JP7027819B2 - 設備稼動制御システム、設備稼動制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1には以下の技術が開示されている。まず、各生産設備で消費された圧縮空気の流量の時系列データと、各生産設備において圧縮空気を消費する工程のタクトタイムとを用いて、圧縮空気の総消費流量の時系列変化をシミュレートする。そして、シミュレートした結果から、圧縮空気の総消費流量が閾値以下になる区間の中で最大となる最大稼動有効区間と、最大稼動有効区間において各生産設備の最初と最後のタクト開始時間とを特定する。そして、複数の生産設備の何れかの動作を、最初のタクト開始時間で開始させ、最後のタクト開始時間で停止させることを最大稼動有効区間の周期で繰り返し行う。
以上のように特許文献1に記載の技術では、圧縮ガスの供給に使用する装置を自動的に決定することが容易ではない。
図1は、処理設備の構成の一例を示す図である。尚、図1では、本実施形態の説明に必要な部分のみを必要に応じて簡略化して示す。処理設備は、後述する設備稼動制御装置300が有する機能を実現することができる構成を有していれば、必ずしも図1に示す設備でなくてもよく、図1に示す処理設備に対し適宜、変更することができる。
以下の説明では、稼動要求ボタン103a~103eが押され、稼働要求がオンされている状態(稼働要求オン状態)を、必要に応じて待機状態と称する。尚、稼動要求がオフされた状態(稼働要求オフ状態)で噴射ボタン104a~104eが押された場合は、ショットブラスト装置101a~101eは圧縮空気を噴射する動作を行わない。
なお、圧力調整弁107は、ショットブラスト101a~101eで消費されない圧縮空気を他の系統(圧縮空気を利用する他の設備が接続された配管)へ排出するためのものであり、または、他の系統が存在しない場合は、大気中へ排出するためのものである。
以下の説明では、稼動要求ボタン111a~111cが押され、稼働要求がオンされている状態(稼働要求オン状態)を、必要に応じて待機状態と称する。尚、稼動要求がオフされた状態(稼働要求オフ状態)で噴射ボタン112a~112cが押された場合は、ショットピーニング装置109a~109cは圧縮空気を噴射する動作を行わない。
尚、以上の説明から明らかなように、図1において、各構成部を相互に繋ぐ線は、ショットブラスト装置101a~101eおよび操作盤102a~102eを相互に繋ぐ線と、ショットピーニング装置109a~109cおよび操作盤110a~110cを相互に繋ぐ線とを除いて配管を示す線である。また、ショットブラスト装置101a~101eおよび操作盤102a~102eを相互に繋ぐ線と、ショットピーニング装置109a~109cおよび操作盤110a~110cを相互に繋ぐ線は、通信線を示す。
次に、本発明者らが見出した知見について説明する。
図1に示す例おいて、5台のショットブラスト装置101a~101eの全てが稼働するのに必要な圧縮空気を供給すれば、5台のショットブラスト装置101a~101eが同時に稼働する場合、すなわち、5台全てのショットブラスト装置から同時に圧縮空気を噴射する場合でも圧縮空気の流量が不足することはない。または、5台のショットブラスト装置101a~101eのうち待機状態にある(稼働要求オン状態である)ショットブラスト装置の全てが稼働するのに必要な圧縮空気を供給すれば、待機状態にある全てのショットブラスト装置が同時に稼働する場合でも圧縮空気の流量が不足することはない。この場合は、前者に比べ圧縮空気の供給量を節約できる。
ところで、ショットブラスト処理では、1つの鋼材に対する処理が5分程度であり、1つの鋼材に対する処理が終了すると、次の鋼材に対する処理を開始できるようにするための準備時間がある。従って、ショットブラスト装置101a~101eでは、圧縮空気を5分程度噴射した後、準備期間の間は、圧縮空気の噴射は行われない。このように、ショットブラスト装置101a~101eは、比較的短周期で間欠的に圧縮空気を噴射する。
まず、待機状態にあるショットブラスト装置に対し、オペレータにより圧縮空気の噴射が指示された順に当該ショットブラスト装置から圧縮空気を噴射させる。そして、圧縮空気を噴射中(稼働中)のショットブラスト装置の数が、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値になると、それ以降は圧縮空気の噴射が指示されても、そのショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可しない。その後、稼働中のショットブラスト装置の数が、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値を下回ると、当該圧縮空気の噴射が指示されたショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可する。
以上のようにすれば、噴射が指示されたショットブラスト装置で消費される圧縮空気の流量が不足することを抑制しつつ、過剰な圧縮空気がショットブラスト装置に供給されることを抑制することができる。
図3は、設備稼動制御装置300の機能的な構成の一例を示す図である。設備稼動制御装置300のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、PLC(Programmable Logic Controller)、または専用のハードウェアを用いることにより実現することができる。以下に、本実施形態の設備稼動制御装置300が有する機能の一例を説明する。
図3において、設備稼動制御装置300は、事前設定部310と、SP(ショットピーニング)用コンプレッサ決定部320と、SB(ショットブラスト)用コンプレッサ決定部330と、SB稼動制御部340とを有する。
SP用コンプレッサ決定部320は、ショットピーニング装置109a~109cに対するコンプレッサ114a~114bから、使用するコンプレッサを決定する。
SB用コンプレッサ決定部330は、ショットブラスト装置101a~101eに対するコンプレッサ106a~106eから、使用するコンプレッサを決定する。
SB稼動制御部340は、ショットブラスト装置101a~101eの圧縮空気の噴射を制御する。
以下に、各部の機能の一例を詳細に説明する。
まず、事前設定部310が有する機能の詳細を説明する。
[設備データ入力部310a]
設備データ入力部310aは、設備データを入力する。設備データの入力の形態として、例えば、オペレータによるユーザインターフェースに対する設備データの入力操作、外部装置から送信された設備データの受信、および可搬型記憶媒体に記憶された設備データの読み出しの少なくとも何れか1つを採用することができる。
設備データは、ショットピーニング装置及びショットブラスト装置それぞれで単位時間当たり消費される圧縮空気の流量(消費空気流量)、コンプレッサの接続系統、コンプレッサの発停制限回数、それぞれのコンプレッサから単位時間当たり供給(生成)される圧縮空気の流量(供給空気流量)、電力単価、燃料ガス単価、それぞれのコンプレッサにおける消費電力又は消費燃料ガス量、および使用不可コンプレッサを含む。
消費電力は、電気駆動方式の各コンプレッサの消費電力である。燃料ガス単価は、燃料ガスの単位流量当たりのコストである。消費燃料ガス流量は、ガス駆動方式の各コンプレッサで単位時間当たりに消費する燃料ガスの流量である。
圧空生成コスト(円/h)は、電動駆動方式のコンプレッサについては、電力単価×消費電力により、ガス駆動方式のコンプレッサについては、燃料ガス単価×消費燃料ガス流量により計算される。
尚、電力単価や燃料ガス単価は変動するので、定期的に電力単価および燃料ガス単価を更新するのが好ましい。
負荷平準化情報入力部310bは、負荷平準化情報を入力する。負荷平準化情報の入力形態としては、例えば、設備データの入力形態と同じ形態を採用することができる。
負荷平準化情報は、待機状態のショットブラスト装置の数と、同時に稼働することができるショットブラスト装置(圧縮空気を同時に噴射することができるショットブラスト装置)の数の最大値との関係を示す。図1に示す例では、ショットブラスト装置101a~101eの数が5台である。従って、待機状態のショットブラスト装置の数は、最大で5台、最小で1台である。よって、待機状態のショットブラスト装置の数の候補としては、5台、4台、3台、2台、1台である。例えば、待機状態のショットブラスト装置の数が複数である場合には、待機状態のショットブラスト装置の数から「1」を減算した値を、当該複数のショットブラスト装置が待機状態にある場合の、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値とすることができる。
自動運転コンプレッサ選定部310cは、コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中から、自動運転する候補となるコンプレッサを選定する。自動運転とは、設備稼動制御装置300からの制御信号に基づいて、コンプレッサが運転を行うものである。尚、自動運転は、設備稼動制御装置300以外の装置からの制御信号に基づいて行われてもよい。自動運転コンプレッサ選定部310cは、コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中から使用不可コンプレッサを除外したものを自動運転する候補となるコンプレッサとして選定する。
なお、オペレータがユーザインターフェースに対して、使用不可コンプレッサの情報等を参照して、自動運転を行う候補となるコンプレッサを入力し、入力された情報から自動運転する候補となるコンプレッサとして選定してもよい。
次に、SP用コンプレッサ決定部320が有する機能の詳細を説明する。
[稼動要求ボタン操作判定部320a]
稼動要求ボタン操作判定部320aは、ショットピーニング装置109a~109cに対する現在の稼動要求のオン・オフの状態を判定する。例えば、稼動要求ボタン操作判定部320aは、オペレータが、稼動要求ボタン111a~111cを操作することが想定される予め設定された時間帯およびそれ以降において、ショットピーニング装置109a~109cに対する稼動要求がオンされている状態か否かを判定する。例えば、オペレータがショットピーニング装置109a~109cを用いた操業を交代して行う場合、予め設定された時間帯として、交代のタイミング(時刻)を含む所定の時間帯を採用することができる。このようにして稼動要求ボタン操作判定部320aは、ショットピーニング装置109a~109cのうち、稼動要求オン状態となったショットピーニング装置を特定する。SP用コンプレッサ決定部320の稼動要求ボタン操作判定部320a以外の構成部は、稼動要求のオン状態・オフ状態が変更される度に起動する。一方、稼動要求ボタン操作判定部320aによる処理は、所定の制御周期(例えば、0.001秒~0.1秒程度の十分に短い周期)で繰り返し実行される。
稼動予定台数計算部320bは、稼動要求ボタン操作判定部320aにより、ショットピーニング装置109a~109cのうち、稼働要求オン状態となった台数を積算し、その積算値を稼動予定台数とする。すなわち、稼働予定台数は、待機状態のショットピーニング装置の台数である。
最大消費空気流量計算部320cは、ショットピーニング装置109a~109cのうち待機状態であるショットピーニング装置(稼動要求ボタン操作判定部320aにより稼働要求オン状態であると判定されたショットピーニング装置)それぞれの消費空気流量を加算し、その合計値を最大消費空気量として計算する。ショットピーニング装置109a~109cにおけるそれぞれの消費空気流量は、設備データ入力部310aにより入力された設備データに含まれる情報である。
例えば、ショットピーニング装置109a、109b、109cにおける消費空気流量が、それぞれ、1000Nm3/h、2000Nm3/h、2500Nm3/hであり、ショットピーニング装置109b、109cの2台が待機状態である場合、ショットピーニング装置の最大消費空気流量は、4500Nm3/h(=2000Nm3/h+2500Nm3/h)になる。
コンプレッサ群選択部320dは、コンプレッサ114a~114bのうち、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、最大消費空気流量計算部320cで計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かを判定する。この判定の結果、ショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがない場合、コンプレッサ群選択部320dは、そのことを示す情報をコンピュータディスプレイに表示する。そして、自動運転処理を一旦中止する。この情報を見たオペレータは、自動運転する候補となるコンプレッサを変更する等の自動運転を再開するための操作を行うか、当面の間、自動運転を断念して手動運転に切り替える。自動運転を再開するための操作としては、例えば、コンプレッサの接続系統を変更して使用不可となっているコンプレッサを使用可能な状態にする。その後、オペレータにより自動運転を再開させると、自動運転する候補となるコンプレッサが変更されているため、コンプレッサ群選択部320dは、前述した判定(ショットピーニング装置の最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるコンプレッサの組み合わせがあるか否かの判定)をし直す。
余剰空気流量計算部320fは、コンプレッサ決定部320eにより、自動運転するコンプレッサが決定されると、当該決定されたコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、最大消費空気流量計算部320cにより計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量を減算した値を、余剰空気流量として計算する。例えば、コンプレッサ決定部320eにより、自動運転するコンプレッサとして、供給空気流量が5000Nm3/hであるコンプレッサ114bが決定され、最大消費空気流量計算部320cにより計算されたショットピーニング装置の最大消費空気流量が、4500Nm3/hである場合、余剰空気流量は、500Nm3/h(=5000Nm3/h-4500Nm3/h)になる。
次に、SB用コンプレッサ決定部330が有する機能の詳細を説明する。
[稼動要求ボタン操作判定部330a]
稼動要求ボタン操作判定部330aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する現在の稼動要求のオン・オフの状態を判定する。例えば、SP用コンプレッサ決定部320の稼動要求ボタン操作判定部320aと同様に、稼動要求ボタン操作判定部330aは、オペレータが、稼動要求ボタン103a~103eを操作することが想定される予め設定された時間帯およびそれ以降において、ショットブラスト装置101a~101eに対する稼動要求がオンされている状態か否かを判定して、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼動要求オン状態となったショットブラスト装置を特定する。
稼動予定台数計算部330bは、稼動要求ボタン操作判定部330aにより、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼働要求オン状態となった台数を積算し、その積算値を稼動予定台数とする。すなわち、稼働予定台数は、待機状態のショットブラスト装置の台数である。
最大同時稼動台数決定部330cは、負荷平準化情報入力部310bにより入力された負荷平準化情報と、稼動予定台数計算部330bにより計算された稼動予定台数とに基づいて、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値を、最大同時稼動台数として決定する。
最大消費空気流量計算部330dは、最大同時稼動台数決定部330cにより決定された最大同時稼動台数と、ショットブラスト装置101a~101eそれぞれの消費空気流量とに基づいて、ショットブラスト装置の最大消費空気流量を計算する。ショットブラスト装置101a~101eにおける消費空気流量は、設備データ入力部310aにより入力された設備データに含まれる情報である。
ショットブラスト装置の最大消費空気流量は、最大同時稼動台数のショットブラスト装置で消費される圧縮空気の流量のうち最大の流量である。
最大消費空気流量計算部330dは、ショットブラスト装置101a~101eにおける消費空気流量を、大きいものから順に最大同時稼動台数だけ取り出し、取り出した消費空気流量の加算値を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として計算する。
最大消費空気流量確定部330eは、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量から、余剰空気流量計算部320fにより出力された余剰空気流量を減算した値を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。例えば、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量が15000Nm3/hであり、余剰空気流量計算部320fにより出力された余剰空気流量が500Nm3/hである場合、最大消費空気流量確定部330eは、14500Nm3/h(=15000Nm3/h-500Nm3/h)を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。尚、余剰空気流量が「0(ゼロ)」である場合、最大消費空気流量確定部330eは、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量をそのままショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。
コンプレッサ群選択部330f、コンプレッサ決定部330gの機能は、それぞれ、コンプレッサ群選択部320d、コンプレッサ決定部330eの機能を、ショットブラスト装置101e~101fに対するコンプレッサ106a~106eに適用したものである。
J=k1×N+k2×ΔF ・・・(1)
(1)式において、Nは、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサの数である。ΔFは、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、ショットブラスト装置の最大消費空気流量を減算した値である。k1、k2は、重み係数であり、N、ΔFの重要度に応じて予め設定される。例えば、NをΔFよりも重要な指標とする場合には、k1の値をk2の値よりも大きくする。
コンプレッサ決定部330gは、以上のようにしてショットブラスト装置101a~101eに対して使用するコンプレッサとして決定する。
待機状態(稼働要求オン状態)が継続しているにもかかわらず、所定の時間(例えば、1時間又は2時間)以上稼働していない(噴射ボタンが押されて圧縮空気の噴射がオン状態にされていない)状態が継続しているショットブラスト装置については、オペレータが稼働要求をオフ状態とする操作(稼働要求ボタンを押す操作)を忘れてしまっている等の理由が考えられる。このようなショットブラスト装置の稼働要求は、本来は、オフの状態にすべき稼動要求であると見なすことができる。そこで、このような状態のショットブラスト装置を特定するために、操作状態継続判定部330hは、待機状態にあるショットブラスト装置101a~101eの中に、所定の時間以上稼働していないショットブラスト装置があるか否かを判定する。
稼動要求ボタン変更部330iは、操作状態継続判定部330hにより、待機状態のショットブラスト装置101a~101eの中に、本来、稼働要求オフ状態とすべきショットブラスト装置があると判定されると、当該稼動要求をオペレータによる操作によらずに自動的に(強制的に)オフ状態にするための処理を行う。
以上のようにして稼動要求が自動的に(強制的に)オフされると、稼動要求オン状態のショットブラスト装置の数が少なくなる。そうすると、稼動予定台数が変更されるため、コンプレッサ群の決定(最大同時稼動台数決定部330c~コンプレッサ決定部330gの処理)をし直す必要がある。しかしながら、稼動要求オン状態のショットブラスト装置の数が少なくなると、コンプレッサ決定部330gで決定し直されるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量(すなわち、決定し直されるコンプレッサ群から供給される圧縮空気の流量)の合計値は小さくなる。従って、コンプレッサ決定部330gで決定し直されるコンプレッサ群から供給される空気流量の合計値が、稼動要求が自動的にオフされた時点で稼働中の(圧縮空気を噴射している最中の)ショットブラスト装置の消費空気流量の合計値を下回る虞がある。この場合、投射材を正常に投射できない等の不具合を生じる虞がある。
稼動予定台数変更部330kは、稼動予定台数変更判定部330jにより、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができると判定されると、元の稼働予定台数の値(稼働予定台数の現在値)から「1」を減算した値を稼動予定台数の変更値として最大同時稼動台数決定部330cに出力する。
以降、稼動予定台数の変更値を用いて、最大同時稼動台数決定部330c~コンプレッサ決定部330gの処理が前述したようにして行われることにより、ショットブラスト装置101a~101eに対して使用するコンプレッサが決定し直される。
次に、SB稼動制御部340が有する機能の詳細を説明する。
[噴射ボタン操作判定部340a]
噴射ボタン操作判定部340aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eの何れかが押され、圧縮空気の噴射がオン状態にされたか否かを判定する。また、噴射ボタン操作判定部340aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eが押され、圧縮空気の噴射がオフ状態にされたか否かを判定する。
[噴射可否判定部340b]
噴射可否判定部340bは、噴射ボタン操作判定部340aにより圧縮空気の噴射がオン状態にされたと判定された噴射ボタンに対応するショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可するか否かを判定する。具体的に噴射可否判定部340bは、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼働中(圧縮空気を噴射中)のショットブラスト装置の数が、最大同時稼動台数決定部330cで決定された最大同時稼動台数(の最新値)と同じ場合(最大同時稼動台数決定部330cで決定された最大同時稼動台数(の最新値)以上の場合)に、噴射ボタン操作判定部340aにより圧縮空気の噴射がオン状態にされたと判定された噴射ボタンに対応するショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可しないと判定する。稼働中のショットブラスト装置の数が最大同時稼動台数(の最新値)と同じ場合、それ以上ショットブラスト装置を稼働させると、稼働中の全ショットブラスト装置に必要な流量の圧縮空気を供給することができないからである。
図4は、各ショットブラスト装置(SB1~SB5)における圧縮空気を噴射中の期間を示す図である。図4(a)は比較例を示し、図4(b)は発明例を示す。ここでは、ショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB5の4台が待機状態であり、最大同時稼動台数が3台である場合を例に挙げて説明する。尚、ショットブラスト装置SB1、SB2、SB3、SB4、SB5は、それぞれ、ショットブラスト装置101a、101b、101c、101d、101eに対応するものとする(このことは以降でも同じである)。
噴射指示部340dは、噴射可否判定部340bにより、ショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射を許可すると判定されると、当該ショットブラスト装置から圧縮空気を噴射するよう指示する。
尚、本実施形態では、最大消費空気流量確定部330eにより決定された最大消費空気流量以上の流量の圧縮空気を供給することができるように、コンプレッサ決定部330gによりコンプレッサ群(使用するコンプレッサ)が決定される。従って、待機状態のショットブラスト装置の数が最大同時稼動台数以下であれば、圧縮空気を噴射中のショットブラスト装置(図4(b)に示す例では、ショットブラスト装置SB1~SB3)のうち、どのショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射が終了し、待機状態のどのショットブラスト装置からの圧縮空気の噴射が開始しても、圧縮空気を噴射中のショットブラスト装置(図4(b)に示す例では、SB2、SB3、SB5)の供給空気流量の合計値以上の流量のコンプレッサから供給することができる。
次に、以上詳しく説明した設備稼動制御装置300のSB用コンプレッサ決定部330およびSB稼動制御部340の機能により実現される結果の一例を概念的に説明する。図5は、ショットブラスト装置101a~101e(SB1~SB5)の状態、および、コンプレッサ106a~106eの供給空気流量と、時間との関係の一例を概念的に示す図である。
ここでは、ショットブラスト装置101a(SB1)、101b(SB2)、101c(SB3)、101d(SB4)、101e(SB5)における消費空気流量が、それぞれ、3000Nm3/h、4000Nm3/h、5000Nm3/h、5000Nm3/h、6000Nm3/hであるものとする。また、コンプレッサ106a、106b、106c、106d、106eの供給空気流量が、それぞれ、2500Nm3/h、4500Nm3/h、5500Nm3/h、6500Nm3/h、10000Nm3/hであるものとする。また、最大同時稼動台数は、待機状態のショットブラスト装置の数から「1」を減算した値であるものとする(ただし、待機状態のショットブラスト装置の数が「1」である場合、最大同時稼動台数は「1」とする)。また、余剰空気流量は「0(ゼロ)」であるものとする。また、コンプレッサ106a~106eの起動回数に制限はなく、コンプレッサ106a~106eは自動運転されるものとする。
図6は、ショットブラスト装置に対するコンプレッサにおける供給空気流量、および、ショットブラスト装置における消費空気流量と、時間との関係の一例を示す図である。図6は、本実施形態の設備稼動制御装置300の機能を、実際の鋼管工場に適用した結果を示す。
次に、本実施形態の設備稼動制御装置300の動作の一例を説明する。
まず、図7のフローチャートを参照しながら、事前設定部310の動作の一例を説明する。尚、図7のフローチャートは、例えば、所定の制御周期で繰り返し実行される。ただし、各ステップにおいて、データが入力されない場合、当該ステップの処理は省略されるものとする。
まず、ステップS701において、設備データ入力部310aは、設備データを入力する。
次に、ステップS702において、負荷平準化情報入力部310bは、負荷平準化情報(待機状態のショットブラスト装置の数と、同時に稼働することができるショットブラスト装置の数の最大値との関係)を入力する。
次に、ステップS703において、自動運転コンプレッサ選定部310cは、コンプレッサ106a~106e、114a~114bの中から、自動運転する候補となるコンプレッサを選定する(全コンプレッサの中から使用不可コンプレッサを除外する)。
そして、図7のフローチャートによる処理が終了する。
まず、ステップS801において、稼動要求ボタン操作判定部320aは、ショットピーニング装置109a~109cのうち、稼動要求オン状態となったショットピーニング装置を特定する。
次に、ステップS803において、最大消費空気流量計算部320cは、ステップS802で計算された稼動予定台数と、ショットピーニング装置109a~109cにおける消費空気流量とに基づいて、ショットピーニング装置の最大消費空気流量を計算する。
次に、ステップS806において、コンプレッサ決定部320eは、ステップS805で選択されたコンプレッサ群に含まれる全てのコンプレッサに対する圧空生成コストの合計値を、ステップS805で選択されたコンプレッサ群のそれぞれについて計算し、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとして決定する。
そして、図8のフローチャートによる処理が終了する。
まず、ステップS901において、稼動要求ボタン操作判定部330aは、ショットブラスト装置101a~101eのうち、稼動要求オン状態となったショットブラスト装置を特定する。
次に、ステップS903において、最大同時稼動台数決定部330cは、図7のステップS702で入力された負荷平準化情報と、ステップS902で計算された稼動予定台数とに基づいて、圧縮空気を同時に噴射することができるショットブラスト装置の数の最大値を、最大同時稼動台数として決定する。
次に、ステップS905において、最大消費空気流量確定部330eは、ステップS904で計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量から、図8のステップS820で出力された余剰空気流量を減算した値を、ショットブラスト装置の最大消費空気流量として決定する。なお、ステップS905において、以上の処理に代えて、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの供給空気流量の合計値(コンプレッサの合計供給空気流量)のそれぞれに余剰空気流量を加算する処理が行われてもよい。
なお、ステップS906において、以上の判定に代えて、コンプレッサ群選択部330fは、自動運転コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせの中に、前述したコンプレッサの合計供給空気流量に余剰空気流量を加算した値が、ステップS904で計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量以上になる組み合わせがあるか否かを判定してもよい。
まず、ステップS1001において、操作状態継続判定部330hは、ショットブラスト装置101a~101eの中に待機状態が継続しているにもかかわらず所定の時間以上稼働していないショットブラスト装置があるか否かを判定する。
一方、待機状態のショットブラスト装置101a~101eの中に、所定の時間以上稼働していない状態が継続しているショットブラスト装置がある場合、処理は、ステップS1002に進む。
次に、ステップS1003において、稼動予定台数変更判定部330jは、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができるか否かを判定する。その結果、否と判定された場合は、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができるようになるまで待機する。そして、稼働中のショットブラスト装置の数が減り、ショットブラスト装置の稼動予定台数を変更することができるようになると、処理は、ステップS1004に進む。
まず、ステップS1101において、噴射ボタン操作判定部340aは、ショットブラスト装置101a~101eに対する噴射ボタン104a~104eの何れかが押され、圧縮空気の噴射がオン状態にされたか否かを判定する。この判定の結果、噴射ボタン104a~104eがオンされていない場合、図11のフローチャートによる処理は終了する。
そして、図11のフローチャートによる処理が終了する。
以上のように本実施形態では、設備稼動制御装置300は、供給空気流量の合計値が、ショットブラスト装置101a~101eのうち、待機状態のショットブラスト装置の数よりも少ない数である最大同時稼動台数のショットブラスト装置における消費空気流量の合計値を上回るように、コンプレッサ106a~106eの中から使用するコンプレッサを決定する。このとき、設備稼動制御装置300は、消費空気流量が大きいものから順に最大同時稼動台数のショットブラスト装置を選択し、選択したショットブラスト装置における消費空気流量の合計値を、最大同時稼動台数のショットブラスト装置における消費空気流量の合計値とする。従って、ショットブラスト装置に対し可及的に過不足なく圧縮空気を供給することができるように、コンプレッサを自動的に決定することができる。
<変形例1>
本実施形態では、ショットピーニング装置に対するコンプレッサ114a~114bのうち、使用するコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、ショットピーニング装置の最大消費空気流量を減算した値を、余剰空気流量とする場合を例に挙げて説明した。このようにすれば前述したように、ショットブラスト装置101a~101eに対して供給する圧縮空気の流量が不足することを簡便に抑制することができる。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、余剰空気流量計算部320fは、コンプレッサ114a~114bにおける供給空気流量と、ショットピーニング装置109a~109cにおける消費空気流量と、流量計の測定値とに基づいて、各時刻における余剰空気流量を計算し、最大消費空気流量確定部330eは、現在時刻における余剰空気流量を、最大消費空気流量計算部330dにより計算されたショットブラスト装置の最大消費空気流量から減算してもよい。
<変形例2>
本実施形態では、ショットブラスト装置101a~101eに対し、ショットピーニング装置109a~109cで使用されない余剰の圧縮空気を供給する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態の手法は、ショットピーニング装置109a~109cで使用されない余剰の圧縮空気をショットブラスト装置101a~101eに供給しない場合にも適用することができる。このようにする場合、設備稼動制御装置300の機能のうち、ショットピーニング装置109a~109cに係る機能(SP用コンプレッサ決定部320の機能等)は不要になる。
本実施形態では、圧空生成コストの合計値が最低になるコンプレッサ群に含まれるコンプレッサを、自動運転するコンプレッサとする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、自動運転するコンプレッサを決定するための評価指標は、圧空生成コストの合計値に限定されない。例えば、圧空生成コストの合計値に代えてまたは加えて、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサの数と、コンプレッサ群に含まれるコンプレッサにおける供給空気流量の合計値から、ショットブラスト装置の最大消費空気流量を減算した値との少なくとも何れか一方を評価指標として用いてもよい((1)式も参照)。
本実施形態では、コンプレッサ106a~106e、114a~114bが自動運転する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、例えば、以下のようにすることもできる。すなわち、起動回数に制限がある運転中のコンプレッサについて、コンプレッサの起動回数をカウントし、起動回数が発停制限回数を上回っている場合、コンプレッサを自動運転の対象から外し、手動運転に切り替えることができる。この場合、コンプレッサ群選択部330fは、当該コンプレッサが、コンプレッサ選定部310cにより自動運転する候補として選定されたコンプレッサの組み合わせに含まれるものとして、ショットブラスト装置の最大消費空気流量との比較(ステップS906の判定)を行う。
本実施形態では、1つの装置(設備稼動制御装置300)で設備稼動制御システムを構成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、図3に示した各構成部の機能(例えば、事前設定部310、SP用コンプレッサ決定部320、SB用コンプレッサ決定部330、SB稼動制御部340の少なくとも何れか1つの機能)を別のハードウェアで構成し、設備稼動制御システムとしてもよい。
本実施形態では、処理設備は、圧縮空気を消費する装置として、ショットブラスト装置を有していなくてもよい。例えば、製品に付着した埃等を除去するためのエアガンを、圧縮空気を消費する装置としてもよい。また、空気に替えて、例えば窒素などの不活性ガスを用いてもよく、圧縮空気以外の圧縮ガスを用いてもよい(圧縮空気は、圧縮ガスの一形態である)。
以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
Claims (14)
- 圧縮ガスを供給する複数の第1供給装置と、
圧縮ガスを間欠的に消費して処理設備における処理を実行するために動作する3つ以上の第1消費装置と、
前記第1消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することをオペレータが指示するための第1操作部と、当該第1消費装置の状態を、当該第1消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることをオペレータが指示するための第2操作部と、を有する第1操作装置と、
を有する処理設備において、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを含む処理を実行する設備稼動制御システムであって、
前記待機状態の前記第1消費装置の数が複数である場合に、前記待機状態の前記第1消費装置の数よりも少ない数を、最大同時稼動台数として決定する最大同時稼動台数決定手段と、
前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値に基づいて第1最大消費ガス流量を決定する第1最大消費ガス流量決定手段と、
圧縮ガスを生成するのに必要なコストと、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量と、圧縮ガスを供給する前記第1供給装置の数と、のうち少なくとも1つに応じて定まる評価指標に基づいて、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定する第1供給装置決定手段と、を有し、
前記第1最大消費ガス流量決定手段は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第1消費装置の中から前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置を選択し、選択した前記第1消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第1最大消費ガス流量とすることを特徴とする設備稼動制御システム。 - 前記最大同時稼動台数決定手段は、前記待機状態の前記第1消費装置の数から予め設定された値を減算した値を、前記最大同時稼動台数として決定することを特徴とする請求項1に記載の設備稼動制御システム。
- 前記複数の第1供給装置の少なくとも2つは、圧縮ガスを生成するのに必要なコストが相互に異なり、
前記第1供給装置決定手段は、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記コストに応じて定まる評価指標に基づいて、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の設備稼動制御システム。 - 前記第1供給装置決定手段は、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、当該合計値に応じて定まる評価指標に基づいて、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。
- 前記第1操作部の操作の内容を判定する第1操作部判定手段と、
圧縮ガスを消費中の前記第1消費装置の数と、前記最大同時稼動台数とに基づいて、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置における圧縮ガスの消費の可否を判断する消費可否判定手段と、
前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置に対し圧縮ガスの消費を指示する消費指示手段と、
前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置における圧縮ガスの消費を不許可にする消費不許可手段と、を更に有し、
前記消費可否判定手段は、圧縮ガスを消費中の前記第1消費装置の数が、前記最大同時稼動台数以上である場合に、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置において圧縮ガスを消費することができないと判定し、そうでない場合に、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置において圧縮ガスを消費することができると判定し、
前記消費不許可手段は、前記消費可否判定手段により、前記第1操作部の操作により圧縮ガスを消費することが指示された前記第1消費装置において圧縮ガスを消費することができないと判定された場合に、当該第1消費装置における圧縮ガスの消費を不許可にし、
前記消費指示手段は、前記消費不許可手段により前記第1消費装置における圧縮ガスの消費が不許可された後、前記消費可否判定手段により、当該第1消費装置において圧縮ガスを消費することができると判定された場合に、当該第1消費装置に対し圧縮ガスの消費を指示することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。 - 前記第2操作部の操作によって、前記第1消費装置が前記待機状態であることが継続しているときに、前記第1操作部の操作により当該第1消費装置による圧縮ガスの消費の指示が所定の時間なされていないか否かを判定する第2操作部判定手段と、
前記第2操作部判定手段により、前記第1消費装置が前記待機状態であることが継続しているときに、前記第1操作部の操作により当該第1消費装置による圧縮ガスの消費の指示が所定の時間なされていないと判定された場合、当該第1消費装置に対する前記第2操作部の操作を無効にして、当該第1消費装置の状態を前記待機状態になる前の状態に変更する第2操作部変更手段と、を更に有することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。 - 前記第2操作部変更手段により、前記第1消費装置の状態が前記待機状態になる前の状態に変更されることにより、前記待機状態の前記第1消費装置の数が変更されると、前記最大同時稼動台数を変更できるか否かを判定する変更可否判定手段を更に有し、
前記変更可否判定手段は、前記第2操作部変更手段による変更後の前記待機状態の前記第1消費装置の数と、圧縮ガスを消費中の前記第1消費装置の数とに基づいて、前記最大同時稼動台数を変更できるか否かを判定し、
前記最大同時稼動台数決定手段は、前記変更可否判定手段により、前記最大同時稼動台数を変更できると判定されると、前記第2操作部変更手段により変更された後の前記待機状態の前記第1消費装置の数に基づいて、前記最大同時稼動台数を決定し直すことを特徴とする請求項6に記載の設備稼動制御システム。 - 前記第1供給装置は、コンプレッサであり、
前記第1消費装置は、ショットブラスト装置であることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。 - 前記処理設備は、前記第1供給装置よりも高い圧力の圧縮ガスを供給する1つ以上の第2供給装置と、
圧縮ガスを消費して前記処理設備における処理を実行するために動作する1つ以上の第2消費装置と、を更に有し、
前記第2供給装置により供給される圧縮ガスのうち、前記第2消費装置で消費されなかった圧縮ガスの少なくとも一部を余剰ガスとして前記第1消費装置に供給し、
前記第1最大消費ガス流量決定手段は、前記余剰ガスがある場合には、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値から前記余剰ガスの流量を減算した値を前記第1最大消費ガス流量とすることと、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置に供給する圧縮ガスの流量の合計値に前記余剰ガスの流量を加算した値を前記第1最大消費ガス流量とすることとの何れかを行うことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。 - 前記処理設備は、前記第2消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することを指示するための第3操作部と、当該第2消費装置の状態を、当該第2消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることを指示するための第4操作部と、を有する第2操作装置を更に有し、
前記設備稼動制御システムは、前記待機状態の前記第2消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値を第2最大消費ガス流量として決定する第2最大消費ガス流量決定手段と、
前記第2供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値から、前記第2最大消費ガス流量を減算した値を前記余剰ガスの流量として計算する余剰ガス流量計算手段と、を更に有することを特徴とする請求項9に記載の設備稼動制御システム。 - 前記第2供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第2最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第2供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第2供給装置を決定する第2供給装置決定手段を更に有し、
前記第2最大消費ガス流量決定手段は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第2消費装置の数と同じ数の前記第2消費装置を選択し、選択した前記第2消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第2最大消費ガス流量とし、
前記余剰ガス流量計算手段は、前記第2供給装置決定手段により決定された前記第2供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値から、前記第2最大消費ガス流量を減算した値を前記余剰ガスの流量とすることを特徴とする請求項10に記載の設備稼動制御システム。 - 前記第2供給装置は、コンプレッサであり、
前記第2消費装置は、ショットピーニング装置であることを特徴とする請求項9~11の何れか1項に記載の設備稼動制御システム。 - 圧縮ガスを供給する複数の第1供給装置と、
圧縮ガスを間欠的に消費して処理設備における処理を実行する3つ以上の第1消費装置と、
前記第1消費装置のそれぞれに対して配置される操作装置であって、それぞれが、圧縮ガスを消費することをオペレータが指示するための第1操作部と、当該第1消費装置の状態を、当該第1消費装置に圧縮ガスが供給され圧縮ガスの消費が可能になる状態である待機状態にすることをオペレータが指示するための第2操作部と、を有する第1操作装置と、
を有する処理設備において、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定することを含む処理を実行する設備稼動制御方法であって、
最大同時稼動台数決定手段が、前記待機状態の前記第1消費装置の数が複数である場合に、前記待機状態の前記第1消費装置の数よりも少ない数を、最大同時稼動台数として決定する最大同時稼動台数決定工程と、
第1最大消費ガス流量決定手段が、前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置で消費される圧縮ガスの流量の合計値に基づいて第1最大消費ガス流量を決定する第1最大消費ガス流量決定工程と、
第1供給装置決定手段が、圧縮ガスを生成するのに必要なコストと、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量と、圧縮ガスを供給する前記第1供給装置の数と、のうち少なくとも1つに応じて定まる評価指標に基づいて、前記第1供給装置から供給される圧縮ガスの流量の合計値が、前記第1最大消費ガス流量を上回るように、前記複数の第1供給装置の中から、圧縮ガスの供給に使用する前記第1供給装置を決定する第1供給装置決定工程と、を有し、
前記第1最大消費ガス流量決定工程は、圧縮ガスを消費する流量が大きいものから順に前記待機状態の前記第1消費装置の中から前記最大同時稼動台数の前記第1消費装置を選択し、選択した前記第1消費装置で消費する圧縮ガスの流量の合計値を、前記第1最大消費ガス流量とすることを特徴とする設備稼動制御方法。 - 請求項1~12の何れか1項に記載の設備稼動制御システムの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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