JP7025306B2 - 貸金庫用保護箱の施解錠装置 - Google Patents

貸金庫用保護箱の施解錠装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7025306B2
JP7025306B2 JP2018162955A JP2018162955A JP7025306B2 JP 7025306 B2 JP7025306 B2 JP 7025306B2 JP 2018162955 A JP2018162955 A JP 2018162955A JP 2018162955 A JP2018162955 A JP 2018162955A JP 7025306 B2 JP7025306 B2 JP 7025306B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lock
plate
magnet
safe deposit
deposit box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018162955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020033807A (ja
Inventor
智昭 松中
康仁 藤懸
Original Assignee
株式会社熊平製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社熊平製作所 filed Critical 株式会社熊平製作所
Priority to JP2018162955A priority Critical patent/JP7025306B2/ja
Publication of JP2020033807A publication Critical patent/JP2020033807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7025306B2 publication Critical patent/JP7025306B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lock And Its Accessories (AREA)

Description

本発明は、例えば各種金融機関等に設けられる貸金庫用保護箱の施解錠装置に関し、特に、利用者が保護箱に非接触で施解錠可能にする構造の技術分野に属する。
従来から、全自動貸金庫システムは、利用者毎に用意された保護箱と、多数の保護箱を収容する貸金庫室と、貸金庫室にある保護箱を利用者のブースまで搬送する搬送機構と、ブースに設置された保護箱利用口とを備えている。利用者がブースで所定の呼び出し操作を行うことで搬送機構が当該利用者の保護箱をブースの保護箱利用口まで搬送し、保護箱が保護箱利用口まで搬送されると、保護箱利用口のシャッター扉が開放されて利用者が保護箱利用口から保護箱を利用することができるようになる。
各保護箱には、利用者のみが開けることができるようにするための錠が設けられている。この錠を、利用者が保護箱に触ることなく自動で施解錠する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、各保護箱にデータ通信手段と電気錠とを設けておき、ブース機器と保護箱のデータ通信手段とを通信させて正規の利用者であると判定された場合には、電気錠の第1ソレノイドによってかんぬきの移動規制を解除した後、第2ソレノイドによってかんぬきの解錠方向に移動させるようにしている。
特許第4960805号公報
ところで、特許文献1のように利用者が保護箱に非接触で施解錠可能にする錠が知られているが、特許文献1では、各保護箱にデータ通信手段と、電気錠とを設けなければならず、保護箱のコストが上昇する。特に電気錠が第1ソレノイド、第2ソレノイド、リンク、バネ等を含んでおり、部品点数が多く、可動部も多いので、コストの更なる上昇要因となり得る。全自動貸金庫システムにおいては、1つのシステムに保護箱が数十から数百個程度設置されることがあり、保護箱の単価が上昇すると、全自動貸金庫システム全体のコスト上昇幅が大きくなってしまう。よって、保護箱の単価を低減したいという強い要求がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、保護箱のセキュリティ低下を招くことなく保護箱の低コスト化を図り、ひいては全自動貸金庫システムの導入コストを低減することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、往復動可能な複数の磁石を用いた磁気錠ユニットを保護箱に設け、この磁気錠ユニットを電磁石の磁力によって解錠する磁気鍵ユニットをブース機器側に設けるようにして1つの磁気鍵ユニットで複数の磁気錠ユニットの解錠を可能にした。
第1の発明は、全自動貸金庫システムの貸金庫用保護箱を施解錠する貸金庫用保護箱の施解錠装置において、前記貸金庫用保護箱に設けられた磁気錠ユニットと、前記全自動貸金庫システムのブース機器に設けられ、前記ブース機器が有する保護箱利用口に収容されている前記貸金庫用保護箱の前記磁気錠ユニットを解錠する磁気鍵ユニットとを備え、前記磁気錠ユニットは、複数の磁石と、該磁石を往復動可能に支持する磁石支持板と、前記磁石が差し込まれて係合するロック孔を有するロック板とを備え、前記磁気鍵ユニットは、前記磁気錠ユニットの複数の前記磁石にそれぞれ対応するように配置された複数の電磁石を備え、前記貸金庫用保護箱がブース内の利用者のものであると判定される場合に、前記磁石が前記ロック孔から抜けた非ロック位置となるように前記電磁石に電流を供給する解錠制御を行うように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、貸金庫用保護箱を貸金庫室に保管している間は貸金庫用保護箱の蓋の開放が不可能な状態としておき、ロック板のロック孔に磁気錠ユニットの磁石を差し込むことができ、ロック孔に磁石を差し込むことで、ロック板が磁石支持板に対して固定されて相対移動が不可能になる。これにより、利用者以外の者による蓋の開放が防止される。
磁気錠ユニットには複数の磁石が設けられているので、例えば1つの磁石のみ一方向に移動させてロック孔に差し込むパターン、2つの磁石を一方向に移動させてロック孔に差し込むパターン等、複数の解錠パターンの形成が可能になる。これにより、貸金庫用保護箱毎に異なる解錠パターンで施錠ができ、高いセキュリティが担保される。
一方、ブース内の利用者が所定の操作を行い、貸金庫用保護箱がブース内の利用者のものである場合には、磁気鍵ユニットが電磁石に電流を供給して磁気錠ユニットの磁石をロック孔から抜き、非ロック位置にする。これにより、ロック板が磁石支持板に対して移動可能になるので、利用者が蓋を開放して物品の投入や取り出しが行えるようになる。
施錠時には、磁石がロック孔に差し込まれるように、外部から磁力を与えるか、磁石を外部の磁性体に吸着させればよいので、容易に施錠することができる。
つまり、複数の磁石を往復動可能に磁石支持板に設けるとともに、ロック部材を磁石支持板に対して相対移動可能に設けるという簡単な構成にした上で、ブース機器側の磁気鍵ユニットの電磁石で解錠動作を行うことができるので、従来例のようなデータ通信手段は不要になる。また、磁気錠ユニットの解錠パターンに合わせて電磁石を制御すればよいので、1つの磁気鍵ユニットで複数の磁気錠ユニットの解錠が可能になる。よって、保護箱の低コスト化を図ることができる。
第2の発明は、前記ロック板は、第1のロック板と第2のロック板とを含んでおり、前記第1のロック板は、前記磁石支持板の厚み方向一方側の面に重なるように配置され、前記第2のロック板は、前記磁石支持板の厚み方向他方側の面に重なるように配置され、前記磁石支持板には、第1の磁石を支持する第1の支持孔と、第2の磁石を支持する第2の支持孔とが前記磁石支持板を厚み方向に貫通するように形成され、前記第1のロック板には、前記第1の磁石が差し込まれて係合する第1のロック孔が形成され、前記第2のロック板には、前記第2の磁石が差し込まれて係合する第2のロック孔が形成されていることを特徴とする。
すなわち、ロック板のロック孔に磁石を差し込むことによって施錠状態にする構成では、ロック板が1枚だけであると、全ての磁石を例えば外部から磁性体によって同じ方向に移動させて全てのロック孔から抜くことが可能になり、その結果、解錠が可能になるおそれがある。つまり、不正解錠されるおそれがある。
これに対し、本発明では、磁石支持板の両側にそれぞれ第1のロック板及び第2のロック板が位置することになるので、例えば全ての磁石を第1のロック板側へ向けて移動させた場合には、第1のロック孔に第1の磁石が差し込まれて施錠状態が維持され、また、全ての磁石を第2のロック板側へ向けて移動させたとしても、第2のロック孔に第2の磁石が差し込まれて施錠状態が維持されることになる。よって、不正解錠される確率が大幅に低下する。
第3の発明は、前記第1のロック孔は、前記第1の磁石における前記第1のロック孔に差し込まれる部分の外形状に対応した形状とされ、前記第1のロック板には、前記第2のロック孔に対応する部分に、前記第2の磁石が差し込み可能な穴が、前記第1のロック板の前記磁石支持板に対する相対移動が可能となるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2の磁石を電磁石の磁力によって第2のロック孔から抜く方向に移動させると、第1のロック板における第2のロック孔に対応する部分に穴が形成されているので、第2の磁石が第1のロック板の穴に差し込まれることになる。この穴は、第1のロック板の磁石支持板に対する相対移動を可能にする穴なので、第2の磁石が穴に差し込まれた状態であっても第1のロック板の移動を阻害することはない。
第4の発明は、前記磁気錠ユニットは、複数の前記磁石の全てを吸引して同方向に移動させる磁性体からなるリセット板を有しており、前記リセット板は、複数の前記磁石の全てに吸引力を作用させるリセット位置と、複数の前記磁石の全てに吸引力を作用させない非リセット位置とに切り替えられることを特徴とする。
この構成によれば、リセット板をリセット位置にすることで、全ての磁石を同方向に移動させることができるので、少なくとも一部の磁石をロック孔に差し込んで施錠状態にすることができる。一方、解錠する際には、リセット板を非リセット位置にすることでリセット板の吸引力が全ての磁石に影響しなくなるので、電磁石による解錠動作が可能になる。
第5の発明は、前記ロック板に連動し、前記貸金庫用保護箱の蓋を開放可能な状態と開放不可能な状態とに切り替えるかんぬき部材を備え、前記かんぬき部材が前記貸金庫用保護箱の蓋を開放不可能な状態とする位置にあるときに、前記リセット板がリセット位置に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、蓋の開放が不可能な位置にかんぬき部材があるときに、リセット板によって複数の磁石の全てを同方向に移動させて施錠状態にしておくことができる。
第6の発明は、前記かんぬき部材を利用者が前記貸金庫用保護箱の外部から操作するための操作部材が設けられており、前記操作部材には、前記リセット板を操作するリセット板操作部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、かんぬき部材を操作するための操作部材に、リセット板操作部があるので、利用者がかんぬき部材の操作を行おうとするときに、リセット板を操作して非リセット位置にすることができる。これにより、電磁石による解錠動作が可能になる。
尚、操作部材の操作方向と、リセット板操作部の操作方向とは、互いに異なる方向であってもよい。
第7の発明は、前記かんぬき部材を、前記貸金庫用保護箱の蓋の開放が不可能な位置から開放が可能な位置に移動させる際の前記操作部材の操作方向と、前記リセット板をリセット位置から非リセット位置に移動させる際の前記リセット板操作部の操作方向とは同方向とされていることを特徴とする。
この構成によれば、蓋を開放するためにかんぬき部材を移動させる際の操作部材の操作方向と、リセット板を非リセット位置に移動させる際のリセット板操作部の操作方向とが同じになるので、利用者の操作性を良好にすることができる。
本発明によれば、複数の磁石を有する磁気錠ユニットと、それら磁石に対応する複数の電磁石を有する磁気鍵ユニットとで貸金庫用保護箱を施解錠することができるので、保護箱のセキュリティ低下を招くことなく貸金庫用保護箱の低コスト化を図ることができ、ひいては全自動貸金庫システムの導入コストを低減できる。
本発明の実施形態に係る全自動貸金庫システムの概略構成を示す図である。 全自動貸金庫システムの概略構成を示すブロック図である。 貸金庫用保護箱の一部を破断した状態で示す斜視図である。 保護箱利用口に収容されている貸金庫用保護箱と磁気鍵ユニットとの位置関係を示す斜視図である。 磁気錠ユニットと操作ユニットとを貸金庫用保護箱の本体から取り外した状態を示す図3相当図である。 磁気錠ユニットの斜視図である。 手前側ロック板と奥側ロック板の斜視図である。 奥側ロック板単体の斜視図である。 リセット板単体の斜視図である。 磁石支持板単体の斜視図である。 磁気鍵ユニットを奥側から見た図である。 施錠状態を示し、図6におけるXII-XII線に相当する断面を簡略化した図である。 解錠状態を示しており、図12Aに相当する図である。 かんぬき部材が施錠状態にあり、リセット板が非リセットにある状態を示す図3相当図である。 リセット板が非リセットにある状態を示す図6相当図である。 かんぬき部材が解錠状態にある場合の図3相当図である。 ロック板が解錠方向に移動した場合の図6相当図である。 かんぬき部材が解錠状態にあるときに操作ボタンから指を離した場合を示す図3相当図である。 図16に示す状態からリセット板が所定量だけ戻った状態を示す図6相当図である。 インターロックユニットが非作動状態にある場合を説明する図であり、かんぬき部材とインターロックユニットと示す。 インターロックユニットが作動状態にある場合を説明する図19相当図である。 別の例に係るインターロックユニットが非作動状態にある場合を説明する図であり、蓋とインターロックユニットと示す。 別の例に係るインターロックユニットが作動状態にある場合を説明する図21相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る全自動貸金庫システム100の概略構成を示すものである。全自動貸金庫システム100は、利用者だけで自分の保護箱(貸金庫用保護箱)1を取り出して物品の収容等を行った後、返却することができるシステムである。すなわち、全自動貸金庫システム100は、複数の保護箱1と、保護箱1を収容する貸金庫室101と、利用者が保護箱1に物品の出し入れを行うクーポンブース(単に「ブース」ともいう)102と、クーポンブース102に設けられたブース機器103と、保護箱1を貸金庫室101及びクーポンブース102の間で搬送する搬送機構(図示せず)と、貸金庫コントローラ200と(図2に示す)を備えている。この全自動貸金庫システム100は、例えば銀行等の金融機関等に導入されて使用されるものである。保護箱1は、1つの全自動貸金庫システム100に数十から数百個程度設けられる場合がある。
保護箱1の詳細については後述するが、略直方体形状をなしており、内部に利用者の物品を収容することができるようになっている。保護箱1は利用者ごとに決められている。貸金庫室101は、クーポンブース102に隣接するように設けられており、図示しないが、複数の保護箱1を縦横に並べて収容することができるように構成されている。クーポンブース102には、予め登録された利用者のみが認証操作を行うことによって入室することができる。尚、貸金庫室101とクーポンブース102とは、例えば別の階に設置されるなどして、離れている場合もあるが、いずれの構成であってもよい。
図2に示すように、ブース機器103は、ブース搬送機器110と、シャッター開閉器111と、タッチパネルモニタ112と、生体認証装置113と、保護箱利用口106を有する保護箱投入用デスク107(図1に示す)とを有している。貸金庫コントローラ200は、全自動貸金庫システム100全体を制御するものであり、保護箱1を搬送する制御を行う機器であるブース搬送機器110を制御する。ブース搬送機器110は、保護箱1を保護箱利用口106内まで搬送する機器であるとともに、開閉扉108を制御する機器でもある。タッチパネルモニタ112は、利用者が貸金庫番号及び暗証番号等を入力したり、ブース機器103の操作をすることができるように構成されている。タッチパネルモニタ112に入力された暗証番号や、別途設けられているIDカード認証装置等に基づいて利用者が正規の利用者であることが特定されると、利用者による保護箱1の取り出し操作が行われる。タッチパネルモニタ112に限らず、タッチパネルを有しない表示装置を設けてもよい。
図1に示すように、保護箱利用口106は、保護箱投入用デスク107の上面に開口するように設けられている。この保護箱利用口106は開閉扉108付きのものであり、開閉扉108が保護箱投入用デスク107の奥行き方向に移動することで開状態となって保護箱利用口106を開放する。一方、開閉扉108が保護箱投入用デスク107の手前方向に移動することで閉状態となって保護箱利用口106を閉じる。開閉扉108の移動方向は上述した方向に限られるものでなく、反対に移動するものであってもよいし、左右方向に移動するものであってもよい。
開閉扉108は、ブース機器103が有するシャッター開閉器111(図2に示す)によって駆動されるようになっている。シャッター開閉器111は、ブース搬送機器110によって制御される電動機等を内蔵したものである。ブース搬送機器110は、利用者がクーポンブース102内に存在しないときには開閉扉108が常時閉状態となるようにシャッター開閉器111を制御し、利用者がクーポンブース102内で保護箱1の取り出し操作を行ってその利用者の保護箱1が貸金庫室101から保護箱投入用デスク107の保護箱利用口106の内部まで搬送されたことを検出すると、開閉扉108が開状態となるようにシャッター開閉器111を制御する。また、利用者が利用を終え、タッチパネルモニタ112等を利用して返却指示を行うと、貸金庫コントローラ200は、開閉扉108が閉状態となるようにブース搬送機器110を制御する。
以上の構成、利用者による操作及び各部の動作は、従来から周知の全自動貸金庫システム100と同じであるが、これに限定されるものではない。尚、利用者がクーポンブース102に入るときには、クーポンブース102に設けた電気錠付きの扉の外に設置してある端末(図示せず)で利用者が受付操作を行い、クーポンブース102の扉を解錠し、入室する。また、端末での受付方法としては、生年月日の入力と生体認証との組合せを用いるパターン、生体認証のみを用いるパターン、利用者が本人認証を行う認証カードを所持し、認証カードを用いるパターンなどが考えられるが、いずれの方法であってもよい。
また、この実施形態の説明では、利用者から見て手前となる側を保護箱1の手前側といい、利用者から見て奥となる側を保護箱1の奥側といい、利用者から見て左側となる側を保護箱1の左側といい、利用者から見て右側となる側を保護箱1の右側というものと定義するが、これは実施形態の説明の便宜を図るために定義するだけであり、使用時における保護箱1の方向を限定するものではない。
また、ブース機器103には、後述する磁気鍵ユニット300(図2に示す)が設けられている。
(保護箱1の全体構成)
保護箱1は、全自動貸金庫システム100の利用者が物品を収容する保護箱本体2と、保護箱本体2に設けられ、該保護箱本体2が有する物品投入及び取り出し用開口部2a(図3にのみ破線で示す)を開閉する蓋3と、磁気錠ユニット4と、かんぬき部材5(図5に示す)と、操作ユニット6と、インターロックユニット7とを備えている。図1に示すように、保護箱1は、全自動貸金庫システム100が有する開閉扉108付き保護箱利用口106に収容されるものである。基本的には、保護箱1を保護箱利用口106に収容したままで使用し、利用者が保護箱1を保護箱利用口106から取り出すことはしない。
保護箱1の形状や大きさは特に限定されるものではないが、この実施形態では、略直方体であり、奥行き方向の寸法が幅方向の寸法よりも長く、かつ、上下方向の寸法が奥行き方向の寸法及び幅方向の寸法よりも短くなるような形状とされている。保護箱1は様々なサイズのものを用意することができ、いずれの保護箱1に対しても本発明を適用することができる。例えば、保護箱1の上下方向の寸法が幅方向の寸法よりも長くなる形状等を挙げることができる。
(保護箱本体2の構成)
保護箱本体2は、底壁部20と、底壁部20の周縁部から上方へ延びる周壁部21と、周壁部21における奥側の一部にのみ設けられた上壁部22とを有している。上壁部22の前後方向の寸法は、保護箱本体2の前後方向の寸法の1/4ないし1/5程度とされており、上壁部22が設けられた範囲は狭くなっている。上壁部22は、周壁部21に固定されている。この保護箱本体2は、金属製の板材で構成することができる。上壁部22は、蓋3の一部とすることもできる。
物品投入及び取り出し用開口部2aは図3にのみ破線で示しており、保護箱本体2の上面に開口するように形成されている。すなわち、物品投入及び取り出し用開口部2aは、周壁部21の手前側の縁部と、上壁部22の手前側の縁部との間において保護箱本体2の左端から右端に亘る広い範囲に開口しており、略矩形状となっている。物品投入及び取り出し用開口部2aは、利用者が物品を保護箱本体2の内部に収容する際、及び保護箱本体2の内部に収容されている物品を取り出す際に使用される開口である。
(蓋3の構成)
蓋3は、利用者が開閉操作するものである。蓋3は、物品投入及び取り出し用開口部2aと略相似な矩形状をなしており、物品投入及び取り出し用開口部2aを閉じた状態で保護箱本体2の上壁部22の上面と略同じ高さに位置するように配置される。蓋3も金属製の板材で構成することができる。
蓋3の奥側の縁部には、左右両側にそれぞれ開方向への力を付与するように構成されたトルクヒンジ3aが設けられている。トルクヒンジ3aを介して蓋3の奥側が、保護箱本体2の上壁部22の手前側に対して左右方向に延びる軸周りに回動可能に連結されている。従って、利用者が蓋3の手前側を持ち上げるようにすることで、図示しないが、蓋3がトルクヒンジ3aの軸周りに上方へ回動して物品投入及び取り出し用開口部2aが開放された状態になり、一方、開放された状態から蓋3をトルクヒンジ3aの軸周りに下方へ回動させることにより、図3等に示すように物品投入及び取り出し用開口部2aが閉じられた状態になる。尚、トルクヒンジ3aの代わりに、開方向への力を付与しない通常のヒンジを使用することができる。
また、蓋3には、非常解錠用キーシリンダー3bが上面に臨むように設けられている。非常解錠用キーシリンダー3bは、図19に示すように係合レバー3cを有している。非常解錠用キーシリンダー3bに図示しないキーを差し込んで回動させると、係合レバー3cが図19に示す係合位置と、図示しないが係合位置から90°回動した非係合位置とに切り替えられる。キーは利用者が所持しているものである。係合レバー3cが係合位置にあるときには、保護箱本体2のかんぬき部材5に対して係合することで蓋3の開放が不可能な状態になる。一方、係合レバー3cが非係合位置にあるときには、保護箱本体2のかんぬき部材5から外れて蓋3の開放が可能な状態になる。つまり、かんぬき部材5が何らかの原因で動かなくなった場合に利用者が外部から蓋3を開放することができるようになっている。
(保護箱1の施解錠装置8の構成)
保護箱1の施解錠装置8(図4にのみ示す)は、保護箱1を施解錠する装置であり、当該保護箱1に設けられた磁気錠ユニット4、かんぬき部材5、操作ユニット6及びインターロックユニット7と、ブース機器103に設けられた磁気鍵ユニット300(図4に示す)とを備えている。施解錠装置8は、利用者が保護箱1に接触することなく、保護箱1を解錠することが可能に構成された非接触型の解錠装置でもある。
(磁気錠ユニット4の構成)
図6に示すように、磁気錠ユニット4は、第1磁石41、第2磁石42、第3磁石43及び第4磁石44と、磁石支持板45と、手前側ロック板(第1のロック板)46と、奥側ロック板(第2のロック板)47と、リセット板48とを備えている。磁気錠ユニット4には給電が不要であるとともに、通信手段等も不要である。
第1~第4磁石41~44は、永久磁石であり、全て同じ大きさの円柱状に形成されている。図10に示すように、磁石支持板45は、第1~第4磁石41~44を往復動可能に支持する第1~第4支持孔45a、45b、45c、45dを有するとともに、保護箱本体2に固定される部材である。図3に示すように、磁石支持板45は、保護箱本体2の蓋3よりも手前側に設けられている空間部に収容され、保護箱本体2に対して図示しない締結部材等により固定されている。磁石支持板45は、保護箱本体2への固定状態で上下方向に延び、かつ、保護箱本体2の左右方向に延びる姿勢となっている。第1磁石41及び第4磁石44が本発明の第1の磁石に相当し、第2磁石42及び第3磁石43が本発明の第2の磁石に相当する。
図10に示すように、第1~第4支持孔45a、45b、45c、45dは、磁石支持板45を厚み方向(保護箱1の手前側から奥側)に貫通するように形成されている。第1支持孔45a及び第4支持孔45dが本発明の第1の支持孔に相当し、第2支持孔45b及び第3支持孔45cが本発明の第2の支持孔に相当する。
第1支持孔45aは磁石支持板45の上側でかつ左側寄りに位置している。第2支持孔45bは磁石支持板45の上側でかつ右側寄りに位置している。第3支持孔45cは磁石支持板45の下側でかつ左側寄りに位置している。第4支持孔45dは磁石支持板45の下側でかつ右側寄りに位置している。第1~第4支持孔45a、45b、45c、45dの断面形状は、第1~第4磁石41~44の断面形状よりも若干大きめに設定されており、第1~第4磁石41~44はそれぞれ第1~第4支持孔45a、45b、45c、45dの内周面を摺動するとともに、該内周面によって軸線方向に案内されるようになっている。第1~第4磁石41~44の軸線方向の寸法は、第1~第4支持孔45a、45b、45c、45dの軸線方向の寸法よりも長く設定されている。よって、図12A、図12Bに示すように、第1~第4磁石41~44の軸線方向一端部が第1~第4支持孔45a、45b、45c、45dから突出した状態になる。この第1~第4磁石41~44は、後述する手前側ロック板46(奥側ロック板47)が磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能になるように突出する。
図6に示すように、手前側ロック板46は、磁石支持板45の手前側の面(磁石支持板45の厚み方向一方側の面)に重なるように配置され、磁石支持板45の手前側の面に沿って上下方向に延びるとともに、保護箱本体2の左右方向に延びている。手前側ロック板46には、第1ロック孔46a、第1長穴46b、第2長穴46c及び第2ロック孔46dが厚み方向に貫通するように形成されている。
第1ロック孔46aは、手前側ロック板46の上側でかつ左側寄りに位置しており、磁石支持板45の第1支持孔45aと一致するように形成されている。第1ロック孔46aの形状は、第1支持孔45aの形状、即ち第1磁石41の外形状と一致しており、第1ロック孔46aの形状と、第1磁石41における第1ロック孔46aに差し込まれる部分の外形状とが対応している。従って、第1ロック孔46aと磁石支持板45の第1支持孔45aとが一致した状態で、第1支持孔45aに支持されている第1磁石41が手前方向に移動すると、第1ロック孔46aに差し込まれて第1ロック孔46aの周縁部に係合する。これにより、手前側ロック板46が磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能になる。
第2ロック孔46dは、手前側ロック板46の下側でかつ右側寄りに位置している。第1ロック孔46aと磁石支持板45の第1支持孔45aとが一致するように手前側ロック板46と磁石支持板45とを配置すると、第2ロック孔46dが磁石支持板45の第4支持孔45dと一致するように形成されている。第2ロック孔46dの形状は、第4支持孔45dの形状、即ち第4磁石44の外形状と一致しており、第2ロック孔46dの形状と、第4磁石44における第2ロック孔46dに差し込まれる部分の外形状とが対応している。従って、第2ロック孔46dと磁石支持板45の第4支持孔45dとが一致した状態で、第4支持孔45dに支持されている第4磁石44が手前方向に移動すると、第2ロック孔46dに差し込まれて第2ロック孔46dの周縁部に係合する。これにより、手前側ロック板46が磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能になる。
第1長穴46bは、手前側ロック板46の上側でかつ右側寄りに位置しており、左右方向に長く延びるように形成されている。第1ロック孔46aと磁石支持板45の第1支持孔45aとが一致するように手前側ロック板46と磁石支持板45とを配置すると、第1長穴46bの左端部が磁石支持板45の第2支持孔45bと一致するようになっている。第1長穴46bの形状は、第2磁石42の断面形状よりも左右方向に長くなっており、従って、第2支持孔45bに支持されている第2磁石42が手前方向に移動して第1長穴46bの左端部に差し込まれたとしても、手前側ロック板46は、第1長穴46bの形成範囲内で磁石支持板45に対して左方向に移動可能となる。
第2長穴46cは、手前側ロック板46の下側でかつ左側寄りに位置しており、左右方向に長く延びるように形成されている。第1ロック孔46aと磁石支持板45の第1支持孔45aとが一致するように手前側ロック板46と磁石支持板45とを配置すると、第2長穴46cの左端部が磁石支持板45の第3支持孔45cと一致するようになっている。第2長穴46cの形状は、第3磁石43の断面形状よりも左右方向に長くなっており、従って、第3支持孔45cに支持されている第3磁石43が手前方向に移動して第2長穴46cの左端部に差し込まれたとしても、手前側ロック板46は、第2長穴46cの形成範囲内で磁石支持板45に対して左方向に移動可能となる。
尚、本実施形態では、第1長穴46b及び第2長穴46cを設けているが、これら長穴に限られるものではなく、後述する磁石が第1長穴46b及び第2長穴46cに差し込まれた状態で手前側ロック板46の磁石支持板45に対する相対移動が可能な形状の穴であればよい。奥側ロック板47についても同様である。
図7及び図8に示すように、奥側ロック板47は、磁石支持板45の奥側の面(磁石支持板45の厚み方向他方側の面)に重なるように配置され、磁石支持板45の奥側の面に沿って上下方向に延びるとともに、保護箱本体2の左右方向に延びている。奥側ロック板47と手前側ロック板46とは、同じ外形状を有し、略平行に配置されている。図6に示すように、奥側ロック板47の左端部及び手前側ロック板46の左端部は、磁石支持板45の左端部よりも左側へ突出しており、この突出部分同士が結合部材Aによって結合されて奥側ロック板47と手前側ロック板46とが一体化されている。
図8に示すように、奥側ロック板47には、第1長穴47a、第1ロック孔47b、第2ロック孔47c及び第2長穴47dが厚み方向に貫通するように形成されている。第1ロック孔47bは、奥側ロック板47の上側でかつ右側寄りに位置しており、磁石支持板45の第2支持孔45bと一致するように形成されている。第1ロック孔47bの形状は、第2支持孔45bの形状、即ち第2磁石42の外形状と一致しており、第1ロック孔47bの形状と、第2磁石42における第1ロック孔47bに差し込まれる部分の外形状とが対応している。従って、第1ロック孔47bと磁石支持板45の第2支持孔45bとが一致した状態で、第2支持孔45bに支持されている第2磁石42が奥方向に移動すると、第1ロック孔47bに差し込まれて第1ロック孔47bの周縁部に係合する。これにより、奥側ロック板47が磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能になる。
第2ロック孔47cは、奥側ロック板47の下側でかつ左側寄りに位置している。第1ロック孔47bと磁石支持板45の第2支持孔45bとが一致するように奥側ロック板47と磁石支持板45とを配置すると、第2ロック孔47cが磁石支持板45の第3支持孔45cと一致するように形成されている。第2ロック孔47cの形状は、第3支持孔45cの形状、即ち第3磁石43の外形状と一致しており、第2ロック孔47cの形状と、第3磁石43における第2ロック孔47cに差し込まれる部分の外形状とが対応している。従って、第2ロック孔47cと磁石支持板45の第3支持孔45cとが一致した状態で、第3支持孔45cに支持されている第3磁石43が奥方向に移動すると、第2ロック孔47cに差し込まれて第2ロック孔47cの周縁部に係合する。これにより、奥側ロック板47が磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能になる。
第1長穴47aは、奥側ロック板47の上側でかつ左側寄りに位置しており、左右方向に長く延びるように形成されている。第1ロック孔47bと磁石支持板45の第2支持孔45bとが一致するように奥側ロック板47と磁石支持板45とを配置すると、第1長穴47aの左端部が磁石支持板45の第1支持孔45aと一致するようになっている。第1長穴47aの形状は、第1磁石41の断面形状よりも左右方向に長くなっており、従って、第1支持孔45aに支持されている第1磁石41が奥方向に移動して第1長穴47aの左端部に差し込まれたとしても、奥側ロック板47は、第1長穴47aの形成範囲内で磁石支持板45に対して左方向に移動可能となる。
第2長穴47dは、奥側ロック板47の下側でかつ右側寄りに位置しており、左右方向に長く延びるように形成されている。第1ロック孔47bと磁石支持板45の第2支持孔45bとが一致するように奥側ロック板47と磁石支持板45とを配置すると、第2長穴47dの左端部が磁石支持板45の第4支持孔45dと一致するようになっている。第2長穴47dの形状は、第4磁石44の断面形状よりも左右方向に長くなっており、従って、第4支持孔45dに支持されている第4磁石44が奥方向に移動して第2長穴47dの左端部に差し込まれたとしても、奥側ロック板47は、第2長穴47dの形成範囲内で磁石支持板45に対して左方向に移動可能となる。
したがって、第1磁石41及び第4磁石44を手前側へ移動させて手前側ロック板46の第1ロック孔46a及び第2ロック孔46dに差し込むことで、手前側ロック板46及び奥側ロック板47を固定状態にすることができる。また、第2磁石42及び第3磁石43を奥側へ移動させて奥側ロック板47の第1ロック孔47b及び第2ロック孔47cに差し込むことでも、手前側ロック板46及び奥側ロック板47を固定状態にすることができる。一方、第1磁石41及び第4磁石44を奥側へ移動させて奥側ロック板47の第1長穴47a及び第2長穴47dに差し込み、かつ、第2磁石42及び第3磁石43を手前側へ移動させて手間側ロック板46の第1長穴46b及び第2長穴46cに差し込むことで、手前側ロック板46及び奥側ロック板47を左方向へ移動させることができる。この左右方向は、手前側ロック板46及び奥側ロック板47の磁石支持板45に対する相対移動方向である。
図6に示すように、手前側ロック板46及び奥側ロック板47には連結板49が固定されている。連結板49は、奥側ロック板47に沿うように上下方向に延びる固定板部49aと、固定板部49aの下端部から左方向へ延出する延出板部49bと、延出板部49bに形成された取付孔49cとを有している。
リセット板48は、奥側ロック板47の奥側の面を覆うように配置され、奥側ロック板47の奥側の面に沿って上下方向に延びるとともに、保護箱本体2の左右方向に延びている。リセット板48は、第1~第4磁石41~44の全てを吸引して同方向に移動させる磁性体からなるものであり、具体的には鉄板等で構成されている。この実施形態では、リセット板48が奥側に配置されているので、第1~第4磁石41~44の全てが奥側へ吸引されて移動することになる。
図9に示すように、リセット板48の左縁部には、奥側へ向けて延びる縦板部48aと、縦板部48aの下端部から左方向へ延出する延出板部48bと、延出板部48bに形成された取付孔48cとが設けられている。
リセット板48には、第1開口部48d、第2開口部48e、第3開口部48f及び第4開口部48gが形成されている。第1開口部48dは、第1磁石41に対応するように配置され、第2開口部48eは第2磁石42に対応するように配置され、第3開口部48fは第3磁石43に対応するように配置され、第4開口部48gは第4磁石44に対応するように配置されている。
リセット板48は、磁石支持板45、手前側ロック板46及び奥側ロック板47とは別に移動可能となっており、図6に示す位置と、図14に示す位置とに切り替えられるようになっている。図6に示す位置では、リセット板48の第1開口部48d、第2開口部48e、第3開口部48f及び第4開口部48gが、第1~第4磁石41~44よりも右側に位置している。従って、図6に示す位置は、リセット板48が第1~第4磁石41~44の全てに吸引力を作用させて第1~第4磁石41~44を奥側へ移動させるリセット位置であり、磁気鍵ユニット300が発生する磁力によって第1~第4磁石41~44を手前側に移動させることができなくなるように吸引力及び磁力が設定されている。
第1~第4磁石41~44が全て奥側へ移動すると、第2磁石42が奥側ロック板47の第1ロック孔47bに差し込まれて第1ロック孔47bの周縁部に係合し、また、第3磁石43が奥側ロック板47の第2ロック孔47cに差し込まれて第2ロック孔47cの周縁部に係合する。これにより、奥側ロック板47が磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能になる。
図14に示す位置は、リセット板48のみを図6に示す位置よりも左へ移動させた位置であり、リセット板48の第1開口部48d、第2開口部48e、第3開口部48f及び第4開口部48gが、第1~第4磁石41~44と対応するように位置している。従って、図14に示す位置は、リセット板48が第1~第4磁石41~44の全てに吸引力を作用させない非リセット位置である。これにより、磁気鍵ユニット300が発生する磁力によって第1~第4磁石41~44を移動させることが可能になる。
尚、この実施形態では、第1~第4磁石41~44を設けており、第2磁石42及び第3磁石43を奥側へ移動させるか、第1磁石41及び第4磁石44を手前側へ移動させることによって奥側ロック板47や手前側ロック板46を磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能にすることができる。この状態が施錠状態である。第1~第4磁石41~44のうち、1つのみを奥側へ移動させるか、手前側へ移動させることによって奥側ロック板47や手前側ロック板46を磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能にすることもできる。さらに、第1~第4磁石41~44のうち、3つを奥側へ移動させるか、手前側へ移動させることによって奥側ロック板47や手前側ロック板46を磁石支持板45に対して左右方向に移動不可能にすることもできる。つまり、手前側ロック板46及び奥側ロック板47に形成するロック孔と長穴の形成パターンによって解錠パターンを設定可能である。また、磁石の数は4つに限られるものではなく、2つ以上の任意の数の磁石を設ければよいが、磁石の数が多いほどパターンを多くすることができるので好ましい。
磁気錠ユニット4は、手前側ロック板46とリセット板48の外側全体を覆うカバー(図示せず)を備えている。このカバーを設けることで、第1~第4磁石41~44が手前側ロック板46から突出して飛び出すのを抑制することができる。また、カバーを設けることで、手前側ロック板46に形成された第1ロック孔46a、第1長穴46b、第2長穴46c及び第2ロック孔46dを隠すことができ、外部からの不正解錠を防止できる。さらに、カバーを設けることで、第1~第4磁石41~44の位置が外部から分からなくなるので、このことによっても外部からの不正解錠を防止できる。カバーは、例えばプラスチック等の非磁性体で構成することができるが、磁気鍵ユニット300の磁力は透過させることができるように構成されている。
また、第1~第4磁石41~44の形状は同じでなくてもよく、異なる大きさの磁石を組み合わせて使用したり、円柱状以外の形状の磁石を使用してもよい。
(磁気鍵ユニット300の構成)
図4に示す磁気鍵ユニット300は、ブース機器103が有する保護箱利用口106に収容されている保護箱1の磁気錠ユニット4を解錠するためのユニットである。図11に示すように、磁気鍵ユニット300は、磁気錠ユニット4の第1~第4磁石41~44にそれぞれ対応するように配置された第1~第4電磁石301~304と、筐体300Aと、第1~第4電磁石301~304に電流を供給する磁気鍵コントローラ305(図2に示す)とを備えている。筐体300Aは、ブース機器103に固定されている。筐体300Aの奥側の面は、保護箱利用口106の内部に臨むように、かつ、保護箱利用口106に収容されている保護箱1の磁気錠ユニット4と対向するように配置されている。
筐体300Aの奥側の面には、第1~第4電磁石301~304の磁力発生部が外部に臨むように設けられている。第1電磁石301は、筐体300Aの奥側の面において上側でかつ左寄りに位置し、磁気錠ユニット4の第1磁石41と対向するように配置されている。第2電磁石302は、筐体300Aの奥側の面において上側でかつ右寄りに位置し、磁気錠ユニット4の第2磁石42と対向するように配置されている。第3電磁石303は、筐体300Aの奥側の面において下側でかつ左寄りに位置し、磁気錠ユニット4の第3磁石43と対向するように配置されている。第4電磁石304は、筐体300Aの奥側の面において下側でかつ右寄りに位置し、磁気錠ユニット4の第4磁石44と対向するように配置されている。従って、第1~第4電磁石301~304の磁力は、第1~第4磁石41~44にそれぞれ作用することになる。
磁気鍵コントローラ305は、保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものであると判定される場合に、第1磁石41及び第4磁石44が手前側ロック板46の第1ロック孔46a及び第2ロック孔46dから抜け、かつ、第2磁石42及び第3磁石43が奥側ロック板47の第1ロック孔47b及び第2ロック孔47cから抜けた非ロック位置となるように、第1~第4電磁石301~304に電流を供給する解錠制御を行うように構成されている。
保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものであるか否かは、生体認証装置113や暗証番号等によって判定することができる。磁気鍵コントローラ305は、保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものであると判定されない場合には、第1~第4電磁石301~304に電流を供給しない。第1~第4電磁石301~304に電流を供給しない代わりに、第1磁石41若しくは第4磁石44の少なくとも一方に対して引力が作用するように第1電磁石301若しくは第4電磁石304の少なくとも一方に電流を供給し、及び/又は第2磁石42若しくは第3磁石43の少なくとも一方に対して斥力が作用するように第2電磁石302若しくは第3電磁石303の少なくとも一方に電流を供給してもよい。つまり、第1~第4磁石41~44の少なくとも1つがロック位置のままとなるように、第1~第4電磁石301~304に電流を供給してもよい。
一方、磁気鍵コントローラ305は、保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものであると判定されると、第1磁石41及び第4磁石44に対して斥力が作用するように第1電磁石301及び第4電磁石304に電流を供給し、第2磁石42及び第3磁石43に対して引力が作用するように第2電磁石302及び第3電磁石303に電流を供給する。
具体的には、磁気鍵コントローラ305は、図12Aに示すように第1~第4電磁石301~304に電流を供給しない状態と、図12Bに示すように第1~第4電磁石301~304に電流を供給する状態とに切り替える。第1~第4電磁石301~304に供給する電流の極性を切り替えることで、第1~第4電磁石301~304の奥側がN極になるかS極になるか決定することができる。図12Bに示すように、第1磁石41及び第4磁石44に対して斥力を作用させ、第2磁石42及び第3磁石43に対して引力を作用させると、第1磁石41及び第4磁石44が奥側ロック板47の第1長穴47a及び第2長穴47dに差し込まれた状態になり、第2磁石42及び第3磁石43が手前側ロック板46の第1長穴46b及び第2長穴46cに差し込まれた状態になる。これにより、手前側ロック板46及び奥側ロック板47が磁石支持板45に対して左方向に移動可能となり、この状態が解錠状態である。
上述したように解錠パターンは複数通りに設定することができ、解錠パターンに応じて磁気鍵コントローラ305が第1~第4電磁石301~304に供給する電流の極性を決定する。これにより、保護箱1毎に異なるパターンで施錠ができ、高いセキュリティが担保される。
なお、磁気鍵コントローラ305と第1~第4電磁石301~304とは一体でも別体でもよい。磁気鍵コントローラ305と第1~第4電磁石301~304とを別体とする場合には、磁気鍵コントローラ305を第1~第4電磁石301~304から離して配設することができる。
(利用者の認証方法)
次に、保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものであるか否かを認証する方法の一例について説明する。例えば、ある利用者と、当該利用者が利用する保護箱1とが対応付けられて図示しない記憶装置に記憶されており、また、当該保護箱1の解錠パターンが当該保護箱1と関連付けられて上記記憶装置に記憶されている。記憶装置はブース機器103に設けられていてもよいし、外部のコントロール装置に設けられていてもよい。また、記憶装置には、利用者の生年月日、生体情報(例えば、手のひら静脈、指静脈、指紋等)、暗証番号等が関連付けられて記憶されている。
そして、利用者は、始めに、ブース102外で生年月日を入力した後、ブース102外に設置されている生体認証装置(図示せず)で生体認証を行う。認証が成功すれば、ブース102の扉が開くので、利用者はブース102内に入ることができる。その後、図2に示すタッチパネルモニタ112を操作して自分の貸金庫番号を選択した後、暗証番号を入力する。暗証番号が正しければブース搬送機器110は、保護箱1を保護箱利用口106内まで搬送する。そして、タッチパネルモニタ112の「取出」ボタンを操作すると、開閉扉108が開く。
次いで、利用者がブース102内の生体認証装置113により生体認証を行う。生体認証が成功すれば、保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものであると判定し、一方、生体認証が失敗すれば、保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものでないと判定する。生体認証が失敗すれば、解錠パターン信号が磁気鍵コントローラ305に出力されず、一方、生体認証が成功すれば、判定結果に関する信号が解錠パターン信号として磁気鍵コントローラ305に出力される。
磁気鍵コントローラ305は、解錠パターン信号に従って磁気錠ユニット4が解錠状態になるように、第1~第4電磁石301~304に電流を供給する。
尚、ブース102の扉を開き、利用者がブース102内に入る受付方法としては、生年月日の入力と生体認証との組合せを用いるパターン以外にも、生体認証のみを用いるパターンや、利用者が本人認証を行う認証カードを所持し、認証カードを用いるパターンなどであってもよい。
(かんぬき部材5の構成)
図20や図22に示すように、かんぬき部材5は金属製の板材を成形してなるものであり、手前側ロック板46及び奥側ロック板47に連動し、保護箱1の蓋3を開放可能な状態と開放不可能な状態とに切り替えるための部材である。かんぬき部材5の下部は左右方向に長い板状に形成されており、この下部には左右方向に長いスリット5aが形成されている。図5に示すように、かんぬき部材5のスリット5aには、かんぬき部材5を保護箱本体2に取り付けるための取付部材25、25がスリット5aから抜けないように挿入されている。取付部材25、25はスリット5a内を長手方向に相対的に移動可能になっている。従って、かんぬき部材5は、取付部材25、25によって保護箱本体2に取り付けられた状態で、左右方向に移動可能になっている。
かんぬき部材5の上下方向中間部には縦板部5bが設けられている。かんぬき部材5の縦板部5bよりも上側には、奥側へ屈曲した後、上側へ折り曲げられた屈曲部5cが形成されている。かんぬき部材5が右側へ移動した状態では、屈曲部5cが図19等に示す係合レバー3cに対して上下方向に係合し、蓋3の開放が不可能な状態になる。かんぬき部材5が右側に移動した位置にあるときには、第1~第4磁石41~44が、手前側ロック板46の第1ロック孔46a、第2ロック孔46d、奥側ロック板47の第1ロック孔47b、第2ロック孔47cに差し込み可能となる。つまり、かんぬき部材5を動かないようにロックすることができる。
一方、かんぬき部材5が左側へ移動した状態では、屈曲部5cが係合レバー3cから外れた位置に配置されることになり、蓋3の開放が可能な状態になる。かんぬき部材5が左側に移動した位置にあるときには、第1~第4磁石41~44が、手前側ロック板46の第1ロック孔46a、第2ロック孔46d、奥側ロック板47の第1ロック孔47b、第2ロック孔47cに差し込み不可能となる。
(操作ユニット6の構成)
図5に示すように、操作ユニット6は、上板60と、取付板61と、かんぬき部材5を利用者が保護箱1の外部から操作するための操作部材62とを備えており、保護箱本体2に対して着脱可能に取り付けられている。図3に示すように、上板60は、磁気錠ユニット4の左側に配置され、左右方向に延びている。取付板61は、上板60に固定されており、上下方向に延びるとともに、左右方向にも延びている。取付板61には、係合スリット61aが左右方向に延びるように形成されている。
操作部材62のつまみ部62bは、利用者がつまむための部分であり、上板60の上面から上方へ突出するように配設されている。操作部材62の下部は上板60を下方へ貫通しており、この下部には、ロック板連結部62aが設けられている。ロック板連結部62aには、手前側ロック板46及び奥側ロック板47に固定されている連結板49が取り付けられるようになっている。操作部材62を左右方向に動かすと、操作部材62の動きに連動して手前側ロック板46及び奥側ロック板47も左右方向に動く。また、操作部材62の下部には、かんぬき部材5が取り付けられている。従って、操作部材62を左右方向に動かすと、操作部材62の動きに連動してかんぬき部材5も左右方向に動く。
操作部材62のつまみ部62bには、リセット板48を操作するための操作ボタン(リセット板操作部)63が設けられている。操作ボタン63は、つまみ部62bの右側面から右へ向けて突出しており、図示しないバネ部材等によって右方向へ常時付勢されている。利用者が操作ボタン63を左方向へ押すと、つまみ部62bを動かさなくても操作ボタン63が左へ移動可能になっている。尚、リセット板操作部は、操作ボタン63の代わりに、例えばレバー等の操作部材からなるものであってもよいし、複数の部材を組み合わせて構成したものであってもよい。また、リセット板操作部は、左右方向に移動させるもの以外にも、例えば前後方向や上下方向に移動させるもの、回動操作するものであってもよく、その操作方向(移動方向)は問わない。リセット板操作部の操作方向は、リセット板48とリセット板操作部との間に、例えばリンク機構、アーム、歯車等を設けることによって任意の方向にすることができる。
操作ボタン63の下部は上板60を下方へ貫通しており、この下部には、リセット板連結部63aが設けられている。リセット板連結部63aには、リセット板48の延出板部48bが取り付けられるようになっている。操作ボタン63を左右方向に動かすと、操作ボタン63の動きに連動してリセット板48も左右方向に動く。
図3に示すように、操作部材62が可動範囲の右端部に位置している状態では、かんぬき部材5が保護箱1の蓋3を開放不可能な状態とする位置となる。このとき、操作ボタン63を押さなければ、リセット板48がリセット位置に配置される。
図13に示すように、操作部材62が可動範囲の右端部に位置している状態で操作ボタン63を左へ押すと、図14に示すように、手前側ロック板46及び奥側ロック板47が移動することなく、リセット板48が左へ移動して非リセット位置になる。このように、操作ボタン63のストローク量が設定されている。
図15に示すように、操作ボタン63を左へ押したまま、操作部材62を左側へ移動させると、図16に示すように、手前側ロック板46及び奥側ロック板47が左側へ移動する。操作部材62の左側への移動は、磁気錠ユニット4が解錠状態にあるときに可能であり、磁気錠ユニット4が施錠状態では不可能となっている。
図17に示すように、操作部材62を可動範囲の左端部に位置している状態で操作ボタン63から指を離すと、操作ボタン63が右へ移動する。これにより、図18に示すように、手前側ロック板46及び奥側ロック板47が移動することなく、リセット板48が右へ移動する。
右端部に位置しているかんぬき部材5を操作部材62によって左方向へ移動させると、保護箱1の蓋3の開放が不可能な状態から開放が可能な状態になる。また、リセット位置にあるリセット板48を操作ボタン63によって左方向へ移動させると、リセット板48がリセット位置から非リセット位置に切り替わる。従って、この実施形態では、かんぬき部材5を、保護箱1の蓋3の開放が不可能な位置から開放が可能な位置に移動させる際の操作部材62の操作方向と、リセット板48をリセット位置から非リセット位置に移動させる際の操作ボタン63の操作方向とが同方向とされている。
上述したかんぬき部材5の移動方向及びリセット板48の移動方向は一例であり、左から右へ移動させてもよい。
また、かんぬき部材5を、保護箱1の蓋3の開放が不可能な位置から開放が可能な位置に移動させる際の操作部材62の操作方向と、リセット板48をリセット位置から非リセット位置に移動させる際の操作ボタン63の操作方向とは、同方向でなくてもよく、互いに異なる方向であってもよい。例えば、操作部材62の操作方向を左右方向とし、操作ボタン63の操作方向を前後方向や上下方向とすることもできる。
(インターロックユニット7の構成)
図19及び図20に示すように、インターロックユニット7は、固定板70と、キーシリンダー71と、第1ロック片72と、第2ロック片73とを備えており、操作部材62及びかんぬき部材5の左側に配設されている。キーシリンダー71は固定板70に固定されており、上面にキー(図示せず)の差し込み孔が位置している。固定板70は、保護箱本体2に固定されている。従って、キーシリンダー71は、キーによる回転操作が行われたとしても、保護箱本体2に対して動くことはなく、保護箱本体2から外れないようなっている。
第1ロック片72及び第2ロック片73は、キーシリンダー71のキーによる回動操作に伴って回動する部材であり、互いに連動するようになっている。第1ロック片72は、キーシリンダー71の回動によって操作ユニット6の取付板61の係合スリット61aに差し込まれた状態と、係合スリット61aから抜けた状態とに切り替えられるようになっている。第1ロック片72が取付板61の係合スリット61aに差し込まれると、操作ユニット6の保護箱本体2からの取り外しが不可能になる。一方、第1ロック片72が取付板61の係合スリット61aから抜けると、操作ユニット6の保護箱本体2からの取り外しが可能になる。
第2ロック片73は、図20に示すように可動範囲の右端部に位置するかんぬき部材5の下部における左端部に接する状態と、図19に示すように可動範囲の右端部に位置するかんぬき部材5の下部における左端部から外れた状態とに切り替えられるようになっている。第2ロック片73がかんぬき部材5の下部における左端部に接すると、かんぬき部材5を左方向へ移動させることができなくなる。一方、第2ロック片73がかんぬき部材5の下部における左端部から外れると、かんぬき部材5を左方向へ移動させることが可能になる。
第1ロック片72が操作ユニット6の取付板61の係合スリット61aに差し込まれると、第2ロック片73はかんぬき部材5の下部における左端部から外れた状態となる。一方、第1ロック片72が操作ユニット6の取付板61の係合スリット61aから抜けると、第2ロック片73はかんぬき部材5の下部における左端部に接する状態となる。
すなわち、キーによってキーシリンダー71を回動操作すると、かんぬき部材5の操作を可能にする一方、操作ユニット6の取り外しを不可能にする通常使用状態と、かんぬき部材5の操作を不可能にする一方、操作ユニット6の取り外しを可能にするメンテナンス状態とに切り替えることができる。メンテナンス状態では、磁気錠ユニット4も保護箱本体2から取り外すことができる。
メンテナンス状態としたときには、メンテナンス作業者が蓋3を勝手に開けることはできなくなる。よって、利用者が立ち会うことなく、操作ユニット6や磁気錠ユニット4のメンテナンスを行うことができる。
また、インターロックの別の例としては、図21及び図22に示すように、キーシリンダー71に、第1ロック片72と、第3ロック片74とを設ける構造もある。第3ロック片74は、蓋3に設けられた固定片3dに形成されたスリット3eに入った状態(図22に示す)と、スリット3eから出た状態(図21に示す)とに切り替えられるようになっている。第3ロック片74がスリット3eに入ると、蓋3を直接ロックして開けることができなくなる。
第1ロック片72が操作ユニット6の取付板61の係合スリット61aに差し込まれると、第3ロック片74はスリット3eから出た状態になる。一方、第1ロック片72が操作ユニット6の取付板61の係合スリット61aから抜けると、第3ロック片74はスリット3eに入った状態になる。メンテナンス状態では、第3ロック片74によって蓋3を直接ロックできるので、メンテナンス作業者が蓋3を勝手に開けることはできなくなる。また、メンテナンス状態では、磁気錠ユニット4も保護箱本体2から取り外すことができる。
インターロックの例としては、上記した例に限られるものではなく、第2ロック片73と、第3ロック片74とを両方とも備えた構造であってもよい。
(貸金庫の利用形態)
本実施形態では、磁気鍵ユニット300への解錠パターン信号の送信によって各保護箱1の磁気錠ユニット4を解錠することができるので、例えば、遠隔地に設置したサーバーによって各保護箱1の磁気錠ユニット4を制御することができる。例えば、金融機関に複数の支店(支所)がある場合、利用者がA支店において複数の保護箱1の借用契約を締結しておけば、契約した数を超えない範囲で、B支店やC支店でも保護箱1を利用することができる。つまり、利用者が契約者本人であることをB支店やC支店で認証できれば、サーバーに記憶した情報に基づいて、B支店やC支店の保護箱1の磁気錠ユニット4を解錠することができる。利用者情報を支店間で共有するシステムを構築することで、このような運用が可能になる。
また、他の利用形態としては、保護箱1の借用契約を締結した利用者が保護箱1に物を預けている時間を取得し、この時間に応じた課金システムを導入することもできる。
また、キーシリンダー錠を省略して磁気錠ユニット4のみで施錠管理を行うこともできる。この場合、保護箱1の利用者が変わった場合に、従来のようにセキュリティの面からキーシリンダー錠を取り替える必要はなくなり、低コスト化を図ることができる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、保護箱1を貸金庫室に保管している間は、かんぬき部材5を、保護箱1の蓋3の開放が不可能な状態としておき、このとき、リセット板48をリセット位置にすることで、第2磁石42が奥側ロック板47の第1ロック孔47bに差し込まれて第1ロック孔47bの周縁部に係合し、また、第3磁石43が奥側ロック板47の第2ロック孔47cに差し込まれて第2ロック孔47cの周縁部に係合する。これにより、奥側ロック板47が磁石支持板45に対して固定されて相対移動が不可能になるので、かんぬき部材5が動かなくなる。よって、利用者以外の者による蓋3の開放が防止される。
磁気錠ユニット4には第1~第4磁石41~44が設けられているので、複数の解錠パターンの形成が可能になる。これにより、保護箱1毎に異なる解錠パターンで施錠ができ、高いセキュリティが担保される。
一方、ブース102内の利用者が生体認証操作を行うと、ブース102の保護箱利用口106に保護箱1が自動搬送されて収容される。保護箱利用口106に収容されている保護箱1がブース102内の利用者のものである場合には、磁気鍵コントローラ305が第1~第4電磁石301~304に電流を供給して磁気錠ユニット4の第1~第4磁石41~44を非ロック位置にする。これにより、手前側ロック板46及び奥側ロック板47が磁石支持板45に対して移動可能になるので、かんぬき部材5を操作部材62によって左側へ移動させて、蓋3の開放が可能な位置まで動かすことができる。よって、利用者が蓋3を開放して物品の投入や取り出しが行えるようになる。施錠する際には、操作部材62を右側に移動させ、操作ボタン63をつまみ部62bの右側面から右へ突出させた状態にすればよい。
つまり、第1~第4磁石41~44を往復動可能に磁石支持板45に設けるとともに、手前側ロック板46及び奥側ロック板47を磁石支持板45に対して相対移動可能に設けるという簡単な構成にした上で、ブース機器103側の磁気鍵ユニット300の第1~第4電磁石301~304で解錠動作を行うことができるので、保護箱1の低コスト化を図ることができる。
また、例えば、手前側ロック板46を省略して、奥側ロック板47のロック孔47b、47cに第2磁石42及び第3磁石43を差し込むことによって施錠状態にする構成を想定すると、全ての磁石41~44を外部から磁性体によって手前側に移動させると、第2磁石42及び第3磁石43をロック孔47b、47cから抜くことが可能になり、その結果、解錠が可能になるおそれがある。つまり、不正解錠されるおそれがあるが、本実施形態では、磁石支持板45の両側にそれぞれ手前側ロック板46及び奥側ロック板47を設けているので、例えば全ての磁石41~44を手前側へ向けて移動させたとしても、第1磁石41及び第4磁石44が手前側ロック板46のロック孔46a、46dに差し込まれて施錠状態が維持される。全ての磁石41~44を外部から奥側へ向けて移動させた場合には、第2磁石42及び第3磁石43が奥側ロック板47のロック孔47b、47cに差し込まれて施錠状態が維持される。よって、不正解錠される確率が大幅に低下する。
また、かんぬき部材5を操作するための操作部材62のつまみ部62bに、リセット板48の操作ボタン63があるので、利用者がかんぬき部材5の操作を行おうとするときに、リセット板48を操作して非リセット位置にすることができる。これにより、磁気鍵ユニット300の第1~第4電磁石301~304による解錠動作が可能になる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る貸金庫用保護箱の施解錠装置は、例えば、金融機関の全自動貸金庫システムに適用することができる。
1 貸金庫用保護箱
4 磁気錠ユニット
5 かんぬき部材
8 施解錠装置
41~44 第1~第4磁石
45 磁石支持板
45a 第1支持孔(第1の支持孔)
45b 第2支持孔(第2の支持孔)
45c 第3支持孔(第2の支持孔)
45d 第4支持孔(第1の支持孔)
46 手前側ロック板(第1のロック板)
46a 第1ロック孔(第1のロック孔)
46b 第1長穴
47 奥側ロック板(第2のロック板)
47a 第1長穴
47b 第1ロック孔(第2のロック孔)
48 リセット板
62 操作部材
62b つまみ部
63 操作ボタン(リセット板操作部)
100 全自動貸金庫システム
102 ブース
103 ブース機器
106 保護箱利用口
300 磁気鍵ユニット
301~304 第1~第4電磁石
305 磁気鍵コントローラ

Claims (7)

  1. 全自動貸金庫システムの貸金庫用保護箱を施解錠する貸金庫用保護箱の施解錠装置において、
    前記貸金庫用保護箱に設けられた磁気錠ユニットと、
    前記全自動貸金庫システムのブース機器に設けられ、前記ブース機器が有する保護箱利用口に収容されている前記貸金庫用保護箱の前記磁気錠ユニットを解錠する磁気鍵ユニットとを備え、
    前記磁気錠ユニットは、複数の磁石と、該磁石を往復動可能に支持する磁石支持板と、前記磁石が差し込まれて係合するロック孔を有するロック板とを備え、
    前記磁気鍵ユニットは、前記磁気錠ユニットの複数の前記磁石にそれぞれ対応するように配置された複数の電磁石を備え、前記貸金庫用保護箱がブース内の利用者のものであると判定される場合に、前記磁石が前記ロック孔から抜けた非ロック位置となるように前記電磁石に電流を供給する解錠制御を行うように構成されていることを特徴とする貸金庫用保護箱の施解錠装置。
  2. 請求項1に記載の貸金庫用保護箱の施解錠装置において、
    前記ロック板は、第1のロック板と第2のロック板とを含んでおり、
    前記第1のロック板は、前記磁石支持板の厚み方向一方側の面に重なるように配置され、
    前記第2のロック板は、前記磁石支持板の厚み方向他方側の面に重なるように配置され、
    前記磁石支持板には、第1の磁石を支持する第1の支持孔と、第2の磁石を支持する第2の支持孔とが前記磁石支持板を厚み方向に貫通するように形成され、
    前記第1のロック板には、前記第1の磁石が差し込まれて係合する第1のロック孔が形成され、
    前記第2のロック板には、前記第2の磁石が差し込まれて係合する第2のロック孔が形成されていることを特徴とする貸金庫用保護箱の施解錠装置。
  3. 請求項2に記載の貸金庫用保護箱の施解錠装置において、
    前記第1のロック孔は、前記第1の磁石における前記第1のロック孔に差し込まれる部分の外形状に対応した形状とされ、
    前記第1のロック板には、前記第2のロック孔に対応する部分に、前記第2の磁石が差し込み可能な穴が、前記第1のロック板の前記磁石支持板に対する相対移動が可能となるように形成されていることを特徴とする貸金庫用保護箱の施解錠装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の貸金庫用保護箱の施解錠装置において、
    前記磁気錠ユニットは、複数の前記磁石の全てを吸引して同方向に移動させる磁性体からなるリセット板を有しており、
    前記リセット板は、複数の前記磁石の全てに吸引力を作用させるリセット位置と、複数の前記磁石の全てに吸引力を作用させない非リセット位置とに切り替えられることを特徴とする貸金庫用保護箱の施解錠装置。
  5. 請求項4に記載の貸金庫用保護箱の施解錠装置において、
    前記ロック板に連動し、前記貸金庫用保護箱の蓋を開放可能な状態と開放不可能な状態とに切り替えるかんぬき部材を備え、
    前記かんぬき部材が前記貸金庫用保護箱の蓋を開放不可能な状態とする位置にあるときに、前記リセット板がリセット位置に配置されることを特徴とする貸金庫用保護箱の施解錠装置。
  6. 請求項5に記載の貸金庫用保護箱の施解錠装置において、
    前記かんぬき部材を利用者が前記貸金庫用保護箱の外部から操作するための操作部材が設けられており、
    前記操作部材には、前記リセット板を操作するリセット板操作部が設けられていることを特徴とする貸金庫用保護箱の施解錠装置。
  7. 請求項6に記載の貸金庫用保護箱の施解錠装置において、
    前記かんぬき部材を、前記貸金庫用保護箱の蓋の開放が不可能な位置から開放が可能な位置に移動させる際の前記操作部材の操作方向と、
    前記リセット板をリセット位置から非リセット位置に移動させる際の前記リセット板操作部の操作方向とは同方向とされていることを特徴とする貸金庫用保護箱の施解錠装置。
JP2018162955A 2018-08-31 2018-08-31 貸金庫用保護箱の施解錠装置 Active JP7025306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018162955A JP7025306B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 貸金庫用保護箱の施解錠装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018162955A JP7025306B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 貸金庫用保護箱の施解錠装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020033807A JP2020033807A (ja) 2020-03-05
JP7025306B2 true JP7025306B2 (ja) 2022-02-24

Family

ID=69667406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018162955A Active JP7025306B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 貸金庫用保護箱の施解錠装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7025306B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112901016A (zh) * 2021-01-28 2021-06-04 罗睿 一种智能预警自锁保险箱
CN113445860B (zh) * 2021-06-28 2022-05-27 武汉东天红数字科技有限公司 一种用于旧机动车证照监管柜的防盗装置及防盗方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010196250A (ja) 2009-02-23 2010-09-09 Kumahira Safe Co Inc 貸金庫システム
JP2018123642A (ja) 2017-02-03 2018-08-09 株式会社熊平製作所 給電通信ユニット

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63111569U (ja) * 1987-01-13 1988-07-18
JPH0514442U (ja) * 1991-04-25 1993-02-26 松下電工株式会社 電気錠

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010196250A (ja) 2009-02-23 2010-09-09 Kumahira Safe Co Inc 貸金庫システム
JP2018123642A (ja) 2017-02-03 2018-08-09 株式会社熊平製作所 給電通信ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020033807A (ja) 2020-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7025306B2 (ja) 貸金庫用保護箱の施解錠装置
KR200227883Y1 (ko) 보안 파일 케비넷 도어의 시건장치
CN208339230U (zh) 刷卡式文件柜
US4570466A (en) Door locking methods and apparatus
JP5329625B2 (ja) 格納システム
US20200096290A1 (en) Electromagnetic gun open safe
JP6498225B2 (ja) 貸金庫システム
JP5129985B2 (ja) 物品収納用箱体の施錠機構
JP5296363B2 (ja) 面付錠
JP6137889B2 (ja) 錠付ハンドル
JP4586771B2 (ja) 非常解錠装置
JP4834526B2 (ja) Idカードの登録方法
KR102127697B1 (ko) 이중 발전을 이용하는 잠금 장치
JP4958495B2 (ja) ロッカー装置及びロッカーシステム
JP2010196250A (ja) 貸金庫システム
JP6035062B2 (ja) 管理装置の錠前構造
JP3183776U (ja) 錠付ハンドル
JP6517870B2 (ja) 錠付ハンドル
JP3852859B1 (ja) 施錠補助システム、錠前補助装置
JP6591776B2 (ja) 収容ボックス及びストッカシステム
JP6498224B2 (ja) 施解錠機構および貸金庫システムの利用方法
JP7061633B2 (ja) 貸金庫装置用の内函と、それを使用する貸金庫装置
KR200384809Y1 (ko) 대여금고 도어 개폐장치
JPH06299748A (ja) キャビネット
JP2013096135A (ja) 錠装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7025306

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250