JP7023088B2 - 発熱体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発熱体の製造方法に関する。
帯状の基材シートに鉄粉等の被酸化性金属粉末及び保水材を含む組成物を塗工した発熱中間体に電解質を含有させることにより、空気中の酸素との酸化反応により発熱するシート状の発熱体を製造する方法が知られている。また長尺状のシート状の発熱体を切断し、切断により得られた枚葉の発熱体を、相互間に間隔を拡大させた後、2枚の帯状シート間に挟み、その2枚の帯状シートを、発熱体が存在しない部位で接合及び切断して、枚葉の発熱体を内部に有する複数の発熱具を製造することも知られている。
また出願人は、先に、被酸化性金属粉末を含む長尺シート状の発熱中間体を、カッターローラと受けローラとを備えた切断装置により枚葉の発熱中間体に切断した後、電解質を含む塗布液を塗工して枚葉の発熱体とした後、発熱体の間隔を拡大して2枚の帯状シート間に挟み、該2枚の帯状シートを接合及び切断して発熱具を製造することを提案している(特許文献1)。
特開2012-130381号公報
ところで、複数の被搬送物を連続的に搬送しつつ、被搬送物間の間隔を拡大する方法として、一の搬送装置から他の搬送装置に被搬送物を移行させる際に、両搬送装置の搬送速度に速度差を設けておく方法が広く知られており、またカッターローラと受けローラとを備えた切断装置により長尺シート状の発熱中間体を枚葉の発熱中間体に切断する際に、受けローラの周速度を、長尺シート状の発熱中間体の導入時の速度より高速として、切断により順次生じる枚葉の発熱中間体間の間隔を拡大させることも知られている。
しかし、被酸化性金属粉末を含む長尺シート状の発熱中間体を切断する前に電解質液を含有させたい場合もあり、例えば、本発明者らは、そのような場合に、単に、カッターローラと受けローラとを備えた切断装置の受けローラの周速度を高めることによって、切断により生じる枚葉の発熱体間に比較的大きな間隔を形成しようとうすると、得られる発熱体の積層構造の層間に分離が生じたり、切断前の長尺シート状の発熱体に破断が生じて、所望の寸法及び品質の発熱体が製造できない場合が生じることを知見した。
本発明の課題は、長尺シート部材を所定の間隔で切断して複数枚の枚葉の発熱体を製造する技術の改良にある。
本発明は、被酸化性金属粉末を含む長尺シート部材を所定の間隔で切断して複数枚の枚葉の発熱体を製造する発熱体の製造方法であって、前記長尺シート部材を、周面にカッター刃を有するカッターローラと該カッターローラに対向配置された受けローラとを備えた切断装置における該受けローラ上に連続的に導入する導入工程、前記受けローラ上に導入された前記長尺シート部材を該受けローラ上において前記カッター刃により切断し、搬送方向に並んだ枚葉の発熱体を生じさせる切断工程、及び、前記発熱体を、前記受けローラ上から他の搬送装置上に転移させ、その転移の際に、前記発熱体の配置ピッチを、前記受けローラ上の第1の配置ピッチより大きい第2の配置ピッチに拡大させるリピッチ工程を具備し、前記導入工程においては、前記長尺シート部材を第1の速度で前記受けローラ上に導入し、前記切断工程においては、切断により生じた前記発熱体を、前記第1の速度よりも周速が速い前記受けローラの周面上に保持して搬送することで、前記第1の配置ピッチを、前記発熱体の搬送方向の長さより長い配置ピッチとし、前記受けローラの周速が、前記第1の速度に対して100%超130%未満の速度である、発熱体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記の発熱体の製造方法で順次得られる枚葉の発熱体を、2枚の帯状シート間に挟んだ後、前記発熱体が存在しない部位において、前記2枚の帯状シート間の接合及び該2枚の帯状シートの切断を行い、個々に分離された複数枚の発熱具を製造する、発熱具の製造方法を提供するものである。
本発明の発熱体の製造方法によれば、寸法や形状の安定した発熱体を安定して製造することができる。
図1は、本発明の実施に好適に用いられる発熱体の製造装置の一例を示す模式図である。 図2は、図1の装置で製造した発熱体を用いて発熱具を製造する工程の一例を示す模式図である。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の発熱体の製造方法の好ましい実施形態においては、図1に示すように、被酸化性金属粉末を含む長尺シート部材1Cを、所定の間隔で切断して複数枚の枚葉の発熱体1Dを製造する。図1には、本実施形態の製造方法の実施に好ましく用いられる発熱体の製造装置100(以下、単に「製造装置100」ともいう。)の全体構成の概略が示されている。以下、本発明の発熱体及び発熱具の製造方法の実施に用いる装置について、主として図1に示す製造装置100を例にして説明する。
図1に示す製造装置は、搬送方向Yの上流側から下流側に向かって順に、長尺シート状の発熱体である長尺シート部材1Cを製造する長尺シート部材製造部10、長尺シート部材製造部10において製造された長尺シート部材1Cを搬送する切断前搬送部20、及び切断前搬送部20により搬送された長尺シート部材1Cを枚葉の発熱体1Dに切断し且つ切断後の発熱体1D間の配置ピッチP1,P2を調整する切断及び間隔調整部30を備えている。搬送方向Yとは、図1に示すように、長尺シート部材1C又は長尺シート部材1Cが切断されて生じる発熱体1Dの搬送方向であり、長尺シート部材1Cとして完成する前は、長尺シート部材1Cを構成する主たる長尺部材である第1基材シート1Aの搬送方向である。また発熱具の製造工程においては、発熱体1D又は該発熱体1Dを含むものの搬送方向である。
長尺シート部材製造部10は、被酸化性磁性体粉末を含む塗布液の塗布部11と、電解質4を散布する散布部12とを備えている。塗布部11は、例えばダイコータ13等の公知の塗工装置により、一方向に連続搬送される帯状の第1基材シート1Aの一面に、例えば、被酸化性磁性体粉末及び水等の液体を含む塗布液3を、第1基材シート1Aの長手方向に沿って連続的に塗布する。これによって、第1基材シート1Aの一面に、被酸化性磁性体粉末を含む塗布層が、第1基材シート1Aの片面にその長手方向に沿って連続的に形成される。塗布液3は、第1基材シート1Aに塗布されることで、含有する水の一部が第1基材シート1Aに吸収されることが好ましい。なお、図1に示す製造装置100では、塗布部11にダイコータ13を用いているが、ダイコータ13に替えて、ローラ塗布、スクリーン印刷、ローラグラビア、ナイフコーティング、カーテンコーター等を用いてもよい。またダイコータ13によって連続的に塗布される塗布液3は、図示していない調製装置によって予め調製されている。
長尺シート部材製造部10は、図1に示すように、シートの搬送方向Yにおける塗布部11より下流側に散布部12を有している。散布部12は、電解質4の散布装置14を備えている。散布装置14としては、例えばスクリューフィーダ、電磁フィーダ、オーガ式フィーダ等を用いることができる。製造装置100では、搬送されている帯状の第1基材シート1Aの一面に塗布液3を塗布して形成された塗布層に向けて、散布装置14により電解質4が散布される。電解質4は、固体状態で、シートの搬送方向Yに沿って連続的に散布される。散布された電解質4は、直ちに又は所定の時間にわたって徐々に塗布層中に溶解し発熱層5を形成する。なお、図1に示す製造装置100では、塗布液3を含む塗布液3を塗布して形成された塗布層に電解質4が散布されることで発熱層5が形成され、被酸化性磁性体粉末の酸化が開始するところ、この酸化を抑制するために、これ以降の製造ラインを非酸化性雰囲気に保つことが好ましい。
長尺シート部材製造部10は、図1に示すように、シートの搬送方向Yにおける散布部12の下流側に、第2基材シートの積層配置部15を有している。第2基材シートの積層配置部15では、帯状の第1基材シート1Aの一面に形成された発熱層5の該第1基材シート1Aと反対側の面に、帯状の第2基材シート1Bを重ね合わせる。これにより、第1基材シート1Aと第2基材シート1Bとによって発熱層5の両面が被覆される。
製造装置100においては、以上に説明した長尺シート部材製造部10により、第1基材シート1Aと第2基材シート1Bとの間に発熱組成物2からなる発熱層5が挟持された構造を有する長尺シート部材1Cが形成され、より具体的には、帯状の第1基材シート1A、第1基材シート1Aの片面に設けられた被酸化性金属粉末を含む発熱層5(塗布層)、及び該発熱層5(塗布層)上に設けられた帯状の第2基材シート1Bを有する積層体である長尺シート部材1Cが形成される。なお、本発明における長尺シート部材は、被酸化性金属粉末を含むものであれば良く、電解質の添加するタイミングは、上記のタイミング以外であっても良い。また長尺シート部材は、被酸化性金属粉末及び繊維材料を一体的に湿式抄造してシート状としたものであっても良い。
製造装置100は、長尺シート部材製造部10より下流側に、長尺シート部材1Cを、切断及び間隔調整部30に搬送する切断前搬送部20を備えている。切断前搬送部20は、例えば複数の従動ローラ21等を備えた公知のシート搬送機構を備えている。
製造装置100における切断及び間隔調整部30は、図1に示すように、周面にカッター刃33を有するカッターローラ32と該カッターローラ32に対向配置された受けローラ34とを備えた切断装置31と、他の搬送装置としてのベルトコンベア35を備えている。より具体的に説明すると、切断装置31は、カッターローラ32としてダイカットローラを有し、受けローラ34としてアンビルローラを備えたロータリーダイカッターである。カッターローラ32は、例えば、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属製の略円柱形状のローラであり、周面にローラの回転軸に沿って伸びる複数のカッター刃33を有している。図1に示す例では、カッターローラ32としてのダイカットローラは、ローラの回転軸に沿って延びる複数のカッター刃33を周方向に等間隔に有している。また図1に示す製造装置100では、カッターローラ32のカッター刃33は、長尺シート部材1Cの幅方向の長さよりも、ローラの軸方向の長さが長くなるように形成されている。なお、図1に示す例では、カッターローラ32は周面に4つのカッター刃33を備えているが、これに限定されず、発熱体を所望の間隔(ピッチ)で切断するように、カッターローラ32は、その周方向に5個以上の刃若しくは1~3個の刃を有していても良い。また図1に示す製造装置100の切断装置31においては、図1に示すように、カッターローラ32は、ローラの回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって、シートの搬送方向Yに対して同方向に回転し、また受けローラ34と同期して回転するようになっている。またカッターローラ32の周速度、より具体的には、カッター刃33の先端部における周速度が受けローラ32の周速度と同じになっている。受けローラ34としてのアンビルローラは、好ましくは、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属製で、外形が略円柱形状のローラであり、カッターローラ32と同期して、シートの搬送方向Yに対して正方向に回転する。
切断及び間隔調整部30の切断装置31においては、図1に示すように、切断前搬送部20により搬送され、受けローラ34上に導入された長尺シート部材1Cが、受けローラ34の周面に巻き掛けられた状態で、カッターローラ32と受けローラ34との間に移動し、カッター刃33により加圧され、幅方向に亘って切断されることによって、長尺シート部材1Cから、複数枚の枚葉の発熱体1Dが順次製造される。また切断により生じた複数枚の枚葉の発熱体1Dは、図1に示すように、受けローラ34の周面に保持された状態で、他の搬送装置としてのベルトコンベア35への送り部40まで搬送される。
枚葉の発熱体1Dを受けローラ34の周面に保持する手段としては、受けローラ34の周面に、気体の吸引孔を設けて吸着する方法、受けローラ34の周面又はローラの直径方向における周面近傍に磁石を配置して引き付ける方法、受けローラ34に沿って配置され、回転軸が受けローラの回転軸と平行な多列のロールで枚葉の発熱体1Dを押さえつける方法、又はこれらの二種以上を組み合わせた方法を用いることが好ましい。吸引孔が吸入する気体は、受けローラ34の周辺に存する雰囲気の種類に応じて選択することもでき、例えば空気でも良いし、窒素、希ガス等であっても良い。磁石は、フェライト磁石やネオジム磁石等の永久磁石でも良いし、電磁石でも良い。磁石は、被酸化性金属粉末が磁性体である場合に好ましく用いられる。また、吸引孔による吸着や磁石による引き付け等は、受けローラ34の周方向における特定の範囲で生じ他の範囲で生じないようにすることも好ましい。例えば、図1に示す受けローラ34においては、カッター刃33による切断が行われる上端の切断部39から送り部40直前までの受けローラ34の略左半分の部分では、吸引孔又は磁力による引き付け力が生じ、送り部40から切断部39までの残りの略右半分の部分では、吸引孔又は磁力による引き付け力が生じないようにすることが、後述する長尺シート部材1Cと受けローラ34の表面との間に滑りを生じさせる観点からも好ましい。
切断及び間隔調整部30は、前述したように、受けローラ34の周面に保持して搬送した枚葉の発熱体1Dの転移先である他の搬送装置を有している。ここで、他の搬送装置とは、切断装置31の受けローラ34が、切断装置31を構成するとともに、長尺シート部材1Cの切断によって生じた発熱体1Dを保持して搬送する搬送装置としての機能を有するため、搬送装置とも言える受けローラ34とは異なる搬送装置という意味である。
製造装置100は、図1に示すように、前記の他の搬送装置として、受けローラ34に近接させて、ベルトコンベア35が設けられている。ベルトコンベア35は、回転軸が互いに平行になるように配置されている複数のローラ36と、各ローラ36間に架け渡された無端ベルト37とを有している。無端ベルト37は、図1中、矢印s方向(時計方向)に周回するようになされている。また、ベルトコンベア35は、無端ベルト37の内部にサクションボックス38を有するバキュームコンベアであり、無端ベルト37には、サクションボックス38を起動することで、周回軌道の外部から内部へ向けて空気を吸引するための透孔(不図示)が複数設けられている。ベルトコンベア35として、バキュームコンベアを用いることで、ベルトコンベア35に転移させる際に、発熱体1Dに対する受けローラ34側の吸引が弱くなった時にベルトコンベア35側の吸引が強くなることで、発熱体1Dの蛇行が防止される等の理由によって、ベルトコンベア35へ転移させる際に、搬送方向における発熱体1D間の配置ピッチをより確実に、第1の配置ピッチより拡大した所望の配置ピッチとすることができる。ベルトコンベア35としてバキュームコンベアを用いるのに代えて、ベルトコンベア35の無端ベルト37における受けローラ34側とは反対側の面側に磁石が配置され、磁力による引き付け力により無端ベルト37上への発熱体1Dの引き付け力を高めたものを用いることも好ましい。
次に、製造装置100を用いた本発明の発熱体及び発熱具の製造方法の第1実施形態について説明する。第1実施形態では、図1に示すように、長尺シート部材製造部10において、第1基材シート1Aに、塗布液3を塗工したのち電解質4を散布して発熱層5を形成し、更にその発熱層5に第2基材シート1Bを貼り合わせて長尺シート部材1Cを製造する。そして、その長尺シート部材1Cを、切断前搬送部20により、切断及び間隔調整部30に設けた切断装置31の受けローラ34の周面上に、第1の速度V1で連続的に導入する(導入工程)。長尺シート部材1Cを、受けローラ34の周面上に導入する速度である第1の速度V1は、所望の値に設定することができる。第1の速度V1を特定の値に設定するには、例えば、ローラ23が、当該特定の値となるように制御する。シートの搬送方向Yにおいて、受けローラ34に隣接してその直前に設けられたローラ23は、周速度が、長尺シート部材1Cの受けローラ34への導入速度である第1の速度V1と等速に回転駆動される導入ローラである。
第1実施形態の導入工程においては、受けローラ34の周速度V2を第1の速度V1よりも高速としておき、長尺シート部材1Cを、切断前の長尺シート部材1Caと受けローラ34の周面との間に滑りが生じるように導入する。そして、導入工程に続く切断工程においては、受けローラ34の周面との間に滑りが生じている長尺シート部材1Caを、カッターローラ32のカッター刃33と受けローラ34の周面との間で狭圧して切断し、順次、枚葉の発熱体1Dを生じさせる。カッターローラ32は、カッター刃33の先端の周速度が受けローラ34の周速度V2と等しくなるように同期して回転させることが好ましい。
第1実施形態において、長尺シート部材1Cの切断により順次生じる枚葉の発熱体1Dは、それぞれの後端側が切断された時点、すなわち枚葉の発熱体1Dとなった時点で、シートの搬送方向Yの上流側の長尺シート部材1Cの連続部分との連続性が断たれる。長尺シート部材1Cの連続部分との連続性が断たれた発熱体1Dは、それぞれ、受けローラ34の周面上に吸着等により滑りが生じないように保持された状態となって、受けローラ34の周速度V2又はそれに近い速度の搬送速度V4で搬送されて、他の搬送装置であるベルトコンベア35への送り部40に搬送される。
第1実施形態においては、このように、切断により生じた発熱体1Dが、受けローラ34の周面上への長尺シート部材1Cの導入速度V1よりも周速度が速い受けローラ34の周速度上に保持されて搬送されることで、受けローラ34の周面上における発熱体1Dの配置ピッチである第1の配置ピッチP1(図1参照)を、個々の発熱体1Dの搬送方向Yの長さL1より長い配置ピッチとすることができる。また、発熱体1Dの第1の配置ピッチP1が発熱体1Dの長さL1より長くなることで、受けローラ34の周面上の搬送方向Yに並ぶ発熱体1D間に、カッター刃33の先端部の同方向の長さよりも広い幅の間隔d1が形成される。
第1実施形態においては、切断工程において、長尺シート部材1Cの切断により発熱体1Dを生じさせ、生じた発熱体1Dを、受けローラ34の周面上に保持して他の搬送装置への送り部40まで搬送した後、他の搬送装置としてのベルトコンベア35上に転移させ、その転移の際に、発熱体1Dの配置ピッチを、受けローラ34上の第1の配置ピッチP1より大きい第2の配置ピッチP2に拡大させる(リピッチ工程)。
発熱体1Dを受けローラ34から他の搬送装置に転移させる際に配置ピッチを拡大させるためには、他の搬送装置による被搬送物の搬送速度V3を、受けローラ34の周速度V2よりも高速としておく。より具体的には、ベルトコンベア35における発熱体1Dを載せる搬送面の移動速度、すなわち無端ベルト37の移動速度を、受けローラ34の周速度V2よりも高速としておき、その無端ベルト37上に発熱体1Dを転移させる。
第1実施態様においては、長尺シート部材1Cを切断する際、より具体的には、長尺シート部材1Cにおける受けローラ34上に導入された部分1Caの切断した直後に、切断により生じた発熱体1Dとそれより上流側の長尺シート部材1Cの連続部分との間の間隔が拡大するように、受けローラ34の周速度V2を、長尺シート部材の受けローラ上への導入速度である第1の速度V1の100%超の速度とする一方、受けローラ34の周速度V2を、第1の速度V1の130%未満の速度に抑える。これにより、切断前の長尺シート部材1Cに破断が生じたり、発熱体1Dに望まない変化が生じる可能性を低下させることができるとともに、受けローラ34から他の搬送装置としてのベルトコンベア35上への転移の際にリピッチ行うリピッチ工程により、発熱体1Dの配置ピッチP2を所望の大きさとすることもできる。
長尺シート部材1Cの破断や発熱体1Dの望まない変化を生じさせない観点から、受けローラ34の周速度V2は、長尺シート部材1Cの受けローラ34上への導入速度である第1の速度V1に対して、好ましくは105%以上の速度であり、また好ましくは120%以下の速度であり、また好ましくは105%以上120%以下の速度である。
より具体的に説明すると、第1実施態様においては、受けローラ34上で、発熱体1D間に間隔d1を生じさせた後、受けローラ34から、ベルトコンベア35上に転移させる際に、発熱体1D間の間隔を更に広げるリピッチを行っているため、受けローラ34で行う工程のみで、発熱体1D間の間隔を、最終的に要求される間隔d2まで拡大させる場合に比して、切断前の長尺シート部材1Cに破断が生じたり、発熱体1Dに望まない変化が生じる可能性を低下させることができる。
即ち、受けローラ34に導入する長尺シート部材1Cが、比較的水分を多く含む場合は、切断する前に破断が生じる場合があるが、第1実施態様の方法によれば、そのような破断を防止することができる。なお、受けローラ34で行う工程のみで、発熱体1D間の間隔を大きく拡大させる場合に、長尺シート部材1Cに破断が生じる理由は、長尺シート部材1Cの塗布層が、水分を多く含むこと等によって、導入速度V1より高速で回転する受けローラ34に強く引っ張られ、その張力に長尺シート部材1Cが耐えられなくなることにあると推定される。
第1実施形態の製造方法によれば、このようにして、長尺シート部材1Cの破断が防止され、寸法や形状の安定した発熱体1Dを安定して製造することができる。
また第1実施形態で製造した長尺シート部材1Cや発熱体1Dのように、相互に異なる部材や層の積層構造を有する場合には、間隔拡大後の発熱体1Dの積層構造の層間の分離が生じることがあるが、第1実施態様の方法によれば、そのような層間の分離を防止したり層間が分離する可能性を低下させることができる。
上述した一又は二以上の効果がより確実に得られるようにする観点から、本発明の製造方法においては、第1実施形態におけるように、受けローラの周速度V2が、長尺シート部材の受けローラ上への導入速度である第1の速度V1より高速であり、且つ他の搬送装置による発熱体の搬送速度V3が、受けローラの周速度V2より高速である。すなわち、長尺シート部材の受けローラ上への導入速度である第1の速度V1、受けローラの周速度V2、及び他の搬送装置による発熱体の搬送速度V3は、この順に早くなっていること、即ち速度V1~V3がV1<V2<V3の関係を有する。
また第1実施形態の製造方法においては、受けローラ34の周速度V2を第1の速度V1よりも高速としておき、長尺シート部材1Cを、切断前の長尺シート部材1Caと受けローラ34の周面との間に滑りが生じるように導入し、その状態の長尺シート部材1Caを切断するため、より確実に、切断された後の発熱体1Dを間隔d1に広げさせることができる。
斯かる効果がより確実に得られるようにする観点から、長尺シート部材1Cは、切断時に、受けローラ34側に向けられる面の水分量が、カッターローラ32側に向けられる面の水分量よりも低いことが好ましい。
また第1実施形態の製造方法においては、前記の他の搬送装置として、ベルトコンベア35を用いている。本発明で採用し得る「他の搬送装置」としては、吸引孔による吸引や磁力による引き付け等によって周面に発熱体1Dを保持しつつ回転する搬送ローラ等を用いることもできるが、本実施形態のように、他の搬送装置として、ベルトコンベア35を用いることが、他の搬送装置への転移の際に発熱体1Dが断面S字状に屈曲することを回避し、発熱体1Dの積層構造の層間に分離が生じたり生じやすくなることを防止する観点から好ましい。同様の観点から、図1に示すように、そのベルトコンベア35は、受けローラ34に対向する部位に、平坦な搬送面を有するように配したベルトコンベア35であることが更に好ましい。
上述した一又は二以上の効果がより確実に得られるようにする観点から、本発明の発熱体及び発熱具の製造方法は、以下の一又は二以上の構成を有することが好ましい。
長尺シート部材1Cの導入速度(第1の速度)V1には、特に制限はないが、生産性向上の観点からは、好ましくは9m/min以上、より好ましくは20m/min以上であり、また加工精度の点から、好ましくは60m/min以下、より好ましくは50m/min以下である。
長尺シート部材1Cの導入速度(第1の速度)V1よりも速い受けローラ34の周速度V2は、好ましくは9m/min以上、より好ましくは20m/min以上、また好ましくは60m/min以下、より好ましくは50m/min以下であり、好ましくは9m/min以上60m/min以下、より好ましくは20m/min以上50m/min以下である。
受けローラ34の周速度V2よりも速い他の搬送装置による発熱体1Dの搬送速度V3は、好ましくは9m/min以上、より好ましくは20m/min以上、また好ましくは60m/min以下、より好ましくは50m/min以下であり、好ましくは9m/min以上60m/min以下、より好ましくは20m/min以上50m/min以下である。
また第1実施形態においては、他の搬送装置による発熱体の搬送速度V3を、受けローラ34の周速度V2より高速とし、発熱体1Dの配置ピッチを、他の搬送装置への転移の際に、受けローラ上の第1の配置ピッチP1より拡大するようにしたため、発熱体の搬送速度V3と、受けローラ34の周速度V2の速度比が、転移させた後の間隔d2に影響する。
受けローラ上での間隔拡大及び他の搬送装置への受け渡しの際の間隔拡大により、長尺シート部材1Cの破断等の不都合を防止しつつ、搬送される発熱体1D間に所望の間隔d2を得る観点から、他の搬送装置による発熱体の搬送速度V3は、受けローラ34の周速度V2に対して、好ましくは100%超、より好ましくは105%以上の速度であり、また好ましくは130%未満、より好ましくは120%以下の速度であり、また好ましくは100%超130%未満、より好ましくは105%以上120%以下の速度である。また同様の観点から、発熱体1Dの配置ピッチは、他の搬送装置上に転移させた後の第2の配置ピッチP2が、受けローラ上の第1の配置ピッチP1に対して、好ましくは101%以上、より好ましくは105%以上であり、また好ましくは130%以下、より好ましくは120%以下であり、また好ましくは101%以上130%以下、より好ましくは105%以上120%以下である。
搬送方向Yに隣り合う発熱体1D間の間隔は、他の搬送装置上に転移させた後の間隔d2が、受けローラ上の間隔d1に対して、好ましくは101%以上、より好ましくは105%以上であり、また好ましくは130%以下、より好ましくは120%以下であり、また好ましくは101%以上130%以下、より好ましくは105%以上120%以下である。また、受けローラ上の間隔d1は、発熱体1Dの搬送方向Yの長さL1の、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下であり、また好ましくは1%以上30%以下、より好ましくは5%以上20%である。他の搬送装置上に転移させた後の間隔d2は、発熱体1Dの搬送方向Yの長さL1の、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下であり、また好ましくは1%以上40%以下、より好ましくは5%以上30%である。
受けローラ34の周速度V2よりも速い他の搬送装置による発熱体1Dの搬送速度V3は、好ましくは15m/min以上、より好ましくは20m/min以上、また好ましくは60m/min以下、より好ましくは50m/min以下であり、好ましくは15m/min以上60m/min以下、より好ましくは20m/min以上50m/min以下である。
また上述した一又は二以上の効果がより確実に得られるようにする観点、特に長尺シート部材1Cや発熱体1Dの破断を防止しつつ所望のピッチで搬送できるようにする観点から、他の搬送装置による発熱体の搬送速度V3は、長尺シート部材の受けローラ上への導入速度である第1の速度V1に対して、好ましくは100%超、より好ましくは105%以上の速度であり、また好ましくは130%未満、より好ましくは120%以下の速度であり、また好ましくは100%超130%未満、より好ましくは105%以上120%以下の速度である。
また本発明の効果や、上述した一又は二以上の効果は、長尺シート部材が、第1実施形態の長尺シート部材におけるように、(1)帯状の第1基材シート1A、該第1基材シート1Aの片面に設けられた被酸化性金属粉末を含む塗布層(発熱層5)及び該塗布層(発熱層5)上に設けられた帯状の第2基材シート1Bを有する積層体である場合や、(2)含水状態の積層体である場合に、効果的が一層顕著に表れる。
すなわち上記(1)の積層体は、塗布層をシートで貼り合せているため、搬送しやすい等の利点があるが、その反面シートを切断する際に破断しやすくなり、積層構造の層間の分離も生じやすいという欠点がある。本発明によれば、斯かる欠点を解消しつつ、効率的に生産することができる。また、上記(2)の積層体は、含水による発熱特性の向上等の利点があるが、その反面シートの強度が低下し破断しやすいという欠点がある。本発明によれば、斯かる欠点を解消しつつ、効率的に生産することができる。
ここで含水状態の積層体であるか否かは、以下のようにして判定する。
すなわち、積層体の中に含まれる塗布層の水分率を測定し、その水分率が20%以上であれば含水状態であると判断する。
本発明の発熱具の製造方法の第1実施形態においては、上述した本発明の発熱体の製造方法の第1実施形態により順次得られる枚葉の発熱体1Dを、図2に示すように、2枚の帯状シート51,52に挟んだ後、発熱体1Dが存在しない部位において、2枚の帯状シート51,52間の接合及び2枚の帯状シート51,52の切断を行い、個々に分離された複数枚の発熱具1Eを製造する。2枚の帯状シート51,52は、共に通気性のシートであっても良いし、何れか一方が通気性シートで他方が非通気性シートであっても良い。
発熱具1Eは、例えば製造装置100より下流に、例えば、図2に示す発熱具製造部50を設けることによって製造する。図2に示す発熱具製造部50は、ベルトコンベア35の下流に、発熱体1Dの搬送方向Yに沿って、被覆部60、封止部70及び裁断部80を備えている。
発熱具製造部50においては、ベルトコンベア35によって搬送された発熱体1Dが被覆部60に搬送され、第1の帯状被覆シート51と第2の帯状被覆シート52によってその全体が被覆される。そして、その被覆状態を保ちつつ、発熱体1Dは、被覆部60の備えるベルトコンベアの無端ベルト61により封止部70に導入される。封止部70は、周面にシール凸部72を有する第1のローラ71と、同じく周面にシール凸部72を有する第2のローラ73とを備えている。両ローラ71,73は、その軸方向が平行になるように、かつ各ローラ71,73のシール凸部72,72が互いに当接するか、又は両者間に所定のクリアランスが生じるような位置関係で配置されている。封止部70においては、発熱体1Dの前後左右から延出している第1及び第2の帯状被覆シート51,52の延出部がヒートシールによって接合される。この接合は、発熱体1Dを取り囲む連続した気密の接合であるか、又は発熱体1Dを取り囲む不連続の接合である。
このようにして、複数の発熱具が一方向に連結された状態の連続長尺物1Fが得られる。この連続長尺物1Fを裁断部80において、その幅方向にわたって裁断する。裁断部80は、ダイカットローラ82とアンビルローラ83とを備えている。連続長尺物1Fが両部材間を通過することで裁断が行われ、それによって目的とする発熱具1Eが得られる。
本発明の発熱具の製造方法の第1実施形態によれば、上述した本発明の発熱体の製造方法の第1実施形態により、寸法や形状の安定した発熱体1Dを安定して製造することができ、しかも、その発熱体1Dを、相互間に間隔d2をおいて搬送方向Yに間欠配置された状態で得られるため、2枚の帯状シート51,52間の接合及び2枚の帯状シート51,52の切断を容易に行うことができ、また寸法や形状の安定した発熱具1Eを安定して製造することができる。2枚の帯状シート51,52間の接合には、ヒートシールに代えて、超音波シール、高周波シール、接着剤による接合等の他の任意の接合方法を用いることができる。裁断部80における裁断方法も、ダイカットローラ81及びアンビルローラ83を備えたロータリーダイカッターに代えて、各種公知の切断装置を用いることができる。
次に、本発明の発熱体及び発熱具の製造方法の第2実施形態について説明する。第2実施形態の製造方法は、受けローラ34で搬送した発熱体1Dを転移させる他の搬送装置が、ベルトコンベアに代えて、受けローラ34と同様の構成を有する搬送ローラである以外は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、受けローラの周速度V2を、長尺シート部材の受けローラ34上への導入速度である第1の速度V1より高速とし、且つ他の搬送装置である搬送ローラによる発熱体の搬送速度V3を、受けローラ34の周速度V2より高速とすることで、受けローラ上での間隔拡大及び他の搬送装置への受け渡しの際の間隔拡大により、長尺シート部材1Cの破断等の不都合を防止しつつ、他の搬送装置で搬送される発熱体1D間に所望の間隔d2を得ることができる。第2実施形態に用いる搬送ローラは、組み合わせて用いる受けローラ34に比して、直径が大きくても小さくても良く、同じであっても良い。また、第2実施形態に用いる搬送ローラは、組み合わせて用いる受けローラ34と、枚葉の発熱体1Dを周面に保持する手段が同じでも異なっていても良い。長尺シート部材の受けローラ上への導入速度である第1の速度V1、受けローラの周速度V2、及び他の搬送装置による発熱体の搬送速度V3の好ましい比や好ましい個々の値は、第1実施形態の製造方法と同様である。
発熱体1D又は発熱具1Eに用いられる部材の形成材料について説明する。
第1及び第2基材シート1A,1Bとしては、塗布液3を塗布可能なシート状物が用いられ、特に吸水性とシート表面の平滑性の両特性を有するものが好ましい。例えば、パルプ繊維等を主体とし湿式抄紙法により得られた紙、高吸水性ポリマー及びパルプ繊維を含む繊維シート、合成繊維を主体とした不織布等が挙げられる。第1及び第2基材シート1A,1Bの坪量は、特に制限されないが、好ましくは30g/m以上、更に好ましくは40g/m以上、そして、好ましくは200g/m以下、更に好ましくは120g/m以下、より具体的には、好ましくは30g/m以上200g/m以下、更に好ましくは40g/m以上120g/m以下である。
塗布部11により塗布される塗布液3としては、被酸化性磁性体粉末、炭素成分、増粘剤及び水を含有することが好ましい。
塗布液3に含まれる被酸化性磁性体粉末としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの磁性体粉末の中でも、発熱体用途としては、特に被酸化性磁性体粉末である鉄は本発明で好ましく用いられる。被酸化性磁性体粉末の粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは5μm以上、そして、好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下、より具体的には、好ましくは0.1μm以上300μm以下、更に好ましくは5μm以上100μm以下、特に好ましくは5μm以上50μm以下である。被酸化性磁性体粉末の粒子の粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD-300V、島津製作所製)を用いて湿式法で測定し、メジアン径を該粒径とした。
塗布液3に含まれる炭素成分としては、発熱体1Dにおいて空気中の酸素と被酸化性磁性体粉末との酸化反応を促進し得る機能を有しているものが用いられ、具体的には、水分保持剤としての機能に加えて、酸素保持剤及び被酸化性磁性体粉末への酸素供給剤としての機能も有しているものが好ましく用いられる。炭素成分としては、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭等)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの炭素成分は、通常、粉体である。炭素成分の粒子の粒径は、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは1μm以上、そして、好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは30μm以下、より具体的には、好ましくは0.1μm以上100μm以下、更に好ましくは1μm以上50μm以下、特に好ましくは1μm以上30μm以下である。炭素成分の粒子の粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD-300V、島津製作所製)を用いて湿式法で測定し、メジアン径を該粒径とした。
塗布液3に含まれる増粘剤は、主として、被酸化性磁性体粉末の粒子の沈降を抑制し、塗布液3に適度な流動性を付与するために使用されるもので、例えば、セルロース系、デンプン系、ポリ(メタ)アクリル酸(塩、エステル)系、シロップ系、海藻類、植物粘質物、微生物による粘質物、タンパク質系、多糖類系、有機系、無機系、合成系等の高分子成型助剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの増粘剤の中でも、特に多糖類系、とりわけキサンタンガムは本発明で好ましく用いられる。
塗布液3は、被酸化性磁性体粉末100質量部に対して、水を25質量部以上、特に35質量部以上含むことが好ましい。また塗布液3は、被酸化性磁性体粉末100質量部に対して、水を85質量部以下、特に75質量部以下含むことが好ましい。例えば塗布液3は、被酸化性磁性体粉末100質量部に対して、水を25質量部以上85質量部以下、特に35質量部以上75質量部以下含むことが好ましい。更に塗布液3中に含まれている水の割合は、塗布液3の全体の質量に対して18質量%、特に23質量%以上であることが好ましい。また塗布液3中に含まれている水の割合は、塗布液3の全体の質量に対して48質量%以下、特に43質量%以下であることが好ましい。例えば塗布液3中に含まれている水の割合は18質量%以上48質量%以下、特に23質量%以上43質量%以下であることが好ましい。
塗布液3の粘度は23℃・50RHにおいて、好ましくは500mPa・s以上、特に好ましくは1000mPa・s以上であり、好ましくは30000mPa・s以下、特に好ましくは15000mPa・s以下、更に特に好ましくは10000mPa・s以下であり、例えば、500~30000mPa・s、特に1000~15000mPa・s、とりわけ1000~10000mPa・sであることが好ましい。粘粘度の測定には、B型粘度計の4号ローターを用いた。測定は、ローターを6rpmで回転させて行った。
発熱体1Dを挟む2枚の帯状シート51,52としては、各種公知のシート材を用いることができ、例えば、各種製法による不織布、樹脂フィルム、これらの積層体等が用いられる。2枚の帯状シート51,52は、発熱体1Dに酸素を取り込むために、少なくとも一方が通気性材料であることが好ましく、他方は通気性材料であっても非通気性材料であってもよい。
以上、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば上記実施態様においては、長尺シート部材1Cは、積層構造を有するものであったが、単層構造のものであっても良い。また3層に代えて2層構造のものであっても良く、4層又は5層構造のものであっても良い。発熱具は、例えば、そのまま、若しくは、肌触りの良い不織布等からなる包材に包んだ後、人体に直接適用されるか、又は衣類に適用されて、人体の加温に好適に用いられる。人体における適用部位としては例えば肩、首、目、腰、肘、膝、太腿、下腿、腹、下腹部、手、足裏などが挙げられる。また、人体のほかに、各種の物品に適用されてその加温や保温等にも好適に用いられる。また、本発明により製造される発熱体は、上記のような加温具の発熱部に用いられる他、他の構成の発熱具や、他の用途に用いることもできる。
1A 第1基材シート
1B 第2基材シート
1C 長尺シート部材
1D 発熱体
1E 発熱具
2 発熱組成物
5 発熱層
10 長尺シート部材製造部
20 切断前搬送部
30 切断及び間隔調整部
31 切断装置
32 カッターローラ(ダイカットローラ)
33 カッター刃
34 受けローラ(アンビルローラ)
35 ベルトコンベア
37 無端ベルト
38 サクションボックス
50 発熱具製造部
51,52 帯状シート
1E 発熱具
100 発熱体の製造装置

Claims (8)

  1. 被酸化性金属粉末を含む長尺シート部材を所定の間隔で切断して複数枚の枚葉の発熱体を製造する発熱体の製造方法であって、
    被酸化性金属粉末を含む長尺シート部材に電解質を散布する発熱層形成工程と、
    電解質散布後の前記長尺シート部材を、周面にカッター刃を有するカッターローラと該カッターローラに対向配置された受けローラとを備えた切断装置における該受けローラ上に連続的に導入する導入工程、
    前記受けローラ上に導入された前記長尺シート部材を該受けローラ上において前記カッター刃により切断し、搬送方向に並んだ枚葉の発熱体を生じさせる切断工程、及び、
    前記発熱体を、前記受けローラ上から他の搬送装置上に転移させ、その転移の際に、前記発熱体の配置ピッチを、前記受けローラ上の第1の配置ピッチより大きい第2の配置ピッチに拡大させるリピッチ工程を具備し、
    前記導入工程においては、前記長尺シート部材を第1の速度で前記受けローラ上に導入し、
    前記切断工程においては、切断により生じた前記発熱体を、前記第1の速度よりも周速が速い前記受けローラの周面上に保持して搬送することで、前記第1の配置ピッチを、前記発熱体の搬送方向の長さより長い配置ピッチとし、
    前記受けローラの周速が、前記第1の速度に対して100%超130%未満の速度である、発熱体の製造方法。
  2. 前記発熱層形成工程前に、長尺状の基材シートに、前記被酸化性金属粉末を含む塗布液を塗布する工程を備える、請求項1に記載の発熱体の製造方法。
  3. 前記受けローラを、前記カッター刃による切断が行われる切断部から、前記発熱体を前記他の搬送装置上に転移させる送り部の直前までの範囲のうちの該送り部側の部分では、吸引孔又は磁力による引き付け力が生じる一方、前記送り部から前記切断部までの範囲のうちの該切断部側の部分では、吸引孔又は磁力による引き付け力が生じないようにして、
    前記導入工程においては、前記長尺シート部材を、切断前の該長尺シート部材と前記受けローラの周面との間に滑りが生じるように導入する、請求項1又は2に記載の発熱体の製造方法。
  4. 前記他の搬送装置による被搬送物の搬送速度が、前記受けローラの周速より速く、
    前記第1の速度をV1、前記受けローラの周速をV2、前記他の搬送装置による前記発熱体の搬送速度をV3としたときに、V1<V2<V3の関係を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の発熱体の製造方法。
  5. 前記長尺シート部材が
    (1)帯状の第1基材シート、該第1基材シートの片面に設けられた被酸化性金属粉末を含む塗布層及び該塗布層上に設けられた帯状の第2基材シートを有する積層体
    (2)含水状態の積層体、又は
    (3)上記(1)及び(2)の両方に該当する積層体である、請求項1~の何れか1項に記載の発熱体の製造方法。
  6. 前記長尺シート部材が、含水状態の積層体であり、前記切断装置により切断する際に、前記受けローラ側に向けられる面の水分量が、前記カッターローラ側に向けられる面の水分量よりも低い、請求項1~の何れか1項に記載の発熱体の製造方法。
  7. 前記長尺シート部材が、被酸化性金属粉末を含む塗布層を有する含水状態の積層体であり、含水状態であるか否かは、前記積層体の中に含まれる前記塗布層の水分率が20%以上である場合に含水状態であると判断される、請求項5又は6に記載の発熱体の製造方法。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の発熱体の製造方法で順次得られる枚葉の発熱体を、2枚の帯状シート間に挟んだ後、前記発熱体が存在しない部位において、前記2枚の帯状シート間の接合及び該2枚の帯状シートの切断を行い、個々に分離された複数枚の発熱具を製造する、発熱具の製造方法。
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