JP7024928B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電子機器をはじめとする様々な製品の製造場面で使用可能な粘着テープに関する。
粘着テープは、例えば電子機器や自動車をはじめとする様々な製品の製造場面で、広く使用されている。
前記粘着テープには、通常、水や熱等の影響によらず長期間にわたり優れた接着力を保持できることが求められる。なかでも、人が触れる機会の多い携帯電子機器の製造場面や自動車内装部材の固定場面で使用される粘着テープには、例えば汗や皮脂等が付着した場合であっても優れた接着力の保持可能な、いわゆる耐油性に優れることが求められている。
前記耐薬品性に優れる粘着テープとしては、例えば炭素原子数が4~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)50~90質量%、カルボキシル基含有モノマー(A2)3~20質量%、水酸基含有モノマー(A3)3~20質量%、及び、炭素原子数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A4)3~15質量%を構成成分として含み、重量平均分子量が70万~200万、理論Tgが-40℃以下である、ヒドロキシ基及びカルボキシル基を有するアクリル系共重合体(A)と、架橋剤(B)とを含有する粘着剤組成物を用いて得られる粘着テープが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかし、携帯電子機器や自動車内装の表面には、汗や皮脂、アルコール等の様々な物質との接触機会が頻繁にあるため、このような接触が何度も繰り返された場合では、上記粘着テープでは不十分であり、接着力の経時的な低下を引き起こす場合があった。
また、携帯電子機器端末や自動車内装などでは耐衝撃性(物体の落下や衝突時に発生する衝撃に対する接着信頼性)が要求されるが、上記粘着テープでは不十分であり耐衝撃性の向上が求められている。
近年、画像表示モジュールにおいては、画面の有効利用の観点やデザイン性の観点から、狭額縁化が進み、これに伴い、粘着テープの幅も狭小化されている(例えば0.5~1.0mm)。このため、例えば、特許文献1に記載の技術では基材が伸びやすく、加工時に不具合が起きることが懸念される他、気泡が大きくなると、テープ幅以上の気泡径となり、防水性能を喪失してしまう恐れがある。また、幅の狭小化した粘着テープは、貼付面積が小さいため、汗や皮脂、アルコール等の物質と接触した場合に、わずかな付着量であっても、幅が広い粘着テープと比較して接着力の経時的な低下等の影響を特に受けやすく、より高い耐油特性が求められている。
国際公開2014/002203パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、汗や皮脂等が付着した場合であっても、長期間にわたり優れた接着力を維持可能であり、耐衝撃性にも優れた粘着テープを提供することである。
本発明者は、特定含有量のカルボキシル基含有モノマーと、特定含有量の水酸基含有モノマーと、平均炭素原子数が4未満であるカルボキシル基含有モノマー及び水酸基含有モノマー以外の1種又は2種以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーを選択し、それらとを組み合わせたアクリル系共重合体、及び架橋剤を含有するアクリル系粘着剤と、中空粒子または気泡を含有する粘弾性体層を備える粘着テープであれば、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、アクリル系共重合体及び架橋剤を含むアクリル系粘着剤と中空粒子または気泡を含有する粘弾性体層を備え、前記アクリル系共重合体が、
(A) カルボキシル基含有モノマーと、
(B) 水酸基含有モノマーと、
(C) (A)及び(B)以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上と、を構成成分として含み、前記(C)のモノマーが有する平均炭素原子数が4未満である粘着テープに関するものである。
本発明の粘着テープは、良好な初期接着力を有し、例えば汗や皮脂等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力を維持し、かつ優れた耐衝撃性を有する。
本発明の粘着テープは、アクリル系共重合体及び架橋剤を含むアクリル系粘着剤と中空粒子または気泡を含有する粘弾性体層を備え、前記アクリル系共重合体が、
(A) カルボキシル基含有モノマーと、
(B) 水酸基含有モノマーと、
(C) (A)及び(B)以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上と、を構成成分として含み、前記(C)のモノマーが有する下記式より算出される平均炭素原子数が4未満である粘着テープに関する。
平均炭素原子数=[{前記(C)に対する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の炭素原子数との積の合計(X)}+{前記(C)に対する前記脂環式モノマーのモル分率(mol%)と前記脂環式モノマーが有する脂環式基の炭素原子数との積の合計(Y)}/100]
前記粘着テープの実施態様としては、前記粘弾性体層によって構成されるいわゆる基材レスの粘着テープ、粘弾性体層の片面または両面に、直接または他の層を介して前記粘着剤層を有する粘着テープなどが挙げられる。
粘着テープにおいて粘弾性体層および粘着剤層は、それぞれ単独構造であってもよく、2層以上の複層構造であってもよい。また、粘弾性体層の片面または両面に支持基材や粘着剤層が配置されたものであってもよい。2層以上の複数構造を作成する場合、それぞれの層を構成する粘着剤は、樹脂組成や添加剤等配合が同じであってもよく異なっていてもよい。
(粘弾性体層)
粘弾性体層に用いるアクリル系粘着剤としては、カルボキシル基含有モノマー(A)、水酸基含有モノマー(B)、及び(A)及び(B)以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上と、を構成成分として含む共重合体からなるアクリル共重合体(C)をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤を使用できる。
前記アクリル系共重合体の製造に使用可能な(A)カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性を発現するうえで好ましい。
前記アクリル系共重合体を製造する際に使用する(A)~(C)の全量と、後述する(A)~(C)以外のその他ビニルモノマーとの合計量(以下、アクリル単量体の全量という。)に対するカルボキシル基含有モノマーの含有量は特に限定されないが、2~30質量%の範囲が好ましく、4.1~25質量%の範囲がより好ましく、5.3~20質量%であることが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性と耐衝撃性を発現するうえで特に好ましい。
前記アクリル系共重合体の製造に使用可能な(B)水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。
前記アクリル系共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対する水酸基含有モノマーの含有量は特に限定されないが、0.01~1.0質量%の範囲が好ましく、0.01~0.85質量%の範囲がより好ましく、0.02~0.7質量%であることがさらに好ましく、0.03~0.5質量%であることが特に好ましく、0.04~0.3質量%であることがさらに特に好ましく、0.05~0.2質量%であることが、より一層好ましい。以上の範囲内であると、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を発現しやすい。
前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマーとは、アルキル基をエステル末端に有する(メタ)アクリレートである。アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基は直鎖のものであっても分岐鎖のものであってもよい。前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、等のアルキル基の炭素原子数が1~18である(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができるが、2種以上使用することが好ましい。なかでも、アルキル基の炭素原子数が1~12の(メタ)アクリレートモノマーを使用することが好ましく、炭素原子数が1~10の(メタ)アクリレートモノマーを使用することがさらに好ましい。特に炭素原子数が1~4の(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも一種を使用することで、前記(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の平均炭素原子数を4未満に調整しやすく好ましい。
前記(C)の前記脂環式モノマーは(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ脂環構造含有基を有するものである。ここで、「脂環構造含有基」とは、少なくとも一つの脂環構造を含む置換基をいい、以下脂環式基と呼ぶことがある。脂環式基としては、脂環構造を有する炭化水素や炭化水素オキシ基が挙げられる。前記脂環式モノマーの例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上が有する下記式より算出される平均炭素原子数は4未満であるが、2.1~3.9の範囲であることが好ましく、2.5~3.8の範囲であることがより好ましく、2.6~3.8以下の範囲であることがより好ましく、2.7~3.6の範囲であることが特に好ましい。特に、n-ブチルアクリレートと、メチルアクリレート、エチルアクリレートの少なくとも一種を使用して上記範囲とすることで、良好な初期接着力を有し、且つ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力と耐衝撃性を維持することができる。
前記平均炭素原子数の算出は次の通りに行う。前記(C)として含有する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーについて各アルキル基の炭素原子数と(C)中における前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)との積を算出する。前記(C)として含有する脂環式モノマーも同様に、各脂環式基の炭素原子数と(C)中における前記脂環式モノマーのモル分率(mol%)との積を算出する。(C)中に含まれる各アルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーについて算出した前記積の合計を、前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の全モル分率(mol%)で割ることにより前記平均炭素原子数を求められる。
平均炭素原子数=[{前記(C)に対する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の炭素原子数との積の合計(X)}+{前記(C)に対する前記脂環式モノマーのモル分率(mol%)と前記脂環式モノマーが有する脂環式基の炭素原子数との積の合計(Y)}/100]
例えば、2種のアルキル(メタ)アクリレートと1種類の脂環式モノマーを併用する場合、炭素原子数Aのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがa(mol%)、炭素原子数Bのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがb(mol%)、炭素原子数Cの脂環式基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがc(mol%)を含有する場合、その平均炭素原子数は、(A×a+B×b+C×c)/(a+b+c)、(ただし、a+b+c=100)で求められる。
脂環式モノマーを含有しない場合には(脂環式モノマーのモル分率=0mol%)、下記式で炭素原子数が求められる。
平均炭素原子数=[{前記(C)に対する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の炭素原子数との積の合計(X)}/100]
例えば、2種のアルキル(メタ)アクリレートを併用する場合、炭素原子数Aのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがa(mol%)、炭素原子数Bのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがb(mol%)を含有する場合、その平均炭素原子数は、(A×a+B×b)/(a+b)、(ただし、a+b=100)で求められる。
前記アクリル系共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対する前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、79~98質量%であることがより好ましく、84~95.7質量%であることがさらに好ましい。
前記アクリル系共重合体を製造する際は、(A)~(C)以外のその他ビニルモノマーを使用することができ、その他ビニルモノマーとしては、アミド基を有するビニルモノマー、スルホン酸基を有するモノマー、ビニルエーテルモノマー、アルコキシ基を有するモノマー、分子中にラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマーなどが使用できる。
前記その他ビニルモノマーを使用する場合、その使用量は汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力と耐衝撃性が実現されるよう適宜選択すればよい。前記アクリル系共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対する前記その他ビニルモノマーの含有量は、前記アクリル系共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対して2~15質量%が好ましく、2.5~10質量%であることがより好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることができるが、粘着剤の耐水性から溶液重合法や塊状重合法が好ましく、上記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーのうちn-ブチルアクリレート、メチルアクリレート、又は、エチルアクリレートを主要成分として用いる場合は安全性の観点から溶液重合法が好ましい。重合の開始方法は、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる。
上記アクリル系共重合体の分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が、40万以上であることが好ましく、45~300万であることがより好ましく、50~200万であることが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性を発現するうえでより好ましい。
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8320GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:1.0質量%(THF溶液)
サンプル注入量:100μL
溶離液:THF
流速:1.0mL/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR-H(S) 2本
ガードカラム:TSKguradcolumm HHR(S)
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万~2000万(東ソー株式会社製)
本発明の粘着テープの粘弾性体層は、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度は-40℃~5℃であることが好ましい。粘着剤層の損失正接のピーク値を当該範囲とすることで、常温下での被着体との良好な密着性を付与しやすくなる。更に耐衝撃性の向上の観点では、-35℃~3℃であることがより好ましく、-25℃~0℃であることがさらに好ましい。なお、粘弾性体層が組成の異なる粘着剤組成物の混合や積層で構成され損失正接(tanδ)のピーク値が複数存在する場合は、どれか一つが前記範囲内であればよく、一番低温側にあるピーク値が前記範囲内であることが好ましく、すべてのピーク値が前記範囲内であることがより好ましい。
周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G” / G’の式より求められる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、厚さ約2mmに形成した粘着剤層を同試験機の測定部である直径8mmのステンレス製平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで-60℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。
前記粘弾性体層は、中空粒子または気泡を含有するものとする。前記粘弾性体層は、上記アクリル系共重合体を適用するとともに中空粒子又は気泡を含有して中空構造を形成することにより、汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性と耐衝撃性とを両立した粘着テープとすることができる。中空構造を形成するためには、耐油性と耐衝撃性の観点から中空粒子を含有する形態が好ましく、ガラス製や熱可塑性樹脂製の中空粒子を使用することが特に好ましい。中空粒子としては、熱可塑性樹脂製であると耐衝撃性を一層向上しやすく、熱可塑性樹脂製の中空粒子としては、熱可塑性樹脂を外殻とし外殻内部にヘプタンやヘキサン、イソブタン等の炭素数が4~7の飽和炭化水素等の熱膨張剤が封入されている熱膨張性マイクロカプセルの使用が特に好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、加熱により適宜膨張させて使用することができ、粘弾性基材の厚み精度や製造が容易なことから、予め膨張させた熱膨張性マイクロカプセルの使用が好ましい。
熱可塑性樹脂製の中空粒子は、外殻を構成する熱可塑性樹脂として、単独重合体のガラス転移温度が80℃、好ましくは100℃以上のビニルモノマーを重合させたものが好ましく、アクリロニトリルやメタアクリロニトリル、メタクリル酸メチルが主成分の熱可塑性樹脂が、汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性と耐衝撃性を発現するうえでより好ましい。
上記中空粒子の平均粒子径は、粘弾性体層の厚さ以下であることが好ましく、粘弾性体層の厚さに対して90%以下が好ましく、20~50%がより好ましい。前記範囲内であれば、150μm以下が好ましく、10~90μmのものがより好ましく、20~60μmのものが、初期密着性を損なわず、十分な耐衝撃性が得られるので特に好ましい。中空粒子の平均粒径は、例えば、レーザー光散乱式粒度分布測定装置を用いて行う50%平均粒径である。
中空粒子の真比重は特に制限されないが、中空粒子の機械的強度や均一分散性などを考慮して、0.01~0.50g/cm、好ましくは0.01~0.30g/cm、さらに好ましくは0.02~0.20g/cmの範囲から選択する。
粘弾性体層中の中空粒子の使用量は、粘弾性体層に使用する粘着剤の全量に対して好ましくは5~60体積%、より好ましくは15~45体積%である。この範囲であれば、十分な耐衝撃性能が得られ、且つ粘弾性体層の引張強度が強くなり優れた抜き加工適性が得られる。空粒子の分散方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の分散方法としてはミキサー、ディゾルバー等の撹拌機を採用することができる。
粘弾性体層の見かけ密度は特に限定されないが、耐衝撃性や被着体との優れた密着性の両立を実現しやすいことから、0.50~1.1g/cm、好ましくは0.60~1.0g/cm、より好ましくは0.7~1.0g/cmである。なお、見かけ密度は、JISK6767に準じて測定した。4cm×5cmの長方形に切断した粘弾性体層(厚みは測定済み)を約15cm分用意し、その質量を測定して見かけ密度を求める。
本発明で使用することのできるアクリル系粘着剤としては、より一層優れた接着性を備えた粘着シートを得るうえで、粘着付与樹脂を含有するものを使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。前記粘着付与樹脂の軟化点は、特に規定されないが、30~180℃、好ましくは40℃~140℃である。
前記粘着付与樹脂の含有量は、粘弾性体層の周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が-40℃~5℃に収まる範囲であれば特に制限はないが、前記アクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して50質量部以下であると、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を発現する上で、35質量部以下であることが好ましく、25質量部以下の範囲の含有量であることがさらに好ましい。また、前記粘着付与樹脂は2種類以上を併用して用いてもよい。
また、粘弾性体層としては、より一層優れた凝集力を備えるために架橋剤で架橋される。粘着剤層の架橋度合いの指標として、粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が用いられる。ゲル分率は、好ましくは20質量%~90質量%、より好ましくは30質量%~80質量%、更に好ましくは30質量%~70質量%の範囲であれば、凝集性と接着性がともに良好である。
なお、ゲル分率の測定は、前記アクリル系粘着剤と架橋剤等を配合した粘着剤を塗工、90℃で3分間乾燥し、40℃で2日エージングしたものを50mm角に切り取り、これを試料とする。次に、前記試料の質量(G1)を測定した後、トルエン溶液中に23℃で24時間浸漬する。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を200メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=(G2-G3)/(G1-G3)×100
*G3:試料中に存在する中空粒子の質量
前記架橋剤としては、アクリル系粘着剤の分野において従来公知ないし慣用の架橋剤が使用できる。例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、予め製造した前記アクリル系共重合体またはその溶液と混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。架橋剤は、一種類または二種類以上を併用してもよい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。前記エポキシ系架橋剤としては、例えばN,N‘-(シクロヘキサン-1,3-ジイルビスメチレン)ビス(ジグリシジルアミン)、N,N,N’,N‘-テトラグリシジル-1,3-ベンゼンジ(メタンアミン)等が好ましい。
前記架橋剤の使用量は、上記ゲル分率に調整できれば特に限定されないが、アクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して0.001質量部~5.0質量部が好ましいが、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を発現するうえで、0.01質量部~4.3質量部であることがより好ましい。
前記アクリル系粘着剤としては、その良好な塗工作業性等を維持するうえで溶媒を含有する塗工液を使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン等を使用できる。前記熱可塑樹脂製中空粒子の耐溶剤性を考慮して、全溶剤成分に占める酢酸エチルの割合が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましい。溶剤を使用して塗工液にする場合、その固形分濃度(アクリル系樹脂)は特に限定されないが、10~80質量%が好ましい。
粘弾性体層は、粘着テープにおいて意匠性、遮光性や隠蔽性、光反射性、耐光性を発現させるために着色されていてもよい。着色剤は、単独、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着テープに遮光性や隠蔽性、耐光性を付与する場合、粘弾性体層は黒色に着色される。黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、絶縁性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
粘着テープに意匠性や光反射性などを付与する場合、粘弾性体層は白色に着色される。白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、色調の観点から、酸化アルミニウムや酸化亜鉛、炭酸カルシウムが好ましい。
また、前記粘弾性体層には、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の粒子や繊維、金属粉末、金属化合物等の充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知の添加剤を樹脂に任意に含有されていてもよい。本発明の粘着シートに使用する粘弾性体層としては、適度な追従性とクッション性を維持するため、粘弾性体層を構成するアクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して上記添加剤の合計量を0.1質量%~10質量%の範囲内とするのが好ましく、1質量%~7質量%の範囲内とするのがより好ましい。
本発明の粘着テープを構成する粘弾性体層の厚さは、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を備え、かつ、電子機器等の薄型化に貢献するうえで、20μm~500μmの範囲の厚さを有するものを使用することが好ましく、25μm~400μmの範囲の厚さを有するものを使用することがより好ましく、30μm~300μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましい。粘弾性体層の厚みを上記範囲とすることで、凹凸形状や3D形状、粗面を備えた被着体に対して好適な接着力及び耐衝撃性を発現することができる。
粘弾性体層としては、複数層(好ましくは2層又は3層)を積層したものが好ましい。特に、厚さ90μm以上の粘弾性体層を前記アクリル系粘着剤の塗工液から作成する場合は、乾燥時に発生する溶剤の発泡による外観不良を防止するため、厚さ90μm未満で作成した粘着シートを積層して作成することが好ましい。上記のように粘弾性体層を複数層積層して形成した場合、耐衝撃性を有する粘着テープを得やすい。これは、粘弾性体層を、複数層の積層体とした場合、粘弾性体層中の中空粒子が均一に分散しやすいことによると考えられる。
本発明における粘弾性体層は、上記した粘弾性特性等を備えるものとすることで、従来の粘着テープにおける基材としての特性を維持しつつ、汗や皮脂等が付着した場合であっても優れた接着力を維持する粘着特性も兼ね備えた層として利用可能である。
(粘着剤層)
粘着剤層に用いるアクリル系粘着剤としては、カルボキシル基含有モノマーを(A)、水酸基含有モノマー(B)、及び(A)及び(B)以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上と、を構成成分として含む共重合体からなるアクリル系共重合体(C)をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤を使用できる。
前記アクリル系共重合体の製造に使用可能な(A)カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性と耐衝撃性を発現するうえで特に好ましい。
前記アクリル系共重合体を製造する際に使用する(A)~(C)の全量と、後述する(A)~(C)以外のその他ビニルモノマーとの合計量(以下、アクリル単量体の全量という。)に対するカルボキシル基含有モノマーの含有量は特に限定されないが、2~30質量%の範囲が好ましく、4.1~25質量%の範囲がより好ましく、5.3~20質量%であることが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性と耐衝撃性を発現するうえで特に好ましい。
前記アクリル系共重合体の製造に使用可能な(B)水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基含有(メタ)アクリレートを使用できる。
前記アクリル系共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対する水酸基含有モノマーの含有量は特に限定されないが、0.01~1.0質量%の範囲が好ましく、0.01~0.85質量%の範囲がより好ましく、0.02~0.7質量%であることがさらに好ましく、0.03~0.5質量%であることが特に好ましく、0.04~0.3質量%であることがさらに特に好ましく、0.05~0.2質量%であることが、より一層好ましい。以上の範囲内であると、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を発現しやすい。
前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマーとは、アルキル基をエステル末端に有する(メタ)アクリレートである。アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基は直鎖のものであっても分岐鎖のものであってもよい。前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素原子数が1~18である(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができるが、2種以上使用することが好ましい。なかでも、アルキル基の炭素原子数が1~12の(メタ)アクリレートモノマーを使用することが好ましく、炭素原子数が1~10の(メタ)アクリレートモノマーを使用することがさらに好ましい。特に炭素原子数が1~4の(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも一種を使用することで、前記(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の平均炭素原子数を4未満に調整しやすく好ましい。
前記(C)の前記脂環式モノマーは(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ脂環構造含有基を有するものである。ここで、「脂環構造含有基」とは、少なくとも一つの脂環構造を含む置換基をいい、以下脂環式基と呼ぶことがある。脂環式基としては、脂環構造を有する炭化水素や炭化水素オキシ基が挙げられる。前記脂環式モノマーの例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上が有する前記平均炭素原子数は4未満であるが、2.1~3.9の範囲であることが好ましく、2.5~3.8の範囲であることがより好ましく、2.6~3.8以下の範囲であることがより好ましく、2.7~3.6の範囲であることが特に好ましい。特に、n-ブチルアクリレートと、メチルアクリレート、エチルアクリレートの少なくとも一種を使用して上記範囲とすることで、良好な初期接着力を有し、且つ、汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力と耐衝撃性を維持することができる。
上記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上が有する前記平均炭素原子数の算出は次の通りに行う。前記(C)として含有する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーについて各アルキル基の炭素原子数と(C)中における前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)との積を算出する。前記(C)として含有する脂環式モノマーも同様に、各脂環式基の炭素原子数と(C)中における前記脂環式モノマーのモル分率(mol%)との積を算出する。(C)中に含まれる各アルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーについて算出した前記積の合計を、前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の全モル分率(mol%)で割ることにより前記平均炭素原子数を求められる。
平均炭素原子数=[{前記(C)に対する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の炭素原子数との積の合計(X)}+{前記(C)に対する前記脂環式モノマーのモル分率(mol%)と前記脂環式モノマーが有する脂環式基の炭素原子数との積の合計(Y)}/100]
例えば、2種のアルキル(メタ)アクリレートと1種類の脂環式モノマーを併用する場合、炭素原子数Aのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがa(mol%)、炭素原子数Bのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがb(mol%)、炭素原子数Cの脂環式基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがc(mol%)を含有する場合、その平均炭素原子数は、(A×a+B×b+C×c)/(a+b+c)、(ただし、a+b+c=100)で求められる。
脂環式モノマーを含有しない場合には(脂環式モノマーのモル分率=0mol%)、下記式で炭素原子数が求められる。
平均炭素原子数=[{前記(C)に対する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の炭素原子数との積の合計(X)}/100]
例えば、2種のアルキル(メタ)アクリレートを併用する場合、炭素原子数Aのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがa(mol%)、炭素原子数Bのアルキル基のアルキル(メタ)アクリレートモノマーがb(mol%)を含有する場合、その平均炭素原子数は、(A×a+B×b)/(a+b)、(ただし、a+b=100)で求められる。
前記アクリル系共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対する前記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、79~98質量%であることがより好ましく、84~95.7質量%であることがさらに好ましい。
前記アクリル系共重合体を製造する際は、(A)~(C)以外のその他ビニルモノマーを使用することができ、その他ビニルモノマーとしては、アミド基を有するビニルモノマー、スルホン酸基を有するモノマー、ビニルエーテルモノマー、アルコキシ基を有するモノマー、分子中にラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマーなどが使用できる。
前記その他ビニルモノマーを使用する場合、その使用量は汗や皮脂やアルコール等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力と耐衝撃性が実現されるよう適宜選択すればよい。その他ビニルモノマーの含有量は、前記アクリル系共重合体を製造する際に使用できるアクリル単量体の全量に対して2~15質量%が好ましく、2.5~10質量%であることがより好ましい。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることができるが、粘着剤の耐水性から溶液重合法や塊状重合法が好ましく、上記(C)のアルキル(メタ)アクリレートモノマーのうちn-ブチルアクリレート、メチルアクリレート、又は、エチルアクリレートを主要成分として用いる場合は安全性の観点から溶液重合法が好ましい。重合の開始方法は、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる。
上記アクリル系共重合体の分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が、40万以上であることが好ましく、45~300万であることがより好ましく、50~200万であることが汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性を発現するうえでより好ましい。
本発明の粘着テープの粘着剤層に使用する粘着剤は、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度は-40℃~5℃であることが好ましい。粘着剤層の損失正接のピーク値を当該範囲とすることで、常温下での被着体との良好な密着性を付与しやすくなる。更に耐衝撃性の向上の観点では、-35℃~3℃であることがより好ましく、-25℃~0℃であることがさらに好ましい。なお、粘弾性体層が組成の異なる粘着剤組成物の混合や積層で構成され損失正接(tanδ)のピーク値が複数存在する場合は、どれか一つが前記範囲内であればよく、一番低温側にあるピーク値が前記範囲内であることが好ましく、すべてのピーク値が前記範囲内であることがより好ましい。
前記粘着剤層は、前記粘弾性体層と同じく中空粒子または気泡を含有するものとして、中空構造を導入してもよい。粘弾性体層の両面に直接または他の層を介して前記粘着剤層を有する両面粘着テープの実施態様で電子機器等を構成する2以上の被着体の固定に使用する場合には、両面の粘着剤層に中空構造を導入してもよく、最初の被着体に貼付する側の粘着剤層に中空構造を導入し、2以降の被着体に貼付する側の粘着剤層には中空構造を導入しない構成にしてもよい。
中空構造の導入は、耐薬品性と耐衝撃性の観点から中空粒子を含有する形態が好ましく、ガラス製や熱可塑性樹脂製の中空粒子を使用することが特に好ましい。中空粒子としては、熱可塑性樹脂製であると耐衝撃性を一層向上しやすく、熱可塑性樹脂製の中空粒子としては、熱可塑性樹脂を外殻とし外殻内部にヘプタンやヘキサン、イソブタン等の炭素数が4~7の飽和炭化水素等の熱膨張剤が封入されている熱膨張性マイクロカプセルの使用が特に好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、加熱により適宜膨張させて使用することができ、粘弾性基材の厚み精度や製造が容易なことから、予め膨張させた熱膨張性マイクロカプセルの使用が好ましい。
熱可塑性樹脂製の中空粒子は、外殻を構成する熱可塑性樹脂として、単独重合体のガラス転移温度が80℃、好ましくは100℃以上のビニルモノマーを重合させたものが好ましく、アクリロニトリルやメタアクリロニトリル、メタクリル酸メチルが主成分の熱可塑性樹脂が、汗や皮脂やアルコール等に対してより一層優れた耐油性と耐衝撃性を発現するうえでより好ましい。
上記中空粒子の平均粒子径は、粘着剤層の厚さ以下であることが好ましく、粘着剤層の厚さに対して90%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、20~40%がより好ましい。前記範囲内であれば、100μm以下が好ましく、10~80μmのものが好ましく、20~60μmのものが、初期密着性を損なわず、十分な耐衝撃性が得られるので好ましい。中空粒子の平均粒径は、例えば、レーザー光散乱式粒度分布測定装置を用いて行う50%平均粒径である。
中空粒子の真比重は特に制限されないが、中空粒子の機械的強度や均一分散性などを考慮して、0.01~0.50g/cm、好ましくは0.01~0.30 g/cm、さらに好ましくは0.02~0.20g/cmの範囲から選択する。
粘弾性体層中の中空粒子の使用量は、粘弾性体層に使用する粘着剤の全量に対して好ましくは5~60体積%、より好ましくは15~45体積%である。この範囲であれば、十分な耐衝撃性能が得られ、且つ粘弾性体層の引張強度が強くなり優れた抜き加工適性が得られる。中空粒子の分散方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の分散方法としてはミキサー、ディゾルバー等の撹拌機を採用することができる。
粘着剤層の見かけ密度は特に限定されないが、耐衝撃性や被着体との優れた密着性の両立を実現しやすいことから、0.50~1.1g/cm、好ましくは0.60~1.0g/cm、より好ましくは0.7~1.0g/cmである。なお、見かけ密度は、JISK6767に準じて測定した。4cm×5cmの長方形に切断した粘着剤層(厚みは測定済み)を約15cm分用意し、その質量を測定して見かけ密度を求める。
本発明で使用することのできるアクリル系粘着剤としては、より一層優れた接着性を備えた粘着シートを得るうえで、粘着付与樹脂を含有するものを使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。前記粘着付与樹脂の軟化点は、特に規定されないが、30~180℃、好ましくは40℃~140℃である。
前記粘着付与樹脂の含有量は、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が-40℃~5℃に収まる範囲であれば特に制限はないが、前記アクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して50質量部以下であると、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を発現する上で、35質量部以下であることが好ましく、25質量部以下の範囲の含有量であることがさらに好ましい。また、前記粘着付与樹脂は2種類以上を併用して用いてもよい。
また、粘着剤層としては、より一層優れた凝集力を備えるために架橋剤で架橋される。粘着剤層の架橋度合いの指標として、粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が用いられる。ゲル分率は、好ましくは20質量%~90質量%、より好ましくは30質量%~80質量%、更に好ましくは30質量%~70質量%の範囲であれば、凝集性と接着性がともに良好である。
なお、ゲル分率の測定は、前記粘着剤組成物と架橋剤等を配合した粘着剤を塗工、90℃で3分間乾燥し、40℃で2日エージングしたものを50mm角に切り取り、これを試料とする。次に、前記試料の質量(G1)を測定した後、トルエン溶液中に23℃で24時間浸漬する。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を200メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=(G2-G3)/(G1-G3)×100
*G3:試料中に存在する中空粒子の質量
前記架橋剤としては、アクリル系粘着剤の分野において従来公知ないし慣用の架橋剤が使用できる。例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、予め製造した前記アクリル系共重合体またはその溶液と混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。架橋剤は、一種類または二種類以上を併用してもよい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。前記エポキシ系架橋剤としては、例えばN,N‘-(シクロヘキサン-1,3-ジイルビスメチレン)ビス(ジグリシジルアミン)、N,N,N’,N‘-テトラグリシジル-1,3-ベンゼンジ(メタンアミン)等が好ましい。
前記架橋剤の使用量は、上記ゲル分率に調整できれば特に限定されないが、アクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して0.001質量部~5.0質量部が好ましいが、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を発現するうえで、0.01質量部~4.3質量部であることがより好ましい。
前記アクリル系粘着剤としては、その良好な塗工作業性等を維持するうえで溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン等を使用できる。前記熱可塑樹脂製中空粒子の耐溶剤性を考慮して、全溶剤成分に占める酢酸エチルの割合が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましい。
アクリル系粘着剤は、粘着テープにおいて意匠性、遮光性や隠蔽性、光反射性、耐光性を発現させるために着色されていてもよい。着色剤は、単独、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着テープに遮光性や隠蔽性、耐光性を付与する場合、粘着剤層は黒色に着色される。黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
粘着テープに意匠性や光反射性などを付与する場合、粘着剤層は白色に着色される。白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、色調の観点から、酸化アルミニウムや酸化亜鉛、炭酸カルシウムが好ましい。
また、粘着剤層には、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の粒子や繊維、金属粉末、金属化合物等の充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知の添加剤を樹脂に任意に含有されていてもよい。本発明の粘着剤層に使用するアクリル系粘着剤としては、適度な追従性とクッション性を維持するため、粘着剤層を構成するアクリル粘着剤中の樹脂固形分100質量部に対して上記添加剤の合計量を0.1質量%~10質量%が好ましく、1質量%~7質量%が好ましい。添加剤の平均粒子径は、粘着剤層の厚さ以下であることが好ましく、粘着剤層の厚さの90%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、20~40%が粘着テープの初期密着性への影響が少なく好ましい。
本発明の粘着テープを構成する粘着剤層としては、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を備え、かつ、電子機器等の薄型化に貢献するうえで、1μm~200μmの範囲の厚さを有するものを使用することが好ましく、10μm~140μmの範囲の厚さを有するものを使用することがより好ましく、10μm~100μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましい。
(粘着テープ)
本発明の粘着テープは、支持基材を含んでもよい。支持基材としては、例えば樹脂基材、発泡体基材、不織布基材、布、紙、金属箔等を使用することができる。中でも、樹脂基材を使用することが好ましい。
前記樹脂基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合などのポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどの周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が50℃以上のポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドなどを用いて得られるフィルムまたはシートを使用することができる。
支持基材の厚さは、目的に応じて適宜選択されるが、1~500μmが好ましく、通常は2~200μmのものが特に好ましく使用できる。
支持基材は、粘着剤層や粘弾性体層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、易接着処理剤の塗布等の表面処理がなされていてもよい。表面処理は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上、好ましくは40mN/m、さらに好ましくは48mN/mとすることで、良好な密着性が得られる。また、支持基材は意匠性や隠ぺい性、遮光性を高める処理(顔料の配合、印刷、金属の蒸着など)が施されていてもよい。
本発明の粘着テープの製造方法としては、予め離型ライナーの表面に前記粘弾性体層用の粘着剤組成物を塗布し、乾燥することによって前記粘弾性体層を形成し、その片面または両面に前記粘着剤組成物を塗工し、乾燥等することによって製造する方法(直接法)、または、離型ライナーの表面に粘着剤組成物を塗工し乾燥等することによって粘着剤層を形成した後、前記粘着剤層を、前記粘弾性体層の片面または両面に転写することによって製造する方法(転写法)が挙げられる。
本発明の粘着テープは、その粘着剤層の表面に離型フィルムが積層された状態でシート状、巻物状で保管されていてもよい。
本発明の粘着テープの厚さは特に限定されないが、汗や皮脂等に対してより一層優れた耐油性を備え、かつ、優れた耐衝撃性を有するうえで、40μm以上の厚さを有するものを使用することが好ましく、80μm~900μmの範囲の厚さを有するものを使用することがより好ましく、90μm~500μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましく、100μm~400μmの範囲の厚さを有するものを使用することがさらに好ましい。
本発明の粘着テープは、良好な初期接着力を有し、例えば汗や皮脂等が付着した場合であっても膨潤しにくく、長期間にわたり優れた接着力を維持し、かつ優れた耐衝撃性及び耐反発性を有することから、携帯電子端末やタブレットパソコン等の電子機器を構成するきょう体の貼り合せに用いられる両面テープ、前記きょう体の表面に意匠性を付与するラベル、防水テープ、医療機器用粘着テープ等の様々な分野で好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[調整例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n-ブチルアクリレート77.4質量部、アクリル酸7.5質量部、メチルアクリレート15質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、常温で1時間窒素バブリングして混合物を得た。
次に、前期混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分1.0質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。’
次に、前記混合物を酢酸エチルで希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量88万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が3.3のアクリル共重合体(A-1)溶液(固形分濃度26質量%)を得た。
前記アクリル共重合体(A-1)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE、松本油脂製薬(株)製、アクリロニトリル系共重合体、平均粒径30μm、密度0.025g/cm)を0.16質量部配合して均一に分散させた後、架橋剤としてバーノックD-40(DIC株式会社製、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、不揮発分40質量%、以下D-40)を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-1)を得た。
[調整例2]
前記アクリル共重合体(A-1)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE)を0.05質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-2)を得た。
[調整例3]
前記アクリル共重合体(A-1)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE)を0.64質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-3)を得た。
[調整例4]
前記アクリル共重合体(A-1)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE)を0.67質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-4)を得た。
[調整例5]
前記アクリル共重合体(A-1)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE)を1.38質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-5)を得た。
[調整例6]
前記アクリル系共重合体(A-1)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(エクスパンセル920DE40d30、日本フィライト(株)製、アクリロニトリル系共重合体、平均粒径45μm、密度0.03g/cm3)を0.19質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-6)を得た。
[調整例7]
前記アクリル共重合体(A-1)溶液100質量部に、ガラス製中空粒子(グラスバブルズK-15、3M社製、平均粒径60μm、密度0.15g/cm3)を1.30質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-7)を得た。
[調整例8]
n-ブチルアクリレートを74.9質量部、アクリル酸を10質量部、メチルアクリレート15質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレートを0.1質量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子75万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が3.3のアクリル共重合体(A-2)溶液(固形分濃度26%)を得た。前記アクリル共重合体(A-2)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE、松本油脂製薬(株)製)を0.16質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-8)を得た。
[調整例9]
n-ブチルアクリレートを59.9質量部、アクリル酸を10質量部、メチルアクリレート30質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子量70万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が2.6のアクリル共重合体(A-3)溶液を得た。前記アクリル共重合体(A-2)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE、松本油脂製薬(株)製)を0.16質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-9)を得た。
[調整例10]
n-ブチルアクリレートを59.9質量部、アクリル酸を5質量部、メチルアクリレート35質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子量71万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が2.6のアクリル共重合体(A-3)溶液を得た。前記アクリル共重合体(A-2)溶液100質量部に、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE、松本油脂製薬(株)製)を0.16質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(P-9)を得た。
[実施例1]
調整例1で得た粘着剤組成物(P-1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが66μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥させることによって、粘弾性体層を1枚作製した。同様の操作で、粘着剤組成物(P-1)を乾燥後の厚さが67μmに塗工・乾燥させた粘弾性体層を2枚作製した。次に、2枚の粘弾性体層の露出面同士を積層した後、前記離型ライナーの上面から線圧5kg/cmのロールでラミネートした。ラミネートした後、片側の離型ライナーを剥がして露出した面にもう一枚の粘弾性体層を積層させて貼り合わせしたのち、前記離型ライナーの上面から線圧5kg/cmのロールで常温ラミネートした。これを40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ200μmの粘着テープ(T-1)を得た。
[実施例2~10]
調整例2~10で得た粘着剤組成物(P-2~P-10)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で厚さ200μmの粘着テープ(T-2~T-10)を得た。
[比較調整例1]
前記アクリル共重合体(A-1)溶液100質量部に、D-40を0.8質量部配合することによって粘着剤組成物(Q-1)を得た。
[比較調整例2]
n-ブチルアクリレート79.9質量部、2-エチルヘキシルアクリレート6質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸4質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子量106万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4.4のアクリル共重合体(B-1)溶液(固形分濃度26%)を得た。
前記アクリル重合体(B-1)溶液100質量部に対して、ハリマ化成グループ株式会社製重合ロジンエステル「ハリタックPCJ」を1.3質量部、三井化学株式会社製芳香族系炭化水素樹脂「FTR6125」3.9質量部を均一に混合したのちに、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE)を0.16質量部配合して均一に分散させた後、D-40を1.3質量部配合することによって粘着剤組成物(Q-2)を得た。
[比較調整例3]
n-ブチルアクリレート89.9質量部、アクリル酸10質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート0.1量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子量71万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が4.0のアクリル共重合体(B-2)溶液(固形分濃度26%)を得た。
前記アクリル重合体(B-2)溶液100質量部に対して、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE)を0.16質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.6質量部配合することによって粘着剤組成物(Q-3)を得た。
「比較調整例4」
2-エチルヘキシルアクリレート75質量部、メチルアクリレート10質量部、アクリル酸10質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート5.0質量部に変更する以外は調整例1と同様の方法で、重量平均分子量87万、アルキルアクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数が6.5のアクリル共重合体(B-3)溶液(固形分濃度26%)を得た。
前記アクリル共重合体(B-3)溶液に、樹脂固形分100質量部に対して、熱可塑性樹脂製中空粒子(マツモトマイクロスフエアーFN-80SDE)を0.16質量部配合して均一に分散させた後、D-40を0.1質量部配合することによって粘着剤組成物(Q-4)を得た。
[比較例1]
粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(Q-1)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープ(U-1)を得た。
[比較例2]
粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(Q-2)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープ(U-2)を得た。
[比較例3]
粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(Q-3)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープ(U-3)を得た。
[比較例4]
粘着剤組成物(P-1)の代わりに粘着剤組成物(Q-4)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープ(U-4)を得た。
[比較例5]
ポリオレフィン系発泡体(厚さ170μm、密度0.54g/cm、25%圧縮強度:600kPa、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)の両面に、乾燥後の厚さが15μmの粘着剤組成物(Q-1)から作製した粘着剤層を1枚ずつ積層したのち、離型ライナーの上面から線圧5kg/cmのロールで常温ラミネートした。これを40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ200μmの発泡体基材の両面粘着テープ(U-5)を得た。
[実施例11]
調整例1で得た粘着剤組成物(P-1)を、離型ライナー(片面側が剥離処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが100μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥させることによって、粘弾性体層を1枚作製した。同様の操作で、粘着剤組成物(Q-1)を乾燥後の厚さが50μmに塗工・乾燥させた粘着剤層を2枚作製した。次に、粘弾性体層と前記粘着剤層1枚を積層した後、前記離型ライナーの上面から線圧5kg/cmのロールでラミネートした。ラミネート後、粘弾性体層側の離型ライナーを剥がして露出した面にもう1枚の粘着剤層を積層させて貼り合わせしたのち、前記離型ライナーの上面から線圧5kg/cmのロールで常温ラミネートした。これを40℃の環境下で48時間熟成させることによって、厚さ200μmの粘着テープ(T-11)を得た。
[実施例12]
前記粘弾性体層の厚さを60μm、粘着剤層の厚さを70μmとしたこと以外は実施例10と同様の操作で厚さ200μmの粘着テープ(T-12)を得た。
[プッシュ強度の測定方法]
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープを外寸14mm角、幅1mmの窓枠状に裁断し、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で、前記両面粘着テープの一方の面側の離型ライナーを剥離し、厚さ3mm、20mm角のソーダガラス板(色相:無色透明)に、窓枠状加工品の中心とガラス板の中心が重なるように前記粘着テープ1枚を貼付した。
前記試験片の他方の面側の離型ライナーを剥離し、中心に直径10mmの穴の開いた厚さ2mmのポリカーボネート板(バイエル社製、makrolon、色相:透明)の表面に貼付した後(接着面積0.52cm)、ガラス板の上から50N/cmの圧力で10秒間圧着することによって貼付物を得た。
前記貼付物を23℃及び50%RHの雰囲気下で24時間放置した後、60℃及び90%RHの雰囲気下で24時間放置した。その後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
次に、前記貼付物のポリカーボネート板の穴から、直径7mmのSUS製プローブで速度5mm/minでガラス板を押し、ガラス板が剥がれる強度(G1)を測定した。
[耐油性の評価方法]
前記[プッシュ強度の測定方法]で得た貼付物を、23℃及び50%RHの雰囲気下に24時間放置した後、オレイン酸(純度99%):スクアレン=1:1(質量比)の混合溶液をポリカーボネート板の穴から約10mg滴下した状態で、60℃及び90%RHの雰囲気下で24時間放置した。その後、23℃及び50%RHに24時間放置した。
次に、前記貼付物のポリカーボネート板の穴から、直径7mmのプローブで、速度5mm/minでガラス板を押し、ガラス板が剥がれる強度(G2)を測定した。
前記プッシュ強度(G1)と(G2)から接着力保持率を算出して耐油性を評価した。
接着力保持率(%)=(G2/G1)×100
[耐衝撃性の評価方法]
前記[プッシュ強度の測定方法]で得た貼付物を、23℃及び50%RHの雰囲気下に24時間放置した後、デュポン式衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、前記試験片のガラス板が下向きになるよう設置した。
次に、前記ポリカーボネート板側から、直径9.5mm及び質量200gのステンレス製の撃芯を、高さ10cmの位置から3回落下させた後に、試験片の粘着テープの剥がれや基材破壊の有無を評価した。剥がれなどが無い場合は、落下高さを前回より10cm高くして、3回落下した後の試験片の粘着テープの剥がれや基材破壊の有無を確認する。以降、剥がれや基材破壊がない場合は、落下高さを10cmずつ高くして同様に試験を繰り返し行い、最終的に試験片の粘着テープの剥がれや基材破壊が認められたときの落下高さ(cm)を測定した。
以上の結果を下記表に示す。表中、平均炭素原子数は、用いたアルキル(メタ)アクリレートモノマーが有する飽和炭化水素基の平均炭素原子数である。
Figure 0007024928000001
Figure 0007024928000002
Figure 0007024928000003
Figure 0007024928000004
上記結果より、本願発明である実施例1~12は、接着力(プッシュ強度)、耐油性(接着力維持率)、及び耐衝撃性の全てにおいて良好な特性を有していることが分かる。特に、幅1mmの狭いテープであっても耐油性が良好なものであった。一方、比較例1~5では、上記特性のいずれか一つ以上が劣っていることが分かる。

Claims (7)

  1. アクリル系共重合体及び架橋剤を含むアクリル系粘着剤と中空粒子または気泡を含有する粘弾性体層を備え、
    前記アクリル系共重合体が、
    (A) カルボキシル基含有モノマーと、
    (B) 水酸基含有モノマーと、
    (C) (A)及び(B)以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上と、を構成成分として含み、
    前記(C)のモノマーが有する下記式
    平均炭素原子数=[{前記(C)に対する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の炭素原子数との積の合計(X)}+{前記(C)に対する前記脂環式モノマーのモル分率(mol%)と前記脂環式モノマーが有する脂環式基の炭素原子数との積の合計(Y)}/100]
    より算出される平均炭素原子数が4未満であり、
    前記粘弾性体層の少なくとも一方の面に直接又は他の層を介して粘着剤層を有し、前記粘着剤層がアクリル系共重合体及び架橋剤を含むアクリル系粘着剤を含有し、前記アクリル系共重合体が、
    (A') カルボキシル基含有モノマーと、
    (B') 水酸基含有モノマーと、
    (C') (A')及び(B')以外のアルキル(メタ)アクリレートモノマー及び脂環式モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上と、を構成成分として含み、
    前記(C')のモノマーが有する下記式:
    平均炭素原子数=[{前記(C')に対する前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーのモル分率(mol%)と前記アルキル(メタ)アクリレートモノマーが有するアルキル基の炭素原子数との積の合計(X')}+{前記(C')に対する前記脂環式モノマーのモル分率(mol%)と前記脂環式モノマーが有する脂環式基の炭素原子数との積の合計(Y')}/100]
    より算出される平均炭素原子数が4未満である粘着テープ。
  2. 前記粘弾性体層は、前記中空粒子を粘弾性体層中に5~60体積%含む請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記中空粒子が、熱可塑性樹脂を外殻とし、外殻内部に熱膨張剤を含有する熱膨張性マイクロカプセルである請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 粘弾性体層及び/又は粘着剤層の周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が-40℃~5℃である請求項1~3のいずれかに記載の粘着テープ。
  5. 前記アクリル系共重合体の重量平均分子量が40万~300万である請求項1~4のいずれかに記載の粘着テープ。
  6. 前記粘弾性体層の厚みが20μm~500μmである請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  7. 前記粘着剤層の厚みが1~200μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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