JP7023876B2 - α5含有GABAA受容体アゴニストによる神経変性および神経精神障害における認知症状および気分症状の処置 - Google Patents

α5含有GABAA受容体アゴニストによる神経変性および神経精神障害における認知症状および気分症状の処置 Download PDF

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Description

関連出願
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2016年3月18日に出願された米国特許出願第62/310,409号明細書の利益を主張し、これは参照により本明細書に組み込まれる。
連邦政府が支援する研究または開発に関する声明
[0002] 本開示は、NIH認可番号R01 MH096463の下、米国政府の支援によりなされたものである。米国政府は、本開示に一定の権利を有する。
[0003] 世界保健機関によると、大うつ病障害(MDD)は障害の主な原因であり、世界中で3億5000万人に影響を及ぼしている。これは、低感情、無快感、不安、反芻、食欲変化、睡眠障害、および認知障害を含む症状を伴う複雑な障害である。その早期発症および慢性的性質は、教育の喪失および失業につき深刻な影響を及ぼす。これは、年間および生涯の有病率がそれぞれ5.3%および13.2%であり、再発率が高く、有病率は女性においてより高く、遺伝率が37%であると推定されている。MDDは、発展途上国および先進国、ならびに女性および男性の両方において、障害による損失年数の主な原因である。うつ病の負担は増加している。重篤で慢性の疾病である抗療性うつ病は、常時、統合失調症および双極性障害の症例を合わせたものよりも大きい割合である、人口の1~3%の推定有病率を有する。罹患した個人、その家族および社会における許容できない負担にもかかわらず、製薬会社は大部分において新しい抗うつ薬の開発を中止してきた。認知障害は、不安、無快感、睡眠障害および他の欠陥とともに発生する併存症状の一部である。認知機能障害は、注意欠陥、視覚および聴覚処理、短期および作業記憶、運動機能、学習および記憶過程における欠陥を指す。うつ病における認知障害の重要性について圧倒的な合意が得られているにもかかわらず、うつ病における認知障害の完全なプロファイルに関する結論はない。認知障害はMDDにおける主要な機能障害であり得、他のいくつかの中核症状が認知機能障害のメディエータとして作用し得る。現在の抗うつ薬は全て、50年以上前に偶然発見されたアプローチおよび作用機序から導かれている。これらの薬物は、主にモノアミン(セロトニンおよびノルエピネフリン)系で作用する。治療効果を得るには数週間かかることが多く、対象は、応答不良、低い寛解率(約50%)および相当の副作用を経験する。さらに、利用可能な抗うつ薬は認知障害を処置するために設計されておらず、いくつかの場合において(いくつかのベンゾジアゼピンなど)、疾病のいくつかの側面(不安、無快感)における正効果は、認知に影響する負の副作用によって相殺される。さらに、臨床研究により、気分症状からの寛解の期間であってもなお認知障害が検出されることが実証されてきた。したがって、認知機能障害ならびに感情的および動機的症状を救済できる可能性のある抗うつ薬を開発することは、MDDの将来の処置において重要であると考えられる。
[0004] 新しい抗うつ薬の開発への障壁は、疾患の機構および疾病の主要な病理から得られる標的についての知識の不足に始まり、複数存在する。したがって、合理的な薬物設計に向けた努力、または個人化した処置のための生物学的診断マーカーおよび治療マーカーを開発するための努力は現在ほとんど行われていない。
[0005] 一実施形態において、本開示は、式(II)または(III):
Figure 0007023876000001
のいずれか1つに従う化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[0006] 別の実施形態において、本開示は、式(V)または(VI):
Figure 0007023876000002
のいずれか1つに従う化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[0007] 一実施形態において、本開示は、本開示による化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
[0008] 一実施形態において、本開示は、本開示による化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、認知症状および/または気分症状を処置する方法を提供する。
[0009] 本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
本開示の方法において有用な様々な化合物を示す。 本開示の方法において有用な様々な化合物を示す。 マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するGL-II-73の効果を示す。慢性拘束ストレス(CRS)のパラダイムを使用して、若齢(2~3ヶ月齢)の動物に作業記憶不足を誘発した。試験の30分前に、動物にGL-II-73(0、1、5、10または20mg/kg)を腹腔内(i.p.)注射した。試験動物数:対照-溶媒:28、CRS-溶媒:30、CRS-1mg/kg:5、CRS-5mg/kg:17、CRS-10mg/kg:15およびCRS-20mg/kg:5。ANOVAにより、処置の全体的効果に対する統計的有意性を明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて検出された。「対照-溶媒」群と比較して***p<0.001/「CRS-溶媒」群と比較して$$p<0.01および$$$p<0.001)。 マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するGL-II-75の効果を示す。試験の30分前に、CRSを受けたマウスにGL-II-75(0、1、5、10mg/kg)を腹腔内注射した。試験動物数(n):n=(4~11)/群。ANOVAにより、1、5および10mg/kgのGL-II-75を投与された動物群における、ストレスの全体的効果に対する統計的有意性、および作業記憶に対するCRS誘発性障害の有意な逆転が明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「対照-溶媒」群と比較して***p<0.001および「CRS-溶媒」群と比較して$$p<0.01)。 マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するGL-I-54の効果を示す。試験の30分前に、CRSを受けたマウスにGL-I-54(0、1、5、10mg/kg)を腹腔内注射した。試験動物数(n):n=(6~9)/群。ANOVAにより、10mg/kgのGL-I-54を投与された動物群における、ストレスの全体的効果に対する統計的有意性、および作業記憶に対するCRS誘発性障害の有意な逆転が明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「対照-溶媒」群と比較して***p<0.001および「CRS-溶媒」群と比較して$p<0.05)。 マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するGL-II-33の効果を示す。CRSを受けたマウスにGL-II-33を注射した(10mg/kg、腹腔内、試験30分前)。試験動物数(n):n=(4~5)/群。ANOVAにより、10mg/kgのGL-II-33を投与された動物群における、ストレスの全体的効果に対する統計的有意性、および作業記憶に対するCRS誘発性障害の逆転傾向が明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「対照-溶媒」群と比較して*p<0.05)。 マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するGL-I-65の効果を示す。CRSを受けたマウスにGL-II-65を注射した(10mg/kg、腹腔内、試験30分前)。試験動物数(n):n=(9~11)/群。ANOVAにより、10mg/kgのGL-I-65を投与された動物群における、ストレスの全体的効果に対する統計的有意性、および作業記憶に対するCRS誘発性障害の有意な逆転が明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「対照-溶媒」群と比較して*p<0.05、および「CRS-溶媒」群と比較して$p<0.05)。 マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するラセミ混合物(GL-II-73/GL-I-54)の効果を示す。CRSを受けたマウスにラセミ混合物溶液(10mg/kg、腹腔内、各エナンチオマー5mg/kg、試験30分前)または溶媒を注射した。試験動物数(n):n=(4~5)/群。ANOVAにより、ラセミ混合物を投与された動物群における、ストレスの全体的効果に対する統計的有意性、および作業記憶に対するCRS誘発性障害の有意な逆転が明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「対照-溶媒」群と比較して***p<0.001/「CRS-溶媒」群と比較して$$$p<0.001)。 高齢マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するGL-II-73の効果を示す。試験の30分前に、18ヶ月齢の対象マウスにGL-II-73(5mg/kg、腹腔内)または溶媒を注射した。試験動物数(n):n=6/群。ANOVAにより、5mg/kgのGL-II-73を投与された動物における、月齢の全体的効果に対する統計的有意性、および作業記憶に対する月齢誘発性障害の有意な逆転が明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「若齢-溶媒」群と比較して***p<0.001および「高齢-溶媒」群と比較して$p<0.05)。 高齢マウスにおける作業記憶を評価するY迷路空間交替タスクにおける交替率%に対するGL-II-75の効果を示す。試験の30分前に、18ヶ月齢の対象マウスにGL-II-75(5mg/kg、腹腔内)または溶媒を注射した。試験動物数(n):n=6/群。ANOVAにより、5mg/kgのGL-II-75を投与された動物における、月齢の全体的効果に対する統計的有意性、および作業記憶に対する月齢誘発性障害の有意な逆転が明らかとなった。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「若齢-溶媒」群と比較して**p<0.01および「高齢-溶媒」群と比較して$$p<0.01)。 水迷路における習得試験中の(a)プラットフォームに対する潜時、(b)合計距離、(c)周囲リング内の距離(%)および(d)経路効率、に対するジアゼパム2mg/kgならびにMP-III-022 1、2および10mg/kgの効果を示す。溶媒(SOL)群と比較して***p<0.001;2mg/kgジアゼパム(DZP 2)群と比較して+p<0.05、+++p<0.001;1mg/kg(MP-III-022 1)群と比較して、#p<0.05、###p<0.001。処置群当たりの動物は6~7であった。SOL=溶媒、DZP 2=2mg/kgジアゼパム、MP-III-022 1=1mg/kg MP-III-022、MP-III-022 2.5=2.5mg/kg MP-III-022、MP-III-022 10=10mg/kg MP-III-022。 同上。 同上。 同上。 水迷路における探索試験中の(a)標的区域内の距離(メートル)および(b)周囲リング内の距離(%)に対する2mg/kgのジアゼパムならびに1、2、および10mg/kgのMP-III-022の効果を示す。溶媒(SOL)群と比較して*p<0.05、**p<0.01;2mg/kgジアゼパム(DZP 2)群と比較して+p<0.05、++p<0.01;1mg/kg MP-III-022(MP-III-022 1)群と比較して、#p<0.05。処置群当たりの動物は6~7であった。SOL=溶媒、DZP 2=2mg/kgジアゼパム、MP-III-022 1=1mg/kg MP-III-022、MP-III-022 2.5=2.5mg/kg MP-III-022、MP-III-022 10=10mg/kg MP-III-022。 同上。 社会的新規性識別手順における、識別指数(a)およびP2の熟知および新規若齢ラットを探索する時間(b)に対する、1.5mg/kgのジアゼパム(DZP1.5)ならびに1、2.5および10mg/kgのMP-III-022の効果を示す。識別指数につきゼロからの有意差は、#(1試料t検定、##p<0.01)で示される。熟知対新規探索時間につき、*p<0.05(対応試料t検定)。データは平均±SEMとして表される。処置群当たりの動物数は8であった。SOL=溶媒、DZP 1.5=1.5mg/kgジアゼパム、MP-III-022 1=1mg/kg MP-III-022、MP-III-022 2.5=2.5mg/kg MP-III-022、MP-III-022 10=10mg/kg MP-III-022。 FSTにおいて不動での消費時間に対するGL-II-73の効果を示す。腹腔内投与した0、1、5または10mg/kgでのGL-II-73の用量応答(試験の24、20、1時間前)。試験動物数(n)、それぞれn=16、8、6および15/群。ANOVAおよび事後分析により、溶媒群と比較して10mg/kgで有意な抗うつ薬様効力が明らかとなった。溶媒群と比較した場合、*p<0.05。 FSTにおいて不動での消費時間に対するGL-II-74の効果を示す。腹腔内投与した0、1、5または10mg/kgでのGL-II-74の用量応答(試験の24、20、1時間前)。試験動物数(n)、それぞれn=16、8、8および15/群。ANOVAおよび事後分析により、溶媒群と比較して5および10mg/kgで有意な抗うつ薬様効力が明らかとなった。溶媒群と比較した場合、*p<0.05。 FSTにおいて不動での消費時間に対するGL-II-75の効果を示す。腹腔内投与した0、1、5または10mg/kgでのGL-II-75の用量応答(試験の24、20、1時間前)。試験動物数(n)、それぞれn=16、8、8および16/群。ANOVAおよび事後分析により、溶媒群と比較して5および10mg/kgで有意な抗うつ薬様効力が明らかとなった。溶媒群と比較した場合、*p<0.05および***p<0.001。 FSTにおいて不動での消費時間に対するMP-III-022の効果を示す。腹腔内投与したMP-III-022 10mg/kg(試験の24、20、1時間前)は、溶媒群と比較して有意な抗うつ薬様作用を誘発した。溶媒群と比較した場合、*p<0.05。試験動物数(n)、n=8/群。 FSTにおいて不動での消費時間に対するGL-I-54の効果を示す。腹腔内投与した5mg/kgのGL-I-54(試験の24、20、1時間前)は、溶媒群と比較して有意な抗うつ薬様作用を誘発した。溶媒群と比較した場合、***p<0.001。試験動物数(n)、それぞれn=10および9/群。 FSTにおいて不動での消費時間に対するGL-II-54の効果を示す。腹腔内投与した10mg/kgのGL-II-54(試験の24、20、1時間前)は、溶媒群と比較して有意な抗うつ薬様作用を誘発した。溶媒群と比較した場合、*p<0.05。試験動物数(n)、それぞれn=10および9/群。 自発運動に対するGL-II-73の効果を示す。データは移動距離のメートル(30分セッション)で表される。試験の60分前に、動物に腹腔内注射した。試験動物数(n)、それぞれn=16、8、8、6/群。ANOVAは、処置の全体的効果に対する統計的有意性を明らかにした。事後分析では、GL-II-73は1mg/kgで自発運動に影響を与えなかったが、5および10mg/kgで移動距離の有意な増加を誘発した。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「溶媒」群と比較して*p<0.05および***p<0.001)。 自発運動に対するGL-II-74の効果を示す。データは移動距離のメートル(30分セッション)で表される。試験の60分前に、動物に腹腔内注射した。試験動物数(n)、それぞれn=16、8、8、6/群。ANOVAは、処置の全体的効果に対する統計的有意性を明らかにした。事後分析では、GL-II-74は1または5mg/kgで自発運動に影響を与えなかったが、10mg/kgで移動距離の有意な増加を誘発した。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「溶媒」群と比較して**p<0.01)。 自発運動に対するGL-II-75の効果を示す。データは移動距離のメートル(30分セッション)で表される。試験の60分前に、動物に腹腔内注射した。試験動物数(n)、それぞれn=16、8、8、8/群。ANOVAは、処置の全体的効果に対する統計的有意性を明らかにした。事後分析では、GL-II-75は5mg/kgで自発運動に影響を与えなかったが、1および10mg/kgで移動距離の有意な増加を誘発した。群間の差異は、PLSD事後検定を用いて試験された(「溶媒」群と比較して*p<0.05および***p<0.001)。 自発運動に対するMP-III-022の効果を示す。データは移動距離のメートル(30分セッション)で表される。試験の60分前に、動物に腹腔内注射した。試験動物数(n)、それぞれn=16および8/群。統計学的分析により、MP-III-022が自発運動に対して影響を及ぼさないことが明らかとなった。 ラットにおける60分間の記録中の自発運動に対するGL-I-54、GL-I-65、GL-II-31、GL-II-33、GL-II-54、GL-III-23、MP-III-023、およびRV-II-04(全て10mg/kgで腹腔内投与)の効果を示す図である(a)。全てのデータは、平均±S.E.Mとして示される。GL-II-33、GL-II-54、GL-III-23およびSOL(n=6)を除き、処置群当たりの動物数は5であった。**P<0.01および***P<0.001対SOL群。他の差異は示されず、一般に、RV-II-04で処置した動物は、MP-III-023を除き、他の全ての群と比較して鎮静された。 (b)グラフは、5分間隔で分割されたデータを表す。 感覚運動協調に対する化合物の効果を示す。雌スイスウェブスターマウスを、化合物暴露後、10、30、および60分で、3分間、15rpmのロータロッドで試験した。マウス(N=10)は、試験化合物(40mg/kg)、ジアゼパム(5mg/kg)または溶媒の経口経管栄養による単回経口注射を受けた。落下が3分より前に発生した場合、その時刻を記録した。データは、平均±SEM(N = 10)として表す。溶媒処置マウスと比較して、**p<.01または***p<0.001の有意性。本明細書に提示される全ての化合物は、経口溶媒に溶解することができた。 α1、2、3、4または5GABA受容体サブタイプを発現するプラスミドでトランスフェクトしたヒト胚性腎細胞株HEK-293T中の、GL-II-73、74、75、76存在下でのGABAに対する応答%を示す。 異なる投与量および投与経路を有する12の新規αPAM化合物の、マウスおよびラットにおける薬物動態パラメータを示す。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 図27続き。 マウス血漿および脳における10mg/kg用量の腹腔内(IP)投与後(a)およびラット血漿および脳における3mg/kg用量の静脈内(IV)および経口(PO)投与後(b)の、GL-II-73の濃度-時間プロファイルを示す。1時点あたりn=3。 同上。 マウス血漿および脳における10mg/kg用量の腹腔内(IP)投与後(a)およびラット血漿および脳における3mg/kg用量の静脈内(IV)投与後(b)の、GL-II-74の濃度-時間プロファイルを示す。1時点あたりn=3。 同上。 マウス血漿および脳における10mg/kg用量(1時点あたりn=3)の腹腔内(IP)投与後の、GL-II-75の濃度-時間プロファイルを示す。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、RV-II-04の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、GL-II-31の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、MP-III-023の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、GL-I-54の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、GL-III-23の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、GL-II-33の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、GL-II-54の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。 マウス血漿(a)および脳(b)、ならびにラット血漿(c)および脳(d)における3mg/kg用量(1時点あたりn=3)の静脈内(IV)、経口(PO)または腹腔内(IP)投与後の、GL-I-65の濃度-時間プロファイルを示す。 同上。 同上。 同上。
[0048] 本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載され、または以下の図面に示される構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施し、または実行することが可能である。
[0049] 医学的介入および生活条件の改善により、平均的な人間の寿命は劇的に増加した。結果として、認知症を含む神経変性疾患に罹患している人の数が増えている。2015年には全世界で4680万人が認知症を有しており、この数字は20年ごとに2倍になることが予測され、2030年には7470万人、2050年には1億1350万人に達する。認知症を有する人の大部分はアルツハイマー病(AD)に罹患している。ADは、人生の認知的、感情的および行動的側面に影響を及ぼす致命的な疾患である。認知症状には、人の意思決定能力、単純なタスクを行う能力、または会話を理解する能力に及ぼす負の影響が含まれる。抗コリン薬はADの認知欠陥に使用されるが、成功は非常に限定的である。ADにおける気分症状には、無感情、興味喪失、低感情、不安および離脱が含まれる。ADは、ADの個人的、社会的および経済的負担を増大させており、すなわち、2013年には6040億ドルであり、2050年には2兆ドルを超えると予測されており、これは前駆(軽度の認知障害)および高リスク因子(老化およびうつ病)状態の負担を考慮していない。この負担は、ADの古典的な神経病理(すなわち、アミロイド斑および濃縮体)を標的とした最近の臨床試験の失敗によって悪化している。
[0050] 脳障害の生物学的基礎を解明する最近の進歩により、疾患の古典的な分類的診断をまたいだ細胞および分子病態の重要な共有および連続が示されている。したがって、本明細書に記載され、α5含有GABA-A受容体でアゴニスト活性またはポジティブアロステリック活性を有する化合物が標的とする、GABA関連病理は、神経精神障害(例えば、うつ病、統合失調症)から神経変性障害(例えば、AD)に至る脳障害にわたって報告されてきた。したがって、新規治療戦略は、神経精神障害(例えば、うつ病、統合失調症)から神経変性障害(例えば、AD)に至る障害にわたる、特定の障害および症状の側面(例えば、認知、気分)に指向され得る。
[0051] 脳障害の分子および細胞病理は、ヒト死後脳における不偏ゲノムアプローチを用いて調査されてきた。遺伝的および環境的マウスモデルは、ヒト脳で同定された病理とげっ歯類の気分および認知調節機構との間の因果関係を調査するために使用されてきた。これらの原因病理学的モジュール内で標的が同定され、これらの標的の価値を新規治療戦略として支持するための予備的前臨床試験が行われてきた。これにより、認知改善抗うつ/抗不安処置の新規標的として、GABA系およびGABAA受容体含有α5サブユニットが導かれた。
[0052] より具体的には、収束した証拠から、うつ病における阻害性GABA系の役割が長い間示唆されてきた。最近の証拠から、これらの変化に対する特定の細胞起源が示唆されている(Guilloux et al,Molecular Psychiatry,2012,17,1130-1142;Tripp et al,Am J Psychiatry,2012,169,1194-1202)。これらの知見は、GABA関連の生化学、細胞および脳領域の知見をうつ病の心理学的概念および症状の側面と関連づけるモデルに統合されてきた(Northoff&Sibille,Molecular Psychiatry,2014,19,966-977)。このモデルでは、錐体細胞の樹状突起への興奮性入力を調節するソマトスタチン陽性(SST+)GABAニューロンの欠陥は、局所細胞回路による変化した情報処理に変換され、主要な脳領域(前頭葉および帯状皮質)および神経回路網(標準モードおよび実行回路網)の変化した活性を生じる。次に、これらの統合された生物学的欠陥は、うつ病の2つの中心的特徴である、無快感(喜びを経験することの欠如)および増大した負の自己焦点化(反芻、自殺傾向)として表面化する。
[0053] SST+GABAと錐体ニューロンとの間の細胞特異的結合の分子成分の検査に基づき、GABAA受容体のα5サブユニットは、うつ病の分子病理を改善し、認知向上および抗うつ薬様活性を発揮する論理的標的であることが提唱される。GABAA受容体の異なるαサブユニットは、細胞区画にわたるこれらの受容体の局在化を決定する。α5含有GABAA受容体は、SST+GABAニューロン末端とは反対側の錐体細胞の樹状突起上に位置する。したがって、これはSST+GABAニューロンの機能を媒介する。GABAA受容体αサブユニットは、ベンゾジアゼピン様化合物の主な標的である。これらの化合物は、鎮静、抗不安および抗けいれん効果を有する。この広範な活性は、いくつかのαサブユニットの非特異的標的化に起因する。この全αサブユニット活性は、鎮静、耐性および認知の副作用により、治療可能性を相当制限している。様々なGABAARαサブユニットの最近の解剖学的、遺伝的および機能的性質決定により、特定のサブユニットの選択的標的化が神経精神障害の新規治療機会を明らかにするという期待が高まっている。
[0054] ここに、うつ病の主要な分子病理から得られる新規な認知向上および抗うつのモダリティが提案される。主要な標的は阻害性GABAA受容体α5サブユニットであり、薬理学的効果はポジティブアロステリックモジュレーション(α5-PAM)であり、治療適応は、潜在的に認知および反芻の中核症状に焦点を合わせた、気分および認知欠陥を共有するうつ病および他の障害である。この標的を選択する理論的根拠は、(1)うつ病におけるGABAA-α5含有シナプスにおける機能低下を示唆するヒト死後脳試料を用いた知見、(2)うつ病におけるGABA機能の変化を示唆する多くの研究、および(3)α5-PAM(Piantodosiet al,Frontiers in Pharmacology,2016,7,446;含まれる図および結果も参照)および認知向上効果(含まれる図および結果を参照)の抗うつ効果を示す前臨床げっ歯類研究に基づく。最近の知見では、α5含有GABA-A受容体の機能を低下させることが抗うつ活性を発揮し得ることも示唆されることに留意されたい(Fischellet al,Neuropsychopharmacology,2015,40,2499-2509)。これは、α5-GABA-A受容体機能のための推定逆U字形効果を示唆しており、高機能および低機能の両方が治療可能性を有し得る。しかしながら、α5含有GABA-A受容体の機能を低下させることは、脳障害において観察される主要病理(すなわち、SST細胞機能の低下)を悪化させることが特に予測され、したがって、長期的有害作用の高いリスクと関係がある可能性がある。
[0055] AD、統合失調症、双極性うつ病、および大うつ病を含む神経障害におけるソマトスタチン(SST)陽性阻害性GABAニューロンの発現および機能の低下につき、強い根拠が存在する(LinおよびSibille,Frontiers Pharmacology,2013,4,110)。SST陽性GABAニューロンは、脳の主要な興奮性細胞であるグルタミン酸作動性錐体ニューロンの樹状区画を阻害することを特徴とする阻害性ニューロンのサブタイプである。SSTニューロンを介したシグナル伝達は、情報および神経処理を調節し、認知および気分の調節に特異的に関与している。SST陽性ニューロンの主な機能は、神経伝達物質GABAおよびα5サブユニットを含有するGABAA受容体の特異的サブタイプによって媒介される。α5含有GABAA受容体は、錐体細胞の樹状突起上に局在し、SST陽性ニューロンによって標的化される細胞区画である。したがって、神経障害にわたって観察されるSST陽性細胞の欠陥は、α5含有GABAA受容体を介したシグナル伝達の減少を生じると考えられる。したがって、α5含有GABAA受容体シグナル伝達の増加は、脳障害にわたって、特にADおよびMDDにおいて、認知および気分症状の治療上の価値を有し得る。
定義
[0056] 特定の官能基および化学用語の定義については、以下でより詳細に説明する。本開示の目的のために、Periodic Table of the Elements,CAS版,Handbook of Chemistry and Physics,第75版,内部カバーに従って化学元素を同定し、特定の官能基はそこに記載されるように一般的に定義される。さらに、有機化学の一般的原理、ならびに特定の官能部分および反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載され、これらの全内容は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
[0057] 「アシル」という用語は、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アリールカルボニルまたはヘテロアリールカルボニル置換基を指し、そのいずれもさらに(例えば、1個以上の置換基で)置換されていてもよい。
[0058] 「アルキル」という用語は、示された数の炭素原子を含有する直鎖または分枝炭化水素鎖を指す。例えば、C1~C12アルキルは、アルキル基が1~12個(1個および12個を含む)の炭素原子を有することができ、C1~C4アルキルは、アルキル基が1~4個(1個および4個を含む)の炭素原子を有することができることを示す。アルキル基は任意選択により置換されていてもよい。C1~C4アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルが含まれる。
[0059] 「アルケニル」という用語は、1つ以上の二重結合を有する直鎖または分枝炭化水素鎖を指す。アルケニル基の例には、アリル、プロペニル、2-ブテニル、3-ヘキセニルおよび3-オクテニル基が含まれるが、これらに限定されない。二重結合炭素の1つは、任意選択によりアルケニル置換基の結合点であってもよい。アルケニル基は、任意選択により置換されていてもよい。
[0060] 「アルキニル」という用語は、1つ以上の三重結合を有する直鎖または分枝炭化水素鎖を指す。アルキニル基の例には、エチニル、プロパルギルおよび3-ヘキシニルが含まれるが、これらに限定されない。三重結合炭素の1つは、任意選択によりアルキニル置換基の結合点であってもよい。アルキニル基は、任意選択により置換されていてもよい。
[0061] 「アリール」という用語は、置換可能な任意の環原子が(例えば、1個以上の置換基で)置換されていてもよい芳香族単環式、二環式または三環式炭化水素環系を指す。アリール部分の例には、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルが含まれるが、これらに限定されない。
[0062] 「アリールアルキル」という用語は、アルキル水素原子がアリール基で置き換えられたアルキル部分を指す。アリールアルキルは、1を超える水素原子がアリール基で置き換えられた基を含む。アリールアルキル基の例には、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、9-フルオレニル、ベンズヒドリルおよびトリチル基が含まれる。
[0063] 本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3~12個の炭素(例えば、3、4、5、6または7個の炭素原子)を有する非芳香族、飽和または部分不飽和の環状、二環式、三環式または多環式炭化水素基を指す。任意の環原子は(例えば、1個以上の置換基で)置換されていてもよい。シクロアルキル基は縮合環を含有し得る。縮合環は、1つ以上の共通の炭素原子を共有する環である。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、メチルシクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルニルおよびノルボルネニルが含まれるが、これらに限定されない。
[0064] 本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のいずれかのラジカルを指す。
[0065] 本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、1つ以上の水素原子がハロゲンで置き換えられたアルキルを指し、全ての水素がハロゲンで置換されたアルキル部分(例えば、CF3などのペルフルオロアルキル)を含む。
[0066] 本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、単環式の場合は1~3個のヘテロ原子を有し、二環式の場合は1~6個のヘテロ原子を有し、三環式の場合は1~9個のヘテロ原子を有する、芳香族5~8員単環式、8~12員二環式、または11~14員三環式の環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、N、S、PおよびSiから独立して選択される(例えば、単環式、二環式、または三環式の場合、炭素原子、およびO、N、S、PおよびSiから独立して選択される、それぞれ1~3、1~6または1~9個のヘテロ原子)。任意の環原子は(例えば、1個以上の置換基で)置換されていてもよい。ヘテロアリール基は、1つ以上の共通原子を共有する環である縮合環を含み得る。ヘテロアリール基の例には、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、フラン、チアゾール、イソチアゾール、チオフェン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、フタラジン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ナフチリジンおよびプリンのラジカルが含まれるが、これらに限定されない。
[0067] 本明細書で使用される「ヘテロシクリル」という用語は、単環式の場合は1~3個のヘテロ原子を有し、二環式の場合は1~6個のヘテロ原子を有し、三環式の場合は1~9個のヘテロ原子を有する、非芳香族の飽和または部分的不飽和3~10員単環式、8~12員二環式、または11~14員三環式の環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、N、S、SiおよびPから選択される(例えば、単環式、二環式、または三環式の場合、炭素原子、ならびにそれぞれ1~3、1~6または1~9個のO、N、S、SiおよびPであるヘテロ原子)。任意の環原子は(例えば、1個以上の置換基で)置換されていてもよい。ヘテロシクリル基は、1つ以上の共通原子を共有する環である縮合環を含み得る。ヘテロシクリル基の例には、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリン、ピリミジン、ピロリジン、インドリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラン、チアントレン、ピラン、ベンゾピラン、キサンテン、フェノキサチイン、フェノチアジン、フラザン、ラクトン、アゼチジノンおよびピロリジノンなどのラクタム、スルタム、スルトンなどのラジカルが含まれるが、これらに限定されない。
[0068] 「ヒドロキシ」という用語は、-OHラジカルを指す。「アルコキシ」という用語は、-O-アルキルラジカルを指す。「アリールオキシ」という用語は、-O-アリールラジカルを指す。「ハロアルコキシ」という用語は、-O-ハロアルキルラジカルを指す。
[0069] 「置換基」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキルまたはヘテロアリール基上で、その基の任意の原子において「置換された」基を指す。適切な置換基には、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、カルボキシ、シアノ、エステル、ハロ、ヒドロキシ、イミノ、ニトロ、オキソ(例えばC=O)、ホスホネート、スルフィニル、スルホニル、スルホネート、スルホンアミノ、スルホンアミド、チオアミド、チオール、チオキソ(例えばC=S)、およびウレイドが含まれるが、限定されない。実施形態において、基上の置換基は、独立して、前述の置換基のいずれか1つ、または任意の組み合わせである。実施形態において、置換基はそれ自体、上記の置換基のいずれか1つで置換されていてもよい。
[0070] 上記の置換基は、本明細書では省略してもよく、例えば、略語Me、EtおよびPhはそれぞれメチル、エチルおよびフェニルを示す。有機化学者によって使用される略語のより包括的なリストはJournal of Organic Chemistryの各号の第1刷に現れており、このリストは、典型的には、「Standard List of Abbreviations」と題した表に示されている。前記リストに含有される略語、および当業者である有機化学者によって使用される全ての略語は、参照により本明細書に組み込まれる。
[0071] 化合物について、基および置換基は、選択および置換により安定な化合物(例えば転位、環化、脱離などによる変換を自発的に起こさない)が得られるよう、原子および置換基の許容される原子価に従って選択することができる。
[0072] 置換基は、左から右に書かれたそれらの従来の化学式によって特定される場合、構造を右から左へ書くことで生じる置換基を任意選択により包含し、例えば、-CH2O-は任意選択により-OCH2-も表す。
[0073] 当技術分野で使用される慣習に従って、群(group):
Figure 0007023876000003
は、部分または置換基の、コアまたは骨格構造への付着点である結合を表すために、本明細書の構造式で使用される。
[0074] 障害を処置する状況において、本明細書で使用される「有効量」という用語は、細胞の処置、または対象における障害の症状の治癒、軽減、緩和または改善において、対象への単回または複数回投与につき有効な化合物または化合物を含む組成物の量を指す。化合物または組成物の有効量は、用途に応じて変化し得る。障害を処置する状況において、有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する化合物の能力などの因子に依存し得る。一例において、化合物の有効量は、細胞(例えば、細胞の培養物)または化合物で処置されていない対象などの対照と比較して、所定のパラメータにおいて統計的に有意な変化を生じる量である。
[0075] 本明細書で使用される「対象」という用語は、ヒト、ネコ、イヌ、ウマ、ウシなどの哺乳動物を指す。
[0076] 本明細書に列挙された任意の数値(例えば、範囲)は、下限値から上限値までの全ての値を含むこと、すなわち列挙された最低値と最高値との間の全ての可能な数値の組み合わせは、本出願に明示的に記載されているものと考えられるべきことを、特に理解されたい。例えば、濃度範囲が1%~50%と記載されている場合、2%~40%、10%~30%、または1%~3%などの値が本明細書中に明示的に列挙されることが意図される。これらは、具体的に意図されているものの例にすぎない。
化合物
[0077] 新規化合物が本明細書に提供される。化合物は、GABA受容体α5サブユニットのモジュレーターを含み得る。化合物は、GABA受容体α5サブユニットのポジティブアロステリックモジュレーターを含み得る。
[0078] 化合物は、以下の式(I)のものであってもよい:
Figure 0007023876000004
またはその塩であって、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NO2からなる群から選択され;
R1は、-Br、C≡CH、-C≡C-Si(CH3)3、-シクロプロピルおよびビシクル(bicycle)[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000005
からなる群から選択され;
R10およびR11は、H、C1~6アルキル、シクロアルキルから独立して選択されるか、または一緒にシクロアルキル環を形成してもよい。
[0079] いくつかの実施形態において、XはNである。いくつかの実施形態において、XはCHである。いくつかの実施形態において、XはCFである。いくつかの実施形態において、XはCClである。いくつかの実施形態において、XはCBrである。いくつかの実施形態において、XはClである。いくつかの実施形態において、R1は-Brである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡CHである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡C-Si(CH3)3である。いくつかの実施形態において、R1は-シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R1は、ビシクル[1.1.1]ペンタンである。
[0080] 化合物は、以下の式(II)のものであってもよい:
Figure 0007023876000006
またはその塩であって、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NO2からなる群から選択され;
R1は、-Br、-C≡CH、-C≡C-Si(CH3)3、-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000007
からなる群から選択され;
R3は、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-CD3、-OH、-F、-Cl、-CF3および-CCl3からなる群から選択され;
R10およびR11は、H、C1~6アルキル、シクロアルキルから独立して選択されるか、または一緒にシクロアルキル環を形成してもよい。
[0081] いくつかの実施形態において、XはNである。いくつかの実施形態において、XはCHである。いくつかの実施形態において、XはCFである。いくつかの実施形態において、XはCClである。いくつかの実施形態において、XはCBrである。いくつかの実施形態において、XはClである。いくつかの実施形態において、R1は-Brである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡CHである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡C-Si(CH3)3である。いくつかの実施形態において、R1は-シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R1は、ビシクル[1.1.1]ペンタンである。いくつかの実施形態において、R3は-Hである。いくつかの実施形態において、R3は-CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH2CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R3はFである。いくつかの実施形態において、R3はClである。いくつかの実施形態において、R3は-CF3である。いくつかの実施形態において、R3は-CCl3である。
[0082] 化合物は、以下の式(III)のものであってもよい:
Figure 0007023876000008
またはその塩であって、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NO2からなる群から選択され;
R1は、-Br、-C≡CH、-C≡C-Si(CH3)3、-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000009
からなる群から選択され;
R3は、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-CD3、-OH、-F、-Cl、-CF3および-CCl3からなる群から選択され;
R10およびR11は、H、C1~6アルキル、シクロアルキルから独立して選択されるか、または一緒にシクロアルキル環を形成してもよい。
[0083] いくつかの実施形態において、XはNである。いくつかの実施形態において、XはCHである。いくつかの実施形態において、XはCFである。いくつかの実施形態において、XはCClである。いくつかの実施形態において、XはCBrである。いくつかの実施形態において、XはClである。いくつかの実施形態において、R1は-Brである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡CHである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡C-Si(CH3)3である。いくつかの実施形態において、R1は-シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R1は、ビシクル[1.1.1]ペンタンである。いくつかの実施形態において、R3は-Hである。いくつかの実施形態において、R3は-CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH2CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R3はFである。いくつかの実施形態において、R3はClである。いくつかの実施形態において、R3は-CF3である。いくつかの実施形態において、R3は-CCl3である。
[0084] 化合物は、以下の式(IV):
Figure 0007023876000010
(式中、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NO2からなる群から選択され;
R1は、-Br、-C≡CH、-C≡C-Si(CH3)3、-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000011
からなる群から選択され;
R13は、-H、-CD3、C1~6アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される)
のものであっても、その薬学的に許容される塩であってもよい。
[0085] いくつかの実施形態において、XはNである。いくつかの実施形態において、XはCHである。いくつかの実施形態において、XはCFである。いくつかの実施形態において、XはCClである。いくつかの実施形態において、XはCBrである。いくつかの実施形態において、XはClである。いくつかの実施形態において、R1は-Brである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡CHである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡C-Si(CH3)3である。いくつかの実施形態において、R1は-シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R1は、ビシクル[1.1.1]ペンタンである。いくつかの実施形態において、R13は、-CH3、-CH2CH3またはCH(CH3)2である。
[0086] いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物は、
Figure 0007023876000012
でない。
[0088] 化合物は、以下の式(V)のものであってもよい:
Figure 0007023876000013
またはその塩であって、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NO2からなる群から選択され;
R1は、-Br、-C≡CH、-C≡C-Si(CH3)3、-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000014
からなる群から選択され、
R3は、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-CD3、-OH、-F、-Cl、-CF3および-CCl3からなる群から選択され;
R13は、-H、-CD3、C1~6アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
[0089] いくつかの実施形態において、XはNである。いくつかの実施形態において、XはCHである。いくつかの実施形態において、XはCFである。いくつかの実施形態において、XはCClである。いくつかの実施形態において、XはCBrである。いくつかの実施形態において、XはClである。いくつかの実施形態において、R1は-Brである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡CHである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡C-Si(CH3)3である。いくつかの実施形態において、R1は-シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R1は、ビシクル[1.1.1]ペンタンである。いくつかの実施形態において、R3は-Hである。いくつかの実施形態において、R3は-CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH2CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R3はFである。いくつかの実施形態において、R3はClである。いくつかの実施形態において、R3は-CF3である。いくつかの実施形態において、R3は-CCl3である。いくつかの実施形態において、R13は、-CH3、-CH2CH3またはCH(CH3)2である。
[0090] 化合物は、以下の式(VI)のものであってもよい:
Figure 0007023876000015
またはその塩であって、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NO2からなる群から選択され;
R1は、-Br、-C≡CH、-C≡C-Si(CH3)3、-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000016
からなる群から選択され;
R3は、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-CD3、-OH、-F、-Cl、-CF3および-CCl3からなる群から選択され;
R13は、-H、-CD3、C1~6アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
[0091] いくつかの実施形態において、XはNである。いくつかの実施形態において、XはCHである。いくつかの実施形態において、XはCFである。いくつかの実施形態において、XはCClである。いくつかの実施形態において、XはCBrである。いくつかの実施形態において、XはClである。いくつかの実施形態において、R1は-Brである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡CHである。いくつかの実施形態において、R1は-C≡C-Si(CH3)3である。いくつかの実施形態において、R1は-シクロプロピルである。いくつかの実施形態において、R1は、ビシクル[1.1.1]ペンタンである。いくつかの実施形態において、R3は-Hである。いくつかの実施形態において、R3は-CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH2CH3である。いくつかの実施形態において、R3は-CH(CH3)2である。いくつかの実施形態において、R3はFである。いくつかの実施形態において、R3はClである。いくつかの実施形態において、R3は-CF3である。いくつかの実施形態において、R3は-CCl3である。いくつかの実施形態において、R13は、-CH3、-CH2CH3またはCH(CH3)2である。
[0092] いくつかの実施形態において、式(IV)~(VI)について、R13はC1~6アルキルでなく、特にエチルでない。いくつかの実施形態において、式(I)~(IIII)について、化合物は、
Figure 0007023876000017
の1つ以上でない。
[0093] いくつかの実施形態において、化合物は、以下から選択されてもよい:
Figure 0007023876000018
Figure 0007023876000019
Figure 0007023876000020
Figure 0007023876000021
Figure 0007023876000022
Figure 0007023876000023
Figure 0007023876000024
Figure 0007023876000025
[0094] 化合物は以下をさらに含んでもよく、
XはCH、CF、CClまたはNであり;
R4はHまたはCH3であり;
R5はHまたはCH3である:
Figure 0007023876000026
[0095] 化合物は以下をさらに含んでもよい:
Figure 0007023876000027
[0096] 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物について、基および置換基は、選択および置換により安定な化合物(例えば転位、環化、脱離などによる変換を自発的に起こさない)が得られるよう、原子および置換基の許容される原子価に従って選択することができる。
[0097] 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物は、1つ以上の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物を含む。例えば、化合物は、重水素またはトリチウムによる水素の置換、または13C-または14C-富化炭素による炭素の置換を除いて、本発明の構造を有し得る。
[0098] 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物は、塩の形態、例えば薬学的に許容される塩であり得る。「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含む。本開示の化合物の適切な薬学的に許容される塩には、例えば、本開示による化合物の溶液を、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩が含まれる。さらに、本開示の化合物が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容される塩には、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩;および適切な有機リガンドと形成される塩、例えば、第四アンモニウム塩が含まれ得る。
[0099] 化合物の中性形態は、塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を従来の方法で単離することによって再生してもよい。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解性などの特定の物理的性質において種々の塩形態とは異なるが、その他の点では、塩は本開示の目的について化合物の親形態と同等である。
[00100] 塩形態に加えて、本開示はまた、プロドラッグ形態である式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、または(VI)の化合物を提供し得る。化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を起こして化合物を提供する化合物である。プロドラッグは、エクスビボ環境において化学的または生化学的方法によって本開示の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬と共に経皮吸収パッチリザーバー内に留置した場合、本開示の化合物にゆっくりと変換することができる。
[00101] 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物は、例えば、本明細書に記載の立体異性体の鏡像異性的に富化された異性体であり得る。本明細書で使用されるエナンチオマーは、分子構造が互いに鏡像関係を有する一対の化合物のいずれかを指す。例えば、化合物は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の鏡像体過剰率を有していてもよい。
[00102] 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物の調製物は、選択された立体中心に対応する選択された立体化学(例えば、RまたはS)を有する化合物の異性体につき富化されていてもよい。例えば、化合物は、選択された立体中心の選択された立体化学を有する化合物に対応する、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の純度を有していてもよい。化合物は、例えば、選択された立体中心において選択された立体化学(例えば、RまたはS)を有する構造または複数の構造が富化された、本明細書に開示された化合物の調製物を含み得る。
[00103] いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物の調製物は、化合物のジアステレオマーである異性体(対象異性体)につき富化されていてもよい。本明細書で使用するジアステレオマーは、同じ化合物の別の立体異性体の鏡像ではない、2つ以上のキラル中心を有する化合物の立体異性体を指す。例えば、化合物は、選択されたジアステレオマーを有する化合物に対応する、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の純度を有していてもよい。
[00104] 化合物中の所定の立体中心における立体配置につき特別の指示がなされていない場合、立体配置のいずれか1つまたは立体配置の混合物が意図される。
[00105] 化合物は、立体特異的合成または分割により、ラセミ形態で、または個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして調製することができる。化合物は、例えば、光学活性塩基との塩形成による立体異性体対の形成、次いで分別結晶化および遊離酸の再生、などの標準的な技術によって、それらの成分エナンチオマーまたはジアステレオマーに分割することができる。化合物は、立体異性体エステルまたはアミドの形成、次いでクロマトグラフィー分離およびキラル補助剤の除去によっても分割することができる。あるいは、キラルHPLCカラムを用いて化合物を分割することができる。エナンチオマーはまた、リパーゼ酵素を用いた対応するエステルのラセミ体の速度論的分割から得ることができる。
[00106] 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物は、選択的生物学的特性を高めるために適切な官能基を付加することによって修飾することもできる。そのような修飾は、当技術分野において公知であり、所定の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させ、経口利用可能性を高め、注射による投与を可能にする溶解性を高め、代謝を変化させ、および/または排泄率を変化させるものを含む。これらの修飾の例には、ポリエチレングリコールによるエステル化、ピボラートまたは脂肪酸置換基を用いた誘導体化、カルバメートへの変換、芳香環のヒドロキシル化、および芳香環におけるヘテロ原子置換が含まれるが、これらに限定されない。
化合物の合成
[00107] 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物は、市販の出発物質から合成することができる。例示的な合成を以下の実施例に示す。
[00108] 本明細書における式の化合物を合成する他の方法は、当業者にとって明らかであろう。化合物の合成に有用な合成化学変換および保護基法(保護および脱保護)は、当技術分野において公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.,John WileyおよびSons(1991);L.FieserおよびM.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John WileyおよびSons (1994);およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John WileyおよびSons(1995)およびそれ以降の刊行物に記載されているものなどを含む。
化合物の評価
[00109] 化合物は、エクスビボおよびインビボの方法を含む多くの方法を用いて分析することができる。
[00110] 例えば、化合物のGABAAサブユニット選択性は、競合的結合アッセイを用いて評価することができる。このようなアッセイは以前に記載されている(Choudhary et al.Mol Pharmacol.1992,42,627-33;Savic et al.Progress in Neuro-Psychopharmacology&Biological Psychiatry,2010,34,376-386)。このアッセイは、[3H]フルニトラゼパムなどのGABAA受容体に結合することが知られている放射性標識化合物の使用を含む。膜タンパク質は、回収して放射性標識化合物とインキュベートすることができ、非特異的結合は、放射性標識化合物の別の非標識化合物(例えば、ジアゼパム)への結合を比較することによって評価することができる。結合した放射能は、液体シンチレーション計数によって定量することができる。膜タンパク質濃度は、市販のアッセイキット(例えば、Bio-Rad社製、Hercules、CA)を用いて決定することができる。
[00111] 化合物はまた、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞またはトランスフェクトされた細胞株における電気生理学的アッセイにおいて評価され得る。化合物は、GABAの添加前に予め適用することができ、その後GABAをピーク応答が観察されるまで化合物と同時適用することができる。適用の間に、脱感作からの完全な回復を確実にするために、卵母細胞またはトランスフェクト細胞株を洗浄してもよい。GABA応答規模の電流測定(Fisher et al.Mol Pharmacol,1997,52,714-724)のため、卵母細胞またはトランスフェクト細胞に微小電極を刺入し、電圧クランプを用いて記録を行うことができる。
[00112] 本明細書に記載の化合物は、GABAA/α5および/またはGABAA/α2、GABAA/α3またはGABAA/α2/3受容体でアゴニスト効力の増加による抗うつ、抗不安または認知向上活性を示すGABA受容体リガンドであってもよい。化合物は、GABAA/α1受容体に対して、GABAA/α5受容体につき少なくとも2倍、好適には少なくとも5倍、有利には少なくとも10倍の選択的効力を有し得る。しかしながら、GABAA/α5受容体に対するそのアゴニスト効力に関して選択的でない化合物も、本開示の範囲内に包含される。このような化合物は、望ましくは、GABAA/α1受容体での効力の低下による鎮静-催眠/筋弛緩/失調活性の低下を伴う、認知向上および/または抗うつ活性を実証することによって機能的選択性を示すであろう。
[00113] アゴニストまたは部分アゴニストまたはポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)として作用するGABAA受容体のリガンドであるGABA作動性受容体サブタイプ選択的化合物は、以下、「GABAA受容体アゴニスト」または「GABAA受容体部分アゴニスト」または「アゴニスト」または「部分アゴニスト」または「PAM」と称する。特に、これらは、GABAA受容体のベンゾジアゼピン(BZ)結合部位のリガンドであり、したがってBZ部位アゴニスト、部分アゴニストまたはPAMとして作用する化合物である。このようなリガンドには、GABA部位またはGABAA受容体のベンゾジアゼピン部位以外の調節部位に作用する化合物も含まれる。
GABA作動性受容体サブタイプ選択的化合物は、GABAA/α1受容体と比較して、GABAA/α5受容体を選択的または優先的に活性化することによって、アゴニスト、部分アゴニストまたはPAMとして作用する。選択的または優先的治療剤は、GABAA/α5、GABAA/α2またはGABAA/α3受容体と比較して、GABAA/α1受容体に対する結合親和性または効力がより低い。あるいは、薬剤は、GABAA/α5、GABAA/α1、GABAA/α2およびGABAA/α3受容体と同等の親和性で結合するが、GABAA/α1受容体と比較してGABAA/α5受容体活性化の優位な効力を発揮する。あるいは、選択的薬剤は、GABAA/α5に対して、GABAA/α2およびGABAA/α3受容体へのより大きいまたはより小さい結合親和性を有していてもよい。Bz/GABAアゴニストは、それぞれのGABAA受容体のベンゾジアゼピン部位で作用するが、その受容体相互作用におけるこの薬物結合ドメインに限定されない。
[00114] GABA受容体サブタイプ特異的化合物の薬物動態学的特性は、腹腔内、食道および静脈内投与後の血漿および脳における化合物含量を測定(Piantadosi et al.Front Pharmacol,2016,7,446)して評価される。マウスおよびラットは、異なる用量で異なる化合物を投与される。連続した脳および血漿濃度が異なる時間に得られ、LC/MS/MSを用いて各試料中の各化合物の濃度を測定する。このアッセイを使用して、Cmax、Tmax、AUC0-12、AUC0-∞、T1/2およびβを、各組織における各化合物、両方の種の各投与経路について測定する。最適な薬物動態学的特性を有する化合物は、治療的介入の可能性につき考慮される。
[00115] GABA受容体サブタイプ特異的化合物の代謝有効性は、ヒトおよびマウス肝ミクロソームアッセイを用いて化合物の分解速度を測定することによって評価される。肝ミクロソームを各化合物とともにインキュベートし、半減期、固有クリアランスおよび代謝速度を測定する。治療介入の可能性のために最適な代謝パラメータを有する化合物が考慮される。
[00116] 細胞毒性および生存率は、インビトロ条件で評価することができる。ヒト細胞(それぞれ肝臓および腎臓由来のHEPG2および/またはHEK293細胞株)を化合物とともにインキュベートし、化合物の毒性を決定するために細胞生存性アッセイを行う。100μMよりも優れたLD50を有する化合物は、細胞生存性に対して毒性効果を有しないと考えられる。
[00117] 化合物を評価するための他の方法は、当業者に知られている。認知機能を改善する可能性を評価するために、げっ歯類および他の哺乳動物において、注意、視覚および聴覚処理、運動機能、短期および作業記憶、複数の認知次元の学習および記憶処理(手続、陳述、空間/参照記憶など)についての試験を含むがこれらに限定されない、多数の行動試験が存在する。
[00118] 陳述的および手続的認知機能は、Morris水迷路、放射状迷路、バーンズホールボードなどを含む様々な迷路を用いて評価することができる(Gallagher et al,Behav Neurosci,1993,107,618-626;VorheesおよびWilliams,ILAR J,2014,55,310-332;Schwabe et al.Neurosci&Biobehavioral review,2010,34,584-591)。これらのパラダイムは、学習および記憶能力を試験し、動物の学習および記憶能力を改善して課題を解決するための環境を参照することで、化合物の有効性を特定するために使用される。動物は、タスクを学び、検索/探索試験中に情報をリコールするように訓練される。化合物の潜在的な認知向上特性を試験するための分野における方法には、試験の学習および/またはリコール段階中の化合物の投与が含まれる。成功までの潜時および/または学習および/またはリコール段階中のタスクにおけるエラー数を減少させる化合物は、潜在的な認知向上作用を有すると考えられる。
[00119] 認知機能を測定する他の試験には、熟知したおよび新規な物/対象との間の識別タスクが含まれる。これらの試験には、新規物体認識試験、場所認識試験、社会的新規性識別、3室試験などのバリエーションが含まれるが、これらに限定されない(Moriciet al,Behav Brain Research,2015,292,241-251;Millan およびBales,Neurosci&Biobehavioral Reviews,2013,37,2166-2180)。これらの試験の概念は、動物がその環境において熟知した要素と新規な要素とを識別する能力を評価することである。新規要素と相互作用する時間を増加させる化合物は、認知向上特性を有すると考えられる。
[00120] 短期および作業記憶機能は、Morris水迷路、Y迷路またはT迷路装置またはバリエーションを使用した異なるタスクを用いて評価することもできる(Lalonde,Neurosci&Biobehavioral Reviews,2002,26,91-104)。簡潔には、これらの試験は、習得直後の情報をリコールするために、動物が情報を短時間保持する能力に基づいている。作業記憶の効率的な処理には、新しい関連情報の習得を可能にするために、無関係な情報を「消去」する必要がある。例えば、短期作業記憶は、新しい環境を探索する動物の本来の傾向を利用することによって評価することができ、装置の2つの異なるアームへ行く選択肢を繰り返し与えた場合に、自発的に交替する傾向に依存し得る。複数の試験後、干渉の負荷のためにエラー数が増加する可能性がある。干渉の負荷は、試験間の遅延の変化によって調整することができ、試験間隔が長くなると、エラー数の増加で指標付けされる干渉の負荷が増加する。ストレスパラダイム、正常老化または神経精神もしくは神経変性障害の他のモデルを用いて、これらの試験における認知能力を低下させることができる。これは、エラー数の増加(すなわち、水迷路タスクにおけるエラーの増加、または交替タスクにおけるチャンスレベル50%前後の能力)によって特徴付けられる。これらの欠陥を逆転させる化合物は、認知向上作用を有すると考えられる。
[00121] 化合物の潜在的抗うつ性を評価するために、げっ歯類および他の哺乳動物において、不安、行動絶望、無力感または無快感のような行動応答に対する試験を含むがこれらに限定されない、情動性を評価するための多数の試験が存在する。
[00122] 当分野における標準的な方法では、強制泳行試験および尾懸垂試験(Castagne et al.Curr Protoc Neurosci,2011,Chapter 8)は、げっ歯類の抗うつ作用をスクリーニングするために主に使用されるが、ストレスに対する応答における絶望の行動基準としても用いられる。簡潔には、げっ歯類は潜在的な抗うつ薬化合物を試験するために急性または亜慢性的に注射される。げっ歯類は逃げられない状況に置かれ(水槽内または尾でぶら下がっている)、不動時間の計数は絶望状態への諦めの指数として計測される。これらの試験において不動を減少させた化合物は、潜在的な抗うつ作用を有すると考えられる。
[00123] 抗うつ作用を評価する他の方法には、学習した無力感試験または恐怖の調整などの嫌悪刺激に対する行動応答性が含まれる(CryanおよびMombereau,Molecular Psychiatry 2004,9,326;PhillipsおよびLeDoux,Behavioral Neuroscience,1992,106,274-285)。両方の試験は、動物が有害条件刺激および非条件刺激に対処する能力に依存している。足のショックが動物に加えられ、生じた行動応答が化合物の潜在的な抗うつ特性の指数として使用される。学習した無力感試験における足のショックを避けるための数および/または潜時、ならびに恐怖調整パラダイムでのすくみに費やされる時間を減少させる化合物は、潜在的な抗うつ作用を有すると考えられる。
[00124] 化合物の潜在的な抗うつ活性はまた、変化した情動性を示す動物モデルにおいて観察される無快感のような行動を逆転させる、それらの特性について評価することができる。例えば、新規性誘発性食欲不振、ショ糖嗜好性または摂取、またはクッキー試験を、げっ歯類における無快感を評価するのに用いることができる。無快感は、好ましい味の溶液または食物を含むがこれに限定されない、快感経験の探求が減少することを特徴とする(Willner,Neuropsychobiology,2005,52,90-110;Nollet et al.Curr Protoc Neurosci,2013,Chapter 5)。快感的経験の探求を増加させる化合物は、潜在的な抗うつ作用を有すると考えられる。
[00125] 化合物を評価するための他の方法は、当業者に知られている。不安症状は合併症であることが多く、うつ病またはADにおいて観察される気分スペクトルから分離することが困難である。例えば、化合物の抗不安作用の評価は、Fischer et al.Neuropharmacology 59(2010)612-618に記載されるように、オペラントベースの対立手順を用いて客観的かつ定量的に達成することができる。簡潔には、積極的に強化された行動は、軽度の電気ショックなどの有害刺激の応答付随投与によって、これらの処置において抑制され得る。化合物が抗不安効果を有する場合、それは応答付随的な衝撃の送達によって、通常抑制される応答速度を増加させる。対立手順の強みは、ヒトにおいて期待される治療効果に関する予測有効性である。
[00126] 抗不安活性および自発運動活性の可能性は、ホームケージのような装置で評価することができる。高レベルの不安を有する動物は、探索行動を制限し、より多くの時間をシェルター内で隠れて費やす傾向がある。照明課題の適用について同じ設定を使用することができる。不安な動物は、照明課題の終了後でも、照射区域を避け続けている(Pham et al.J Neurosci Methods,2009,178,323-326)。これらのタイプの試験で探索を増加させ、この回避行動を制限する化合物は、潜在的な抗うつ/抗不安作用を有すると考えられる。
[00127] 抗酸化活性は、Crawleyによって開発された方法によって明/暗箱試験において評価することもできる(Neurosci Biobehav Rev 1985,9,37-44)。明/暗箱は、抗不安活性のための単純な非侵襲的試験である。暗箱に入る潜時を増加させ、および/または点灯した箱で費やす時間を増加させる化合物は、抗不安作用を有すると考えられる。
[00128] 潜在的な抗不安作用は、高架式十字迷路およびオープンフィールド試験で測定することができる(BaileyおよびCrawley,Methods of Behavior Analysis in Neuroscience,2009,2nd Edition)。どちらの試験でも、動物が自然に探索する傾向と、曝露された環境における捕食者の脅威に対する先天的な恐怖との間に対立が生じる。げっ歯類は明るい光条件下で迷路/フィールドの中心に置かれる。エントリー数および曝露された領域(オープンアーム/活動領域中心)において費やされた時間が記録される。探索行動を減少させることなくこれらのパラメータを増加させる化合物は、抗不安作用を有すると考えられる。
[00129] 化合物の抗不安特性を評価するための他の方法は、食品または甘味溶液に対する動因と新規な環境に置かれる恐怖との間の対立に依存する試験を用いることができる。これらの試験では、新規性抑制摂食またはクッキー試験における接近および摂食までの潜時、ならびに新規性誘発性食欲不振におけるコンデンスミルクを飲むまでの潜時が評価基準である(Nolletet al.Curr Protoc Neurosci,2013,Chapter 5)。これらのパラメータを減少させる化合物は、潜在的な抗不安特性を有すると考えられる。
[00130] ガラス玉覆い隠しアッセイ(Deacon,Nat Protocols,2006,1,122;Kinsey et al.,Pharmacol Biochem Behav 2011,98,21)は別の抗不安試験である。マウスまたはラットは、ガラス玉を覆い隠すために掘ることができる敷材の上に、ガラス玉とともに置かれる。次いで、げっ歯類は、時間が計られ、覆い隠されたガラス玉の数が数えられる。対照と比較したガラス玉覆い隠しの減少は、抗不安効果と考えられる。
[00131] 障害に関連する認知、抑うつ、不安および他の行動側面は、正常ベースライン条件下で、または条件または症状のげっ歯類モデルを用いて評価することができる。そのようなモデルの例には、予測不能な慢性軽度ストレス、慢性拘束ストレスおよび社会的敗北パラダイムが含まれる。例えば、数週間にわたる予測不能な軽度のストレス要因の延長プロトコルを用いて、げっ歯類において「認知障害」および「抑うつ様」状態を誘発することができる。軽度のストレス要因は、予測できない環境を提供するために、典型的であるが排他的でなく、無作為に適用される。軽度のストレス要因には、照明周期の変化、ケージ内の敷材の変化、ケージの変更、捕食者の匂い、騒音または明るい照明への曝露、社会的ストレス要因、攻撃的なマウスへの曝露などがある。これらのパラダイムに曝露されたげっ歯類は、典型的には、変化した認知機能ならびにうつおよび不安関連行動の増加を示し、本明細書に記載のものが含まれるがこれらに限定されない様々な行動試験によって評価することができる。これらの試験において欠陥を逆転させる化合物は、治療適応とみなし得る。
[00132] これらの障害に関連する認知、うつ、不安、および他の行動側面は、障害に関連する行動または生理学的変化を引き起こす細胞性または分子性病理を誘発するために遺伝子工学が使用されているげっ歯類モデルにおいて評価することができる。例えば、化学的遺伝子学的アプローチを用いたSST GABAニューロンの急性阻害は、行動情動性の上昇を誘発し(SoumierおよびSibille,Neuropsychopharmacology,2014,39:9,2252-62)、さらに、情動性を低下させる化合物は治療適応とみなすことができる。
[00133] 神経変性障害に関連する認知機能の欠陥はまた、増加したβ-アミロイドプラークおよび/または神経原線維濃縮体などのヒト脳において観察される病理を誘発するために遺伝子操作を用いて開発された複数のげっ歯類モデルにおいて評価することができる。例えば、ADのTgCRND8マウスモデルは、突然変異ヒトbAPP導入遺伝子TgCRND8マウスを発現し、脳におけるアミロイドベータプラークおよび神経原線維濃縮体の両方のレベルの増加をともなう3ヶ月齢での空間学習欠陥を示す(Janus et al,Nature,2000,408:979-982)。データは、これらのモデルにおいて認知症状を逆転または改善する化合物が正常または疾患関連の認知または病理状態の喪失に有効であろうことを示唆している。
[00134] 統合失調症を処置する可能性の評価のため、化合物は、Gill et al.Neuropsychopharmacology 2011,36:1903-1911に記載されるようなマウスモデルを用いて試験してもよい。統合失調症のこのマウスモデルは、DNAメチル化剤、メチルアゾオキシメタノールアセテート(MAM)の、妊娠17日目の妊娠した雌への投与によって誘発される発達障害から生じる。MAMで処置された子孫は、統合失調症のヒト患者で観察されるものと一致する構造および行動異常を示す。α5GABAA受容体(α5GABAAR)のアンタゴニスト作用または遺伝子欠損は、驚きに対するプレパルス阻害および潜在阻害の障害を含む、統合失調症に見られる行動異常のいくつかに似た行動につながる。MAMモデルは、GABAARのα5サブユニットに選択的なベンゾジアゼピンポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)化合物の有効性を示すために使用することができる。Gill et al.では、脳における強直性ドーパミン伝達の病理学的増加が逆転し、MAMラットで観察された精神刺激薬に対する行動感受性が低下した。データは、そのような化合物がドーパミン媒介性精神病を緩和するのに有効であり得ることを示唆している。
[00135] 世界的な自発運動の基準は、試験化合物の潜在的な鎮静効果を評価するためにも使用することができる。マウスをホームケージ様活動領域に入れ、移動距離を30~60分間モニターする(Tang et al.Behavioral Brain Research,2002,136,555-569)。移動距離の大幅な減少を誘発する化合物は、鎮静または望ましくない副作用を有すると考えられる。
[00136] 空間および運動協調の基準は、化合物の鎮静-催眠/筋弛緩/失調活性を評価するために評価することもできる。感覚運動ロータロッド試験は、典型的にはこれらの評価に使用される(Voss et al.European Journal of Pharmacology,2003,482,215-222)。この試験は、試験化合物の注射の10分後、30分後および60分後に実施する。マウスまたはラットを回転ロッド(ロータロッド)上で、15rpmで最大3分間試験し、落下時間を記録する。3分間の試験期間前の落下は、化合物によって誘発された任意の自発運動協調障害の指標となるであろう。
[00137] このような化合物は、望ましくは、GABAA/α1受容体での効力の低下による鎮静-催眠/筋弛緩/失調活性の低下を伴う、認知向上および/または抗うつ活性を実証することによって機能的選択性を示すであろう。
[00138] GABA-A受容体を活性化する化合物およびGABAA受容体サブユニットに選択的な化合物は、それらの一般的な神経活動の抑制のため、抗てんかん活性を示すことが多い。したがって、化合物の抗てんかん特性は、米国特許出願公開第2011/0261711号明細書に記載のように、いくつかの標準的なラットおよびマウスてんかんモデルにおいて発作を抑制する能力について試験することができる。化合物の抗けいれん活性をジアゼパムと比較することができる。抗けいれん剤スクリーニングに組み込まれた標準モデルには、最大電気ショック試験(MES)、皮下メトラゾール試験(scMet)、および毒性評価(TOX)が含まれる。各状態のデータは、所定の時点および用量で試験動物数に対する保護または毒性(自発運動の喪失)動物数のいずれかの比として表すことができる。
[00139] MESは全身性強直間代発作のモデルであり、脳内の全ての神経回路が最大限に活性であるときの発作の広がりを防止する化合物の能力の指標を提供する。これらの発作は再現性が高く、電気生理学的にヒト発作と一致する。MES痙攣に基づく全ての試験では、麻酔薬(0.5%テトラカインHCL)を含有する電解液で満たされた角膜電極により60Hzの交流電流(マウスで50mA、ラットで150)が送達される。試験1については、0.01mL/gの容量の腹腔内注射によって投与された30、100および300mg/kgの試験化合物の用量に続いて、様々な間隔でマウスを試験する。試験2では、0.04mL/gの容量での30mg/kg(po)の用量の後にラットを試験する。試験3は、再び0.04ml/gの容量で、腹腔内注射によって投与される、異なる用量を使用した。動物は、発作の後肢強直伸筋成分の消滅時に、MES誘発性発作から「保護された」とみなされる(Swinyard,E.A.,et al.Antiepileptic Drugs内,Levy,R.H.M.,et al.,Eds.;Raven Press:New York,1989;pp85-102;White,H.S.,et al.,Ital J Neurol Sci.1995a,16,73-7;White,H.S.,et al.,Antiepileptic Drugs内,Levy,R.H.M.,Meldrum,B.S.,Eds.;Raven Press:New York,pp99-110,1995b)。
[00140] けいれん薬メトラゾールの皮下注射は、実験動物において間代発作を生じる。scMet試験は、試験化合物が動物の発作閾値を上昇させ、それによって間代発作を示すのを防ぐ能力を検出する。動物は、様々な用量の試験化合物で前処理することができる(50mg/kg(po)の用量が試験2 scMetの標準であるが、MES試験と同様の方法で)。先に決定された試験化合物のTPEにおいて、97%の動物にけいれんを誘発するメトラゾールの用量(CD97:85mg/kgマウス)を、頚部正中線における皮膚の緩いひだに注射した。動物は、ストレスを最小限に抑えるために隔離ケージに入れて(Swinyard et al.J.Physiol.1961,132,97-0.102)、発作の有無について次の30分間観察してもよい。前肢および/または後肢、顎または感覚毛の約3~5秒の間代痙攣の発症を終点とする。この基準を満たさない動物は保護されているとみなされる。
[00141] 化合物の抗けいれん活性をさらに特徴付けるために、海馬キンドリングスクリーニングを行うことができる。このスクリーニングは、複雑な部分発作の処置のための物質潜在的有用性の同定のための伝統的なMESおよびscMet試験に対する有用な補助物である。
[00142] ベンゾジアゼピンは、特定の処置パラダイムにおいて非常に有効な薬物であり得る。てんかん重積症などの緊急事態および他の急性病状には日常的に利用されている。しかし、慢性けいれん疾患におけるそれらの使用は、鎮静および高用量での呼吸抑制、低血圧および他の作用などの副作用のために制限されている。さらに、このクラスの薬物の慢性投与は、抗けいれん効果に対する耐性をもたらし得ることが長い間主張されてきた。これは、慢性抗けいれん状態の第一処置としての有用性を制限している。減少した副作用プロファイルおよび長期の処置期間にわたる効力を有する強力なBDZの発見は、非常に望ましいことであろう。
組成および投与経路
[00143] 別の態様において、本開示は、薬学的に許容される担体と共に、本開示の1つ以上の化合物を含む医薬組成物を提供する。このような組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下または直腸投与のための、または吸入または吹送による投与のための、錠剤、丸剤、カプセル、散剤、顆粒、滅菌非経口溶液または懸濁液、計量エアロゾルまたは液体スプレー、滴剤、アンプル、自動注入装置または坐剤などの単位剤形であってもよい。また、化合物を、適切な量の薬物を連続的に送達するように設計された経皮吸収パッチに組み込み得ることも考えられる。錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な活性成分を、医薬担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムまたはガムなどの慣用の錠剤化成分、および他の医薬希釈剤、例えば、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩の均質な混合物を含有する固体の予備製剤組成物を形成するための水と混合する。これらの予備製剤組成物が均質であるという場合、有効成分が組成物全体に均一に分散され、組成物が錠剤、丸剤およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分され得ることを意味する。次いで、この固体の予備製剤組成物は、本開示の活性成分0.1~約500mgを含有する上記タイプの単位剤形に細分される。典型的な単位剤形は、1~100mg、例えば、1、2、5、10、25、50、または100mgの活性成分を含有する。新規組成物の錠剤または丸剤は、長期作用という利点を与える剤形を提供するために、コーティングまたは他の方法で配合することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内部剤形および外部剤形を含むことができ、後者は前者の外被の形態である。2つの成分は、胃内の崩壊に抵抗し、内部成分が十二指腸へ無傷で通過するか、または放出の遅延を可能にする腸溶層によって分離することができる。そのような腸溶層またはコーティングには、種々の材料を使用することができ、そのような材料には、多数のポリマー酸およびシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料とのポリマー酸との混合物が含まれる。
[00144] 本開示の組成物が経口的または注射による投与のために組み込まれ得る液体形態には、水溶液、適切に香味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはピーナッツ油などの食用油を用いた香味付けされたエマルジョン、ならびにエリキシル剤および同様の医薬溶媒が含まれる。水性懸濁液に適した分散剤または懸濁剤には、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンなどの合成および天然ガムが含まれる。
[00145] 適切な投与量レベルは、約0.01~250mg/kg/日、約0.05~100mg/kg/日、または約0.05~5mg/kg/日である。化合物は、1日当たり1~4回のレジメンで、または連続的に、例えば、経皮パッチの使用を介して、投与してもよい。
[00146] 鼻、頬、直腸または特に経口投与などの経腸投与、および静脈内、筋肉内、皮下、頸動脈、硬膜外または髄腔内投与などの非経口投与用の医薬組成物が適している。医薬組成物は、約1%~約95%の活性成分、または約20%~約90%の活性成分を含む。
[00147] 冠動脈内、脳血管内、または末梢血管注射/注入を含む非経口投与のためには、サブユニット選択的GABAA受容体アゴニストの溶液、また、懸濁液または分散液、特に等張水溶液、分散液または懸濁液の使用が好ましく、例えば、使用直前に調製することができる。医薬組成物は、滅菌されていてもよく、および/または賦形剤、例えば防腐剤、安定剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、増粘剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝剤を含むことができ、公知の方法、例えば、慣用の溶解および凍結乾燥法によって調製される。
[00148] 経口医薬製剤の場合、適切な担体は、特に糖類、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース調製物および/またはリン酸カルシウムなどのフィラー、ならびにデンプン、セルロース誘導体および/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤、および/または所望により、崩壊剤、流動調節剤および潤滑剤、例えばステアリン酸またはその塩および/またはポリエチレングリコールである。錠剤コアには、適切な、任意選択により腸溶性の、コーティングを施すことができる。染料または顔料は、例えば、識別目的のために、または活性成分の異なる用量を示すために、錠剤または錠剤コーティングに添加されてもよい。経口投与のための医薬組成物はまた、ゼラチンからなる硬質カプセル、およびゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤からなる軟質密封カプセルを含む。カプセルは、活性成分を顆粒の形態で、または油などの適切な液体賦形剤に溶解または懸濁させて、含有してもよい。
[00149] 例えば経皮パッチを使用した、経皮適用も考慮され、これは長期間、例えば1~20日間にわたる投与を可能にする。
処置方法
[00150] 本明細書には、障害または病状を処置する方法がさらに提供される。さらに、神経障害における認知および気分改善の方法が提供される。
[00151] 障害は、アルツハイマー病(AD)、認知症、外傷性脳損傷(TBI)、脳血管疾患、感覚消失、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、大うつ病および持続性抑うつ障害および双極性うつ病などのうつ病、統合失調症、アルコール依存症、中毒、不安障害、てんかん、神経性疼痛、自閉症スペクトル障害、またはそれらの組み合わせである。
[00152] 不安障害は、全般性不安障害、恐怖障害およびパニック障害に分類され、それぞれ独自の特徴および症状があり、異なる処置が必要である。不安障害の特定の例には、全般性不安障害、パニック障害、広場恐怖症などの恐怖症、社会不安障害、強迫神経障害、心的外傷後ストレス障害、分離不安および小児期不安障害が含まれる。
[00153] 発作タイプ、発症の典型的な年齢、EEG所見、処置、および予後のそれぞれ独自の組み合わせを示す、多くの異なるてんかん症候群が存在する。例示的なてんかん症候群には、例えば、小児期の良性後頭部脳葉てんかん、小児期の良性後頭部てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連性てんかん、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、ウェスト症候群、ドレベット症候群、進行性ミオクローヌスてんかん、およびレノックス-ガストー症候群(LGS)のが含まれる。遺伝的、先天性および発達性の病状は、より若い患者の間では、てんかんに関連することが多い。腫瘍は40歳以上の患者の原因となる可能性がある。頭部外傷および中枢神経系感染は、あらゆる年齢でてんかんを引き起こし得る。
[00154] 統合失調症は、思考過程の崩壊および不良な感情応答性によって特徴付けられる精神障害である。統合失調症の特定のタイプには、妄想型、無秩序型、緊張型、未分化型、残存型、統合失調症後うつ病および単純統合失調症が含まれる。
[00155] 自閉症スペクトル障害は、社会的コミュニケーションにおける持続性欠陥および様々な状況における相互作用を特徴とする、神経発達中に発現される表現型の範囲を包含する。
[00156] 処置は、神経精神障害(例えば、うつ病、統合失調症)から神経変性障害(例えば、AD)に至る障害にわたる症状の側面にも指向され得、その根底にある脳病理の側面の見地と一貫している。
[00157] 本方法は、本明細書に記載の化合物または組成物を、それを必要とする対象に投与することを含み得る。
[00158] 以下の非限定的な実施例は、いくつかの態様および実施形態を純粋に例示することを意図し、本開示に従って実施された特定の実験を示すものである。
実施例1:MP-III-022およびMP-III-023の合成
スキーム1.SH-053-2’F-(R/S)-CHの合成。
Figure 0007023876000028
スキーム2.MP-III-022の合成。
Figure 0007023876000029
スキーム3.MP-III-023の合成。
Figure 0007023876000030
(S)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-N,4-ジメチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキサミドMP-III-023(9)
[00159] エチルエステルSH-053-2’F-S-CH(2)(2.0g、5.16mmol)を無水DCM(10mL)に溶解し、これを0℃でセプタムを備えた密封容器に添加し、メチルアミン(20mL;33質量%EtOH溶液)を添加した。容器をスクリューキャップで密封し、60℃で12時間攪拌した。次いで、溶液を室温に冷却し、メチルアミン、DCMおよびエタノールを減圧下で除去した。得られた残留物を洗浄カラム(シリカゲル、EtOAcおよび1%MeOH)で精製して、純粋なアミド9を白色粉末として得た(1.7g、4.56mmol、88.6%);H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.84(s,1H),7.80-7.57(m,2H),7.54(d,J=8.3Hz,1H),7.50-7.41(m,2H),7.27(t,J=7.4Hz,1H),7.17(br s,1H),7.04(t,J=9.3Hz,1H),6.91(q,J=7.3Hz,1H),3.16(s,1H),2.96(d,J=5.0Hz,3H),1.28(d,J=6.6Hz,3H);C22H17FN4O(M+H)+に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 373.1459,実測値 373.1453.
実施例2:GL-II-31の合成。
スキーム4.GL-II-31の合成。
Figure 0007023876000031
(R)-8-エチニル-N,4-ジメチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキサミドGL-II-31(11)
[00160] エチルエステルGL-II-19-2’N-R-CH(10)(1.7g、4.59mmol)を無水DCM(15mL)に溶解し、これを0℃でセプタムを備えた密封容器に添加し、メチルアミン(25mL;33質量%EtOH溶液)を添加した。容器をスクリューキャップで密封し、60℃で18時間攪拌した。次いで、溶液を室温に冷却し、メチルアミン、DCMおよびエタノールを減圧下で除去した。粗製物に5mLのDCMを添加し、混合物を35℃で5分間攪拌し、次いで純粋な生成物を濾別した。濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、7:3 EtOAcおよびヘキサン)によりさらに精製して、純粋なアミド11のさらなる部分を白色粉末として得た(1.2g、3.37mmol、72%);H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.57(d,J=4.3Hz,1H),8.08(d,J=7.7Hz,1H),7.84-7.68(m,3H),7.52-7.41(m,2H),7.37(t,J=5.8Hz,1H),7.17(br s,1H),6.91(q,J=7.4Hz,1H),3.14(s,1H),2.97(d,J=4.9Hz,3H),1.28(d,J=7.2Hz,3H);13C NMR(75MHz,MeOD)δ 165.47,163.87,157.41,148.30,138.74,137.34,135.81,135.57,135.25,135.17,134.26,131.06,127.84,124.84,124.22,122.43,121.10,81.43,79.66,25.56,14.45;C2117O(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 356.1506,実測値 356.1504.
実施例3.RV-II-04の合成。
スキーム5.RV-II-04の合成。
Figure 0007023876000032
[00161] エチルエステル12(2.0g、4.67mmol)を無水DCM(10mL)に溶解し、これを0℃でセプタムを備えた密封容器に添加し、メチルアミン(20mL;33質量%EtOH溶液)を添加した。容器をスクリューキャップで密封し、60℃で15時間攪拌した。次いで、溶液を室温に冷却し、メチルアミン、DCMおよびエタノールを減圧下で除去した。得られた残留物を洗浄カラム(シリカゲル、7:3 EtOAcおよびヘキサン)で精製して、純粋なアミド13を黄色粉末として得た(1.35g、3.26mmol、70%);1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.85(s,1H),7.78(dd,J=8.5Hz,1.9Hz,1H),7.73(td,J=7.7Hz,1.5Hz,1H),7.50 -7.43(m,3H),7.28(t,J=7.6Hz,1H),7.12(br s,1H),7.04(t,J=9.4Hz,1H),6.33(br s,1H),4.13(br s,1H),2.99(d,J=4.9Hz,3H);HPLC-MS(ESI):m/z 413.15(M+H)
実施例4.MP-II-065の合成
スキーム6.MP-II-065の合成。
Figure 0007023876000033
8-エチニル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキサミドMP-II-065(15)
[00162] エチルエステル14(1g、2.81mmol)および塩化カルシウム(311mg、2.81mmol)を、攪拌棒を備えた密封可能な容器の内部に入れた。メタノール(無水、20mL)を加え、セプタムを設置して容器を密封した。別のフラスコ中で、アンモニア(g)を約10分間、飽和するまでメタノール(無水、20mL)中にバブリングさせた。アンモニア-メタノール溶液を14を含有する容器に添加し、容器をスクリューキャップで密封した。混合した反応物を加熱し、85℃で18時間攪拌した。反応物を冷却させ、メタノールを減圧下で除去した。残った固体を酢酸エチルに溶解し、濾過して塩化カルシウムを除去した。濾液を食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を減圧下で除去した。残った残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1%メタノールおよび1%トリメチルアミンを含むEtOAc)を用いて精製して、純粋な15を白色固体として得た(661mg、2.02mmol、72%);H NMR(300MHz,CDCl)δ 8.57(d,J=4.6Hz,1H),8.14(d,J=8.0Hz,1H),7.84(s,2H),7.81-7.73(m,1H),7.61-7.51(m,2H),7.42-7.32(m,1H),7.01(s,1H),6.26(s,1H),5.38(s,1H),4.13(s,1H),3.17(s,1H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 167.38,164.71,156.59,148.59,136.87,136.52,136.32,135.53,135.14,133.29,131.01,127.14,124.72,124.04,122.76,121.07,81.77,79.35,44.80;HPLC-MS(ESI):m/z 328.12(M+H)
実施例5.カルボキサミドへの一般的な合成経路。
スキーム7.カルボキサミドへの一般的な合成経路。
Figure 0007023876000034
実施例6.アミドへの一般的な合成経路。
スキーム8.アミドへの一般的な合成経路。
Figure 0007023876000035
(R)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸SH-053-2’F-R-CH3-酸(16)
[00163] エチルエステルSH-053-2’F-R-CH(1)(20.0g、51.6mmol)を500mLのEtOHに溶解し、その後、固体NaOH(16.6g、413mmol)を溶液に添加した。この反応混合物を0.5時間、55℃に加熱し、EtOHを減圧下で除去した。残りの水溶液を0℃で10分間攪拌し、次いでpHが5(pH紙)になるまでHCl水溶液(1M)を溶液に滴下した。形成された淡白色の沈殿物が溶液中に10分間放置され、次いで濾過によって回収され、冷水で洗浄し、水層を室温で10時間静置して、さらなる酸を得た。合わせた固形物を80℃の真空オーブンで7時間乾燥させて、純粋な酸16を白色粉末として得た(18.4g、51.2mmol、99.2%);H NMR(300MHz,DMSO-d):δ 8.42(s,1H),7.94(d,J=8.4Hz,1H),7.82(d,J=8.2Hz,1H),7.56(dt,J=7.8Hz,6.5Hz,2H),7.33(t,J=7.4Hz,1H),7.22(t,J=9.3Hz,2H),6.53(d,J=7.1Hz,1H),2.51(s,1H),1.16(d,J=6.8Hz,3H);13C NMR(75MHz,DMSO- d):δ 164.76,162.81,158.19,140.57,136.57,135.54,134.74,133.18,132.65,131.88,129.88,129.35,125.17,123.98,121.09,116.53,116.25,83.42,82.01,49.79,15.08;C2114FN(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 360.1143,実測値 360.1140.
他のアミドの一般的手順
[00164] 酸(SH-053-2’F-R-CH3-酸16またはそのエナンチオマー21)(2g、5.56mmol)、塩化チオニル(55.6mmol)および無水DCM50mLの混合物を、アルゴン下、オーブン乾燥した丸底フラスコに入れた。この懸濁液をアルゴン下、60℃で2時間還流させた。TLC(シリカゲル)により出発物質の不在を確認した。有機溶媒および過剰の塩化チオニルを減圧下で蒸発させ、これを無水DCMで5回繰り返した。得られた黄色の残留物を無水DCMに溶解し、アルゴン下で10分間、0℃に冷却した。次いで、適切なアミン(11.12mmol)、続いてEt3N(5.56mmol)を0℃で反応混合物に添加し、次いで混合物を室温まで温め、約7時間攪拌した。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を氷冷水で処理し、DCMで抽出した。合わせた有機層を食塩水(20mL)で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、対応する純粋なアミドを得た。
実施例7.GL-II-73の合成。
(R)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-N,N,4-トリメチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキサムGL-II-73(17)
[00165] 17を、求核剤として無水ジメチルアミンを用いる一般的な手順に従って、16から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAcおよび1%MeOH)で精製して、純粋なジメチルアミド17を淡黄色粉末として得た(1.5g、3.9mmol、70%);H NMR(300MHz,CDCl):δ 7.94(s,1H),7.7(d,J=8.4Hz,1H),7.76(t,J=6.9Hz,1H),7.54-7.42(m,3H),7.26(t,J=7.4Hz,1H),7.04(t,J=9.4Hz,1H),4.33(q,J=6.9Hz,1H),3.15(s,1H),3.12(s,3H),3.00(s,3H),1.93 (d,J=6.9Hz,3H);C2319FNO(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 387.1616,実測値 387.1626.
実施例8.GL-II-74の合成
(R)-N-エチル-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキサミドGL-II-74(18)
[00166] 18を、求核剤として無水エチルアミンを用いる一般的な手順に従って、16から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、6:4 EtOAcおよびヘキサン)で精製して、純粋なエチルアミド18を白色粉末として得た(1.6g、4.3mmol、78%);H NMR(300MHz,CDCl):δ 7.82(s,1H),7.69 -7.60(m,2H),7.54(d,J=8.3Hz,1H),7.45-7.40(m,2H),7.26(t,J=7.4Hz,1H),7.16(br s,1H),7.04(t,J=9.2Hz,1H),6.93(q,J=7.4Hz,1H),3.49-3.39(m,2H),3.14(s,1H),1.27-1.20(m,6H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 162.81,162.51,158.47,138.81,134.96,134.71,133.90,133.37,131.84,131.37,129.78,124.46,124.42,122.04,121.38,116.20,115.92,81.55,79.52,49.89,33.70,15.02;C2319FNO(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 387.1616,実測値 387.1618.
実施例9.GL-II-75の合成
(R)-N-シクロプロピル-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキサミドGL-II-75(19)
[00167] 19を、求核剤として無水シクロプロピルアミンを用いる一般的な手順に従って、16から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5:5 EtOAcおよびヘキサン)で精製して、純粋なシクロプロピルアミド19を白色粉末として得た(1.8g、4.5mmol、82%);H NMR(300MHz,CDCl):δ 7.80(s,1H),7.68 -7.61(m,2H),7.53(d,J=8.4Hz,1H),7.45-7.40(m,2H),7.28-7.21(m,2H),7.03(t,J=9.3Hz,1H),6.90(q,J=7.4Hz,1H),3.15(s,1H),2.86-2.80(m,1H),1.27(d, J=6.7Hz,3H),0.83-0.79(m,2H),0.63-0.57(m,2H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 164.02,162.82,158.47,138.91,134.97,134.65,133.89,133.37,131.86,131.58,131.36,129.78,124.47,122.04,121.42,116.20,115.92,81.53,79.55,49.88,22.10,14.99,6.54,6.50;C2419FNO(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 399.1616,実測値 399.1621.
実施例10.GL-II-76の合成。
(R)-(8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)(ピロリジン-1-イル)メタノンGL-II-76(20)
[00168] 20を、求核剤として無水ピロリジンを用いる一般的な手順に従って、16から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、6:4 EtOAcおよびヘキサン)で精製して、純粋な生成物20を白色粉末として得た(1.8g、4.4mmol、80%);H NMR(300MHz,CDCl):δ 7.90(s,1H),7.70-7.59(m,2H),7.51(d,J=8.4Hz,1H),7.46-7.40(m,2H),7.26(t,J=7.4Hz,1H),7.04(t,J=9.3Hz,1H),4.34(q,J=6.4Hz,1H),3.74-3.41(m,4H),3.14(s,1H),1.96-1.88(m,4H),1.27(d,J=6.5Hz,3H);C2521FNO(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 413.1772,実測値 413.1772.
実施例11.GL-I-54の合成
スキーム9.GL-I-54の合成。
Figure 0007023876000036
(S)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボン酸SH-053-2’F-S-CH3-酸(21)
[00169] エチルエステルSH-053-2’F-S-CH3(2)(5.0g、12.91mmol)を200mLのEtOHに溶解し、その後、固体NaOH(4.1g、103.25mmol)を溶液に添加した。この反応混合物を0.5時間、55℃に加熱し、EtOHを減圧下で除去した。残りの水溶液を0℃で10分間攪拌し、次いでpHが5(pH紙)になるまでHCl水溶液(1M)を溶液に滴下した。形成された淡白色の沈殿物が溶液中に10分間放置され、次いで濾過によって回収され、冷水で洗浄し、水層を室温で10時間静置して、さらなる酸を得た。合わせた固体を80℃の真空オーブンで7時間乾燥させて、純粋な酸21を白色粉末として得た(4.6g、12.7mmol、99%);H NMR(300MHz,DMSO-d):δ 8.35(s,1H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),7.80(d,J=8.1Hz,1H),7.56-7.55(m,3H),7.34(t,J=7.3Hz,1H),7.24-7.18(m,2H),6.62(d,J=7.1Hz,1H),4.35(s,1H),1.14(d,J=6.5Hz,3H);13C NMR(75MHz,DMSO- d):δ 164.88,162.90,158.28,140.79,136.78,135.65,134.83,133.22,132.43,131.77,129.82,129.45,125.21,123.97,121.12,116.64,116.25,83.43,82.11,49.65,15.11;C2114FN(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 360.1143,実測値 360.1148.
(S)-8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-N,N,4-トリメチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-カルボキサミドGL-I-54(22)
[00170] 22を、求核剤として無水ジメチルアミンを用いる一般的な手順に従って、21から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAcおよび1%MeOH)で精製して、純粋なジメチルアミド22を淡黄色粉末として得た(1.4g、3.8mmol、68%);H NMR(500MHz,CDCl):δ 7.93(s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,1H),7.65(t,J=6.8Hz,1H),7.56-7.42(m,3H),7.27(t,J=7.4Hz,1H),7.05(t,J=9.4Hz,1H),4.33(q,J=6.8Hz,1H),3.15(s,1H),3.13(s,3H),3.01(s,3H),1.94 (d,J=6.8Hz,3H);C2319FNO(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 387.1616,実測値 387.1624.
実施例12.オキサジアゾールへの一般的な合成経路。
スキーム10.オキサジアゾールへの一般的な合成経路。
Figure 0007023876000037
オキサジアゾールの一般的手順
[00171] エチルエステル(2または10または23)をアルゴン下、室温で無水THFに溶解した。3Åモレキュラーシーブを含有する別のフラスコ中、オキシムをアルゴン下で無水THFに溶解し、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)で処理した。得られた混合物を15分間攪拌し、その時点でエチルエステルを含有する溶液を添加した。得られた反応混合物を室温で2時間、またはTLC(シリカゲル)で示されるように出発物質が消費されるまで攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチした。次いで、水を加え、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製して、純粋な対応するオキサジアゾールを得た。
実施例13.GL-I-65の合成
(S)-5-(8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾールGL-I-65(24)
[00172] 100mLの無水THF中のオキシム(627mg、8.46mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(254mg、6.34mmol)を用いた一般的手順に従って、24を2(1.64g、4.23mmol)から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5:5 EtOAcおよびヘキサン)で精製して、純粋な生成物24を白色粉末として得た(1.24g、3.12mmol、74%);H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.02(s,1H),7.77(d,J=8.5Hz,1H),7.63-7.60(m,2H),7.51-7.45(m,2H),7.28(t,J=7.5Hz,1H),7.07(t,J=9.6Hz,1H),6.77(q,J=7.1Hz,1H),3.18(s,1H),2.47(s,3H),1.36(d,J=7.3Hz,3H);C2316FNO(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 398.1412,実測値 398.1419.
実施例14.GL-II-33の合成
(R)-5-(8-エチニル-4-メチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾールGL-II-33(25)
[00173] 100mLの無水THF中のオキシム(800mg、10.8mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(324mg、8.1mmol)を用いた一般的手順に従って、25を10(2g、5.4mmol)から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc)で精製して、純粋な生成物25を白色粉末として得た(1.58g、4.15mmol、77%);H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.59(d,J=4.5Hz,1H),8.04-8.02(m,2H),7.85-7.74(m,2H),7.62(d,J=8.4Hz,1H),7.49(br s,1H),7.40(t,J=6.1Hz,1H),6.75(q,J=7.5Hz,1H),3.18(s,1H),2.48(s,3H),1.36(d,J=7.5Hz,3H);13C NMR(75MHz,CDCl)δ 170.81,167.42,165.35,157.45,148.60,139.28,136.90,136.45,136.01,135.77,135.54,135.19,127.95,124.68,124.03,122.37,121.21,81.61,79.61,49.97,14.67,11.66;C2216O(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 381.1458,実測値 381.1461.
実施例15.GL-III-23の合成
5-(8-エチニル-6-(2-フルオロフェニル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾールGL-III-23(26)
[00174] 100mLの無水THF中のオキシム(1.2g、16.06mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(482mg、12.04mmol)を用いた一般的手順に従って、26を23(3.0g、8.03mmol)から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、7:3 EtOAcおよびヘキサン)で精製して、純粋な生成物26を白色粉末として得た(1.6g、4.17mmol、52%);H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.11(s,1H),7.80(d,J=8.6Hz,1H),7.69(t,J=7.5Hz,1H),7.64(d,J=8.6Hz,1H),7.51(br s,1H),7.49(q,J=6.4Hz,1H),7.28(t,J=7.5Hz,1H),7.06(t,J=9.1Hz,1H),6.19(br s,1H),4.52(br s,1H),3.19(s,1H),2.48(s,3H);C22H14FN5O(M+H)+に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 384.1255,実測値 384.1273.
実施例16.GL-II_54の合成
スキーム11.GL-II-54の合成。
Figure 0007023876000038
(R)-5-(8-ブロモ-4-メチル-6-(ピリジン-2-イル)-4H-ベンゾ[f]イミダゾ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-3-イル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾールGL-II-54(28)
[00175] 100mLの無水THF中のオキシム(1.3g、17.5mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(282mg、7.1mmol)を用いた一般的手順に従って、28を27(2.0g、4.7mmol)から調製した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAcおよび1%MeOH)で精製して、純粋な生成物28を白色粉末として得た(1.7g、3.9mmol、85%);H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.59(d,J=4.5Hz,1H),8.06(d,J=7.6Hz,1H),8.00(s,1H),7.85-7.77(m,2H),7.53-7.51(m,2H),7.40(t,J=6.3Hz,1H),6.76(q,J=6.7Hz,1H),2.49(s,3H),1.37(d,J=7.6Hz,3H);C2015BrNO(M+H)に対するHRMS(LCMS-IT-TOF)計算値 435.0564,実測値 435.0557.
実施例17.Y迷路交替タスク
[00176] 若齢動物および慢性ストレス処置:C57/Bl6マウス、雄および雌を8週齢でJackson Laboratoriesから注文し、1週間、正常な飼育条件(午前7時に始まる12時間点灯サイクル/水および餌は自由摂取)に保った。この週の間に、動物は、実験者への不安のような反応を減少させるために、単一収容され、ハンドリングされた。作業記憶の欠陥を誘発するために、マウスに慢性拘束ストレスプロトコル(CRS)を施した。マウスを、日中サイクルの間、1日2回、50mlファルコン(登録商標)チューブに1時間入れた。ストレスの発生の時間は、予測可能性を避けるために毎日無作為化された。CRSは試験日には適用されなかった。Y迷路試験は、最後のストレス要因後、最低15時間で発生した。
[00177] 若齢対高齢動物試験:C57/Bl6雄マウスは、10ヶ月齢でJackson Laboratoriesから注文し、18ヶ月齢に達するまで、正常な飼育条件(午前7時に始まる12時間点灯サイクル/水および餌は自由摂取)に保った。8週齢のより若い動物のコホートを実験の対照として使用した。試験前に、動物は、実験者への不安のような反応を減少させるために、ハンドリングされた。通常の老化誘発性作業記憶の欠陥は、下記のY迷路試験を用いて評価した。
[00178] プロトコル:マウスを、連続した2日間、10分間の自由探索セッション(1セッション/1日)により、最初にY迷路装置および遠位キューに慣れさせた。翌日、動物は、30秒の試験間隔(ITI)で分けられた7回の連続した試験からなるトレーニングセッションを行った。この訓練期間中、マウスを実験手順(扉の開閉およびゴールアームへの閉じ込め)に熟知させた。各試験について、マウスは30秒のITIの間、スタートボックス内にとどまった。その後、扉が開けられ、マウスは2つのゴールアームのうちの1つに自由に入ることができた。選択されたアームは閉じられ、選択が記録された。選択されたアーム内での30秒の閉じ込め期間の後、マウスを取り出し、最初の試験と同じ2回目の試験のためにマウスをスタートボックスに戻し、この手順を一連の試験にわたって繰り返した。
[00179] ITIが90秒に延長されたことを除いて、トレーニングセッションで使用されたのと同じ一般的手順が24時間後に実行された。この実験につき、試験開始30分前に、動物は溶媒またはαPAMを腹腔内に急性的に注射された。記憶欠陥を、一連の試験を経た交替への動機づけの結果的進行性喪失から分離して考えるために、一連の試験に、7回目の試験からより短いITI(5秒)で分けられた8回目の試験を加えた。8回目の試験で交替しなかった動物は全て除外した。平均交代率を計算し、パーセンテージ(動物によってなされた交替数/可能な交替総数×100)±SEMで表した。タスク全体の交替率は、作業記憶能力の指数(50%のランダム交替率)とみなされる。群間の差異を明らかにするため、データにfactorial ANOVAを適用した。ANOVAが群効果につき有意であった場合(p<0.05)、Scheffe事後分析を実施して、どの群が互いに異なるかを同定した。
[00180] 薬物の調製および投与:全ての薬物を、85%H2O、14%プロピレングリコール(Sigma Aldrich)および1%Tween80(Sigma Aldrich)を含む溶媒溶液で希釈した。作用溶液を10mg/mLの濃度で調製し、各動物の体重に合わせて調整して腹腔内投与した。使用した用量は、1、5、10または20mg/kgであった。全てのY迷路実験につき、試験開始30分前に、動物は溶媒またはαPAMを腹腔内に急性的に注射された。
[00181] GL-II-73による処置後のY迷路交替タスクの結果:データ(図3)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(5,94)=17.5;p<0.0001)。FisherのPLSD事後分析から、CRSがこの試験において作業記憶の有意な減少を誘発したことを示した。対照-溶媒群と比較した場合、***p<0.001。この効果は、GL-II-73の投与(試験30分前)によって逆転された。本発明者らの結果は、GL-II-73がCRS-溶媒群と比較して、5mg/kg(p<0.01)ならびに10および20mg/kg(ps<0.001)で認知向上効果を有することを示している。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこの化合物の潜在的な効能を示唆している。
[00182] GL-II-75による処置後のY迷路交替タスクの結果:データ分析(図4)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(4,30)=6.3;p=0.0008)。FisherのPLSD事後分析から、この記憶タスクにおけるCRS誘発性欠陥が、試験30分前にGL-II-75を投与することによって、逆転できることが明らかとなった。GL-II-75は、1、5および10mg/kgで有意な認知向上効果を有する(対照-溶媒群と比較してp<0.05)。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこの化合物の潜在的な効能を示唆している。
[00183] GL-I-54による処置後のY迷路交替タスクのデータ結果:分析(図5)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(4,29)=6.6;p=0.0006)。FisherのPLSD事後分析から、CRS-溶媒動物(p<0.001)および1mg/kgのGL-I-54を投与したCRS動物(p<0.001)における能力の低下が明らかとなった。10mg/kgで注射されたGL-I-54は、FisherのPLSD事後検定によって明らかにされた有意な認知効果を有した(p<0.05)。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこの化合物の潜在的な効能を示唆している。
[00184] GL-II-33による処置後のY迷路交替タスクの結果:データ分析(図6)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(2,11)=4.2;p=0.0439)。FisherのPLSD事後分析から、CRS-溶媒動物における低下した能力(p<0.05)、および対照-溶媒群と比較して有意でないGL-II-33 10mg/kg後の交替率の増加が明らかとなった。GL-II-33マウス群はCRS-溶媒マウス群と統計的に異ならなかったが、FisherのPLSD事後検定を使用した場合に傾向が検出された(p=0.06)。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこの化合物の潜在的な効能を示唆している。
[00185] GL-I-65による処置後のY迷路交替タスクの結果:データ分析(図7)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(2,28)=5.38;p=0.0105)。FisherのPLSD事後分析から、CRS-溶媒動物における低下した能力(p<0.05)、および対照-溶媒群と比較して有意でなく、CRS-溶媒群と比較して統計的に有意である(p<0.05)GL-I-65 10mgkg後の交替率の増加が明らかとなった。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこの化合物の潜在的な効能を示唆している。
[00186] GL-II-73およびGL-I-54のラセミ混合物で処理した後のY迷路交替タスクの結果:データ分析(図8)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(2,10)=16.82;p=0.0006)。FisherのPLSD事後分析から、CRS-溶媒動物における有意に低下した能力が明らかとなった(p<0.001)。ラセミ混合物(GL-II-73/GL-I-54)の投与は、CRSによって誘発される認知障害の逆転を誘発した(p<0.001)。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこれらの化合物の潜在的な効能を示唆している。
[00187] GL-II-73による処置後の高齢動物におけるY迷路交代課題の結果:データ分析(図9)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(2,12)=13.79;p=0.0008)。FisherのPLSD事後分析から、5mg/kgで、老齢動物におけるGL-II-73の投与が、有意な認知向上効果を有することが明らかとなった(高齢-溶媒群と比較してp<0.05)。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこの化合物の潜在的な効能を示唆している。
[00188] GL-II-75による処置後の高齢動物におけるY迷路交代課題の結果:データ分析(図10)は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(2,10)=11.57;p=0.0025)。FisherのPLSD事後分析から、5mg/kgで、老齢動物におけるGL-II-75の投与が、有意な認知向上効果を有することが明らかとなった(高齢-溶媒群と比較してp<0.01)。これらの結果は、認知欠陥を逆転させるこの化合物の潜在的な効能を示唆している。
Figure 0007023876000039
実施例18.他の認知試験におけるαPAMの影響
[00189] Morris水迷路アッセイの手順:ラットの認知能力に影響するMP-III-022の可能性を、2つの十分に検証された行動モデルで評価した。最初に、Morris水迷路実験を、22±1℃の水で30cmの高さに充填した直径2mの円形プール中で行った。エスケーププラットフォーム(15cm×10cm)を水面の2cm下に沈めた。全ての実験詳細は、Savic et al.(Int.J.Neuropsychopharmacol.2009,12,1179-1193)に記載されていた。連続した5日間の各々において、ラットには1つの水泳ブロックが与えられ、これは4回の試験からなった。各試験について、ラットを4つの擬似無作為に決定された開始位置の1つの水中に置いた。ラットがエスケーププラットフォームを見つけて登ると、15秒間プラットフォームに留まることが許された。ラットは、120秒以内にその位置を見つけられなかった場合、実験者によってプラットフォームに導かれた。習得段階の間、処置は、水泳ブロックの前に1日1回適用された。6日目に、ラットにプラットフォームなしで無処置プローブ試験(60秒)を行った。探索試験は、新規の最も遠い場所から始まった。習得試験中に追跡するための選択された従属変数は:エスケープ潜時(秒)、総移動距離(m)、経路効率(実際の経路長に対する可能な最短経路長の比)、周囲輪内の水泳距離(%)および平均速度(m/s)であった。プローブ試験で選択されたパラメータは、標的区域における水泳距離および周囲輪内の水泳距離%であった。本発明者らは、対照薬物として1、2.5および10mg/kgのMP-III-022および2mg/kgのジアゼパムの効果を試験した。MP-III-022の用量は、Stamenic et al.(Eur.J.Pharmacol.2016,791,433-443)に示されている完全な薬物動態学的および電気生理学的データの分析に従って、それぞれα5GABAARの軽度、中等度および強度のポジティブモジュレーションを誘発するように選択した。Morris水迷路の習得日からのデータを各ラットで平均化(総データ/1日当たりの試験総数)し、日を反復基準とした反復測定を用いた二元ANOVA(因子:処置および日)で分析した。有意な相互作用の場合、別個の一元配置ANOVAを実施して、日因子の個々のレベル内での処置の影響を評価した。プローブ試験からのデータは、一元ANOVAを用いて評価した。
[00190] 社会的新規性識別(SND)アッセイの手順:SND試験は、成体ラットの社会調査時間を、熟知したおよび新規の若齢ラットと比較する。試験は、成体対象に対する2つの連続した若齢ラット提示期間:期間1(P1)および期間2(P2)からなった。P1の開始時に、1匹の若齢ラットを成体のホームケージに入れ、若齢ラットを調査するのに成体が費やした時間(肛門生殖器を嗅ぐ、舐める、近くで追いかけるおよび触る)を手動で5分間記録した。P2の間、同じ若齢ラットと2番目の新規若齢ラットを成体と一緒にケージに入れ、各若齢ラットを調査するのに成体が費やした時間を独立して3分間測定した。試験した各成体に、異なる若齢ラットの対を提示した。手動採点は盲検式で行われた。P1とP2との間に30分の遅延があり、SNDは低くなると予想されたため、SNDは、パラメトリック操作を適用することによって、対照ラットにおいて意図的に障害された。このようにして誘発されたSNDの障害に対するMP-III-022(1、2.5または10mg/kg)の影響を調査した。P1の20分前に、溶媒、1.5mg/kgジアゼパムならびに1、2.5および10mg/kg MP-III-022のうちの1つを投与した5群のラットが存在した。P2中、熟知した(Tf)および新規の(Tn)の若齢ラットを調査する時間量を手動で採点し、識別指数(Tn-Tf/Tn+Tf)を計算した。P1およびP2の合計探索時間も手動で記録した。
[00191] Morris水迷路アッセイの結果:水迷路試験の5日間の習得段階の結果を図11に示す。表2に要約されるように、測定された全てのパラメータについて、処置因子および日因子の有意な効果が観察された。本発明者らの結果から、MP-III-022は、α5GABAAR(10mg/kg、Stamenic et al.,2016による)につき選択性の最高用量では、陽性コントロールとして用いられたジアゼパム2mg/kgにより誘発されたものと区別できない空間学習不能が誘発された。これは、ベンゾジアゼピンに特有の水迷路障害がα5GABAARのポジティブモジュレーションのみによって達成可能であることを直接的に示す最初の結果である。影響された受容体は海馬に位置する可能性が最も高く、水迷路は海馬依存性の認知タスクとして一般に見られることを念頭に置いている。平均速度に対する二元反復測定ANOVAは、処置因子に関して統計学的に有意ではなかった(F(4,27)=1.112、p=0.317)ため、習得セッション中の任意の感覚運動障害を除外することができる。特に、事後検定から、1mg/kgのMP-III-022で処置した群は、2mg/kgのジアゼパムおよび10mg/kgのMP-III-022群と、全てのパラメータにつき異なることが明らかとなった。1mg/kgのMP-III-022を投与された動物は、エスケープ潜時がより短く、距離がより短く、周囲リング内の水泳距離がより短く、経路効率がより高かった。さらに、DayIIの一元ANOVA後の事後分析から、1mg/kg MP-III-022で処置したラットが、対照および他の全ての処置群と比較してより高い経路効率を有することが明らかとなり(DayII、図5d)、MP-III-022の最低用量に関するわずかなレベルの選択的調節が、ラットにより早くタスクを習得させる傾向を有することを示唆している。表2.ラットのMWMにおける挙動に対する2mg/kg DZPおよび1、2.5および10mg/kg MP-III-022投与の効果。プラットフォームへの潜時(秒)、合計距離(m)、周囲輪における水泳距離(%)および経路効率に対する二元反復測定ANOVAおよび全体的な事後結果。SOL=溶媒;DZP=ジアゼパム;MP=MP-III-022;ns=有意でない。
Figure 0007023876000040
[00192] 探索試験の結果に適用された一元ANOVAから、分析された両方のパラメータ:標的領域における水泳距離(F(4,27)=6.26、p=0.001、図12a)、および周囲リングにおける水泳距離パーセント(F(4,27)=6.84、p<0.001;図12b)、に対する有意な処置効果が明らかとなった。高用量のMP-III-022は、空間学習および記憶においてジアゼパムの認知破壊効果と似ているが、1mg/kgのMP-III-022は、空間学習と記憶処理において有意な改善を誘発し、α5モジュレーションが、認知向上効果を有し得ることを確認する。
[00193] 社会的新規性識別アッセイの結果:社会的新規性識別手順におけるラットの行動に対する1.5mg/kgジアゼパムならびに1、2.5および10mg/kg MP-III-022の効果を図13に示す。識別指標の1試料t検定は、10mg/kgのMP-III-022群(t(7)=2.446;p=0.023、図25a)についてのみ、ゼロ(すなわち、チャンスレベル)との有意な差異を明らかにした。同様に、対応t検定は、熟知したおよび新規の若齢ラットをP2で探索するのに費やした時間の有意性を明らかにし、10mg/kgのMP-III-022群のみが、新しいラットを探索するのに有意により長い時間を費やしたことを示している(t(7)=-2.921、p=0.022、図25b)。探索時間に関する同じ統計分析は、2.5mg/kgジアゼパムで処置したラットにおける統計的傾向を明らかにした(t(7)=-2.076、p=0.077)。α5GABAARの選択的強化による社会的新規性識別の促進という知見は新規であり、MP-III-022が認知向上効果を有することを示唆している。全体として、2つのアッセイの結果は、α5GABAARの強力な選択的強化(Stamenic et al,2016で評価された低濃度のGABAによって誘発されるレベルの3倍)が、社会的認知における促進作用、ならびに強化された空間学習および記憶を誘発し得ることを示唆している。
実施例19.強制水泳試験
[00194] 強制水泳試験アッセイ(FST)の手順
[00195] 動物:C57Bl/6雄マウスを8週齢でJackson Laboratoriesから注文し、1週間、正常な飼育条件(午前7時に始まる12時間点灯サイクル/水および餌は自由摂取)下で集団収容(マウス4~5匹/ケージ)した。この週の間、動物を実験者に慣れさせ、行動試験中の不安のような反応を減少させるために、動物をハンドリングした。
[00196] 薬物の調製および投与:全ての薬物を、85%H2O、14%プロピレングリコール(Sigma Aldrich)および1%Tween80(Sigma Aldrich)を含む溶媒溶液で希釈した。作用溶液を20mg/mLの濃度で調製し、各動物の体重に合わせて調整して腹腔内投与した。使用した用量は、1、5または10mg/kgであった。全てのFST実験につき、動物は溶媒またはαPAMを腹腔内注射された。
[00197] プロトコル:マウスを強制水泳試験(FST)(抗うつ薬の効力の評価に使用される絶望様行動の基準)で試験した。潜在的な抗うつ薬化合物を試験するために、当分野における標準的な方法に従って3回(試験の24、20および1時間前)、動物に亜慢性的に注射した。
[00198] 最後の注射から1時間後、マウスを水で満たされた(25cm、25~26℃)逃げられない透明なタンクに入れた。ここで、マウスは底に触れることができず、タンクから飛び出すことができない。動物を6分間記録し、タンク内での不動時間の手動計数を、マウス処置歴を知らない実験者が2~6分間測定した。不動は、浮いたままでいるための最小限の動きの量として定義される。FSTにおいて不動を減少させた化合物は、潜在的な抗うつ作用を有すると考えられる。
[00199] GL-II-73による処置後の強制水泳試験の結果:データ(図14)は、群間の差異に対する傾向を示した(ANOVA F(3,34)=8.189;p=0.0614)。さらに、事後分析から、GL-II-73 10mg/kgが溶媒群*p<0.05と比較して不動を有意に減少させることが確認された。これらの結果は、この化合物の抗うつ剤としての潜在的な効能を示唆している。
[00200] GL-II-74による処置後の強制水泳試験の結果:データ(図15)は、群間で有意差を示した(ANOVA F(3,43)=7.122;p<0.001)。さらに、事後分析から、5および10mg/kgのGL-II-74が溶媒群*p<0.05と比較して不動を有意に減少させることが確認された。これらの結果は、この化合物の抗うつ剤としての潜在的な効能を示唆している。
[00201] GL-II-75による処置後の強制水泳試験の結果:データ(図16)は、群間で有意差を示した(ANOVA F(3,44)=6.427 p<0.01)。さらに、事後分析から、5および10mg/kgのGL-II-75が溶媒群*p<0.05および***p<0.001と比較して不動を有意に減少させることが確認された。これらの結果は、この化合物の抗うつ剤としての潜在的な効能を示唆している。
[00202] MP-III-022による処置後の強制水泳試験の結果:T検定分析は、溶媒(t検定、*p<0.05)と比較したMP-III-022(10mg/kg)の不動時間における有意な減少を明らかにした。(図17)。これらの結果は、この化合物の抗うつ剤としての潜在的な効能を示唆している。
[00203] GL-I-54による処置後の強制水泳試験の結果:T検定分析は、溶媒(t検定、***p<0.001)と比較したGL-I-54(5mg/kg)の不動時間における有意な減少を明らかにした。(図18)。これらの結果は、この化合物の抗うつ剤としての潜在的な効能を示唆している。
[00204] GL-II-54による処置後の強制水泳試験の結果:T検定分析は、溶媒(t検定、*p<0.05)と比較したGL-II-54(10mg/kg)の不動時間における有意な減少を明らかにした。(図19)。これらの結果は、この化合物の抗うつ剤としての潜在的な効能を示唆している。
Figure 0007023876000041
実施例20:自発運動
[00205] GL-II-73、GL-II-74、GL-II-75およびMP-III-022のホームケージ自発運動の変化を定量して、暗い照明条件下での動物の動きを評価し、異なる化合物の潜在的な鎮静作用を検出した。マウスは、ホームケージ(28.2×17.1cm)に類似した、清潔なケージ内に入れられ、上からのビデオ記録を可能にするため敷材および蓋は入れなかった。タッキングを行い、ANY-Maze(商標)追跡ソフトウェア(バージョン499z)を用いて移動距離(30分間のセッション)を分析して、ホームケージ環境における自発運動を評価した。動物は試験の1時間前に化合物または溶媒溶液の単回投与を受けた。
[00206] 薬物の調製および投与:全ての薬物を、85%H2O、14%プロピレングリコール(Sigma Aldrich)および1%Tween80(Sigma Aldrich)を含む溶媒溶液で希釈した。作用溶液を20mg/mLの濃度で調製し、各動物の体重に合わせて調整して腹腔内投与した。使用した用量は、1、5または10mg/kgであった。全ての自発運動実験につき、試験開始1時間前に、動物は溶媒またはαPAMを腹腔内に急性的に注射された。
[00207] GL-II-73による処置後の自発運動の結果:データ分析は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(3,36)=3.8、p=0.016)。FisherのPLSD分析は、溶媒群と比較して、1mg/kgでのGL-II-73の有意な効果および5mg/kgおよび10mg/kg(それぞれp<0.05およびp<0.001)での自発運動の有意な増加を示さなかった。(図20)。これらの結果は、化合物の鎮静効果を示唆していない。
[00208] GL-II-74による処置後の自発運動の結果:データ分析は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(3,34)=3.18;p=0.0381)。FisherのPLSD事後分析は、溶媒群と比較して、低用量(1または5mg/kg)でのGL-II-74の有意な効果および10mg/kg(p<0.01)での有意な増加を示さなかった。(図21)これらの結果は、化合物の鎮静効果を示唆していない。
[00209] GL-II-75による処置後の自発運動の結果:データ分析は、群間で有意差を示した(ANOVA:F(3,36)=7.038;p=0.0008)。FisherのPLSD事後分析は、溶媒群と比較して、5mg/kgでのGL-II-75の有意な効果および1mg/kgおよび10mg/kg(それぞれp<0.05およびp<0.001)での自発運動の有意な増加を示さなかった。(図22)。これらの結果は、化合物の鎮静効果を示唆していない。
[00210] MP-III-022による処置後の自発運動の結果:データ解析は、MP-III-022と溶媒群との間で有意差を示さなかった(p=0.52)。(図23)。これらの結果は、化合物の鎮静効果を示唆していない。ラットにおいて、さらなるリガンドによって誘発された自発運動の変化を評価するための手順。全てが10mg/kgで投与された、RV-II-04、GL-II-31、MP-III-023、GL-I-54、GL-III-23、GL-II-33、GL-II-54およびGL-I-65の自発運動に対する影響を、体重350~400gの実験的に未処置の成体雄Wistarラット(n=48)において評価した。試験は、暗赤色光(20ルクス)下で4つの白色および不透明なプレキシグラスチャンバ(40×25×35cm)からなる装置内で行った。装置の上に取り付けられたデジタルカメラは動物の活動を記録し、これはANY-maze Video Tracking Systemソフトウェア(Stoelting Co、Wood Dale、IL、USA)を使用して追跡および分析された。配位子を、85%蒸留水、14%プロピレングリコールおよび1%Tween80を含む溶媒(SOL)中で超音波処理を用いて溶解/懸濁させた。各リガンドの10mg/kg用量またはSOLを10ml/kgの容量で腹腔内投与し、単一のラットを直ちにチャンバーの中心に置いた。活動は合計60分間追跡された。各試験の後に、希釈したエタノールでチャンバーを清掃した。SigmaPlot11ソフトウェア(Systat、USA)で統計分析(一元ANOVAおよび適用可能な場合、事後SNK検定)を実施した。さらなるリガンドで処理した後の自発運動評価の結果:ラットが60分間の記録中に移動した全距離を図24aに示し、5分間容器で移動した距離を図24bに示す。ANOVAは、60分間に移動した全距離の有意差を示した(F(8,40)=4.71、P<0.001)。事後検定によれば、MP-III-023、特にRV-II-04は、著明な鎮静を誘導した。5分間隔の二元反復測定ANOVAは、全ての因子の有意な効果を示した(処置:F(8,440)=4.71、P<0.001、時間:F(11,440)=45.88、P<0.001;相互作用:F(88,440)=1.96、P<0.001)。MP-III-023、特にRV-II-04は、記録のほぼ全期間において、鎮静を誘導することが示された。
実施例21:自発運動協調
[00211] 手順:Charles River Laboratory、WIL、MAからの、雌スイスウェブスターマウス(10週齢)を実験に使用した。動物は、湿度、温度、および制御された12時間の明暗サイクルの標準的条件下で、特定の病原体のない条件下で収容され、食物および水は自由に摂取した。感覚運動ロータロッド試験は、注射の10、30または60分後に行った。マウスを15rpmで最大3分間、ロータロッド上で試験され、落下時間が記録された。3分間の試験期間前の落下により、化合物によって誘発された自発運動協調障害を評価する。
[00212] 薬物の調製および投与:マウス(N=10/群)は、試験化合物(40mg/kg)、ジアゼパム(5mg/kg)または溶媒(2%ポリエチレングリコール、2.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液)の経口経管栄養による単回投与を受けた。
[00213] 自発運動協調評価の結果:ジアゼパム陽性対照(5mg/kg)を含む大部分の化合物は、10分、続いて30分と60分で感覚運動の安定性を示した。最も重度の運動障害を引き起こした化合物は、RV-II-04、MP-III-023、およびGL-I-54であった。これらの結果は、これらの3つの化合物の鎮静効果を示唆している。感覚運動障害を示さないこの一連の化合物は、GL-II-31、GL-II-33、GL-II-54、GL-I-65、GL-II-73、GL-II-74およびGL-II-76である。(図25)。これらの結果は、これらの化合物の鎮静作用を示唆していない。
実施例22:電気生理学
[00214] 手順:哺乳動物細胞のトランスフェクトおよび電気生理学的記録。哺乳類の発現ベクター中のGABAA受容体サブタイプに関する完全長cDNA(Dr.Robert Macdonald,Vanderbilt UniversityおよびDr.David Weiss,University of Texas Health Science Center,San Antonio,TXによって十分に提供されている)をヒト胚性腎細胞株HEK-293T(GenHunter,Nashville,TN)(Chestnut et al,1996,J.Immunol.Methods193,17-27)にトランスフェクトした。全てのサブタイプはヒトクローンであるα2を除いてラットクローンであった。細胞を、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)+10%ウシ胎仔血清、100IU/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン中で維持した。
[00215] HEK-293T細胞を、リン酸カルシウム沈殿を用いて一過的にトランスフェクトした。GABAA受容体サブタイプcDNAをコードするプラスミドを各2μgの1:1:1比(α:β:γ)で細胞に添加した。31 陽性トランスフェクトした細胞の同定のために、sFv表面抗体をコードするcDNAを含有するプラスミドpHook-1(Invitrogen Life Technologies,Grand Island NY)もまた、細胞にトランスフェクトした。11 3%CO2で4~6時間インキュベートした後、細胞をBBS緩衝液中15%グリセロール溶液(50mM BES(N、N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-2-アミノエタンスルホン酸)、280mM NaCl、1.5mM Na2HPO4)で30秒間処置した。pHook発現の選択手順は18~52時間後に行った。細胞を継代し、pHook抗体(約6×105ビーズ)の抗原で被覆した磁性ビーズ3~5μLと30~60分間混合した。11 ビーズ被覆細胞を、磁気スタンドを用いて単離した。選択された細胞を補充DMEMに再懸濁し、ポリL-リジンおよびコラーゲンで処理したガラスカバーガラス上に播種し、翌日の記録に使用した。
[00216] 細胞を全細胞記録形態で-50mVでパッチクランプした。浴溶液は、pH=7.4、浸透圧は295~305mOsmに調整された、142NaCl、8.1KCl、6MgCl2、1CaCl2、および10HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)からなる(単位はmM)。記録電極を、pH=7.4、浸透圧は295~305mOsmに調整された、153KCl、1MgCl2、5K-EGTA(エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテルN,N,N’N’-テトラアセテート)および10HEPESの溶液(単位はmM)で充填した。GABAは、水中で、新しく作製され、または凍結したストックから、浴溶液に希釈した。化合物をDMSOに溶解し、0.01%の細胞に適用した最も高いDMSOレベルで浴溶液に希釈した。パッチピペットを2ステージプラー(Narishige,Japan)上でホウケイ酸ガラス(World Precision Instruments,Sarasota,FL)から5~10MΩの抵抗まで引き上げた。GABAまたはGABA+化合物を含有する溶液を、コンピューター駆動のステッパーモーター(SF-77B,Harvard Apparatus,Holliston,MA,<50msの先端交換時間)によって制御される3バレルの溶液送達装置を使用して、細胞に5秒間適用した。チャンバーを通る外部溶液の連続的流れが存在した。電流は、Axon200B(Foster City、CA)パッチクランプ増幅器で記録した。
[00217] 全細胞電流を、Clampfit(pClamp9 suite,Axon Instruments,Foster City,CA)およびPrism(Graphpad,San Diego,CA)プログラムを用いて分析した。濃度-応答データは、4パラメータロジスティック方程式(電流=[最小電流+(最大電流-最小電流)]/1+(10(logEC50-log[モジュレーター])n)で適合させた。ここで、nはHill数を表す。各細胞につきGABA単独に対する応答のパーセンテージとして表される電流の正規化されたデータに対し、全ての適合が行われた。
[00218] 電気生理学的アッセイの結果:1μM濃度でのGL-II-73、GL-II-74、GL-II-75およびGL-II-76への曝露は、α5サブユニットでトランスフェクトした細胞におけるGABAに対する応答%の増加を誘発した。GL-II-73、74および75は最大の応答を示し(図26)、これらの化合物がα5サブユニットに対して高い親和性を有することを示唆している。
実施例23:マウスおよびラットにおけるα-PAM化合物の薬物動態。
[00219] 手順:2.5mg/kg用量の腹腔内(i.p.)投与後のラット血漿および脳におけるMP-III-022の濃度-時間プロファイルは、計算された薬物動態学的パラメータならびに広範囲の用量(1、2.5、10、15および20mg/kg)での腹腔内投与後の血漿および脳濃度とともに、Stamenic et al.(Eur.J.Pharmacol.2016,791,433-443)において既に示されている。このデータは、Wistarラットにおいて、やや短い末端消失半減期を有するが(血漿および脳につき、それぞれ35分および70分のt1/2)、単回投与後のMP-III-022に対する優れた全身および脳曝露を示した。
[00220] 他の12種類の合成化合物の薬物動態学的特性:GL-II-73、GL-II-74、GL-II-75、GL-II-76、RV-II-04、GL-II-31、MP-III-023、GL-I-54、GL-III-23、GL-II-33、GL-II-54およびGL-I-65を、成体雄Wistarラット(Military Farm、Belgrade、Serbia)およびC57/BL6マウス(Military Medical Academy、Serbia)で試験した。GL-II-73、GL-II-74、GL-II-75およびGL-II-76の動態的挙動は、4つのリガンド全てのカセット投薬(White and Manitpisitkul,Drug Met.Disp.2001,29,957-66;Cai et al.,Bioanalysis 2013,5,1691-701)または経口経管栄養もしくは腹腔内投与によって、マウスおよびラットの両方において、1mg/kgまたは10mg/kgのいずれかで注射し、投与後20分または2時間のいずれかで屠殺して、最初に評価された。用量、経路、時間および種(各時点当たり3匹)の各2つを用いたこのようなパイロット研究により、血漿、肝臓および脳組織中のリガンド濃度を測定し、相互作用する可能性を評価することができた。両方の用量での化合物の推定相対比は、リガンドが相互作用を受けにくいことを示唆し、これは、単一処置として適用されるGL-II-73、GL-II-74およびGL-II-75のさらなる試験によって確認された。GL-II-76は、その脳濃度がCNS活性薬物としての推定使用に対して最適以下であったため、それ以上の薬物動態試験を受けなかった。単なる一例として、10mg/kgで投与した腹腔内注射の20分後に屠殺したマウスにおけるGL-II-76の血漿、肝臓および脳濃度の測定値は、それぞれ604.87±198.00ng/ml、4360.25±1568,01ng/gおよび204.45±100.85ng/gであった。このパイロット実験からの他のデータは提示されていない。
[00221] したがって、第2の一連の実験では、3mg/kgの用量のGL-II-73、GL-II-74およびGL-II-75は、ラットにおいて経口経管栄養または静脈内(i.v.)注射によって、また、10mg/kgでマウスにおいて腹腔内投与によって、単独で投与され、得られた血漿または脳の濃度-時間曲線を図28~30に示す。図31~34に示す第3の一連の実験では、リガンドRV-II-04、GL-II-31、MP-III-023およびGL-I-54は、マウスおよびラットの両方において、3mg/kgで各3つの経路(経口経管栄養、静脈内および腹腔内注射)を介したカセットとして投与された。第4の一連の実験は、先の実験に類似しており、図35~38に示すように、マウスおよびラットにおけるGL-III-23、GL-II-33、GL-II-54およびGL-I-65の薬物動態学的プロファイルを評価した。全ての値は、血漿(ng/mL)または脳(ng/g)における総濃度を表す。
[00222] 第2~第4の一連の実験においてラットまたはマウスを5つの動物群に分けた。各群は3匹の動物を含み、所定の時間間隔(5、20、60、180または240、および720分)に対応していた。化合物の剤形は、85%蒸留水、14%プロピレングリコールおよび1%Tween80を含む溶媒中で超音波処理を用いて希釈することによって調製した。ケタミンおよびキシラジン混合物の90mg/kg+16mg/kg(10%Ketamidor,Richter Pharma Ag,Austria、およびXylased,20mg/ml,Bioveta,A.S.,Czech Republic)での腹腔内投与で麻酔したラットの心臓穿刺により、血液試料をヘパリン化注射器に採取し、800rcfで10分間遠心分離して血漿を得た。動物を断頭し、脳を秤量し、5ml(ラット)または1.25ml(マウス)のメタノールでホモジナイズし、6000rcfで20分間遠心分離した。血漿および脳組織ホモジネートの上清中のリガンドの濃度を決定するために、Oasis HLBカートリッジ(Waters Corporation,Milford,Massachusetts)を用いて固相抽出によってこれらの試料から抽出した。Thermo Scientific TSQ Quantum Access MAX三連四重極質量分析計(Thermo Fisher Scientific,San Jose,California)に接続され、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源を備えた、Thermo Scientific Accela 600 UPLCシステムを用いた超高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(UPLC-MS/MS)によるベンゾジアゼピン結合部位に対するリガンドの試料調製および決定で用いられる手順は、文献に詳細が記載されている(例えば、Obradovic et al.,Brain Res.2014,1554,36-48)。
[00223] 非区画薬物動態分析は、Microsoft Excelソフトウェア用PK関数(Joel Usansky、Atul Desai、およびDiane Tang-Liuwereによる)を用いて行い、市販の統計ソフトSigma Plot11(Systat Software Inc.,USA)でグラフを作成した。脳-血漿分配係数は以下のように計算した:KP=AUC0-∞、脳/AUC0-∞、血漿、ここでAUC0-∞は、濃度対時間曲線下の0から無限大までの面積を表す。経口バイオアベイラビリティ(F)は、式:
Figure 0007023876000042
(式中、DIVおよびDPOは静脈内および経口投与を表し、AUCIVおよびAUCPOはそれぞれ化合物の静脈内および経口投与後のAUC0-∞である)を用いて計算した。
[00224] 新規リガンドについて得られたマウスおよびラットにおける薬物動態パラメータの結果:GL-II-73、GL-II-74、GL-II-75、RV-II-04、GL-II-31、MP-III-023、GL-I-54、GL-III-23、GL-II-33、GL-II-54およびGL-I-65は、図27に示されている。各濃度-時間プロファイル(図28~38)を並行して考慮すると、血漿中のAUCおよびCmax値によって証明されるように、全身曝露における試験リガンドの可能性は投与経路に関係なく、一般的にきわめて高いと結論付けることができる。さらに、インビボ研究のために非常に重要である、11のリガンドは全て、GI-II-76を除いて脳浸透性でもある。マウスにおける腹腔内投与後に計算されたKp値は、小数点第2位までに四捨五入され、GL-II-73につき0.30、GL-II-74につき1.06、GL-II-75につき0.80、RV-II-04につき1.15、GL-II-31につき0.33、MP-III-023につき1.15、GL-I-54につき0.19、GL-III-23につき2.37、GL-II-33につき1.46、GL-II-54につき1.17、GL-I-65につき1.29である。一般的に言えば、このパラメータの値が1に近いかまたはそれより大きいことは、リガンドの優れた脳標的化を示唆している。インビボで得られた濃度とインビトロで使用された濃度との比較を容易にするために、質量濃度の他にモル濃度での動態結果を表すことが例示的である。3mg/kgでの腹腔内投与の後、リガンドGL-II-31、GL-II-33およびGL-I-65は中~高サブミクロン濃度に達し、リガンドGL-I-54およびGL-II-54は高サブミクロン~低マイクロモル値に達し、リガンドRV-II-04、MP-III-023およびGL-III-23は、マウス脳組織においてマイクロモル濃度に達した。10mg/kg用量の後、GL-II-73、GL-II-74およびGL-II-75は、脳濃度がマイクロモル範囲であった。同様に、ラット脳組織においても中~高サブミクロンまたはマイクロモル値が測定された。
実施例24:ヒトおよびマウスの肝ミクロソーム-方法
[00225] ヒト肝ミクロソームおよびマウス肝ミクロソームは、BD Gentestから得た。
[00226] 手順:各評価は、一度に3つ、異なる2日で実施された6つの独立したアッセイを含んでいた
1. 溶液の調製:
a.DMSO中の1mM試験化合物。
b.内部標準(ISTD)としてのアセトニトリル中の5μMベラパミル(氷上保存)。
2. 7時点について十分である、ミクロソームアッセイ混合物(MAM)の総容量390μLにつき、以下を組み合わせる
a.18.2mΩの水282μL。
b.80μLの0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)
c.20μLのNADPH A。(コーニングライフサイエンス、カタログ番号451220)
d.4μLのNADPH B.(コーニングライフサイエンス、カタログ番号451200)
e.4μLの試験化合物。
3. 5分間MAMを超音波処理し、一方、氷上でミクロソーム(20mg/mL)(BD Gentest、カタログ番号452156)を解凍する。
4. 100μLの氷冷ISTDを7つの別々の1.5mL円錐バイアルに分注し、0、10、20、40、60、90および120分間の時点につきそれらを標識する。
5. タイマーを配置する。ミクロソーム(最終濃度0.5mg/mL)は、ゼロ時点以外の全ての時点に加えなければならない。
6. ゼロ時点として標識された円錐バイアルに50μLのMAM溶液を加える。残りのMAM溶液をインキュベーター(37℃)に5分間留置し、ミクロソーム(8.8μL)を添加して反応を開始し、時間を記録する。
7. 各時間間隔の終わりに、50μLを除去し、円錐バイアル中でISTDに100μLを加え、10秒間超音波処理し、10,000rpmで5分間遠心沈殿させる。
8. 100μLの上清を取り、Spin-X HPLCフィルターチューブ(Corning Incorporated、カタログ番号8169)に移し、13,000rpmで5分間遠心分離し、この溶液から5μLを取って、2mLガラスオートサンプラーバイアル(Microsolv、カタログ番号95025-WCV)中、495μLのLCMSグレードのメタノール(Fischer scientific、CAS番号67-56-1)で希釈する。
9. 試料をLCMS-8040で分析する。(島津)
[00227] 計算:ピーク面積から、以下を計算する
Figure 0007023876000043
(T=0、10、20、30、40、50、60および120分)
[00228] 化合物を、10μM濃度のヒトおよびマウス肝ミクロソームにおける代謝安定性について試験する。2時間の終わりの化合物の半減期および残存%を以下の表に示す。
Figure 0007023876000044
[00229] ヒトまたはマウス肝ミクロソーム(それぞれHLMおよびMLM)における薬物動態。半減期は分で表し、1または2時間後の化合物の残存量は%で表す。
[00230] 代謝アッセイの結果:ヒト肝ミクロソームでは、GL-II-31、MP-III-023、GL-II-33、GL-II-73、GL-II-74およびGL-II-75が調査された化合物の中で最も安定である。各化合物の90%超が、それぞれ1時間または2時間後に残存していた。MP-III-022とMP-III-023の比較から、S-エナンチオマー(MP-III-023)はR-エナンチオマーMP-III-022よりも安定であることが示された。S-エナンチオマーGL-I-54よりも安定であったGL-II-73(R-エナンチオマー)について、反対の関係が観察された。他の全ての化合物は、GL-I-54を除いて、HLMの存在下で安定であり、1時間または2時間後に70%を超えて残存していた。
[00231] マウス肝ミクロソームでは、GL-II-31、GL-III-23およびGL-II-54が最も安定な化合物であり、2時間後に90%を超えて残存していた。エナンチオマーの安定性に関して、GL-II-73は、マウス肝ミクロソームにおいてGL-I-54よりも安定であり(81.6%対15.0%)、MP-III-023はMP-III-022よりも安定であった(84.6%対76.6%)。他の全ての化合物は、GL-II-74、GL-II-76およびGL-I-54を除いて、HLMの存在下で安定であり、1時間または2時間後に70%を超えて残存していた。
[00232] ヒトおよびマウス肝ミクロソームの両方において、全てのオキサジアゾールは安定であり、2時間後に80%を超えて残存していた。2時間後、ヒト肝ミクロソームの存在下でGL-II-33の95.3%が残存していた。マウス肝ミクロソームの存在下では、2時間後にGL-III-23およびGL-II-54の90%超が残存していた。中等度から高度の安定性を有する化合物は、治療適応と考えられる。
実施例25:細胞毒性アッセイ
[00233] 細胞株の培養および手順:ヒト肝臓肝細胞癌(HEPG2)およびヒト胚性腎293(HEK293)細胞株を購入し(ATCC)、75cm2のフラスコ(CellStar)で培養した。細胞は、非必須アミノ酸(Hyclone、#SH30238.01)、10mM HEPES(Hyclone、#SH302237.01)、5×106単位のペニシリンおよびストレプトマイシン(Hyclone、#SV30010)ならびに10%の熱不活性化ウシ胎仔血清(Gibco、#10082147)を添加した、DMEM/高グルコース(Hyclone、#SH3024301)培地で培養された。0.05%トリプシン(Hyclone、#SH3023601)を用いて細胞を回収し、PBSで洗浄し、滅菌白色光学底384ウェルプレート(NUNC、#142762)に分注した。3時間後、小分子溶液を、100nLピンツール(V&P Scientific)を備えたTecan Freedom EVO液体ハンドリングシステムで移した。対照(E)-10-(ブロモトリフェニルホスホラニル)デシル4-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4-オキソブタ-2-エノアート(DMSO中400μM、陽性対照)およびDMSO(陰性対照)。細胞を48時間インキュベートした後、CellTiter-Glo(商標)を添加し、発光ベースの細胞生存性アッセイ(Promega、Madison、WI)を行った。全ての発光読み取りは、Tecan Infinite M1000プレートリーダーで行った。このアッセイは、3回の独立した操作で、4連で実施した。データを対照に対して正規化し、非線形回帰(GraphPad Prism)によって分析した。
Figure 0007023876000045
[00234] 細胞毒性アッセイの結果は、試験化合物が様々な高濃度でそれぞれの細胞株に対して毒性でないことを実証する。
実施例26:オキサジアゾールの薬力学的評価
[00235] MP-III-080およびMP-III-085の抗不安様作用をガラス玉覆い隠しアッセイを用いてマウスで評価した。10mg/kgでは、オキサジアゾールMP-III-080は溶媒と比較してガラス玉覆い隠しを有意に減少させた。30mg/kgでは、MP-III-085およびMP-III-080はガラス玉覆い隠しを有意に減少させた。しかしながら、30mg/kgのMP-III-080で処置したマウスは、鎮静の兆候が弱かった。これらの化合物の抗不安対運動副作用の潜在性を評価するために、回転ロッド(ロータロッド)上のマウスを用いた運動感覚研究をガラス玉覆い隠しについて研究したのと同じマウスで行った。雄、NIHスイスウェブスターマウス(n=10)に、試験の30分前に溶媒または試験化合物(10または30mg/kg)のいずれかを腹腔内注射した。
[00236] 本開示の様々な特徴および利点は、添付の特許請求の範囲に記載される。
国際出願時の特許請求の範囲
〔項1〕
式(II)または(III):
Figure 0007023876000046
(式中、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NOからなる群
から選択され;
R1は、-Br、C≡CH、-C≡C-Si(CH、-シクロプロピルおよびビ
シクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000047
からなる群から選択され;
R3は、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CD、-OH、-F、
-Cl、-CFおよび-CClからなる群から選択され;
R10およびR11は、-H、C1~6アルキル、シクロアルキルから独立して選択さ
れるか、または一緒にシクロアルキル環を形成してもよい)
のいずれか1つに従う化合物であって、
ただし、前記化合物は、
Figure 0007023876000048
でない化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔項2〕
式(V)または(VI):
Figure 0007023876000049
(式中、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NOからなる群
から選択され;
R1は、-Br、-C≡CH、-C≡C-Si(CH、-シクロプロピルおよび
ビシクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000050
からなる群から選択され;
R3は、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CD、-OH、-F、
-Cl、-CFおよび-CClからなる群から選択され;
R13は、-H、-CD、C1~6アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選
択される)
のいずれか1つに従う化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔項3〕
XがNである、請求項1または2に記載の化合物。
〔項4〕
XがCFである、請求項1または2に記載の化合物。
〔項5〕
R1がBrである、請求項1または2に記載の化合物。
〔項6〕
R1が-C≡CHである、請求項1または2に記載の化合物。
〔項7〕
R3が-CHである、請求項1または2に記載の化合物。
〔項8〕
R3が-CHCHである、請求項1または2に記載の化合物。
〔項9〕
R3が-CH(CHである、請求項1または2に記載の化合物。
〔項10〕
R13が-CHである、請求項2に記載の化合物。
〔項11〕
R13が-CHCHである、請求項2に記載の化合物。
〔項12〕
R13が-CH(CHである、請求項2に記載の化合物。
〔項13〕
R1がBrである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
〔項14〕
R1が-C≡CHである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
〔項15〕
R3が-CHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
〔項16〕
R3が-CHCHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
〔項17〕
R3が-CH(CHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
〔項18〕
R13が-CHである、請求項2~9のいずれか一項に記載の化合物。
〔項19〕
R13が-CHCHである、請求項2~9のいずれか一項に記載の化合物。
〔項20〕
R13が-CH(CHである、請求項2~9のいずれか一項に記載の化合物。
〔項21〕
Figure 0007023876000051
Figure 0007023876000052
Figure 0007023876000053
Figure 0007023876000054
Figure 0007023876000055
Figure 0007023876000056
Figure 0007023876000057
Figure 0007023876000058
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔項22〕
式:
Figure 0007023876000059
(式中、
XはCH、CF、CClまたはNであり;
R4はHまたはCHであり;
R5はHまたはCHである)
のいずれか1つに従う化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔項23〕
Figure 0007023876000060
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
〔項24〕
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
〔項25〕
請求項1または請求項2に記載の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含
む、認知および/または気分症状の処置方法。
〔項26〕
Figure 0007023876000061
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投
与することを含む、認知症状の処置方法。
〔項27〕
請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む
医薬組成物。
〔項28〕
請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物または請求項24に記載の組成物を、そ
れを必要とする対象に投与することを含む、認知および/または気分症状の処置方法。
〔項29〕
前記認知および/または気分症状がうつ病および神経障害に起因する、請求項25また
は26に記載の方法。
〔項30〕
前記神経障害が神経精神障害または神経変性障害である、請求項29に記載の方法。
〔項31〕
前記神経精神障害が、大うつ病、双極性うつ病、または統合失調症である、請求項30
に記載の方法。
〔項32〕
前記神経変性障害がアルツハイマー病である、請求項30に記載の方法。
〔項33〕
式(IV):
Figure 0007023876000062
(式中、
Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NOからなる群
から選択され;
R1は、-Br、-C≡CH、-C≡C-Si(CH、-シクロプロピルおよび
ビシクル[1.1.1]ペンタン
Figure 0007023876000063
からなる群から選択され;ならびに
R13は、-H、-CD、C1~6アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選
択される)
に従う化合物であって、
ただし、前記化合物は、
Figure 0007023876000064
でない化合物、またはその薬学的に許容される塩。

Claims (32)

  1. 式(II)または(III):
    Figure 0007023876000065
    (式中、
    Xは、NC-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NOからなる群から選択され;
    R1は、-Br、C≡CH、-C≡C-Si(CH、-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
    Figure 0007023876000066
    からなる群から選択され;
    R3は、-CH であり
    R10、-H、C1~6アルキル、およびシクロアルキルから選択され
    R11は、C 1~6 アルキルおよびシクロアルキルから選択される
    のいずれか1つに従う化合物であって、
    ただし、前記化合物は、
    Figure 0007023876000067
    でない化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  2. 式(II)の、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. 式(III)の、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. 式(V)または(VI):
    Figure 0007023876000068
    (式中、
    Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NOからなる群から選択され;
    R1は、-Br-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
    Figure 0007023876000069
    からなる群から選択され;
    R3は、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CD、-OH、-F、-Cl、-CFおよび-CClからなる群から選択され;
    R13は、-H、-CD、C1~6アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される)
    のいずれか1つに従う化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. 式(V)の、請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. 式(VI)の、請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  7. R1が-シクロプロピルである、請求項4~6のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  8. XがNである、請求項1~7のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  9. XがC-Clである、請求項1~7のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  10. XがCFである、請求項1~7のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  11. R1がBrである、請求項1~6または8~10のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  12. R1が-C≡CHである、請求項1~3または8~10のいずれかに記載の式(II)または(III)の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  13. R3が-CHである、請求項4~12のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  14. R13が-CHである、請求項4~13のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  15. R13が-CHCHである、請求項4~13のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  16. R13が-CH(CHである、請求項4~13のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩
  17. 式:
    Figure 0007023876000070
    (式中、
    CF、CClまたはNであり;
    R4CHであり、R5はHであるかまたはR4はHであり、R5CHである)
    のいずれか1つを有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  18. Figure 0007023876000071
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  19. Figure 0007023876000072
    である請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  20. Figure 0007023876000073
    である請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  21. Figure 0007023876000074
    である請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  22. 請求項1~18のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  23. 請求項19に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  24. 請求項20に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  25. 請求項21に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  26. 請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物または請求項22~25のいずれか一項に記載の組成物、認知および/または気分症状の治療のための医薬の製造における使用
  27. 前記認知および/または気分症状がうつ病および神経障害に起因する、請求26に記載の使用
  28. 前記神経障害が神経精神障害または神経変性障害である、請求項27に記載の使用
  29. 前記神経障害が神経精神障害であり、前記神経精神障害が、大うつ病、双極性うつ病、または統合失調症である、請求項28に記載の使用
  30. 前記神経障害が神経変性障害であり、前記神経変性障害がアルツハイマー病である、請求項28に記載の使用
  31. 請求項26~30のいずれかに記載の使用であって、
    Figure 0007023876000075
    からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を用いる、使用。
  32. 式(IV):
    Figure 0007023876000076
    (式中、
    Xは、N、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-IおよびC-NOからなる群から選択され;
    R1は-シクロプロピルおよびビシクル[1.1.1]ペンタン
    Figure 0007023876000077
    からなる群から選択され;ならびに
    R13は、-H、-CD、C1~6アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される)
    に従う化合物、またはその薬学的に許容される塩。
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