JP7021498B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、高いガスバリア性が必要とされる食品、医薬品の包装材料や、太陽電池、電子ペーパー、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの電子部品の材料に使用される積層体に関する。
フィルム基材の表面に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)、または、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等を利用して、無機物(無機酸化物を含む)の蒸着層を形成してなるガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素などの各種ガスの遮断を必要とする食品や医薬品などの包装材および電子ペーパー、太陽電池などの電子デバイス部材として用いられており、それらの部材において、水蒸気透過度で1.0×10-4g/m・24hr・atm以下の高いガスバリア性が求められている。
高いガスバリア性を満たす方法の1つとして、有機層と無機層を交互に多層積層させることで、穴埋め効果により欠陥の発生を防止したガスバリア性フィルム(特許文献1)や、ZnOとSiOを主成分とするターゲットを用いてスパッタリングすることで、ZnO-SiO系膜をフィルム基材上に形成したガスバリア性フィルム(特許文献2)が提案されている。
特開2005-324406号公報(特許請求の範囲) 特開2013-147710公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1のように有機層と無機層を交互に多層積層させることにより、高いバリア性を発現させることは可能であるが、積層させることから工程数が多くなり高コストとなる問題点があった。また、特許文献2のようにZnOとSiOを主成分としたガスバリア層を形成する積層体は、ガスバリア層の膜厚を薄くすると耐擦傷性に乏しくなり、フィルム搬送や後加工時にキズがつきやすくなる問題があった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、低コストかつシンプルな構成でも高度なガスバリア性を有し、さらに、耐擦傷性に優れ、フィルム搬送や後工程時にキズがつきにくく、また、耐薬品性に優れ、有機EL素子作製時に使用されるエッチング液に耐性を有する積層体を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、
(1)基材の少なくとも片面に、亜鉛およびケイ素を含む第1層と、ケイ素およびケイ素以外の金属元素を含む第2層とを基材側からこの順に有する積層体であり、前記第2層の膜密度が2.5~7.0g/cmである積層体。
(2)前記ケイ素以外の金属元素が、スズ、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、タンタル、ガリウム、ゲルマニウムおよびインジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素である(1)に記載の積層体。
(3)前記第1層が、酸化亜鉛、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む(1)または(2)に記載の積層体。
(4)前記第2層が、酸化スズおよび酸化ケイ素を含む(1)~(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)前記基材と前記第1層との間にアンカーコート層を有する(1)~(4)のいずれかに記載の積層体。
(6)前記第1層が、X線光電子分光により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が3~37atm%、ケイ素(Si)原子濃度が5~20atm%、アルミニウム(Al)原子濃度が1~7atm%、酸素(O)原子濃度が50~70atm%である(1)~(5)のいずれかに記載の積層体。
(7)前記第2層がスズを含み、かつX線光電子分光により測定されるスズ(Sn)原子濃度が10~30atm%、ケイ素(Si)原子濃度が10~30atm%、酸素(O)原子濃度が50~75atm%である(1)~(6)のいずれかに記載の積層体。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の積層体上に、陽電極層、発光ユニット、陰電極層を積層体側からこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
水蒸気に対する高度なガスバリア性と耐擦傷性を有する積層体を提供することができる。
本発明の積層体の一例を示した断面図である。 本発明の積層体の一例を示した断面図である。 本発明の積層体を製造するための巻き取り式のスパッタリング装置を模式的に示す概略図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示した断面図である。
[積層体]
本発明の積層体は、基材の少なくとも片面に、亜鉛およびケイ素を含む第1層と、ケイ素およびケイ素以外の金属元素を含む第2層とを基材側からこの順に有する積層体であり、前記第2層の膜密度が2.5~7.0g/cmである積層体である。
第1層に含まれる亜鉛は、酸化亜鉛、硫化亜鉛、窒化亜鉛、それらの混合物等が用いられることが好ましく、ガスバリア性の観点から酸化亜鉛および/または硫化亜鉛がより好ましい。光学特性の観点から、酸化亜鉛がさらに好ましい。
第1層を具備することで極薄膜(数10nm)でも緻密膜を形成し、高いガスバリア性を発現できるため、積層体の構成においても高度なガスバリア性を発現できる。
第2層を具備することで、第1層の欠陥を埋めることによりガスバリア性を補完し、さらに、第2層の膜密度が2.5~7.0g/cmであることで緻密な膜が形成されることとなるため耐擦傷性、耐薬品性を付与することができる。
第1層に含まれるケイ素の形態は、酸化物、窒化物、酸化窒化物、炭化物などに限定されないが、ガスバリア性などの観点から、酸化物、窒化物、酸化窒化物として存在することが好ましい。非晶質膜を形成することやガスバリア性の観点から、酸化物、窒化物、酸化窒化物および炭化物からなる群より選ばれる少なくとも1つのケイ素化合物として含有されていることがより好ましい。
第2層に含まれるケイ素の形態は、酸化物、窒化物、酸化窒化物、炭化物などに限定されないが、ガスバリア性などの観点から、酸化物、窒化物、酸化窒化物として存在することが好ましい。非晶質膜を形成することやガスバリア性の観点から、酸化物、窒化物、酸化窒化物および炭化物からなる群より選ばれる少なくとも1つのケイ素化合物として含有されていることがより好ましい。
第2層に含まれるケイ素以外の金属元素は、スズ、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、タンタル、ガリウム、ゲルマニウムおよびインジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素であることが好ましい。第2層に含まれるケイ素以外の金属元素の形態として、酸化物、窒化物、酸化窒化物、炭化物などに限定されないが、ガスバリア性などの観点から、酸化物、窒化物、酸化窒化物として存在することが好ましい。上述のとおり第2層はケイ素およびケイ素以外の金属元素を含んでいれば、上記以外の無機化合物が含まれていても構わない。
本発明において、第1層と第2層とを基材側からこの順に有することが好ましい。第1層は亜鉛およびケイ素を含むことで極薄膜(数10nm)でも緻密膜を形成することができるため、高いガスバリア性を発現できる。亜鉛およびケイ素の形態としては特に限定されないが、緻密膜を形成する観点より複合酸化物(ZnSiO)の状態で存在することが好ましい。第1層上に第2層を形成し、第1層の欠陥を埋めることによりガスバリア性を補完し、さらに耐擦傷性、耐薬品性を付与することができる。第1層と第2層を入れ替えた場合には、所望のガスバリア性及び耐擦傷性、耐薬品性が得られない場合がある。
第2層の膜密度は2.5~7.0g/cmの範囲であることが好ましい。第2層の膜密度が2.5g/cmより小さくなると、第2層の緻密性が低下し、十分なガスバリア性が得られない、または耐擦傷性が不十分になる場合がある。膜密度が7.0g/cmより大きくなると、過剰に緻密になることからクラックが入りやすくなる場合がある。ゆえに第2層の膜密度は2.5~7.0g/cmの範囲であることが好ましく、3.0~6.0g/cmの範囲であることがより好ましい。
本発明において、第2層の膜密度はX線反射率法(XRR法)(「X線反射率入門」(桜井健次編集)p.51~78)により測定する値である。具体的には、まずX線源からX線を発生させ、多層膜ミラーにて平行ビームにした後、入射スリットを通してX線角度を制限し、測定試料に入射させる。X線の試料への入射角度を測定する試料表面とほぼ平行な浅い角度で入射させることによって、試料の各層、基材界面で反射、干渉したX線の反射ビームが発生する。発生した反射ビームを受光スリットに通して必要なX線角度に制限した後、ディテクタに入射させることでX線強度を測定する。本方法を用いて、X線の入射角度を連続的に変化させることによって、各入射角度における全反射X線強度プロファイルを得ることができる。
各層の膜密度の解析方法としては、得られたX線の入射角度に対する全反射X線強度プロファイルの実測データをParrattの理論式に非線形最小二乗法でフィッティングさせることで求められる(「X線反射率入門」(桜井健次編集)p.81~141参照)。具体的な解析方法は実施例の項で述べる。
第1層及び第2層の形成方法は特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、原子層堆積(ALD)などによって形成できる。これらの方法の中でも、安価、簡便かつ所望の性質を得られる手法として、スパッタリング法が好ましい。また、スパッタリング法は枚葉式、ロールツーロールなどはいずれでもよい。図3にはロールツーロール装置の一例を示す。 第1層の組成比率はX線光電子分光法(XPS法)により測定することができる。スパッタエッチングにより第2層を除去した後、各元素の含有比率を測定する。第1層の厚みが1/2となる位置まで、表層側からアルゴンイオンエッチングにより層を除去して各元素の含有比率を測定する。第1層の組成比率は、亜鉛(Zn)原子濃度が3~37atm%、ケイ素(Si)原子濃度が5~20atm%、アルミニウム(Al)原子濃度が1~7atm%、酸素(O)原子濃度が50~70atm%の範囲にあることが好ましい。亜鉛原子濃度が3atm%よりも少ない、またはケイ素原子濃度が20atm%よりも多いと、第1層を柔軟性の高い性質にする亜鉛原子の割合が少なくなるため、ガスバリア性フィルムの柔軟性が低下する場合がある。亜鉛原子濃度が37atm%よりも多い、またはケイ素原子濃度が5atm%よりも少ないと、ケイ素原子の割合が少なくなることで第1層は結晶層になりやすく、クラックが入りやすくなる場合がある。アルミニウム原子濃度が1atm%よりも少ないと、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が損なわれるため、第1層には空隙や欠陥が生じやすくなる場合がある。また、アルミニウム原子濃度が7atm%よりも多いと、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が過剰に高くなるため、熱や外部からの応力に対してクラックが生じやすくなる場合がある。酸素原子濃度が50atm%よりも少ないと、亜鉛、ケイ素、アルミニウムは酸化不足となり、光線透過率が低下する場合がある。また、酸素原子濃度が70atm%よりも多いと、酸素が過剰に取り込まれるため、空隙や欠陥が増加し、ガスバリア性が低下する場合がある。
本発明における第1層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察で得ることができる。第1層の厚みは5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。厚みが5nmよりも薄いと層として形成されない領域が発生し、十分にガスバリア性が確保できない場合がある。また、第1層の厚みは300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。第1層の厚みが300nmよりも厚いとクラックが入りやすくなったり耐屈曲性が低下したりする場合がある。
第2層の組成比率は第1層同様にXPS法により測定することができる。層の厚みが1/2となる位置まで、表層からアルゴンイオンエッチングにより層を除去して各元素の含有比率を測定する。
第2層がスズを含み、かつXPS法により測定されるスズ(Sn)原子濃度が10~30atm%、ケイ素(Si)原子濃度が10~30atm%、酸素(O)原子濃度が50~75atm%の範囲であることが好ましい。スズ原子濃度が10atm%よりも少ない、またはケイ素原子濃度が30atm%よりも多いと、所望の耐擦傷性が得られない場合がある。また、スズ原子濃度30atm%よりも多い、またはケイ素原子濃度が10atm%よりも少ないと、所望のガスバリア性が発現しない、光学特性が低下する、等の問題が生じる場合がある。
本発明における第2層の厚みは、第1層と同様に透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察で得ることができる。第2層の厚みは10nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。厚みが10nmよりも薄いと層として形成されない領域が発生し、十分にガスバリア性が確保できない場合や耐擦傷性、耐薬品性が得られない場合がある。また、第2層の厚みは200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。第2層の厚みが200nmよりも厚いとクラックが入りやすくなったり耐屈曲性が低下したりする場合がある。
[基材]
本発明に用いられる基材は、柔軟性を確保する観点からフィルム形態を有することが好ましい。フィルムの構成としては、単層フィルム、または2層以上の、例えば、共押し出し法で製膜したフィルムであってもよい。フィルムの種類としては、一軸方向あるいは二軸方向に延伸されたフィルム等を使用してもよい。
本発明に用いられる基材の素材は特に限定されないが、有機高分子を主たる構成成分とするものであることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィン、環状構造を有する非晶性環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、透明性や汎用性、機械特性に優れた非晶性環状ポリオレフィンまたはポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。また、前記有機高分子は、単独重合体、共重合体のいずれでもよいし、有機高分子として1種類のみを用いてもよいし、複数種類をブレンドして用いてもよい。
基材の第1層を形成する側の表面には、密着性や平滑性を良くするためにコロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、イオンボンバード処理、溶剤処理、有機物もしくは無機物またはそれらの混合物で構成されるアンカーコート層の形成処理、等の前処理が施されていてもよい。また、第1層を形成する側の反対側には、基材の巻き取り時の滑り性の向上を目的として、有機物や無機物あるいはこれらの混合物のコーティング層が積層されていてもよい。
本発明に使用する基材の厚みは特に限定されないが、柔軟性を確保する観点から500μm以下が好ましく、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から5μm以上が好ましい。さらに、フィルムの加工やハンドリングの容易性から基材の厚みは10μm以上、200μm以下がより好ましい。
[アンカーコート層]
本発明の積層体には、前記基材と前記第1層との間にアンカーコート層を設けることが好ましい。さらに、前記基材と前記第1層との間に芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を架橋して得られる構造を含むアンカーコート層を設けることがより好ましい。基材上に突起や傷などの欠点が存在する場合、前記欠点を起点に基材上に積層する第1層にもピンホールやクラックが発生してガスバリア性や耐屈曲性が損なわれる場合があるため、アンカーコート層を設けることが好ましい。また、基材と第1層との熱寸法安定性差が大きい場合もガスバリア性や耐屈曲性が低下する場合があるため、アンカーコート層を設けることが好ましい。また、本発明に用いられるアンカーコート層は、熱寸法安定性、耐屈曲性の観点から芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含有することが好ましく、さらに、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、有機ケイ素化合物および/または無機ケイ素化合物を含有することがより好ましい。
本発明に用いられる芳香族環構造を有するポリウレタン化合物は、主鎖あるいは側鎖に芳香族環およびウレタン結合を有するものであり、例えば、分子内に水酸基と芳香族環とを有するエポキシ(メタ)アクリレート、ジオール化合物、ジイソシアネート化合物とを重合させて得ることができる。
分子内に水酸基と芳香族環とを有するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールF型、レゾルシン、ヒドロキノン等の芳香族グリコールのジエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸誘導体とを反応させて得ることができる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2,4-ジメチル-2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、4,4’-チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’-メチレンジフェノール、4,4’-(2-ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’-ジヒドロキシビフェノール、o-,m-,及びp-ジヒドロキシベンゼン、4,4’-イソプロピリデンフェノール、4,4’-イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、ビスフェノールAなどを用いることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等の脂環族系イソシアネート化合物、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族系イソシアネート化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
前記分子内に水酸基と芳香族環とを有するエポキシ(メタ)アクリレート、ジオール化合物、ジイソシアネート化合物の成分比率は所望の重量平均分子量になる範囲であれば特に限定されない。本発明における芳香族環構造を有するポリウレタン化合物の重量平均分子量(Mw)は、5,000~100,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が5,000~100,000であれば、得られる硬化皮膜の熱寸法安定性、耐屈曲性が優れるため好ましい。なお、本発明における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用いて測定され標準ポリスチレンで換算された値である。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシアクリレート等を挙げられる。これらの中でも、熱寸法安定性、表面保護性能に優れた多官能(メタ)アクリレートが好ましい。また、これらは単一の組成で用いてもよいし、二成分以上を混合して使用してもよい。
エチレン性不飽和化合物の含有量は特に限定されないが、熱寸法安定性、表面保護性能の観点から、芳香族環構造を有するポリウレタン化合物との合計量100質量%中、5~90質量%の範囲であることが好ましく、10~80質量%の範囲であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、本発明の積層体のガスバリア性および耐屈曲性を保持することができれば素材は特に限定されない。本発明に好適に用いることができる光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルーケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等のチタノセン系光重合開始剤、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(0-ベンゾイルオキシム)]等オキシムエステル構造を持つ光重合開始剤等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性、表面保護性能の観点から、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルーケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドから選ばれる光重合開始剤が好ましい。また、これらは単一の組成で用いてもよいし、二成分以上を混合して使用してもよい。
光重合開始剤の含有量は特に限定されないが、硬化性、表面保護性能の観点から、重合性成分の合計量100質量%中、0.01~10質量%の範囲であることが好ましく、0.1~5質量%の範囲であることがより好ましい。
有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性、活性エネルギー線照射による重合活性の観点から、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1つの有機ケイ素化合物が好ましい。また、これらは単一の組成で用いてもよいし、二成分以上を混合して使用してもよい。
有機ケイ素化合物の含有量は特に限定されないが、硬化性、表面保護性能の観点から、重合性成分の合計量100質量%中、0.01~10質量%の範囲であることが好ましく、0.1~5質量%の範囲であることがより好ましい。
無機ケイ素化合物としては、表面保護性能、透明性の観点からシリカ粒子が好ましく、さらにシリカ粒子の一次粒子径が1~300nmの範囲であることが好ましく、5~80nmの範囲であることがより好ましい。なお、ここでいう一次粒子径とは、ガス吸着法により求めた比表面積sを下記の式(1)に適用することで求められる粒子直径dを指す。
d=6/ρs ・・・ (1)
ρ:密度。
アンカーコート層の厚みは、200nm以上、4,000nm以下が好ましく、300nm以上、2,000nm以下がより好ましく、500nm以上、1,000nm以下がさらに好ましい。アンカーコート層の厚みが200nmより薄くなると、基材上に存在する突起や傷などの欠点の悪影響を抑制できない場合がある。アンカーコート層の厚みが4,000nmより厚くなると、アンカーコート層の平滑性が低下して前記アンカーコート層上に積層する第1層表面の凹凸形状も大きくなり、積層されるスパッタ粒子間に隙間ができるため、膜質が緻密になりにくく、ガスバリア性の向上効果が得られにくくなる場合がある。ここでアンカーコート層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察画像から測定することが可能である。
アンカーコート層の中心面平均粗さSRaは、10nm以下であることが好ましい。SRaを10nm以下にすると、アンカーコート層上に均質な第1層を形成しやすくなり、ガスバリア性の繰り返し再現性が向上するため好ましい。アンカーコート層の表面のSRaが10nmより大きくなると、アンカーコート層上の第1層表面の凹凸形状も大きくなり、積層されるスパッタ粒子間に隙間ができるため、膜質が緻密になりにくく、ガスバリア性の向上効果が得られにくくなる場合があり、また、凹凸が多い部分で応力集中によるクラックが発生し易いため、ガスバリア性の繰り返し再現性が低下する原因となる場合がある。従って、本発明においては、アンカーコート層のSRaを10nm以下にすることが好ましく、より好ましくは7nm以下である。
本発明におけるアンカーコート層のSRaは、三次元表面粗さ測定機を用いて測定することができる。
本発明の積層体にアンカーコート層を適用する場合、アンカーコート層を形成する樹脂を含む塗液の塗布手段としては、まず基材上に芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む塗料を乾燥後の厚みが所望の厚みになるよう固形分濃度を調整し、例えばリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法などにより塗布することが好ましい。また、本発明においては、塗工適性の観点から有機溶剤を用いて芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む塗料を希釈することが好ましい。
具体的には、キシレン、トルエン、メチルシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ジブチルエーテル、エチルブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤などを用いて、固形分濃度が10質量%以下に希釈して使用することが好ましい。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また、アンカーコート層を形成する塗料には、各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、触媒、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などを用いることができる。
次いで、塗布後の塗膜を乾燥させて希釈溶剤を除去することが好ましい。ここで、乾燥に用いられる熱源としては特に制限は無く、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターなど任意の熱源を用いることができる。なお、ガスバリア性向上のため、加熱温度は50~150℃で行うことが好ましい。また、加熱処理時間は数秒~1時間行うことが好ましい。さらに、加熱処理中は温度が一定であってもよく、徐々に温度を変化させてもよい。また、乾燥処理中は湿度を相対湿度で20~90%RHの範囲で調整しながら加熱処理してもよい。前記加熱処理は、大気中もしくは不活性ガスを封入しながら行ってもよい。
次に、乾燥後の芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む塗膜に活性エネルギー線照射処理を施して前記塗膜を架橋させて、アンカーコート層を形成することが好ましい。
かかる場合に適用する活性エネルギー線としては、アンカーコート層を硬化させることができれば特に制限はないが、汎用性、効率の観点から紫外線処理を用いることが好ましい。紫外線発生源としては、高圧水銀ランプメタルハライドランプ、マイクロ波方式無電極ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ等、既知のものを用いることができる。また、活性エネルギー線は、硬化効率の観点から窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で用いることが好ましい。紫外線処理としては、大気圧下または減圧下のどちらでも構わないが、汎用性、生産効率の観点から本発明では大気圧下にて紫外線処理を行うことが好ましい。前記紫外線処理を行う際の酸素濃度は、アンカーコート層の架橋度制御の観点から酸素ガス分圧は1.0%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。相対湿度は任意でよい。
紫外線発生源としては、高圧水銀ランプメタルハライドランプ、マイクロ波方式無電極ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ等、既知のものを用いることができる。
紫外線照射の積算光量は0.1~1.0J/cmであることが好ましく、0.2~0.6J/cmがより好ましい。前記積算光量が0.1J/cm以上であれば所望のアンカーコート層の架橋度が得られるため好ましい。また、前記積算光量が1.0J/cm以下であれば基材へのダメージを少なくすることができるため好ましい。
[その他の層]
本発明の積層体の最表面の上には、ガスバリア性が低下しない範囲で耐擦傷性のさらなる向上を目的としたハードコート層を形成してもよいし、有機高分子化合物からなるフィルムをラミネートした積層構成としてもよい。また、耐薬品性のさらなる向上を目的とした層を形成してもよい。なお、ここでいう最表面とは、基材上に第1層および第2層がこの順に積層された後の、第1層と接していない側の第2層の表面をいう。
[積層体の用途]
本発明の積層体は高いガスバリア性と耐擦傷性、耐薬品性を有するため、ガスバリア性フィルムとして好適に用いることができる。また、本発明の積層体は、様々な電子デバイスに用いることができる。例えば、太陽電池のバックシートやフレキシブル回路基材、有機EL照明、フレキシブル有機ELディスプレイのような電子デバイスに好適に用いることができる。さらに、高いガスバリア性を活かして、電子デバイス以外にも、食品や電子部品の包装用フィルム等として好適に用いることができる。
[有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子]
本発明の有機EL素子は、前記積層体上に陽電極層、発光ユニット、陰電極層を積層体側からこの順に有する。有機EL素子の性質上、陽電極層および陰電極層のうち少なくとも一方は、透明であることが好ましい。
(陽電極層)
有機EL素子に用いる陽電極層は、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光ユニットの用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。陽電極層は、通常透明電極として設けられる。
陽電極層には、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。具体的には、金、銀等の金属やそれらの金属を主成分とする合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの有機導電性材料、金属と導電性金属酸化物との混合物や積層体などが挙げられる。高導電性や透明性等の観点から、ITOや銀、銀を主成分とする合金が好ましい。
陽電極層は、印刷方式やコーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、材料の適正を考慮して適した方法によって、前記積層体上に形成することができる。陽電極層は積層体上の全面に形成されていてもよく、パターンが形成されていてもよい。陽電極層のパターニングはパターンを形成できれば特に方法は問わないが、マスクを用いた湿式エッチングや蒸着、スパッタリング等により行うことができるし、フォトリソグラフィーなどによる化学エッチング、レーザーなどによる物理エッチング、などによって行うことができる。
陽電極層の膜厚は材料によって適宜選択可能であるが、通常10nm~5μm程度であり、好ましくは10~500nmである。
(発光ユニット)
発光ユニットの構造として、正孔輸送層/電子注入層兼発光層、正孔輸送層/発光層/電子輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/電子注入層、などが考えられるが、公知の構成であればどのような構成であっても構わない。以下にそれぞれの構成の詳細を記載する。
(1)正孔注入層
正孔注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陽電極層と発光層の間に設けられる層のことであり、陽電極層から発光層への注入障壁を下げる役割をする。
正孔注入層は、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー、等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層の厚さは、駆動電圧を下げる観点から、500nm以下であることが好ましい。さらに、0.1nm~200nmであるのが好ましく、0.5nm~100nmであるのがより好ましい。正孔注入層は、上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、形成することができる。
(2)正孔輸送層
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔注入層や電子阻止層も正孔輸送層としての機能を兼ねることができる。正孔輸送層は、単層又は複数層設けることができる。正孔輸送層は、下記材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよい。
正孔輸送層に用いられる材料は、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有し、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。特に、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げる観点から、500nm以下であることが好ましい。0.1nm~200nmであるのがより好ましく、0.5nm~100nmであるのがさらに好ましい。正孔注入層は、上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔輸送層は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、形成することができる。
(3)電子輸送層
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する電子輸送材料からなり、電子注入層や正孔阻止層も電子輸送層としての機能を兼ねることができる。電子輸送層は、単層又は複数層設けることができる。正孔輸送層は、下記材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよい。
電子輸送層に用いられる材料は、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8 - キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を用いることができる。
電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げる観点から、500nm以下であることが好ましい。0.1nm~200nmであるのがより好ましく、0.5nm~100nmであるのがさらに好ましい。電子輸送層は、上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(4)電子注入層
電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陰電極層と発光層の間に設けられる層のことであり、陰電極層から発光層への注入障壁を下げる役割をする。
電子注入層に用いられる材料は、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層の厚さは、駆動電圧を下げる観点から、500nm以下であることが好ましい。0.1nm~200nmであるのがより好ましく、0.5nm~100nmであるのがさらに好ましい。電子注入層は、上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、形成することができる。
(5)発光層
発光層は、陰電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。発光層は、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成に特に制限はない。
発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電子輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料と正孔輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
発光層は、発光材料やホスト化合物を、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜形成方法により形成することができる。
発光層の膜厚は、1~200nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1~50nmの範囲内であることがより好ましい。
発光層に含有されるホスト材料としては、公知のホスト材料を単独で用いてもよく、又は複数種用いてもよい。ホスト材料を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、発光材料を複数種用いることで、任意の発光色を得ることができる。
ホスト材料としては、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するものおよびアリールシラン骨格を有するものや、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料等が挙げられる。
蛍光発光材料としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8 - キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
燐光発光材料は、遷移金属原子またはランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、および白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムなどが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、およびガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、ハロゲン配位子(例えば、塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど) 、ジケトン配位子( 例えば、アセチルアセトンなど) 、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など) 、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を1つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。また、異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
燐光発光材料は、発光層中に、0.1~40質量%含有されることが好ましく、0.5~20質量%含有されることがより好ましい。燐光発光材料の濃度比が発光層の厚さ方向で変化していても構わない。
(陰電極層)
陰電極層には、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウム-アルミニウム合金、マグネシウム-銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。電子注入性や耐久性等の観点から、2種以上を混合して使用することができる。また、電気注入性や保存安定性の観点からアルミニウムを主成分とする材料が好ましい。アルミニウムを主成分とする材料とは、アルミニウム単体もしくはアルミニウムが70質量%以上含まれる合金もしくは混合物のことを言う。
陰電極層は、印刷方式やコーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、構成する材料との適性を考慮して適した方法を用いて形成することができる。陰電極層は積層体上の全面に形成されていてもよく、パターンが形成されていてもよい。陰電極層のパターニングはパターンを形成できれば特に方法は問わないが、マスクを用いた湿式エッチングや蒸着、スパッタリング等により行うことができるし、フォトリソグラフィーなどによる化学エッチング、レーザーなどによる物理エッチング、などによって行うことができる。
陰電極層の膜厚は材料によって適宜選択可能であるが、通常10nm~5μm程度であり、好ましくは10~500nmである。
[封止部材]
前記有機EL素子は、大気中の酸素や水分に非常に敏感であり、素子の劣化が見られるため、高い封止性能が要求されるため、適切な封止部材にて封止する必要がある。
封止部材は、有機EL素子の上面を覆う板状(フィルム状)の部材であって、接着部によって積層体側に固定される。また、封止部材は、封止膜であってもよい。このような封止部材は、有機EL素子の電極端子部分を露出させ、少なくとも発光ユニットを覆う状態で設けられている。また、封止部材に電極を設け、有機EL素子の電極端子部分と、封止部材の電極とを導通させる構成でもよい。
板状(フィルム状)の封止部材としては、ガラス基板、高分子樹脂基板、金属基板等が挙げられ、これらは素子を薄膜化できるという観点より薄型のフィルム状にして使用することが好ましい。
ガラス基板としては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、高分子樹脂基板としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィン、環状構造を有する非晶性環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマー等を挙げることができる。金属基板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブデン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。有機EL素子の発光側にもよるが、封止部材は透明であることが好ましい。さらに、全光線透過率が90%以上であるとより好ましい。
さらに、フィルム状とした高分子樹脂基板は、JIS K 7126-1-2006に準拠した方法で測定された水蒸気透過率(温度40℃、相対湿度90%RH)が1.0×10-3g/(m・24hr・atm)以下であることが好ましい。上記水蒸気透過率を満たす手段として、高分子樹脂基板上にガスバリア膜を形成することが好ましい。ガスバリア膜は、無機材料や有機材料を用いて構成される。無機材料としては、Si、Al、Zn、Mg、Sn、Zr、Ti、Nb等の金属酸化物や窒化物、酸窒化物、炭化物、弗化物等が用いられる。これらは単一材料でも混合物でも構わない。また、ガスバリア性の観点より無機材料と有機材料で形成された層を積層しても構わない。
ガスバリア膜の形成方法については、特に限定はなく、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、原子層堆積(ALD)法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。ガスバリア性などの観点から、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、プラズマCVD法、ALD法を用いることが好ましい。
また、封止部材を積層体側に固定する接着部は、封止部材と積層体とで有機EL素子を封止するためのシール剤として用いられる。接着部としては、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2-シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン系等のホットメルト型、エポキシ樹脂系等の紫外線効果型などを挙げられる。
なお、有機EL素子を構成する有機材料は、熱処理により劣化する場合がある。このため、接着部は、室温(25℃)から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、接着部中に乾燥剤を分散させておいてもよい。また、板状の封止部材と積層体と間に隙間が形成される場合、この間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空としたり、内部に吸湿性化合物を封入したりすることもできる。
吸湿性化合物としては、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
一方、封止部材として封止膜を用いる場合、有機EL素子における発光ユニットを完全に覆い、かつ有機EL素子の電極端子部分を露出させる状態で、積層体上に封止膜が設けられる。このような封止膜は、無機材料や有機材料を用いて構成される。無機材料としては、Si、Al、Zn、Mg、Sn、Zr、Ti、Nb等の金属酸化物や窒化物、酸窒化物、炭化物、弗化物等が用いられる。これらは単一材料でも混合物でも構わない。また、ガスバリア性の観点より無機材料と有機材料で形成された層を積層しても構わない。
封止膜の形成方法については、特に限定はなく、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、原子層堆積法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。ガスバリア性や発光ユニット等との段差追従性の観点から、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、プラズマCVD法、ALD法を用いることが好ましい。
[有機EL素子の用途]
本発明の有機EL素子は、照明装置やバックライトなどの各種の発光光源として用いることができる。静止画像や動画像を視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)や画像を投影するタイプのプロジェクション装置などに使用することができるが、用途は上述したものに限らない。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
(1)層の厚み
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム((株)日立製作所製 FB-2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118~119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製 H-9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、積層体の第1層、第2層、アンカーコート層の厚みを測定した。
(2)層の膜密度
積層体の各層の膜密度はX線反射率法(XRR法)を用いて評価を行った。すなわち、基材の上に形成された積層体に、斜方向からX線を照射し、入射X線強度に対する全反射X線強度の積層体表面への入射角度依存性を測定することにより、得られた反射波の全反射X線強度プロファイルを得た。その後、全反射X線強度プロファイルのシミュレーションフィッティングを行い、各層の厚み、膜密度を求めた。以下にフィッティングの方法を示す。
フィッティングは、層数、各層の厚み、各層の膜密度の各パラメーターに対して初期値を設定し、設定した構成から求まるX線強度プロファイルと実測データの残差の標準偏差が最小となるように最終的なパラメーターを決定する。フィッティングにおける初期値を決めるために、予め他の分析を行った。透過型電子顕微鏡(TEM)により層数および各層の厚み、X線光電子分光(XPS)により組成分析を行い、初期値を決定した。フィッティングの信頼性を示す指標として、一般に信頼性因子(R因子)が用いられる。本発明においては、積層数が最小でかつR因子が1.0%以下となるまでフィッティングし、層数、各層の厚み、各層の膜密度の各パラメーターを決定した。
なお、実施例においてはX線反射測定に用いた装置(Rigaku製SmartLab)の解析ソフトであるRigaku製Grobal Fitによりフィッティングを行った。解析を行う際には考えられうる最小の層数にてフィッティングを行い、R因子が1.0%以下とならない場合は、1層新たな層を追加した構成でフィッティングを行う。そして、R因子が1.0%以下となるところまでこれを継続して行い、他の分析結果と照らし合わせて妥当性を確認したうえで最終的な構造モデルとする。なお、1層新たな層を追加する場合、最適化後の残差二乗和が10%以上小さくなる場合は、層を追加した方が最もらしい構成と考えるため、層を1層追加した構成によりフィッティングを行う。
測定条件は下記の通りとした。
・装置 :Rigaku製SmartLab
・解析ソフト :Rigaku製Grobal Fit ver.2.0.8.0
・サンプルサイズ :30mm×40mm
・入射X線波長 :0.1541nm(CuKα1線)
・出力 :45kV、30mA
・入射スリットサイズ:0.05mm×5.0mm
・受光スリットサイズ:0.05mm×20.0mm
・測定範囲(θ) :0~3.0°
・ステップ(θ) :0.002° 。
(3)層の組成
積層体の各層の組成分析は、X線光電子分光法(XPS法)により行った。層の厚みが1/2となる位置まで、表層からアルゴンイオンエッチングにより層を除去して下記の条件で各元素の含有比率を測定した。XPS法の測定条件は下記の通りとした。
・装置 :ESCA 5800(アルバックファイ社製)
・励起X線 :monochromatic AlKα
・X線出力 :300W
・X線径 :800μm
・光電子脱出角度 :45°
・Arイオンエッチング :2.0kV、10mPa。
(4)水蒸気透過度(g/(m・24hr・atm))
積層体の水蒸気透過率は、温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cmの条件で、英国、テクノロックス(Technolox)社製の水蒸気透過率測定装置(機種名:DELTAPERM(登録商標))を使用して測定した。サンプル数は水準当たり2サンプル行った。2サンプルの測定を行い得たデータを平均し、小数点第2位を四捨五入し、当該水準における平均値を求め、その値を水蒸気透過度(g/(m・24hr・atm))とした。
(5)耐擦傷性試験
積層体表面の耐擦傷性は、平面摩耗試験機を用いて評価を行った。平面摩耗試験機にて試験を行った後、目視検査によりキズの有無を観察した。評価条件は下記の通りとした。
・装置:大栄科学精器製作所製平面摩耗試験機PA-300A
・摩耗子:スチールウール
・試験荷重:200g
・摩耗子往復速度:40回/分
・サンプルサイズ:100mm×50mm
以下の評価基準にしたがって評価した。
1:キズ無し
2:キズ10本以下
3:キズ11本以上。
(6)有機EL素子の評価
得られた有機EL素子にテクトロニクス社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電流を印加させたところ、いずれの有機EL素子も良好に発光した。
次に上記評価後、85℃・相対湿度85%下に24時間放置した後に同様の評価を行い、発光の有無を調べた。初期の発光面積に対して70%以上のものは○、70%未満のものは×とした。
(実施例1)
(芳香族環構造を有するポリウレタン化合物の合成)
5リットルの4つ口フラスコに、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(共栄社化学社製、商品名:エポキシエステル3000A)を300質量部、酢酸エチル710質量部を入れ、内温60℃になるよう加温した。合成触媒としてジラウリン酸ジ-n-ブチル錫0.2質量部を添加し、攪拌しながらジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネート(東京化成工業社製)200質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後2時間反応を続行し、続いてジエチレングリコール(和光純薬工業社製)25質量部を1時間かけて滴下した。滴下後5時間反応を続行し、重量平均分子量20,000の芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を得た。
(アンカーコート層の形成)
基材として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)U48)を用いた。
アンカーコート層形成用の塗液として、前記ポリウレタン化合物を150質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートDPE-6A)を20質量部、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルーケトン(BASFジャパン社製、商品名:IRGACURE 184)を5質量部、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名:KBM-503)を3質量部、酢酸エチルを170質量部、トルエンを350質量部、シクロヘキサノンを170質量部配合して塗液を調整した。次いで、塗液を基材上にマイクログラビアコーター(グラビア線番150UR、グラビア回転比100%)で塗布、100℃で1分間乾燥し、乾燥後、下記条件にて紫外線処理を施して厚み1,000nmのアンカーコート層を設けた。
紫外線処理装置:LH10-10Q-G(フュージョンUVシステムズ・ジャパン社製)
導入ガス:N(窒素イナートBOX)
紫外線発生源:マイクロ波方式無電極ランプ
積算光量:400mJ/cm
試料温調:室温。
(第1層の形成)
図3に示す巻き取り式のスパッタリング装置(以下、スパッタ装置)5を使用し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極12に設置し、アルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、前記基材1のアンカーコート表面に、第1層としてZnO-SiO-Al層を厚み10nmで設けた。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極12に酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの組成質量比が77/20/3(単位:質量%)で焼結されたスパッタターゲットを設置したスパッタ装置5の巻き取り室6の中で、巻き出しロール7に前記基材1の第1層を設ける側(アンカーコートが形成された側)の面がスパッタ電極12に対向するようにセットし、巻き出し、ガイドロール8,9,10を介して、温度100℃に制御されたメインドラム11に通した。次に、真空ポンプにより、スパッタ装置5内を減圧し、2.0×10-3Pa以下を得た。次に、真空度1.5×10-1Paとなるように酸素ガス分圧10%としてアルゴンガスおよび酸素ガスを導入し、直流パルス電源によりスパッタ電極12に投入電力3,000Wを印加することにより、アルゴン・酸素ガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記基材1のアンカーコート表面上にZnO-SiO-Al層を形成した。また、形成するZnO-SiO-Al層の厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、ガイドロール14,15,16を介して巻き取りロール17に巻き取った。
(第2層の形成)
第1層の形成に続いて、図3に示す構造のスパッタ装置を使用し、基材1の第1層上に、第2層を設けた。スズとケイ素で形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置し、アルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、前記基材1の第1層上に、第2層としてSnO-SiO層を厚み30nmで設けた。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極13にスズ/ケイ素の原子濃度が50/50atm%で焼結されたスパッタターゲットを設置したスパッタ装置5の巻き取り室6の中で、巻き出しロール7に前記基材1の第2層を設ける側(第1層が形成された側)の面がスパッタ電極13に対向するようにセットし、巻き出し、ガイドロール8,9,10を介して、温度100℃に制御されたメインドラム11に通した。次に、真空ポンプにより、スパッタ装置5内を減圧し、2.0×10-3Pa以下を得た。続いて、真空度5.0×10-1Paとなるように酸素ガス分圧50%としてアルゴンガスおよび酸素ガスを導入し、直流パルス電源によりスパッタ電極13に投入電力1,500Wを印加することにより、アルゴン・酸素ガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記基材1の第1層表面上にSnO-SiO層を形成した。また、形成するSnO-SiO層の厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、ガイドロール14,15,16を介して巻き取りロール17に巻き取り積層体を得た。
続いて、得られた積層体から試験片を切り出し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
(有機EL素子の作製)
25mm×25mmに切り出した積層体上に直流電源を用い、スパッタ法にてインジウム錫酸化物(ITO、インジウム/錫=95/5モル比)の陽電極層を形成した(厚み0.2μm)。得られた陽電極層付積層体の陽電極層表面にマスクパターンを配置し、レジストインクを用いてレジストパターンを印刷により形成した。得られたレジストパターンを100℃、10分間の条件で乾燥させた。次に、エッチング液(塩化鉄II:27質量%、塩酸:10質量%)に、レジストパターンを形成した部分を浸漬し、レジストパターンが形成されていない部分におけるITOを溶解除去した。
この陽電極層上に正孔注入層として銅フタロシアニン(CuPc)を真空蒸着法にて厚み20nmで設け、その上に正孔輸送層として、N,N’-ジナフチル-N,N’-ジフェニルベンジジンを真空蒸着法にて厚み40nmで設けた。この上にホスト材として4,4’-N,N’-ジカルバゾ-ルビフェニル、ドーパント材としてトリス(2-フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir(ppy))を100/4 の質量比になるように共蒸着して厚み40nmの発光層を得た。
さらにその上に電子輸送材としてトリス(8-キノリノラト)アルミニウムを真空蒸着法にて厚み50nmの電子輸送層を設けた。
この有機化合物層の上にパタ-ニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを厚み1nm 蒸着し、さらにアルミニウムを厚み100nm蒸着して陰電極層を設けた。陽電極層、陰電極層よりそれぞれアルミニウムのリード線を出して有機EL素子を作成した。該素子を窒素ガスで置換したグロ-ブボックス内に入れ、ガラスキャップと紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5493)で封止した。得られた有機EL素子に関して、評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例2)
第2層であるSnO-SiO層の形成において、スズ/ケイ素の原子濃度が62/38atm%で焼結されたスパッタターゲットを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
第2層であるSnO-SiO層の形成において、スズ/ケイ素の原子濃度が32/68atm%で焼結されたスパッタターゲットを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
第2層であるSnO-SiO層の形成において、膜厚50nm狙いで、フィルム搬送速度を調整した以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
第1層であるZnO-SiO-Al層の形成において、膜厚30nm狙いで、フィルム搬送速度を調整した以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を形成した。結果を表1に示す。
(実施例6)
第2層の形成において、ジルコニウム/ケイ素の原子濃度が33/67atm%で焼結されたスパッタターゲットを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(実施例7)
第1層であるZnO-SiO-Al層の形成において、膜厚50nm狙いで、フィルム搬送速度を調整し、第2層であるSnO-SiO層の形成において、膜厚30nm狙いで、フィルム搬送速度を調整した以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(実施例8)
第1層であるZnO-SiO-Al層の形成において、膜厚150nm狙いで、フィルム搬送速度を調整し、第2層であるSnO-SiO層の形成において、膜厚50nm狙いで、フィルム搬送速度を調整した以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
第1層であるZnO-SiO-Al層の形成において、膜厚40nm狙いで、フィルム搬送速度を調整し、第2層を形成しない以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を形成した。結果を表1に示す。
(比較例2)
第2層の形成において、ケイ素のスパッタターゲットを用い、膜厚50nm狙いで、フィルム搬送速度を調整した以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を形成した。結果を表1に示す。
(比較例3)
第2層の形成において、スズのスパッタターゲットを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を形成した。結果を表1に示す。
(比較例4)
第2層であるSnO-SiO層の形成において、スズ/ケイ素の原子濃度が3/97atm%で焼結されたスパッタターゲットを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1の第2層であるSnO-SiO層を第1層として形成し、次いで実施例1の第1層であるZnO-SiO-Al層を第2層として形成した以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1の第2層であるSnO-SiO層を第1層として、搬送速度を調整して膜厚40nm形成し、第2層を形成しない以外は、実施例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
(比較例7)
第1層であるZnO-SiO-Al層の形成において、膜厚150nm狙いで、フィルム搬送速度を調整した以外は、比較例1と同様にして積層体及び有機EL素子を得た。結果を表1に示す。
実施例1~8は、ガスバリア性は良好かつ耐擦傷性も良好である。一方で、比較例1~5、7ではガスバリア性は良好であるが、耐擦傷性に劣る。また、比較例6では耐擦傷性は良好あるが、ガスバリア性が劣る。つまり、本発明の構成を用いることでシンプルな構成でも高度なガスバリア性を有し、さらに、耐擦傷性に優れる積層体を得ることができる。
また、実施例1~8、比較例2~4の積層体を用いて作製された有機EL素子は、85℃・相対湿度85%下に24時間放置した後も良好に発光する。一方で、比較例1,5~7の積層体を用いて作製された有機EL素子は同様に放置後、発光は見られないもしくはほぼ発光しない結果であった。これは、比較例1、7は、第1層(ZnO-SiO-Al)はエッチング液に対する耐性がなく、陽電極層エッチング時に溶解してしまったために、ガスバリア性を発現しなくなったことによる。その結果、浸入した水分により発光ユニットが劣化した。比較例5も同様に第2層(ZnO-SiO-Al)のエッチング液に対する耐性がなく、陽電極層エッチング時に溶解してしまったために、ガスバリア性を発現しなくなったことによる。比較例6はエッチング時の第1層の溶解はないが、ガスバリア性が低いことにより結果として発光ユニットが劣化した。
Figure 0007021498000001
本発明の積層体は、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性に優れているので、例えば、食品、医薬品などの包装材および薄型テレビ、太陽電池などの電子デバイス用部材として有用に用いることができるが、用途がこれらに限定されるものではない。
1 基材
2 第1層
3 第2層
4 アンカーコート層
5 巻き取り式スパッタリング装置
6 巻き取り室
7 巻き出しロール
8,9,10 巻き出し側ガイドロール
11 メインドラム
12,13 スパッタ電極
14,15,16 巻き取り側ガイドロール
17 巻き取りロール
18 陽電極層
19 正孔注入層
20 正孔輸送層
21 発光層
22 電子輸送層
23 陰電極層
24 封止部材
25 接着部
26 積層体
27 発光ユニット

Claims (8)

  1. 基材の少なくとも片面に、亜鉛およびケイ素を含む第1層と、ケイ素およびケイ素以外の金属元素を含む第2層とを基材側からこの順に有する積層体であり、前記第2層の膜密度が4.21~7.0g/cmであり、前記第2層の膜厚が20nm以上である積層体。
  2. 前記ケイ素以外の金属元素が、スズ、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、タンタル、ガリウム、ゲルマニウムおよびインジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第1層が、酸化亜鉛、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記第2層が、酸化スズおよび酸化ケイ素を含む請求項1~3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記基材と前記第1層との間にアンカーコート層を有する請求項1~4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記第1層が、X線光電子分光により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が3~37atm%、ケイ素(Si)原子濃度が5~20atm%、アルミニウム(Al)原子濃度が1~7atm%、酸素(O)原子濃度が50~70atm%である請求項1~5のいずれかに記載の積層体。
  7. 前記第2層がスズを含み、かつX線光電子分光により測定されるスズ(Sn)原子濃度が10~30atm%、ケイ素(Si)原子濃度が10~30atm%、酸素(O)原子濃度が50~75atm%である請求項1~6のいずれかに記載の積層体。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の積層体上に、陽電極層、発光ユニット、陰電極層を積層体側からこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
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