置101a~101e以外の別の装置に対する接続系統に接続され、ショットブラスト装置101a~101eに対して圧縮空気を供給することができない状態になっている場合がある。
コンプレッサの接続系統は、コンプレッサ106a~106e、114a~114bのうち、複数の接続系統で共用できるコンプレッサが、ショットブラスト装置101a~101eまたはショットピーニング装置109a~109cに圧縮空気を供給することができる状態であるか否かを判断するための情報として使用される。
コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中に複数の接続系統で共用できるコンプレッサがある場合、当該コンプレッサに対する現在の接続系統が設定される。
発停制限回数(回/日)は、コンプレッサの単位時間(1日)における起動回数の上限値である。コンプレッサによっては、単位時間(1日)における起動回数の上限値が定まっているものがある。コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中にこのようなコンプレッサがある場合、当該コンプレッサに対する発停制限回数が設定される。
供給空気流量(Nm3/h)は、コンプレッサ106a~106e、114a~114bから供給される圧縮空気の流量を個別(コンプレッサ毎)に表したものである。例えば、コンプレッサ106a~106e、114a~114bの流量の定格値を当該コンプレッサにおける供給空気流量とすることができる。
使用不可コンプレッサは、コンプレッサ106a~106e、114a~114bのうち、使用することができないコンプレッサを特定する情報である。前述したとおり、別の接続系統に接続されたコンプレッサは使用することができない。また、起動回数が発停制限回数を上回った状態のコンプレッサは使用することができない。さらに、例えば、定期点検や故障等により使用できないコンプレッサもある。後述するSP用コンプレッサ決定部320およびSB用コンプレッサ決定部330において、コンプレッサ106a~106e、114a~114bのうち、使用することができないコンプレッサについては、選択対象から除外される。各コンプレッサが除外対象かどうかを判断するための情報として、使用不可コンプレッサが使用される。
[負荷平準化情報入力部310b]
負荷平準化情報入力部310bは、負荷平準化情報を入力する。負荷平準化情報の入力形態としては、例えば、設備データの入力形態と同じ形態を採用することができる。
負荷平準化情報は、待機状態のショットブラスト装置の数と、同時に稼働することができるショットブラスト装置(圧縮空気を同時に噴射することができるショットブラスト装置)の数の最大値との関係を示す。図1に示す例では、ショットブラスト装置101a~101eの数が5台である。従って、待機状態のショットブラスト装置の数は、最大で5台、最小で1台である。よって、待機状態のショットブラスト装置の数の候補としては、5台、4台、3台、2台、1台である。例えば、待機状態のショットブラスト装置の数が複数である場合には、待機状態のショットブラスト装置の数から「1」を減算した値を、当該複数のショットブラスト装置が待機状態にある場合の、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値とすることができる。
すなわち、待機状態のショットブラスト装置の数が5台である場合、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値を4台とする。同様に、待機状態のショットブラスト装置の数が4台、3台、2台である場合、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値を、それぞれ、3台、2台、1台とする。尚、待機状態のショットブラスト装置の数が1台である場合、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値は1台となる。以上の内容を示す情報が負荷平準化情報になる。
尚、待機状態のショットブラスト装置の数が複数である場合に、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値が、待機状態のショットブラスト装置の数を下回るようにしていれば、負荷平準化情報の内容は、前述した内容に限定されない。待機状態のショットブラスト装置の数が複数である場合に、待機状態のショットブラスト装置の数から2以上の数を減算した値を、当該数のショットブラスト装置が待機状態にある場合の、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値としてもよい。また、待機状態のショットブラスト装置の数により、減算する数を異ならせてもよい。
[自動運転コンプレッサ選定部310c]
自動運転コンプレッサ選定部310cは、コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中から、自動運転する候補となるコンプレッサを選定する。自動運転とは、設備稼動制御装置300からの制御信号に基づいて、コンプレッサが運転を行うものである。尚、自動運転は、設備稼動制御装置300以外の装置からの制御信号に基づいて行われてもよい。自動運転コンプレッサ選定部310cは、コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中から使用不可コンプレッサを除外したものを自動運転する候補となるコンプレッサとして選定する。
なお、オペレータがユーザインターフェースに対して、使用不可コンプレッサの情報等を参照して、自動運転を行う候補となるコンプレッサを入力し、入力された情報から自動運転する候補となるコンプレッサとして選定してもよい。
<SP用コンプレッサ決定部320>
次に、SP用コンプレッサ決定部320が有する機能の詳細を説明する。
[稼動要求ボタン操作判定部320a]
稼動要求ボタン操作判定部320aは、ショットピーニング装置109a~109cに対する現在の稼動要求のオン・オフの状態を判定する。例えば、稼動要求ボタン操作判定部320aは、オペレータが、稼動要求ボタン111a~111cを操作することが想定される予め設定された時間帯およびそれ以降において、ショットピーニング装置109a~109cに対する稼動要求がオンされている状態か否かを判定する。例えば、オペレータがショットピーニング装置109a~109cを用いた操業を交代して行う場合、予め設定された時間帯として、交代のタイミング(時刻)を含む所定の時間帯を採用することができる。このようにして稼動要求ボタン操作判定部320aは、ショットピーニング装置109a~109cのうち、稼動要求オン状態となったショットピーニング装置を特定する。SP用コンプレッサ決定部320の稼動要求ボタン操作判定部320a以外の構成部は、稼動要求のオン状態・オフ状態が変更される度に起動する。一方、稼動要求ボタン操作判定部320aによる処理は、所定の制御周期(例えば、0.001秒~0.1秒程度の十分に短い周期)で繰り返し実行される。
[稼動予定台数計算部320b]
稼動予定台数計算部320bは、稼動要求ボタン操作判定部320aにより、ショットピーニング装置109a~109cのうち、稼働要求オン状態となった台数を積算し、その積算値を稼動予定台数とする。すなわち、稼働予定台数は、待機状態のショットピーニング装置の台数である。
[最大消費空気流量計算部320c]
最大消費空気流量計算部320cは、ショットピーニング装置109a~109cのうち待機状態であるショットピーニング装置(稼動要求ボタン操作判定部320aにより稼働要求オン状態であると判定されたショットピーニング装置)それぞれの消費空気流量を加算し、その合計値を最大消費空気量として計算する。ショットピーニング装置109a~109cにおけるそれぞれの消費空気流量は、設備データ入力部310aにより入力された設備データに含まれる情報である。
例えば、ショットピーニング装置109a、109b、109cにおける消費空気流量が、それぞれ、1000Nm3/h、2000Nm3/h、2500Nm3/hであり、ショットピーニング装置109b、109cの2台が待機状態である場合、ショットピーニング装置の最大消費空気流量は、4500Nm3/h(=2000Nm3/h+2500Nm3/h)になる。
[コンプレッサ群選択部320d、コンプレッサ決定部320e]
コンプレッサ群選択部320dは、コンプレッサ114a~114bのうち、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、最大消費空気流量計算部320cで計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かを判定する。この判定の結果、ショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがない場合、コンプレッサ群選択部320dは、そのことを示す情報をコンピュータディスプレイに表示する。そして、自動運転処理を一旦中止する。この情報を見たオペレータは、自動運転する候補となるコンプレッサを変更する等の自動運転を再開するための操作を行うか、当面の間、自動運転を断念して手動運転に切り替える。自動運転を再開するための操作としては、例えば、コンプレッサの接続系統を変更して使用不可となっているコンプレッサを使用可能な状態にする。その後、オペレータにより自動運転を再開させると、自動運転する候補となるコンプレッサが変更されているため、コンプレッサ群選択部320dは、前述した判定(ショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かの判定)をし直す。
一方、ショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがある場合、コンプレッサ群選択部320dは、その組み合わせを全て選択する。以下の説明では、この組み合わせの1つ1つを必要に応じてコンプレッサ群と称する。
コンプレッサ決定部320eは、コンプレッサ群選択部320dにより選択されたコンプレッサ群に含まれる全てのコンプレッサに対する圧空生成コストの合計値を、コンプレッサ群選択部320dにより選択されたコンプレッサ群のそれぞれについて計算する。圧空生成コストは、設備データ入力部310aにより入力された設備データから求められる。次に、コンプレッサ決定部320eは、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとして決定する。
設備稼動制御装置300は、コンプレッサ決定部320eによりショットピーニング装置109a~109cに対して使用すると決定されたコンプレッサに対し、制御信号を送信して当該コンプレッサを起動させる。尚、コンプレッサ決定部320eは、ショットピーニング装置109a~109cに対して使用すると決定したコンプレッサを特定する情報を、コンピュータディスプレイに表示するのが好ましい。
[余剰空気流量計算部320f]
余剰空気流量計算部320fは、コンプレッサ決定部320eにより、自動運転するコンプレッサが決定されると、当該決定されたコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、最大消費空気流量計算部320cにより計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量を減算した値を、余剰空気流量として計算する。例えば、コンプレッサ決定部320eにより、自動運転するコンプレッサとして、供給空気流量が5000Nm3/hであるコンプレッサ114bが決定され、最大消費空気流量計算部320cにより計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量が、4500Nm3/hである場合、余剰空気流量は、500Nm3/h(=5000Nm3/h-4500Nm3/h)になる。
余剰空気流量計算部320fは、以上のようにして計算した余剰空気流量を、SB用コンプレッサ決定部330(最大消費空気流量確定部330e)に出力する。
実際の余剰空気流量は、時々刻々と変化するが、以上のようにして余剰空気流量計算部320fから出力される余剰空気流量は、待機状態にあるショットピーニング装置の全てが同時に圧縮空気を噴射しても余剰となる圧縮空気の流量である。このような余剰空気流量がショットブラスト装置101a~101eに供給されるものとして後述するSB用コンプレッサ決定部330が、ショットブラスト装置101a~101eに対して使用するコンプレッサ106a~106eを決定する。
<SB用コンプレッサ決定部330>
次に、SB用コンプレッサ決定部330が有する機能の詳細を説明する。
[稼動要求ボタン操作判定部330a]
稼動要求ボタン操作判定部330aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する現在の稼動要求のオン・オフの状態を判定する。例えば、SP用コンプレッサ決定部320の稼動要求ボタン操作判定部320aと同様に、稼動要求ボタン操作判定部330aは、オペレータが、稼動要求ボタン103a~103eを操作することが想定される予め設定された時間帯およびそれ以降において、ショットブラスト装置101a~101eに対する稼動要求がオンされている状態か否かを判定して、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼動要求オン状態となったショットブラスト装置を特定する。
尚、SB用コンプレッサ決定部330の稼動要求ボタン操作判定部330a、操作状態継続判定部330h、稼動要求ボタン変更部330i、稼動予定台数変更判定部330j、および稼動予定台数変更部330j以外の構成部は、稼動要求のオン状態・オフ状態が変更される度に起動する。一方、稼動要求ボタン操作判定部330a、操作状態継続判定部330h、稼動要求ボタン変更部330i、稼動予定台数変更判定部330j、および稼動予定台数変更部330jによる処理は、所定の制御周期(例えば、0.001秒~0.1秒程度の十分に短い周期)で繰り返し実行される。
[稼動予定台数計算部330b]
稼動予定台数計算部330bは、稼動要求ボタン操作判定部330aにより、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼働要求オン状態となった台数を積算し、その積算値を稼動予定台数とする。すなわち、稼働予定台数は、待機状態のショットブラスト装置の台数である。
[最大同時稼動台数決定部330c]
最大同時稼動台数決定部330cは、負荷平準化情報入力部310bにより入力された負荷平準化情報と、稼動予定台数計算部330bにより計算された稼動予定台数とに基づいて、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値を、最大同時稼動台数として決定する。
[最大消費空気流量計算部330d]
最大消費空気流量計算部330dは、最大同時稼動台数決定部330cにより決定された最大同時稼動台数と、ショットブラスト装置101a~101eそれぞれの消費空気流量とに基づいて、ショットブラスト装置の最大消費空気流量を計算する。ショットブラスト装置101a~101eにおける消費空気流量は、設備データ入力部310aにより入力された設備データに含まれる情報である。
ショットブラスト装置の最大消費空気流量は、最大同時稼動台数のショットブラスト装置で消費される圧縮空気の流量のうち最大の流量である。
最大消費空気流量計算部330dは、ショットブラスト装置101a~101eにおける消費空気流量を、大きいものから順に最大同時稼動台数だけ取り出し、取り出した消費空気流量の加算値を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として計算する。
例えば、ショットブラスト装置101a、101b、101c、101d、101eにおける消費空気流量が、それぞれ、3000Nm3/h、4000Nm3/h、5000Nm3/h、5000Nm3/h、6000Nm3/hであり、稼動要求オン状態となったショットブラスト装置が101a、101b、101c、101eの4台であり、最大同時稼動台数が「3(=4-1)」であるものとする。この場合、最大消費空気流量計算部330dは、ショットブラスト装置101a、101b、101c、101eにおける消費空気流量を、大きいものから順に3つ取り出す。すなわち、最大消費空気流量計算部330dは、6000Nm3/h、5000Nm3/h、4000Nm3/hを取り出す。そして、最大消費空気流量計算部330dは、これらを加算した15000Nm3/hを、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として計算する。
[最大消費空気流量確定部330e]
最大消費空気流量確定部330eは、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量から、余剰空気流量計算部320fにより出力された余剰空気流量を減算した値を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。例えば、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量が15000Nm3/hであり、余剰空気流量計算部320fにより出力された余剰空気流量が500Nm3/hである場合、最大消費空気流量確定部330eは、14500Nm3/h(=15000Nm3/h-500Nm3/h)を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。尚、余剰空気流量が「0(ゼロ)」である場合、最大消費空気流量確定部330eは、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量をそのままショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。
なお、ショットブラスト装置の最大消費空気流量から余剰空気流量を減算する上記処理に代えて、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの供給空気流量の合計値(コンプレッサの合計供給空気流量)のそれぞれに余剰空気流量を加算する処理を行ってもよい。以下で詳述するコンプレッサ群選択部330f(使用するコンプレッサコンプレッサ群の候補を選択する処理)では、要するに、ショットブラスト装置の最大消費空気流量とコンプレッサの合計供給空気流量を比較して、後者が前者を上回るようにするので、前者から余剰空気流量を減算する処理も後者に余剰空気流量を加算する処理も結果としては同じとなる。
[コンプレッサ群選択部330f、コンプレッサ決定部330g]
コンプレッサ群選択部330f、コンプレッサ決定部330gの機能は、それぞれ、コンプレッサ群選択部320d、コンプレッサ決定部330eの機能を、ショットブラスト装置101e~101fに対するコンプレッサ106a~106eに適用したものである。
コンプレッサ群選択部330fは、コンプレッサ106a~106eのうち、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、最大消費空気流量確定部330eで決定されたショットブラスト装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かを判定する。なお、前述したように、この判定に代えて、コンプレッサ群選択部330fは、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、前述したコンプレッサの合計供給空気流量に余剰空気流量を加算した値が、最大消費空気流量計算部330dで計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量(最大消費空気流量確定部330eにより余剰空気流量が減算されていないショットブラスト装置の最大消費空気量)以上になる組み合わせがあるか否かを判定してもよい。
この判定の結果、ショットブラスト装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがない場合、コンプレッサ群選択部330fは、そのことを示す情報をコンピュータディスプレイに表示する。そして、自動運転処理を一旦中止する。この情報を見たオペレータは、自動運転する候補となるコンプレッサを変更する等の自動運転を再開するための操作を行うか、当面の間、自動運転を断念して手動運転に切り替える。自動運転を再開するための操作としては、例えば、コンプレッサの接続系統を変更して使用不可となっているコンプレッサを使用可能な状態にする。その後、オペレータにより自動運転を再開させると、自動運転する候補となるコンプレッサが変更されているため、コンプレッサ群選択部320fは、前述した判定(ショットブラスト装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かの判定)をし直す。
一方、ショットブラスト装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがある場合、コンプレッサ群選択部330fは、その組み合わせを全て選択する。以下の説明では、この組み合わせの1つ1つを必要に応じてコンプレッサ群と称する。
コンプレッサ決定部330gは、コンプレッサ群選択部330fにより選択されたコンプレッサ群に含まれる全てのコンプレッサに対する圧空生成コストの合計値を、コンプレッサ群選択部330fにより選択されたコンプレッサ群のそれぞれについて計算する。圧空生成コストは、設備データ入力部310aにより入力された設備データに含まれる。次に、コンプレッサ決定部330gは、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとして決定する。
例えば、コンプレッサ106a、106b、106c、106d、106eの供給空気流量が、それぞれ、2500Nm3/h、4500Nm3/h、5500Nm3/h、6500Nm3/h、10000Nm3/hであり、それらの圧空生成コストが、それぞれ、100000円/日、400000円/日、400000円/日、300000円/日、500000円/日であり、ショットブラスト装置の最大消費空気流量が14500Nm3/hであるとする。
この場合、コンプレッサ群としては、コンプレッサ106a、106c、106dからなる第1のコンプレッサ群と、コンプレッサ106b、106eからなる第2のコンプレッサ群と、コンプレッサ106c、106eからなる第3のコンプレッサ群と、コンプレッサ106d、106eからなる第4のコンプレッサ群とが考えられる。第1のコンプレッサ群、第2のコンプレッサ群、第3のコンプレッサ群、第4のコンプレッサ群に含まれるコンプレッサに対する圧空生成コストの合計値は、それぞれ、800000円/日、900000円/日、900000円/日、800000円/日である。
なお、コンプレッサ群選択部330fにより選択されたコンプレッサ群には、上述した第1~第4のコンプレッサ群の他にも第1コンプレッサ群にさらにコンプレッサ106bおよび/または106eを加えたコンプレッサ群等も含まれる。しかし、このようなコンプレッサ群、すなわち、あるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサが全て含まれているようなコンプレッサ群は、明らかに圧空生成コストの合計値が最低とはならないので、ここでは説明を省略したが、実際の処理においてはこれらのコンプレッサ群も含めて選択された全てのコンプレッサ群の圧空生成コストを算出して、それら全てを比較している。
従って、これらのうち圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群は、第1のコンプレッサ群および第4のコンプレッサ群となる。よって、コンプレッサ決定部330gは、第1のコンプレッサ群および第4のコンプレッサ群の何れか1つのコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとして決定する。このように圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群が複数ある場合、コンプレッサ決定部330gは、圧空生成コストの合計値以外の評価指標に従って、複数のコンプレッサ群から1つのコンプレッサ群を決定する。
圧空生成コストの合計値以外の評価指標としては、例えば、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサの数と、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量の合計値との少なくとも何れか一方を採用することができる。前述した具体例において前者の評価指標のみを用いる場合、コンプレッサ決定部330gは、第4のコンプレッサ群を自動運転するコンプレッサとして決定する。一方、前述した具体例において後者の評価指標のみを用いる場合、コンプレッサ決定部330gは、第1のコンプレッサ群を自動運転するコンプレッサとして決定する。また、両者の評価指標を用いる場合、コンプレッサ決定部330gは、例えば、各評価指標に優先順位をつけ、優先順位が高い方の評価指標により決定されるコンプレッサを優先して自動運転するコンプレッサとして決定することができる。
また、コンプレッサ決定部330gは、両者の評価指標を用いた評価値を計算し、計算した評価値に基づいて、自動運転するコンプレッサを決定することができる。例えば、コンプレッサ決定部330gは、以下の(1)式の評価値Jが最小となるコンプレッサ群を、自動運転するコンプレッサとして決定することができる。
J=k1×N+k2×ΔF ・・・(1)
(1)式において、Nは、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサの数である。ΔFは、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、ショットブラスト装置の最大消費空気流量を減算した値である。k1、k2は、重み係数であり、N、ΔFの重要度に応じて予め設定される。例えば、NをΔFよりも重要な指標とする場合には、k1の値をk2の値よりも大きくする。
尚、以上の圧空コストの合計値が最低になるコンプレッサ群が複数ある場合のコンプレッサ群の決定の方法は、SP用コンプレッサ決定部320のコンプレッサ決定部320eにおいても適用することができる。
コンプレッサ決定部330gは、以上のようにしてショットブラスト装置101a~101eに対して使用するコンプレッサとして決定する。
設備稼動制御装置300は、コンプレッサ決定部330gによりショットブラスト装置101a~101eに対して使用すると決定されたコンプレッサに対し、制御信号を送信して当該コンプレッサを起動させる。尚、コンプレッサ決定部330gは、ショットブラスト装置101a~101eに対して使用すると決定したコンプレッサを特定する情報を、コンピュータディスプレイに表示するのが好ましい。
[操作状態継続判定部330h]
待機状態(稼働要求オン状態)が継続しているにもかかわらず、所定の時間(例えば、1時間又は2時間)以上稼働していない(噴射ボタンが押されて圧縮空気の噴射がオン状態にされていない)状態が継続しているショットブラスト装置については、オペレータが稼働要求をオフ状態とする操作(稼働要求ボタンを押す操作)を忘れてしまっている等の理由が考えられる。このようなショットブラスト装置の稼働要求は、本来は、オフの状態にすべき稼動要求であると見なすことができる。そこで、このような状態のショットブラスト装置を特定するために、操作状態継続判定部330hは、待機状態にあるショットブラスト装置101a~101eの中に、所定の時間以上稼働していないショットブラスト装置があるか否かを判定する。
[稼動要求ボタン変更部330i]
稼動要求ボタン変更部330iは、操作状態継続判定部330hにより、待機状態のショットブラスト装置101a~101eの中に、本来、稼働要求オフ状態とすべきショットブラスト装置があると判定されると、当該稼動要求をオペレータによる操作によらずに自動的に(強制的に)オフ状態にするための処理を行う。
[稼動予定台数変更判定部330j]
以上のようにして稼動要求が自動的に(強制的に)オフされると、稼動要求オン状態のショットブラスト装置の数が少なくなる。そうすると、稼動予定台数が変更されるため、コンプレッサ群の決定(最大同時稼動台数決定部330c~コンプレッサ決定部330gの処理)をし直す必要がある。しかしながら、稼動要求オン状態のショットブラスト装置の数が少なくなると、コンプレッサ決定部330gで決定し直されるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量(すなわち、決定し直されるコンプレッサ群から供給される圧縮空気の流量)の合計値は小さくなる。従って、コンプレッサ決定部330gで決定し直されるコンプレッサ群から供給される空気流量の合計値が、稼動要求が自動的にオフされた時点で稼働中の(圧縮空気を噴射している最中の)ショットブラスト装置の消費空気流量の合計値を下回る虞がある。この場合、投射材を正常に投射できない等の不具合を生じる虞がある。
そこで、本実施形態では、稼動予定台数変更判定部330jは、ショットブラスト装置101a~101eに対する稼動要求のうち、オン状態の数と、稼働中のショットブラスト装置の数と、負荷平準化情報入力部310bにより入力された負荷平準化情報と、に基づいて、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができるか否かを判定する。
負荷平準化情報は、「待機状態のショットブラスト装置の数」と、「同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値」との関係である。稼動予定台数変更判定部330jは、稼動要求が自動的にオフされることにより変更される「待機状態のショットブラスト装置の数」に対応する変更後の「同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値」を、負荷平準化情報から導出する。
そして、稼動予定台数変更判定部330jは、当該導出した数(変更後の同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値)が、稼働中のショットブラスト装置の数以上の場合に、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができると判定する。このような場合であれば、コンプレッサ決定部330gで決定し直されるコンプレッサ群から供給される空気流量の合計値が、稼働中のショットブラスト装置の消費空気流量の合計値を下回らないからである。一方、稼動予定台数変更判定部330jは、当該導出した数が、稼働中のショットブラスト装置の数以上にならない場合、稼動予定台数変更判定部330jは、当該導出した数が、稼働中のショットブラスト装置の数以上となるまで待機する。
例えば、「待機状態のショットブラスト装置の数」が5であり、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値」が負荷平準化情報により、「待機状態のショットブラスト装置の数」から1を減算した4であるとする。更に、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼働中のショットブラスト装置の数(噴射ボタン104a~104eのうち、オンされている噴射ボタンの数)が4であるとする。
このような状況で、ショットブラスト装置1台の稼動要求が自動的に(強制的に)オフされた場合、稼働要求がオフされた後の「待機状態のショットブラスト装置の数」は4となり、「同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値」は3(=4-1)となる。従って、変更後の「同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値(=3)」は「稼働中のショットブラスト装置の数(=4)」以上とならないため、稼動予定台数変更判定部330jは、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができないと判定する。このような場合に、ショットブラスト装置の稼動予定台数を5台から4台に変更すると、稼働中の4台のショットブラスト装置に必要な流量の圧縮空気が供給されなくなるからである。
その後、稼働中の4台のショットブラスト装置のうち、1台が処理を終えて、稼働中のショットブラスト装置の数が、3台になると、変更後の「同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値(=3)」は、「稼働中のショットブラスト装置の数(=3)」以上となるため、稼動予定台数変更判定部330jは、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができると判定する。ショットブラスト装置の稼動予定台数を5台から4台に変更しても、「同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値」は3であるため、稼働中の3台のショットブラスト装置に必要な流量の圧縮空気が供給されるからである。
[稼動予定台数変更部330k]
稼動予定台数変更部330kは、稼動予定台数変更判定部330jにより、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができると判定されると、元の稼働予定台数の値(稼働予定台数の現在値)から「1」を減算した値を稼動予定台数の変更値として最大同時稼動台数決定部330cに出力する。
以降、稼動予定台数の変更値を用いて、最大同時稼動台数決定部330c~コンプレッサ決定部330gの処理が前述したようにして行われることにより、ショットブラスト装置101a~101eに対して使用するコンプレッサが決定し直される。
<SB稼動制御部340>
次に、SB稼動制御部340が有する機能の詳細を説明する。
[噴射ボタン操作判定部340a]
噴射ボタン操作判定部340aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eの何れかが押され、圧縮空気の噴射がオン状態にされたか否かを判定する。また、噴射ボタン操作判定部340aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eが押され、圧縮空気の噴射がオフ状態にされたか否かを判定する。
[噴射可否判定部340b]
噴射可否判定部340bは、噴射ボタン操作判定部340aにより圧縮空気の噴射がオン状態にされたと判定された噴射ボタンに対応するショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可するか否かを判定する。具体的に噴射可否判定部340bは、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼働中(圧縮空気を噴射中)のショットブラスト装置の数が、最大同時稼動台数決定部330cで決定された最大同時稼動台数(の最新値)と同じ場合(最大同時稼動台数決定部330cで決定された最大同時稼動台数(の最新値)以上の場合)に、噴射ボタン操作判定部340aにより圧縮空気の噴射がオン状態にされたと判定された噴射ボタンに対応するショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可しないと判定する。稼働中のショットブラスト装置の数が最大同時稼動台数(の最新値)と同じ場合、それ以上ショットブラスト装置を稼働させると、稼働中の全ショットブラスト装置に必要な流量の圧縮空気を供給することができないからである。
一方、稼働中のショットブラスト装置の数が、最大同時稼動台数決定部330cで決定された最大同時稼動台数(の最新値)と同じでない場合(最大同時稼動台数決定部330cで決定された最大同時稼動台数(の最新値)を下回る場合)、噴射可否判定部340bは、噴射ボタン操作判定部340aにより圧縮空気の噴射がオン状態にされたと判定された噴射ボタンに対応するショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可すると判定する。
[噴射不許可部340c]
図4は、各ショットブラスト装置(SB1~SB5)における圧縮空気を噴射中の期間を示す図である。図4(a)は比較例を示し、図4(b)は発明例を示す。ここでは、ショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB5の4台が待機状態であり、最大同時稼動台数が3台である場合を例に挙げて説明する。尚、ショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB4、SB5は、それぞれ、ショットブラスト装置101a、101b、101c、101d、101eに対応するものとする(このことは以降でも同じである)。
この場合、図4(a)に示すように、3台のショットブラスト装置SB1~SB3が圧縮空気を噴射中の時刻t1に、ショットブラスト装置SB5が圧縮空気の噴射を開始すると、時刻t1から時刻t2までの期間では、最大同時稼動台数(=3台)を上回る4台のショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB5から圧縮空気が同時に噴射される。そうすると、コンプレッサ決定部330gで決定されるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量の合計値が、圧縮空気を噴射しているショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB5における消費空気流量の合計値を下回る虞がある。
そこで、本実施形態では、ショットブラスト装置101a~101eの噴射動作(噴射ボタン104a~104eが押され、圧縮空気の噴射がオン状態にされた場合に圧縮空気を噴射する動作)に対し、噴射可否判定部340bによる噴射可否判定の結果に応じて動作する前述したインターロック機能を噴射不許可部340cに設けている。すなわち、前述のとおり、噴射可否判定部340bにより、圧縮空気の噴射を許可すると判定されなければ、たとえオペレータが噴射ボタンを押しても(圧縮空気の噴射がオン状態にされても)圧縮空気の噴射動作ができなくなる機能(インターロック機能)を噴射不許可部340cに設けている。
このようなインターロック機構(およびそれを実現するインターロック回路)を動作させることにより、図4(b)に示す例では、時刻t1において、ショットブラスト装置SB5に対する噴射ボタン104eが押され、圧縮空気の噴射がオン状態にされたが、ショットブラスト装置SB5から圧縮空気は噴射されない。
[噴射指示部340d]
噴射指示部340dは、噴射可否判定部340bにより、ショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可すると判定されると、当該ショットブラスト装置から圧縮空気を噴射するよう指示する。
また、噴射指示部340dは、噴射可否判定部340bにより、ショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可しないと判定された後、噴射ボタン104a~104eの何れかがオフされた場合、操作盤102a~102eのうち、噴射を不許可にしていたショットブラスト装置に対応する操作盤に、圧縮空気の噴射を許可することを指示する制御信号を送信する。そして、当該ショットブラスト装置から圧縮空気が噴射されるようなる。
図4(b)に示す例では、時刻t2において、ショットブラスト装置SB1に対する噴射ボタン104aが押され、圧縮空気の噴射がオフ状態にされる。そこで、時刻t2において、圧縮空気の噴射を不許可にしていたショットブラスト装置SB5からの圧縮空気の噴射が開始される。
尚、本実施形態では、最大消費空気流量確定部330eにより決定された最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるように、コンプレッサ決定部330gによりコンプレッサ群(使用するコンプレッサ)が決定される。従って、待機状態のショットブラスト装置の数が最大同時稼動台数以下であれば、圧縮空気を噴射中のショットブラスト装置(図4(b)に示す例では、ショットブラスト装置SB1~SB3)のうち、どのショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射が終了し、待機状態のどのショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射が開始しても、圧縮空気を噴射中のショットブラスト装置(図4(b)に示す例では、SB2、SB3、SB5)の供給空気流量の合計値以上の流量のコンプレッサから供給することができる。
(設備稼動制御装置300における制御の内容)
次に、以上詳しく説明した設備稼動制御装置300のSB用コンプレッサ決定部330およびSB稼動制御部340の機能により実現される結果の一例を概念的に説明する。図5は、ショットブラスト装置101a~101e(SB1~SB5)の状態、および、コンプレッサ106a~106eの供給空気流量と、時間との関係の一例を概念的に示す図である。
ここでは、ショットブラスト装置101a(SB1)、101b(SB2)、101c(SB3)、101d(SB4)、101e(SB5)における消費空気流量が、それぞれ、3000Nm3/h、4000Nm3/h、5000Nm3/h、5000Nm3/h、6000Nm3/hであるものとする。また、コンプレッサ106a、106b、106c、106d、106eの供給空気流量が、それぞれ、2500Nm3/h、4500Nm3/h、5500Nm3/h、6500Nm3/h、10000Nm3/hであるものとする。また、最大同時稼動台数は、待機状態のショットブラスト装置の数から「1」を減算した値であるものとする(ただし、待機状態のショットブラスト装置の数が「1」である場合、最大同時稼動台数は「1」とする)。また、余剰空気流量は「0(ゼロ)」であるものとする。また、コンプレッサ106a~106eの起動回数に制限はなく、コンプレッサ106a~106eは自動運転されるものとする。
また、説明を簡単にするため、コンプレッサ106a~106eにおける単位流量の圧縮空気を供給するのに必要なコスト(圧空生成コスト)は、コンプレッサによらず同一であるものとする。従って、コンプレッサ106a~106eそれぞれの圧空生成コストは、それぞれのコンプレッサの供給空気流量に比例することになる。このように仮定することで、圧空生成コストの大小は供給空気量の大小と同義になるので、以下の説明においては、使用するコンプレッサを圧空生成コストにより決定せずに、供給空気流量により決定するものとする。すなわち、最大消費空気流量計算部330dは、ショットブラスト装置101a~101eにおける消費空気流量を、大きいものから順に最大同時稼動台数だけ取り出し、取り出した消費空気流量の加算値を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量とする。そして、コンプレッサ決定部330gは、供給空気流量の合計値が、当該最大消費空気流量以上になるコンプレッサ106a~106eの組み合わせのうち、当該供給空気流量の合計値が、当該最大消費空気流量に最も近い組み合わせを、使用するコンプレッサとして決定する。
図5において、枠501a~501dは、待機状態の期間を示す(ショットブラスト装置SB4は、図5に示す全期間において待機状態になっていない)。「SB:X台」のXは、待機状態のショットブラスト装置の数を示す。「Comp:Y台」のYは、コンプレッサ106a~106eのうち、使用するコンプレッサの数である。枠501a~501d内に示す横線は、各ショットブラスト装置SB1~SB5から圧縮空気が噴射されている期間(各ショットブラスト装置が稼働している期間)を示す。
図5において、時刻t1から時刻t2までの期間は、2台のショットブラスト装置SB2、SB3が待機状態になる。この場合、最大同時稼動台数は、「1(=2-1)」になる。ショットブラスト装置SB2、SB3における消費空気流量は、それぞれ、4000Nm3/h、5000Nm3/hである。従って、ショットブラスト装置の最大消費空気流量は、5000Nm3/hである。4000Nm3/h、5000Nm3/hを、大きいものから順に最大同時稼動台数(=1)だけ取り出すと、5000Nm3/hになるからである。また、供給空気流量の合計値が、最大消費空気流量である5000Nm3/h以上になるコンプレッサ106a~106eの組み合わせのうち、供給空気流量の合計値が最も小さくなる組み合わせは(すなわち、前述した仮定において圧空生成コストが低くなる組み合わせは)、供給空気流量が5500Nm3/hのコンプレッサ106cである。従って、時刻t1から時刻t2までの期間では、コンプレッサ106cが使用される。
その後、時刻t2において、ショットブラスト装置SB2、SB3に加えてショットブラスト装置SB1、SB5が待機状態になり、その状態が時刻t3まで継続する。従って、時刻t2から時刻t3までの期間では、4台のショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB5が待機状態になる。この場合、最大同時稼動台数は、「3(=4-1)」になる。ショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB5における消費空気流量は、それぞれ、3000Nm3/h、4000Nm3/h、5000Nm3/h、6000Nm3/hである。従って、ショットブラスト装置の最大消費空気流量は、15000Nm3/hである。3000Nm3/h、4000Nm3/h、5000Nm3/h、6000Nm3/hを、大きいものから順に最大同時稼動台数(=3)だけ取り出し、取り出した値を加算すると、15000(=6000+5000+4000)になるからである。また、供給空気流量の合計値が、最大消費空気流量である15000Nm3/h以上になるコンプレッサ106a~106eの組み合わせのうち、供給空気流量の合計値が最も小さくなる組み合わせは、供給空気流量が5500Nm3/hであるコンプレッサ106cと、供給空気流量が10000Nm3/hであるコンプレッサ106eとの組み合わせ(供給空気流量の合計値15500Nm3/h)である。従って、時刻t2から時刻t3までの期間では、コンプレッサ106c、106eが使用される。
ここで、時刻t4において、ショットブラスト装置SB5に対する噴射ボタン104eがオンされたとする。この時刻t4においては、最大同時稼動台数(=3)のショットブラスト装置SB1、SB2、SB4が圧縮空気を噴射している。このため、噴射ボタン104eに対応するショットブラスト装置SB5から圧縮空気は噴射されない。前述したインターロック機能が働き、ショットブラスト装置SBからの圧縮空気の噴射が許可されないからである。ショットブラスト装置SB5からの圧縮空気の噴射は、圧縮空気を噴射しているショットブラスト装置SB1、SB2、SB3のうち、最も早く圧縮空気の噴射を終了するショットブラスト装置SB2の噴射が終了する時刻t5に開始される。
以降、同様に、時刻t3から時刻t6までの期間では、ショットブラスト装置の最大消費空気流量は、11000Nm3/h(ショットブラスト装置SB3、SB5の供給空気流量の合計値)になり、コンプレッサ106c、106d(供給空気流量の合計値12000Nm3/h)が使用される。また、時刻t6から時刻t7までの期間では、ショットブラスト装置の最大消費空気流量は、5000Nm3/h(ショットブラスト装置SB3の供給空気流量)になり、コンプレッサ106cが使用される。また、時刻t7から時刻t8までの期間では、ショットブラスト装置の最大消費空気流量は、5000Nm3/h(ショットブラスト装置SB3の供給空気流量)になり、コンプレッサ106cが使用される(前述したように、待機状態のショットブラスト装置の数が「1」である場合、最大同時稼動台数は「1」である)。
(具体例)
図6は、ショットブラスト装置に対するコンプレッサにおける供給空気流量、および、ショットブラスト装置における消費空気流量と、時間との関係の一例を示す図である。図6は、本実施形態の設備稼動制御装置300の機能を、実際の鋼管工場に適用した結果を示す。
図6において、グラフ601は、圧縮空気を同時に供給している1つまたは複数のコンプレッサにおける供給空気流量の合計値を示す。グラフ602は、圧縮空気を同時に消費している1つまたは複数のショットブラスト装置における消費空気流量の合計値を示す。図6に示すように、供給空気流量(グラフ601)は、消費空気流量(グラフ602)の変化に合うように変化する。従って、供給空気流量を適正化することができるコンプレッサを自動的に選択することができることが分かる。
尚、消費空気流量(グラフ602)が供給空気流量(グラフ601)を上回る時間帯が存在するが、これは、噴射開始時(20秒程度以下)は定常状態における空気流量のおよそ2倍の空気流量を消費する、というショットブラスト(ショットピーニング)装置の特性によるものである。本実施形態の自動運転によれば、最大消費空気流量計算部320cにより算出される最大消費空気流量の値を上回るだけの圧縮空気を発生させるようにコンプレッサを自動的に選択し稼働させているので、定常状態であれば消費空気流量が供給空気流量を上回ることはない。しかし、複数台のショットブラスト装置が同時に圧縮空気を噴射し始めることがあり、この場合は一時的に消費空気流量が供給空気流量を上回ることがある。しかしながら、その時間は極短時間(20秒程度以下)である。数十秒オーダーでの消費空気流量の超過は、系統圧力の低下を発生させるほどの影響力はなく、操業上、問題とはならない。
(フローチャート)
次に、本実施形態の設備稼動制御装置300の動作の一例を説明する。
まず、図7のフローチャートを参照しながら、事前設定部310の動作の一例を説明する。尚、図7のフローチャートは、例えば、所定の制御周期で繰り返し実行される。ただし、各ステップにおいて、データが入力されない場合、当該ステップの処理は省略されるものとする。
まず、ステップS701において、設備データ入力部310aは、設備データを入力する。
次に、ステップS702において、負荷平準化情報入力部310bは、負荷平準化情報(待機状態のショットブラスト装置の数と、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値との関係)を入力する。
次に、ステップS703において、自動運転コンプレッサ選定部310cは、コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中から、自動運転する候補となるコンプレッサを選定する(全コンプレッサの中から使用不可コンプレッサを除外する)。
そして、図7のフローチャートによる処理が終了する。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、SP用コンプレッサ決定部320の動作の一例を説明する。図8のフローチャートは、例えば、稼働要求ボタン111a~111cの操作によって稼動要求の状態に変更がある場合に実行される。
まず、ステップS801において、稼動要求ボタン操作判定部320aは、ショットピーニング装置109a~109cのうち、稼動要求オン状態となったショットピーニング装置を特定する。
次に、ステップS802において、稼動予定台数計算部320bは、ステップS801で特定された稼動要求オン状態であるショットピーニング装置の台数を積算し、その積算値を稼動予定台数とする。
次に、ステップS803において、最大消費空気流量計算部320cは、ステップS802で計算された稼動予定台数と、ショットピーニング装置109a~109cにおける消費空気流量とに基づいて、ショットピーニング装置の最大消費空気流量を計算する。
次に、ステップS804において、コンプレッサ群選択部320dは、コンプレッサ114a~114bの組み合わせのうち、図7のステップS703で自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、ステップS803で計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かを判定する。この判定の結果、ショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがない場合、コンプレッサ群選択部320dは、オペレータに伝えるために、そのことを示す情報をコンピュータディスプレイに表示する。そして、図8のフローチャートによる処理が終了する(自動運転処理が終了する)。
一方、ショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがある場合、処理は、ステップS805に進む。ステップS805において、コンプレッサ群選択部320dは、当該組み合わせ(コンプレッサ群)を全て選択する。
次に、ステップS806において、コンプレッサ決定部320eは、ステップS805で選択されたコンプレッサ群に含まれる全てのコンプレッサに対する圧空生成コストの合計値を、ステップS805で選択されたコンプレッサ群のそれぞれについて計算し、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとして決定する。
次に、ステップS807において、余剰空気流量計算部320fは、ステップS806で決定されたコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、ステップS803で計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量を減算した値を、余剰空気流量として計算する。
次に、ステップS808において、余剰空気流量計算部320fは、余剰空気流量を、SB用コンプレッサ決定部330(最大消費空気流量確定部330e)に出力する。
そして、図8のフローチャートによる処理が終了する。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、SB用コンプレッサ決定部330の動作の一例を説明する。図9のフローチャートは、例えば、稼動要求ボタン103a~103eの操作による稼動要求の状態に変更がある場合に実行される。
まず、ステップS901において、稼動要求ボタン操作判定部330aは、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼動要求オン状態となったショットブラスト装置を特定する。
次に、ステップS902において、稼動予定台数計算部330bは、ステップS901で特定された稼動要求オン状態であるショットブラスト装置の台数を積算し、その積算値を稼動予定台数とする。
次に、ステップS903において、最大同時稼動台数決定部330cは、図7のステップS702で入力された負荷平準化情報と、ステップS902で計算された稼動予定台数とに基づいて、圧縮空気を同時に噴射することができるショットブラスト装置の数の最大値を、最大同時稼動台数として決定する。
次に、ステップS904において、最大消費空気流量計算部330dは、ステップS903で決定された最大同時稼動台数と、ショットブラスト装置101a~101eにおける消費空気流量とに基づいて、ショットブラスト装置の最大消費空気流量を計算する。
次に、ステップS905において、最大消費空気流量確定部330eは、ステップS904で計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量から、図8のステップS820で出力された余剰空気流量を減算した値を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。なお、ステップS905において、以上の処理に代えて、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの供給空気流量の合計値(コンプレッサの合計供給空気流量)のそれぞれに余剰空気流量を加算する処理が行われてもよい。
次に、ステップS906において、コンプレッサ群選択部330fは、コンプレッサ106a~106eの組み合わせのうち、図7のステップS703で自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、ステップS905で決定されたショットブラスト装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かを判定する。この判定の結果、ショットブラスト装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがない場合、コンプレッサ群選択部330fは、オペレータに伝えるために、そのことを示す情報をコンピュータディスプレイに表示する。そして、図9のフローチャートによる処理が終了する(自動運転処理が終了する)。
一方、ショットブラスト装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがある場合、処理は、ステップS907に進む。ステップS907において、コンプレッサ群選択部330fは、当該組み合わせ(コンプレッサ群)を全て選択する。
なお、ステップS906において、以上の判定に代えて、コンプレッサ群選択部330fは、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、前述したコンプレッサの合計供給空気流量に余剰空気流量を加算した値が、ステップS904で計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量以上になる組み合わせがあるか否かを判定してもよい。
次に、ステップS908において、コンプレッサ決定部330gは、ステップS907で選択されたコンプレッサ群に含まれる全てのコンプレッサに対する圧空生成コストの合計値を、ステップS907で選択されたコンプレッサ群のそれぞれについて計算し、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとして決定する。
ここで、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群が複数ある場合、コンプレッサ決定部330gは、圧空生成コストの合計値以外の評価指標に従って、複数のコンプレッサ群から1つのコンプレッサ群を決定する。このとき、コンプレッサ決定部330gは、各評価指標に優先順位をつけ、優先順位が高い方の評価指標により決定されるコンプレッサを優先して自動運転するコンプレッサとして決定してもよいし、(1)式の評価値Jが最小となるコンプレッサ群を、自動運転するコンプレッサとして決定してもよい。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更する際のSB用コンプレッサ決定部330の動作の一例を説明する。図10のフローチャートは、例えば、所定の制御周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1001において、操作状態継続判定部330hは、ショットブラスト装置101a~101eの中に待機状態が継続しているにもかかわらず所定の時間以上稼働していないショットブラスト装置があるか否かを判定する。
この判定の結果、待機状態のショットブラスト装置101a~101eの中に、所定の時間以上稼働していないショットブラスト装置がない場合には、図10のフローチャートによる処理が終了する。
一方、待機状態のショットブラスト装置101a~101eの中に、所定の時間以上稼働していない状態が継続しているショットブラスト装置がある場合、処理は、ステップS1002に進む。
ステップS1002において、稼動要求ボタン変更部330iは、ステップS1001で待機状態であるのに所定時間以上稼働していないと判定されたショットブラスト装置の稼動要求をオフ状態にするための処理を行う。
次に、ステップS1003において、稼動予定台数変更判定部330jは、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができるか否かを判定する。その結果、否と判定された場合は、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができるようになるまで待機する。そして、稼働中のショットブラスト装置の数が減り、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができるようになると、処理は、ステップS1004に進む。
ステップS1004において、稼動予定台数変更部330kは、元の稼働予定台数の値から「1」を減算した値を稼動予定台数の変更値として最大同時稼動台数決定部330cに出力する。これにより、稼動予定台数が変更される。そして、変更後の稼動予定台数を用いて、前述した図9のステップS903以降の処理が実行される。このように図9のフローチャートのステップS903以降の処理は、稼動予定台数変更部330kにより稼動予定台数の変更値が出力された場合にも実行される。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、SB稼動制御部340の動作の一例を説明する。図11のフローチャートは、例えば、所定の制御周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1101において、噴射ボタン操作判定部340aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eの何れかが押され、圧縮空気の噴射がオン状態にされたか否かを判定する。この判定の結果、噴射ボタン104a~104eがオンされていない場合、図11のフローチャートによる処理は終了する。
一方、噴射ボタン104a~104eの何れかが押され、圧縮空気の噴射がオン状態にされた場合、処理は、ステップS1102に進む。ステップS1102において、噴射可否判定部340bは、噴射ボタン操作判定部340aによりオンされたと判定された噴射ボタンに対応するショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可するか否かを判定する。具体的に、噴射可否判定部340bは、稼働中のショットブラスト装置の数が(図9のステップS903で決定された)最大同時稼動台数(の最新値)と同じである場合(最大同時稼動台数決定部330cで決定された最大同時稼動台数(の最新値)以上の場合)に、圧縮空気の噴射を許可しない。この判定の結果、ショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可する場合、処理は、ステップS1103~S1104を省略して後述するステップS1105に進む。
一方、ショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可しない場合、処理は、ステップS1103に進む。ステップS1103において、噴射不許可部340cは、操作盤102a~102eのうち、ステップS1101で圧縮空気の噴射がオン状態になったと判定されたショットブラスト装置に対し、インターロック機能を作動させる。これにより、当該ショットブラスト装置から圧縮空気は噴射されない。
次に、ステップS1104において、噴射ボタン操作判定部340aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eの何れかが押され、圧縮空気の噴射がオフ状態にされるまで待機する。そして、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eの何れかが押され、圧縮空気の噴射がオフ状態にされると、処理は、ステップS1105に進む。
ステップS1105に進むと、ステップS1101で圧縮空気の噴射がオン状態にされたと判定されたショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射が開始される。
そして、図11のフローチャートによる処理が終了する。
(まとめ)
以上のように本実施形態では、設備稼動制御装置300は、供給空気流量の合計値が、ショットブラスト装置101a~101eのうち、待機状態のショットブラスト装置の数よりも少ない数である最大同時稼動台数のショットブラスト装置における消費空気流量の合計値を上回るように、コンプレッサ106a~106eの中から使用するコンプレッサを決定する。このとき、設備稼動制御装置300は、消費空気流量が大きいものから順に最大同時稼動台数のショットブラスト装置を選択し、選択したショットブラスト装置における消費空気流量の合計値を、最大同時稼動台数のショットブラスト装置における消費空気流量の合計値とする。従って、ショットブラスト装置に対し可及的に過不足なく圧縮空気を供給することができるように、コンプレッサを自動的に決定することができる。
また、本実施形態では、設備稼動制御装置300は、圧縮空気を噴射中のショットブラスト装置の数が最大同時稼動台数と同じ場合に、新たに圧縮空気の噴射が指示されたショットブラスト装置から圧縮空気の噴射を許可しない制御、すなわち、いわゆるインターロック機能を有する。従って、ショットブラスト装置に対して供給される圧縮空気の流量が不足することをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、設備稼動制御装置300は、ショットピーニング装置で使用されない圧縮空気の流量である余剰空気流量を計算する。そして、設備稼動制御装置300は、供給空気流量の合計値が、待機状態のショットブラスト装置の数よりも少ない数のショットブラスト装置における消費空気流量の合計値から余剰空気流量を減算した値を上回るように、コンプレッサ106a~106eの中から使用するコンプレッサを決定する。従って、ショットピーニング装置で使用されない圧縮空気をショットブラスト装置で使用する処理設備において、運転コストをより低減することができる。
(変形例)
<変形例1>
本実施形態では、ショットピーニング装置に対するコンプレッサ114a~114bのうち、使用するコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、ショットピーニング装置の最大消費空気流量を減算した値を、余剰空気流量とする場合を例に挙げて説明した。このようにすれば前述したように、ショットブラスト装置101a~101eに対して供給する圧縮空気の流量が不足することを簡便に抑制することができる。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、余剰空気流量計算部320fは、コンプレッサ114a~114bにおける供給空気流量と、ショットピーニング装置109a~109cにおける消費空気流量と、流量計の測定値とに基づいて、各時刻における余剰空気流量を計算し、最大消費空気流量確定部330eは、現在時刻における余剰空気流量を、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量から減算してもよい。
<変形例2>
本実施形態では、ショットブラスト装置101a~101eに対し、ショットピーニング装置109a~109cで使用されない余剰の圧縮空気を供給する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態の手法は、ショットピーニング装置109a~109cで使用されない余剰の圧縮空気をショットブラスト装置101a~101eに供給しない場合にも適用することができる。このようにする場合、設備稼動制御装置300の機能のうち、ショットピーニング装置109a~109cに係る機能(SP用コンプレッサ決定部320の機能等)は不要になる。
<変形例3>
本実施形態では、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、自動運転するコンプレッサを決定するための評価指標は、圧空生成コストの合計値に限定されない。例えば、圧空生成コストの合計値に代えてまたは加えて、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサの数と、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、ショットブラスト装置の最大消費空気流量を減算した値との少なくとも何れか一方を評価指標として用いてもよい((1)式も参照)。
<変形例4>
本実施形態では、コンプレッサ106a~106e、114a~114bが自動運転する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、例えば、以下のようにすることもできる。すなわち、起動回数に制限がある運転中のコンプレッサについて、コンプレッサの起動回数をカウントし、起動回数が発停制限回数を上回っている場合、コンプレッサを自動運転の対象から外し、手動運転に切り替えることができる。この場合、コンプレッサ群選択部330fは、当該コンプレッサが、コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせに含まれるものとして、ショットブラスト装置の最大消費空気流量との比較(ステップS906の判定)を行う。
<変形例5>
本実施形態では、1つの装置(設備稼動制御装置300)で設備稼動制御システムを構成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、図3に示した各構成部の機能(例えば、事前設定部310、SP用コンプレッサ決定部320、SB用コンプレッサ決定部330、SB稼動制御部340の少なくとも何れか1つの機能)を別のハードウェアで構成し、設備稼動制御システムとしてもよい。
<変形例6>
本実施形態では、処理設備は、圧縮空気を消費する装置として、ショットブラスト装置を有していなくてもよい。例えば、製品に付着した埃等を除去するためのエアガンを、圧縮空気を消費する装置としてもよい。また、空気に替えて、例えば窒素などの不活性ガスを用いてもよく、圧縮空気以外の圧縮ガスを用いてもよい(圧縮空気は、圧縮ガスの一形態である)。
<その他の変形例>
以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
101a~101e:ショットブラスト装置、102a~102e:操作盤、103a~103e:稼動要求ボタン、104a~104e:噴射ボタン、109a~109c:ショットピーニング装置、110a~110e:操作盤、111a~111e:稼動要求ボタン、112a~112e:噴射ボタン、300:設備稼動制御装置、310:事前設定部、320:SP用コンプレッサ決定部、330:SB用コンプレッサ決定部、340:SB稼動制御部

Claims (14)

  1. 圧縮ガスを供給する複数の第1供給装置と、
    圧縮ガスを間欠的に消費して処理設備における処理を実行するために動作する3つ以上の第1消費装置と、
    前記第1消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することをオペレータが指示するための第1操作部と、当該第1消費装置の状態を、当該第1消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることをオペレータが指示するための第2操作部と、を有する第1操作装置と、
    を有する処理設備において、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを含む処理を実行する設備稼動制御システムであって、
    前記待機状態の前記第1消費装置の数が複数である場合に、前記待機状態の前記第1消費装置の数よりも少ない数を、最大同時稼動台数として決定する最大同時稼動台数決定手段と、
    前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値に基づいて第1最大消費ガス流量を決定する第1最大消費ガス流量決定手段と、
    圧縮ガスを生成するのに必要なコストと、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量と、圧縮ガスを供給する前記第1供給装置の数と、のうち少なくとも1つに応じて定まる評価指標に基づいて、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定する第1供給装置決定手段と、を有し、
    前記第1最大消費ガス流量決定手段は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第1消費装置の中から前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置を選択し、選択した前記第1消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第1最大消費ガス流量とすることを特徴とする設備稼動制御システム。
  2. 前記最大同時稼動台数決定手段は、前記待機状態の前記第1消費装置の数から予め設定された値を減算した値を、前記最大同時稼動台数として決定することを特徴とする請求項1に記載の設備稼動制御システム。
  3. 前記複数の第1供給装置の少なくとも2つは、圧縮ガスを生成するのに必要なコストが相互に異なり、
    前記第1供給装置決定手段は、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記コストに応じて定まる評価指標に基づいて、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の設備稼動制御システム。
  4. 前記第1供給装置決定手段は、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、当該合計値に応じて定まる評価指標に基づいて、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。
  5. 前記第1操作部の操作の内容を判定する第1操作部判定手段と、
    圧縮ガスを消費中の前記第1消費装置の数と、前記最大同時稼動台数とに基づいて、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置における圧縮ガスの消費の可否を判断する消費可否判定手段と、
    前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置に対し圧縮ガスの消費を指示する消費指示手段と、
    前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置における圧縮ガスの消費を不許可にする消費不許可手段と、を更に有し、
    前記消費可否判定手段は、圧縮ガスを消費中の前記第1消費装置の数が、前記最大同時稼動台数以上である場合に、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置において圧縮ガスを消費することができないと判定し、そうでない場合に、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置において圧縮ガスを消費することができると判定し、
    前記消費不許可手段は、前記消費可否判定手段により、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置において圧縮ガスを消費することができないと判定された場合に、当該第1消費装置における圧縮ガスの消費を不許可にし、
    前記消費指示手段は、前記消費不許可手段により前記第1消費装置における圧縮ガスの消費が不許可された後、前記消費可否判定手段により、当該第1消費装置において圧縮ガスを消費することができると判定された場合に、当該第1消費装置に対し圧縮ガスの消費を指示することを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。
  6. 前記第2操作部の操作によって、前記第1消費装置が前記待機状態であることが継続しているときに、前記第1操作部の操作により当該第1消費装置による圧縮ガスの消費の指示が所定の時間なされていないか否かを判定する第2操作部判定手段と、
    前記第2操作部判定手段により、前記第1消費装置が前記待機状態であることが継続しているときに、前記第1操作部の操作により当該第1消費装置による圧縮ガスの消費の指示が所定の時間なされていないと判定された場合、当該第1消費装置に対する前記第2操作部の操作を無効にして、当該第1消費装置の状態を前記待機状態になる前の状態に変更する第2操作部変更手段と、を更に有することを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。
  7. 前記第2操作部変更手段により、前記第1消費装置の状態が前記待機状態になる前の状態に変更されることにより、前記待機状態の前記第1消費装置の数が変更されると、前記最大同時稼動台数を変更できるか否かを判定する変更可否判定手段を更に有し、
    前記変更可否判定手段は、前記第2操作部変更手段による変更後の前記待機状態の前記第1消費装置の数と、圧縮ガスを消費中の前記第1消費装置の数とに基づいて、前記最大同時稼動台数を変更できるか否かを判定し、
    前記最大同時稼動台数決定手段は、前記変更可否判定手段により、前記最大同時稼動台数を変更できると判定されると、前記第2操作部変更手段により変更された後の前記待機状態の前記第1消費装置の数に基づいて、前記最大同時稼動台数を決定し直すことを特徴とする請求項に記載の設備稼動制御システム。
  8. 前記第1供給装置は、コンプレッサであり、
    前記第1消費装置は、ショットブラスト装置であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。
  9. 前記処理設備は、前記第1供給装置よりも高い圧力の圧縮ガスを供給する1つ以上の第2供給装置と、
    圧縮ガスを消費して前記処理設備における処理を実行するために動作する1つ以上の第2消費装置と、を更に有し、
    前記第2供給装置により供給される圧縮ガスのうち、前記第2消費装置で消費されなかった圧縮ガスの少なくとも一部を余剰ガスとして前記第1消費装置に供給し、
    前記第1最大消費ガス流量決定手段は、前記余剰ガスがある場合には、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値から前記余剰ガスの流量を減算した値を前記第1最大消費ガス流量とすることと、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置に供給する圧縮ガスの流量の合計値に前記余剰ガスの流量を加算した値を前記第1最大消費ガス流量とすることとの何れかを行うことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。
  10. 前記処理設備は、前記第2消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することを指示するための第3操作部と、当該第2消費装置の状態を、当該第2消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることを指示するための第4操作部と、を有する第2操作装置を更に有し、
    前記設備稼動制御システムは、前記待機状態の前記第2消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値を第2最大消費ガス流量として決定する第2最大消費ガス流量決定手段と、
    前記第2供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値から、前記第2最大消費ガス流量を減算した値を前記余剰ガスの流量として計算する余剰ガス流量計算手段と、を更に有することを特徴とする請求項に記載の設備稼動制御システム。
  11. 前記第2供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第2最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第2供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第2供給装置を決定する第2供給装置決定手段を更に有し、
    前記第2最大消費ガス流量決定手段は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第2消費装置の数と同じ数の前記第2消費装置を選択し、選択した前記第2消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第2最大消費ガス流量とし、
    前記余剰ガス流量計算手段は、前記第2供給装置決定手段により決定された前記第2供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値から、前記第2最大消費ガス流量を減算した値を前記余剰ガスの流量とすることを特徴とする請求項1に記載の設備稼動制御システム。
  12. 前記第2供給装置は、コンプレッサであり、
    前記第2消費装置は、ショットピーニング装置であることを特徴とする請求項~1の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。
  13. 圧縮ガスを供給する複数の第1供給装置と、
    圧縮ガスを間欠的に消費して処理設備における処理を実行する3つ以上の第1消費装置と、
    前記第1消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することをオペレータが指示するための第1操作部と、当該第1消費装置の状態を、当該第1消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることをオペレータが指示するための第2操作部と、を有する第1操作装置と、
    を有する処理設備において、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを含む処理を実行する設備稼動制御方法であって、
    最大同時稼動台数決定手段が、前記待機状態の前記第1消費装置の数が複数である場合に、前記待機状態の前記第1消費装置の数よりも少ない数を、最大同時稼動台数として決定する最大同時稼動台数決定工程と、
    第1最大消費ガス流量決定手段が、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値に基づいて第1最大消費ガス流量を決定する第1最大消費ガス流量決定工程と、
    第1供給装置決定手段が、圧縮ガスを生成するのに必要なコストと、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量と、圧縮ガスを供給する前記第1供給装置の数と、のうち少なくとも1つに応じて定まる評価指標に基づいて、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定する第1供給装置決定工程と、を有し、
    前記第1最大消費ガス流量決定工程は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第1消費装置の中から前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置を選択し、選択した前記第1消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第1最大消費ガス流量とすることを特徴とする設備稼動制御方法。
  14. 請求項1~1の何れか1項に記載の設備稼動制御システムの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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